金曜日, 8月 21, 2026
ホームつくばエスカレーター設置めぐり論戦 つくばセンタービル改修計画で市議会

エスカレーター設置めぐり論戦 つくばセンタービル改修計画で市議会

つくば市が進めているつくばセンタービル(同市吾妻)のリニューアル計画で、エスカレーター2基の設置の是非が市議会で議論になっている。27日開かれた市議会中心市街地まちづくり調査特別委(ヘイズ・ジョン委員長)で、2基のうち、ホテル日航つくば側に計画されている1基について、費用対効果や建物のデザインを守る観点から「エスカレーターは1基だけでいい」という意見と、にぎわいをつくる観点から「2つある方がよい」という意見に分かれた。

市は「今後の詳細設計の中で、1基は設置しないことも可能」とし「議会のまとまった意見を踏まえて今後協議していきたい」とした。

エスカレーターは、つくば駅前のペデストリアンデッキとつくばセンター広場の一体的利用を促進するためとし、市が、ホテル日航つくば2階入り口そばと、旧ライトオンビル前に計2基設置する計画だ。ホテル側では、センター広場の視認性を高めるためとして、エスカレーター設置と合わせて、つくばセンタービルの壁や階段を一部壊し、階段の形状を変更する計画が進んでいる。

エスカレーターと新たな階段が設置されれば壊される壁と階段。ノバホールから松見公園展望塔まで一直線につながる位置にある

議会では、2基のうち1基の、ホテル側のエスカレーターについて「(2階ペデストリアンデッキから1階センター広場までの)半分の踊り場までしか設置されない。費用も8700万円くらいかかり費用対効果の観点からするともったいない。エスカレーターは一つでいい」「(同センタービルを設計した)磯崎新氏のデザインを考えると、デザインの完成度が削られる」など、ホテル側のエスカレーター設置は必要ないとする意見が出された。

これに対し「この場所をより活性化させる観点から西側と北側に二つある方が自然。北側を削るとアクセス性が削られる」「にぎわいを取り戻すことであれば、あってもいい。目的がある人は今までも(センター広場に)下りた。エスカレーターがあれば子供は興味をもって乗り降りする。にぎわいを取り戻す、活性化が目的なら、あってもいい」など2基とも必要だとする意見とに分かれた。

市は6月にも実施設計を発注する予定で、エスカレーター設置の是非は議会で引き続き審議される。

歩車分離のノバホール脇階段にスロープ

一方、27日の特別委では、2020年度に策定されたリニューアル基本計画が明らかにされた。エスカレーター2基と階段の形状変更のほかに、土浦学園線沿いのノバホール脇の階段のほぼ半分をスロープにし、イベント開催時に荷物を運ぶ車が通行できるよう改修する計画も新たに示された。

ほぼ半分が改修されイベント用の車両が通行するスロープが設置される土浦学園線沿いのノバホール脇の階段。筑波研究学園都市は歩道と車道を分離する「歩車分離」を設計思想の一つとしてつくられた

ほかに、現在のつくばイノベ―ジョンプラザと市民活動センターの場所に、吾妻交流センター、市民活動センター、消費者生活センター、国際交流機能を集約し、市民窓口と併せて設置される市民活動拠点の配置計画図などが明らかにされた。

市民の要望 どれほどあったのか

27日の同特別委のやりとりは以下の通り。敬称略

小野泰宏市議 (センター広場の)視認性を高めるためというのがエスカレーターの設置目的だが、エスカレーターは踊り場まで半分しか設置されない。価格は8700万円くらい。費用対効果の観点からするともったいない。エスカレーターは(旧ライトオンビル側の)1カ所だけでいい。

市学園地区市街地振興課長 現在は駅の方から(センター広場が)見えにくい。広場の景観やデザインを損なわない範囲で(エスカレーターは)踊り場までとする。設置しないことも今後の詳細設計の中で可能。場合によって1基のみで検討することもあり得る。

市都市計画部長 今年度(リニューアルの)実施設計を行う。2段階で考え、後から(エスカレーターの)必要性を判断してつくるというやり方と、最初から削ってしまうことも考えられる。議会のまとまった意見を踏まえて、今後、協議していきたい。

山中真弓市議 高齢者や視覚障害者の中にはエスカレーターを使えない人もいる。だれのためにエスカレーターを設置するかを考えると(2基とも)いらない。

小森谷さやか市議 視覚障害者にも(エスカレーターを)使いたい人がいる。きちんと点字ブロックを設置して、音声のアナウンスがあればいい。実際に障害がある人に現場を見てもらって意見をいただく場がほしい。

黒田健祐市議 エスカレーターは西側と北側に2つある方が自然。北側を削ると回遊性、アクセス性が削られる。この場所(センター広場)をより活性化させる視点で必要。

橋本佳子市議 費用対効果の視点は大事。エスカレーターを設置してほしいという市民の要望がどれほどあったのか。

金子和雄市議 エスカレーター2基をどのくらいの人が活用するのか、評価される基準をどのように考えたのか、それが見えない。(エレベーターを改修する等)大型の電動車いすでも使えるようになればいい。

長塚俊宏市議 黒田議員にほぼ賛成。目的がある人はいまでも(センター広場に)下りた。エスカレーターがあれば子どもが興味をもって乗り降りする。にぎわいを取り戻すことであれば、あってもいい。

山本美和市議 「(つくばセンタービルを設計した)磯崎新氏のデザインを考えると、ノバホールの入り口からセンター広場の真ん中を通って松見公園展望台までまっすぐ続く視線の中に、(エレベーターと階段を設定すれば壊されることになる)V字型の階段がまっすぐ突き抜けていく。エスカレーターがあれば便利かもしれないが、あの階段を無くしては視線が向くデザインの完成度が削られてしまう。磯崎新氏のデザインを優先するなら、ここにエスカレーターを設置するのはいかがなものか。

中村重雄市議 (ノバホール脇の階段を改修して新設する)搬入用のスロープだが、まつりつくばに出店した。(車がペデストリアンデッキに進入できる)出入口が少なくて、搬入・搬出が渋滞になる。(ノバホール脇の階段につくるスロープの幅は車両が通るには)かなりぎりぎりではないか。もう少し緩やかな傾斜にしてほしい。

課長 (通行できるのは)2トン以下の車両だが、幅は確保でき、通るに支障はない。傾斜は詳細設計で検討できる。

中村 イベント開催前は車両、イベント開催中は車いすが通れる(傾斜に)してほしい。

皆川幸枝市議 改修にあたって利用できる(国や県からの)補助金の種類や条件は。

課長 国交省から2分の1の補助金が出るが、(使えるかどうかは)施設によって限られる。

皆川 消費生活センターを入れることが補助金が出る条件になるのか。

課長 機能を集約することで補助金が出る都市構造再編集中支援事業費補助を活用する。(リニューアルの)すべての機能に補助が出るかどうか、国や県に相談しているところ。

皆川 (市民活動拠点は)公共スペースが足りないという指摘もある。配置を変えることでコミュニティスペースを広くできないか。補助金の条件はいつごろ分かるのか。(ノバホールの)小ホールは(イノベ―ジョンプラザの)2階につくり直すが、今も土日は使う人が多い。音楽イベントのスペースが足りないという声もある。貸しスペースが足りないのであれば、小ホールを運動や会議に貸し出すことなどを見込んでいるのか。

課長 片方を使ってないとき、別の用途に使うことも考えられる。ノバホールをどのように運営するかに関わっていくので、今後、調整しながら進めたい。

皆川 この計画、スペースでいいのか。運用計画と合わせてお示しいただければ。

飯岡宏之市議 (リニューアル基本計画の)新たな市民活動拠点には「①吾妻交流センター、市民活動センター、消費者生活センター、国際交流機能を統合するとともに、市民窓口を新設することで、市民交流の促進、市民サービス機能の向上を実現②音楽室、調理室の機能向上、フリースペースの拡充により、様々な市民ニーズに対応」とあるが、市民部とうまく連絡調整しているのか。

課長 市民部から必要な面積をいただき、調整を密にしながら進めている。

飯岡 吾妻交流センターを頻繁に使う市民団体との意見調整も必要ではないか。

課長 交流センターを通じて調整を行っている。

飯岡 市民説明会が無いので、その辺、心配がある。かなり手狭になるので、市民の意見を取り入れて進めてほしい。

橋本 (吾妻交流センターが集約されることで)交流センターが一つ減る。生涯学習としての位置づけを考えると、利用者の利用回数を減らすことになると本末転倒になる。市民がどのくらい影響を受けるかを説明いただきたい。コピー機や印刷機も一つになるが、うまく回るのか、利便性が担保されるのか、いろいろな団体の意見を聞いていくことは当然。

課長 吾妻交流センターが無くなるということではない、運営の中で残すこともあるし、一体として運営することもある。市民部でいろいろ検討し、それを元に(計画策定を)行っている。用途は確定ではないので、足りない部分は増やした方がいいのか、担当課と調整して進めたい。

橋本 根拠を示さないで、足りる、大丈夫といわれても困る。数字と合わせて根拠を示してほしい。

課長 大丈夫ですという意味ではない。それを今後、検討したい。

山中 だれのための改修なのか、そもそも市民の声を聞いてないことに根本的問題がある。本来、市民がどういうものがほしいのか、どんな機能が必要かを聞くべき。

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