水曜日, 11月 12, 2025
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緊急事態宣言下、期日前投票始まる 知事選

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20日開設された知事選の期日前投票所=つくば市役所コミュニティ棟

任期満了に伴う知事選挙が19日に告示され、期日前投票が20日から始まった。コロナ禍の中、国の緊急事態宣言が出された中での選挙戦となる。

立候補しているのは、いずれも無所属で、2期目を目指す現職の大井川和彦氏(57)=自民、公明、国民民主推薦=と、新人で元茨城大学副学長の田中重博氏(74)=共産推薦=の2人。現職と新人の一騎打ちとなっている。感染拡大防止の観点から両陣営とも街頭演説を中止・縮小するとしており、動画配信などネットを駆使して政策を訴える。投票日は9月5日で、即日開票される。

20日、つくば市役所コミュニティ棟に設けられた期日前投票所には、入り口にアルコール消毒液が設置され、受付カウンターには飛沫(ひまつ)感染防止用の仕切り板が設置された。投票用紙記載台は、投票に来た有権者同士の間隔を空けた上で、定期的に消毒を実施する。記入に使う鉛筆も一人ひとり消毒し、感染防止対策を徹底する。

期日前投票に訪れた市内の女性(73)は「(感染を警戒し)本当は来るのが嫌だったけど(市役所に)用事があったのでついでに投票した」と話し、候補者に対しては「コロナ対策を頑張ってもらわないと人類滅亡になっちゃう。あとは住み良い環境を整備してほしい」と語った。

期日前投票所はつくば市内に計10カ所、土浦市内には計5カ所設けられている。

新型コロナウイルスに感染し、病院または宿泊・自宅療養を受けている有権者は、一定の要件を満たせば郵便で投票できる「特例郵便等投票制度」が設けられる。投票用紙一式を居住地の選挙管理委員会に請求することが必要。ただし投票締め切りは郵送の都合上、9月1日と設定されている。(崎山勝功)

◆大井川和彦氏の公式サイト http://k-oigawa.jp/
◆田中重博氏の公式サイト https://www.shigehirotanaka.net/

最低賃金879円に 10月1日から28円引き上げ

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茨城県庁

茨城地方最低賃金審議会(清山玲会長)は今年度の茨城県の最低賃金について、各種経済指標などを慎重に審議した結果、現行の時給額851円を28円引き上げ(引き上げ率3.29%)、879円にするよう下角圭司茨城労働局長に答申した。

引き上げ幅は過去最高で、異議申出に関わる調査審議などを経て、10月1日から適用される見通し。昨年度の引き上げ額は2円だったが、今年度は直近で見ても大幅アップとなる。

中央最低賃金審査会が引き上げ額の目安として示した全国加重平均28円(引き上げ率3.1%)と同額となる。28円は1978年に目安制度が始まって以来、最高額。

茨城県最低賃金の改定額
 最低賃金改定額(円)対前年度引上率(%)対前年度引上額(円)
20177963.2425
20188223.2726
20198493.2827
20208510.242
2021(答申)8793.2928

コロナ禍のさ中、宿泊、飲食、観光、交通運輸などの業界では、事業継続の危機や、人員削減などの喫緊の対応に迫られている業者も多い。

このため県内では、県経営者協会、県商工連合会、同商工会議所連合会、県中小企業団体中央会の経済4団体が、最低賃金引き上げに伴う県内企業への支援に関する緊急要望を、大井川和彦知事、下角茨城労働局長に提出した。

主な内容は▽103万円の所得控除額の引き上げ▽下請け価格の適正化▽最低賃金の発効時期の延期▽適正な人件費の商品価格への反映と県民への啓蒙▽県独自の助成策の創設など。

答申もこれを受けて、危機的状況にある小規模事業者等に与える影響を踏まえ、業務改善助成金など既存施設の拡充はもとより、新たな支援策と速やかな給付体制の構築を国に求め、茨城労働局に対しては各自治体と連携し、各種支援策を必要とする中小企業等へ制度の一層の利活用の促進を求める周知、啓発の徹底が盛り込まれた。(山崎実)

2020年度都道府県別最低賃金額
 都道府県最低賃金時間額(円)
1東京1,013
2神奈川1,012
3大阪964
4埼玉928
5愛知927
6千葉925
7京都909
8兵庫900
9静岡885
10三重874
11広島871
12滋賀868
13北海道861
14栃木854
15岐阜852
16茨城851
17長野849
17富山849
19福岡842
20山梨838
20奈良838
22群馬837
23岡山834
24石川833
25和歌山831
25新潟831
27福井830
28山口829
29宮城825
30香川820
31福島800
32徳島796
33山形793
33愛媛793
33熊本793
33長崎793
33岩手793
33鹿児島793
33青森793
33宮崎793
41大分792
41島根792
41鳥取792
41高知792
41佐賀792
41秋田792
41沖縄792

障害者の私だからできること 《電動車いすから見た景色》21

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【コラム・川端舞】私は時間管理が下手である。自分の体力を過信し、いろんな予定を入れてしまう。よくよく考えれば、私は話すのにもパソコンを打つのにも他の人より倍の時間がかかるのだから、他の人と同じ感覚で予定を入れたら、パンクするのは当たり前なのだが…。でも、やりたいことはどんどん出てきてしまう。

最近、そんな時は自分がやろうとしていることが「障害者でもできること」なのか「障害者だからできること」なのかを考えるようにしている。「障害者でもできること」のほとんどは、他の人でもできること。障害のない人に任せた方が、短時間で効率的にできることがほとんどだ。もちろん、あえて障害者が時間をかけてやることで、独特の味わいが出てくることも多々あるが。

しかし、障害があってもなくても、1日は24時間。時間は平等に過ぎていく。せっかく時間をかけて何かをするなら、「障害者だからできること」を追求したい。

例えば、このコラムを通して、障害者の私が考えていることを多くの人に発信すること。もちろん、私は障害者の代表ではないし、大した考えを持っているわけでもないが、私の日常を描き続けることで、「障害者も悩みながら生きている、普通の人間なのだ」と多くの人に思ってもらえれば、それは「障害者だからできること」になるのではないか。

何より、電動車いすに乗っている私が街中に出かけ、多くの人の目に入ることで、障害者が街中にいることが当たり前になる。それは障害者を含め、誰もが生きやすい社会につながる。

そんな堅苦しいことをいつも考えているわけではないが、「障害者だからできること」は思ったよりたくさんある。「障害者でもできること」を追及するあまり、「障害者だからできること」をおざなりにするのはもったいない気がする。

社会とまっすぐ向き合う強さ

しかし、社会一般では、障害者は劣っている存在だとみなされ、「障害者でもできること」を探すのに本人も周囲も必死になりがちだ。大学時代までの私がまさにそうだった。

そのような社会で、「障害者だからできること」を主張すると、煙たがられることもあるかもしれない。それをすることは、ある意味、自分の弱さを社会にさらすことにもなり、時には痛みを伴う。しかし、それで少しでも多様な人を受け入れられる社会になるなら、逃げずに向き合う人間になりたいと思う。もし私が本当に間違いを犯したときは、きっと信頼する仲間が叱ってくれるだろう。(つくば自立生活センターほにゃらメンバー)

つくば市職員2人が新型コロナ

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つくば市役所

つくば市は19日、市役所本庁舎2階に勤務する職員と、コミュニティ棟1階に勤務する職員の2人が、新型コロナウイルスに感染したことが分かったと発表した。

2人の間に接触はなく、2~6日本庁舎1階で発生したクラスターとの関連もないという。さらに18日感染が確認されたコミュニティ棟1階の職員とも関連はないとしている。

本庁舎2階の職員については濃厚接触者を調査している。コミュニティ棟1階の職員は職場での濃厚接触者はいないという。

2人が勤務する職場は消毒を行い通常通り業務を実施する。

9公立保育所を民営化、統廃合など つくば市

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公立保育所の整備方針について意見が出された第2回市子ども・子育て会議=5日、市役所

耐震基準満たさず建て替え急務

耐震基準を満たしていないとして、つくば市は、23カ所の公立保育所のうち4割に当たる9カ所を、民営化や統廃合などして建て替えるなどの方針を検討している。対象は上境、稲岡、上ノ室、上広岡、上横場、高見原、城山、岩崎、小田保育所の9カ所。耐震性が低い順に、3年後の2024年度から26年度までに順次、現在地とは別の場所に建て替えなどする。

検討中の整備方針案によると、9保育所のうち▽上境、稲岡、上横場の3保育所は民間に移管し別の場所に民間保育園を新設する▽距離が近い上ノ室と上広岡、高見原と城山の4保育所は2園に統廃合し、民間に移管して、別の場所に民間保育園を新設する▽岩崎保育所は、公立のまま岩崎幼稚園跡地に建て替え、茎崎地区に公立1カ所を残す▽小田保育所は国指定史跡エリアにあり建て替えができないとして、別の場所に建て替えるのではなく、休止も視野に今後のあり方を検討するーとしている。市こども部によると、8月中にも市の方針を決定する。

具体的な整備方針は、各保育所ごとに個別の計画を立てて決める。民間保育園を建てる場所については基本的に移管先の民間が探す。現在地から何キロ以内などの規定は現時点で設けないという。

9公立保育所に勤務する保育士などの職員は現在、正規が99人、非正規が152人。民営化後は正規は他の公立保育所に異動する。非正規のうち希望者は移管先の私立保育園で勤務できるよう、市として移管先に配慮を求めるという。

9保育所の跡地利用は未定で、今後、市全体で検討していくことになるとしている。

民間参入さらに増やす

市内には現在、公立保育所が23カ所、民間保育園が70カ所ある。同市は2048年まで人口が増えると推計されており、待機児童対策は最優先課題の一つとなっている。市は第2期子ども・子育てプランに基づいて20—25年度まで毎年、定員90人規模の民間保育園を3園、待機児童が多い0~2歳が対象の小規模保育施設を4園増やす計画を立てている。20年度は計画を超える民間保育園5園、認定こども園1園、小規模保育施設4園を新設し、定員を736人を増やすなど待機児童解消に努めた。今年4月時点の同市の待機児童数は2人と、長年続いた待機児童県内ワースト1を返上した。

今回新たに公立保育所の民営化が加わることで、民間保育所の参入をさらに増やすことになる。

市の建設費負担4分の1に

公立保育所をめぐっては、2017年度の耐震診断で耐震基準を満たしていない保育所が9カ所あった。9カ所いずれも同じ年度に応急的な修繕を実施したが、基準は満たしてないままだ。9カ所を含め築40年を経過している施設が半数を超えていることなどから、市は昨年3月、公立保育所の施設改善基本方針を策定した。耐震基準を満たしてない9カ所については、公立のまま建て替える方法や、社会福祉法人や学校法人に建設・運営を移管する方法を検討するとしていた。

検討の結果、公立のまま建て替えると建設費が全額、市の負担となるなど、財政的面からも整備に年数がかかってしまうとして、民間移管を柱とする今回の整備方針案をまとめた。90人規模の保育所を新設する場合、市が公立のまま建て替えると3億円程度が全額、市の負担となるが、民間が新設する場合、国の補助金や事業者負担があるため市の負担は4分の1の7000万円程度になるなどと説明している。

残りの公立保育所14カ所は現時点で、公立のまま長寿命化のための大規模修繕を実施する方針だ。一方、市として今後、公立保育所の在り方をどうしていくかについては、9保育所の民間移管や建て替えのめどが立ったら改めて方針を策定したいとしている。

公立と私立の違いの一つに、障害児保育の受け入れ人数がある。施設改善基本方針によると、19年時点で公立はすべての園で障害児を受け入れたが、民間で受け入れたのは44%だった。今年度は、公立で186人、民間で164人を受け入れており、1園当たりの受け入れ人数は公立は平均8.08人、私立は平均2.41人と3倍以上の開きがある。市は子どもの障害の程度に応じて、保育士を増やすための補助を民間にも実施しているが、開きは埋まっていない。

「上横場は公立のまま」

9公立保育所を民間委託、統廃合するなどの整備方針について市は、7月16、17日に公立保育所の保育士などを対象に説明会を開催し、7月29日から8月2日に9保育所の保護者のみを対象に説明会を開催すた。8月5日には市子ども・子育て会議で意見を求めた。

市によると、保育士の説明会では「子供のことを思うと一緒に(移管先の民間保育園に)移った方がいい」「公立で働きたい」などの意見が出て賛否が分かれた。保護者説明会では「希望する保育園に入れるのか」「移行する保育園はどんな園になるのか」などの意見が出たという。

一方、子ども・子育て会議では、上横場保育所を民営化にすると、人口が急増するつくばエクスプレス沿線のみどりの地区などから入所する公立が少なくなってしまうことなどから①上横場保育所は公立として残すことも含めて慎重に検討する②民間移管の場合の保護者負担や職員の働き方に配慮する③移管先の民間保育所を公募する場合、実績を幅広く検討するーなどの意見が出された。(鈴木宏子)

5日の第2回子ども・子育て会議で示された9保育所の整備方針とスケジュール案は以下の通り。

上境保育所(定員60人、園児数42人)=2023年度末で公立を廃止し、24年度から地区内の別の場所に民間保育園を開設する。移管先は22年度に公募する。

稲岡保育所(60人、55人)=24年度末で公立を廃止し、25年度から地区内の別の場所に民間保育所を開設する。移管先は23年度に公募する。

上ノ室保育所(60人、44人)と上広岡保育所(70人、51人)は24年度末で公立を廃止し、25年度から地区内の別の場所に、2保育所を統合した民間保育園を開設する。移管先は23年度に公募する。

上横場保育所(135人、94人)は25年度末で公立を廃止し、旧谷田部庁舎跡地も視野に26年度から民間保育所を開設する。移管先は24年度に公募する。

高見原保育所(60人、63人)と城山保育所(60人、52人)は25年度末で公立を廃止し、26年度から2保育所を統合した民間保育所を高崎幼稚園跡に新設する。移管先は24年度に公募する。

岩崎保育所(60人、61人)は公立のまま、岩崎幼稚園跡地に移設し、24年度から新園舎でスタートする。

小田保育所(60人、29人)は国指定史跡エリアにあり現在地に建て替えできないため、休止を含め今後の在り方について検討する。

コロコロ ウツウツ《くずかごの唄》92

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【コラム・奥井登美子】

「ワクチン接種はお済みですか?」

「2回とも済みました」

「よかったわね」

「よくないですよ。2回打っても、コロナにかかる人がいるそうですから」

「変異株がいろいろ出てきたみたいですが、打ってあればひと安心ですよ…」

旧い町の、小さな古い薬局に来てくれる人は、1人暮らしのお年寄りが多い。コロナ禍のなかで、友だちとのおしゃべりもダメ、趣味の会も休み、買い物も行ってはいけないと、娘や息子たちからうるさく禁止されている。誰とも話す機会がない。

寂しいので1日中テレビをつけている。音と話題には事欠かないが、ニュースを見て聞いて、それを判断する基準がない。

コロナ前なら近所の友だちと、「誰かテレビで何か言っていたけれど、ああいう政治家の言うことは嘘も多いから、気をつけた方がいい」とか、なんとか、おしゃべりがニュースの怖さを和らげてくれた。今はそれがない。

ニュースの怖い所だけが膨らんで大きくなり、怪獣のように迫ってくる。

薬剤師としてどう対応したら?

新聞も隅々まで細かく読むらしい。

「新聞の下の方に週刊誌の広告が出ていますね」

「ありますね、タイトルが書いてある」

「この間、そこに、ワクチンで死んだ人が生前飲んでいた薬というのがあったのですよ。飲んでいた薬で生死が左右されるんですか?」

「さあ、コロナはウイルスだから、あまり関係がないと思いますけれど…」

マスコミも行事がなくなってニュースのタネが少ないので、コロナワクチンの副作用などを大げさに宣伝する。コロコロ変わるコロナ情報に左右されて、うつ病まではいかないけれど、うつうつと気の晴れない市民たち。薬剤師としてどう対応したらいいのか、頭を悩ませている。(随筆家、薬剤師)

つくば市職員2人が新型コロナ

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つくば市役所

つくば市は18日、市役所コミュニティ棟1階に勤務する職員と、ごみ焼却施設のつくばサステナスクエアの職員計2人が新型コロナウイルスに感染していることが判明したと発表した。

2人の間に接触はない。今月2~6日、市役所本庁舎1階で発生したクラスターとの関連もないという。

2人が勤務する職場はそれぞれ消毒を行い、通常通り業務を実施する。濃厚接触者についてはいずれも調査中としている。

カワヒバリガイを早期発見、早期防除 農研機構が検出技術開発

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農業用の水利施設に固着したカワヒバリガイ(農研機構提供)

農業用の水路や貯水池などの水利施設で大発生し、通水パイプなどを詰まらせるなどの問題を引き起こすカワヒバリガイを、農業・食品産業技術総合研究機構(NARO、つくば市観音台)は18日、侵入後間もない低密度な段階で検出する技術を開発したと発表した。NARO農業生態系管理研究領域の伊藤健二上級研究員と芝池博幸研究領域長による成果。

カワヒバリガイは中国・朝鮮半島が原産の固着性の二枚貝で、駆除の対象となる特定外来生物に指定されている。霞ケ浦では2005年に初めて確認され、18年には湖岸のほぼ全域に分布を広げた。

水利施設などの通水障害の原因になるほか、水利施設を経由し水系を超えた範囲まで分布を拡大させることから、密度が低く分布が限られた段階で駆除対策を実施する必要がある。だが、水面下に固着する貝を侵入初期の低密度の状態で、目視で発見するのは困難だった。

水を採取するだけ

伊藤上級研究員らは、カワヒバリガイのDNAを特異的に増幅する「プライマー対」(※メモ)を新たに開発し、コウロエンカワヒバリガイなどのカワヒバリガイに近縁な二枚貝の中から、カワヒバリガイ由来のDNAのみを高感度に検知することに成功した。

これにより、水利施設で表層水1リットルを採水してDNAを分析するだけで、カワヒバリガイの有無を確認することが可能になった。DNAは成貝のだけでなく、生まれてから10~20日の間、約0.1mm程度の大きさで水中を浮遊する幼生についても検出することができた。

今回開発された方法は水を採水するだけでカワヒバリガイの有無を検知できるので、通水パイプなどのように目視観察できない所での検出にも応用できる。DNAにより侵入が確認された水利施設については、非灌漑期に水を抜いて半月程度乾燥させることで成貝を死滅させることができる。伊藤上級研究員は「水利施設の運用にほとんど影響を及ぼさずに、早期発見と防除が可能になる」としている。(如月啓)

※メモ=【プライマー対】ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に用いる数十塩基対程度の短い核酸の断片。

カラオケ店に休業要請 緊急事態宣言で県

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茨城県庁(イラストは「いばらきアマビエちゃん」)

茨城県が17日、国の緊急事態宣言区域に追加されたことを受けて、県は同日、カラオケ店に休業を要請するなど新たな追加対策を発表した。期間は20日から9月12日まで。

カラオケボックスを含む県内すべてのカラオケ店が対象で、カラオケ設備利用を終日停止するよう要請する。ただしカラオケや酒類提供をせず、テレワークスペースなどとして利用する場合は営業できる。

ほかに結婚式は、宴会を90分以内とし、上限50人かつ収容率50%以下で実施するよう協力を求める。

今月8日から始まった、すべての飲食店を対象とした午後8時までの時短営業要請や酒類提供の終日停止、大規模集客施設を対象とした午後8時までの営業自粛要請なども9月12日まで延長される。

ファミレス「ココス」つくば小野崎店《ご飯は世界を救う》38

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【コラム・川浪せつ子】暑い日が続いていると思いきや、大雨。被害が出ている場所の方々、お見舞い申し上げます。

新聞の折り込み広告を見るのが好きです。スーパーの特売品、ホームセンターの季節商品など。そして特にお気に入りなのは、折り込み広告の隅っこについている「△%引き」とかいうもの。ここを持っていくと、普通のお値段からお安くなりますよね。

暑さが増してきた7月。その折り込み広告の端っこを切り抜いて、ファミリーレストラン「ココス」さんに。今回の目的は新作のかき氷。ステキなそそられる写真!

定番のイチゴやマンゴーのかき氷、「すいかのふわふわかき氷」。オシャレな感じの「ピスタチオ&チョコクリスピー」は、まるでスイカに見えてしまいます。種の部分はチョコレートです。

そして「氷宇治金時のふわふわかき氷」は、日本の誇るスィーツ・あんこ+宇治茶+生クリーム+白玉という豪華さです。たまりませんねぇ~、選ぶのに困る、困る。でも、ちょっとだけ残念! 一つで750キロカロリー以上です。1回分の食事より高カロリーではありませんか! ムムム…。でも、食べたい。イヤイヤ、食べちゃうぞぉ~!

こちらのお店は、ママ友、ジム友などと、よく女子会に使わせてもらっていました。ランチとドリンクバーを頼んで、デザート食して。ジックリ語り合う、井戸端会議の時間を楽しく過ごしてきました。

ですが、今はコロナ時代。残念ながら自粛しています。早くコロナが終息して、また皆さんと楽しい時間、空間を、ココスさんで過ごしたいものです。(イラストレーター)

つくば市、4年連続不交付団体 21年度市町村普通交付税

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茨城県庁

茨城県は市町村分の2021年度普通交付税決定額を公表した。自治体が普通交付税に頼らず、自前の税収で財政運営を図る不交付団体は、昨年度と同じつくば市、神栖市、東海村の3市村だった。つくば市が不交付団体となるのは2018年度から4年連続。

コロナ禍、税収減り交付額6.9%増

3市村を除く41市町村はすべて交付税額が増加した。増加率が40%以上の市町村は、守谷市(前年度比6.6倍)、ひたちなか市(69.6%増)、五霞町(46.6%)の3市町で、新型コロナの影響により企業や住民の市町村民税などが減少したことが主因という。

市町村分の交付決定額は総額で1522億3200万円で、前年度と比べ6.9%(98億5600万円)増と、3年連続の増加となる。一般財源不足に対処するため発行する地方債である臨時財政対策債(地方交付税の振替としての性格を持ち一般財源と同様に活用できる)への振替額(456億6400万円)を加えた実質的な交付税額は、1978億9600万円と、前年度比15.1%増(259億7000万円増)となった。

市町村分の変動要因について県は、コロナ禍による市町村民税の減により、市町村の財政力を示す基準財政収入額が大きく減少し、基準財政需要額の減少などを上回ったことにより、交付税額が増加した(県市町村課)としている。

一方、茨城県の交付決定額は1866億7800万円で、前年度と比べ4.4%(79億700万円)増となった。臨時財政対策債への振替額(900億4000万円)を加えた実質的な交付税額は2767億2000万円となり、前年度より20.3%(466億4100万円)増加した。主な要因は社会保障関係費の増加や地域デジタル社会推進費の創設、法人関係税の減少によるという。(山崎実)

不交付団体の神栖市が皆減とあるのは、合併特例債の適用(旧波崎町分の交付税)が2020年度に終了したことによる

県独自の非常事態宣言を発令 病床ひっ迫、災害級に

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茨城県庁(イラストは「いばらきアマビエちゃん」)

新型コロナウイルス感染者が急激に増加して病床がひっ迫し、災害級の深刻な状況になっているとして、大井川和彦知事は16日、県独自の非常事態宣言を発令した。

病床を緊急確保するため、コロナ患者をまだ受け入れていない一定の規模がある48病院に対し、感染症法に基づいて受け入れ病床の確保を要請したほか、16日、臨時の医療施設1カ所を開設した。非常事態宣言の期間は31日まで。

ほかに県南の医療機関や宿泊療養施設に酸素ステーションを同日、計7床設置した。入院調整が難航した場合、患者の一時受け入れを行う。リスクが高い軽症・中等症の患者には抗体カクテル療法を行うため、短期間の入院などを実施するとした。

病床確保については、現在、県内に591床ある病床を8月下旬までに727床まで拡充調整するとした。宿泊療養施設は現在の450室を、27日までに830室に増やし、9月上旬までにさらに1020室に増やす。

部活動は全面禁止、図書館も休館

県民に対しては、外食自体を控えてテイクアウトとし、買い物は最少人数とする▷ワクチン接種が済んでない40~50代は出勤や外出を極力自粛する▷スーパーも含め商業施設は入場者を通常の2分の1に制限する▷県の施設は図書館や美術館を含め休館とし市町村施設にも休館を要請する▷小中高校、大学などの部活動は全面禁止とし、夏休み中の課外授業はリモートとするーなどを要請した。勤務形態の見直しについては、経済団体など約200団体に協力を要請しているという。

現在の県内の入院患者は、454人(15日現在)のうち50代が最も多く30%を占める。次いで40代が22%と、40~50代が半分を占めている。新規感染者数はここ2週間で1.6倍に増え、14日には過去最多の391人を記録したばかり。大井川知事は「医療資源もどんなに頑張っても限界というところまできている、他の病気の入院なり手術の制限を考えていかなければならない状況まできている」と強調し、県民の理解と協力を求めた。

18日から1カ月ぶり再開 ワクチン予約受付 つくば市

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マイナス70度の超低温冷凍庫から取り出したワクチンを必要な数だけ素早く配送用の保冷箱に移す作業員=つくば市役所、4月撮影

予約受付を停止していた新型コロナウイルスワクチンについて、つくば市は、18日午前8時30分から受付を再開する。国からのワクチン供給にブレーキがかかり供給が見通せないとして、同市は7月20日から市内医療機関での接種予約を停止していた。ほぼ1カ月ぶりの再開となる。接種自体は9月に入ってからとなる見通し。

市新型コロナウイルスワクチン接種対策室によると、県から通知があり、8月30日または9月6日の週にファイザー社製のワクチン2万9250回分が市に入ってくる見通しが立ったことから予約を再開する。2週間後にも、ほぼ同じ数のワクチンが入ってくる見通しだという。

予約再開の日時は、16歳以上が18日午前8時30分から。12~15歳は20日に接種券を発送し26日午前8時30分から予約受け付けを開始する。

一方、モデルナ社製ワクチンを接種する産業技術総合研究所内にある県の大規模接種会場は10月末まで予約が埋まったという。

つくば市の16日現時点の接種率は、65歳以上が78.5%(2回接種)、12~64歳が1回接種27.5%。2回接種14.5%。市全体では1回接種39.6%、2回接種28.8%。

同対策室は「このペースでワクチンがくれば、職域接種が本格的に始まることもあり、10月末ごろまでに希望者全員が接種できるのではないか」としている。(鈴木宏子)

◆同市の予約方法は、市のワクチン接種予約サイトまたは市ワクチン接種対策コールセンター(電話029-883-1391)または各医療機関、市公式LINEなどで受け付ける。問い合わせは同市ワクチン接種対策室(電話029-883-1391)。

「子ども第三の居場所」に採択 つくばで交流カフェ開設へ

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「カフェ・ロベ」のイメージ図を持つ森美智子理事長=居場所サポートクラブロベ提供

生活困窮世帯の子どもに学習支援を行う「無料塾」を運営するNPO法人「居場所サポートクラブロベ」(つくば市島名、森美智子理事長)が、新たに地域の子どもたちや高齢者も気軽に立ち寄れる居場所の開設を準備している。日本財団(東京都港区)の「子ども第三の居場所」事業に採択され、4772万円の助成が決まったためだ。今年11月頃の事業開始を目標にしている。

「第三の居場所」事業は、子どもたちが放課後、安心して過ごせる居場所を提供し、生き抜く力を育むことを目的とした事業で、ロべは施設の建設費や当面の運営費に充てようと応募していた。7月に全国で57拠点の採択が決まり、茨城県内では唯一選ばれた。コミュニティーモデルとして採択されており、現時点での名称は「カフェ・ロベ」。「カフェのように、地域の誰もが立ち寄れて、様々な人と交流できる場所になれば」と理事長の森さん(54)は話す。

地域とつながる教室に

現在、同会が運営している「無料塾」は、利用世帯のプライバシー保護のため、一般の地域住民からは様子が見えない形になっている。しかし、年に数回実施している保護者との面談の様子から、生活困窮世帯の保護者は社会的に孤立した状況にいることが多く、保護者同士や地域住民とつながることができる場所も必要なのではと感じていた。

そこで、生活困窮世帯だけでなく一般家庭の親子や、地域住民も気軽に立ち寄れて交流できる場所を作ろうと思い立った。助成金を受けられたことで準備を始めている。同会が借用しているつくば市緑が丘の一軒家を改修し、多様な人が集まれるよう、リビングや台所を広げ、屋上には子どもたちが遊べるテントやプールを設置する。和室は子どもたちが宿題などをするスペースにし、学習塾や習い事教室を開催する部屋も増設する。

全員が一緒に夕食

新しい居場所「カフェ・ロベ」は、週3回、午後から開所する予定。学習塾のほか、外国人保護者のための日本語教室、保護者の就職等にも役立つパソコン教室、子どもも大人も学べる中国語教室など、利用者の希望に沿った教室を開設し、各自が受けたい教室を選べるようにする。基本的に各教室の受講料は徴収するが、生活困窮世帯は無料または低額にする。読み書き等が苦手な発達障害の子どもも各教室に参加できるよう、タブレット端末等の設備も整える。

各教室の終了後、全員がリビングに集まり、一緒に夕食をとる。夕食は子ども食堂のように、低額で提供する。「生活困窮世帯の保護者は複数の仕事を掛け持ちしていることも多く、その上、家事もこなそうと思うと、子どもと関わる余裕がなくなってしまう。低額で夕食を提供することで、親子が十分にコミュニケーションをとれる時間的余裕を作れれば」と、森さんは話す。

教室には参加せず、教室が開かれている時間帯にリビングで談笑したり、屋上で遊んでいてもいい。夕食を食べに来るだけの親子がいてもいい。「緑が丘地区には高齢者世帯や子育て世帯など、幅広い世代が暮らす。ロベが運営する、知的障害や精神障害を持つ人のグループホームも近くにある。夕食の準備など、高齢者や障害者にも手伝ってもらったりしながら、いつでも誰でも立ち寄れる場にしたい」と、森さんは意気込む。(川端舞)

◆同会では「カフェ・ロベ」開設に向けて、夕食の調理や発達障害の子どもたちへの学習指導、子どもたちの送迎等、運営を手伝ってくれるボランティアを募集している。問い合わせはロベ(電話029-886-9318、メールinfo@robe-npo.org)へ。

五十嵐つくば市長 今度は被告席に《吾妻カガミ》113

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】元市議を名誉毀損で提訴している五十嵐つくば市長が、今度は6人の市民から住民訴訟を起こされ、五十嵐さんは2つの裁判を抱えることになりました。名誉毀損の方は原告、住民訴訟の方は被告と立ち位置は違いますが、両裁判に気を取られて市長本来の仕事がお留守にならないか心配です。

センタービル再生:監査請求住民訴訟

市が進める「つくばセンタービル再生事業」はいい加減なものだから、すでに支出したおカネは返してもらい、それがダメなら市長が自腹を切れ、これから手をつける設計・工事はすべてストップせよ―と、五十嵐市政の目玉事業に「NO」を突きつけた住民訴訟は、8月上旬、水戸地裁に提起されました。詳しい内容は、記事「つくば市長らに7000万円返還請求 6人が住民訴訟」(8月6日掲載)をご覧ください。

この訴訟は、原告を含む市民グループがセンタービル再生事業の問題点を列挙、市の監査委に監査請求をしたところ、問題なしと棄却されたことから、それでは裁判で白黒をつけようという、市民たちの次の一手です。監査委の結論で引かず、問題点を究極の第三者である司法の判断に委ねるアクションといえます。

監査請求が棄却されたこと、その理由に対する疑問については、コラム「五十嵐つくば市政 揺らぐその原点」(8月2日掲載)でも取り上げ、この再生事業は大規模事業(総経費10億円以上)であるにもかかわらず、五十嵐さんが自ら定めた事業評価(市要綱に規定)をしなかったのは、五十嵐市政の原点(広く意見を聴き事業を推進)を自ら否定するものではないかと指摘しました。

原告団は提訴理由として、上記の要綱軽視のほか、以下の4点を挙げています。①再生事業を担う第3セクター(まちづくり会社)設立の際の評価作業が不十分であり、総務省の指針に反する、②公の場所(センタービル)に民間賃貸会社(まちづくり会社)を置くのも総務省の指針に反する、③基本設計を担当した会社への発注が随意契約になっており、市の入札規則に反する、④センター広場にエスカレーターを設けるのは、広場の文化的価値を壊すだけでなく、著名な設計者の著作権を侵す―と。

問題ありの理由を5つも並べられ、市はどう対応するのでしょうか。再生事業(総経費10億3800万円)は裁判が終わるまで棚上げにする? これまでの経緯を反省して評価作業を立ち上げる? リスク(敗訴に伴うもろもろ)覚悟で再生事業を計画通り進める?

市長の名誉毀損裁判:原告被告?

もう一つの裁判(水戸地裁土浦支部)については、コラム「名誉毀損提訴、取り下げ?」(7月19日掲載)で、五十嵐さんは取り下げるのではないかとの見方が出ていると書いた後、事情通から「そういった動きがあることは確か」と耳打ちされました。一方で、ミニ新聞に掲載された記事の多くは虚偽だと訴えられた元市議(発行人)は、「うそつき」呼ばわりされて名誉を毀損されたと、逆提訴も考えているそうです。

ということは、五十嵐さんは原告と被告の2裁判ではなく、被告と被告の2裁判を抱える可能性もあります。「言論の自由」封じにつながる名誉毀損提訴(あるいは逆提訴?)。市が進める再生事業に異を唱える住民訴訟。両裁判は五十嵐さんの器を問うシーンになりそうです。(経済ジャーナリスト)

<メモ> 監査委員:市長から独立した執行機関。主に市の財務を監査。市民の監査請求にも対応。現在の委員は、高橋博之さん(識見を有する人)、石川寛さん(同)、神谷大蔵さん(市議・前議長)の3人。

来年4月パークPFI導入へ つくば市洞峰公園

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洞峰公園=つくば市二の宮

事業者を公募

つくば市二の宮の洞峰公園(面積20ヘクタール)を対象に昨年来、パークPFI制度(Park-PFI、公募設置管理制度)に関わる意向調査を実施してきた県は(20年12月3日付)、来年4月から同制度を導入することを決め、整備運営事業者の公募に乗り出した。

この制度は、民間資金を活用した新たな整備、管理手法で、2017年の改正都市公園法で設けられた。

飲食店、売店等、公園利用者の利便性を図る(公募対象)公園施設の設置と、施設収益を活用し園路、広場等、公園利用者が利用できる特定公園施設の整備、改修を一体的に行う出店希望事業者を公募により選定し事業を推進する。

公募内容やスケジュールは、事業期間は最長20年間(指定管理者は10年で更新)で、事業方式はパークPFI制度と、指定管理者制度を組み合わせた管理運営方式とする。

公募期間は8月5日から9月30日まで。10月下旬に有識者による選定委員会を開いて、12月に事業者を決定し、2022年4月からパークPFIによる管理運営をスタートさせる予定。(山崎実)

◆問い合わせは県都市整備課(電話029ー301-4655)

1階クラスター収束 つくば市役所 新たな感染者なし

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つくば市役所

つくば市役所1階で2日から6日、職員6人が相次いで新型コロナウイルスに感染していた事態を受け、同市は14日、1階などに勤務する職員計122人を対象にPCR検査を実施した結果、新たな感染者はなく、他の市職員への感染拡大はないと判断していると発表した。1階で発生したクラスターはひとまず収束したことになる。

窓口センターは16日から再開

収束に伴って、旧町村ごとに6カ所ある各窓口センターと5カ所の出張所は、16日から業務を再開する。窓口センターなどは、自宅待機となった31人の本庁舎職員のため、10日から業務を休止していた。当初20日まで休止する予定だったが、1週間早い再開となる。

本庁舎の休日窓口と木曜夜8時までの窓口延長も16日以降、再開する。休日と延長窓口は8月末まで休止の予定だった。2週間早く再開する。

市ワークライフバランス推進課によると、保健所による行政検査と市独自検査を含めて5日から13日まで、感染が判明した6人が勤務する部署などの1階職員のほか、1階職員と一緒に業務に携わった2階職員など計94人を対象に、PCR検査を2回、1週間間隔を空けて実施した。さらに本庁舎の応援に回った各窓口センター職員や休暇中の職員など28人の検査を1回追加で実施し、陰性が確認された。

2~6日に感染が判明した6人のうち、現在3人は回復し、3人は療養中という。

一方、クラスターがなぜ発生したかなどの感染経路は不明としている。

真岡鐵道のSLに乗ってみた 《茨城鉄道物語》14

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真岡鐵道のSL

【コラム・塚本一也】コロナ禍で少々うんざりしているところではありますが、「夏休み特別企画」ということで、真岡鐵道のSLに乗ってきました。真岡鐵道真岡線は茨城県の下館駅から栃木県の茂木駅まで、41.9キロを運行する第3セクターの鉄道会社です。

国鉄の分割民営化の際に、赤字ローカル線であった真岡線を存続させるため、1987年、栃木県と沿線自治体が出資して真岡鐵道株式会社を設立されました。1994年から、休日のみ、「SLもおか」(下館駅~茂木駅)を1往復半運行しています。全国でSLに乗車できる路線は9つありますが、関東では埼玉県の秩父鉄道と茨城県~栃木県の真岡鐵道だけです。

会社自体は栃木県の会社ですが、茨城県の下館駅から乗車できるということで、私もかねてから注目していました。

インターネットで予約し、日曜日の午後に真岡駅から下館駅まで乗車しました。普通列車で真岡駅に到着してまず驚いたことは、真岡駅(真岡鐵道の本社)自体がSLをデザインした造りになっていることです。そのほかにも、敷地内にSL展示館があったり、SL関連グッズを販売していたりと、さすが有名な観光地を抱える県は商魂がたくましいと感じました。

SLをデザインした造りの真岡駅

非日常感をあおる レトロ感あふれる客車

その日はオリンピックも開催されており、コロナ患者数も連日記録を伸ばしている最中であったため、観光客らしい姿はあまり見かけられませんでした。しかし、近隣からいらしたとお見受けする家族連れや、鉄道マニアらしき少年たちが、早い時間から列車を心待ちにしていました。

定刻通りに、蒸気機関車が汽笛吹鳴(きてきすいめい)と共にホームに進入してくると、「鉄ちゃん」というわけではない私でも、何となくウキウキとしてきます。車内に乗り込むと、独特の油の臭いが鼻をつき、扇風機で涼をしのぐレトロ感あふれる客車も非日常感をあおります。

列車が出発すると、沿線には週末の楽しみに蒸気機関車を一目見ようとする見物客やカメラマン、そして我々乗客に大きく手を振る近隣の方が鈴なりでした。真岡鐵道が地域に愛されているということが、しみじみと実感できた瞬間です。

蒸気機関車を運行するためには、機関車の向きを変えるための「転車台(てんしゃだい)」という設備が必要です。真岡駅と茂木駅に転車台がありますが、下館駅にはありません。ゆえに下館駅を始終点としたことによって、気動車で機関車を回送するという手間が発生します。

しかし、下館駅から直接蒸気機関車に接続できることで、首都圏からの観光客を呼び込む大きなメリットが発生します。茨城県が観光立県を目指すのならば、観光先進県とタッグを組むことも重要なことなのではないでしょうか。(一級建築士)

市立学校教員が新型コロナ つくば市

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つくば市役所

つくば市は13日、市立学校教員1人が同日、新型コロナウイルスに感染していることが分かったと発表した。

学校での濃厚接触者はいないという。

学校は夏休み中のため、臨時休校等の措置はないとしている。

追憶の「筑波日記」 詩人・竹内浩三との幻の接点を綴る【戦後76年】

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西筑波飛行場跡地は戦後、国内有数の芝生の生産地になっている=つくば市作谷

筑波から激戦地のフィリピンに渡り23歳で戦死した詩人・竹内浩三が、終戦から76年目の今年、生誕100年を迎えた。竹内は、青年期にある自身の気持ちを等身大の言葉でみずみずしく表現した詩人で、戦後、その作品群が詩集「戦死やあわれ」にまとめられるなど、たびたび注目されてきた。竹内は戦争末期の1年3カ月あまりを、今のつくば市作谷にあった西筑波陸軍飛行場の滑空部隊で訓練を積んだ。その日々を「筑波日記」と題した日記に記録した。

冊子「ないはずの記憶 竹内浩三がいた北条にて」

竹内とつくばの関係を再考する冊子にまとめたのは、つくば市北条で洋品店「とり文」を営む土子隆輝さん(78)。タイトルは「ないはずの記憶 竹内浩三がいた北条にて」、一昨年に刊行された。

竹内が北条を頻繁に訪れていたことを知ったのが、冊子作成のきっかけになった。冊子では、同時代を生きた父の日記を併記させ、生後間もない土子さん自身の記録とともに、そこにあったかもしれない竹内との接点を「ないはずの記憶」として表現した。

竹内浩三と北条

「戦死やあわれ 兵隊の死ぬるや あわれ 遠い他国で ひょんと死ぬるや」

1945年フィリピン・バギオで戦死した竹内浩三が22歳で入営する直前に詠んだ代表作「骨のうたう」の冒頭の一節だ。竹内はこの詩で戦争の虚しさだけでなく、戦後を想像し、復興の中で世間から忘れられゆく戦死者の心も詠んでいた。

竹内は大正10年(1921)、呉服屋の長男として三重県で生まれた。18歳で上京し、日大芸術学部で映画監督を志すが、戦時体制強化の中、夢半ばで大学を繰り上げ卒業し陸軍に入営する。

竹内が筑波に転属したのは1943年9月。所属部隊が置かれた西筑波飛行場は、1940年10月に現在のつくば市作谷と吉沼にあたる地域に開設され、竹内が所属した滑空部隊の他に陸軍士官学校西筑波分教場が置かれていた。

翌年元日から書き始める日記は、周囲の目を盗み毎晩トイレにこもり書いたもの。手札ほどの大きさの手帳に、以降1日も欠かすことなく筑波での日々を書き綴った。厳しい検閲を逃れるため、分厚い本の一部をくり抜き手帳を隠し、三重の姉に届けた。

土子さんは筑波日記を読み、北条にあった「伊勢屋旅館」など身近な名前が登場することに驚いた。日記には、竹内が休日によく足を運んだ場所として、つくば市吉沼の書店「十一屋」などがあがる。近隣の宗道など下妻市内の地名や店名も頻出している。

父が書き残した日記 つくばとの接点

土子さんが生まれたのは、竹内が筑波に転属する前月。初めての子を得た父親は、喜びとともに息子の成長を日記に書き記した。北条をたびたび訪れた竹内は、土子さんの自宅前を行き来していたことが筑波日記から読み取れる。土子さんの実家は当時、竹内の生家と同じ呉服店を営んでいた。同業者である竹内は、店先で幼い土子さんを見かけると声かけ、その頭を撫で、家族に代わって胸に抱いたこともあったのではないか。筑波日記を読む土子さんは竹内との接点を想像した。

土子隆輝さん。明治36年創業の北条「とり文」の三代目

竹内の魅力を土子さんは、子どもに向ける優しさと、戦時下でも失わないユーモア、率直な感情表現にあるという。その豊かな才能は、「呼吸をするように詩が生まれた」(竹内浩三作品集)という言葉にも表れている。

現存する筑波日記は1944年7月まで。それ以降の記録は残っていない。「竹内なら、外地のことも含めて、その後も記録したはず」と土子さんは考える。冊子は150部作成し、知人を中心に配布した。竹内の地元・三重県伊勢市の竹内に縁がある人々とのつながりも生まれた。「歴史の中で、竹内の物語が北条と繋がったというのは貴重」と話す。

戦争への思い

冊子作成を通して親近感を持った竹内との縁は、互いが学生時代を過ごした町でも繋がった。

「竹内が学生生活を過ごした同じ地域で、私も学生時代下宿していたんですよ。竹内が過ごした20年後のことでした。戦争の前後で、大きな時代の違いを実感しました」

「生きていれば、映画、漫画、詩、様々な分野で才能を発揮したはず。(竹内は)ひょんと死んじゃったんですよね。惜しい人を殺してしまった。こういう殺し方をした戦争というのは、するものではないとつくづく思う」土子さんはそう話す。

三重県庁公報によれば、陸軍上等兵・竹内浩三は1945年4月9日、フィリピン・バギオ北方1052高地で戦死した。享年23。遺骨は、今も見つかっていない。(柴田大輔)