土曜日, 6月 29, 2024
ホーム ブログ ページ 241

ごみ放置今年も 花火の翌朝、小中学生・住民らが片付け

0
土浦花火大会翌朝の観覧場所の様子=8日午前6時25分ごろ、土浦市佐野子の桜川河川敷
ビニールシートに打ち込まれた金属製の杭を苦心しながら引き抜く土浦一中の生徒たち=8日午前7時30分ごろ

土浦全国花火競技大会では毎年、大会パンフレットや公式サイトで、ごみの持ち帰りや、指定のごみ箱へごみを出すことを呼び掛けている。にもかかわらず毎年、ごみの放置が繰り返されている。翌朝、早朝にごみを片付けているのは、小中学生や地域住民などのボランティアだ。

第86回花火大会から一夜明けた8日午前6時30分、観覧場所となった土浦市佐野子の桜川河川敷周辺には、放置されたビニールシートなどが散乱していた。この時間からすでに地域住民らが、ごみ袋を片手に道路に散乱した空き缶を拾う姿が見られた。

午前7時、市立土浦一中全校生徒と市立土浦小4~6年の児童有志ら計約600人が無料観覧場所の清掃に加わった。生徒たちは、ぬかるんだ河川敷に放置してあるビニールシートやゴザなどを回収。中には金属製の杭で固定したまま放置されているビニールシートもあり、生徒らは苦心しながら杭を引き抜き、シートを畳んでいた。

生徒を引率する土浦一中の教諭は「中学生のボランティア清掃活動をPRしてもらっているので、ごみは減ってきている」と、中学生らによる活動の効果が徐々に出始めていると話した。

一方、清掃活動をしていた近所の男性は、花火大会のごみ置き場に、別のごみをついでに出す人がいると話した。男性の言葉を裏付けるように、同市生田町の臨時ごみ置き場には、電気掃除機や木製の雑誌ラックなど、花火と関係ないごみも混じっていた。(崎山勝功)

放置ごみを回収する土浦一中の生徒たち=8日午前7時30分ごろ

800人がいも掘り体験 茎崎住民の人気行事、今年も

0
大きく育ったサツマイモに笑顔を見せる家族=つくば市茎崎の柳田農場

青少年の健全な育成を目的に活動している「青少年を育てるつくば市民の会・茎崎支部」(深利正子支部長)が10日、親子ふれあい事業「さつまいも掘り」を行い、秋晴れの下約800人が参加して大きく育ったサツマイモの収穫を楽しんだ。

同会は1967年に設立した青少年育成茨城県民会議の会員団体。地元の柳田農場の協力で続いているサツマイモ掘りは地区住民の人気行事として定着している。定員700人だったが数日で800人を超える参加申し込みがあり、収穫は1人4株、家族5人までとして住民の期待に応えた。

地面を覆うツルを切り取った1.5haの畑で、父母や祖父母と一緒になって子どもたちがサツマイモ掘りに挑戦した。大きく育ったサツマイモは簡単に抜けず、「ぜんぜん抜けなーい」と苦戦しながら掘り進み、やっと抜けると「やったー、大きくて太い」と歓声が上がった。

民生委員や区長たちで構成された執行委員らが準備や運営を担う。住民が引き揚げた後は、取り置いたサツマイモを茎崎地区の小中高校、茎崎交番や市南消防署茎崎分署に届けるのが恒例だという。深利支部長は「地域全体で子どもたちの育成を見守っていきたい」と話す。

お店巡って食事券ゲット 神立でスタンプラリー

0
スタンプラリー「ポンして神立」のちらし

土浦市の神立商工振興会(香取秀総会長)は、神立地区の飲食店や物販店を巡ると抽選で食事券が当たる「スタンプラリーポンして神立」を開催している。期間は11月12日まで。

同会に加盟している居酒屋や洋菓子店、美容室、精肉店など42店舗が協力して開催。好みの店を利用しスタンプを3店分集めると2000円分の食事券が45人に当たる抽選への参加資格を得られる。スタンプの台紙は参加店で配布している。

抽選会は11月26日に同会が主催するイベント「フェスティバル神立2017」で行われ、当選者には郵送で発送される。(谷島英里子)

問い合わせは同会(電話070・4369・5828)。

スタンプラリー参加店

土浦の骨董に熱いうんちく 76歳の矢口義家さん人気

0
持参の茶道具を並べて解説する矢口義家さん(中央)=9月30日、第2回古美術の見方・楽しみ方教室

土浦の骨董(こっとう)品に熱いうんちくを傾ける同市下高津、矢口義家さん(76)が、地元で人気を集めている。今年4月、同市中央、中城不動院・琴平神社参道でスタートした蚤(のみ)の市「つちうら亀の市」(同実行委員会主催)がきっかけ。矢口さんは亀の市の協賛企画として8月から連続開催されている「古美術の見方・楽しみ方教室」(土浦界隈=かいわい=まちづくり研究会主催)の講師を務めている。

矢口さんは古美術商(古物商)の免許を持つ。博物館・美術館の鑑賞歴35年、骨董品収集歴10年、焼き物研究歴8年と、古美術品と長くかかわってきた。

出発点は、博物館好きの当時中学生だった娘と一緒に各地の博物館を見て回り、数々の展示品に魅せられたこと。「以来35年、古美術品に魅せられ、のめり込んできた」という。

市観光ボランティアガイドとしても活躍している。「新人のボランティアを指導するためにも、古美術教室で話すことで話術が身に付き、役に立つのではないかと思った」と講師を引き受けた理由を話す。

第1回の古美術教室は8月26日「焼き物編」と題して、同市中央、中城通りの琴平神社境内にある井戸端庵で開催された。当日は厳しい暑さだったが、申込者が予想を上回り30人を超えたため、冷房設備のある1階から冷房のない2階に会場を移した。参加者は暑さをものともせず矢継ぎ早に質問し、矢口さんは分かりやすく丁寧に答え、解説。参加者の熱気が酷暑を凌駕(りょうが)した。

第2回は9月30日、「茶道具編」と題して開催され、23人が参加した。自慢の茶器を持参する参加者もいた。矢口さんも自ら収集した茶道具の中から数点を持参し披露、順番に回され、参加者はじかに手に取り手触りを楽しんだ。

土浦は江戸時代から城下町、宿場町として栄え、明治、大正、昭和の時代は商都として繁栄し古い家並みが残る。高齢化や人口減少に直面する近年は、後継者がいないなどから取り壊される旧家が中心市街地でも目立つ。

矢口さんは「道端に貴重な物があっても気付かない人は行ってしまう」と語り、古美術に興味のない若い世代が、先祖代々の土浦の家宝をフリーマーケットなどに出し、散逸してしまうことを憂えている。「古美術に興味のある人に、ぜひ自分の後を継いでほしい」と矢口さんは語る。(鈴木萬里子)

◆第3回古美術の見方・楽しみ方教室は10月21日(土)、「土浦の文化財」と題して井戸端庵で開催する。前半は近隣の寺を訪れ仏具を見学、後半は井戸端庵に戻りその解説をする。資料代500円。問い合わせは「土浦界隈まちづくり研究会」伊藤春樹さん(電話090・4059・4860)
◆第2回つちうら亀の市は11月4日(土)、同市中央、中条不動院・琴平神社参道と境内で開催。古美術、古書、古道具などのお宝も並ぶ。

今年4月開催の第1回亀の市

土浦の夜空を彩る花火競演 土浦花火大会

0
2万発の花火が秋の夜空に打ち上げられた

日本三大花火の一つ、第86回土浦全国花火競技大会は7日午後6時から、土浦市、学園大橋付近の桜川湖畔で開催された。

会場では、約2万発の花火が打ち上げられ、観客らは花火を堪能した。このうち約6分間にわたって約2100発を打ち上げるワイドスターマイン「土浦花火づくし」の打ち上げでは、多数の花火が夜空を覆い尽くし、観客席からは拍手が沸き起こった。(写真=坂本栄、崎山勝功)

多彩な花火が打ち上げられた

 

 

 

 

 

「作陶で脳が元気に」 味わいある作品500点 「つくばね焼陶芸教室」グループ展

0
「陶芸で手の筋肉を使うと、脳が元気になる」と話すジャクタ・ブルノさん

筑波山中腹の窯元で作陶する「つくばね焼陶芸教室」のグループ展が、つくば市吾妻のつくば市民ギャラリーで開かれている。手の温もりが伝わるような作品約500点が一堂に並ぶ。出展メンバーの一人で、フランス出身の筑波大学助教ジャクタ・ブルノさん(50)は、作陶の喜びを「脳が元気になる」と話す。

同教室は、筑波山中腹の約8千坪の敷地内に登り窯を設け、きれいに焼き色が出るという筑波山の土を陶土につくる「つくばね焼」窯元の梅田八主守さん(85)が指導する作陶グループ。展覧会は、生徒の発表の場として年1回開いているもので、9回目。「使われてこそ器」が梅田さんのモットーで、今展でもコーヒーカップや皿、花器など、身の回りに置いて使いたくなるような、温かみのある作品が並ぶ。「ものづくりは面白い。生徒には自由に作陶を楽しんでもらっている」と梅田さん。

日本の陶芸に魅せられ、1年半前から教室に通うジャクタさんは「日本の陶器は、工場で作るように均一な西洋のものに比べて、形がいびつで完璧ではない。だからこそ人がつくっている味わいがある」と話す。月2~3回の作陶は、デスクワークで疲れた頭を休めてリラックスできる時間といい、「陶芸で手の筋肉を使うと脳が元気になる」と喜びを語っていた。
同展は9日まで。入場無料。(大志万容子)

使い易そうな、温かみのある作品が並ぶ「つくばね焼陶芸教室」グループ展=つくば市吾妻のつくば市民ギャラリー

白いじゅうたん一面に 常陸秋ソバの花が見ごろ

0
可憐なソバの花が一面に広がる=つくば市北太田

つくば市北太田の畑で、常陸秋ソバの花が見ごろを迎えている。1 haの畑一面が白いじゅうたんを敷き詰めたようで、清楚な花が心地良さそうに風に揺れている。

写真のソバ畑は同地区の関喜幸さんが所有。8月に天候不順があったが開花は例年と変わらず、霜の降りる11月に収穫時期を迎える。3俵(135㎏)の収穫を見込む。(橋立多美)

花径6㎜くらいの花をたくさん付ける。花の後にできる実は三角すい状で黒褐色に熟す

 

迷い犬を保護 研究学園駅近くの保育園で

0
つくばエクスプレス研究学園駅近くのラ・フェリーチェ保育園前で6日朝保護された迷い犬

10月6日午前6時30分ごろ、つくば市研究学園5-6-3、ラ・フェリーチェ保育園の髙橋晃雄園長が、園前の道路で鎖を付けたまま歩いている犬を見つけ保護した。雑種、オスの中型犬。少し太り気味だが、毛並みもきれいで、人懐っこく、吠えることもないという。

鎖の端だけに砂が付いていたことから、捨て犬ではなく家の庭で飼われていて鎖が外れ、さ迷っているうちに迷子になったのではないかと高橋園長は考える。

ラ・フェリーチェ保育園には、高橋園長が自宅で飼っているトイプードルが毎週遊びに来るので、園児たちも犬が大好き。6日、登園してきた園児たちは「新しいワンちゃんだ」と目を輝かせたが、園長から「迷子になって、おうちに帰れないんだよ」と聞くと、「かわいそうだね」と心配顔だった。

週末は、保育園で保護できないため、6日午後からつくば市役所に対応を任せた。市環境課によると、6日から9日までは、市内の動物病院で保護し、その後は、石岡にある県の動物愛護センターに送られる。

市環境課によると、犬が行方不明になると、飼い主は、自分で探し回り、2~3日してから市役所や警察に連絡してくるケースが多いとのこと。高橋園長は「15日までに飼い主が見つからないと殺処分になってしまう。飼い主もきっと必死になって探していると思う。近所のスーパーに張り紙をお願いしたが、SNSをやっている方は、是非発信して、飼い主探しに協力して欲しい」と協力を呼び掛けている。

連絡先は▽つくば市役所環境課 029-883-1111▽ラ・フェリーチェ保育園園長 髙橋晃雄さん(℡029-875-7831、携帯090-1844-8514)

いばらき腎臓財団に第一生命保険「保健文化賞」 賞金200万円

0
人形の赤ちゃんを使った授業をした「いのちの学習会」=2015年11月、つくば市立今鹿島小学校(いばらき腎臓財団提供)

臓器移植の普及や啓発に取り組んでいる公益財団法人いばらき腎臓財団(つくば市、理事長・山縣邦弘筑波大学腎臓内科学教授)が、第一生命保険主催の「第69回保健文化賞」を受賞した。腎臓財団が2008年度から続けている子どもたちへの「いのちの学習会」活動が高く評価された。贈呈式は10月12日、東京・帝国ホテルであり、賞金200万円が贈られる。年間の事業費規模が約900万円の財団にとって、大きな支えとなる。

第一生命保険によると、保健文化賞は1950年創設と歴史があり、近年は、生活習慣病対策、高齢者・障害者への福祉、海外医療や疾病対策などに継続的に取り組んできた個人・団体を顕彰している。今年度は個人6人、団体はいばらき腎臓財団を含む9件が受賞した。厚労省、朝日新聞厚生文化事業団、NHK厚生文化事業団が後援している。

評価された「いのちの学習会」は、小中学校や高校に出向いて開いてきた。臓器移植への理解を深め、自分や他人の命を尊重する心を育んでもらうのがねらい。筑波大などの医師や看護師、腎臓財団職員らが移植医療の現状を伝えるため、臓器移植の仕組みを学ぶDVDを見せたり、さまざまな移植の事例を紹介したりする。移植する側、される側双方の家族らが直接話すこともあった。

児童・生徒には、生後間もない赤ちゃんの実物大の人形を抱っこしてもらい、人形と自分を比べて成長を感じることで「生きること」や「命のつながり」について考えたり、感じたりしてもらっている。

学習会は08年度から15年度までに県内の33小学校、19中学校、27高校で開催された。16年度には15年度の1.5倍近い延べ32回に増えたという。腎臓財団のスタッフは「一人でも多くの方々に臓器移植医療に関心を持ってもらえるよう、今後も地道な活動を続けていきます」とコメントしている。(米内隆)

腎臓財団事務局は電話029・858・3775、「いのちの学習会」の申し込みはinfoiba@iba-jinzou.com

 

土浦花火大会 7日予定通り開催

0
花火大会開催を待つ桜川河川敷の桟敷席=5日

日本三大花火の一つ、第86回土浦全国花火競技大会は7日午後6時から、土浦市、学園大橋付近の桜川湖畔で予定通り開催される。同大会実行委(委員長・中川清市長)が6日朝、正式決定した。

約2万発の花火が打ち上げられる。スターマイン、10号玉、創造花火の3部門で競技が行われ、20都道府県の54業者が技を競う。特に数百発の多種多様な花火を組み合わせて速射連発するスターマインは日本一を競うといわれる。

幅約500mにわたる9カ所から、6分間にわたって約2100発を打ち上げるワイドスターマイン「土浦花火づくし」などの打ち上げもあり、夜空を覆い尽くすほどの迫力がある。

花火大会は1925(大正14)年、文京町の神龍寺住職が霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と、関東大震災後の不況で疲弊した土浦の経済を活性化しようと、私財を投じて開催したのが始まり。

毎年約70万人の観客でにぎわう。今年は無料だった市駐車場のうち土浦一中校庭など7カ所が新たに有料(1000円)になる。

突然ハスが消えた! 谷田川で謎深まる

0
跡形もなくハスが消えた谷田川=今年9月2日撮影
2015年夏に行われた駆除の様子=倉本茂樹さん提供

牛久沼に流入する谷田川から今夏、突然ハスが消えた。ハス消滅は全国各地で起きている。地元、つくば市森の里団地住民の間で謎が深まっている。

つくば市長高野の田園地帯から南下する谷田川は、左岸の住宅団地森の里の前を過ぎて牛久沼の北側に流入する一級河川(全長35.2㎞)。森の里団地に面して築かれた堤防は地域住民の格好の散歩コースで、7~8月には対岸に自生したハスがピンク色の花を咲かせて目を楽しませた。

ところが今夏は風景が一変。花は一輪も見当たらず、ハスは突然姿を消した。

一昨年の2015年7月は水辺に涼し気に花を咲かせた。ハスの群生は広がり森の里団地近くまで伸びてきた。当時同団地自治会長だった倉本茂樹さんは「大量の雨が降った場合、水面をハスで覆われたことで水の行き場がなくなり、堤防を越えて団地内に流出しないか」と不安を覚えたほどだった。

そこで谷田川を管理している県竜ケ崎工事事務所にハスの駆除を要望した。同事務所はこのままでは安全上問題があると判断。同年7月下旬から8月上旬にかけて駆除作業を行った。全駆除ではなく、およそ200mの川幅の中央部から森の里団地に向かって広がったハスを取り除いた。

16年初夏、駆除されなかった対岸のハスは葉を水上に出したが、開花は例年に比べて少なかった。そして今夏。葉一枚すら見当たらなかった。

水面を覆っていたハスが突然姿を消す事態は日本各地で起きているという。京都市の淀城跡公園や福岡県の舞鶴公園、佐賀県の佐賀城公園ではいずれも堀に生育していたハスが激減したり全滅している。極めつけは13haものハスの群生地として有名な滋賀県琵琶湖畔のハスが、昨年こつぜんと消えた。

森の里団地では「ミシシッピーアカミミガメ(ミドリガメ)や鳥のオオバンが新芽を食べたせいではないか」などが、ハス消滅の原因ではないかと取り沙汰され、謎は深まるばかり。

原因は何なのか。理学博士で県霞ケ浦環境科学センター嘱託職員の沼澤篤さんによると、考えられる要因として①出水の時にハスの生育に適した泥が流されて川底が砂地に変化した②アメリカザリガニやミシシッピーアカミミガメまたはジャンボタニシが新芽や若葉を食べてしまった③ハス特有のウイルスや線虫、菌などの病原体に感染した④泥中の有機物が多くなり、分解するときにメタンガスが発生して酸素が欠乏し、呼吸困難で枯死した、の4つが挙がった。

全国では現地調査が行われた所もあるが「要因が重なっていることも考えられ、谷田川も含めて原因は特定できない」と沼澤さんはいう。また「地球温暖化で水温が高くなって酸欠状態になる。これもハスが激減したり全滅する原因になっているのではないか」と言い添えた。

森の里在住で谷田川の白鳥を撮り続けている富樫次夫さんは「水辺に咲く花は夏の風物詩だったし、冬枯れの風景もよかった。非常に残念だ」と話す。(橋立多美)

2015年7月、堤防の目前まで迫ってきたハスの群生=同

 

地元中学生が牛若丸を熱演 小田で「能に親しむ会」

0
「橋弁慶」で牛若丸を演じる飯塚太一さん㊨と弁慶役の高梨さん
きらびやかな能装束を演者が身につける装束付の実演

つくば市小田の築105年の古民家でこのほど、「能に親しむ会」が開かれた。地元、筑波東中2年の飯塚太一さん(13)が、観世流能楽師で重要無形文化財総合指定保持者の高梨良一さん(69)と共演し、「橋弁慶」の牛若丸を力強く舞った。普段見られない能の装束付や、高梨さんから能を学ぶ子どもたちの発表会もあり、秋の夜空の元、約300人が能づくしの舞台を楽しんだ。

日本が誇る伝統芸能の能を地域の人に親しんでもらおうと、NPO法人「華の幹(はなのき)」(つくば市小田、飯塚洋子代表)が、高梨さんら観世流の能楽師を招いて毎年開いている。今年で5回目。

舞台は2部構成で、例年、第1部は高梨さんが地域の子どもたちを対象に古民家で月1~2回開く能楽教室の発表会、第2部はプロの能楽師の舞台だが、今年は、上達を認められた生徒の太一さんが、子方(子役)として初めて第2部の出演に抜擢(ばってき)された。

太一さんは母親で同NPO代表の洋子さんに勧められ、小学5年から同教室で能を始めた。「橋弁慶」は今年初めから稽古を開始したが、高梨さんの厳しい指導に「泣いてしまうこともあった」という。一方で「よくできたときはとても褒めてもらえる。それが励みになった」と振り返る。

この日、太一さんは、白鉢巻きをきりりとしめて、きらびやかな能装束に身を包んだ。京都の五条の橋に見立てた舞台の上で、長刀(なぎなた)を繰り出す高梨さん演じる弁慶と堂々と太刀で渡り合い、大きな拍手を浴びた。

「練習通りの演技を100%出すことができて満足です」と太一さん。高梨さんは目を細め、「成長が著しい。今後はもっと教室のレベルアップを図り、子どもたちだけの(第2部)舞台も実現したい」と抱負を述べた。

これに先立つ舞台では、ふだん一般には公開しない能装束付けの実演なども行われ、演者に豪華な装束を着付けていく様子を観客はじっと見入っていた。

第1部の舞台では能楽教室の子どもらが着物姿で舞台に上がり、正座で腹からしっかりと謡で声を響かせたり、扇を手に堂々とした仕舞を踊ったりした。ゲストに招かれた日立市出身で現役大学生の津軽三味線奏者、高橋拓美さんも力強い演奏を披露した。(大志万容子)

第1部の舞台。着物姿で元気よく仕舞を見せたる子どもたち
現役大学生の津軽三味線奏者、高橋拓美さん

能楽教室への問い合わせは、特定非営利活動法人華の幹(電話080・5544・5360)

障害者が働く弁当店「いっぱい買って」 牛久にオープン、配達も

0
お揃いのTシャツを着て手作りのお弁当を紹介する障害者ら=牛久市小坂町、いいはたらくばトポス
空き家を改装してオープンした施設

障害者が働くお弁当屋さんが2日、牛久市小坂町の住宅団地内にオープンした。就労支援施設「いいはたらくばトポス」(小林綾子施設長)で、障害者らは「おいしいお弁当をいっぱい作りたい」「いっぱい買ってもらいたい」など期待を話していた。

牛久市内のほか阿見町、稲敷市などの18~52歳の男女14人が、スタッフの支援を受けながら野菜の下ごしらえをしたり、盛り付け作業をしたりする。店頭で販売するほか、注文を受けて近隣市町村の職場などに配達もする。

一般社団法人「おひさま」(理事長・小林幸子元土浦市議)が運営する。グループ施設の土浦市宍塚、障害者自立支援センター「おひさま」にもお弁当を配達する。

障害者の賃金を向上させたいと、小林綾子施設長(46)が2015年、就労フォーラムに参加したことがきっかけ。その後、全国の若手施設関係者と1年間勉強を重ね、オープンにこぎつけた。賃金向上のほか、一般企業への就職などを目指す。

施設は2階建て延べ床面積約300㎡、1階は店舗や厨房、地域住民との交流スペースを備える。2階は手芸やパソコンなどの就労訓練をする作業室などがある。

もともと倉庫として使われていたが10年ほど空き家になっていた施設を、日本財団の助成金を受けて改装しオープンした。

小林施設長は「障害を抱える人たちが、地域で当たり前に働く楽しさや喜びを体験できるよう頑張りたい」と話している。

販売するのは日替わり弁当(380円)、ボリューム弁当(500円)など。5個以上注文があれば職場などに配達する。(鈴木宏子)

開店時間は平日の午前11時~午後3時。問い合わせは℡029-828-8037。

プロ仕様の設備を備えた厨房。左端は小林綾子施設長

キノコ愛でる、なでる、萌える 3連休は筑波実験植物園へ

0
多目的温室に展示されている多種多様な生キノコ=筑波実験植物園
大きなミヤマトンビマイを抱えてほほ笑む武井さん

「愛でるキノコ」が静かなブームになる中、つくば市天久保の筑波実験植物園で開かれている企画展「きのこ展―あの『物語』のきのこたち」が人気を集めている。

つくば市を中心に日本各地で採った100種類を超える野生の生キノコが並ぶ様子は、壮観だ。キノコをモチーフにした木版画を制作する同市北条の武井桂子さん(71)は「見てかわいく、食べておいしいキノコが子どもの頃から大好き。ここはキノコの魅力がいっぱいで、極上の気持ちになれる」とほほ笑む。

2010年から毎年開いている企画展。企画した国立科学博物館植物研究部の保坂健太郎研究主幹は「展示のキノコはさわれるので、実際にキノコに触れたり、重さを体感したりして、五感でキノコの多様性に触れてほしい」と話す。

生キノコが展示されている多目的温室には、つくば市内の公園で採取された直径約40㎝と巨大なニオウシメジや両腕で抱えるほどの大きさのミヤマトンビマイ、フランス料理の材料として知られるトリュフなどが展示され、その多様さに目が奪われる。

傷みやすいキノコを常時職員が採取した新鮮なものに入れ替えるため、展示される種類は日替わり。一日100種類以上、期間中ではのべ300種類にもなるという。

会場では、訪れた人たちが、キノコの傘をなでて「すべすべしている」と感想を話したり、目を閉じてゆっくり匂いを嗅いだりしながら、鑑賞を楽しんでいた。

絵本や図鑑に登場するキノコと写真や標本などを対比させている展示コーナー

また研修展示館1階では、キノコが登場する絵本や漫画など90冊以上を集めた展示コーナーを設置。それぞれのストーリーを紹介しながら、作中のキノコと実物の写真や標本を対比し、保坂さん自身が実際に作者に聞いたインタビューや、監修した図鑑の制作過程を紹介するなど、深く掘り下げた内容になっている。

同館2階では、武井さんら5人の作家によるアート作品や、同園主催の「きのこ画コンテスト」の応募作品270点も展示している。(大志万容子)

同展は9日まで。開園時間は午前9時~午後4時30分、入園料は大人310円、高校生以下は無料。詳細は同園ホームページ:http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2017/10kinoko/index.html

キノコについて解説する保坂研究主幹。「園内きのこ案内」と題して毎日開かれている
武井さんら5人の作家によるキノコモチーフのアート作品も展示されている

「私の髪の毛使って」 2年伸ばして31㎝、記者が寄付

0
ヘアドネーションのためカットされた4束の髪=つくば市天久保の美容室「Hair-makeまぅるる」
カット前に髪の毛を4分割する

出来る範囲で社会貢献したい。何かボランティアをしてみたい。そんな人には「ただ髪を伸ばすだけ」でボランティアができるヘアドネーション(髪の寄付)がお勧めだ。2年間、髪の毛を伸ばし続けてきた記者も、ついにそのときを迎えた。

2015年、記者は全国紙の記事でヘアドネーションを知った。抗がん剤の副作用や無毛症など頭髪の悩みを持つ子どもに、医療用ウイッグ(かつら)を作るため、長く伸ばした髪の毛を無償で提供するというもの。人毛の自然なウイッグは、見た目だけではなく、心まで癒やしてくれるという。

しかし人毛のウイッグは10万円からと値が張り、気軽に購入出来ない。一つのウイッグを作るには20~30人の髪の毛が必要で、さらに髪を均一にするための化学処理に約半年~1年はかかる。そのため最長2年の順番待ちが出てしまう。ウイッグに使える髪は、31㎝以上の長さがあること。ドナーの国籍、性別、年齢は関係ないが、引っ張ると切れてしまう髪は使えない。男性ドナーも1割いるという。

提供方法は①自分でカットして受け付け団体に送る②行きつけの美容室でカットした髪を持ち帰り、自分で送る③ヘアドネーションに賛同する美容室でカットし、美容室から団体に送ってもらう―の3つだ。②はお気に入りの美容院でカットできるメリットがあるが、自分で送るのが多少面倒になる。一番気楽にできるのは③の賛同美容院でカットしてもらうことだ。美容院によっては料金の割引特典もあるので問い合わせをお勧めする。

カット前の記者の髪
 記者は2年間髪を伸ばし、この9月で規定の長さに達した。さっそく賛同美容院の一つ、つくば市天久保の「Hair-makeまぅるる」を訪れた。オーナーの「とまと」さんは「美容師でもヘアドネーションのことを知らない人は多いんです。私もお客さんから聞きました」と話す。自身もドナーの一人だ。

 

まず最初に、どの長さまで切って好みのヘアスタイルにするかをスタイルブックを参照して決める。なのでドナーは、残したい髪の長さに31㌢を足した長さまで伸ばす必要がある。スタイルが決まると髪の毛を4等分に束ねてカットする。切り取った髪の束を持つと、体の一部だった時には感じなかった重量感があり、不思議な感覚を覚えた。

髪を伸ばすのに要する日数は個人差が大きい。記者は髪を伸ばした経験がなかったためストレスも大きかった。抜け毛の多さと、長い毛が家の中に落ちている光景には正直閉口した。シャンプーは短髪の時より3倍の量が必要で、時間も3倍かかった。普段エコ生活を目指している記者には反エコなのもストレスになった。しかし髪を提供し終えた時には、短髪の頭と共に体中に清々しさが広がった。「頭髪で苦しむ子どもが一人でも多く笑顔になれれば良いな!」と心で念じつつ美容院を後にした。(文=鈴木萬里子 写真=大志万容子)

◆ヘアドネーションの受け付け団体は海外を含めいくつかある。その一つが2009年に設立されたNPO法人「Japan Hair Donation&Charity(JHDAC=ジャーダック)」だ。JHDACのつくば・土浦の賛同美容室は以下の通り

Hair-make まぅるる
つくば市天久保2-11-8 ☎029-858-0255

-SERA-
つくば市酒丸286-1 ☎029-847-7708

artisanale
つくば市小野崎591-1 ☎029-869-9610

chouette
つくば市筑2398-13 ☎029-879-7787

美容室poco.a.poco
つくば市天久保2-10-20 ☎029-851-3749

IRIS
つくば市二の宮2-17-12アルミックビル2F ☎029-869-6230

GIORICH HAIR
土浦市木田余東台2-4-12 ☎029-824-3536

髪工房
土浦市西根南3-7-1 ☎029-842-8682

 

31㎝の長さを測りきっちり縛る

 

カットされ一つに束ねられた髪

 

カットされた髪を持つ短髪の記者㊨とトマトさん

ごみ出しは命がけ 横断歩道なし、渋滞県道向こうの集積所へ

0
車が途切れたことを確認して県道を横断し、ごみ出しに向かおうとする女性(ミラーの右手奥がごみ集積所)=つくば市小茎
ごみ出しと重なる時間帯に渋滞する小茎の県道46号(9月4日朝7時半撮影)

「住民はごみを出すのに命がけなんだ」

そう語るのは、つくば市茎崎地区の小茎区会を束ねる小泉茂区長(68)だ。

小茎は、つくば市に編入する前の旧茎崎町役場が置かれた集落で、純農村地帯の中心だった。集落を横切る県道46号(片側1車線)はかつて生活道路だったが、周辺都市や都心へと向かう車が激増し、朝夕の通勤時間は慢性的に渋滞が発生している。

一方で、赤信号に捕まらなければ車はスピードを上げて通り過ぎていく。

こうした渋滞は、「朝8時まで」と決められたごみ出しの時間と重なる。それはまさに、小泉区長がいう命がけのごみ出しとなる。

小茎区会のごみ集積所は県道沿いの小茎農村集落センター脇にある。約150世帯の区会中、50世帯は集積所側にあるが、100世帯は国道を挟んだ反対側に位置する。安全に国道を横断するには約100m離れた茎崎農協前の信号まで行き、横断歩道を渡って集積所まで戻るしかない。

実際には車が途切れたときか、渋滞している車の間を縫うようにして県道を横断している住民が多い。集落の大半が2世帯同居世帯で、人数が多い分だけごみの量も多く、ごみ袋が重たいので回り道をしたくないという意識が働くからだ。特に足腰の弱った高齢者にとって遠回りは負担が大きい。

「先日は、左手にごみ袋を下げ、右手を上げて渋滞している車の前を横切った住民が、左からスピードを出して走って来た車と接触しそうになったことがありましたよ」と小泉さんは話す。

朝7時には渋滞するため、6時前にごみを出す人もいる。小泉さんは横断歩道があれば、とも考えた。だが、横断歩道の新設は、警察庁の交通規制基準に基づいて概ね200m以上の間隔が必要となる。現在は茎崎農協前に横断歩道があるため、集落前への設置は諦めたという。

通学路の安全対策で使う横断旗のように、せめて「ごみ出し横断中」の旗を作れないかどうかなど、小茎の住民が安全に暮らせるように思案している。

「区長を引き受けたからには諦めずに改善策を見つけたい。死傷者が出てからでは遅いし、一生後悔する」。小泉さんは語気を強めた。 (橋立多美)

 

「乗せて」ヒッチハイクおばあちゃん あなたなら?

0
高齢女性を送り届けた谷田部老人福祉センター(つくば市台町)

記者は後期高齢者の女性から2度ヒッチハイクされた経験がある。1度目は7年ほど前。牛久愛和総合病院(牛久市猪子町)に入院中の友人を見舞った時のことだった。

病院の駐車場に停めた車に乗ろうとしたら、70歳代後半と思われる女性が近づいてきて「悪いが、家まで乗っけてってくれないか」と話しかけてきた。

えっ、おばあちゃんのヒッチハイク? とビックリしたが、具合が悪くて困っているわけではなさそうなので、通院の帰りだと解釈した。

自宅の場所を聞くと、病院と国道6号に挟まれた猪子町の住宅で、車で5分ほどの距離だった。木枯らしが吹く季節で車内は冷え込んでいたが、助手席に座るとほっとした様子で表情がやわらいで見えた。

「ここで」と言われて住宅地の一角に停車した。「お世話になりました」と言いながら小さなビニール袋を座席に置いてドアを閉めた。手のひらに乗る袋の中には煎餅やチョコレートなどが入っていた。

この出来事はいつしか忘れていた。今年8月25日までは。

25日は強い日差しが容赦なく降り注ぎ、つくば市の気温は32度で高温注意報が出ていた。近親者が入院していた筑波学園病院(つくば市上横場)から中心部の自宅に帰る途中で2度目のヒッチハイクに遭った。

午後1時半頃、病院前の道路を北に進んでつくば野田線(県道3号)と交わるT字交差点で信号待ちをしていた。交差点手前に関東鉄道谷田部車庫がある。不意に高齢の女性が助手席のガラス窓をノックしてきた。何事かと窓を下ろすと「谷田部老人福祉センターまで乗っけて」と頼みこんできた。

ここから福祉センターまで3㎞はある。炎天下、高齢者を見放すことはできないとロックを解除すると、日傘を畳んで助手席に乗り込んできた。方向指示器を急ぎ右折から左折に切り替えた。

聞けば、女性は87歳で谷田部地区の高野台で一人暮らし。福祉センターで、気の合う仲間とレクリエーションしたり風呂に入ったりするのが唯一の楽しみだと語った。そのために高野台停留所からつくバスに乗車して関東鉄道谷田部車庫で下車。車庫からつくばエクスプレス(TX)みどりの駅方面の路線バスに乗り換えて目的地の支援センターに向かうのだという。

だが、みどりの駅方面行きのバスの本数が少なく、谷田部車庫で1時間待つしかない。車庫には冷暖房の利いた待合室はなく、雨ざらしのベンチが2基あるだけだ。ただ待つだけなら時間の無駄と、歩くかヒッチハイクするかの方法をとっているらしい。

「(車に)乗せてと頼むのは女の人が運転しているとき。男の人はノックしても素知らぬふりをして行ってしまう」とも話した。福祉センターの玄関に到着すると、何度も頭を下げながら建物の中に消えていった。

2度の体験を周囲に話した。男女を問わず多かった反応が「高齢者でも事件を起こす時代だから乗せない」。確かに、車内は密室で危険がないとは言い切れない。「話だけは聞くけど、同乗は断る」という声も。「男性が知らんぷりを決め込むのは、会社組織などの規範中心に生きているからでは」という女性の意見もあった。

一方、高齢女性たちの間でヒッチハイクがひそかに「移動手段」となっているのでは、と思ってしまう。そうだとしたら、したたかに「車に乗せて」と言えるのは超高齢社会を生き抜く知恵かもしれない。

さて、あなたが街中で声を掛けられたらどうしますか。(橋立多美)

あなただけの「地域新聞」作ろう 筑波学院大で1月~3月公開講座

0

自分が暮らしている地域を題材に、あなただけの「地域新聞」を作る。そんな公開講座が筑波学院大学(つくば市吾妻)のコミュニティカレッジ講座の一つとして2018年1月~3月に開かれる。自分で「ネタ」を決め、取材し、執筆、校正、編集作業までこなしてオリジナルの紙面を完成させる。定員は10人、受講申し込み締め切りは12月8日。受講料の振り込みが終わった順に受け付けし、定員になり次第、締め切られる。

足元の話題や課題を拾い上げ、独自の視点でわかりやすく伝えることを目標にし、PTA会報や自治会新聞、家族新聞作りなどのヒントにしてもらう。取材から編集まで一連の作業を通して体験することで、発想力や企画・構成力、コミュニケーションの力、聞く・書く・伝える力も養える。

講師はNPO法人NEWSつくばの坂本栄理事長(元時事通信社経済部長、元常陽新聞新社社長)、米内隆副理事長(元朝日新聞東京編集センター次長、元常陽新聞編集委員)、鈴木宏子理事・事務局長(元常陽新聞記者)らが務める。新聞を身近に感じてもらおうと、あまり知られていない「新聞の裏話」も披露される。

講座は計10回で、いずれも午前10時40分~午後零時10分。日程は①1月9日(火)「新聞を知ろう、楽しもう」②1月16日(火)「取材って? 原稿はどう書く? 編集こそ中核」③1月23日(火)「ネタを決め、アポをとり、取材しよう」④1月30日(火)「同」⑤2月6日(火)「同」⑥2月15日(木)「原稿を書こう、書いたら点検しよう」⑦2月22日(木)「同」⑧2月27日(火)「同」⑨3月6日(火)「紙面を編集しよう」⑩3月15日(木)「同」。テキストは講師側が用意する。

受講料は1万2000円、60歳以上はシニア料金で1万800円。問い合わせ、申し込みは筑波学院大学コミュニティカレッジ係まで。以下の6項目(①講座番号112・講座名「自分だけの『地域新聞』を作る」②氏名、ふりがな必須③郵便番号、住所④電話番号、メールアドレス=緊急時に連絡がつくもの⑤年齢⑥性別)を明記して、はがき(〒305-0031 つくば市吾妻3-1)、FAX029-858-7388、TEL029-858-6341、Eメールkouza@tsukuba-g.ac.jpで。

 

 

10月1日スタートを発表 NEWSつくば、編集拠点の筑波学院大と会見

0
記者会見する坂本栄NEWSつくば理事長㊨と大島愼子筑波学院大学学長=つくば市吾妻、筑波学院大学
記者会見の様子=同

NPO法人NEWSつくば(坂本栄理事長)は9月27日、筑波学院大学(大島愼子学長、つくば市吾妻)と共同記者会見を開き、10月1日からウェブニュースの発信を開始すると発表した。今年3月末に休刊となった県南の地域紙、常陽新聞の元記者ら8人が中心となって準備を進めてきた。地域貢献という趣旨に賛同した同大学から、施設の一室の無償提供を受け、編集室とする。

同大学を拠点に、つくば、土浦市の地域ニュースを日々発信する。合わせて、同大学で公開講座を開き、新聞の読み方、取材の仕方、記事の書き方などを市民や学生に講義する。

坂本理事長は「スタートはウェブニュースの発信と公開講座の授業の二つが柱になる。FM放送ラヂオつくばへのニュース配信など活動を広げ、将来は地域を限定した超ローカル新聞の発行などもやりたい」と話した。

大島学長は「常陽新聞休刊後、地域の新聞を存続させたいという声が挙がった。常陽新聞は、学生が地域に出て活動する大学のオフ・キャンパス・プログラムの活動報告を月2回掲載し10年以上協力してくれた。自由に地域のニュースを書いてもらえたら」などと期待を寄せた。

市民や企業から寄付などを募って運営し、市政、暮らし、教育、文化、スポーツなどの記事を発信する。一般紙では掲載されないような地域ニュースを主に取り上げ、市民にもコラムや記事の執筆を呼び掛ける。閲覧は無料。

握手する坂本理事長と大島学長=同

30年間 投票所に一番乗り そこで見たものは……

0
施錠されていない投票箱の中が空であることを確認する中島浩さん㊨=つくば市苅間の市立葛城小学校
知事選で一番乗りで一票を投じた中島さん

つくば市苅間の会社員、中島浩さん(57)は、20代後半から30年間、選挙で一番最初に投票している。8月27日の知事選でも、投票所の市立葛城小に投票開始1時間前の午前6時に行き、一番乗りで1票を投じた。

投票開始10分前の午前6時50分、投票所の同小体育館入り口前に中島さんが並ぶ。ポツリポツリと集まってきた地域住民がその後ろに列をつくる。5分前の6時55分になると、体育館内にラジオ放送が流れる。7時のラジオの時報を合図に、投票管理者が投票の開始を告げる。

投票開始前、最初に投票する中島さんが、投票箱に何も入ってないことを確認した。その後、投票箱が施錠される。これは、公正な選挙を行うための「零票確認」という作業で、最初の人だけができる。

中島さんが投票一番乗りを始めたのは20代の後半からだ。毎回一番乗りで投票している人をテレビで見たのがきっかけ。「一番は気持ちがいいし、達成感がある」という。冬場は車内で暖房をかけて待つ。「9年前のつくば市長選・市議選の選挙の時だけ2番手になった。あの時は悔しかったなぁ」とも。

長男は以前、他人事のように「いっつも(投票に行くのが)早いな」と嫌味を言っていたが、30歳になったころから立候補者の公約に関心を持つようになったという。中島さんは「一票の重みが地域を変える。選挙に関心を持ってほしい」と言い添えた。(橋立多美)