金曜日, 5月 9, 2025
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焼酎、サブレなど新たに3品が認証 つくばコレクション

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2018年度のつくばコレクションに新たに認証された(左から)米焼酎、サブレ、シフォンケーキ=つくば市役所

【鈴木宏子】贈り物にもなるつくばの優れた加工食品を市が認証する「つくばコレクション」に、今年度新たに3品が加わった。米焼酎、サブレ、シフォンケーキの3品で、いずれも筑波山麓で栽培されたコシヒカリ「常陸小田米」が使われている。再認証された7品と併せて2018年度の認証は8事業者の計10品となる。

3品は、常陸小田米と清酒用の花酵母を使用し減圧蒸留で仕上げたフルーティーな香りの米焼酎「筑波喜右衛門」(720ミリリットル入り1620円)▽米粉と、筑波山周辺で古くから栽培されてきた小型の柑橘類、福来みかんを使用して作ったサブレを、筑波山の形に成型して、さらに筑波山固有の野草ホシザキユキノシタのデザインを型押しした「筑の花サブレ」(8枚入り650円)▽米粉と、海藻をえさに与えた鶏卵、黒蜜を使ったシフォンケーキ「つくば米シフォンケーキ黒蜜」(カット270円、ホール1620円)=価格はいずれも消費税込み。

2018年度認証を受けた事業者ら=同

19品の応募の中から、新規3品、再認証7品が選ばれた。有識者と公募市民計16人で構成する同評価懇話会(座長・市川一隆ホテルグランド東雲社長)が審査した。

4度目の挑戦で初めて「筑の花サブレ」が認証を受けた洋菓子製造販売会社「fortune(フォーチュン)」の桜井有希子社長(51)は「筑波山の形と福来みかんの香をお客さんに届けられれば」と話し、五十嵐立青市長は「あらゆる場面で宣伝したい。今年はG20や国体があるので機会をとらえてPRしたい」と話した。

認証期間は3年間。18年度の10品のほか、16、17年度の17品の計27品が認証されている。認証品は、認証マークを貼って販売できるほか、つくば駅構内の売店「つくば市物産館」などで販売される。

【震災8年】4 「変容」撮り続ける齋藤さだむさん 19日から写真展「その後」

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北茨城市磯原の二ツ島(1998年撮影㊧)は2011年には岩肌がむき出しになった=齋藤さだむさん撮影

【相澤冬樹】今年も3.11は被災地に赴いた。「3月11日と8月15日は現場に入ると決めている。それが僕なりの慰霊の仕方」というのは、つくば市在住の写真家、齋藤さだむさん(70)。足を運ぶ先の1つが北茨城市磯原で、夜、沖にライトアップされた岩礁が浮かびあがる。茨城百景の1つに数えられる二ツ島、今はひとつの島影しか見えない。19日から水戸市の画廊で始まる写真展に備えて、今年も夜の海にカメラを向けた。

島が1つになったのは、地震と津波で崩落し、消失したため。齋藤さんは震災の半年後に訪れ、あまりの変わりようにショックを受けた。二ツ島はまだフィルムカメラの時代だった1998年にも撮っていた。岩に張り付くように緑の木々が写っている。それらが岩の一部もろとも津波に持っていかれて、鉱物標本のような姿になってしまった。

齋藤さだむさん=つくば市内の自宅アトリエで

1980年代を筑波大学の技官として過ごした齋藤さんは、建設段階にあった筑波研究学園都市の風景や建築物を撮り続け、内外で評判になった。自らのテーマを「場所の変容」と定めて90年に退職、写真家として独立した。

震災直後、同大学の芸術学系で交流のあった装丁家の守先正さんに誘われて、福島県南相馬市に入った。同市の詩人、若松丈太郎さんの詩集『ひとのあかし』(アーサー・ビナート英訳、清流出版刊)に載せる写真撮影のためだった。チェルノブイリの現実を福島の未来に重ね合わせるように書いた1994年の作「神隠しされた街」などで、危険性をいち早く唱えていたと話題になった詩集だ。

齋藤さんは「背中を押されるように」、東北に足繁く通っては、青森から茨城までの海岸線沿いの被災地に立ち入ることになる。津波に襲われた土地には、住宅や工場の基礎だけが残っていた。

「草が少し生えただけ」

まさに「変容」の場所、生業である建築写真を撮るスタイルのままカメラを向けることができた。それらを集め、2012年4月には、いわき市で写真展「不在の光景」を開いている。しかし、福島第1原発の被災地だけは「まったく違う現れ方だった」という。線量計を携行して双葉町、浪江町などの帰還困難、居住制限区域にも入った。「被災者にお願いして、同行者として入れてもらった。何も戻ってきていないのを痛感する」ばかりだった。

齋藤さんは、この後も各地で何回かの写真展を開いているが、被災地を撮った写真はすべて額装せずに展示した。カメラアングルの外側にも被害が広がり、変容があることを伝えたかったのだ。そんななか、1998年に撮った二ツ島の写真は額縁に収めていたため、2011年の写真も額装し組写真にして発表した。残酷な時間の変容が伝わってくる。

そしてことし3月、齋藤さんは三たび夜の二ツ島を訪ねた。19日から水戸市のギャラリーしえるで始まる写真展「その後」に向けての撮影行だった。「ほとんど変わっていない。草が少し生えただけだった」という二ツ島を撮ってきた。それらを含め、今回約30点を6日間展示する。

会期が短かめなのは、できるだけ会場に詰めて、来場者と「その後」を語り合いたいためという。それぞれの目にはどんな「変容」が映るだろうか。

▼齋藤さだむ写真展「その後」 3月19日から24日、ギャラリーしえる(水戸市見川2434-1)。会場の電話:029-241-5696

【震災8年】3 商売再開した福島避難者を紹介 筑波大生ら取材

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小冊子「いってみっか」を紹介する筑波大学の上原あやかさん

【鈴木宏子】原発事故により福島県から茨城県内に避難し、つくばや土浦市などで商売や事業を再開した避難者13組を紹介した小冊子「いってみっか―いばらきで歩みはじめた私たちの想い 3.11から」(B5判、31ページ)がこのほど発行された。筑波大学学生による復興支援団体「Tsukuba for(ツクバ・フォー)3.11」のメンバーが制作に加わった。

福島県からの避難者を支援している市民団体「ふうあいねっと」(原口弥生代表、事務局・茨城大学内)による。長く付き合った馴染み客や取引先を失い、新しい土地でマイナスから再スタートした避難者を応援したいと制作した。

つくば市二の宮で日本料理店を再開したいわき市出身の安藤公一さん、同市松代に整体院を開いた浪江町出身の石川美穂子さん、土浦市中高津で塗装工事会社を再開した双葉町出身の新川正文さんなど、つくば、土浦、水戸、日立市などで事業を再開した避難者の、原発事故後の避難体験や事業再開までの道のり、仕事への思いなどがつづられている。

「いってみっか」で紹介されているつくば市内の日本料理店

「Tsukuba for 3.11」のメンバーで、筑波大人文文化学群1年の上原あやかさん(19)はこのうち3人を取材した。

「何かを始めるのに年齢は関係ない。何歳になってもできる」という言葉が特に印象に残ったという。「避難し、出身地を離れて事業を再開したチャレンジ精神がすごい。仕事に強い対する思いを感じた」と振り返る。

上原さんは沖縄県出身。8年前の東日本大震災時は小学5年生だった。震災の被災当事者からじっくり話を聞いたのは今回が初めてだったという。

「驚きの連続だった。言葉の重みが違っていて、直接聞くことで情景が目に浮かんだ」と話す。再開してもお客さんがなかなか来てくれないなど厳しい状況を抱えている避難者もあったが「仕事が好きだから頑張れる」とか「お客さんの笑顔にやりがいを感じる」という言葉に強さを感じたという。

紹介されているつくば、土浦市内の事業所は以下の通り。

つくば市
▽障害者就労支援施設「遊愛コーポレーション 就労継続支援A型事業所アリス」(島名榎内3621-2、電話029-896-3833)=皆川勝さん(南相馬市出身)
▽日本料理店「お料理 わ可ば」(二の宮3-2-11、電話029-896-8155)=安藤公一さん(いわき市出身)
▽眼鏡店「GRAN GLASSES(グラングラス)」(学園の森3-10-2、電話029-828-5539)=原田功二さん(浪江町出身)
▽すし店「二代目 寿し松」(研究学園4-2-14)=松本清治さん(浪江町出身)
▽整体院「つくば松代むつう整体院」(松代1-16-31、電話029-852-7567)=石川美穂子さん(浪江町出身)
▽美肌エステサロン「メナードフェイシャルサロンつくば高崎店」(高崎郷中塚41-1)=木幡サチ子さん(浪江町出身)

土浦市
▽書道塾「おおつ野書道教室」(おおつ野8-16-15、電話029-846-2101)=椀台俊夫さん(浪江町出身)
▽塗装工事会社「建装メンテナンス」(中高津2-4-3、電話029-879-5611)=新川正文さん(双葉町出身)

同誌は2500部作成。無料。問い合わせは電話029-233-1370(ふうあいねっと)、メールfuai.sta@gmail.com

【震災8年】2 ふるさと福島に向かい黙とう つくばへの避難者らが慰霊祭

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福島県双葉町の方向に向かって黙とうをする、慰霊祭の参列者たち=11日午後3時ごろ、つくば市並木3丁目

【崎山勝功】東日本大震災から丸8年を迎えた11日、つくば市周辺で避難生活を送っている福島県双葉町からの被災者が、同市並木3丁目の国家公務員宿舎前で慰霊祭を開いた。被災者に加え筑波大生らが参列、約20人が双葉町の方向に向かい犠牲者への黙とうを捧げた。

双葉町出身の中村希雄さん(77)方の庭先には祭壇が設けられ、参列者たちが一人ずつ線香を上げ、祭壇前で犠牲者の冥福を祈った。黙とうを終えた参列者たちは、時代劇「水戸黄門」の主題歌「ああ人生に涙あり」を合唱した。

慰霊祭で、中村さんは今までお世話になった人たちに感謝を述べた上で、「私たちのモットーは一日一日を楽しく明るく、ケガをしないで病気にならないで生きていこうということ」と語った。中村さんは11年10月から同市並木の公務員宿舎で避難生活を送り、震災から1年後の12年3月から毎月11日の月命日に宿舎の庭先で慰霊祭を開いた。17年3月までは毎月行われていたが、18年からは年1回開催となり、今回が63回目の慰霊祭だった。

時代劇「水戸黄門」の主題歌「ああ人生に涙あり」を合唱する慰霊祭の参列者たち=同

当初は双葉町出身者のみで開く予定だったが、市内で避難者向けの体操教室を開く筑波大の長谷川聖修(きよなお)教授の勧めで、同大の学生たちも参列。長谷川教授は「学生たちは全国から来るので、震災のことをほとんど知らない。またはメディアを通じてしか知らない。直接に避難している人から話を聞くのは大事」という。

学生たちは、避難者たちと体操教室とグラウンドゴルフで交流を深めており、同大大学院1年の松浦稜さん(23)=福岡県出身=は「名前で呼んでくれて家族みたいに接してもらっている」と話した。つくば市東岡の竹前久江さん(74)は「福島の人たちと体操教室を通じて友だちになった。最初はおとなしいと思ったけど、いろいろと話をしてくれる」という。

中村さんの妻の富美子さん(77)は「ここ(つくば)はみんないい人ばかりで助けられてきた。福島県内の避難先では嫌がらせがあったと聞くけど、つくばではなかった。とてもありがたい」と市民に感謝した。富美子さんの今の気がかりは、公務員宿舎に住める期限が19年度末までとなっていること。「できれば期限を延ばしてほしい。今まで交流している人とのつながりがなくなるし、双葉町には帰れない」と訴えた。

並木の公務員住宅にはピーク時で48世帯が住んでいたが、2020年3月末で応急仮設住宅の供与期間が切れることから、入居者たちの多くがつくば市や周辺地域など各地に転居しており、現在は十数世帯程度が生活しているという。

◆避難者の厳しい現状

慰霊祭では、双葉町出身者たちから厳しい現状が聞かれた。同町出身でつくば市内在住の主婦(62)は「隣近所とはお付き合いがあるけど『双葉町』とは言っていない。水戸市に引っ越した人で『双葉町』を隠して住んでいる人もいる」と明かした。主婦は震災前はホテル関係の仕事をしていたが「仕事は見つからない。どこも若い人を採用する」と嘆く。その上で「津波とかのテレビ(映像)を見るたびに心が揺れるというか、めまいがする。経験したものでないと分からない」という。

現在も公務員宿舎で生活する同町出身の主婦(60)は夫(61)と2人暮らし。「つくばはいいところ。病院とかバスが充実している。バスで駅まで行けるし電車もある」としながらも、主婦は「両方とも60歳を過ぎているので仕事がない」と明かす。取手市内には娘夫婦と2人の孫がいて、孫との暮らしに惹かれてはいるが、娘夫婦の生活との兼ね合いもあり、引っ越しを決めかねているという。

精度を高めて「フェイズ3」入り KEK、BelleⅡ実験を再始動

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SuperKEKB加速器始動直後の制御室(高エネルギー加速器研究機構、3月11日午後3時ごろ)

【相澤冬樹】高エネルギー加速器研究機構(つくば市大穂、山内正則機構長)は11日、小林誠、益川敏英両博士のノーベル物理学賞受賞に結びつく成果を残した加速器、KEKB(ケックビー)の後継機であるSuper(スーパー)KEKBを再始動、Belle(ベル)Ⅱ実験は新たなステップ「フェイズ3」に突入した。

同実験は26の国と地域から900人を超す研究者が参加する国際共同実験。地下11メートルに周長約3キロの衝突型加速器が設置されており、電荷の異なる電子・陽電子をそれぞれ7GeV(ギガ電子ボルト、1GeVは10億電子ボルト)、4Gevのエネルギーで加速し、正面衝突させる。このときB中間子・反B中間子が対で生成され、短時間で崩壊するが、その模様は衝突地点に設けられた検出装置BelleⅡで追跡される。

シールド遮へいされビーム入射を待つBelle II 測定器(中央青い枠が見える)

この衝突エネルギーは、欧州原子核研究機構(CERN)の LHC加速器に比べると小さいものの、大量の衝突反応データ生成によってカバーする。ルミノシティ(衝突頻度)重視の設計という。陽子・反陽子衝突のLHCに比べ、電子・陽電子衝突はバックグラウンドで騒がしい存在となる余計な素粒子を生成しないため、B中間子崩壊の追跡を容易にする。

2010年から大改造に着手されたSuperKEKBは、16年の試運転の「フェイズ1」、18年に初衝突を記録した「フェイズ2」と準備・調整を進めてきた。昨年7月以来の再起動となるフェイズ3では、KEKBが持つルミノシティの世界最高記録を40倍にまで高める計画。11日午後1時すぎ、制御室で始動のキーが入った。調整運転の後、ビームは衝突型の円形加速器に入射される。この先、断続的に運転を続け、早ければ1年後にはルミノシティの目標数値をたたき出したい構えでいる。

B中間子崩壊から新物理探求

ビームを待つBelleⅡ側ではフェイズ2後に、バーテックス検出器(VXD、崩壊点検出器)が取り付けられた。B中間子が崩壊した場所を測定するための検出器で、時間経過を追って観測できるのが特色。今後数年かけてBelle実験の約50倍のデータ量を蓄積し、精度を高める。「小林・益川理論」の新たな証明ばかりか、標準理論の発展型に至る道筋が見つかるかもしれない。

KEK素粒子原子核研究所、中尾幹彦教授は、BelleⅡ実験では宇宙初期に隠された新しい物理法則の発見が期待されるという。「たとえば宇宙のダークマター(暗黒物質)探しでは、これまでアクシオンのような極めて小さい質量の領域か、極めて質量の重い超対称性粒子(SUSY粒子)が候補になってきたが、案外中間領域は調べられていなかった。BelleⅡで測定可能な質量かもしれない」と狙いの一端を語った。

【震災8年】1 つくば駅周辺で「脱原発」訴えパレード

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「東海第2原発再稼働反対」などと訴えるパレード参加者たち=つくば市吾妻のTXつくば駅前

【崎山勝功】東日本大震災と福島第一原発事故から丸8年を迎えた11日、脱原発と憲法擁護を訴える「さよなら原発!守ろう憲法!昼休み集会&パレード」がつくば市吾妻の中央公園で開かれ、市民ら約100人(主催者発表)が参加し、東海第2原発の再稼働反対などを訴えた。

デモ出発前の集会で、「脱原発ネットワーク茨城」の小川仙月共同代表(53)は「私たちはたまたま助かった」と東海第2、福島第2両原発が地震発生当時に重大事故の一歩手前だった状況を解説した。集会では「住民と関係自治体との同意が得られず、有効な避難計画も持てない再稼働に断固として反対」として、東海第2の再稼働反対などを訴えるアピールを採択した。

参加者らは雨交じりの悪天候のなか、つくば駅周辺の約2キロ区間をデモ行進し、「東海第2原発再稼働反対」「知事は私たちの訴えを聞け」などと訴えた。参加した筑波大学医学群6年の前島拓矢さん(25)は「大学卒業を機に参加してみようと思った」という。「原発がなければ放射線の汚染や(周辺地域で)避難計画を立てる必要がなくなり、心配することが減るはず。自然エネルギーも充実してきたし、原発に依存する必要はない」と訴えた。

NPO団体「ドットジェイピー」の議員インターンとして、つくば市民ネットワークの市議らと集会に参加した、筑波大学1年の後藤佳怜さん(19)=愛媛県出身=は、8年前は小学5年生で「(原発事故は)テレビで見ていたぐらいで、実際に福島県に行ったことがなく、原発がどんなものか知らなかった」そうだ。その上で「こういった集会に関心が持てなかったけど、(議員)インターンシップをきっかけにちょっとずつ分かったこともある。個人的にも色々勉強していきたい」と関心を示していた。

同パレードは、市民団体「戦争をする国づくりNO@つくば」と「安倍9条改憲NO!市民アクションつくば連絡会」の共催で行われた。取材に応じた小川代表は、「時間が経つと(原発事故が)忘れられようとしている側面もあるので、繰り返し伝えていく必要を感じる。若い人の参加が大事」と若年層へ参加を呼び掛けた。

サンガイア、ホーム最終戦・初の常総大会に勝利 V2・6位決まる

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試合後、笑顔でカメラの前に集まるサンガイアの選手・スタッフら=10日、常総市坂手町の水海道総合体育館

【池田充雄】バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(Sun GAIA)は3月9、10日、今季3度目のホームゲームを水海道総合体育館(常総市坂手町)で戦った。9日のトヨタ自動車サンホークス戦はセットカウント0-3で敗れたが、10日の長野ガロンズ戦は3-1で勝利した。この結果、つくばは通算成績9勝14敗、あと1試合を残して18-19シーズン6位の順位が確定した。最終戦は次週17日、東京の東村山市民スポーツセンターで大同特殊鋼レッドスターと対戦する。

多彩なトスで攻撃のタクトを振るった浜崎勇矢選手㊧ ガロンズ戦でも19得点を挙げ、チームの主力として定着した鈴木匡教選手(撮影/池田充雄)

常総市の皆さんに勝利で恩返しを

【観戦取材/岡本穂高】つくばは第1セット、相手のサーブに苦しめられ、なかなかリズムをつかめない。ポイントゲッターの小針幸選手の負傷というアクシデントもあり、最後まで流れに乗れないまま、このセットを19-25で落としてしまう。キャプテンの浜崎勇矢選手は「序盤は相手のサーブやブロックがよく、守りに入ってしまったことで自分たちの得意の形を出せなかった」と振り返った。

しかし、第2セットは攻めのサーブからリズムをつかむと、奥村航選手の力強いスパイクや、鈴木匡教選手のライトからのアタックが効果的に決まり始め、徐々に本来の攻めの形を取り戻す。「第1セットは気持ちが前に出すぎて逆に相手に押されてしまっている状況だったので、いったん冷静になることを心掛けた。間の取り方やブロックのタイミングを再確認することで、第2セット以降はうまく相手を崩せたと思う」と都澤みどり監督。第2セットを25-21でものにしたつくばは、その後も主導権を譲らずに第3セットを25-20、第4セットも25-20で奪い、見事勝利をつかんだ。

チームにとって常総市でのホームゲームは今回が初めて。普段から同市で定期的にイベントを行っていたことが、今回の開催につながったという。「(2015年の鬼怒川水害を受けて)少しでも復興の力になれればという思いで戦った。お世話になっている常総市の方々に勝利で恩返ししたいという思いから、いつも以上の力が出せた」と浜崎選手は語る。都澤監督は「復興途中の市民の皆さんに元気を与えられるような試合ができたと思う。次の最終戦は今シーズンの成長を示し、来シーズンにつながるような試合にしたい」と意気込んだ。

試合終了後にはチームを離れる古後俊介トレーナーを選手全員で胴上げするなど、団結の強さが垣間見える場面もあった。今季のチームは特に若手選手の活躍が目覚ましく、ポジション争いも激しくなっている。勝って有終の美を飾れるよう、来週の大同特殊鋼レッドスターとの対戦に注目したい。

今季新加入で活躍した一人、アウトサイドヒッターの満生大輝選手㊧ 愛児とともに勝利の喜びに浸る都澤みどり監督(同)

花開く技術、農研機構作出の青いキクを特別展示 9日から筑波実験植物園

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樹脂封入された展示用の青いキクを見やる野田尚信さん(農研機構花き研究部門で)

【相澤冬樹】青色花研究でトップをひた走る日本、平成の間に青いカーネーションと青いバラの開発に相次ぎ成功し、商品化した。次の狙いはキク。サントリーグローバルイノベーションセンター(本社・東京)と農研機構花き研究部門(つくば市藤本)は共同で、青い花色のキクを作出し、実用化に向けた研究を進めている。開発中の青いキクを一般公開する特別展示が、9日から筑波実験植物園(つくば市天久保)で始まるのを前に、同機構上級研究員、野田尚信さん(47)から話を聞いた。

野生のキクや人の手で作出された栽培キクには、紫や青の花色はない。花に青を発色させるには、青色味を帯びたデルフィニジン型アントシアニンという色素を蓄積させるのがカギとなった。遺伝子組換え技術を用いる。研究部門の前身である花き研究所では2001年から作出に取り組んでおり、野田さんは着任した2007年から研究に加わった。

遺伝子導入後、発根、生育を経て、温室内で開花させるまでには約10カ月かかる。バラやカーネーションで使われたペチュニアやパンジーの遺伝子ではうまくいかず、カンパニュラ(キキョウ科)の遺伝子を導入することで青色系の作出に成功したのは2011年(発表は13年)、アントシアニンに水酸基1つを加えた改変だった。しかしこの段階では花色は紫に近く、青色とは言い難い出来だった。

ここで野田さんが目を付けたのが、濃い青色の花をつけるチョウマメ、原産地のタイでは花が染料にも使われる。デルフィニジンに糖を2つ付けた青色遺伝子がある。カンパニュラ+チョウマメの遺伝子を同時導入すると、もともと花に含まれていたフラボン(補助色素となる有機化合物の一種)と作用し合って、青を発色した。成果を得たのは2017年のことで、発表には大きな注目が集まった。

青色遺伝子を導入して作成したキクのブーケ(農研機構提供)

農林水産省統計だと、キクの生産額は680億円(2016年)で、日本の花き生産の32%を占める。一方花き産業では利用できる青色系の花が乏しいのが長年の課題となっており、青いキクにはフラワーアレンジメントやブーケなど葬祭需要以外に販路を広げる期待があった。野田さんはこれまでに、16品種・系統の青色化に成功している。

しかし実用化にはなお、高いハードルがある。遺伝子組換え農作物は環境中への拡散防止措置が不可欠で、栽培中に近隣の野生キクと交雑してはならないから、花粉と種子が出来ない「不稔」であることが求められる。この作出も組換え技術で行う。そのうえで国の生物多様性影響評価の手続きを受けるため、一般ほ場で栽培が始まり市場で流通するまでには「あと10年程度の時間がかかる」(野田さん)ということだ。

樹脂標本でのお披露目

ここまでの研究の一部が筑波実験植物園で行われた縁で、今回の特別展示となった。お披露目されるのは、標本用に透明樹脂に封入された青いキク。一輪咲きからスプレー咲きの大型のものまで各種ある。サントリーフラワーズ提供で青いバラと青いカーネーションも展示される。

会期は9日から24日まで、毎週月曜日と22日は休園。9日には特別セミナーが組まれていて、野田さんも「青いキク~誕生までとこれから」をテーマに講演する。入場には実験植物園の入園料がかかる。一般310円、高校生以下と65歳以上は無料。問い合わせ電話029-851-5159

プリツカー賞受賞の磯崎新氏設計 つくばセンタービルを脚本家が語る 「仕掛けに満ちた建物」

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プリツカー賞に選ばれた磯崎新氏が設計したつくばセンタービル=つくば市吾妻

【鈴木宏子】つくばセンタービル(つくば市吾妻)を設計した磯崎新氏が、建築界のノーベル賞といわれる2019年のプリツカー賞受賞者に選ばれた。つくば市在住の脚本家で、NEWSつくばコラムニストの冠木新市さん(67)は、同ビルを「仕掛けに満ちた建物」として、つくばの七不思議の一つに取り上げ、2014~15年にご当地ドラマを制作した。冠木さんとつくばセンタービルを歩いた。

つくばセンタービルを取り上げたご当地ドラマを制作したつくば市在住の脚本家、冠木新市さん=同

冠木さんがまず教えてくれたのは建築の思想だ。「普通、中心にはシンボル的な施設が建てられるべきだと考えると思うが、磯崎氏はつくばの中心に沈み込む空洞をつくった」という。磯崎氏自身、著書「建築のパフォーマンス―つくばセンタービル論争」(パルコ出版局)で、筑波研究学園都市という国家プロジェクトゆえに中心に国家のシンボルを描き出すのではなく「中心を空間にし、空間の中に向かって消滅していくような反転した空間をつくり上げた」と記している。一方で建築の思想は、つくば市民の間で議論されたり共有されることはほとんどないまま建築から35年がたった。

同ビルの中心にあるくぼ地のセンター広場には、崩れかけた石が積まれてあり廃墟が表現されている。冠木さんは、商業施設クレオの閉鎖やつくばセンタービル内の商店街アイアイモールからの飲食店全店の撤退など、現在直面している中心市街地の空洞化について「磯崎氏にとってすでに折り込み済みだったのではないか」と話し、「磯崎氏は『断片やあつれき、縫合の合い間が別な物語を語り始めることはないかと期待をもっている』と語っている。つくばの中心にあるセンタービルは空っぽの器であり、情報が入り発信して初めて成り立つメディア(媒介するもの)のようなもので、どう使いこなすのかが問われている」と話す。

ご当地ドラマで魅力紹介

冠木さんが東西南北を見つめる瞳と解釈したホテルオークラフロンティアつくば最上階の独特な形の窓=同

冠木さんが制作したドラマは「サイコドン」という題名で、つくば市のケーブルテレビACCSで全16話が放映された。そのうちの3話分で磯崎氏が折り込んださまざまな仕掛けを紹介している。建物の随所に使われているモンローカーブと呼ばれる曲線、筑波山の筑波石と笠間市の稲田石をわざと崩れたように積み上げて廃墟を表現したセンター広場の石、霞ケ浦の北浦と西浦を表現したとされる水の流れなどだ。

さらに独自の解釈もドラマの中で展開した。ホテル「オークラフロンティアつくば」の建物の最上階の独特な形の窓を東西南北を見つめる瞳と解釈し、南を向く瞳がノバホール2階入り口のピラミット型の窓に重なり、さらに重なった瞳がまっすぐ北を見つめ松見公園の展望台とつながっている―などの解釈だ。「瞳やピラミッドはドラマの撮影中に偶然見つけた。つくばセンタービルは至る所に仕掛けが満ちている。いろいろな建築様式がコラージュされていて奥が深い」と述べ「受賞を機につくばセンタービルが市民の間で再び注目され、いろいろな人が新たな魅力を発見できれば」と語る。

【つくばセンタービル】コンサートホール、店舗、ホテル、交流センター、広場などで構成される複合施設。1983年に完成した。設計者はプロポーザルにより13人の建築家の中から磯崎新氏が選ばれた。日本のポストモダン建築の代表作と評価されている。

声優の安達勇人さん 卒業する6年生に歌でエール 土浦市下高津小

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サプライズで登場し6年生に歌を送る安達勇人さん(中央)=土浦市下高津4丁目、下高津小学校

【谷島英里子】土浦市の下高津小学校(同市下高津、栗栖宣博校長、児童数628人)で6日、1~5年生による「6年生を送る会」があり、いばらき大使で声優、俳優の安達勇人さんがサプライズ登場し歌でエールを送った。

19日に卒業式を迎える6年生に向けて、安達さんの曲「HANAUTA(はなうた)」を1~5年生が全員で歌う計画を連絡したのがきっかけで実現した。人生を楽しむことをテーマにした曲だ。

会場の体育館では1~5年生が感謝の歌や言葉を6年生に送った後、「HANAUTA」を元気に歌い上げると、本人が登場。「卒業おめでとう。気持ちを一つにして楽しんでもらいたい」とあいさつし、「みんなでWOW」「夢」の2曲をダンスを交えながら熱唱した。児童たちは歌を口ずさんだり手拍子したりと大盛り上がりだった。

ライブ終了後、安達さんは「子どもたちの輝く姿を見て希望や笑顔をもらいました。卒業を迎える6年生は将来の夢を大切にして、ぜひ夢をかなえていただきたい」と語った。

栗栖校長は「安達さんは茨城でライブを開いて地元を大事にしているので、6年生にも地元とのつながりを大切にしてほしい」と話していた。

ライブ後、写真撮影のポーズをとる安達勇人さんと児童たち=同

【シルバー団地の挑戦】13 住民の願い届かず つくバス改編

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森の里団地入口の停留所で乗客を乗せるつくバス=つくば市森の里

【橋立多美】「つくバスの団地内乗り入れがみんなの一番の関心事。高齢者が荷物を下げて、団地入り口の停留所から家まで歩くのは辛い」―。つくば市のコミュニティバス「つくバス」の4月改編に伴い、2月25日、茎崎地区の森の里自治会公会堂で行われた市民説明会での住民の発言だ。

改編の説明を聞きに120人の住民が公会堂に集まった=同

「団地入り口の停留所まで遠くて利用する人はわずか。団地内に乗り入れるのに2、3分しかかからない。利用者が増えれば運賃収入が増えて市の経費は抑えられる」などの発言が相次ぎ、発言のたび、集まった約120人の住民から拍手がわき起こった。

森の里自治会は、団地入り口にしか停留所がないつくバスを、団地内に乗り入れてほしいと市に申し入れてきたが思いは届かなかった。

赤線内が森の里団地。つくバスの停留所は赤線の下の部分

森の里住民が利用できるつくバスの路線は、同地区の茎崎老人福祉センターから牛久学園通りを走行してつくばセンターに至る「南部シャトル」。ルート上に「森の里団地入口」のバス停(図参照)がある。同団地は市内で最大規模の住宅団地で面積は25ヘクタールに及ぶ。中心部からバス停まで約400メートル。成人男性でも歩いて5分ほどかかる距離だ。場所によっては1キロほど離れている住宅もある。高齢者には過大な労力がかかり、買い物や通院に不便を強いている。

同団地内には5カ所の停留所があり、牛久駅に至る民間の路線バスが運行されている。しかしつくばセンター方面へ向かうつくバスのバス停は団地内にない。自治会は、つくバス改編に向けた地区別懇談会や説明会などで団地内への乗り入れを要望してきた。

この日、改編について説明した市総合交通政策課の職員は「乗り入れはわずか数分と言われるが他にも『団地入口』の停留所があり、同じように求められたら便数を確保できない」と答えた。

「諦めるが、運賃補てんはありがたい」

茎崎地区の公共交通改編の柱は三つある。一つ目のつくバス「南部シャトル」は、ルート変更はないが、牛久市域の「田宮町」やララガーデン(小野崎)近くの「小池」など7カ所にバス停が増設される。さらに混雑時間帯を考慮してダイヤが見直され、現行では概ね30分毎の64便運行が30~40分に1本になって56便に減る。

高齢化が進む茎崎地区はもともと牛久に生活圏を持つ人が多い。主に日中時間帯に高齢者の牛久駅方面への交通需要に対応するため、既存の4つの路線バスの運賃を、料金が安いつくバスと同等にし減収分を市が補てんする「路線バス運賃補填実証実験事業」と、牛久方面へのバス路線のない地域に31人乗り小型バスを運行する「新規路線バス実証事業」の二つが新たに始まる。

いずれの事業も4月1日から3年間実施されることから、説明に時間が割かれた。「運賃補てん」は市の補てん額を正確に把握するためICカード乗車券を利用することが条件で、カードの入手やチャージ方法の説明に熱心に耳を傾ける人が多く見られた。

森の里自治会の倉本茂樹会長は「つくバス乗り入れは諦めるしかないが、路線バス運賃補てんは高齢者に限らず誰もが利用できる制度でありがたい。団地乗り入れへの関心が高く123人が説明会に来てくれたが自治会会員の1割に過ぎない。再編に関わる情報は今月号の自治会広報で周知したい」と話した。

茎崎地区の補てん事業の当初1年間の予算は772万8000円。新規路線バス事業も含めると新年度3389万4000円を計上する。

➡つくバス改編の関連記事は2018年5月11日付同16日付19年1月18日付

取手がつくば中央にコールド勝利 中学野球シニア春季東関東大会3回戦

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3番手に登板したエースの成井颯(取手)

【伊達康】全国選抜大会を目指す中学野球のリトルシニア東関東支部春季大会3回戦が3日、取手市野々井の取手リトルシニアグラウンドで行われた。昨年の同秋季大会で優勝し第1シードの取手リトルシニア(本拠地・取手市)が、9―0の5回コールドでつくば中央リトルシニア(つくば市)に快勝した。

6点目のホームを踏む原俊介(取手)

取手は1回裏に1番・秋葉皓介のセンターオーバーと犠牲フライで先制すると、3回裏には4番・富岡大阿の2点タイムリーヒットなど集中打で一挙に4点を奪った。さらに4回裏にはスクイズと7番・海老沼来飛の左中間タイムリースリーベースで3点を追加して試合を決めた。投げては左腕の塚越伊織、右腕の糠谷翔大、成井颯の三投手の継投で相手打線を封じた。

つくば中央は3回表に先頭の塚本陸斗が左中間ツーベースを放ってチャンスをつくったが、後続が連続三振に倒れて反撃できなかった。

先発した薬師寺信吾(つくば中央)

取手の石崎学監督は「大会初先発の塚越伊織がほぼ完璧の内容だったことと、大会初出場の斉賀壱成が落ち着いてプレーできたことが今日の収穫」と選手をたたえながらも「ワンヒットでホームを狙うべき場面で2度とも消極的になったり、変化球を狙い打つケースでストレートを待つ打者がいたのは早急に修正したい」と課題を挙げた。

さらに「秋春連覇にはこだわっていない。チームの仕上がり状態は例年とは程遠い。けがで戦列を離れている選手がおり2月は天候の影響でオープン戦が消化できず実戦経験が不足している。春の期間は投手と野手の両方で一人でも多くの選手の出場機会を増やすことを意識している。特に打撃を強化していきたい」と選手の起用方針を語った。

勝利した取手は16日に行われる4回戦に、敗れたつくば中央は21日から行われる敗者復活戦にそれぞれ臨む。

1 2 3 4 5 6 7 8 9
つくば中央 0 0 0 0 0 0
取手 1 1 4 3 × 9

➡伊達康記者の過去記事はこちら

ひな祭り 十二単が市民魅了 土浦

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平安貴族の装束を再現した着装実演=土浦市大和町の市民ギャラリー

【谷島英里子】ひな祭りの3日、土浦市大和町の市民ギャラリーで、平安貴族の装束が再現された。女性の十二単(ひとえ)、男性の束帯(そくたい)が披露され、訪れた市民約50人がみやびの美しさに魅了されていた。

着装では、着付けの高い技術をもつ衣紋者が2人がかりで、和装の下着の一つ、襦袢(じゅばん)から着物を重ねていく技術を実演した。解説をした東京大学大学院非常勤講師の杉山恵美さんは「十二単は16キロある。衣を1枚着るごとに、前に留めたひもを抜くので、ひも1本で着せている」「束帯の男性が手に持つ笏(しゃく)は備忘録用のメモ書きとして使われた」などと説明した。着付けは約30分ほどで完了し、市民らは華麗な姿に何度もシャッターを切っていた。

この企画は同市桜町、美容室「すがた」会長の木村恵子さん(74)が和の伝統文化を継承したいという思いから「土浦の雛まつり」の協賛企画として毎年開催している。

モデルを務めたいずれも大学生の栗木みどりさん(21)は「想像以上に重かったが、ひな祭り当日に女性の憧れである十二単が着られてとてもうれしかった」。光本泰知さんは(22)は「近くでみると衣の模様がきれいで驚いた。束帯に触れて歴史を感じました」と話していた。

平安装束の十二単と束帯=同

➡今年の「土浦の雛まつり」の記事はこちら

日本初 クルーザーでグランピング体験を 霞ケ浦

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開所式であいさつする五頭英明社長。後ろの2隻がグランピングボート=ラクスマリーナ

【鈴木宏子】霞ケ浦に開けた土浦港のラクスマリーナ(土浦市川口、社長・五頭英明副市長)に1日、クルーザーでぜいたくな宿泊体験ができる日本初の「グランピングボート」がお目見えした。4月から宿泊できる。

桟橋に係留された大型モーターボートに宿泊したり、船上パーティーを開いたりできる。航行しない状態のためボートやヨットの所有者でなくても、船舶操縦免許がなくても利用可能だ。

グランピングはグラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた造語で、テントを張ったりしないで済む快適空間でのキャンプスタイル。秋元昭臣専務は「波の音を聞きながら、夜には湖面を流れる月の光やきらめく土浦の街を楽しみ、翌朝は日の出と静かに羽を休める水鳥を見るなど、非日常的な空間を楽しんでいただければ」と話し、「水辺に来て霞ケ浦を知ってもらうきっかけになれば」と来場を呼び掛ける。

宿泊や船上パーティーなどが体験できるグランピングボート。手前が4~5人用、奥が5~6人用=同
ラウンジとベッドがあり、調理器、冷蔵庫などが装備された5~6人用大型モーターボートのキャビン=同

同マリーナは2016年にキャンプ場やバーベキュー施設を開設。利用者から「雨の日や風が強い日に宿泊できるところがほしい」と要望があった。同マリーナには、ベッドやシャワー、調理器、冷蔵庫などが装備されているボートやヨットがあることから、宿泊施設として活用する。

5~6人が宿泊できる全長約8.8メートルの大型艇1隻(面積17平方メートル)と、4~5人用の全長約8.2メートルの2隻(面積各16平方メートル)の計3隻が利用できる。将来はヨットでも宿泊できるようにする。

食事は、料理を持ち込んだり、キャンプ場でバーベキューをしたり、ビザなどの宅配を注文したりできる。食材を持ち込んで簡単な調理をすることもできる。クラブハウスのシャワーや風呂も利用できる。

1日は開所式が催され、関係者にグランピングボートがお披露目された。日本海洋レジャー安全・振興協会関東事務所の杉山裕子さんは「キャンピングを水上に持ち込んでの企画は、国内で未開発なので期待している」と語っていた。

ほかに1棟3人が宿泊できる移動可能なトレーラーハウス(面積10平方メートル)も新たにお披露目された。

◆利用料金(税別)は▽グランピングボート1隻1泊1万5000円(7~9月は2万円)=飲食や寝具などの持ち込みが必要=▽夕食(バーベキュー)と寝具付きの場合、5~6人用ボートが1人8000円(7~9月は1万円)、4~5人用が同6000円(同8000円)▽トレーラーハウス(3人用)は1棟1泊8000円(7~9月は1万円)、夕食と寝具付は1人6500円。申し込み・問い合わせは電話029-822-2437(ラクスマリーナ)

体操の宮地秀享選手(筑波大) 市長にW杯優勝を報告 東京五輪へ自信

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五十嵐立青市長を表敬訪問する宮地秀享選手(左)=つくば市役所

【鈴木宏子】体操の種目別ワールドカップ(W杯)メルボルン大会(2月21~24日開催)男子鉄棒で優勝した宮地秀享(みやち・ひでたか)選手(24)=筑波大大学院=が28日、つくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長に優勝を報告した。同大会は2020東京五輪の日本代表選考競技会の一つ。五輪出場に向け、大きなはずみをつけた。

宮地選手は「ぎりぎりの戦いだったので結果が出てうれしかった。去年も優勝し相性がいい大会。しっかり自分の演技ができた」と大会を振り返った。「去年の春は勝てるか分からなかったが、7月(の全日本体操種目別選手権男子鉄棒で)優勝し自信になった。今回は自信を持って(東京五輪出場決定まで)50%ぐらいまできたと思う」と話した。

3月はバクー大会(アゼルバイジャン)、ドーハ大会(カタール)と続くW杯に出場し優勝を目指す。「連戦なのでけががないようにしたい。五輪が夢ではなく目の前にきた。死に物狂いで練習、試合をこなし、夢をかなえられるようがんばりたい」と決意を述べた。

五十嵐市長は「すばらしい結果。この勢いを次の大会でも維持し一気に五輪出場を決めてもらいたい。市としても全力で応援したい」とエールを送った。

宮地選手は愛知県出身。茗渓クラブ所属。17年10月の世界選手権・種目別鉄棒で世界最高難度の技、伸身コバチ2回ひねりを初めて決め、技名が「ミヤチ」と付けられた。

夢工房オーナーの塚田幸子さん 8カ月ぶりギャラリー再開 古城の村の写真展

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旅先のポルトガル・マルヴァオンで撮影した写真を展示する塚田幸子さん=つくば市豊里の杜、カフェ&ギャラリー夢工房

【鈴木宏子】つくば市豊里の杜、カフェ&ギャラリー「夢工房」のオーナー、塚田幸子さん(72)が、ポルトガルを旅して撮影した写真展を27日から開いている。昨年7月以降閉めていたギャラリーを8カ月ぶりに再開、「これから皆で楽しめる場所にしたい」と、自身が撮影した楽しい写真を展示したという。

「塚田幸子写真展-ジャカランタの花咲く頃~ポルトガル」で、2017年5月、塚田さんがスペインとの国境に近いポルトガルの小さな村マルヴァオンを、日本の桜の季節を重ねながら旅した思い出の写真だ。

白い壁の家が連なる絵画のような街並み、9世紀に建てられた古城で互いに見つめ合う恋人たち、ヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系などさまざまな人たちが交わる通り、歩道でゆっくり寝そべる犬など、半切サイズ(35×43センチ)の写真34点が展示されている。

塚田さんの写真を見る来場者=同

塚田さんは桜川市在住。子育てが一段落した20年ほど前、写真を習い始めた。現在「日本リアリズム写真集団」(英伸三代表)に所属し、2011年と15年にはバングラディシュを旅した写真展を東京とつくばで開いた。夢工房は2015年にオープンした。

ポルトガルへは、写真家仲間で現在、東日本大震災後の福島に通い写真を撮り続けている菊池和子さんの案内で旅したという。

来場した桜川市の女性は「構図が絵のようですごい」と話していた。塚田さんは「マルヴァオンの街中を歩きながら撮ったスナップ写真。街の匂いを伝えられたら」と語る。

会場には笠間市在住の陶人形作家、永島君江さんの陶器のひな人形など約40点も展示されている。

◆同展は3月8日(金)まで。開館時間は午前10時30分~午後4時30分。3日(日)午後2時からは筑西市のアンサンブルグループ、ティタイムによる演奏会が開かれる。4日(月)は休館。最終日は午後2時まで。問い合わせは電話090-4676-9623(夢工房)。

伝説の音職人・行方洋一さん 日本ポップス録音史つづる

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著書を手に行方洋一さん=コーヒー & ジャズ「ノーチラスカフェ」(阿見町)で

【田中めぐみ】土浦市在住の行方洋一さんが書いた「音職人・行方洋一の仕事 伝説のエンジニアが語る日本ポップス録音史」(DU BOOKS、税別2200円)。昨年8月に出版され、話題を呼んでいる。名盤といわれるレコードの制作秘話が満載の自伝的な一冊だ。日本のポップス史を、録音技術の進化の過程やエンジニアの労働環境という観点からもうかがい知ることができる。

行方さんは1943年生まれ。元の東芝音楽工業(後の東芝EMI)のレコーディング・エンジニアでオーディオ評論家。坂本九「見上げてごらん夜の星を」や弘田三枝子「私のベイビー」、欧陽菲菲「雨の御堂筋」、ザ・ドリフターズ「ドリフのズンドコ節」など、数多くの有名ミュージシャンたちの楽曲録音から、テレビアニメ「サザエさん」の主題歌、蒸気機関車の音などの野外録音まで、様々な作品を手掛けてきた。川口真や筒美京平ら、よく知られた作編曲家からの信頼も集め、「伝説のエンジニア」と称されている。

本の中には、秘密主義で閉鎖的だったレコード会社の気風を壊し、エンジニア同士のコミュニケーションを活発にするため、他社の同業者たちと「音屋会」(現在の「日本レコーディングエンジニア協会」)を発足した経緯も書かれている。当時エンジニアの名前はレコードに記載されていなかった。エンジニアの地位向上を目指し、行方さんら「音屋会」が名前の記載を求めて働きかけた結果、名前が記載されるようになった。

記録媒体がレコードからCDに移り変わるなか、録音の仕方も変化したという行方さん。レコード録音の場合は音が圧縮されるため自然と丸みのある柔らかい音になるが、CDだと音圧レベルを下げる調整が必要だと話す。

「死ぬまで現役エンジニアでいたい」という言葉通り、現在でも毎日何かを作っている。野外録音にも取り組む。対象は、鳥の声や陸上自衛隊の実弾射撃の音、台湾を走る日本製の古い蒸気機関車の音、飛行機の離着陸の音など幅広い。霞ケ浦に船で乗り出し、土浦全国花火競技大会の花火の音を取ったこともある。

大量のレコードに囲まれ録音機材が並ぶ行方さんの自宅作業場

「次の世代に引き継ぎたい」

後進の育成にも心を寄せる。都内で活躍するエンジニアの「弟子」が15人ほどおり、今でも月1回は集まりを開いて話をしたり、相談に乗ったりするという。また台湾にも4人の後継者が育ち活躍している。「音楽業界も昔より厳しくなった。1万枚か100万枚か、どのくらい売れるか予測ができないので、結局制作費を削られてしまう」と話す行方さん。音楽業界でエンジニアとして働く夢を持つ人に向け、「よい音楽に興味を持ってたくさん聞くことが大切。やりたいと思ったら年齢は関係なく、手を動かして作ってみるといい」とエールを送る。

録音技術を次の世代にも引き継ぎたいと、地域でも講演会やセミナー活動を行っており、3月23日にコーヒー& ジャズ「ノーチラスカフェ」(阿見町・土浦三高下)で開催の「『音屋』セミナー2 音職人・行方洋一の世界」に登場する。1月に開催したセミナーの2回目で、初心者から上級者まで楽しめる内容を予定している。

◆『音屋』セミナー2 音職人・行方洋一の世界 3月23日(土)午後7時から、阿見町阿見79コーヒー & ジャズ「ノーチラスカフェ」。参加費2000円(ソフトドリンク付き、税込み)。予約・問い合わせは同店(電話029-887-0375)。

【シルバー団地の挑戦】12 若い世代の参加が鍵 自治会存続に向け住民アンケート

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谷田川沿いの住宅団地・森の里

【橋立多美】超高齢化社会の今、高度成長期に建てられた住宅団地や大型の分譲マンションの住民が一斉に老い、自治会が岐路に立たされている。高齢化による活力の低下や加入者の減少、活動をけん引する役員の担い手と後継者不足などで継続が難しくなり、解散した自治会もある。また独り暮らし高齢者が増えたことで安否確認や空き家問題など、自治会は新たな課題に応じた活動に迫られている。

入居開始から40年、つくば市茎崎地区の森の里自治会は住民の2人に1人が高齢者という深刻な高齢化に直面している。昨年6月には「高齢化に伴う自治会運営等に関する検討委員会」を設置して打開策を探ることにした。委員は11人で構成され、佐藤文信さん(68)が委員長に就いた。

検討課題の解決には住民のニーズを知ることからと11月に会員全世帯(1067世帯)を対象にアンケート調査を実施した。調査は選択方式で回答する13の設問のほか、自由に意見を記載する欄を設けた。463世帯(43・4%)から回答を得て集計と分析を行い、年頭に「答申及び意見書」を自治会に提出。このほど同文書が住民に公表された。

文書は自治会運営の維持について、冒頭で街区委員(町内会では班長に相当)対策を揚げている。輪番制の街区委員が各部会に属する一方で、担当街区の会費や寄付金集めなどの役割まで担っているが、高齢で負担が増していることから軽減を提案。軽減されれば脱会の防止策にもなると記述する。同じように役員も役割の見直しと人員の削減を求めている。その他、体力を必要とする夏まつりの準備作業に外部組織を活用する案や、自治会活動を側面から支える自主的な住民組織「コミュニティー委員会」の検討などが盛り込まれた。

世代間を切れ目なくつなぐ活動を

委員たちの意見を集約した最終章の「課題の解決に向けて」では、高齢化対策の特効薬はないとしつつ、子育て中の若い世代を呼び込むことが自治会活性化の鍵を握ると述べる。時間はかかるが、空き家のリノベーションや空き地を利活用して子育て環境を整えることで、若い世代の入居を促そうとするものだ。

さらに「高齢者向けのイベントや事業が多い。子育て世代にも目を向けて」の意見が多く寄せられたこともあり、生活に密着した防災訓練など家族で参加できるイベントや活動の実行を提言。世代間を切れ目なくつなぐことで、住民間の交流と自治会本来の助け合いが生まれるとした上で、「高齢化対策はこの辺りからスタートしてはどうか」と結ばれている。

森の里自治会は3月24日に定期総会を開く。次年度自治会長に立候補して無投票当選が決まった現自治会長の倉本茂樹さん(76)は「2019年度の活動及び予算は、答申の中から実行に移せるものを(優先したい)と考えている。総会で会員の皆さんの理解を得たい」と話す。

調査をまとめた佐藤文信さんの話 意見書で触れたが、自治会の存続には若い世代との融合が欠かせないと思う。そのための仕掛けが重要で、ITを使いこなす若手に自治会の情報発信を任せるなど、時代に即した活動を展開することで人材の幅も広がる。また、多様化する住民の要望に応えるには女性たちの行動力がモノをいう。だが回答者が世帯主に偏り、潜在している女性たちの意見を拾い上げることができなかった。手だてを考えるべきだった。

➡【シルバー団地の挑戦】の過去記事はこちら

自転車でオフロードを疾走 茨城シクロクロス第4戦土浦ステージ

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通称「きのこの山」を自転車で越えようとする参加者たち=土浦市佐野子の市民運動広場

【崎山勝功】荒地や障壁などが設けられたコースをオフロード競技用自転車で走る「シクロクロス」=メモ参照=の大会が24日、土浦市佐野子の市民運動広場で開かれた。茨城シクロクロスつくば事務局などが主催する「2018―19茨城シクロクロス第4戦土浦ステージ」で、県内外から336人が参加、熱戦を繰り広げた。

大会では、参加者らが競技種目別ごとに分かれてオフロード用の自転車に乗り周回レースを実施。それぞれの種目で同公園内の舗装されていない土手や草地、小山などのコース(1周約2.1キロ。小学生向けは1周約1.2キロ)を走ってタイムを競った。

急斜面のコースに苦戦する子どもたち=同

参加者らは、コース内の通称「きのこの山」と呼ばれる小山を自転車で超えようとして転倒したり、コース内の柵を越えるために自転車を担ぐなど、ツーリングなど他の自転車レースとの違いに悪戦苦戦。コース内にはタイヤなどを交換する「ピットエリア」が設けられ、競技中にタイヤがパンクした選手が駆け込んできては、チーム仲間の助けを借りて交換を済ませレースに復帰するシーンなども見られた。

このうち19歳以上の上級者男性が参加する「C1の部」では、向山浩司さん(40)=東京都=が優勝した。向山さんはレース序盤出遅れたものの、中盤以降は追い上げて先頭に追いつき、激しい首位争いを演じた末に終盤で追い抜きゴールした。向山さんは「最後まで(レースを)やってゴールスプリントができた。(遅れを)挽回できて良かった」とレースを振り返った。

小学3~4年生向けの「CK2の部」で優勝した、小学4年生の山田駿太郎さん(10)=つくば市=は「(レース中に吹く)向かい風がきつかった。その分追い風が吹いたほうで頑張れたので楽しかった」と語った。

◆各部門の優勝者は次の通り。(敬称略)
【男性】▽C1向山浩司▽C2尾形尚紀▽C3古谷寛世▽C4A小川純平▽C4B篠原諒
【女性】▽CL1齋籐磨実▽CL2+CL3平野美穂
【男性マスターズ(40歳以上)】▽CM1石川正道▽CM2佐藤大▽CM3仲民善
【U17(17歳以下)】永野昇海 【U15(15歳以下)】大関宙 【CK3(小学5~6年生)】水上央渉 【CK2(小学3~4年生)】山田駿太郎 【CK1(小学1~2年生)】郷津輝

※メモ【シクロクロス】

1900年代にフランスで始まった不整地(オフロード)を走る自転車競技。1周が約2.5~3.5キロ前後の舗装・未舗装が入り混じるコースを周回する。 参加者は一斉にスタートを切り、1位の選手の周回タイムを参考に、一定の競技時間(30分~60分)に近くなる周回数が競技中に設定され、ゴール着順を競う。コースには柵などの人工の障壁が設けられ、必ず下車して自転車を担がなければならない区間が作られている。

 

宍塚小跡地活用決まる 土浦市新年度当初予算案

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2019年度当初予算案を発表する中川清市長=土浦市役所

【鈴木宏子】土浦市の中川清市長は22日、新年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3.8%増の約530億2000万円となる。2014年3月に廃校となった宍塚小学校跡地の活用方法が決まり、校舎を耐震改修し、現在、真鍋にある教育相談室を移転するほか、市内3カ所に分散保管されている公文書を移転・集約し公文書書庫とする。

主な事業は合併特例債を活用した市民会館の耐震化・大規模改造、新治庁舎跡地への学校給食センター建設など。いずれも老朽化施設の更新だ。市民会館の工事は合併特例債を使った最後の事業で、発行限度額を使い切るという。

中川市長は「合併特例債をめいっぱい使って投資した。最後が市民会館なので大事業をしっかり仕上げていきたい。返済の時期が今から来るわけで、しっかり財政を立て直していきたい」などと話した。予算編成当初は14億円の不足が見込まれたが、事業の見直しを徹底し不足額を圧縮したという。

一般会計は過去5番目の規模。過去最高だった2015年度以降、近年は3年連続で前年度を下回っていたが、増加に転じる。特別会計などを加えた総額は同1.0%増の約918億6000万円となる。

市民会館は来年5月リニューアルオープン

市民会館の19年度分は20億5000万円。今年1月から工事に着手し来年5月にリニューアルオープンする。給食センターは耐震基準を満たしていない第1、第2給食センターを統合して再整備する。昨年10月に着工、来年9月から使用開始予定。新年度分は約20億円。

ほかに、老朽化している衛生センター(同市佐野子)を建て替え、汚泥再生処理センターを建設する(約4億円)。し尿や浄化槽汚泥に加え、農村集落排水事業の汚泥を併せて処理し、助燃剤をつくる施設とする。完成は20年度末の予定。

ソフト事業では、保育士確保のための処遇改善策として、保育士1人当たりの給与補助額を昨年度の1万円から5000円引き上げて1万5000円(7100万円)とする。隣接のつくば市が1人3万円を助成していることが、周辺市町村の保育士確保に影響を与えているという。

小学校の統廃合では、上大津西小と菅谷小の暫定的な統合に向けた準備として120万円を計上する。

霞ケ浦の土浦港に隣接する川口2丁目の市有地に今年3月、サイクリング拠点「りんりんポート土浦」が完成する。開発計画が頓挫(とんざ)し、2010年に市がデベロッパーから取得した広場の一部で、残り約3.9ヘクタールの市有地の活用についても1000万円を計上し、民間事業者を誘致した観光拠点の整備などを検討する。

歳入は、景気回復などの影響で法人市民税4.7%増を見込む。一方、市民会館や給食センター工事費などの財源不足を補うため、財政調整基金などを総額9億7000万円取り崩す。借金の残高は2019年度末で1030億円になる見込みだ。