北条米生産者6人、県版GAP認証を取得 東京五輪の食材へPR コメは県内初

佐藤明彦県県南農林事務所長(右)から確認証の交付を受けるJAつくば市の関喜幸部会長=土浦市真鍋、県土浦合同庁舎

【鈴木宏子】つくば市の筑波北条米生産者6人が、東京オリンピック・パラリンピックへの食材提供が認められる県版GAP(ギャップ、農業生産工程管理)制度の認証を取得した。JAつくば市最良食味米生産部会(関喜幸部会長)の30~40代の若手生産者で、コメで認証を取得したのは県内で初めて。

茨城県GAP第三者確認という認証制度で、17日、土浦市真鍋の県土浦合同庁舎で交付式が催され、佐藤明彦県南農林事務所長からJAつくば市の関部会長に確認証が手渡された。

同部会では、国際規格GAPの認証取得を目指し2016年から、北条米を生産する部会員20人全員で研修などを始めた。国際規格は取得手続き費用などの面でハードルが高いなどの課題があったという。こうした中、東京五輪に向け申請手数料が無料の県版GAP制度が17年12月にスタートしたのを機に、まずは県の認証を取得しようと部会員6人が昨年6月から本格的に取り組みをスタートさせた。

関部会長(65)は「GAPを取るにあたっていろいろな苦労があり、生産部会20人のうち6人だけになったが、世界と闘うには自分の生産工程をしっかりしておこうと、若い人たちが声を挙げて前向きな形をつくることができた。県のGAPがもらえたことでやりがいが出る。今後も他の部会員に取得を勧め拡大していきたい」と話す。

認証を取得するためには、農薬や肥料が周辺に飛散しないよう環境保全を行っているか、収穫器具を定期的に洗浄し清潔に保っているか、危険を伴う作業に警告版を掲示し事故防止対策を行っているかなど計66項目の生産工程で基準を満たしていることが求められた。

「作業場をきれいに整頓すること、農機具の燃料置き場を別に確保することなど設備投資も必要になった」など苦労もあったと関部会長は振り返る。

県の佐藤所長は「組合員、部会員の長年にわたる努力のたまもの。2020年の東京五輪でつくばのおいしい農産物が全世界の人に提供できれば」と話した。

同部会では今後さらに、国際規格認証の取得を目指していくという。同JAの岡本秀男組合長は「ヨーロッパやアメリカに輸出していくためにはグローバルGAP(国際規格認証)がないと輸出できない。今後はそれを目指しながらやっていきたい」と語る。

今回認証を取得した6人の栽培面積は34.1ヘクタール、年間出荷量は128トン、年間販売金額は約3500万円。現在は直売所での販売のほかつくば市の学校給食に提供している。県版GAPの認証期間は東京五輪が開催される来年9月末まで。今年収穫されるコメから認証対象となる。

GAPは、食品の安全や環境保全、労働安全を図る観点から、農薬や肥料の使用、土壌の管理など農作物の生産管理が適正に行われていることを確認し認証する制度。国際規格などさまざまな規格水準がある。東京五輪の食材調達基準でGAP認証が要件となったことを受けて、基準を満たす県版の制度がスタートした。JAなめがた部会のチンゲン菜、県立江戸崎総合高校のブドウなど5件がすでに認証されており、今回は6件目となる。

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