水曜日, 11月 12, 2025
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《食う寝る宇宙》61 デコポン型のベテルギウス復活

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【コラム・玉置晋】2019年の秋、「オリオン座のベテルギウスが減光している、超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)の兆候ではないか?」と話題になっていました(このコラム53参照)。年末になっても減光し続け、元の40%以下の明るさになってしまいました。これは肉眼でもはっきりわかるものでした。

もしも、642光年離れたベテルギウスで超新星爆発が起きたら、「私たちの生存も危ういのではないか?」という議論も起こりました(これに関しては、距離・時間的に、われわれは安全圏にいるという結論に達しています)。

さて、その後どうなったかというと、無事に元の光の強さに戻りました。めでたし、めでたし。ただ、ベテルギウスが星の寿命の末期にあることに変わりはなく、不安定な状態にあります。形状も球体ではなく、果物のデコポンのような異様なものになっております。

とはいえ、星の時間スケールと僕ら人間の時間スケールは全く違っていて、今後、数年から数10年内に爆発が起きるかどうかは、天文学者もわからないようです。

宇宙天気エンタメ

プライベートで所属する宇宙コミュニティーの中に、宇宙ロケットを女の子に模したゲームを開発している方(本業は弁護士さんなんですけどね)がいて、僕もオタク心をくすぐられて応援しています。

ゲームの中で、このベテルギウスの超新星爆発をストーリーに組み込もうという構想もありました。リリースに合わせて、ベテルギウスが爆発してくれれば、とても強力なネタになることを期待しましたが、惜しかった。

では代替案をどうするか? 「宇宙天気防災研究者」の僕としては、宇宙天気推しです。すでに宇宙天気に関連した女の子のキャラクター設定が進んでいるところで、ゴールデンウイークの早朝から「制服が宇宙天気と人間界をつなぐユーザインタフェースになる」とか、このサイトの読者さんの多くには理解し難い議論が行われています。

宇宙天気はすべての人が影響を受ける可能性があるにも関わらず、現状では想像の範囲外にあるため、自分事として受け止めるのは難しいと分析しています。宇宙分野全般に言えることですが、まずは入り口が必要です。解のひとつがエンターテインメントだと、僕のオタク心が囁(ささや)いています。(宇宙天気防災研究者)

つくば市消防士を傷害容疑で逮捕

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つくば市役所

つくば警察署は5月8日、つくば市消防本部北消防署筑波分署の男性消防士(24)を傷害の疑いで逮捕した。

同警察署によると男性消防士は7日午後10時20分ごろから同50分ごろ、つくば市内の自宅で、妻と口論となり、妻の着衣を引っ張ったり、タオルで首を絞めるなどして、妻の首に全治不詳の擦過傷を負わせた疑い。

妻から110番通報があった。同署によると男性消防士は容疑を否認しているという。

同市の植木利男消防長は「市民の皆さまの信頼を裏切り、多大なるご迷惑をお掛けしましたことを心から深くお詫びします。今後、事実関係を確認し厳正に対処して参ります」などとするコメントを発表した。

7月8日、市が戒告処分

つくば市は7月8日、男性消防士を戒告処分にしたと発表した。

市によると、妻の傷害程度は軽微で、消防士は不起訴処分となった。

市消防長は「本市消防職員が市民の皆様の信頼を裏切り、多大なる御迷惑をお掛けしましたことを、心から深くお詫び申し上げます。今後、市民の不信を招くような行為を厳に慎むよう、更に綱紀の保持を徹底させます」とするコメントを発表した。

《茨城鉄道物語》1 「品川開発」で常磐線の復権なるか

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常磐線特急ときわE657系=土浦市内

【コラム・塚本一也】以前、コラムを担当させていただきました塚本一也です。久しぶりの寄稿となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。今回は鉄道建築技術者としての経験から、茨城県の鉄道全般について広く論じてみたいと思います。

新型コロナウィルス問題の最中に、東京の鉄道網において、歴史的ともいえるビッグニュースがあった。3月14日の高輪ゲートウェイ駅の開業である。山手線の駅としては西日暮里駅以来49年ぶり、30番目の駅である。

皆さんは、地下鉄ネタの漫才が得意であった春日三球・照代さんを覚えておいでだろうか。お二人の漫才で、「山手線の駅はいくつあるか数えてみよう」というネタがあった。品川から時計回りに二人で数え始めて、見事に駅名をそらんじていくのだが、照代さんは田町で止めて、29駅だと主張する。

しかし、三球さんは品川をもう一度カウントして、30駅だと言い張るのである。なぜ品川を2回数えるかというと、「じゃあ田町と品川は線路がつながっていないんですか?」というのが落ちになっている。今、お二人がご健在ならば、今回の新駅開業についてどのようなネタを披露してくれるか、非常に楽しみであったが残念である(照代さんは1987年にご逝去)。

品川―茨城直結の優位性を活かせ

なぜ本コラム再登板の初回に高輪ゲートウェイ駅開業を取り上げたかというと、「いよいよ品川の時代がやってくるな」ということを申し上げたかったからである。

その品川駅に優等列車で乗り込んでいるのが、我が郷土の基幹路線ともいうべき常磐線である。本来であれば、隈研吾(くま けんご)設計の近未来型駅の提案がクローズアップされるはずであり、さらにはJR東日本による品川開発プロジェクトの幕開けが注目される予定であったが、全てが新型コロナ問題で吹き飛んでしまった。

品川開発構想に関しては、その計画があまりにも壮大すぎるため詳述を避けるが、将来的にJR東海のリニア新幹線の始発駅であったり、JR東日本が羽田アクセス線を開通させたりと、交通の結節点として益々重要度が増してくることは間違いない。

一昔前、北の玄関口と言えば上野駅であった。それが、上野東京ラインによって常磐線は悲願であった東京駅乗り入れを果たした。しかし、その延長線として品川を始発駅にしているということに関しては、沿線の関係者はあまり関心を持っていないように見受けられる。

品川~水戸間は乗り換えなしで最速80分である。一方、品川~宇都宮間、品川~高崎間は最速70分ではあるが、乗り換えが伴ってしまうという弱点がある。品川から茨城県へ直結しているという優位性を最大限に活かして、沿線の活性化につなげてもらいたいものである。(一級建築士)

つくばの蔵元 消毒用アルコールを発売

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濃度66%の消毒用アルコールを製造しつくば市に120本寄贈した浦里酒造店6代目の浦里知可良さん=8日、つくば市役所

【鈴木宏子】日本酒「霧筑波」の蔵元、浦里酒造店(つくば市吉沼、浦里浩司代表)が、消毒用アルコールの製造販売を始めた。市内の蔵元では初めて。アルコール濃度66%で、原液のまま手指消毒やドアノブの消毒などに利用できる。

新型コロナウイルスの感染拡大で消毒用アルコールが不足する中、国税庁が手指消毒用エタノールの代用品として、高濃度アルコールを製造する免許手続きを簡素化した。これを受けて同店は4月末に税務署の許可を受け、5月1日から製造を開始した。

95%の原料用アルコールに、ろ過した仕込み水を加えて瓶詰めした。7日までに3000リットル(720ミリリットル入り約4000本)を製造した。

「消毒に使えるアルコールはないか」という問い合わせが、同店に毎日のようにたくさん寄せられたことがきっかけという。業界の一員として社会貢献したいという思いだった。

8日には、つくば市に120本を寄贈した。五十嵐立青市長は「大切に使わせていただきたい」と話し、「保育所や高齢者介護施設、障害者施設などでアルコールが足りない、切れかかっているという声があるので、ニーズを見て配布していきたい」としている。

浦里酒造店6代目の知可良さん(28)は「コロナの感染拡大でいろいろな業態が苦労していると思う。地域の酒蔵として地域貢献できれば」と語る。近く県庁にも120本を寄贈する予定という。

◆価格は720ミリリットル1980円(消費税込)。同店などで購入できる。問い合わせは電話029-865-0032(同店)

《宍塚の里山》62  モニタリング調査で分かったこと

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宍塚の里山の中央にある宍塚大池

【コラム・及川ひろみ】環境省による里地里山調査は2005年に始まり、現在、4期目の調査を行っています。昨年11月には、2005~17年の調査報告書が、環境省と市民団体の間に立ち取りまとめを行う(公財)日本自然保護協会から発表されました。

この中で明らかになったことは、身近にごく普通に見られた生き物が急激に減少していることです。たとえばチョウでは、全体の約4割もの種が絶滅危惧の評価基準の一つである減少率(10年で30%)になっていることが明らかになりました。チョウ以外でも、野鳥、ノウサギ、テン、ホタル、ヤマアカガエルなど広い分野で、その傾向が見られました。

WWF(世界自然保護基金)の「生きている地球レポート2018」では、「過去40年間で野生生物の個体数が60%減少」と報告されています。また、2019年国際機関IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学―政策プラットフォーム)は、「100万種が絶滅の危機」という衝撃的なメッセージを出しました。日本自然保護協会の報告書も「普通種が危機的な状況」と述べています。

行政も里山保全に積極的関与を

里地里山は、原生的な自然と都市との中間に位置する里山が集落とそれを取り巻く2次林、 それらと混在する農地、ため池、草原などで構成されています。農林業などに伴う様々な人間の働きかけが、1000年以上にわたり持続的に行われてきました。人の手が加わり続けることで維持されてきた林、田んぼ、小川、ため池など多くの環境要素が集まり、日本の面積の40%を占めていると言われています。

しかし、農業も暮らしも里山に依存することが少なくなった近年、里山には人の手が入らず放置され、人との係わりが激減したことで里山特有の生物が減少し、レッドデーターとして扱われる種(植物55%、動物49%が里地里山に分布)が多く存在しています。調査では、里地里山がさらに住宅地などに変容していることで、身近な生き物の急減を招いていることが明らかになりました。

現在、各地で里地里山の保全活動が行われ、市民、行政、企業、研究者などが一体となって取り組んでいます。しかし、保全に関する国の予算は大変少なく、都市近郊では里地里山を公有地にすることも難しいのが現状です。当会では、公有地化とともに、行政も積極的に保全にかかわりを持つよう願い活動を続けています。(宍塚の自然と歴史の会代表)

4段階に分け規制と緩和 新型コロナで県が出口戦略

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茨城県庁

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大防止対策と社会・経済活動再開の判断について、大井川和彦知事は7日、県独自の出口戦略となる判断基準と対策指針を示した。

県内の医療提供体制や県内と東京都内の感染状況など6つの指標をもとに、4つの段階(ステージ)に分け感染拡大状況を判断する。その上で各段階ごとに外出自粛や休業要請、学校再開の対策指針を定める。

感染爆発・医療崩壊のリスクが高い「ステージ4」から、感染が抑制できている「ステージ1」まで4つの段階に分ける。現在は、感染が概ね抑制できている「ステージ2」の状況にあるが、最も厳しい「ステージ4」の対策をとっているとして、今後さらに1週間この状態が続けば、外出自粛や企業の休業要請、学校の休校などの対策を、現在のステージ4からステージ3、ステージ2へと段階的に緩和していくとした。

知事は茨城県の外出自粛要請と休業要請を17日まで延長するとしており、その後は14日の国の専門家会議を踏まえて15日に判断するとしていた(5月4日付け)。対策を緩和する場合は、18日からステージ3に移行する。その後も5月末まで2週間程度、引き続き感染を抑制できていれば、6月から次の段階のステージ2に移行することになる。

ステージ3でも5月末まで休校に変更なし

ステージ3に移行すると、現在出されている外出自粛要請は、一般の人は平日昼間の外出自粛が緩和される。ただし、週末や夜間の外出、東京圏への移動、大規模イベントへの参加は引き続き自粛を求める。感染すると重症化するリスクが高い概ね70歳以上の高齢者に対しては、引き続き平日昼間の外出自粛を求める。

休業要請はスナックやバー、カラオケボックス、ライブハウス、映画館、スポーツクラブ、パチンコ店、ゲームセンターなど3密が重なりやすい24業種に限定する。飲食店などの営業時間短縮は引き続き要請する。

学校は5月末まで休校することに変更はないが、3密を避けながら週1~2日程度の分散登校となる。

ステージ2なら週3~5日の分散登校

さらに感染抑制が続き6月からステージ2に移行できれば、一般の人の外出自粛要請は週末や夜間も緩和される。ただし東京圏への移動や大規模イベントへの参加は引き続き自粛を求める。高齢者には引き続き外出自粛を求める。

休業要請は濃厚接触が避けられない、感染経路がたどりにくい業種に限定し、スナックやバー、カラオケボックス、ライブハウスなど10業種にさらに限定する。

学校は週3~5日程度の分散登校とし、3コマ程度で授業を実施する。ただし部活動は実施せず、給食の提供もない。

学校については、4月初め時点では、再開や休校の判断を地域ごとに分けたが、今後は地域ごとに判断を分けると心理的な不安感が解消できないとして全県一律とする。

一方、休業要請が今後も続く業種に対する協力金の追加はないという。協力金は補償ではなくお礼だとして、持続化給付金や無利子無担保の融資制度、雇用調整金など国や県のさまざまなメニューを使って事業継続を図っていただきたいとした。

県立博物館、美術館は11日以降順次開館

政府が緊急事態宣言を5月末まで延長したのに合わせて基本的対処方針を改定し、徹底した感染防止対策をとることを条件に博物館や美術館、公園の利用制限を緩和したことを受けて、大井川知事はさらに、県つくば美術館など博物館、美術館7施設と、洞峰公園、霞ケ浦総合公園など屋外公園16施設について11日以降、順次、利用制限を緩和することも明らかにした。感染防止対策として、マスク着用、人と人の距離を2メートル確保、入館人数と時間制限、鑑賞ルート設定、受け付けや窓口にアクリル板設置などの対策を整えるという。

➡茨城県社会経済活動再開に向けた現状認識と考え方はこちら

自宅でできる健康維持運動を紹介 県立医療大生 外出自粛も介護予防に

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IPUHS運動を紹介する茨城県立医療大のパンフレット

【山崎実】新型コロナウイルス感染拡大防止の外出自粛が続く中、県立医療大学(阿見町、松村明学長)の学生有志が、自宅で簡単にできる健康維持運動(IPUHS運動)を考案した。

地元阿見町だけでなく、他地域の人も活用できるよう、大学のホームぺージにパンフレットと動画を公開している。

外出自粛要請から、高齢者がいわゆる「巣ごもり」状態にあることを知った学生たちは、活動量が減ることでフレイル(虚弱)や要介護のリスクが高まることを懸念。地域高齢者の介護予防に取り組んでいる経験を生かし、ゼミの教員に相談して理学療法、作業療法学科の協力の下、運動プログラムを考案した。

この試みはさらに、阿見町の事業として同大学で開催している介護予防教室で取り入れている運動を自宅でも出来るよう、動作を表したパンフレットと動画の作成に発展した。

町役場の協力もあり、町内回覧板の記事として添付されたほか、動画はDVDを作成し、介護予防教室の参加者に配布することにした。

IPUHS運動は、頭文字を取ると、I(いつでも)、P(ぱっと)、U(うちの中で)、H(1人で)、S(スッキリ)となる。

足踏み、膝伸ばし、かかと上げ、タオル絞り、壁を使った腕立て伏せ、ハーフスクワットなど10種類の運動を紹介。1日3回の運動を提唱している。

医療大学という専門分野の学生、教員による室内健康運動だけに、何のために、どの部分の筋力を強くする運動なのかを分かりやすく解説しているのも特徴だ。

◆問い合わせは県立医療大学(電話029-888-4000=代表)の理学療法学科、作業療法学科。

障害当事者の全国集会が中止 つくばで国連審査課題を検討予定も

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集会冊子の表紙に使う予定だった辻友紀子さんの挿絵(辻友紀子さん提供)

【川端舞】今月30、31日につくば国際会議場で開催予定だったDPI(障害者インターナショナル)日本会議の全国集会が、新型コロナの影響で中止になった。

DPIは、障害のある人の権利の保護と社会参加の機会平等を目的に活動をしている国際 NGO(非政府組織)で130カ国以上が加盟する。

同日本会議は日本の国内組織で、現在、全国で94の障害者団体が加盟している。毎年、各都道府県の加盟団体が持ち回りで全国集会を開催し、各地域特有の社会問題やその年に話題になっているテーマについて議論している。

2020年はターニングポイント

日本は2014年に障害者権利条約を批准し、16年に政府報告が国連に提出された。条約では、締約国は障害者の人権を保障するため、法律や規則などを修正するとされている。条約が適切に履行されているか、締約国は4年に一度、条約の監視機関である障害者権利委員会の審査を受けることになっていて、今年は日本が審査を受ける年だ。

そのため、今年の全国集会in茨城のテーマを「国連障害者権利条約初回審査へ―差別をなくし、みんなで生きていくべ」と題し、今年の審査のポイントや今後の日本の課題を検討する予定だった。

また、今年4月に県障害者権利条例「障害のある人もない人も共に歩み幸せに暮らすための茨城県づくり条例」の施行から5周年を迎えたため、条例に対する県内の取り組みの報告や、条例5周年を祝うパレードも行われる予定だった。

さらに、オリンピック・パラリンピックに向けての国内のバリアフリーの取り組みや、今年3月に被告に死刑判決が下された相模原障害者殺傷事件についても取り上げる計画もあった。様々な面からターニングポイントになるはずだった2020年に全国集会が開催できなくなったことに、県内の実行委員会のメンバーは肩を落としている。

今後の予定はまだ決まっていないが、再来年に改めて茨城県開催にできないか、DPI日本会議など関係団体で検討している。

《くずかごの唄》60 コロナの特効薬なしの現実

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令和のカッパ(左)と大正時代のカッパ

【コラム・奥井登美子】亭主は、製薬会社の研究所に勤めていたせいか、今でもメーカーの開発に関心がある。

「コロナ肺炎に、まだ決定的な特効薬がないのね」

「インフルエンザの時のタミフルみたいな薬、早く出てくるといいね」

「今、コロナにかかったら、処方箋に、何の薬が載るのかしら?」

「レムデシベルが効くという話。日本ではまだ許可されていない薬だから、アセトアミノフェンくらいしかないよ」

「大正8年のスペイン風邪の時はアスピリンしかなかったと、お母さんが笑っていたわ」

「100年たっても、まったく同じこと、繰り返している」

「コロナのワクチンが早くできるといいけれど、生物製剤だから時間がかかるし、困ったね」

何万年も前から続く人類とウイルスの闘い

彼の山岳会の友だちで福島の山に詳しい人がいて、時々連れて行ってくれる。茨城県のお隣の県なのに、福島に行くと、茨城では体験できない、何か不思議なものに会えるのだ。秋に行った時は、紅葉の下の無数の粘菌(ねんきん)に会うことができた。

福島市への途中、木地小屋(猪苗代町)の集落の中に岩が苔蒸(こけむ)している。近づいてみたら「蝉丸(せみまる)の墓」と書いてあった。本当だろうか。平安時代の「逢坂の人」の墓が福島にあるのがわからない。小野小町の墓がたくさんあるように、蝉丸の墓も日本中に散らばっているのだろうか。

百人一首の中の蝉丸の歌は、

「これやこのゆくもかえるも分かれてはしるもしらぬもおおさかのせき」

コロナ肺炎のウイルスがいつ収まってくれるのかわからない。人類とウイルスとの闘いは何万年も前から途切れなく続いている。平安時代も、大正時代も、そして現代も、知るも知らぬもが、薬の世界なのだ。

そこで「セミ丸」流の短歌を、薬剤師の「トミ丸」も一首。

 「これやこのゆくもかえるもウイルスは知るも知らぬもおおげさの咳」(薬剤師)

カーネーション収穫最盛期 「母の日」前に土浦の生産農家

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カーネーションの収穫に追われる斎藤さん夫妻=土浦市荒川沖のハウス

【大山茂】「母の日」の10日を前に、土浦市荒川沖のカーネーション栽培農家、斎藤洋一さん(53)、礼子さん(49)夫妻のハウスでは切り花用カーネーションの収穫がピークを迎えている。

夫妻が栽培しているのは、一般的な一輪咲きと一本の茎から数輪の花をつけるスプレー型。このほかに、斎藤さんが所属する常陸野カーネーション組合(8人)が開発したオリジナル種(24種)も2割近く手掛けている。

オリジナル種の「あられ」は出荷先の東京・大田花き市場が主催する「2018フラワーオブザイヤーOTA」で最優秀賞を受賞した自慢のカーネーション。品質に優れ、希少種として中央市場などで高値で取り引きされてきた。

13日間花持ちを保証

斎藤さん夫妻は現在、ハウス5棟を自宅周辺に構え、2300平方メートルに12品種、20万本を生産している。カーネーション業界では中堅農家だ。

同組合が栽培するカーネーションは、セリの日から13日間の花持ち保証を売りにしている。日本花き生産協会(JFGA)の認証を受け、出荷箱には「日持ちさん」と名付けられたキャラクターが描かれている。日持ちの技術は県経済連との共同研究で全国に先駆けて実現、他産地と差別化を図っている。

洋一さんは「低農薬で栽培し、収穫後は冷温庫で腐敗の元になるエチレンガスを特殊な装置で除去している。出荷する時は鮮度保持フィルムで包むなど、品質にはとことんこだわっている」と話している。

需要激減、ネット販売にも力

新型コロナウイルスの影響でイベントやパーティーの中止が相次ぎ、生花の需要は激減した。斎藤さん夫妻は全農を通じて大田市場に出荷しているが、価格は低迷し、例年の半分以下の収入減になると肩を落とす。

こうした状況を打開しようと、県女性農業士の肩書を持つ礼子さんは収穫したカーネーションを地元の直売所やスーパーに持ち込んで直接販売を始めたほか、例年以上にネット販売にも力を入れている。

カーネーション30本化粧箱入りの1ケースで、基本料金は4200円(送料・箱代・消費税込み)。母の日用カーネーションは今季の予定数を終了している。

《雑記録》11 「反グローバリズム」と「新グローバリズム」

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【コラム・瀧田薫】「グローバリズム(経済や文化の国境越えや相互依存)」。この考え方を、河川にたとえて、「本流(立論前提)」と呼ぼう。この本流、少し前まで、流域の人々に豊かな恵みを与える大河として受け入れられていた。ところが、コロナウイルスの出現によって、大河は一転、暴れ川となり、その流域に甚大な被害をもたらした。

それ以前から、この大河には何本もの支流が存在していたのだが、ウイルスの出現を境に、本流は二股に分かれ、二つの巨大支流となって、それぞれ逆方向に流れ始めた。一方の支流の名を「反グローバリズム」、もう一方を「新グローバリズム」と呼ぶことにしよう。

「反グローバリズム」の例として、英国の「ブレグジット」をあげよう。英国内で沸騰したナショナリズムとポピュリズムの勢いも、ウイルスの攻撃で一時の勢いを失っている。もともと、EU(欧州連合)からの離脱による経済の落ち込みは避けられないと見られていたが、そこにウイルスという想定外の事態である。

しかし、いまさら後戻りは出来ない。他方、アメリカでは、トランプ大統領の再選に黄信号が灯った。ウイルスを軽視したことが彼の致命傷かも知れない。戦時の大統領を気取り、岩盤といわれる支持基盤をなんとかつなぎ止めようとしているが、アメリカ経済の落ち込みをどこまで回復させられるか、その勝負だろう。

コロナは将来の政治選択も迫る

他方、「新グローバリズム」の旗手一番手の中国は、ウイルスに対して情報管制を武器に闘おうとして手ひどい目に遭った。それに懲りて、権威主義を見直すかと思えば、むしろ独裁体制をさらに強化している。また、国内の生産体制に打撃を受けながら、途上国を対象とした大々的な人道支援に乗り出している。この外交姿勢が貫かれれば、中国の支援に期待している国々にとっては、好印象であろう。

では、中国の将来はバラ色かというと、どうもそうではない。国内的な締め付けは当然ながら反作用を伴う。国内で拡大する経済的格差、さらに過剰な投資と生産のつけなど、問題は山積である。国外においては、今後、欧米を中心に、国際的なサプライチェーンの要石・中国に過度に依存してきた体制の見直しがはじまる。ここから数年は、中国の黄金時代の終わりの始まりかもしれない。

歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、今、人類はコロナウイルスによって分かれ道に立たされているという(朝日新聞 4月15日付)。一方には、国際的連帯で危機を乗り切るという道、他方には国家的な孤立主義への道がある。さらに、もう一つの選択肢がある。全権力を独裁者に委ねるか、あるいは民主的制度を維持し、権力に対するチェックとバランスを重視するかである。

ウイルスは医療、衛生上の危機をもたらすと同時に、人類に対し、世界の将来を左右する政治選択を迫ってきている。つまり、われわれは疫病に勝つだけでなく、自由と平和と民主主義を守る戦いにも勝たなければならないということである。(茨城キリスト教大学名誉教授)

外出自粛・休業要請は17日まで 知事

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茨城県庁

【鈴木宏子】政府が4日、緊急事態宣言を5月末まで延長すると発表したのを踏まえて、大井川和彦知事は同日、茨城県の外出自粛要請と休業要請を17日まで延長すると発表した。

一方、茨城県は特定警戒都道府県に指定されているが、県内ではここ1週間ほど新規の感染者がほぼ1人かゼロという状態が続いているとし、今のこの状態が続けば、次の14日に開催される政府の専門家会議で特定警戒都道府県から外れる可能性がひじょうに高いことを明らかにした。

その上で、県として数値目標を含む独自の出口戦略を7日に発表するとした。さらにその後の1週間の経過を観察しながら、18日以降の県としての対応方針を15日に公表する。専門家会議が示した「新しい生活様式」について、これからどういう規制やどのような自粛が必要なのか、県としての考え方を示すという。

県の外出自粛や休業自粛要請は17日まで11日間延長される。今回の延長に対しては、新たな協力金の支給はないという。大井川知事は、(休業補償などの)政府や県のメニューが出そろったところなので持続化給付金や様々な無利子無担保の融資などを活用してほしいとしている。

クラウドファンディングで支援呼び掛け 土浦のクラブハウス存続の危機

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ライブの様子(club GOLD提供)

【山口和紀】土浦市上高津のクラブハウス「club GOLD」がクラウドファンディングを開始した。新型コロナウイルス感染拡大の影響でイベントが開催できず、存続の危機に陥っているからだ。

クラブは16年前にオープンした。日本語ラッパーとして有名な舐達麻(なめだるま)がライブをしたこともある。筑波大学のストリートダンスサークル「Real jam」など、地元サークルの利用も多かった。

休日を中心に営業し、茨城のミュージック・カルチャーシーンを盛り上げていた。クラブは3月末から営業自粛を開始し、現在までイベントは開催できていない。

イベントを開催しなくても、クラブの維持には費用が掛かる。中心は家賃と電気代だ。高圧電力を通しているため、毎月の基本料金は10万円を超える。電気をいったん解約して収束を待つことも難しい。1から契約という形になるためさらに費用がかかるからだ。数名のスタッフに払う人件費ものしかかる。

クラウドファンディングの目標金額は150万円。100万円集まったら約2カ月分の休業資金になる。募集終了までおよそ1カ月の現時点で約70万円集まっている。しかし「地方の小さいクラブやライブハウスも同様のクラウドファンディングを行っているが伸びない、このままだとうちも満額は達成できないと思う」とオーナーの加藤さん(50)は苦しい状況を話す。

クラブハウスならではの事情もある。クラブのイベントは「企画してから2カ月間の準備時間が必要」だ。出演者のスケジュールや告知をしてチケットを売るためにかかる時間があるからだ。いつ営業再開できるのかわからないという状況では、イベントの企画すら難しい状況になっている。

「3密避けられない」

営業再開ができたとしても道のりは険しい。オーナーは「再開できたとしてもすぐに人が集まるとは考えにくい」と話す。クラブイベントは性質上「3密」を避けることができない。感染のリスクを考えれば客足は遠のくだろう。

しかし、クラブは地元のミュージシャンやダンサーには必要不可欠な場所だ。一度なくなってしまえば、元には戻らないかもしれない。茨城の音楽・カルチャーのともし火を消してはならない。

支援はこちらから➡クラウドファンディングサイト:https://camp-fire.jp/projects/view/263942

《吾妻カガミ》81  つくば市のコロナ対応を点検

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【コラム・坂本栄】新聞もテレビも本サイトも新型コロナ禍一色です。4月の本欄は『大型コロナ病床をつくば市に』の是非」(4月20日掲載)、「善政? つくば市のコロナ対応」(4月6日掲載)でしたが、今回もつくば市のコロナ対応の話にします。

4月2回のコラムでは、コロナとの攻防を戦争状態に例え、撃退のためには二つの基本作戦が必要であると述べました。「コロナを運ぶ人の移動を抑える」「コロナを運ぶ人が群れない」です。政府の緊急事態宣言も各自治体の対コロナ策も、こういった考え方を軸に組み立てられています。

対コロナ戦の基本を踏まえ、6日のコラムでは、市が2~3月に打ち出した「小中学生の自習のための登校を容認する」善政は「人を群れさせない」という基本に合わない、「市内で宿泊・飲食する人にはおカネを補助する」善政は「人の移動を抑える」という基本を理解していない、と指摘しました。

似たような声があったのでしょうか? 市は4月3日に「自習登校容認」の取り止めを発表、20日には「宿泊飲食者補助」を「宿屋飲食店補助」に組み替えると発表しました。対コロナ戦線の拡大にともない、「群れさせない」「移動を抑える」という目標と、蔓延阻止の手段がかみ合って来たようです。

緊急対策の仕組みに心配な点も

以上は、対コロナ戦の戦略と戦術についての整理です。以下、市が4月20日に議会に説明した緊急経済対策の内容を点検します。対策の詳細は「テイクアウト飲食店に一律10万円 つくば市が1億6000万の緊急経済対策」(4月21日掲載)をご覧ください。

このセット対策は、①テイクアウト推進支援給付事業、②緊急支援給付事業、③市内事業者応援チケット事業、④市内宿泊事業者支援給付事業―から成っています。規模と効果がわかりやすい①②④(直接支援型)については、紙幅の関係もありパスします。

「?」が付いたのは、③です。その仕組みは、市町村で発行されたプレミアム商品券の業種限定・業者救済型と言ってよいでしょう。つまり、文化興業、運転代行、飲食経営など5業種に絞り、コロナ禍による売り上げ減で資金繰りが苦しくなっている事業者を助けるために、将来のサービス提供が約束されたチケットを、市内外の応援者(将来のサービス利用者)に前倒しで買ってもらう、という内容です。

市が2割の補助金を出しますので、応援者は本来価値よりも安くモノやサービスが買えます。事業者も応援者も「めでたしめでたし」ですが、事業者がコロナ禍に耐えられず店を閉めてしまうと、チケットは無価値になるのでは? 事業者が自らチケットを購入し、支払分と補助金を受け取りドロンしたら?―といった、心配な点もあります。

市の関与に安心して、応援者が先払いに応じ、市内の事業者を支援する―。洗練された仕掛けです。でも、クラウドファンディング(寄付感覚もあるリスク承知の投資)とチケット(モノやサービスが約束された商品券)の性格を併せ持つことから、混乱も予想されます。担当課によれば、無価値化に備え保険を掛け、潜在ドロン業者は排するとのこと。制度設計は複雑になりそうです。(経済ジャーナリスト、戦史研究者)

目立たないけど敏感 コケ、菌類など県版レッドデータブック刊行

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初めて刊行された「茨城における絶滅のおそれのある野生生物ー蘚苔類・藻類・地衣類・菌類編」

【山崎実】県生物多様性センター(県自然環境課)は、県内のコケ植物など蘚苔類(せんたいるい)、菌類などに関する初のレッドデータブック「茨城における絶滅のおそれのある野生生物ー蘚苔類・藻類・地衣類・菌類編」を刊行した。

いずれも目立たない生物だが、大気汚染、水質汚濁など生育環境の変化に敏感で、環境指標生物として重要な役割を果たしているのがこの種の特徴。

生息地が湿地や河川、林地、海洋などの限られた環境にあり、開発、乱獲、地球温暖化などから生息域が減少し、近年では多くの種が絶滅の危機に瀕(ひん)しているという。

1割が絶滅の恐れ

今回の刊行では、県内に生息しているとされる蘚苔類、藻類、地衣類、菌類約2000種のうち約1割の計199種を絶滅のおそれがあるとして選定した。5つのカテゴリー別では「絶滅」が5種、「絶滅危惧Ⅰ類」が75種、「同Ⅱ類」が37種、「準絶滅危惧」が63種、「その他(情報不足)」が19種。

分類別では、199種のうち蘚苔類が48種、藻類の海藻類が36種、淡水藻類が24種、地衣類が37種、菌類が54種。

県は、絶滅の恐れのある野生生物を将来にわたって存続させ、多様性を保全していくため、県内の植物及び動物について生物学的観点から個々の種の絶滅危険度を評価し、県版レッドデータブックの植物編を2013年度(改訂版)、動物編を16年度(同)に刊行した。

今回の「蘚苔類・藻類・地衣類・菌類」は、16年度に学識経験者など7人で構成する検討委員会を設置し、6回にわたる調査、検討を踏まえ、今年3月、待望の刊行にこぎつけた。

同センターは「今後、自然環境や生物多様性の保全活動、地域開発、土地利用計画の検討などで、環境影響評価の基礎資料として活用されるよう、行政、事業者、関係団体などに周知、啓発を行っていきたい」としている。

同レッドデータブックは県ホームぺージでサンプルを公開している。県庁(水戸市笠原町)3階、行政情報センターで閲覧でき、有償で領布(A4判、税込み847円)している。問い合わせは県生物多様性センター(電話029-301-2940)

インド出身の実業家 つくばの病院回りマスク寄贈

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筑波学園病院に1000枚の医療用マスクを手渡す倉留ラジェシュさん(左)=2日、つくば市上横場

【鈴木宏子】自動車販売店やレストランなどを経営するヤングガンズグループ(つくば市大貫)社長で、インド出身の倉留ラジェシュさん(47)が、市内の病院を回り、マスクを寄贈する活動を行っている。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマスク不足のなか、計1万枚のマスクを中国から輸入した。これまでに市内の市原病院(同市大曽根)、筑波記念病院(要)、筑波学園病院(上横場)にそれぞれ1000枚の医療用マスクを直接手渡したほか、マスクがなかなか手に入らない小規模な民間企業に100~200枚ずつ寄贈している。

倉留さんは19歳で来日、29歳のとき、つくば市で自動車販売会社を立ち上げ、同市や栃木県真岡市に自動車販売店を5店、つくば市内にレストランを6店経営するまでに事業を拡大させた。

「会社が大きくなり、今(自身が)ここにあるのは日本のおかげ。困っている人のために何かしたい」と、知人を通して中国から医療用マスク6000枚と一般のマスク4000枚を輸入した。これまでも、2011年の東日本大震災や12年の北条の竜巻、15年の常総水害などで、被災者に食事を届けるなどボランティア活動に取り組んできた。

2日は同市上横場の筑波学園病院を訪れ、病院関係者に1000枚の医療用マスクを直接手渡した。同病院は「大変ありがたい。マスクは今は何とか確保できているが、値段が何倍にもなっている」としている。

倉留さんは「マスクが手に入らず困っているところがあれば、これからも届けたい」と話している。

《続・気軽にSOS》60 コロナ禍 このイライラをどこに

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【コラム・浅井和幸】緊急事態宣言が、茨城も含む全国に拡がってから2週間が過ぎました。さらに延長をしなければいけないという意見が強く、期間延長の動きも出てきました。自粛、自粛。人は物事を制限されると、大きなストレスを感じることになります。

さらに、経済的な困窮が追い打ちとなり、自殺者の増加が懸念されます。新しい情報が出続け、多すぎる情報に、何が正しいのか分からず混乱します。いつもとは違う生活サイクルも、ストレスとなります。

そうしたとき、安心して大丈夫だよと言ってくれる根拠のない情報を探し、白黒がはっきりとした、分かりやすい解決方法のデマに飛びついてしまうのです。また、いつもと同じ行動が安心感につながりますから、いつものパチンコ屋とか、スーパー、ホームセンターに出かけたりしてしまうのです。

とても嫌なことが起きている、こんな悪いことが起こっているのは、悪い奴がいるからだ、そいつらのせいで、自分はこんなに苦しんでいる―と考え、「悪者」と決めつけた人を叩くことで、不安を解消しようという言動につながります。正義でいれば、悪いことは起こらないと教えられて育ちますから。

陰で愚痴を言うぐらいならばよいですが、実際の行動に出てしまう人もいます。感染者(デマもある)の家に石を投げ込むなどの悪質な嫌がらせです。そのような行動を起こす人は、自分が正義の行動をしていると考えていることがあるので、たちが悪い。

とんでもない奴がいるものだ…と、ほとんどの人が思うことでしょう。しかし、多かれ少なかれ私たちは、このような性質を兼ね備えているものなのです。そのことを肝に銘じて、周りの言動を理解することが大切です。そのような輩(やから)からは離れることが得策です。なので、それを考え続け過ぎて、嫌な言動に囚われ過ぎないようにしてください。

社会・家族・自分・幸せを見直すとき

いつもと違う行動はストレスになります。しかし、それをよいストレスとし、新しい発見をしましょう。余裕を持って、もっと笑って、今できることの中に楽しみを見つけてみましょう。(もちろん、それでも苦しいときは専門家に相談してくださいね)

ストレスに柔軟に対応できる能力として、首尾一貫感覚という健康社会学の考え方があります。3つの感覚を挙げているのですが、その中でも一番大切な感覚で「有意味感」というものがあります。

今、起こっていることに、意味があると感じられる感覚です。今、起こっていることは、この先の糧(かて)となるであろうと考えてもよいかもしれません。社会を見直し、家族を見直し、自分を見直し、幸せを見直す。そのようなときが来たのかもしれません。

なんて、重く考えず、こんなにつらい状況でも、素晴らしい人に囲まれて、楽しい時間が過ごせるような方法を、ワクワクしながら考えてみてください。きっと、その先には、素晴らしい日々が待っているはずです。(精神保健福祉士)

10万円給付金、オンライン受付開始 申請書郵送は16日から

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マイナンバーカードを活用したオンライン申請(参考)=出典:総務省発表資料

1人一律10万円の特別定額給付金などを盛り込んだ国の補正予算が4月30日、国会で可決、成立したことを受けて、つくば、土浦両市でも、マイナンバーカードを持っている人を対象にしたオンライン申請が1日スタートした。

政府が運営するオンラインサービス・マイナポータルの「ぴったりサービス」(市町村の行政手続きの検索・オンライン申請機能)に、特別定額給付金の申請画面が開設された。この画面で、マイナーバーカードの所持者はカード搭載の電子署名機能による本人確認を行うことで、オンライン上で申請手続きを完結できる。

郵送される申請書の到達を待たずに手続きできるが、1日時点ではアクセス集中のため、回線が混雑し繋がりにくくなっている。

一方、郵送による申請は、一般的には市役所に行かずとも受け付けられる。両市とも16日ごろから各世帯の世帯主宛てに申請書などを郵送する。実際に給付が始まるのはつくば市は6月初旬ごろから、土浦市は5月中に振り込みを始められるようにしたいとしている。

つくば市によると4月27日から5月1日までに「いつから給付を受けられるのか」「どんな手続きをすればいいか」などの問い合わせが150件ほど寄せられているという。土浦市は4月25日から5月1日までに350件ほどの問い合わせがあるという。

受け付け始まる テイクアウト協力金など つくば

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緊急経済対策の相談を受け付けるつくば市産業振興課経済支援室窓口=つくば市役所コミュニティ棟3階

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けているつくば市の事業者に総額1億6400万円を給付する緊急経済対策の補正予算(4月21日付)について審議するつくば市議会臨時議会が1日開かれ、全会一致で可決した。可決を受けて同市ではs即日、食事のテイクアウト(持ち帰り)を実施している飲食店に一律10万円を給付するテイクアウト協力金などの申請受け付けが始まった。

ほかに、クラウドファンディングで民間資金を集め、将来使用できるチケットを先払いで購入してもらい、チケットの売り上げを事業者に渡す補正予算の事業について、飲食店を対象とした応援チケット事業の参加店の募集もスタートした。

市産業振興課経済対策支援室によると、テイクアウト協力金やクラウドファンディングによる応援チケットについて、1日までにそれぞれ100件を超える問い合わせがあったという。

テイクアウト協力金について市は1日付けで、計約1000店の市内飲食店に制度の案内と申請書を郵送した。市役所に来なくても、郵送された申請書に必要事項を記入して申し込めば、早くて20日過ぎから10万円の給付を受けることができるという。

補正予算が可決されたクラウドファンディングによる芸術文化、旅客運送など残り4分野の応援チケットと、従業員が新型コロナウイルスに感染した場合の緊急支援資金、売り上げが減少しているホテルや旅館に最大300万円を給付する経済支援などについては、詳しい手続き方法などが決まり次第、順次受け付けを開始するという。

【高校生インタビュー】土浦初の女性市長㊦ 若い人へのメッセージ

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安藤市長に質問する生徒たち=土浦市役所

土浦日本大学中等教育学校報道サークルが高校生の視点から、土浦市初の女性市長、安藤真理子氏にインタビューした。最終回の3回目は、高校生へのメッセージをいただいた。[聞き手はいずれも新6年(高校3年)生の坂本恵理さん、石田日菜子さん、笠倉斗真さんの3人、インタビューは3月に行われた]

ー先日テレビ番組「緊急SOS! 池の水ぜんぶ抜く大作戦」(テレビ東京)で、土浦城のお堀の清掃を見ました。今後もテレビ取材はありますか。

どうしてああいう取材になったかというと、お正月にテレビを見ていたらあの番組をやっていました。以前から亀城公園でやってもらえないんだろうかって単純に思っていたんですけど、市長になってからテレビを見て「やってもらえないのかなーじゃなくて、これやってもらえるように交渉しよう!」って思って、連絡を取ってもらいました。そしたらロンブーの敦さんがお城好きなんですね。すぐOKくれました。それで来てもらったんです。

私は土浦をどんどんPRしたいんですよ。土浦って歴史と伝統が誇り、宝なんですね。文化があって、土浦には着物屋さんとかお茶の道具屋さんとかもあるんです。それは新しい街にはない。歴史と文化があるという魅力がある。霞ケ浦という宝もあるし、亀城公園はあるし、本当にたくさんの宝があることを発信していきたい。

今年は市制施行80周年に当たり、土浦が市として始まって80年という記念の年です。イベントとしてはNHKの「民謡魂」っていう番組が土浦市民会館にきて放映してくれます。機会を逃さず土浦を発信していきたいですね。

変えたいと思ったら声挙げて

ー若い世代とのコミュニケーションについて思うことがありますか。

今年の土浦の成人式は新成人の要望を受け、会場が、各中学校での開催から霞ケ浦文化体育館1カ所での開催に変更されました。皆も何か変えたいと思ったら声を挙げてください。こういう風に「市長に会いたい」と声を挙げることで変わっていくので。

政治ってそういうことだと思うんですよ。(成人式の会場問題では)20歳の子が電話してきました。「市長に会いたい」なんてなかなか言えないことだと思います。その時に思ったのは、これで市長に会えなかったらその年代の子たちは「なんだよ、土浦なんか」って思うと思ったんですね。ちょっとしたことでみなさんが「土浦なんか」って思っちゃうこともあるかもしれない。そういう思いもありました。ちゃんと話を聞く大人もたくさんいるんだと思ってもらいたいです。

やらない後悔より、やって後悔したい

ー最後に土浦の高校生にメッセージをお願いします。

皆さん、やりたいことはどんどんやってください。いっぱいやって、そしてその中で自分がやりたいことを見つけていけばいい。土浦の学校に通ってて良かったなと思えるような学校生活を送ってほしいな思っています。それは私たち大人の責任もあります。勉強も遊びも全部がんばって世界を広げてほしいと思う。そして土浦に戻ってきてほしいです。

高校生の時、私は政治の道に進むってこれっぽっちも思っていませんでした。私は高校時代は東京のOLになりたかったので、実際に東京で働きました。当時、つくばで科学万博が開かれることになり、関わりたいと思ってOLを辞めて、万博で働きました。その時は家族に反対されました。なんで東京の大きい会社に勤めているのにそこを辞めるのか、万博は半年間しかないのにって怒られました。けれど私はこんな機会はないって思ってやりました。後悔はしませんでした。私は、やった後悔とやらない後悔では、絶対やって後悔をしたいと思います。やらない後悔ってもっと後悔します。

やりたいこと、今分からなくても当たり前

そして私がいつも思っているのは、夢は強く願えば必ずかなう。これを高校生の皆さんに言いたい。私はそう思っていたし、実際そうなっています。夢を強く持ってください。まだこれからの自分の進路が決まってなくて、何がやりたいか分からないとしても、そんなの当たり前だと思います。興味があることをやっていたらそのうち見つかります。私は介護の仕事をしましたけど、それまでいろんな仕事をしてきて、最終的に自分の仕事は何かと思った時に、自分で介護の仕事を決めました。その時は私の天職だと思ったんです。本当に介護の仕事が好きになった。

議員になったのは45歳の時ですけど、それまで議員になるとは思っていなかったので、20代、30代の人が今自分が何をしたいか分からなくても、もしかしたら政治家になるかもしれないし、全く別の仕事をするかもしれないし。いつも可能性を秘めています。その代わり一生懸命生きてください。全力でやってください。一生懸命生きていればみなさんの夢は必ずかないます。

ー本日はどうもありがとうございました。(おわり)