金曜日, 1月 2, 2026
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《霞月楼コレクション》2 浦田正夫 土浦疎開を機に新たな作風開花

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【池田充雄】日本芸術院会員、日展事務局長などを務めた日本画の重鎮、浦田正夫は土浦とも縁が深い。1910年(明治43)熊本県山鹿市生まれ。代々画家の家系で祖父は浦田雪翁、伯父は高橋廣湖、父は浦田廣香。

題・年代不詳(1945年に描かれた類似構図の写生があるため、同年以降の制作と推察される)絹本彩色軸装 43×50.5cm 霞月楼所蔵

1915(大正4)年、父に連れられ上京。中学卒業後は画家を目指し、伝統の大和絵に近代的な造形感覚を加味した「新興大和絵」を唱えた松岡映丘に入門。並行して岡田三郎助らに洋画も学ぶ。東京美術学校日本画科に入学し、在学中の1933(昭和8)年、第14回帝展に「展望風景」で初入選。その後も帝展や文展などで受賞を重ねた。

美校卒業後は同じ映丘門下の山本丘人、杉山寧らと瑠爽画社(るそうがしゃ)を結成。後にその活動は一采社(いっさいしゃ)に引き継がれる。正夫は両団体を通じて中心的役割を果たし、仲間と共に新しい日本画の創造に取り組んでいく。

戦後の美術復興を土浦から始める

浦田正夫

1945(昭和20)年、空襲で池袋の家を焼失した浦田一家は藤沢村(現土浦市藤沢)に疎開。1948(昭和23)年には栄村(現つくば市上境)、1951(昭和26)年には土浦市内へ転居した。その間、正夫は永田春水らと県南美術協会を設立するなど地域の美術復興に貢献。栄公民館報の表紙絵も担当した。1953(昭和28)年には東京に戻るが、その後も県展審査員などの形で茨城との縁は続いた。

1951(昭和26)年から山口蓬春に師事。蓬春も古典的な大和絵から出発し、西欧近代絵画を取り入れながら新しい日本画を模索していた一人だった。

この頃から正夫の作調も大きく変化する。端緒となったのが1952(昭和27)年の「牛」だ。当時、土浦市下高津の国立霞ケ浦病院(現霞ケ浦医療センター)に入院中、窓外に見える牧場の牛を数多くデッサンした。まず生き物としての牛を研究するために描き、次に構図や色彩を考え、試行錯誤を重ねながら作品に落とし込んだという。

自然の風景を柔らかな表情で描く

「牛」1952年 絹本彩色額装 第8回日展出品 212×227cm 茨城県近代美術館所蔵

疎開先に土浦近郊を選んだのは、絵を描くのに必要な環境を考えた結果でもあった。朝昼晩と姿を変える風景があり、水辺や田園の音があり、土地の人情すら感じられる。そうした自然のすべての要素と一体となりながら、自身の琴線に触れた美を絵筆によって定着させていった。

土浦を離れてからも北関東や東北の自然に題材を求め、特に蓮のある水辺の風景は生涯の重要なモチーフになった。水彩画を思わせる柔らかな色彩とタッチを得意とし、一見すると無造作に描き上げたような印象の作品も、実は「牛」と同様に多くのデッサンや下絵の工程を経て、綿密な計算が施されている。

神龍寺障壁画に最期の思いを託す

1998(平成10)年に落成した神龍寺(土浦市文京町)本堂には、正夫と弟子で養女の浦田由佳子の手による障壁画がある。

正夫は1995(平成7)年に依頼を受けると、土浦での日々を思いながら構想を練り、写生など取材を重ねていたが、肝臓がんのため1997(平成9)年11月に87歳で他界。残された小下図を元に由佳子さんが制作を進め、完成させた。

神龍寺障壁画のうち「白梅」「太陽」 1998年

障壁画は全部で39枚。大間天井に「龍」、外陣3室には「松」「白梅・太陽」「紅梅・月」、室中には「蓮花」と杉戸の「竹」、室中脇間には「赤牡丹・白牡丹」がそれぞれ描かれている。由佳子は「小下図には部屋の大きさに対してふさわしくないものもあり、大幅に変更せざるを得なかったが、義父の思いは引き継ぐことができたと信じている」と話している。(文中敬称略)

  • 取材協力・参考資料▽茨城県近代美術館▽宝珠山神龍寺▽浦田由佳子氏▽図録「現代作家デッサンシリーズ浦田正夫展」(1987年、朝日新聞社)▽図録「茨城近代美術の精華」(1992年、茨城県近代美術館・茨城県つくば美術館)▽図録「浦田正夫の世界展」(2000年、茨城県近代美術館)▽桜村史下巻
  • シリーズ協賛 土浦ロータリークラブ 土浦中央ロータリークラブ

《沃野一望》16 藤田小四郎の6 天狗壊滅

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藤田小四郎像=筑波山

【ノベル・広田文世】
灯火(ともしび)のもとに夜な夜な来たれ鬼
我(わが)ひめ歌の限りきかせむ とて

豪雪の蠅帽子(はえぼうし)峠を越え、越前国(現在の福井県)へ入った天狗党の一党は、ここでついに、行く手の葉原(はばら)宿に布陣する加賀藩に降伏した。加賀藩士永原甚七郎の命がけの説得に応じた理由は、加賀藩に先陣を命じた一橋慶喜の出陣だった。京へ近づけば近づくほど露骨に拒絶の姿勢をつよめる慶喜のまえに、矛を収めざるをえなかった。天狗党の頼みの綱は、儚(はかな)い幻像だった。

さらに天狗党は、あまりに激しく行動力を消耗しつくしていた。天狗党の気力と体力は、豪雪の峠越えで極限にまでそがれていた。誰もが、「これ以上の進軍は無理」と肌で感じていた。

天狗党は、加賀藩兵に武器を差し出し、捕らわれの身となる。ついに、幕府軍との全面戦闘を展開せぬままの降伏だった。

心情的に天狗党に肩入れしてきた加賀藩兵は天狗党を、できうる限りの厚遇で迎え入れる。北陸の魚とたっぷりの白米、熱々の味噌汁。手足をゆっくりのばせる風呂は、豪雪の峠越えでおった凍傷に、なによりの治癒(ちゆ)となった。酒さえ相伴し、暖かい布団に寝ついた。

しかし、桃源郷のような虜囚生活は、長くつづかなかった。幕府の天狗党追討軍総括田沼意尊(たぬまおきたか)が越前に到着した。田沼は、加賀藩による厚遇を聞き及び激怒した。「天狗勢を縛って引き立てよ。牢に押し込めよ。反抗する者は、射殺せ」。

降伏823名中352名斬首

加賀藩側も、黙っていなかった。

「われらは、一橋慶喜様の命で出動した者です。慶喜様が京へ戻ってしまわれた以上、われらの役目はおわりました。加賀へ、ひきあげます」。幕府軍と一橋慶喜に対する、精一杯の反抗だった。加賀藩兵は、天狗勢からの深甚な謝意を背に、捕縛の役目を放棄し、加賀へ帰っていった。

幕府軍による天狗勢への過酷な処遇がはじまる。敦賀へ護送され、鰊(にしん)蔵を改造した頑丈な牢獄へ押し込められた。出入り口や窓は、すべて厚い板で塞がれ、手を入れるだけの穴から、一日二個の握り飯がほうりこまれた。ほとんど光のとどかない暗黒の獄内の中央に、大・小便用の桶があるだけ。足には、分厚い板の足枷(かせ)が釘うちされた。

元治二年(1865)二月。田沼意尊は、武田耕雲斎や藤田小四郎などの天狗党幹部25人を鰊蔵から引きたてた。かたちばかりの裁判がとりおこなわれた。斬首に処する。即、執行。

翌日から、一般隊員に対して次々と判決が言い渡された。加賀藩に降伏した823名のうち、352名が、越前国敦賀来迎寺(らいごうじ)で斬首された。筑波山に挙兵して約1年。ちらほらと、早咲きの梅がほころびはじめるころだった。(作家)

再開した「小町の館」に季節の草花 土浦中央ロータリーが寄贈

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「小町の館」の本館前を飾る、色とりどりのプランター=土浦市小野

【池田充雄】土浦中央ロータリークラブ(土浦市真鍋、菊地廣輝会長)が10日、土浦市小野の体験交流施設「小町の館」に季節の草花のプランターを寄贈した。ポーチュラカ、ペチュニア、サフィニア、インパチェンス、赤と青のサルビア、鶏頭、日日草などを寄せ植えした8基が本館の玄関前に飾られ、訪れる人を癒している。

同クラブは社会奉仕事業の一環で、市役所大屋根広場など土浦市内を花で飾ろうと活動。小町の館では本館裏の芝桜の丘や、朝日トンネル下のポケットパークの藤棚なども整備した。

今年4月に餅つきイベントを小町の館で計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により中止を余儀なくされ、緊急事態宣言の解除を受けて今回の花の寄贈を実施した。「当館は4月9日から5月末まで休館し、6月2日に再オープンしたばかり。タイミングよく花を贈っていただき、来館者にも評判がいい」と館長の岡田良一さん。

同館ではそば店「小町庵」やふれあいホールなども席数を減らし、感染対策を万全にして営業再開。そば打ち体験は参加人数を減らして募集し、すでに一部は定員に達したそうだ。周辺では朝日峠のハイキングやパラグライダーにも人が集まるなど、徐々ににぎわいを取り戻しつつある。

寄せ植えに参加した土浦中央ロータリークラブの会員有志=10日、小町の館本館前(土浦中央ロータリークラブ提供)

県内企業の8割がマイナスの影響 新型コロナで

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間隔を空けて座るよう注意書きが貼られたいす

【山崎実】帝国データバンクが5月に実施した新型コロナウイルス感染症に対する県内企業の意識調査によると、全体の8割弱、79%が「マイナスの影響がある」と答えていることが分かった。

調査は5月18日から31日に県内企業368社を対象に行われ、有効回答は181社(回答率49.2%)だった。

まず新型コロナウイルス感染症による自社業績への影響については「すでにマイナスの影響がある」(56.9%=過去最高)、「今後マイナスの影響がある」(22.1%)を合わせ、全体の79%が「業績にマイナス」と回答した。

業界別ではサービス業が87.5%と最も高く、次いで製造業83.6%、卸売業79.5%、建設業73%、運輸・倉庫業71.4%、小売業57.1%などの順。

企業からは「売り上げの回復が遅れた場合、資金繰りが懸念される」(サービス業)など先行きを不安視する声が多く挙がっている。

一方「プラスの影響がある」と回答したのは小売業14.3%、卸売業12.8%、製造業1.8%など。いずれも食料品に関わる小売、卸売、製造関連で、外出自粛による家庭内消費、いわゆる「巣ごもり消費」の拡大が追い風になり、食料品業種でプラスの影響が出ている。

中小企業で融資利用進む

コロナ禍により経済活動が制御される中、自社で実施、あるいは検討している施策は何か、の質問(複数回答)には「政府系金融機関による特別融資の利用」が38.1%でトップ、次いで「民間金融機関への融資相談」(37.6%)、「雇用調整助成金の利用」(32%)などの順だった。

特に中小企業では政府系金融機関による特別融資の利用や、民間金融機関への融資相談などの資金繰り対策を大企業より進めていることが分かった。

茨城県では5月14日に緊急事態宣言が解除され、県内経済は段階的に動き出しているが、対面営業の制限、在宅勤務の継続などから企業活動の正常化、消費マインドの回復には時間がかかることが予測される。

このため調査を実施した帝国データバンクは「政府や自治体は経済再生と感染拡大防止の両立に対して具体的な施策の実行、継続的な支援を行っていくことが求められる」と分析、提言している。

《続・気軽にSOS》63 浅井心理相談室の「あるあるネタ」

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【コラム・浅井和幸】お陰様で19年目を迎えた浅井心理相談室。日常の些細(ささい)なことから、複雑で重い内容まで、様々な相談を受けてきました。

睡眠時間を確保できない時期が初期にあり、昼食をとって臨んだ午後一のカウンセリングで、クライエントが話をしているときに一瞬コックリしてしまったことがあります。今思い出しても、冷や汗ものの経験です。今回は、相談室での、そのような「あるあるネタ」をお届けします。

<その1>

カウンセリング料を受け取り忘れて、お互いが謝る変な光景。カウンセリング料は、相談終了時に手渡しでいただきます。喜怒哀楽(きどあいらく)交じりに悩みを話した後のクライエント。真剣にそれを聞いてアドバイスをする私。相談終了後は、ホッと気が緩みます。

次回の予約を受け、次を考えつつ、「お疲れさまでした。気を付けてお帰り下さい」と別れた後、ふと料金をいただいていないことに気付きます。そして、駐車場まで走って、料金をいただく。

クライエントは、申し訳なさそうに謝ります。いやいや、浅井が請求することが筋で、それを忘れていましたと謝ります。気付くのが遅く、電話でお伝えしたり、次の相談時に話をしたり、すっかり忘れていてクライエントから指摘されたり。このうっかりは、今もあります。というか、これから頭がぼけていったら、増えちゃうのかな?

<その2

お茶は何杯でもOKですよ。夏は冷たい、冬は暖かいお茶をお出ししています。精神科などの薬を服用されている方は、のどが渇きやすいので、遠慮なく、何杯でもお替わりしてください。真剣な悩みを話しているときに言いづらいと感じる方も多いので、こちらから飲むペースの早い方にはお伝えします。

この話をするだけで和む方もいます。中には、お茶を飲むことも遠慮するぐらい緊張されている場合もあります。冬のこと、あるクライエントには「相談室のお茶はこんなに熱かったのですね。いつも相談が終わるころに初めて気づきました」と言われたことがあります。

<その3

説教されたのに友人を紹介。相談には、知り合いの紹介で来られる方もいます。予約の電話に対応するときに、どこで相談室を知ったかをお聞きしますが、先日は、下記のように応えられ冷や汗をかいたものです。

「以前から何度もそちらで相談をしている〇〇さんからの紹介です。いろいろな所で相談をしましたが、そちらでは話を聞くだけではなく、アドバイスもしてくれると聞いています。〇〇さんは、アドバイスだけでなく説教もされたと笑って教えてくれました」

う~、クライエントに説教するなんて、カウンセラーの風上にも置けないやつだと思うわけです。優しく接しなくちゃだめですよねぇ。え~っと、その説教をするカウンセラーは、たぶん、私で間違いないかと。〇〇さんという名前に心当たりもありますし。気を付けなきゃなぁと考える今日このごろです。(精神保健福祉士)

スマホで小中学生の体温・体調管理 つくば市など導入 医療相談アプリLEBER

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オンライン会見に臨む(左から)伊藤俊一郎社長、五十嵐立青市長、小田川浩市長、永田恭介学長=AGREE社撮影

【相澤冬樹】医療相談アプリ「LEBER(リーバー)」を運営するAGREE(アグリー、本社・つくば市、伊藤俊一郎社長)は19日、五十嵐立青つくば市長、小田川浩つくばみらい市長らの同席でオンライン記者会見を行い、両市の市立小中学校で導入された児童・生徒向け体温・体調管理ツールについて説明、学校版「新しい生活」の標準となるモデルをつくばから提示すると意気込んだ。

両市は6月8日からスマートフォンアプリ「LEBER」を利用して体温・体調管理ができる「LEBER フォースクール」を導入した。検温結果の記録と簡単な体調の報告をセットにするツールで、入力結果は自動的に学校に送信される。

アプリには毎朝、検温を促すプッシュ通知が送られ、入力を忘れることなく体温を計る習慣づけがなされる。保護者は、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症等の健康観察票」に準拠した、体調に関する簡単な質問への回答を加え、データを自動送信する。書類の記載や手渡しなく教育機関に伝わったデータはグラフ化などにより容易に管理でき、教職員の負担が大幅に軽減される仕組みだ。

7月リニューアルのLEBERの新機能も紹介された=記者会見資料

「LEBER」は登録ユーザーがスマホを操作して医師と相談するアプリ。チャットスタイルの自動問診で、「痛い」「かゆい」などの症状を伝えると、これを見た医師から最速3分で回答が届き、最寄りの医療機関や適切な市販薬などがアドバイスされる。24時間365日相談できる。新型コロナの感染拡大を受け、病院での受診に悩む患者や家族からの利用が拡大、茨城県内では9月末まで無償提供されている。(4月9日付

AGREEの伊藤社長によれば、医療相談に対応する医師数は270⼈以上まで確保されており、両⾃治体で約2万6000⼈に及ぶ児童・⽣徒の家庭による登録にも⼗分な体制が整っているとした。さらに7月には「健康予報」機能を備えたリニューアルバージョンの発表も予定しているという。

児童・生徒向け体温・体調管理ツール「LEBERフォースクール 」は滑り出したばかりで、つくば市の実績は未集計だが、つくばみらい市では約4600人いる児童・生徒の77%が登録を済ませた(15日現在)。小田川市長は小学生で42%、中学生で44%にとどまっている検温の実施率向上が課題と報告した。

五十嵐市長は、学校に通う自分の子供に検温結果を聞くのが「毎朝のコミュニケ―ションになった」と言い、withコロナ時代の「新しい生活」に安心・安全を担保できるツールとして世界中の都市に送り出したいと語った。

医療相談事業には医師登録を通じて筑波⼤学付属病院が協⼒を開始したことから、同大学の永田恭介学長も会見に参加。オープンイノベーションによる全学的な学際プロジェクトである「つくば未来都市プロジェクト」に、筑波大発ベンチャー事業であるLEBERを積極的に取り込んでいく姿勢を打ち出した。

地銀とネット証券が共同店舗 「筑波銀行SBIマネープラザ」開設 県内初

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店頭で握手する生田雅彦頭取㊧と太田智彦社長=土浦市真鍋新町、筑波銀行SBIマネープラザ

【相澤冬樹】共同店舗「筑波銀行SBIマネープラザ」が19日、土浦市真鍋新町にオープンした。筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)が、インターネット証券大手、SBI証券の子会社であるSBIマネープラザ(本社・東京都港区、太田智彦社長)とタイアップして設けた。SBIがインターネットで取り扱ってきた株式、投資信託、債券などの金融商品を対面販売で提供する。

SBI証券は2017年から全国の地銀と提携を開始し、同行が12行目。マネープラザは15店舗目、県内では初の開設となる。SBIマネープラザが有する株式などリスク性商品を含む営業活動のノウハウと、筑波銀行が培ってきた地域の産業と生活に密着した営業活動の融合を図る。これにより、顧客は対面コンサルティング営業による質の高いアドバイスとともに、さまざまな金融商品・サービスを利用できるようになるという。

雨中のオープンセレモニーでテープカットする関係者=同

店舗は土浦市真鍋新町の「すまいるプラザ土浦」と「筑波ほけんプラザ土浦」内に併設。当初は5月中の開設をめざし準備を進めていたが、新型コロナウイルスの影響から1カ月遅れでのオープンとなった。

雨中での開店となった19日、オープン行事には生田頭取、太田社長に加え、高村正人SBI証券社長も出席してテープカットを行った。生田頭取は「筑波銀行が本店を構える土浦を足場に、機動力で茨城県の東西南北に営業を広げていきたい」、太田社長は「いっそうの地方創生に貢献していきたい」とそれぞれあいさつした。

運営はSBIの足立謙一郎店舗長ら5人体制で、同行からは2人が出向する。足立店舗長は「インターネットでは対応しきれない幅広い金融商品のニーズに対面で応えていきたい。まずは地域の富裕層を顧客に想定してるが、土浦には特に厚みがあると感じており、ここを足場に営業を広げていきたい」と抱負を語った。

◆筑波銀行SBIマネープラザは土浦市真鍋新町20-22、電話029-825-7113。営業は平日のみで、時間は午前9時~午後5時。

《電動車いすから見た景色》7  それぞれのマスク事情

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マスクをした筆者

【コラム・川端舞】もはや外出時のマスクは常識になりつつある。マスクをしていない人を見ると、つい冷たい視線を送ってしまう。しかし、マスクは誰にでもできるものなのだろうか。

私は脳性まひという障害のため、手足の筋肉と同じように、口の周りの筋肉も思うように動かせない。何か話そうとするとき、自分では他の人と同じように口を動かしているつもりなのだが、無意識に顔の筋肉が必要以上に動いてしまう。そのせいで、話している間に口元のマスクがどんどんずれて、マスクの意味がなくなってしまうことがある。

また、マスクをしていることで顔の筋肉を動かしにくくなり、周囲が私の話している言葉を理解するのに普段より時間がかかる。言語障害による言葉の聞き取りづらさに拍車がかかっているようだ。感染予防のためには、話す時もマスクをすることが大切なのは分かっているが、スムーズにコミュニケーションをするためにマスクをはずしたいと思ってしまう。

口元が見える透明なマスク

私以外にもマスクを不便だと感じる人はいるようだ。もともと呼吸器の疾患がある人は、マスクをつけることにより呼吸が苦しくなってしまう。知的障害者で肌の感覚が他の人より過敏な人は、ゴムを耳にかける感覚がストレスになり、マスクをはずしてしまう人もいるようだ。

聴覚障害者はマスクにより相手の口元が見えなくなることで、会話を理解しづらくなるというニュースも見た。障害者だけでなく、小さい子どもなどマスクをし続けることが難しい人もいるだろう。

最近は、私も街中でマスクをしていない人を見かけると冷たく見てしまうこともあるが、外見ではわからなくても、マスクをするのが難しい人もいることを覚えておきたい。また、聴覚障害者でも会話ができるように、マスクをしていても口元が見える透明なマスクも開発されているようだ。

それぞれのニーズに合った、ユニバーサルなマスクが今後生まれてくるかもしれない。新しい生活様式の中でも、多様性を受け入れられる社会にしたい。(つくば自立生活センターほにゃらメンバー)

使用期限過ぎた試験紙で検査 3歳児尿検査でつくば市 新型コロナで健診延期

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つくば市役所

つくば市は18日、谷田部総合体育館(同市谷田部)で17日、59人の3歳児を対象に実施した健康診査の尿検査で、使用期限を過ぎた試験紙を使用してしまったと発表した。期限を過ぎると正しい結果が出ないことがあるとして、後日、59人全員に再検査を実施する。

市健康増進課によると使用期限は4月30日だった。本来、この試験紙は3月中に使用する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で乳幼児健診が3月中旬から休止となり、6月初旬に健診を再開後、担当者が日付を確認しないまま使用してしまったという。

例年の健診では使用期限がくる前に試験紙を使い切っていた。

市は18日までに59人全員に電話し謝罪した。再発防止策として今後は使用期限の確認チェックシートを作成し複数で確認などするとしている。

尿検査はタンパク、糖、潜血などを、試験紙を使って看護師や保健師などが会場で検査する。この日は59人のうち3人が正常値ではなかったという。

再検査の日程などについては59人に改めて連絡する。

世界最大の木造犬もマスク つくばわんわんランド

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マスクを着用した木造犬モニュメント、モックン

筑波山の麓にある日本最大級の犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田、東郷治久代表)のシンボルで、世界最大の木造犬モニュメント「モックン」がマスクを着用した。

新型コロナウイルス感染拡大防止の意識をさらに高めてもらおうと、白いシーツを縫い合わせてスタッフが手作りした。12日から着用している。首の部分には「コロナに負けるな!!」のメッセージも掲げている。

木造犬は高さ11メートル、黄色がボディーカラーで、今年の元日にお披露目された4代目。マスクの大きさも縦2.4メートル、横5.3メートルと巨大。

同園は県などの休業要請を受けて4月22日から5月17日まで約1カ月間休園し、5月18日に再開した。再開後は、来園者にマスクを着用してもらったり、園内各所に消毒スプレーを設置しひんぱんに手洗いをしてもらっている。さらにチケット売り場や売店にビニールシートを張ったり、園内各所にあるテーブルや座席の間隔を広げたりと、さまざまな感染防止対策を講じている。

「園のシンボルであるモックンにもマスクを着用させることで、感染拡大防止の意識をさらに高めてもらえたら」と同園。

同園には約500匹の犬と約30匹の猫がいる。休園期間中の犬の餌代や引退した老犬の薬代などの支援を呼び掛けており、3日からクラウドファンディング(6月6日付)を実施している。17日時点で890人から660万円を超える支援が寄せられ、すでに第1目標の500万円を達成した。現在は第2目標の800万円達成に向け引き続き支援を呼び掛けている。

《ご飯は世界を救う》24  ハンバーガー店も再開

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【コラム・川浪せつ子】自粛生活も少しずつ解除されてきました。つくば市小野崎のショッピングセンター「ララガーデン」は、スーパー、薬局など以外は、4月半ばから閉鎖。それが5月20日くらいから、飲食店も徐々に再開されました。私の大好きな「フレッシュネスバーガー」さんに、開始日、すぐにテイクアウトに行きました。

そしてそれから2週間後には、店内でランチスケッチも。こちらの壁には、私が今まで描いたお店のハンバーガーなどのスケッチを、数点展示させてもらっています。初めて描いたのは、お茶に行ったとき。あまりにも描けなくて、へこんだことを覚えています。

それ以来、何十回通って描いたでしょうか。食べものだけでなく、レジの付近、ハロウィンなどの季節の飾りつけスケッチ。お陰様で、少し自信を取り戻せています。

そんな時間を過ごせたのは、店主さん始めスタッフさんの対応でした。そして、10年以上過ぎ、わたしの一番の憩いの場所になりました。店内は広く2階にあり、窓からは筑波山を、ハッキリ拝むことが出来ます。

地域の方にとってはもちろん、筑波山は信仰の山。いつ見ても美しく、長い歴史のある名山ですね。そんなお山を眺められるのですから、ここは、ビューポイントですね。

お茶とフィットネスの時間

また数年前から、このショッピングセンター内に、女性専用のフィットネスが入ったのも私にとっては、好都合でした。食料品のお買いもの、本屋さん、1人でお茶の充足時間、オマケに体を鍛えるという何ともぜいたくな場所です。

コロナの終焉がまだまだのようなので、「フレッシュネスバーガー」さんも、今は時短営業です。もともとテイクアウトがあり、持ち帰りの方も多いのです。これからも筑波山を見ながら、ステキなスタッフさんとの触れ合いを大切にして、美味しい食べ物と、よい時間を過ごすことが出来ますよう祈るばかりです。(イラストレーター)

湖上スクール再開、霞ケ浦で救助訓練 新型コロナで2カ月遅れ

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湖に落ちた落水者を船に引き上げる訓練をする参加者=17日、霞ケ浦土浦入り

【鈴木宏子】子供たちが霞ケ浦の湖上に出て水環境について体験しながら学ぶ今年度の「霞ケ浦湖上体験スクール」が11日から始まったのを受けて、17日、土浦市川口の土浦港と霞ケ浦の湖上で落水者の救助訓練と船上火災消火訓練が実施された。

毎年4月に訓練を実施しているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大による学校の休校や外出自粛要請を受けて、3月から5月まで湖上スクールがすべてキャンセルとなっていた。学校が再開し湖上スクールが4カ月ぶりに再開したのを受けて、例年より2カ月遅れの訓練実施となった。

湖上スクールの指導員と、遊覧船を運航するラクスマリーナ社員のほか、県霞ケ浦環境科学センター職員、土浦市消防本部、土浦警察署の署員など計53人が参加した。

救助訓練は、土浦港から沖合約1キロの湖上で実施された。湖上スクールに参加していた小学生が船から湖に落ちたと想定。ラクスマリーナの社員が浮き輪を投げて落水者を引き上げ、スクール指導員がデッキで心肺蘇生をした。さらに通報を受けた土浦市消防本部の消防艇が駆け付け、救急隊員が船に乗り込んでAED(自動体外式除細動器)を使った心肺蘇生などを実施した。

続く火災訓練は土浦港で実施された。船のデッキに置かれたごみ箱から出火したと想定。船上のスクール指導員が子供たちを落ち着かせて風上に移動させ、別の指導員が消火器を使って初期消火をする訓練を実施した。さらに通報を受けて駆けつけた市の消防艇とポンプ車による消火訓練が実施された。

消防艇で船に乗り込み遊覧船のデッキで落水者の心肺蘇生訓練をする土浦市消防本部の救急隊員=同

湖上体験スクールは県の森林湖沼環境税を活用した子供たちの体験学習で、遊覧船で沖合に出て、船上で霞ケ浦の水質調査をしたり、プランクトンを観察したり、霞ケ浦の広さや生き物、流域の様子を勉強する。毎年、流域の小学4、5年生などがクラス単位で参加し、年間約300回のスクールを開いているという。

一方今年度は、新型コロナウイルスによる休校の影響で、11日に石岡市内の小学4年生が実施したのが始まり。6月は例年なら50回ほど開催するが、今年は10分の1の5回だけという。

学校が再開しても、新型コロナウイルスの感染防止対策が求められることから、スクールでは、船上で子どもたちが3密になるのを防ぐため、船室内のテーブルを撤去して椅子と椅子の間隔を1メートル空けたり、デッキの床にペンキで印を付けて乗船者同士が1メートル距離をとれるようにしたり、水質調査を3班に分けて実施するなどしている。

ラクスマリーナの高野利夫専務は「湖上スクールや遊覧船運航を安全に実施したい」と話している。

《くずかごの唄》63 コロナ事件 医療の歴史的試み

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【コラム・奥井登美子】

「耳の後ろがかゆいのです。マスクのゴムのせいでしょうか?」

「暑い時のマスクは耳のところで汗かくから、アセモと同じ手当てをすればいいと思います」

「ゴムひもを取り換えてもダメですか?」

「かゆい所の汗を水でよく拭いてから、弱いステロイド軟膏を塗っておく」

「ウエットティッシュで拭いたら、よけい赤くなっちゃった」

「皮膚炎には、ウエットティッシュに少しだけ入っている防腐剤がよくないの。くたくたの洗いざらしたガーゼがあればいいんだけれど」

「値段の高いティシュにしたのに、なぜダメなんですか? くたくたのガーゼなんか、捨てちゃうからありません」

「困ったわね。家にいる時はマスク外してくださいね」

マスク皮膚炎、手指のアルコール皮膚炎、家のひきこもりに伴う軽いノイローゼなど、病気と言えないような軽い疾患が増えている。病院や医院に相談に行くほどでもないとあって、薬局の雑談まじりの相談電話は結構忙しい。

日本人の生活教育を見直すチャンス

言われたことをキチンと真面目に実行しているのにトラブルが起こってしまう。それにどう対処していいかわからない真面目過ぎる日本人がなんと多いことか…。

マスクのつけ方、マスクの用途、消毒薬の扱い方、ウエットティッシュの使い方など、医療以前の基本的な日常の生活術を知らない人たちがなんと多いことか…。コロナウイルス事件は日本人の生活教育を見直すチャンスではないかと思う。

私は薬史学会に入っているので、薬の歴史的な事件は一応学んだはずであったが、地域医療の地域が世界中に広がっての「医療のコロナ騒動」は、歴史的にみても初めての体験である。

町の薬剤師の1人として、この歴史的な体験をどう乗り切ればいいのか、日夜模索しながらお客様の電話に付き合っている。(随筆家、薬剤師)

19年度のサイクリスト9万3000人に つくば霞ケ浦りんりんロード 

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霞ケ浦湖岸を走るサイクリスト

【山崎実】県スポーツ推進課がまとめた自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の2019年度利用者は9万3000人で、前年度比約1.15倍の増加をみせた。18年度実績は8万1000人。

全長約180キロに及ぶりんりんロードが昨年「ナショナルサイクルルート」に指定され、土浦駅に「星野リゾートBEB5土浦」がオープン、同駅ビルが日本最大級のサイクリングリゾートに生まれ変わったことも加わり、茨城のサイクルツーリズム人口は確実に増加傾向にある。

県と沿線9市町村で構成するつくば霞ケ浦りんりんロード利活用推進協議会(会長・大井川和彦知事)が運営する広域レンタサイクルも、昨年度の利用台数が3115台と、18年度実績の2594台から約1.2倍増加した。

特に沿線11カ所の施設からどこでも自転車の貸出・返却が可能な広域レンタサイクルは、ナショナルサイクルルート指定後の昨年11月から今年3月までの利用台数が1134台と、前年同月の679台から約1.7倍に急増した。

県はさらにサイクルツーリズムを推進するため、傷んだ路面のリニューアルや、休憩所の改修、岩瀬駅と水郷潮来バス ターミナルに、りんりんロードの起点・終点を示す看板を設置するなどの取り組みを進めている。

また今後についても沿線のビュースポットの整備や周辺観光施設、観光地への案内板の設置を予定するなど、官民連携による地域活性化を目指していく。

一方、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、土浦駅ビル1階のサイクリング拠点「りんりんスクエア」が4月14日から5月17日まで休館、広域レンタサイクルも4月11日から5月17日まで休業し、いずれも5月18日に再開したばかり。首都圏との不要不急の移動は6月18日まで自粛が要請されており、厳しいスタートとなっている。

《法律かけこみ寺》19 とある会社の消滅時効

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土浦市神龍寺(本文とは関係ありません)

【コラム・浦本弘海】とある会社の一コマ。

先輩「この債権は商事債権じゃないし、時効は…10年だな。きちんと管理しないと」

後輩「先輩、改正民法が今年(2020年)4月1日から施行されてるんですよ、この債権ならいまは5年です」

先輩「な、なに~!」

民法が2017年に大改正されました。この大改正された民法(改正民法)が2020年4月1日から施行されています。ビジネスの現場でも改正民法が意識されはじめました。そこで今回は、主要な改正のひとつ、消滅時効の改正について取り上げます。

ところで、そもそも消滅時効というのは、権利者が一定期間、権利を行使しないと権利が行使できなくなる場合があるという、(権利者にとって)残念な制度です。根拠のひとつは「権利の上に眠るものは保護に値せず」というもの、キビシー。

それでは条文を(原則だけ取り上げていますので、例外にご注意ください)。

●改正前

第百六十七条 債権は、十年間行使しないときは、消滅する。

(以下略)

●改正後

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

(以下略)

というわけで、改正前の民法では消滅時効の期間は原則10年でしたが、「知った時から5年」が追加され短期化が図られました。

刑事ドラマの「時効」にも要注意

また、改正前の民法には職業別短期消滅時効というのがあり、宿泊料は1年だったり、弁護士報酬は2年だったり、各種資格試験の受験生を悩ませていたのですが、短期化の一方でこれらは廃止されました。

商行為によって発生した債権(商事債権)は、商事消滅時効(商法522条)によりもともと5年だったのですが、この規定も削除され改正民法が適用されます。

なお、とても細かい話ですが、改正民法施行日(2020年4月1日)前に債権が生じた場合は、原則として改正前の民法が適用されます(例外に不法行為に基づく損害賠償請求権)。

ところで、むかしの刑事ドラマなどで、たまに殺人罪の時効が15年(あるいは25年)というシーンが出てきます。

刑事A「ふう、これでようやく犯人を逮捕できるな」

刑事B「先輩、今日で事件から丸15年。時効です!」

刑事A「な、なに~!」

ここでの時効は公訴時効というもので、公訴時効の期間が経過すると被疑者を起訴することができなくなります。

ちなみに「むかしの刑事ドラマ」としたのは、公訴時効を定める刑事訴訟法もやはり2010年に改正され、人を死亡させた罪であって死刑に当たる罪(たとえば殺人罪)について公訴時効が廃止されています。

小説やドラマで法律ネタが出てきた場合、法律が改正されていることもあるので、鵜呑みにするのは要注意なのです。(弁護士)

障害者に感染が迫った時… 必要な支援受けられず不安 つくばの男性

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呼吸器を使いながらパソコンを操作する男性

【川端舞】新型コロナウイルス感染の危険性が身近に迫った時、障害者は公的な支援を受けられるのだろうか。つくば市在住の30代男性は、同居家族の職場で感染者が出た影響で、一時、介助サービスや訪問看護を中断されてしまった。

訪問看護とヘルパー派遣が中断

男性は全身の筋肉が次第に弱くなる難病があり、車いすで生活し、24時間呼吸器を使用している。現在、2つのヘルパー派遣事業所から週に平均22時間ヘルパーを派遣してもらい、トイレ介助や車いすへの移乗、痰(たん)の吸引、お腹に開けた穴から直接栄養を入れる経管栄養の介助などを受けながら、家族と同居している。また血中酸素濃度などの体調確認やマッサージのための訪問看護も、週1回受けている。

3月末、同居している母親の職場で新型コロナの感染者が出た。男性の母親は感染者と直接接触したことはなかったが、男性も感染する危険性があるとして、訪問看護が一時中断されてしまった。さらに訪問看護の中断を理由に、2つのうち1つのヘルパー事業所からの派遣も中断されてしまった。そのため、ヘルパーの介助を受けられる時間が普段の半分になり、その分、母親に介助の負担がいつも以上にかかってしまい、その影響で母親は2週間仕事を休まざるを得なかった。

職場での感染発覚の4日後に男性の母親はPCR検査を受け、同日陰性が確認されたが、訪問看護とヘルパー派遣は約3週間、中断された。

訪問看護が中断された間、往診の医師は普段通り来てくれたこともあり、問題はほとんど起きなかった。しかし、新しいヘルパーが男性の介助に入る時は、訪問看護の看護師に痰の吸引や経管栄養の方法を教えてもらう必要があるため、元通りに訪問看護を受けられるようになるのか心配だったと男性は語る。

「ヘルパー派遣だけでなく、体調維持に不可欠な訪問介護まで中断されてしまって不安だった」とAさんは振り返る。訪問看護の中断がもとで、ヘルパーの訪問も中断されてしまったこともあり、訪問看護に疑問を抱いてしまったという。

未曽有のコロナ禍で、訪問看護やヘルパー派遣の現場も対応に苦慮しているはずだ。日常的な支援が必要な重度障害者に新型コロナの感染が疑われた時、どうすれば支援者も利用者も安心して、支援を継続できるのか。今後、第2波の危険性がある中で喫緊の課題である。

《吾妻カガミ》84 いま、つくば市政が面白い

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】このサイトの編集では行政の監視が一つの柱になっています。今回のコラムでは、先の「つくば市のコロナ対応を点検」(5月4日掲載)でも少し触れた「市内事業者応援チケット事業」の問題点を取り上げます。秋の市長選挙を意識して急いだのでしょうか、五十嵐さんが打ち出した施策は「生煮えだった」という話です。

Cファンディングって何?

4月20日に公表されたチケット事業は、コロナ禍で売り上げが減っている事業者を助けるために、将来のサービスなどが約束されたチケットを、市内外の応援者(将来の利用者)に前倒しで買ってもらう―という仕組みです。一時あちこちで扱われたプレミアム商品券の業者救済型といえます。

支援策としては気の利いた内容ですが、問題もありました。応援者はチケット(モノやサービスの提供が約束された金券)を受け取るものの、入金先がクラウドファンディング(CF、寄付感覚もあるリスク承知の投資資金をネットで集める方法)の窓口であるために、チケットが紙クズになっても文句を言えない仕掛けになっていたからです。

つまり、応援のお礼が金券なのか、見返りを求めない寄付なのか、それとも株並みの投資なのか、応援者の理解(誤解?)に任せられていたのです。金融商品に例えると、元本が保証されている預貯金とも、全損もあり得る証券類とも理解できるような、変な制度設計でした。それを自治体が主導したわけですから、設計としては完全にアウトです。

業者応援で制度設計を修正

私のコラムでの指摘のほか、市民からも似たような声があったのでしょうか、 市はこの応援チケット事業の設計を内々に変えました。

10日ほど前、市の担当者に聞いたところ、おカネ集めにCFの機能は使うものの、投資の要素は限りなく排除し、原則として金券と位置づけ、寄付でもOKの人の応援はもちろん受け付ける―という運用原則に変更したそうです。具体的には、事業者が閉店してチケットが無効になったときは、市が払い戻しに応じるとのこと。また、外部委託を考えていた事務局の機能は、市の経済支援室が引き取ったそうです。

この結果、チケットとの理解で応援してくれる人が9割、寄付でも構わないと言う人が1割になると予想しています。事業設計としては、CFが持つリスキーな要素がなくなり、応援に対するリターンは安心な商品券でという形に落ち着きました。

この事業を4月に公表したとき、市はどうして「クラウドファンディング」を前面に押し出したのでしょうか? どうやら、いま流行(はやり)の仕掛けということで、採用されたようです。五十嵐さんはCFを制度設計の柱に据えましたが、詰めの作業で修正を迫られました。選挙が近づくと、面白いことが起きるものです。担当職員はお疲れ様でした。(経済ジャーナリスト)

9割の医療機関が減収 県保険医協会

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茨城県保険医協会=土浦市大町

【山崎実】県保険医協会(土浦市)が実施した新型コロナウイルスの影響に関する緊急アンケート調査で、外来患者の減少により、前年同期と比べ、約9割の医療機関で減収となっていることが分かった。

調査は5月7~12日に同協会会員の医科・歯科医師の1591医療機関を対象に行われ、554機関から回答があった(回答率35%)。

昨年4月と今年4月を比較したところ、まず外来患者数は「減った」が92.5%(医科90%、歯科95%)と全体の9割の医療機関で減少した。減少幅は30%未満が最も多かった。

特に歯科では、予約延期やキャンセルの依頼件数が8割の医療機関で「増えた」と回答した。

6月以降の経営に危機感

外来患者数の減少と平行して、減少傾向にあるのが保険診療の収入だ。昨年4月と比較すると今年4月は、全体で91.5%(医科88.9%、歯科94.2%)と9割超の医療機関が減収となった。

減収幅は、30%未満が全体で63.5%と6割を占めた。各医療機関からは「今後、職員給与の支払い、業者への支払いが大変」、「収入減少の中で、スタッフの雇用を維持することが厳しくなる」といった意見が寄せられ、少数だが従業員解雇も発生しているという。

保険診療収入は、2カ月後に支払われるので、4月の減収が反映されるのは6月下旬。このため6月以降の医院経営に影響が及ぶのではという危機感が強い。

減収補てんなど要望

今回の調査で、多くの医療機関が求めている支援策は、減収に伴う損失補てん、医院経営が厳しくなる中での人件費補助などだ。患者減や減収がさらに続けば、閉院を検討せざるを得ない医療機関も出かねない。

同協会では、最前線で感染症と闘う医療従事者に対する感染時補てんの充実を求めているが、会員からは「小規模診療所は1人医師が多く、感染したら休業を余儀なくされる。代診医派遣システムが必要」といった意見も寄せられている。

県医師会や県市長会なども、県、国に対し、医療機関への財政支援を強く求めている。

すきま時間で農業を シェアフルが県内農家の仕事紹介

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ハス田周辺の草刈りをする土浦市のレンコン農家、野口重典さん(シェアフル提供)

1日単位の仕事を紹介する「シェアフル」(東京都港区、大友潤社長)が、求職者に県内農家の仕事を紹介するマッチング支援を開始した。

同社は人材派遣などの総合人材サービス、パーソルグループで、短時間、短期間の仕事紹介に特化したマッチングサイトで知られる。

高齢化や人手不足に直面する農業の課題を解決しようと、農家が必要な時に必要な労働力を確保できる仕組みを提供する。一方これまで農業に携わる機会がなかった人が空き時間に作業することで、農業を身近に感じ就農人口の拡大を目指す。

具体的な作業内容として、草刈り、定植、収獲、仕分け、梱包、出荷などを予定している。

同社による農業のマッチング支援は山梨県、長野県に続いて全国3県目。

農業は、繁忙期には労働力が不足し、閑散期は人材が余るなど、繁閑の差が激しい業種といわれる。同社の強みである「短時間・短期間の仕事紹介」を生かそうと、農業分野に参入した。さらに新型コロナウイルスの感染拡大の中、農業は、休業ができないライフラインを担う産業であることから、農業を主力産業の一つとしている茨城県などで取り組みを開始した。

スタートに先立ち、トライアルとして5月25日から土浦市内のレンコン農家など2件に活用してもらった。そのうちの1件で同市のレンコン農家、野口重典さんは「土浦市はレンコン生産量日本一を誇るが、高齢の方や外国人技能実習生が多く就業している。土浦の未来、日本の農業の未来を考えていく上では若い方にも農業に参画してもらいたい。空いている時間だけでもいいので農作業に触れてもらい、農業を好きになってもらうきっかけをつくりたい。結果として長期的に就業してくれる方が増えていけば」などとコメントしている。

同社は「茨城県内で農業関係人口を創出し、県民の週末農家支援など柔軟な働き方ができるようバリエーションを拡大したい」などとし、さらに「就農者不足・後継者不足など全国の農業の問題を解決できるプラットフォームを目指し取り組みを続けていく」としている。

◆シェアフルの利用方法は、求職者は専用アプリから自分のスキマ時間を登録するとその日の仕事が表示される。企業はマイページから求人情報を掲載できる。詳しくはシェアフル

「父の日」に土浦の花を贈って 市長先頭に産地応援の呼びかけ

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展示コーナーでPRする安藤真理子土浦市長㊨と堤裕美主事=市役所ロビー(土浦市大和町)

【伊藤悦子】新型コロナウイルス感染拡大の影響から、出荷が大きく低迷した市内の花き農家を応援しようと、土浦市が安藤真理子市長を先頭に「父の日に土浦の花を送ろう」の呼び掛けを行っている。市役所1階ロビーには、市職員による手作りの展示コーナーが設けられ、市で栽培されたグラジオラス、アルストロメリアなど色とりどりの花が飾られている。

同市は北部の今泉地区などを中心に花き栽培がさかんで、グラジオラスは県の銘柄産地に、アルストロメリアは同銘柄推進産地に指定されているのをはじめ、ガーベラ、コギク、ヤナギ類などが生産されている。しかし、今季は卒業式や入学式、歓送迎会など多くのイベントが中止になったことから、花の需要が低迷、花き農家は大きな打撃を受けた。

アルストロメリアの出荷量は4月、前年同月の約21万本から約15万本に落ち込んだ。卸売価格も1本当たり27円が15円まで下落した。グラジオラスは昨年5月の出荷量が約28万本。今年はこれから出荷のピークを迎えるが、減少が予想される。卸売価格も105円から50円まで低下しているという。

このため、安藤市長は「新型コロナウイルスの影響で、市内の花き農家は大きな打撃を受けた。父の日にはぜひ地元の花を送ってほしい」と市民に呼びかけた。市長は15日、市のグラジオラスを持って県庁に出向き、大井川知事にも協力を要請する。

父の日とわかる飾り付け

今年の「父の日」は21日。花の展示は、市役所1階吹き抜けエスカレーター脇のスペースで24日ごろまで。花は毎週木曜日に入れ替えているが、予算の関係で台座や花瓶、看板などすべて職員の手作り。展示に使用しているワイシャツやネクタイ、靴などは市職員からの借りものだそうだ。

展示を担当した市産業部農林水産課振興係主事、堤裕美さんは「遠くからみても父の日とわかるように飾り付けた。梅雨の時期でもあり、少しでもさわやかな印象になるよう作った」と話している。