月曜日, 12月 29, 2025
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まん延防止の37日間 誤って予約断る つくば市ゆかりの森キャンプ場

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つくば市役所

つくば市は10日、自然体験施設「豊里ゆかりの森」(同市遠東)キャンプ場で、国のまん延防止等重点措置が適用された1月26日から3月3日までの37日間、誤ってキャンプ場の予約を断っていたと発表した。

市として施設の利用を制限していなかったにもかかわらず、同施設の担当職員が、昨年8月のまん延防止等重点措置と同じ対応をするものと勘違いし、予約を停止していた。

今月3日、予約を申し込んだ人から市に連絡があり、対応の誤りが分かった。

ゆかりの森によると、キャンプ場には1日3件程度の予約申し込みがあったという。施設内にはほかに、宿泊施設や体験施設などがあるが、ほかの施設は利用を受け付けており、キャンプ場だけが利用を断っていた。

ゆかりの森は、3日に連絡があった人に謝罪し、4日から予約の申し込みを再開したとしている。

再発防止策として市は、施設の運営方針について、主管課である観光推進課と定期的に情報共有を行うほか、施設内の職員間でも情報共有を徹底して再発防止に努めたいとしている。

小学校、またリモート授業に 14~18日 つくば、土浦

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茨城県庁(イラストは「いばらきアマビエちゃん」)

新型コロナウイルスの新規感染者数が下げ止まっている中、県教育委員会は9日、県内の小学校などで児童の感染が急増しているとして、県内すべての小学校を対象に14~18日までの1週間、通常登校をやめ、リモート授業または分散登校などを実施するよう要請した。

要請を受けつくば、土浦両市は14~18日まで、小学1~5年生はリモート授業などとし、卒業式を控える6年生は午前中のみの登校とする。

両市とも、小学校1~5年生は14~17日まで、通常登校を実施せず、リモート授業やプリント学習とする。保護者が日中、子供の面倒を見ることができない家庭は、学校で受け入れるが、弁当の持参が必要となる。放課後は児童クラブなどで子供を受け入れる。

18日の卒業式を控える6年生は、午前中のみの登校とし、授業や卒業式の準備を実施する。卒業式が催される18日は1~5年生は休みとなり、学校での受け入れはしない。

今回の第6波の感染拡大により、両市の小学校は1月31日から2月18日まで臨時休校となり、2月21日に通常登校を再開したばかり。3月14日からさらに1週間、通常登校ができなくなり、事実上の休校期間は計4週間に及ぶ。

休校などによる授業時間の確保や学習への影響についてつくば市教育局は、今後、各学校の状況を把握しなければならないが、必要な授業時間などは確保できる見通しだとしている。土浦市教育委員会は、24日の修了式までに学習に影響が出ないよう進めたいが、学校によって万が一、授業時間の確保に影響が出る場合は、次年度に持ち越すこともあり得るとしている。

県の9日の発表によると、県内の新規感染者数1221人のうち、小学生児童の感染者数は2割の229人。

10日時点で、学級閉鎖を実施している小中学校は、つくば市は、小学校29校、中学校12校、義務教育学校4校のうち、小学校8学級。土浦市は、小学校15校、中学校7校、義務教育学校1校のうち、小学校3学級、中学校2学級。休校は両市とも無い。

科学のまち つくばで教養について考える 《遊民通信》36

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【コラム・田口哲郎】
前略

つくば駅前の中央公園を散歩していたら、男性と猫が並んで歩く銅像が目に留まりました。近づいてみると、それは「朝永振一郎博士と愛猫」像でした。ノーベル物理学賞を受賞した博士は筑波大学の前身、東京教育大学の学長でした。朝永博士はつくば市に住んだことはなさそうですが、研究学園都市・つくばに縁がある偉人ということになるのでしょう。

つくば市は科学のまちで、科学をウリにできるのは素晴らしいことです。科学技術は社会の発展に実際に役立ちますから、たたえられるのは当然ですね。

それに引き換え、文学は飯を食えるようになった後、暇があったらやるような、趣味の世界のことと思われがちですから、社会的地位を科学技術に譲らざるを得ないのは仕方ないのかもしれません。

でも、人類は石けんを発明するよりもずっと前に詩を作っていた―なんて言葉もありますから、科学技術も文学、どちらも必要なのは間違いないようです。

ホメロス『イリアス』を朗誦する英首相

先日、You Tubeで面白い動画を見つけました。英国のボリス・ジョンソン首相がロンドン市長時代、あるトークショーに出演したものです。ジョンソン氏はウィットに富んだ話で会場や司会者を笑わせます。

そして、ふいに「メーニナエイデテアペーイアデオーアキレイオス」と唱え始めます。それは古典ギリシア語で、ホメロスの叙事詩『イリアス』の冒頭なのです。その後の40行を3分間、ろうろうと朗唱します。2700年ほど前の詩を原語で。ジョンソン氏の強弱の付け方が独特なので、会場からはまた笑い声が起こる。

シェイクスピア作『ジュリアス・シーザー』のセリフに「it was Greek to me」というのがあり、直訳は「それは私にとってギリシア語だった」ですが、慣用句的に「それは私にはちんぷんかんぷんだった」という意味になります。

古典ギリシア語の文法はとても複雑で難しく、西洋人にとってもラテン語と並んで難しい言葉なのです。タモリがでたらめの外国語のマネをして、人を笑わせる芸に近い感じです。しかし、ジョンソン氏のギリシア語はでたらめどころか、教養の正統中の正統なのです。

古代ギリシア文化はヨーロッパ文化の根源のひとつです。ですから、ヨーロッパの人々は古典ギリシア語を学ぶことを重視して、ギリシアの哲学・文学を読む古典学が生まれました。古典学は中等教育にも取り入れられ、近年まで教養の基本になっていました。

この古典学をリードしてきたのは、独ボン大学、仏ソルボンヌ大学、英オックスフォード大学です。ジョンソン氏はそのオックスフォード大学で古典学を修めました。

過激な言動で世間を騒がせ、トランプ前米大統領の同類のように映るジョンソン氏。おどけたり失言したりするのはただのフリなんじゃないと思わせるほど、『イリアス』朗唱はすごさを感じさせます。教養とは何なのかを改めて考えさせられる動画でした。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

学習塾と不登校の居場所共存に疑問符 つくば市議会で意見相次ぐ

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文教福祉委員会による予算決算委員=つくば市庁舎

つくば市議会文教福祉委員会(木村清隆委員長)が7日開かれ、市が4月から新たに委託事業として実施する不登校の学習支援事業をめぐって質問が相次いだ。

トライグループ(本社・大阪市、平田友里恵社長)が研究学園駅前の学習塾「トライ研究学園駅前校」で、塾の利用がない日中の時間帯に不登校学習支援事業を実施するとする市の方向づけ(3月3日付)に対し、「(空間や環境づくりで)昼と夜の入れ替えは無理がある。場合によっては場所を変えることも含めて進めてほしい」(木村委員長)などの意見が出された。

不登校学習支援事業を学習塾で実施する方針に対しては「学習効率を上げ、受験を成功させるための環境に、通学できない子どもたちが通えるか。学力を上げていくための雰囲気が確実にある塾と、不登校の子供たちの居場所の両方が共存する環境がつくれるのか疑問だ」(山本美和市議)などとする意見が出された。

これに対し市教育局学び推進課の横田康浩課長は、公募型プロポーザルで次点となったNPOリヴォルヴ学校教育研究所(同市二の宮、本山裕子理事長)が同市吾妻の市産業振興センターで運営している学習支援拠点「むすびつくば」の扱いにも触れた。「(同じ場所で不登校学習支援事業を継続できないかなど)一連の流れの中で検討した結果、こういった形となった。(環境づくりの)重要性は認識しているので引き続き検討したい」と答えるにとどまった。

子どもたちの意見を取り入れた、むすびつくば のフリースペース。奥に畳の部屋がある=つくば市吾妻

新規事業者(トライ)は研究学園駅前の教室で40人を支援する。「ニーズがあるか」などの質問に、横田課長は「学校には行けないがフリースクールには行けるという児童生徒は2020年の調査で100人以上いる。休みが多くなっている児童生徒への周知方法を模索している」とした。

トライの支援拠点に「トライ」の名称を入れるかという質問があった。トライグループが東京都練馬区から委託を受けて不登校生徒の学習支援を行っている教室の名称が「中学生対象適応指導教室トライ」のためだ。横田課長は「つくばでは名称に使わない方向で検討していく」とした。

横田課長はまた「オンラインでつながる手立ては必要で、トライにはオンライン学習への対応を期待している。むすびつくばに通所している保護者と意思の疎通を欠き、説明不足で陳情に至った反省に立ち、学び推進課が中心となって連携していく」とも述べた。

ほかに「不登校支援の事業者を選択するための公募に受験業者が入ることは慎重にするべき。今回の公募で道をつけてしまった」(橋本佳子市議)との意見も出た。 

木村委員長は「むすびつくばは、人と交わりたくない子どもが1人になれるフリースペースを用意している。トライの学習拠点を駅前校から別の場所に移すことができないか検討する一方、学び推進課は密接な連携をとってほしい」と提言した。さまざまな意見が出されたことで、文教福祉委員会での不登校の学習支援は採決されず、議長以外の市議会議員が招集される17日の予算決算委員会で審議が続けられ、3月定例議会最終日の23日に採決される。(橋立多美)

県教育長「受け皿は整っている」 つくばの県立高問題で県会答弁

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密を避けるため一般質問時には議員の議場入場は通常の3分の1に制限。他議員は別室でweb参加=県議会議事堂

茨城県議会は8日、定例会本会議を開き、つくば市内に県立高校が少ないとされる問題について、山中泰子議員(日本共産党、つくば市区)が一般質問した。答弁に立った小泉元伸県教育長は、市内の中学生にとって「進学先の受け皿がない状況とは考えてない」と答弁。その理由として県立高等学校改革プランに基づく適正配置をあげた。この問題が今回の本会議で取り上げられるのは4日の星田弘司議員の一般質問に次いで2回目。

山中議員は、昨年3月の市内の中学卒業者1958人のうち竹園、つくば工科、筑波高校への入学者は311人。6人に1人しか市内県立高校に入学できていない状況に加え、県が適正とするエリア内での入学者も県平均を下回っており、平均まで引き上げるには定員が600人不足していることをあげ、TX沿線などの交通利便性のよい場所に県立普通高校を新設すべきと主張。

小泉教育長は、今年度の市内の中学卒業生は、県立高等学校改革プランで定められたつくばエリア(つくば市、つくばみらい市、守谷市、常総市)や隣接エリアなど、私立高校を含む多様な選択肢の中から進学先を選び、通学していると話し、受け皿は整っていると答弁。さらに、エリア内の進学率を県平均と同じ水準にという要求については、各エリアの特性などを踏まえて広域的に配置を考えており、市内から通学可能な県立高校で募集定員増など必要な対応をとると話すにとどまった。新設についても、定員に満たない学校があることから、既存の県立高校の魅力化を優先すべきと答え、市内に新たに高校を作ることは現段階ではほぼないことをうかがわせた。

「つくば市の県立高校不足は8万人を呼び込むTX沿線開発のもとで起きていること。教育行政の問題というよりむしろ県政の責任であると思っている」と山中議員。県立高等学校改革プランが現状に即しているのかを含め今後も追及していく構えだ。(花島実枝子)

介護施設の父と通所する母 《ハチドリ暮らし》11

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【コラム・山口京子】父が現在の介護施設に入所して、ちょうど1年が経過。先月、ケアマネジャーさんから連絡がありました。父が軽い肺炎で、医師から酸素導入の処方があったという報告でした。継続的ではなく、肺の機能が回復すれば外せるとのこと。

しばらくして、また施設から電話がありました。父が酸素導入の管を嫌がって外し、大声で怒り出して困っているというのです。認知の低下があるのかもしれません。家族としては、本人が嫌がるなら外してくださいと、施設担当者と医師に伝えました。

家にいるときから、本人は「こんなに長生きしたんだから、早くお迎えがくればいい」と言っていました。介護が必要になってから5年目、今年89歳になります。自分のことが自分でできない不甲斐(ふがい)なさを持て余しているようです。冗談なのか本気なのか。本当にそう思っているのかもしれません。

施設の父とは、ガラス越しに対面はできますが、踏み込んだ会話は難しくなっています。入所するに当たって、いくつもの書面を作成しました。終末期医療については、痛みは取ってほしいが、延命治療は不要であると意思表示しました。

「とうちゃんは、死にたいとばかり言ってるよ」

でも実際の場面で、具体的な判断が求められる際の難しさに、戸惑っています。呼吸ができないで苦しいと感じたとき、酸素導入を望むのか、やっぱり嫌がるのか。これから父の体はどんなふうに変化していくのか。意識がなくなった後、医師の処方と家族の思いはどう折り合うのか。

「とうちゃんは、死にたいとばかり言ってるよ」と、母が言います。父が入っている施設にデイサービスで通っている母の話です。母はもう覚悟をしているのかもしれません。

「自分の方が早く逝くこともありえるのだから、そのときはよろしく頼む」とも言われています。「こんなに長生きするとは思わなかった」が口癖の母です。両親が結婚してから67年。だんだんと一つの家族の終わりが近づいているのかもしれません。

何かを成すには時間がいるということは事実でしょう。でも、人生は時間の長さではないかもしれません。でも、そう思えるのに随分時間がかかってしまいましたいつだって、「今」においてしか、生きることはできないのだもの。人は記憶や意識という機能を持つ、やっかいな生きものなのでしょうか。優れた生きものなのでしょうか。

今年もまた、ジャガイモの種を植え付けました。庭にはフクジュソウが咲いています。(消費生活アドバイザー)

民間一括売却へ10日公募開始 つくば市旧総合運動公園用地

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つくば市大穂の旧総合運動公園用地

つくば市が民間一括売却する方針を示している旧総合運動公園用地(同市大穂、46ヘクタール)について、市が10日に公募を開始することが分かった。市公有地利活用推進課によると、公募期間は6月10日までの3カ月間。選定方法はプロポーザル方式とし、候補者選定委員会で選定する。

3日、市議会に公募日程を示した。さらに同日、2021年度に市が実施したサウンディング型市場調査の申込事業者12者に対し、10日から公募を開始することなどを電子メールで知らせたとしている。

公募条件は10日に市ホームページで公表するが、今年1月に市が作成した土地利用方針に沿ったものになるとした。具体的には、売却価格は土地の購入価格と金利を合わせた68億5000万円を基準として同額を上回るよう競争性を確保する、現在の林の状態のまま売却する、土地購入事業者は国道408号に左折車線を新設し、高エネルギー加速器研究機構と隣接する県道を拡幅する。

建設できる施設は、市議会特別委員会が2021年6月議会で示した提言を踏まえ①つくばならではの資源や特性を十分生かせる②地域活性化に貢献する③災害に強いまちづくりに寄与する④市民のコミュニティ形成に寄与する⑤観光や産業の振興に寄与するーの5項目いずれかに則したものとし、敷地内全体で5項目すべてを満たすことが望ましい、など。

ほかに、防災備蓄倉庫(面積2400~2600平方メートル)、防災多目的利活用広場(4ヘクタール以上)を事業者が一体的に整備し、倉庫は市が賃料を払って、広場は無償で市や市民が利用できるようにする、などとしている。

市はさらに昨年12月実施した住民説明会や1月の議会全員協議会で、10年間は転売できないようにする買戻し特約を付けるなどと説明している。

一方、昨年11、12月に市が実施したパブリックコメント(市民意見募集)では、意見や提案を寄せた77人のうち、民間一括売却に明確に賛成としたのは2人だけ、昨年12月に計3回開いた住民説明会は延べ76人が参加し、大半が民間一括売却に反対する意見だったなど、市民の合意形成が図られたとはいえない中での売却強行となる。(鈴木宏子)

もうひとりの斉藤くん 《続・平熱日記》105

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【コラム・斉藤裕之】4年生の時だったか、近所に同じ斉藤くんという名前の子が引っ越してきた。走るのが速く、バク転やバク宙さえも軽々とこなす彼は、すぐにクラスの人気者になり、同じ名字ということもあって私たちはすぐに友達になった。

当時、父は地方新聞を発行していて、小学校のころから、私と弟はわずかな件数ではあったが、放課後、その配達を手伝わされた。もちろんタダではなくて、1軒につき月20円をもらった。例えば20軒担当すると月に400円もらえる。小学生としてはいいお小遣い稼ぎだったのだろうが、雨の日も風の日も、決して休むことを許されないのは正直しんどかった。

しばらくたって、私は斉藤くんを新聞配達の助手にすることを思いついた。私たちは配達する新聞を半分に分けた。私はいつものルートを配り始める。そして、斉藤くんは配達ルートのゴール側からスタートする。ちょうど中間地点で鉢合わせれば、配達終了という寸法だ。

こうして2人で得た数カ月分の報酬をためて、いざデパートのおもちゃ売り場に買いに行ったモノ。それは「トランシーバー」だった。

トランシーバーをそれぞれ持ち帰った2人。私は興奮を抑えながら、あらかじめ決めた時間にスイッチを入れた。「応答せよ!応答せよ!」。ボタンを押して話をしても、返事がない。たかだか100メートルほどの距離だが、結局、斉藤くんの声が聞こえることはなかった。

今も元気にしているのだろうか

トランシーバーにはトランジスターという当時最先端の半導体が使われていた。あれから半世紀。次々と進化を遂げた半導体は私たちの生活を一変させた。

ケイタイに興奮し、スマホに狂喜し、人々はWiFiに群がった。かつての「一心同体」は今や「一心半導体」となったわけだ。しかし、ある日ハタと気づいた。むしろ電話もメールも来ない日々のなんと穏やかなこと。スワイプするのはほどほどに。イイネの数に意味はない。自分は自分、人は人。小さいころから言われてきたことじゃないか。

ある日の夕方、「ピンポーン」。どうやら新聞屋さんのようだ。少し前に購読料も上がって、そろそろ新聞も止め時かと、カミさんとも話していたところだった。でも、新聞を止めると本当に文字を読まなくなる。かといって、7割方の記事は見出しだけしか読んでいないのだけれど。すると「新聞、もう1年契約したよ。ストーブのたき付けも要るしね」。洗剤を抱えたカミさんが言った。

斉藤くんは今も元気にしているのだろうか。多分ね。知らないでいる方が幸せなことだってある。何もかもが明らかな世界は案外つまらない。トランシーバーのザーという音が今も耳に残る。(画家)

サイクリングとキャンプに地元グルメ 12、13日に土浦 春のアウトドアフェス

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春のアウトドアフェス会場のりんりんポート土浦=土浦市川口

水ぬるむ湖畔のアクティビティー、「土浦 春のアウトドアフェス」は12、13の両日、土浦市川口のりんりんポート土浦をメーン会場に開く。全国各地で自転車・サイクリングを活用した観光振興事業を展開するルーツ・スポーツ・ジャパン(東京都新宿区、中島祥元社長)が主催、土浦市が後援する。同市内の飲食店、菓子店に加え、レンコン生産者らが協力して、春の訪問者を歓迎する。

2日間の日程に「遊ぶ」「食べる」「泊る」のメニューが盛り込まれた。りんりんポート周辺の緑地はキャンプ場となり、駐車場ではマルシェが開設される。受付時に検温を行い、健康チェックシートを記入するなど新型コロナ感染対策を講じての開催となる。

「遊ぶ」はサイクリングから芝生でのドッグランまで、各種アクティビティーが用意される。レンタサイクルによる「ロードトリップツアー」はガイド付きのサイクリングツアー。レンコンやどら焼きなど土浦のグルメを堪能できる。1人1日1万円(税込み)で事前予約受付中。約8キロのコース設定がされた市内のスポットを音声ガイド付きで巡る「ロードトリップラジオ」は、参加無料で予約も不要。

当日予約となる「ロードトリップBBQ」は、参加費1万円(同)。自転車で土浦市内を自由に巡り、登録されたスポットに寄るとポイントを獲得でき、ポイント数に応じて、地元で採れた野菜やお肉をゲットできる。キャンプ場でのBBQや自宅に持ち帰って料理に使えるという趣向だ。感染対策から、日帰り参加者はイベント会場でBBQを行えない。

芝生広場でのソロキャンプ、ランバイク=ルーツ・スポーツ・ジャパン提供

「食べる」はマルシェのにぎわいが担う。前島製菓(真鍋)のかりんとう「九万五千石」、芋やす(沖新田)の焼き芋スイーツ、宿ごはん一粒(湖北)のビーフストロガノフ、小松屋(大和町)のうなぎ弁当、レストラン中台(桜町)のカレーなど、土浦の名店が軒を並べるという。

「泊る」のキャンプは、大人数のグループサイトは申し込みが締め切られたが、テント持ち込みのソロサイト(3500円/組)、キャンピングカーサイト(テント持ち込み5000円/組)はまだ空きがあるそうなのでメールで問い合わせを。宿泊予約はじゃらん受付となる。

土浦JCの自転車イベントも

交流人口、関係人口の拡大を促進する土浦市が後援する。同市発祥のアクティビティーコンテンツ、「JMKスケート」(モーター不要で坂道もスイスイ進むフリースケート)、「メカベー」(メカニカルベーゴマ)が会場に持ち込まれ体験会を開く。

12日には土浦青年会議所(JC)主催で「自転車を通して地域の魅力に触れ合おう」イベントが同時開催、午前と午後の2回、霞ケ浦サイクルラリー2022が催される。小学校3年生以上対象で、参加費500円(各回定員25人)。

りんりんポート土浦は、つくば霞ケ浦りんりんロードを利用するサイクリスト向けの湖畔の交流拠点。会期中、ポート前の駐車場は使えず、エス・バイ・エルマンション前に臨時駐車場が開設される。

つくば市長の批判封圧は広報作戦の一環 《吾妻カガミ》128

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「つくば市民の声新聞」(左)と市長の似顔絵入り広報紙

【コラム・坂本栄】前回と前々回は五十嵐つくば市長の<元市議提訴~和解取り下げ>について検証しました。126「…市民提訴 その顛末を検証する」(2月7日掲載)では、杜撰(ずさん)な提訴など問題点を4つ指摘。127「…元市議の市政批判はウソだった?」(2月21日掲載)では、安易な目玉公約作りなど疑問点を3つ示しました。

こういった作業をしているうち、市長による元市議提訴が広報作戦の一環であったことに気付きました。今回はこの問題を取り上げます。

「発信の在り方を根本から検討」

2020年10月の選挙で再選された五十嵐市長は、選挙後最初の記者会見で「発信の在り方を根本から検討したい」と述べ、その理由として、①市の施策を知らない市民が多かった、②対抗候補も市政の基本を知らなかった、③市政について相当いい加減なことを書く人もいた―ことを挙げました。

詳しくは、記事「発信の在り方 根本から検討」(2020年11月5日掲載)、コラム95「つくば市長の『上から目線』」(2020年12月7日掲載)をご覧ください。

この会見は11月4日。元市議を名誉毀損で訴えたのが11月30日ですから、会見の時点で、ミニ紙「つくば市民の声新聞」(写真左)で五十嵐市政を批判した元市議(相当いい加減なことを書く人?)を提訴する準備が進んでいたようです。

2期目の市広報紙(写真右)を見ると、市民に市政情報を「PR色を抑え自然体」で提供するというよりも、「市民受けを意識した話題」が多く、割り引いて読むか、別の情報で補正する必要があります。市長は都合が悪い情報を隠すこともあり、コラム95(2020年12月7日掲載)、コラム126(2月7日掲載)の中で、その具体例を挙げておきました。

自慢話が多い市政広報。元市議提訴=批判封圧。五十嵐市長の広報強化と批判封圧はセットになっていたようです。コラム101「…市長の名誉毀損提訴を笑う」(2021年3月1日掲載)でも指摘したように、いずれも非民主国(中国やロシア)が好んで使う手法です。

広報紙と批判紙のセット配布を!

政策を批判されたら、「言論による名誉毀損にはまず言論で対抗すべき」という法理論に従い、言葉には言葉で応じるのが政治の作法だと、旧知の弁護士は言います。また、言葉で反論せず裁判に持ち込んだのは、批判者を萎縮させる狙いがあったのではないか、とも。

<元市議提訴~和解取り下げ>と<自慢話が多い市政広報>で、五十嵐市長の広報作戦は市民の信頼を失いつつあります。

そこで提案です。「対抗言論」の考え方を広報に導入し、市広報紙と市政批判紙(ミニ紙もその一つ)を一緒に市民に配ったらどうでしょうか。実現すれば、つくば市は民主市政のモデル都市「世界のあしたが見えるまち」になるでしょう。セット配布で、元市議提訴の失態を少し挽回できるかもしれません。(経済ジャーナリスト)

26日に起点側1.3km開通 牛久土浦バイパス 先行き視界不透明

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26日開通する牛久土浦バイパス起点の根古屋川第1橋=牛久市根古屋川渡河部付近

牛久市遠山町から土浦市中(なか)までの延長15.3キロ区間で計画されている国道6号の牛久土浦バイパスで、起点となる牛久市遠山町~城中町の延長1.3キロ区間が26日開通する。国土交通省関東地方整備局常総国道事務所(土浦市)が3日発表した。

1992年度の事業化(都市計画決定は94年度)から30年かかったが、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)つくば牛久ICにアクセスする第1期3.9キロが暫定2車線で供用開始している以外、残る延長約10キロ区間は開通の見通しが立っていない。

同バイパスは、藤代バイパス、土浦バイパスに挟まれボトルネックとなっている区間で、牛久市や土浦市周辺市街地の交通混雑緩和を図るほか、圏央道へのアクセス道路として整備が進められている。

国道6号の牛久土浦バイパスの計画路線=常総国道事務所資料を元に作成

26日午後2時に開通するのは、牛久沼付近の牛久市遠山町で6号国道から西に分岐する延長1.3キロ区間。当日は起点の根古屋川第1橋で開通式典が行われる予定。同市内では一部未整備だった市道23号線が9日全面開通し、バイパスの接続道路となる。市街地を抜ける6号国道の混雑緩和につながる期待はあるが、圏央道をはじめとする広域交通のアクセス向上までの道のりは遠そうだ。

ボトルネックの解消は、第2期、第3期の事業進展にかかってくる。第2期は、つくば市の高崎-西大井と土浦市の中村西根-中の両区間で計画される総延長4.6キロで、18年に事業化されているが、用地買収が一部難航し、見通しが立っていない。同事務所は県や両市の協力を得ながら用地取得を進めるとしている。

第3期の牛久市城中町-つくば市高崎間延長5.5キロは今回開通区間につながる道路。都市計画の変更手続き(20年2月22日付)に入っているが、事業決定以降、先行きのロードマップは示されていない。(相澤冬樹)

ウクライナ子供のつぶやき 《くずかごの唄》103

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【コラム・奥井登美子】「空が光って、変な大きな音がして、怖かった」。テレビニュースで、ロシア軍に攻撃され、地下壕に逃げたウクライナの子供のつぶやきを聞き、涙が出そうになってしまった。77年前の日本でも、同じようなことが起こった。今はみんな忘れて、まるで違う世界の出来事みたいに思っている。

私が小学校6年生のときだった。夏休みの間に、東京の小学3~6年生はどこかに疎開しなければいけないという命令が下りた。親戚の家に疎開するのが縁故疎開。学校ぐるみ疎開するのが学童疎開。クラスはバラバラになってしまう。

私が通っていた小学校は成績順にクラス分けされ、1番組の男子は都立3中(今の両国高校)、同女子は都立7女(今の小松川高校)を目指して勉強していた。「クラスはバラバラになるけれど、来年3月の受験日には帰ってくるから、そのよき皆で会おう」。誰かが言い出して、再会を約束して別れた。

東京大空襲に遭った学友たち

私は学童疎開で湯の浜温泉(山形県)に疎開したが、食べる物がなくてお腹が空いて、お手玉の中のアズキを食べていた。父に「縁故疎開に切り替えてほしい。迎えに来て」と手紙を書いたが、先生の検閲に引っかかり、取り上げられてしまった。

友だちが熱を出したが、医者に薬を取りに行く人がいない。先生に頼まれて、薬を取りに行くとき、父への手紙をポストに投函した。昭和19年の秋、私は父の友だちのご縁で、長野県の下伊那に疎開できた。

さて、翌20年3月の受験は12日。疎開の人たちはその3日前に東京に帰るという。私も帰って都立中を受験したかったが、父が許してくれなかった。

3月10日。東京大空襲。6年生の受験者は9~10日に東京に帰った。偶然だが、まるで大空襲に遭うために帰るような形になった。現両国高・小松川高の範囲、錦糸町駅~亀戸駅の辺りに、家は一軒も残っていなかった。(随筆家、薬剤師)

県教育長「既存校の志願者増やすこと優先」 つくば市の県立高校問題

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県議会本会議で答弁に立つ小泉元伸県教育長=4日、水戸市笠原町

県議会一般質問で答弁

県議会第1回定例会本会議が4日開かれ、星田弘司議員(いばらき自民党)が、つくば市に県立高校が少ない問題について一般質問した。答弁に立った小泉元伸県教育長は「既存の県立高校の魅力化を図り、志願者を確保することを優先したい」と答弁するにとどまった。県議会でつくば市の県立高校問題が取り上げられたのは初めて。

星田県議は、つくば市内の小中学生数は県内1位であるにもかかわらず、改編や統廃合などにより進学先となる市内県立高校が少なくなっていること、同市周辺でも募集枠減少が進められていることなどをあげ、生徒が安心して望んだ進学先を確保できるよう教育環境を整える必要があると主張。そのための対応について県教育長にただした。

小泉教育長は、2023年度につくば工科高校をサイエンス専科高校に改編するのに伴い2学級増やすなど、エリアの実情に応じて柔軟に対応していると答弁した。さらに、市内や隣接する全日制県立高校では欠員や定員割れが生じていることをあげ、既存校の志願者を確保することを優先したいとした。

既存校の魅力化を図る具体策としては、1人1台のタブレット端末やパソコン、電子黒板などを導入し、個別最適化学習を展開するICT(情報通信技術)の活用などをあげた。

傍聴に訪れた市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」の片岡英明代表(71)は、県議会でこの問題が取り上げられたのは今回が初めてで、大きな前進だとし、答弁の中で、「来春から2030年にかけて県全体の中学卒業数が大幅に減少すると推計される中、つくばエリア(つくば市、つくばみらい市、守谷市、常総市)では約800人が増加する見込み」だと語られた部分をあげ、「(県立高校の適正規模や適正配置計画について示す)県立高校改革プランからしても、クラス増の必要性は十分認められたのではないか」と話した。

つくば市の県立高校の課題については、8日にも山中たい子県議(共産)が一般質問する。

つくば市に県立高校が少ない問題をめぐっては、考える会が昨年9月、つくば市議会に、県立高校を市内に早急に新設し、進学環境の充実を求める請願を出し、全会一致で採択された。採択を受けて市議会は昨年10月、知事と県教育長に県立高校新設などを求める意見書を提出している(花島実枝子)。

あなたは必ずだまされる! つくばエキスポセンターで「錯視の世界」展

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展示作品の一つ「呼吸する箱」。高さ反転立体の例。箱の面がへこんだり膨らんだりして見えるが、実際は平面で模様による錯覚

「錯視(さくし)」は見たものが事実とはちがうように見えてしまう目の錯覚で、同じ大きさの図形が違う大きさに見えたり、同じ色がちがう色に見えたりする。この錯視の科学を紹介する企画展「錯視の世界ーあなたは今度もかならずだまされる!」が、つくばエキスポセンター(つくば市吾妻)で5日から始まった。5月8日まで。

展示されるのは錯視研究者の杉原康吉さん、北岡明佳さん、山口康さんの作品、合計56点。模様によって形がゆがんで見える「高さ反転立体」、直接見るのと鏡で見るのとで全く異なって見える「変身立体」など、錯視の様々なテクニックを楽しむことができる。

変身立体の例。直視すると9個の丸だが、鏡に映ると13個の四角に見える

2013年にレディ・ガガが発表したアルバム「アートポップ」のCDのインサイドデザインに使用された作品「ガンガゼ」も展示されていて、静止画なのにウニのトゲが動いているように見える。ベスト錯覚コンテスト世界大会受賞作品も6点展示されている。

展示室の外の廊下には大きな作品が展示されていて、見応えがある。またエントランスには、オブジェの中に自分が入って、両側にある鏡に見える像の違いを体験できるコーナーがある。展示作品の解説パネルの漢字にはルビがふってあり、子供でも読みやすい。

エントランスに設置された巨大な錯視作品。中央の白いオブジェの中に入って両側の鏡を見ると、一方ではオブジェが円に見え、もう一方では四角に見える

企画を担当したエキスポセンター運営部の松岡安希子さんは、「錯視は目から入った信号を脳で処理する過程で起こる現象なので、見え方に個人差がある。子供と大人とでも見え方が異なる場合があるので、親子でどう見えるか話すのも楽しいと思う。大人の方も『そんなことはない』と分かっているのにだまされてしまうのを楽しんで下さい」と話す。

新型コロナ感染拡大防止のため入場制限を行う場合があるので、来館前に最新情報をウエブサイトで確認してほしいとのこと。入館料のみで企画展も見ることができる(如月啓)。

◆企画展「錯視の世界」は3月5日(土)~5月8日(日)。開館時間は午前9時50分~午後5時。入館料は大人500円、4歳から高校生250円。休館日などの問い合わせは電話029-858-1100(つくばエキスポセンター)。

答えは急がなくていい《続・気軽にSOS》104

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【コラム・浅井和幸】ある引きこもり状態の青年がいました。母親との関係も悪く、外出をすることはほとんどなく、人との接触はほぼない状況でした。しかし、祖母の介護をしているし、話をしていると気遣いもあり、周りの悪口を言わない、元運動部で健康な様子です。

元気で若いのだから、ぜいたくを言わず働いて、お母さんを助けたらよい―。この状態の青年に、そうアドバイスをするのは簡単でしょう。

今、その青年は実家から仕事に通い、家にもお金を入れ、お母さんの助けになるように生活をしています。だからと言って、最初に会ったときに、そのようなアドバイスをすることがよいことでしょうか。私はそうは思いません。むしろ逆効果になると考えています。

生活習慣は簡単に変えられない

人はそう簡単に生活習慣を変えることはできません。頭でわかっているからと言って、それを行動に移すには時間が必要です。うまくいかないことが続き、なかなか前を向けないときは、ちょっとした喜びを感じるような「伴奏」が必要になるものです。

その青年は最初、私が訪問をしてささいな話をし、その後、親元を離れてシェハウスで暮らようになりました。今までとは違うけれど、何気ない生活をし、たまたま生死も危ぶまれるような体験をし、見ず知らずの人に助けられ、いろいろと考え悩み、苦労をして親元に帰って、仕事を見つけたのです。

仕事の面接に受かって、もう出社するだけというときにトラブルがあり、就職は見送ることになったという体験もしました。その間の良かったことも悪かったことも含めて、かかった時間も含めて、すべてが必要だったのだと思います。薄っぺらな正論のアドバイスは、その前では霞むような、軽い正義感でしかないのです。

その母子の様々なことを取材して書かれた記事が「サイゾーウーマン」に掲載されています。ぜひ、下のリンク先の記事を読んでみてください。(精神保健福祉士)

ずっと良い子だった優秀な息子が―「大量のごみが散乱する真っ暗な部屋」で見た、信じられない光景

https://www.cyzowoman.com/2021/04/post_335365_1.html

大学生の息子がゲーム依存症でひきこもり!「ネット依存外来」に通院も打つ手なし…母が助けを求めた先は?

https://www.cyzowoman.com/2021/04/post_335366_1.html

つくば市、スーパーシティ特区に指定へ 内閣府専門調査会が原案了承

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スーパーシティの構成(内閣府のホームページより引用)

つくば市は4日、同日開かれた内閣府の第3回スーパーシティ国家戦略特区専門調査会で、同市をスーパーシティ国家戦略特区に指定する原案が了承されたと発表した。今後さらに国家戦略特区諮問会議で原案が審議され、認められれば閣議決定でスーパーシティ特区に指定される。ほかに大阪市が原案了承された。

スーパーシティ特区の指定に向け内閣府は2020年12月に公募を開始。21年4月までにつくば市を含め31自治体から指定に向けた提案があった。しかし指定された自治体はなく、専門調査会は昨年8月、31すべての自治体に対し、さらに規制改革を進めて再提案するよう求めた。

昨年10月までに、つくば市など28自治体がさらなる規制改革などを再提案し、第3回専門調査会でつくばと大阪の指定が原案了承された。

10月のつくば市の再提案は、マイナンバーを活用した健康関連データの情報連携、転院搬送にかかる救急隊編成の見直し、外国人起業家の創業活動期間の延長と外国人研究者の資格外活動許可の撤廃など。

4月に提案した、住宅地におけるドローン飛行の制限撤廃など8事業は、現行法でも実施できるなどの意見が付いたことから提案書から取り下げた。

10月提案では新たに、外国人起業家がつくばで起業しようとする場合、特区による規制緩和により就労ビザを取るための期間を6カ月間から1年間に延長する事業や、国立大学法人が土地を貸し付ける場合、文科相の認可を取らなくても首相の特区認可をとれば貸し付けができるようにする特例、先端サービスを支える先進的商品サービスと随意契約できる特例など3件を追加した。

つくば市内で事業を実施する区域は、高齢者が多い小田地区と宝陽台地区、学生や外国人が多い筑波大周辺地区、子育て世代が多いつくば駅周辺地区の4地区。

今後、スーパーシティ特区に指定されれば、区域会議を立ち上げ、住民合意をとりながら、どのような事業を実施し、どのような規制改革を進めるかなどの区域計画を策定する。

4日の原案了承について五十嵐立青市長は「つくばスーパーサイエンスシティ構想が先進的かつ革新的であり、この構想を実現できるという実行力が期待されたと光栄に思っている。今後、諮問会議の審議が控えているので、お認め頂けるよう引き続き努力して参ります」などとするコメントを発表した。

スーパーシティは、AI(人工知能)やビッグデータなど先端技術を活用し、複数の分野でデータを共有して、行政手続き、移動、医療、教育などさまざまなの分野で暮らしの利便性を向上させる未来型の都市づくり。

【10日追加】つくば市は10日、内閣府の国家戦略特区諮問会議(議長・岸田文雄首相)が同日開かれ、同市をスーパーシティ特区に指定することを決定したと発表した。

つくば市役所と近隣駅に爆破予告

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つくば市役所

つくば市は4日、市役所などに爆破予告があったと発表した。同市役所と近隣駅を7日午後4時33分前後に爆破するなどの内容。

市は4日の閉庁後から7日まで、警察と協力し、庁舎などの点検や不審物の捜査を実施するとしている。

市役所は土日の休日窓口のほか、7日も通常通り開庁し、安全対策を徹底した上で業務を行う。

市危機管理課によると、爆破予告は3日午前2時49分、市役所ホームページの問い合わせフォームから危機管理課に送られてきた。送信者は不明という。市は同日午前、つくば警察署に連絡した。

爆破予告は全国で相次いでおり、2020年8月にも同市役所への爆破予告があった。

【7日追加】市は7日午後7時30分ごろ、予告された時間を過ぎても異常がないことを確認したと発表した。

筑波学院大生、筑波ハムのヨーグルトラベルをデザイン

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ヨーグルトラベルをデザインした筑波学院大4年の下村月乃さん(左)と下村さんがデザインしたラベルが貼られたヨーグルト各種

食肉加工会社、筑波ハム(つくば市下平塚)が、自社が販売するヨーグルトのラベルデザインを一新する。新デザインを担ったのは、筑波学院大4年の下村月乃さん(22)だ。専攻するビジネスデザイン学科での卒業制作作品が、採用された。

曲線と色で「つくば」らしさを表現

筑波山を表す二つの起伏と、ヨーグルトをイメージする滑らかな波—。下村さんは、つくばの研究者との共同研究で生まれたヨーグルトを、3本の曲線と豊かなグラデーションカラーで表現した。自然と都市が同居する「つくば」らしさを打ちだし、商品の手に取りやすさと、ささやかな特別感を併せ持つイメージを形にした。

大学のサポートを受け地域企業と協働する「実践活動」の授業をきっかけに、筑波ハムと関わりのあった母親とのつながりから企画が始まった。当初は企業パンフレット制作を想定したが、ヨーグルトラベルの一新を検討していた筑波ハムから、ラベルデザインを持ちかけられた。

ハムやベーコン、ソーセージなどを手がける筑波ハムでは、元農林水産省畜産試験場第一研究室の吉野正純博士との共同開発で生まれた乳酸菌を使用する乳製品を、吉野博士にちなむ「ナチュラル吉野」というブランド名で製造・販売している。

下村さんは、ラベル制作の過程で製造、営業など、企業内の多様な立場の人と意見を交わし、細部調整を繰り返した。その過程を「とても大変だった」と話しつつ、「立場による見方の違いを知り勉強になった」と振り返る。実際に店頭に並ぶ商品を見ると「本当に並んじゃった。よかった」と安堵し、「完成にこぎ着けられ自信になった」と喜んだ。

筑波ハム乳製部の岩本俊典さんは、下村さんのデザインを「試案からこちらの想像を超えるものでした」とし、「完成品に大変満足しているし、お客さんの反応もとてもいい」と笑みを浮かべる。

駆け抜けた学生生活

中学時代から、コンピューターゲームを自作し、小説を書くなど創作活動に打ち込んできた下村さんは、筑波学院大入学の動機を、「様々なことにチャレンジできる環境に魅力を感じた」からと話す。大学では、卒業制作につながった学外団体と連携をはじめ、文化祭実行委員、コロナ禍でのサークル活動のためのオンライン活動環境を作り上げるなど、積極的に活動してきた。そんな4年間を「あっという間。駆け抜けちゃったという感じです。いろいろな世界を知ることができ、社会勉強になりました」とさわやかに振り返る。卒業後は、アプリ開発やWebサイトのデザインを手がけたいという。

これから新ラベルが貼られたヨーグルトを手に取るお客さんに対して、「グラデーションの色使いやフォントなどの調和に目を向けてもらえたらとてもうれしいです」とし、「手に取るそれぞれが、好きなところを見つけてほしい」と話した。(柴田大輔)

露のウクライナ侵攻に思うこと 《つくば法律日記》20

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堀越さんの事務所があるつくばセンタービル

【コラム・堀越智也】前回のコラム(1月5日付)で、ソ連邦成立100周年に触れました。こう書くと、ロシアのウクライナ侵攻を示唆していたように聞こえるかもしれません。しかし実は、100周年といってもロシア関連のニュースはそんなにないだろうなと思い、資本主義の話に持っていったわけです。

100周年だから、何か重大事が起きるかもしれないと書いていれば、預言者になれたのですが…。

1月のコラムを読み返して、先見の明のなさを感じながら、正月に何気なく勉強した、ソ連邦の知識を思い出しています。東欧の社会主義圏が消滅し、ソ連邦が解体された後、その構成国がどうなったのか、もやもや状態だったのをすっきりさせたくて、世界史の教科書を読みながら地図を眺めました。

いろいろな文献には、ソ連邦解体後のことについて、早々に独立したバルト3国を除く12の独立国家共同体=緩やかな連合体と書かれています。一方で、プーチンが「強いロシア」の再建を主張して、長期政権となったとも書かれています。

緩やかな連合体の中心に強くなろうとする国がいたら、何が起こるか想像に難くありません。経済的に脆弱(ぜいじゃく)な国は、強い国に依存するか、飲み込まれます。経済的自立ができる国は、強くなろうとする国と対立するようになります。

ロシアから見たウクライナの存在が日本の奈良と京都の関係に近いことが、ウクライナ侵攻の1つの理由に挙げられることがあります。確かに、ウクライナの首都はキエフで、ロシアという国の歴史をさかのぼると、キエフ公国に行きつきます。

ただ、キエフ公国を建てたのはノルマン人ですし、そのキエフ公国はモンゴルに滅ぼされているので、ウクライナが奈良―京都的関係であることは大きな理由になりません。いずれにしても、武力侵攻という手段を取ったことは過ちです。

国際法による抑止力の議論を

ウクライナがロシアに侵攻されたことで、日本も核を保有して抑止力を持つことが必要だという意見が増えています。核保有の正否はともかく、抑止力を有するのは核だけではありません。法律にも罰則があれば抑止力になります。

各国には罰則付きの法律があり、国民の犯罪を抑止します。ロシアのウクライナ侵攻は国際法違反と言われますが、グローバリゼーションが進展した今でも、全ての国を規制する法はなく、武力侵攻をピンポイントで抑止する法はありません。

学生のころ、地球上で文化が異なる国々を同じ法でまとめることに違和感を持っていました。しかし、人が生まれたらその地の法律に従わなければならないように、地球上に国をつくった以上、従わなければならない法があるべきなのではないか―。国際法の父・グロティウスが「戦争と平和の法」を著したのは1625年でした。

それ以来、国際法の「母も子」も現れていません。そろそろ、核による抑止力だけでなく、普遍的に適用される国際法による抑止力について、深い議論ができないものでしょうか。(弁護士)

新年度も運営事業者継続へ 不登校の学習支援拠点 つくば市が追加提案 

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「むすびつくば」がある市産業振興センター=つくば市吾妻

1位のトライは研究学園駅前に移動

つくば市吾妻、不登校の学習支援拠点「むすびつくば」をめぐって、市が新年度からの運営事業者を公募した結果、新規の民間事業者が1位となり、現在、同拠点を運営するNPO法人リヴォルヴ学校教育研究所(同市二の宮、本山裕子理事長)が次点となったことから、保護者会が、リヴォルヴによる事業継続を市長らに陳情していた問題(1月20日付)で、五十嵐立青市長は3日開かれた3月議会本会議で、リヴォルヴによる事業を現在と同じ場所で新年度も継続するための事業費など約2300万円を追加提案した。

一方、1位となった事業者はトライグループ(本社・大阪市、平田友里恵社長)であることが分かった。トライは公募型プロポーザル方式による選定結果に基づき、市の委託事業として新たに研究学園駅前で4月から不登校の学習支援事業をスタートさせる予定だ。

2カ所とも3月議会で審議され、最終日の23日に採決が行われる。

3日の追加提案によると、学習支援拠点を別の事業者に委託することで現在の利用者や保護者に不安を与えていることから、リヴォルヴが運営するむすびつくばに利用者が引き続き通えるよう、2022年度もリヴォルヴに事業を委託するとした。

議会からは、むすびつくばとトライに通所することになる子どもは金銭的な負担がないが、他のフリースクールに通所している子どもとの格差はどう対処していくか、などの質問が出た。これに対して吉沼正美教育局長は「他市町村を例に制度設計の研究をしていきたい」と答えた。

3日開かれた3月議会本会議で補正予算案などを追加提案する五十嵐立青市長(奥の壇上)=つくば市役所

部屋と備品の使用料が追加発生

市教育局によると、リヴォルヴは今年3月末までの2カ年、市との協働実証事業として年間約1400万円で事業を運営した。現在35人が通所している。新年度は市の委託事業として約2100万円で運営し、受け入れ人数を計40人に増やす。

トライは公募時点では、むすびつくばがある同市吾妻で事業を実施する計画だったが、場所を移す。研究学園駅前のトライ研究学園駅前校で、午前9時30分から午後3時まで、不登校の学習支援事業を新たに展開する。現在、駅前校の利用がない時間帯に実施するという。別の場所に移すことにより、部屋や備品の使用料などが新たに発生し、トライの委託事業費は年間約180万円増え、計約2300万円になる。駅前校の面積はむすびつくばとほぼ同じ約125平方メートル、スタッフ10人程度を配置し、40人を受け入れる方針だ。

トライの委託期間は2025年3月末までの3年間。利用を希望する児童生徒には小中学校を通して3月中に希望を募り、面接をしたり必要な支援内容を個別に聞き取ったりして4月上旬からスタートできるようにするという。

不登校の学習支援事業が実施される予定のトライ研究学園駅前校=つくば市研究学園、TX研究学園駅前

五十嵐市長は「障害のある就学児童には放課後デイサービスなど、国や県が予算を負担する仕組みがあるが、不登校児童生徒には制度設計が足りていない。公設、民間で手を携えて市全体での支援を行なっていきたい」と話した。

むすびつくば存続の方向が示されたことについて、保護者会代表の庄司里奈さん(45)は「議会で発表されてほっとしました。一連の騒動は市内の不登校児童生徒を考えるきっかけになったと思う。公募の方法を含めて市教育局と連携しながら、保護者の立場からどうプランニングできるかみんなで考えていきたい」と語る。

1年先は未確定

むすびつくばは2022年度も存続する方向だが、今回、追加提案された事業費は1年間だけ。1年後どうなるのかは現時点で何も決まっていない。むすびつくばの保護者の一部からは、事業者の存続を求める要望とは別に、市内の不登校児童生徒すべてを、公平に支援するよう求める要望も出ている。

これについて市教育局は、22年度に有識者を加えた検討の場を設け、だれ一人取り残さないことと、公平性の両方の観点から方向性を定めていきたいとしている。(橋立多美)