土曜日, 8月 22, 2026
ホームつくば「子ども第三の居場所」に採択 つくばで交流カフェ開設へ

「子ども第三の居場所」に採択 つくばで交流カフェ開設へ

生活困窮世帯の子どもに学習支援を行う「無料塾」を運営するNPO法人「居場所サポートクラブロベ」(つくば市島名、森美智子理事長)が、新たに地域の子どもたちや高齢者も気軽に立ち寄れる居場所の開設を準備している。日本財団(東京都港区)の「子ども第三の居場所」事業に採択され、4772万円の助成が決まったためだ。今年11月頃の事業開始を目標にしている。

「第三の居場所」事業は、子どもたちが放課後、安心して過ごせる居場所を提供し、生き抜く力を育むことを目的とした事業で、ロべは施設の建設費や当面の運営費に充てようと応募していた。7月に全国で57拠点の採択が決まり、茨城県内では唯一選ばれた。コミュニティーモデルとして採択されており、現時点での名称は「カフェ・ロベ」。「カフェのように、地域の誰もが立ち寄れて、様々な人と交流できる場所になれば」と理事長の森さん(54)は話す。

地域とつながる教室に

現在、同会が運営している「無料塾」は、利用世帯のプライバシー保護のため、一般の地域住民からは様子が見えない形になっている。しかし、年に数回実施している保護者との面談の様子から、生活困窮世帯の保護者は社会的に孤立した状況にいることが多く、保護者同士や地域住民とつながることができる場所も必要なのではと感じていた。

そこで、生活困窮世帯だけでなく一般家庭の親子や、地域住民も気軽に立ち寄れて交流できる場所を作ろうと思い立った。助成金を受けられたことで準備を始めている。同会が借用しているつくば市緑が丘の一軒家を改修し、多様な人が集まれるよう、リビングや台所を広げ、屋上には子どもたちが遊べるテントやプールを設置する。和室は子どもたちが宿題などをするスペースにし、学習塾や習い事教室を開催する部屋も増設する。

全員が一緒に夕食

新しい居場所「カフェ・ロベ」は、週3回、午後から開所する予定。学習塾のほか、外国人保護者のための日本語教室、保護者の就職等にも役立つパソコン教室、子どもも大人も学べる中国語教室など、利用者の希望に沿った教室を開設し、各自が受けたい教室を選べるようにする。基本的に各教室の受講料は徴収するが、生活困窮世帯は無料または低額にする。読み書き等が苦手な発達障害の子どもも各教室に参加できるよう、タブレット端末等の設備も整える。

各教室の終了後、全員がリビングに集まり、一緒に夕食をとる。夕食は子ども食堂のように、低額で提供する。「生活困窮世帯の保護者は複数の仕事を掛け持ちしていることも多く、その上、家事もこなそうと思うと、子どもと関わる余裕がなくなってしまう。低額で夕食を提供することで、親子が十分にコミュニケーションをとれる時間的余裕を作れれば」と、森さんは話す。

教室には参加せず、教室が開かれている時間帯にリビングで談笑したり、屋上で遊んでいてもいい。夕食を食べに来るだけの親子がいてもいい。「緑が丘地区には高齢者世帯や子育て世帯など、幅広い世代が暮らす。ロベが運営する、知的障害や精神障害を持つ人のグループホームも近くにある。夕食の準備など、高齢者や障害者にも手伝ってもらったりしながら、いつでも誰でも立ち寄れる場にしたい」と、森さんは意気込む。(川端舞)

◆同会では「カフェ・ロベ」開設に向けて、夕食の調理や発達障害の子どもたちへの学習指導、子どもたちの送迎等、運営を手伝ってくれるボランティアを募集している。問い合わせはロベ(電話029-886-9318、メールinfo@robe-npo.org)へ。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最近のコメント

最新記事

ご当地電子マネー「土浦パトレイバーWAON」発行 イオン

0.1%寄付し地域の子育て応援 総合スーパー、イオンなどを運営するイオンリテール(千葉市、吉澤廣幸社長)は22日、土浦市の子育てを応援するご当地電子マネー「土浦市×パトレイバー子育て応援WAON(ワオン)」の発行を開始した。同電子マネーによる総利用金額の0.1%を、イオンが負担して土浦市に寄付し、同市は子育て応援事業に活用する。 同WAONのカードには、表面にアニメ「機動警察パトレイバー」に登場する作業ロボットのパトレイバーと、土浦研究所で開発されたライバルのグリフォンが、土浦の街並みを背景に対峙する姿が描かれている。裏面は、土浦城址の亀城公園や土浦全国花火競技大会、霞ケ浦など同市を象徴する風景がデザインされている。 同市とイオンが今年3月に締結した包括・地域連携協定に基づく取り組みの一環で、イオンがご当地電子マネーの発行を土浦市に提案した。デザインは土浦市長推しのパトレイバーに決まったという。 ご当地WAONは、イオンが発行している電子マネーの中で、自治体の地域貢献に役立てる寄付付きのもの。島根県大田市の「石見銀山WAON」を2009年に発行したのをスタートに、現在、全国で203種類が発行され、今年2月までに約36億円が全国の自治体に寄付されている。 県内では▽寄付金を若者の活動活性化や国際交流に役立てる茨城県の「大好きいばらきWAON」▽スポーツシティを推進する事業に役立てる笠間市の「かさまWAON」▽子供・若者応援プロジェクトに活用する東海村の「とうかいむらWAON」▽にぎわい創出に活用する水戸市の「水戸偕楽園花火WAON」(今年4月発行開始)があり、「土浦パトレイバーWAON」は県内5番目。2025年度分として茨城県に約326万円、笠間市に約18万円、東海村に約4万8000円が寄付されている。 同WAONはイオンのほか、ドラッグストアー、コンビニ、飲食店、自販機など全国160万店以上で利用できる。例えば北海道や沖縄の店舗でも、土浦パトレイバーWAONで買い物をすれば、0.1%が土浦市に寄付される。 カード「かっこいい」 22日、同市上高津、イオンモール土浦で、土浦市のイメージキャラクター「つちまる」と、WAONの公式キャラクター「ハッピーワオン」が参加して発行記念お披露目会が催された。土浦市の安藤真理子市長は「デザインをパトレイバーにしていただき、今日のお披露目会もパトレイバーのファンの方に来ていただいている。ぜひたくさん使っていただきたい。寄付金は、土浦で子育てして良かったと思えることに使わせていただきたい」などと話した。イオンリテール北関東・新潟カンパニーの森下陽介茨城事業部長は「パトレイバーは今年、漫画完結以来32年ぶりに新作が発表され、アニメが劇場公開されるなど盛り上がっているので、機運に乗り、土浦市の地域振興に役立てていただければありがたい」などと話した。 お披露目会に参加し、この日「土浦パトレイバーWAON」をつくった土浦市内に住む30代男性は「買い物に来て、たまたまお披露目会を知り参加した。パトレイバーは第1作目から知っていて、グリフォンが土浦研究所で開発されたことも知っている。かっこいいカードだと思う」などと話していた。 ◆「土浦市×パトレイバー子育て応援WAON」のカードは県内のイオンとイオンスタイルで350円で購入できる。スマートフォンでの発行は無料。利用者は買い物金額200円ごとに1ポイント(1円相当)が付与され、WAONに交換して利用できる。詳しくはこちら。

恐竜の島、どこよりも高い島… 夏休みの小学生 粘土で巨大な島づくりに挑戦

つくばで夏休み造形教室 夏休み中の小学生が、計600キロの粘土を使って、長さ5メートルの巨大な海に浮かぶ島づくりに挑戦する「夏休み造形教室」が21日、つくば市二の宮のギャラリー、スタジオ’Sで開かれた。子供たちは、彫刻家の川島史也 筑波大助教(36)と、同大で芸術を学ぶ大学生らにアドバイスを受けながら、恐竜の島、どこよりも高い島など、オリジナルの島を作り上げた。 同ギャラリーを運営する関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)と筑波大学との連携による芸術活動「スタジオ’S with T」による取り組みで、昨年は、粘土で巨大な塔をつくった。今年は午前と午後の2部制で、午前は18人、午後は16人、計34人の小学生が市内外から参加した。 川島助教が「昨年は塔、今年は島、どちらもトウと読めますね」と前置きし、「海に浮かぶ島を自由な発想で作ってもらいたい。土台が大事で確認しながら進めてください」と呼び掛けると、参加者は2班に分かれ作り始めた。 粘土はひと固まりが4キロ近くあり、小さな子供たちは重そうに運んでいた。子供たちはリゾート地、神社、恐竜の島、高い塔、高い山などを、パートごとに加工し、大学生のサポートを受け熱心に作業を進め、長さ5メートルの島が二つ、徐々に出来上がった。 市内から参加した小学4年の大曽根彩乃さん(10)は、高い山を作った。高くなるにつれ粘土が崩れてしまうことがあったが、大学生が土台を補強して完成した。大曽根さんは「誰よりも高くしたいのでどんどん積み上げていった。図工の授業は好きなので、将来はお姉さんたちのいる大学に行けたらいい」と話した。 小学6年の子供と来場したつくば市在住の高柳憲二さんは「みんなが楽しそうにやっているのがとても良い。子供の想像力は素晴らしいものがあって、それがよく表現されている」と語った。 子供たちの作業を手伝った同大大学院1年の田村将吾さん(23)は「普段は彫刻を作っている。子供と一緒に作業をするとこちらも楽しくなる。子供たちの自由な発想に驚かされる。今日の活動は自分の制作の参考になるのではないか」と話した。 川島助教は「創作の場面で細かいところに目がいってしまうことがある。土台や基礎が大事だということをわかってもらえると良い。途中で作業を止めて、確認する作業も必要だ。作品自体のリズムをとらえてほしい」などと語った。 完成後、全員で作品と共に記念写真を撮影。出来上がった巨大な島は最終的に壊し、元の粘土箱に収納した。(榎田智司)

筑波山から霞ケ浦へつながる「水と緑の骨格」《宍塚の里山》139

【コラム・森本信生】宍塚の里山(土浦市)を守る意義は、宍塚を一つの孤立した自然地域として捉えるだけでは、不十分だ。筑波山―宍塚、そして霞ケ浦へとつながる「水と緑のネットワーク」に位置づけてこそ、その価値が明確になる。 宍塚の里山は、森林、谷津田、畑、草原、ため池、水路など、さまざまな環境が組み合わされた多様な生物が生息する生態系である。例えばサシバのような猛禽(もうきん)は、営巣する森林だけではなく、餌となるカエルや昆虫が生息する水田や草地が必要だ。宍塚の生物多様性は、こうした異なる環境のつながりによって支えられている。 さらに宍塚は、筑波山系の森林、土浦・つくば地域の農地、霞ケ浦をつなぐ「水と緑の骨格」の重要な一部である。道路や宅地などによって分断され、孤立すれば、生き物の移動や遺伝的交流が妨げられる。宍塚を守ることは、地域全体の生態系ネットワークを維持することになる。 水のつながりも重要だ。宍塚に降った雨は、森林や土壌に浸透し、谷津、ため池、水田、水路などを経て霞ケ浦につながっていく。宍塚だけで霞ケ浦の水環境が決まるわけではないが、流域の森林、湿地、水田、ため池などを健全に保つ必要がある。里山は雨水を一時的に蓄え、ゆっくりと流す「グリーンインフラ」として、水循環や洪水緩和にも貢献している。 また、里山では自然と農業が一体となっている。森林から供給される水、ため池や水路が農業を支える一方、農業によって維持される水田や草地が、多くの生物の生息場所となっている。自然が農業を支え、農業が里山の自然を支えるという相互関係が存在する。 「自然遺産」「文化的景観」 宍塚の価値は自然だけにとどまらない。上高津貝塚や宍塚古墳群などが示すように、人々が自然と関わりながら暮らしてきた長い歴史がある。自然、農業、歴史、文化を一体として捉えれば、宍塚は「自然遺産」であると同時に、人と自然との関わりが刻まれた「文化的景観」でもある。 さらに、宍塚は生物、水、農業、歴史、人々の暮らしを総合的に学べる教育・研究の場であり、自然観察や農業体験、保全活動を通して、農家、住民、NPO、学校、研究者、行政などを結びつける地域コミュニティの場でもある。 したがって、宍塚を「土浦市に残された一つの里山」とだけ捉えるのは、その価値を小さく捉えすぎている。宍塚は、筑波山からつくば・土浦を経て霞ケ浦へとつながる水と緑のネットワークの中で、生物多様性、水循環、農業、歴史文化、教育、地域社会を結びつける重要な結節点となっている。 宍塚を守ることは、宍塚という一地点を守ることではない。筑波山から霞ケ浦へとつながる地域の「水と緑の骨格」を堅持し、人と自然が共生する流域の基盤を次世代に引き継ぐことである。その意味で、宍塚の里山の保全は、土浦・つくばの自然を守るだけでなく、霞ヶ浦流域全体の持続可能性を支える取り組みといえよう。(宍塚の自然と歴史の会 理事長)

消防職員を停職5カ月 土浦市 同僚と飲酒後、酒気帯び運転

土浦市は21日、酒気帯び運転により、市消防本部土浦消防署の男性消防職員(55)を停職5カ月の懲戒処分にしたと発表した。 職員は消防司令で、今年4月18日午前4時ごろ、土浦市内で、酒気帯び運転で検挙され、7月31日、運転免許取消と罰金40万円の略式命令を受けた。その後、市職員の処分などを調査する分限懲戒審査委員会で審議し、処分が決まった。 市消防総務課によると、消防職員は、仕事が休みだった4月17日午後5時30分ごろから翌18日午前3時ごろまで、同じく仕事が休みの同僚3人と市内の複数の飲食店で飲酒した。同僚2人は途中でタクシーなどで帰宅し、1人は徒歩で帰宅した。お開きになった午前3時ごろ、運転代行業者に連絡し、飲食店近くの駐車場に止めてある自家用車の車内で寝て待っていたが、その後、起きて、自家用車を運転した。市内交差点の停止線付近で停車し、眠り込んだところを、警察官による職務質問を受け、酒気帯び運転が分かった。 市消防本部の調べに対し職員は酒気帯び運転を認めているという。 安藤真理子市長は「法令を遵守すべき立場にある公務員としてあってはならない行為であり、市民の信頼を損なったことを深くお詫びします。二度とこのようなことがないよう職員の綱紀の保持、法令順守を一層徹底し信頼回復に努めます」などとするコメントを発表した。