金曜日, 1月 2, 2026
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今、何をしているのですか? 前土浦市長の中川清さん【キーパーソン】

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中川商事 中川清社長

土浦市長を4期16年務め、現在は企業グループの「総帥」に復帰している中川清さん。市長を退いてから3年。新しい事業を考えているとの話が耳に入り、グループの会社が入る延増第三ビル(土浦市真鍋)を訪ね、いろいろと聞き出した。「経営者市長」は元の経営者に戻り、意欲的に経営戦略を練っている。

グループ主要社の社長と会長に復帰

中川グループ11社の主な会社は中川商事と中川ヒューム管工業。両社とも不動産管理会社・延増興産が所有するビルに本社を置く。年商は、商事が約230億円、ヒューム管が約100億円。今、中川さんは、商事の社長、ヒューム管の会長(社長はおいの喜久治氏=土浦商工会議所会頭)、興産の会長(社長は長男の弘一郎氏)に就いている。

グループの創業者は1922年に中川商店を起こした父の延四郎氏。先の大戦前、1部門として「鉄(筋)とセメントで造る」ヒューム管の事業を立ち上げ、戦後間もなく、中川商店を法人化して中川商事に改めた。今年は中川商店スタートから100周年になる。

農業、太陽光発電、ドローンに挑戦

「市長をしていた16年の間、会社を留守にしていた。戻ってから3年になるが、この間、経営の実態把握に傾注してきた。このままではダメなので、中核の中川商事の社長、中川グループの総覧者として、新しい分野にチャレンジしたい」という。

具体的に何を考えているのか聞いたところ、①脱炭素時代に必要な太陽光発電、②農業法人設立も視野に入れた農業や健康の分野、③(商事の1部門としてある)パソコンなど情報関連サービスの強化、④古い橋梁検査などに向いているドローン事業―などを挙げた。

「(家庭や事務所向け飲料水を製造販売している)系列会社『アクアクララ筑波山』の工場の屋根に太陽光パネルを敷き、本格展開に向け勉強している」「稲敷市に持っている農業用地などを活用し、農業や健康ビジネスをやりたい。すでに『飲むヨーグルト』を扱っている」「情報関連はずっと前に買収した会社の事業がベースになる」「ウクライナの対ロシア戦でも証明されたように、ドローンの可能性は大きい」

面白かったのは、「市長を終えて商事に戻ったら借金がゼロになっていた。悪いことではないが、借金をしてでも投資をしなければダメだ。そこで、銀行から10億円を借り入れ、つくば市内の不動産物件に投資した」という発言。財務の健全化も大事だが、将来への投資に頭を働かせなければとの経営哲学だ。

現市長、「話が全然見えてこない」

中川さんは市長時代、大震災で劣化した市役所を閉じ、大型スーパー撤退でガラ空きになった土浦駅前のビルに市役所を移した。また、駅横に市立図書館を移設、市民ギャラリーを併設し、駅周辺をつくり変えた。「常磐線の品川駅乗り入れも実現し、東京圏への通勤が格段に便利になった。これらによって、駅周辺にはマンションが次々と建ち、にぎわいが戻った」と、一連の施策を振り返る。

現在の安藤真理子市政への感想を求めると、「私が降りたあと、コロナ禍もあるのだろうが、やることがなくて困っているのではないか。話(市の施策)が全然見えてこない。何をやっているのか、さっぱりわからない」と、評価は厳しい。

【なかがわ・きよし】1971年、慶応大経済学部卒。中川商事社長、中川ヒューム管工業社長として経営に携わりながら、茨城県公安委員長、土浦商工会議所会頭などに就任。そのあと、土浦市長(2003~2019年)。現在、商事社長、ヒューム管会長。億萬山七福尊真延寺(土浦市真鍋)代表役員。1945年、土浦市まれ。同市在住。

【インタビュー後記】中川市政で感心したこと。湖畔の市営国民宿舎が大震災で劣化。再建か撤去かで議論になったとき、市長は市営での再建を拒否。毎年赤字の公営宿泊施設は時代遅れ、再建するにしても民間に任せる―がその理由。議会は再建を強く求めたが、民間に応じる会社なく、撤去を決断。会社はもちろん市政にも必要な「投資と運営」の好事例。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

大和ハウスがドラッグストア開業へ 旧茎崎庁舎跡地

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つくば市小茎、茎崎庁舎跡地。右奥は茎崎保健センター

庁舎解体後、更地のままになっているつくば市の茎崎庁舎跡地(同市小茎)の利活用について市は、13日に公募型プロポーザルの候補者選定委員会を開催した結果、ウェルシアのドラッグストアを開業することを提案した大和ハウス工業茨城支社(つくば市)を優先交渉権者に決定したと発表した。

市公有地利活用推進課によると、店舗予定地の敷地面積は約2700平方メートル、店舗面積は約1100平方メートル、店内にはコミュニティスペースとなるカフェを併設する。

市は諸条件を整理した上で、12月上旬ごろまでに大和ハウスと契約を締結する予定で、開業は2023年中の見通しという。土地賃借料は固定資産税評価額の2.5%の年間約88万円。30年間の定期借地権を設定する。

7月に事業者の公募を開始した。ほかに、不動産・建設会社のサンヨーリアルティ(牛久市)、ドラッグストアチェーンを展開するセキ薬品(埼玉県)の計3社が参加した。学識経験者、住民代表、市職員で構成する選定委員7人が、事業者の実績、取扱商品、地域貢献など7項目を審査し選定した。

存続の茎崎保健センターはリニューアルへ

茎崎庁舎は2010年4月に閉庁、16年1月に解体され、現在、跡地の一部はバスロータリーになっている。跡地利活用について市は20年8月、庁舎跡地に隣接する茎崎保健センターを解体し、庁舎跡地と保健センター敷地を一体的に活用して商業施設を誘致し、商業施設内に公共施設を併設する案を住民に示した。

これに対し住民の間からは、商業施設誘致に賛成する意見と、保健センターを存続してほしいとする意見の両方が出ていた。一方、市が事業者15社に聞き取りした結果「市の計画案は施設規模が過大で採算性が見込めない」などの調査結果が出たことから、市は方針案を見直し、今年6月、茎崎保健センターを存続させ、庁舎跡地のみに食料品や日用品を販売する小売店を誘致する方針に変更した。

現在、1階が茎崎窓口センターなどとして利用されている茎崎保健センター(2階建て、延床面積約1500平方メートル)は、築41年経過していることから改修する方針。市市民部によると、今年度中に建物の劣化診断を実施し、どのような機能が必要か地域住民と協議しながら、来年度に改修に向けた設計をする。早ければ24年度に工事を実施し、25年度にリニューアルオープンする計画としている。(鈴木宏子)

かすむ? 安倍氏国葬《邑から日本を見る》120

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谷津田で進む稲刈り

【コラム・先﨑千尋】去る19日、「ホンモノの国葬」をテレビで見た。イギリスのエリザベス女王の国葬だ。聖歌が響き渡る中、王室旗がかぶせられ、王冠を載せた女王の棺(ひつぎ)がゆっくりと教会の回廊を回る。壮大で厳粛な儀式だった。イギリスの王室制度をどう評価するかはさておき、世界史の中でのイギリスの栄光を見せつけられた思いだ。

翻ってこの日本。明日27日、7月8日に凶弾に倒れた安倍元首相の「国葬儀」が東京の日本武道館で行われる。こちらは賛否両論どころか、反対の声が日増しに強くなり、報道機関の世論調査ではダブルスコアで反対、評価しないという結果になっている。国会議員では、野党第一党の立憲民主党党首だけでなく、自民党からも村上誠一郎元行革相が欠席、と伝えられている。

強い反対の声を押し切っての国葬。当事者の安倍さん、遺族の昭恵さんや国葬を決めた岸田総理の心中は分からないが、おそらくこんなはずではなかった、と考えているのではないか。イギリスのすぐあとということもあって、二番煎じの感がする。

法的根拠がない

私は今度の安倍さんの国葬に反対だが、その理由は二つある。

一つは、法的根拠がないということだ。内閣法制局の見解では「国葬とは、国の意思により、国費をもって、国の事務として行う葬儀をいう」だ。では、国の意思とは何か。

国会、行政、司法の三権のうち、「国権の最高機関」であり「全国民を代表」するのが国会だ。意思決定過程に国会が関与することが求められるというのが、衆院法制局の見解。岸田さんは内閣府設置法をもとに、国葬は「その都度、政府が総合的に判断するのがあるべき姿だ」と言っているが、詭弁(きべん)でしかない。

国葬が「国の意思」によって行われるものだとすれば、内閣(行政府)の一存では決められない。現憲法下では、国民が主権者であり、内閣は主権者ではない。国会が決めたことを執行するのが内閣なので、国葬にすることを国会での議論を経ずに閣議で決めることはできない。

岸田さんは、民主主義のプロセスを無視してきた安倍首相のやり方を踏襲した、と考えているのだろうか。山崎拓・元自民党副総裁ですら「安倍元首相国葬決定はあまりに拙速すぎた。国会に諮るべきだった」と批判している(「NEWSポストセブン」8月29日)。

「業績」も?

反対するもう一つは、安倍さんの「業績」のことだ。私はこれまで、このコラムでかなりしつこく安倍政治を批判してきた。特定秘密保護法や集団的自衛権を認めた戦争法の制定や憲法解釈の変更、共謀罪の創設、東京電力福島第1原発の事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致(安倍さんが亡くなった途端、膿が一気に噴き出してきた)、憲法改悪の準備―などなど。また、国会で平気で嘘をつき、ごまかした。

新基地反対の声を上げ続ける沖縄や安倍政治に抗議する人たちには居丈高になり、強大なアメリカに対しては卑屈になる。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」と言いながら、北朝鮮の拉致問題は置き去りにし、プーチンと何十回も会ったと言いながら、北方領土問題は1ミリも動かなかった。

仮に国葬を認めるにしても、以上の理由で、安倍さんはその対象にはならない。内閣葬か、「お別れの会」なら仕方がないが。(元瓜連町長)

5位でシーズン終える つくばFC 最終戦は黒星 

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前半43分、宮本英明のシュート(撮影/高橋浩一)

リーグ最終戦となる関東サッカーリーグ1部後期第9節、ジョイフル本田つくばFC対東京23FC(本拠地・江戸川区)の試合が25日、つくば市山木のセキショウ・チャレンジスタジアムで開催され、つくばは0-3で敗れた。つくばのリーグ成績は6勝4分8敗で10チーム中5位。

第56回関東サッカーリーグ1部 後期第9節(9月25日、セキショウ・チャレンジスタジアム)
ジョイフル本田つくばFC 0-3 東京23FC
前半0-1
後半0-2

前日の台風15号による荒天から一転して秋晴れとなったこの日、会場のセキショウ・チャレンジスタジアムには今季2番目の516人の観客が詰めかけ、キックオフを迎えた。相手の東京23は現在3位で、今節の結果によっては全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)出場権が得られる2位以内の可能性も残されているため、激しい戦いになることが予想された。

つくばは今節、フォーメーションを変更し、宮本英明と熊谷誠也の2トップを起用。「相手がどう来ようとも自分たちが主導権を握り、アクションを起こしてしっかりボールを動かしていこう」という副島秀治監督の構想だった。

前半31分、郡紘平のドリブル突破(同)

前半はまさにそのプラン通り。鋭いスプリントで詰めてくる相手を、体の入れ替えや巧みなターンではがし、ボールを前へつないでいく。左サイドハーフ郡紘平のドリブルや、右サイドバック山下宇一のクロスも効果的で、前半だけで7本のシュートを放ち、得点も時間の問題かと思われた。

だが先制は東京23。前半アディショナルタイム、若杉好輝が左から放り込んだクロスに、小林颯が高く上げた左足で合わせ、見事なボレーシュートが決まってしまった。

つくばの最大のチャンスは後半13分。ボランチ深澤裕輝のパスを宮本が収め、右サイドハーフの須田千聖に預けると、須田がドリブルで切り込んだところで倒されペナルティーキックを獲得。これを宮本が左隅へ蹴るが、相手GKが横っ飛びでクリア。「PKは練習していて自信もあったが、少しコースが甘くなってしまった」と宮本。

その後は東京23に追加点。22分にはコーナーキックの流れからボレーシュートを決められ、35分にはリスタートの場面からゴール前でこぼれ球を押し込まれた。つくばは長身FWの石橋オビオラを投入し、山下を左ウイングへ回すなどして打開を図るが、最後までスコアを動かすことができなかった。

後半アディショナルタイム、途中出場の甲高柊汰がシュートを放つ(同)

「後半もいい入りができていたが、バランスを崩したところでカウンターでやられた。リスタートでも隙を与えないことが肝心」と副島監督。「どんなに内容が良くても、決めきれなくては勝利に結び付かない。もっと結果にこだわっていきたい」と宮本。

リーグ戦は終了したが、次の目標はもう目前に迫っている。鹿児島県で10月15日から始まる全国社会人サッカー大会だ。ここで上位進出し、地域CLへの出場権が得られれば、JFL昇格へのチャンスが開けてくる。「今年の残り試合も全員で頑張っていきたい」と菅谷将人主将は意気込む。(池田充雄)

試合後、サポーターにあいさつする副島監督(同)

耕作放棄地を黄色く染めたい 染色家らがプロジェクト 筑波山麓

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ドローンで撮影されたマリーゴールドの花畑の様子

つくば市作谷で染色体験教室「ぷにの家」を開いている飯塚優子さん(50)が提唱する「耕作放棄地をお花畑にして地球を黄色く染めよう」プロジェクトが佳境を迎えている。作谷の耕作地で、このほど第4回「お花畑を空から見てみよう~ドローンで撮影&お花つみ会」が催され、10月2日の「お花つみ&マリーゴールド染め」で最終回を迎える。

プロジェクトは、不登校児童生徒の支援などをするリヴォルヴ学校教育研究所(つくば市二の宮)が運営する地域文化スポーツクラブ「むすび場」との2団体による企画。作谷にある約2000平方メートルの畑地を耕し、6月からマリーゴールドの苗を植え、草取り、花摘み、染色など全5回の行事を積み重ねてきた。

飯塚優子さんは25年のキャリアを持つ染色家(21年10月30日付)。転勤族の親のもと様々な土地で生活してきたが、田舎暮らしへの憧れから、作谷にある祖母の暮らす築300年の家で生活を始めた。「ぷにの家」はその染色工房。「収益のためではなく、教育と地域活動の一環として」の取り組みだそうだ。飯塚さんは旧作岡小学校でPTA会長を務め、ご当地カルタを考案し、コミュニティー活動の下地をつくってきた。

飯塚優子さん

今回は「染色家なのだから、地球も染めてしまおう」と踏み出した。つくば市に13%あるとされる耕作放棄地をお花畑にすることで景観の改善を図りたい、また、持続可能な活動の重要性を子供たちに知ってもらいたいという教育的な意図から、プロジェクトを実施することにした。

しかし、実際にマリーゴールドを育ててみると、花がうまく育たない。消毒をあまりしなかったためか、ネキリムシの被害に遭った。一帯を広く黄色く染めるはずが、出来てみると5分の1の面積にしかならなかった。農薬を使いこなさないと立ち行かない農家の現実を知ることになった。「うまく花が育たないのも、自然のことだと納得した」という。

ドローン撮影会当日は台風が接近するなか、奇跡的に雨が止んだ。参加者は延べ22人。「ぷにの家」から約300メートルを歩いて、お花畑に向かった。黄色とオレンジのマリーゴールド。ひまわり畑もある、参加者は各自手提げ袋を持って花を摘んだ。たくさん摘んでもらうほど、次の収穫につながるだという。

筑波山は山すそを残し、雲に覆われたが、ドローンは空中に舞い上がった。お花畑を動画に収めるとともに、全員そろって記念の集合写真も撮ることができた。

飯塚さんは「お花畑は思った通り咲かなかったけれど、みんなの素敵な笑顔が咲いた。とてもうれしい気持ちになりました」と語った。(榎田智司)

マリーゴールドのお花畑で撮影会=つくば市作谷

◆「ぷにの家」提供の動画はこちら。耕作放棄地をお花畑にして地球を黄色く染めようプロジェクト第5回「お花つみ&マリーゴールド染め」は10月2日(日)午前10時~午後2時(予備日は16日)。申し込みは30日までにこちらの応募フォームへ。

棗とナツメ《続・平熱日記》118

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【コラム・斉藤裕之】今年も玄関脇の棗(なつめ)がたわわに実った。身の重さで稲穂のように枝が垂れ下がるほどだ。友人の植木屋さんによれば、うちの棗の実はかなり立派なのだそうである。参鶏湯(サムゲタン)などに使われるとか、漢方薬として体に良いとかいわれる棗だけれど、数年前に加工してビンに保存した実は一度も使ったことがない。

棗との出合いはかなり昔にさかのぼる。夏休みにまだ小さな子供たちと帰省した折、よく訪れていた公衆温泉浴場がある。海水浴に行った後などは、風呂に入れる手間がかからず安価で便利をした。

その浴場の駐車場に涼しげな木があった。それが棗だ。そのことを覚えていて植えてみた。しかし見た目にはわからなかったが、幹や枝にはかなり強烈なトゲを身にまとっていて、かなり厄介だということがわかった。特に若い枝は小さな鋭い棘がいっぱいで、不用意に触ると大変だ。なるほど、棘(とげ)という字と棗という字が似ているのは納得できる。

さて、ここに別のナツメが3つある。茶道で使うお茶の粉を入れるナツメだ。棗の実に似ているので、こう呼ばれるそうだ。これは亡き母のもので、母は茶道の先生の看板を持っていた(茶を入れたところは見たことがない。多分、日々の暮らしが忙しすぎてそれどころではなかったのだろう)。

数年前、実家を処分するときにわずかに持ち出したものの中に、このナツメがあった。恐らく、通販かなんかでシリーズものとして買ったのではないかと思われるのだが、1つは木製で黒と赤の漆が塗ってある。それから白い陶器のもの。これには梅のような花が描いてある。最後は錫(スズ)製のもので植物の蔓(つる)が彫られている。

あの3つのナツメがちょうどいい

さて、妻が亡くなって遺骨は収まるところが決まったが、本人の希望で仏壇はいらないから、小さな骨のかけらを2人の子供たちのところにしばらく置いてほしいと言われていた。なんとなくそのことは頭の隅にあって、どうしたものかと考えてはいたのだが、ある日ひらめいた。そうだ、あの3つのナツメがちょうどいい。

私は木の箱を作ることにした。薄い板は案外売ってないものだが、夏休みの工作用なのか杉の薄い一枚板を安く売っているのを見つけた。早速小さな箱を作って、以前妻が買った真田紐(さなだひも)で蓋(ふた)を括(くく)れるようにした。ひらがながいっぱい書いてある、母が残したお習字の手習い半紙でそっとかけらを包んで入れた。

ナツメを入れる袋は、妻が使っていたハンカチを使って友人に縫ってもらった。箱書きは字の達者な次女に任せた。こうして10センチ立法ほどのかわいらしい木の箱が3つできた。

棗の実を1つかじってみる。甘くて少しぱさぱさしたリンゴのよう。ふと、墓の近くでそよぐナツメの木も悪くないと思った。実をいくつか拾ってポケットに入れた。(画家)

土浦「二番橋」解体へ 古レール構造物の文化財価値不明のまま

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土浦市街地を背に奥が一番橋、手前が二番橋=土浦市桜ケ丘町の三番橋から撮影

JR常磐線をまたぎ土浦市富士崎2丁目と小松ケ丘町を結ぶこ線人道橋、通称「二番橋」が26日から通行止めとなり、架け替え工事が始まる。同じく通称「一番橋」の撤去とセットになった工事で、二番橋は22年度に撤去し、23年度の新設を待って、一番橋を24年度に撤去、25年度に工事完了となる。

2橋とも自動車は通行できない自転車歩行者用の橋で、土浦市の管理する市道。2016年の点検で、構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態であると位置付けられた。17年度の交通量調査では、主に二番橋を周辺の住民や土浦日大生が利用している状況で、一番橋の利用者は極端に少なかった。同市はJR水戸支社や県などと調整し、二番橋は架け替え、一番橋は撤去で道路橋の統廃合・集約化を行うこととし、両側の地区にも地元説明会で理解を求めた。

工事は協定書を結んでJRの関連会社が行う。5カ年事業で総工事費は約9億9000万円を予定している。道路施設としての橋梁に係る工事費が約7億300万円。架け替え後も自動車は通行できない。

建設時期めぐるミステリー

二番橋付近に資材置き場が造成され、大型重機が持ち込まれた昨今、周辺の地区からの関心も引くようになった。話題の中心は、2橋の建設時期だ。同市小松の二十三夜講に集まる70代、80代のお年寄りたちに聞くと、地元育ちの全員が子供のときからあった橋だという。「汽車が来ると橋の上で煙を浴びる遊びをした。床板は枕木の廃材利用で隙間が空いていた。床板はコンクリートに変わったが、橋脚や桁(けた)は鉄骨代わりに古レールが使われた構造のままだ」

常磐線の前身、日本鉄道海岸線は1896(明治29)年に土浦・田端間で開通している。これに先立つ工事で、荒川沖駅方向から土浦市街地に抜けるルートとして小松丘陵に切り通しが出来、人道橋が架けられた。線路の敷設はその後になるはずだ。二十三夜講総代の広瀬昭雄さん(83)は「工事の手順からいえば切り通しに橋を架けてから、線路を引いたはず」と断言する。

上の写真のように東京方面行きのレールは、二番橋の橋脚を避けるようなカーブを描いている。先に橋脚が出来て、後からレールを敷設したと考えるのが自然な形だ。今回の工事で、二番橋はアーチ状になって橋脚が省かれ、軌道は直線に正されるため、建設時期のミステリーを解く手がかりは消える。

安全性が維持できず利用者も少ないため撤去が決まっている一番橋=2020年撮影

市道路建設課によれば、「建設年度は資料が残っておらず不明。主桁が鉄道の古レールを再利用して作られたもので、このような橋梁は物資が不足していた太平洋戦争の前後に建設例が多いと言われている」という。しかし、物資不足の戦時中に鉄製の古レール利用は考えにくく、各地の資料では大正から昭和初期にかけ、駅舎などに多くの古レール造構造物が作られたとある。

長く見積もると100年以上の歴史を刻む近代遺産だが、文化財として扱えるかは「明確な記録がないと難しい」と市文化振興課。「一番橋、二番橋の所在は知っているがそんな工事があるのは初めて知った。建設に関わる記録・史料は見たことがない」と市立博物館。

通常レールの腹部にはロールマークと刻印が押されている。レールの種類、製造年月、製造者名などが分かるそうだが、市に問い合わせたところ、これらを調べたことはないという。解体で出る古レールについても、JRを含め刻印チェックなどによる記録保存は行わず、通常の建設廃材として処分するそうだ。

日本初の鉄道が新橋・横浜間に開業したのは1872(明治5)年10月14日のこと。来月、鉄道開業150年を迎える。(相澤冬樹)

古民家再生とクラウドファンディング 《宍塚の里山》93

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百年亭外観

【コラム・佐々木哲美】認定NPO法人「宍塚の自然と歴史の会」は、築100年ほど経過した古民家を修復する「百年亭再生プロジェクト」に取り組んでいます。その資金集めのためにクラウドファンディングが始まっています。期間は9月5日~10月21日、第1期修復工事の目標額は300万円です。

9月21日現在、170万5000円(目標の56パーセント)と、多くの方々から寄付をいただいています。その後、第2期工事=約200万円、第3期工事=約300万円、合計約800万円の費用が掛かります。目標達成への道のりは長いですが、達成を目指して最後まで頑張っていきたいと思います!

スタッフ全員がクラウドファンディングに取り組むのは初めての経験です。将来、里山保全のための資金集めなども視野に入れ、この際、しっかりこの方法を学ぶことも意図しています。

クラウドファンディングは、インターネットの普及に伴い、米国で2000年代に始まり、日本でも2011年からサービスが提供され、急速に拡大しています。この資金調達の形式には、「寄付型」「購入型」「融資型」「株式型」「ファンド型」「ふるさと納税型」のタイプがあります。

選択できる購入型は、「All-or-Nothing(オール・オア・ナッシング)型」「All-In(オールイン)型」の2種類があります。「All-or-Nothing型」は、募集期間内に目標金額を達成した場合のみ、プロジェクトが成立する方式です。取り組みへの覚悟を示すために、こちらも考えました。しかし、今回のプロジェクトでは、資金が集まらないからと断念するわけにはいかないと、「All-In型」を選択しました。

多くの応援メッセージをもらいました

初動が大切と言われ、直前でしたが応援メッセージをお願いしたところ、多くの方が協力してくれました。

ラムサール湿地ネットわたらせ事務局長で栃木県小山市長の浅野正富氏、日本ナショナル・トラスト協会会長の池谷奉文氏、日本自然保護協会理事長の亀山章氏、NPO法人茨城県環境カウンセラー協会理事長の軽部達夫氏、茨城県生物多様性センター・センター長の山根爽一氏をはじめ、大阪府立大学名誉教授の石井実氏、明治大学農学部教員の倉本宣氏、筑波大学教授の田村憲司氏と吉田正人氏などから応援メッセージ寄せられました。

資金集めが始まってからも、霞ケ浦市民協会理事長の市村和男氏などからも激励のメッセージをいただきました。これらはここから覧になれます。

ホームページの作成も若者たちが中心になり、クラウドファンディング事業者のスタッフと何度も打ち合わせして仕上げました。なかなかの出来だったと自負しています。是非ご覧になって、ご支援をお願いします。(宍塚の自然と歴史の会 副理事長)

松本清張につまずきそうになる 《くずかごの唄》116

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】今年7月の文藝春秋に「創刊100周年記念 文藝春秋が報じた事件事故の肉声」という企画があり、その一番初めに「下山事件」が載っている。国鉄総裁だった下山定則氏の轢断(れきだん)死体が発見され、他殺か、自殺かでもめた事件である。東京大学薬学部の秋谷七郎教授は他殺説。それを取材して報じたのが松本清張だった。

(私の夫)清の兄の奥井誠一は私の学生時代の先生。当時、私が通っていた東京薬科大学女子部は上野桜木町にあった。東大に近いので、講師の先生は東大の助教授が多かった。奥井誠一は秋谷教室の助教授だった。私たちは「裁判化学」を彼から教わった。

クラス委員だった私は、かなりずうずうしく講師先生の所に行っては、色々な交渉をした。クラスの中でも沖縄から来た人は、パスポートがないと自分の家に帰れない時代だった。1950年のある日、私は秋谷教室に行った。

当時の東大薬学部は古い建物で、廊下などは腐って穴が開いている。帰るときに奥井先生から「そこに人が寝ているから、つまずかないように」と注意された。穴の開いた廊下の隅に男の人が寝ていてびっくりした。

「取材に来て、分析が終わっていないので帰ってほしいと言ったけれど、帰ってくれないんだよ。困ったなあ」。後で聞いたのだが、私がつまずきそうになった人は松本清張だった。

変な兄さん、おかしな弟

「登美子さんは清さんとどこで知りあったの?」。友達に聞かれてびっくりした。そういえば本人から一度も口説かれたことがない。

昔はお節介(せっかい)なおばさんがうようよしていた。親戚のおばさんがある日、奥井清を私の家に連れてきたことがあった。私は当時、絵の修復の仕事がしたくて、山下新太郎先生の家に入り込んで、修復業を勉強している最中。「まだ結婚は早いので」と言って、お断りした。

私が奥井清に初めて会った次の日。誠一兄から「話をしたい」と呼ばれ、彼に合った。松本清張を踏みつけそこなって以来のことであった。「弟と結婚してやってくれ」。兄から熱心に口説かれてしまった。

「本人に口説かれなくて、兄に口説かれて結婚しちゃった」。「変なお兄さん、おかしな弟だね」。友達は大笑いしていた。(随筆家、薬剤師)

つくばセンター広場で25日まで 2年ぶりプレミアムビールとうまいもの祭り

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来場者にビールを手渡す実行委員長の宮本昭典さん=つくばセンター広場

屋外で楽しむビールとグルメのイベントが25日まで、つくばセンター広場(つくば市吾妻)ペデストリアンデッキで開かれている。「プレミアムビールとうまいもの祭り2022」実行委員会(宮本昭典実行委員長)によるイベントで、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、2年ぶり8回目の開催になる。10日間にわたる会期中、台風の影響でイベントの終日中止に見舞われた日もあったが、最終盤の3連休に追い込みをかける。

イベントは、市内飲食店の出店を中心に2014年から毎年初秋に開催されているビール祭り。屋外に設置されているオープン座席でビール、ハイボール、スペアリブや牛すじなど、ビールとグルメを満喫できるほか、休日にはステージパフォーマンスを楽しむことができる。

今回は新型コロナの感染対策のため、座席数を以前の500~600席から250~300席に縮減し、出店店舗数も15店から8店に減らした。さらに来場者や関係者のマスク着用、各テーブルを1メートル離す、接触を減らすためのキャッシュレス決済の導入、会場内の複数箇所にアルコール消毒の設置などの感染対策が講じられた。

今年の特徴として、地域通貨機能があるスマホ向けアプリ「クラフトつくば」が新たに導入され、注目されている。1万円をチャージすると1万2000円分のコインが貯まり、会場内のドリンクやつくば市内の登録店舗で利用することができる。

近くに住む会社員の女性(26)は「SNSで知り初めて来た」と話し、友人の会社員男性(26)は「居酒屋でしか飲んだことがないので、屋外で飲む雰囲気が楽しめる。初めての飲む種類のビールもある」と話した。筑波大の教員3人と来場した東海村の研究者(50)は「コロナ禍なのでオープンエアで飲もうということで来た」などと話していた。

回復基調 センター広場3つの飲食イベント

祭りの実行委員長を務める宮本昭典さん(46)は、同市春日でお好み焼き店「より味ち」を経営する。「2年ぶりの開催を楽しみにしていただいたことに一番喜びを感じている。お客様が年々増えていて、みなさんに喜んでいただけたらという思いがあるからこそ毎回続けてこられた。飲食店が集まるイベントは地域経済の活性化にも繋がるのではないかと思う」と話す。

手作りのベーコンやハムのくん製、もつ煮などを販売する筑西市の食肉製造加工会社「風實(かざみ)」は14年当初から出店を続ける。同社の栗島俊一社長(65)は「つくばの人と相性が良くて、イベントで出会ったのをきっかけに、筑西のお店に来ていただけたお客様もある」という。

市学園地区市街地振興課によると、つくばセンター広場での飲食イベントは、毎年7月に開催の「つくばクラフトビアスト」、9月の「プレミアムビールとうまいもの祭り」、11月の「食と酒東北まつり」の3つがあるそう。いずれも恒例イベントとして定着しており、2020年と21年はコロナ禍で開催できなかったものの、今年復活にこぎつけた。

中でも会期が10日間と長い「プレミアムビールとうまいもの祭り」は、コロナ前の19年に3万人の来場者があった。渋谷亘課長は「主催者に地域を盛り上げたいという思いがあり、イベントにお客さんが楽しめる工夫がある」とイベント定着の理由を話し、「センター広場でのイベントが市民に求められており、特にお酒や食事のイベントの人気が高い」と語る。(于小玥=YU XIAOYUE=ドットジェイピー茨城エリアつくば支部インターン生、筑波大学情報学群 知識情報・図書館学類2年)

国葬から見えた英国の魅力 《遊民通信》49

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【コラム・田口哲郎】
前略

エリザベス2世の国葬が行われましたね。19時から生中継があるから、見ようとテレビをつけたのですが、ふと思いました。他国の元首の葬儀を生中継。それを興味津々で視聴しようとしている自分。これが英国のスゴさなのだろうか…。

棺(ひつぎ)がウェストミンスター寺院に移送されるとき、スコットランド音楽が流れました。バグパイプの音が、英国という世界の中心的近代国家の民族性を浮かびあがらせました。

棺が寺院に入ると、寺院専属の聖歌隊によるおごそかな聖歌。イギリスの有名寺院や屈指の名門大学の付属チャペルの聖歌隊には、女性がいない場合が多いです。ソプラノパートは少年たちが担います。少年聖歌隊用に専属の学校があり、少年たちはそこで寮生活を送りながら日夜練習に励むのです。

これはキリスト教会の祭儀が男性中心に発展したなごりです。カトリック教会やアメリカの大学の付属チャペル聖歌隊では、よほどこだわってないかぎり少年聖歌隊はなく、女性がソプラノを歌っています。少年聖歌隊がこれほど残っているのは、イギリス国教会の特徴だと思います。これも英国の「伝統」がなせるワザでしょう。

葬儀式次第には女王のリクエストが盛り込まれていると事前に報道されていて、ビートルズの曲が流れるかも?とささやかれ、ダイアナ妃の葬儀でのエルトン・ジョン登場のようなサプライズを期待する声がありました。

しかし、フタを開けてみると、女王ゆかりの聖歌が歌われただけで、女王のリクエストというのはとてもオーソドックスなものであったことが判明しました。ああ、これがヨーロッパだなと、東京五輪閉会式で次のパリ大会の紹介動画の件を思い出しました。パリの街はポップ・ミュージックではなく、クラシック音楽にのせて紹介されていたからです。

伝統と平等のバランス

なんとなくですが、国葬中継で映し出された「英国」にはスキがなく、そして、この国はとてもバランス感覚がすぐれているのだなあと思わされました。

人間は法のもとでも神の前でもみな平等です。しかし、このたび世界の人々に悼まれた女王は「偉い人」であり、伝統を重んじる英国は王室の周りを貴族ががっちりと固めています。実際に英国を支え、動かしている労働者はあの光景のどこにいたのでしょうか? 葬列を見守り、けなげに泣く人々です。

主権は国民にあります。現代生活をかんがみるに、民族の違いは乗り越えられるべきですし、男女の間の差別をなくすべきです。区別や差別はこれからもっとなくなり、平等は広がると思います。

でも一方で、伝統があらわすような、まじめさ、つまり倫理は変わらず必要でしょう。あの国葬で、英国は伝統を大切にする平等な国家なのだと宣言したのだと、ひねくれ者の私は思います。このバランス感覚が英国の魅力なのでしょう。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

40代男性助教を懲戒処分 給与や交通費を架空請求 筑波大

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筑波大学正門

筑波大学は21日、2014年度から19年度までの6年間の間に、給与や交通費の架空請求をしたなどしたとして、40代の男性助教を同日付けで懲戒解雇処分にしたと発表した。

男性助教は、自身の研究室に所属する5人の学生を、勤務実態がないにも関わらず業務を実施したかのように装い、大学から給与を支払わせ、全額を学生から自身に戻させたとされる。

さらに学生を連れた複数の出張で、自家用車で移動したにも関わらず、公共交通機関を利用したと虚偽の申請を行い、実際よりも過大な旅費を大学に支払わせたなどとされる。

不正に支出された教育研究費は6年間で計約124万1457円になり、すでに大学に返金されているという。

2020年6月、大学のコンプライアンス通報窓口に通報があり発覚した。

大学広報局は、男性助教の架空請求の動機については回答できないとし、警察への被害届については状況に応じて対応するとしている。

再発防止策として同大は、短期の非常勤職員の採用予定者にコンプライアンス教育の受講を必須とするほか、採用する場合、労働条件などの説明を事務担当者が行い、さらに勤務の事実の確認を、現場確認や電話連絡で行うなどとしている。

永田恭介学長は「大学教員としてあるまじき行為。学生を巻き込み、虚偽の説明を行い、資金を支払わせ還流させた行為は教育機関の教員として許しがたいものであり、極めて遺憾。学生、保護者、関係者の皆様の信頼を損なうことになり、深くお詫びし、真摯に重く受け止め全学を挙げて再発防止に取り組むと共に教育研究費の不正使用に対して厳正に対処します」などとするコメントを発表した。

1000円で3000円分の満喫を 土浦市観光協会のサイクルクーポン

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土浦まちかど蔵大徳のレンタル自転車=土浦市中央

レンタサイクルに乗って土浦市内を散策し、食事をしたり土産品を購入してもらおうと、同市観光協会は9月1日から、1000円で3000円分が利用できる電子クーポン「つちうらぐるっとサイクルクーポン」を発行している。来年2月末まで利用できる。

これまでサイクリングに縁遠かった人にも、自転車を借りて市内を散策してもらおうと、200%のプレミアムを付ける。総額1500万円分、1人3回まで、延べ5000人が利用できる。

同市内のレンタサイクル店5店で自転車をレンタルした人が対象で、レンタル料の残額を、市観光協会会員の店で飲食したり土産物を購入したりできる。利用できる店は徐々に増やしていく。

クーポンを利用できるレンタサイクル店は、土浦まちかど蔵大徳、ラクスマリーナ、ル・サイク土浦店、ギガテックモータース、K.T auto mortors hobbyの5店。レンタル料は自転車の種類や店舗などによって1日当たり大人1000円以上、子供500円以上(いずれも消費税込み)など、異なる。

利用方法は電子決済サービス「commoney(コモニー)」をあらかじめダウンロードし、レンタサイクル店で同サイクルクーポンを購入することを伝える。店頭で渡されるスクラッチカードを削り、クーポン付与のQRコードをスマホで読み取り、1000円を電子決済で支払えば3000円分の電子クーポンが付与される。

市観光協会の浅川善信さんは「プレミアム率200%なので、クーポンを利用してサイクリングを楽しんでいただければ」と利用を呼び掛ける。

レンタサイクル店5店は
土浦まちかど蔵大徳 中央1-3-16 電話029-824-2810
ラクスマリーナ 川口2-13-6 電話029-822-2437
ル・サイク土浦店 有明町1-30 土浦駅ビル プレイアトレ1階 電話029-846-3192
ギガテックモータース 滝田1-20-7 電話029-896-5083
K.T auto mortor hobby レンタルガレージ店 湖北1-8 電話029-828-4611

クーポンが利用できる店は(9月20日時点)
K.T auto mortor hobby レンタルガレージ店 湖北1-8 電話029-828-4611
喫茶 蔵 中央1-3-16 電話029-824-2810
小松屋 佃煮とうなぎ 港町5-3 電話029-821-0373
宿ごはん一粒 湖北1-1-8 電話029-824-3411
レストラン 中台 桜町2-12-3 電話029-822-1068
ラクスマリーナ 川口2-13-6 電話029-822-2437
観光情報物産センターきらら館 大和町9-1 電話029-824-6110
土浦まちかど蔵大徳 中央1-3-16 電話029-824-2810
高月堂 桜町1-6-15 電話029-823-36111
ル・サイク土浦店 有明町1-30 土浦駅ビル プレイアトレ1階 電話029-846-3192

歴史資料はいかに生まれるか、いかに読むべきか 《文京町便り》8

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】先日、本年2月に享年87歳で逝去された先輩教授を偲(しの)ぶ会がキャンパス内で開かれた。コロナ禍の時節柄、会場での式典・飲食は省略され、三々五々に参集し、交歓・談話後に適宜散会するスタイルだった。会場には、ご夫人やご家族・お孫さんも同席され、ほほえましい雰囲気だった。先輩教授の多数の著作・論文・政府審議会などでの活動記録のみならず、趣味だったジャズの楽譜(手書き)も展示してあり、まことに多方面な活躍が偲ばれた。

ただ、そこで配布されていた資料の一つに、私はちょっと(偲ぶ会そのものに対してではなく)違和感を覚えた。その内容は、先輩教授を見送る(私と同年代の)後輩教授が書いたもので、2000年ころからの、大学院研究科の新展開(夜間)への先輩教授との連携・協働ぶりについても言及されていた。

確かに、先輩教授と彼の間では、このような情報のやり取りもあったかもしれない。しかし、この展開が、2人のやり取りで進められたかのような記述は、明らかに行き過ぎである。不肖・私もそれと同等の(前段階での取り組みや展開後の工夫も含めれば、私自身の自覚ではそれ以上に)コミットしていたはずだが、それについての言及は一切ない。

もちろん、先輩教授を偲ぶ彼の文章である以上、内容に立ち入る筋合いは私にはない。問題は、歴史資料はこうして形成されるかもしれない、という恐れである。

確かに、談論風発の彼(後輩教授)は、宴席などでしばしばこれに類する話を巧みな話術で繰り広げていた。その場に関係者が同席していれば、反論・補足もあり、彼の話題提供も無条件で一方的になることはなかった。しかし、こうして「偲ぶ会」の資料として配布されると、その後これは、一種の歴史記録、といって大げさならば一次資料として扱われる可能性がある、という懸念である。

『鎌倉殿の13人』の視聴法

今年のNHK大河ドラマ(日曜日・夜)は『鎌倉殿の13人』である。この脚本(作・三谷幸喜)のベースは『吾妻鏡』と、されている。しかし、これは鎌倉幕府・北条政権下での歴史記録なので、当然ながら、歪曲(わいきょく)された部分も少なくない、という批判もある(たとえば「謎多き武将・八田知家」『常陽藝文』2022年8月号)。

正確を期すならば、この『吾妻鏡』とは異なる観点の歴史書にも目を通すべきだし、さらには1次資料それ自体の真贋(しんがん)の精査を行うべきだ、という誠実さも求められるかもしれない。しかし、当代のエンターテインメントにそこまでの厳密さを求めていては埒(らち)が明かない、という現場の声も推測できる。だから私は、毎日曜の大河ドラマでは、適度の精確さと娯楽性そして意外性をもって拝視聴している。

とはいえ、私が身近に体験した「1次資料」には、事実を歪曲(わいきょく)する(本人にとっては無意識の)波及効果を感じ、私自身この種の歴史資料を前にした際は心してかかるべきだ、と自戒した次第である。(専修大学名誉教授)

茅葺き屋根の古い民家 《写真だいすき》12

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茅葺きの古民家の屋根は、今となっては葺き替えも難しい。茅場もなくなったし、職人もいない。だが、茅葺き屋根は、知恵と感性の塊みたいなものだ(写真は筆者撮影)

【コラム・オダギ秀】敬愛する友人の写真家・味村敏(あじむら・びん)のことを話したい。ボクが彼から学んだことは少なくない。彼の奥さんは、200円しか持ってなくても、持たない人がいたら、その200円をあげてしまうような人だ。

味村が専門に撮っていたのは、最近はほとんど見られなくなった茅葺(かやぶ)き屋根の古い民家だ。全国を回り、茅葺き屋根の古民家を見つけると、その撮影に情熱を傾けていた。だが、茅葺き屋根の古民家の写真などでは、豊かな報酬を得られることはない。歴史資料としての価値や、古い情景を懐かしむ価値などしか認められないことが多い。だから、ある住宅メーカーが、毎年写真集を作ってくれたりするのが、報酬を得られる主な仕事であった。

それで彼は、ポンコツと呼ぶに相応(ふさわ)しいガタピシャ車に毛布など積み、車で寝泊まりしながら撮影を続けていた。ホテルや宿屋などに泊まるなど、とんでもない贅沢(ぜいたく)だった。

彼は、撮影に適した茅葺き古民家を見つけると、まずその家に、撮影許可を得る。その家では、訪ねられると、ホームレスのような人間を見て、何者が何をしに来たのかと訝(いぶか)る。彼は自分の素性やら実績を示し、何よりその熱意で撮影許可をもらう。それで「まあ、写真撮るくらいなら、いがっぺ」となる訳だ。

すると、撮影許可をもらった彼が、次にすることは、撮影ではない。まず彼が始めるのは、その家の周りの掃除だ。丁寧に庭を掃き、植木が傾いたり枯れていると手入れをする。黙々と作業をし、そして写真は撮らず、帰る。

「しゃあんめえ。気ぃつけてな」

翌日、あらわれた彼がすることは、縁側の雑巾(ぞうきん)かけ、破れた障子貼り、散らばった家財の整理。その他もろもろの家の手入れをして、また帰る。

次の日、味村は、この家を一番よく撮れるところは、庭の向こうの風呂場の屋根だから、あの屋根に上がらせてくれ、と言い出す。「ええっ、屋根なんかに昇られたら雨漏りしちゃうかも知んねえよ。とんでもねえ、ダメダメ」と言うのが当然の返事なのだが、これまでの、この家をいかにいいものに撮ろうかという味村の態度、行動を見ているから、当家は「しゃあんめえ。いいよ、いいよ。気ぃつけてな」となるのである。

茅葺きの古民家の撮影など、どの位置から撮ればいいか、少し写真に慣れた者ならすぐわかる。味村の写真はそんな写真なのだ。こんなの、その位置から撮れば誰だって撮れるぞ、と思わせる。オレだって、そこから撮れば、こんな写真撮れるさ、と、ちょっと写真を齧(かじ)っていると言うのである。だが、その位置に立てることが実力なのだ。その位置に立てれば誰でも撮れるが、ふつうはその位置に立てないのだ。

彼が撮影を終えて帰る時には、たとえばこんな言葉をかけられる。「この家が一番よく見えるのは、裏のコブシが咲いた時だよ。コブシが咲いたら知らせっから、また来な。そん時は、ウチに泊まるといいよ」(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

10月1日発車 筑波地区支線型バス「つくばね号」

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運行開始を待つワゴン型車両=つくば市北条、筑波交流センター

つくば市の筑波地区支線型バス「つくばね号」が10月1日から運行を開始する。同市北条の筑波中央病院から臼井の筑波ふれあいの里入口まで延長18キロ弱の運行ルートには、新しい標識を設置した34の停留所が整備され、運行開始日を待っている。

200円均一、1日16便運行

「つくばね号」は、筑波山の山裾の集落をめぐり、中腹の観光スポットに至る地区を走行する。ワゴン車サイズで、乗客8人乗り。運行事業は新栄タクシー(つくば市篠崎)が行う。

概ね午前8時から午後6時まで、年末年始を除く毎日、1日16便(上下線各8便)運行する。筑波山の紅葉シーズンなどは、渋滞の影響を大きく受ける区間において、部分運休を行うという。運賃は200円均一(税込み、乗車時に先払い)。65歳以上を対象に、申請すれば高齢者割引もある。

「つくばね号」の到着を待つ新設のバス停=つくば市臼井

2022年3月までの3年間、3つのコースで実施した「筑波地区支線型バス実証実験」の結果などを踏まえ、市の公共交通活性化協議会で同ルートが採用された。実証実験時のふれあいの里~筑波交流センターの1便当たり利用者数は、平日約0.8人、休日約0.5人で、他の2コースと比較して利用者数が多かった。沿線には、病院や学校、スーパーのほか、平沢官衙(かんが)遺跡、六所神社跡、筑波山神社、筑波ふれあいの里、宿泊施設などがあり、観光路線としての乗客増が見込めるとされた。

さらに、沿線の区長や民生委員たちと意見交換会を行い、住民に身近に感じてもらえるようなコースを新たに決定し、運行開始の運びとなった。筑波中央病院行きが17.5キロ、筑波ふれあいの里入口(つくば湯)行き17.7キロ。それぞれ53分、54分の所要時間を想定している。

「つくばね号」の愛称は、沿線の秀峰筑波義務教育学校の児童生徒から募集し、同協議会で審議して決定した。

六所地区区長、柳原敏明さん(66)は「これから超高齢化社会で車を手放す人も増えてくる、地域住民の足となってくれれば良い。乗客数はそんなに多くならないだろうけれど、筑波山の観光客に利用してもらえばなんとかなるのでは」と語った。(榎田智司)

「これダメでしょ」 県と市の行政手順 《吾妻カガミ》141

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】今、このサイトでアクセスが多くコメント欄がにぎわう話題は、茨城県営「洞峰公園」問題とつくば市有だった「運動公園用地」問題です。9月のつくば市長会見でも、記者団から多くの質問がありました。いずれも行政の手順に関することですが、県と市のやり方はとても変です。

県:都合よい結果が出るまで調査?

洞峰公園問題は、県が同公園改修についてのアンケート調査を集計したものの、その調査を無作為抽出の形でやり直すことになったと、市長が紹介したことがキッカケでした。

アンケート回答者の9割がつくば市在住の人、7割が40歳以上の人だったので、県営施設についての調査としては地域と年齢が偏っている、というのが再調査の理由だそうです。県はそうは言っていませんが、県の改修計画に反対(公園は現状のままでよい)が多かったので、アンケート調査の結果をそのまま受け入れたくなかったのではないでしょうか。

再調査は、この問題に関心がある人だけが答える方式ではなく、全県域・全年齢を対象にする無作為抽出方式ということですから、「あまり関心ない」「どうでもよい」といった回答が多くなり、県が期待する結果(反対は少ない)が得られるではないでしょうか。洞峰公園から離れたところに住んでいる知り合いの筑波大生も、同じような意見でした。

この公園は市の施設でなく県の施設です。県民が利用すること想定し、再調査をする理由が分からないではありません。しかし、県に都合のよい結果が出ることを狙い、公園を日常的に利用しない人を調査対象にするのは何か変です。

市:当たり前の手順をすべて無視

運動公園用地問題の方は、8月末、市有地を民間に売却する契約が締結され、これについて感想を求められた市長は「非常にうれしく思っている」とコメントしました。

本欄では何度も売却手順の強引さに疑問を呈しました。例えば、137「…市長の宿痾…」(7月18日掲載)では、▽用地を買うときは議会の議決をもらっているのに、売るときには議決にかけないのはおかしい▽市民に募った意見(パブコメ)の結果は売却賛成がたった3%なのに、市民の理解を得られたと解釈するのはおかしい▽市民の声をきちんと把握するためには、無作為抽出調査をやるべきだ―と指摘しました。

運動公園用地売却は、こういった手順をすべて無視した末の行為ですから、つくば市のおかしさは茨城県よりも重症です。無作為抽出で再調査する県の方がずっと正直で、かわいげがあります。不発に終わったものの、市長解任運動が起きたのは当然でしょう。

市:敗訴したら土地は返してもらう

会見で、住民訴訟(運動公園用地売却は地方自治法に違反するとの訴え)で市が負けることを想定した条項を売買契約に盛り込んだのか聞いたところ、市側は「(そのときは)契約を解除できるようにしてある」と答えました。裁判での敗北も想定、売り払った用地を返してもらう事態も想定しているようです。

この解除条項については、五十嵐市長の売却手順を評価します。土地取引に弱く(市長選では運動公園用地返還を声高に公約したのに返還に失敗)、裁判沙汰にも弱い(元市議を名誉毀損で提訴したのに途中で取り下げ事実上敗北した)市長としては、上出来です。

これで、市が住民訴訟に負けた場合、売却済み用地を「返せ」(つくば市)、「返さない」(倉庫会社)と、争わなくて済みます。(経済ジャーナリスト)

県議会請願へ市民団体、署名活動スタート つくば市に県立高校を

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「請願署名を進める出発市民の集い」の様子=18日、つくば市松代、松代交流センター

つくば市内への県立高校の新設や既存校の定員増などを求めている市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)は18日、つくば市内で「請願署名を進める出発市民の集い」を開き、改選前の県議会12月定例会に請願を出すことを決め、署名活動をスタートさせた。

請願事項は①つくば市やTX沿線に全日制県立高校を早急に設置し、既存の県立高校の定員増を行うこと②高校への通学利便性を高めることーの2点。

考える会は、つくば市の人口増は「急増」にあたるとした上で、2021年度の高校入試で中学3年生の6人に1人しか市内の県立高校に入学できないこと、周辺5市で構成する「つくばエリア」の30年度の中学卒業生は21年度に比べ1000人以上増えることが明らかになっていることーなどを理由として挙げた。こうした状況の中、県は来年4月、つくば工科高校の学級を2学級増やすが、まだ不十分だとしている。

請願署名は10月30日まで集め、県議会12月定例会が開会する翌31日、つくば市区選出の星田弘司、田村けい子、鈴木将、山中たい子、塚本一也県議5人などに紹介議員になってもらうよう依頼した上で、同日、県議会に提出する予定。最低1万人を目標とし、今後、小中学校のPTAなどに協力を依頼するとしている。

署名活動出発集会で片岡代表は「つくば市の人口急増は、出生と県外からの転入が77%を占める。つくば市の人口急増によって、周辺の土浦、牛久、常総市などで地元の高校に入れなくなった中学生が増えている」などと数字を挙げて説明し、「県は22年3月に発表した第2次県総合計画で、主な成果のトップにTX沿線の人口増を挙げている。県立高校の設置は県の発展に大きく寄与すると、人口増・子ども増を前向きに受け止めてほしい」などと話した。

出発市民の集いで署名活動の意義などについて話す片岡英明代表

小学生の子供をもつ母親は「つくば市では高校の選択肢がとても少ないため、子供に過度の受験勉強を強いることになっている。県が自らTX沿線開発をして人口増を喜んでいるのに、県立高校の設置をしぶるのはがっかり」だなどと話した。参加者からは(県立高校新設の)具体的な場所がどこになるかで意見が分かれるのではないか」などの意見も出た。

出発集会には、山中たい子県議のほか、金子和雄、橋本佳子、飯岡宏之、ヘイズ・ジョン、小森谷さやか、山中真弓市議ら6人と、市総務部長らも参加した。(鈴木宏子)

土浦花火大会復活へのシナリオ《見上げてごらん!》6

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土浦全国花火競技大会実行委員会提供

【コラム・小泉裕司】土浦の秋の風物詩、土浦全国花火競技大会(11月5日午後5時30分~8時)が戻ってくる。安藤真理子市長は5日の記者会見で、「今年の大会を開催する」と力強い声で発表し、大会は3年ぶりの開催に向け、ついにスタートラインに立つことができた。

11月5日まで2カ月。この時期の決定は、国内最高峰の内閣総理大臣賞を贈るにふさわしい安全な大会としての環境整備にめどが立ったということだろうし、参加業者にとっては、競技大会の「特別な作品」の製造に要する時間を考えると、リミットでもあったろう。

コロナ禍、相次いだ花火大会の中止で危機的な経営状況に陥り、事業の継続性や技術の継承の問題が顕在化していた煙火業界だが、18都道県から55業者が参加するとのことで、まずはほっとしている。今年1年の集大成となる土浦大会で、どんな感動と出会えるのか、期待に胸が膨らむ。

ところで、花火大会はお祭りだろうが競技大会だろうが、何よりも安全第一。観客にとっても、花火師にとっても、主催者にとっても安全でなければならない。花火関係者すべての合言葉であると同時に、今大会を開催に導くためのキーワードでもあった。

イベント報道では、今年前半から、決まり文句のように「3年ぶり」の見出しが急増しており、土浦の場合も同様だ。決して間違いではないのだが、どうも違和感がある。実は土浦大会だけが抱えている「安全」上の深刻な事情があるからだ。

2018年、2019年と、2年続いた花火事故による途中中止に加えて、コロナ禍による2年間の取り止めを加えると、競技大会としての成果は4年連続で残せていない。これは太平洋戦争中の5大会に次いで、史実に残る長期の空白となっている。先人が営々と築いてきた競技大会としての伝統を継承するべく、実行委員会には、安全な大会を再構築し、復活させるという、きわめて重い使命が課せられていたのである。

事故対策では、専門家をはじめ関係機関の協力・理解を得ながら安全対策に心血を注ぎ、再起のめどがついた頃、コロナ対策で出鼻をくじかれた。通常でも大会開催までの準備はほぼ1年を要する土浦市最大のイベントに、未経験の大きな課題が2つも加わっている。それでもこの高い壁を乗り越えなければ、土浦の花火の未来はないのだ。

<具体的な課題対策は、本サイトの記事「3年ぶり 11月5日開催決定 土浦全国花火競技大会」(9月5日掲載)をご覧ください>

ウィズコロナの花火鑑賞

さて今年、私が鑑賞した花火大会は、県内外合わせて2桁に到達したが、心がけているのはコロナ対策である。観覧席、道路や駅など人混みでの距離感が気になる空間では、「時差式発光花火」(4月17日掲載の本コラム)にあやかって、遅めの会場退出や電車予約など時間差で「密」回避策をとっている。

同様の行動パターンをされる方は、結構多いように感じている。一方で、観覧席に持ち込んだテーブルいっぱいに、弁当や酒類を広げて、声を張り上げ宴会を楽しむ観客も少なくない。

花火の楽しみ方は人それぞれでよいのだが、アルコールが進めば、その後訪れるトイレ行列。打ち上げ中にもかかわらず、千鳥足で観客の面前を横切り、花火師の魂の1発を背中で鑑賞する。今年に限り、こうしたお作法はいったん封印をいただき、土浦の夜空を見上げて、珠玉の「全89作品」を見尽くしてみませんか。

もしかすると、苦虫をかみつぶしたようなお顔のお客さんが、お隣でにらんでいるかも知れませんよ。本日はこの辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

ヒストリー展や最後の感謝祭 LALAガーデンつくば 閉店まであと1カ月

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LALAガーデンつくば1階の「ヒストリー展」会場に設置されたフォトスポットを案内するスタッフの福田彩夏さん

つくば市小野崎の大型商業施設「LALA(ララ)ガーデンつくば」が10月16日、18年の歴史を閉じる。閉店まであと1カ月となった9月16日から、館内では18年間の歴史を振り返る「ヒストリー展」が開かれているほか、「最後の感謝祭」と銘打った割引セールなど、さまざまなイベントが開かれている。

ヒストリー展は、年表、写真、雑誌記事、販促品など計約50点を展示し、2004年3月19日の開業から18年間の足跡をたどっている。開業を告げる04年3月当時の広告記事、08年に誕生したオリジナルキャラクター「つくバンビ」と「つくベイビー」のイラスト、ハロウィンやクリスマスに催されたスタンプラリーの台紙、イベント時のスナップ写真、2021年からスタートしたワークショップ「土曜キッズデー」の参加者の感想などが展示されている。

同展の会場奥には、フォトスポットが設置され、同施設の外観と筑波山、風船や渦巻き模様のオリジナルロゴを描いたポップなデザイン画の前で、記念写真を撮影できるようになっている。

18年の歴史を振り返るヒストリー展会場=LALAガーデンつくば1階、プラザ広場前のつくラボ

同施設を運営する、三井不動産商業マネジメント(本社・東京都中央区)スタッフの福田彩夏さん(26)は「LALAガーデンつくばを長くご利用いただいた皆様に、思い出を思い起こしていただければ」とし「フォトスポットもあるので、新しいお客様にも、思い出をつくるなどお楽しみいただければ」と話している。

「最後の感謝祭」は、第1弾を9月16日から30日まで、第2弾を10月1日から16日まで開催する。第1弾は各店で10%から90%割引セールなどを開催している。さらに、同施設の外観や夜景、オリジナルキャラクターなどをデザインした記念のポストカードを買い物客にプレゼントしている。土日や祝日はイベント会場のプラザ広場で、高校生や大学生、スポーツチームによるさまざまなイベントが催される。(鈴木宏子)