金曜日, 1月 2, 2026
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知事「市が所有も一つの選択肢」 つくばの洞峰公園 ビール工房取り止め

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グランピング施設などが計画されている洞峰公園野球場=つくば市二の宮

県が再修正案 駐車場拡張は樹木伐採行わず

つくば市にある県営の都市公園、洞峰公園(同市二の宮)に県がパークPFI制度を導入し、グランピング施設の整備などを計画している問題で、県は25日、アンケート結果を発表し、再アンケートを実施した結果、パークPFI事業への賛成が反対を上回ったとした。今後の対応方針として、①新都市記念館のクラフトビール工房の新設を取り止める②南側駐車場は拡張規模を縮小し樹木伐採を行わないーなどの新たな修正案を示した。

その上で、つくば市とすぐにでも事前協議を開始するとし、そもそもの公園管理の在り方も含め協議する方針を明らかにした。具体的な協議内容について大井川和彦知事は同日の知事会見で「反対の人たちの意見にもある程度配慮をしながら、どういうところで落としどころがあるのか、今後、議論をしていきたい」とし、さらに「市の所有にしてもらい、県の公園から市の公園に移していただくということも一つの選択肢」だと述べた。

アンケートは、7~8月に実施した記述式は1113人の回答があったが、回答者の9割がつくば市民だったなど、県民全体の税金で維持管理している県の公園としては十分ではないとして、9月に県全域の1000人を対象に選択式の再アンケートを実施した。

再アンケートの結果は、パークPFI事業の実施について、県全体で賛成が50.3%、反対が12.8%と賛成が半数以上を占め、つくば市民だけの集計でも賛成39.3%、反対27.4%と賛成が反対を上回ったなどとした。

その上で、4回の説明会や7~8月の記述式アンケート結果を踏まえ、飲酒に伴う治安悪化の懸念に対応し、園内での飲酒行動を抑制するため、ビール工房を取り止めるとした。一方グランピング施設とバーベキューガーデン(アウトドアレストラン)での飲酒については、指定エリアのみとすることを徹底し、改善されない場合は、アルコールの販売時間の短縮や販売数の縮小を検討するとした。

樹木伐採に伴う環境破壊の懸念が出ている南側駐車場の拡張については、拡張規模を縮小し、樹木の伐採は行わないとし、その他の区域についても樹木伐採を最小限に抑えるよう検討するなどとした。

大井川知事は再アンケートの実施について「つくば市民の一部から懸念の声が出ていることは十分承知している」とした上で、「一部の、反対という結論ありきの人たちの声だけを聞くのではなく、幅広く県民の声を聞くという形で調査をした」とし、今後の対応については「心配している方の懸念に一つ一つ丁寧に対応する中で、基本は変えないということだと考えている」とした。

その上で「つくば市内にある公園なのでつくば市が管理すべきだという話もあり、そういう声にも対応する方策をつくば市に提案したい」とし、市が所有し県の公園から市の公園に移すことにも言及した。

故郷に錦を飾れずとも… 《続・平熱日記》120

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【コラム・斉藤裕之】9月の終わり。朝6時過ぎに家を出た私は、東京駅の新幹線改札の前で立ちすくんでいた。駅員のマイクロフォンは「静岡で大雨のために午前中は全て運休」と連呼している。「ひかり」も見えず、「のぞみ」も絶たれた。どうする? 窓口で手続きをする大行列を見て決めた。踵(きびす)を返して常磐線で帰宅を選択。手には妻の骨壺(つぼ)の入った大きな手提げ袋があった。

次の日の同時刻。新幹線は穏やかな陽光の中、東京駅を出発。昼過ぎには海に一番近いと言われる新幹線の駅、徳山駅(山口県)に着いた。軽トラで迎えに来た弟と、そのまま粭(すくも)島へ。今回の目的は妻をお墓に納めること。それからもう一つは、コロナ禍で延期になったままの「ホーランエー食堂」での作品の展示だ。

出迎えてくれたのはタコ店主さん。早速、作品を並べてみる。軽トラの荷台には、弟があらかじめ採寸しておいた2間ほどの垂木(たるき)など。それを店内の柱の間に渡して小さな作品を引っ掛ける。それから、窓際や入口のちょっとしたスペースにも並べてみる。2階にも作品を置きたかったのだけれども、光の具合で断念。窓から見える鼓ヶ浦(つづみがうら)の風景に座を譲ることにした。

日ごろは鉄工所で働きながら、生まれ育ったこの島で週2日そばを打つタコ店主さん。古い民家を買い取って、自らの手でこの食堂を再生してきた。その心意気と人柄が店の細部に宿っている。その雰囲気を邪魔することなく作品を置く。適当に箱詰めして送った海や島の絵。それから花や鳥など。美術館やギャラリーではなく食堂に置かれた絵。

故郷を出て40数年。錦を飾ることはできなかったが、小さな絵を飾ることができた。結局、案内のはがきも作らずじまいで始まった「平熱日記展 in 粭島」だったのだが、搬入の様子をSNSにアップすると、早速地元のフォロワーの方がシェアしてくれた。高校を卒業してから同窓会などにも全く出たこともないので、誰に知らせるわけでもない私にとってはありがたいことだ。

苔むした美しい墓

粭島には幼いころから父に連れられて訪れた思い出がある。島の少し手前の海岸では毎年春の大潮の日にアサリを掘った。また磯ではアイナメがよく釣れた。気付かないほどの短い橋でつながっている島に渡ると、左手に岩場があった。そこにできた潮だまりに潜って、イソギンチャクやウニ、小魚と飽きることなく遊んだ。

その磯も今ではテトラポットの護岸になっている。島を後にする車窓から見える海辺は、茶色く生き物の気配がしない。この辺りの海岸も、「磯焼け」という現象から免れていないようだ。

次の日。妻の遺骨を弟の家の近くの墓に納めた。ちょうどそのとき、曇り空からほんの一瞬日が差したのを覚えている。脇には清水が流れカワラナデシコが自生する、苔(こけ)むした美しい墓。茨城からは相当離れた場所になってしまったが、「そこにあるのはただの骨」という義妹の言葉で、少し踏ん切りがついた。

帰りの新幹線に乗ったときは土砂降りだったが、東に進むにつれ、青空になって富士山がよく見えた。(画家)

「詩人市川紀行の世界」が刊行される 《邑から日本を見る》122

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陸平の風景

【コラム・先﨑千尋】私の同志の1人である美浦村の市川紀行さんが、このほど「現代詩のありか-市川紀行の世界」(水戸・泊船堂)を出版した。帯に「『詩人村長』市川紀行。若き日、ランボオと出会い、以来、詩作を止める事はない。市川は、2021年『詩撰集ANTHOLOGY(アンソロジー)』をまとめた。友人4人は、所収詩を読み、詩論、感想、詩作の背景、活動を著した」とある。

今回の著作の紹介の前に、市川さんの歩みをウイキペディア風に紹介しておく。

市川さんの父は満鉄調査部社員だった。1940年に中国撫順で生まれた。戦後、牛久村(現牛久市)に帰国した。近くに住井すゑさんが住んでいて、書庫に入り浸りし、すゑさんからは「ノリちゃん」と呼ばれていた。

土浦一高から北海道大学農学部に入り、1968年に高校同級の市川昭子さんと結婚、美浦村に住む。美浦村議を経て、83年に42歳で村長に当選した。

在職中に手掛けたことは、全国初の「村の第九」演奏会などいろいろあるが、何といっても、縄文遺跡陸平(おかだいら)貝塚の保存と活用が歴史に残る大業績だ。それができたのは、セゾングループの堤清二会長と詩を通してウマが合ったこともあるようだ。99年に村長を4期で退任した。

退任後、地域劇団「宙(そら)の会」を主宰し、オリジナル創作劇公演を行った。また地方自治研究会「一望塾」を立ち上げ、市町村長や議員の育成を行った。2014年には「東海第二原発の再稼働を止める会」の共同代表になった。3年前に、心臓大動脈と弁膜の手術を受けている。

その礎には「人」があり、「愛」がある

本書は5章から成る。序論といえる市川さんの「現代詩のありか」に続いて、友人4人がそれぞれ市川さんの詩を論じ、市川像を語る。私が知らない世界がパッと現れてくる。

「言葉の旅人 散文詩『美はいつも』に寄す」を書いた波田野頌二郎さんは、北大の仲間。倉吉市役所で図書館などに勤務し、文化運動に関わった。

「詩に現われた言葉はどんな小さな言葉でも、他の言葉と出会うと新しい世界へ繋がる。それが詩の言葉の不思議というもの。言葉は詩の中で旅をする。詩人も言葉とともに旅をする。…読む私たちも」

「言葉の花摘み 『アンソロジー』へ」は山本哲士さん。茨城県近代美術館などに勤務し、現在は地域事業、観光企画などをしている。

「『アンソロジー』は、表現と出会い、思いを広げる楽しさを教えてくれた。その礎には『人』があり、『愛』がある。人としてのやさしさがあった。彼の『アンソロジー』には、彼が出会った様々な世の草花たちが、言葉という形に変わり、摘み籠に入っている」

「言語声調の激流 詩と地域を貫くもの」を書いた島亨さんは出版社・言叢社の社長。惜しむらくは、本書の出版を見ず、今年2月に亡くなった。

「透徹した表現世界の彫塑にこだわった青春期の詩篇が私たちに伝えるのは、おそらく、後年の地域文化へと深まる意思を支えた『言語声調への信』の大きさではなかったか」

「漂泊から定着へ 詩人とまちづくり」を書いた増尾尚子さんは、市川家の隣の家に生まれ、後に美浦村職員として市川さんを支えてきた。

本書はA5判186ページ、税込み1500円。川又書店(水戸市)、マスゼン書店(土浦市)、須沢書店(牛久市)、栄文堂(龍ケ崎市)で購入できるが、直接購入の場合は市川紀行さん(電話0298-85-0446)へ。(元瓜連町長)

「長所出し切った」選手ら今季振り返る 茨城アストロプラネッツ

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大運動会でバットを持ってリレーを走る市毛孝宗投手(中央)

ファンと大運動会

プロ野球独立リーグ参入4年目の今季、初の地区優勝を果たした茨城アストロプラネッツが22日、1年間の応援に感謝の気持ちを込めてファンと触れ合う感謝祭「大運動会」を笠間市の旧東中学校グラウンドで開催し、選手らが今シーズンを振り返った。

霞ケ浦高校出身で、先発の柱として活躍した市毛孝宗投手(27)はNEWSつくばの取材に対し「中盤はけがをし、休まないで調子を落としたが、頑張った結果優勝できて良かった」と今季を語った。この日の大運動会については「中学時代に徒競走で1位になり足も速かった。楽しかった。運動会は懐かしい」などと話した。

大運動会の解説者としてマイクをもつ野中大輝選手(右)

今年、筑波大学から入団し、ホームラン8本32打点の活躍で優勝に大きく貢献した野中大輝選手(23)は「独立リーグに挑戦して1年で勝負すると決めていた。学生野球と違い毎日のように試合があるので体調管理、心のケアをしっかりしながらホームランでアピールできたし自信になった。自分の長所を出し切った」と今季を振り返った。大運動会は「今までより距離が近くファンと楽しめて感謝を伝えられるのは楽しい。学生時代の運動会での思い出は、足はあまり速くなかったので応援団長をしていた」と学生時代を語った。野中選手は今季で引退する。

トークショーでは、20日のドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから育成4位で指名された渡辺明貴選手(22)が「指名されてほっとした。今は1日でも早く(選手登録される)支配下に上がれるようにトレーニングをしていきたい。支配下目指して頑張るので応援してほしい」と目標を語った。

トークショーで松坂賢監督と話す渡辺明貴選手(左)

大運動会の開会式で松坂賢監督は「楽しい思い出をつくってシーズンを締めくくりたい」と宣言し、玉入れ、障害物競走、最後は選手対抗リレー対決で会場に詰めかけた約200人のファンを大いに楽しませ盛り上げた。

チームを運営する茨城県民球団(本社ひたちなか市)は、土浦市などと、相互に連携してスポーツ振興に協力するというフレンドリータウン協定を結んでいる。(高橋浩一)

大運動会でファンと玉入れを楽しむ上田政宗選手(中央)

森林環境譲与税をご存じですか?《文京町便り》9

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】今回は、森林環境譲与税を取り上げてみたい。そもそもどれだけの人が、2019年度から森林環境譲与税が施行されていることをご存じだろうか。

譲与税は、国(政府)から地方公共団体(都道府県と市町村)に、使途を細かく指定せずに譲与される。一般国民としては、追加的な税負担は生じないので、大半の国民が知らないのも無理はない。とはいえ、この譲与税の財源はどこにあるのか。

実は、東日本大震災(2011年3月)の後、全国で実施する防災施策対応分として、14年6月から10年間(23年度まで)、個人住民税均等割を年額1,000円(都道府県と市町村で各500円)引き上げていた。それが終了した段階で(24年度から)、この増税分を森林環境税(国税だが、市町村が賦課徴収)に切り替え、それ以降はこれを森林環境譲与税の財源にする、という仕組みが19年3月に成立、施行された。

追加的な税負担ナシでの見事なすり替えだが、この制度の目的には「パリ協定の枠組みの下におけるわが国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から」、という大義が付与されている。

この譲与税額は全国で2019年度(初年度)200億円だが、20・21年度は各400億円、22・23年度は各500億円、24年度以降は600億円(平年度ベースの森林環境税)が見込まれている。都道府県と市町村への譲与は、それぞれの私有林人工林面積(林野率で補正):5割、林業就業者:2割、人口:3割で案分される。

市町村と都道府県への配分は、2019年度は(当初は市町村の支援を行う都道府県の役割が大きいと想定されるので)8:2だが、経年的に市町村分を引き上げ、25年度からは9:1になる。

使途が決まらず基金へ繰り入れ

譲与実績(2021年度決算)を総額順位で列挙すると(都道府県分と市町村分の合計を都道府県単位で集計)、1位北海道、2位東京都、3位高知県、…33位茨城県、…、45位富山県、46位沖縄県、47位香川県、である。譲与税の配分基準に人口要素が組み込まれているため、大都市部への配分が大きくなる、という問題点が指摘されている。

もう一つの問題点は、使途が決まらず基金への繰り入れの大きいことである。茨城県の2019~21年度の譲与総額は2億3965万円で、21年度末の基金残高は1億527万円なので、44%が基金に繰り入れられている。同期間で、つくば市の譲与総額は5921万1000円で、基金残高は5450万9000円。土浦市の譲与総額は3270万9000円で、基金残高は2358万9000円である。

県以上に、基金への繰り入れが大きい。つまり使途が定まっていない、ということである。これは、全国的な傾向でもある。

つまり、これらの課題は、財政ニーズがまだ顕在化していない段階で、この制度の設計・運用が開始されたことにある。同時に、時代を先取りし、国民を誘導する制度設計の難しさ・悩ましさも示している。(専修大学名誉教授)

新たな公共交通「グリスロ」 土浦協同病院周辺で23日から実験運行 

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土浦協同病院敷地内を走るグリーンスローモビリティ

高齢化が進む地区内を走るなど、新たな公共交通として注目される小型低速電動車「グリーンスローモビリティー(グリスロ)」の運行が23日から、土浦市おおつ野、土浦協同病院周辺で始まる。先端技術を活用して公共交通の利用を促進しようと「つちうらMaaS推進協議会」(会長・松上英一郎関東鉄道社長)が12月17日までの約2カ月間、3路線で運行する。2020年度に同協議会が実施した実証実験に次ぐ第2弾の実験の一つとなる。

今年度の実証実験は来年3月31日まで半年間実施する。後半の12月24日から来年3月31日までは、おおつ野地区周辺で28人乗りの小型バスを運行する。ほかに、土浦協同病院の待合スペースに電子看板(デジタルサイネージ)を設置し、同病院に乗り入れるグリスロや小型バス、路線バスの到着時刻などを表示する。さらに来年3月末までの期間中、スマートフォンアプリで土浦市内の公共交通や商店、観光施設をキャッシュレスでお得に利用できるサービスを実施する。

協同病院は、JR土浦駅や神立駅を行き来するバスが乗り入れる交通結節点であることから、グリスロや小型バスで地域住民に同病院に来てもらい、乗り換えて出掛けてもらおうという試みだ。

最高時速19キロ

同協議会は関東鉄道と土浦市など13団体で構成する。今年度の実証実験は計約1500万円で取り組む。運行するグリスロは最高時速19キロで公道を走る。乗客の定員は6人。車両は軽自動車よりも一回り大きい、長さ3.6メートル、幅1.6メートルで、1回約9時間の充電で約50キロ走行する。

車内は木製のベンチが向かい合わせに設置され、中央にテーブルが設けられている。乗客席には窓ガラスがない。風を感じながら周りの景色をのんびり楽しむことができるため、観光客の移動手段として利用されている地域もある。雨の日は窓にシートをかける。テーブルをたためば車いすも乗車できる。

木製のベンチが向かい合って設置され中央にテーブルがある車内で、記念撮影に応じる安藤市長(左から3人目)ら

県内では笠間、取手、石岡市、境町などですでにグリスロの実証実験が実施されている。

土浦の路線は、協同病院を起点に、平日は、道幅が狭く路線バスが乗り入れできない、沖宿町地区まで往復計約4.5キロを午前8時30分から午後4時まで1日8便運行する。土日祝日は子供たちに新しい公共交通を体験してもらおうと、新興住宅地のおおつ野地区を循環する往復計約5.5キロと、霞ケ浦環境科学センターまでを往復する計約3.3キロの2路線を午前8時30分から午後3時50分まで1日8便運行する。停留所の一部には、電柱にバス停の標識や時刻表を貼った電柱停留所を県内で初めて導入する。

一方、12月24日から運行する小型バスは、協同病院を起点に、午前8時から午後5時45分まで、県立土浦湖北高校、上大津公民館など15.3キロを1日8便運行する。グリスロも小型バスも運賃は無料。代わりに乗客にアンケートに協力してもらい、実際にバス路線として運行できるか、需要動向を探る。

つちうらMaaS実証実験開幕式典でテープカットをする安藤市長(左から4人目)と松上英一郎関東鉄道社長(同5人目)ら

「交通弱者などへ持続可能なネットワーク確保」

運行開始に先立って22日、土浦協同病院で開幕式典が催され、協議会の松上会長は「期間中、市内、県外からいろいろな人が訪れることを期待している。交通事業者として安全運転に努めてまいりたい」などとあいさつした。協議会副会長の安藤真理子土浦市長は「人口減少や交通弱者など持続可能な交通ネットワークを確保することが課題となっており、土浦市の課題解決につながると大いに期待している。たくさんの方に乗っていただいて、この地区に必要だという実証実験になってほしい」などと話した。

式典には、同副会長の中川喜久治土浦商工会議所会頭、小坂博市議会議長のほか、青山大人衆院議員、協同病院を運営する酒井義法JA県厚生連代表理事理事長、河内敏行土浦協同病院院長、古賀重徳国交省関東運輸局茨城運輸支局長ら約50人が参加した。式典後、グリスロの試乗会が催され、病院敷地内を試乗した安藤市長は「変わった車に乗るのは、わくわく楽しい気分になる。スピードもゆっくりで、車内での会話もはずむ」と感想を話した。

実験的な試みの自作本 つくばで「Book Worms」展

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代表の田中千夏さんと作品の絵画やアートブック=ギャラリーY(つくば市天久保)

イラストレーターやデザイナーなど9人の作家が制作したアートブックや絵画、グッズなどを展示する「Book Worms(ブックワームス)」展が22日、つくば市天久保の「ギャラリーY」で始まった。14回目の開催で、今回は「本の虫」をイメージした作品を展示している。会期は30日まで。本やグッズはサンプルを触って見ることができ、購入可能な作品もある。

筑波大学で洋画や版画を学んでいた田中千夏さんが、在学中の99年に展覧会を企画したのが始まりで、2年に1度開催している。前回まではカフェ「サイトウコーヒー」(牛久市南)に併設する「タカシサイトウギャラリー」で展示していたが、ギャラリーの閉館にともない、今回からつくば開催となった。田中さんは「ものとして持っていたくなるようなアナログの本を作っている。Book Wormsは小さいころに読んだ本の匂いやページをめくる感覚を大切に、作家が作りたい本を実験的に作ってみる場」と語る。

小さな作品「Small man」の隣に腰掛ける丹野香織さん(左)とヨシイアコさんと作品「今、何時?」=同

出品したアーティストの一人ヨシイアコさんは、表紙の時計の針が動かせるようになっている絵本やカード、絵画「今、何時?」を出品した。「別の人が別の所でみんなと同じ時間を過ごしているということをテーマにした。この展覧会に出品するみなさんの作品が好きで、毎回参加を楽しみにしている」と話す。

筑波大学の卒業生丹野香織さんは、紙蝶番(ちょうつがい)という方法で綴った小さな屏風のような本を蛇腹にし、虫の形に見立てた作品「Small man(スモールマン)」4点を展示した。「日本画が専門で豆本など小さいものが好き。装丁にも興味があり、20年ほど前からBook Wormsに参加している」と話す。本に書かれている物語も自分で考えたものだという。

代表の田中さんは新作の自作本「それがどうした?」と「雲の上の猫」の2冊と、銅版画で作った原画など10点を展示した。「紙媒体で、紙を束にして作る本が好き。絵を描いて本にするのがライフワークになっている。手触りや匂いなど、人間には本来味わいたい感覚があり、そういうものに触れる場を求めている人がいる。大量生産、大量消費の時代に抗いたいと思っていて、あるものを大切にし、丁寧に生きていきたいというのが根底にある。量産でない自作の本の魅力を実際に見に来てほしい」と来場を呼びかけた。

一昨年の開催には100人ほどが来場したという。23日には製本の体験ができるワークショップが開催される。定員は6人、予約でほぼいっぱいだという。(田中めぐみ)

◆「BookWorms14」展 30日まで。午前11時~午後7時(最終日は午後6時まで)入場無料。

6278筆の署名添え県に見直し要望 つくば洞峰公園周辺の保護者たち

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集めた署名と要望書を提出する共同代表の2人=県庁都市整備課

県営の都市公園、洞峰公園(つくば市二の宮)の周辺に暮らす「公園と子どもを守る親の会 茨城」(共同代表・多田理恵さん、奥田洋一さん)が21日、県庁を訪れ、知事あてに6278筆の署名を添えた要望書を提出した。小・中学生や未就学児童の保護者らがまとめ役となり、パークPFIを利用した県のリニューアル計画に見直しを求めた。

同会は、7月に開催された県の説明会で、飲酒など、子どもへの懸念が払拭できないなど、共通する心配事を抱えた6人の保護者による。署名は9月初めから10月20日にかけてオンライン署名サイトやSNS、個人の呼びかけなどで集められ、半数がつくば市、3割がつくば市以外の県民、2割が県外から寄せられた。

要望書は、県都市整備課に提出。①飲酒が公園を利用する子どもたちの安全、安心を妨げるとして、リニューアル計画に含まれるグランピングやBBQ施設、クラフトビール工房の建設中止②インクルーシブ遊具など障害のある人のための施設設置をパークPFI事業と切り離し速やかに実施すること③公園内の希少動植物の保護と生物多様性を維持する事業案への変更-が盛り込まれた。

これらを踏まえ、公園周辺の子育て世代などの住民や教育関係者の意見を取り入れるよう要望し、受領後14日以内の回答を県に求めた。

共同代表の奥田洋一さん(43)は「文教地区の代表的な公園である洞峰公園に似つかわしくない飲酒により、風紀が乱れることを危惧している。安心できる、安全な公園であってほしい」と希望を述べた。

要望提出後、会見に臨む多田さん(左)と奥田さん=研究交流センター(つくば市竹園)

多田理恵さん(44)は「子どもたちや保護者が不安に思っていることを、知事にきちんと伝えてほしい」と訴えた。「アルコールそのものへの反対ではなく、『お酒が飲める公園』と認識されること」が心配だと話す。

「ビール工房での製造・販売、グランピング場などでも昼から毎日お酒が飲める。これを県が率先してやるとなれば、お酒を楽しむために公園に来る人が増えるかもしれない。さらに、外から持ち込んでの宴会や飲酒運転も心配。周辺は通学路にもなっている、住宅地の中の子どもたちが日々利用する公園で行われる。問題が起きてからでは取り返しがつかない」という。

県の追加アンケート、近く結果公開

これらの考えに対し、県は「県民の意見を踏まえて事業を練り直している。つくば市と協議の上で検討し、反映したい」と答えた。

9月に県が実施した、リニューアル計画に対する県民への追加アンケート調査については「現在、集計中」であるとし、時期については未定としつつ「結果はつくば市と共有し、近い時期にオンライン等での公開を検討する」とした。

アンケート調査は今回が2回目で、第1回の調査では、7月2日から8月31日までに集まった約1100件の回答者のうち、9割がつくば市居住者、7割が40代以上だったことを、県は「回答に偏りがある」とし、広く県民を対象に無作為抽出による再アンケートを実施していた。(柴田大輔)

変わりゆく里山の生態系 《宍塚の里山》94

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カシノナガキクイムシ対策のトラップを巻いた樹木

【コラム・福井正人】最近の宍塚大池では、数年に一度、雨が少なく異常な渇水が起きた次の年に、アメリカザリガニが大繁殖し、水面を覆っていたハスやヒシがなくなってしまう現象が起きています。数年で回復してくるのですが、再び大渇水が起こると、また次の年には、アメリカザリガニが大繁殖するというパターンを繰り返しています。

雑木林のほうでは、カシノナガキクイムシ(カシナガ)が媒介する菌によって、コナラなどの樹木が枯死してしまう問題(ナラ枯れ)が起きています。里山の生態系は、人々の生活様式と密接に結びついています。里山の樹木は建物の資材や燃料として、落ち葉はたい肥として、ため池の水は農業用水として利用されてきました。人々はこれらの資源が枯渇しないように気を付けながら管理してきました。

このような人々の働きかけが、里山のなかに様々なタイプの環境を生み出し、里山の多様な生態系を育んでいました。

ところが、戦後のエネルギー転換、機械化などにより、人々の生活は大きく変わりました。もちろん、それ自体は人々を重労働から解放することになったので良いことなのですが、里山の資源は利用されなくなってしまいました。ため池の水を引かなくても、河川や井戸からポンプでくみ上げて、田んぼに水を入れられるようになりました。

また、電気やガスの普及により薪(まき)は使われなくなり、建材としての樹木も外国からの輸入木材に代わっていきました。農業用水としての価値が低くなったため池では、池の水を抜いてヘドロを抜くなどの管理が行われなくなりました。

そのような状態で異常な渇水が起こると、毎年管理しているときには起こらなかった急激な環境変化が生じ、水の中の生き物のバランスが崩れ、アメリカザリガニの大繁殖のようなことが起こります。雑木林で起こっているナラ枯れも、被害を受けるのは主に老木で、薪炭林の利用がなくなり、老木になるまで伐採されず放置されたことが、被害の急拡大につながっていると思われます。

自然に向き合い、その変化を記録

宍塚の自然と歴史の会では、里山の貴重な生き物を次世代に残すための活動をしています。宍塚大池の外来種を駆除して在来種を保護したり、かつて大池に繁茂していた水草をバットで保存・育成し、環境が整ったときに大池に戻せるようにしていたり、最近では、急速に被害が広がっているナラ枯れの調査を行ったりもしています。

ただ、人々の生活様式の変化にともない、里山への働きかけがなくなってしまった以上、生き物だけが以前の種類のまま残ってほしいと思うのは、人間のエゴではないかと思うときもあります。ナラ枯れによってコナラの老木が枯れていくのも、人間が伐採しないから代わりに生き物が対処してくれているだけなのかもしれません。

一番がっかりするのは、保全の成果が上がらないことにイライラした人間同士が、小さな意見の相違で対立してしまうことです。

正直、私にはどうするのが一番なのか正解が見つかりません。でも、こうして答えが出なくとも、里山の自然に向き合って考えることが大事なのではないでしょうか。また、変わりゆく生態系を記録していくことが大事なのではないでしょうか。みなさんも一緒に考えてみませんか。(宍塚の自然と歴史の会 副理事長)

就農体験学修プログラムの現場、土浦に 茨城大学農学部とJA茨城

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農作業中の3人の学生。畑には紅はるかと紅あずまが植わる=土浦市藤沢

収穫と修学の秋に-、茨城大学農学部(阿見町)の学生が土浦市の農業現場で働き始めた。21日には同市藤沢のサツマイモ畑で、3人の大学生がイモの葉を刈り取り、マルチシートを取り除く作業などに取り組んだ。

農学部とJAグループ茨城(水戸市)が新たにスタートさせた就農体験学修プログラムによる。今回は、保育園やツアー客のイモ掘り体験に向け準備作業中の圃(ほ)場に、農学部3年の下島航さん(21)、渡辺夏実さん(21)、川口夢奈さん(21)の3人が訪れ、汗を流した。

農学部とJA茨城の接点は双方、コロナ禍からの立ち直りを模索する中で生まれた。農業現場では新型コロナの感染拡大から、海外からの研修生に頼れなくなり農作業の人手不足が深刻化した。農業現場で働きたい人と農家とを結ぶマッチングアプリの導入が考えられ、昨年度からアグリトリオ(愛知県豊橋市)開発のマッチングツール「農 How(ノウハウ)」の普及を図ってきた。全国のJAでは初めての導入となる。

茨城大学では、学部3年次の第3クオーター(9月下旬~11月)を「iOP(インターンシップ・オフキャンパス・プログラム)」の期間と定め、原則的に必修科目を開講せず、海外研修やインターンシップといった主体的な学修活動を促進してきた。農学部では付属農場(国際フィールド農学センター)での農学実習などを通じて学生たちへ農業体験の機会を提供しているが、農業の実態を深く理解し、必要な技術を身に付ける上でも、大学外における農業体験を促進したいと考えてきた。しかし特に今年の3年生は、コロナ禍で入学時から対面による活動が大きく制限されてきたそう。

農学部の地元にあるJA水郷つくば(本店・土浦市)が間に入る形で、同市北部の農家7世帯8人が作る次世代農業プロジェクトワーキンググループ「ヨリアイ農場」(栗原広治代表)が就農体験を受け入れることになった。学生は、今月から4軒の農家で、サツマイモの掘り取り、ナシ圃場の整備作業、グラジオラスの出荷、ショウガの収穫作業などを手伝う。

マッチングツールには作業内容や勤務時間が記され、アルバイト料も明示される。学生には修学と就業の一挙両得となる機会だが、農学部3年、下島さんは「アルバイトは阿見町の飲食店でもしている。農業の現場で働ける意義がより大きかった。授業では1時間程度の作業しかないが、4-5時間働いてみると農作業への見方が変わる」という。3人とも非農家の出身で、卒業後農業への就業を特に考えているわけではない。

学生を受け入れた土浦市藤沢の飯塚利之さん(51)は「思い詰めて働きに来られるようでも困る。マイペースでやってもらっても、農家には手の回らない仕事がたくさんあるので大いに助かる」と語る。

JA茨城では「今はアプリの実装を図っている段階、県内の農家や一般に就業を促していくのは次のステップと考えている」(県域営農支援センター農業経営支援室・金澤泰俊さん)そうだ。(相澤冬樹)

演奏家以外にも作り手つながる 30日につくば音楽祭

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主催団体「夢創」代表の山崎誠治さん=つくば市内

つくば市や周辺地域を拠点に活動する音楽家をはじめ、もの作り作家、農家などが集まるイベント「つくば音楽祭」が30日、同市吾妻の中央公園芝生広場で開かれる。主催団体「夢創」代表の山崎誠治さん(67)は、「つくばにはこんなに多彩な人がいるということを可視化したかった。人と人がつながる場所にできれば」とイベントに寄せる思いを語る。

イベントには、ジャズやゴスペル、マリンバ、民族音楽、ちんどん屋さんなど、多様な16組の音楽家が演奏し、ハンドメード作家、無農薬野菜農家、クラフトビールやピザを販売する飲食店などがブースを構える。

イベントを企画した山崎さんは、つくば市平塚で家屋のリフォームや家具製作の「にれ工房」を営む傍ら、研究学園での屋外イベント「トワイライト音楽祭」や小さな子を持つ母親のためのコンサート「ママコン」など、音楽を通して人が集まり楽しめる場づくりをしてきた。活動を通じて出会ったのが、地域に暮らす多様な人たちだった。

音楽祭のトリを務めるつくば市在住のマリンバ奏者、倉田沙紀さん(35)もママコンでの演奏が今回参加のきっかけになった。国内の音大を卒業後、ドイツや米国でもマリンバを学び、その後も海外の音楽祭に多数参加するなど国際的に活躍しながら、自宅で教室を開き、学校などで子ども向けのコンサートも積極的に開催している。当日は、荒井由実の「ひこうき雲」、ブラジルの名曲「イパネマの娘」や「マシュ・ケ・ナーダ」などを演奏する予定。

音楽祭でトリを務めるマリンバの倉田沙紀さん(右)=倉田さん提供

山崎さんは、「つくば市などこの地域には、倉田さんのような音楽家や作家など、もの作りに打ち込む沢山の方が暮らしている」とし、「地域を拠点に活動する、より広いジャンルの作家を地域の方々に知ってもらい、参加者同士だけでなく、来場者ともつながる場をつくりたい」と考えていたと話す。そんな思いを形にした「つくば音楽祭」は、今回が初めての開催となる。

「コロナ禍では、みんな活動を自粛してきた。ようやくイベントを開催できるようになった。参加するみなさんには、今後の活動再開とともに、新たな一歩の場づくりにしてほしい」とし、「みんなと一緒に夢を作りましょう」と、来場を呼びかける。(柴田大輔)

◆つくば音楽祭 30日(日)午前11時~午後4時、つくば中央公園芝生広場。入場無料。詳細は主催者facebookページへ。

旧統一教会関連団体主催のイベント 土浦市教委が後援

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旧統一教会関連団体によるイベントが開催された施設が入るウララビル=土浦市大和町

解散命令請求も視野に、政府が実態調査に乗り出す方針を明らかにした旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題で、教団の関連団体・世界平和女性連合(WFWP)主催により7月、土浦市内で開催された「第19回女子留学生日本語弁論茨城県大会」が、同市教育委員会の後援を受けていたことが、水戸市の土田記代美市議(共産党)らの指摘で明らかになった。霊感商法や信者からの高額献金、政治家との関わりが問題視される旧統一教会との接点を独自に調査する自治体が相次ぐ中で、疑問の声があがっている。

世界平和女性連合は、旧統一教会の関連団体で、同教団の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が1992年に創設したとされている。同連合の公式サイトによると、女子留学生を対象とした弁論大会は1997年から始まり、毎年、全国から約200人が参加。公開されている資料によると、その地区予選である茨城県大会は、今年で19回を迎え、教団施設がある水戸と土浦で主に開催されてきた。今年は7月23日、土浦市内の県県南生涯学習センターで開催された。

旧統一教会関連団体と承知していた

弁論大会を後援した土浦市はNEWSつくばの取材に対して、「後援の申請は、今回が初めてだった」とした上で、「同団体が旧統一教会の関連団体であることは、(申請時に)承知していた」との認識を示し、「世界平和女性連合から後援申請があったのが4月12日。より慎重を期するため、昨年、同イベントが開催された水戸市に開催状況を確認し、内容に問題がないと判断し、4月23日に後援を承認した」と経緯を説明した。

後援を承認する基準については、「宗教・政治団体等に関わらず、団体種類で可否の判断をすることはない」とした上で、「事業内容、目的で一つ一つ判断している」と判断基準を示し、「(勧誘など)宗教・政治活動に直接関わる活動は承認しない」と説明した。今回のケースについては、「外国人留学生の弁論大会であることや、前年の水戸市での開催状況を踏まえて適切と判断した」と語った。

会場を提供した県南生涯学習センターは、土浦市と同様、「世界平和女性連合が旧統一教会の関連団体であることは、手続きの段階で承知していた」とした上で、「団体の種類に関わらず、企画の内容を検討し、貸し出しの判断をした」と市と同様の見解を示した。

関連知らず、教団との接点生じる懸念

水戸市議会定例会代表質問に立った共産党・土田記代美市議が9月12日、世界平和女性連合が主催する日本語弁論大会が水戸市や土浦市の公共施設で開催されていたこと、今年は土浦市教育委員会が後援していたことを指摘。それを受けた水戸市が実態調査に乗り出した結果、過去10年間で、同連合などの旧統一教会関連団体に対して、水戸市は公共施設を98回、貸し出していたことが分かった。

その中には、国際交流団体として市の条例に基づき施設を利用していた関連団体が71回、計36万6000円、施設使用料の免除を受けていたことも判明。条例は、「特定の宗教を支持し、または特定の教派、宗派もしくは教団を支援するおそれがあるとき」の施設使用を不許可としているものの、市は、旧統一教会との関係を知らずに判断したとしている。

水戸市の高橋靖市長は、関連団体の使用料免除について「遺憾」であると表明した。 一連の問題を調査する水戸市の土田市議は弁論大会について、「関連団体は、明らかに教団と同じ組織。それを伏せているところに問題がある」とし、「何も知らない留学生、彼らを応援したい人たち、イベントに関心のある市民や学生が会場に行ったとして、それがきっかけとなって(教団との)接点が生まれる恐れがある」と語った。

今後「国会、世論の動きで判断」

土浦市は、今後同様の申請が関連団体からあった場合について、「同じ事業内容で、今年(後援を)出して、来年はダメというと問題がある」としたものの、「国会や世論等の動きを踏まえて、非常に慎重に判断しなければいけないと感じている」と語った。後援の取り消しはあり得るかとの質問に対しては、「(主催団体による)今回の事業報告書とともに、会場に実施状況を確認し、申請の通りの弁論大会だったと確認できた。現段階での取り消しは考えていない」とした。県南生涯学習センターは今後の対応について、「団体自身が反社会的だと立証された場合は、使用制限もありうる。慎重に判断したい」と述べるに留まった。(柴田大輔)

文部科学大臣へ送った手紙 《電動車いすから見た景色》35

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送った手紙の実物(内容については本文をお読みください)

【コラム・川端舞】9月9日、国連が日本政府に分離教育の中止を勧告したのを受けて、永岡桂子文部科学大臣が13日の記者会見で、「障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごす条件整備と、一人ひとりの教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として取り組む」などとし、「多様な学びの場における特別支援教育の中止は考えていない」と発言した。

これに対し、どうしても永岡大臣に直接お伝えしたいことがあり、お手紙をお送りした。その手紙を要約したものを、2回に分けて紹介する。

「共に過ごす」と「多様な学びの場」は両立しない

私は障害がありながら、小学校から高校まで普通学校の普通学級に通った。小中学校の頃、私はずっと普通学級で過ごしていたが、同じ学校には特別支援学級があり、知的障害のある同級生は学校にいるほとんどの時間を他の同級生とは違う教室で過ごしていた。その様子を見て、当時の私は「自分は勉強ができるから、支援学級にいるあの子たちとは違うのだ」と自分にも障害があるくせに、知的障害のある同級生を見下していた。

学校行事の時は、支援学級の生徒も他の同級生と一緒に参加していたが、いつもほとんど同じ教室にいない同級生を「仲間」だと思えるはずがない。支援学級の生徒とどう話したらいいのかさえ、私を含めた普通学級の生徒は分からず、お客様扱いするしかなかった。

私も支援学級の生徒とほとんど接点はなかったと思っていた。しかし、大人になってから小学校の卒業アルバムを見返すと、修学旅行でその同級生と一緒に班行動をしている写真を見つけ、「同じクラスで、修学旅行の班も一緒だったのか」と驚くとともに、その同級生と話した記憶が一切ない自分にショックを受けた。

障害のある子どもとない子どもが共に過ごすための条件整備と、特別支援学校、特別支援学級などの「多様な学びの場」は両立しない。もし、小中学校時代、支援学級がなく、知的障害のある生徒も、本人が「静かな部屋で休憩したり、自分のペースで勉強したい」と思った時以外は、普通学級で過ごすのが当たり前の環境だったら、他の同級生も彼らを仲間として受け入れることができただろう。

国連も、特定の機能障害に対応するために設計された別の環境で、障害のない生徒から切り離されて行われる教育は「分離」だとして、「インクルージョン」(※編集部注)とは明確に区別している。日本の特別支援学校や特別支援学級は明らかに「分離教育」であり、現在の分離教育を前提とした特別支援教育は見直すべきである。(障害当事者)

【※編集部注】インクルージョン(inclusion)
一般的な日本語訳では「包括、包含」。対語は「エクスクルージョン(exclusion)」で「排除、隔離」といった意味になる。教育分野では「インクルーシブ教育」という言葉で使われ、特に、障害のある子どもたちが通常学級で健常児と共に学ぶ状態をいう。国連の公式文書によると、インクルーシブ教育には、すべての生徒に最適な学習環境を提供するために、通常学級の教育内容や組織体制を変更する過程が含まれる。

土浦で3年ぶり つくばは初開催 月末土・日にハロウィン仮装行列

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左は2019年の土浦ハロウィンに集合した参加者たち= NPO法人まちづくり活性化土浦提供、右は昨年のハロウィン当日の集合写真=けんがくまちづくり実行委員会提供

31日のハロウィンを前に、子供たちが仮装して街なかを歩くハロウィンイベントが29、30の両日、それぞれ土浦、つくばで予定されている。新型コロナの行動制限がなくなった今年は、土浦駅周辺でNPOが3年ぶりに仮装行列を開催、つくば市研究学園駅周辺では住民団体が初めて開催する。

100人+の子どもたちが街なかのお店訪問【土浦】

NPO法人まちづくり活性化土浦(土浦市中央、横山恭教理事長)主催の「土浦ハロウィン2022」は29日に開かれる。仮装行列とスタンプラリーの実施は3年ぶりで、9月中旬の市報で告知すると、すぐに定員100人に達した。問い合わせや参加希望の連絡が多く、急きょ10人プラスし、市内の中学以下の子どもたち約110人が参加を予定する。現在はキャンセル待ちとなっている。

まちづくり活性化土浦お手製のハロウィンの缶バッチ

参加する子どもたちは当日、アルカス広場(同市大和町)で受付確認後、川口町バス停前広場(旧滝の前広場)まで仮装行進をする。その後は、各自好きな店舗を回る「まちなかスタンプラリー」を行う。手製の缶バッチを付け、ハロウィンの絵が描かれた袋を持って、保護者らと一緒に店を訪ねる。店ではお菓子をもらい、スタンプを押してもらう。お菓子と一緒に、その店独自の割引券などが入っており、保護者らが再び買い物に来る仕組みになっている。

土浦ハロウィンに協賛する店舗や施設は、国道125号沿いや本町通り、中城通り、モール505内など50カ所。お菓子はそれぞれの店が自費で用意。店主やスタッフが仮装している店もあるという。協賛店のひとつ、木村屋パン店(同市中央)では毎年お菓子とは別に、あんぱんを子どもたちに渡しており、今年も約200個のあんぱんを焼く予定だそうだ。

2015年に始まった「土浦ハロウィン」は、新型コロナ感染拡大の影響で2020年、21年とも仮装行列などイベントは中止した。20年は本町通りと桜橋通りにハロウィンの飾り付けを行ったのみだった。コロナ前の2019年は、参加者が子ども大人合わせて300人(子どもは約150人)を超え、スタンプラリー協賛店も54店舗あった。コロナ禍で閉店した店などもあるため今年は50店舗に減少している。

今年定員を100人にしたのもコロナ感染対策のため。実施に際し、参加者らはこまめなアルコール消毒を行い、マスク着用を着用する。事務局長の小林まゆみさんは「子どもたちはもちろん、付き添いの保護者の仮装も毎年本格的。その姿を見るだけで涙が出るほどうれしくなる。ハロウィン後も市内のお店で気軽に買い物してもらえたら」と語った。(伊藤悦子)

◆土浦ハロウィン2022 29日(土)午後1時30分~午後4時30分(荒天の場合、翌30日に延期)仮装行列とスタンプラリー終了後、アルカス広場に集合し、仮装の表彰式と閉会式を行う。参加者は事前登録済。電話:029-826-1771(まちづくり活性化土浦)

研究学園駅周辺ではごみ拾いをしながら【つくば】

つくば市では、TX研究学園駅周辺の住民グループ有志でつくる「けんがくまちづくり実行委員会」(島田由美子代表)が30日、「けんがくハロウィン2022」を開催する。仮装した子どもたちがごみ拾いをしながら、駅周辺のお店を回ってお菓子をもらったり、オレンジ色のごみ袋に色紙を貼って「ハロウィンかぼちゃ」の顔を描いたり、仮装コンテストなどを催す。

同駅前の英会話教室、不動産会社、ホテル、商業施設イーアスつくば内の花屋など約20店の協力を得て、子供たちにお菓子を配る。子供たちにはハロウィンかぼちゃと同じ色のオレンジ色のごみ袋をもってごみを拾ってもらいながら、各5店舗ほどを回ってもらう。

昨年のハロウィンイベントのスナップ=つくば市研究学園

同駅周辺で毎月1回、100人ほどの参加でごみ拾いをしている住民グループ「研究学園グリーンネックレス タウンの会」(島田代表)の活動がきっかけ。昨年10月31日のハロウィン当日、ごみ拾いイベントの際、駅周辺6店の協力を得て、参加した子供たちに店頭で菓子の詰め合わせなどをプレゼントした。

今年4月、地域に植樹された「千本桜」を楽しむ「第1回研究学園さくらまつり」(3月30日付)を開催した同実行委員会が、昨年のハロウィンイベントが好評だったことを受け、今年初めて開催する。春のさくらまつりと併せて、秋のハロウィンイベントを地域の祭りとして定着させたい考えだ。

研究学園地区は2005年のTX開業後、新しくできた街で、現在2万人以上が暮らす。代表の島田さん(61)は「コロナがあってイベントの機会が無くなっていたので、前から地域に住んでいる人と新しく引っ越してきた人たちが一緒に楽しめる地域のお祭りにしたい。子供を中心に多世代が集まり、交流しつつイベントを楽しんでいただければ」と参加を呼び掛ける。「地域にあって普段は行かないお店に行く機会にもなるのでは」とも話す。

◆けんがくハロウィン2022 30日(日)午後3時、同市研究学園5丁目の学園の杜公園に集合。5時ごろまで。仮装歓迎。予約不要。対象は中学生以下の先着250人。詳しくは同実行委員会のメール(kengaku.machizukuri@gmail.com)、または電話090-1738-3699(島田さん)へ。

筑波大学そばの「こおひいはうすらんぷ」 《ご飯は世界を救う》52

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【コラム・川浪せつ子】1978年の創業から、今年で44年になるお店「こおひいはうすらんぷ」さん(つくば市天久保)は、広大な敷地が広がる筑波大学の横にあります。以前から知ってはいましたが、なかなか行けなかったカフェです。

実はバブル経済のころ、らんぷさんから2分くらいの所にある不動産屋さんから、毎週のように、建築物の完成予想図を描く仕事をもらっていました。ですが、男の子3人を保育所に預けながらの子育て中の私は、喫茶店などで外食をする時間もありませんでした。横目で見て通り過ぎていました。

ほかの社からの仕事の依頼も多く、あまりの忙しさで、当時の子育ての思い出は記憶から吹っ飛んでいます。またバブル時代が過ぎたころには。実母のがんがわかり、都内の実家まで通わなくてはならなくなりました。

「おいしい」は、人を幸せにする

やっと最近、「あぁ~、あのカフェに行きたい」と。そのらんぷさんは、店内のインテリアとスィーツも想像以上でした。

あまりにうれしくて、うれしくて、すぐにまた訪問して、今度はランチ。何気ないミックスサンドなのですが、とてもおいしい。こんなに長いことやっていてくださって、ありがとうございます。

30数年間の、いろんなシンドかったことが、消えていくようなお味。「おいしい」は、人を幸せにするのね。(イラストレーター)

自殺に関し差別的内容を公開共有 つくば市総合教育研究所の公式ツイッター

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現在「このアカウントは存在しません」と閲覧できなくなっているつくば市ICTのツイッターページ(ウェブ魚拓)

SNSで知り合ったとされる自殺ほう助に関する事件が相次ぐ中、小中学校教員の研修やICT(情報通信技術)教育の推進などを実施している、つくば市総合教育研究所(同市大形)の公式ツイッター「つくば市ICTスタッフ」が18日午前9時ごろ、自殺に関する差別的内容が記されたツイートを、リツイ―ト(フォロワーに公開し共有する)していたことが分かった。リツイートは、同日午後1時ごろ削除された。

同公式ツイッターは18日正午時点で407人のフォロワーがいる。リツイートが共有された約4時間の間に、さらに2人がリツイ―トし、1人が「いいね」ボタンを押した。どのくらい拡散されたかは不明。

同研究所によると、18日午前9時ごろ、スマートフォンで同公式ツイッターを確認していた職員が、うっかりリツイートボタンを触ってしまったという。

職員はその後、仕事の対応に追われ、消すのが遅れてしまったとしている。

自殺に関する差別的内容が書かれたツイートは、同公式ツイッターがフォローしていた。このツイートの発信者は、不登校に関しても差別的発言をしていた。

同研究所は「職員が誤ってリツイートし、気付づいて削除した。(差別的な)ツイートの内容に賛同してリツイートしたわけでは決してない。大変申し訳ありませんでした」とし、なぜフォローしていたかも調べたいとしている。(鈴木宏子)

南極へ向かいます 観測隊員2人つくば市長を表敬訪問

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五十嵐市長(中央右)を訪問した越冬隊の大山さん(右)と夏隊の瀧さん(中央左)。左は南極OB会の中島さん

第64次南極地域観測隊に選ばれた、つくば市在住の大山まど薫さん(28)、瀧繁幸さん(43)と、南極OB会茨城支部幹事長の中島英彰さん(59)が17日、つくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長を表敬訪問した。大山さんと瀧さんは、11月11日に南極観測船「しらせ」でオーストラリアのフリーマントル市を目指し、12月中旬ごろ南極・昭和基地への到着を予定している。

1956年に第1次観測隊が派遣されスタートした南極地域観測隊は、約1年間滞在する「越冬隊」と、夏の約3カ月間滞在する「夏隊」で構成される。越冬隊として渡航する大山さんは2024年3月、夏隊員の瀧さんは来年3月下旬の帰国を予定する。今回は、越冬隊28人、夏隊52人の合計80人が派遣される。

天気予報と測量と

岡山県出身の大山さんは、天文学を専攻していた学生時代に観測隊員経験者と出会ったことがきっかけとなり、南極行きを志した。2018年に気象庁に入り、21年から気象研究所(つくば市長峰)に勤務。南極では、地上気象観測や天気予報を担当する。「南極の天気は(他の地域と)全く違う。観測結果と予想がどう変化するのか関心がある」と現地での活動への思いを語った。また「お酒が好き」という大山さんは、「南極の氷で楽しむ焼酎ロックが楽しみ」と周囲を和ませた。

国土地理院(同市北郷)に勤務する北茨城市出身の瀧さんは、国交省に入って以来20年越しの夢を叶えた。「年齢も重ねてきたため、今年を逃すと(次は)ないかなと思っていた。よう来たなと安心しました」と思いを語った。南極では、様々な測量やドローンでの空中撮影を通じて、南極大陸における位置基準の整備などを目的とした活動を行う。現地での楽しみを記者から聞かれると、「先輩方が作ってきた『基準点』の正確さを確認すること」としつつ、「チームワークが大切な仕事。活動を通じて、隊員同士の親密な交流が生まれることも楽しみ」と語った。

つくば市内にある研究機関からは、2013年から2022年の10年間に約40人が観測隊員として南極に派遣されている。表敬を受けた五十嵐市長は「気候的な危機が現実に起きており、南極での調査活動の意味はこれまで以上に大きくなっている。体調に気をつけながら、世界の気候変動を少しでも食い止めるため、ご活躍をいただければと思います」と励ましの言葉を送った。(柴田大輔)

経験が生むいろいろな「工夫」 《写真だいすき》13

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高さ20数センチのこの像、地面にシートを敷き腹這いにならないと、撮影は難しい

【コラム・オダギ秀】足取りもおぼつかない先輩老写真家の撮影を見ていて、学んだことがある。彼は年を経て、経験はたっぷり身に付けているが、今の機材には疎(うと)過ぎる写真家だと思っていたから、彼から学ぶことなんてないと思っていた。彼は、生涯、野草や野の昆虫などを撮ることを専門にしていた。

そんな彼に学べたことがうれしい。

彼が野に撮影に出掛ける姿を見た。野の花を撮りに、ヨタヨタと。そんな彼が、手にしていたのはピッケルだ。どこかに登るわけでもない野原でする撮影に、なぜ、ピッケルが要るのだろうか。ボクは、不思議でならなかったが、すぐ、その理由がわかった。

彼は、撮影現場に着くと、いきなりピッケルを地面に突き立てた。雑草が繁茂して足場の悪い地面でも、ピッケルはしっかりと刺さり、立った。体を低くした彼は、そのピッケルを左手で握ると支えにし、その左手の腕に、右手に持ったカメラの重いレンズを載せて支え、撮影にかかったのだ。

これでブレないで撮影できる。こんなやり方は、どんな教科書にも出ていない。長い経験があったから生み出した知恵、工夫なのだ。なるほど、と思って学ばせてもらったが、写真の世界には、経験が教えてくれる工夫がよくある。

中腰にはスタンディングチェア

若い人には無縁なのかもしれないが、年をとると、中腰での撮影がきつくなる。あと10センチ低い位置でカメラを構えたいとか、だからといって座ってしまうと低過ぎるというようなことがあって、その中間の中腰でカメラを構えることが、少し長い時間になると、なんともきついのだ。

そんなときのために、ボクは、スタンディングチェアというのを見つけて使っている。ボクなりに知恵を絞った工夫のつもりだ。

欧米のビジネス会議は、どっかり椅子・テーブルに着いてではなく、少し高いテーブルを囲んで、腰掛けずに討議することが多くなっているそうだ。そんなとき、腰が弱い者はつらいので、スタンディングチェアを使ったりするらしい。

立った姿勢で座ってやれる。そうだ、こんなのがいい、とボクは、一本足で高さが調節できる、そんなスタンディングチェアという椅子を買った。これが、中腰撮影にはとてもいい。長時間、中腰でカメラを構えていても平気だ。椅子一つでいい工夫だ。

サーフボードの短いケース

さて、うんと背の低い被写体に対応するには、シート1枚が必需品だ。シートがあれば、寝転んで撮影できる、とボクは、写真教室などで言ってきた。「100均」のシートでいいから、と。これは、ウソではないが、工夫が必要だ。

確かに、地面に這いつくばって撮影することはよくある。そんなとき、シートが1枚あれば、大助かりだ。だが、地面が荒地だったりデコボコだったりすると、というより大抵は、肘や膝が痛いなど、快適ではない。

肘当てや膝当ては、とても面倒でイヤだ。ボクは、このために、サーフボードの短いケースを見つけた。防水も完璧だし、軽くてショックに強いから痛くない。大きさも適当なものを選べる。ものすごく使用頻度が多く、気に入っている工夫だ。

色々な工夫をすることは楽しいが、それらは大抵、経験が生み出す。やってみると、いろんなことができるようになって面白い。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

つくば駅前一等地のビル買い取った 都市開発の塚田さん【キーパーソン】

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都市開発の塚田純夫社長

研究学園都市つくばのシンボル的な施設といえば音楽公会堂「ノバホール」(つくば市吾妻)。つくば駅前を代表する商業施設といえば「トナリエクレオ」(元 西武百貨店筑波店)。両施設の間にあるオフィスビル(以前は衣料品チェーン、ライトオンの本社兼店舗)を都市開発(本社・つくば市梅園)が取得した。駅前一等地のビルを買い取った狙いは何なのか、塚田純夫社長に聞いた。

以前はライトオンの本社・店舗

ライトオン(現本社・東京都渋谷区)が入っていたビルは、同社が出たあとオフィスになり、現在4~7階には自動車部品大手、オートリブ(本社・スウェーデン)の研究センターが入っている。所有権はマンション開発大手、タカラレーベン(本社・東京都千代田区)に移っていたが、昨年12月、都市開発が取得し、ビルの名前は「T.S BUIL」になった。

塚田さんによると、T.Sは「Tsukuba Station(ツクバ・ステーション)」の頭文字。ところが、「Tsukada Sumio(ツカダ・スミオ)の略ではないかと言う人もいる」と笑う。同ビルは、つくば市のセンター地区を東西に貫く土浦学園線沿いにあり、つくば駅から徒歩3分。格子状の窓と外壁のデザインが印象的で、駅の周辺では気になる建物だ。

「放っておいたらマンションに」

「マンション開発会社が持っていたこともあり、放っておいたらマンションになってしまう。すぐそばの西武が入っていた建物の一部も、マンションになってしまったのだから。そういった話を人づてに聞き、つくば市の玄関口ともいえる一画を街らしい街にしなければと思い、私のところで買い取った」

T.S BUIL=つくば市吾妻

T.S BUIL(1フロアー約1000平方メートル)の4階から上は、自動車安全装置で世界をリードするオートリブ(日本法人本社・横浜市港北区)がそのまま使う。3階の半区画には都市開発が入る予定で、「11月下旬に本社を駅前ビルに移す」。残り半分はオフィス用に貸すという。

元々、ビルは店舗として使われていたこともあり、1階の駐車場と道路側の立体駐車場を合わせると、約200台が駐車できる。最も使い勝手がよい2階の「店子」に、塚田さんはこだわっている。「将来、株式を上場するような研究系の会社、できれば県内の会社に入ってもらいたい。いま選んでいるが、入居は1年ぐらい先になると思う」

脱炭素、メタンガスの発電も計画

12年前に設立された都市開発は、賃貸や仲介を主な業務とする不動産会社ではなく、既存のマンションやビルの再生に力を注ぐ。つくば市やその周辺のほか、麻布十番(東京都)や宇都宮(栃木県)でもマンション再生を手掛けてきた。T.S BUILは、駅前の一等地に建つ、特徴ある構造のビルだけに、その再生に強い関心があるようだ。

塚田さんは36年前、水処理などを行う環境関連会社を起業。太陽光発電にも関心を持ち、行方市の北浦近くに大規模施設を建設した。隣接する区画には、日立製作所、NTTファシリティーズ、関彰商事など大手会社のパネルも並ぶ。こういった脱炭素事業の延長上に、メタンガスを使った発電も計画しているという。

【つかだ・すみお】1972年、県立谷田部高(現 つくば工科高)卒、東京消防庁に入庁。1986年、つくばに戻り、環境関連の有限会社「日昇」(現 株式会社「日昇つくば」)を設立。2010年、不動産関連の株式会社「都市開発」を設立。いずれも社長。1954年、谷田部町(現 つくば市)生まれ、つくば市在住。

【インタビュー後記】元々、つくば駅前の「B i V i」がある所にビルを持ちたかったそうだ。「駅と地下でつなぎ、人が24時間出入りする、にぎわいのある複合ビルを考えていた」。しかし、「土地を保有する市との交渉が不調に終わった」。ペデストリアンデッキを挟んで反対側に建つビルの取得は、そのリベンジ?(経済ジャーナリスト・坂本栄)

多数のファンに見送られるカウントダウン LALAガーデンつくば閉店

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営業終了を告げるカウントダウンの様子=つくば市小野崎、LALAガーデンつくば

大型商業施設「LALAガーデンつくば」(つくば市小野崎)が16日、最後の営業を終え、18年の歴史に幕を下ろした。施設を運営する三井不動産(東京都中央区)広報部によると2023年春に借地権の契約が満了となるため。営業終了後は建物を解体する予定だという。

営業終了30分前の午後7時半からは1階プラザ広場でセレモニーが開かれた。家族連れなど多くの人々が集まる中、筑波大学吹奏楽団が演奏を披露、LALAガーデン内にあるカスミのスーパーマーケット「グラン・プルシェ」の店長小河原浄(こがわらきよし)さんや、LALAガーデンつくばオぺレーションセンター所長の松下裕章さんらがあいさつした。松下さんは「場所を変えて営業する店舗もあるのでぜひ今後もご愛顧いただきたい」とし、職員らと共に18年間の思い出や感謝を述べた。営業終了のカウントダウンが行われ、最後には万感の拍手が起こった。

最敬礼で感謝を伝える松下所長と職員ら=同

先月から「最後の感謝祭」と銘打った割引セールが開催されており、最終営業日となった16日は割引品を求める多くの買い物客らでにぎわった。値引きもない書店のTSUTAYAまで「新型コロナが始まって以来最大の混雑」と言われるほどの混雑だった。1階のプラザ広場や駐車場では、立ち止まって名残惜しそうに建物の写真を撮影する人々らも見られた。プラザ広場前のつくラボでは18年間の歴史を振り返る「ヒストリー展」が開かれ、買い物客らが展示された年表などのパネル展示に足を止め静かに見入っていた。

LALAガーデンつくばは2004年3月19日にオープンした。敷地面積は約5万6984平方メートル、2階建てで店舗面積は3572平方メートル。約1200台が駐車できる駐車場を備えていた。スーパーマーケット「グラン・プルシェ」をはじめ、ドラッグストア、アパレル、生活雑貨の販売店やカフェなど約50店舗が出店していた。

周辺では2008年に「イーアスつくば」(同市研究学園)、13年に「イオンモールつくば」(同市稲岡)がそれぞれ開業。約10キロ圏に大型商業施設がオープンし、競合が激化していた。空き店舗も見られるようになり、16年にはサザコーヒー(ひたちなか市)のカフェを備えた大型書店、TSUTAYAや、未就学の子どもの遊び場、KID’S PARK(キッズパーク)をオープンさせるなど大規模リニューアルを行った。18年にはテナントとリビング型の共用スペースを融合させたゾーンを新設し、コインランドリーなど5店舗が新規出店していた。

お別れのあいさつをする職員たちを拍手で送る買い物客たち=同

都内在住の30代男性は「筑波大学に在学中に付き合っていた彼女と自転車に乗ってよく来ていたので懐かしい。閉店してしまってさみしい」と話した。市内在住の40代男性は「(プラザ広場で)行われるダンスやコンサートのイベントを見に行っていて思い出がある。建物が取り壊されるのであれば、またイベント広場のような設備のある商業施設を作ってほしい。そしてLALAガーデンと同じような店舗に出店してほしい」と話した。(田中めぐみ)