日曜日, 2月 5, 2023

筑波大学開学50周年イヤー 室伏広治さん開幕告げる

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)の開学50周年イヤーが4日、金メダリストの講演で幕を開けた。記念事業シンポジウム「芸術×体育で未来を拓く」が同日、つくば国際会議場(同市竹園)で開催され、これを皮きりに10月1日の記念式典まで各種イベントが展開される。 講演する室伏さん=同 シンポジウムで講演したのは、2004年アテネオリンピックのハンマー投げで金メダルの室伏広治さん(48)。日本記録保持者で日本選手権20連覇を遂げ、16年に引退、2年前からスポーツ庁長官に就任した。4日は「スポーツで未来を創る」のテーマで基調講演を行った。 室伏長官指揮下の同庁が昨年まとめた第3期スポーツ基本計画(2022-26年度)では、少子高齢化や地域間格差の広がりの中で、学校教育を中心にしたスポーツ振興からの脱却を意図した。性別や年齢、障害、経済事情などの違いによって、取り組みに差が生じない社会を実現し、機運を醸成するとしている。「健康増進の意味からも自治体や企業へ横展開していく地域の取り組みが重要になり、つくばでぜひ率先してほしい」とアピールした。 父親(重信さん)にはハンマー投げに進むこと、練習に励むことを一度も強制されたことがないと言い、それが充実した競技生活につながった。アスリートには幅広いスポーツ体験を積むこと、指導者には勝利至上主義からの転換を求めるなどした。 筑波大学は、国内初の官立高等教育機関として1872(明治5)年、創立された師範学校を礎としており、今年、創基151年となり開学50周年と合わせて記念事業を展開する。1872年は学制公布の年であることに触れた室伏さんは「当時、夏目漱石は日本の哲学は周囲にあるもの全て動かすべからず、心の修養を積んだ挙げ句の消極の極みに達する哲理と書いている。動的な西洋のスポーツ観とは違った見方があった」と紹介、未来を創るヒントがこの辺にありそうだと説いた。

土浦のひなまつり開幕 3年ぶり華やかに

立春の4日、第18回土浦の雛まつり(市観光協会主催)が、土浦駅前通りの観光拠点の一つ、土浦まちかど蔵(同市中央)などで始まった。新型コロナの影響で3年ぶりの開催となる。3月3日まで。 江戸時代や明治初期の蔵などが並ぶ旧水戸街道の中城通りを中心に、周辺の商店などが代々商家に伝わる江⼾から平成のひな人形やつるしびなを店頭に飾っている。市内108カ所の店や公共施設が参加している。 会場の一つ、土浦まちかど蔵大徳では、江戸末期から明治の名工、3代目仲秀英(なか・しゅうえい)が作ったひな人形を展示している。店蔵2階では浦島太郎や干支のうさぎをモチーフにしたひな人形などが飾り付けられた。中城通りの街並みと調和した和の雰囲気と、人形たちの個性豊かな表情を楽しむことができる。手作りのつるしびなは花や⿃や⼈形などちりめんの縁起物をひもにくくりつけて作る立体的な飾り付けで、空間を華やかに彩っている。 大正時代の「八女(やめ)の箱雛」(左)と明治末期から昭和初期の「見栄っ張り雛」(右)=福祉の店ポプラ中央店 福祉の店ポプラ中央店(同市中央)は1階に、市内の収集家が集めたという大正時代の「八女(やめ)の箱雛」や明治末期から昭和初期の「見栄っ張り雛」など貴重なひな人形を飾った。2階には市内外の社会福祉施設などで障害者が手作りしたひな人形を展示した。 前野呉服店(同市中央)ではショーウィンドウに23年前に購入したという三段飾りのひな人形と色鮮やかな着物を飾った。店の前を通る人は歩みを止め、あでやかな飾りつけに見入っていた。

5年連続で過去最大を更新 つくば市23年度当初予算案

中根・金田台で小学校建設に着手 五十嵐立青つくば市長は3日、新年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比6.9%増の約1085億1000万円、特別会計などを含めた総額は同比5.1%増の約1705億1000万円で、5年連続で過去最大を更新する。14日開会予定の3月議会に提案され審議される。 児童生徒数の増加に伴い学校施設の建設が続いているのが増加の主な要因。▽新たに、住宅開発が進む中根・金田台地区で小学校建設に着手し2026年4月開校を目指して用地取得と設計などを実施する(約14億8000万円)。前年度からの継続事業としては、▽TXみどりの地区に24年4月開校予定のみどりの南小中学校建設費に約51億2000万円▽主にTX沿線の小中学校などが利用する24年度オープン予定のみどりの学校プール建設費に約17億円▽25年4月稼働開始予定の新桜学校給食センター(供給能力7000食)建設に約19億円を計上する。 高齢者に電動自転車や芸術鑑賞チケットを補助 高齢者を対象にした新規事業として、▽免許返納などによる代替移動手段の確保や介護予防、社会参加の促進のため、70歳以上の高齢者が電動アシスト自転車を購入する場合、2輪自転車は最大5万円、3輪や4輪自転車は最大12万円を新たに補助したり(予算総額約3700万円)、▽70歳以上の高齢者が市と市文化振興財団が共同主催する演劇や音楽などの文化芸術公演を鑑賞する場合、1回当たり1000円を助成したり(約200万円)、▽高齢者や障害者を自家用車で移送する福祉有償運送サービスを実施しているボランティア団体を支援するため、運転者に必要な講習会を市が新規に実施(66万円)などする。

3年ぶり豆まき 高安ら豪快に 土浦市宝積寺

節分の日を前に、土浦市木田余の宝積寺(飯山泰孝住職)で2日、節分会が催され、同市出身の関脇、高安(田子ノ浦部屋)と田子ノ浦親方らが豪快に豆まきをした。新型コロナの影響で一昨年と昨年は見送り、3年ぶりの開催となった。 高安は白地の着物姿で本堂の舞台に上がり、「福は内」の掛け声とともに勢いよく、福豆や福銭、菓子、おひねりなどをまいた。 本堂前には約200人の市民や相撲ファンらが集まり、歓声を挙げ、手を伸ばした。 節分会は伝統文化を子どもたちや地域住民に体験してもらおうと、木田余地区区長会、同地区こども育成会、資源保存会が開催している。 同寺の飯山住職(48)は「やはり子供たちが一番大事。(コロナ禍で中止になり)今まで寂しい思いをしていたと思うけれど、今年3年ぶりに行事が開催できて大変良かった」と話した。(榎田智司)

バス旅と食で地域の魅力発信 ホテル日航つくばが新プロジェクト

ホテルの中だけでなく、地域の魅力を知ってもらおうと、つくば駅前のホテル日航つくば(つくば市吾妻)が新規プロジェクト「つくたび」バスツアーを展開している。 ホテルの資源や周辺の地域資源を見直し、県南部の中心地にあるという立地を生かした新しい事業で、主旨に賛同した地域限定旅行業者「ラール・アワー」(同市大角豆)との協業で、昨年スタートした。 現在、第2弾として、筑波山梅まつりとつくばの地酒を楽しめるランチ付きの日帰りバスツアーを企画し、予約を受け付け中だ。開催日は3月8日。 バスツアーでは筑波山梅林を散策後、市内の酒蔵「浦里酒造店」(同市吉沼)で出来たての新酒や酒かすで作った甘酒などを味わう。いばらき地酒ソムリエS級の資格を持つ同ホテルのスタッフ林智一さんが同行し、魅力を解説しサポートする。ホテルに戻った後はホテル内のレストラン「日本料理つくば山水亭別亭」で同酒造の酒かすを使ったツアー限定のメニューを味わう。新しい日本酒の楽しみ方として、県産のドライフルーツ3種を使った「日本酒サングリア」を楽しむこともできる。参加費は1人1万9500円(税込み)。 林さんは主要銘柄「霧筑波」を造る浦里酒造について「つくばで開催されたG7科学技術大臣会合で提供されたり、新酒鑑評会で金賞を受賞したりと評価の高いお酒をかもす酒蔵」と解説する。「お酒が好きな人、地元の魅力を存分に味わいたい方たちにお薦め。出来立ての新酒の試飲やしぼりたての酒粕を使った手作りの甘酒など、普段は味わうことの出来ない特別な体験ができる」とツアーをアピールする。 いばらき地酒ソムリエの林智一さん=つくばワイナリー(同)

西友つくば竹園店、3月31日閉店へ デイズタウン1階

つくば駅に近い、同市竹園、複合商業施設デイズタウンつくばの核店舗の一つ、食品スーパーの西友つくば竹園店が3月31日に閉店する。同店店頭に「3月31日 18時をもって閉店させていただきます」とするお知らせが掲示された。店長名で「11年間、ご愛顧いただきありがとうございました」「最終営業日まで変わることなく奉仕してゆく所存です」などと記されている。 西友本社(東京都北区)広報は、閉店の理由について「店舗戦略を見直す中で、営業のトレンドや競合店など周辺環境を検討し、今後の業績改善の見込みが低いと判断したため」としている。同店が閉店すると県内の西友は、ひたち野うしく店、守谷店、取手駅前店の3店舗になる。 つくば竹園店は2012年3月に開店した。店舗面積は約1860平方メートル。来店客数や売上額などは公表していないとしている。 同店の食料品や日用品は、楽天グループがつくば駅周辺で展開している無人運転の自動配送ロボットにより近隣住民らに配達されている。閉店後どうなるのかについては、西友としてはコメントできないとしている。 1日、友人とデイズタウンを訪れた市内に住む60代女性は「近くに来たので買い物に来た。お店が少なくなるのは残念」と話していた。自転車で買い物に来た近くに住む女性(74)は「西友に閉店の看板があったのでびっくりした。この近くには自転車でぐるっと回れる範囲にスーパーが3店舗あり競合が激しいのだと思う」とし「閉店後、あとが何になるか気になる。LALAガーデンが閉店し、近くに下着などの衣料品が買える店がないので、衣料品店があれば」などと話していた。 西友が入るデイズタウンは、つくば科学万博が開催された1985年に開店したダイエー筑波学園店が前身。ダイエーが2002年に閉店し、その後、広沢土地倉庫が施設を買収し、05年にデイズタウンがオープンした。店舗は地上1階と地下1階で、1階はほかにドラッグストアやパソコン修理店、飲食店などがあり、地下1階は飲食店やカラオケ店などがある。

国も地方も政治劣化が止まらない 《地方創生を考える》27

【コラム・中尾隆友】日銀の異次元緩和が始まってもうすぐ10年になる。異次元緩和の最大の問題は、いくら政府が借金を増やしても日銀が国債を引き受けてくれるので、放漫財政が常態化してしまうということだ。 政府債務は恐ろしく膨らんだ 実際に、一般会計の総額は10年連続で過去最高を更新し、近年は補正予算の規模が数十兆円に膨らむ事態となっている。 その結果、過去10年間で政府債務は恐ろしく膨張した。税収で返す必要がある普通国債の発行残高は、2023年度末に1068兆円になる見通しだ。政府債務はGDPの2.5倍超にまで拡大し、持続的な金利上昇に脆弱(ぜいじゃく)な財政になってしまったといえるだろう。 日本の成長率は大幅に低下した それに加えて、異次元緩和は経済効率を高める金利本来の機能を損ない続けてきた。その典型的な事例は、金融機関の融資に占める不採算企業の割合が一貫して増加基調で推移してきたということだ。その帰結として、2022年末までの10年で実質GDPは4%程度しか増えず、その前の10年とほぼ変わらない低成長から抜け出せなかったのだ。 この間の日本の潜在成長率は0.8%から0.2%まで大幅に低下した。この点においても、日本は金利上昇への耐久力が著しく弱まったといえる。金利が上がっても成長率が高まっていれば、債務が膨らんでも何とかやりくりもできるだろう。しかし、逆に低くなってしまったのでは、金利が上がると利払い費に窮する局面が訪れるかもしれない。 問題は日銀よりも政治の劣化 この重大な責任は、日銀だけが負うものではない。選挙向けの安易なばらまきに終始し、構造改革を実行してこなかった政府にも大きな問題があるからだ。日銀が大規模緩和をする間、政府は構造改革を進めて経済成長率を高めていくという約束をしたはずだ。その約束を果たさなかった政府の怠慢には、非常に残念でならない。 特に2010年代以降の日本を見ていて不安に思うのは、政治の劣化が深刻だということだ。「政府がいくら赤字国債を出しても、日銀が無制限に引き受ければ問題ない」というジョークを本気で信じる政治家が意外に多いことを、皆さんはご存知だろうか。 これは国政に限らず、地方でもよく見られる現象だ。構造改革を伴わない財政拡大では、その甚大なツケを支払うのは市井の人々だということを忘れないでほしい。(経営アドバイザー)

運と感謝 《続・気軽にSOS》126

【コラム・浅井和幸】気分が落ち込んでくると感謝することなどなくなってきます。感謝するどころか、すべてが悪循環で、良いことが起こらないし、今までも良いことなんてなかったと感じるようになります。こんなに頑張っているのに、どうして自分ばっかり運が悪いのだろうかと考えるようになるものです。 過去に嫌なことばかり起こっているのだから、これからも悪いことばかり起こるだろうと予測をしてしまうのは仕方のないことでしょう。0か100かの考えを持つと、過去に嫌なことが一つでもあれば、今まですべての経験・人間関係は嫌なことばかりだったと自分に言い聞かせるように愚痴をこぼし、良いことなど一つもなかったと思い込むことでしょう。 物事は卵が先か、鳥が先かの判断が難しいことがあります。楽しいから笑うのか、笑うから楽しいのか。実際に笑顔をつくると気持ちが軽くなったり、けげんな表情をつくると集中力が上がったりということもあるようです。 さて、運が良いから感謝するのか、感謝するから運が良いのかも難しい問題ですね。運というものはよく分からないものなので、人力で変化させることは出来るものではないのでしょう。ですが、感謝するのは自分自身の考え方とか捉え方なので、繰り返し練習をすれば自然と感謝できるようになっていきます。 感謝とはありがたいと思うことやそう思ったことを相手に伝えたりすることです。うれしい、美しい、楽しい、おいしい、良い香り、良い手触り、好きな音楽―などを感じて喜ぶことです。そのものに感謝してもよいし、それをもたらしてくれたものや人に感謝を伝えてもよいでしょう。 歯が痛いと歯医者の看板が見つかりやすいように、運が良いと思っていると、ポジティブな物事を見つけやすくなるものです。運が悪いと思っていると悪いことに敏感になり、運が良いと思っていると良いことに敏感になります。 そして、感謝の気持ちを表してくれる人に、人はもっと協力をして喜んでもらえるようなことをしたくなるものです。ネガティブな気持ちをぶつけてくる人には、ネガティブな気持ちを返したくなります。 感謝の気持ちを伝えよう 人を傷つけたり攻撃したりすると、攻撃が返ってきやすい状況をつくり出します。感謝や優しさを伝えることで、自分にも感謝や優しさが返されやすくなります。攻撃も感謝も、巡り巡って忘れたときに、返ってくることもあるでしょう。それが良い運、悪い運の正体なのかもしれません。 自分が好きな人に、尊敬できる人に、出来るだけ感謝の気持ちを伝えるようにしてください。自分を楽しませてくれるものに、感謝の気持ちを向けるようにしてみてください。きっと良い運が巡ってくるようになります。そして、その運に気づきやすくなり、その運を生かせる人間になれるでしょう。(精神保健福祉士)

父が施設で亡くなった 《ハチドリ暮らし》22

【コラム・山口京子】1月15日の明け方、電話がありました。父の入所している施設の職員さんからです。「お父さんの意識がありません。救急搬送しますか? このままこちらで様子を見ますか?」と聞かれました。「救急搬送は希望しないので、そちらでお願いします」と答えると、「それでは施設の担当医に来てもらいます。また連絡します」。しばらくして再び電話が鳴り、「息を引き取りました」と言われました。 父がいる施設にデイサービスで通っている母からは「父ちゃんは食欲もあって、内臓はどこも悪くないから長生きするよ。この数日少し熱があるけれど、心配するほどではないよ」と聞いていました。亡くなる前日の夕食も普段通りに食べて就寝したそうです。 突然のことでした。私と妹たちは、両親は百歳まで生きるだろうと話していましたし、それをふまえた心積もりをしていました。こんなに突然、あっけなく、亡くなりましたという連絡が来るなんて…。年齢的には十分だと思います。ましてや苦しまずに逝ったのだから、幸せなことだ、と。89歳10カ月でした。 父は「死にたい、死にたい」とよく言っていましたが、自分の死に際して、子どもに伝えておきたいことはなかったのか? エンディングノートも、思いを記したメモもありませんでした。家計のことはすべて母にまかせて、好きにしてきた父らしいのかもしれません。 生きるという意味と価値と秩序 父の死の前に、私はだれの死の姿を見たかと記憶をたどると、母方の祖父と父方の祖父母の死でした。40年以上前のことです。「死ぬこと」が暮らしから見えなくなって久しい時代です。「死ぬこと」がめったにないことだから、かえって怖がったり恐れたりするのでしょうか。 父の遺体と向かい合い、父が自分を見ることはないんだ、自分の死はだれか他者の目によって見つめられるものだ、死は怖いことではなく、だれにでもやってくるものなのだ―と、教えられた気持ちでした。 人間が生きることにはそもそも意味も価値もないのかもしれません。ですが、社会をつくって人間が生きるとは、否応なく意味と価値と秩序がいることです。そう思います。だとしたら、どんな意味と価値と秩序で構成された社会を望むのか。 「どんな文化が、社会を存続可能にするのかに注目する」ことが求められていると指摘する社会学者がいます。私たちの時代は、どんな文化をつくってきてしまったのでしょうか。私たちを取り巻く文化は、果たして社会を存続させられるものでしょうか。(消費生活アドバイザー)

一生のうちに食べられるみかんの総量について《ことばのおはなし》54

【コラム・山口 絹記】昨年末からこっち、かなりの回数、みかんの大袋買ったはずなのだけど、私は全然食べていない。みかんたちは一体どこいったのか? 大袋といったら、12コくらいは入っているわけだ。うちは4人家族だから…7才娘と1才息子と妻と私だからね。単純に分けたら、ひとり3コ食べられる計算になる。1歳児とオトナが同じ量食べるのか、というとそれも違う気がするのだけど、今は深く考えない。いずれにせよ、一つも食べられないなら考えても仕方ない。 それでも、おかしいなぁ、なんかヘンだなぁと思ってはいて、何度か家族にみかんの行方を聞いたのだけど、毎回、「そうなの?」みたいな顔をしてごまかされていた。不穏である。 そしてつい最近、「お子さんが下痢してるのでお迎えに来てほしい」と保育園に呼び出され、早退して迎えに行ったときのことだ。お腹にくる風邪が流行しているっていうし、心配していたのだけど、帰ってきて便の状態を見て私は確信した。おまえさん、コレみかんの食べ過ぎだろう? 便というよりみかんだぞコレ。 私は、まだたいして話せない1歳児を問い詰めた。「パパだってみかんは食べたいのだ」と。「おまえさん、一体いくつみかん食べたんだ」と。「実はみんな、パパにナイショでみかん食べてるだろう」と。その時はしらを切っていた1歳児だったが、その日の夜、私が自室でひとり作業をしていると、静かに部屋に入ってきて、無言で机の上にみかんを置いた。健気(けなげ)である。 一瞬感動して抱きしめかけたのだが、息子はサッと部屋を出て、何かを持って戻ってきた。みかんの空袋である。そうか、次のみかんを買ってこいということか。一体どこでこういう主張の仕方を覚えてくるのだろう。 我が家に平和が戻りつつある とにかくその日以来、私はみかんの大袋の最後の1コを食べられるようになった。大団円なのかどうかは甚だ怪しい部分があるが、我が家に平和が戻りつつある。そんな感じである。 私は小さいころ、一人っ子だったこともあって、多くのみかんを摂取してきた。しかし今、家族が増えてほとんどみかんが食べられなくなったことを考えると、もしかしたら一生のうち自然と摂取できるみかんの総量は、おおむね一定の量に収束していくのではないかと思うようになったのだ。特に調査をしてみよう、というわけではないのだけど。(言語研究者)

行政ニュース

筑波大学開学50周年イヤー 室伏広治さん開幕告げる

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)の開学50周年イヤーが4日、金メダリストの講演で幕を開けた。記念事業シンポジウム「芸術×体育で未来を拓く」が同日、つくば国際会議場(同市竹園)で開催され、これを皮きりに10月1日の記念式典まで各種イベントが展開される。 講演する室伏さん=同 シンポジウムで講演したのは、2004年アテネオリンピックのハンマー投げで金メダルの室伏広治さん(48)。日本記録保持者で日本選手権20連覇を遂げ、16年に引退、2年前からスポーツ庁長官に就任した。4日は「スポーツで未来を創る」のテーマで基調講演を行った。 室伏長官指揮下の同庁が昨年まとめた第3期スポーツ基本計画(2022-26年度)では、少子高齢化や地域間格差の広がりの中で、学校教育を中心にしたスポーツ振興からの脱却を意図した。性別や年齢、障害、経済事情などの違いによって、取り組みに差が生じない社会を実現し、機運を醸成するとしている。「健康増進の意味からも自治体や企業へ横展開していく地域の取り組みが重要になり、つくばでぜひ率先してほしい」とアピールした。 父親(重信さん)にはハンマー投げに進むこと、練習に励むことを一度も強制されたことがないと言い、それが充実した競技生活につながった。アスリートには幅広いスポーツ体験を積むこと、指導者には勝利至上主義からの転換を求めるなどした。 筑波大学は、国内初の官立高等教育機関として1872(明治5)年、創立された師範学校を礎としており、今年、創基151年となり開学50周年と合わせて記念事業を展開する。1872年は学制公布の年であることに触れた室伏さんは「当時、夏目漱石は日本の哲学は周囲にあるもの全て動かすべからず、心の修養を積んだ挙げ句の消極の極みに達する哲理と書いている。動的な西洋のスポーツ観とは違った見方があった」と紹介、未来を創るヒントがこの辺にありそうだと説いた。

最新特集

筑波学院大ニュース

2024年度から日本国際学園大学に 筑波学院大 仙台にもキャンパス

筑波学院大学(つくば市吾妻)は1日、2024年4月1日から大学名を日本国際学園大学に変更し、新大学として開学すると発表した。併せてキャンパスを現在のつくばキャンパスに加え、仙台市に新キャンパスを設置し2キャンパス制にする。 同大学の開学準備事務局(仙台市)によると、来年4月1日にまず大学を運営する学校法人名を、現在の筑波学院大学(橋本綱夫理事長)から学校法人日本国際学園に名称変更する。翌24年4月1日に新大学を開学する。併せて24年度から、姉妹法人の東北外語学園(仙台市、橋本理事長)が運営する仙台市の東北外語観光専門学校に新たに仙台キャンパスを設置する。 現在、筑波学院大は入学定員200人で、経営情報学部ビジネスデザイン学科にILA(国際リベラルアーツ)コースと総合コースがある。名称変更後も学部や学位に変更はない。つくばと仙台のいずれもキャンパスでも学べるようになる予定だという。 同大学は、英語で授業を行ったり海外の名門大学に留学体験するILAコースを2021年度に開設するなど、英語でディスカッションやプレゼンテーションができ、国際的にも地域でも活躍できる人材育成に力を入れている。こうした取り組みを、つくば市だけでなく、東日本の中核都市である仙台でも展開し、日本を代表する大学に発展させようと取り組む。 同大学は1990年、東京家政学院が、県とつくば市の協力で筑波短期大学を開学。96年に4年制の筑波女子大学になり、2005年に男女共学の筑波学院大学になった。大学の運営は19年度から、東京家政学院から新学校法人の筑波学院大学に移り、1法人が1大学を運営する体制になった。 今回の大学開学と2キャンパスの設置は、国内外の大学入学志願者層を広げ、少子化という国内の試練を乗り越え、大学の発展と充実を実現する大きな一歩だとしている。

スタジオで配信体験、誰もがYoutuberに 土浦のインターネットテレビ局

2021年版「小中学生の将来就きたい仕事」に関する調査で男子の1位となるなど、がぜん注目のYoutuber(ユーチューバ―)を、手軽に試せる場所が土浦にお目見えした。インターネットテレビ局「Vチャンネルいばらき」(土浦市川口、菅谷博樹代表)が、Youtube(ユーチューブ)配信を始めてみたい個人や団体に、スタジオや機材の無料体験を呼び掛けている。 体験ができるのは原則的に土・日曜日、午後1時~6時のうちの1時間程度(スタッフがロケなどで不在の場合を除く)。業務用の本格的な機材やスタジオ設備を使い、オリジナルの動画コンテンツが作れる。撮影した動画は自分でユーチューブなどに投稿するほか、後日、Vチャンネルいばらきの番組の一つとして公開することもできる。 内容は、スタジオ内でできるものなら何でもOK。一例としてはトーク、セミナー、実況、音楽なら弾き語りや歌ってみた動画など。2階の貸しスペース「VBOX」(料金別途)を使えば、本格的なライティングやPAシステムで、バンドのライブやダンス・演劇などのステージも配信できる。 代表の菅谷さんは「未経験の人でもやりたいことができるよう、スタッフがお手伝いする。番組制作の雰囲気を知るだけでも刺激になるのでは」と呼び掛ける。 裏方は全部スタッフにお任せ 動画配信は最低限スマホ1台あればできるが、スタジオを使えるメリットは大きい。複数のカメラを切り替えたり、背景や別画面を合成したり、効果音やテロップを入れたりなど、さまざまな広がりが生まれる。機材のセッティングや操作はスタジオのスタッフがしてくれるほか、教えてもらって自分でやることもできる。 「自分一人で配信するときは、画像はちゃんと撮れているかな、音はどうかなとか、いろんなことが気になって、なかなか集中できない。スタジオなら裏方は全部スタッフにお任せできるので、自分はただただ配信だけを思いきり楽しめる」と話すのは、同チャンネルの番組「木曜3時のマイジェネ」で構成とキャスターを務めるフクタロー(本名・川合福太郎)さん。 「木曜3時のマイジェネ」番組画面=Vチャンネルいばらき提供 「木曜3時のマイジェネ」は、夢を追う若者たちを紹介する番組。昨年7月に始まり、すでに40回を超えた。フクタローさんは当初、裏方としてVチャンネルいばらきに参加。動画制作のさまざまな技術を身に付け、今では自身の音楽活動もミュージックビデオやライブなどの形で配信している。 配信の楽しさについては「対面とはまた違う。目の前にお客さんがいなくてもオンラインで視聴者とつながり、一緒に盛り上がれる。メッセージが直接届くなどダイレクトな反応もあり、やりがいを感じる」という。 菅谷さんは「今はだれもが発信する側になれる時代。特に若い人たちが新しい土浦の魅力を発見し、それを動画にして発信すれば、伝わり方や届く相手もいままでとは変わると思う」と期待をふくらませている。 体験費用や機材使用料は原則無料。まず希望日時を伝え、打ち合わせを経て利用となる。申し込み・問い合わせはVチャンネルいばらき(電話029-875-7255、Eメールinfo@vchannnel-ibaraki.com)。(池田充雄)