月曜日, 5月 6, 2024
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新規講座も続々 常陽藝文センターつくば教室 7月本格再開

【池田充雄】常陽藝文センターが主宰するカルチャースクール「藝文学苑つくば教室」が今年度の春期講座を再開し、受講生を募集している。 つくば教室は、2012年につくば市吾妻の常陽つくばビル内につくられた。今年度は春期講座を4月に開講したが、新型コロナウイルスの影響で4月7日から休講していた。感染の沈静化を受けて6月12日から一部講座を再開し、いよいよ7月から本格再開となる。 「今はまだ数講座だけの再開だが、受講生の方々は皆さん楽しみに待ってくださっていた。久しぶりの再会を喜び合う様子などを拝見して、単なる学びの場ではなく、集うこと自体が楽しみな、いこいの場にもなっているんだなと実感できた」と、事務局の笹沼亜希子さん。 再開にあたっては消毒や換気、座席の配置なども3密を避けるよう、感染防止に気を配りながら準備を進めてきた。 新規講座も多数用意されている。その一つ「特攻隊の故郷 茨城」(講師/伊藤純郎さん=筑波大学人文社会系教授)は、霞ケ浦・筑波山・北浦・鹿島灘での厳しい訓練と、食事や外出などの生活から、特攻隊の原風景を探り、その歴史を問い直そうというもの。7月7日から第1・第3火曜日開講、全5回。受講料は会員6600円、一般9900円。テキスト代別途。 「美味しい珈琲(コーヒー)の淹(い)れ方と楽しみ方」(講師/小池美枝子さん=コーヒーハウスとむとむつくば店、コーヒーアカデミードンマイスター主宰)は、テイスティングやラテアートなどを通じて楽しさや奥深さを学び、家庭のコーヒーをワンランクアップさせてくれる。7月11日から第2土曜日開講、全4回。受講料は会員6600円、一般8250円。教材費4400円。 「竹で編む花籠(かご)」(講師/橋本千菜美さん=竹かご作家)は、青竹のひごを使って「四海波花籠」を編む。講師の橋本さんは筑波大学芸術学群彫塑コースを卒業後、笠間などの竹細工工房で修業し、現在はつくば市北条に拠点を置く。材料の竹ひごは橋本さん自身が筑波の竹林で採取・加工したもの。工程も本来は座り仕事だが、いすに座ってできるようアレンジし、初心者でも楽しんで作業できる。8月8日(土)、全1回。受講料は会員2200円、一般3850円。教材費2000円。 このほか当初は4月開講予定だった講座も、ほとんどが7月から仕切り直しとなっており、途中からの受講も可能だ。耳よりな話題として、昨期までは火~金曜のみだった開講日に、今期から第2土曜日も加わり、平日は仕事がある人でも参加できる講座が増えている。 詳細は常陽藝文センターホームページ、申し込み・問い合わせは藝文学苑つくば教室(電話029-855-1125)。

赤ちゃんの股関節脱臼をツイッターで無料相談 つくば市の医師、中川将吾さん

【伊藤悦子】土浦のインターネットテレビ「Vチャンネルいばらき」は、12日放映の第102回NEWSつくばチャンネルのゲストに、つくば市の小児整形外科医中川将吾さんを招いてインタビューした。 https://youtu.be/t7E02K0TRAE 中川さんは、赤ちゃんの股関節脱臼の無料相談を、ツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどSNS上で行っている。 はじめは、赤ちゃんの写真や動画をツイッターに出している保護者に、アドバイスをする程度だった。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響で、乳幼児健診が中止や延期になったため股関節脱臼が見逃されてしまうことを懸念、積極的にPRしたと話す。(4月29日付) 最近は、SNSをやっていない保護者向けにLINE(ライン)でも相談を受け付けているという。 赤ちゃんの股関節脱臼は痛みがほとんどないため、気づきにくい。もし足が開きにくくおむつが替えにくい、足の付け根のしわに左右差があるなど気になった場合、専門医の受診を勧めている。 中川さんはまた、リハビリに力をいれたファミリー向けクリニックをつくば市内に設立する予定。子どもがリハビリ中に、お母さんはジムで運動したり、カフェでお茶を飲んだりできるクリニックにしたいと話している。

《茨城の創生を考える》16 茨城は対外アピール力を磨くべき

【コラム・中尾隆友】昨年、茨城県議会が茨城空港の名称を「北東京空港」に変更することを提案したが、多くの県民がこの名称に疑問を持ったことだろう。非常に浅はかな名称変更案だったと思うのは、名称に茨城の特色が表れていないばかりか、東京への距離の近さだけを謳(うた)ったものだったからだ。 最終的には専門家の意見を聞いたうえで、「茨城空港」の名称を継続することとし、英語名では「東京首都・茨城空港」「東京北空港」「首都茨城空港」などとする折衷案が出されたが、いかにもお粗末なドタバタ劇だったと思う。 県議会には失望している。提案する前に最低限やるべきことをやっていないからだ。マーケティングでデータを揃えてから、茨城の強みは何かを考えるという発想があった方がよかった。 県や各自治体のPR能力が問われる 東京への近さをアピールしたかったのは、魅力度ランキングで全国最下位だというコンプレックスから来ているのかもしれない。以前も申し上げたように、茨城県の魅力度が低い理由として、経済性や居住性が優れているため、魅力度を磨く必要性に迫られていなかったという点が挙げられる。 人々はさしたる定義がないなかで「魅力度」と問われると、まず自分が観光地として行きたいところはどこか、といったことを思い浮かべる。茨城にも牛久大仏や袋田の滝といった観光スポットは存在するが、これらは茨城のイメージを決定づけるほどの強いイメージを持っていない。 たとえば、研究機関が集積するつくば市の「科学技術」を前面に押し出していくというのはどうだろうか。つくば市では2016年にG7の科学技術大臣会合、2019年にG20の貿易・デジタル経済大臣会合が開催されている。私はG7とG20の双方で会合が開かれた都市を他に知らない。 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、都心でリモート勤務が増加し、地方へ移住するハードルが低くなりつつある。企業が地方へ移転する動機付けも強まっている。これまで以上に、県や各自治体のPR能力が問われる事態になっているのだ。そのことを強く意識して、成果を出してもらいたい。(経営アドバイザー)

《茨城の創生を考える》16 茨城は対外アピール力を磨くべき

【コラム・中尾隆友】昨年、茨城県議会が茨城空港の名称を「北東京空港」に変更することを提案したが、多くの県民がこの名称に疑問を持ったことだろう。非常に浅はかな名称変更案だったと思うのは、名称に茨城の特色が表れていないばかりか、東京への距離の近さだけを謳(うた)ったものだったからだ。 最終的には専門家の意見を聞いたうえで、「茨城空港」の名称を継続することとし、英語名では「東京首都・茨城空港」「東京北空港」「首都茨城空港」などとする折衷案が出されたが、いかにもお粗末なドタバタ劇だったと思う。 県議会には失望している。提案する前に最低限やるべきことをやっていないからだ。マーケティングでデータを揃えてから、茨城の強みは何かを考えるという発想があった方がよかった。 県や各自治体のPR能力が問われる 東京への近さをアピールしたかったのは、魅力度ランキングで全国最下位だというコンプレックスから来ているのかもしれない。以前も申し上げたように、茨城県の魅力度が低い理由として、経済性や居住性が優れているため、魅力度を磨く必要性に迫られていなかったという点が挙げられる。 人々はさしたる定義がないなかで「魅力度」と問われると、まず自分が観光地として行きたいところはどこか、といったことを思い浮かべる。茨城にも牛久大仏や袋田の滝といった観光スポットは存在するが、これらは茨城のイメージを決定づけるほどの強いイメージを持っていない。 たとえば、研究機関が集積するつくば市の「科学技術」を前面に押し出していくというのはどうだろうか。つくば市では2016年にG7の科学技術大臣会合、2019年にG20の貿易・デジタル経済大臣会合が開催されている。私はG7とG20の双方で会合が開かれた都市を他に知らない。 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、都心でリモート勤務が増加し、地方へ移住するハードルが低くなりつつある。企業が地方へ移転する動機付けも強まっている。これまで以上に、県や各自治体のPR能力が問われる事態になっているのだ。そのことを強く意識して、成果を出してもらいたい。(経営アドバイザー)

心肺蘇生のオンラインイベント開催 27日に筑波大医学生がカスミと

【山口和紀】心肺蘇生の方法を伝えるイベントが27日、つくば市天久保のスーパー、カスミ筑波大学店フリースペースで開催される。カラオケボックスではやりの曲に合わせて心肺蘇生をするイベントを開催している筑波大医学部5年の森陽愛子さん(2月7日付)が主催する。イベントはカスミの公式フェイスブックや同筑波大学店ツイッターなどでもライブ配信され「リアルとオンラインの融合企画」を目指す。 主催の森さんは以前から「大学生や社会人に楽しみながら心肺蘇生を学んで欲しい」とカラオケボックスで体験イベントを開催している。しかし、新型コロナウイルスの影響でボックスが使えなくなった。「医学生としての病院実習も緊急事態宣言の影響で自宅待機となっていて、何かできることはないか考えていた」と語る。 今回はリアルで企画を行いつつオンラインで配信することで人が密集しないよう工夫をした。企画は同店のフリースペースで開催されるが、ガラス張りなので外からも見学することができる。 当日は心肺蘇生に関するクイズを出したり、ペットボトルを使った心肺蘇生の体験などを行う。ペットボトルを使う体験は、家で配信を見ている人や店舗で見学をしている人にも参加してもらう仕掛けだ。実物大の模型を使った実演も行われる。 今回、カスミはただスペースを貸すだけでなく企画から配信の準備まで森さんをサポートするが、それにはきっかけがある。森さんは今年4月にカスミ広報誌「Cha-ble」で同社の小濵裕正会長と対談した。内容は森さんがコンテストで賞をもらった小論文「SDGsと企業」に関してだった。その中で小濵会長から「今度はカスミと一緒に何かやりましょう!」という声掛けがあったことが、今回のイベントに繋がった。 「コロナ禍にあって、カスミとお客様との関係性をもう一度見直す必要がある」と語るのはカスミの担当者だ。カスミではフリースペースなどを活用した地域の人々の交流イベントが次々に中止になっている。しかし、海外ではシェフが料理をライブ配信で紹介したり、経営者がライブ配信を行ったりするなどの取り組みが行われており、それが参考にされた。今回のイベントをオンラインで配信する目的の一つには、人々が容易に集まれない中で、地域が繋がっていくためのビジョンがあるという。 ◆イベントは27日の17時から20分程度行われ、当日の配信は以下のURLで配信される。 カスミのFacebook https://m.facebook.com/kasumi.fanpage/?locale2=ja_JPカスミ筑波大学店のTwitter https://twitter.com/kasumi398ut?s=09つくば心肺蘇生選手権のTwitter https://twitter.com/tsukuba_sosei?s=09

《ひょうたんの眼》28 新自由主義経済からの脱却が必要

【コラム・高橋恵一】新型コロナウイルス感染とその対応で、我が国の様々な実態があらわになったことに驚いた。まず、国民の命や生活を守るという意味で危機管理体制があまりにもお粗末だったこと。理知的な対策の方向も見いだせず、右往左往しているうちに、運よく落ち着いたということだろう。 支援金の支給など、緊急事態なら1週間もあれば、実施できるはず、というより、最優先しなくてはならないことを、業務の質もスピードも優れているはずの業者に手数料を払って外注した挙げ句、施策の成果が国民に届く時期は信じられないくらい遅れた。 「これで全てがつながりました」。テレビ番組「相棒」で、水谷豊扮する杉下右京警部が事件の真相を掴(つか)んだ時の決め台詞(せりふ)である。 日本はバブル崩壊後の社会経済対策として小泉構造改革を選び、政策のベースは、竹中平蔵氏に代表される新自由主義経済理論。聖域なき構造改革として小さな政府を目指し、役所や企業の効率化、スリム化を推進し、社会保障費を抑制し、医療機関を減らし、看護師や介護関係者の賃金を抑制した。その結果が、現在日本の感染症やその影響対策の実力である。 また、新型コロナウイルス後の社会経済構造を強化するとして、IT化、デジタル化を強化しようとしているが、ますます富の集中が進み、格差の拡大が懸念される。業務のアウトソーシングが進み、情報の寡占化が進むことになろう。 その受け皿になる企業体が、広告代理や印刷業などの施策・事業から仲介取りまとめ業に変身した企業や、本来の国や自治体が使命・ミッションとする業務を受注してしまう人材派遣業になっていて、膨大な利益を上げ、その企業体の幹部が政権と深くつながっていたり、経済財政策の指南役だと判明すると、権力の中枢の姿がよく見えてしまった。 次の時代への経済学的提言を 永く政権に影響力を持つ経済学者は、こういう時こそ、次の時代への経済学的提言をすべきだと思うが、日本には経済学者がいないのかもしれない。 世界では、社会経済分野の多くの学者が、中長期的な課題も含めて、様々な提言がされているが、それらを参考にすれば、日本は、PCR検査体制の確保など、第2波への対策とともに、経済活動の立て直しを進めるに当たって、失われた30年になろうとしている経済体質、個人消費の弱さの解消を図る必要がある。 日本の構造改革、スリム化は、人件費の抑制で実現したものである。「99%の貧困」を記したジョセフ・E・スティグリッツに言わせれば、効率化のため、スペアタイヤを積むのを止め、病院の病床稼働率を100%に維持する経営だ。 勤労者の賃金を上げるには、低賃金分野から改善すればよい。政府の意思で賃上げができる医療、介護の従事者の賃上げを思い切って実行すればよい。診療報酬や介護給付金は、政府の意思でできるのだ。もともと足りない所得層に金が回れば、消費にまわる率が高く、経済の好循環が実現するのだ。(元茨城県生活環境部長)

《ひょうたんの眼》28 新自由主義経済からの脱却が必要

【コラム・高橋恵一】新型コロナウイルス感染とその対応で、我が国の様々な実態があらわになったことに驚いた。まず、国民の命や生活を守るという意味で危機管理体制があまりにもお粗末だったこと。理知的な対策の方向も見いだせず、右往左往しているうちに、運よく落ち着いたということだろう。 支援金の支給など、緊急事態なら1週間もあれば、実施できるはず、というより、最優先しなくてはならないことを、業務の質もスピードも優れているはずの業者に手数料を払って外注した挙げ句、施策の成果が国民に届く時期は信じられないくらい遅れた。 「これで全てがつながりました」。テレビ番組「相棒」で、水谷豊扮する杉下右京警部が事件の真相を掴(つか)んだ時の決め台詞(せりふ)である。 日本はバブル崩壊後の社会経済対策として小泉構造改革を選び、政策のベースは、竹中平蔵氏に代表される新自由主義経済理論。聖域なき構造改革として小さな政府を目指し、役所や企業の効率化、スリム化を推進し、社会保障費を抑制し、医療機関を減らし、看護師や介護関係者の賃金を抑制した。その結果が、現在日本の感染症やその影響対策の実力である。 また、新型コロナウイルス後の社会経済構造を強化するとして、IT化、デジタル化を強化しようとしているが、ますます富の集中が進み、格差の拡大が懸念される。業務のアウトソーシングが進み、情報の寡占化が進むことになろう。 その受け皿になる企業体が、広告代理や印刷業などの施策・事業から仲介取りまとめ業に変身した企業や、本来の国や自治体が使命・ミッションとする業務を受注してしまう人材派遣業になっていて、膨大な利益を上げ、その企業体の幹部が政権と深くつながっていたり、経済財政策の指南役だと判明すると、権力の中枢の姿がよく見えてしまった。 次の時代への経済学的提言を 永く政権に影響力を持つ経済学者は、こういう時こそ、次の時代への経済学的提言をすべきだと思うが、日本には経済学者がいないのかもしれない。 世界では、社会経済分野の多くの学者が、中長期的な課題も含めて、様々な提言がされているが、それらを参考にすれば、日本は、PCR検査体制の確保など、第2波への対策とともに、経済活動の立て直しを進めるに当たって、失われた30年になろうとしている経済体質、個人消費の弱さの解消を図る必要がある。 日本の構造改革、スリム化は、人件費の抑制で実現したものである。「99%の貧困」を記したジョセフ・E・スティグリッツに言わせれば、効率化のため、スペアタイヤを積むのを止め、病院の病床稼働率を100%に維持する経営だ。 勤労者の賃金を上げるには、低賃金分野から改善すればよい。政府の意思で賃上げができる医療、介護の従事者の賃上げを思い切って実行すればよい。診療報酬や介護給付金は、政府の意思でできるのだ。もともと足りない所得層に金が回れば、消費にまわる率が高く、経済の好循環が実現するのだ。(元茨城県生活環境部長)

最盛期の産地、天童を応援 27日土浦でサクランボフェア

【伊藤悦子】土浦市観光協会(土浦市中央)は27日、「天童のサクランボ応援セール」として、山形県天童市で生産のサクランボ「佐藤錦」を販売する。「サクランボの王様」と呼ばれる人気品種で、甘味と酸味の絶妙なバランスが特徴。土浦、天童両市は観光物産等相互交流協定を締結している。 例年の「天童フェア」では、天童市と同市観光物産協会の職員が土浦を訪れ、土浦市と同市観光協会の職員で協力して実施していた。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響のため、今回は土浦市と同市観光協会の職員のみで対応する。市観光協会の浅川善信主任によると、「天童市からの移動も大変ではないか。代わりに販売することを伝えた」という。 天童市観光物産協会の堀武美主任は、電話の取材に「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、サクランボ狩りを自粛、中止にした農家も多く、観光客も減って打撃を受けた」と答える。「今年の佐藤錦は豊作で味もかなりおいしい。特に土浦で販売する27日ごろは最盛期。ぜひ天童のサクランボを味わって」とアピールしている。 今回は贈答用1キロ詰めが50箱、200グラム入りは320パックを販売する予定。天童特産の漬物なども販売する。 天童市と土浦市は江戸時代末期、天童市内の8村が、土浦藩領だったことが縁で、2000年に相互交流協定を締結。互いに観光交流、特産品の販売を行っている。今年は20周年にあたる。 ◆「天童のサクランボ応援フェア」 27日午前10時~午後3時、土浦まちかど蔵(中央1丁目)と小町の館(小野)の2会場で。問い合わせは土浦市観光協会(電話029-824-2810)

《平熱日記》64 コロナと自治会

【コラム・斉藤裕之】この新興住宅地に越してきたある日のこと。自治会の班長なるもののお役目が回ってきた。月に1度開かれる会議は、正直気が重かった。読めばわかる配布物の説明やなんやらで、午前中の2時間が潰れる。だが、新参者の私としては黙って聞いているしかない。 元々は、となり組のようなものから発生したらしい自治会。当時は意味があったのだろうが、今や東京都の自治会加入率は5割。武蔵野市は自治会のない街として公言までしているらしい。人によっては、災害時などには重要な役割を果たすというが、そんな時は誰だって助け合うものだ。 自治会は本当に必要なのか。例えば、必要な情報はネット検索可能だし、自治体も積極的に情報を流している。そろそろ2回目の班長が回ってきそうだ。ろくに読みもしない回覧板を回すたびに、自治会の意味を考えてしまう。 ところで、人里離れた山中の家を訪ねる番組が人気という。さぞかし不便で寂しいのだろうと思いきや、案外気楽で楽しそうな暮らしぶりに、人は人生の原点を見るのかもしれない。例えば、多くの場合、ポツンと離れた家の方を麓の村人はご存じである。 翻(ひるがえ)って我が家はどうだろう。両隣の方のお名前ぐらいは存じているが、一本裏の通りにどんな方がお住まいなのか全く知らない。果たして、どちらがポツンとしているのか。 「そういえば、町会費集めに来ないね」 ちょうどこの原稿を書いている最中、たまたま今日のポツンの放送は、なんと故郷の海辺の一軒家。馴染みの風景や言葉が懐かしい。番組ではご家族が楽しそうに釣りをしている。昨年の春、弟の船に乗ってまさにこの海でカミさんと釣りをした海だ。 新型コロナで生活は変わるのか? 仕事や家族、社会、教育、生き方…。自粛中に家の中の断捨離(だんしゃり)をした人は多いと聞くが、世の中の仕組みもこの際変えていくいい機会かもしれない。例えばリモートワークが可能ならば、こんな海辺の近くに住むことも不可能ではないし、地方に首都機能を分散させることもいいのではないか。 そんなことを考えていると、余計に自治会なるものが不要のものに思えてきた。そもそも入脱会は任意なのだ。このたまに遭遇する「任意」という半ば強制。そうだ、「長いものには巻かれろ」的な時代とはオサラバだ。ということで、思い切って班長宅に赴き、脱会の旨を伝えた。やーれ、せいせいした。 「そういえば、町会費集めに来ないね」とある日のカミさん。実はかくかくしかじかで、自治会を脱会したことを打ち明けた。するとカミさん、「今すぐ取り消してきて!」と切れ気味。公僕のはしくれであるカミさんの立場としては、自治会は触れてはいけない琴線であった。 結局、渋々班長さんに再入会の申し入れをした不甲斐ない私なのであった。少しイギリスの苦悩が分かった? シンクグローバル、アクトローカル! いや、もっとパーソナルでいいんじゃない!(画家)

《平熱日記》64 コロナと自治会

【コラム・斉藤裕之】この新興住宅地に越してきたある日のこと。自治会の班長なるもののお役目が回ってきた。月に1度開かれる会議は、正直気が重かった。読めばわかる配布物の説明やなんやらで、午前中の2時間が潰れる。だが、新参者の私としては黙って聞いているしかない。 元々は、となり組のようなものから発生したらしい自治会。当時は意味があったのだろうが、今や東京都の自治会加入率は5割。武蔵野市は自治会のない街として公言までしているらしい。人によっては、災害時などには重要な役割を果たすというが、そんな時は誰だって助け合うものだ。 自治会は本当に必要なのか。例えば、必要な情報はネット検索可能だし、自治体も積極的に情報を流している。そろそろ2回目の班長が回ってきそうだ。ろくに読みもしない回覧板を回すたびに、自治会の意味を考えてしまう。 ところで、人里離れた山中の家を訪ねる番組が人気という。さぞかし不便で寂しいのだろうと思いきや、案外気楽で楽しそうな暮らしぶりに、人は人生の原点を見るのかもしれない。例えば、多くの場合、ポツンと離れた家の方を麓の村人はご存じである。 翻(ひるがえ)って我が家はどうだろう。両隣の方のお名前ぐらいは存じているが、一本裏の通りにどんな方がお住まいなのか全く知らない。果たして、どちらがポツンとしているのか。 「そういえば、町会費集めに来ないね」 ちょうどこの原稿を書いている最中、たまたま今日のポツンの放送は、なんと故郷の海辺の一軒家。馴染みの風景や言葉が懐かしい。番組ではご家族が楽しそうに釣りをしている。昨年の春、弟の船に乗ってまさにこの海でカミさんと釣りをした海だ。 新型コロナで生活は変わるのか? 仕事や家族、社会、教育、生き方…。自粛中に家の中の断捨離(だんしゃり)をした人は多いと聞くが、世の中の仕組みもこの際変えていくいい機会かもしれない。例えばリモートワークが可能ならば、こんな海辺の近くに住むことも不可能ではないし、地方に首都機能を分散させることもいいのではないか。 そんなことを考えていると、余計に自治会なるものが不要のものに思えてきた。そもそも入脱会は任意なのだ。このたまに遭遇する「任意」という半ば強制。そうだ、「長いものには巻かれろ」的な時代とはオサラバだ。ということで、思い切って班長宅に赴き、脱会の旨を伝えた。やーれ、せいせいした。 「そういえば、町会費集めに来ないね」とある日のカミさん。実はかくかくしかじかで、自治会を脱会したことを打ち明けた。するとカミさん、「今すぐ取り消してきて!」と切れ気味。公僕のはしくれであるカミさんの立場としては、自治会は触れてはいけない琴線であった。 結局、渋々班長さんに再入会の申し入れをした不甲斐ない私なのであった。少しイギリスの苦悩が分かった? シンクグローバル、アクトローカル! いや、もっとパーソナルでいいんじゃない!(画家)

茨城アストロプラネッツ、神奈川に黒星 土浦でホーム開幕戦

【池田充雄】プロ野球独立リーグのルートインBCリーグで活動する、茨城アストロプラネッツのホーム開幕戦が21日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で行われた。今季リーグ初参戦の神奈川フューチャードリームスに2-6で敗れ、前日のアウェー開幕戦と合わせ、1分1敗という悔しいスタートとなった。 4回に一挙4点を失う 新型コロナの影響で約2カ月半遅れの開幕を迎えたBCリーグ。試合前の挨拶で茨城の上杉泰賀主将は、野球ができる喜びと医療関係者への感謝を語った。 ホーム開幕戦の先発を務めたのは小沼健太投手。自粛期間中も状況をポジティブにとらえ練習に専念したという。「オープン戦の延長のつもりで初回から飛ばした」と3回まではいずれも3人で抑える立ち上がり。3回裏に茨城は2死一、三塁から井川翔のタイムリーで1点を先制。低めのボールをうまくすくい上げ、センター前へと運んだ。 しかし4回表、神奈川の逆襲に遭う。連続ヒットで無死一、三塁とされ、3番打者の打球は併殺コースだったが二塁・松浦大知のファンブルで同点。さらに2点タイムリーと犠飛で計4点を失う。「走者が出て考えすぎて配球がばらばらになり、そこを突かれてあたふたしてしまった」と小沼。自粛明けで実戦不足の影響が出たようだ。 茨城は6回裏、上杉主将の右越え三塁打で1点を返し2-4とするが、9回表には3人目の日下滉貴が無死一、二塁から右越え二塁打を浴び、ダメ押しの2点を失って試合を終えた。 5-5で引き分けた前日の埼玉武蔵ヒートベアーズ戦(熊谷さくら運動公園野球場)と合わせ、1分1敗のスタート。坂克彦監督は「相手が必死に抑えようとしてくる中、漠然と打ちにいっても勝てない。自分の打席だけでなく9人全員の対戦データを活用し、頭を使って打ち崩してほしい」と打線にさらなる奮起を促した。 独自の運営テストも実施 試合は無観客で開催されたが、スタンドにはチーム関係者のほか、「有観客を想定した運営テスト」に協力した約15人のモニター観戦者がいた。 このテストは茨城アストロプラネッツ独自の試み。来るべき有観客試合の開催に向けて、観客の安心安全を確保しつつ試合を盛り上げられるよう、どのような問題点があるのか把握し、改善につなげるため実施した。 内容は入場から観戦後の退場までの導線確認や、ソーシャルディスタンスを保った観戦時の座席感覚の確認、適切な応援方法の確認など。観戦者はファンクラブ会員から募集し、試合後はインターネットでアンケートに答えてもらい、その結果を対策に反映させていく。 テストは今後も毎回のホームゲームで行っていき、7月10日を目途に有観客試合に移行したいとの考え。新型コロナウイルスの収束度合は地域によって異なるため、判断は各球団に任されている。

《邑から日本を見る》66 コロナ後の食料自給対策を

【コラム・先﨑千尋】新型コロナウイルスのまん延による緊急事態宣言はひとまず解除された。しかし、世界各国の状況を見ると、終息には程遠く、わが国でも第2波、第3波が押し寄せる可能性が高い。 平時の時、首相も自治体の長も極端に言えば、誰でも務まる。法律、予算があり、わが国では、統治機構もしっかりしているからだ。しかし、緊急時にはそうはいかない。東日本大震災、東京電力福島第1原発の事故の時がそのいい事例だ。誰も遭遇したことがない。予算も人もマニュアルもない。トップは、瞬時にどう対応するかの判断を下さなくてはならない。 今回の新型コロナウイルスの来襲による初期対応は、国により対応がまちまちだったが、わが国ではどうだったのか。これまでのところ、わが安倍首相は落第だとのちに評価されるのではないか。ダイヤモンド・プリンセス号の対応に始まり、小中高の突然の閉校、アベノマスクの全戸配布、10万円の給付など、やることなすことすべてが首相とその側近によるきまぐれ、場当たりで進められた。 わが家にもやっとマスクが届いたが、農業専業なのでほとんど出かけることはなく、「不要不急」の代物だ。必要度が高い病院などに配った方がいいと考えた。そのマスクだが、国産ではなく、中国から輸入されたものだそうだ。一時、高値で転売されていたころがあったが、緊急時に手に入らないことから、これが食料だったらどうなっていただろうか、と余計な(?)心配をしたのだ。 世界経済はグローバル化し、カネさえあれば、いつでも買える世の中になっていた。コロナのまん延が瞬く間に広まったのもグローバリゼーションのせいだ。しかし、今度のコロナ騒ぎで国境閉鎖があちこちで行われ、わが国でもまだ続いている。 休眠田畑を復活させ食糧備蓄を倍増 問題は医療物資だけではない。国連食糧農業機関(FAO)や世界保健機関(WHO)は、人の移動禁止による労働者不足により、農産物の生産量が減少し、食料不足になると警鐘を鳴らしている。世界的な食料不足ともなれば、各国は医療物資以上に自国第一主義に走るのが目に見えている。政府は自国民を飢えさせるわけにはいかないのだ。 農水省のデータでは、わが国の食料自給率はカロリーベースで37%、生産金額ベースで66%、飼料自給率はわずか25%と先進諸国で最低水準であり、国境閉鎖、輸入が止まれば国民の多くは「食うに困る」状態に陥る。現に、外国人の労働者に頼っている大規模農家は、人の行き来がストップしており、どこでも悲鳴を上げている。 宇沢弘文さんという経済学者がいた。彼は「社会的共通資本」という言葉を広めたことで知られている。「一つの国ないしは地域に住む人々が、豊かな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間として魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような自然環境や社会的装置」のことを言う。 自然環境にはいろいろ含まれるが、農業はその基本になる。今日、農業がずたずたに切り裂かれ、農民が農業では生活できないところまで追い込まれている。休眠田畑を復活させ、食糧備蓄を倍増する。そのための生産者を国策として援助する。そうしない限り、食料危機に対応できない。今ならまだ間に合う。(元瓜連町長)

《邑から日本を見る》66 コロナ後の食料自給対策を

【コラム・先﨑千尋】新型コロナウイルスのまん延による緊急事態宣言はひとまず解除された。しかし、世界各国の状況を見ると、終息には程遠く、わが国でも第2波、第3波が押し寄せる可能性が高い。 平時の時、首相も自治体の長も極端に言えば、誰でも務まる。法律、予算があり、わが国では、統治機構もしっかりしているからだ。しかし、緊急時にはそうはいかない。東日本大震災、東京電力福島第1原発の事故の時がそのいい事例だ。誰も遭遇したことがない。予算も人もマニュアルもない。トップは、瞬時にどう対応するかの判断を下さなくてはならない。 今回の新型コロナウイルスの来襲による初期対応は、国により対応がまちまちだったが、わが国ではどうだったのか。これまでのところ、わが安倍首相は落第だとのちに評価されるのではないか。ダイヤモンド・プリンセス号の対応に始まり、小中高の突然の閉校、アベノマスクの全戸配布、10万円の給付など、やることなすことすべてが首相とその側近によるきまぐれ、場当たりで進められた。 わが家にもやっとマスクが届いたが、農業専業なのでほとんど出かけることはなく、「不要不急」の代物だ。必要度が高い病院などに配った方がいいと考えた。そのマスクだが、国産ではなく、中国から輸入されたものだそうだ。一時、高値で転売されていたころがあったが、緊急時に手に入らないことから、これが食料だったらどうなっていただろうか、と余計な(?)心配をしたのだ。 世界経済はグローバル化し、カネさえあれば、いつでも買える世の中になっていた。コロナのまん延が瞬く間に広まったのもグローバリゼーションのせいだ。しかし、今度のコロナ騒ぎで国境閉鎖があちこちで行われ、わが国でもまだ続いている。 休眠田畑を復活させ食糧備蓄を倍増 問題は医療物資だけではない。国連食糧農業機関(FAO)や世界保健機関(WHO)は、人の移動禁止による労働者不足により、農産物の生産量が減少し、食料不足になると警鐘を鳴らしている。世界的な食料不足ともなれば、各国は医療物資以上に自国第一主義に走るのが目に見えている。政府は自国民を飢えさせるわけにはいかないのだ。 農水省のデータでは、わが国の食料自給率はカロリーベースで37%、生産金額ベースで66%、飼料自給率はわずか25%と先進諸国で最低水準であり、国境閉鎖、輸入が止まれば国民の多くは「食うに困る」状態に陥る。現に、外国人の労働者に頼っている大規模農家は、人の行き来がストップしており、どこでも悲鳴を上げている。 宇沢弘文さんという経済学者がいた。彼は「社会的共通資本」という言葉を広めたことで知られている。「一つの国ないしは地域に住む人々が、豊かな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間として魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような自然環境や社会的装置」のことを言う。 自然環境にはいろいろ含まれるが、農業はその基本になる。今日、農業がずたずたに切り裂かれ、農民が農業では生活できないところまで追い込まれている。休眠田畑を復活させ、食糧備蓄を倍増する。そのための生産者を国策として援助する。そうしない限り、食料危機に対応できない。今ならまだ間に合う。(元瓜連町長)

再開した「小町の館」に季節の草花 土浦中央ロータリーが寄贈

【池田充雄】土浦中央ロータリークラブ(土浦市真鍋、菊地廣輝会長)が10日、土浦市小野の体験交流施設「小町の館」に季節の草花のプランターを寄贈した。ポーチュラカ、ペチュニア、サフィニア、インパチェンス、赤と青のサルビア、鶏頭、日日草などを寄せ植えした8基が本館の玄関前に飾られ、訪れる人を癒している。 同クラブは社会奉仕事業の一環で、市役所大屋根広場など土浦市内を花で飾ろうと活動。小町の館では本館裏の芝桜の丘や、朝日トンネル下のポケットパークの藤棚なども整備した。 今年4月に餅つきイベントを小町の館で計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により中止を余儀なくされ、緊急事態宣言の解除を受けて今回の花の寄贈を実施した。「当館は4月9日から5月末まで休館し、6月2日に再オープンしたばかり。タイミングよく花を贈っていただき、来館者にも評判がいい」と館長の岡田良一さん。 同館ではそば店「小町庵」やふれあいホールなども席数を減らし、感染対策を万全にして営業再開。そば打ち体験は参加人数を減らして募集し、すでに一部は定員に達したそうだ。周辺では朝日峠のハイキングやパラグライダーにも人が集まるなど、徐々ににぎわいを取り戻しつつある。

コロナに負けるな!カヌーやキャンプ、サイクリングで元気に

https://www.youtube.com/watch?v=3khVds7eLsA 【伊藤悦子】19日放映の土浦のインターネットテレビ「Vチャンネルいばらき」、第101回NEWSつくばチャンネルは、霞ケ浦で遊覧船を運航するラクスマリーナ(土浦市川口)取締役の秋元昭臣さんをゲストに迎えて話を聞いた。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で霞ケ浦やマリーナのイベントもキャンセルが続いたが、社員の「コロナに負けず頑張ろう」の気持ちで、同社のマスコットキャラクター「まりりんちゃん」が「コロナに勝つ!頑張ろう!」と呼び掛ける缶バッジを作ったと話す。 また緊急事態宣言の解除を受け、予約制のカヌー体験や霞ケ浦湖畔でのキャンプなどのイベントを始めたという。(5月28日付) ラクスマリーナでは広域レンタサイクルも楽しめる。敷地内には土浦駅から歩いて行けるキャンプ場でもあるので、外出自粛していた分、たっぷり楽しんでほしいと秋元さんは話した。また自宅で霞ケ浦温泉を味わいたい人には、温泉宅配もあるそうだ。

スマホで小中学生の体温・体調管理 つくば市など導入 医療相談アプリLEBER

【相澤冬樹】医療相談アプリ「LEBER(リーバー)」を運営するAGREE(アグリー、本社・つくば市、伊藤俊一郎社長)は19日、五十嵐立青つくば市長、小田川浩つくばみらい市長らの同席でオンライン記者会見を行い、両市の市立小中学校で導入された児童・生徒向け体温・体調管理ツールについて説明、学校版「新しい生活」の標準となるモデルをつくばから提示すると意気込んだ。 両市は6月8日からスマートフォンアプリ「LEBER」を利用して体温・体調管理ができる「LEBER フォースクール」を導入した。検温結果の記録と簡単な体調の報告をセットにするツールで、入力結果は自動的に学校に送信される。 アプリには毎朝、検温を促すプッシュ通知が送られ、入力を忘れることなく体温を計る習慣づけがなされる。保護者は、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症等の健康観察票」に準拠した、体調に関する簡単な質問への回答を加え、データを自動送信する。書類の記載や手渡しなく教育機関に伝わったデータはグラフ化などにより容易に管理でき、教職員の負担が大幅に軽減される仕組みだ。 「LEBER」は登録ユーザーがスマホを操作して医師と相談するアプリ。チャットスタイルの自動問診で、「痛い」「かゆい」などの症状を伝えると、これを見た医師から最速3分で回答が届き、最寄りの医療機関や適切な市販薬などがアドバイスされる。24時間365日相談できる。新型コロナの感染拡大を受け、病院での受診に悩む患者や家族からの利用が拡大、茨城県内では9月末まで無償提供されている。(4月9日付) AGREEの伊藤社長によれば、医療相談に対応する医師数は270⼈以上まで確保されており、両⾃治体で約2万6000⼈に及ぶ児童・⽣徒の家庭による登録にも⼗分な体制が整っているとした。さらに7月には「健康予報」機能を備えたリニューアルバージョンの発表も予定しているという。 児童・生徒向け体温・体調管理ツール「LEBERフォースクール 」は滑り出したばかりで、つくば市の実績は未集計だが、つくばみらい市では約4600人いる児童・生徒の77%が登録を済ませた(15日現在)。小田川市長は小学生で42%、中学生で44%にとどまっている検温の実施率向上が課題と報告した。 五十嵐市長は、学校に通う自分の子供に検温結果を聞くのが「毎朝のコミュニケ―ションになった」と言い、withコロナ時代の「新しい生活」に安心・安全を担保できるツールとして世界中の都市に送り出したいと語った。 医療相談事業には医師登録を通じて筑波⼤学付属病院が協⼒を開始したことから、同大学の永田恭介学長も会見に参加。オープンイノベーションによる全学的な学際プロジェクトである「つくば未来都市プロジェクト」に、筑波大発ベンチャー事業であるLEBERを積極的に取り込んでいく姿勢を打ち出した。

地銀とネット証券が共同店舗 「筑波銀行SBIマネープラザ」開設 県内初

【相澤冬樹】共同店舗「筑波銀行SBIマネープラザ」が19日、土浦市真鍋新町にオープンした。筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)が、インターネット証券大手、SBI証券の子会社であるSBIマネープラザ(本社・東京都港区、太田智彦社長)とタイアップして設けた。SBIがインターネットで取り扱ってきた株式、投資信託、債券などの金融商品を対面販売で提供する。 SBI証券は2017年から全国の地銀と提携を開始し、同行が12行目。マネープラザは15店舗目、県内では初の開設となる。SBIマネープラザが有する株式などリスク性商品を含む営業活動のノウハウと、筑波銀行が培ってきた地域の産業と生活に密着した営業活動の融合を図る。これにより、顧客は対面コンサルティング営業による質の高いアドバイスとともに、さまざまな金融商品・サービスを利用できるようになるという。 店舗は土浦市真鍋新町の「すまいるプラザ土浦」と「筑波ほけんプラザ土浦」内に併設。当初は5月中の開設をめざし準備を進めていたが、新型コロナウイルスの影響から1カ月遅れでのオープンとなった。 雨中での開店となった19日、オープン行事には生田頭取、太田社長に加え、高村正人SBI証券社長も出席してテープカットを行った。生田頭取は「筑波銀行が本店を構える土浦を足場に、機動力で茨城県の東西南北に営業を広げていきたい」、太田社長は「いっそうの地方創生に貢献していきたい」とそれぞれあいさつした。 運営はSBIの足立謙一郎店舗長ら5人体制で、同行からは2人が出向する。足立店舗長は「インターネットでは対応しきれない幅広い金融商品のニーズに対面で応えていきたい。まずは地域の富裕層を顧客に想定してるが、土浦には特に厚みがあると感じており、ここを足場に営業を広げていきたい」と抱負を語った。 ◆筑波銀行SBIマネープラザは土浦市真鍋新町20-22、電話029-825-7113。営業は平日のみで、時間は午前9時~午後5時。

世界最大の木造犬もマスク つくばわんわんランド

筑波山の麓にある日本最大級の犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田、東郷治久代表)のシンボルで、世界最大の木造犬モニュメント「モックン」がマスクを着用した。 新型コロナウイルス感染拡大防止の意識をさらに高めてもらおうと、白いシーツを縫い合わせてスタッフが手作りした。12日から着用している。首の部分には「コロナに負けるな!!」のメッセージも掲げている。 木造犬は高さ11メートル、黄色がボディーカラーで、今年の元日にお披露目された4代目。マスクの大きさも縦2.4メートル、横5.3メートルと巨大。 同園は県などの休業要請を受けて4月22日から5月17日まで約1カ月間休園し、5月18日に再開した。再開後は、来園者にマスクを着用してもらったり、園内各所に消毒スプレーを設置しひんぱんに手洗いをしてもらっている。さらにチケット売り場や売店にビニールシートを張ったり、園内各所にあるテーブルや座席の間隔を広げたりと、さまざまな感染防止対策を講じている。 「園のシンボルであるモックンにもマスクを着用させることで、感染拡大防止の意識をさらに高めてもらえたら」と同園。 同園には約500匹の犬と約30匹の猫がいる。休園期間中の犬の餌代や引退した老犬の薬代などの支援を呼び掛けており、3日からクラウドファンディング(6月6日付)を実施している。17日時点で890人から660万円を超える支援が寄せられ、すでに第1目標の500万円を達成した。現在は第2目標の800万円達成に向け引き続き支援を呼び掛けている。

19年度のサイクリスト9万3000人に つくば霞ケ浦りんりんロード 

【山崎実】県スポーツ推進課がまとめた自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の2019年度利用者は9万3000人で、前年度比約1.15倍の増加をみせた。18年度実績は8万1000人。 全長約180キロに及ぶりんりんロードが昨年「ナショナルサイクルルート」に指定され、土浦駅に「星野リゾートBEB5土浦」がオープン、同駅ビルが日本最大級のサイクリングリゾートに生まれ変わったことも加わり、茨城のサイクルツーリズム人口は確実に増加傾向にある。 県と沿線9市町村で構成するつくば霞ケ浦りんりんロード利活用推進協議会(会長・大井川和彦知事)が運営する広域レンタサイクルも、昨年度の利用台数が3115台と、18年度実績の2594台から約1.2倍増加した。 特に沿線11カ所の施設からどこでも自転車の貸出・返却が可能な広域レンタサイクルは、ナショナルサイクルルート指定後の昨年11月から今年3月までの利用台数が1134台と、前年同月の679台から約1.7倍に急増した。 県はさらにサイクルツーリズムを推進するため、傷んだ路面のリニューアルや、休憩所の改修、岩瀬駅と水郷潮来バス ターミナルに、りんりんロードの起点・終点を示す看板を設置するなどの取り組みを進めている。 また今後についても沿線のビュースポットの整備や周辺観光施設、観光地への案内板の設置を予定するなど、官民連携による地域活性化を目指していく。 一方、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、土浦駅ビル1階のサイクリング拠点「りんりんスクエア」が4月14日から5月17日まで休館、広域レンタサイクルも4月11日から5月17日まで休業し、いずれも5月18日に再開したばかり。首都圏との不要不急の移動は6月18日まで自粛が要請されており、厳しいスタートとなっている。

障害者に感染が迫った時… 必要な支援受けられず不安 つくばの男性

【川端舞】新型コロナウイルス感染の危険性が身近に迫った時、障害者は公的な支援を受けられるのだろうか。つくば市在住の30代男性は、同居家族の職場で感染者が出た影響で、一時、介助サービスや訪問看護を中断されてしまった。 訪問看護とヘルパー派遣が中断 男性は全身の筋肉が次第に弱くなる難病があり、車いすで生活し、24時間呼吸器を使用している。現在、2つのヘルパー派遣事業所から週に平均22時間ヘルパーを派遣してもらい、トイレ介助や車いすへの移乗、痰(たん)の吸引、お腹に開けた穴から直接栄養を入れる経管栄養の介助などを受けながら、家族と同居している。また血中酸素濃度などの体調確認やマッサージのための訪問看護も、週1回受けている。 3月末、同居している母親の職場で新型コロナの感染者が出た。男性の母親は感染者と直接接触したことはなかったが、男性も感染する危険性があるとして、訪問看護が一時中断されてしまった。さらに訪問看護の中断を理由に、2つのうち1つのヘルパー事業所からの派遣も中断されてしまった。そのため、ヘルパーの介助を受けられる時間が普段の半分になり、その分、母親に介助の負担がいつも以上にかかってしまい、その影響で母親は2週間仕事を休まざるを得なかった。 職場での感染発覚の4日後に男性の母親はPCR検査を受け、同日陰性が確認されたが、訪問看護とヘルパー派遣は約3週間、中断された。 訪問看護が中断された間、往診の医師は普段通り来てくれたこともあり、問題はほとんど起きなかった。しかし、新しいヘルパーが男性の介助に入る時は、訪問看護の看護師に痰の吸引や経管栄養の方法を教えてもらう必要があるため、元通りに訪問看護を受けられるようになるのか心配だったと男性は語る。 「ヘルパー派遣だけでなく、体調維持に不可欠な訪問介護まで中断されてしまって不安だった」とAさんは振り返る。訪問看護の中断がもとで、ヘルパーの訪問も中断されてしまったこともあり、訪問看護に疑問を抱いてしまったという。 未曽有のコロナ禍で、訪問看護やヘルパー派遣の現場も対応に苦慮しているはずだ。日常的な支援が必要な重度障害者に新型コロナの感染が疑われた時、どうすれば支援者も利用者も安心して、支援を継続できるのか。今後、第2波の危険性がある中で喫緊の課題である。

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