火曜日, 4月 30, 2024
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《ひょうたんの眼》25 原発事故対応の失態を教訓に

【コラム・高橋恵一】クラスター。パンデミック。オーバーシュート。ロックダウン。新型コロナウィルスの感染拡大に伴って登場した「用語」である。行き過ぎた感染拡大、市民の移動や生活・経済活動が制限される都市封鎖。つまり、日本も武漢やイタリアのようになる可能性があるということだ。メッセージは明解さが必要だ。 新型ウィルス感染は、治療薬も予防ワクチンも無いので、国民はどうしたらよいのか分からない。人混みは避けて手洗い、うがい、マスクを使用する。風邪の症状が出て、体温37.5度が4日間続く間は自宅で静かにしている。それまでは感染の有無の検査もしない。ただし、重症化している人は医者にかかる。つまり、仮に感染しても重症化する人は少ないから、少々の発熱や体調不良の人は我慢していろというわけだ。 日本の初期対応は、武漢封鎖は中国国内の問題と見て、感染者が出た大型クルーズ船の乗客を上陸させず、水際作戦で感染を封じ込めるはずが、日本におけるクラスターの第1号にしてしまった。酒と美食のパーティー、社交ダンスあり、カジノあり。豪奢(ごうしゃ)だが不健康な環境下で、当然のように感染拡大した。情けないのは、政府もマスメディアもこのクルーズ船だけを見ていた。 国内での感染が出始め、国民の不信感を感じとると、首相は突然、小中高学校の休校を言い出し、続く記者会見では、検査体制の整備とマスクなどの供給体制を「次の週」までに整えると発言した。メディアも国民も、少なくとも「スグ」と受け取った。 結果、検査は増えず、店頭にはマスクも消毒用アルコールも並ばなかった。首相は「スグ準備に取り組む」と言ったのだという、「得意のご飯論法」だが、なんと記者会見から2カ月になろうというのに、まだ準備体制のままだ。このようなときのトップリーダーの言動は国民の命にかかわる。マスコミの追及も緊迫感がない。 新型コロナ 危機を見据え全力対応を 東京オリンピックについても、首相は「完全な形での開催」と、意味不明のことを言い出した。どうやら延期の伏線だったようだ。オリンピックも気になるが、新聞もテレビもそこに集中してしまう。感染拡大の危機から逃げようとしているみたいだ。いずれにしても、世界が新型感染症との「戦争」を終えなければ、オリンピックができないのは明らかだ。優先されるのは地球人民の生命の安全だ。 武漢の感染情報から2カ月半、首相の記者会見から2カ月。日本のナノテクノロジーを動員すれば、万能のマスクを生み出せるかも知れない時間だ。検査の完全実施による感染者の実態把握、感染爆発に対応できる医療体制の確保、国民の感染防止活動の徹底。野党も含めた政治とマスメディアは、危機を正面から見据え、全力で対応すべきだ。耳障(ざわ)りのよい「掛け声」ではなく、施策として。 9年前の津波による原発被災で、旧型の原発の廃炉を惜しんで、海水による冷却の決断ができなかったときのような、大失態を起こさないことだ。なにが大切か。国民の命を守らなければならない―政府とマスメディアの真価が問われる。(元茨城県生活環境部長) ➡高橋恵一さんの過去のコラムはこちら

《ひょうたんの眼》25 原発事故対応の失態を教訓に

【コラム・高橋恵一】クラスター。パンデミック。オーバーシュート。ロックダウン。新型コロナウィルスの感染拡大に伴って登場した「用語」である。行き過ぎた感染拡大、市民の移動や生活・経済活動が制限される都市封鎖。つまり、日本も武漢やイタリアのようになる可能性があるということだ。メッセージは明解さが必要だ。 新型ウィルス感染は、治療薬も予防ワクチンも無いので、国民はどうしたらよいのか分からない。人混みは避けて手洗い、うがい、マスクを使用する。風邪の症状が出て、体温37.5度が4日間続く間は自宅で静かにしている。それまでは感染の有無の検査もしない。ただし、重症化している人は医者にかかる。つまり、仮に感染しても重症化する人は少ないから、少々の発熱や体調不良の人は我慢していろというわけだ。 日本の初期対応は、武漢封鎖は中国国内の問題と見て、感染者が出た大型クルーズ船の乗客を上陸させず、水際作戦で感染を封じ込めるはずが、日本におけるクラスターの第1号にしてしまった。酒と美食のパーティー、社交ダンスあり、カジノあり。豪奢(ごうしゃ)だが不健康な環境下で、当然のように感染拡大した。情けないのは、政府もマスメディアもこのクルーズ船だけを見ていた。 国内での感染が出始め、国民の不信感を感じとると、首相は突然、小中高学校の休校を言い出し、続く記者会見では、検査体制の整備とマスクなどの供給体制を「次の週」までに整えると発言した。メディアも国民も、少なくとも「スグ」と受け取った。 結果、検査は増えず、店頭にはマスクも消毒用アルコールも並ばなかった。首相は「スグ準備に取り組む」と言ったのだという、「得意のご飯論法」だが、なんと記者会見から2カ月になろうというのに、まだ準備体制のままだ。このようなときのトップリーダーの言動は国民の命にかかわる。マスコミの追及も緊迫感がない。 新型コロナ 危機を見据え全力対応を 東京オリンピックについても、首相は「完全な形での開催」と、意味不明のことを言い出した。どうやら延期の伏線だったようだ。オリンピックも気になるが、新聞もテレビもそこに集中してしまう。感染拡大の危機から逃げようとしているみたいだ。いずれにしても、世界が新型感染症との「戦争」を終えなければ、オリンピックができないのは明らかだ。優先されるのは地球人民の生命の安全だ。 武漢の感染情報から2カ月半、首相の記者会見から2カ月。日本のナノテクノロジーを動員すれば、万能のマスクを生み出せるかも知れない時間だ。検査の完全実施による感染者の実態把握、感染爆発に対応できる医療体制の確保、国民の感染防止活動の徹底。野党も含めた政治とマスメディアは、危機を正面から見据え、全力で対応すべきだ。耳障(ざわ)りのよい「掛け声」ではなく、施策として。 9年前の津波による原発被災で、旧型の原発の廃炉を惜しんで、海水による冷却の決断ができなかったときのような、大失態を起こさないことだ。なにが大切か。国民の命を守らなければならない―政府とマスメディアの真価が問われる。(元茨城県生活環境部長) ➡高橋恵一さんの過去のコラムはこちら

《邑から日本を見る》60 改正特措を改憲の実験台に? やめて!

【コラム・先﨑千尋】今や世界中にコロナウイルスが蔓延(まんえん)。アメリカやスペイン、ニューヨーク市などは非常事態宣言を出し、20日に米国務省は全国民に渡航中止、帰国を勧告した。今、世界各国で人や車両の移動制限、工場の閉鎖、国境閉鎖、集会の禁止、統一地方選挙の延期など、人とモノの移動に大幅な制限がかけられている。 わが国でも、先月に専門家会議とかが「ここ1~2週間が山場」と言っていたが、感染の拡大は止まらないでいる。茨城県でも17日に感染者が出て、県や関係企業などはあたふたしている。前回の本欄でも触れたように、私が関わりを持つ研究会や講演会、集会、法事などはすべて中止か延期になり、手持無沙汰(てもちぶさた)。農業に専念できる。 そんな中、13日には新型インフルエンザ等対策特別措置法(改正特措法)が成立した。この法律では、新型コロナウイルスの流行で国民生活に甚大な影響が生じると判断した場合、首相は期間と区域を定めて「緊急事態」を宣言し、都道府県知事が外出自粛や休校、工業施設の利用制限などができる。 この改正案の審議はわずか3日。立憲民主党の一部、共産党などが反対したが、圧倒的多数で国会を通過した。しかし、日本弁護士連合会や憲法学者などから反対の声明が出されている。また、新聞の論調もおおむね自制的だ。 国民生活の混乱、経済対策は後回し その疑念は、政府が宣言を出す際の手続きが不透明、あいまいだということにある。安倍首相は専門家会議に諮ると言っているが、その専門家は政権に都合のいい人しか選ばれないのではないか。第一、国会で議論しないで、「一気呵成(いっきかせい)に、間髪を入れず、これまでにない発想で」(首相の記者会見での発言)非常事態を宣言されたら、私たちはたまったものではない。政府が「緊急やむを得ない」と判断すれば、伝家の宝刀はいつでも抜けるのだ。 安倍首相は、一斉休校やイベントの自粛を、専門家や官房長官、文科大臣などの取り巻きの反対を押し切って独断で決めた。国民生活の混乱、経済対策などは後回し、人権への配慮も見られない。まず、ダイヤモンド・プリンセス号での集団感染の実態解明をなすべきだ。 首相主催の「桜を見る会」をめぐる数々の疑惑、隠蔽、法解釈変更による東京高検検事長の定年延長問題など、直近の動きを見ると、「法の支配」を軽視する安倍政権の姿勢は鮮明ではないか。 「特措法の改正は改憲の布石ではないか」と見る考えもある。自民党の改憲草案には「外国からの武力攻撃や内乱、地震などの大規模災害の発生時には『緊急事態』を宣言し、内閣が法律と同じ効力を持つ政令を制定できる」とある。暴虐極まりなかったナチスドイツのヒトラーも、合法的なやり方で「全権委任法」を国会で制定し、反対勢力を駆逐した。 自民党の伊吹文明元衆議院議長は、1月の派閥の会合で「新型肺炎の緊急事態に対し、憲法に保障されている個人の移動の自由、勤労の自由、居住の自由をどう制限するか。改憲の大きな一つの実験台と考えた方がいい」と述べている。コロナ感染を改憲の実験台にされてはかなわない。わが国で緊急事態が宣言されれば、オリンピックは確実に吹っ飛ぶ。(元瓜連町長) ➡先崎千尋さんの過去のコラムはこちら

「あそび大集合」も休館続く 春休みのつくばエキスポセンター

【相澤冬樹】春休みの子供たちに用意したメニューが日の目を見るか、つくばエキスポセンター(つくば市吾妻、中原徹館長)が新型コロナウイルス感染症をめぐる動静に気を揉んでいる。同センターは20日、従来24日までとしていた休館期間を4月7日まで延長すると発表した。これにより、企画展「かわったあそびが大集合!-つくって・ためして・かんがえる」の開催も宙に浮いている。 企画展は当初、20日から6月7日までの会期を予定していた。ねじやストローなど身近な素材やタブレット端末を触ったり操作したりして、遊びのなかに興味を見つける体験型のイベント。「キッチンオーケストラ」「ストローの森」など6つのテーマ、9つのコーナーを用意した。19日には報道機関向けの内覧会まで開き、休館明けの25日にスタートできる態勢を整えていた。 20日になって、政府が一斉休校の延長をしない方針を打ち出たが、県内で感染患者が確認された状況を踏まえ、休館の再延長を決めた。再開は早くても4月8日以降となる。 同館運営部は「子供たちが室内で、ものや道具に触って遊ぶ企画だけに、換気や除菌には十分に配慮して開催しようと準備していた。こういう時期だからこそやりたかった」と残念がる。6月7日までの会期が残っている限り、中止ではなく延期で開催のタイミングをうかがっていくという。 同センターの「休館期間の延長について」は随時更新される。電話: 029-858-1100 ➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら

《続・気軽にSOS》57 不安と「うつ」の効能

【コラム・浅井和幸】新型コロナウイルスの脅威に振り回されている今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 世間の潮流には逆らえず、いくつかの相談会やギターの演奏会が、私の意志とは関係なく中止となりました。4月以降のイベントも、まだ開催できるかどうか分からない状況です。 この様な状況で、いろいろと不安が大きくなっていることと思います。未知なものは、何が起こるか分からないという不安を掻き立てます。マスクや消毒グッズが売り切れるばかりか、トイレットペーパーやティッシュペーパーまでが買い占められ、店頭から姿を消した時期がありました。 不安が大きいと、必ずデマが流れますね。ちょっとしたことでも、安心したいために、このような情報に飛びついて行動してしまうのです。 この不安ですが、あまり大きすぎてコントロールが出来なくなると、うつ病になることがあります。うつ病とまで行かなくても、気分が晴れない、意欲が出ず落ち込んでいる状態になることがあります。抑うつ状態というものです。 不安も抑うつ状態も、何の役にも立たずに苦しいだけなので、無くなって欲しいと捉えがちですが、実は、この二つにも立派な役割があります。 リスクマネジメント 何もしないことも必要 不安は、将来起こるかもしれない危険に対して備えることに役立ちます。不安になるから、勉強をしたり、危ない場所を避けたり、保険をかけたり、貯金したりという、リスクマネジメントが出来るのです。 不安がゼロのポジティブ全開の状態に憧れることもあるでしょう。しかしそれは、自分の車の運転技術を過信して、保険にも入らず、スピードを落とさず、急なカーブに突っ込んでいくようなものです。不安な予測から、ブレーキをかけ、適切なスピードにしなければいけませんよね。 では、抑うつ状態はいかがでしょうか。何もやりたくない、だるいような状態の何がよいのでしょうか。それは、怪我をしたときや病気をしたとき、疲労がたまっているときに有効です。骨折をしているのに元気に走り回っていては、骨がつながりにくいでしょう。 また、風邪をひいたときは、じっとしていて休んでいたほうが回復しやすいものです。疲労も、休憩もとらずに働いていては回復しません。(軽い運動をした方が、疲労が回復しやすいのは、今回は置いておきます) 一見、無くなってしまったほうがよいと思われる、ネガティブな感覚である不安や抑うつ状態でも、必要だからあるのです。だから、それを上手く利用していくことを考えてみて欲しいなと思います。 不安なんてなくなれ、抑うつ状態だから自分は不幸なんだ、これさえなければ…、と繰り返すだけでは、余計につらくなるだけですよ。(精神保健福祉士) ➡浅井和幸さんの過去のコラムはこちら

《くずかごの唄》57 二重螺旋でダンスを

【コラム・奧井登美子】1953年、ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックがDNAの二重螺旋(らせん)構造を提唱した。新聞記事でそれを読んだ、当時大学生の私たち。二重螺旋の形が、カイモク解らなかった。今なら小学生でも知っている形である。 「新聞に書いてある二重螺旋ってどんな形なの?」 「螺旋が二つに分かれているのかしら?」 「違う、違う、螺旋が絡まっているのではない」 「二重に絡まるって、どういうこと?」 「ほら、こういう風に手を絡ませて、あなたの手と」 「手だけでは二重にならないわよ、足も絡ませないと…」 「みんなで、二重螺旋のダンスをやってみましょうよ」 「螺旋の形のダンスは難しいわよ」 「曲はどうするの?」 「ワルツにする? タンゴ?」 「タンゴの方が似合うわよ」 5~6人で、ああでもないこうでもないと言い合って、二重ダンスごっこをした。 高校で生物の時間に、タバコモザイクウイルスが針のような結晶の形をしていると教えられてからは、ウイルスの形の独特さに魅せられてしまって、今度はどんな形のウイルスが出て来るかと、心待ちにしていた世代である。 新型コロナウイルスの形。どこのテレビにも、同じ写真が1枚出ている。果たしてどんな形をしているのだろう。今の技術で不明なのがなんだか怪しい。(随筆家、薬剤師) ➡奥井登美子さんの過去のコラムはこちら

筑波大、新学期開始延期あるか 五輪対応で難しい選択

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国の大学で新学期の開始時期を数週間から1カ月程度延期する動きが始まっている。すでに入学式の中止を決定した筑波大学はどうなるのか。NEWSつくばの取材に対し大学は、新学期開始時期の延長措置を「検討中」だと回答した。 筑波大は春学期と秋学期の2学期制を導入している。東京オリンピックの時期に授業が行われないようにするため、もともと春学期をおよそ3週間短縮し土曜授業を行う変更措置を行っていた。 首都圏では、東京理科大学が開始を5月に延期することを決定した。その他、早稲田大学や明治学院大なども既に延期の決定をしている。 筑波大も難しい選択を迫られる状況だ。厚労省の専門家会議は、3つの条件が重なる場合に感染リスクが高く、これらの環境を出来る限り避けるべきと発表した。①換気の悪い密閉空間②多くの人が密集③近距離での会話や発声―の3条件だ。大学の授業はこれらの条件が重なることが多いため、授業の開始時期をずらす大学が多い。 しかし、筑波大には開始時期を後ろにずらすことが難しい事情がある。大学は昨年3月にオリンピック期間中に授業や試験を原則行わないと発表。例年よりも3週間ほど春学期を短縮し、代わりに計8回の土曜授業を行う。元々春学期は変則的なスケジュールを組んでいた。 学生の3/4が土曜授業に反対 筑波大の学生組織「全学学類専門学群代表者会議」が2019年10月に行ったアンケートによれば、回答した学生の75%がオリンピックに伴う土曜授業に「反対」している。さらに、筑波大学新聞の調査によれば工学システム学類、情報科学類の2学類は「予習や復習に学生が使う時間が減ることなどを考慮」し土曜授業を行わないことを既に決定している。 オリンピックに伴う土曜授業の決定によって特に大きな影響を受けるのは教職課程の履修者だ。例年、教職課程科目は土曜日に集中講義という形で授業を行う場合が多くあった。特に小学校教諭免許に関わる科目は土曜日に行っていた。 それらの授業は、今年は日曜日と、オリンピックに関わる変更後に空いているいくつかの土曜日に移されたり、春学期の授業を秋学期に移したりすることで対応する。 このような状況の中、新型コロナウイルスの影響でさらに春学期の開始時期を遅らせるとなれば混乱は必至だ。 NEWSつくばの取材に対し、筑波大は春学期の延期措置は「検討中。現時点で公表可能な情報は無い」と回答。オリンピックに関わるカリキュラムの変更を行っている以上は開始時期の延期措置は難しいのではないか、という質問にも「検討中」と回答している。 ➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら

星野リゾート19日開業 土浦駅ビル セレモニーは実施せず

【鈴木宏子】土浦駅ビル(土浦市有明町)、プレイアトレ土浦3~5階に19日、「星野リゾートBEB5(ベブファイブ)土浦」(宮越俊輔総支配人)が開業する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開業セレモニーやイベントは実施せず静かなオープンとなる。 BEB5土浦は若者をターゲットにしたホテルで、同ブランドの開業は軽井沢に次いで全国で2カ所目。若者の旅行離れが進んでいることを背景に、若者の価値観に合わせた新しい旅のスタイルを提案し、需要掘り起こしにチャレンジするホテルとなる。 ホテルの開業により駅ビルを運営するアトレ(東京都渋谷区)が2017年から取り組んできた「日本最大級のサイクリングリゾート」の形が完成する。 一方、新型コロナウイルスの影響で現在の予約状況は、週末は県内や首都圏から、家族連や自転車愛好者などの予約が入っているものの、ビジネス客を見込んでいた平日は影響が出ているという。 自由なスタイルでルーズに 土浦駅改札口と直結し、改札口向かいがホテルの入り口となる。駅ビル全体と統一されたガレージのような雰囲気のデザインで、自転車に乗ったまま入ることができる。 フロントのロビーには、さまざまな形のテーブルが置かれ、ゆったり座れるいすやソファーが40~50席並ぶ。24時間利用できる「TAMARIBA(たまりば)」で、本やテーブルゲーム、大画面のテレビなどが備えられている。カフェも併設されているが、飲食物を持ち込むことも自由だ。照明は時間帯によって変化し、星野リゾートならではの空間が演出される。 若者にとって旅行は、かしこまって遠くに出掛ける旅ではなく、日常の先のちょっとした旅行であるという独自の市場調査を基に、仲間と集まって、それぞれがルーズに、自由なスタイルで滞在できるよう、居心地の良い場を提案する。スタッフは20~30代が多く、窮屈感やストレスを感じさせないよう私服で対応する。 客室は90室。自転車で入室できる。1人1泊6000円(2人用、税別)から利用でき、全員が29歳以下のグループの場合、3人1室1万2000円(1人4000円、税別)の特別プランも用意ある。 若者のほか、自転車愛好者や、駅直結の立地条件を生かして平日はビジネス客もターゲットとする。 4階には、静かに仕事ができるワークスペースが設置され、平日はビジネス客がリモートワークをしたり、週末は自転車愛好者が自転車を修理したりできる。 状況踏まえ改めてイベント 一方、新型コロナウイルス対策として客室のドアノブやエレベーターのボタン、フロントのチェックインタッチパネルなどの消毒を1日数回、徹底して実施し、安心して過ごしてもらえるようにする。 新型コロナウイルスの状況を踏まえ、改めてイベントなどを開催する予定だという。サイクリングを初めて経験する自転車ビギナーの若者に、県や土浦市、プレイアトレ土浦などと一緒に、自転車に触れてもらう機会やサイクリングの楽しみを提案したり、大学のゼミなどとの協働イベントなども検討しているという。 宮越総支配人(45)は「県内の近距離の方にも仲間と集まる場所として気軽に利用していただければ」と語り、「地域を盛り上げることも使命としているので、地域と取り組めることがあればコラボしたい」などと話している。 ➡土浦駅ビルの過去記事はこちら

「疾風に負けない勁草に」 筑波学院大で卒業式

【鈴木宏子】筑波学院大学(つくば市吾妻)の2019年度卒業式が12日、同大で実施された。望月義人学長は「疾風に負けない勁草(けいそう)として社会を歩み、皆さんの能力と資質を、世のため人のため、社会や地域に還元していただきたい」と告辞を述べた。 経営情報学部ビジネスデザイン学科の学生と国際別科の留学生計120人が卒業した。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、保護者や在校生、来賓などの出席を断り、卒業生と教職員のみで執り行った。スーツやはかま姿の卒業生は全員マスクを着用し、消毒液で手洗いをして入場、それぞれ約1メートル離れて着席した。会場の通気性を良くするため式典の最中は窓や扉が開けたままにされ、式次第も橋本綱夫理事長のあいさつを省くなどして、例年の半分の30分間に短縮した。 告辞で望月学長は、新型コロナウイルスの影響や異例の形となった今年度の卒業式に触れ「一個人の運命は世の中の事象に左右されることがあるが、日常が大きく揺らいだとき普段は気付かない大切なものの意味や価値に気付く」と述べた。その上で中国、後漢書の故事「疾風に勁草を知る(強い風が吹けば吹き飛ばされない強い草が分かる)」を紹介し、「人生の価値は富や地位でなく、常に自らを磨くため努力を続け進化を遂げていく姿がまぶしく映る。まっしぐらに進むだけでなく、時に肩の力を抜いて一息ついて周囲を見渡すことも忘れないでほしい」と話した。 卒業生代表として答辞を述べた安部未鈴さんは「先生方から多くを学び多くの知識を得ることができた。進む道はそれぞれ違うが、ここで学んだことを人生の糧とし社会に貢献していきたい」と述べた。 ➡筑波学院大学の過去記事はこちら

【震災9年】脱原発訴え つくばで市民集会

【崎山勝功】東日本大震災と福島第1原発事故から丸9年を迎えた11日、脱原発と護憲を訴える「3.11から9年 さよなら原発!守ろう憲法!昼休み集会」がつくば市吾妻のつくばセンター広場で開かれた。市民ら約50人が参加し、東海第2原発の再稼働反対などを訴えた。 市民団体「戦争をする国づくりNO@つくば」と「安倍9条改憲NO!市民アクションつくば連絡会」の共催で行われた。 集会では、東海第2原発の再稼働の是非について県民投票を実施するよう直接請求に取り組んでいる「いばらき原発県民投票の会」の徳田太郎共同代表(47)が発言し、署名集めの現状について「昨日(10日)の時点で(有権者の50分の1の約4万9000筆を超える)約8万筆の署名をいただいている。つくば市では(市内)有権者の5%を越える1万筆の署名をいただいた」と県南地域で関心が高いと話した。その上で「私たち一人ひとりが考え、悩み、選択していく。私たちの民主主義は始まっている」と県民投票の意義を説いた。 集会では「首都圏で唯一の東海第2原発は、稼働40年を超す古い原発で、周辺30キロメートル圏に94万人が住む危険な原発」だとして、再稼働反対などを訴えるアピールを採択した。 新型コロナ影響、デモ行進取り止め 同集会は震災後、毎年3月11日に行われている。例年は集会後、つくば駅周辺をデモ行進するが、今年は新型コロナウィルス感染拡大の影響でデモ行進を取り止め、屋外集会のみの実施となった。今年は感染拡大防止のためマスク姿で参加した市民が多く見られた。 集会後に取材に応じた徳田共同代表は「県南は総じて他の地域に比べ県民投票への関心が高い。何といっても高齢の方の関心が高かった。逆に言うと若い世代に関心を持ってもらうのが今後の課題」だと述べた。 ➡震災9年の関連記事はこちら

《続・平熱日記》57 女化神社の初午は中止せず

【コラム・斉藤裕之】誠に不謹慎ながら「学級閉鎖」というものに憧れさえ持っていた。しかし子供のころは少々の熱があっても学校に行かされたし、そんなことでへこたれるようではいけないと教育された。おまけにインフルエンザの検査なんかもなかったので、出席停止などという制度もなかった。だから「学級閉鎖」はテレビや新聞の中のどこかよその国の言葉のようだった。 ところが、首相の一言で学級どころか日本中の学校が突然閉鎖されてしまった。相手は目に見えない未知のウイルスである。それも、なんとも正体不明のやりにくい相手だ。この見えざる敵に政府以下も振り回され、そのドタバタぶりに批判もあろうが、簡単に人を死に追いやるほどの強力な敵でないのがまだ救いか。 それにしても集会やイベントはことごとく中止。ついにはあのアミューズメントパークさえも休園となる中、中止という知らせがなかったのは女化(おなばけ)神社で開かれる初午(はつうま)である。 初午とは2月の午(うま)の日に、稲荷(いなり)と稲成りの語呂(ごろ)合わせからか、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願って開かれるもので、女化神社では食べ物から農具や刃物などの店が並ぶ市が立つ。私が毎年楽しみしているのは、意外かもしれないが「めざし」である。ちょうどいい大きさの、絶妙な干し具合の美味なめざしを売る店があって、まさにそこをめざして行くのである。この自粛のご時世の中、初午中止の知らせはついになかった。 マスク教の信者にならないように  当日は雨の予報だったので、朝早くに神社を訪れた。食べ物や雑貨の露店はいつもより少な目に思えた。 案の定、お目当てのめざし屋はいなかったので、代わりに豊洲から来たというおやじの店でシラスを買った。一緒に行った友人は、出店準備中の籠(かご)屋の老夫婦から二つばかり籠を買った。聞けば、埼玉の深谷から来ているとのこと。私はシュロの箒(ほうき)を買った。厄(やく)を掃き飛ばす?縁起物だとこじつけながら。値段はそれ相応で、決してカミさんに言えるほど安くはなかったが。 帰りに、すぐ近くのお茶農家の澤ちゃんのところに立ち寄って、美味しいお茶をいただきながら、買ってきた大判焼きをほおばった。澤ちゃん曰く「昔は大型バスが何台も来るぐらいのお祭りで、お店もいっぱいだったんですよ…」。実は、毎年恒例の「沢田茶園、新茶摘みとピザ」のイベントを中止したい旨のメールを、昨日、澤ちゃんからもらったところだった。 さて、新型コロナ(正式名称は発表されたが誰もそう呼ばない)の一日も早い収束宣言を願うばかりだが、人は学ばない。子供たちには学校が休みだったという思い出とともに、今起こっている事実を冷静に論理的に理解し行動する術(すべ)をこの際学んでほしいと思う。トイレットペーパーを買い漁る大人や、非科学的なマスク教の信者にならないように。 それから、初午にも行ってほしいと思った。もともとはハロウィンのような歳時記(さいじき)でもあるらしい。今年は3月の中旬に二度目の午の日がある。(画家) ➡斉藤裕之さんの過去のコラムはこちら

《邑から日本を見る》59 これは新ファシズムではないのか

【コラム・先﨑千尋】従兄弟の家から1周忌の法事を中止するという電話があった。農協時代の仲間の久しぶりの懇親会も取り止めるという。5日に予定していた、夭折(ようせつ)の天才画家と言われた寺門彦壽の作品を那珂市に寄贈する贈呈式も延期という連絡。埼玉からは「むのたけじ地域・民衆ジャーナリスト賞」受賞の集いを延期するというはがきが届いた。 このほかに、私が参加、出席を予定していた研究会、講演会、集会などがすべて取り止めか延期になってしまっている。私が住んでいる那珂市では、図書館や公民館などの公共施設が6日から閉鎖された。市内のもろもろの団体の活動ができなくなってしまった。 この1カ月余り、テレビも新聞も新型コロナウイルスのことばかりだ。安倍首相の唐突な要請を受け、全国の公立小中高がほとんどすべて休校になった。その影響も伝えられているが、半端ではない。子供もその親も、先生方もとまどっている。学校給食が中止になり、牛乳、パン、おかずの食材納入業者は困り切っている。仕事を持つ母親は大変だ。北海道のある病院は170人もの看護師などが休まなければならず、運営に支障をきたしているそうだ。 県内では、偕楽園の行事が中止になり、鹿島神宮の重要な祭頭祭も延期される。東京では、歌舞伎座や帝国劇場の公演も中止だそうだ。学生の一生を左右する会社説明会も相次いで取り止めになり、大相撲、高校野球は無観客試合になるとか。各地のイベント、ジムなども自粛させられている。デパートや観光地の客足が減るなど経済活動は停滞し、世間全体が窒息状態になってしまっている。 「戦時体制」の再来? それだけではない。安倍首相は、今週中に新型コロナウイルスの感染を防ぐための特別措置法を制定しようとしている。誰も正面切って反対しにくい空気だ。この法案の目玉は、首相が「緊急事態宣言」を出せることだ。 この宣言で想定される措置の内容は、すでに行われている「住民への不要不急の外出自粛。学校や社会福祉施設の使用制限。映画、音楽、スポーツなどの興行場の使用制限要請、指示」のほか、「臨時医療施設のための土地や建物の強制使用、医療品や食品の収用」ができるというもの。「戦時体制」の再来ではないか。 今回の学校の一斉休校措置は、菅官房長官や萩生田文科大臣ら側近の声を聞かず、今井首相補佐官の提言で性急にことを進めた、と伝えられている。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号で、厚労省の医師や専門の職員が入船したのにどうして感染が広まったのか、止められなかったのかという検証はされず、一斉休校の科学的根拠も示されていない。さらに、学校だけでなく、社会全体が受け入れ態勢が整わないまま、首相の鶴の一声で権力を行使する。 憲法や法律の解釈を自分に都合のいいように変え、改元の一連の動きの時のように天皇ですら自分の下に置くという今の首相だから、自分が動かしやすい法律を作り、天下に号令をかけることなど簡単なことだと思っているようだ。これは新しい形のファシズムなのではないか。(元瓜連町長) ➡先崎千尋さんの過去のコラムはこちら

オンラインで自由研究を支援 臨時休校でつくばの研究者ら

【鈴木宏子】新型コロナウイルスへの対応で臨時休校となる子供たちの自主学習を支援しようと、つくば市は、同市で臨時休校が始まる6日から、児童・生徒の自由研究を研究者がインターネットでサポートする「つくばこどもクエスチョンオンライン」を実施する。 市内には約150の研究機関があり約2万人の研究者が働いていることから、臨時休校と春休みの6日から31日までの期間中、つくばの研究者が子供たちの自由研究をサポートする。 インターネットサイト「つくばSTEAM(スチーム)コンパス」のこどもクエスチョンオンライン上で研究者と対話しながら、子供たちが「なんでだろう」と考えたり「これをつくりたい」と思ったりなど、空想して問いや仮説を立て、探究するプロセスをサポートする。 同サイトから、研究者たちが作成した科学の面白さを分かりやすく伝える動画を、動画サイトYouTubeで見てもらう。「見えないものを見る」「原子は何からできている?」「アサガオの花色変化実験」などさまざまなテーマで最先端の科学が分かりやすく紹介されている。 メールで質問、研究者から回答 子供たちには動画を見て研究テーマを考え、自由研究の研究計画を立ててもらうという試み。同サイトから研究テーマシートをダウンロードして、研究を通して何を実現したいか、どうしてその研究をしたいと思ったのか、最初にやる研究は何か、研究をどの順番でどうやって進めるか、研究を進めるために読む本、研究のために行きたい場所などを書き込み、研究計画書をつくる。 さらに、自由研究を進める中で研究者に聞いみたいと思ったことを、同サイトの質問フォームに書いてメールしてもらう。質問に対しては研究者本人がメールで回答する予定だ。 ほかに子供たちから寄せられた質問を、研究者がリアルタイムで回答したり解説するオンライン相談会を計3回、YouTubeで配信する。質問への回答やオンライン相談会には現時点でつくばの研究者約20人と司書らが協力予定で、協力者はもっと増える見込みだという。 作成した研究計画書はメールや郵送でつくば市役所に送ってもらう。研究結果に対してではなく、研究の道筋をどのように作ったかを審査し、優れた研究計画書に「つくば研究者賞」を授与する。 研究者への質問や研究計画書の応募はつくば市内の小中学生でないとできないが、同サイトから科学の面白さを伝える動画を見たり、研究テーマシートをダウンロードして書き込むなどはだれでもできる。 同市では今年2月、子供たちが研究者のサポートを受けながら研究プランを作る科学教育体験イベント「つくばこどもクエスチョン2020」を市役所で開催した。同イベントでの体験を生かし、臨時休校中に子供たちの自由研究をオンラインで支援する。

グランプリは審査員長絶賛のコメディー作品 つくばショートムービーコンペ

【池田充雄】つくばからの文化発信と次世代の才能発掘を目指す短編映画祭「つくばショートムービーコンペティション2020」(つくば市、筑波学院大など主催)の審査結果が3日に発表された。応募総数165作品の中から「ストレスフルスイング」(監督/制作・山村もみ夫。)がグランプリに輝き、賞金10万円を獲得した。 グランプリ作の「ストレスフルスイング」は、ストレス解消のためバッティングセンターに来た男のストレスがどんどんたまっていく話。山村監督は「キャスト、スタッフ全員の力で取った賞だと思います。今後も見てくれた方の娯楽になれるような作品を作っていけたらと思います」とコメントした。同作品はつくば市の姉妹都市であるフランス・グルノーブルで開催の「第43回グルノーブル屋外短編映画祭」に出品され、渡航費が補助される。 つくば市長特別賞を受賞したのは「おもいでの町」(監督・日原進太郎、制作・おだのこ)。旧小田小学校で開かれたワークショップ「こども映像教室~小田のまちを撮ってみよう!」から生まれた。同作品は市施設の大型ビジョンで定期上映される。当初は賞金5万円が予定されていたが、制作者の4人が小学生のため映画鑑賞券に変更された。副賞はつくば市名産品。 筑波学院大学長賞は「適度なふたり」(監督/制作・柴田有麿)。遠距離で暮らしていた新婚夫婦の初めての共同生活を通じて、夫婦になるとはどういうことかを描いた。アニメーション作品が対象のウィットスタジオアニメーション賞は「PIANOMAN」(監督・児玉徹郎、制作・ECHOES)。ショートショート部門賞は「惣菜」(監督/制作・野村穂貴)。高校生対象のワコムスチューデント賞は「蝉の声、風のてざわり」(監督/制作・﨑村宙央)。 佳作は、▽「Share the Warmth」(監督・村田朋泰)▽「LIFE」(監督・設楽馴)▽「Stability Place」(監督・福井優太)▽「裸の男」(監督・井上喜介)▽「つくばランタンアート」(監督・長浜貴男)の5作品(制作者名は省略)。市民審査員賞は今回、上映会の中止により該当なしとなった。 同コンペは10分以内の短編映像作品が対象で、映像ジャンルは自由。つくば市で撮影したカットを含む「つくば部門」、自由なテーマでオリジナリティある作品を作る「自由部門」、3分以内の作品を対象とする「ショートショート部門」からなる。一次審査を経て、2月29日に上映会と表彰式を含む最終審査会を開く予定だったが、新型コロナウイルス感染症予防対策のため中止され、審査会のみ非公開で実施された。 審査員は映画「奇跡のリンゴ」「殿、利息でござる!」などで知られるつくば市小田出身の中村義洋監督、アニメ「進撃の巨人」などで知られつくば市内に制作拠点を持つウィットスタジオ、五十嵐立青つくば市長、望月義人筑波学院大学長、つくば観光大使が務めた。 至福の時間を過ごせた 中村義洋審査員長の話 どの作品も愛にあふれ、そこに「創る意味」を見出すことができ、至福の時間を過ごさせていただいた。グランプリの「ストレスフルスイング」は脚本良し、芝居良し、編集(テンポ)良し、大いに笑わされ、第1回から個人的にこだわってきた「映画が好き! 楽しませるのが好き!」という選出基準を存分に感じさせてくれた。「惣菜」と「蝉の声、風のてざわり」は、これが高校生の作品かと驚かされた。 日原進太郎監督の話 子どもたちと一緒に制作した作品が、ワークショップ内の上映会に留まらず、賞を頂けたことが大変うれしい。子どもたちが作文に書いた思い出も、切り取った風景も、彼らの私的なものに過ぎません。しかし、人々の些細な思い出が詰まった町だからこそ、守り、残して行かなければならない。その想いを踏まえ「おもいでの町」を制作しました。このテーマはどの町にだってある普遍的なもの。小田を越えて、ぜひ多くの人に見てもらいたい。

4月から屋内全面禁煙へ 県が改正法周知を徹底

【山崎実】受動喫煙防止を柱とする改正健康増進法が4月1日から全面施行されるのに伴い、飲食店などが原則、屋内禁煙になるため、茨城県は法改正の周知徹底に取り組んでいる。 同法では昨年7月、学校、病院、保育所・子ども園など児童福祉施設、行政機関の庁舎などでの敷地内禁煙が実施された。 4月からはオフィスや事業所、ホテル・旅館、理・美容室、公衆浴場、百貨店、飲食店、娯楽施設など、昨年7月に実施された以外のすべての施設で原則、屋内禁煙となる。 受動喫煙防止対策が法律で義務化されるわけだが、一方で一定の条件を満たせば、「喫煙専用室」「加熱式たばこ専用喫煙室」、経過措置として「喫煙可能室(店)」などを設置することができる。さらに「喫煙室」には標識掲示が義務付けられる。 これは▽望まない受動喫煙を無くす▽受動喫煙の影響が大きい子供や患者などに特に配慮する▽施設の類型・場所ごとに対策を実施するーことが目的。 一方、改正法の全面施行を前に、不況感や人手不足、新型コロナウイルスなど課題は山積している。隣の福島県では県議会最大会派の自民党議員会が、受動喫煙防止を目的とする条例策定の検討に着手した。改正法施行をめぐる動きは茨城県もこれからが本番だが、各業界関係者からは「経営的に厳しくなる」という声が強い。 支援策として国が、喫煙室の設置など技術的な相談窓口や、財政・税制上の支援制度を設けている。問い合わせは次の通り。 ▽受動喫煙防止対策助成金の問い合わせ=厚労省茨城労働局・労働基準部健康安全課(電話029-224-6215) ▽受動喫煙防止対策に関わる相談支援=日本労働安全衛生コンサルタント会(電話050-3537-0777) 県関係では、県保健福祉部健康・地域ケア推進課、県内保健所・健康増進課が改正法の啓発、周知活動を行っている。

《吾妻カガミ》76 わたしたちのテレワーク

【コラム・坂本栄】新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ネットを使ってできる仕事は自宅でやってくださいと、テレワークが推奨されています。当サイトは作業の多くを以前からテレワークに依存していますので、今回はこの辺りの話を取り上げます。 新聞など活字メディアの編集作業は、取材→執筆→点検→表示といった流れになります。昔はこの過程に人的な接触が介在していましたが、現在は、執筆=パソコン、原稿送り=メール、デスクとのやり取り=携帯電話―と、ネット機能をフルに使っています。こういった作業はテレワークそのものといえます。 しかし、人的な接触をゼロにはできません。取材には人とのコンタクトが必要ですし、編集作業にはツバが飛ぶ議論も必要になるからです。こういった接触は、1対1であれば携帯、複数であればLINEのグループ機能で代替できないことはありません。でも、人的な接触があった方が、意思疎通は円滑になります。 わたしたちは週1回、筑波学院大内の編集制作室で会議を開いています。議論はLINEでも可能ですが、各記者が意見を書き込むこの機能を使うと、自己主張が前面に出てしまい、議論が暴走する傾向があります。この種の議論は相手の顔が見ながらの方が生産的です。リアルな会議→LINEで議論は避けたいのですが…。 わたしのテレワーク この会議を除くと、私の作業も基本テレワークです。このコラムの執筆、23人のコラムニストからメールで送られてくる原稿のチェック、担当デスクへの完成原稿のメール送りなど、すべて自宅の書斎でやっています。ちなみに、デスクは自宅からサーバーにアクセスして、記事と写真をこのサイトにアップしています! こういった私の作業に、半年前から、動画の編集が加わりました。「コラムニスト昼食会を開きました」(2019年4月1日掲載)で触れましたように、NEWSつくばは、ケーブルテレビ局「J:COM茨城」にデイリーニュースのVTRを提供するようになったからです。その作業は以下のようなものです。 通常の取材の際、記者には動画も撮ってもらい、必要な音声と一緒に大容量ファイル転送サービスでメール送りしてもらいます。これらの記事、映像、音声を素材にして、動画と音声をチェックしながら、局のアナウンサーが読む原稿を作成します。ここまでは自宅での作業です。この先は、編集制作室に出掛け、制作担当に映像制作ソフトを操作してもらい、ニュース用VTRを完成させます。 半月前から、この仕上げ作業もテレワークに切り替えました。整理した映像素材と指示文書を制作担当にメールで送り、数度の往復を経てVTRを完成させるという手順です。ネットさまさまの73歳テレワーカーの話でした。(NEWSつくば理事長) ➡坂本栄の過去のコラムはこちら

《邑から日本を見る》58 本当は怖いダイヤモンド・プリンセス

【コラム・先﨑千尋】中国・武漢が発生地とされる新型コロナウイルスによる肺炎の情報は、毎日の新聞・テレビにいっぱいだ。中国だけでなく、日本政府も拡大の防止に躍起となっている。思わぬところから感染者が出ており、旅行や買い物にも影響が出ている。中国からの客も激減し、観光地では頭を抱えているようだ。 そんな折、長野県で医者をしている友人から驚きのメールが入ってきた。「本当は怖いダイヤモンド・プリンセス(事実上の監禁船)」という見出しで、コロナウイルスよりももっと怖い話だ。 「一流のディーラーがエスコートするテーブルゲーム。多彩な種類のスロットマシンをそろえ、バーも併設した、プリンセス・クルーズ自慢の本格的なカジノ。テーブルゲームは5USドルから、スロットマシンは1セントからと気軽に楽しむことができます。カジノが初めてという方、新しいゲームにチャレンジしたい方はレッスンを受けることもできます。専門のスタッフが親切丁寧にルールやマナーをご案内します」 これはクルーズ船のホームページからの引用である。海外クルーズ旅行中の「暇な時間をカジノで遊ぶ」という、賭博初心者のハードルを下げる悪魔の誘惑ではないのか。 日本船籍であれば、日本国内と同じで、船内で現金を賭ければ賭博罪になる。しかし日本から発着する外国船籍(アメリカのカーニバル社)のダイヤモンド・プリンセスでは、日本の領海を出れば外国と同じ。日本の刑法に違反していても金を賭けたカジノで遊ぶことができる。それだけではなく、日本の領海外の船内なら、賭博だけでなく、禁止薬物も売春も合法的に遊べる仕組み、と友人は伝える。 クルーズ船の正体を挙国一致で隠す わが国では、船内で今回のようなコロナウイルスの感染者が大量に発生すれば、会社の社長や重役が記者会見を開き、頭を下げるのが当たり前だ。しかし、今回はダイヤモンド・プリンセスを所有するカーニバル・ピーエルシー社の関係者は誰もメディアに出てこない。日本政府も何も言わない。 カジノを含む統合型リゾートを作るIR法を通した自民党や誘致に熱心な横浜市の林文子市長が何も言わないのは当然だが、カジノ法案に反対した野党もマスコミも沈黙している。クルーズ船のホームページを見れば、カジノで遊べることがすぐにわかる。クルーズ船の正体を挙国一致で隠すというのは、異様な光景ではないか。 友人のメールによれば、カーニバル社はアメリカのカジノの胴元だという。カジノ賭博に免疫がない我が国の小金持ちは、プロのばくち打ちにとって赤子の手をひねるようなもの。クルーズ船の母港が横浜だというのも、IR法と裏でつながっているのでは、と勘繰りたくなる。 今回の新型肺炎で厚労省の防疫体制を仕切る官僚トップが、ノーベル賞受賞者の山中伸弥教授のiPS細胞の政府助成金の打ち切りや、安倍首相補佐官との豪華不倫出張騒動などで問題を起こしているのには絶句。忖度と隠蔽だけに特化しているこの国は確実に滅びる、というのが友人からのメールの締め。いやだねえ、この国に住んでいるのは。他の国だって似たりよったりではないか、という声が聞こえるが。(元瓜連町長) ➡先崎千尋さんの過去のコラムはこちら

《地域包括ケア》54 地域に常設の「通いの場」を

【コラム・室生勝】タイトル絵「生活支援・介護予防サービスの提供イメージ」の「自治会単位の圏域」のところの「交流サロン」や「コミュニティカフェ」が「通いの場」の一つである。そこで、つくば市の常設「通いの場」の確保を考えてみた。 空き家、空き店舗や倉庫、空き教室、集会所、大店舗や福祉・医療施設の開放スペースなどを借りる方法である。空き家は市の住宅政策課に、空き教室は教育委員会に相談するわけだが、積極的な支援がほしい。廃校の教室利用も同様である。 空き店舗・倉庫や集会場は地域の情報から得られる。集会場は定期的に利用されている場合もあるし、たまに使われるところもある。大店舗や福祉・医療施設の開放スペースも、週1回~毎日オープンの条件や音漏れについては貸主と協議することになる。高齢者世帯が自宅の一部を提供する場合もあるだろう。 通い場の設備は、出入口も含め段差がないかあっても少ないこと、土足のまま利用できるフロア(コンクリートは避けたい)、洋式トイレ、洗面所―などが必要である。備品はテーブルとイス、ホワイトボード、電気ポット―など。紙コップ(マイカップ持参もあり)、お茶類は参加費で用意するが、これらを入れる戸棚も必要となる。 「通いの場」は多世代が利用すべき 常設の通いの場を地域づくりの拠点にするには、コピー機が欠かせない。区会(自治会)、ボランティアグループ、子ども会などの役員や世話人の話し合いには、その場での資料づくりもあるからだ。それらの団体の事務局を置くとなると、戸棚も必要となってくる。 備品や運営資金は、行政の補助金のほか使用料に頼ることになるが、借り賃はできるだけ低料金が望ましい。常設の通いの場を区会(自治会)が地域づくりの拠点とし、利用団体と共同して運営に当たってほしい。特に、新しく開発された地域では区会活動の拠点がないので、市に斡旋の新設を要請すべきと思う。 通いの場は多世代が利用すべきである。午前~午後前半は高齢者、午後後半~夕方までは子どもたち、夜は青壮年世代―と、基本的な割り振りをする。午後後半の子どもたちに母親世代や前期高齢者が加わる場合や、夜の青壮年世代に高齢者が参加する場合もあっていい。 大勢の人が集まる通いの場は、伝染性感染症が流行ったときに一時閉じなければならない。新型コロナウイルス感染症のことで、私の主宰する高齢者サロンを2月から中止している。周りから決断が早すぎると言われたが、80歳以上が20名と参加者の半数を占めるので、これでよかったと思っている。(高齢者サロン主宰) ➡室生勝さんの過去のコラムはこちら

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