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ジオパークの中核拠点施設構想示す 旧筑波東中跡地利用でつくば市

【相澤冬樹】つくば市は23日、旧筑波東中学校跡地利用に関する地元説明会を開催、筑波山地域ジオパークの中核拠点施設として利用する構想を示した。教育(展示室)、観光(案内所)、保全(事務室)の3機能を配置する計画案となっており、8月7日から1カ月間のパブリックコメントを経て、基本設計などの作業に入る。順調に進めば2023年5月のオープンを予定している。 説明会は、同市北条の旧中学校体育館に地元住民ら10数人を集め行われた。同ジオパークは、石岡、笠間、つくば、桜川、土浦、かすみがうらの6市で構成されるが、中核拠点施設は「財産管理の問題から」(市公有地利活用推進課)、つくば市単独で事業化する。 教育、観光、保全の3機能でつなぐ 今回説明されたのは、筑波山地域ジオパーク中核拠点施設基本構想・計画の案で、教室の一部を使う利用計画の考え方を示した。アンケートやワーキンググループの検討結果を踏まえ、まとめられた。 展示室ではジオパークの紹介のほか、体験や実験コーナーを設け、書籍や資料などのライブラリーも充実させる。案内所にはガイドが常駐、地域の観光情報を紹介するほか、ジオパーク認定商品の販売なども想定。事務室には同市ジオパーク室を置くほか、6市間の連携の場とする意図も盛り込んだ。 質疑では、交通アクセスや展示内容について意見が出された。「地理や地質と深く関わる防災教育も取り上げてほしい」「ジオパークには2000人ものサポーターがいるということだが地域の活動で顔が見えない」などの声があがった。 全国に43地域が認定されているジオパークは、継続に際し4年に1度、日本ジオパーク委員会(JGC)の審査を受けなければならず、筑波山地域も今年度、再認定の作業日程に入っている。新型コロナの影響で審査は21年1月以降にずれ込んだが、ここでも6市にまたがる運営体制の構築ともども、地元の盛り上げ機運の醸成が課題となっている。 中核拠点施設も再認定をにらみながらの整備となりそう。同基本構想・計画案に関するパブリックコメントは8月7日から9月7日までの予定で実施する。 筑波東中学校は秀峰筑波義務教育学校の開校(2018年4月)に伴い廃校となった。同市では筑波地区に10校ある小中学校の跡地の利活用について検討しており、市公有地利活用推進課によれば、これまでに旧筑波西中に広域通信制高校を誘致するなど4校(旧筑波東中は除く)の方針が決まっている。

「はじまりの花火」24日打ち上げ つくば青年会議所

【山崎実】つくば青年会議所(神田哲志理事長)は、日本青年会議所と連携し、24日の「全国一斉花火プロジェクト」に参画し、打ち上げ花火を実施する。 「新しい日本をはじめようーはじまりの花火」と銘打った全国一斉打ち上げ花火で、いわゆる3密を回避するため、具体的な打ち上げ場所は公表しない。 24日は東京オリンピックの開会式が行われるはずだった日。大会が延期され、新型コロナウイルスもいまだに収束を見せない中、新しい考え、暮らし、働き、学び、買い方、遊び方など、新しい日常の出発を確認し合う全国規模の花火大会だ。 神田理事長(38)は「新型コロナウイルスの影響により様々なイベントが中止となる中、この夏には楽しみが無くなってしまうのではないかと懸念される。東京オリンピックも延期になり、希望の光が遠のいているようにも感じられる。そんな中、開会式の予定であった日に新たな日本を始める合図としまして全国一斉に花火を打ち上げます。これからの希望の光、ぜひ多くの皆様とともに夜空を見上げて楽しんでいただければ」とコメントしている。 ◆24日は午後8時から約1分半、全国47都道府県の1~2カ所で4号玉3連発、スターマイン(2号玉35発、3号玉10発、4号玉5発)を打ち上げる。雨天・荒天時は中止の場合がある。

つくば物産品セット申込開始 帰省自粛学生4000人に先着順

【鈴木宏子】新型コロナウイルス感染防止対策の一つとしてつくば市が、帰省を自粛している学生にプレゼントする「つくばの物産品セット」の申し込みが22日始まった。先着4000人に3000円相当の物産品を無料で贈る。 加工食品など38種類の物産品の中から、ご飯のお供、酒とおつまみ、洋菓子、和菓子、つくばコレクションなどテーマ別に、4~6種類を組み合わせた詰め合わせセット7種類から、好きなセットを選ぶことができる。 筑波山麓の北条米、常陸牛焼肉丼の具、手作りフランクフルト、ヤーコン入りうどん、福来みかん果汁入りぽん酢、干しシイタケ、クッキー、せんべいなどが入っている。 帰省を自粛し、さらにアルバイト収入の減少などに見舞われた学生を応援し、併せて市内の加工食品生産事業者を応援するのが目的。 つくばを代表する物産品として市が認定した「つくばコレクション」の認定品や、つくば市物産会がつくば駅改札口前の物産館などで販売するお薦めの物産の中から選定した。 コメや調味料など生活必需品のほかに、洋菓子や和菓子などもあり、担当の経済支援室は「つくばの良さを改めて知ってもらえれば」と話す。 物産品セットのプレゼントは学生4000人のほか、経済的に苦しい就学援助世帯1000世帯に、計5000個を贈る。就学援助世帯への発送は20日から始まっているという。事業費は梱包や送料を含め計約2400万円。 学生の対象は、県外出身で市内に在住し市内の大学に通学しているか、市内出身(保護者が市内在住)で県外に住み県外に通学している大学生、大学院生、専門学校生など。 申込期間は22日から8月2日。市の専用フォームから申し込む。学生証や住民票の写しなどが必要になる。

霞ケ浦の風を待つ白い帆 土浦で観光帆引き船運航始まる

【伊藤悦子】ワカサギ漁解禁の21日、土浦市沖の霞ケ浦で観光帆引き船の運航が始まった。この日は風が弱く、通常の半分しか帆が上がらなかったものの、同市所有の2隻の帆引き船「七福神丸」と「水郷丸Ⅱ」の白い帆が霞ケ浦に夏の訪れを告げていた。 霞ケ浦の帆引き船は、新治郡佐賀村(現かすみがうら市)の漁師、折本良平が1880年に考案したもので、もともとワカサギやシラウオ漁などに使われていた。帆は高さ9メートル、幅16メートルと90畳分もの大きさがあり、風を受けて船が動くしくみになっている。風がないと進むことができず、網も引けない。強風では転覆の恐れがあり、風速3メートル程度がちょうどいいという。霞ケ浦の自然とともに操業する船だ。 トロール船の普及で、1960年代半ばにはいっとき姿を消したが、現在は観光帆引き船として運航している。2018年3月には、「霞ケ浦の帆引き網漁の技術」が国の無形民俗文化財に選択されている。 観光帆引き船は、霞ケ浦総合公園からも見えるが、伴走の遊覧船に乗ると間近で見学することができる。市観光協会の大里雅司専務理事は、「遊覧船は新型コロナウイルス感染対策をしっかり行っている。例えばラクスマリーナ(土浦市川口)のホワイトアイリス号は、定員86名のところ40名に制限して密を避けている」そうだ。便ごとに毎回、船内のアルコール消毒を行っているほか、乗船、下船時も一人ひとりに手の消毒を求めている。 「晴れた日は、青空と筑波山を背景に帆引き船の白い帆が映える。霞ケ浦の自然のめぐみを体感してほしい」とアピールしている。 ◆帆引き船の操業は、10月18日までの毎週土・日、祝日。遊覧船の運航日時や料金などの問い合わせは土浦市観光協会(電話029-824-2810)まで。

ぐずつき気味の操業初日 霞ケ浦のワカサギ漁解禁

【相澤冬樹】霞ケ浦に夏本番を告げるワカサギ漁が21日解禁となり、霞ケ浦北浦周辺の漁港、船溜まりは未明の出港、早朝の初水揚げでにぎわった。しかし、土浦・沖宿漁港に戻った霞ケ浦漁協の元組合長、古仁所登さん(79)は開口一番、「去年の3分の1もねえや」とさえない表情。今季の滑り出しはお天気同様、ぐずつき気味となった。 濁る湖水、エサ不足? 沖宿漁港からはこの日午前3時ごろからトロール漁の小型船3隻が出港、日の出の午前4時40分ごろまで操業して、同5時過ぎには漁港に戻ってきた。古仁所さんの船は土浦入り対岸の美浦村木原沖に向けて網を入れ、操業してきた。帆引き船の時代から約60年続けているワカサギ漁師だ。 満杯なら約10キロ入るコンテナ6箱にワカサギを積んで戻ったが、「去年は箱にいっぱい15箱ほど獲ったから3分の1にもなんねえ」と嘆き節。魚体も全体に小さく、網にかかっていた大量のアメリカナマズまで小さめのサイズだった。 県水産試験場内水面支場(行方市)による事前の調査操業から、今季はエサとなるプランクトンの量が少なく、漁獲量への影響が懸念されていた。古仁所さんは「プランクトン以前に水が悪い。原因は分からないが雨が続いたせいか濁った状態になっている」という。 ワカサギは漁師の自宅庭先に持ち込まれ、水流で洗われて、サイズごとに選別、問屋に引き取られる。市場へは鮮魚のまま、あるいは煮干しなどに加工されて出荷される。 獲れたてをオンライン販売で 霞ケ浦(北浦含む)のワカサギ漁は例年21日解禁で、12月31日までを操業期間と定めている。全国の主要産地で夏場に漁を行うのは霞ケ浦だけ。今の時期のワカサギは脂がのり、不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含むことから、県霞ケ浦北浦水産事務所(土浦市)や漁協などは「ナツワカ」として売り込みを図ってきた。 17年、18年と100トンを下回る漁獲にとどまり、昨季は119トン(茨城県全体)に戻したものの、北浦が「極度の不漁」を記録して、今季の動向が注目されていた。操業初日の成績が漁期全体を占う試金石となる。 県霞ケ浦北浦水産事務所の調べだと、この日操業した漁船は霞ケ浦(西浦)99 隻(前年136 隻)、北浦19隻(同29 隻)だった。聞き取りによる1隻当たりの漁獲量平均は霞ケ浦で45.6キロ(前年143キロ)にとどまった。北浦はさらに落ち込み、平均10.5キロ(前年19.4キロ)で、漁獲ゼロの船もあった。 解禁日には例年、漁師らでつくる霞ケ浦水産研究会が行方市の観光物産館でイベント『ワカサギ解禁市』を開催し、天ぷらに揚げて振る舞ったり、生ワカサギの販売などを行ってきたが、今年は新型コロナの影響で中止となった。 このため、代替でオンラインによる『ワカサギ解禁市』を初開催する。操業日に生ワカサギを500グラム1000円(税込み、送料別)で販売するもので、出荷できる日は21日・27日・28日・30日・31日の5日間の期間限定。クール便による配送で販売地域も限定となる。 詳しくは「ポケットマルシェ」霞ヶ浦漁協のページ。電話0299-55-0057

《吾妻カガミ》86 紙爆弾戦開始 つくば市長選

【コラム・坂本栄】コロナ禍下の選挙は従来とは少し違った形になりそうです。前回コラム「つくば市長選 2つの風景」(7月6日掲載)で触れましたように、今秋のつくば市長選に意欲を示していた保守系現県議は、コロナ下では現職市長に比べ市民との接触面が少ない挑戦者に不利になると、出馬を断念しました。再選を目指す現職も含め、市長選では「密」が避けられない集会は抑えられ、印刷物で市民に訴える「紙爆弾」が多用されそうです。 反市長の「つくば市民の声新聞」 「コロナ・ハンディキャップ」を抱える反現市長グループは6月下旬、「つくば市民の声新聞」第1号を新聞への折り込みで配布、紙爆弾作戦を開始しました。この無料紙が推そうとしている候補が誰なのかは分かりませんが、同紙は五十嵐市長の2大失政(総合運動公園問題後処理の不手際、つくば駅前ビル「クレオ」再生計画の失敗)などのリポートを掲載、現市長にマイナス点を付けました。 また、五十嵐市長の退職金辞退については、①市長退職金は市の財政から直接支払われるわけではない②市が県市町村総合事務組合に払い込んだ積立金から支払われる③したがって市長が退職金を辞退しても市財政の節約にはならない―と解説、「子どものお遊びか?」と指摘しています。 現市長陣営の「Activity Report」 同じ日、すでに出馬を表明している五十嵐市長の陣営も、活動報告「Activity Report」第5号を新聞折り込みで配布。こちらは現職の強みを生かし、つくば市の「新型コロナウイルス感染症対策」を特集しました。たまたまなのか、どちらかが相手の動きを察知したのか、よく分かりませんが、紙爆弾が同時投下されたわけです。 報告の内容は、計上した予算(経済対策5億円+市民生活6億円)を掲げ、「児童生徒の感染者を1人も出すことなく休校期間を終え、学校を再開」「70歳以上の高齢者の皆さまに5,000円分の商品券」「大規模医療機関に優先的に約14万枚のマスクを配布」「(事業者支援のため)応援チケットによる資金調達支援」など、コロナ対応を自賛しました。 印刷物はどちらに有利に働くか? 最近、選挙でもネット活用が話題になりますが、ネットの場合、スマホなどの利用者が情報を「読みに行く」必要があります。それに対し、印刷物は目の前に置かれますから、「読ませられる」メディアです。有権者が適度な数の市長選、しかもコロナで活動が制約されている環境下では、紙爆弾が持つ「破壊力」を見直す必要があるでしょう。 印刷物の配り方は、新聞折り込みだけではありません。郵便受けに入れるポスティング、自由に持ち帰ってもらうラック置き、駅前などで配る手渡し―など、多様な方法があります。活字の説得力を考えると、紙爆弾は、実績PRに終始する現職よりも、現職の問題点を突く挑戦者に有利に働くでしょう。反現職側に「ペーパー・アドバンテージ」?(経済ジャーナリスト)

《吾妻カガミ》86 紙爆弾戦開始 つくば市長選

【コラム・坂本栄】コロナ禍下の選挙は従来とは少し違った形になりそうです。前回コラム「つくば市長選 2つの風景」(7月6日掲載)で触れましたように、今秋のつくば市長選に意欲を示していた保守系現県議は、コロナ下では現職市長に比べ市民との接触面が少ない挑戦者に不利になると、出馬を断念しました。再選を目指す現職も含め、市長選では「密」が避けられない集会は抑えられ、印刷物で市民に訴える「紙爆弾」が多用されそうです。 反市長の「つくば市民の声新聞」 「コロナ・ハンディキャップ」を抱える反現市長グループは6月下旬、「つくば市民の声新聞」第1号を新聞への折り込みで配布、紙爆弾作戦を開始しました。この無料紙が推そうとしている候補が誰なのかは分かりませんが、同紙は五十嵐市長の2大失政(総合運動公園問題後処理の不手際、つくば駅前ビル「クレオ」再生計画の失敗)などのリポートを掲載、現市長にマイナス点を付けました。 また、五十嵐市長の退職金辞退については、①市長退職金は市の財政から直接支払われるわけではない②市が県市町村総合事務組合に払い込んだ積立金から支払われる③したがって市長が退職金を辞退しても市財政の節約にはならない―と解説、「子どものお遊びか?」と指摘しています。 現市長陣営の「Activity Report」 同じ日、すでに出馬を表明している五十嵐市長の陣営も、活動報告「Activity Report」第5号を新聞折り込みで配布。こちらは現職の強みを生かし、つくば市の「新型コロナウイルス感染症対策」を特集しました。たまたまなのか、どちらかが相手の動きを察知したのか、よく分かりませんが、紙爆弾が同時投下されたわけです。 報告の内容は、計上した予算(経済対策5億円+市民生活6億円)を掲げ、「児童生徒の感染者を1人も出すことなく休校期間を終え、学校を再開」「70歳以上の高齢者の皆さまに5,000円分の商品券」「大規模医療機関に優先的に約14万枚のマスクを配布」「(事業者支援のため)応援チケットによる資金調達支援」など、コロナ対応を自賛しました。 印刷物はどちらに有利に働くか? 最近、選挙でもネット活用が話題になりますが、ネットの場合、スマホなどの利用者が情報を「読みに行く」必要があります。それに対し、印刷物は目の前に置かれますから、「読ませられる」メディアです。有権者が適度な数の市長選、しかもコロナで活動が制約されている環境下では、紙爆弾が持つ「破壊力」を見直す必要があるでしょう。 印刷物の配り方は、新聞折り込みだけではありません。郵便受けに入れるポスティング、自由に持ち帰ってもらうラック置き、駅前などで配る手渡し―など、多様な方法があります。活字の説得力を考えると、紙爆弾は、実績PRに終始する現職よりも、現職の問題点を突く挑戦者に有利に働くでしょう。反現職側に「ペーパー・アドバンテージ」?(経済ジャーナリスト)

土浦駅前整備事業が国交相まちづくり表彰を授与

【伊藤悦子】魅力あるまちづくりの推進に努めたとして、土浦市が実施した土浦駅西口駅前地区整備事業が、2020年度まちづくり功労者国土交通大臣賞の表彰を受けた。 撤退した駅前商業施設跡の民間ビルを大規模改修し市庁舎を再配置したこと、さらに市立図書館や市民ギャラリーが入る複合施設「アルカス土浦」を整備して駅前に都市機能の集積を図り、質の高いコンパクトなまちづくりを行ってまちのにぎわい創出に貢献したことが高く評価された。 6月のまちづくり月間に合わせて表彰された。同功労者表彰を受けた全国29の団体・個人の一つ。表彰式は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。 担当の市都市計画課、中島賢市さんは「市役所の機能や図書館などを駅前に集約した。また駅前広場やバス乗り場も整備し、バスと、一般車、タクシーを分けて安全性を高めた」とし「総合的に西口駅前のコンパクトなまちづくりが評価されたと思う」と話す。 さらに「(再整備前は)ペデストリアンデッキは駅から真っすぐ市庁舎につながるだけだったが、図書館があるアルカス土浦などにも行けるようロの字にして屋根も付けた。公共施設や利便施設が集約されたこと、駅前広場や交通環境、歩行者環境が向上したことなどが評価されたのでは」と話す。 同課の村山良さんは「土日には、市役所の大屋根広場やアルカス土浦の駅前広場でコンサートやマルシェなどのイベントができる。大屋根広場は新庁舎の整備と合わせて屋根をかけたので、天候を気にせずイベントができるようにした」と語った。 再整備の効果で市中心市街地の歩行者数は徐々に増えている。駅前商業施設、イトーヨーカドー土浦店が撤退する前の2012年は平日の中心市街地の歩行者数は2万5143人だったが、アルカス土浦がオープンした後の18年には3万621人と1.2倍に増加した。 中島さんは波及効果としてさらに「アルカス土浦近くに新しく民間業者によるマンション建設や建設予定がある」とし「居住人口が増えれば、利便施設などの利用もさらに増えていくのでは」と期待している。 同駅ビルには、つくば霞ケ浦りんりんロードのサイクリング拠点施設「りんりんスクエア土浦」がある。同市は「自転車のまち」であることから、中島さんは「市外からの観光客がサイクリングで土浦をめぐり、土浦のものを食べ、買い物をすることで、お店も発展する。民間と協力して、イベントなどソフト面も充実させたい。サイクリングは人が密にもならないということもあり、浸透していってほしい」と話した。

つくばFC、開幕戦を飾れず 関東サッカーリーグ1部

【崎山勝功】第54回関東サッカーリーグが11日開幕し、同リーグ1部所属のジョイフル本田つくばFCは、ブリオベッカ浦安(千葉県)に後半逆転を許し、2―3で開幕戦勝利を飾れなかった。 開幕戦はつくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで無観客試合により行われた。 つくばは前半13分にDF土遠修平がヘディングシュートを放ち先制。42分に浦安に得点を許し追いつかれたものの、同45分にDF山下宇一がヘディングシュートを決めて、前半を2―1で折り返した。 後半はつくばに疲れが見え、33分同点、40分に逆転を許し、浦安に2―3で敗れた。 小松祐己監督は試合後、「ゲームの結果は非常に残念なものだったが、戦う姿勢は見せてくれたと思う。けが人が多い中で今やれる力を出してくれたと思うので、次に生かしてくれればいいと思う」と語った。 今井渓太主将は「後半は体力的に落ちてきた。落ち着いてつくばのサッカーを展開できれは、もっとチャンスは広がった」と試合を振り返った。 次節は7月19日午後4時にラクスペリアフットボールパーク(栃木市)で、栃木シティFC(栃木県)との無観客試合が行われる。小松監督は「戦力的にも個人の能力も相当高い相手なので、また苦しいゲームになると思うが何とか勝ち点を取れるように頑張りたい」と意気込みを示した。 ホームゲームを動画配信 新型コロナウイルスの影響で、関東サッカーリーグ2020シーズンが「当面の間は無観客試合で実施」の方針を踏まえ、つくばFCでは同シーズン開幕戦を含めたホームゲーム4試合を動画投稿サイト「ユーチューブ」を使って動画配信を実施している。 同FCによると、動画配信は今年からクリーニングチェーン店「クリーニング専科」を運営するユーゴー(本社・小美玉市)がスポンサーとなり実施。無観客試合のためサポーターが「自宅でも応援できるように」とFCの認知度向上が狙い。 現時点では観客を入れての試合運営の見通しは立っていない。開幕戦開催に当たっては、報道関係者と記録カメラマンなど一部関係者しか入場できず、入場の際には検温が行われた。 コロナ禍で予定より大幅に遅れた開幕戦の開催について、小松監督は「こういう状況の中で開幕を迎えられたということに関して、いろんな方々に尽力していただいたので、感謝してゲームに臨んだ」、今井主将は「いろいろ厳しい状況の中、配信画面を通じ試合をお届けできる場を作っていただいたことは感謝します」とそれぞれ感謝の意を示した。 なお、つくばFCレディースが所属する「なでしこチャレンジリーグ」は8月22日から無観客試合で開幕し、つくばFCレディースは同日午前11時から磐田市竜洋スポーツ公園サッカー場で、静岡SSUアスレジーナ(静岡県)と対戦する。

YS-11にプロペラ戻す 11日から筑西で組立作業公開

分解されて筑西市のテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」に移設され、組み立て作業中の日本初の国産旅客機、YS-11の機体が11日から、特別見学会でお披露目される。機体の保有者である国立科学博物館(東京、林良博館長)は10日、近隣の子供たちを招き、報道向けにプロペラの取り付け作業などを公開した。 組み立て作業の特別見学会は、同シティ内に設けられた格納庫、航空ミュージアムで、11日から 26日までの期間限定で行う。入場は無料。7月11日は同機の完成した日にちなんでいる。博物館はまた、一般公開に向け難航する資金獲得のため、この日からのクラウドファンディング開始を発表した。 視界確保へクラウドファンディング YS-11 は1964年に開発されているが、移設されたのは「量産初号機」と呼ばれる機体。現存する YS-11 の中で試作機を除く最古のものという。1965年 3 月に運輸省航空局に納入され、羽田空港をベースに、飛行検査機として 2 万時間を越える飛行実績を有した。 1999年 1 月の退役後、機体は同博物館の保有となり、20 年にわたり羽田空港で整備・保管されてきた。YS-11の中でも記念碑的価値が高いとされ、日本機械学会の「機械遺産」、日本航空協会の「重要航空遺産」にそれぞれ認定されている。 羽田が手狭になり、保安上の理由などから移設が図られ、同シティで受け入れることとなった。筑西市の廣澤グループが100万平方メートルの敷地に鉄道車両などを保存展開中のテーマパークで、格納と展示のため航空ミュージアムを設置。機体は胴体と主翼、尾翼、プロペラなどに分解され、全長約26メートルの胴体は3月末に深夜の移送が行われた。 今回の分解・組み立てに当たっては、過去にYS-11の整備等に関わっていた航空会社整備士OBたち有志が特別チームを編成。格納庫で組み立て、記録作業を行い、組み立て完成後、関連資料とともに一般公開する予定だった。 しかし、新型コロナウイルスの影響から、整備関係者の筑西入りが阻まれ、機体の組み立て作業は一時休止され、再開は6月下旬にまでずれ込んだ。さらに同博物館は臨時休館が続き、入場者数制限のために入館料収入が激減、財政状況が悪化した。視界良好とはいえない雲行きだ。 このため博物館は11 日から、クラウドファンディング「YS-11」量産初号機公開プロジェクトを開始する。プロジェクト全体の費用を約8000万円と見込んでおり、その一部3000万円を目標金額とした。資金は、組み立てにかかわる材料費、器具類、人件費などに使用。目標到達にかかわらず、締め切りの11月6日までに集まった金額がファンディングされる。 本機の組み立ては年内終了を目指しており、順次整備、関連展示を準備し、2021年春の一般公開を予定している。 ◆クラウドファンディング「YS-11」量産初号機公開プロジェクトの支援要領はこちら

子育ての不安に寄り添いたい つくば遊ぼう広場の会 活動再開も模索続く

【川端舞】つくば市で異年齢の子供たちに遊びの提供を行っている市民団体「つくば遊ぼう広場の会」(五十嵐亨会長)が、6月から遊びを再開した。3月以降、新型コロナの影響で活動を一時中断していた。感染を予防しながら、どうしたら子どもたちに自由に遊んでもらえるか。活動再開後も模索が続いている。 会は、野外の遊び場、流星台プレイパーク(つくば市流星台)で毎月第1・第3土曜日に活動している。子育ての不安に寄り添いたいと、休止中は子育て家庭がどんなことを感じているかを知るためにアンケートを実施した。再開にあたっては、子どもたちが密になることを避けるために話し合いを重ねた。 アンケートに不安と工夫 会は今年3月、活動場所を流星台プレイパークに移すことになり、移転セレモニーを開催しようとしていた。しかし、新型コロナの影響でセレモニーはできなくなり、以降、活動自体も中断となった。 会では、子どもたちに遊び場を提供すると同時に、子育て中の人同士が交流できることも大切にしている。感染予防のために遊び場が限られる中、子育て家庭がどのような思いを抱えているのかを知ることは、子育て家庭に寄り添いながら活動を再開するためにも必要だと考え、ホームページ上で子育て中の保護者を対象に「外遊びに関するアンケート」を実施した。アンケートは5月5日から15日まで実施され、67件の回答があった。 アンケートには「先の見通しが持てない」「子どもが運動不足になっている」など不安や心配が寄せられる一方、「子どもと一緒に料理に挑戦してみた」「のんびり植物を観察している」など、自粛期間を楽しく過ごそうとそれぞれ工夫している様子も垣間見られた。 同会では当初、アンケート結果も踏まえて今後の活動に向けて動いていく予定でいたが、感染の状況が刻々と変化していく中で、「答え」を出すのは難しく、今後の状況を見ながら模索していくしかないという考えに至った。 「感染対策は子どもたちの人権にも踏み込む」と主張するのはメンバーの坂口暁詩さん(35)。「感染対策のもとで、自由な遊びが制限され、子どもたちの健全な育ちが保障されない状況を危惧している。感染の危険性がなくならない中で、社会の未来をつくる子どもたちに、どのような環境を提供できるかを考える時だと思う」と語る。 時間短くし2部制に 同会では、水遊びや穴掘りなど、一般の公園ではできない遊びもできるだけ自由に子どもたちにやってもらうことを大切にしている。6月から遊び場を再開したが、再開前には、どうすれば感染を予防しながら、子どもたちに制限をかけないで遊んでもらえるかをメンバー同士で話し合った。 その結果、今までは午前10時から午後2時までの活動時間の間なら、いつ来ていつ帰ってもいいとしていたものを、時間を前半と後半に分け、一度正午で子どもたちを入れ替えることにした。 滞在時間を短くし、2部制にすることで、子どもたちの遊びに制限をかけることなく、密になることを避ける。大人にはマスク着用を要請するが、子どもは熱中症のリスクから任意とした。 7月の第3土曜日も遊び場を開く予定だが、感染状況を見ながら柔軟に対応していく。詳細は開催日の数日前にホームページに掲載する。 ◆「つくば遊ぼう広場の会」ホームページはこちら。アンケート結果の詳細も同会ホームページに掲載している。

アップテンポスタイルでB1昇格目指す 茨城ロボッツが新体制発表

【高橋浩一】男子プロバスケットボールBリーグ2部(B2)の茨城ロボッツ(本拠地・水戸市)は9日、2020-21シーズン新体制発表会見を水戸市内で開いた。チームの指揮を執るヘッドコーチに、攻撃的なバスケを得意とするリチャード・グレスマン氏(42)=米国出身=を迎え、今季はアップテンポスタイルのバスケットボールを目指すことを表明した。新加入選手は5人で、うち外国籍選手は3人。 コロナ禍、昨季は圏内で途中中止 会見で山谷拓志代表は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により3月途中で中止となった昨季について「プレーオフ圏内にいたので大変残念。悔しい思いでシーズンを終えることになった」と振り返り、不本意な形で途中終了となった昨季を乗り越え、今季こそB1昇格を勝ち取る決意を新たにした。 新型コロナの影響が残る環境で迎える新シーズンについては「今もまだ先行きは不透明で、どうなるか分からない中、チームの編成をどうするか大変難しい判断が迫られた」と胸中を明かし、「いかなる状況でも、目の前の一つひとつの試合に勝つことが目標になるし、その結果としてプレーオフに出て優勝することが最終目標であることは揺るがない。一つひとつの勝利にこだわって、最高の成果を出せるよう頑張っていきたい」と抱負を語った。 「B2支配できる」 就任したグレスマンヘッドコーチは、2017-18シーズンから3シーズン、B2の愛媛オレンジバイキングスを指揮し、1シーズン目にB2リーグトップの1試合平均得点を記録した。 「アップテンポのバスケは、見ていて面白いだけでなく、チームのタレントを生かせる。ロボッツはB2を間違いなく支配できると思っている。練習を通し、このスタイルを日々積み重ねていきたい。昇格することが、今年達成しなければならない目標だと思っている」と話した。 新加入選手5人のうち、会見には日本国籍選手2人が出席し抱負を述べた。コメントは以下の通り。 遥天翼(B3東京サンレーヴスから加入、31歳、SF) B1昇格を成し遂げたいし、それを目標に日々の練習に打ち込んでいる。ロボッツはいい選手ばかりそろっている印象。若手もハッスルしていて声も出ていて、仲がいいだけじゃなく競争心をもって切磋琢磨している。アピールポイントは外のシュートと、いろんな情況でアシストやディフェンスなどもできる何でも屋を目指す。 中村功平(B1滋賀レイクスターズから加入、23歳、PG) B1昇格は必ず成し遂げたい。ロボッツにはベテラン選手がたくさんいて、いろいろ学ぶべきところがあると感じている。いろんなことを吸収してコートに立ってB1昇格に貢献したい。3ポイントシュートもアシストも得意、若さを生かして激しくハッスルしてハードにやっていきたい。 開幕は10月の予定。観客の動員については状況を見ながら判断していく。

プライベート花火 土浦市が打ち上げを応援

【鈴木宏子】コロナ禍で花火大会の中止が全国で相次ぎ、花火業者が苦境に立たされている中、花火のまち土浦市が、プライベート花火の打ち上げを応援する企画を検討している。 プライベート花火は、誕生日、プロポーズ時、結婚記念日、命日などに、花火師が個人やグループなどのために打ち上げる本格的な花火。 土浦市では日本三大花火の一つ、土浦全国花火競技大会が開かれていることから、大会を支えてくれている全国の花火師たちを応援しようという取り組みだ。 応援方法は、同大会実行委員会(事務局・土浦市)のホームぺージで、プライベート花火の打ち上げを実施している花火業者を紹介してPRしたり、花火の種類や料金などの情報を提供することなどを検討している。 打ち上げの際、保安距離を確保したり、許認可が必要になる場合があるため、打ち上げ場所確保のお手伝いをしたり、他市や他県の業者が花火玉を提供し、別の業者が市内で打ち上げる場合の支援なども検討している。 市花火対策室によると、現在、花火業者の情報を集めているところで、8月ごろまでにホームぺージに掲載できるようにしたいという。 市は、日本三大花火が開催されるまちという知名度を生かして、新しいビジネスにつなげていきたいとする。 催行は7月下旬に最終判断 今年の土浦全国花火競技大会は11月7日の開催が予定されているが、催行の可否は7月下旬に同実行委員会が最終判断をする。新型コロナウイルス感染拡大防止に関する8月1日以降の国の方針(緊急事態宣言終了に伴う外出自粛の段階的緩和の目安など)が7月下旬までに示されると見られていることから、国の方針を待って可否を判断する。 日本三大花火の一つ秋田県「大曲の花火」(8月29日予定)も中止が決まるなどしており、開催は極めて難しいとみられる。

《映画探偵団》33 つくばセンタービル 磯崎新の設計思想

【コラム・冠木新市】東京ディズニーランドのシンボル、シンデレラ城が新型コロナウイルスで休園中に改修された。シンデレラ城は、ドイツのバイエルン国王ルードウィッヒⅡ世によって創られたノイシュバンシュタイン城をモデルにしたものである。東京ディズニーランドと同じく1983年に完成した「つくばセンタービル」も、実はノイシュバンシュタイン城の影響を受けて創られている。 「狂王ルードウィッヒが純粋に快楽のために建設したこの折衷主義のあだ花、キッチュの権化ともいうべきノイシュバンシュタインは、いまでは確実にポピュリズムの核心にある。《つくばセンタービル》の複合体が独自の象徴作用をなすためには、私はキッチュ的な要素の使用も辞すまい、と考えたことも事実である」「私はノイシュバンシュタイン的なものへ接近する道を歩んでいたのかもしれない」(磯崎新編著『建築のパフオーマンス』PARCO出版局) 「こんな面白いところが、入場料もとらずに開放されているなんて、信じられない」と言った人がいた。私も30年ほど前から、毎日のようにセンタービルを眺めてきたが、見飽きないし、少しも古びないのは驚きである。晴れた日には、3棟のビルの表面がきらきら輝き、美しいかぎりだ。さらに、1000人以上入るホールがあるのに、巨大さを感じさせないのはなぜだろうか。 なかでも中央の楕円形の広場、いや、庭は実に刺激的だ。何もない空間だからである。だが、東洋的なこの庭は、西洋的な3棟の建物を際立たせている。しかし、権力、財力、名誉を求める人にとっては、廃墟をイメージするような空間は腹立たしさを覚えるのに違いない。力を暗示するシンボルが存在しないからである。 霞ケ浦を模した階段から流れる水は、つくば市の位置に相応する中央へと流れ落ちる。センタービルの空っぽの庭は、創造性を触発する器であり、水が主役なのである。私などは、崩れかけたような岩山に大魔神が埋め込まれているのではないかと、つい想像してしまう。 大映の『大魔神』ドーム屋根案を踏み壊す? 大映の『大魔神』(1966)シリーズは、1年間に3本製作された幻想的な特撮作品であった。大映の美術陣は、大魔神の大きさを4.5メートル、人間の2.5倍に設定した。そして、本建築とミニチュアの中間の精巧なセットをつくり上げた。大魔神が神聖な場所を荒らした領主に怒り、建物を破壊する。屋根瓦が崩れ落ちるシーンは、いつ見ても圧巻である。 昨年3月、磯崎新が建築界のノーベル賞ともいえるプリツカー賞を受賞し、私はつくば市民としてとても嬉しかった。さぞかし、つくば市も喜びの声を上げると思っていたのだが、ホームページで儀礼的なメッセージを出して終わりだった。オイオイ、中心市街地活性化を声を大にして呼びかけているのに、それはないだろうと納得できなかった。しかし最近、やっとその謎が解けた。 受賞と同じ時期の3月に策定された「つくばセンタービルのあり方検討業務報告書」で、なんと、センター広場にアーチ状のドーム屋根をつくることが検討されていたからである。道理で素っ気ないはずである。プリツカー賞は、つくば市にとって目障りだったのだろうか。 東京ディズニーランドは、1年前からシンデレラ城の改修計画を発表している。つくば市は、今までなぜ隠していたのか。センタービルの庭を覆い隠す屋根はなにかを物語っている。 センタービルは、つくば市民のものでも、茨城県民のものでもない。今や世界の文化財である。これでは、「世界のあしたが見えるまち」のコピーに傷がつくのではないか。このままでは、きっと世界の建築家、アーティストの批判の的になることだろう。私には、センタービルの岩山から現れた大魔神が、屋根を踏み壊す映像が見えてしまう。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

《映画探偵団》33 つくばセンタービル 磯崎新の設計思想

【コラム・冠木新市】東京ディズニーランドのシンボル、シンデレラ城が新型コロナウイルスで休園中に改修された。シンデレラ城は、ドイツのバイエルン国王ルードウィッヒⅡ世によって創られたノイシュバンシュタイン城をモデルにしたものである。東京ディズニーランドと同じく1983年に完成した「つくばセンタービル」も、実はノイシュバンシュタイン城の影響を受けて創られている。 「狂王ルードウィッヒが純粋に快楽のために建設したこの折衷主義のあだ花、キッチュの権化ともいうべきノイシュバンシュタインは、いまでは確実にポピュリズムの核心にある。《つくばセンタービル》の複合体が独自の象徴作用をなすためには、私はキッチュ的な要素の使用も辞すまい、と考えたことも事実である」「私はノイシュバンシュタイン的なものへ接近する道を歩んでいたのかもしれない」(磯崎新編著『建築のパフオーマンス』PARCO出版局) 「こんな面白いところが、入場料もとらずに開放されているなんて、信じられない」と言った人がいた。私も30年ほど前から、毎日のようにセンタービルを眺めてきたが、見飽きないし、少しも古びないのは驚きである。晴れた日には、3棟のビルの表面がきらきら輝き、美しいかぎりだ。さらに、1000人以上入るホールがあるのに、巨大さを感じさせないのはなぜだろうか。 なかでも中央の楕円形の広場、いや、庭は実に刺激的だ。何もない空間だからである。だが、東洋的なこの庭は、西洋的な3棟の建物を際立たせている。しかし、権力、財力、名誉を求める人にとっては、廃墟をイメージするような空間は腹立たしさを覚えるのに違いない。力を暗示するシンボルが存在しないからである。 霞ケ浦を模した階段から流れる水は、つくば市の位置に相応する中央へと流れ落ちる。センタービルの空っぽの庭は、創造性を触発する器であり、水が主役なのである。私などは、崩れかけたような岩山に大魔神が埋め込まれているのではないかと、つい想像してしまう。 大映の『大魔神』ドーム屋根案を踏み壊す? 大映の『大魔神』(1966)シリーズは、1年間に3本製作された幻想的な特撮作品であった。大映の美術陣は、大魔神の大きさを4.5メートル、人間の2.5倍に設定した。そして、本建築とミニチュアの中間の精巧なセットをつくり上げた。大魔神が神聖な場所を荒らした領主に怒り、建物を破壊する。屋根瓦が崩れ落ちるシーンは、いつ見ても圧巻である。 昨年3月、磯崎新が建築界のノーベル賞ともいえるプリツカー賞を受賞し、私はつくば市民としてとても嬉しかった。さぞかし、つくば市も喜びの声を上げると思っていたのだが、ホームページで儀礼的なメッセージを出して終わりだった。オイオイ、中心市街地活性化を声を大にして呼びかけているのに、それはないだろうと納得できなかった。しかし最近、やっとその謎が解けた。 受賞と同じ時期の3月に策定された「つくばセンタービルのあり方検討業務報告書」で、なんと、センター広場にアーチ状のドーム屋根をつくることが検討されていたからである。道理で素っ気ないはずである。プリツカー賞は、つくば市にとって目障りだったのだろうか。 東京ディズニーランドは、1年前からシンデレラ城の改修計画を発表している。つくば市は、今までなぜ隠していたのか。センタービルの庭を覆い隠す屋根はなにかを物語っている。 センタービルは、つくば市民のものでも、茨城県民のものでもない。今や世界の文化財である。これでは、「世界のあしたが見えるまち」のコピーに傷がつくのではないか。このままでは、きっと世界の建築家、アーティストの批判の的になることだろう。私には、センタービルの岩山から現れた大魔神が、屋根を踏み壊す映像が見えてしまう。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

個別テントなど備蓄へ 土浦市がコロナ対応避難所指針

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、災害発生時に避難所での集団感染を防ごうと、土浦市は新たに「新型コロナウイルス等感染症対応避難所運営指針」を策定した。6日開かれた定例記者会見で安藤真理子市長が発表した。避難所となる体育館で使用する個別テントなどを新たに備蓄する方針で、7月に開く臨時議会に諮るという。 運営指針は、避難所での「密」を防ぐため①車中泊や親せき、友人宅などに避難する分散避難を推奨する②小中学校の体育館以外に校舎の教室や公共施設、民間施設を有効活用して避難スペースを確保する③避難所では消毒や換気など感染防止対策を実施するーの3つが柱。 分散避難の推奨では、車中泊が増えることが予想されるため、避難所となっていてトイレや水が確保できる学校校庭や公園などに車中泊に適した場所を確保する。 避難スペースの確保は、小中学校の教室や公民館、保健センターなど公共施設の活用のほか、災害協定を締結している民間企業や、個室のある民間宿泊施設などとも調整する。 避難所の感染防止対策は、一般避難者向けのスペースのほかに、熱があるなど体調不良者向けの部屋と、高齢者や障害者など要配慮者向けの部屋などを別々に用意する。個別テントや間仕切り用のパーテーションなどを備蓄し、不足した場合は段ボールで代用する。すでに備蓄しているマスクや消毒液、ビニール手袋、非接触型体温計の備蓄量をさらに増やす。 運営面の感染防止対策は、避難者の体温や健康状態を確認する、消毒液などを設置する、避難者同士は2メートルの間隔を確保する、換気のため1時間に1回程度、2方向の窓を10分間開ける、手すりなどは1時間に1回程度を目安に消毒するーなどを定めている。 避難所で新型コロナウイルス感染者が発生した場合についても、保健所と連携し感染者を医療機関に移送する、感染者がいたスペースを消毒する、濃厚接触者が他の避難者と接触しないようにするーなどと明記している。 9日、市職員60人が訓練 指針策定を受けて市は、災害時に避難所に直行する役割の市職員約60人を対象に9日、同指針に基づく初の避難所開設研修会を開催する。安藤市長は「職員の研修や訓練を繰り返し実施し、より適切な運営が図れるよう防災力向上に努めたい」と話した。 まずは分散避難を推奨 豪雨や台風が増える出水期に入った現在、霞ケ浦に面し、桜川が市の中心部を流れる同市は、市中心市街地一帯が浸水想定区域となっている。 つくば市北部で浸水が発生した昨年10月の台風19号の際、同市では26カ所の避難所に最大2048人が避難し、混雑した避難所もあった。 市危機管理室によると、今回策定した新たな指針により、水害の場合、公共施設の屋内避難所は現在の25カ所から43カ所に増える。 ただし避難者同士の距離を2メートル以上確保すると1施設に避難できる人数が限られるため、同市では分散避難の推奨により、公共施設の施設内避難者数を昨年の台風19号時の半分にすることを見込んでいる。まずは分散避難の推奨がコロナ禍の避難所運営のかぎになる。 https://www.youtube.com/watch?v=HWx9Ku6zvYo&feature=youtu.be 動画はJ:COM茨城提供

土浦とつくばの上半期振り返り下半期の展望を解説 NEWSつくば坂本理事長

https://youtu.be/xEaDT8c1Alw 【伊藤悦子】3日放映の土浦のインターネットテレビ「Vチャンネルいばらき」第103回NEWSつくばチャンネルは、土浦市とつくば市の2020年上半期の振り返りと下半期の展望をテーマに、NEWSつくば理事長の坂本栄から話を聞いた。 土浦市もつくば市も新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きかったと話す。特に土浦一高の中高一貫校改編の説明会が延期になったり、土浦キララ祭が中止になったことに触れ、今年から11月に開催されることになった土浦花火大会開催の是非についても解説があった。 つくば市では10月25日につくば市長選と市議選の同日選挙があるが、人が集まり3密になりやすい選挙活動は困難だと話す。市長選の立候補を断念した人がいるというエピソードも紹介された。

《くずかごの唄》64 スペイン風邪の恐怖

【コラム・奥井登美子】大正8年(1919年)、日本で大流行したインフルエンザ、いわゆる「スペイン風邪」と、今度の新型コロナが、同じような規模になるのではないかと、歴史的な注目が集まっている。 スペイン風邪は土浦でも流行し、奥井の祖父も第2波の大正8年2月、53歳で亡くなっている。父親の死で、アメリカの大学に進学する夢を挫折させられた姑(しゅうとめ)は、スペイン風邪が憎らしくて仕方がなかったらしく、生前、よくそのことを話していた。 「スペイン風邪のとき、消毒なんか、誰が町の指導者だったの?」 「巡査が、やたら威張りくさっていたわよ…」 「保健所は、なかったの?」 「保健所なんて、なかったわよ、すべて、お巡りさんの仕事でね」 「お巡りさんの産地は茨城だって、私の兄がよく言っていた。『オイ・コラ』は、茨城弁なんですって」 新型コロナも、2~3波が来る? 私の兄、加藤尚文(故人、評論家)は慶應大学の学生時代、学徒動員で土浦の海軍航空隊に所属。そこで何があったか知らないが、教官に頭を殴られて、3日間意識不明になったらしい。教官の話す茨城弁。特に土浦の言葉を、ものすごく怖がっていた。 「巡査の産地かどうか知らないけれど、巡査が威張りくさって、『ソコ退け、ソコ退け』と、石灰を道路にまいて歩いていた」 「石灰? 石灰が消毒薬だったの?」 「そう、クレゾールなんて消毒薬が出てきたのはその後だもの」 「おお石灰、オセッカイ? お節介だ。ワクチンもない時代ですものね、薬は何があったの」 「アスピリンくらいしかなかった」 第2波、第3波、たくさんの死者で、お棺が間に合わない騒ぎだったという。新型コロナも、2波、3波が来るかも知れない。(随筆家、薬剤師)

《くずかごの唄》64 スペイン風邪の恐怖

【コラム・奥井登美子】大正8年(1919年)、日本で大流行したインフルエンザ、いわゆる「スペイン風邪」と、今度の新型コロナが、同じような規模になるのではないかと、歴史的な注目が集まっている。 スペイン風邪は土浦でも流行し、奥井の祖父も第2波の大正8年2月、53歳で亡くなっている。父親の死で、アメリカの大学に進学する夢を挫折させられた姑(しゅうとめ)は、スペイン風邪が憎らしくて仕方がなかったらしく、生前、よくそのことを話していた。 「スペイン風邪のとき、消毒なんか、誰が町の指導者だったの?」 「巡査が、やたら威張りくさっていたわよ…」 「保健所は、なかったの?」 「保健所なんて、なかったわよ、すべて、お巡りさんの仕事でね」 「お巡りさんの産地は茨城だって、私の兄がよく言っていた。『オイ・コラ』は、茨城弁なんですって」 新型コロナも、2~3波が来る? 私の兄、加藤尚文(故人、評論家)は慶應大学の学生時代、学徒動員で土浦の海軍航空隊に所属。そこで何があったか知らないが、教官に頭を殴られて、3日間意識不明になったらしい。教官の話す茨城弁。特に土浦の言葉を、ものすごく怖がっていた。 「巡査の産地かどうか知らないけれど、巡査が威張りくさって、『ソコ退け、ソコ退け』と、石灰を道路にまいて歩いていた」 「石灰? 石灰が消毒薬だったの?」 「そう、クレゾールなんて消毒薬が出てきたのはその後だもの」 「おお石灰、オセッカイ? お節介だ。ワクチンもない時代ですものね、薬は何があったの」 「アスピリンくらいしかなかった」 第2波、第3波、たくさんの死者で、お棺が間に合わない騒ぎだったという。新型コロナも、2波、3波が来るかも知れない。(随筆家、薬剤師)

新規講座も続々 常陽藝文センターつくば教室 7月本格再開

【池田充雄】常陽藝文センターが主宰するカルチャースクール「藝文学苑つくば教室」が今年度の春期講座を再開し、受講生を募集している。 つくば教室は、2012年につくば市吾妻の常陽つくばビル内につくられた。今年度は春期講座を4月に開講したが、新型コロナウイルスの影響で4月7日から休講していた。感染の沈静化を受けて6月12日から一部講座を再開し、いよいよ7月から本格再開となる。 「今はまだ数講座だけの再開だが、受講生の方々は皆さん楽しみに待ってくださっていた。久しぶりの再会を喜び合う様子などを拝見して、単なる学びの場ではなく、集うこと自体が楽しみな、いこいの場にもなっているんだなと実感できた」と、事務局の笹沼亜希子さん。 再開にあたっては消毒や換気、座席の配置なども3密を避けるよう、感染防止に気を配りながら準備を進めてきた。 新規講座も多数用意されている。その一つ「特攻隊の故郷 茨城」(講師/伊藤純郎さん=筑波大学人文社会系教授)は、霞ケ浦・筑波山・北浦・鹿島灘での厳しい訓練と、食事や外出などの生活から、特攻隊の原風景を探り、その歴史を問い直そうというもの。7月7日から第1・第3火曜日開講、全5回。受講料は会員6600円、一般9900円。テキスト代別途。 「美味しい珈琲(コーヒー)の淹(い)れ方と楽しみ方」(講師/小池美枝子さん=コーヒーハウスとむとむつくば店、コーヒーアカデミードンマイスター主宰)は、テイスティングやラテアートなどを通じて楽しさや奥深さを学び、家庭のコーヒーをワンランクアップさせてくれる。7月11日から第2土曜日開講、全4回。受講料は会員6600円、一般8250円。教材費4400円。 「竹で編む花籠(かご)」(講師/橋本千菜美さん=竹かご作家)は、青竹のひごを使って「四海波花籠」を編む。講師の橋本さんは筑波大学芸術学群彫塑コースを卒業後、笠間などの竹細工工房で修業し、現在はつくば市北条に拠点を置く。材料の竹ひごは橋本さん自身が筑波の竹林で採取・加工したもの。工程も本来は座り仕事だが、いすに座ってできるようアレンジし、初心者でも楽しんで作業できる。8月8日(土)、全1回。受講料は会員2200円、一般3850円。教材費2000円。 このほか当初は4月開講予定だった講座も、ほとんどが7月から仕切り直しとなっており、途中からの受講も可能だ。耳よりな話題として、昨期までは火~金曜のみだった開講日に、今期から第2土曜日も加わり、平日は仕事がある人でも参加できる講座が増えている。 詳細は常陽藝文センターホームページ、申し込み・問い合わせは藝文学苑つくば教室(電話029-855-1125)。

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