金曜日, 5月 3, 2024
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かすみがうらマラソンコースを自転車散歩《ポタリング日記》7

【コラム・入沢弘子】今年は3年ぶりに日本有数の市民マラソン大会「かすみがうらマラソン」が開催決定。参加予定者の方々は胸躍る思いでしょう。 そんな気持ちを少しだけ味わいたいと思い、私も10マイルコースを折り畳み自転車で走ってみました。今回はナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦コースのごく一部。短い区間でしたが、他地域の自転車用道路と比べ、地面の凹凸や樹木の根などの障害物がなく、景色を楽しむことができ、最高のポタリングになりました。 快晴の土曜日午前9時。「りんりんポート土浦」の駐車場はまだ余裕がありました。トランクから愛車「BROMPTOM(ブロンプトン)」を取り出し、スタート地点に向かいます。 一昨年開催予定だった、第30回記念大会時にリニューアルしたスタートゲートに到着。未使用のゲートから、ランナーより少しお先に自転車で出発しました。新川を渡り、境川と並行する県道へ。この道の広い歩道は自転車通行可なので、私のような初心者ポタリストは安心です。 左手は一面のハス田の平坦な直線道。シラサギがゆるやかに飛び交っています。土浦バイパスにぶつかったら右折。両側にハス田が広がっています。今の時期は水面だけですが、初夏から秋にかけては、波のように風に揺れるハスの葉や花が見られます。 手野町南の信号を越すと、道は緩やかな上り坂になりました。民家と雑木林の単調な景色と重いペダル。ギアチェンジし、ラデッキー行進曲を歌いながらリズミカルにこいでいきます。坂を上り切った手野町信号から折り返し。途中に勾配(こうばい)4.5パーセントの標識がありました。下りは霞ケ浦越しに富士山が望める絶景です。 霞ケ浦の前に広がるハス田 坂の下に戻ったら信号を左折。石岡田伏土浦線に入ります。JA水郷つくばれんこんセンター、レンコン直売所、レンコン農園とレンコン尽くし。通称・レンコン街道です。道路から霞ケ浦まで広がる一面のハス田。今は植え付け前の準備・代かきの最中です。あぜ道には作業の軽トラックがたくさん止められていました。 沖宿郵便局を越したところで、霞ケ浦名産の看板が目に入ります。おなかが空いたので行ってみることに。「常盤商店」は、以前に土浦ブランドの仕事でお世話になったお店。住宅地の一角で、紺色の暖簾(のれん)が迎えてくれました。霞ヶ浦で獲れた魚からシラウオとエビの加工品を購入。 折り返し点から湖岸道に出ました。聞こえてくるのは、小さな波音とヒバリの声。この田村地区は土浦藩4代藩主・土屋篤直(つちや・あつなお)が編んだ「垂松亭(すいしょうてい)八景」に詠まれた場所。道沿いの古い水天宮・水神社は、霞ケ浦と肥沃(ひよく)な土地に恵まれたこの場所の農業・漁業を見守ってきたのでしょう。 霞ケ浦越しに見える、土浦駅周辺のビル群を眺めながら走っていると、あっという間にりんりんポートに到着。出発から1時間、16キロの小さな旅でした。 「かすみがうらマラソン」まであと2週間。当日の好天候と、参加者の皆さんが安全に楽しめることをお祈りしています。(広報コンサルタント)

サイクリングとキャンプに地元グルメ 12、13日に土浦 春のアウトドアフェス

水ぬるむ湖畔のアクティビティー、「土浦 春のアウトドアフェス」は12、13の両日、土浦市川口のりんりんポート土浦をメーン会場に開く。全国各地で自転車・サイクリングを活用した観光振興事業を展開するルーツ・スポーツ・ジャパン(東京都新宿区、中島祥元社長)が主催、土浦市が後援する。同市内の飲食店、菓子店に加え、レンコン生産者らが協力して、春の訪問者を歓迎する。 2日間の日程に「遊ぶ」「食べる」「泊る」のメニューが盛り込まれた。りんりんポート周辺の緑地はキャンプ場となり、駐車場ではマルシェが開設される。受付時に検温を行い、健康チェックシートを記入するなど新型コロナ感染対策を講じての開催となる。 「遊ぶ」はサイクリングから芝生でのドッグランまで、各種アクティビティーが用意される。レンタサイクルによる「ロードトリップツアー」はガイド付きのサイクリングツアー。レンコンやどら焼きなど土浦のグルメを堪能できる。1人1日1万円(税込み)で事前予約受付中。約8キロのコース設定がされた市内のスポットを音声ガイド付きで巡る「ロードトリップラジオ」は、参加無料で予約も不要。 当日予約となる「ロードトリップBBQ」は、参加費1万円(同)。自転車で土浦市内を自由に巡り、登録されたスポットに寄るとポイントを獲得でき、ポイント数に応じて、地元で採れた野菜やお肉をゲットできる。キャンプ場でのBBQや自宅に持ち帰って料理に使えるという趣向だ。感染対策から、日帰り参加者はイベント会場でBBQを行えない。 「食べる」はマルシェのにぎわいが担う。前島製菓(真鍋)のかりんとう「九万五千石」、芋やす(沖新田)の焼き芋スイーツ、宿ごはん一粒(湖北)のビーフストロガノフ、小松屋(大和町)のうなぎ弁当、レストラン中台(桜町)のカレーなど、土浦の名店が軒を並べるという。 「泊る」のキャンプは、大人数のグループサイトは申し込みが締め切られたが、テント持ち込みのソロサイト(3500円/組)、キャンピングカーサイト(テント持ち込み5000円/組)はまだ空きがあるそうなのでメールで問い合わせを。宿泊予約はじゃらん受付となる。 土浦JCの自転車イベントも 交流人口、関係人口の拡大を促進する土浦市が後援する。同市発祥のアクティビティーコンテンツ、「JMKスケート」(モーター不要で坂道もスイスイ進むフリースケート)、「メカベー」(メカニカルベーゴマ)が会場に持ち込まれ体験会を開く。 12日には土浦青年会議所(JC)主催で「自転車を通して地域の魅力に触れ合おう」イベントが同時開催、午前と午後の2回、霞ケ浦サイクルラリー2022が催される。小学校3年生以上対象で、参加費500円(各回定員25人)。 りんりんポート土浦は、つくば霞ケ浦りんりんロードを利用するサイクリスト向けの湖畔の交流拠点。会期中、ポート前の駐車場は使えず、エス・バイ・エルマンション前に臨時駐車場が開設される。

延期半年 3月11日から開催へ つくばの街と山をつなぐ芸術祭

コロナ禍のため延期されていた「つくばの街と山をつなぐ芸術祭(つくばアートサイクルプロジェクト)」の開催が、3月11日から4月10日までと決定した。参加作家は国内外から35人以上、展示拠点は筑波山神社を含む全11カ所となり、仕切り直し前から共に増えた。プロジェクト実行委員会の野堀真哉委員長は「約半年の延期でつくばセンタービルが使えなくなるなどしたが、先行させる筑波山エリアでは1カ月のロングランとなり、色々楽しんでもらえるようになった」と企画の追い込みをかける。 テーマに「アントロポセン-分岐点を超えた景色」を掲げる。アントロポセン(人新世)は、新しい地質年代をさす造語。地質学的な意味づけは「人類の活動が地球規模で環境を激変させ、長期的な痕跡を残す時代」。この時代にアーティストは何を感じ表現するのかを問いかけた。 会場を筑波山周辺の山エリア、つくば駅周辺の街エリアの双方に複数箇所設定するのが特色。つくばでは、アートに関わる様々なイベントが散発的に開催されているが、“街でやっていること”“山でやっていること”と互いの距離感があるよう感じられたのがプロジェクトの立ち上げとなった。展示品のみが主役のイベントではなく、つくばの地域性を知りながら、その場所性を生かした現代アートを通し、芸術に触れ、地域に触れ、歴史に触れる機会を作るのがねらい。当初、昨年9月の13日間の開催が予定されたが、コロナ禍から延期となっていた。(21年9月8日付) 仕切り直し後は、山エリアが3月11日からと開催を先行させる。展示会場は、BASE877、筑波山神社、江戸屋、旧小林邸ひととき、神郡石蔵shiten:、北条川田邸を予定。野堀委員長は「登山道を使ったインスタレーションの計画もあり、会期中には筑波山神社の御座替わり(4月1日)も行われる。りんりんロードでは沿道の桜が見ごろを迎えるはず」と芸術鑑賞に留まらない楽しみ方をアピールしている。 センター地区の街エリアは4月2日から10日の開催。つくば美術館、桜民家園が中心になる。研究学園地区イーアス内のサイバーダインスタジオは3月11日~4月10日の会期。 鑑賞には共通パスポートが必要。各会場で取り扱い。昨年実施のクラウドファンディングで、リターンにパスポートを求めた応募者には郵送の予定という。(相澤冬樹) ◆つくばアートサイクルプロジェクト2021-22 ▽日程:山エリア・サイバーダインスタジオ 3月11日(金)~4月10日(日) センターエリア4月2日(土)~10日(日)▽会場時間:10:00–17:00 *最終日15:00まで▽休場日:毎週月曜日(桜民家園10:00–16:00 毎週水曜日休み)▽入場:共通パスポート(会期中何度でも入場可能)一般1500円 学生1100円 (税込み)会場や出展作家など詳しくはプロジェクトのホームページで

子孫が土浦市に寄付「一色家住宅」 観光や文化振興に活用へ

江戸時代末期の武家住宅の面影を残す、土浦市西真鍋町の登録有形文化財「一色家住宅」の土地と建物が昨年12月、土浦市に寄付された。所有者で牛久市在住の彫刻家、一色邦彦さん(86)が寄付した。市では壊れた部分の補修を行い、観光や文化振興に活用していく予定だ。 一色家住宅は、土浦藩年寄格で、1878(明治11)年に県内初の国立銀行「第五十国立銀行」(常陽銀行の前身の一つ)を創設した一色範疇(はんちゅう)の居宅だった。茅葺屋根の主屋(面積201平方メートル)は2001年に国登録有形文化財となっている。 主屋は、江戸時代末期につくられた土浦藩士、西川右近家の主屋を、範疇が明治時代に移築したと伝えられている。内部は8畳間が4室、田の字型に配された書院造で、正面側と庭園側は縁側になっている。主屋の北側には築山と池のある日本庭園がある。1989年に南側に離れが増築されている。 市内で唯一、武家住宅の面影をとどめる建物で歴史的価値が高い。2019年まで和食店として使われていた。現在、内部は非公開となっている。 寄付は一色邦彦さんが市に申し出て実現した。邦彦さんの父で彫刻家の五郎さんは一色家住宅で生まれ育った。 邦彦さんは東京生まれ。戦時中に空襲を逃れて土浦市に移り住んだ。現在は牛久市にアトリエを持ち、彫刻家として活躍を続けている。邦彦さんは「国の登録文化財であり、雰囲気がよく、心を癒す場所。価値ある建物なので市民の癒しの場として活用してほしい」と話す。 市文化振興課は、文化財である主屋部分に壊れているところがあるため、補修を進めていくという。今後どのように活用していくかは未定だが、自転車道のつくば霞ケ浦りんりんロードから500メートルほどの位置にあり、サイクリストが立ち寄りやすい立地であるため、土浦の歴史と文化を伝える観光スポットとしての活用も検討する考え。補修後は限定的に内部を公開することも検討中としている。(田中めぐみ)

土浦で国内最高峰レース 11、12日 シクロクロス全日本大会

自転車のまち土浦で11、12日、荒れ地を走る自転車競技、シクロクロスの国内最高峰レース「第27回全日本自転車競技選手権大会シクロクロス」(日本自転車競技連盟主催)が開催される。会場はりんりんポート土浦および川口運動公園周辺特設コース。ハイレベルな戦いを目の前で観戦できるまたとない機会だ。 全日本選手権はその年の王者を決める大会。特に男子エリート部門はランキング100位までの選手しか参加できない、選りすぐりの強者たちによる祭典だ。優勝者には日本一の称号およびナショナルチャンピオンジャージが贈られ、競技者なら誰もが袖を通すことを夢見る。今大会の優勝者(男女エリート・U23)は来年1月、米国アーカンサス州で開催される世界選手権大会出場への道が開け、世界への登竜門にもなっている。 シクロクロスはオフロードのコースを走るヨーロッパ発祥のスポーツ。周回コースを使い、1レースが30~60分と短いためテレビ中継にも適しており、欧米では人気が高い。 茨城では過去9季連続でシクロクロス大会が開かれてきたが、全日本選手権の誘致は今回が初めて。「特に土浦はつくば霞ケ浦りんりんロードを擁し、自転車をキーワードに地域情報を全国に発信しているなどの素地があり、地域のバックアップ体制も充実している。コロナ禍で不安もあったが、選手は活躍の場を求めているし、未来を目指す若者のためにも必要な大会。困難な時代だからこそ、僕たちで受け入れようと決心した」と、大会を主管する茨城シクロクロスつくば事務局長の影山善明さん。 「全日本が首都圏で開催されること自体初めて。地方でも大都市でもない、東京への玄関口である土浦だからこそ、みんなが来やすく見やすい大会ができる。駅から徒歩5分という好立地も素晴らしい」とも話す。 今大会の見どころとして、男子エリート部門は織田聖(埼玉、弱虫ペダルサイクリングチーム)、沢田時(滋賀、チームブリヂストンサイクリング)、小坂光(栃木、宇都宮ブリッツェン)の各選手による三つどもえの戦いが予想されている。沢田は前年度チャンピオン、小坂も過去の優勝経験者。織田は昨季までU23カテゴリーで活躍、夏はスイスのロードレース大会に出場しながら国内でも多くのレースで優勝を果たしてきた。ステップアップのためにも今季はぜひタイトルが欲しいところだ。 女子エリート部門は渡部春雅(神奈川、明治大学)、福田咲絵(東京、AXシクロクロスチーム)の2強激突で、どちらが勝っても初優勝。今後このカテゴリーを担っていくのが誰になるのか、注目される一戦だ。 観戦はコース内以外ならどこでも可。舗装道路あり、芝エリアありの国内では珍しいハイブリッドコースが造られた。スタートの迫力やスピード感を味わうなら川口運動公園東側のロングストレート、アップダウンなど多彩なコースレイアウトを楽しむなら芝エリアがお薦めだ。大会本部が置かれるりんりんポートの駐車場には、飲食ブース「土浦の恵みマーケット」が設けられ、地域の人気グルメなどが多数出店する。 影山さんは「国内ではまだ認知度が低いが、一度見ると楽しいとよく言われる。スタジアムスポーツに近い感覚で楽しんでいただけると思う。ぜひ会場で応援を」と呼び掛ける。(池田充雄) ◆大会の詳細は専用サイトへ。

つくばの市街地にイノシシ出没

つくば市の市街地にイノシシが出没している。11月初旬から12月初めに天久保4丁目、学園の森、天王台付近で相次いで目撃された。農村部ではイノシシによる農作物被害が大きな問題になっているが、街中でイノシシが目撃されるのは同市で初めてだ。市や警察は連日パトロールを実施している。現時点で被害の報告はない。 市鳥獣対策・森林保全室によると、11月4日、松塚と古来で目撃された。その後、7日に筑波大学近くの天久保4丁目の住宅地で目撃され、20日と21日には学園の森の商業施設周辺で目撃された。11月25日から12月4日には天王台で目撃された。 大きさなどは不明だ。これまで市内各所で目撃されたイノシシが同じ個体なのか、別の個体なのかなども分かっていない。 目撃場所付近では、市と警察などが巡回を続けているほか、学園の森付近では目撃場所近くにわなを設置している。3日までにまだ捕獲されていない。 「初期段階の対策重要」 農研機構畜産研究部門 動物行動管理研究領域の平田滋樹上級研究員。右の画像はイノシシの頭とあごの骨 つくばの街中にどうしてイノシシがいるのか。農研機構畜産研究部門 動物行動管理研究領域の平田滋樹上級研究員は「いつ、どこから来たのかは分からないが、イノシシは平地の休耕地や平地林、やぶなどが好適地。つくばは市街地でも豊かな自然が広がっているので、市街地でイノシシが目撃されても不思議ではない」と話す。平地林ややぶなどで、ススキやクズの根っこ、ドングリなどを食べているという。 目撃した場合の対応については「イノシシは警戒心が強い。石を投げたり、犬をけしかけたりなどは絶対せず、その場からそっと立ち去ってほしい」と話す。 一方「初期段階でどれだけ早く対策をとれるかで、その後の増え方が変わってくる」とし、住民ができることとして「目撃したら、日付けと時間、どっちに行ったかをメモし、行政に通報してほしい」とする。情報がたくさん集まれば集まるほど、居場所を絞り込むことができる。 さらに、えさを置いたり、飲食容器のごみを捨てると知らず知らずのうちに餌付けになってしまったり、人を恐れなくなってしまうので、餌付けやポイ捨てをしないことが重要だと強調する。 イノシシはどこに食べ物があったか覚えていて、目撃場所周辺に再びやって来ることがあるという。草が茂っていると茂みに隠れて、急にとび出してくる恐れがあるので、目撃場所付近では草を刈って茂みを減らすことなども対策の一つになるという。 市内では2018年1月、同市沼田のつくば霞ケ浦りんりんロードで住民2人が相次いでイノシシに襲われ、けがをする事故が発生している。 つくば市内の市街地でイノシシを目撃した場合の連絡先は以下の通り。市役所鳥獣対策・森林保全室 電話 029-883-1111つくば警察署  電話 029-851-0110

輪行袋不要のサイクルバス 関鉄 土浦駅-筑波山口間で実証運行

関東鉄道(本社・土浦市、松上英一郎社長)は11月1日から、土浦駅と筑波山口を結ぶ路線バスに自転車が積載できるバスを実証運行する。輪行袋に収納しなくても、車内に2台まで積み込めるサイクルバスで、JR常磐線の駅から運行するのは県内で初めて。 仕事や買い物利用でも使える 土浦駅 - 筑波山口間の路線は、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」をほぼ平行に走る約20キロ、約50分間の距離で、どの停留所からでも自転車と一緒に乗り降りできる。実証運行期間中、積載料は当面の間、無料。 りんりんロードを自転車で走るサイクリストが、行きや帰りに路線バスを利用したり、急勾配の筑波山を上り下りするヒルクライムに挑戦するサイクリストが利用することを想定している。 バスは69人乗りの大型バスで、車内の座席のうち中央の4席を取り外し、自転車2台が積み込めるようにした。乗客自身が自転車を車内に持ち込み、前輪と後輪を車輪止めで固定し、ベルトで車体を固定する作業を行う。方法が分からない場合は運転手が手伝ってくれる。 サイクルバスは、平日午前10時から午後4時20分まで往復2便、土日祝日は午前7時50分から午後5時20分まで往復4便運行する。 つくばエクスプレス(TX)つくば駅と筑波山を結ぶバスは、つくば市が運行するコミュニティーバス「つくバス」に2010年から自転車1台が車外に積載できるようになっている。土浦駅発の路線バスに自転車が積み込めるようになることで、TXと常磐線の両方から、自転車を積載して筑波山に向かうことができる。 同社企画課の森田玲泉係長は「サイクリストばかりでなく、一般の人も利用してほしい」と話し、観光やレジャーばかりでなく、日常の仕事や買い物での利用を呼び掛ける。公共交通の利用を促進するためには、ラストワンマイルといわれる自宅からバス停までの二次交通手段の確保が課題とされており、課題克服を視野に入れた実証運行でもある。利用者が多い場合、他の路線にも自転車積載バスを拡大していく方針だという。(鈴木宏子) ◆土浦駅 - 筑波山口の乗車料金は片道大人940円。自転車積載の予約は不要。

霞ケ浦から桜川へ自転車散歩 《ポタリング日記》1

【コラム・入沢弘子】高架道でまちを抜けると霞ケ浦が見えてきました。こんな快晴の日の湖面は透明感のある瑠璃色。沖には数隻のヨットの白い帆がくっきり。今日は湖の近くを走ってみましょうか。 りんりんポート土浦の駐車場は、県外ナンバーでほぼ満車。ロードバイクのサイクリストの間で車から自転車を降ろします。さっき見えた土浦港に行ってみようかな。隣接する三帆ひろばでラクスマリーナのヨットを撮影。見晴らしがよく気持ちがスッとします。 停泊するモーターボートを眺めながら港沿いを行くと、日本三大水天宮の水天宮に到着。水神宮と稲荷大明神と三社が並んで見送ってくれました。近くの出島状に湖に突き出た港町地区には湖岸道があったはず。ジョギングや散歩の人たちがちらほら。岸から釣り糸を垂らす人がたくさん。小さな船だまりの木造船の先に養殖さおや漁網もあるのは、漁をしていた頃の名残かな? 湖面を渡る風は、かすかに潮の香り。 おやつは「りんりんチョコ」 秋は土浦全国花火競技大会が開催される時期。今年も中止だけれど、会場付近の様子を見に桜川を上ってみましょう。桜川堤の右岸は歩行者と自転車のみ通行可能な道が整備され、自動車も通行可能な区間は、河川敷の道に降りられるので安心。約500本の桜並木の堤防は、昔からのお花見の名所で有名です。 港町から水郷橋のたもとを渡り、常磐線の橋梁をくぐり、桜川橋、匂橋、銭亀橋、土浦橋を通過すると学園大橋に到着。この辺りが花火大会の時は桟敷席になる場所です。来年は夜空に咲く大輪の花が見られますように。 広い河川敷で休憩。土浦駅前の老舗・高月堂で買った「りんりんチョコレート」でおやつタイムです。特産品のレンコンのチップ入りチョコは食感が楽しく、まろやかな甘さに癒されます。さあ、この後はどこに行こうか。町なか探検をしようか…。 自転車と泊まれる駅のホテル 日本で2番目に大きな湖・霞ケ浦のほとりにある城下町土浦市。世界に誇る「ナショナルサイクルルート」に認定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」の玄関口です。JR土浦駅は日本で唯一のサイクリスト仕様のアトレ(「プレイアトレ土浦」)。部屋に自転車と泊まれる星野リゾートのホテルも開業しました。 サイクルウェアに身を包み、輪行バッグで改札口を通る人も多く、市内の店舗のサイクルラックにも、ロードバイクが停められている「自転車のまち」。 駅前の図書館に勤務していたころは、土浦が「自転車のまち」として変貌するのを他人事のように見ていましたが、次第に自転車ライフを楽しみたくなり、駅ビルの店で自転車を購入。小型自転車BROMPTON(ブロンプトン)は、折りたたんで車に乗せられる気軽さをとても気に入っています。 これから、土浦市やその周辺を自転車散歩した様子を「ポタリング日記」として記していきます。本格的な自転車乗りの方には物足りないと思いますが、ご容赦ください。(広報コンサルタント)

霞ケ浦から桜川へ自転車散歩 《ポタリング日記》1

【コラム・入沢弘子】高架道でまちを抜けると霞ケ浦が見えてきました。こんな快晴の日の湖面は透明感のある瑠璃色。沖には数隻のヨットの白い帆がくっきり。今日は湖の近くを走ってみましょうか。 りんりんポート土浦の駐車場は、県外ナンバーでほぼ満車。ロードバイクのサイクリストの間で車から自転車を降ろします。さっき見えた土浦港に行ってみようかな。隣接する三帆ひろばでラクスマリーナのヨットを撮影。見晴らしがよく気持ちがスッとします。 停泊するモーターボートを眺めながら港沿いを行くと、日本三大水天宮の水天宮に到着。水神宮と稲荷大明神と三社が並んで見送ってくれました。近くの出島状に湖に突き出た港町地区には湖岸道があったはず。ジョギングや散歩の人たちがちらほら。岸から釣り糸を垂らす人がたくさん。小さな船だまりの木造船の先に養殖さおや漁網もあるのは、漁をしていた頃の名残かな? 湖面を渡る風は、かすかに潮の香り。 おやつは「リンリンチョコ」 秋は土浦全国花火競技大会が開催される時期。今年も中止だけれど、会場付近の様子を見に桜川を上ってみましょう。桜川堤の右岸は歩行者と自転車のみ通行可能な道が整備され、自動車も通行可能な区間は、河川敷の道に降りられるので安心。約500本の桜並木の堤防は、昔からのお花見の名所で有名です。 港町から水郷橋のたもとを渡り、常磐線の橋梁をくぐり、桜川橋、匂橋、銭亀橋、土浦橋を通過すると学園大橋に到着。この辺りが花火大会の時は桟敷席になる場所です。来年は夜空に咲く大輪の花が見られますように。 広い河川敷で休憩。土浦駅前の老舗・高月堂で買った「リンリンチョコレート」でおやつタイムです。特産品のレンコンのチップ入りチョコは食感が楽しく、まろやかな甘さに癒されます。さあ、この後はどこに行こうか。町なか探検をしようか…。 自転車と泊まれる駅のホテル 日本で2番目に大きな湖・霞ケ浦のほとりにある城下町土浦市。世界に誇る「ナショナルサイクルルート」に認定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」の玄関口です。JR土浦駅は日本で唯一のサイクリスト仕様のアトレ(「プレイアトレ土浦」)。部屋に自転車と泊まれる星野リゾートのホテルも開業しました。 サイクルウェアに身を包み、輪行バッグで改札口を通る人も多く、市内の店舗のサイクルラックにも、ロードバイクが停められている「自転車のまち」。 駅前の図書館に勤務していたころは、土浦が「自転車のまち」として変貌するのを他人事のように見ていましたが、次第に自転車ライフを楽しみたくなり、駅ビルの店で自転車を購入。小型自転車BROMPTON(ブロンプトン)は、折りたたんで車に乗せられる気軽さをとても気に入っています。 これから、土浦市やその周辺を自転車散歩した様子を「ポタリング日記」として記していきます。本格的な自転車乗りの方には物足りないと思いますが、ご容赦ください。(広報コンサルタント)

土浦市職員のHPが最優秀賞 イラストと記事で”日本一”の霞ケ浦流域紹介

土浦市職員の若田部哲さん(45)が、個人で制作するホームページ(HP)「日本一の湖のほとりにある街の話」がこのほど、ウェブサイトコンクール「TCDアワード2021」で最優秀賞を受賞した。版画のようなオリジナルのイラストと記事で、霞ケ浦流域のグルメやレジャー、文化などを紹介している。 ウェブデザイン会社「デザインプラス」(大阪市)が主催する賞で、「独特な、味のあるデザインのイラストが目を引く」「コンテンツが充実している。まるで懐かしい絵本のよう」などと評価された。 土浦の老舗グルメ、霞ケ浦流域の祭りやレジャー施設、レンコンや江戸崎カボチャなどの特産品、夕映えスポットなど、若田部さんが実際に行って魅力を感じた霞ケ浦流域の地域文化を、5つのジャンルに分けて紹介している。 特に高い評価を得たイラストは、各作品3色だけを使い、濃淡で表現している。手描きでスケッチを描き、色別に写しとってさらに手描きし、パソコン上で彩色して仕上げる。 ホームページは2019年に開設し、毎週平均2本ずつ記事を紹介しており、現在計約170本が紹介されている。グーグルマップなども取り込み、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」を走るサイクリストが、ホームページを見ながらグルメを堪能したり、景観スポットを散策できるよう工夫している。 ナンバー1をアピール 霞ケ浦は琵琶湖に次いで2番に大きい湖だが、ホームページのタイトルを「日本一の湖—」とした。面積は第2位だが、西浦、北浦、外浪逆浦などを合わせた霞ケ浦全体の湖岸線の長さは琵琶湖を上回り日本一。魅力をPRするにはナンバー1が重要だとタイトルに付けた。 4年前、滋賀県の琵琶湖のほとりで開催された全国市町村職員研修会に参加したことがきっかけになった。全国各地から集まった市町村職員に霞ケ浦を紹介したところ、全国一の琵琶湖はよく知られていても、2番目の霞ケ浦を知らない職員も多く、悔しい思いをした。 土浦に戻り、何とかアピールする方法はないかと考え、湖岸線は日本一であることを「発見」。湖岸線が日本一なら関係市町村も多く経済圏も大きい、オール霞ケ浦で日本一をアピールできないかという思いが、ホームページ制作の動機になったという。「霞ケ浦のイメージを変え、自分たち自身が霞ケ浦を誇りに思うきっかけになれば」とも話す。 昭和レトロの土浦の老舗紹介も 若田部さんは現在、市勤労青少年ホーム(同市文京町)に勤務する。筑波大学芸術系でデザインを学び、同大学院を修了後、建築設計事務所を経て、土浦市職員になった。これまで古い街並みや老舗が残る土浦の魅力を、「昭和レトロ」というキーワードでアピールし、2015年から常陽新聞にオリジナルのイラストと記事で土浦の老舗を紹介する「土浦画報」「土浦老舗博覧会」を連載した。その後、生活情報誌「月刊ろたす」、茨城新聞などにもイラストと記事を連載、「日本一の湖ー」では、これまで各紙に連載してきたイラストも含め紹介している。 霞ケ浦流域の魅力について若田部さんは「一つのカラーでまとめられない、いろいろ違ったおもしろさがある」とし「広域のつながりをもたせて、日本一をアピールしたい」と話す。将来は、関係団体や企業などとコラボして、サイクリスト向けの紙の地図をつくりたいと語る。(鈴木宏子)

湖畔の「かすみキッチン」《ご飯は世界を救う》37

【コラム・川浪せつ子】7月から、霞ケ浦では帆引き船の操業があります。出航場所の一つは、かすみがうら市の歩崎公園横の志戸崎(しとざき)漁港です。今回は、そこを見たいと思いお出かけ。 歩崎公園の周辺は、ナショナルサイクルロード指定の「つくば霞ケ浦りんりんロード」が整備されています。貸自転車なども設置された休憩場所もあります。その2階が「かすみキッチン」。 数年前、この建物のリメイクの絵(建築パース)の仕事を受けました。その数年後、そこの駐車場トイレの全面改修完成予想図も描かせていただきました。2件とも別の設計事務所でした。 どちらもとてもキレイに仕上がっており、以前行ったときより、コロナ禍中にもかかわらず、多くの人が訪れていました。建物の美しさは重要ですね。まさしく「アートは世界を救う」。 観光物産館「こいこい」 歩崎公園はかすみがうら市。そこから、「霞ケ浦大橋」を渡ると、行方市です。渡って直ぐの場所に、観光物産館「こいこい」があります。実は、18年ほど前、CG&現場写真の合成パースの仕事をやりました。 そのときはコンペでしたが、取ることができ現在に至ります。農産物、湖の恩恵を受けたお魚、珍しい鯉こくなど、おいしいものをたくさん売っており、人気のお店になっています。 ここには「虹の塔」という高さ60メートルの塔があり、360度パノラマビュー。霞ヶ浦、筑波山を一望できます。高い場所が大好きな私にとっては、よいスケッチ場所です。 また、霞ケ浦の岸から、かわいい灯台が出ていました。ミニサイズ、高さ2.7メートル。こちらの灯台の所有者は独立行政法人「水資源機構」ですが、現在は使用されていないそうです。(イラストレーター) ※ ナショナルサイクリングロード Share

湖畔の「かすみキッチン」《ご飯は世界を救う》37

【コラム・川浪せつ子】7月から、霞ケ浦では帆引き船の操業があります。出航場所の一つは、かすみがうら市の歩崎公園横の志戸崎(しとざき)漁港です。今回は、そこを見たいと思いお出かけ。 歩崎公園の周辺は、ナショナルサイクルロード指定の「つくば霞ケ浦りんりんロード」が整備されています。貸自転車なども設置された休憩場所もあります。その2階が「かすみキッチン」。 数年前、この建物のリメイクの絵(建築パース)の仕事を受けました。その数年後、そこの駐車場トイレの全面改修完成予想図も描かせていただきました。2件とも別の設計事務所でした。 どちらもとてもキレイに仕上がっており、以前行ったときより、コロナ禍中にもかかわらず、多くの人が訪れていました。建物の美しさは重要ですね。まさしく「アートは世界を救う」。 観光物産館「こいこい」 歩崎公園はかすみがうら市。そこから、「霞ケ浦大橋」を渡ると、行方市です。渡って直ぐの場所に、観光物産館「こいこい」があります。実は、18年ほど前、CG&現場写真の合成パースの仕事をやりました。 そのときはコンペでしたが、取ることができ現在に至ります。農産物、湖の恩恵を受けたお魚、珍しい鯉こくなど、おいしいものをたくさん売っており、人気のお店になっています。 ここには「虹の塔」という高さ60メートルの塔があり、360度パノラマビュー。霞ヶ浦、筑波山を一望できます。高い場所が大好きな私にとっては、よいスケッチ場所です。 また、霞ケ浦の岸から、かわいい灯台が出ていました。ミニサイズ、高さ2.7メートル。こちらの灯台の所有者は独立行政法人「水資源機構」ですが、現在は使用されていないそうです。(イラストレーター) ※ ナショナルサイクリングロード

旧筑波東中にBMXコース整備へ 自転車チーム「弱虫ペダル」提案

つくば市は25日、同市北条、旧筑波東中学校グラウンドに新たに、自転車競技の一つ、BMX(バイシクルモトクロス)コースを整備すると発表した。 市内に活動拠点があるプロの自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」(5月18日付)から昨年、市に提案があったのを受けて、市が来年度、約7500万円でコースを造成する方針だ。2023年に完成予定で、完成後は弱虫ペダルチームがコースを管理運営する予定だという。 BMXは、いくつもの小高い大小のこぶや、曲がり角がつくられた土のコースを、専用の自転車で300~400メートル走り抜けてタイムを競う競技。同中のグラウンド約1.17ヘクタールに全日本大会なども開催可能な最大約380メートルのコースと、子供用コースなどをつくる。さらに300台以上収容できる駐車場も整備する。 同中は秀峰筑波義務教育学校の開校に伴い2018年3月に廃校となった。跡地活用として校舎の一部を、筑波山地域ジオパークの中核拠点施設とサイクリング拠点として整備するため、今年度それぞれ約2200万円と約290万円で設計が実施されている。サイクリング拠点としては1~2階の教室の一部を改修し、自転車修理スペースやシャワー室などを整備する計画だ。 同中は、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の沿線にある。市は、シャワー室などを備えているだけでは短時間の利用が多くなってしまうが、BMXは滞在時間が長く、食事や宿泊など地域への波及効果が期待できると強調する。 弱虫ペダルチームはロードレースなどの選手が多く、BMXの選手は現在、在籍していない。一方、BMXは子供たちが遊び感覚で楽しむことができるため、BMXをきっかけに将来、自転車競技の道に進む選手が出ることが期待されるという。 市は弱虫ペダルチームと近く連携協定を締結し、BMXコースの運営のほか、同中に整備するサイクリング拠点の運営、自転車安全教室の開催協力などを実施してもらう方針だ。 弱虫ペダルチームは人気漫画「弱虫ペダル」の作者、渡辺航さんが立ち上げたチームであることから、市は、同チームと連携することを通して、人気漫画のキャラクターなどを利用し、サイクリング拠点としての集客力向上を図りたい狙いがある。(鈴木宏子)

桜川沿いに交流拠点を 24-25日つくば 長屋門の古民家で「市」

江戸末期に建てられた長屋門を構える、つくば市栄地区の塚本康彦さん宅(同市大)で24、25日、地域交流イベント「ICHI 市 in 栄」が開催される。 土浦市から桜川沿いを遡上し筑波山に至るサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」に沿って、古い街並みや景色の中から、休憩や交流のできる拠点を創出し、コミュニティーを醸成しようと考えられた。今回が最初の試みとなる。 主催は茨城県建築士会筑波支部(長瀨行弘支部長)。「市」の発案は、同支部内で交流しているサイクルスポーツのポタリングから始まった。 有志の一人であるつくば市の茂垣直樹さん(建築設計事務所「m・style」代表)は「将来的には小田地区や北条地区にも同様の拠点と催事を実現し、観光を兼ねて地域の特産品を知り、地元の人々と交流できる機会を創出したい」と趣旨を説明する。 「市」は、同支部の有志が企画する。塚本さん宅の庭先を中心に飲食・物販のマルシェを設営するほか、会として日常進めている耐震・空き家相談会も催す。 約20の出展者が協力し、地元産の食材を使ったランチの提供や農作物の販売が予定されている。筑波支部ではトートバッグづくりなどの行事も準備している。 現地で設営の段取りを進める土浦市の矢口明子さん(建築設計事務所「present」経営)は「栄地区の魅力を食と農と暮らしの視点から発信したい」と意欲を見せる。同地区の歴史や文化を地域の人に話してもらう講座や、染色・草木染め体験、桜川漁業協同組合による桜川に生息するナマズの展示なども予定している。(鴨志田隆之) ◆「ICHI市 in 栄」は24日(土)、25日(日)いずれも午前10時から午後4時まで開催(雨天決行)。両日とも臨時駐車場は近隣の心福寺境内が充てられるが、台数に限りがあるため、支部は乗り合わせや公共交通機関利用を勧めている。詳しくは同会ホームページへ。

PR不足などが課題に つちうらMaaS実証実験をシンポジウムで総括

【池田充雄】観光客の周遊促進や市民の移動手段確保を目的に実施された「つちうらMaaS(マース)実証実験」の活動発表が11日に行われた。この日、県県南生涯学習センター(土浦市大和町)で開かれた「つちうらMaaSシンポジウム2021」プログラムの一つとして、つちうらMaaS推進協議会の松上英一郎会長(関東鉄道社長)が報告した。 実証実験は2月15日から3月12日まで、4種類の事業で展開された。 利用実績は目標の半分強 そのうちの1つ、ジョルダン「乗換案内」アプリによるキャッシュレス化実験は、ジョルダン社(本社・東京)の経路検索アプリ「乗換案内」の付帯サービス「ジョルダンモバイルチケット」を使い、土浦市内のバス、遊覧船、観光施設、物販・飲食店の支払いをキャッシュレス決済する。「アプリを利用し、複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービス」というMaaS本来の定義に最も則した実験といえる。 実施期間は2月15日から3月12日まで。市のプレミアム付商品券「コロナに負けるな!応援チケット」の利用期間との重複を避け、さらに外部からの観光客が増える「土浦の雛まつり」や「筑波山梅まつり」の開催期間に合わせる意図があった。しかし結果的に、新型コロナウイルス感染症に伴う県独自の緊急事態宣言のため、これら観光イベントとの相乗効果は見込めなくなった。 当初、推進協議会が目標としていた利用件数は1000件。これは人口80万人の浜松市で行われた同様の実験で、1週間という実施期間で500件の利用結果が得られたため。だが人口14万人・26日間の条件で行われた今回の実験では、目標の半分強に相当する559件(3月10日現在)の利用件数に留まった。 不調の原因としては住民・利用者へのPR不足のほか、利用開始までの登録手続きや、購入したチケットの決済確認などの煩雑さ、利用者への特典の少なさなどが挙げられた。また決済時におつりが出ないので、切りのいい金額設定をした店とそうでない店とでは、平均利用件数に2倍の開きが生じたという。 4つの実験を通して、PR不足から利用者の掘り起こしに精彩を欠いた。これらを踏まえ松上会長は「昨年7月のスタートから、半年間でこれだけのことができ、地域の底力を感じた。各方面のご理解ご協力に感謝する。21年度はコミュニティーバスの自動運転と、マイナンバーカード認証を使ったキャッシュレス化の実証試験を計画している」と話した。(次ページにつづく) このほかの実験の報告は次のとおり。 ▽実験2「自転車道(つくば霞ケ浦りんりんロード)における電動キックボード走行実験」 2月16~20日の期間中に400人ほどの参加者があった。操作性では「非常に簡単」「簡単」を合わせて92%、走行性では「非常に安全」「安全」を合わせて78%、「今後利用したいか」では「ぜひ利用したい」が84%と好評で、96.6%の人が「新しい移動手段として使える」と回答した。 松上会長は「今回は自転車専用道での走行だった。いま各地で、通常の自動車道でヘルメットとナンバープレートを付け、原付自転車と同じ扱いで走行実験が行われており、それらと併せて今後の利用を検討したい」と話し、普及につなげるためメーカーや業界団体に対し、交通マナーの確立を図るよう要望した。(2月19日付) ▽実験3「土浦市新治地区におけるAIコミュニティバス運行実験」 前半2月22日~3月2日が時刻表運行・マイナンバーカード認証方式で63人利用、後半3月3日~11日がデマンド運行・顔認証方式で48人利用(10日現在)だった。1便当たりの利用者数は0.5人で、前回のコミュニティーバス試験運用時の1.7人を下回る残念な結果となった。 狭い道の多い地区ではバスタイプよりもワゴンタイプの方が便利だったこと、デマンド方式は待ち時間の低減につながり、交通不便地域での運用に適することなどが分かった。需要調査について「バスがあったら利用するか」といった旧来型のアンケートではなく、「1日に何回乗るか」「どこからどこまで乗るか」といった実態に即した調査を行い、ビッグデータやプローブデータと共に解析することが重要だとした。(2月22日付) ▽実験4「自動運転一人乗りロボ『ラクロ』走行実験」 2月25日~27日の実験期間中に27人が参加し、91.3%の人が「今後も利用したい」と回答した。走行コースは新治地区公民館から新治学園義務教育学校までの歩道約500メートル。このような郊外地区では目印になるものが少ないため、ラクロの走行に必要な電子マップの作成に、少し苦労するという。また降雨・強風時は、雨やほこりのセンサーへの付着も課題になる。ただし、バス停から自宅へのラストワンマイルを支える交通手段としての技術はおおむね確立しており、今後は普及による低コスト化が重要だという。(2月25日付)

自宅からバス停までの移動手段模索 電動キックボードで実証実験

【山口和紀】電動キックボードは近い将来、自宅からバス停までのラストワンマイル(最後の1区間)の移動手段を担うことができるのかー。土浦市真鍋の自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」で18日、電動キックボードの走行実験が行われた。同市で実証実験が行われている、複数の公共機関やモビリティを組み合わせ、検索・予約・決済等を一元化する「つちうらMaaS」の目玉の一つだ。 実験に使われたのは常総市のベンチャー企業「KINTONE(キントーン)」の電動キックボード「モデルワン」だ。家庭用コンセントから簡単に充電することができ、一度の充電で13~18キロ走行が可能。最高時速は25キロ。孫悟空の「筋斗雲(きんとうん)に乗っているかのように移動できる」という。 今回行われた実証実験では、すれ違い、追い抜き、並走などの様々な状況を、徒歩や車いす、自転車などが通行している状況を想定し実験し、安全性や活用の可能性を探った。 現在、電動キックボードは条件を満たせば原動機付き自転車として公道を走ることができるが、自転車道を走ることは認められていない。一方、欧米ではシェアリングサービスが進むなど一般に普及している。QRコードを読み込むなどの簡単な方法で、街中のステーションから電動キックボードを借りていくことが出来るという。 同社の担当者は「欧米では、新しいことはまずやってみて、そのあと調整して法制度を作っていく。日本は安全性や活用法をきちんと確かめてから法制化という流れ。実際に自転車道を走ることができるのは、早くてもあと5年はかかると考えている」と語った。 実験を行っている関東鉄道の担当者は「バスや電動キックボードのようなモビリティを様々に組み合わせて、より良い交通システムを模索していきたい。」と話した。

「データ活用し次のステップへ」つちうらMaaS始動

【伊藤悦子】次世代の交通システム「つちうらMaaS(マース)」の実証実験が15日スタートするのを前に、開幕式典が14日、同市川口のりんりんポート土浦で開かれた。主催者の「つちうらMaaS推進協議会」会長で関東鉄道(同市真鍋)の松上英一郎社長は「MaaSの実装に向けて準備を進め、いよいよ明日から実験できることになる。15日から3月12にまで4週間実施する。今回の取り組みが土浦市の課題解決の一助になれば」とあいさつした。 MaaSは複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、アプリを利用して検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービスのこと。土浦市は、国交省の「2020年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定され、準備を進めてきた。市民の移動手段の確保、観光客の周遊促進などが目的だ。 同協議会副会長の安藤真理子土浦市長は「実証実験で集まったたくさんのデータを活用し、次のステップにいくことを大いに期待する。実証実験が成功することを切に願っている」と力強くあいさつした。 同副会長で、土浦商工会議所の中川喜久治会頭は「MaaSの実証実験は、土浦がテレワークやワーケーションに適した土地であることの大きな発信力にもなる。実証実験を成功させ、土浦の大きな発展の礎になるようにしたい」と抱負を語った。 式典では地元選出の衆院議員、県会議員、市議らがあいさつし「何としても実験を成功させたい」と訴えた。 式典終了後、りんりんロード駐車場内で電動キックボード試乗会が行われた。実際に乗った安藤市長は「やり方がわかれば誰でも乗れる。バランス感覚もそれほど必要ではない。力を使わず楽に、簡単に移動ができる」と感想を話した。 バス路線廃止区域で実験 「何がいいのか、データとる」  式典後、同推進協議会会長の松上英一郎・関東鉄道社長は今回の実証実験の意義などについて次のように話した。 ―実証実験の意気込みは? 松上 昨年の7月から会を発足させて半年でここまでこぎつけた。関係者の尽力に感謝したい。実証実験では(バス停から自宅までの)ラストワンマイルの移動手段として、電動キックボートとラクロ(自動運転一人乗りロボ)の2種類を提案している。電動キックボードはシニアから若い人まで各層で使える。折りたたんで電車やバスに持ち込み、自宅から駅、駅から会社までの移動手段など、1日4回使える乗り物になると提案している。ラクロは都市部で実証実験が済んでいるので、私どもは新治地区の、人混みはないが車がスピードを出して走っている地区で安全走行ができるかを試す。きわめて有効な乗り物だと私どもは思っている。 ラストワンマイルだけでなく、飲食店や交通機関が利用できるモバイルチケットも発売する。ぜひ市内、市外からお越しの方に、モバイルチケットを使ってもらい、土浦市の魅力を再発見していただけたら。 新治地区でコミュニティバスの実験もする。顔認証システムとマイナンバーカードを使った実験で、来年度に向けて、バスの自動運転やマイナンバーカードを使った完全キャッシュレスの実験をしていきたい。 ーデータをとるということだが、目指すところは何か? 松上 実験だから、私どもの仮説は当然ある。しかし、いろいろな方に使っていただいて、まず、不便だとか、もっとこうした方がいいとか、意見を頂戴したい。答えを求めて実験するわけではない。日本のいろいろな地区で参考になるデータが集まればいいと考えている。 ー「つちうらMaaS」は国交省の「日本版MaaS推進・支援事業」に選ばれた全国38カ所の一つだが、全国で初めて行われる実験はあるか? 松上 新たなテクノロジーを使った実験ではないが、「つくば霞ケ浦りんりんロード」で行う電動キックボードのすれ違い実験などは、初めて、安全性走行試験を長距離で実験する。そのデータを各関係者が活用していただければ幸いだ。 ー将来、今回の実証実験の組み合わせで新たな交通手段はできるか。 松上 バスやタクシーの運転手、物流トラックの運転手も国内では減っている。おそらく時間給に見合った労働ではないからだと思っている。バスの運転手は安全運転とお客さんの集金など業務は多岐にわたり、大変な仕事だ。運転手を続ける人が少なくなっている中で、こういった自動運転システムを早晩つくっていかないと公共交通はなくなってしまうかもしれない。こういった実験を我々もやっていこうと思う。 ー今回、実証実験をする新治地区は、以前、コミュニティバス「新治バス」の試験運行を実施したが、成功しなかった(2019年10月29日付)。今回はラクロ(自動運転一人乗りロボ)やAIバスの実証実験をするが、ラクロはバスの運行に寄与するのか。 松上 ラクロも電動キックボードも自宅からバス停までや、駅までの移動手段として有効だと思う。都市部では実証実験が進んでいる。地方都市も同じだ。我々は新治地区でコミュニティバスの実験をやる。以前、関東鉄道のバスが走っていたが1年足らずでやめた。今回は、利用者のデータをもとに、どんな要望があるのかということからバス停の場所を決める。バスが走っても人が乗らなかった地域で、タクシーがいいのか、自転車がいいのか、ラクロがいいのか。私どもはラクロがいいと考えて今回、実証実験をする。 ➡つちうらMaaSの過去記事はこちら

AIバス、自動運転1人乗りロボ 「つちうらMaaS」 15日から実証実験

【山崎実】つちうらMaaS(マース)推進協議会(土浦市、関東鉄道ほか11団体で構成)は15日から3月12日まで、土浦市内でMaaSの実証実験を実施する。 MaaSはアプリを利用し、複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービスのこと。土浦は、国交省国土交通局の「2020年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定され準備を進めているもので、市民の移動手段の確保、観光客の周遊促進などが目的。 実証実験では▽ジョルダン(本社・東京都新宿区)のアプリ「乗換案内」によるキャッシュレス化実験▽自転車道(つくば霞ケ浦りんりんロード)における電動キックボード走行実験▽土浦市新治地区におけるAIコミュニティーバス運行実験▽自動運転1人乗りロボ「ラクロTM」(AIコミュニティーバスのバス停から自宅までの、ラストワンマイルを担うモビリティー)の走行実験―などを行う。 このうちジョルダン「乗換案内」アプリによるキャッシュレス化実験、自転車道の電動キックボード走行実験、自動運転1人乗りロボの走行実験は県内初の試み。 特に、公共交通の不便地域である新治地区で、市民の移動手段確保を目的として、地区と既存路線バスのバス停、商業施設などを結ぶコミュニティーバス(無料、1台8人乗り)の運行実験が実施されることは、いわゆる「交通弱者」対策の切り札として注目される。 各実証実験の詳しい内容は以下の通り。 ▽ジョルダンのアプリ「乗換案内」を使ったマルチモーダル経路検索・モバイルチケット利用(2/15~3/12実施)=同アプリで、タクシーを含めたマルチモーダル経路検索と合わせ、キャッシュレスで「つちうらMaaSモバイルチケット」を購入すれば、スマートフォン一つでバスの乗車や市内の飲食店や物販店(計59店)、観光施設などの利用ができる。「土浦グルメ・ショッピングチケット」「霞ケ浦観光遊覧船乗船券」「予科練平和記念館観覧券」「土浦市内バス1日乗車券」があり、各チケットには割引や利用特典がある。 ▽自転車道での電動キックボードの走行実験(2/16~20)=電動キックボードは現在、所定の要件を満たせば原付きバイクとして公道を走行できるが、自転車道は認められていない。今回、つくば霞ケ浦りんりんロードの一部区間で、電動キックボードの活用可能性を探るため、すれ違い、追い抜き、並走など、さまざまな条件の下で安全性を確認する走行実験をする。電動キックボードは、キントーン(Kintone、本社・常総市)社が製造した茨城モデルの「キントーンモデルワン」を使用する。電動キックボードは、世界で普及しており、将来、バス停から自宅までのラストワンマイル(最後の1区間)の移動手段を担うことが期待されている。 ▽「新治コミュニティーバス」運行実験(2/22~3/11)=土浦市新治地区で、地区と既存路線バス停、商業施設などを結ぶコミュニティーバスの運行実験を実施する。運行ルートの策定にあたっては、市民の移動需要を的確に捉えるため、Agoop(本社・東京都渋谷区)からビッグデータ(流動人口データ)の提供を受け、筑波大学システム情報系社会工学域、鈴木勉研究室の研究成果を踏まえ、ルートを策定した。運行は、3月2日までは時刻表に基づき運行する。3月3日からはNTTドコモ(本社・東京都千代田区)が提供するオンデマンド乗合交通システムにより運行し、効率的な運行を実現する。「AI運行バス」はNTTドコモが提供する「高度なAIによる配車制御で、乗りたいときに、乗りたい場所で、誰でも簡単に乗車予約ができる(オンデマンド)サービス」。利用者がウェブサイトや電話で乗降場所と乗車人数を予約すれば、運行中のAIコミュニティーバスがリアルタイムに配車される仕組み。車両と運行経路をリアルタイムにAIが決定し、ウェブサイトに乗車予定時刻が表示される。バスの乗車にあたっては、NECソリューションイノベータ(本社・東京都江東区)の顔認証システム及びICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(本社・群馬県前橋市)のマイナンバーカード公的個人認証システムによる認証実験を実施する。 ▽自動運転一人乗りロボ「ラクロ」走行実験(2/26~27)=AIコミュニティーバスのバス停から自宅までのラストワンマイルを担うモビリティーとして、新治地区公民館付近の歩道で走行実験を実施する。「ラクロ」は、ZMP(本社・東京都文京区)が提供するサービス。シニアカーや電動車いすとは異なり、ジョイスティックなどを使った手動操作が必要ない。自律移動機能を搭載しているため、誤操作による事故も回避でき、バス停から自宅までラストワンマイルを担う安全性の高いモビリティとして活用が期待されている。さらに豊かな表情や声によるコミュニケーションも可能なことから、人と共生するロボットとして周囲の歩行者などと交流を図りながら走行することで街を明るくする効果も期待されている。郊外地域での走行実験は全国初。 問い合わせはつちうらMaaS推進協議会事務局(電話029-822-3710)

過去最大を更新 つくば市新年度予算案 総合運動公園の借入金62億円を返済

【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長は4日、2021年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比1.3%増の約897億1300万円、特別会計などを含めた総額は同比0.5%増の約1495億1300万円で、3年連続で一般会計、総額いずれも過去最大を更新した。 主な事業として、つくばエクスプレス(TX)沿線で小中学校3校と、11校が共同利用する温水プール、学校併設のコミュニティ施設2カ所を新設するほか、総合運動公園用地購入借入金のうち計62億円を3月補正も含めて返済する。 コロナ禍 法人市民税13%減 新型コロナの影響で、歳入は市税収入が前年度比2.2%減ると見込む。同市ではTX沿線地区の人口増などによりここ数年、市税収入が毎年10億円程度増えてきた。市税が減収となるのは、2011年のリーマンショック以来、10年ぶり。 市税のうち、法人市民税が同比13%減少すると見込む。固定資産税は3年に1度の評価替えなども行われることから2.2%減、個人市民税は1.1%減を見込む。 利子負担1億円減らす 総合運動公園用地(同市大穂、約46ヘクタール)は、市土地開発公社が金融機関から66億円を借り入れて購入し、24年3月が返済期限となる。毎年約3600万円ずつ増える利子を減らすため、3月補正で約53億円、21年度当初予算で約9億円を、市が公社に無利子貸し付けをして返済する。残り約6億円は22年度と23年度にさらに約3億円ずつ返済し、1年前倒しで完済する。これにより利子を約1億円減らすことができるという。 歳出の主な事業のうち学校建設は、23年4月開校の研究学園地区小中学校(建設費約20億5700万円)と香取台地区小学校(建設費約9億5300万円)で校舎の建設が始まる。24年4月開校のみどりの南小中学校は設計費(約2億2200万円)を計上する。 学校関連ではほかに、みどりの地区に新設の共同利用温水プールは約6700万円で設計を実施する。学校利用のほか、市民が利用することもできる。葛城小学校の新校舎と香取台小学校には、学校に併設して、地域住民が利用するコミュニティ施設を新設する(建設費計約1億3600万円)。 給食センターをまた新設 児童・生徒の急増により、学校ばかりでなく給食センターも足りなくなることが想定されるため、25年度の開所を目指し新桜学校給食センターの設計(約2200万円)を実施する。給食センターは今年4月、1万2000食を調理できる「つくばほがらか給食センター谷田部」が開所したばかりだが、さらに新設する。 文科省が進めるGIGA(ギガ)スクール構想の一環として約3億6200万円を計上し、小中学生に1人1台パソコン端末を整備する。 春日の旧消防庁舎を解体(2億2800万円)し、筑波大と連携して、跡地に児童発達支援センターを開設するための内装設計(900万円)を実施する。 つくばセンタービル改修設計費6300万円 つくばセンタービルの改修は、市民活動拠点を再整備するための設計費として約6300万円を計上する。 観光では、1986年に建てられ老朽化した筑波山観光案内所を建て替える(約1億7800万円)。 今年、再認定審査が実施されイエローカードが出されると危惧されている筑波山地域ジオパークは、旧筑波東中の一部教室に中核拠点を整備するための設計費(約2200万円)を計上する。 旧筑波東中には併せて、つくば霞ケ浦りんりんロードのサイクリング拠点を整備するための設計(約290万円)も実施する。 つくば駅と研究学園駅周辺ではシェアサイクルの実証実験を開始する(約1600万円)。 五十嵐市長が2期目の課題(20年11月5日付)に挙げた広報のあり方については、市民に市政情報を深く知ってもらうため、新たに「市政情報かわら版」を制作し、区会回覧で配布する(約190万円)。 今年もいつ収束するか先が見通せない新型コロナ対策費については、21年度当初で児童館のエアコン設置やタクシー事業者支援など計約6億4300万円を計上する。1人10万円の特別定額給付金があった20年度のコロナ対策費は279億円だった。

水辺のまち土浦をカヌーで遠足 来春始動へ ラクスマリーナ

【鈴木宏子】水辺のまち土浦で、市内を流れる川をカヌーで巡り、自然体験や観光に生かそうという新たな試みが始まっている。コロナ禍、野外で、親子や小グループでも楽しめる旅行商品づくりでもある。 霞ケ浦で遊覧船を運行するラクスマリーナ(同市川口、社長・栗原正夫土浦市副市長)が企画した「カヌー遠足」で、来春の商品化を目指している。 ガイドが付き添い、遠足気分でカヌーを楽しんでもらおうという企画だ。市街地を流れ、両岸に約200本の桜並木が続く桜の名所、新川を水面から巡る「新川遠足」や、夏にはハスの花が一面に広がる日本一のハス田を巡る「霞ケ浦レンコン田遠足」などが企画されている。 企画は、県の筑波山・霞ケ浦広域エリア観光連携促進事業「アウトドア層向け新商品企画開発」の開発部門で入賞し、11月から来年2月まで計5回のモニターツアーが実施される。 モニターツアーで子供たちが新川巡り 初のモニターツアーは11月に実施され、つくば市研究学園の総合型地域スポーツクラブ、NPO法人Next one(ネクスト・ワン、井上真理子代表)の小学1年から5年生約20人が、新川のカヌー遠足に参加した。初めてカヌーに乗るという参加者もいた。 午前10時、霞ケ浦・土浦港のラクスマリーナを出発、霞ケ浦から新川河口に入り、常磐線の鉄橋など計9カ所の橋をくぐって、桜並木が途切れる真鍋橋上流まで上り、Uターンする往復4キロを巡る約2時間のコースだ。真鍋橋では、川岸に立地するコンビニに上陸してトイレ休憩。子供たちはコンビニ店で一人200円ずつ渡され、それぞれ好きなおやつを買うなど遠足気分を盛り上げる演出もあった。 参加したつくば市の小学3年、女子児童は「いろいろな景色が見えて面白かった」、同市、同3年の男子児童は「流れが強いところがあって岸にぶつかりそうになったけど楽しかった」などと話していた。 同NPOアシスタントマネジャーの河田萌さん(28)は「子供たちは自分たちの力で進んで、仲間と協力しながら乗り越えることを体験できたと思う」と語った。 ツアーのガイドには、土浦港で年4回実施されているカヌーやヨット体験イベント「誰でも楽しもう霞ケ浦」を支えるボランティアらが参加し、子供たちの安全を見守った。「誰でも楽しもう」は2005年から開催され、障害者も高齢者も子供も、だれでも霞ケ浦を楽しんでもらおうという催しだ。ツアーにガイドスタッフとして参加した筑波大出身で埼玉県春日部市の会社員、木村穂高さん(53)は「子供たちは、ぐらぐらする水面や非日常を楽しんでくれたと思う」と話す。 カヌー遠足を企画したラクスマリーナ取締役の秋元昭臣さんは、自転車愛好者がつくば霞ケ浦りんりんロードを自由に行き来して楽しんでいるように、水面ではカヌーが行き来し、誰でも気軽に楽しめるようになることを目指したいとし、「霞ケ浦には56本の流入河川がある。皆が水に親しむようになれば、川もよりきれいになるのでは」と話す。 ◆カヌー遠足は「新川遠足」が片道1.3キロ、往復90分で参加費は大人4500円、子供(小学4年生以上)2500円、「霞ケ浦レンコン田遠足」は片道650メートル、往復90分で、参加費は大人3500円、子供2000円。料金はいずれも税込み。詳しくは電話029-822-2437(ラクスマリーナ)。

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