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ホットな霞ケ浦のワカサギ漁「解禁」で市が立つ
2018年7月22日
【相澤冬樹】猛暑続きで水温上昇が懸念された霞ケ浦のワカサギ漁、解禁日の21日は昨年の倍近い漁獲となって、漁師や関係者はひとまずホッとするホットな滑り出しとなった。 ワカサギはひき網のトロール漁で採捕される。日中の暑さを避け早朝の操業となるが、長時間網を引き続けると魚体が傷むため、1時間程度で切り上げる。漁師の高齢化から、今夏は熱中症の懸念も高まっており、気温と水温の上昇が不安材料となる解禁を迎えた。 県霞ケ浦北浦水産事務所の調べだと、この日操業した漁船は霞ケ浦(西浦)140隻、北浦38隻だった。聞き取りによる1隻当たりの漁獲量の平均は霞ケ浦81.9キロ、北浦25.4キロで、いずれも昨年を倍前後上回り、200キロを超えた船もあり、総じて満足のいく漁果。昨季は霞ケ浦全体で100トンを割り込む不漁だっただけに、今年の漁に手応えを感じられる操業初日となった。 採れた魚は早速、生ワカサギや煮干しのパック詰めとなって出荷される。漁期は12月末までだが、全国の主要産地で夏場に漁を行うのは霞ケ浦(北浦含む)だけ。今の時期のワカサギは脂がのり、不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含むことから、「ナツワカ」として売り込みを図っている。 行方市にある道の駅たまつくりにある観光物産館「こいこい」では、漁師らでつくる霞ケ浦水産研究会による「わかさぎ解禁市」が開かれた。採れたてのナツワカを天ぷらなどにして販売したが、持ち込まれた量も昨年の1.5倍。日差しの強い屋外で、天ぷらに揚げていく作業は熱気が半端ない。 口にした来店客は「臭みがまるでなく、甘みも感じられる」と感想。霞ケ浦りんりんロードをやってきたサイクリストらが汗だくで揚げたてをほおばる姿が見られるなど、ホットな夏休み初日となった。
《光の図書館だより》7 世界初! ネットTVで情報発信
2018年6月7日
【コラム・入沢弘子】梅雨入り間近の週末、6月1日に土浦市立図書館は30万人の来館者をお迎えしました。開館から半年、開館日163日目です。大勢の方のご来館を心より感謝いたしております。3月下旬、隣接するJR土浦駅に「プレイアトレ土浦」がオープンしてからは、週末の来館者が増加傾向にあります。 サイクリングウエアで立ち寄る方々も見受けられ、企画展示の「自転車関連」書籍や、情報ステーションで配布している「つくば霞ケ浦りんりんロード」「つちうらサイクリングマップ」も、すぐに無くなってしまう人気ぶり。徐々に、駅前の人や自転車の往来が盛んになってきている印象を受けます。 この半年間、来館者のご意見を運営に活かすために毎日アンケートを実施し、約600名の方から回答をいただきました。 集計したところ、①男女比は女性60%、男性40% ②年齢は10代35%、次いで50代から70代の各年代が15%前後 ③居住地は土浦市内80%、市外20% ④交通手段は自家用車50%、次いで徒歩・自転車が17%程度 ⑤職業は学生40%、次いで会社員と主婦がそれぞれ20%程度―という結果でした。 5段階評価の満足度は、①アクセスと図書館内の環境が各4.5 ②図書資料とサービスが4.2 ③スタッフの対応が4.1―でした。自由回答で記入の多い「館内に飲食場所がほしい」「周辺の飲食店を知りたい」「Wi-Fiを利用したい」「椅子の音が気になる」「平日もイベントをやってほしい」などについては、ご要望にお応えしてきました。 また、「もっと図書館に親しみをもってほしい」「これまで足を運ばなかった方にも図書館に来ていたただきたい」との願いから、5月から週1回のインターネットテレビ番組を始めました。職員が交代で出演し、図書館や本についての情報をお届けします。公共図書館の番組は世界初のチャレンジ。ぜひご視聴ください。(土浦市立図書館館長) ▽番組名:「つちうら図書館ちゃんねる」 ▽放送日時:毎週木曜日 午後3時から15分間 ▽公開生中継:Vチャンネルいばらき「サテライトスタジオ505」 ▽録画保存先:https://www.youtube.com/vchannelibaraki
来年6月8、9日 つくば国際会議場 G20大臣会合日程決まる
2018年5月23日
【鈴木宏子】来年つくば市で開催されるG20貿易・デジタル経済大臣会合の日程と会場が決まった。6月8、9日の2日間の日程で、つくば市竹園、つくば国際会議場(同市竹園)で開催される。会場は16年5月に開催されたG7科学技術大臣会合と同じ。 大井川和彦知事は22日の定例会見で「非常に注目される会議になる。貿易とデジタル経済の2つの大臣会合が合同なのでおそらく非常にたくさんの参加者がいらっしゃる。県としてはこの機会を最大限に利用して、茨城を知ってもらう、楽しんでもらうことに全力を尽くしたい。県内の観光インフラ、おもてなしの機運、知名度、そういうものの振興に全力を注ぎたい」と話した。 さらに各国の大臣を案内したい場所として、つくばの研究機関の視察のほか、大洗、石岡のフラワーパーク、水戸の偕楽園、霞ケ浦などを挙げ「いろいろなところを見ていただきたいし、食事も含めて茨城の良いところを是非体験していっていただきたい。息抜きにりんりんロードをサイクリングしていただくのもありかなと思っている」などと述べた。 地元つくば市の五十嵐立青市長は「準備から会合当日まで1年余りの間、つくば市の魅力を国内外に発信する絶好の機会。未来につなげるレガシーを創出すべく、市民を始め、政府、県、関係機関と連携し、成功に向けて準備を進めたい」とコメントを出した。 同会合は、来年6月28、29日に大阪で開かれるG20サミットに併せて、全国8カ所で開かれる関係閣僚会合の一つ。自由貿易の推進や IoT(身の回りのあらゆるものがインターネットにつながる仕組み)、AI(人工知能)などの革新的技術を通じて、世界の経済成長を力強いものとするための取り組みについて議論する予定という。
【GW】まだ間に合う! お出掛け情報㊤ 手ぶらでサイクリング
2018年4月30日
【鈴木宏子】最大で9連休のゴールデンウイーク(GW)がスタートした。県内の行楽地では家族や友人、一人でも楽しめる多彩な催しが用意されている。GW後半に向け、日帰りで楽しめる「GWまだ間に合う! 県内お出掛け情報」を2回に分けお届けする。第1回は手ぶらで楽しめるサイクリングを紹介する。 筑波山や霞ケ浦をめぐる全長約180㎞の自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」は、玄関口の土浦駅ビルに3月末、サイクリングを楽しむ拠点施設「りんりんスクエア土浦」がオープンするなど、自転車を楽しむ環境が充実してきた。 GW中は、手ぶらで土浦駅に来てレンタサイクルを借り、同駅東口そばの土浦港から遊覧船に自転車を載せて、クルーズとサイクリングを楽しむ「霞ケ浦広域サイクルーズ」や、土浦の街なかを自転車で楽しむ散策ツアーなどが用意されている。 5月は自転車月間。昨年5月に「自転車活用推進法」が施行され定められた。同月間に合わせて5月1~31日まで、つくば霞ケ浦りんりんロード沿線の10カ所どこでも自転車を乗り降りできる「広域レンタサイクル」(県と土浦、つくば市など8市町が実施)の利用料金が1000円になる特別割引が実施される。通常利用料1日1500~2000円のロードバイク、ミニベロ、クロスバイクが3~5割引で利用できる。 県地域計画課によると同コースを走る自転車愛好者は、県が環境整備をスタートさせたころの2015年度は約3万9000人だったが、昨年の17年度は2倍近い5、6万人に増えたと推計されている。東京五輪が開かれる20年には琵琶湖と並ぶ10万人を目標にしている。各市の沿道には、まんじゅう店、かりんとう店、大盛りカレーの店など、自転車愛好者の間で話題を集める立ち寄り店も出てきているという。 玉造港にも寄港 霞ケ浦サイクルーズ 「霞ケ浦サイクルーズ」は土浦港のヨットハーバー、ラクスマリーナを出航し自転車を載せて潮来までを結ぶ。霞ケ浦クルーズと湖岸のサイクリングを一緒に楽しんでほしいと県と土浦市が、遊覧船を運航するラクスマリーナと実施している。潮来港のほか、今年から対岸の霞ケ浦ふれあいランド(行方市)そばの玉造港に立ち寄るコースが新たにできた。出発地の土浦港ラクスマリーナで広域レンタサイクルを借りることができる。GW後半の運航日は5月3日と5日、いずれも午前9時30分に土浦港を出発、玉造港と潮来港に立ち寄り土浦港に戻る。遊覧船の乗船料は玉造港、潮来港までが500円。事前予約が必要。申し込みは電話029・822・2437(ラクスマリーナ)。 見て食べて探索 つちうら散走ツアー 自転車に乗って土浦市内を散策し、見たり、食べたり、探索したりするツアー。ジオパークをテーマに上高津貝塚や霞ケ浦を巡り土浦市内を散策しながら、昼食や軽食をとる。同市がル・サイクと実施する。5月4日午前10時、土浦駅プレイアトレ1階りんりんスクエア土浦内ル・サイク土浦店に集合。参加費3000円(レンタサイクル、保険、昼食・軽食代、ガイド料込み)。募集対象は中学生以上、定員20人。申し込みは電話029-846-3192(ル・サイク土浦店) 【レンタサイクル】自転車月間の5月中、1日1000円で利用できる広域レンタサイクルの乗り降り場所は、土浦市内は駅ビルのりんりんスクエア土浦、土浦まちかど蔵大徳、土浦港ラクスマリーナの3カ所、つくば市はつくば駅前のつくば総合インフォメーションセンターで利用できる。3日前までに予約が必要。予約は電話029・822・2437(ラクスマリーナ)。ほかに土浦駅ビル、プレイアトレ1階ル・サイク土浦店(1日1500~3500円、電話029・846・3192)▽同地下1階(「ハローサイクリング-どこでも借りれる自転車シェア」の専用アプリに会員登録が必要、24時間2500円)▽土浦市中央、まちかど蔵大徳(1日1000円、電話029・824・2810同市観光協会、予約受付なし)などでも利用できる。
個展「ツチウラカノジョ」で鮮烈デビュー 写真家目指す関萌野さん
2018年4月24日
【池田充雄】土浦市中央の観光案内施設「まちかど蔵大徳」2階ギャラリーで22日まで、写真展「ツチウラカノジョ」を開いた関萌野(せき・のの)さん。土浦市内の魅力的な場所や景色を背景にした、女性のポートレート作品約40点を集めた。初の個展を終えたばかりの彼女に話を聞いた。 とっておきの場所 同展のための撮影は1年掛かりで進められた。友人たちをモデルとして市内各地に足を運び、100点ほどの作品に仕上げ、今回はそのうちの一部を発表した。会場には、蔵造りの雰囲気の中に撮影で使った服や、ドライフラワーなどの装飾もさりげなく置かれ、作品以外の空間デザインも意識したという。 冬木立の中にたたずむ女性の写真(1)は、手野町の霞ケ浦湖岸で撮影した。「冬っぽいスモーキーな感じで撮りたいと思って、以前からよく夕日を見に行っていたこの場所を選んだ」と関さん。まず場所ありきのことも。あるいはイメージが先にあり、それに合った場所を選ぶことも多いという。 モール505も好きな場所(2)の一つ。彼女の年代にはレトロな雰囲気に映るそうだ。ここを使って撮影された北野武の映画「龍三と七人の子分たち」は大好きな作品で、そこから喚起されたイメージもあるという。 夏を迎えて色を深めた青田が広がる写真(3)は、藤沢のりんりんロードが舞台。「田園風景の中に道がまっすぐ延びている。個人的には土浦の自然が好き。こういう景色は東京では絶対に撮れない」。 若者目線で土浦再発見 初の個展を開いた感想については「若い人に、土浦にもこういう所があるんだと思ってもらえたら。東京の友達もたくさん来てくれて、土浦を見直したと言ってくれた。若者目線で撮っているので、年配の方には気に入ってもらえないかなと思ったが、予想外にほめていただいたのでうれしい」 撮影にあたって意識したのは、女性のやわらかい表情と、土浦の風景をマッチさせること。関さんが服や小物も選び、メークも写真の雰囲気に合わせて施した。 「この子はこういう服を着たら似合うなとか、イメージが膨らんでからモデルをお願いしたことが多い。普段はしないような格好だけど、こういうのも映えるよねと。その人の新しい一面を撮りたい」 早稲田大学法学部を卒業後、本格的に写真家を目指し、都内の日本写真芸術専門学校に入り直したばかり。ファッション写真を撮りたいと、服などのコーディネートも含めたポートレートを一つのテーマとして追い求めている。「ツチウラカノジョ2」もいつかやりたいと語る。土浦市在住、22歳。
「逆転の発想」が原点 土浦駅ビル 29日、サイクリング拠点オープン
2018年3月29日
【鈴木宏子】JR土浦駅ビル(同市有明町)に29日、サイクリングを楽しむ拠点施設「りんりんスクエア土浦」がオープンする。中心市街地の衰退に悩む土浦で、何が始まろうとしているのか。 同拠点施設は県と土浦市が1階と地下1階に設置した。同駅ビルを運営するJR東日本の子会社、アトレ(東京都渋谷区)が指定管理者として管理運営する。駅ビルもペルチからPLAYatre TSUCHIURA(プレイ・アトレ・ツチウラ)に名称変更する。 シャワー、コインロッカー、レンタサイクル、サイクルショップ、カフェなどがあり、自転車で乗り入れできる。館内で組み立て、修理、洗車などもできる。サイクリングコンシェルジュが常駐し、地域の観光スポットを案内したり、街の楽しみ方の情報を提供などする。 従来のショッピングを中心にした「モノを売る」駅ビルから脱却し、「コトを売る(体験を提供)ことにまじめにチャレンジする」と、アトレ土浦店プロジェクトリーダーの藤本沢子課長は狙いを話す。 7分の1に落ち込み 土浦駅ビルは1983年にオープンし35年の歴史がある。藤本課長によると、売り上げのピークはバブル期の1991年で、年間約112億円の売り上げがあった。 その後、つくばエクスプレス(TX)が開通し沿線に多くの商業施設が建設されたこと、土浦駅を利用するのは車を運転しない学生やシニアが中心になったことなどから、駅ビルの売り上げが低迷し、2016年度の売り上げはピーク時の7分の1の約16億円まで落ち込んだ。 「モノが売れない、地元のお客様に駅ビルにお越しいただけない、お店を入れ替えてリニューアルしても解消されない中、駅ビルをどのように存在させるか。それならば足元の商圏に頼らず、東京や全国からお客様を呼ぼうという逆転の発想」だという。 「世の中の消費は、モノを買うより体験することにお金を使う体験型にシフトしている。モノを売ることにこだわらないというのが原点」と藤本課長。新しい価値をつくり出し、コトを売ることにチャレンジするチャンスだと捉えた。 同じ時期、土浦では、県が中心になり、霞ケ浦や筑波山を巡る全長180㎞のサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」の環境整備が進んでいた。PRが功を奏し、同コースを利用する自転車愛好者は2015年が約3万9000人だったのに対し、16年度は約4万8000人、17年度は約6万人を超えると推測されるなど年々増加している。 米ポートランドをイメージ サイクリングのまちづくりで、藤本課長がイメージしたのが自転車の街として知られる米国西海岸のポートランドだという。 ポートランドには全長480㎞を超える自転車優先道路や自転車専用レーンが整備され、多くの市民が通勤・通学に自転車を利用している。自転車のイベントも数多く開催され、自転車を利用した観光も盛んで、グルメスポット、公園、下町、ビール醸造所など街中を巡るガイド付きツアーや、少し離れたブドウ畑、渓谷まで足を延ばすツアーなどが用意され、自転車は一大産業となっている。 「土浦、霞ケ浦は日本有数の観光拠点になる。そこから始める」と藤本課長はいう。 専用列車を運行 とはいえ、首都圏や全国からどうやって自転車愛好者を集めるのか。アトレでは、土浦駅前で自転車フェスティバルを開いたり、親会社のJR東日本や旅行会社と連携しサイクリスト向けの専用列車を運行して誘客に努める予定だ。 最初のフェスティバルはオープン後、最初の土・日曜となる31日と4月1日に駅前特設ステージで開催する。最新モデルのスポーツ自転車が集結し、試乗会やツアーなどを実施したり、キッズスクールなども開催するという。 オープン後、初めてとなるサイクリスト専用列車は4月22日に運行する。「つくば山桜ライド」と題して、上野発、15両編成の臨時列車が土浦にやってくる。参加者は折りたたみ自転車をたずさえて列車に乗車。土浦駅を出発し、山桜やご当地グルメを堪能しながら真壁休憩所まで片道30㎞を往復する。JTBが参加者を募集しており、28日までに130人の参加申し込みがあるという。 ホテルは90室前後 土浦駅ビルは今年11月、第2弾として2階と3階に、学びや体験を充実させたカフェ、レストラン、クッキングスタジオがオープン。第3弾として来年5月、2階南側に茨城の地ビールや日本酒、パン、スイーツなど地元の人気店を集めたフードマーケットがオープンする。最終段階の第4弾は来年秋以降、3~5階に、サイクリングを気軽に楽しむ人のためのカジュアルなホテルが誕生する。 ホテルはすでに運営会社が決定。客室は90室前後となり、1人1万円以下で宿泊できる施設になるという。「サイクリストはもちろん、観光客、ビジネス客も気軽にカジュアルに利用できるホテル」と藤本課長。さらに「霞ケ浦の景観が一番の魅力。きれいな霞ケ浦であってほしい」と願う。
《つくば道》5 茨城の観光ポテンシャルは高い
2018年3月15日
【コラム・塚本一也】先日ピョンチャン冬季オリンピックが閉幕し、現在はパラリンピックが開催されています。閉式後はいよいよ2020年の東京五輪が注目されることになるでしょう。また、2019年にはラグビーワールドカップの日本開催が決定しており、同年には茨城国体も開催されます。国内のアスリートが当県を訪れ、さらに世界が日本を注目する機会が訪れようとしています。 国内各地から初めて茨城へ来県するお客様やこれから日本を訪れる観光客に対して、私たちはどのような「おもてなし」をすればよいのでしょうか? 観光開発には俗にいう三原則があります。一つ目はファミリー客をターゲットにすること、二つ目はリピート率を上げる工夫をすること、三つ目は非日常的空間を演出することです。この三原則を忠実に守っているのが東京ディズニーランドです。舞浜の駅を降りた瞬間から演出が始まり、全てのキャスト・スタッフが夢の世界を作り上げています。 将来、国体や東京五輪などをきっかけに、茨城を訪れたお客さまが「次は家族旅行で来たい」―そう思っていただけるかどうかが茨城県観光開発の鍵になります。観光旅行とは非日常を楽しむために時間とお金を費やすのであって、日々見ているような景色や常日頃体験しているようなおもてなしでは、観光客の満足度を高めてリピート率を上げることにはつながりません。 これから茨城県では観光客を取り込むための様々な施策が実施されようとしています。霞ケ浦湖畔から筑波山を周遊する「つくば霞ケ浦りんりんロード」などはいい一例でしょう。このりんりんロードを例にとれば、サイクリング愛好家だけが楽しむのでなく、ファミリー層や幅広い年代の観光客を対象とした地元住民と共に楽しめるような交流の場をつくることなども考えられます。 スパやアスレチック場のような施設の整備や、シンガポールにある森に溶け込むようなテントの屋台村など設ける案はいかがでしょうか?また、このコースは万葉の時代から西の富士、東の筑波と謳われた関東のシンボル「筑波山」を巡るコースで、他県にないポテンシャルを秘めています。茨城空港から筑波山へ向かう観光ルートを開発して、筑波山を一体的に遊園化することも面白いと思います。 これらを実現するためには地域の住民と行政、事業者が一体となって取りくむ枠組みが必要となります。今、世の中にあふれている多くのものは夢物語からはじまりました。オリンピックは夢を実現するためには何が必要かを私たちに教えてくれました。これから訪れる観光客に茨城の自然や歴史、文化や人との出会いと交流の場を提供し、丸ごと楽しんでいただくことが目指すべきおもてなしではないでしょうか。 茨城県が日本有数の観光地へと変わる千載一遇のチャンスが訪れようとしているのです。(大曽根タクシー社長)
市民会館を大規模改修 土浦市新年度予算案
2018年2月23日
【鈴木宏子】土浦市の中川清市長は23日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初と比べ5.1%減の510億8000万円。主な事業として、老朽化している市民会館の大規模改修を実施するほか、土浦港周辺にサイクリング愛好者向けの拠点施設を整備する。 特別会計を合わせた総額は同6.2%減の909億6000万円。市立図書館、川口運動公園野球場、新治学園義務教育学校建設など大規模事業が一段落したことによる減額という。 歳入は市民税は1.3%の増加を見込んだが、3年に1度の固定資産税の評価替えなどから市税全体では同比0.2%減とした。10月からスタートする家庭用ごみ袋の有料化により、ごみ処理手数料収入を2億2500万円計上する。17年度がピークだった市債(借金)は、大規模事業の完了により減額に転じるという。 新年度の主な事業は、1969年に建設された市民会館の耐震補強と大規模改修を実施し、大ホールの座席幅を広げるほか、エレベーター設置、トイレ改修などを実施する。完成は2019年度で全体事業費は23億円。合併特例債の活用可能額167億6000万円のうち残り1億800万円を財源の一部に充て、使いきる。 土浦港周辺の拠点施設は、2010年にプロパストから取得し暫定広場になっている「つくば霞ケ浦りんりんロード」沿いの用地に、総額2億3000万円でサイクリング拠点施設とイベント広場、100台分の駐車場などを整備し、民間参入の呼び水とする。土浦駅ビルに3月オープンするサイクリング拠点施設「りんりんスクエア土浦」は鉄道利用のサイクリング愛好者向け、土浦港周辺はマイカー利用者の拠点になるという。 ほかに、今年10月6日に開催予定の土浦全国花火競技大会のブランド化を図ろうと、土浦駅前のビル壁面に花火を題材にした映像を投影するプロジェクションマッピングを実施するほか、東京・品川駅自由通路44面で花火大会の映像を上映する(1600万円)。 老朽化した第1・第2給食センターを統合して新治庁舎跡地に建設する学校給食センターは18年度に着工する。完成は20年度で全体事業費は37億2900万円になる。
土浦駅ビルがサイクリングリゾートに 日本最大級、ホテルも 来春第1弾オープン
2017年12月22日
JR土浦駅ビル「ペルチ土浦」(同市有明町)が来春、日本最大級の体験型サイクリングリゾートに生まれ変わる。レンタサイクル、サイクルカフェなどのほか、県内の人気店を集めたフードマーケットやホテルなどが次々にオープンする。 全長180㎞のサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」のスタート地点にあることを生かし、従来の駅ビルの枠を超え、ライフスタイルの発信や体験の提供に軸を移した新しい駅ビルになるという。JR東日本の子会社で同駅ビルを運営するアトレ(東京都渋谷区)が22日発表した。 駅ビルの新名称は「PLAYatre TSUCHIURA(プレイ・アトレ・ツチウラ)」で、第1弾として来年3月29日、核施設となる「りんりんスクエア土浦」が1階と地下1階にオープンする。1階にサイクルショップ、レンタサイクル、洗車・修理コーナー、地下1階にシャワー、ロッカーなどを備えた施設で、延床面積は計約959㎡。県が設置し、アトレが指定管理者として運営にあたる。整備費は約3億1700万円(県と土浦市が2分の1ずつ負担)。 駅直結の本格的サイクリング拠点施設は全国初で、サイクリングコンシェルジュが常駐し、地域の観光スポット、サイクリングコース、街の楽しみ方などの情報を提供する。 1階にはほかに、イタリアの自転車メーカー「ビアンキ」と、コーヒーチェーン店「タリーズコーヒー」によるサイクリングカフェがオープン。コンビニ、ドラッグストアなども開店する。 第2弾として来年11月、人気飲食店の企画・運営を手掛けるバルニバービ(東京都台東区)が、2~3階北側に「ステーション・ロビー・ツチウラ」を出店。学びや体験を充実させたカフェ、レストラン、クッキングスタジオなどを開く。 第3弾は2019年5月、2階南側に、地ビールや日本酒、パン、スイーツなど地元茨城の人気店を集めたフードマーケットがオープンする。 第4弾は19年秋以降、3~5階に、サイクリングを気軽に楽しむ人のためのカジュアルなホテルが誕生する。 土浦、つくば市など地域住民や駅利用者のほか、1000万人いるといわれる全国のサイクリング愛好者、アジアやヨーロッパなど海外のサイクリング愛好者の利用を想定しているという。 ペルチ土浦は地下1階地上6階建て、延床面積は約1万7400㎡。(鈴木宏子)
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