木曜日, 5月 16, 2024
ホーム検索

TX -検索結果

If you're not happy with the results, please do another search.

「最年少」の後任に「初の女性」 つくば市副市長に松本玲子市長公室長

全国最年少の副市長として26歳で就任し3月末で退任するつくば市の毛塚幹人副市長(30)=3月10日付=の後任に、市長公室長の松本玲子氏(62)が4月1日就任する。同市初の女性副市長となる。市議会3月定例会最終日の19日、本会議が開かれ、五十嵐立青市長が提案した。全会一致で同意を得た。 本会議であいさつした松本氏は「市政運営では議員の皆様から様々な意見をいただき、多くの課題を抱えていると認識している。議員の皆様とのコミュニケーションを大切にしながら、課題の一つひとつに丁寧に取り組み、五十嵐市長が掲げる『世界のあしたが見えるまち』の実現に向け、誠心誠意努力していきたい」などと決意を話した。 五十嵐市長は「松本公室長は市役所の総司令塔。男女の分け隔てなく働く環境を切り開いてきた」と評した。 任期は4年間。就任後は、毛塚副市長が担当した政策イノベーション部、保健福祉部、こども部、教育局などを担当するという。 取材に対し松本氏は、市の課題について、旧総合運動公園用地の利活用、中心市街地の活性化、学校建設などをしっかり進めていきたいとした。女性職員の活躍促進については「市の職場環境に男女の差はないので、女性職員のモチベーションや意欲をより高めることを一緒にやっていきたい」などと話した。 松本氏はつくば市出身。筑波大卒、同大学院修士課程環境科学研究科を修了し、都市計画などを学んだ。1983年に合併前の旧桜村役場職員となり、合併後はつくば市職員として、環境都市推進課長、国際戦略総合特区推進部次長、科学技術振興部次長などを歴任。つくばエクスプレス(TX)沿線開発、シティプロモーション、環境モデル都市構想や筑波山地域ジオパーク構想の策定などに取り組んだ。 2016年4月から市長公室長を務めている。(鈴木宏子)

さくらの杜ショッピングセンター 19日誕生 つくば市中根・金田台

【相澤冬樹】つくば市東部のニュータウンにこの春、大規模ショッピングセンターが誕生する。つくばエクスプレス(TX)沿線開発事業の一つ、中根・金田台特定土地区画整理で生まれた新街区、さくらの森に、地元デベロッパーが店舗面積約1万3600平方メートルの「さくらの杜ショッピングセンター」を整備した。複合店舗の先陣を切って19日、核テナントのスーパーがオープンする。 ショッピングセンターは、県道土浦大曽根線沿いの敷地約8万6700平方メートルに、3棟からなる店舗で構成される。核店舗となるのはスーパー、ヨークベニマル(本社・福島県郡山市)とホームセンター、コメリ(本社・新潟市)で、ドラッグストアや100円ショップなども軒を並べる。別のテナント棟にはコインランドリー、美容室、ゴルフスクールなどが入居する。駐車場は967台収容で整備された。 新型コロナ対策から、華々しいオープニングセレモニーは控えられるが、ヨークベニマルつくばさくらの森店が19日午前8時40分、テープカットを行い同9時に開店する。同日、ドラッグストアのマツモトキヨシ、25日にコメリパワーつくば東店が開店し、各テナントも3月中に順次オープンする。 コロナ禍で店舗開発 開発したのは建築・不動産業のクラフト(土浦市中高津、稲村冨士男社長)。スーパーやドラッグストアなどの単独店舗は手掛けてきたが、複合型ショッピングセンターは初めて。都市再生機構(UR)から事業用地を取得したのは2017年だったが、埋蔵文化財調査などのために引き渡しが2019年となるなど船出に手間取った。 ようやく造成に着手できたのは昨年3月、今度はコロナ禍の中での店舗開発を強いられた。「関係者集まっての会議は毎月のように22回ほど開いた。25~30人が集まるので、新型コロナの緊急事態宣言が出てからは参加者の体温チェックをし、テーブルの間隔をあけるなどの対策を講じての協議となった」(クラフト・坂本淳課長)という。 中根・金田台は、都市再生機構により地区面積約190ヘクタール、計画人口8000人で開発された。「緑住農一体型」の住宅地整備を行うなどしてなど2018年までに竣工、同年11月の住居表示で春風台、さくらの森、流星台の3行政区に編成された。同年10月に328世帯846人だった人口は、ことし2月には1165世帯2600人になった。この1年は特に「東京脱出組」を含めた移入が目立って増えているという。 急増する流入人口には待望の商業施設であると同時に、就業の場ができた形。コロナ禍にあってもスーパーやホームセンターなど流通業は客足を伸ばしていることもあって、今回出店の各テナントとも競うように大量求人に乗り出した。 課題は交通環境。TX沿線整備事業ながら、最寄りのつくば駅へアクセスするのに、土浦学園線と学園東大通り線へつながる道路が共に途切れていて使えない。買い物客はマイカー頼みだけに週末などの渋滞が懸念される。クラフトの稲村社長は「都市計画決定はしているのだから、県と市には早急な事業化をお願いしたい」と話している。

コロナ禍に「東京脱出組」動く つくばの分譲マンションなど 野村不動産

【山崎実】野村不動産(東京都新宿区、宮嶋誠一社長)が、北関東周辺の主要駅で分譲している全4件の新築マンションにかかる累計資料請求数を調べたところ、契約者の約2割が首都圏からの住み替えであることがわかった。いわゆる「東京脱出組」だ。 この結果は、直近の2021年2月上旬に第2期販売を行ったマンション「プラウド高崎あら町」(群馬県高崎市)の例。その他の分譲マンションも同様で、つくばエクスプレス(TX)の始発駅、つくば駅から徒歩7分に位置する「プラウドつくば」(つくば市東新井)では、現在の資料請求数のうち4割程度、また購入者の約2割を首都圏からの顧客が占めるという。 ほかに「プラウド水戸三の丸」(水戸市三の丸」、「プラウド郡山」(福島県郡山市大町)でも、問い合わせの2割前後を首都圏からが占めている。 コロナ禍の影響を受けて、「リモートワークが増加し住み替えを決めた」という声が一定数あるといい、いわゆる働き方改革(働き方の変化)が、住まい選びにも反映してきていると同社はみている。

過去最大を更新 つくば市新年度予算案 総合運動公園の借入金62億円を返済

【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長は4日、2021年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比1.3%増の約897億1300万円、特別会計などを含めた総額は同比0.5%増の約1495億1300万円で、3年連続で一般会計、総額いずれも過去最大を更新した。 主な事業として、つくばエクスプレス(TX)沿線で小中学校3校と、11校が共同利用する温水プール、学校併設のコミュニティ施設2カ所を新設するほか、総合運動公園用地購入借入金のうち計62億円を3月補正も含めて返済する。 コロナ禍 法人市民税13%減 新型コロナの影響で、歳入は市税収入が前年度比2.2%減ると見込む。同市ではTX沿線地区の人口増などによりここ数年、市税収入が毎年10億円程度増えてきた。市税が減収となるのは、2011年のリーマンショック以来、10年ぶり。 市税のうち、法人市民税が同比13%減少すると見込む。固定資産税は3年に1度の評価替えなども行われることから2.2%減、個人市民税は1.1%減を見込む。 利子負担1億円減らす 総合運動公園用地(同市大穂、約46ヘクタール)は、市土地開発公社が金融機関から66億円を借り入れて購入し、24年3月が返済期限となる。毎年約3600万円ずつ増える利子を減らすため、3月補正で約53億円、21年度当初予算で約9億円を、市が公社に無利子貸し付けをして返済する。残り約6億円は22年度と23年度にさらに約3億円ずつ返済し、1年前倒しで完済する。これにより利子を約1億円減らすことができるという。 歳出の主な事業のうち学校建設は、23年4月開校の研究学園地区小中学校(建設費約20億5700万円)と香取台地区小学校(建設費約9億5300万円)で校舎の建設が始まる。24年4月開校のみどりの南小中学校は設計費(約2億2200万円)を計上する。 学校関連ではほかに、みどりの地区に新設の共同利用温水プールは約6700万円で設計を実施する。学校利用のほか、市民が利用することもできる。葛城小学校の新校舎と香取台小学校には、学校に併設して、地域住民が利用するコミュニティ施設を新設する(建設費計約1億3600万円)。 給食センターをまた新設 児童・生徒の急増により、学校ばかりでなく給食センターも足りなくなることが想定されるため、25年度の開所を目指し新桜学校給食センターの設計(約2200万円)を実施する。給食センターは今年4月、1万2000食を調理できる「つくばほがらか給食センター谷田部」が開所したばかりだが、さらに新設する。 文科省が進めるGIGA(ギガ)スクール構想の一環として約3億6200万円を計上し、小中学生に1人1台パソコン端末を整備する。 春日の旧消防庁舎を解体(2億2800万円)し、筑波大と連携して、跡地に児童発達支援センターを開設するための内装設計(900万円)を実施する。 つくばセンタービル改修設計費6300万円 つくばセンタービルの改修は、市民活動拠点を再整備するための設計費として約6300万円を計上する。 観光では、1986年に建てられ老朽化した筑波山観光案内所を建て替える(約1億7800万円)。 今年、再認定審査が実施されイエローカードが出されると危惧されている筑波山地域ジオパークは、旧筑波東中の一部教室に中核拠点を整備するための設計費(約2200万円)を計上する。 旧筑波東中には併せて、つくば霞ケ浦りんりんロードのサイクリング拠点を整備するための設計(約290万円)も実施する。 つくば駅と研究学園駅周辺ではシェアサイクルの実証実験を開始する(約1600万円)。 五十嵐市長が2期目の課題(20年11月5日付)に挙げた広報のあり方については、市民に市政情報を深く知ってもらうため、新たに「市政情報かわら版」を制作し、区会回覧で配布する(約190万円)。 今年もいつ収束するか先が見通せない新型コロナ対策費については、21年度当初で児童館のエアコン設置やタクシー事業者支援など計約6億4300万円を計上する。1人10万円の特別定額給付金があった20年度のコロナ対策費は279億円だった。

《吾妻カガミ》99 そろそろ決着? つくば市の2大案件

【コラム・坂本栄】つくば市が抱える2大プロジェクトの方向性が見えてきました。一つはどんな陸上競技場をどこに造るか、もう一つはTXつくば駅そばのつくばセンタービルをどうリニューアルするか、です。市当局は今春に最終案を決めたいようですが、県南を代表する市の計画としてはどちらも地味な感じがします。今回はこれらの内容を吟味しましょう。 地味な陸上競技場建設プラン 市が固めた陸上競技場案は、主に小中学生が利用することを想定する「第4種公認(第3種相当整備)」です。規格の表現ではイメージが湧きませんが、要は1周400メートルの全天候型8走路のトラックを造るというプランです。観客スタンドはメインが1500席、芝生が2500人分、駐車場は普通車400~500台だそうですから、市内の陸上競技会などには手ごろなサイズでしょう。 そこで県内の他施設はどうなっているのか調べました。茨城県営(ひたちなか市、笠松運動公園内)は第1種で2700台分の駐車場があります。水戸市営は第2種、石岡市営、日立市営、龍ケ崎市営は第3種だそうです。私が小学生の時に運動会をやり、市内5中学対抗(私は砲丸投げの代表!)を開いた土浦市営が第4種です。いろいろな意味で勢いのある学園都市つくばの陸上競技場が第4種では、少し地味ではないでしょうか。 ある県議とこの問題について話したことがあります。彼の構想は、県に掛け合って高規格(第1~2種)の県営競技場をつくば市内に造らせ、県南の各市にも建設費を分担してもらったらどうか、というものでした。つくば市という狭い世界に閉じこもるのではなく、より広い視野で考えれば、市の費用負担も少なくて済むというアイデアです。 どこに造るかについては、県立上郷高校跡地(7ヘクタール)と総合運動公園予定地跡(45ヘクタール)が候補に挙げられています。比較評価一覧に目を通すと、市はどうやら前者に誘導したいようです。アクセス路の利便性や拡張の可能性などは明らかに後者が上ですから、この選択には何か引っかかるものがあります。 制約が多いセンタービル改修 市の中心市街地とつくばセンタービルをどうするか、市は苦悩しているようです。議会向け資料では、①ビルはホテル日航つくばと筑波都市整備との区分所有であり市が勝手にいじれない、②著名な磯崎新氏が設計したビルのデザインはできるだけ変えない方がよい、③飲食店街があった1階は道路側から目立たないという建築構造上の制約がある―と難しさを列挙、リニューアルは「市が所有している専有部分のみ」と、こちらも地味になりそうです。 具体的には、市が筆頭株主になる「地域運営会社」を設立し、センタービルを市民向けサービスと小ビジネス支援に使ってもらうというのが市の最終案です。私は本コラム87(昨年8月3日掲載)で、上記①②③などの問題点を踏まえ、区分所有権をまとめて大手開発会社に売り払い、オフィス中心のビジネスゾーンに造り変えてもらったらと提案しました。運営会社でにぎわいが戻らなかったら検討してみてください。(経済ジャーナリスト)

《吾妻カガミ》99 そろそろ決着? つくば市の2大案件

【コラム・坂本栄】つくば市が抱える2大プロジェクトの方向性が見えてきました。一つはどんな陸上競技場をどこに造るか、もう一つはTXつくば駅そばのつくばセンタービルをどうリニューアルするか、です。市当局は今春に最終案を決めたいようですが、県南を代表する市の計画としてはどちらも地味な感じがします。今回はこれらの内容を吟味しましょう。 地味な陸上競技場建設プラン 市が固めた陸上競技場案は、主に小中学生が利用することを想定する「第4種公認(第3種相当整備)」です。規格の表現ではイメージが湧きませんが、要は1周400メートルの全天候型8走路のトラックを造るというプランです。観客スタンドはメインが1500席、芝生が2500人分、駐車場は普通車400~500台だそうですから、市内の陸上競技会などには手ごろなサイズでしょう。 そこで県内の他施設はどうなっているのか調べました。茨城県営(ひたちなか市、笠松運動公園内)は第1種で2700台分の駐車場があります。水戸市営は第2種、石岡市営、日立市営、龍ケ崎市営は第3種だそうです。私が小学生の時に運動会をやり、市内5中学対抗(私は砲丸投げの代表!)を開いた土浦市営が第4種です。いろいろな意味で勢いのある学園都市つくばの陸上競技場が第4種では、少し地味ではないでしょうか。 ある県議とこの問題について話したことがあります。彼の構想は、県に掛け合って高規格(第1~2種)の県営競技場をつくば市内に造らせ、県南の各市にも建設費を分担してもらったらどうか、というものでした。つくば市という狭い世界に閉じこもるのではなく、より広い視野で考えれば、市の費用負担も少なくて済むというアイデアです。 どこに造るかについては、県立上郷高校跡地(7ヘクタール)と総合運動公園予定地跡(45ヘクタール)が候補に挙げられています。比較評価一覧に目を通すと、市はどうやら前者に誘導したいようです。アクセス路の利便性や拡張の可能性などは明らかに後者が上ですから、この選択には何か引っかかるものがあります。 制約が多いセンタービル改修 市の中心市街地とつくばセンタービルをどうするか、市は苦悩しているようです。議会向け資料では、①ビルはホテル日航つくばと筑波都市整備との区分所有であり市が勝手にいじれない、②著名な磯崎新氏が設計したビルのデザインはできるだけ変えない方がよい、③飲食店街があった1階は道路側から目立たないという建築構造上の制約がある―と難しさを列挙、リニューアルは「市が所有している専有部分のみ」と、こちらも地味になりそうです。 具体的には、市が筆頭株主になる「地域運営会社」を設立し、センタービルを市民向けサービスと小ビジネス支援に使ってもらうというのが市の最終案です。私は本コラム87(昨年8月3日掲載)で、上記①②③などの問題点を踏まえ、区分所有権をまとめて大手開発会社に売り払い、オフィス中心のビジネスゾーンに造り変えてもらったらと提案しました。運営会社でにぎわいが戻らなかったら検討してみてください。(経済ジャーナリスト)

サイバーダインとロボッツが連携 先進的トレーニングを公開

【池田充雄】プロバスケットボールBリーグ2部の茨城ロボッツ(本拠地・水戸市)は、ロボットスーツを開発するつくば市のサイバーダイン(同市研究学園、山海嘉之社長)と連携し、同社が開発・提供するプログラム「MTX式Neuro HALプラス」を活用したトレーニングを取り入れている。トップチーム選手2人が参加したデモンストレーションの様子が14日、メディア向けに公開された。 サイバーダインが開発した身体動作補助ロボット「HAL」をスポーツに応用したプログラム。脳神経・筋系のパフォーマンス向上、筋肉の収縮・弛緩の最適なタイミングの把握、身体のバランス調整などに効果が期待できるという。 ロボッツではサイバーダインよりHAL腰タイプ2台の供与を受け、昨年11月から日常のトレーニングに導入した。1人あたり10分ほどの使用時間で、前屈、スクワット、サイドステップといった基本動作の最適化に活用している。 デモンストレーションでは鶴巻啓太、中村功平の2選手がHALを装着し、これらの動作を行ってみせ、使用感などについて報道陣の質問に答えた。 2人によると、初めて装着したときの感動が今でも忘れられないという。「装着してトレーニングをした後、装着前と同じ動作をしたところ、体がすごく軽く、動きやすくなっていた。垂直跳びでは装着後は記録が8センチも伸びており、これは一種のドーピングではと思うほどの効果を実感した」と鶴巻選手。「自分も、外した直後の体の軽さを実感した。垂直跳びでは鶴巻選手ほどではないが、ジャンプ力が4、5センチ上がっていた」と中村選手。 この体の軽さや動きやすさは、装着時にHALが体の動きを補助していた感覚が、HALを外した後も体の中に残っているイメージだという。「力を入れなくてもスムーズに動ける感じ」と中村選手、「少しのパワーで速く動けるようになる。試合に出る前にずっとつけておき、出るときに外したらすごいパフォーマンスができるのでは」と鶴巻選手。 こうした身体能力の向上は、「MTX式Neuro HALプラス」による脳神経系トレーニングの効果によるものだと、サイバーダイン取締役の安永好宏さんは話す。 「運動パフォーマンスは筋肉を鍛えるだけでは向上しない。一つの動作には体のさまざまな筋肉が連動して働いており、そのスイッチのオン・オフを脳がコントロールしている。例えば腕を伸ばす動きでは上腕三頭筋が働き、逆に縮める動きでは上腕二頭筋が働く。もし、腕を伸ばそうとするときに上腕二頭筋に余計な力が入っていたら、上腕三頭筋の働きにブレーキがかかり、最大の力を発揮できない」 使いたい筋肉を正確に使い、力を入れる必要のない筋肉を脱力し、筋出力の最適化をもたらすのが、「MTX式Neuro HALプラス」の最大の特徴といえる。だがそれだけではなく、運動中の体内の状態を可視化し、言葉に頼らないコーチングを可能にすることで、指導方法に革命をもたらす期待もあるという。

《茨城鉄道物語》8 試乗記「鹿島臨海鉄道大洗鹿島線」

【コラム・塚本一也】正月休みを利用して、以前から気になっていた県内の鉄道に乗車しようと思い、大洗鹿島線に乗ってきた。私は鉄道マニア「てっちゃん」ではないが、鉄道会社の社員であったという血が騒ぐのか、わざわざ九州新幹線や島原鉄道の体験乗車にも行ったことがある。今回は水戸へ行くたびに気になっていた大洗鹿島線に試乗した。 大洗鹿島線は、茨城県などが出資する第3セクター鹿島臨海鉄道株式会社が運営する、営業距離が53キロの単線鉄道である。電化はされておらず、始発の水戸駅から終点の鹿島サッカースタジアム駅まで、2両編成の気動車がひた走っている。特筆すべきは、ローカル線としては異例ともいえる、線路のおよそ6割(私の目見当)が高架で、残りも掘割(切土)であったりするため踏み切りがほとんどない点である。 水戸駅を出発すると、すぐに常磐線や水郡線と共用の踏切が2箇所あるが、そこを過ぎて高架に昇ると、残りのおよそ52キロは終点まで踏み切りが一切ない。それゆえに、スピードアップも図れるため、最高速度は時速95キロという設定の鉄道である。そういった構造だから、線形もほぼ直進になっており、この2点はつくばエクスプレス(TX)と同じ特徴といえる。 建設した鉄道技術者の意気込みを感じる 高架から望む涸沼の夕日や、車窓の彼方まで延々と続く田園風景は、どこか昭和を感じさせ、ノスタルジックな雰囲気にさせてくれる。あまり乗り心地の良くない気動車の振動も、何となく心を穏やかにしてくれるマッサージチェアのように思えてくるから不思議である。さらに途中で交差する道路は全て立体交差であり、建設当時の鉄道技術者の意気込みが感じられる。 そういえば、開業時である1985年はつくば科学万博開催の年であり、茨城県にとってもバブル経済に向かって最も勢いのあった時代だったのではないだろうか。 大洗鹿島線は日本国有鉄道(現JR)の路線として計画されたが、建設が始まったころには国鉄の膨大な赤字が問題となり、その後の分割民営化に向けて地方ローカル線を分離しなければならなくなった。それゆえに、大洗鹿島線は完成しても経営主体が無いという事態に陥り、それを茨城県が全国に先駆けて第3セクター方式で開業させるという、数奇な運命をたどった路線である。 近年では、ガルパンをプリントしたデザイン車両を導入したり、サイクルツーリズムに参加すべく、自転車を車内に持ち込めるように実証実験に取り組んだり、新しい試みにもチャレンジしている。地方ローカル線が消えゆく中で、頑張っている部類に入るのではないだろうか。茨城県の財産として、大事にしていかなければならないものの一つであろう。(一級建築士)

《茨城鉄道物語》8 試乗記「鹿島臨海鉄道大洗鹿島線」

【コラム・塚本一也】正月休みを利用して、以前から気になっていた県内の鉄道に乗車しようと思い、大洗鹿島線に乗ってきた。私は鉄道マニア「てっちゃん」ではないが、鉄道会社の社員であったという血が騒ぐのか、わざわざ九州新幹線や島原鉄道の体験乗車にも行ったことがある。今回は水戸へ行くたびに気になっていた大洗鹿島線に試乗した。 大洗鹿島線は、茨城県などが出資する第3セクター鹿島臨海鉄道株式会社が運営する、営業距離が53キロの単線鉄道である。電化はされておらず、始発の水戸駅から終点の鹿島サッカースタジアム駅まで、2両編成の気動車がひた走っている。特筆すべきは、ローカル線としては異例ともいえる、線路のおよそ6割(私の目見当)が高架で、残りも掘割(切土)であったりするため踏み切りがほとんどない点である。 水戸駅を出発すると、すぐに常磐線や水郡線と共用の踏切が2箇所あるが、そこを過ぎて高架に昇ると、残りのおよそ52キロは終点まで踏み切りが一切ない。それゆえに、スピードアップも図れるため、最高速度は時速95キロという設定の鉄道である。そういった構造だから、線形もほぼ直進になっており、この2点はつくばエクスプレス(TX)と同じ特徴といえる。 建設した鉄道技術者の意気込みを感じる 高架から望む涸沼の夕日や、車窓の彼方まで延々と続く田園風景は、どこか昭和を感じさせ、ノスタルジックな雰囲気にさせてくれる。あまり乗り心地の良くない気動車の振動も、何となく心を穏やかにしてくれるマッサージチェアのように思えてくるから不思議である。さらに途中で交差する道路は全て立体交差であり、建設当時の鉄道技術者の意気込みが感じられる。 そういえば、開業時である1985年はつくば科学万博開催の年であり、茨城県にとってもバブル経済に向かって最も勢いのあった時代だったのではないだろうか。 大洗鹿島線は日本国有鉄道(現JR)の路線として計画されたが、建設が始まったころには国鉄の膨大な赤字が問題となり、その後の分割民営化に向けて地方ローカル線を分離しなければならなくなった。それゆえに、大洗鹿島線は完成しても経営主体が無いという事態に陥り、それを茨城県が全国に先駆けて第3セクター方式で開業させるという、数奇な運命をたどった路線である。 近年では、ガルパンをプリントしたデザイン車両を導入したり、サイクルツーリズムに参加すべく、自転車を車内に持ち込めるように実証実験に取り組んだり、新しい試みにもチャレンジしている。地方ローカル線が消えゆく中で、頑張っている部類に入るのではないだろうか。茨城県の財産として、大事にしていかなければならないものの一つであろう。(一級建築士)

《遊民通信》8 ゆるキャラを自作してみた 誕生はひたち野うしく

【コラム・田口哲郎】 前略 謹賀新年。今年は丑(うし)年、牛久の年。牛つながりから始めましょう。JR常磐線ひたち野うしく駅は1998年に牛久駅と荒川沖駅間に開業しました。関東の駅百選に選定された美しい駅です。有名な話ですが、85年に開催されたつくば科学万博のために造られた臨時駅「万博中央駅」の跡地に建てられました。 当時、TX(つくばエクスプレス)はありませんから、常磐線の駅が万博会場の玄関口だったのですね。かつて科学技術の未来を夢見て胸を躍らせていた人々がここから会場に出発したのか…。牛久とつくば万博。関係なさそうなものを結びつけられないだろうか…。 名前は「ひたちのうしか」 そして一案浮かびました。ひたち野うしくの「ゆるキャラ」を考案してみてはどうだろう。続いてあのキャラクターが浮かびました。つくば科学万博のキャラクター「コスモ星丸」です。土星の環をフラフープのように履いている未来的なキャラクター。科学が夢を見させてくれていた時代への郷愁を誘う原色の青さは色あせません。コスモ星丸と牛を組み合わせたら…。 名前は「ひたちのうしか」にしよう。「く」を「か」にすると響きがなんとなく未来的だ。勝手な妄想は膨らみ、絵を描き、粘土でフィギュアまがいのものを作ってしまいました。2013年のことです。勢いにまかせてツイッターアカウントを作り、細々とつぶやいていました。 ひたちのうしかの語尾には「ヒュー」がつきます。牧瀬里穂の真似ではありません。ひたち野うしく駅の電略記号(鉄道電報で使用される駅の略号)が「ヒウ」であることに由来しています。「駅前のツツジが満開だヒュー!」などとつぶやきます。 作者が飽きっぽいのが原因ですが、うしかはそのうちつぶやきをお休みするようになりました。…… 最近、茨城県南ゆるキャラ界の大物「つちまる」の可愛さのとりこになって、ふと、うしかを思い出した次第です。ぼちぼちツイッターの発信を再開しようと考えています。 憧れの先輩は「コスモ星丸」 せっかくですから、「ひたちのうしか」のプロフィールを紹介しようと思います。 ▽名前:ひたちのうしか ▽誕生日:1998年3月14日 ▽憧れ:コスモ星丸先輩 ▽好きな食べ物:かっぱせんべい ▽好きな場所:ひたち野うしく駅とエキスポセンター ▽趣味:つくば科学万博を思い出すこと ゆるキャラ業界が飽和状態になり、いまさら感がありますが、別にかまいません。ただ、思うに任せてキャラを作って実感したのは、どのゆるキャラも地元に対する何らかの想いが形になっているということです。 ギリシア神話には多くの神々が登場しますが、元々ギリシアの神ではなく、東方や北方から伝来した神々もいます。それぞれの土地の想いが神格化されて拡がるわけです。ゆるキャラ現象も本質的には似ていますね。ひたちのうしかが住民も想いを表象する存在になればよいなと思いつつ、街をキョロキョロして街の魅力を発信しようと思います。ごきげんよう。 草々(散歩好きの文明批評家)

《遊民通信》8 ゆるキャラを自作してみた 誕生はひたち野うしく

【コラム・田口哲郎】 前略 謹賀新年。今年は丑(うし)年、牛久の年。牛つながりから始めましょう。JR常磐線ひたち野うしく駅は1998年に牛久駅と荒川沖駅間に開業しました。関東の駅百選に選定された美しい駅です。有名な話ですが、85年に開催されたつくば科学万博のために造られた臨時駅「万博中央駅」の跡地に建てられました。 当時、TX(つくばエクスプレス)はありませんから、常磐線の駅が万博会場の玄関口だったのですね。かつて科学技術の未来を夢見て胸を躍らせていた人々がここから会場に出発したのか…。牛久とつくば万博。関係なさそうなものを結びつけられないだろうか…。 名前は「ひたちのうしか」 そして一案浮かびました。ひたち野うしくの「ゆるキャラ」を考案してみてはどうだろう。続いてあのキャラクターが浮かびました。つくば科学万博のキャラクター「コスモ星丸」です。土星の環をフラフープのように履いている未来的なキャラクター。科学が夢を見させてくれていた時代への郷愁を誘う原色の青さは色あせません。コスモ星丸と牛を組み合わせたら…。 名前は「ひたちのうしか」にしよう。「く」を「か」にすると響きがなんとなく未来的だ。勝手な妄想は膨らみ、絵を描き、粘土でフィギュアまがいのものを作ってしまいました。2013年のことです。勢いにまかせてツイッターアカウントを作り、細々とつぶやいていました。 ひたちのうしかの語尾には「ヒュー」がつきます。牧瀬里穂の真似ではありません。ひたち野うしく駅の電略記号(鉄道電報で使用される駅の略号)が「ヒウ」であることに由来しています。「駅前のツツジが満開だヒュー!」などとつぶやきます。 作者が飽きっぽいのが原因ですが、うしかはそのうちつぶやきをお休みするようになりました。…… 最近、茨城県南ゆるキャラ界の大物「つちまる」の可愛さのとりこになって、ふと、うしかを思い出した次第です。ぼちぼちツイッターの発信を再開しようと考えています。 憧れの先輩は「コスモ星丸」 せっかくですから、「ひたちのうしか」のプロフィールを紹介しようと思います。 ▽名前:ひたちのうしか▽誕生日:1998年3月14日▽憧れ:コスモ星丸先輩▽好きな食べ物:かっぱせんべい▽好きな場所:ひたち野うしく駅とエキスポセンター▽趣味:つくば科学万博を思い出すこと ゆるキャラ業界が飽和状態になり、いまさら感がありますが、別にかまいません。ただ、思うに任せてキャラを作って実感したのは、どのゆるキャラも地元に対する何らかの想いが形になっているということです。 ギリシア神話には多くの神々が登場しますが、元々ギリシアの神ではなく、東方や北方から伝来した神々もいます。それぞれの土地の想いが神格化されて拡がるわけです。ゆるキャラ現象も本質的には似ていますね。ひたちのうしかが住民も想いを表象する存在になればよいなと思いつつ、街をキョロキョロして街の魅力を発信しようと思います。ごきげんよう。 草々(散歩好きの文明批評家)

高齢化団地で振興事業、2駅周辺でシェアサイクル つくば市長が2期目所信

【鈴木宏子】改選後初のつくば市議会12月定例会が3日開会し、五十嵐立青市長は2期目の所信を表明した。高齢化が進む住宅団地で周辺市街地振興事業を横展開するとしたほか、つくば駅と研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するなどと表明した。一方、課題の中心市街地活性化や旧総合運動公園用地について新たな言及はなかった。 まず新規感染者が急増している新型コロナウイルス感染拡大対策について、市役所窓口でのデジタル手続きを推進するほか、健康体操教室を通した高齢者の体力づくり支援、地元企業からの相談体制強化など、きめ細やかに取り組んでいくとした。 まちづくりについては、1期目に実施した、旧町村の旧市街地8地区などでの活性化協議会設立や市内外から地域活性化プランを募るコンペなどの取り組みを、他の周辺地域や住民が減少している住宅団地などにも横展開していくと強調した。 一方、中心市街地活性化については、つくばセンタービルをリニューアルして新たな市民活動拠点、市民窓口、多様な働き方を支える場を整備し、中心市街地を活性化する主体となるまちづくり会社を立ち上げるとするにとどまり、改選前の9月議会で指摘があった、まちづくり会社をだれが、どのように運営するか、収支は見合うのかなどについて言及はなかった。 1期目に「総合運動公園問題の完全解決」を最大公約に掲げながらも方向性を示すことができなかった旧総合運動公園用地については、「市民や議会の意見を聞きながら、市にとって必要な方向性について、財政面での実現可能性とも合わせてできるだけ早い段階で決定したい」とするにとどめた。 陸上競技場の整備についても、議会や有識者会議の意見を聞きながら進めていくとするにとどめた。一方、廃校跡地を活用して文化芸術拠点を整備するとし、インフラ整備では多発する災害に備え防災倉庫を含めた拠点の整備を進めるとした。 ほかに、自転車利用の促進について、つくば霞ケ浦りんりんロードがナショナルサイクルルートに指定されサイクリングを楽しむ機運が高まっているとして、旧筑波東中跡地などの廃校を活用して、りんりんロードから立ち寄ることができる自転車の拠点を整備すると表明したほか、つくば駅や研究学園駅周辺でシェアサイクルを導入するとした。 子育て環境の整備では、子供の医療費助成について、現在、高校生は入院費用のみ助成しているマル福を、高校生の外来診療まで拡大するとした。 教育では、今後5年間でTX沿線に、香取台地区小学校、研究学園小中学校、みどりの南小中学校(学校名はいずれも仮称)を整備するとし、エアコン整備について、小中学校の特別教室や児童館のプレイルームにも拡大するとした。 福祉ではほかに、高齢者憩いの広場の整備推進や、筑波大と連携して取り組む児童発達支援センターの開設などを進めていくとした。

25日投開票 つくば市長選・市議選

【鈴木宏子】任期満了に伴うつくば市長選と市議選(定数28)はあす25日、市内75カ所で投票が行われ、即日開票される。23日までの期日前投票者数は1万9932人(10.62%)で、4年前の同時期(8.04%)より約2%高い。有権者数は18万7565人(17日現在)。前回の投票率は53.31%だった。 市長選には、新人で自動車販売会社を経営する富島純一(37)=無所属=、現職で2期目を目指す五十嵐立青(42)=同=、新人で元研究者の酒井泉(71)=同=の3氏が立候補している。 富島氏は「科学万博をもう一度」というビジョンを掲げ、市立高校設置などの公約を必ず実行すると訴えながら市内をくまなく回る。陣営は「尻上がりに良くなっている」と手ごたえを語る。24日は市南部の茎崎、谷田部地区や、TX研究学園駅、つくば駅周辺の住宅地や商業施設周辺を回り、各所で街頭演説。午後7時、つくば駅前で最後の訴えをする。 五十嵐氏は「だれ一人取り残さないつくばを、共につくる」などを訴えながら、応援を受ける市議候補らと共に市内各地を回る。陣営は「叱咤激励もあるが応援してもらっているからこそ」と、得票目標の達成に自信を見せる。24日は谷田部や地元の梅園、妻木、大穂などを回り、市議候補と共に街頭演説。最後は上横場の選挙事務所前で訴え、締めくくる。 酒井氏は「総合運動公園用地を研究施設用地としてURに買い戻させて66億円を取り戻す」「市役所改革」などを訴え、選挙カーで市内をくまなく回る。「『頑張ってください』という電話がひっきりなし」だと話す。24日は筑波や豊里、茎崎地区などの旧集落を選挙カーで丹念に回り、最後は地元の金田や上境地区を回って、最後の訴えをする。 ➡市長選立候補者の3氏の略歴と公約はこちら 市議選(定数28人)は、定数より13人多い41人が激戦を展開している。内訳は現職が23人、新人が17人、元職が1人。政党別は自民11人、公明3人、共産3人、市民ネット4人、新社会1人、諸派1人、無所属18人。 ➡市議選立候補者の41人の略歴はこちら

3氏の横顔紹介 つくば市長選

【鈴木宏子】任期満了に伴うつくば市長選と市議選は25日投開票される。市長選に立候補した新人の富島純一氏(37)=無所属=、現職の五十嵐立青(42)氏=同=、新人の酒井泉(71)=同=3氏の横顔を紹介する。 事業成長の秘訣は「素直に聞き、信じて任せる」 【富島純一氏】22歳のときつくばで起業し、現在、自動車販売、障害福祉、保育・学童、農業など幅広い事業を展開する。経営に携わるグループ企業は14社。140人以上の社員を抱える。 コロナ禍の今年、苦境にあるつくばの飲食店に呼び掛け、県内で初めて、ドライブスルー型弁当販売イベントを仕掛け成功させた。 土浦市生まれ。10代のころヤンチャし、中学を出て父の仕事を手伝った。父の会社が倒産、16歳で一人暮らしを始め、土木建築や塗装の仕事をして自立した。 18歳を過ぎたころ、ネクタイを締める仕事に就きたいと思ったが、中卒という学歴がネックになった。 姉の死をきっかけに心機一転。仕事に就けないなら自分で会社をつくろうと思い立ち、22歳で中古車販売会社を起業した。 成功の秘訣を「(自身の)素直さ」だと話し、「分からないところは聞いて、人に仕事を任せたら信じて任せ」てきたと振り返る。 本業のほか、若手経営者の異業種交流会を立ち上げたり、県立八千代高校の臨時派遣教員として講演したり、少年院を出た少年たちの就労支援にも尽力する。 座右の銘は、明治生まれの哲学者で教育者、森信三の「人生二度なし」。信三は「職業に上下もなければ貴賤もない。世のため人のために役立つことなら、何をしようと自由である。しかし、どうせやるなら覚悟を決めて10年やる…」と説いた人物だ。 家族は、妻と息子2人の4人。早朝の2時間が自分の時間で、朝起きて半身浴をしながら1日のスケジュールを確認する。2歳の長男を保育園に送迎するのが日課という。 留学先で衝撃「目の前にいる人に何ができるか」 【五十嵐立青氏】筑波大学大学院在学中、26歳で最年少の市議となり、2期務めた後、2012年に市長選に初挑戦した。当時の現職に次点で敗れたが、総合運動公園問題が浮上した15年、住民投票運動の中心的役割を果たした1人だ。翌年の市長選で、幅広い議会会派や市民に推され初当選を果たした。 政治家を志したきっかけを、留学先での体験だったと振り返る。 4年のとき大学を1年休学し、スコットランドのグラスゴーに留学した。かつて工業地帯だった街だ。留学先で熱を出し病院で診察を待っていたとき、目の前に座っていた母親が、ぐずる娘を殴った。自分が殴られたようにショックを受けた。 当時大学で安全保障を学び外交官の仕事に引かれていた。「目の前にいる子供の安全が保障されていなかった。殴った母親も自分の安全が保障されてなかったからだと思う。目の前にいる1人の人間の安全を保障することが先だと思った」と当時の体験を振り返る。 「目の前にいる人に何ができるかを考える場所にいたい、そういう思いはグラスゴーのときと変わってないし、今の方が強くなっている」と話す。 つくばに戻り、志を遂げようと市議に挑戦した。市議の仕事と大学院の勉強をこなしながら、企業組織向けコーチング事業を展開する会社のプログラムを受けてコーチの資格をとり、2008年にコーチングオフィスを設立。2010年には障害のあるスタッフが働く農場を運営するNPO法人を設立した。 母親は元つくば市議。家族は、内閣府職員の妻と3男1女の6人。家事は、妻が料理、子供が皿洗い、自身は洗濯を担当しているという。 心を空っぽにするため毎朝15分程度、瞑想している。コロナで飲み会がなくなり6キロやせたと話す。 沿線開発見直し つくばの屋敷林守られた 【酒井泉氏】高エネルギー加速器研究機構の元研究者。TX沿線開発区域の地権者の1人としてまちづくりに関わり、中根・金田台地区で緑地と菜園と住宅が一体となった緑農住一体型住宅を提唱する。 研究者として、放射性廃棄物を無毒化する研究を行っていた。素粒子を使って核交換し短寿命化する方法だ。「ミューオンを使う核交換は将来有望で、原理的には可能。埋設処分は反対。何万年も地面に埋めるきれるものじゃない」という。 高エネ研では、2008年から稼働を開始した東海村の大強度陽子加速器J-PARC(ジェイパーク)の設計に、計画段階から中心メンバーの1人として関わった。陽子ビームを直線型加速器から円形型加速器に入れる装置は酒井さんの設計だ。独創的なアイデアで、当時は別の方法が検討されていたがひっくり返したという。 つくばのまちづくりには関わったのは、TX沿線開発がスタートする30年前から。バブル景気真っただ中だった1990年代始め、当初、県などから示されたつくば市の沿線開発区域は、集落も屋敷林も含めた計2000ヘクタールを開発するという計画だった。 つくばの屋敷林を全部つぶして何が残るのか。もう一回まちづくりを考え直そうと、「区画整理事業の改革について」という論文を書き、開発区域の見直しを提唱した。谷田部地区など他地区の地権者と協力し、開発区域は2000ヘクタールから1300ヘクタールに削減された。つくばの屋敷林がこうして守られた。 現在は中根・金田台地区の地権者らでつくる桜中部まちづくり協議会の副会長を務める。 家族は、97歳の母親と妻、長男夫婦の7人。趣味は剣道と山登り。剣道は6段の腕前だ。

《吾妻カガミ》92 つくば市長選 実績集と公約集

【コラム・坂本栄】つくば市長選挙(10月25日投開票)が迫りました。市内に編集室を置く本サイトにとって市長選は最大のネタです。この5カ月の関連コラムとしては、「市長の退職金辞退に違和感」(10月5日)、「際立つ2候補の違い」(9月21日)、「市長の看板公約を検証」(8月17日)、「紙爆弾戦開始」(7月20日)、「市長選 2つの風景」(7月16日)、「市長選まで5カ月」(6月1日)―があります。青字部を押してのぞいてみてください。 立候補者は、現職の五十嵐立青さん(2月27日)、会社経営者の富島純一さん(8月31日)、元研究機関勤務の酒井泉さん(10月12日)の3人。各候補の出馬記事もクリックしてご覧ください。酒井さんは決断が遅れたこともあり、事実上、五十嵐vs.富島になりそうです。 五十嵐市政1期 合格点?落第点? 手元に五十嵐後援会・討議資料があります。地元記者クラブの横顔取材の際にもらったものですが、1期目の実績集(4年間の軌跡)です。内容は「徹底した行政改革」「安心の子育て」「頼れる福祉」「便利なインフラ」「活気ある地域」「誇れるまち」に分類され、全27施策に合格印☑が付いています。 選挙用ですから、全部「やった、やった」になっています。しかし、このリーフレットの中で、五十嵐さんが「9割以上の公約が達成もしくは順調に進んでいる」と自賛しているのを読み、強い違和感を覚えました。 というのは、市長1期目を優・良・可・不可で採点すると、私の判定は不可だからです。4年前、五十嵐さんの選挙キャンペーンの50~100パーセントが目玉公約「運動公園問題の完全解決」に注がれました。ところが、「市長の看板公約を検証」(8月17日)で指摘したように、この公約は完全未解決でした。エネルギーの過半を使って訴えた公約が実績ゼロ点ですから、他の公約が優・良・可であったとしても、総合点は不可(60点以下)=落第になります。 2度目の万博 大風呂敷?現実策? 横顔取材で配られた富島後援会の討議資料は公約集です。まず「長期ビジョン 科学万博をもう一度」と大風呂敷を広げ、主な公約として「スタジアムを整備」「市立高等学校を設置」「(6地区協議会に)学園地区とTX沿線地区を追加」「国・県・近隣自治体と連携」「中核市に移行して児童相談所・保健所を市が運営」の5施策を掲げています。 「2度目の万博」への想いを富島さんに聞くと、①2035年開催に向け教育・研究・産業などの基盤を整えるテコになる②万博を知らない若者に夢を持ってもらえる③万博報道によって新しいつくばを内外にPRできる④万博に向け国や県との関係を深められる―といった「効用」を期待しているそうです。 富島公約が面白いのは、万博と5つの主公約がリンクしていることです。万博をターゲットに、15年かけて研究学園都市を大リフォームする構想と言えるでしょう。 現職はその実績をあれこれ言われますが、夢を語れる挑戦者は楽しそうです。(経済ジャーナリスト)

《吾妻カガミ》92 つくば市長選 実績集と公約集

【コラム・坂本栄】つくば市長選挙(10月25日投開票)が迫りました。市内に編集室を置く本サイトにとって市長選は最大のネタです。この5カ月の関連コラムとしては、「市長の退職金辞退に違和感」(10月5日)、「際立つ2候補の違い」(9月21日)、「市長の看板公約を検証」(8月17日)、「紙爆弾戦開始」(7月20日)、「市長選 2つの風景」(7月16日)、「市長選まで5カ月」(6月1日)―があります。青字部を押してのぞいてみてください。 立候補者は、現職の五十嵐立青さん(2月27日)、会社経営者の富島純一さん(8月31日)、元研究機関勤務の酒井泉さん(10月12日)の3人。各候補の出馬記事もクリックしてご覧ください。酒井さんは決断が遅れたこともあり、事実上、五十嵐vs.富島になりそうです。 五十嵐市政1期 合格点?落第点? 手元に五十嵐後援会・討議資料があります。地元記者クラブの横顔取材の際にもらったものですが、1期目の実績集(4年間の軌跡)です。内容は「徹底した行政改革」「安心の子育て」「頼れる福祉」「便利なインフラ」「活気ある地域」「誇れるまち」に分類され、全27施策に合格印☑が付いています。 選挙用ですから、全部「やった、やった」になっています。しかし、このリーフレットの中で、五十嵐さんが「9割以上の公約が達成もしくは順調に進んでいる」と自賛しているのを読み、強い違和感を覚えました。 というのは、市長1期目を優・良・可・不可で採点すると、私の判定は不可だからです。4年前、五十嵐さんの選挙キャンペーンの50~100パーセントが目玉公約「運動公園問題の完全解決」に注がれました。ところが、「市長の看板公約を検証」(8月17日)で指摘したように、この公約は完全未解決でした。エネルギーの過半を使って訴えた公約が実績ゼロ点ですから、他の公約が優・良・可であったとしても、総合点は不可(60点以下)=落第になります。 2度目の万博 大風呂敷?現実策? 横顔取材で配られた富島後援会の討議資料は公約集です。まず「長期ビジョン 科学万博をもう一度」と大風呂敷を広げ、主な公約として「スタジアムを整備」「市立高等学校を設置」「(6地区協議会に)学園地区とTX沿線地区を追加」「国・県・近隣自治体と連携」「中核市に移行して児童相談所・保健所を市が運営」の5施策を掲げています。 「2度目の万博」への想いを富島さんに聞くと、①2035年開催に向け教育・研究・産業などの基盤を整えるテコになる②万博を知らない若者に夢を持ってもらえる③万博報道によって新しいつくばを内外にPRできる④万博に向け国や県との関係を深められる―といった「効用」を期待しているそうです。 富島公約が面白いのは、万博と5つの主公約がリンクしていることです。万博をターゲットに、15年かけて研究学園都市を大リフォームする構想と言えるでしょう。 現職はその実績をあれこれ言われますが、夢を語れる挑戦者は楽しそうです。(経済ジャーナリスト)

現職に新人2氏が挑む三つどもえに つくば市長選告示

【鈴木宏子】任期満了に伴うつくば市長選と市議選が18日告示された。市長選には、新人で自動車販売会社を経営する富島純一(37)=無所属=、現職で2期目を目指す五十嵐立青(42)=同=、新人で元研究者の酒井泉(71)=同=の3氏が立候補を届け出て、現職に新人2人が挑む三つどもえの選挙戦に突入した。有権者数は18万7565人(17日現在)で、4年前から約1万2600人増えた。前回の投票率は53%だった。 知名度があり現職の強みを生かして組織選挙を展開する現職の五十嵐氏に対し、富島氏は「結果が出せていない」、酒井氏は「公約を守らない」などと現職を批判し、総合運動公園問題などの争点化に挑む。コロナ禍が選挙戦にどう影響するかも未知数だ。 富島純一 37 会社役員 無新 【略歴】土浦市立都和中卒。中古車販売、レッカーなどを展開するチャンプ・ホールディングス代表。つくば中央倫理法人会会長。土浦市出身。竹園在住。【公約】①つくばスタジアム整備②市立高校設置③市内6地区に学園地区とTX沿線地区を追加し、地区ごとに公共施設や防災対応を見直す 五十嵐立青 42 市長 無現① 【略歴】筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。元いがらしコーチングオフィス代表。元NPOつくばアグリチャレンジ理事長。つくば市出身。梅園在住。【公約】①市民無視から市民第一のつくば②こどもとママパパにもっとやさしい子育て環境③すべての人が自分らしく生きる社会 酒井 泉 71 会社役員 無新 【略歴】東北大学工学部卒。元日立電線研究員。元高エネルギー加速器研究機構准教授。元福井大学工学研究科教授。桜中部まちづくり協議会副会長。【公約】①総合運動公園問題の解決、66億円を取り戻す②市役所改革③地域分権④福祉政策の継承と発展

【アングルつくば市長選】4 通学区の再編審議始まる 小中学校適正配置

【鈴木宏子】児童生徒数の増加を受け、つくばエクスプレス(TX)沿線に新設予定の小中学校の通学区域を定める審議が今月8日、つくば市学区審議会で始まった。 新設されるのは▽島名小学校から万博記念公園駅近くに分離新設する香取台地区小学校(2023年4月開校予定、学校名は仮称)▽学園の森義務教育学校から分離する施設併設型小中一貫校の研究学園小中学校(同、同)▽みどりの義務教育学校から分離する施設併設型のみどりの南小中学校(24年4月開校予定、同)の3地区だ。 前年度とメンバーを入れ替えた今年度の学区審議会は、3地区が立地する谷田部地区小中学校のPTA代表、校長、区長など地区代表、学識経験者などで構成する。8日の審議会で市は叩き台となる通学区の原案を明らかにした。早ければ今週中にも市ホームページで原案を公表したいとする。 学区再編のスケジュールは、今年度中に数回審議会を開き、来年3月に3校の通学区域をどう設定するか答申を出す。2021年度は答申をもとに各地区で住民説明会を開いてさらに保護者や地域住民の意見を聞く。最終決定の期限は開校前年の10月という。 通学区をめぐっては、TX沿線で児童生徒数の増加が問題となり校舎の増築が続く中、市は昨年11月、教室に余裕がなく、今後も児童生徒数が増えると予測される竹園西小、竹園東中、学園の森、みどりの義務教育学校の4校を越境通学などの受け入れ困難校と指定した。学園の森義務教育学校では開校直前に市が越境通学の受け入れを緩和、昨年は、受け入れ困難校指定をめぐり、保護者の間で混乱が生じた。市にはより丁寧な説明が求められる。 小規模校は課題先送り 通学区の見直しに先だって市は今年3月、小中学校の新設や統廃合方針を定める適正配置計画を見直した。義務教育学校は大規模校化するので新たにつくらない、小規模校も良さがあるので統廃合しないという新たな方針が示された。 つくば市の小中学校は現在、小学校29校のうち大規模校が1校、小規模校が13校、中学校は12校のうち大規模校が1校、小規模校が5校、義務教育学校は4校のうち大規模校が2校と、大規模校と小規模校の両方の課題を抱える。 学校適正配置計画の見直しを審議した昨年度の学区審議会では委員から「つくば市は減っていく地域と増えていく地域とに二分されている。増えていく地域は新設校計画がありこれから学区をどうやって割っていくか課題がある。減っていく方は小規模校をどこまで小規模で残していくのかという具体的なところに入らないと、行き付く先は、今後検討していきます、維持を図りますという言葉で終わる。具体的にどうしていくのかという、その次の段階が見えない」などの指摘があった。 大規模校の場合、TX沿線のみどりの義務教育学校から、みどりの南小中学校を分離新設しても、教室不足が解消されず、今以上にさらに校舎を増築しなくてはならなくなる恐れが9月議会一般質問でも指摘された。 一方、小規模校は統廃合せず児童生徒数を維持するとされたが、どのように維持するのか、学区を見直すか、小規模特認校として特徴を出し指定区域全域から児童生徒を集めるのか、学区審議会で問題提起はあったものの、新たな方向は盛り込まれなかった。課題先延ばしのようにもみえる。

元研究者、酒井泉氏が出馬表明 つくば市長選三つどもえに

【鈴木宏子】任期満了に伴い18日告示、25日投開票で行われるつくば市長選に、新人で元高エネルギー加速器研究機構研究者の酒井泉氏(71)=無所属=が12日記者会見し、立候補を表明した。同市長選にはすでに、現職で2期目を目指す五十嵐立青氏(42)=同=、新人で自動車販売会社などを経営する富島純一氏(37)の2氏が立候補を表明しており、三つどもえの選挙戦になりそうだ。 酒井氏は、現職の五十嵐氏が4年前、総合運動公園用地を買い戻させるため元所有者のUR都市機構と返還交渉を行うと公約に掲げながら、「URに要望しただけで交渉した形跡がない」と情報開示資料を示して指摘し、「言ったことをやらないのは最低最悪」だと批判した。 さらに昨年、五十嵐氏が、同用地を40億円で民間に一括売却しようとした点についても「わずか2カ月の公募で、買い値の66億円より26億円も安いのは極めて不自然な経緯」だと批判。「総合運動公園用地は研究施設用地として大事なところ。あそこがなくなったら、つくばにもう研究機関が立地しない。新しい研究分野のための施設用地として保全し、つくば研究学園都市の将来の発展の可能性を次世代に残すべき」だと主張した。 その上で、①URと再交渉し、総合運動公園用地を元の研究施設用地に戻して66億円を取り戻す②肥大化した部長・次長職を整理し市役所改革を行う③広すぎるつくば市を、地域ごと地区ごとに、議員と市民が政策提案して問題を解決できるようにするーなどを公約に掲げるとした。 総合運動公園用地の返還交渉について具体的には、まず研究所のリーダーを集めてつくばの将来計画をつくり、URによる買い戻しを国に働き掛けたいとした。返還交渉などの公約実現が困難だと分かった場合は、任期途中でも職を辞すと強調した。 酒井氏は同市上境在住。土浦一高、東北大学工学部卒。日立電線研究員を経て、高エネ研准教授、福井大学大学院教授を歴任した。現在、TX沿線開発地区の一つ、中根・金田台地区の地権者らでつくる桜中部まちづくり協議会副会長を務め、緑地と菜園と住宅が一体となった緑農住一体型住宅を提唱などしている。

常磐線普通車両 土浦駅2番線

【コラム・塚本一也】つくばエクスプレス(TX)が開通して、北千住駅での乗り換えが非常に便利になった。橋上のコンコースで、常磐線や東武線と乗り換えが可能となり、地下へ移動すれば、千代田線とも乗り換えができる。これで東京の都心や繁華街をほぼ網羅することになるが、唯一アクセスが改善されなかったのが新宿方面である。 アプリを使って検索すると、幾つかのルートが候補となるが、乗り換えや所要時間を考えると、いずれも決め手に欠けるように思う。 私は拙著の中で、常磐線を、墨田操車場から田端操車場経由で山手貨物の線路を使い、池袋から新宿・渋谷方面へ走らせる「常磐新宿ライン」を提案したことがある。私の提案以前に、常磐線の輸送力増強のために、ある研究機関がその実現可能性を調査したことがある。 当時とは事情がだいぶ変わっており、埼京線や湘南新宿ライン、果ては相鉄線までもが山手貨物を利用して新宿・池袋方面へ直接乗り入れするようになった。現在では、山手貨物のダイヤがきつくなっており、また常磐線も利用者が減少していることから、その必要性を唱える者は私ぐらいであろう。 東京駅の後は新宿へのアクセス しかし、本来であれば、上野東京ラインで東京駅へ乗り入れを果たした後は、東葛地区や茨城県が構想すべき鉄道網の整備は、新宿へのアクセス改善である。TXが臨海方面へ延伸する計画が取りざたされており、秋葉原から中央線と並行して新宿へ進む可能性はほぼ断たれている。 だが、歴史的に見て、千葉県や埼玉県が東京へのアクセスを計画した時に、どのような施策をとってきたかを考えれば、新宿へのアクセスがいかに重要であったかがわかる。 総武本線は快速が東京駅に乗り入れて横須賀線と直通運転をしている一方、緩行線はお茶の水から中央線へ乗り入れして新宿へ向かっている。京浜東北線が大宮から東京へ向かえば、埼京線は新宿へ向かっている。このように首都圏の鉄道網は、東京への乗り入れを果たした後は、新宿への乗り入れを実行してきたのである。 茨城県は東京への鉄道アクセスに関しては後発である。その間、東京の開発も変化をしてきた。都庁が新宿へ移転した後に、次の開発地域として湾岸地区から臨海地区が注目されている。茨城県には、将来を見据えた戦略的な鉄道の計画が求められている。(一級建築士)

Most Popular