再生した古民家をお披露目【筑波山麓秋祭り】上
つくば市の筑波山麓や宝篋山周辺など筑波、田井、北条、平沢、小田の5地区で秋祭り「筑波山麓秋祭り」が26日始まり、後半3連休の11月2~4日は体験ツアーやコンサート、特産品農産物販売などさまざまなイベントが催される。5地区の26団体が、それぞれの特徴を生かし、秋の山麓をにぎやかにする。秋祭りの見どころの一部を上下2回に分けて紹介する。1回目は、新たに山麓や中腹の古民家が姿を変え、新しい持ち主によって生まれ変わった場所を案内する。
大学生が風呂を建築し公開 旧小林邸ひととき
筑波山の中腹「旧小林邸ひととき」(つくば市筑波)では、法政大学デザイン工学部建築学科、赤松佳珠子教授率いる赤松研究室の学生が、風呂「ゆりやら」の完成を記念して11月2日と3日に見学会を実施する。邸内のコワーキングスペースを利用し、風呂建築に関わる模型を展示し、活動の様子を動画で紹介する。
風呂は4年前に設計され、施工から3年目で完成となった。作業に関わったのは延べ45人。建築学科の学生が1日に3、4人、都合が付く日に代わる代わる工事に当たったためかなりの日数がかかった。脱衣所と浴室の面積は計9.9平方メートルで3人程度が利用できる。11.3平方メートルの中庭も造成され、庭には竹灯ろうがともる。
建築に携わった同大大学院の法兼知杏(のりかね・ちあ)さん(23)は「力仕事が多くて大変だった。携わった4年間の成果を、歴史のある建物と合わせて是非見にきてほしい」と話す。
旧小林邸は、筑波山ケーブルカーや筑波鉄道(現在は廃線)建設に関わった地域の資産家、小林氏の生家で、約130年前の明治時代に建てられた。しばらく空き家となっていたが、地方創生や観光コンテンツの開発などに関わるGoUp社長の野堀真哉さん(39)さんが2020年に購入し改装した。現在、宿泊施設やコワーキングスペースなどとして運営している。
◆「旧小林邸ひととき」はつくば市筑波937、電話029-866-0003。
地域活動支援の場に「つくば椿庵」
旧小林邸から山道を下ると立派な塀が見える。同市筑波の古民家空間「つくば椿庵」は今回が秋祭り初参加だ。古民家の空間を味わって欲しいと、秋祭りに合わせ邸内をきれいに飾った。お休み処として26~27日と11月2~4日に邸内を公開し、コーヒーなどが味わえる。
「つくば椿庵」は155年前の1869(明治2)年に建てられた古民家で、元教員だった神奈川県の増渕広美さん(66)が3年前に取得した。現在、作品発表や教室、コミュニティの場として貸し出し、地域での活動を支援している。
かつては武家屋敷だった。持ち主だった最後の当主は55代目で、千年も続く家系だったという。増渕さんは古民家に住みたいと、いろいろ場所を探した末に購入した。完全移住ではなく神奈川県との2拠点生活となる。「古民家は大き過ぎて直すところが多く、まだまだ発展途上」だ。DIYが得意な夫が少しずつ修繕しているところだという。
購入した当初は、家族でゆっくり過ごしたいという考えだったが、由緒ある建物であることから、登山客が訪れたり、催しを開くようになった。今年9月には「重陽の節句」の展示会を開くなどした。
増渕さんの祖母が筑波山神社近くに住んでいたことから、幼少だった1960年代から70年代に筑波山で夏を過ごし、にぎわっていた頃を記憶している。「学園都市が出来てから若い方たちの多くが学園に移り、随分様子が変わった。地元の小学校も(廃校になり)今は校舎が残っているだけで子どもたちの声はない。しかし筑波山にはたくさんの魅力があるので、その魅力を多くの方に知ってもらい、かつてのような活気が戻ることを願いたい」と語る。「地元の人が住まなくなっても外から新しい人が入ってくる現象があり、筑波山も少しずつ新しいものが出来て変わってくるかも知れない」と語った。(榎田智司)
◆「つくば椿庵」はつくば市筑波878、電話090-8455-2935。受付時間は平日午前10時~午後5時。
◆筑波山麓秋祭り公式アカウントはこちら
大腸がんの手術治療《メディカル知恵袋》7
【コラム・松村英樹】皆さん、大腸がん検診を受診されていますか? 検診は2日分の便を採取し、便に混じった血液を検出する検査です。がんやポリープなどの大腸疾患があると、大腸内に出血することがあり、その血液を検出します。1日分でも便潜血(せんけつ)検査陽性となったら、精密検査(大腸内視鏡検査)を受ける必要があります。今回は、罹患(りかん)者の多い大腸がんの手術治療についてお話しさせていただきます。
大腸と大腸がんの患者数
大腸とは1.5〜2メートルほどの臓器で、結腸と直腸に分けられます。結腸は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられます。直腸は、直腸S状部、上部直腸、下部直腸に分けられます。
大腸がんと診断された患者さんの数は、男女合わせた総数で第1位となっています。食生活の欧米化や運動量の減少などが関係していると考えられています。
大腸がんの広がり方
【a 浸潤】大腸がんは腸の一番内側の粘膜で発生した後、だんだん大きくなり、最後に腸の壁を突き破って周囲の臓器に広がります。浸潤(しんじゅん)の度合いを深達度と言います。
【b リンパ行性転移】リンパ管は血管のように体中に張り巡らされています。途中にリンパ節という節目があり、リンパ管に侵入したがん細胞はここで増殖します。これをリンパ行性転移といいます。
【c 血行性転移】がん細胞が細い静脈に侵入し、大腸から離れた臓器に流れ着いて、そこで増殖することを血行性転移といいます。大腸からの血流はまず肝臓に集まることから、大腸がんで最も血行性転移の頻度が高いのが肝臓です。次に頻度が高いのは肺転移です。
【d 腹膜播種】腹腔内にがん細胞が散らばった状態を播種(はしゅ)と言います。進行すると、がん性腹膜炎となります。
広がり具合のステージ
がんの広がり具合(進行度)をステージ(病期)で表します。ステージは深達度、リンパ節転移、遠隔転移によって決まります。手術を行った後、組織を顕微鏡で調べた結果で病理分類ステージが決定します。これによって術後に補助化学療法を施行するか決まります。
手術治療では取り残しがないように、がんが広がっている可能性のある腸管とリンパ節を切除します。結腸がんは、がんから10センチ離れた部位で腸管を切ります。腸管を切除した後、腸管を吻合(ふんごう)します。(図1)
直腸がんは、肛門側はがんから2〜3センチ離れた部位で腸管を切除します。腸管を切除したあと、結腸と直腸を吻合します。通常器械(自動吻合器)を使って吻合します。(図2)
がんが肛門近くにある場合、肛門を含めてがんを切除する必要があり、その場合は人工肛門になります。看護師による人工肛門の管理・教育や患者会など、ケアシステムに対する様々な取り組みが行われています。
腹腔鏡による手術
炭酸ガスで腹部を膨らませ、お腹の中を見る内視鏡(腹腔鏡=ふくくうきょう)で観察しながら数カ所の小さな創から鉗子(かんし)を入れて手術を行う方法です。創が小さく体の負担が少ないため、急速に普及してきました。しかしながら、従来の開腹手術とは異なる技術であるため、医師はトレーニングが必要となります。当院では内視鏡外科技術認定医が在籍しており、安全に腹腔鏡手術を行っています。(図3)
術後の補助化学療法
手術でがんをすべて切除したと判断しても、一定の頻度で再発が起こります。再発を抑える目的で手術後に追加で行う抗がん剤治療を補助化学療法といいます。リンパ節転移があった場合、またはリンパ節転移がなくても再発の可能性が高いがんに行います。
毎年、大腸がん検診を
大腸がん検診は毎年の受診が推奨されています。残念ながら全国の受診率は男女ともに50%を下回っています。大腸がんは比較的治りやすいがんです。怖がらずに大腸がん検診を受け、精密検査となった場合は必ず大腸内視鏡検査を受けていただくことをお薦めします。(筑波メディカルセンター病院 消化器外科 診療科長)
蚕影山神社と金色姫伝説 養蚕が支えた千年の営み思う絵画展
11月1日からつくばで
養蚕にまつわる歴史を調べ、関わる地域で見た風景を独特の作風でキャンバスに描き込む東京都町田市在住の画家、加藤真史さん(41)の個展「穹窿(きゅうりゅう)航路ー蚕神、彼の地より来訪し桑海を渡り帰還す」が、つくば市千現、ギャラリーネオ/センシュウで11月1日から始まる。横浜市と相模原市に続く3カ所目の開催となる巡回展で、アクリル絵の具や色鉛筆で描いた作品15点ほどが展示される。茨城に残る養蚕にまつわる「金色姫伝説」と、全国の養蚕農家の信仰を集めたつくば市神郡にある「蚕影山(こかげさん)神社」の歴史などを通じて、養蚕が支えた千年以上にわたる人々の営みに思いを寄せる展示になる。
加藤さんは今回の作品作りのきっかけを、かつて関東一円で栄えた養蚕地をつなぐ街道を「シルクロード(絹の道)」と呼んだのを知ったことだと話す。江戸末期から第二次大戦末期にかけて、各地で作られた生糸は東京・八王子市に集められ、貿易港のある横浜市へと運ばれた。養蚕業は明治期、外貨獲得のため国を挙げて進められ、産業に関わる一帯は経済的に繁栄し、近代化する日本を支えてきた。しかしその後、ナイロン製品の普及などにより衰退し、1929年に約220万戸を数えた養蚕農家は、2023年には全国で146戸にまで減少している。
「郊外」の広がりと、消える養蚕のある風景
加藤さんは以前から、自身が暮らす街の成り立ちに関心を持ってきた。瀬戸物の産地として知られる出身地の愛知県瀬戸市は、歴史ある街並みが残る一方で、加藤さんが育った地域には、コンビニやファミリーレストランが国道沿いに並ぶ「どこにでもあるような、いわゆる郊外風景」だった。加藤さんは、故郷で見る風景が、全国で同じように広がることに疑問を感じ、各地の歴史を紐解きながら「郊外」について考えることが作品作りの大きなテーマとなった。養蚕にまつわる今回の作品は、加藤さんが2022年から作り続ける「郊外」を巡るシリーズ作「郊外の果てへの旅と帰還」の一環でもある。
「『郊外風景』は敗戦後、都市部の住宅不足から、国が団地を建てて周辺地域に人々を誘導してできたもの」だと加藤さんは説明する。「外貨獲得のために国策として拡大したのが養蚕業。桑畑が一面に広がる風景が各地にあったが、養蚕業の衰退とともに『郊外』が台頭した。各地を歩いて実感したのは、日本中で桑畑が『郊外住宅』に置き換わっていった歴史だった」と語る。
インドとつくばをつなぐ伝説
こうした養蚕と郊外の関係を調べる中で出会ったのが、各地に点在し、養蚕農家が信仰する「蚕影神社」と、その総本社でつくば市にある「蚕影山神社」だ。さらに、現在のインドにあたる天竺(てんじく)とつくばを養蚕にまつわる物語が結ぶ「金色姫伝説」の存在だった。伝説は、金色姫という天竺の王女が現在の日立市沿岸に流れ着き命を落とすと亡骸が蚕となり、筑波山の麓にたどり着いて養蚕が始まったというものだ。加藤さんは、養蚕の「創世記」となる伝説と、近代日本の起こりとなる「シルクロード」の物語を結びつけ、今回の絵画作品とした。
「国を支える主要産業として、多くの人が関わった養蚕業だが、開発が進みその痕跡を見つけるのも難しくなった。養蚕に携わる中で共有されていた文化や、劣悪な環境で働いていた女性の存在を知った。労働するにあたって必要とされた心の拠り所、信仰というものがあったはず」だと加藤さんは言い、「養蚕業に携わってきた多くの人々の内面を、私の個人的な作品を通じて見る人につなげる橋渡しにしたい」と作品への思いを語る。
今回の展示を企画した同ギャリーの山中周子さんは「筑波山麓の方は、蚕を『お蚕さん』と、『お』をつけるくらい養蚕を生きる糧にし、強い思いを持っていた。全国からつくばに関係者が参拝に来ていたという話も残っている。知らない人には知って欲しいし、知ってる人にも是非、新しい気持ちで作品を知って欲しい」と来場を呼び掛ける。(柴田大輔)
◆加藤真史個展「穹窿航路ー蚕神、彼の地より来訪し桑海を渡り帰還すー第Ⅲ期 筑波巡礼篇」は、11月1日(金)~17日(日)の金・土・日曜、千現1-23-4 101、ギャラリーネオ/センシュウで開催。月~木曜は休館。開館時間は金曜が午後3~7時、土日は午後1~5時まで。入場無料。展示に関する問い合わせは、メール(info@neotsukuba.com)で。
初の自主公演 筑波大ストリートダンスサークル
11月9日 つくば国際会議場
筑波大学の学生ストリートダンスサークル「リアルジャム(Realjam)」が11月9日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で同団体初となる自主公演「跡影」(あとかげ)を開催する。
今年で設立30周年となる同団体は、同大1〜3年生を中心に卒業生も含め約160人が所属している。今回の自主公演では、ヒップホップやロック、パリ五輪2024大会で新競技として正式採用されたブレイキンなど7つのジャンルで9チームに分かれ、約130人が参加する。
当日観客は、9つのチームによるダンスパフォーマンスを間近で見ることができる。これまで団体をまとめてきた3年生にとっては引退前最後の大舞台となる。
初となる自主公演を企画し実演することは、引退を控える3年生の集大成を披露する場を作り、同団体のさらなるステップアップにつなげる狙いがある。自主公演名「跡影」は13人の幹部メンバーで考えた。由来には「積み重ねてきた練習や努力の軌跡(跡)を未来の世代に繋げる(影)」という意味が込められている。
自主公演開催の背景には、引き継ぎの不備や確認不足などにより毎年11月に行われる同大学園祭の出演時間を十分に確保することができかったことがある。500〜1000人の観客の前で披露される予定だった学園祭に代わるステージを模索した結果、今回新たに最大で900人の観客の前でダンスを披露できる舞台が実現する。
本番に向けて、メンバーは週2日各2時間の全体練習に加え、毎日自主的に練習を積み重ねている。同団体副代表で社会・国際学群社会学類3年の大本裕陶さん(20)は、当日の見どころの一つについて「照明や音響などの演出にこだわっている。ストリートダンスの良さを前面に打ち出し、見た人に感動を与えられるステージにしたい」と話した。
同団体代表で理工学群物理学類3年の長谷川碧杜さん(20)は「ダンスに大学生活を捧げてきた。学生ならではの若さや強さを表現して、観客に活力やエールを伝えたい。当日はぜひ会場に足を運んでほしい。」と来場を呼び掛ける。(上田侑子)
◆同団体は、自主公演開催にあたり、新たに資金調達のためのクラウドファンディングにも取り組んでいる。寄付への返礼品には、オリジナルグッズのほか、筑波山山頂でオリジナルメッセージを叫ぶ特典やメンバーからのビデオメッセージなど多岐にわたる。
◆自主公演Realjamスペシャルステージ「跡影」は、11月9日(土)午後4〜6時、同市竹園2-20-3、つくば国際会議場Leo Esakiメインホールで開催。開場は午後3時30分、入場料は500円。イベントに関する情報は、公式インスタグラムやクラウドファンディング公式ページへ。
花火見物客を歓迎 土浦の音楽家がウエルカムフェス
11月2日と3日
土浦市出身・在住のサックス奏者 宇津木紘一さん(43)が、土浦全国花火競技大会が催される11月2日と翌3日、花火を見に来る観光客を歓迎するウエルカムフェスティバルを開催する。土浦駅西口前のアルカス土浦広場とうらら大屋根広場で音楽ライブやダンスなどを披露するほか、イベントブースやキッチンカーを出店し土浦の物産をPRする。
土浦をアピールしたい
宇津木さんは「約60万人もの人が訪れる土浦全国花火競技大会は素晴らしい観光資源。観光客はもちろん、地元の人たちに喜んでもらえるイベントを開きたい」と語る。
昨年、宇津木さんは土浦商店街連合会の依頼で野外コンサート「サウンド蔵つちうらムーンライトコンサート」のプロデュースをした。その際「このようなイベントを花火大会の日にもやったらどうかと思い立った」。元々、日本三大花火大会である大曲の花火大会、長岡の花火大会では音楽ライブなど様々なイベントを催している。しかし土浦ではこれまで開催されておらずもったいないと考えていた。
そこで昨年、同商店街連合会や同市商工課などに相談し、土浦花火大会実行委員会の後援を得て川口町バス停前広場(土浦市川口町)で第1回目のウエルカムフェスティバルを開催した。「準備期間が短く音楽の生演奏だけだったが、観客が多く手応えがあった。次回はもっと大きな規模でやりたい」と実感した。
今年は土浦駅前で花火大会当日と翌日の2日間かけて開催する。主催は同ウエルカムフェス実行委員会で、土浦商店街連合が共催する。市内でコミュニティバス「キララちゃんバス」を運行するNPOまちづくり活性化土浦や、楽器店「島村楽器イオンモール土浦店」など様々な団体や企業が協力する。地元の若い世代にも活躍してほしいという思いでポスターのイラストは土浦一高美術部の生徒に、題字は土浦二高書道部の生徒に依頼した。「土浦の花火」のロゴは、花火大会のオフィシャルポスターと同じ文字の使用許可を得ている。
高校生も出演
2日は、宇津木さんのサックス演奏のほか、つくば市のマリンバデュオMS.MALLETSによるマリンバ演奏、和太鼓、琴の生演奏などを催す。土浦一高吹奏楽部も演奏を披露する。土浦二高書道部は、宇津木さんとMS.MALLETSの生演奏に合わせてパフォーマンスを行う。
3日は音楽ライブのほか、イベントブースでは、子供たちが「にれ工房」(つくば市平塚)のサポートで竹を使った打楽器作りを体験できる。出来上がった楽器を使って土浦吹奏楽団の演奏に参加もできる。物産展では、知的障害者施設「土浦市つくしの家」が手作りのレンコンコースターやレンコンキーホルダーを販売し土浦のレンコンをアピールする。
宇津木さんは「ウエルカムフェスティバルで土浦の魅力を多くの人にアピールしたい」と意気込みを語る。(伊藤悦子)
◆土浦全国花火競技大会ウェルカムフェスティバル2024は、花火大会当日の11月2日(土)は午前11時~午後4時、アルカス土浦広場で、翌3日(日)は前11時~午後7時、うらら大屋根広場で開催。参加費無料。問い合わせは同実行委員会のメール(tsuchiurahanabi.welcomefes@gmail.com)へ。
農協よ、どこへ行く─農協全国大会を傍聴《邑から日本を見る》170
【コラム・先﨑千尋】今月18日、東京都内で第30回全国農協大会が開かれたので、末席で傍聴した。農協大会は3年に一度開かれ、今回は全国の農協代表者ら1500人が出席し、2025年から3年間の農協グループの方針を示した決議を採択した。
今大会のテーマは「組合員・地域とともに食と農を支える協同の力─協同活動と総合事業の好循環」。戦略として、食料安全保障への貢献に向けた地域農業の実践、次世代の確保や持続可能な農業の実現、組合員の豊かなくらしの実現、組合員の参画推進、農協・農業への理解醸成などを掲げている。
農協は、経済的には弱くて小さな農家が手をつなぎ、協同の力で所得と暮らしの向上を目指す組織で、消費者の暮らしを守る生協も同じ仲間だ。農協は、農業生産に必要な資材を購入し、生産された農畜産物を共同で販売する。それだけでなく、今では信用(金融)、共済(保険)、農産加工、医療、葬祭など、農家の暮らしに必要なあらゆる事業を行っている。
私はこの農協に約60年前に職員として入り、最後は常勤役員を務めた。これまでの大会議案を所持しているので、その変遷過程を知っている。農協の事業は農業、農政の動きと不即不離なので、その時々の世相と、農協がどう進もうとしているのかが分かる。
今年は、夏に突然、スーパーの棚からコメが消える騒動(?)が起き、消費者をあたふたさせた。原因は、生産費が上がっているのに米価は30年前の半値近くまで下がり、農家の手取りは1時間当たり10円にしかならない、コメを作っては暮らしていけないということにある。
では農協はこの事態にどうするか。急にそんなことになっても(そんなことを言われても)即座に対応できないということなのか、今回の議案はそうしたことには一切触れていない。「食料・農業への貢献」のところで「農業所得の増大と国内農畜産物の安定供給」が方向として示されただけだ。「農協は食と農を支える」という抽象的な文言だけでは、生産者も消費者もどうしていいのか分からない。
議論のない大会
前回の大会では「農業者の所得増大」を支え、「消費者の信頼」にこたえる、と決議した。しかし、今回の突然のコメ価格の上昇は農協のおかげではないし、消費者の信頼も損ねてしまった。今回の議案では、農家の手取りがなぜ時給10円にまで落ち込んでしまったのかなどには触れていない。全体として前回の決議を総括していないのだ。
農協はこれまで「決議すれども実行せず」の組織だと批判されてきた。それだけでなく反省すらしない。私のような内部からの批判は異端者の言うことだと極端に毛嫌いされる。
カラフルな大会資料。整然とした進行。ダラダラと長い来賓のあいさつ。意見表明もあらかじめ決められた人だけが行い、異論も闊達(かったつ)な議論もない。
これでいいのだろうか。歌を忘れたカナリア、運動を忘れた農協は、どこへ行く。そう思いながら会場を後にした。茨城県の農協大会は今月30日に水戸市で開かれる。これも、のぞいてみよう。(元瓜連町長)
目標は新Vリーグ初代王者 サンガイア都澤理事長に聞く
昨季まで日本バレーボール機構が主催していたVリーグは、この2024ー25シーズンから、世界最高峰のバレーボールリーグを目指すSVリーグ(SVL)と、その下部組織でジャパンバレーボールリーグが主催する新Vリーグ(JVL)に改編された。旧Vリーグ2部に属していたつくばユナイテッドSunGAIA(サンガイア)は今季からJVLに所属、新リーグ初代王者を目標に戦いを繰り広げる。
東地区で28試合戦う
今季初開催となるJVLには、旧Vリーグ2・3部のほとんどのチームが参戦。さらにカンファレンス制を導入し、東西2地区に分かれた。今季は東地区が8チーム、西地区が10チーム。レギュラーシーズンは4回戦の総当たり制だ。
「つくばは東地区なので28試合を戦う。長いリーグを戦い抜けるよう戦力の充実を図り、選手の起用や作戦などを練っているところだ」と都澤みどり理事長。
大会方式は完全ホーム&アウェー制に変更。昨季までホームゲームは3大会ほどだったが、今季は7大会14試合に拡大され、選手の活躍を間近で見られる機会が増える。アウェーゲームも北海道と長野以外は全て関東近辺なので、応援に足を運びやすくなる。
ホームタウンはつくばと土浦
「ホームゲームが増えるだけでなく、遠征の際の移動距離も短くなった。去年までは帰りが夜中の12時を回ることも多く、連戦の疲れが残ったまま次の試合に向かっていた。それに比べると少しは体も楽になり、良いパフォーマンスをお見せできると思う」
大会は土・日曜日の2連戦で行われ、2日間とも同一カードを戦う。
「1日目の結果を受けて出方を変えたり、相手の予想の裏をかく場面なども出てくると思う。またチーム状況の変化により、シーズンの前後半でも戦い方が変わってくる可能性もある。そういった点も見どころの一つ」
つくばのホームタウンはつくば市と土浦市で、ホームアリーナにはつくばカピオ(つくば市竹園)と霞ケ浦文化体育会館(土浦市大岩田)を申請。ほかに桜総合体育館(つくば市流星台)と池の川さくらアリーナ(日立市東成沢町)も使う。カピオと池の川は、SVリーグ女子のAstemo(アステモ)リヴァーレ茨城との合同開催だ。
「リヴァーレとはリーグが異なるので別料金の入れ替え制になるが、それでも一緒にできるメリットは大きい。男女それぞれのバレーの面白さを来場者に知っていただける。池の川という5000人規模の会場でできることも魅力」と都澤理事長。
なお、今季から牛久市とつくばみらい市がフレンドリータウンに加わったため、来季はそれらの街でのホームゲーム開催も検討していくそうだ。
選手は13人から16人にアップ
今季の目標はJVL優勝。初代王者のタイトルを目指し、そのために何をどうすべきなのか、日々チーム一丸となって考えているという。選手数は昨季の13人から16人に大幅アップ、顔ぶれも大きく入れ替わり、新規加入選手が9人を占める。
「新メンバーもチームにマッチしてきている。どういうプレーを見せてくれるのか、ぜひ期待してほしい。人数が増えたことでポジション競いも熾烈(しれつ)になり、切磋琢磨(せっさたくま)できている。迫力あるプレーをお見せして、選手が一生懸命取り組んでいる姿を生で感じていただきたい」
11月16・17日 ホーム開幕戦
今季JVLは10月19日に開幕。10月26・27日東京ヴェルディ、11月9・10日長野GaRonsとアウェー2大会を戦い、11月16・17日の富士通カワサキレッドスピリッツ戦でホーム開幕を迎える。会場は霞ケ浦文化体育会館。
なお11月16日は土浦市民デー、17日は牛久市民デーとして、それぞれ市民50組100人を無料招待する。応募方法は各市報10月上旬号に掲載。また両日とも、土浦市報10月上旬号を持参した人は、小学生無料などの特別料金で入場できる。問い合わせはつくばユナイテッドサンガイア事務局(電話029-879-7345)へ。(池田充雄)
2024-25 Vリーグ男子 東地区 レギュラーシーズンつくばユナイテッドSunGAIA ホームゲーム日程2024年11月16日(土) つくば-富士通 霞ケ浦文化体育会館 ※土浦市民デー 11月17日(日) つくば-富士通 霞ケ浦文化体育会館 ※牛久市民デー 11月30日(土) つくば-東京V 桜総合体育館 12月1日(日) つくば-東京V 桜総合体育館 12月7日(土) つくば-R栃木 桜総合体育館 12月8日(日) つくば-R栃木 桜総合体育館2025年1月18日(土) つくば-北海道YS 霞ケ浦文化体育会館 1月19日(日) つくば-北海道YS 霞ケ浦文化体育会館 2月8日(土) つくば-千葉 池の川さくらアリーナ ※同日開催Astemo-刈谷 2月9日(日) つくば-千葉 池の川さくらアリーナ ※同日開催Astemo-刈谷 2月22日(土) つくば-長野GR つくばカピオ ※同日開催Astemo-姫路 2月23日(日) つくば-長野GR つくばカピオ ※同日開催Astemo-姫路 3月8日(土) つくば-埼玉 池の川さくらアリーナ ※同日開催Astemo-東レ 3月9日(日) つくば-埼玉 池の川さくらアリーナ ※同日開催Astemo-東レ
28人の当選者決まる つくば市議選
つくば市議選の開票が27日行われ、28人の当選者が決まった。内訳は現職が18人、新人が10人、政党別は自民1人、公明3人、共産1人、市民ネット4人。定数を18人上回る46人が立候補していた。当日有権者数は19万7088人。投票率は60.97%だった。
【つくば市議選】(定数28)選管確定
当 8634 塚本 洋二 52 自現⑤当 7643 川久保皆実 38 無現②当 5123 市原 琢己 32 無新①当 4407 飯岡 宏之 62 無現⑦当 4160 川田 青星 25 市新①当 3867 山中 真弓 46 共現③当 3399 小森谷佐弥香 50 市現③当 3399 神谷 大蔵...
五十嵐氏が星田氏破り3選 つくば市長選
任期満了に伴うつくば市長選は27日即日開票され、現職で3期目を目指した五十嵐立青氏(46)=無所属=が、新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=を破り、3選を果たした。当日有権者数は19万7088人。投票率は60.97%だった。
【つくば市長選】(選管確定)当 61,604 五十嵐立青 46 無現② 54,580 星田 弘司 50 無新 (無効3,976 持ち帰り5)
五十嵐氏は、2期目の公約135項目は86.1%進ちょくしたなど実績を強調、3期目に向け99の公約を掲げた。マニフェストなどを連日、新聞折り込みなどで配布。街頭演説や市内TX各駅でのあいさつを重ね、市議会最大会派などの応援を得て選挙戦を展開した。
星田氏は、がん対策や性暴力根絶条例の策定など県議4期の実績を強調。街頭演説やTX各駅でのあいさつを重ねた。推薦を受ける自民党の応援を得て、片山さつき参院議員、いばらき自民党の県議のほか、大井川和彦知事らが応援に駆け付けて選挙戦を実施した。
「99の公約をしっかり実現」五十嵐氏
同市上横場の選挙事務所には、衆院選茨城6区で勝利した青山大人氏、大部勝規高萩市長、大塚秀喜桜川市長、ヘイズ ジョン県議らが駆け付け、28日未明まで開票を待った。
開票がなかなか進まない中、午前3時前、星田氏が敗戦の弁を述べたことが五十嵐陣営に伝わると、3時15分、雨が降りしきる中、傘をさして祝勝会を開催。五十嵐氏は「大変厳しい選挙戦だったが3期目の当選をすることができた。(後援会の)青風会の皆様お一人おひとりが各地で全力で活動してくださったお陰で、私の思いを市民に伝えることができた。99の公約をしっかり実現していくため全力で仕事をしていきたい。今回、星田さんに投票した市民の気持ちもしっかり受け止めて、誰一人取り残さない市政を前に進めたい」などと話した。
「国政選挙の影響を受けた」星田氏
星田氏は28日午前2時40分、1回目の開票結果を待たずに、集まる100人ほどの支援者に向けて敗戦の弁を述べた。同市西大沼の事務所敷地に設けた選挙報告会場には、小選挙区で敗れ、比例で復活当選した国光文乃衆院議員も応援に駆けつけた。開票会場に詰める関係者からは、星田氏が5万1000票程度、五十嵐氏が6万票程度との見込み情報が入っていたという。
星田氏は「多くの皆様に支援、協力をいただき全力で闘ったが、残念ながら、私の不徳の致すところで敗戦となった」と述べた。「8月19日に出馬表明をして以来、各地区で多くの方に支援・協力をいただいた」とし、「市議会で6年、県議会で20年間にわたる政治活動をしてきた。これからは、いち民間人になるが、これまでの経験をかてに、皆様と共にがんばっていきたい」と深々と頭を下げた。
支援者からは、「結果的には国政選挙の影響を受けて残念な事態になった。市長選にも影響したというのが見方。若いので、これからもがんばってほしい」と激励の声が上がった。
五十嵐 立青(いがらし・たつお)46 市長 無現③【略歴】筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。つくば市長。つくば観光コンベンション協会会長。いがらしコーチングオフィス代表。茨城パラスポーツ協会理事。元・NPO法人つくばアグリチャレンジ理事長。つくば市出身。梅園在住【公約】①市役所のデジタル化など徹底した行政改革②全天候型のこどもの遊び場整備など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業推進など頼れる福祉
(鈴木宏子、柴田大輔、崎山勝功)
立憲 青山氏が自民 国光氏制し当選 衆院選茨城6区
衆院選は27日、投開票が行われた。つくば、土浦などの茨城6区は、立憲前職で3期目を目指した党副幹事長の青山大人氏(45)が、自民前職で3期目を目指した元総務政務官の国光文乃氏(45)、共産新人で元つくばみらい市議の間宮美知子氏(77)を破り、3選を果たした。青山氏は前回、前々回と比例区で復活当選しており、小選挙区で国光氏を破ったのは初めて。
【茨城6区】(選管確定)当 120,434 青山 大人 立憲前 45当 107,305 国光 文乃 自民前 45 16,586 間宮美知子 共産新 77
「即効性のある物価高対策進める」青山氏
土浦市下高津の選挙事務所には大勢の支持者が詰めかけた。午後9時15分過ぎ、当選確実の報が伝わると、集まった100人を超える支援者らの歓声と拍手が会場を包み込んだ。挨拶に立った青山氏は「本当にたくさん方の力で初めて小選挙区で勝つことができた」と感謝を述べた。選挙区で落選した前回(2021年)衆院選を振り返り、「深夜3時過ぎ、北関東比例区最後の枠で復活当選することができた。あれから3年、(選挙区当選の)光景を何度も夢見てきた」とし、「今日が新たな一歩。初心を忘れず、生まれ育った茨城6区、日本のために日々精進していきたい」と思いを語った。
選挙戦で訴えてきた物価高対策については、「即効性のある法案、対策を進めていく」とし、教育費の負担軽減や子育て支援の拡充については、「私自身、2人の子育てをする父親として、同世代の皆さんの大変さを聞いている。教育の負担軽減、子育て支援に取り組んでいきたい」と述べた。
会場には堂込麻紀子参議院議員や、宮嶋謙かすみがうら市長ら周辺自治体の首長、支援団体の代表ら支援者が多数詰めかけた。土浦一高で同級だった五十嵐立青元つくば市長も祝福に駆けつけた。
青山大人 45 立憲前② 党副幹事長【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書、県議2期、2017年比例復活で初当選。党県総支部連合会代表、党幹事長部局副幹事長【公約】①時限的消費税減税など内需主導型経済対策②危機管理に投資しリスクを最小化②教育無償化、看護・介護・保育・教育現場の処遇改善など人への投資
「政治とカネの問題に厳しい目線感じた」国光氏
つくば市吉瀬の前事務所には午後8時前から支持者らが集まり、テレビの開票速報を見守った。午後8時30分、青山氏優勢が伝えられると、会場はざわめいた。青山氏の当選確実が報じられた後、午後9時15分前、国光氏が会場に姿を見せ「私の力不足で小選挙区の当選を果たすことが出来なかった。何が足りなかったのか、国民の審判をしっかり受け止めたい。暑い日も寒い日も、私と歩いていただき、いい時も悪い時も伴走していただいた皆様に感謝したい。皆さんのお困りごとを少しでも前に進め、これからも頑張って参ります」とあいさつし、頭を下げた。
敗因については「政治とカネ、2000万円を非公認に振り込んだことは私自身も驚いた。選挙戦は今までと異なり、非常に厳しく白けた目線を感じた。私自身、地盤、看板、かばんが無い中で声を上げるべきだったかもしれない」などと話した。
国光氏は日付変わって28日午前0時過ぎ、重複立候補していた比例区での当選が決まった。
国光あやの 45 自民前② 元総務政務官= 公明推薦【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。勤務医、厚労省医系技官、同保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉氏の後継者として初当選。第2次岸田内閣で総務政務官。【公約】①物価等に連動した年金受給額のさらなる引き上げ②国道6号バイパスの整備促進➂霞ケ浦医療センターの整備実現
