日曜日, 4月 5, 2026

石破首相がつくば市内で応援演説 衆院選

自民党総裁の石破茂首相が23日、つくば市竹園の大清水公園で衆院戦茨城6区に出馬している候補者の応援に立ち、裏金問題を念頭に「自由民主党はもう一度、謙虚に、誠実で、公正で、公平な政党として皆様に信を問う」などと訴えた。雨の中、同公園には支持者ら1000人余りが集まった。 会場では聴衆に金属探知機でのボディチェックと手荷物検査が実施され、演壇となる車両から聴衆まで50メートルほどの距離がとられた。会場を取り囲むように周囲の建物にも警察官が配置され警戒した。 石破首相は「こんなに離れたところからお話をするのは全く趣味ではない」と言い、「闇バイトでの強盗など、世の中は物騒になった。防犯対策を支援するなど、安心、安全な市民の暮らしを私たちは守っていく」と述べた。全国的な人口減少問題については「ものすごい勢いで人口が減っている。80年後には日本人は半分以下に、200年後には10分の1以下になる。そんな国を我々は残してはいけない」とし、経済的な不安から結婚や出産を諦めざるを得ない若者がいることを踏まえて、「望むなら結婚できるように若い人たちの賃金を上げていかなければいけない。お金は株主と経営者だけのものではない。労働分配率を上げ、額に汗して働く一人一人の人たちの給料を上げるなど、経済の形を変えていく」と訴えた。 また「地方が新しい日本をつくっていく、そういう地方創生を私たちは実現してきた」と話し、今年度の補正予算を、約13兆円だった2023年度を上回る規模にするという方針を示したことについて、「決してばらまきはしない。安心な日本、地方がつくる新しい国の形、そして、若者が安心して結婚し子育てができる日本、そういうものを全部含んだ補正予算を、私どもは次の国会でお願いをする」などと述べた。(柴田大輔)

市税収入 毎年平均10億円ずつ増加【アングルつくば市長選’24】上

つくば市長選が20日告示され27日投開票が行われる。市政の課題について3回にわたって連載する。1回目は市の財政を考える。 人口規模1.35倍に つくば市の人口は2022年6月に25万人を突破、現在25万9000人超と増え続けている。県やUR都市機構などが地元地権者らの協力を得て2000年度から開始したつくばエクスプレス(TX)沿線の区画整理事業が進み、近年は国の低金利政策や住宅取得支援政策などに支えられた。TXが開業した05年の同市の人口が約19万1000人だったのと比べると約6万8000人増え、1.35倍増の人口規模になった。人口の伸びは国立社会保障・人口問題研究所の推計を上回るほどだ。 市内のTX沿線開発地区で最も早い2018年度に区画整理事業が完了し宅地などの販売が進んだ葛城地区(研究学園駅周辺)の人口は現在約2万人。計画人口2万5000人対し80%が居住する。同じ18年度に完了した萱丸地区(みどりの駅周辺)も計画人口2万1000人に対し77%の約1万6000人が居住。21年度に事業が完了した中根・金田台地区は8000人の計画に対し47%の約3770人が居住する。島名・福田坪地区(万博記念公園駅周辺)と上河原崎・中西地区は今年度、工事が終わり換地が実施される予定だ。市は20年改定の市未来構想で、あと24年間人口は増え続け2048年に約29万人にするという目標を掲げている。 7年連続不交付団体に 人口増と開発に伴って市民税と固定資産税など市税収入は年々増え、市の財政は今、かつてなく潤沢だ。2018年度から7年連続で、自分の税収だけで財政をまかなっていけるとされる不交付団体となっている。 2023年度決算によると市税収入は、市民税収入が約242億円、固定資産税収入が約226億円など計約511億9000万円。TX開業時の05年度の市税収入が計約338億2000万円だったのと比べると18年間で年間の約173億6700万円増と1.5倍に増えた。TX開業以降、毎年平均で約10億円ずつ、市の税収が増え続けてきた計算になる。 市税収入の増加に伴って市の財政規模も年々拡大、歳出決算額はTX開業時の05年度が587億だったのに対し、23年度は1125億9000万円と1.9倍に拡大した。23年度決算では、歳入から、歳出と翌年度への繰越を差し引いた剰余金である実質収支が40億8500万円あった。 市の2034年度までの中長期財政見通しによると、今後も2028年度まで毎年、市税収入が10億円ほど増え続け、その後も毎年数億円ずつの市税収増を見込んでいる。 補助費等2倍超に では毎年10億円近く増え続けてきた市税収入をつくば市は近年、何に使ってきたのだろうか。「充当一般財源」という財政用語がある。使い道が特定されず自治体の裁量で使える市税収入などの一般財源を、自治体がどこに使ってきたのかを性質別に表した数値だ。 23年度決算で充当一般財源の性質別歳出を見ると、総額約642億円のうち最も多いのが市職員などの「人件費」で約183億円、次いで委託料や備品購入費などの「物件費」が約140億円、3番目は児童や高齢者、生活困窮者などの福祉や医療に必要な「扶助費」で76億円となる。 前市長時代の2015年度と23年度の決算を比べると、充当一般財源の歳出は全体で1.3倍に増加。性質別で金額の割合が最も増えたのは助成金や負担金、報償費などの「補助費等」(23年度は約63億円)で、2.07倍となった。補助費等の主な内訳は、県後期高齢者広域連合医療費負担金、つくバス運行負担金、保育士への処遇改善助成金など。今年度から新たに実施された高校生の通学定期代支援金・自転車通学支援金なども補助費となる。次いで増えているのが、道路や街路、教育施設、公園施設などの「維持補修費」(23年度は約8億6000万円)で2.03倍となっている。これに対し減っているのは特別会計や基金などへの「操出金」で0.68と3割超減少しているなどが特徴だ。 毎年増え続ける市民の税収を、どの政策に優先順位を付けては使うべきなのか。▽市長選に立候補している五十嵐立青氏は主な公約として①市役所のデジタル化など徹底した行政改革②全天候型のこどもの遊び場整備など安心の子育て・教育③高齢者の生活支援事業推進など頼れる福祉ーなどを掲げている。▽星田弘司氏は①地域産業支援とつくばブランドの発掘・確立・セールス②市民の命と生活、雇用を守り抜く③教育日本一の実現と徹底した子育て・女性支援ーなどを掲げている。(鈴木宏子)

クウォーター《短いおはなし》32

【ノベル・伊東葎花】 勉強に疲れて顔を上げると、少女がいた。夕暮れの図書館は、静寂に包まれている。少女は、ブラインドから差し込む西陽(び)を避けながら、ゆっくり近づいてきた。空いている席などいくらでもあるのに、僕の前に座って静かに微笑んだつやのある黒い髪に透き通るような白い肌、瞳は深い海のような碧(あお)だ。ハーフだろうか。 「クウォーターよ」 心を読んだように、少女が言った。 「陽が沈むわ」 窓の外が淡い藍色に染まると、閉館を告げるチャイムが鳴った。 それから少女は、決まって夕暮れに現れた。勉強をするでもなく、ただ座ってほほ笑む。僕たちは、少しずつ話すようになった。名前はエマ。僕と同じ17歳で学校へは行っていない。多くを語らないが、いつもどこか寂しげだ。僕は青い瞳に見つめられるたびに、エマに魅かれていった。すっかり陽が落ちた帰り道、エマが言った。 「家まで送ってくれる?」 僕はもちろん「いいよ」と言った。 エマの家は、図書館から少し離れた森の中にあった。太陽も届かないような深い森は、日が暮れるとまるで闇の世界だ。黒い壁と蔦(つた)で覆われたエマの家は、ただひとつの灯(あか)りもついていなかった。母親はいないのだろうか。 「いるわ」 また心を読まれた。エマは、僕を家の中に招き入れた。 家の中は暗く、エマは頼りないランプの明かりで進んでいく。 「電気はつけないの?」 「母が嫌うから」 奥の扉を開けると階段があった。しかも地下に続いている。 「地下室があるの?」 「ええ、母は光に当たるといけない病気なの」 「病気?」 肌寒い地下室には、黒い箱がひとつ。ちょうど人がひとり入れるくらいの箱。映画で見た西洋の棺桶(おけ)のようだ。エマがふたを開けると、そこにはミイラのように痩せ細った女が寝ていた。 「母よ」。エマが言った。 黒い服で全身を隠し、青白い顔をしている。しかも、棺桶のような箱で眠っている。おまけに光を嫌うなんて、まるで…。 「そう、吸血鬼よ」 エマが、また心を読んだ。 「おじいさまが吸血鬼なの。母はハーフだから、半分は吸血鬼。定期的に生き血を飲まなければ死んでしまうわ。それなのに母は、それを拒んだ。あくまでも人間にこだわったのよ。それで、こんな姿になってしまったの」 ランプの光が妖しく揺れた。 いつの間にかエマが僕の背後にぴたりと寄り添っている。声をあげる間も与えられないまま、エマが僕の首筋に歯をあてた。血を吸われている。エマの喉がコクリと音を立てた。痛みは感じない。むしろ不思議な心地よささえ感じた。 「母のようにはなりたくないの」。エマが唇を離した。 「心配しないで。私はクウォーターだから、多くの生き血は必要ないの。ときどきこうして血を吸わせてくれれば、きれいなまま生き延びることができるの」 エマはそう言って、唇についた血を細い指で拭った。その仕草(しぐさ)はため息が出るほど美しい。エマのためなら血を吸われても構わない。 「ありがとう」 また心を読まれた。赤い唇で、彼女が笑った。 (作家)

9カ国42人が新たな一歩 日本つくば国際語学院で後期入学式 

つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東郷治久理事長兼校長)の後期入学式が22日、同市小野崎、つくば山水亭で開かれた。9カ国から来日した42人が、多様な民族衣装などに身を包み、新たな一歩を踏み出した。 新入生を代表して中国出身の牛鴻馬(ギュウ・コウマ)さん(22)があいさつし「日本は進学や就職のチャンスが多く、科学技術も世界のトップレベル。中国では植物学を学んでいた。日本語を十分学び、日本の発達した農業技術を学びたい」と語った。 在校生を代表してミャンマー出身のショーン・ライ・ライ・ルィンさん(22)が歓迎のあいさつをし「学校生活は友人をつくり、さまざまな活動をする貴重な時間。日本の法律を守りながら楽しんでほしい。困ったことがあったら、この学校の先生や先輩に相談してください」と新入生に呼び掛けた。 東郷理事長は「この学校はたくさんの国の人が集まり、世界を小さくしたような場所。講師、職員、先輩を頼りながら、国際人となり、世界に羽ばたいていけるよう頑張ってほしい」と話した。 新入生の出身国はネパール、ミャンマー、中国、韓国、タイ、モンゴル、イラン、スリランカ、フィリピンの9カ国で、女子学生23人、男子が19人。前期入学に続き、ネパール出身者が最多となり約半数を占める。 今回入学式に臨んだ中国出身の肖茜(ショウ・セン)さん(26)は「日本に来ることが出来てうれしい。たくさん友達をつくり、日本語を学びながら看護の勉強をしていきたい」と抱負を語った。 入学式後は記念撮影会となり、全校生徒、新入生、最後は出身国別に撮影し、笑顔で交流を図っていた。(榎田智司)

「暮らしと直接つながるのが市政」市民が投票を呼び掛け つくば市長選・市議選

27日に投開票を迎えるつくば市長選・市議選への関心を広げようと、市民6人が市民グループ「つくばの未来をみんなでつくろう」を結成し、今月12日から毎週末につくば駅前で投票を呼び掛けている。併せて市長・市議選候補者アンケートを実施した。グループは、市内の大学関係者や自営業者、学生、性的マイノリティ当事者など、日頃から社会問題に関心を持ち活動する市民らだ。発起人の1人で同市天久保でブックカフェ「本と喫茶サッフォー」を営む山田亜紀子さん(50)は「自分たちの暮らしと直接つながるのが市政。地元の選挙を盛り上げ、投票率を上げたい」と思いを語る。 カラフルな電飾で彩られ「選挙に行こう」と書かれたメッセージボードや、手製のパネルを手にグループのメンバーらが「27日は選挙です。投票に行きましょう」と通行人に呼び掛ける。幼少期からつくばで育った山田さんは20数年間、都内に通勤してきた。退職して昨年、地元にブックカフェを開業した(23年9月18日付)。「市民の声を届けるのが市政。地元で仕事を始め、暮らしを送る中で、地元での活動がより大事だとより思うようになった」と話す。 候補者の公約を見ると(20日付)抽象的な言葉が多いと山田さんは感じる。「ふわっとしている言葉が多い。どんな意味なのか、一体何をするのかよくわからなかった」と話す。前回2020年の市長・市議選の投票率は51.6%。より自分の暮らしに近い市政への関心は決して高くはない。「(22年に市区部で)人口増加率が日本一になったつくばには、新しい住民がすごく増えている。都心に通勤する人も多く、つくばにいる時間が少なければ市政にまで関心が向かないかもしれない」と想像する。一方で、「自分が住んでいる場所の市長や市議会議員が、私たちの暮らしをどのように守ってくれるのか知ることは大切」だと話す。 立場異なるメンバ―で30項目出し合う 告示を前に立候補者を対象に実施したアンケートは、年齢や立場の異なるメンバーで意見を出し合い決めた。水道料金引き上げや議員報酬アップ、県立高校新設、上郷運動公園跡地利用などつくば市が抱える課題から、教育や福祉、ジェンダーといった暮らしに結びつく問題、安全保障などの国政につながる問題への意見など、幅広く30項目を設けた。今回立候補する48人の市長・市議選候補者のうち、事前に知ることができた39人に質問を投げ掛け、12人から回答を得た。 アンケートについて山田さんは「人権や暮らしの視点で質問した。市民が困っていること、市政として取り組んでもらいたいことがこれだけあると可視化させ、市民がチェックしてると候補者に知らせたかった」と言い、同時に市民には「声を届けることが必要。投票はその機会。自分の暮らしと政治はつながっている。より多くの人の選挙への関心につなげたい」と思いを語る。(柴田大輔)

新幹線の車窓に思う《続・平熱日記》168

【コラム・斉藤裕之】新幹線の席は窓側派? 通路側派? 年を取ったせいかトイレに行くことを考えると、通路側の方が精神的にはよい。少し前まであった車内販売のお姉さんを呼び止めるのも、通路側にアドバンテージがあった。しかし、天気もいいのに発車と同時に早速日よけを下ろして眠りにつく方もいらっしゃるが、私は車窓に流れる景色を見るのが好きなので、あえて窓側の席を取ることもある。 今日は生まれ故郷山口県の徳山駅から茨城に戻る。ホームの目の前に広がる徳山港、コンビナートに別れを告げて、8時ののぞみ(人口十数万の地方都市にのぞみが停車する理由があるらしい)に乗る。あっという間に、広島、そして岡山、神戸、大阪。通過する駅や街ごとに、そこに住む友人知人の顔が浮かぶ。 京都駅のホームには相変わらず外国の観光客が多い。それから大津、琵琶湖辺りを過ぎると、私の好きな風景が現れる。それは、広がりのある大地と空の間に真っ白い雲が手の届きそうなところにぽかりぽかりと浮いている風景。恐らく地形のせいだろう。しばらくすると、これまた心引かれる伊吹山が見えてくる。この山の麓では大学の恩師が今も石を刻み続けておられる。 以前は旅の供といえば文庫本や週刊誌が定番だったけれども、今は新幹線にもWi-Fiがあるのでユーチューブで音楽を聴いてみる。「音楽は何を?」と聞かれていつも困るんだけど、それでも若かりし頃流行(はや)った曲など聞いていると、そのうちAIさんが見繕ってくれる曲が絶妙に車窓に車窓の景色とシンクロしていて、少しおセンチな気分にもなる。 それから、以前ならファン以外は目にすることのなかっただろうライブ映像やスタジオでの録音の様子なども流れてきて、これが結構よかったりして、自分が楽器などできないこともあって音楽のよさを再認識する。そういえば、友人のヒデちゃんとマサシさんのユニットがCDを作るというのでジャケットの絵を頼まれた。夏になる前のできごと。ある朝モノクロでササっと描いてみた。ふたりに見せたら気に入った様子だったので、原画を渡したのを思い出す。 リニア新幹線になったら? 今日、富士山は見えない。もう少ししたらトイレに行こうと思うが、隣の方が弁当を食べ始めてしまった。次に乗るときはやっぱり通路側だな。 今年で開業60年の新幹線。山陽新幹線が我が街を初めて走った日のことも覚えている。徳山から当初は6時間半かかったが、今は4時間半で東京に着く。スマホで映画や音楽、ゲームと、暇つぶしには事欠かなくなったものの、食堂車もなくなり弁当もお茶も売りに来ない。もはや席をくるりと回して向かい合わせにする光景も見なくなった。 と、品川に近づくが、品川ゲートウェイ駅ができたせいで線路わきのビル群が見えなくなってしまっていて、東京に帰って来た実感は薄れてしまった。やがて、ここはリニアの始発駅となるとか。リニアとはライン、つまり直線的という意味らしい。弁当食べる時間も車窓を眺める暇も、トイレに行くこともなさそうだ。(画家)

2氏の横顔 つくば市長選

つくば市長選が20日告示された。立候補を届け出た現職で3期目を目指す五十嵐立青氏(46)=無所属=と、新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=の2氏の横顔を紹介する。 「時計の針が元に戻ること」警戒 五十嵐氏 2016年11月から市長を2期8年務めた。今回は3期目の4年(~2028年11月)に挑む選挙になる。当然のことだが、取材に対してはこの8年間の実績を強調する。「人口増加率が国内の一般市では1位となった。企業数は8年の間に1万2000人以上増え、1万8000人以上も雇用が増えた。税収も77億円増え、財政調整基金は2倍以上になった」。 ただ、「ほとんどの市民がつくば市の生活に満足しているかというと、まだそこまでに至っていない」とし、要望が多い課題として、①今の市営図書館とは別の場所に図書館を建てたい、②市内に地元物産などを販売する道の駅を設置したい、③企業進出を促すため産業用地を確保したい、④県立高の定員不足を解消するために県立高の増築に市から資金を提供したい―などを挙げた。 五十嵐氏は市長になる前のつくば市のことを「市民無視の政治」と定義し、この8年の間にそういった政治は変わってきたとしながらも、「時計の針が元に戻る」ことを警戒する。この辺が3期目出馬の最大の理由のようだ。 プライベートなことを聞くと、「霞ケ関で働いていた妻が県北の森林組合に転職し、今、平日はそこで木こりをしている。週末には市内梅園の自宅に帰ってくるが、平日は同居中の3人の子どもに私が食事を作っている」。「得意料理は肉ジャガとカレー。といっても、某メーカーの自動調理鍋に材料を並べて、スイッチを入れるだけだから簡単」と、笑った。 筑波大学を卒業した後、英ロンドン大学に修士留学。帰国後、コーチングオフィスなどを運営しながら、つくば市議を2期務め、8年前、市長に当選した。好きな言葉は「和して同ぜず」。「(後援者などと)ウェットな関係性を維持しながらもドライな決断をする」意味という。尊敬する人物は、映画「独裁者」で「政治家以上に政治的な影響を世に与えた」喜劇俳優C・チャップリン。46歳。 「市民の声が市長に届いてない」 星田氏 つくば市議2期6年、県会議員4期14年、都合20年の議員経験を踏まえ、つくば市長に立候補した。実は4年前にも市長選への出馬を考えていた。ところが、コロナ禍の中で思うように選挙運動ができないだろうと判断して見送った。今回は満を持しての出馬といえる。挑戦者だから当然だが、2期8年の五十嵐市政の問題点を鋭く指摘する。 インタビューでは「県議としての活動の中で、市内各地の皆さんから意見を聞いてきたが、市民の声が市長に届いていない。TX駅の周辺はともかく、周辺地域の市民からは、インフラなどの整備が不十分との声が強い」と述べた。 また、五十嵐市政と県の連携が不十分な例として、県営洞峰公園の市営化を挙げた。市長と知事とのコミュニケーション不足によって公園管理権が市に移管され、市に新たな維持運営負担が発生したと指摘する。県や国や周辺市と連携しながら、「市のブランド力やポテンシャル力を生かす市政運営」が基本キャッチフレーズ。選挙広報用チラシには、大井川知事と握手している写真を大きくあしらっている。 プライベートなことを聞くと、「中高で野球をやっていたので、野球が大好き。車にはバットが積んであり、いつでも打てる」。「今一番楽しいのは、高校で野球をやっている次男のプレイを見ること。自分が野球をしていたころの写真は1枚しか残っていないが、休みの日に次男の練習をのぞくに行き、写真をバチバチ撮っている」と、笑った。  東海大学体育学部卒。小学生時の体育の先生(日本体育大卒)にあこがれ、自分も体育の先生になろうと思った。卒業後、英シェフィールド・ハラム大学・大学院に留学、「観光マネージメント」を学ぶ。帰国後、父が経営していた星田建設(つくば市西大沼)で働き、市議をしていた父の早世に伴い、そのポジションを継承した。現在は実の兄が社長をしている建設会社の社員。50歳。

開幕ホーム6連戦は2勝4敗 茨城ロボッツ

男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の茨城ロボッツは19、20日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。19日は84-77で勝利し、20日は77-105で敗れた。2024-25シーズンは10月3日に開幕、茨城はホーム6連戦を終え通算成績は2勝4敗で東地区5位。次節は23日、広島県立総合体育館(広島市)で広島ドラゴンフライズと対戦する。 2024-25 B1リーグ戦(10月20日、アダストリアみとアリーナ)茨城ロボッツ 77-105 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ茨城|12|20|18|27|=78名古屋|26|26|28|25|=105 茨城は昨季西地区優勝の名古屋Dに対し、19日は速攻で流れをつかみ、リバウンドで粘って勝利を収めた。だが20日は相手の高い修正能力の前に、後手に回った。「今日(20日)名古屋は自分たちに対ししっかりと準備し、40分間ずっと守備のプレッシャーをかけ続け、自分たちのリズムで攻撃させてもらえなかった」とクリス・ホルムヘッドコーチ(HC)。また平尾充庸主将も「出だしから名古屋のハードなディフェンスに面食らってしまった。特にリバウンドではオフェンスとディフェンスで合計41本を取られ、セカンドチャンスも多くつくられた」と話した。スターティングメンバーの一人、駒沢颯は「試合開始から相手のプレッシャーが昨日とは違い、弱気なプレーをしたりして悪い流れを作り、相手に走らせてしまった」と反省を口にした。 懸命に追い駆ける茨城だが、名古屋Dはそれを上回るペースで得点を伸ばしていく。茨城はファウルも多く取られ、そこからのフリースローでさらに失点がかさんだ。「審判の笛は昨日から厳しかったので注意していたが、高さのある相手にどうしてもファウルが増えてしまった」とホルムHC。 そうした中で、気持ちのこもったプレーも多く見られた。長谷川暢はドライブや3点シュートでチームに勢いを付け、ロバート・フランクスはインサイドとアウトサイドの両方で強さを発揮、両チームトップの26得点を叩き出した。駒沢は第4クオーターでは3点シュートを立て続けに2本決めるなど、それまでとは打って変わったアグレッシブな攻撃を見せた。「思い切りやれと言われ、チャレンジする気持ちを取り戻し、自分の長所を生かしたプレーができた」と振り返っている。 前節の千葉ジェッツ戦も今節も、強豪と呼ばれる相手に1つは勝つことができた。これを2つに伸ばしていけるかどうかが成長へのカギとなる。「強い相手は1つ負けても次は必ず修正してくる。2日間いい試合をしたい」とフランクスは言う。またホルムHCは「どんなスポーツでも強いチームは守備が良い。それを40分ではなく(2試合分の)80分間できるようにすることが、自分たちの次のステップ」と目標に据えた。(池田充雄)

つくば市長選の広報チラシを読む《吾妻カガミ》194

【コラム・坂本栄】選挙運動では立候補者の実績や施策を広報(PR)するチラシが必須アイテムになる。進行中のつくば市長選で配られた2候補のチラシを入手、ざっと読んでみた。結論を先に言ってしまうと、3期目に挑む五十嵐立青さんはPRがなかなか上手で、県議から転じる星田弘司さんは総花的な構成になっている。 人口増加率1位:市政を再起動 五十嵐さんのチラシは、1ページ目の「人口増加率日本一」が目立つ。その下には、この2期8年の間に、企業立地が1275社、市内雇用が1万8594人、税収が77億円、それぞれ増えたとの惹句(じゃっく)が並ぶ。 多分、この記述は正しいのだろう。しかし、これらは五十嵐市政の成果なのだろうか? 国主導で造られた研究学園都市に、県主導で造られたTXが通じ、これは便利だと東京から企業と人が移り、それがコロナ禍で加速された。こういった流れの結果だろう。 一方、トップに「つくばで市政を再起動」を掲げる星田さんのチラシは総花的だ。①つくばブランドの確立、②市民の生活・雇用を守り抜く、③「教育日本一」の実現、④行財政改革で「筋肉質な市政」へ、⑤国や県との連携強化―と、5つの柱を立てているものの、何が力点なのかよく見えない。 「教育日本一」の目玉であるはずの公立高新設についても、小項目で「県と連携した県立高校問題の課題解決」と触れるにとどまった。挑戦を受ける現職者が使うような地味な表現といえる。 今、つくば市役所にある危機 市長選2候補のチラシに比べ、市長選に出るか悩んだ末に(コラム190参照)市議選の方を選択した元研究者のチラシは、つくば市政の問題点を突いている。 夏場に配られたものは、「今、市役所にある危機をご存知ですか?」で始まる。つくば市の職員数と人件費は他市よりも2割も多く、しかも管理職だらけで現場職員が少ない、という内容だ。内部告発で露見した不祥事(役所内の緩み)もこの辺に遠因があるのだろう。星田さんがこの問題を正面から取り上げないのは、挑戦者としての政治センスが疑われる。 元研究者の直近のチラシには、五十嵐さんのPR上手を取り上げた記述もあった。市民の税金を使って編集・印刷・配布する「市報」と「かわら版」をうまく使い分け、市民を情報操作しているという指摘だ。選挙PRも市政PRの延長上の市民操作なのだろう。 市議2期+市長2期の五十嵐さんはPR手法に長けている。本欄ではそのポピュリズム(市民受け狙い)手法を何度も取り上げてきた。市議2期+県議4期の星田さんは地域をコツコツ回る政治家だ。どちらが勝つにしても、市政を監視する議会に元研究者が殴り込みをかける構図は面白い。(経済ジャーナリスト)

波乱含みの同日選へ、いざ つくば市長選一騎打ちに

20日告示されたつくば市長選は、現職で3期目を目指す五十嵐立青氏(46)=無所属=と新人で前県議の星田弘司氏(50)=無所属、自民推薦=が立候補し、現職と新人の一騎打ちになった。五十嵐氏は同市小野崎のホテル東雲で、星田氏は同市さくらの森のショッピングセンターで、いずれも午後3時から支持者を集めて出陣式を開いた。 五十嵐氏の出陣式には立憲民主党の青山大人前衆院議員、小沼巧、堂込麻紀子参院議員、長田麻美、ヘイズジョン県議、県内の市町村議員の他、同日告示された市議選の立候補者14人らが駆けつけた。青山氏は五十嵐氏の支援者に向けて「8年間の実績と成し遂げたい理念を1人でも多くの方に伝えてほしい」と呼び掛けた。 五十嵐氏は、2期8年間の市政で達成した「待機児童ゼロ」「全ての小中・義務教育学校に設置した校内フリースクール」「医療福祉費支給制度の拡大」などの福祉政策をはじめ、増加した企業や雇用、税収、日本一となった人口増加率などの実績を強調。「このような変化を生み出せたのは皆様のおかげ」とし、「困っている人、弱い立場にある人、困難な状況にある人のためにこそ政治は必要」と述べると、新たに掲げる99項目の公約に触れながら、「多くの政策が、教育、子育て、福祉。何があっても私がつくば市長としてこの仕事を続けなければいけない」と支持を訴えた。 星田氏の出陣式には、自民党の国光あやの前衆院議員、上月良祐、加藤明良参院議員、いばらき自民党の県議団や県内の市町村議員など総勢78人の議員らが駆け付けたほか、同日告示された市議選の立候補者ら12人が集まり、国光氏は「星田さんと一緒につくばを変えたい」などと訴えた。 星田氏は「地域の皆さんのどんな相談でも対応した現場主義が私の政治活動の源になっている」と話し、「つくば市の周辺市町村では、さまざまなプロジェクトが実現している。裏にはリーダーが皆、汗をかいて努力していることがある。私はトップセールスをして、これまで逸してきたチャンスをものにして、国、県、市との連携を再構築し、さらなる発展を目指したい」と述べ、さらに「各地域をくまなく歩き、特に周辺地域では『市民の声がつながる市政を実現してくれよ』という悲痛な声がたくさん寄せられた。現実に立って、市民の声をしっかり実現できるつくば市を目指していきたい」などと訴え支持を求めた。

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