水曜日, 4月 8, 2026

乗車人員3割減 2020年度のTX 開業以来最大の赤字に

つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、柚木浩一社長)はこのほど2020年度営業実績を発表した。1日当たりの平均乗車人員はコロナ禍の影響で、19年度に比べ29.8%減(約11万8000人減)の約27万8000人と厳しい状況となった。 乗車人員の減少に伴い、営業収益は同比33.1%減の313億1600万円と大幅減となった。一方、営業費は動力・水道光熱費や税金が減少したが、前期に取得した工程試算の減価償却費が通年化したことなどから微増(0.0%増)となり、371億6700万円となった。 この結果、営業損失は58億5100万円(19年度は96億5300万円の利益)、経常損失は79億100万円(同76億6800万円の利益)となり、当期純損失は79億6400万円(同60億600万円の利益)となった。 営業損失は07年度以来13年ぶり。経常損失、当期純損失は08年度以来12年ぶりとなり、いずれも開業以来、最大の損失となった。 同社は、21年度は感染状況の先行きが不透明で、働き方や生活スタイルに変化が生じており、今後の事業環境を見通すことができない中、安全運転を徹底し、輸送動向の変化に対応したサービスの検討や経営基盤の強化に取り組んでいくとしている。 車両を大規模更新へ 3カ年の中期経営計画 合わせて21年度から23年度まで3カ年の中期経営計画を発表した。コロナ禍により大変厳しい状況にあるが、手を緩めず保守や投資を実施していくとし、車両の大規模更新に着手するほか、水害対策など防災対策を強化、駅ナカ・高架下の利活用促進など、3年間で170億円の設備投資を実施するとした。 今後3カ年の事業環境として、テレワークの定着など働き方の変化し出勤回数が減少する、沿線開発は徐々に成熟期を迎え人口の伸びが鈍化するとし、23年度の1日平均乗車人員は33~37万人と、コロナ前の19年度と比べ6~16%減少すると予測した。乗車人員減に伴い、23年度の経常損益は0~40億円の黒字を見込み、20年度の79億円の赤字から回復するものの、19年度の77億円の黒字には及ばないとしている。 3カ年の具体的な取り組みとしては、開業15年が経過し施設の劣化が進行しているため、車両の大規模更新のほか、電力管理システムの更新、列車無線、ITVシステムなど通信設備の更新、保守用車両進入路の新設・活用など進める。 防災対策としては、早期地震警報システムの更新、水害対策としてTX版タイムラインの整備、落雷被害対策の実施、光警報装置の追加など駅の災害設備の更新、運輸防災マネジメント指針への対応などを推進する。 バリアフリー対策としては、ホームのすき間対策、サービス介助士の養成などを推進する。 さらに8両編成化を推進するため、ホーム延伸工事の継続的に実施し、駅周辺環境の変化に対応した施工方法などの再検討や、長期的な混雑率の見通しを見極めた対応を推進する。 ほかに、駅に個室型ワークブース設置拡大やシェアオフィス設置の検討、TXアベニュー守谷の全面リニューアル(23年度予定)などを進めるとしている。(鈴木宏子)

老舗「サイトウコーヒー」《ご飯は世界を救う》36

【コラム・川浪せつ子】今回は牛久市の老舗「サイトウコーヒー」さん。画家の斉藤裕之氏のコラム「コーヒーのこと」(5月9日掲載)を拝読し、居ても立ってもいられず、訪問しました。オシャレなお店! リスペクトしている斉藤氏のお墨付き!おまけに20周年! 期待を裏切らない、ステキな空間でした。ランチはテーブル席で。ふと横を見ると、グレーヘアーを軽く束ね、黒い服、げた履きの女性が、1人で本を読んでいらっしゃいました。たまらんなぁ~。このオシャレ空間に、絵のようにマッチしていて。ハートにドキュン! 食事に行くときは、ネットで下調べをします。こちらでは、ランチタイムのあとの午後3時から、「カッパフェ」という、カッパをデザインしたパフェがあるそうで。では、1回目はランチ、2回目はパフェに挑戦だわ。まずは、ランチのスパゲティーを現場スケッチ。次は、開花時期の「あやめ園」で、スケッチや写真を撮ってから。 もうワクワク感が満杯。1回目も2回目も、ちゃんと予約を入れて。2回目、3時におうかがいすると、満席でした。6月に行ったのは、「カッパフェ」は隔月で、いつものカッパの緑色だけではなく、別バージョンもあるからです。今回は、マンゴーでオレンジ色。2つ並んだら、こんな感じ。写メして、最近会うことのできない家族や友人に、送りまくりました。 牛久でおいしいものと文化を体験 牛久市の中央生涯学習センター・文化ホールでの展覧会も、見てきました。そういえば、「ビエンナーレうしく」っていうのがあったなぁ。残念ながら、終了してしまったようです。最近、牛久周辺を訪問していませんでしたが、カフェに置いてあったパンフレットを見て、牛久の皆さんの頑張りが伝わってきました。 7月11日、このホールで「NHKのど自慢」が。出場者と観覧者を往復はがきで募集中。申込期限が迫っていて、あわてていたら、「歌うんだ~?」と連れ合い。まさかまさか。観覧希望です。また牛久に行って、おいしいものと文化を体験するのです。(イラストレーター)

学校給食に異物混入 つくば市の中学校

つくば市は15日、市内の中学校に同日昼、提供された学校給食の海藻サラダに、直径3センチのプラスチック製の黒い異物が混入していたと発表した。 市教育局健康教育課によると、担任の教員がサラダを生徒の皿に盛り付けようとしたところ、異物を発見した。生徒の口には入っていない。 異物は、サラダのニンジンやキュウリなどを切る際に使用した調理器具フードスライサーのねじ止めで、同校に給食を提供している茎崎給食センターが異物を回収し確認したところ、該当するフードスライサーのねじ止めが無くなっていた。 給食センターでは、1クラス全員分の新しい海藻サラダを管理栄養士が同校に届け、異物が混入していたサラダを回収した。さらにセンター所長が同校に謝罪した。 給食センターは市直営で、市内の幼稚園と小中学校計9カ所に給食を届けている。他校からは異物混入の報告はないという。 給食センターでは毎日、調理前と調理後に調理器具を点検している。15日も点検したが、フードスライサーのねじ止めが無くなっていることに気付かなかったという。 森田充市教育長は「食の安全・安心に関わる、信頼を損なう事態を招いてしまったことに対し心からお詫びします。今後は、調理開始前の器具の点検及び下処理、ボイル和え、配食の各工程などでの目視確認を複数名で実施し、異物混入の再発防止を徹底します」とするコメントを発表した。

小中学校女子トイレに生理用品配置 つくば市

コロナ禍で「生理の貧困」がいわれる中、つくば市立小中学校と義務教育学校全45校の女子トイレに6月から順次、生理用品が配置されている。 小学4~6年と中学校の女子トイレの個室に、養護教員らが手作りの封筒や箱などを設置し配置が始まった。今月7日時点で23校が配置を済ませ、6月末までに全校に配置される見通しだ。 封筒や箱には「経済的困窮以外の理由でも必要な児童・生徒は自由に使用できます」「困ったことがあれば、いつでも保健室に相談に来てください」などのメッセージが書かれている。 5月14日、公明党市議団から要望が出されたことがきっかけ。生理用品は、学校の防災倉庫にもともと備蓄してあるものを活用する。配置するのは児童・生徒数に応じ1校当たり200~800枚で、減った分は保健室に備えてある生理用品などで補充するという。 市立中学校の養護教諭は「配置して1週間だが、使用している生徒がいるので生徒の助けになっており、設置した意味はあると思う」と話している。 市教育局健康教育課の柳町優子課長は「小中学生なので、生理用品が必要なことを恥ずかしくて言えない子もいると思う。必要な人ならだれでも、必要な時に使える環境をつくることが大事。メッセージも付いているので、保健室に相談に行くきっかけになれば」と話している。 経済的な理由で生理用品を購入することが難しい「生理の貧困」に対しては、内閣府が5月に全国の市町村の支援の取り組み状況を調査した。近隣ではつくばみらい、牛久市などが学校の女子トイレに生理用品を置くなど、市町村でも支援の取り組みが始まっている。(鈴木宏子)

目の前で味わう本物の響き つくば・夢工房でピアノコンサート

コロナ禍で生演奏を聴く機会が減る中、つくば市豊里の杜、ギャラリー夢工房で13日、若手ピアニスト2人によるジョイントコンサートが開かれた。午前と午後の2部制で、周辺地域から音楽愛好家やピアノを学ぶ子どもたちなど合計50人ほどが集まり、本格的なクラシックピアノの演奏を間近で味わった。 コンサートを開いたのはつくば市豊里出身の菊池愛奈さんと笠間市出身の森田凪さん。2人とも音大生で、各年代の全国コンクールなどで受賞歴がある。水戸芸術館が開催している演奏会「茨城の名手たち」にも出場している。 演奏は全6曲。2人の連弾によるシューベルトの軍隊行進曲、ブラームスのハンガリー舞曲のほか、ソロでそれぞれショパンのバラードや、ラフマニノフのエチュードなどを披露した。「ショパンは小さいころから慣れ親しんできた一番好きな作曲家。今回は大学でより深く学んだ晩年の作品を選んだ。人の心に届く演奏を目指し、今後も精進していきたい」と菊池さん。「ラフマニノフは寂しげな和声や響きの中で、芯の部分に強く深いメロディが鳴っており、ロシアの大地を感じさせる。今日はお客さんとの距離が近く、アットホームな環境で楽しんでいただけた」と森田さんは話す。 客席の最前列で、奏者の指遣いを食い入るように見ていた田端彩咲さん(沼崎小3年)と茉奏さん(同1年)の姉妹は「腕や指の動きがすごかった。同じピアノでも上手な人が弾くと、全然違う音に聞こえる」などと印象を語った。 午後の部ではサプライズゲストとして、内モンゴル出身の馬頭琴奏者、セーンジャーさんが登場。2人にも馬頭琴を指導する間柄で、7月3日のノバホールでのコンサートでは森田さんがセーンジャーさんの伴奏を務める予定。「今日の演奏は、2人それぞれの性格がよく出ていた」との感想を述べた。 主催者の一人、竹内立子さんは「コロナ禍で大学の授業はオンラインになり、コンサートもなかなかできず、演奏家には不自由な時期。身近な場所で生演奏の機会をつくることができ、多くの方々に来ていただけたことは大きな刺激になった」と、観客に感謝の言葉を述べた。 会場の夢工房は、以前は写真展や陶芸展などギャラリーとしての活動が中心だったが、近隣の人たちとのつながりが広がるにつれ、今ではミニコンサートや勉強会など、コミュニティースペース的な利用が増えているという。セーンジャーさんの馬頭琴教室や、四本恵風さんの書道教室などが定期的に開かれ、竹内さんもピアノ教室の場として活用。「自宅や防音室でのレッスンとは違い、広い空間で、グランドピアノの響きを楽しみながら思いきり弾けるのは最高のぜいたく」と話す。(池田充雄) 問い合わせは電話090・4676・9623(夢工房・塚田さん)。

地域で実践「コミュニティーナース」 筑波大の看護学生が奮闘中

筑波大学の看護学生が、地域の中で看護実践をする「コミュニティーナース」を広めようと奮闘している。看護学類4年の總山萌(ふさやまもえ)さんだ。活動の背景にあるのは「看護学生は多くの場合、卒後そのまま病院に就職する。そうしたキャリアとは違った多様な看護のあり方があることを広めたい」という想いだ。 總山さんによれば、地域の中で看護活動を展開する人材を「コミュニティーナース」と呼ぶ。通常、看護といえば病院で行われる医療行為をイメージしがちだが、地域の日常の中で相手を思いやる人と活動を指す。「喉が枯れとるとあかんね、飴ちゃんどう?」などとおせっかいを焼く人のイメージ。「看護資格の有無は問わず、多くの人がコミュニティーナースであり得る」という。 總山さん自身が看護学生として「自分がやりたいケア」とは何かを考えていく中で、コミュニティーナースという考え方に惹かれるものがあった。そうした実践のありかたを知ることで「自分がやりたいケア」を見出したいと考えた總山さんは昨年、1年間の休学をした。休学中、コミュニティーナースの育成・普及に取り組む会社、Community Nurse Company(コミュニティナースカンパニー、島根県雲南市、矢田明子代表)で1年間のインターンを行った。 「暮らしのそばにおけるケアの実践を面白いと感じたし、自らのキャリアを一度立ち止まって考え直すために良いと考えた」と振り返る。インターン時には同社が行う「地域おせっかい会議」事業に携わった。雲南市で、既にコミュニティーナースのような活動をしている「まちの人」を巻き込み、チームとして一緒に成果を出そうとする事業だ。メンバーで定期的に集まり「『わたしこんなことやりたい!』、『こんな得意があるからこんなおせっかいができるよ』というアイデアをブレインストーミングしていき、それをみんなで形にしていく活動」と總山さん。 看護師の多様なキャリアを広めたい 将来、「まちの中にいる養護教諭」を目指している。大学では看護師になるため授業を受けつつ、並行して養護教諭の単位も揃え、教育実習にも行った。学外でも教育に関する知識を得るため、デンマークと韓国の教育施設へ視察しにいった。さまざまな角度から学校教育を見つめ、養護教諭は本来であれば学校の中に居る存在だが「そうではなくて、まちの中にいて困った時にすぐに頼ることが出来るような人になりたい」という。 卒業後は1年間インターンをしていたCommunity Nurse Companyの事業への参画を予定している。「看護学生は多くの場合、看護学校を卒業後にそのまま病院に就職する。コミュニティーナースに関わるのは、まちの中で活動するというキャリアの多様性に惹かれたから」だと總山さん。 現在、全国の看護学校に「コミュニティーナース」に関連する書籍を届けるプロジェクトを実施中だ。「活動を通じて全国の看護学生と関わっていく中で、卒後すぐに病院に就職してという進路ではない、色々なキャリアを一緒に考える機会が出来たらうれしい」と話す。(山口和紀) ◇總山さんは現在、矢田明子著「コミュニティナース|まちを元気にする“おせっかい"焼きの看護師」(木楽舎、2019年初版)を全国の看護学校に届けるクラウドファンディングを実施している。

かや屋根で懐かしい未来を創る 《邑から日本を見る》89

【コラム・先﨑千尋】田植えが終わったばかりの5月、〝産直と有機農業の里〞と言われている旧八郷町(石岡市)を1日歩いた。八郷は知り合いがたくさんいるので、これまでにもたびたび行っている所だ。今回歩いてみて、ここは〝常陸国のまほろば〞だと感じた。「まほろば」とは古語で「すばらしい場所、住みやすい場所」という意味だ。古事記には「大和は国のまほろば」という歌がある。 産直と有機農業が柱の「やさと農協」 八郷地区は筑波山、加波山、足尾山などに3方を囲まれ、山根(やまね)盆地と言われてきた。農業面では、河川沿いの水田、丘陵地の畑や樹園地と制約された条件での経営が営まれているため、大規模な産地にはなっていなかった。逆に、変化に富んだ地形や豊かな自然を生かし、水稲、葉タバコ、花卉(かき)、果樹、酪農、養豚、養鶏、野菜、シイタケなど、古くから少量多品目の複合経営が行われてきた。 暖地でしかできないミカンや富有(ふゆう)柿も栽培され、最近ではイチゴやブルーベリーなどもあり、観光果樹園、イチゴ狩りもにぎわっている。 同地区にある「やさと農協」は、産直と有機農業が運営の柱。その歴史は古く、産直のスタートは1976年。東京の東都生協に鶏卵生産者が卵を届けたことから始まった。東都生協は、卵、肉、米、野菜といった単品の取引は地域農業を破壊すると考え、「地域総合産直」を提案し、現在では鶏卵、野菜、果物、米、納豆と総合的な産直に発展している。 有機農業も産直の実践の中から生まれた。生協との交流が深まり、農協内部に野菜果物産直協議会が誕生し、1997年には有機栽培部会がスタートした。1999年には、新規で有機農業をやりたい人を対象に「ゆめファーム」新規就農制度を立ち上げ、現在まで続いている。 農協が有機農業に取り組む前の1974年に、東京の消費者グループ「たまごの会」が同地域に自給農場をつくり、魚住道郎さん、合田寅彦さん、筧次郎さん、中島紀一さんらが次々に移住してきた。中島さんは茨城大学農学部長も務め、有機農業研究の第一人者。地域の人たちとの交流を大事にし、多くの人を育ててきた。 山田晃太郎・麻衣子さん夫妻 その中に山田晃太郎・麻衣子さん夫妻がいる。2人は、落ち葉(がしゃっぱ)、雑草、敷き藁など植物の力を活用し、自然に寄り添ったたくさんの生き物と共に生きる農業を目指し、「旬の野菜セット」を保育園の仲間など70世帯に届けている。さらに、八郷地区の北部・小見(おみ)にある築100年のかや屋根の家(旧柘植屋敷)を譲り受け、家の保存と、その家を地域の人たちの交流の場(みんなの広場)にしようと活動を始め、NPO法人設立の準備を進めている。 広場では子供たちが裸足で駆け回り、地域のばあちゃんたちが集まり、おしゃべりをしたり、柏餅など季節の食べものを作ったりしている。山田さんの農作業、野菜の出荷には近所の人が手伝いに来る。今冬にはかや屋根の葺(ふ)き替えをするという。2人は「共同作業を通じて、自然とつながった豊かな農ある暮らしを再発見し、〝懐かしい未来〞を創る第一歩にしたい」と夢を語る。 かつて、有機農業は「勇気農業」と言われたことがあった。有機農業をやるには勇気が要るという意味だ。しかし山田さんたちはごく自然に村の人の中に入り、村の人たちもそれを歓迎し、力を貸している。2人と話していて「まほろば」という言葉を思い出したのだ。(元瓜連町長)

車いす利用客の提案きっかけ つくば市補助金で店舗にスロープ

つくば市天久保の八百屋「La frutta(ラ・フルッタ)」入り口に今年初春、市の補助金でスロープが取り付けられた。車いすの利用客が店に提案したのがきっかけだ。障害者に配慮するために必要な費用を助成する市独自の合理的配慮支援事業補助金を利用した。 同補助金制度がスタートして3年だが、市によると、階段等の手すりの設置工事や筆談ボードの購入など、これまでに補助金が利用されたのは4事業者にとどまる。 一方、障害者が他の者と同等の生活を営むために必要な環境の調整である合理的配慮を、民間事業者にも義務づける改正障害者差別解消法が5月28日に成立した。今後ますます、市の補助金制度の重要性が高まってくる。 資料を店に持参 同店は昨年8月に店内を改装した。が、入り口には階段が2段あった。子ども連れの客も多かったが、改装した当初から、ベビーカーを持ち上げないと入店できなかった。 「お店で買い物をしたいから、スロープをつけてほしい」。昨年9月頃、同店に相談を持ち掛けたのは近所に住む佐藤美咲子さんだ。佐藤さんは重度の障害があり、外出時は介助者に車いすを押してもらう。同店が改装されたことを知り「買い物したい」と思ったが、入り口に階段があり、当初は諦めるしかなかった。 後日、佐藤さんは市の補助金の案内資料を同店に持って行き、折り畳み式スロープの購入費を助成してもらえることを説明した。 同店には以前から、ベビーカーのまま入店したいという子ども連れからの声が多くあった。佐藤さんの提案を受けて、市に問い合わせ、補助金を申請した。申請からスロープ設置まで数カ月かかったが、店側の負担はなく導入することができた。 ベビーカーも楽に スロープ設置後、さっそく佐藤さんも買い物に訪れた。「地域には私のような障害者や、お年寄りもいるので、便利になって良かった」と佐藤さんは話す。 店員の池安あさ美によれば、スロープ設置後、佐藤さん以外にも車いす利用者が来店することが増えたという。「車いす利用者から『お店に入れなくて残念』と言われ、心か痛かった。スロープをつけることで、足の悪い人や、ベビーカーと一緒に来店する親御さんにも『楽に入店できるようになった』と笑顔で言ってもらえてうれしい」と池安さんは話す。 同市の補助金制度は、折り畳み式スロープや筆談ボードなどの物品購入では最大5万円、段差をなくしたり手すりを付けたりするなど工事には最大10万円の補助が出る。市内の商業者のほか地域団体も利用でき、今年度は105万5000円を予算化している。(川端舞)

宇宙の物質は弱虫とマッチョ 《食う寝る宇宙》87

【コラム・玉置晋】5月26日に皆既月食がありました。本州には雲がかかっており、全然見えないというつぶやきにあふれていたのですが、茨城県では月食後半の20時ぐらいに雲の切れ間から見ることができました。 この時、宇宙天気防災研究者として足元を警戒していました。空には地球の影に入った月、直径1万3000キロの地球、はるか150万キロ先にある太陽。5月22日に太陽から放出された電気を帯びたガスの塊(コロナ質量放出=CME:Coronal Mass Ejection)が、足元から月の方向に通過中でした。 地球の磁場によるバリアは、電気を帯びたガスの進路を曲げて、僕らを守ってくれました。2019年12月から始まった第25太陽活動サイクルは、2025年の極大期に向けて徐々にその力を解放しつつあります。しっかりと宇宙の状況を見極められるように、大学院で研さんしております。 内臓の周りに見えてはならないモノがある 先日人間ドックを受けたら、お医者さんに「内臓の周りに見えてはならないモノがありますね」と怒られました。スマホの万歩計によると、僕の1日当たりの歩数は推奨されている1万歩からほど遠い2000歩。見えてはならないモノとは内臓脂肪です。 宇宙には、あるはずなのに光学的に観測できないモノがあります。1980年代に始まった全天サーベイミッションは、宇宙の大規模構造の存在を明らかにしました。でも、この構造を形成させるには、観測できる物質だけではあまりに軽すぎる、観測できる物質は全体の5パーセントにすぎない―という衝撃的な結果でした。 残りはダークマター(暗黒物質)やダークエナジー(暗黒エネルギー)と予想されています。ダークマターのうち、ニュートリノのような観測の難しい素粒子をWIMP(Weakly Interacting Massive Particle)と言います。弱虫(WIMP)という意味ですね。そして、ブラックホールや白色矮星(わいせい)のように暗くて見えない天体をMACHO(MAssive Compact Halo Object、マッチョ)と言います。 うちの奥様は「細マッチョ」が好きだと言います。お医者さんから「見えてはならないモノ」なんて言われている場合じゃないのですよ。(宇宙天気防災研究者)

対面は2年連続中止 筑波大 学園祭 オンライン開催へ奮闘

筑波大学学園祭実行委員会(芳賀力委員長)は、学園祭「雙峰祭(そうほうさい)」の対面形式による開催を昨年度に続き2年連続、中止とすることを決めた。新型コロナの影響。一方、同実行委はオンライン上での開催を目指し奮闘している。 毎年秋に開催される同大の一大イベントで、3万人以上が集まる。例年は模擬店やパフォーマンス、研究紹介、ステージ発表などが催される。 実行委員長で日本語・日本文化学類2年の芳賀力さんは「昨年から対面での開催を目指して活動してきたものの、対面ではやはり難しいという結論に至った」と話す。同大学生生活課からも「対面の開催は難しい」との見解が示された。国の緊急事態宣言の延長や、つくば市が5月に県から感染拡大地域に指定されたことなどが中止決定の流れに拍車をかけた。 対面開催は中止になったものの、オンラインでの開催方法を検討している。「伝統ある雙峰祭だから、2年連続での中止は避けたいとの想いがあった」と芳賀さん。雙峰祭の公式ホームページと動画配信サイトYouTubeなどを活用する方針だ。 オンライン学園祭の目玉はステージ企画だ。例年ならステージでダンスやマジックなどが披露され、最も多くの来場者が集まっていた。今年度の詳細は決まっていないが、出演者が実際にステージで演技する様子をリアルタイムにYouTubeで配信する形式などが検討されている。 対面開催の中止に伴い、実行委員会の活動体制も変化している。例えば、飲食を提供する屋台の安全管理などを行っていた部門はオンライン化により仕事が無くなった。反対に、参加団体に対して、企画のマニュアルを作成したり調整を行ったりする部門はオンライン化により業務が急増した。芳賀さんは「(実行委員会の組織を)再編するということはまだ行っていないが、活動体制も変化していっている。仕事がない部門の人員を、人が足りていない部門に回すなども考えている」と話す。 実行委に新入生200人強 今年は興味深い現象も起こった。対面での新入生歓迎会が行えなかった影響で、新入生があまり入らないサークルや学生団体が多かった中、学園祭実行委員会には例年を上回る新入生が集まった。「1クラスで10人以上の新入生が加入した学類もあった。例年であれば1学年で200人に届かない程度だが、今年は200人強が入った。どういう理由かはよくわからない」と芳賀さん。 オンラインでどのような学園祭を実施するかは、現在も実行委員会の内部で検討を行っており、7月下旬までに実施方法を固める方針だ。オンライン学園祭のテーマは「Next to Tsukuba」。(山口和紀) ◇令和3年度筑波大学学園祭は11月6日、7日にオンラインで開催される。公式ホームページはこちら。

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