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市長賞に羽成純さん 25年度「日本一のれんこんグランプリ」 土浦
消費者から「買いたいレンコン」などに選ばれた土浦市の生産者を表彰する2025年度「日本一のれんこんグランプリ」(土浦市など主催)の表彰式が29日、同市役所で催された。市長賞に羽成純さん、組合長賞に福田信一さん、協議会長賞に倉持亮太さんがそれぞれ選ばれ、安藤真理子市長らから表彰を受けた。
同グランプリは、日本一のレンコン産地である土浦のレンコンの魅力を広く発信することが目的。昨年11月22日に開催された土浦カレーフェステバル会場で投票が行われ、出品された33本の中から、総投票数563票のうち、羽成さんのレンコンは144票、福田さんは86票、倉持さんは38票を獲得した。今年度はさらに、出荷団体のJA水郷つくばやレンコン問屋など流通団体代表者がレンコンの形状などを審査し、糖度計で糖度を測定した上で選定した。
市長賞の羽成さんのレンコンは、全体のバランスと節ごとの大きさがそろっており、糖度が8.4あったことが評価された。組合長賞の福田さんは、バランスの良さと肌の白さが評価された。糖度は8.1だった。協議会長賞の倉持さんは、糖度が8.5と高く、形状とバランスが整っていることなどが評価された。
安藤市長は「レンコン日本一の名前に甘んじることなく、これからももっとPRして消費拡大、品質の向上に一生懸命取り組んでいく。生産者の皆様には引き続きさまざまなご協力をいただきたい。今回も本当に素晴らしいレンコンだった」と話した。
JA水郷つくばの池田正組合長は「日本一のレンコン産地で一番ということは日本一の中の一番だ。レンコンというくくりをつければ、ギネスにも挑戦できると思っている。『世界一のレンコンになる』、そのくらいの夢をもって将来に向けていいものを作ってもらいたい。日本に、そして世界に誇れるものを作ってほしい」と述べた。
市長賞に選ばれた羽成純さん(43)は「大変誇らしいし光栄。本当にいいレンコンを作っている地元の先輩農家はたくさんいる。満足せず、もっと質のいいレンコンを作っていけるように頑張りたい。糖度の高さが評価されたが、柴沼醬油(土浦市)の大豆かすと月の井酒造店(大洗町)の酒かすを肥料にしており、成果があったのかもしれない。手探りだがいろいろなことを試しながらやっていきたい」とし「妻の実家はもともとレンコン農家。良質なレンコンを作れるハス田を残してくれた先祖にも感謝したい。一緒に現場でやってくれている妻にも感謝している」と喜びを語った。
協議会長賞の倉持亮太さん(26)は「本当にうれしく思っている。これからもっと精進していきたい。運営の方や支えてくれている家族に感謝したい」と話した。組合長賞の福田さんは欠席した。
夫婦で二人三脚
霞ケ浦沿いの同市沖宿にある羽成さんのハス田は約1.7ヘクタール。繁忙期は手伝いを頼むが、基本は妻の智美さん(42)と2人でレンコンを作っている。羽成さんは朝5時半から、智美さんは小学生の子どもを学校に送った後、7時半からハス田で作業する。収穫後のレンコンの水洗いなども2人で行っている。
妻の智美さんは「冬の作業は寒いが2人で頑張っている。自宅ではレンコンのさまざまなレシピを楽しんでいる。天ぷらやサラダ、豚汁、カレーにも入れたり、すりおろしてハンバーグに入れたりする」と語る。羽成さんは「今回出品したレンコンは、朝2、3カ所のハス田を回って、悩みつつ、やっぱりこれだというのを持っていた。評価されてよかった」とし「地域を見渡せば若手がいるものの、辞めていく農家さんもいる。作付け面積は今後拡大されるので受け手になれる農家になりたい。今後は規模を拡大して、人も雇えるようになればと考えている」と抱負を語った。(伊藤悦子)
土浦三高の生徒が考案 「まごころ弁当」21日からイオンで販売
県立土浦三高(同市大岩田、渡邊聡校長)の生徒とイオンリテール北関東・新潟カンパニー(永山久美子支社長)が共同で、弁当「愛の彩り まごころ弁当」を開発した。21日から27日まで、茨城、埼玉、群馬、栃木県内のイオンなど31店舗で販売される。
販売に先立ち、開発した生徒らが16日、土浦市役所を訪問し安藤真理子市長に報告した。弁当の開発は、イオンが2011年に茨城県と締結した地域活性化包括連携協定に基づいて実施され、同校商業科の3年生10人が授業の一環で1年掛けて取り組んだ。
販売される弁当は、単身の男性をターゲットに「子どものころ、家族が心を込めて作ってくれた愛情いっぱいのお弁当を再現」した。ご飯は、しょうゆを使っただし汁で炊いた茶飯にサツマイモとゴマをトッピングしている。おかずはカレーソースで仕上げた唐揚げをメーンに、ハート型オムレツ、菜の花とコーンのマヨマスタード和え、ポテトサラダ、昔ながらの赤いウインナーなど彩り豊かで多彩な副菜を取り入れた。メンバーで唯一の男子生徒、成嶋孝弘さんは「男性が好きなものばかり入っている。嫌いな人はいないと思う」と話す。
温かみ感じる商品を
開発メンバー代表の永島葵さんは「企画で大変だったのは、お弁当を買う人のターゲットを決めたり、コンセプトを考えたりすることだった」と振り返り、「単身の男性や忙しい方がお弁当を買うのではと考え、その中でコンセプトを練った。喜ぶメニューは何かを考え、人の温かみをお弁当や食材から感じる商品を作ろうと決めた」と話す。メニューはメンバーで案を出し合い、学校で試作品を作りながら決めていった。
同行した渡邊校長は「土浦三高商業科は1年生で商品開発、マーケティングの基礎を学び、3年生になると課題研究科目で学びの総まとめとして、調査や研究、実践、商品制作などを行う。今回は学校だけで終わる学びではなくイオンリテールさんの力を借りて実際に商品化し販売できる。真の生きる力を育めたのではと感じている」と語った。
試食した安藤市長は「おいしい。皆さんが一生懸命考え、高校生活の集大成だと思うと胸がいっぱいになる。ハート形のオムライスなど見た目も楽しめる。食べる人がホッとするというか、愛を感じると思う」と話した。
イオンリテールの中鶴英治エリア制作推進グループマネージャー代行は「茨城県との包括連携を通じて青少年の育成に寄与するものということで、実際に売り場で販売するなども生徒にとって役に立つと思っている。コンセプトを決めたり、ターゲットを決めたりといったところから始まっているのでおいしいお弁当ができたと思う。来週の発売が非常に楽しみ」と話した。
「愛の彩り まごころ弁当」は645円(税込み)。全部で1550個を販売する予定だ。24日午前10時30分からは同市上高津のイオンモール土浦1階お惣菜売り場の弁当コーナーで同校生徒による推奨販売が実施され、45個を販売する予定。予定数量に達し次第、終了する。(伊藤悦子)
どう発信しどう対処? 一部誤情報と共にSNSで拡散 中学校の不審者情報
つくば
つくば市内の中学校が作成した不審者情報が、一部誤情報と共にSNSに投稿され拡散した。教育委員会事務局の同市教育局は、保護者の間に不安を引き起こしているなどとして不審者情報を一部修正し再度、保護者に通知した。SNS時代に、どう発信し、どのように対処すべきなのだろうか。
不審者情報は、11月5日、同市内で、女子中学生が自転車で登校途中、年齢20~30代くらいの外国人風の男性3人が乗る車が停車しているのを確認、そのうち2人が降りてきて女子中学生に近寄り、車が自転車に横付けされたが、近くを通りがかった人が中学生に声を掛け、男性らは車に乗ってその場を立ち去ったーなどの内容。この情報は、スマートフォンアプリを使ったデジタル連絡ツールで翌6日、周辺の各学校から保護者に文字情報で伝えられた。
同月18日、今回の不審者情報が匿名でSNSに投稿された。「誘拐未遂事件が発生」と一部事実でない投稿文が書かれ、中学校が作成した「不審者情報連絡票」の画像が添えられた。連絡票は、学校や市教育局など関係部署間でやりとりするための内部文書だった。連絡票に書かれた情報は、6日に保護者に伝えられた文字情報と同じ。
外国人差別のコメントも
SNSでは「外国人による女子中学生誘拐未遂事件」という誤情報の形で拡散した。投稿に対し、外国人に対する差別や偏見とみられるコメントも書き込まれた。SNSでの拡散後、市教育局には保護者や市民から数件、問い合わせがあった。
こうした事態を受けて同市教育局学び推進課は2日後の20日付で、今回の不審者情報の正確な経緯と児童生徒の安全確保の対応について、改めて保護者に通知した。SNSで拡散された内容の一部に誤りがあること、保護者の間に不安を引き起こしていることを「深く憂慮している」と表明した上で、連絡票に書かれた不審者情報の表現が「いろいろな捉え方をされてしまっている」として、表現を一部修正した。
修正箇所は、連絡票の不審者情報が男性3人を「外国籍」と断定していたのに対し、「外国人風」と修正した。男性らが車で立ち去った経緯を連絡票は「車に乗って逃げ、(生徒は)事なきを得た」と表現していたが「車に乗ってその場を去った。生徒は無事だった」に改めた。
同課の小野尚文 学校教育政策監はSNSで拡散した不審者情報連絡票の画像について「内容自体は外に出してもいい情報だが、公文書なので画像になって拡散されたことはまずい。問題意識をもっている」とし「各学校に公文書の扱いについてもう一度指導を徹底したい」としている。内部資料の画像をだれがどこで撮影し投稿したかは分からないという。
学校が不審者情報を発信する必要性については「不審者情報の発信は子どもの安全を守るためで、二次被害を防ぎ、近隣の学校にも注意喚起するため連絡は迅速に行わなければならない」とし「学校や家庭で、知らない人から声を掛けられるなどがあったら、小さい子なら防犯ブザーを鳴らしたり110番の家に駆け込むといった対応方法を教え、子どもが危ない目に遭わない、安全な行動をとれるような指導につなげている」とした。
保護者「怖い気持ちはある」
今回の不審者情報を学校からのデジタル連絡ツールで確認したという市内に住む高校1年と小学6年の姉妹の母親(39)は「まず、怖いと思った」と語り、SNS上で事実と異なる「外国人による女子中学生誘拐未遂事件」として拡散されていることについて「すべての外国人が悪いわけではないので、よくないこと」と言う一方「実際に外国人風の男性に子どもが声を掛けられることはあるので、怖い気持ちはある」と語った。
受け取る側も冷静に 筑波大 秋山助教
今回の問題について、国籍や移民問題、国際社会などをテーマに研究する筑波大学人文社会系の秋山肇助教に話を聞いた。
公文書の画像が拡散を担保
―外国人風男性の不審者情報がSNSで投稿されたことについてどう思われますか。
秋山 まず大きな問題点として、最初の「不審者情報連絡票」の画像がどういうプロセスで外部に出たかということがある。そもそも内部文書がSNSにアップされたこと自体が問題だ。SNSに「誘拐未遂事件発生」と投稿されたが、「不審者情報連絡票」とされる画像からは事実と確認できないにもかかわらず、「誘拐未遂事件」がSNS上で独り歩きするのを担保してしまったのが、公文書である連絡票だったと思う。
投稿者の文字情報だけだったら『これって本当?』って思う人がいたかもしれない。連絡票の中身を読めば誘拐未遂事件でないことはわかるはずだが、画像の文章まで読まない人もいる。SNSの投稿文だけを読んで「誘拐未遂事件が起きた」と受け取ってしまう人もいる。
そのため「不審者情報連絡票」とされる画像が投稿されることで、外国人による女子中学生誘拐未遂事件が起きたという話が独り歩きしてしまった。尾びれ背びれが付いて、本当に起きているのか分からないことがSNSで広がる怖さはある。
2点目として、つくば市教育局が一部表現を変えて11月20日に保護者宛に二度目の発信をしたことについては、市教育局が、SNSで拡散した内容の一部に誤解を生む表現があったとして「連絡票」に書かれた不審者情報の表現を書き直している。SNSで投稿されている「連絡票」には「外国籍の男性」と書かれているが、本当に外国籍なのかどうかは、本来パスポートなどを確認しなければわからないため正確ではないと思われる。ただ、その場で緊急で不審者情報を聞き取って内部文書を書く場合は、内容が必ずしも正確でないこともある。しかし保護者などの外部に情報を出す時、内部文書と同じ記載で良かったのかというのがもう一つの論点としてあると思う。
人は負の感情に強く反応
―SNSの投稿に対するコメントで、「外国人が怖い」といったコメントがありました。外国人差別ではないでしょうか。
秋山 子どもを守る立場にある子育て世代などが、心配事が生じた時に「外国人」に不安を覚えるのは仕方のない一面もあるだろう。子育てをしている状況では、子どもは弱い存在だという前提があるので、親からすると子どもを守らないといけない。子育てをしている状況は余裕がない状況ともいえる。人はリスクがあることから逃げたいもの。子どもを守らないといけないと考える親からすると、外国人にリスクがあると考えたら近づかないというのは、本人にとっては合理的ともいえる。「怖い人」は本来、日本人にも外国人にもいるが、「外国人が怖い」と思っている人に、それが外国人差別だと伝えても理解されるのは難しいかもしれない。しかし社会全体への影響を考えると望ましくないだろう。
人は負の感情に強く反応し、「怖い」という気持ちに強く反応してしまうことも認識しておくことが大切だ。「外国人が怖い」というネガティブな感情がある人に「差別すべきではない」といった「べき論」は効果的とはいえない。強い負の感情が拡散しやすいのはSNSの特徴でもある。
―では「外国人が怖い」という人にはどう対応すればいいのしょうか。
秋山 次の論点になるのは、子どもたちを守るために何が必要なのかということ。外国人でも怖いことをする人はいるが、日本人であっても怖いことをする人はいる。ただ、どういう人が怖いことをするかは現実的に明らかにするのは困難なので、「外国人が怖い」というラベルを貼るのは、恐怖から逃れようとすると合理的かもしれない。そんな中で、外国人が怖いと思っている人に「差別だ」と言ってしまうと、こうした人たちは恐怖からの逃げ場がなくなってしまう。ただ「外国人が怖い」という言葉の「外国人」には、犯罪を犯さない外国人も含まれている。それでいいのか、きちんと考える必要がある。
ではどうすればいいのかということになるが、情報を出す側が誤解のない情報を提供すること、情報を受け取る側が情報をうのみにせずにその正確性を考えることが大切だ。情報を受け取る側は、外国人かどうかに限らず、「怖い」という情報には尾びれ背びれが付くことがあると認識した上で、情報に接する際は「本当は違うかもしれない」という視点を持つことが必要だ。だから、情報を出す側も慎重であるべきだが、受け取る側も、これはどういう情報なのか、冷静に考えなくてはいけない。(伊藤悦子、鈴木宏子)
ハープギター国際イベントで3位 岡田英典さん 6日つくばで演奏披露
米国リトルロックで11月に開催されたハープギターの国際イベントで3位に入賞した取手市在住のミュージシャン、岡田英典さん(59)が6日、つくば市内2カ所で演奏を披露する。岡田さんは「日本でハープギターを弾く人は知っているだけで4~5人しかいないので、ハープギターを広めたい、呼ばれればどこでも行って演奏したい」と話す。
ハープギターは、ギターにハープのような高い音や低い音を出す追加の弦を取り付けた楽器。国際イベントは「ハープギターギャザリング」で、ハープギターの愛好家や演奏家、楽器職人らが集まり、セミナーや演奏会などが催される。23回目の今年は初めてコンテストが実施された。
イベントは米国、ベルギー、オーストラリア、イギリスなどから約100人が参加した。日本からの参加は岡田さん一人。岡田さんは、前から行きたかったイベントで、初めてコンテストが実施されると聞いて「記念受験のつもり」で参加した。また亡き友人のものと岡田さんのハープギターを製作したベルギーの楽器職人も出席すると聞いて、彼の前で演奏したかったという。
3位になった理由について「ハープギターのスーパートレブルという竪琴のような弦の音とテクニックがよかった、印象的だったと参加者らに言われたので、おそらくそこが評価されて3位になったのではないか」と語る。
予選では日本の歌謡曲「秋桜(コスモス)」など、決勝ではビートルズの曲目とアイルランド民謡を演奏した。
20年たって購入
岡田さんは中学2年からギターを弾き、大学生の頃ハープギターを弾きたいと思うようになった。カナダ出身のロックバンドがハープギターを弾いている映像を見たのがきっかけだ。楽器を手に入れたいと思いいろいろな店を訪ねたが、珍しい楽器なので手に入れることができなかった。
40歳になり、たまたま入った楽器店に中古のハープギターが売られているのを見つけ、20年たってようやく購入できた。1902年に作られたもので故障が多く、修理してくれる楽器店もなかなか無かった。
友人の急逝がきっかけ
現在、岡田さんが演奏するハープギターはベルギーの楽器職人が製作した。2018年にハープギター奏者の友人が56歳で急逝したことがきっかけだった。友人は演奏中に倒れ、ハープギターは壊れた。ベルギーの楽器職員が製作したものだった。
その後、友人の妻から「一周忌で弾いてほしい」と頼まれ、岡田さんは友人のハープギターを預かった。修理のためにベルギーの職人とメールで何度もやり取りし、一周忌で演奏、ハープギターを遺族に返した。
メールでやり取りしているうちに自分が演奏したいハープギターのイメージがわき、ベルギーの楽器店に製作を依頼した。完成した岡田さんのハープギターはギター弦6弦、ハープ弦13弦と、低音を出すためにベース弦が8弦張ってある。長さ約1.3メートル、横幅約50センチで、重さは11キロある。
6日はつくば市内2カ所、来年2月1日は土浦で演奏する予定だ。(伊藤悦子)
〈つくば、土浦の岡田さんのコンサート予定〉◆12月6日(土)午後1時~2時、つくば市吾妻1丁目8−10、BiViつくばイベントホールで開催の「もりのうさこ絵本読み聞かせ」で、BGM演奏後、少しソロ演奏する。参加費無料。問い合わせは「音色のまちづくり実行委員会」(メールinfo@chrimachi.art)。◆同日午後6時から、つくば市花室989-4、パブリックハウスf’inn(エフイン)で開催の「冬のヨナヨナ夜長ライブ」に出演。フードとドリンクの注文が必要。問い合わせは電話029-850-6172(同店)◆2026年2月1日(日)午後6時から、土浦市桜町1丁目5-2 桜Ⅰビル1F、土浦LEO’S LIVE BAR(レオズ ライブバー)のライブイベントに出演。岡田さんの出演は午後7時20分から。3500円+1ドリンクの注文が必要。予約はメールleos.livebar@gmaii.comへ。
免許返納後は公共交通でお出掛け 土浦のバス事業者が「乗り方教室」
免許返納後はバスに乗る生活にスムーズに移行してほしいと、土浦市でコミュニティバス「キララちゃんバス」を運行するNPOが27日、高齢者を対象に初めてバスの乗り方教室を開催した。
NPO法人まちづくり活性化土浦(同市中央、横山恭教理事長)が実施した。同NPOマネージャーの金澤敦子さん(53)は「免許返納時に初めてバスに乗るのでは戸惑ってしまう。車を運転しているうちに、並行してバスに乗り慣れる生活を送ることが大切。いつでもバスの生活にシフトできるよう、乗り方教室を企画した」と狙いを話し、「キララちゃんバスの乗り方がわからず、利用しない人もいる。乗り方を覚えるきっかけさえあれば利用してくれるはずという思いもあった」と語る。
27日開催されたバスの乗り方教室には、シニア団体、同市港町三丁目寿会の70代から92歳までの男女17人が参加。同NPOの横山理事長は「キララちゃんバスは市ではなく、まちづくり活性化が運行している。足として、キララちゃんバスを利用していただいて、安心して暮らせる環境作りをしたい。今日は実際に乗っていただき便利さを実感してほしい」とあいさつした。
参加者は港町三丁目バス停から乗車。バスを待つ間、バス停の時刻表に掲載されているQRコードを読み取ると、バスが今どこを走っているかがわかる最新のバスロケーションシステムについても、各自自分のスマートホンをかざして体験した。
乗車する際は、前扉から乗車して乗車券を見せる、降車するバス停名がアナウンスされたら降車ボタンを押して降りるといった流れも体験した。乗車料金の支払い方法として交通系ICカードをタッチしたり、現金で払ったりなどさまざまな方法があることも同法人スタッフから説明を受けた。キララちゃんバスに初めて乗ったという参加者からは「知らなかった」といった声も上がっていた。
バスに乗車すると、窓から見える街並みを見ながら話が弾んでいた。約15分後、ショッピングセンター、ピアタウン(同市真鍋町)で下車して30分ほど買い物やお茶などを楽しんだ。再びピアタウンからバスに乗り、港町三丁目のバス停に戻った。バス代として同法人が1日乗車券を用意した。
乗り方教室に参加した82歳の女性は「初めてキララちゃんバスに乗った。ピアタウンまで近いので驚いた」と話す。78歳の女性は「わいわいと皆さんと楽しく乗れてよかった。今度は仲間でキララちゃんバスに乗ってランチを食べに行きたい」と笑顔で語った。
港町三丁目寿会会長の黒田千勝さん(82)は「半年ほど前にキララちゃんバスから乗り方教室をやりませんかと言われた。会員は高齢者が多いので、免許証を返納して後々バスにお世話になる人も多い。バスは乗り方のコツを覚えれば便利だと思う」と語り「自ら運転するより、バスの方が安全だと思う。キララちゃんバスはコースによっては時間がかかるが『楽しんで乗る』と考えを変えるのもよいのでは」と話した。副会長の結城由行さん(82)は「町内ではキララちゃんバスの認知度は低かったと思うので実施してよかった。寿会だけでなく町としてやるのもいいと思う」と語った。
寿会は、地域の60歳以上の会員48人で構成され、普段は茶話会などで公民館に集まっている。同NPOが乗り方教室を寿会に依頼したのは、港町の区長がキララちゃんバスの取り組みに賛同し、町内会では初めてサポーター会員になってくれた縁もあったという。
同NPOの金澤さんは「今年8月、視察に行った山形県の庄内交通でバスの乗り方教室を開催しているのを見て、今回の開催の背中を押された」とし、「今後はNPOの理事が住んでいる町に呼び掛けて乗り方教室を開催し、バス利用者を増やしていきたい」と意気込みを語った。(伊藤悦子)
土浦市職員のHPが最優秀賞 霞ケ浦と筑波山周辺を紹介
「人間的なところをデジタルで表現」と評価
土浦市職員でNEWSつくばのコラムニストでもある若田部哲さん(49)が個人で制作しているホームページ(HP)「日本一の湖のほとりにある街の話」が、「日本地域コンテンツ大賞」のデジタル部門で最優秀賞を受賞した。10月28日、観世能楽堂(東京都中央区)で表彰式があった。
「日本地域コンテンツ大賞」は一般社団法人日本地域コンテンツ振興協会(東京都千代田区)が主催する賞。デジタル部門は「言葉による説明がなくても一見するだけでメッセージが理解できる世界に伝わるコンテンツであるかどうか」が審査基準となっている。
若田部さんに表彰状を授与した東京大学副学長の相原博昭さんは「デジタルなのでテクニカルなところが評価されたと思ったが、そうではなくて人間の情熱や熱量、地域を愛する熱量だった。最優秀賞の作品を見ると優しさが伝わってくる。極めて人間的なところをデジタルというメディアに映して表現していることを高く評価されていると思った」と述べた。
約400本が紹介
HP「日本一の湖のほとりにある街の話」は、霞ケ浦と筑波山周辺15市町村の各所を若田部さんが実際に足を運んで取材し、食や祭り、レジャースポット、美しい景色など5つのカテゴリーに分けてイラストとコラムで紹介している。対象物の形や大きさを誇張したり省略した独特なイラストが特徴で、2色とグレーだけを使い、濃淡で版画のように描いて表現している。
HPの開設は2019年。現在は約400本が紹介されている。例えば「漁獲量日本一!霞ケ浦のテナガエビを釣ろう!」では、霞ケ浦での生息場所、釣り方、食べ方などを緑色と青色、灰色の3色を使ったユニークなイラストで紹介している。「江戸のUFOミステリー!神栖市・うつろ舟」では、青色と黄色、灰色の3色を基調としたイラストを使い、海岸に流れ着いたとされる正体不明の舟の言い伝えと、つくば市の蚕影山神社に伝わる金色姫伝説との関連を紹介している。ほかにも季節のイベントなど時期に合った季節の特集も作成している。
日常に根差した風景も霞ケ浦の良さ
全国のタウン誌やフリーペーパー、ウェブサイト、動画など地域密着型メディアを対象に、577件の応募の中から選ばれた。若田部さんは「栄えある賞をいただいて、文字通り檜舞台に立たせていただいた。そうそうたる媒体がエントリーしていたので、光栄の至り。感無量」と喜びを語る。
自分の活動については「土浦市職員としての仕事の傍ら、公務の一環というつもりでイラストと文章で霞ケ浦という茨城県の大きな特徴を紹介しアピールする活動を個人でしている」とし「霞ケ浦の周りには絶景ポイントもある。しかし湖の波の音、湖面を吹く風、風にそよぐ大輪の蓮の花、いつ行っても誰かがきれいに掃き清めている小さな祠など、日常に根差した風景も霞ケ浦の良さだと思う」と話した。
活動の客観視と生成AI対策
若田部さんが今回、日本地域コンテンツ大賞に応募したのは、自分の活動を客観視するためだという。個人の活動なので独善的になっていないか、単なる自分の趣味に陥っていないか、地域の振興に資するものになっているかーなどを常々注意している。「アピール力や構成力を、地域振興活動をしている他の団体と同じ土俵で比較してもらって見極めたい」と語る。
もう一点が生成AIの普及だ。若田部さんは「特に写真については、AIと本物の見分けがつかないような時代になっている」とし「イラストも量産できる時代になっているため『なんとなく成立するコンテンツ』が乱立するようになっている」と話す。「AI代替に埋没しない一定の強さがあるイラストを描いているが、なるべく早い段階で客観的評価を得ておかないと、自分が前からやっていると言えなくなるという懸念もあった」と語る。
地域の物語を伝えたい
今後の取材については「地域の物語をイラストで視覚化し伝えていきたい」と話す。「『地域の豊かさを計る指標は、人口や経済だけでなくそこに内在する物語の数』だという話を聞いて感銘を受けた。地域にはたくさんの物語があるが、うずもれたままになりがち。だからこそ霞ケ浦と筑波山の周辺に残る物語を掘り起こしHPで伝えていきたい」という。
さらにHPをきっかけとして現在、美浦村の大山湖畔公園(旧鹿島海軍航空隊)のイラスト化計画を美浦村と同公園を管理するNPOプロジェクト茨城と進めている。「鹿島海軍航空隊は、遺構はあるものの記録がほとんど残っていない状態。しかし当時の人の何気ない営みがあったはず。大きなボイラーを焚いてみんなでお風呂に入った、食事をしたなど、基地にいた隊員たちの日常をイラストで伝えていきたい」と語る。「一人の兵隊が入隊して出征していく物語も絵本にして地域の子どもたちに配るなどもできたら」と意気込みを語る。(伊藤悦子)
つくばのトリマー 篠崎涼太さん 世界大会で個人3位に
日本チームは2位
つくば市学園の森のトリミングサロン「カリフォルニアドッグ」のトリマー 篠崎涼太さん(28)が、9月25日にマレーシアで開催されたFCI(国際畜犬連盟)主催のトリミング世界大会「グルーミングワールドチャンピオンシップ」に日本代表5人のうちの1人として出場し、個人3位を獲得した。国別で日本チームは団体2位に輝いた。
篠崎さんは、日頃の犬の被毛管理状態の良さ、犬の取り扱い方、左右対称のバランスのよさ、頭の毛が美しく伸ばせているかなど、トリミングの完成度などを高く評価されて3位に入賞した。「3位はうれしいけれど、もっと上位を狙っていた。目指すのは1位だった」とし「隣でトリミングを行っていた中国と韓国のトリマーが素早かったため、焦ってしまった」と悔しさをにじませる。
世界大会には日本を始め、中国、台湾、韓国、フィリピン、マレーシア、オーストラリアの7カ国から約35人が出場した。篠崎さんは3月に催されたジャパンケネルクラブ(JKC)主催の全日本トリミング競技大会で優秀技術賞を受賞し日本代表メンバーになった。団体1位は台湾、3位はマレーシアだった。
大会の審査はカットの技法などで5つカテゴリーに分けられる。①ミニチュアシュナウザーなど硬い被毛を抜く技術②アメリカンコッカースパニエルなどに施すスキバサミの技術③プードルに限定した技術④プードル以外のビションフリーゼなどの犬種への技術⑤一般的なペットカット技術の五つ。制限時間は2時間で、トリミング技術の他にも犬の日頃の管理や犬の扱い方、道具の扱い方なども審査対象になる。篠崎さんはプードルに限定したカテゴリーで自身の飼い犬(オス、4歳)と出場した。
犬の健康にも欠かせない
コンテストでのトリミングは、犬種それぞれに設定された基準のスタイルを目指す。一方で日常のペットのトリミングは、さまざまな状況の犬を取り扱う。飼い主の希望を取り入れながら、例えばその犬の胴が長いなどの欠点をカバーしつつ良いところを目立たせてバランスよく仕上げることが大切だという。
さらにシャンプーで汚れなどを落とし、不要になった毛や伸び過ぎた毛をカットすることで、食べ物や排泄物の付着を防ぎ清潔を保つ役割もある。抜け毛を取り除いて皮膚の蒸れを防ぐ目的もある。
全身をくまなく触り、犬の状態をチェックするのもトリミングには重要だ。飼い主だけでは難しい被毛や皮膚などのケアをトリマーが行うことで、犬の健康状態をより適切に管理していくことができるという。
アルバイトし高校生の時 愛犬を購入
篠崎さんは子どもの頃から犬がずっと好きだった。トリマーになろうと思ったきっかけは、高校生の時にアルバイトで得た自分のお金で買ったヨークシャーテリア犬だった。ヨークシャーテリアはトリミングが必要な犬種で、時々トリミングサロンに連れて行った。篠崎さんは「トリミングはただ見た目をきれいにするだけではない。健康に生きていくためにもトリミングは犬にとって必要不可欠だと実感した」と語る。
動物の専門学校への進学が決まり「技術と知識で安心して任せられるトリマーになりたいと思った」と話す。現在、トリマー歴は8年になった。自宅では、トリマーになるきっかけになったヨークシャーテリアと、プードル2匹を飼っている。
「トリマーとしてうれしいのは、飼い主さんに犬が篠崎さんに会うのを楽しみにしている、カットのもちが違うと言われること」だと笑顔で話す。今後は「さらに信頼してもらえるトリマーになり、日本一、そして世界一を目指す」とし「そのためにも技術を磨く訓練はもちろん、セミナーなどにも積極的に参加し、視野を広げるためにも海外にも勉強しに行きたい」と抱負を語った。(伊藤悦子)
170企業・団体が技術や商品PR 筑波銀行ビジネス交流商談会
地域産業の販路拡大を応援
地域企業の情報発信と販路拡大を応援する筑波銀行(本店土浦市、生田雅彦頭取)の「2025ビジネス交流商談会」が22日、つくば市竹園、つくばカピオで開催された。県内のほか栃木、群馬県など北関東の約170の企業や団体が参加し、「食」「ものづくり」「ベンチャー」などの各ブースで自社の技術や商品をPRした。約2500人が来場し、各ブースでは担当者の話に熱心に聞き入ったり、名刺を交換する姿が見られた。約400件の商談が行われた。
同時に食のPRイベントとして「つくばマルシェ」が会場前広場と隣接の大清水公園で開催され、つくば市の「銀座惣菜店」など15店が出店した。
ワクワクするビジネスの出会いを
商談会は地域産業の販路を拡大しようと、同行が北関東の栃木銀行(宇都宮市)、東和銀行(前橋市)などと共催して毎年開催している。
生田雅彦頭取はオープニングセレモニーで「国内外の経済情勢は、原材料コストの上昇や人手不足など厳しい環境に置かれており、地域金融機関としてはこれまで以上に地元中小企業に継続した支援が必要不可欠と考えている」とし、今年の交流商談会について「同業種だけでなく異業種も含め、ワクワクするようなビジネスの出会いに貢献し、サステナブルな未来に向けたビジネスモデル構築の機会となり、地域社会の発展の一助になれば」などとあいさつした。
「食」のブースでは、筑波山麓でオリジナルブランドの常陸小田米を生産しているつくば市の筑波農場や土浦市の焼き芋専門店芋やす土浦本店など48社が出展し、商品をPRした。「ものづくり」ブースに出展した東茨城郡大洗町のワークショップステップインターナショナルは、体幹機能が低下した人や犬の体幹機能を安定させる特殊繊維のEQT繊維素材で作ったリストバンドなどを展示した。
商談会には高校生も参加した。県立常陸大宮高校(工藤博幸校長)は授業の一環として、同市の友好都市である秋田県大館市の高校生とともにブレンドコーヒーのドリップパックを開発し、参加者に無料配布した。
行政機関のブースには茨城県のほか石岡市や牛久市などの自治体、県開発公社などが出展した。つくば市は同市認定物産品の日本酒や菓子などを集めた「つくばコレクション」と、筑波山麓サイクリングなど市内周遊観光モデルコースを紹介した。同市産業振興課の本田茜さんは「つくば市は面積が広く、知られていない観光スポットも多い。市に移住している人も増えているので、県外の人はもちろん市内の人にも今日の機会に市の良さを周知したい」と話していた。(伊藤悦子)
出土品の文字から遺跡の性格探る 開館30周年企画展 土浦
上高津貝塚ふるさと歴史の広場
土浦市を始め県内各地の遺跡から出土した文字が記された土器などを展示し、文字に注目して遺跡の性格や社会的背景を探る企画展「文字が語るもの」が11日から、同市上高津の博物館、上高津貝塚ふるさと歴史の広場で開かれている。
文字刻まれた県内出土品約100点を一堂に
開館30周年記念として、土浦市内だけでなく、つくば、鹿嶋、石岡、水戸、古河、かすみがうら市など県内各地の遺跡の、文字が刻まれた出土品約100点を一堂に紹介する。
展示されているのは、墨で文字が記された土器、土師器(はじき)、文字が刻まれた板碑や銅製品、瓦など。県指定文化財や市指定文化財など貴重な資料もある。群馬県高崎市の特別史跡である飛鳥時代の石碑「山上碑」や国宝に指定されている福岡市史博物館所蔵の金印「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」なども写真で紹介されている。
同館学芸員の松田俊太さんは「出土品の文字から当時の土地名や社会の状況、人々の営みが推測できる」と話す。
文字から分かる当時の社会や暮らし
展示は5部構成で、出土品の文字から、役所や寺院だったことが分かる遺跡、当時の地名から地域の生業(なりわい)が推測できる遺跡など、「役所・寺院」「地名」「人物」「神・仏」「中世の祈り」の5つのテーマに分けて展示されている。
まず「役所・寺院」では、鹿嶋市の神野向(かのむかい)遺跡の、墨で文字が書かれた墨書土器「鹿島郡厨」を紹介。出土品から奈良・平安時代に鹿島郡の役所跡だったことが分かる。ほかに石岡市の常陸国分尼寺跡から出土した墨書土器「法華」など27点を展示する。常陸国分尼寺跡から出土した墨書土器には「法華」と書かかれており、平安時代の寺の名称が「法華滅罪之寺(ほっけめつざいのてら)」だったことがわかる。
「地名」では、地名に関係する墨書土器を5点展示している。霞ケ浦や筑波山、桜川と天の川に囲まれた一帯は中世、「南野牧」と呼ばれ、馬が飼育されていた。入ノ上遺跡群(土浦市沖宿)からは「青毛」と記された墨書土器が出土している。「青毛」は黒い馬を意味することから、平安時代にはすでに周辺で馬の飼育が行われていたと推測できるという。
「人物」では、書かれた文字から人物の活動が推測できる出土品を19点展示している。常陸大宮市の小野遺跡から出土した銅印「丈永私印」は、「丈部永○」という名前が彫られており、丈部永〇という人物が用いたとされる。
「神と仏」は、奈良時代から平安時代の集落から出土した、祭祀や仏教などに関連した墨書土器、木製品、素焼きの土器の土師器(はじき)など21点を展示している。寺畑遺跡(土浦市田村)から出土した墨書土器には「千手寺」と記されており、集落に寺があったと推測できる。さらに、僧侶の名が「案豊」だったと考えられる墨書土器も見つかっている。つくばエクスプレス沿線の島名・福田坪地区で発掘調査が行われた島名熊の山遺跡(つくば市)には、奈良時代に祭祀を行ったと推測できる水場跡が発見されている。水場跡からは「川」「山人」などと書かれた墨書土器が多数出土しており、集落内に川などに関わっていたとみられる特定の集団がいたと考えられるという。
「中世の祈り」では、法雲寺(土浦市高岡)や般若寺(土浦市宍塚)が所蔵する中世の文字が刻まれた石碑「板碑(いたぴ)」など4点を展示している。板碑は鎌倉時代や室町時代など中世、生前供養や追善供養に使われたとという。
松田さんは「開館30周年の企画として遺跡の文字に注目した。当時書かれた文字からどのようなことがわかるのか。皆さんにぜひ見ていただきたい」と語る。(伊藤悦子)
◆「開館30周年 第28回企画展『文字が語るもの』」は10月11日(土)~11月30日(日)まで、土浦市上高津1843 上高津貝塚ふるさと歴史の広場で開催。開館時間は午前9時~午後4時30分。休館日は月曜、月曜が祝日の場合は翌日。入館料は一般150円、高校生以下無料。11月3日(月)と13日(水)は無料。▽記念講演会「中世の祈りのしるし-板碑・石塔の世界」を10月26日(日)午後1時30分~3時に開催する。講師は立正大学文学部准教授の本間岳人さん。▽ワークショップ「消しゴムはんこを作ってみよう」を11月9日(日)午前10時~11時30分と午後1時30分~3時の2回開催する。講師はイータの小屋店主のかとうみのりさん。▽ギャラリートークを10月12日(日)と11月22日(土)いずれも午後2時~2時30分まで開催する。
土浦花火百年を振り返る 最古の大会パンフなど55点展示 市立博物館
土浦市立博物館(同市中央)で11日からテーマ展「土浦花火百年」の展示が始まった。11月1日に開かれる第94回土浦全国花火競技大会が100周年を迎える節目の年であることから、1925(大正14)年に初めて花火大会を開催した同市文京町の神龍寺住職、秋元梅峯の肖像写真や競技大会初期の記念写真、現存する最古の第2回大会プログラムなど計55点を展示する。2001年に撮影した3人の花火師たちへのインタビュー映像も放映する。
展示は「序章」から第3章までの4部構成となっている。序章「花火大会前史-江戸時代の花火」では、現在の花火につながる江戸時代の花火資料を展示している。墨田川にかかる両国橋での花火大会に集まる人々の様子が細かく描かれた同館所蔵の『江戸名所図会 巻二 両国』や、江戸時代末1858(安政5)年の両国花火の浮世絵写真パネル、旧宍塚村(現在の同市宍塚)で1862(文久2)年に花火が上げられていたことを記した「諸用日記」などを展示する。
第1章の「霞ケ浦海軍航空隊と町のにぎわい-海軍航空隊の玄関口・土浦」では、大正時代から昭和にかけての霞ケ浦海軍航空隊関連の資料として、1924(大正13)年のパンフレット「霞浦航空隊めぐり」や、同年の土浦の映像などを展示する。隣接の阿見村(当時)に設置された霞ケ浦海軍航空隊は大正時代から昭和にかけての同市の発展に関わり、花火大会のきっかけの一つになったのが殉職者の慰霊だった。
第2章「秋元梅峯と花火大会-慰霊と振興の花火」は、現在の土浦花火競技大会の始まりとなる大会を霞ケ浦湖畔で開催した秋元梅峯の肖像画や花火師たちが写る1931(昭和6)年大会の記念写真などを展示している。秋元住職は、航空隊殉職者の慰霊のほか関東大震災の影響で経済が落ち込んだ市の活性化のために私財を投じて大会を開催した。
第3章「花火師たちの競演」は、1927(昭和2)年の第3回花火大会から1975(昭和50)年までのプログラムや大会記録簿、花火師が受賞したトロフィーなどを展示する。第3回大会のプログラムからは、上空高く上がり、大きく開く尺玉、八尺玉や、仕掛、早打などを上げていたことがわかる。
参考展示として、農村の花火でもある、同市大畑の国選択・県指定無形民俗文化財「からかさ万灯」の模型なども展示する。
映像展示では記録映像の「土浦の花火 伝統花火から全国花火競技大会まで」「花火師たちの記憶」「大畑のからかさ万灯」を上映する。「花火師たちの記憶」では、2001年に撮影した花火師、野手保さん、武藤輝彦さん、箱守彰さんらのインタビュー映像を見ることができる。終戦直後の花火大会で「進駐軍にナイアガラ花火を早くやるように言われた」といったエピソードも聞くことができる。映像を編集した茨城ビデオパック制作の岩崎真也さんは「戦前戦後の花火師の証言や紫の煙が出る昼の花火『ブドウ煙』の再現に苦労した話など貴重なインタビュー映像」だと語る。
同館学芸員の萩谷良太さんは「花火の関連資料は実は意外と残っておらず、今回の展示は貴重」とし「国内でも最高峰といわれる花火師たちによる土浦全国花火競技大会の100年の軌跡を、博物館の展示を見て知ってもらいたい」と来場を呼び掛ける。(伊藤悦子)
◆「土浦花火百年」は10月11日(土)から11月24日(月)まで同市中央1-15-18、市立博物館で開催。開館時間は午前9時から午後4時半。入館料は一般200円、高校生以下は無料。11月3日(月・祝)と13日(木・県民の日)は入館無料。問い合わせは電話029-824-2928(同館)へ。▽展示案内会を11月1日(土)午後1時から開催する。▽土浦二高茶道部による呈茶「お茶を一服いかがですか-花火に寄せた茶会」を11月3日午後1時から展示ホールで開催する。定員50人。茶券は200円。▽演劇「つち浦々まちなか演劇めぐり」を10月18日(土)19日(日)、博物館展示ホール・視聴覚ホールで開催する。上映時間は同館ホームページへ。
現地の暮らしに密着し海外を撮影旅行 土浦の石川多依子さん「一期一会」展
7日から 市民ギャラリー
土浦市在住の写真家、石川多依子さんが、海外で出会った人々や印象を組み写真で表現した写真展「一期一会」展が7日から土浦市民ギャラリー(同市大和町)で開催される。これまで2回、土浦の街中を散策し出会った人々や街の変遷を撮影したモノクロ写真展を開催してきた(22年9月14日付、24年9月30日付)。今回は、2000年から18年までの間に海外で撮影した写真を展示する。タイ北部の山岳地帯に住むモン族やリス族、中国新疆ウイグル自治区など現地の人々の暮らしに密着した57点を展示する。そのうち29枚はフイルムカメラで撮影しデジタル化した。
きれいな風景ではなく人間味のあるところ
石川さんは1945年水戸生まれ。中学生のときに父親から写真を教わって以来、子育て期間を除いて撮影を続けている。海外で撮影するきっかけになったのは、父親が亡くなり癒しのために1999年に出掛けた友人との海外旅行だ。なんとなく良さそうと、タイに行ったところ、山岳地帯に住むリス族やラフ族、アカ族などの民族衣装の美しさに魅了されてしまった。以来、チェンライ市の子どもの教育を支援する里子プロジェクトに参加しながら、撮影の旅を続けた。
趣味のパッチワークも海外での人々の暮らしを撮影する機会になった。2002年にメキシコのグアナファート大学に招待されパッチワークの個展を開催した。その際は、グアナファートの町を歩き撮影した。その後もタイ北部のカレン族、中国新疆ウイグル自治区、エジプトなどに積極的に撮影旅行に出掛けた。
2016年には、リス族の写真を見た水戸在住の文化人類学者に「水も電気もない暮らしをしている人がいるエチオピアに行ってみないか」と声を掛けられ、「二つ返事で行った」と石川さん。「みんなが撮影する美しいところや有名なところではなく、人々の生活や人間味のあるところを撮りたい」と石川さんはいう。そのため、より地元の人と触れ合える安いホテルに泊まったり、少数民族の住居に滞在したりする。
タイ北部の首長族が住む山岳地域は水が豊富だ。井戸端で水をたっぷり使いながら髪を洗う女性の姿と横にたたずむ少女の対比が印象的で撮影した。幼い頃から首に巻いた真鍮のリングは、一生外すことができないそうだ。
ベトナムに住む華僑の女性が、街角で美容サロンを開いていたところを撮影。屋根もない店舗だが、マニキュアを施術されている女性は顔にパック剤をつけて満足気に微笑んでいた。女性のたくましさに感心したという。
家畜であるラクダに荷物を乗せる、エチオピアのサバンナにあるボラナ村の人々を撮影した。村には井戸などがなく水がないため、1日の水分は朝のラクダの乳で作ったミルクティー2杯のみだった。数日間、わらぶき屋根でできた村人の家に滞在したが、子ヒツジや子ヤギも一緒に寝る環境でダニに悩まされたそうだ。
今回の写真展は、撮影した年代順に12のテーマに分け、組み写真で展示する。2000年は「山の子供」と題してタイ山岳地帯のモン族の写真を紹介、01年は「街角」のタイトルで中国雲南省の麗江(れいこう)ナシ族の写真などを展示する。
海外で撮影した写真を地元土浦で展示するのは初めて。石川さんは「これまで都内や大阪、水戸で展示会をしてきた。今回は土浦の人にも遠い国の人々の暮らしを見てもらいたい。何かを感じ取っていただけたら」と来場を呼び掛ける。(伊藤悦子)。
◆石川多依子写真展「一期一会」は7日(火)から13日(月・祝)まで、土浦市大和町1-1アルカス土浦1階 土浦市民ギャラリーで開催。入場無料。開館時間は午前10時~午後5時(初日は午後1時から、最終日は午後4時まで)。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー事務室)
歴代入賞作品約100点を一堂に 土浦で「世界児童画展セレクション」
児童画展の一大イベント「世界児童画展」の歴代入賞作品約100点を一堂に展示した企画展「世界児童画展 超半世紀セレクション こどもの絵から見る世界」が16日、土浦駅前の土浦市民ギャラリー(同市大和町)で始まった。
世界児童画展は1970年に開催された大阪万博を機に公益財団法人美育文化協会が始め、世界の約40の国や地域から毎年約8万点もの作品が集まる。土浦市民ギャラリーでは2017年の開館以来毎年「世界児童画展 茨城県展」を開催してきた。今年は2回目の大阪万博が開催されている記念の年であることから、第1回から55年分の歴代受賞作品を同協会から借り受け展示する。
展示作品は3歳から15歳の子供たちが描いた計106点で、日本の最高賞である内閣総理大臣賞受賞作品が14点、海外の最高賞である外務大臣賞が25点、ほかに特別賞受賞作品など。国内の作品が63点、海外は43点となっている。
第20回内閣総理大臣賞を受賞した日本の小学6年生(当時)小森翠さんの「うにをむく人」は、赤いブラウスに緑のエプロンを付けた女性がうにをむく姿を正面から大きく描いている。大胆な筆づかいながら、ひとつひとつのウニの形は異なっているなど、細かく観察した描写になっている。
第22回同賞を受賞した日本の小学6年生(当時)水野聡英さんの「高層ビル街に現れたヒョウ」は版画で、赤と黒と白の3色しか使ってない。画用紙の左側にタワーの脚部だけが大きく描かれ、高層ビルの上に乗ったヒョウとの対比と彫刻刀の荒い削りあとにインパクトがある。
第19回外務大臣賞を受賞したオーストリアの13歳(当時)マルクス・ヴァイセンンベルガーさんの「おしゃべりな女」は、人の肌も洋服も背景も緑と黄色だけを使って描かれており、緑の濃淡で表情や服の柄、背景を生き生きと描いている点が印象的だ。
会場では、描かれている情景や使われている色をもとに「家族」「物語・ファンタジー」「生活・文化」など7つのテーマに分けて紹介している。「家族」は3点で、子どもたちの家族を描いた作品を展示している。「物語・ファンタジー」は20点で、子どもたちが考えた物語や空想の世界が思い思いに描かれている。「生活・文化」は23点で、地域や国ごとの子どもたちを取り巻く生活や文化を絵から読み解くことができる。「生き物」は13点で、虫や猫、牛など子どものそばにいる生き物が生き生きと描かれている。「乗り物」は7点で、各国の身近な乗り物が描写されている。
ほかに「構図・空間」がテーマの作品は19点展示され、子どもならではのユニークな構図の作品が描かれている。「色彩」は21点で、シンプルだったりカラフルだったりと色使いに注目したい絵がそろっている。
同市民ギャラリー主任の若田部哲さんは「賞を取った絵を展示しているが、賞は優劣や巧拙(こうせつ)を問うものではなく、あくまでも子どもならではの感性に対する驚きや喜びから選んでいる」とし「子どもたちの素直な表現のすばらしさを見ていただきたい。昨今、未来への閉塞感があるが、子どもたちの絵から伝わる今の喜びや未来への希望や夢という明るい感情を感じてほしい」と来場を呼び掛ける。(伊藤悦子)
◆同展は9月16日(火)から10月19日(日)まで、土浦市大和町1-1、アルカス土浦(市立図書館)1階、土浦市民ギャラリーで開催。入場無料。開館時間は午前10時~午後6時。月曜など休館。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー)へ。
つくば駅前「となりのスタジオ」から発信 ラヂオつくば
クレオ向かいの T.S BUILに移転
つくば市のコミュニティーFM「ラヂオつくば」(周波数84.2HMz、つくばコミュニティ放送=堀越智也社長=)のスタジオがこのほど、つくば駅前の商業施設トナリエクレオ3階(同市吾妻)から、向かいのT.S BUIL(ティーエスビル)1階に移転した。新しいスタジオの名称は「となりのスタジオ」。
新スタジオはつくば駅前広場線に面し、つくば駅やバスターミナルを利用する通勤・通学者や買い物客など多くの人が行き交う。前のスタジオの賃貸契約が切れるタイミングで、道路に面した場所に7月28日、移転した。約1カ月がたち、生放送中に通行人が足を止めたり、手を振ったりする姿が見られる。
スタジオの面積は約17平方メートル。2階に上がる階段があり、ゲストの控室にもなっている。
夕方の生放送番組「つくば You’ve got 84.2(発信中)!」(つくばゆうがたはっしんちゅう)月曜日担当の有働文子アナウンサーは「新しいスタジオは、道路に面しているので人の行き交う様子や空の色を眺められて、新鮮」とし「一般観覧ができるようになれば唯一無二の素敵な場所になりそう。地域になくてはならないハブになっていけるように、より精進したい」と意気込みを語る。
昼の生放送番組「what tsukuba」(ワットつくば)金曜日担当の江田麻裕子アナウンサーは「新しいスタジオの前は人通りが多く、地域の人に直接発信している感覚が強い。メディアとして人の目につくことは意味がある」と話し「今後はイベントの周知など、市民が番組を使って発信できるハブになったらうれしい」と語った。
ラヂオつくばは、2008年に設立されたつくば市のコミュティーFMラジオ局。放送区域はつくば市および土浦市の一部だが、インターネットやラジオアプリを使えば世界中から視聴できる。実際スイスから番組を聞いているリスナーもいるという。
ラヂオつくばで生放送されている番組は、月曜から金曜の午前11時から午後1時までの「Wh@t?Tsukuba!」、午後5時から7時までの「つくば You’ve got 84.2(発信中)!」など。(伊藤悦子)
➡ラヂオつくばのホームページはこちら。
高校生と一緒に土浦を活性化したい 教員 酒井慶太さん【ひと】
放課後こども食堂など開催
つくば国際大学高校(土浦市真鍋)の教員、酒井慶太さん(27)は、若者による土浦のまちの活性化に取り組みたいと「土浦わかもののまちプロジェクト」を立ち上げ、高校生らがボランティアで運営する「放課後こども食堂」や高校生主体のイベントを開催している。今年7月にはNPO法人化した。
土浦に戻ってきた
20代前半は、全国各地の様々なところに住みたいと思い、大学卒業後、沖縄の高校で教べんをとった。「故郷の土浦が好きで、土浦を活性化させたいという思いが強くなり」、2023年4月、土浦に戻ってきた。「人口減少によって無くなる町があると知り、土浦は無くなってほしくないという思いもあった」という。
高校教員である自分なりのアプローチとして、高校生の活動によって土浦の活性化を図りたいと考えた。「高校生にとっては、地域のいろいろな人たちと関わって成長していく社会教育にもなる」と思い、2023年9月、一人で同プロジェクトを立ち上げた。まず思いついた活動が「地域の子どもたちに放課後の支援ができて、高校生が地域の人と関わり社会課題にも触れることができる放課後こども食堂の運営だった」。
やってみよう、やればできる
市内の一中地区や神立地区などのこども食堂を訪れ見学した。新たに開設する放課後こども食堂の会場として、土浦駅前の市役所2階ガスタ東部ガスライフスタジオのキッチンと、同じ階にある市役所研修室の利用をそれぞれ依頼した。食材はJA水郷つくばやレンコン農家に提供を願い出た。子どもたちに向けては、土浦駅近くの土浦小と土浦二小にちらしを配り、高校生ボランティアは、まず勤務先のつくば国際大高で声を掛けてボランティアを募った。
2023年11月に第1回目のこども食堂を開催した。酒井さんのSNSで活動を知った土浦日大の教員が声を掛けてくれ、両校の高校生ボランティアが合わせて約10人が集まり、小学生約30人が参加した。
酒井さんは「やってみよう、やればできると思って行動した。とにかくいろいろなところに足を運んだ」とし「やってみると皆が助けてくれる。人が人をつないでくれると実感した」と語る。現在は一緒にやってくれる人が少しずつ増え、メンバーが10人になった。現在、食材は、活動を知った農家が野菜の寄付などを申し出てくれているという。
小学生の新しい居場所に
こども食堂は毎月1回、平日の午後4時から7時までで開催し、今年6月までに計18回開催している。これまで提供した食事は「コーンご飯と鶏の照り焼き、ポテトサラダ」「豚しゃぶおろしそばとフルーツポンチ」など。高校生らが毎回、30~35人分を自主的に調理する。献立は栄養を考え旬の食材を取り入れながら酒井さんが考えている。最近は、当初から関わってくれていた高校生が大学生になり、メニューを提案してくれているという。
高校生ボランティアは、調理するチームと小学生と遊ぶチームに分かれて活動する。小学生は出来上がった食事を研修室で食べた後、高校生と絵を描いたり、トランプをして一緒に遊んだり、勉強を教えてもらったりする。
小中学生には「気楽に来てほしい」という思いから、事前の予約はとらない。参加費は小中学生は無料、高校生以上は300円。小学生は土浦駅近くの土浦二小の児童が多いが、神立や荒川沖からの参加者もいる。毎月楽しみにして通っている小学生も多く、きょうだいの中学生が一緒に来て、高校生に進路や勉強方法などを相談することもある。
酒井さんは「放課後こども食堂は、子どもたちにとって単に食事がとれる場所ではない。月に一度だが高校生に勉強をみてもらったり、一緒に遊べたりと安心できる放課後の新しい居場所として機能している」と話す。今後は他の高校にも声を掛けていきたいという。
高校生の企画を全部かなえる
「まちの活性化のためにも土浦の高校生たちにそのまま住み続けてほしいという思いがある」と酒井さんは語り、「土浦は水戸に次いで高校が多い都市。近隣市町村から通ってきている高校生も多く、彼らにも土浦に住んでもらいたい」と語る。そのためにも土浦で楽しい思い出をたくさんつくってほしいという願いがある。
そこで高校生が土浦で楽しむイベントをしたいと、2024年7月に「土浦ティーンズフェス2024」を市役所前のうらら大屋根広場で開催した。「どうしたら高校生が土浦のイベントに来て、楽しめるか」を高校生自身が考え、企画、運営するイベントだ。運営には土浦三高、土浦日大、つくば国際大高から40~50人が集まり、「洋服屋さんやアクセサリーショップがあると楽しい」「自分に似合う服やメイクの色を診断して教えてもらえるパーソナルカラー診断があるといい」「ステージで有名人を呼びたい」「自分たちも出し物をしたい」など様々な企画が出た。
酒井さんは「自分の仕事は高校生が考えた企画を全部かなえること」だと考え、できる限り実現できるよう奔走した。ほぼすべての企画が実施でき、衣料品店やアクセサリーショップ、カラー診断は県内の店が出店、キッチンカーは県内で移動販売を実施するワッフル店や市内のおにぎり専門店が出店してくれた。出店してもらうだけでなく高校生も一緒に接客する経験もした。ステージには、SNSのTikTocで高校生に人気の配信者やシンガーソングライターの丸山純奈さんなどを招いた。高校生による出し物は、土浦日大高校ストリートダンス部の演技や、高校生がモデルをするファッションショーなどを行った。司会進行やテント設営なども高校生自らが行った。
参加費は無料とし、イベント費用はクラウドファンディングで調達した50万5000円を充てた。市内の高校生だけでなく、近隣の20代、30代の若者などが遊びに来ていたのが印象的だったという。
2回目となる今年度は「夏の猛暑や秋の文化祭シーズンを避け、来年3月も開催する予定だ。前回好評だったファッションショーを行う予定で、モデルは世代交流の意味を含め子どもからお年寄りまであらゆる世代が出られるようなショーにしたい」と酒井さんはいう。
次の目標はユースセンター
さらに、高校生が活躍する地域イベントをティーンズフェスとは別に年に1回開催したいと考えている。今年は、高校生が集まって土浦をどうしていきたいかを考える「若者会議」の開催を県県南生涯学習センターとの共催で計画している。開催は12月の予定で、「土浦の今と理想のイメージを考え、土浦でしたいこと、あったらいいことを考える」をテーマに、9月に参加者15人程度を市内10校から募る。内容は発表して終わりにするのでなく「有名なカフェの誘致は無理だとしても、東部ガスのキッチンでカフェを開く」など少しでも実現していくようにしたいと酒井さん。
今後は放課後こども食堂を継続するとともに「学校と家以外で中学生や高校生が無料で毎日集まれる場所となるサードプレイス(第3の場所)として、ユースセンターを土浦につくることが目標だ」と意気込みを話す。市の施設や企業の空きスペースなどを利用し、大学生にインターンとして常駐してもらいたいと考えており、「補助金や企業の協賛金を利用して運営できたら」と語る。
【取材後記】酒井慶太さんのことは2年前から知っていて、前々から取材したいと考えていた。実際に話を聞いてみて、行動力に驚いた。単に考えるだけでなく「すぐに動く」「人に会う」「人と協力する」ことができるのは、27歳という若さだけではない。「土浦を活性化したい」思いや情熱からくるものだと実感した。そして人の情熱は、行動すれば周囲の人に伝わっていくことを改めて認識した。若い人の活躍や思いを聞く取材は、自分自身への刺激にもなった。(伊藤悦子)
ペットの熱中症にも注意を 土浦の動物病院が呼び掛け
冷房、犬猫は24度程度が最適
あす13日から厳しい暑さが戻るといわれている。熱中症は人間だけでなく、犬や猫もかかり、命に関わる恐れもある。土浦市中高津の徳永動物病院院長の徳永大和獣医師によると、最近は日中の散歩は避けるなどペットの熱中症に注意をしている飼い主が多く、急患のペットはほとんど出ていない一方、「ここ2、3年は、冷房の温度設定がペットにとって高いことによるペットの熱中症が増えていると実感している」と語り、注意を呼び掛けている。
軽い熱中症から悪化
徳永さんは「犬や猫は体が被毛に覆われているだけでなく、人のように汗をかいて体温を下げることができないため、人よりも暑さに弱く熱中症になりやすい」と話す。冷房の温度は人間にとって26~27度程度が快適だが、ペットにとっては暑過ぎて軽症の熱中症を招く。「ペットには24度程度が適切だ」という。
高温のため6歳、7歳を超えた高齢の犬や猫が、軽い熱中症から1週間ほどたって悪化する症例が多くなっているという。症状としては「食欲がない」「吐く」「下痢をする」といった、体温が上がったことによる胃腸炎などがある。
やけどと同じ
徳永さんによると、症状が出たら動物病院に行くことはもちろん、治療後は冷房でしっかり冷やすことが大切だという。「熱中症はやけどと同じ。動物病院での1回の注射や冷却で治るものではない」とし、「1、2日涼しい場所で過ごして元気になったように見えても実は治りきっていない」と話す。油断して冷房の設定温度を人間が快適な27℃に上げたことで再び悪化し命にかかわるケースもあるため、「ペットには、冷房は人間が快適だと思う温度よりも低い24℃に設定するとよい」と話す。
8日の夕方、犬の散歩をしていた土浦市の女性は「暑い日が続いているので犬の熱中症予防のため、冷房を24時間入れたままにしている。朝夜の散歩も首を冷やすネッククーラーをつけている」と語った。猫を飼っているつくば市の山口佐智子さんは「猫はいつも勝手に涼しいところに行っている。しかし今年は格別暑いので猫の体調には気をつけている」と話す。
茨城県では環境省が作成したペットの熱中症予防ポスターを印刷、県内市町村に配布している。さらにX(旧ツイッター)の茨城県生活衛生課動物愛護担当のアカウントで、ペットの熱中症に関する注意喚起を促している。土浦市は、県から配布されたポスターを同市役所環境衛生課の窓口に掲示して注意を呼び掛けている。つくば市もポスターを庁内に掲示するとともに、同市のホームページに「犬の熱中症に注意」というページを作って周知している。(伊藤悦子)
湖上に白い帆広げる 観光帆引き船運航開始 土浦 霞ケ浦
霞ケ浦でワカサギ漁が解禁となった21日、土浦沖で観光帆引き船の運航が始まった。土浦帆曳船保存会の操業により、同市所有の七福神丸と水郷丸Ⅱの2艘(そう)が、穏やかな風を受けて白く大きな帆を広げ霞ケ浦に浮かんだ。
帆引き船を見ようとこの日土浦港(同市川口)から、ラクスマリーナ(同市川口町)が運航する遊覧船ホワイトアイリス号に約60人が乗船した。湖上に帆が広がると、船内のあちこちから大きな歓声が上がり、乗船客は帆引き船に向かって手を振ったり。写真を撮るなどしていた。
常総市から、5歳と3歳の2人の子どもを連れて乗船した小島志保さん(37)は「帆が大きくて驚いた。初めて見て、言葉にならないくらい感動した。いい天気でよかった」と感想を語った。
かつて900艘が行き交う
帆引き船は霞ケ浦のシラウオやワカサギを獲るための船で、新治郡佐賀村(現かすみがうら市)の漁師、折本良平が1880(明治13)年に帆引き網漁を考案した。大きな1枚の帆で風を受け、風の力を利用して網を引く。
帆の大きさは高さ9メートル、幅16メートルで畳にすると90畳分になる。風速3メートル程度が適しているとされるが、風が吹かないと帆が広がらないため進めず、強風では転覆の危険があった。明治から昭和40年代まで湖上を行き来し、最盛期には900艘ものが行き交ったとされ、かつて霞ケ浦の風物詩ともいわれた。1967(昭和42)年に動力船によるトロール漁が始まると姿を消したが、1971年に観光帆引き船として復活し、現在は観光という形で操業技術が継承されている。2018年3月には霞ケ浦の帆引き網漁の技術が、民俗技術では県内初の国の無形民俗文化財に選定された。
今年度中に市の文化財に
土浦市では帆引き網漁を民俗技術として保存しようと、かすみがうら市、行方市と3市共同で2020年度から24年度まで総合調査と記録映像の撮影を実施してきた。さらに今年度中に土浦市の無形民俗文化財への指定を目指しており、3市足並みをそろえて保存に向けた取り組みを推進していくとしている。(伊藤悦子)
■観光帆引き船は7月21日(月)~10月13日(月・祝)までの毎週土・日曜・祝日に操業する。雨天や強風、無風の時などは運航しないこともある。見学方法は午後1時30分に土浦港の遊覧船乗り場(土浦市川口2-13-6)を出航するホワイトアイリス号に乗船して見学できる。遊覧船の乗船料金は大人1570円、12歳未満780円(税込み)。問い合わせは土浦市観光協会(電話029-824-2810)、またはラクスマリーナ(電話029-822-2437)へ。
空き地をとにかく草刈り つくばの会社員 伊東応樹さん
仲間とお助け隊結成
つくば市在住の伊東応樹さん(48)は、会社員として働きながら土日や祝日など休日を利用してつくば、土浦、阿見、水戸などの空き地の草を刈ったり、木を切ったりして整備している。
空き地の草を刈ることで、土地の持ち主や地元の人が感謝してくれるのがうれしいという。「いろいろな人と知り合いになれるのも空き地の草刈りの魅力」だと語り「とにかく草を刈るのが好き、機械を扱うのが好きでやっているので土日の休日を使うのはまったく苦にならない」と話す。
県民会議から表彰
空き地をきれいにした後、新しい使われ方をするのを目の当たりにするのも喜びだ。つくば市北条、昭和初期の近代和風建築、旧矢中家住宅がある「矢中の杜」近くの稲荷神社に続く、小道周辺の空き地を草刈りしたところ、見通しが良くなったため散歩をする住民が増えた。小道は、近所の保育園に通う子どもたちの散歩道にもなった。さらに小道沿いにアジサイを植える人が出てくるなど、「住民がきれいになった土地を意識し始めたのを実感する」と話す。
荒れた竹林を伐採した際は、刈った竹を捨てるのがもったいないと「無煙炭化器」を入手し、竹炭を作ることにした。竹炭は土壌の通気性や保水性を高めるなど土壌改良効果があるとされることから、畑にまいたりしている。筑波山神社隣りの大御堂に生えているスダジイの根元にまいたこともある。竹が地域に循環していることを感じると話す。
これまでの活動が評価され、今年5月には「環境保全茨城県民会議」(事務局・県庁環境政策課内)から表彰された。
きっかけはつくばマラソン
草刈りを始めたきっかけは、つくばマラソンで他のランナーがつぶやいた言葉だ。2017年、つくばマラソンで市内を走っている最中、沿道の落書きされた壁や伸びた雑草を見た他のランナーが「何だか街が汚いね」と話しているのを聞き、ショックを受けた。
街がきれいだと言ってもらうために自分にできることは何かと考え、草刈りを思い付いた。市役所の許可を得て2018年9月から、道路の縁石から伸びている雑草を勝手に刈り始めた。最初は鎌を使って手作業で草を刈っていた。
次第に、伊東さんの活動を知った土地所有者などから空き地の草刈りを依頼されるようになった。19年4月からは筑波山の林業ボランティア団体に加入し筑波山でボランティアをしながら、個人でも草刈り活動を続けた。依頼が増えたことで手作業では追い付かなくなったため、刈払機とチェーンソーの使い方を教わる安全講習を受けた。
仲間増え5人に
伊東さんは自身の活動をSNSで発信。SNSを見た人や、たまたま通り掛かり活動の様子を見掛けた人などが仲間に加わり、2021年3月、「空地フィールダーズ」という団体を作成した。現在メンバーは伊東さんを含め男性2人、女性3人の5人で、年代は20代から40代だ。
当初はボランティアで空き地の草刈りをしていたが、依頼主から「申し訳ない」という声があり、仮払機の燃料代やメンテナンス代、現地までの交通費などがかかることから現在は有料としている。料金は土地の面積や時間に関係なく、5~11月は1回7000円、12~4月は5000円、年間を通して空き地を管理する場合は年間2万円などだ。
利用の提案できるように
伊東さんは「空き地や緑地の手入れを一緒にしましょう、というスタンス。活動の楽しさを広げていきたい」と思いを話し、「高齢化などで空き地の手入れが出来なくなり困っている人はたくさんいると思うので、活動範囲を広げていきたい。土地の利用方法の提案もできるようになりたい」と意気込みを語る。(伊藤悦子)
◆「空地フィールダーズ」は一緒に草刈りをやりたい人や空き地を整備してほしい人を募集している。問い合わせは伊東さんのFacebook、「空地フィールダーズ」のInstagramのDM(ダイレクトメール)へ。一言メッセージを添えて連絡してほしいそうだ。
マダニにかまれない対策を 自分やペットをどう守る?
人獣共通の寄生虫を媒介
茨城県内で飼われていた猫が今年5月、マダニにかまれ、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)に感染して死んだ。6月には県内の40代男性が、渡航先の欧州でマダニにかまれライム病を発症した。いずれもマダニが媒介する人獣共通のウイルスが原因だ。自身がマダニにかまれないようにするにはどうすればいいのか、ペットの犬や猫をどう守るのか。寄生虫学が専門で、マダニが媒介する寄生虫など人獣共通寄生虫病の予防に取り組む麻布大学(神奈川県相模原市)獣医学部寄生虫学研究室の平健介教授に聞いた。
関東で初
―5月にマダニにかまれて死んだ猫は、マダニが媒介するウイルスによりSFTSに感染しました。SFTSは主に関西での感染例が多かったのですが、ペットの猫が感染し死んだのは関東で初めてです。STFSとはどういった感染症ですか。
平 SFTSウイルスによって引き起こされるウイルス感染症であり、このウイルスを持つマダニの吸血時に人や動物が感染します。
―マダニにかまれると人も動物も感染するのですか。
平 マダニに吸血された人が誰でも発症するわけではなく、発症や重症化リスクは年齢によって異なります。特に高齢者や持病がある人は注意が必要です。
―感染した場合、人、動物それぞれ、どのような症状が出ますか。致死率は。
平 人が感染した場合の症状は、マダニにかまれてから1〜2週間後に、主に発熱,倦怠感,頭痛がみられます。その後,嘔吐,下痢,食欲不振などの消化器症状が現れます。人の致死率は10〜30%程度とされます。70歳以上の高齢者では死亡リスクが高く,若年層では軽症または無症状であることが多いです。
一方、野生動物は発症することが少ないですが、猫や犬は発症しやすい。猫の致死率は60〜70%以上,犬では10〜30%程度と報告されています。
全国的に分布広がる
―今回、関東で初めて飼いネコが発症したことについてどう思われますか?
平 関東以北でもSFTSウイルスを持つマダニが増えつつあり,人や動物への感染において警戒が一層重要になります。
北海道でも感染マダニが確認されており,全国的に分布が広がっています。まずは(人もペットも)マダニにかまれないように対策を徹底することが,効果的な予防になります。
―人とペットそれぞれの具体的な予防方法や対策は?
平 マダニは草むらや雑木林などの野外環境に広く生息し、野生動物の通り道に多くみられます。そのため人は、草むらや林に入る際は,長袖・長ズボン,足首を覆う靴下や帽子を着用し、虫よけスプレーを使用することを勧めます。帰宅後に衣類や体にマダニが付着していないか確認することを習慣づけることも重要です。
ペットにはマダニ予防薬を定期的に投与し、散歩後はブラッシングや体表のチェックを習慣的に行うことがマダニ対策として有効です。
野外で具合の悪そうな野良ネコや野生動物を見掛けても、絶対に素手で触らないことも重要。市町村の環境課や保健所など公的機関に連絡してください。
―万が一、マダニにかまれたらどうすればいいですか?
平 もしかまれたら、人もペットも医療機関や動物病院を受診したほうがいいです。人もペットも、マダニは皮膚に口を深く差し込んで固着しており,自分で無理に引き抜くと口が皮膚に残ることが多々あります。
やむを得ず自分で除去する場合は,マダニ専用ピンセット等を用いて,マダニの体部に圧をかけないようにして,口の根元をつまんで慎重に引き抜きぬく。マダニの口の部分が皮膚に残らないように気を付ける必要があります。除去したマダニは密閉して保管し診察時に持参すると診断の参考になります。
事前に動物病院に連絡を
―もしペットにSFTSの疑いがあって動物病院に行く場合の注意点はありますか。
平 SFTSを疑って動物病院に行く場合は、感染動物から飼い主や他の動物,獣医師への感染リスクがあるため、受診前に必ず動物病院に連絡し,感染対策の準備を依頼してください。
SFTSウイルスは,感染した動物の血液やだ液,体液を介して人にも感染することもあるため、飼い主も手袋・長袖・マスクなどで防護し,ペットとの接触は最小限にとどめるべきです。ペットの運搬には密閉できるケージを使用したほうが良いです。
県、市町村が注意呼び掛け
県生活衛生課によると、5月に死んだのは1歳のメスネコ。室内飼育だったが、4月下旬屋外に出てしまった時に、マダニに刺されたとみられるという。動物病院でダニを除去したが、5月9日に高熱、嘔吐、食欲低下が見られたため再度動物病院を受診。治療したものの12日に死んだ。動物病院がSTFS を疑い12日に県に連絡、検体の血液を検査したところ、15日にSTFSウイルス陽性とわかった。
県では、関西だけでなく北陸地方や東海地方でも近年、SFTSが発生していることから関東にもいると想定。ウイルスがどの程度広がっているかを動物から把握するため、今年3月から県獣医師会に所属している動物病院を対象に、疑わしい症例があった場合は検査を依頼していた矢先だった。
一方、6月にライム病を発症した男性は、5月下旬に滞在していた欧州でマダニにかまれたと推定されている。6月9日に倦怠感、10日に紅斑が出て医療機関を受診した。現在は快方に向かっているという。県内でライム病が発生したのは2017年9月以来、8年ぶり。
県生活衛生課は、県内44市町村に対して5月に猫が死んだ事案を知らせ、注意喚起を促している。ダニが媒介する人獣共通の寄生虫はSFTSやライム病のほか、日本紅斑(こうはん)熱などもあるため、人もペットも注意してほしいとSNSなどで警戒を呼び掛ける。つくば市や土浦市でも市の公式サイトなどで注意を呼び掛けている。(伊藤悦子)
200種のハス 開花始まる 土浦 霞ケ浦総合公園
霞ケ浦湖岸の土浦市大岩田、霞ケ浦総合公園の花蓮(はなはす)園で、白やピンク、淡い黄色などたくさんの品種のハスが開き始めた。約200品種のハスが栽培されている。見頃は7月中旬ごろという。
花蓮園の広さは約1000平方メートル。コンクリートで仕切られた池が80区画、たる容器が240個設置されている。
6月中旬から咲き始めた。花は早朝に開き、昼前には閉じてしまう。一つの花の開花期間も約4日と短い。開き始めたハスを見ようと、28日も朝早くからカメラを手にした人や家族連れが訪れていた。
花蓮園が開園したのは2001年。近くのオランダ風車で霞ケ浦の水をろ過し、花蓮の栽培に利用している。土浦市内で育種された品種など、花蓮園でしか見られないハスもある。
日立市から訪れた60代の女性は「ハスが咲いている時期に初めて来た。冬に来たときは何もなくて、本当にここに花が咲くのかなと思っていた。小さくてかわいいハスや立派なハスも咲いていて本当にきれい」と話していた。
隣接のネイチャーセンターのスタッフは「ハスの花が咲き始めている。満開になるのは7月中旬。お昼には花が閉じてしまうので、午前中にぜひ見にいらしてください」と来場を呼び掛けている。(伊藤悦子)
華やかに「花の産地つちうら」をPR 市役所など3カ所に展示
父の日に贈って
「花の産地つちうら」をPRし、15日の父の日には花を贈ってもらおうと、土浦市は11日から、市役所本庁舎1階エスカレーター付近と、江戸時代の蔵を改装した市の観光拠点まちかど蔵大徳(同市中央)、サイクリングの休憩所りんりんポート土浦(同市川口)の3カ所に、土浦産のグラジオラスやアルストロメリアなどの切り花を展示している。17日まで。
同市は北部の今泉地区などを中心に花き栽培が盛んだ。特にグラジオラスは全国有数の産地で、1990年に花きでは初めて県の銘柄産地に指定された。別名ユリズイセンと呼ばれユリを小さくしたような色鮮やかなアルストロメリアは銘柄推進産地に指定されている。ほかにヤナギ類や小菊、バラ、カーネーション、フリージアなどが生産されている。
2020年の市内の花き農家は54戸で、産出額は5億8000万円だった。2024年度にJA水郷つくばに出荷されたグラジオラスは約233万だったという。
市役所1階にはグラジオラス、アルメリア、ヤナギ類などが華やかに飾り付けられている。まちかど蔵大徳とりんりんポートはグラジオラスとアルストロメリアなどが展示されている。花はJA水郷つくばから購入した。飾り付けの委託費などを含め事業費は約30万。
12日、市役所を訪れた女性は「土浦でグラジオラスを作っているとは知らなかった」「華やかできれい」などと感想を話していた。
市農林水産課の岡野礼奈さんは「市役所ロビーは、華やかになるようにと依頼し業者に委託して飾り付けを行った。ほかの2カ所は職員が展示し、グラジオラスとアルストロメリアが市内で作っている花だと知っていただき、親しんでいただきたいという思いで飾った」と語った。同課の薬師寺尚哉さんは「土浦は花の栽培が盛ん。花の産地として認知度がもっと上がり、父の日に土浦市で生産された花を贈っていただけたら」と話す。(伊藤悦子)
