木曜日, 11月 6, 2025
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4人目感染者は土浦の40代女性 新型コロナ

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茨城県庁

【鈴木宏子】新たに感染が確認された県内4人目の新型コロナウイルス感染者について、県は23日、都内の医療機関に勤務する土浦市在住の40代女性と発表した。最近の海外渡航歴はないという。

女性は19日夜、37度台の発熱があり自宅療養をしていた。21日、自家用車で掛かりつけ医を受診。同日帰国者・接触者相談センターに相談し、22日夜、感染が判明した。現在、感染症指定医療機関に入院しているが軽症。

女性は病院事務を補助する派遣社員で、患者に直接接する仕事ではない。職場で感染した可能性が高いという。常磐線で通勤しているがマスクを着用していた。濃厚接触者は同居している両親に限定されるとみられる。

海外帰国者以外の県内感染者は初めて。大井川和彦知事は会見で「県内における感染拡大は限定的で、県内で広がっているということではない」などとし、手洗いや咳エチケットなどを呼び掛けている。

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「まちがいさがし」で子供たちにキャンペーン 県障害者権利条例5周年

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「茨城に障害のある人の権利条例をつくる会」がホームぺージで行っている「まちがいさがし」(同HPより引用)

【山口和紀】県障害者権利条例が4月1日、施行から5年を迎える。これを祝し、「茨城に障害のある人の権利条例をつくる会」(事務局・自立生活センターいろは)が同ホームぺージでキャンペーンを行っている。バリアフリーをテーマにした「まちがいさがし」で、正解した小学生に景品を贈呈する。

「まちがいさがし」には様々な障壁が人々を暮らしにくくしている状況が描かれる。例えば、タクシーに乗るためのスロープがあるかどうかだ。少しの段差がなくなるだけで、車椅子を使っている人などが多くの人が使いやすくなる。

少しの段差をなくしたり分かりやすく説明をしたりするなど、誰もが暮らしやすいように環境を変えることは「合理的配慮」と呼ばれる。キャンペーンの狙いは、社会を少し変えるだけで障害がある人や高齢者、ベビーカーを押す人など多くの人が暮らしやすくなることを子どもたちに知ってもらうことだ。

共に歩み幸せに暮らすために

県障害者権利条例(障害のある人もない人も共に歩み幸せに暮らすための県づくり条例) は2015年に施行された。障害者に対する差別的な取り扱いをなくすことを目的とした条例だ。つくば市にある障害者支援団体「自立生活センターほにゃら」と水戸市の「自立生活センターいろは」の2団体が2011年から条例をつくる活動を始め、12年に「茨城に障害をもつ人の権利条約をつくる会」が発足した。条例は議員提案という形で県議会に提案され、施行された。

条例に基づき、県は障害者差別相談室を設置。常駐する専門の相談員に「差別的取扱い」や「合理的配慮」について相談できる体制が整った。過去には視覚障害者から「工場見学に行った際に盲導犬の同伴を拒否された」という相談などがあったという。

現在つくば市では、店舗や地域団体などが、点字メニューを作成したり、筆談ボードなどの物品を購入したり、スロープを付けて段差を解消するなど工事施工に補助金を出す制度を設けている。水戸、取手、ひたちなか市も同様の制度がある。

◆キャンペーンは「茨城に障害のある人の権利条例をつくる会」のホームページから、はがきで応募する。締め切りは4月13日。対象は小学生。正解者の中から抽選で10人にオリジナルクオカードをプレゼントする。

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圏央道沿線などで産業用地開発へ 県プロジェクト

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茨城県庁

【山崎実】優良企業の誘致による産業立県を目指して、県が昨年11月に立ち上げた「未来産業基盤強化プロジェクト」が、県議会第1回定例会(2月27日ー3月24日)の論戦に上っている。

県議会で経緯、内容、現状などについて説明を求められたのに対し県執行部は、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)沿線地域への立地ニーズが多いことから、産業用地の新たな開発に乗り出したことを言明した。

プロジェクトは、圏央道のインターチェンジ(IC)周辺などに「産業用地開発区域」を設定。沿線市町村の開発計画などに対し、地域未来投資促進法に基づく税制や農地転用許可の特例措置を積極的に活用することで、事業化決定から造成着手までの期間を通常の3~5年程度から最短1年にまで短縮する。開発計画の検討段階から企業誘致まで、県も部局横断的に市町村を支援していく。

新たに設定するIC周辺の産業開発用地は、圏央道のつくばジャンクション(JC)以西の常総、坂東、境古河、五霞IC周辺や、以南の常磐道・谷和原IC周辺などで、既に市町村の開発構想を調査し回答のあった17市町村の中から、具体的な計画のある9市町村とヒヤリングを行っている段階(県産業基盤課)という。

今後は、事業化の確度の高い市町村計画を第1次の産業用地開発区域として選定し、造成工事の着手前から企業のエントリーを受け付けることでスピード感のある企業誘致を進めていく方針だ。

県産業立地課のまとめによる2019年上期(1~6月)工場立地動向調査によると、前年に続き圏央道沿線の県南、県西地域への県外企業の立地が多く、特に県西地域は2014年から18年までの5年間で181ヘクタール(構成比30%)と最も多く、県南地域の127ヘクタール(同21%)を加えると、50%以上を県南西で占める勢い。

新たなプロジェクトが、圏央道沿線の企業誘致をさらに後押しすることは間違いなく、大井川和彦知事も議会答弁で、「本プロジェクトにより市町村の開発計画を全面的に支援しながら、圏央道周辺地域など企業の立地ニーズが高いエリアで、新たな産業用地の開発を促進していく」と積極的に取り組むことを表明した。

同県議会では総額1兆1632億円余と過去最大の新年度一般会計予算案などを審議している。

「あそび大集合」も休館続く 春休みのつくばエキスポセンター

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「キッチンオーケストラ」の展示を紹介する運営スタッフ=つくばエキスポセンター

【相澤冬樹】春休みの子供たちに用意したメニューが日の目を見るか、つくばエキスポセンター(つくば市吾妻、中原徹館長)が新型コロナウイルス感染症をめぐる動静に気を揉んでいる。同センターは20日、従来24日までとしていた休館期間を4月7日まで延長すると発表した。これにより、企画展「かわったあそびが大集合!-つくって・ためして・かんがえる」の開催も宙に浮いている。

企画展は当初、20日から6月7日までの会期を予定していた。ねじやストローなど身近な素材やタブレット端末を触ったり操作したりして、遊びのなかに興味を見つける体験型のイベント。「キッチンオーケストラ」「ストローの森」など6つのテーマ、9つのコーナーを用意した。19日には報道機関向けの内覧会まで開き、休館明けの25日にスタートできる態勢を整えていた。

20日になって、政府が一斉休校の延長をしない方針を打ち出たが、県内で感染患者が確認された状況を踏まえ、休館の再延長を決めた。再開は早くても4月8日以降となる。

同館運営部は「子供たちが室内で、ものや道具に触って遊ぶ企画だけに、換気や除菌には十分に配慮して開催しようと準備していた。こういう時期だからこそやりたかった」と残念がる。6月7日までの会期が残っている限り、中止ではなく延期で開催のタイミングをうかがっていくという。

同センターの「休館期間の延長について」は随時更新される。電話: 029-858-1100

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県内企業の半数以上「マイナスの影響」 新型コロナで帝国データバンク

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新型コロナウイルス対策のため間隔を空けて座るよう注意書きが貼られた=つくば市役所1階

【山崎実】民間調査機関、帝国データバンク水戸支店が実施した新型コロナウイルス感染症に対する県内企業の意識調査によると、半数以上の55.3%が「マイナスの影響がある」と回答し、かなり深刻な事態にあることが浮き彫りになった。

調査対象は県内企業359社で、有効回答企業数は150社(回答率41.8%)だった。調査は2月14~29日に実施した。

調査結果をみると、「すでにマイナスの影響がある」が24%、「今後マイナスの影響がある」が31.3%で、合わせると55.3%がマイナスの影響に伴う危機感をもっている。

特に、「マイナスの影響がある」と見込む企業が日を追うごとに顕著に増加しており、国の新型コロナウイルス感染症対策基本方針決定(2月25日)前の2月14日から24日までは47.9%だったが、25日以降は一気に増え、83.9%にまで上昇した。

業界別では「金融」が最も高く、続いて「小売」「製造」が6割台、「卸売」「建設」「運輸・倉庫」が5割台と続く。「小売」「農林水産」では、企業の33.3%にすでにマイナスの影響が出ていた。

同水戸支店は、中国からの輸出入が滞り、幅広い業種に影響が及び始め、「小売」は商品の未入荷や消費マインドの低下などによる悪影響が見込まれ、県内企業はリスクに対するBCP(事業継続計画)の必要に迫られている。

企業には、正確な情報に基づく冷静な対応、政府には情報提供と企業の事業継続に有効な具体的支援策の実行が求められる提言している。

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CDとDVD大量紛失 土浦市立図書館 566点253万円相当

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土浦市立図書館

【鈴木宏子】土浦市立図書館は19日、CDとDVD計566点(253万円相当)が、土浦駅前アルカス土浦内の本館と新治地区公民館内の分館で、2017年11月27日から今年1月27日までの間に大量紛失したとして、18日付けで土浦警察署に被害届を出したと発表した。

同館によると、本館で503点(219万円相当)、新治地区分館で63点(34万円相当)が紛失した。すべて貸し出した記録が無かった。ジャンルは発覚当初はクラシック音楽や落語などのシリーズものが多かったが、それ以降は特定のジャンルはなく、さまざまという。

昨年5月30日から6月4日、本館で実施した年1回の蔵書点検作業の際、CDとDVDが併せて331点紛失していることが発覚した。利用者が返却を忘れていたり、貸出手続きを忘れていた可能性も考えられることから、返却を待ちながら、CDやDVDなど視聴覚資料のみ月1回の点検作業を行って経過観察していた。しかし返却は無く、故意に持ち出した可能性もあるとして被害届の提出に踏み切った。

昨年5~6月の定期点検後のCDとDVDの本館での紛失数は、7~10月が計30点、10月28日の点検時は123点、11月26日の点検時は19点、今年1月27日の点検時はこれまでで最多の503点が紛失していた。

図書館の出入り口には盗難防止装置が設置されているが、作動しなかったという。監視カメラは、職員の死角になる場所は利用者の安全確保のため設置しているが、利用者が資料を閲覧する場所はプライバシー保護のため設置していない。館内は職員が定期的に巡回している。

安藤真理子市長は「大量の紛失があったことは誠に遺憾。これまで返却される日を待っていたが、かなわず、警察署に被害届と徹底調査をお願いした。今後は図書館資料の管理に万全の対応をします」とのコメントを発表した。

今後の対応について本館と分館いずれも、誰でも手に取ることができる開架棚に配置しているCDとDVDについて、準備が整い次第バックヤードに移動し、貸し出しや閲覧の際は、利用者の申し出により職員がバックヤードから現物を取り出して手続きを行う方法に運用方法を変更し、盗難や紛失防止に努めるとしている。

県内2例目感染者はつくば市在住の学生 新型コロナ

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茨城県庁

【鈴木宏子】18日感染が確認された県内2例目の新型コロナウイルス感染者について、県は19日、感染が確認された20代男性は、つくば市在住の学生であると発表した。現在入院中だが軽症という。

県の発表によると、学生は3月上旬にスペイン、フランス、ベルギーを旅行して16日帰国した。旅行中に37度台から39度台の発熱や喉の痛み、全身の倦怠感があった。

帰国後、成田空港から家族の車でつくば市の自宅に帰宅した。帰宅後も熱やせきなどの症状が続いため自宅待機し、PCR検査で陽性が分かった。旅行には県内在住者1人が同行していた。

学生は帰宅後、自宅にとどまったため、県内や市内の濃厚接触者は現在、両親と旅行に同行した1人に限られるとみられている。県は3人のPCR検査を19日実施する。

海外帰国者は14日間自宅待機を

大井川和彦知事は、感染者がいずれも海外からの帰国者だったことから、3月4日以降に海外から帰国した人は14日間、自宅待機すると共に、帰国者・接触者相談センターに相談するよう呼び掛けている。併せて企業に対しては、必要に応じて社員の海外出張を延期したり、海外から帰国した社員を14日間自宅待機させるほか、帰国者・接触者相談センターに相談するよう呼び掛けている。

県の発表を受けてつくば市の五十嵐立青市長は19日開かれた市議会3月議会本会議で、つくば市在住者が新型コロナウイルスに感染したことを改めて報告した。市民に対しては、感染予防に努めながら落ち着いて行動するよう呼び掛けると共に、県知事からの要請に基づき、海外からの帰国者に対し自宅待機と帰国者・接触者相談センターへの連絡を呼び掛けている。

◆帰国者・接触者相談センターは電話029-301-3200(県庁、土日祝日含め24時間対応)

3例目は阿見町の50代男性

県は併せて19日、3例目の感染者が確認されたと発表した。15日にタイから帰国した阿見町在住の50代男性で、現在入院しており重症だという。

男性は成田空港に到着後、1人で自家用車を運転して自宅に戻った。帰国時に40度台の熱と、せき、頭痛、全身の倦怠感などがあり、17日近隣の医療機関を受診、18日にPCR検査し陽性と確認された。

同町では22日投開票で、町議会議員選挙が行われている。町選管によれば、期日前を含め投票所の出入口へのアルコール消毒液の設置するほか、投票の筆記具に使い捨て鉛筆を用意するなどの対応を講じている。19日現在、即日開票の行われる阿見中学校体育館への入場制限などの規制には至っていない。

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医療機関の25%、マスクすでに足りない 新型コロナで県保険医協会

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医療機関から県保険医協会に寄せられたアンケート調査票

【山崎実】県保険医協会(宮崎三弘会長、土浦市大町)は「新型コロナウイルスの影響に伴う医療機関におけるマスク等の供給状況緊急アンケート」の調査結果を発表した。

マスクの在庫状況は、すでに足りない医療機関が医科診療所で約25%あった。現在足りていても15~30日分しか在庫がないと答えたのは、医科診療所が51.6%、歯科診療所47.2%。病院53.8%で、全体では50.6%と半数以上に上っている。

しかも全体の約8割が入荷時期不明と答え、院長や従業員が開院前や休日にドラッグストアーの前に並んでマスクを買い求めたり、従業員が個人用のマスクを持ち寄って使用しているところもあるという。

手指消毒などに用いるアルコールの在庫状況も、全体の約23%の医療機関が不足に陥っていることが分かった。マスク同様、アルコールも15~30日分しか在庫がない医療機関が全体の55%に達し、全体の75.2%が医療資材全般の入荷時期未定、不足状況を不安視している。

同協会は県内の医師・歯科医師約2100人で構成する。調査対象施設1654件に対し、回答があった施設は615件で、回答率は37.2%だった。

同協会は3日、大井川和彦知事に、県内の医療機関に対し、マスク・衛生材料、消毒用アルコールなどの医療資材について、自治体備蓄分も含め確保を行い、日常診療において適正な感染対策が行えるよう供給することなど、3項目の緊急要請を行っている。

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筑波大、新学期開始延期あるか 五輪対応で難しい選択

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筑波大学正門

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国の大学で新学期の開始時期を数週間から1カ月程度延期する動きが始まっている。すでに入学式の中止を決定した筑波大学はどうなるのか。NEWSつくばの取材に対し大学は、新学期開始時期の延長措置を「検討中」だと回答した。

筑波大は春学期と秋学期の2学期制を導入している。東京オリンピックの時期に授業が行われないようにするため、もともと春学期をおよそ3週間短縮し土曜授業を行う変更措置を行っていた。

首都圏では、東京理科大学が開始を5月に延期することを決定した。その他、早稲田大学や明治学院大なども既に延期の決定をしている。

筑波大も難しい選択を迫られる状況だ。厚労省の専門家会議は、3つの条件が重なる場合に感染リスクが高く、これらの環境を出来る限り避けるべきと発表した。①換気の悪い密閉空間②多くの人が密集③近距離での会話や発声―の3条件だ。大学の授業はこれらの条件が重なることが多いため、授業の開始時期をずらす大学が多い。

しかし、筑波大には開始時期を後ろにずらすことが難しい事情がある。大学は昨年3月にオリンピック期間中に授業や試験を原則行わないと発表。例年よりも3週間ほど春学期を短縮し、代わりに計8回の土曜授業を行う。元々春学期は変則的なスケジュールを組んでいた。

学生の3/4が土曜授業に反対

筑波大の学生組織「全学学類専門学群代表者会議」が2019年10月に行ったアンケートによれば、回答した学生の75%がオリンピックに伴う土曜授業に「反対」している。さらに、筑波大学新聞の調査によれば工学システム学類、情報科学類の2学類は「予習や復習に学生が使う時間が減ることなどを考慮」し土曜授業を行わないことを既に決定している。

オリンピックに伴う土曜授業の決定によって特に大きな影響を受けるのは教職課程の履修者だ。例年、教職課程科目は土曜日に集中講義という形で授業を行う場合が多くあった。特に小学校教諭免許に関わる科目は土曜日に行っていた。

それらの授業は、今年は日曜日と、オリンピックに関わる変更後に空いているいくつかの土曜日に移されたり、春学期の授業を秋学期に移したりすることで対応する。

このような状況の中、新型コロナウイルスの影響でさらに春学期の開始時期を遅らせるとなれば混乱は必至だ。

NEWSつくばの取材に対し、筑波大は春学期の延期措置は「検討中。現時点で公表可能な情報は無い」と回答。オリンピックに関わるカリキュラムの変更を行っている以上は開始時期の延期措置は難しいのではないか、という質問にも「検討中」と回答している。

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【新型コロナ】日本手拭いで手作りマスク ラヂオつくばMC小村悦子さん

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日本手拭いでマスクを制作する小村悦子さん

【伊藤悦子】新型コロナウイルスの影響でマスクが不足しているなか、取手市在住のフリーアナウンサー、小村悦子さん(39)は日本手拭い地からマスクを手作りして、周囲に配っている。制作のきっかけや思いをインタビューした。

喉が潤うフィット感

小村さんはラヂオつくばのMCをはじめ、ナレーターや地域イベントの司会などで活躍中だ。2016年、17年には、つくば観光コンベンション協会のつくば観光大使を務めた。2008年からは、着物地ギターストラップ制作工房『福悦~フクエツ~』で着物地をリメイク、ギターストラップや髪飾りなどを制作する作家としても活動している。

その手作りの原点は「世の中にないものを作る」こと。音楽活動をする夫が使うギターストラップも、髪飾りのシュシュも市販には好みのものがなかった。そこで好きな着物地を使って、制作を始めた。ギターストラップは日本テレビ系列「ぶらり途中下車の旅」でも取材され、人気も高い。

マスク作りを始めたのは、PM2.5(微小粒子状物質)が注目され始めた2013年。アナウンサーという仕事柄、PM2.5や乾燥から喉を守るためにもマスクは必需品だ。しかし市販の不織布マスクは顏にフィットせず、乾燥を防ぐことができなかった。

新婚旅行でベトナムを訪れた際に見た、現地の人が着けていた布マスクを思い出した。そこで日本手拭いでマスクを立体的に作ったところ、フィットして喉が潤うようになったという。購入した人からの評判も良かったが、あくまで個人の感想、医療用途に効果・効能を謳う商品ではない。手がかかるため、その後しばらくは制作を中断していた。

しかし新型コロナの感染拡大により、マスクが不足し始めた。取手の友人たちから「悦ちゃんのマスクの出番が来た」「今こそマスクを作るとき」と連絡が来たそうだ。手作りマスクのことを覚えてくれていた友人がたくさんいたことがうれしかったという。

「卒業式や入学式など楽しみにしていたことが次々と中止になっている今、もしかしたら誰かの役に立てるのかもしれない」と、買い置きの日本手拭いでマスク作りに再び取り掛かった。手がかかる箇所を改善し、ストレスを感じないで早く作れる方法を見つけた。

マスクを作るきっかけには、新型コロナに負けたくないという気持ちもあった。トイレットペーパーや納豆がなくなる様子を見て、「そんなに翻弄されなくてもいいじゃないかと思った」という。

便乗でやっていると誤解されるのではと夫が心配したため、友人限定で手作りマスクをFacebookにアップした。するとたくさんの友人たちから反応があり、注文が来たという。そのときマスクがなくて本当にみんな困っていたのだと実感したそうだ。

「友達がマスクを作って、と言ってくれなければ作らなかったと思う。今なら売れる、というのではなく気に入って使ってもらえたらいいなという気持ち。一度にたくさん作れるものではないので作れる範囲にはなるが、どこかお店に置いてくれるところがあればうれしい」と笑顔で語った。

マスクの表地は日本手拭い、口にあたる部分はダブルガーゼになっている。サイズと価格は大750円、中700円、小650円。小村さん個人から購入する場合は、送料120円が必要。

◆マスクの購入先

・取手駅西口直結リボンとりで 5階スタジオ505(平日10:00〜17:30)問い合わせは電話080-2336-5244

・着物地ギターストラップ制作工房「福悦〜フクエツ〜」のFacebook

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星野リゾート19日開業 土浦駅ビル セレモニーは実施せず

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フロントのロビーに設けられ24時間利用できるたまり場=BEB5

【鈴木宏子】土浦駅ビル(土浦市有明町)、プレイアトレ土浦3~5階に19日、「星野リゾートBEB5(ベブファイブ)土浦」(宮越俊輔総支配人)が開業する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開業セレモニーやイベントは実施せず静かなオープンとなる。

BEB5土浦は若者をターゲットにしたホテルで、同ブランドの開業は軽井沢に次いで全国で2カ所目。若者の旅行離れが進んでいることを背景に、若者の価値観に合わせた新しい旅のスタイルを提案し、需要掘り起こしにチャレンジするホテルとなる。

ホテルの開業により駅ビルを運営するアトレ(東京都渋谷区)が2017年から取り組んできた「日本最大級のサイクリングリゾート」の形が完成する。

一方、新型コロナウイルスの影響で現在の予約状況は、週末は県内や首都圏から、家族連や自転車愛好者などの予約が入っているものの、ビジネス客を見込んでいた平日は影響が出ているという。

愛車をを部屋に飾ることができるサイクルルーム

自由なスタイルでルーズに

土浦駅改札口と直結し、改札口向かいがホテルの入り口となる。駅ビル全体と統一されたガレージのような雰囲気のデザインで、自転車に乗ったまま入ることができる。

フロントのロビーには、さまざまな形のテーブルが置かれ、ゆったり座れるいすやソファーが40~50席並ぶ。24時間利用できる「TAMARIBA(たまりば)」で、本やテーブルゲーム、大画面のテレビなどが備えられている。カフェも併設されているが、飲食物を持ち込むことも自由だ。照明は時間帯によって変化し、星野リゾートならではの空間が演出される。

若者にとって旅行は、かしこまって遠くに出掛ける旅ではなく、日常の先のちょっとした旅行であるという独自の市場調査を基に、仲間と集まって、それぞれがルーズに、自由なスタイルで滞在できるよう、居心地の良い場を提案する。スタッフは20~30代が多く、窮屈感やストレスを感じさせないよう私服で対応する。

平日はビジネス客が仕事、週末は自転車愛好者が修理などに利用できる4階ワークスペース

客室は90室。自転車で入室できる。1人1泊6000円(2人用、税別)から利用でき、全員が29歳以下のグループの場合、3人1室1万2000円(1人4000円、税別)の特別プランも用意ある。

若者のほか、自転車愛好者や、駅直結の立地条件を生かして平日はビジネス客もターゲットとする。

4階には、静かに仕事ができるワークスペースが設置され、平日はビジネス客がリモートワークをしたり、週末は自転車愛好者が自転車を修理したりできる。

宮越俊輔総支配人=3階フロント前

状況踏まえ改めてイベント

一方、新型コロナウイルス対策として客室のドアノブやエレベーターのボタン、フロントのチェックインタッチパネルなどの消毒を1日数回、徹底して実施し、安心して過ごしてもらえるようにする。

新型コロナウイルスの状況を踏まえ、改めてイベントなどを開催する予定だという。サイクリングを初めて経験する自転車ビギナーの若者に、県や土浦市、プレイアトレ土浦などと一緒に、自転車に触れてもらう機会やサイクリングの楽しみを提案したり、大学のゼミなどとの協働イベントなども検討しているという。

宮越総支配人(45)は「県内の近距離の方にも仲間と集まる場所として気軽に利用していただければ」と語り、「地域を盛り上げることも使命としているので、地域と取り組めることがあればコラボしたい」などと話している。

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取り組みの達成度は40% 筑波山地域ジオパーク「再認定」へ難所

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6市と関係機関・団体メンバーを集め開かれた臨時総会=つくば市消防庁舎

【相澤冬樹】筑波山地域ジオパークの「再認定」に向けた作業が、険しい難所に差し掛かっている。直面する課題への取り組みについて、自己評価で達成度を計ったところ、総合評価で40%と合格ラインには程遠かった。特に地質保全については保全計画もなくゼロ評価、6市にまたがる運営体制の構築・強化など山積する課題を前に、勝負の年となる新年度を迎えようとしている。

保全と運営面に大きな課題

厳しい現状認識は、つくば市、土浦市、かすみがうら市、石岡市、笠間市、桜川市の6市からなる筑波山地域ジオパーク推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)が17日開いた臨時総会で報告された。

日本ジオパークは全国に44地域が認定されているが、継続には4年に1度、日本ジオパーク委員会(JGC)の審査を受けなければならない。筑波山地域の審査は20年10~11月に予定されており、5月~9月にかけ審査員による現地審査、現況報告書の作成、新たなアクションプラン(2021~25年)の策定などが予定されている。

同地域は認定を受けた16年の段階で、JGCから13の課題が示されていて、うち9課題は概ね1~2年以内に解決すべき取り組みとされた。地質や景観の見どころとなるジオサイトのデータベース、解説板、ガイドブックの整備や地域振興部会、教育・学術部会の具体的活動での進展などが指摘された。

これらの対応を怠ると、再認定は条件付きとなり、2年後に再審査となる。条件付き再認定はいわゆる「イエローカード」扱い、再審査をパスできないと「レッドカード」となり、認定が取り消される。活動への理解や認識の低さを指摘され、17年に茨城県北ジオパークが取り消しとなった前例がある。

19年度は、全国で再審査の2地域を含む9地域が再認定審査を受け、初審査の7地域中、4地域にイエローカードが出された。この結果に、事務局は緊張感を募らせている。審査時にも提出する自己評価表で課題への対応を洗い出したところ、達成度を示す総合評価は40%にとどまった。再認定審査をパスした地域では66%に達していたことから、いっそうの取り組みが望まれた。

特にジオサイトの地質保全は手つかず状態、地域内にジオサイトは26あるが、個別診断の「カルテ」の作成は行われたものの、データベース化には至っていない。求められた保全計画が策定されていないことから、アクションプランのなかに位置づける考えでいる。

また、運営体制の強化も急がれる。現状、専任職員を置くのはつくば市とかすみがうら市だけで、専門知識を持つ人材を欠いている。つくば市で任期付き専門員の採用計画を進めているが、6市による体制構築のため協議会での専門員雇用も検討課題にあげた。これらは5月に予定する定例総会で、事業計画として決定する。

五十嵐市長は「課題は解決されなくても達成度を示すのが重要。多地域にまたがるジオパークは特に一体的取り組みがポイントになる。広域連携によってイエローカードでなくグリーンカードを目指して進んでいきたい」と協調をアピールした。

【新型コロナ】かすみがうらマラソン中止 土浦

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4月19日開催の看板が掲げられているかすみがうらマラソンのスタート地点付近=土浦市川口

【鈴木宏子】かすみがうらマラソン大会実行委員会(会長・安藤真理子土浦市長)は17日、4月19日開催予定の第30回記念かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン2020(同実行委、土浦市など主催)を中止すると発表した。

2万人を超えるランナーや約4000人いるボランティアの感染拡大リスクを排除できないためという。中止は東日本大震災が発生した2011年の第21回大会以来2回目。

事務局の市スポーツ振興課によると、テントを立てて設置する更衣室が閉鎖された空間になってしまうこと、さらに約4000人のボランティア全員に配布するマスクの入手が見込めないことなどから中止を判断したという。

大会実行委では、2月半ばごろから感染症対策について検討してきた。大会まであと1カ月に迫ったことから16日夕方、会長、副会長らによる臨時会議を開き中止を決めた。

3月1日の東京マラソンのほか全国でマラソン大会が中止になっていることから同課にはこれまで、多くて1日10件ほどの問い合わせがあり、ランナーからは「開催すべき」、一般市民からは「開催されると不安」だなどの意見が寄せられていた。

30回記念の今年の大会には、昨年とほぼ同数の2万558人が出場する予定だった。出場予定者にはメールまたははがきで中止の連絡をする。

出場予定者は、一般の部フルマラソンが7000円、10マイルが5500円、5キロが3500円の参加費をすでに支払っているが、規定により返金は行わない。一方、30回記念のオリジナルエコバッグと参加賞(大会オリジナルアームポーチまたは地元名産品)などを後日発送するという。

同実行委会長の安藤市長は「感染症対策を講じた上での開催の可能性を模索してきた。中止は断腸の思いだが、健康を第一に考えた結果」だとするコメントを出し理解を求めた。

「予想していた」「残念」

中止決定に、ランナーや地元からは「予想していた」「残念だ」などの声が上がる。

フルマラソンに出場予定だったつくば市の会社員、橋本ひとみさん(38)は「17日に発表があるので気になって2、3日前からホームぺージを見ていた。残念だが、全国でももっと小規模な大会が中止になっているので予想はしていた。かすみがうら市の沿道では(ランナーに提供するため)前の年から梅干しやラッキョウなどを作って準備してくれるボランティアがおり、とても残念がっているのではと思う」と話す。

霞ケ浦で遊覧船を運行するラクスマリーナは、土浦入り対岸のかすみがうら市、歩崎公園湖岸に3月末、桟橋が完成することから、マラソン大会に合わせて4月19日、土浦と歩崎を結ぶ新航路を就航し、マラソンと同日開催される「かすみがうらウオーキング」の参加者を土浦から歩崎に運ぶ予定だった。さらに同マリーナ敷地内で天然温泉が湧き、ゴール地点のJ:COMスタジアム(川口運動公園)に隣接していることから、毎年ゴールしたランナーらに無料の足湯を提供してきた。秋元昭臣専務は「歩崎までの新しい航路を知ってもらったり、温泉をPRするいい機会だったのに残念」と語る。

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【新型コロナ】「自宅待機、賃金は」 連合茨城に切実な声

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第2弾に入った新型コロナウイルスに伴う緊急労働相談=連合茨城提供

【山崎実】「4月1日付けで雇用契約解除の通知を受けた。3月上旬からは自宅待機。その間は有給を使うように言われた。賃金はもらえないのか」―。連合茨城(水戸市)が今月4日から7日まで行った新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う緊急労働相談(第1弾)では、生活に直結した切実な声が寄せられた。

相談件数は27件で、相談者は正社員、パート、契約社員各7人など。相談内容は、会社都合の休業に対する賃金補償が9件、学校の休校に伴う賃金・有給休暇が5件、解雇の相談も2件あった。

具体的には「パートでスポーツ施設の清掃作業をしている。会社から『コロナの関係で3月いっぱい休みにする』と言われたが、賃金は補償されるのか」「契約社員としてスポーツジムのインストラクターをしている。ジムから文書で『コロナによる休館中は賃金の支払いはできない』と通告された。これでは生活ができない」

「契約社員として日給でスクールバスの介助員をしている。学校が休みになってしまった。雇用契約書には『休日は学校の休みに準ずる』とあるが、今回の場合は何ももらえないのか」「嘱託でスクールバスの運転手をしている。突然休校になったので仕事がなくなった」

「飲食店でアルバイトをしている。店長からキャンセルが続いているのでしばらく休んでほしいと言われた。生活もあるので困っている」ーなど、ほとんどが切羽詰まった相談ばかりだった。

連合茨城はこれらの実態を背景に、新型コロナウイルスに伴う休業を東日本大震災と同様に不可抗力とみるのか、会社都合なのか早急にはっきりさせることが必要だとし、政府に対し「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」に該当しない労働者に対する直接支給制度や、助成制度の創設を働き掛けるべきだと、県や厚労省茨城労働局に要請する方針だ。

31日まで緊急相談第2弾

連合茨城は31日まで緊急労働相談の第2弾を行う。時間は朝9時から夕方5時30分まで。フリーダイヤル0120-154-052。問い合わせは電話029-231-2020(連合茨城、担当・川城さおりさん)。

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科学技術ファーストに違和感 つくば市議会 中心市街地戦略で提言へ

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つくば市中心市街地のつくばセンタービル

【鈴木宏子】つくば市が2月に公表した「中心市街地まちづくり戦略(つくば駅周辺基本方針)」案に対し、市議会が「4つの基本方針の最初に科学技術に関することが掲げられているのは違和感がある」などとして、市に対し、優先順位の見直しなどを求める異例の提言を出す。16日開かれた市議会つくば中心市街地まちづくり調査特別委員会(小野泰宏委員長)で全会一致で決めた。

市の戦略案は基本方針の1番目に「まちづくりの課題を科学技術で解決する世界のモデルとなるまちづくり」を掲げている。さらに市は市議会に、ベンチャー企業を支援するイノベーション施設などをつくばセンタービルに整備するリニューアル案や、つくば駅周辺のエリアマネジメント団体(まちづくり会社)を設立する案などを示し(3月9日付)、3月議会に関連予算を提案している。

一方、市議会はもともと昨年12月に、同調査特別委がまとめた中間報告を市に提言していた。同中間報告は、中心市街地が目指す方向として「歩いてほっとする場所のある、誰にでもやさしいまちなか」を掲げ、魅力あるイベントや天候に左右されない環境づくりのため、施設や場所の使用規則、許可、禁止などのルールに柔軟性を持たせることが必要だなどと提言していた。

市民が求めるサードプレイス

市による進め方に対し、今回の異例といえる市議会の提言は、中心市街地のまちづくりについて「科学技術よりも市民が望むサードプレイス(自宅や職場とは別の第3の心地よい居場所)的内容を優先すべき」だとし、市が同戦略案で掲げた基本方針の順番を変更するよう求めている。

具体的には、市の戦略案で基本方針の4番目に書かれている「つくば駅周辺だけでなく、市全体の活力が生み出されるまちづくり」の重点戦略である「同駅周辺の集客を市内周辺部のにぎわいにつなぐ」ことや、「同駅周辺の都市機能集積による市民サービスの向上」が、市民が中心市街地に求めている内容だと指摘する。

その上で、市の戦略案の基本方針の1番目「まちづくりの課題を科学技術で解決する世界のモデルとなるまちづくり」を3番目に変更して、1番目は「駅周辺だけでなく市全体の活力が生み出されるまちづくり」(市の戦略案では4番目)とするよう求めている。

ほかに、市の戦略案の中に示され、3月議会に設立のための予算が提案されたプロジェクトの一つ「エリアマネジメント団体設立による官民連携のまちづくりの推進」について、商業施設と公共施設、事業者と行政の連携についてこれまでの取り組みを検証し課題を整理する必要があるとし、互いのつながりを強くし、より情報共有を図って足並みをそろえていく場づくりや、連携した取り組みなどを求めている。

適時説明し意見交換を

さらに今後の進め方についても、市が戦略を具体化するための計画を策定したり推進する場合は、適時、同調査特別委に説明して意見交換の機会を持つよう求め、加えて市民、中心市街地居住者、各施設の利用者や中高生などのニーズをしっかり聞き取って進めるようくぎを刺している。

今回の提言は、3月議会最終日の19日に、本会議終了後、神谷大蔵議長らが五十嵐立青市長に提出する予定という。

市議会同調査特別委はもともと3月に最終報告をまとめる予定だったが、今回の提言にのっとって4月以降も調査を継続する。

異例の提言について小野委員長は「今回は議会としてまとまって提言を出すことに意義がある。議会の役割は議事、チェック、政策提言だと思っている。市民の代表として市民の考えを伺い、政策提言にもっていきたい」と話している。

【新型コロナ】子供たちに緊急食糧支援 フードバンク茨城

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フードバンク茨城のきずなボックス㊧と表記される文面

【山崎実】新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う学校の臨時休校と春休みで、長期間の休みが続くことから、十分な栄養が摂れないことによる子供たちの健康状態の悪化が懸念されるとして、NPO法人フードバンク茨城(本部・牛久市、大野覚理事長)は、食の支援として「2020年春休み 緊急子ども支援プロジェクト」を実施することになり、協力を呼び掛けている。

生活困窮世帯の子供の学習支援事業を実施しているNPOなどの団体を通して食糧支援を行う。就学援助などを受けている県内の子供のいる家庭200世帯が支援対象。

支援を呼び掛ける食品は、賞味期限が長いロングライフパン、カップ麺、缶詰(手で空けられるもの)、レトルト食品、ソーセージ、ふりかけ、菓子など。子供が一人でも食べられるものや、お米(精米)など賞味期限が4月末まであるもの。ほかに寄付金での支援も受け付けている。

17日に食品の収集と集荷、18日に箱詰め作業の準備、19日に食品の箱詰め、配送を行う。準備作業は水戸市梅香の県JA会館本部で実施する。

支援プロジェクトに対する問い合わせは、フードバンク茨城(牛久市牛久町、パルシステム茨城・栃木うしくセンター内、電話・FAX 029-874-3001)、または県生活協同組合連合会(水戸市梅香・県JA会館分館、電話029-226-8487、FAX 029-224-1842)。

親子2代で県内最大に つくばのナメコ生産者

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なめこを手際よく切り落とす従業員

【大山茂】みそ汁で豆腐と相性バツグンの具材、ナメコに魅せられて、親子2代にわたり栽培を続けている人がつくば市にいる。同市中別府の鈴木きのこ園代表、鈴木繁男さん(41)。気が付けば県内最大規模の生産者になっていた。

培養室でなめこの品質をチェックする鈴木繁男さん

ファームは市西部、東光台団地から上郷方面を結ぶアグリロード沿いにある。ファームにお邪魔すると、頑丈な鉄骨組みの建物が目に飛び込む。内部には空調が管理された培養室や作業室がそろう。原木栽培ではなく、菌床を使った施設空調型の栽培ハウスだ。

きのこ園では広葉樹のおがくずを菌床として瓶に詰めて、高温、高圧殺菌する。瓶に詰めたり、殺菌するなどの工程は専用の機械が行う。殺菌後に種菌(たねきん)を植え込み、培養室で一定の温度と湿度を保ちながら管理すると、2カ月で収穫できる。

同園に種菌を納入する宮城県の業者によると、自然林のナメコ菌を育種したもので、ぬめりが強く傘が大きいのが特徴という。

培養室には菌床が詰め込まれた800ccのプラスチックボトルが棚に無数に並べられ、口元からナメコがぎっしりと顔を出している。別室では4、5人のパート従業員たちが、はさみを手に大きく育ったナメコを器用な手つきで切り落としている。処理する数は1日に平均4500個。四季を通じて収穫している。切り落とされたナメコはその場でふるいにかけられ、サイズ別に袋詰めされていく。

出荷先は全国で宅配を展開する生活協同組合パルシステム。出荷量の約8割を占めており、残りを地元の野菜直売所やスーパーの産直コーナーで販売している。パスシステムの話ではナメコはJAつくば市谷田部の倉庫を経由して新治と岩槻(埼玉)、相模原(神奈川)の物流センターに運ばれ、関東一円に宅配されるという。

冬の副業、気付いたら1人

県林政課のデータによれば2018年度のナメコ生産量は163トン。県内には栽培農家が20戸あるが、ほとんどが県北地域で、県南地域は鈴木きのこ園だけ。しかもその県内生産量の9割を占めている。

そもそも、ナメコ栽培は父親の栄さん(66)が40年前に農家の冬期の副業として知人ら数人と始めた。しかし発泡スチロールにオガクズを敷いただけの栽培方法では病気に侵されたり、大きく育たないなど困難に直面。気付いたら栄さん1人になっていた。

パルシステムから契約栽培の話が持ち込まれたのは20年前。設備投資が高額だったことから悩んだが、当時20歳の繁男さんが「一緒にやろう」と背中を押してくれたことで一歩を踏み出した。繁男さんはJA産直部会のエコファーマー認定取得者。「安全でおいしいなめこを今後も食卓に届けていきたい」と話している。

【新型コロナ】臨時休館の公共施設増える 土浦市立図書館も9日から

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閉館中の図書館

【伊藤悦子】新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、土浦市立図書館(同市大和町)が9日から3月末まで分館を含めたすべての図書館を休館にした。県図書館協会によると、臨時休館となった図書館は増え、県内66館のうち30館が臨時休館になっている(10日時点)。イベントの自粛にとどまらず、休館に踏み切る公共施設が増えている。

土浦市立図書館の入沢弘子館長は「公共施設の中でも市立図書館は駅に近く、駅前のにぎわいをつくる機能もあるため、多世代にわたる来館者が非常に多い。また滞在型図書館であることから感染リスクも高まる」と休館の理由を説明し、理解を求める。

同館は単館として県内一の来館者があり1日約1800人が訪れる。土浦市は水戸市に次いで高校の数が多いため高校生の利用が多いことも特徴だ。さらに来館者がゆっくり過ごせる「滞在型」であるため多くの来館者が長時間滞在する。

新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に対し、土浦市は県内他市町村に先駆けて2月21日、市主催イベントの開催基準を定め、公表した。市立図書館では当初、不特定多数が閉鎖された空間に集まる館内イベントのお話し会を中止した。その後3月2日から高校が、4日から小中学校が臨時休校になったことを受けて、図書館は4日から高校生が集まる4階の学習スペースと飲食コーナーだけを閉鎖した。

するとこれまで4階を利用していた高校生らが3階、2階に降りてきて勉強をするようになった。4階閉鎖後も来館者数は変わらず、かえって人が密集する状態になったため休館の検討を始めた。

当初は分館を開館することを検討したが、本館を休館すると来館者が分館に流れてしまうことを懸念し、分館も閉館にも踏み切ったという。

入沢館長は「図書館本来の使命を果たさないのか、という意見もあるかと思う」と話し「駅前のにぎわいをつくる機能もある滞在型図書館で、たくさんの人が長時間滞在する。感染リスクを考えるとお叱り覚悟で臨時休館を決めた」と語った。

休館について利用者からメールで問い合わせは入るが、事情を話すと理解してくれるという。臨時休館が始まった10日の朝は、開館前から入り口で待つ来館者はなかった。休館を知らせるポスターを見て引き返す人がいたものの、混乱は起きていないという。

閉館前日の8日、同館を訪れた同市小岩田に住む女子高校生(17)は「図書館は集中しやすい。勉強する空間がなくなるので困るが、家でなんとか頑張りたい」と話していた。

「再び開館するときはピカピカに」

休館中も職員は平常通り業務にあたる。傷んだ図書の修理など、普段なかなかできなかった作業を行うという。「再び開館するときはピカピカの状態になっていると思う。状況が変わり次第、ホームぺージなどにお知らせを出し、入り口にポスターを貼るので確認していただきたい」と入沢館長は話す。

貸出予約を受けた資料は、連絡済みの予約資料のみ15日までなら受け取ることができる。16日以降は貸出しないが、開館後、再度連絡する。貸出中の資料は図書館開館後、1週間をめどに返却してもらう。休館中は、各図書館や各地区公民館に設置している返却ポストを利用できる。他館の資料、相互貸借資料については相手館への返却のため、返却期限内の返却が必要だ。アルカスや各分館の窓口で対応してくれる。詳しくは同図書館の土浦市立図書館のホームぺージ

◆土浦市内のほかの公共施設休館は次の通り(14日現在)。状況によって変更になることがある。休館中の使用料は返金する。詳しくは土浦市ホームぺージ

▽りんりんポート土浦のシャワー室=2日から当面の間休止
▽勤労者総合福祉センターのトレーニング室=2日から当面の間休止
▽温浴施設「霞浦の湯」=2日から大ホール貸出を除き当面の間休止
▽老人福祉センター・湖畔荘のお風呂=2日から当面の間休止
▽老人福祉センター・つわぶきのお風呂=2日から当面の間休止
▽ふれあいセンター・ながみねのお風呂・プール=2日から当面の間休止。11日から開館時間を午後6時までに短縮
▽新治総合福祉センターのお風呂=2日から当面の間休止
▽小中学校体育館開放事業=2日~4月5日まで休止
▽ワークヒル土浦のトレーニング室、多目的ホール・工芸室の個人利用(卓球・ダンス等)=3日から休止
▽ネイチャーセンター=16日から当面の間休館
▽霞ケ浦文化体育会館(水郷体育館)=17日から当面の間休館。会議室を除く。トレーニング室は2日から利用休止
▽新治トレーニングセンター=17日から当面の間休館
▽市立武道館=17日から当面の間休館。弓道場を除く。

◆つくば市公共施設の休館状況は次の通り(14日時点)。状況によって変更になることがある。感染拡大防止のため交流センターなどの使用をキャンセルした場合、使用料を返金する。詳しくはつくば市ホームぺージ

▽桜総合体育館の柔剣道場=4日から18日まで利用休止
▽谷田部総合体育館の柔剣道場=4日から18日まで利用休止
▽筑波総合体育館の柔剣道場=4日から18日まで利用休止
▽豊里柔剣道場=4日から18日まで利用休止
▽つくばウェルネスパークのトレーニングルーム=3日から当面の間、利用休止
▽桜総合体育館のトレーニングルーム=3日から当面の間、利用休止
▽谷田部総合体育館のトレーニングルーム=3日から当面の間、利用休止

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【新型コロナ】今度は入学式を中止 筑波大

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筑波大学正門

【山口和紀】新型コロナウイルスの感染拡大を受けて筑波大学は13日、卒業式の大幅縮小(3月10日付)に続き今度は、4月の入学式を中止すると発表した。

同大は「新入生にとってかけがえのない行事を中止することは大変心苦しい決断だが、学生の健康と安全確保を第一に考え結論に至った」として理解を求めている。

入学式は4月5日に予定され、大学と大学院合わせて計約4700人が出席する予定だった。

新入生の大学での授業開始は8日、その前の5~7日には履修する授業の説明などをするオリエンテーションを実施する予定だ。大学院は5~6日にオリエンテーションを実施、7日から授業開始予定だが、同大はオリエンテーションや2020年度の授業スケジュールについては後日改めて新入生に通知するとしている。

新歓も中止、上級生は「ツイッター新歓」検討

入学式終了後は例年、サークルや部活動など各団体の上級生が、新入生に紹介チラシを配る「新入生歓迎祭(新歓祭)」が実施される。同大は学生に対し、現在予定されている新入生歓迎活動、特に「ご飯会」を含む集会活動の延期や中止を要請した。

これを受けて、新歓を取りまとめる新入生歓迎祭推進委員会は新年度新歓祭の本祭中止を決定した。さらに体育会、文化系サークル連合、芸術系サークル連合の3連合会も合同新歓の中止を決定した。サークル各団体も新歓を中止・延期するかどうか、現在、判断を迫られている状況だ。

文化系サークルの新歓担当者の1人は「今年は『ご飯会』を全面的に中止する。ワークショップなどを準備してきたが、どこかのタイミングで出来ないか考えている」と話し、「メジャーなサークルはオンライン新歓が有効かもしれないが、うちのような“弱小”サークルはどのように人を集めれば良いか悩ましい」と語った。

同大はツイッターをはじめとするSNSが盛んだ。新歓の中止要請を受け、複数の団体が「ツイッターで発信を強化する」と書き込んでいる。名古屋大学など他大学ではオンライン新歓をする動きもある。リモートワークならぬリモート新歓として「ツイッター新歓」や「VR(バーチャルリアリティー)新歓」が今年のトレンドになるのかもしれない。

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【新型コロナ】ホテル・旅館宿泊者に最高7000円補助 全国初、つくば市が緊急対策

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13日開かれたつくば市議会本会議=市役所

【鈴木宏子】新型コロナウイルス感染拡大の影響で、つくば市内のホテルや旅館も団体客のキャンセルが増えているのを受けて、同市は、市内のホテルや旅館の宿泊者に最高7000円を補助する方針を決めた。

13日開いた3月議会本会議に、計約9000万円の緊急対策費を追加提案した。宿泊費を1人1泊最高5000円割り引くほか、宿泊者に市内で飲食できる2000円の食事券を交付する。計約9000万円の予算のうち宿泊費補助は約5300万円、食事券交付は約3600万円。市によると市町村がホテルや旅館に補助するのは全国で初めてではないかという。

補助額は、1人1泊1万円以上(食事代含む)の宿泊者に対し1泊当たり5000円、1泊6000円以上1万円未満が3000円、1泊6000未満は1000円とすることを検討している。食事券の交付も含め、ホテルや旅館の窓口で手続きができるようにする。

市外からの来訪者だけでなく市民にも利用を呼び掛け、2カ月間で1日約290人が割引を利用できる分の予算を計上する。ただし食事券の利用はチェーン店などは対象外で、市内に本社がある飲食店に限定する。

市によると、市観光コンベンション協会が市内のホテルや旅館32施設を対象に3月に実施した調査の結果、回答があった18施設で、4~5月の予約状況が全体で前年同期比3割程度だった。1割に満たない施設もあったという。市の補助により宿泊客を2カ月で約1万7700人増やし、例年並みの利用に戻したい意向だ。

実施時期は、現在、国がイベントの自粛を要請していることなどから、すぐにはスタートできないとして、国の方針を見ながら時期を決めていくという。ただしいつでもスタートできるよう準備を進める。3月議会で議決されれば3月下旬にもホテルや旅館を対象に説明会を開き、手続きを進める。

他業種も調査し対策を

一方、同予算を審議する市議会市民経済員会(黒田健祐委員長)では、ホテルや旅館だけでなく、他にも様々な業種で売り上げが落ち込んでいるとして、他業種も含めて幅広く調査し、対策をとるよう求める声が多く上がった。

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