火曜日, 3月 19, 2024
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土浦駅ビル -検索結果

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新治本店を復活させる 土浦駅ビル内の佐藤酒店4代目【キーパーソン】

土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」2階。書店、焼き芋店、どら焼き店、パン店が並ぶフロアーに、軽く飲食もできる酒類販売店がある。土浦市新治地区の商業施設にも出店していた佐藤酒店だ。29歳の4代目店主、佐藤栄介さんが、長く閉めていた本店(新治地区沢辺)を近くリニューアル開店させると知り、若い店主に酒屋への思いを聞いた。 「土浦小町」「土浦梅酒」が並ぶ アトレ店では、茨城県内で造られる日本酒、焼酎、クラフトビール、ワイン、リキュール、つまみ類だけを販売しており、全国ブランドの酒類は扱っていない。酒は売るだけでなく、レジを別にしたスタンドで飲めるようにしてある。JR常磐線利用者の「軽く一杯」には好都合で、書店や和菓子店などと同居する面白い空間だ。「もっと飲みたい」客には、駅周辺の店を紹介する。 「アトレ店を開いたのは2019年12月。駅ビルに星野リゾートBEB5土浦がプレオープンする半年前だ。星野を核にアトレをサイクリングリゾートの拠点にしようと企画するJR(アトレを経営)、茨城県(自転車観光を振興)、土浦市(駅周辺商業を振興)から『茨城の酒を売る店も入れたい』とオファーがあり、引き受けた。JR・県・市の狙いと、うちが大事にしている地元酒が合致したからだ」 店には、土浦市農業公社が主導して商品化したそば焼酎「土浦小町」(消費税込み1500円)も置いている。佐藤酒店の本店がある新治地区の「常陸秋そば」を使い、水戸の酒蔵に造ってもらった焼酎だ。「小町の里」は新治地区の観光スポット。新治産の梅を使い、つくば市の稲葉酒造に製造を頼んだ「土浦梅酒」(同1980円)も並ぶ。 商業施設店を閉め、2店舗を維持 佐藤酒店は、曾祖父豊一郎氏が1948年、旧新治村沢辺の県道つくば千代田線沿いに創業。同村大畑にショッピングセンター「さん・あぴお」がオープンした1993年、同施設内に2号店を出した。2004年、沢辺の本店を閉め、駅ビルに出店するまでは「さん・あぴお」店だけを営業してきた。 しかし、本サイトの記事「専門店街運営の商業協同組合が破産 土浦の『さん・あぴお』」(11月22日掲載)にもあるように、新治商業協同組合の行き詰まりに伴い「さん・あぴお」店を閉め、長く閉じていた沢辺の本店を12月に復活させ、2店舗体制を維持する。 商業協同組合立ち上げに奔走したのが、祖父忠氏。「さん・あぴお」店を切り盛りしたのが、父豊栄氏。4代目栄介さんは、アトレ店を軌道に乗せ、以前から本店再生構想を温めてきた。「リニューアル店は、駅ビル店を経営する有限会社サトウとは別の会社が担当する。父の名が入る株式会社豊栄をすでに立ち上げた」 4代目は、「さん・あぴお」店閉店にめげず、佐藤酒店発祥の地、沢辺本店を復活させ、新しい展開を考えている。 【さとう・えいすけ】県立土浦湖北高卒。2021年、東洋大学法学部を中退、家業の佐藤酒店(法人名は有限会社サトウ)に戻り、専務。父の後を継ぎ、22年11月から社長。初代豊一郎氏は新治商工会会長、2代忠氏は同会副会長、3代豊栄氏は同会青年部長。1993年、旧新治村沢辺(本店所在地)生まれ、同所に在住。 【インタビュー後記】私が好きな地元日本酒は浦里酒造店(つくば市)の「霧筑波」。料理屋では置いてあるかどうか必ず聞く。家では「剣菱」の清酒(旧2級酒)。ウイスキー類は米産バーボン「ワイルドターキー 8年」。ビールはサッポロの「黒ラベル」。ワインはチリ産の安物。焼酎はあまり飲まない。友人からもらった「土浦小町」はまだ飾ってある。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

「音楽のある風景つくりたい」ギタリスト木村大さん 土浦駅ビルに教室開校

国内外から注目を集めるクラシックギターのトッププレーヤーで土浦出身の木村大さん(40)が、音楽教室「木村大Music Lab.(ミュージック・ラボ、通称キムラボ)」を土浦駅ビル「プレイアトレ」(土浦市有明町)3階に10日開校する。 木村さんの父親でギタリストの義輝さん主宰の木村ギター音楽院(美浦村)の分院となる。クラシックギターのほかアコースティックギター、ウクレレ、ボーカル、作詞作曲などを6人のプロ講師が教える。木村さんは子どもたちの指導をする。 木村さんは父親からギターを学び、14歳の時、東京国際ギターコンクールで優勝、17歳でCDデビューした。2002年英国王立音楽院に留学。テレビ番組にも多数出演し、これまで10枚のアルバムを発表するなど実力派だ。 考える時間たくさん取れた 開校のきっかけは、昨年開かれた市立図書館(同市大和町)での無料の演奏イベントだった。100人の定員がわずか2日で満席になり、「生まれ育った土浦に、自分が何かできることはないか」と考え始めた。 コロナ禍、新たなライブ活動はできず、その分アルバム作りや「自分が土浦にできること」について考える時間をたくさん取ることができたこともある。 コロナ前から漠然と持っていた「土浦駅にギターケースを持って歩く人を増やしたい、音楽のある風景をつくれたら」という思いが明確になった。「自分ができるのは、音楽を土浦の人たちのライフスタイルに提供することだ」と開校を決意したという。 木村さんは「気軽に立ち寄ってもらい、教室をきっかけに音楽に触れる人を増やしたい」と話し、「子どもたちの安全基地として、大人のたまり場としての役割を担っていけたらうれしい」と話す。 合唱すらできない 県内の中学の音楽授業にも、教室を役立てたい思いがある。木村さんは茨城県から依頼を受け、3年前からつくば市や大洗町などでギターの指導を行っている。中学校に赴いた際、コロナ感染予防のため合唱すらできない子どもたちを目の当たりにした。 木村さんは「子どもたちの成長を音楽を通じてサポートしたい。10年後、15年後、自信を持って学校や社会に出る手伝いができたら」と話す。 中学ではクラシックギターが授業の課題にあるものの、教えられる人材が少ない。中学生にギターを教えられる人材を教室から輩出できたらとも考えている。 4歳から100歳まで 教室のコンセプトは「4歳から100歳まで」。あらゆる年齢層に音楽を楽しんでもらいたいという思いだ。ギターやウクレレなど木でできた楽器は、使えば使うほど成長し続けて音に深みが出てくると木村さん。「楽器と一緒に成長してもらえたら」という。 オープンを前に5月からスタートした無料体験教室には、2歳から80代が訪れた。弟の祐さんに30分間指導を受けた龍ケ崎市の三ツ木正一さん(77)は「生まれて初めてギターを弾いた。楽しかった。達成感を得ながら楽しんでいきたい」と笑顔で語った。(伊藤悦子) ◆木村大Music Lab.の問い合わせはTEL 029-821-0544 または携帯090-5373-8553(野田さん)

カップ1.5杯分「朝の元気」注ぐ 土浦駅ビルでコーヒーを無料提供

【伊藤悦子】土浦駅を利用する通勤客に、毎朝無料でコーヒーを提供しているお店がある。駅ビル「プレイアトレ土浦」(土浦市有明町)3階、ステーションロビーのカフェ「SLOW JET COFFEE Cookie(スロージェットコーヒークッキー)」によるふるまいだ。 マイボトルの持参者に 朝7時から9時まで、駅に直結する店の前に店員が立ち、マイボトルを持参した人にカップ1.5杯分のコーヒーを注いでくれる。5月6日まで行う予定。ステーションロビーの “雲の上はいつも晴れ”活動の企画だ。「雨が降っても雪が降っても、雲の上は青空が広がっている。どんな状況でも、心が晴れて安らぐ日が訪れる」との格言から採られた活動だ。 企画を考えたのは、ステーションロビーを運営するSUUM&Co.(スームアンドコー)(東京都台東区)の代表取締役、坂本修武さん(38)。 「新型コロナウイルス感染拡大の影響で自粛などが続くなか、お店で働く人も利用する人も不安でやり場のない思いを抱えている。それでも仕事に行かなくてはいけない人がいる」と坂本さん。そうした人たちに向けて、「食」を提供する場、そして「駅」という機能を生かし自分たちにできることはないかと考えたのが、通勤者たちへのコーヒー提供だという。 外出自粛の話が出てきた3月の半ばには企画を考え、特に告知はせず2日からスタートした。「何度か前を通って、今日はマイボトルを持ってきた」「職場の人に聞いた」など、徐々に利用者は増えていき、14日は約50人程度の利用者があった。 坂本さんは「朝、家を出る時に嫌だなと思っても、コーヒーをもらおうとボトルをバッグに入れる準備をするだけで、ちょっとした楽しみの1つになるのでは」と言い、利用者には「行ってらっしゃい」と声をかける。明るい気持ちになれたのか、「ありがとう、頑張ってください」と応じてもらえるのがうれしいそうだ。 14日の朝、仕事で荒川沖駅から来た男性(27)は「コーヒーをもらうのは今日で2回目。こういった活動は珍しい。新型コロナウイルスのことでいろいろ頑張っている人に対してやってくれている。コーヒーもおいしいし、いい試みだと思う」と笑顔で話した。 食事のデリバリーや料理教室も ステーションロビーの“雲の上はいつも晴れ“活動では、洋食や中華メニューを家庭に届ける食事のデリバリーも始めた。デリバリーは、必要なものがあればコンビニエンスストアに寄って買い物もしてきてくれるオプション付き。今後はインスタグラムのライブ機能を利用した料理教室も予定しているという。 問い合わせはプレイアトレ土浦内ステーションロビー(電話029-825-7716)

星野リゾート19日開業 土浦駅ビル セレモニーは実施せず

【鈴木宏子】土浦駅ビル(土浦市有明町)、プレイアトレ土浦3~5階に19日、「星野リゾートBEB5(ベブファイブ)土浦」(宮越俊輔総支配人)が開業する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開業セレモニーやイベントは実施せず静かなオープンとなる。 BEB5土浦は若者をターゲットにしたホテルで、同ブランドの開業は軽井沢に次いで全国で2カ所目。若者の旅行離れが進んでいることを背景に、若者の価値観に合わせた新しい旅のスタイルを提案し、需要掘り起こしにチャレンジするホテルとなる。 ホテルの開業により駅ビルを運営するアトレ(東京都渋谷区)が2017年から取り組んできた「日本最大級のサイクリングリゾート」の形が完成する。 一方、新型コロナウイルスの影響で現在の予約状況は、週末は県内や首都圏から、家族連や自転車愛好者などの予約が入っているものの、ビジネス客を見込んでいた平日は影響が出ているという。 自由なスタイルでルーズに 土浦駅改札口と直結し、改札口向かいがホテルの入り口となる。駅ビル全体と統一されたガレージのような雰囲気のデザインで、自転車に乗ったまま入ることができる。 フロントのロビーには、さまざまな形のテーブルが置かれ、ゆったり座れるいすやソファーが40~50席並ぶ。24時間利用できる「TAMARIBA(たまりば)」で、本やテーブルゲーム、大画面のテレビなどが備えられている。カフェも併設されているが、飲食物を持ち込むことも自由だ。照明は時間帯によって変化し、星野リゾートならではの空間が演出される。 若者にとって旅行は、かしこまって遠くに出掛ける旅ではなく、日常の先のちょっとした旅行であるという独自の市場調査を基に、仲間と集まって、それぞれがルーズに、自由なスタイルで滞在できるよう、居心地の良い場を提案する。スタッフは20~30代が多く、窮屈感やストレスを感じさせないよう私服で対応する。 客室は90室。自転車で入室できる。1人1泊6000円(2人用、税別)から利用でき、全員が29歳以下のグループの場合、3人1室1万2000円(1人4000円、税別)の特別プランも用意ある。 若者のほか、自転車愛好者や、駅直結の立地条件を生かして平日はビジネス客もターゲットとする。 4階には、静かに仕事ができるワークスペースが設置され、平日はビジネス客がリモートワークをしたり、週末は自転車愛好者が自転車を修理したりできる。 状況踏まえ改めてイベント 一方、新型コロナウイルス対策として客室のドアノブやエレベーターのボタン、フロントのチェックインタッチパネルなどの消毒を1日数回、徹底して実施し、安心して過ごしてもらえるようにする。 新型コロナウイルスの状況を踏まえ、改めてイベントなどを開催する予定だという。サイクリングを初めて経験する自転車ビギナーの若者に、県や土浦市、プレイアトレ土浦などと一緒に、自転車に触れてもらう機会やサイクリングの楽しみを提案したり、大学のゼミなどとの協働イベントなども検討しているという。 宮越総支配人(45)は「県内の近距離の方にも仲間と集まる場所として気軽に利用していただければ」と語り、「地域を盛り上げることも使命としているので、地域と取り組めることがあればコラボしたい」などと話している。 ➡土浦駅ビルの過去記事はこちら

土浦駅ビルに星野リゾート 来年3月、ホテル開業

【鈴木宏子】土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」を運営するアトレ(東京都渋谷区、一ノ瀬俊郎社長)は30日、星野リゾート(長野県軽井沢町、星野佳路代表)によるサイクリングを楽しむためのホテル「星野リゾートBEB5(ベブファイブ)土浦」を来年3月19日、同駅ビル3~5階に開業すると発表した。 全90室、1泊6000円から宿泊できるカジュアルなホテルで、自転車に乗ったままチェックインやチェックアウト、入室ができる。アクティブな若者たちをターゲットにした「星野リゾートBEB5」ブランドのホテルは軽井沢に続いて2カ所目になる。土浦駅ビルは第1弾としてサイクリング拠点「りんりんスクエア土浦」(2018年3月オープン)、第2弾はレストランゾーン(19年4月)、第3弾は体験型書店と地元フードショップ(同5月)を次々にオープンさせてきた。ホテルは第4弾となり、ホテル開業により「日本最大級のサイクリングリゾート」が誕生する。 30日、東京駅(東京都千代田区)にある東京ステーションホテルで、アトレの一ノ瀬社長、星野リゾートの星野代表と、大井川和彦知事が記者会見し発表した。大井川知事は同ホテルを県の宿泊施設立地促進事業の第1号に認定した。最大10億円を補助して茨城の魅力を発信する宿泊施設を誘致する事業で、今回は約1億円を補助する。 「35歳以下をえこひいきする」 「BEB5土浦」について星野代表は「35歳以下をえこひいきする」と強調した。その戦略と背景について、日本では外国人観光客が年々増えているのに対し、日本人による国内旅行が減少しているために全体の旅行需要が減少していると危機感を話した。主な要因は日本の若者の旅行参加率が低下していることにあると分析し、「10年、20年後の旅行業を支えるためにはインバウンドと同じくらい日本の若い人の旅行が大切だ」と強調した。 土浦駅ビルにオープンするホテルは、20代から30代前半の世代がもつ旅行概念を、星野リゾートが独自に調査・分析し、導き出したホテルになるという。 35歳以下の世代にとっての旅行とは、飛行機に乗って行くなどでなく、日常の先のちょっとした旅行である、どこに行くかよりもだれと行くかが重要である―などと分析し、BEB5土浦について、従来の旅行の敷居の高さを取り除き「居酒屋以上、旅未満の旅行をつくる」と強調した。 具体的には、飲食物の持ち込みを自由にする、部屋よりもホテル内のパブリックスペースで過ごす若者が多いことからパブリックスペースを24時間利用できるようにする、35歳以下をえこひいきし、お盆や年末年始など季節によって変動するのが一般的な宿泊料金を35歳以下は一定にするなどだ。 星野代表は「年間稼働率80%以上を目標にするが、数字が表れるまでには時間がかかる。正しい取り組みをしていけばどこかで急に伸び始める時が来る。茨城県全体を盛り上げる地道な取り組みをしていきたい。海外にも情報発信していきたい。5年、10年で考えている」と話した。 アトレの一ノ瀬社長はプレイアトレ土浦の戦略と背景を改めて説明した。土浦駅ビルはピーク時の1991年は112億円の年間事業収入があったがバブル景気が崩壊し、6分の1の20億円に落ち込んだとし、「ここでJR東日本グループとして、土浦の魅力をどう引き出すかを徹底的に議論した。その結果生まれたのがプレイアトレ土浦」だとした。その上で「筑波山、霞ケ浦に日本最長のサイクリングコースが整備されているのだから、土浦駅を玄関口にして街の活気を取り戻す。モノが売れない時代に、体験の提供を軸にしたコト発信する」とし、「今スタートラインに立った。土浦が本当の意味でサイクリングのメッカとなるよう息長く取り組みたい」と意欲を話した。 一方、同ホテルを県宿泊施設立地促進事業第1号に認定した大井川知事は「手ぶらで来て楽しめる全国初、駅直結のサイクリング拠点。全国区のブランドと連携した星野リゾートBEB5土浦は本県のフラッグシップになりうる。本県を魅力的なものにするために全国に魅力を発信できるようにしていきたい」などと述べた。 「星野リゾートBEB5土浦」は延床面積約5000平方メートル。客室90室、カフェやライブラリーがあるパブリックスペース「TAMARIBA(たまり場)」、ショップなどで構成する。自転車好きのほか、ダイエットのためやファッションのための自転車ニーズ、 キッズの自転車デビュー まで 、あらゆる自転車ニーズに「ハマる」ホテルにする。 「TAMARIBA」は24時間オープンで、大迫力のスクリーン、ライブラリー、カフェなどを備える。飲食物を自由に持ち込め、好みのソファーとテーブルでまったり過ごしてもらえるようにする。時間や計画を気にせず、その時の気分でやりたいように過ごしてもらうため、朝寝坊して午前11時のチェックアウト時間を多少過ぎても追加料金は徴収しない。全員が35歳以下のグループの場合、3人1室1万2000円(1人4000円)で年中、均一料金で利用できるようにする-などが特徴になる。 一般の宿泊料金は1泊6000円から(2人1室利用の場合の1人当たり、税別、食事別)。9月30日午後2時から予約を受け付けている。予約はhttps://hoshinoresorts.com/ja/hotels/beb5tsuchiura ➡土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」の過去記事はこちら

《映画探偵団》20 本のある空間 土浦駅ビルとその周辺

【コラム・冠木新市】桜川の終着点、土浦に月2度ほど足を運ぶ。土浦駅の並びに市立図書館「アルカス」ができてから楽しみが増した。アルカスには、昭和初期の新聞縮刷版があり、また桜川流域の資料も豊富で、私にはなくてはならない空間になった。行く度に来館者の姿が目立ち、市外からの人も結構多いのではと思われる。そんな図書館が建つ前は、関東一を誇る「つちうら古書倶楽部」を目指していた。 5年前、『茶の間の土浦五十年史』(市村壮雄一著)を3000円で購入し、いい資料が手に入ったと喜んだ。ところが後日、同じ棚の下に同じ本が2000円で出ているのを見つけ、喜びが薄れた。いい本が見つかっても、あちこち広い店内を見た方が賢明である。 昨年は探し求めていた『大菩薩峠』(中里介山著)の全巻揃いを遂に発見した。しかも、12冊の愛蔵版3000円物と5000円物、文庫本20巻の富士見書房4000円物とちくま文庫5000円物、計4セットだ。一体どこに隠れていたのかと思った。私は巻末の注釈が詳しいちくま文庫版を買った。 アマゾンでネット注文すればもっと早く安く手に入るようだが、昭和アナログ世代の生き残りとしては店内の散策体験は捨てられない。 また代表の佐々木嘉弘さんとの会話も貴重だ。先日、古書まつりの最終日に団員と行った際、『新橋芸者かるた』2500円が大人気だったようで「今度手には入ったら4000円の値で出します」と話してくれた。隠れ芸者マニアは意外に多いようだ。 図書館、古書店、あとは新刊書店があればと思っていたら、5月31日、駅ビルの「プレイアトレ」2階に「天狼院書店」がオープンした。60坪の空間に棚ごとにリクエストノートが置かれ、レジ横の黒板には開講するゼミの予定が書かれ、ほとんど目立たないが小さなステージもあった。 若者を意識したオシャレなつくりで、これが成功したら全国に100店つくる計画らしい。同じ本を扱っていても図書館と古書店と新刊書店では性格が異なる。 戦後4度映画化された『大菩薩峠』 未完の大長編小説『大菩薩峠』は戦後4度映画化された。1度目は東映の片岡千恵蔵主演、渡辺邦男監督の3部作(1953)。公開後はほとんど上映されず未見。2度目も東映で千恵蔵主演、内田吐夢監督の3部作(1957~59)。第3部ラスト、氾濫する川の中、壊れた橋の上で息子の名を呼ぶ千恵蔵の演技は息をのむ迫力だ。 3度目は大映の市川雷蔵主演、三隅研次・森一生監督の3部作(1960~61)。女性たちにクールに接する雷蔵の表情はニヒルで格好よい。4度目は東宝の仲代達矢主演、岡本喜八監督(1966)。これはモノクロで1作のみ。仲代が新撰組を斬りまくるラストは悪魔的な不気味さ、ニューヨークで大受けした。 どの作品も個性的で魅力にあふれ甲乙つけがたい。華麗な雷蔵版はアルカス。土俗的な千恵蔵版は古書倶楽部、異色な仲代版は天狼院書店と言えようか。 『大菩薩峠』の映画化が途絶えて半世紀が経過した。新刊書店、図書館、古書店と本の運命をたどれば、本の墓場、いや、リサイクル古本市が想像できる。きっと亀城公園で実現するのではないか。いずれにしても「本」は読むだけではなく「歩く」ためのものだ。私にとっては。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) ➡冠木新市さんの過去のコラムはこちら

第3弾マーケットゾーンオープン 土浦駅ビル 「モデルつくり全国展開目指す」体験型書店が意欲

【鈴木宏子】「日本最大級の体験型サイクリングリゾート」を掲げる土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」(藤本沢子店長)2階南側に31日、体験型書店と地元茨城のフードショップを組み合わせたマーケットゾーン「ブック&テーブル」がオープンした。 書店は、読書会やゼミ、演劇、旅行会を開くなど、本の先にある体験を提供する次世代型書店として知られる「天狼院書店」(東京都豊島区)で、県内初出店となる。これまで京都や福岡など人口150万人規模の都市に出店してきたが、人口約14万人規模の地方都市に出店するのは初めて。三浦崇典店主は「『こんな本を置いてほしい』とか『こんなことをしてほしい』などお客様の要望を聞いて、要望に応じた店をつくっていきたい。街の本屋さんがどんどん撤退する時代だが、土浦店で新しいモデルをつくり、全国に100店の土浦型天狼院をつくりたい。寿命100年の時代にそのまちの知を担い続ける本屋でありたい」と意気込みを話した。 第1弾のサイクリング拠点、第2弾のレストランゾーンに続く第3弾で、2020年にオープン予定のホテルを除き、体験型の新業態店舗すべてが姿を見せた。 フードショップは、土浦の老舗どら焼き専門店「志ち乃」、かすみがうら市発祥の焼き芋専門店「かいつか」、県南を中心に展開する自家製酵母を使用したパン屋「クーロンヌ」と、地元で人気の高いスイーツとベーカリー店が出店した。店内はむき出しの天井とコンクリートが特徴のおしゃれな空間で、自転車を押したまま入店できる。 31日、2階南側のマーケットゾーンには長蛇の列ができ、大勢の来店客でにぎわった。市内のアルバイト女性(68)は「右籾から50分かけて自転車で来た。パン屋を利用したい」などと話した。「地元の人が勤め帰りに買えるお惣菜のお店がほしい」(50代主婦)などの声もあった。 アトレ土浦の藤本店長は「地元茨城で人気のフードショップ3店をそろえた。地元の方はもちろん、観光客やサイクリングの方に茨城のおいしさを知ってもらって、お土産に持って帰ってもらえれば。土浦から全国区の人気店になるようPRしていきたい」と話した。 ➡土浦駅ビルの関連記事はこちら

土浦駅ビルにレストランゾーン 26日オープン 高校生の勉強エリアも

【鈴木宏子】土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」(藤本沢子店長)に26日午前11時、レストランゾーン「ステーションロビー」がオープンする。24日、報道関係者などを対象に内覧会が催された。県産食材をふんだんに使い、店内に卓球台なども備えた全150席の2階イタリアンレストラン&カフェ、3階の中華ごはん&バーなど、「日本最大級の体験型サイクリングリゾート」を構成する、食を楽しむおしゃれなゾーンがお披露目された。 同駅は学生の利用が多いことから、高校生がドリンク1杯200円で勉強できる学生向け勉強エリアや、ビジネスマンがパソコンを使って仕事をしたり、会議などが開けるコワーキングスペースなども設けられている。子どもから大人までだれでも参加できる食育と料理の教室や、教室の開催などで写真の楽しみ方を提案する写真館も開設された。サイクリングファッションを販売する洋品店も期間限定でオープンする。 駅ビル1階などに昨年3月オープンしたサイクリング拠点「りんりんスクエア」に続く第2弾で、駅改札口に直結した駅中央通路北側の2、3階にオープンする。 体験と学びの新業態ゾーン 市中心市街地で最大級となる約400坪(約1320平方メートル)のレストラン街となり、関東や関西を中心に人気レストラン、カフェを展開する飲食店企画経営会社「バルニバービ」(東京本部・台東区)が運営する。店内では各店が体験型イベントを開くなどなど、体験と学びの新業態ゾーンになるという。 バルニバービ経営企画室の福地恵里さんは「通り過ぎる駅ではなく、1時間早く来たくなる駅、1時間長居したくなる駅をテーマに、いろいろな人の意見を取り入れ、いろいろな人が来たくなる場所にしていきたい」とアピールする。 アトレの藤本店長は「駅につながるフロアを長い間閉めて、地域の皆さまにご不便をお掛けしていたが、ようやくオープンできる。2フロアで400坪という地区で最大級のゾーンになるので、朝の通勤時や、仕事・学校帰り、休日にも、いろいろな方々に集っていただき、お店を育てていただければ」と話す。 【ステーションロビー出店店舗】 2階 ▽レストラン「Nanairo Eat At Home!」 ▽フォトスタジオ「阿部写真館」 3階 ▽チャイニーズスタンド&バー「Hao2 ごはん&バー」 ▽カフェ「SLOW JET COFFE Cookie」 ▽クッキングスタジオ「ぼくらのキッチン」 ▽コワーキングスペース「LAP’s」 ▽スタディスペース「STEADY STUDY」 ほか

土浦駅ビル「プレイアトレ」1年 計画上回り順調 4、5月に第2、第3弾オープン

【鈴木宏子】「日本最大級の体験型サイクリングリゾート」を掲げ、「モノを売る」から「コト(体験)を売る」駅ビルに転換した「プレイアトレ土浦」が、29日でオープン1周年を迎える。1年目の売り上げは計画を上回り順調に推移しているという。一部工事が遅れていたが、4月と5月には第2弾、第3弾が次々にオープンする。 駅ビルを運営するアトレ(本社・東京都渋谷区)同土浦の藤本沢子店長によると、2月までの売り上げは月平均で計画比13%増、サイクリング拠点「りんりんスクエア」のみの売り上げは同比72%増で、1階サイクルショップ「ル・サイク」のレンタサイクル利用者は月平均約400台だったという。同スクエアの利用者は東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県からが半数で、さらに30代以下が半数を占める。サイクリング愛好者は一般に男性が多いことから、男性の来店者が多いのも特徴という。以前のペルチ土浦は60~80代の利用客が主流だったのと比べ大きく様変わりした。 同駅の1日平均乗車人員は2000年には2万人を超えていたが、05年のつくばエクスプレス開通で大きく減り、17年度は約1万6000人だった。少子化や人口減少などにより定期券利用者は現在も微減傾向が続いているというが、この1年間で同駅の土・日曜の利用者(定期外)は前年比6%増となり、減少傾向の歯止めに期待がかかる。 藤本店長は「期待を上回る結果。つくば霞ケ浦りんりんロードのサイクリストも増えており、地元からも喜んでもらっているのではないか」とスタート1年目を振り返る。 県地域振興課によると同りんりんロードの利用者数は15年度が約3万9000人、16年度が約4万8000人、17年度が約5万5000人と年々増えている。同店オープン以後の18年度の利用者数はまだまとまってないが、同課は「(同店がオープンした)影響は大きい」と話す。 中心市街地最大のレストランゾーン 第2弾として中央通路北側の2、3階に「ステーションロビー」が4月26日、第3弾として南側の2階に「ブック&テーブル」が5月31日オープンする。 第2弾は、市中心市街地で最大級となる約400坪(約1320平方メートル)のレストランゾーンとなる。関東や関西を中心に人気レストラン、カフェを展開する飲食店企画経営会社「バルニバービ」(東京本部・台東区)が、カフェ、レストラン、中華スタンド、クッキングスタジオのほか、フォトスタジオ、コワーキングスペースなどを運営する。店内に卓球台が置かれたり、各店が体験型イベントを展開するなど、体験と学びの新業態ゾーンになるという。高校生の利用が多い駅であることから、ワンドリングで勉強できる店もできる。 第3弾は、書店と地元茨城の人気フードショップを組み合わせたマーケットショップという。書店は、読書会やゼミ、部活、演劇、旅行など、体験を提供する次世代型書店として注目される「天狼院書店」が県内初出店する。 第4弾となる3~5階のホテル(90室程度)は2020年春以降オープン予定という。 オープン1周年を記念して、3月と4月、様々なイベントが開催中だ。 【第2弾「ステーションロビー」出店予定店】4月26日オープン 2階 ▽レストラン「Nanairo Eat At Home!」 ▽フォトスタジオ「阿部写真館」 3階 ▽チャイニーズスタンド&バー「Hao2 ごはん&バー」 ▽カフェ「SLOW JET COFFE Cookie」 ▽クッキングスタジオ「ぼくらのキッチン」 ▽コワーキングスペース「LAP's」 ▽スタディスペース「STEADY STUDY」 ほか 【第3弾「ブック&テーブル」出店予定店】5月31日オープン ▽書籍「天狼院書店」 ▽パン「クーロンヌ」 ▽焼き芋「蔵出・焼き芋かいつか」 ▽どら焼き「志ち乃」 【プレイアトレ土浦オープン1周年イベント】開催中 ▽インスタグラム投稿フォトコンテスト(4月14日まで)=プレイアトレのオンラインギャラリー「SCENES」にプレイアトレやつくば霞ケ浦りんりんロードで撮影した写真を投稿してもらう。 ▽「HAPPY BAG」販売(29日から、無くなり次第終了)=各ショップのお得が詰まったバッグを販売する。 ▽〈B.B.BASE〉佐原で行こう!SAWARIDE feat.PLAYatre TSUCHIURA(30日開催)=話題の自転車専用列車「B.B.BASE」に乗って佐原からプレイアトレ土浦を目指すBBQ付きサイクリングツアー。参加費5400円。申込締切は25日。 ▽ル・サイク筑波山ライドツアー(30日開催)=ツアーガイドと一緒に桜が見事な往復約50キロの「つくば霞ケ浦りんりんロード」筑波山コースを走る。休憩ポイントでは地元グルメを堪能する。参加費無料。事前申込必要。 ▽BIKE FES(4月6、7日開催)=各メーカーの最新モデルが土浦駅前に集結する。試乗コーナー、補助輪外しキッズスクール、輪行講座などを開催。 ▽出張エイドステーション(4月13日)=藤沢休憩所に設置し、補給食やドリンクなどを用意する。 問い合わせは電話029-835-1363(プレイアトレ土浦店)

「逆転の発想」が原点 土浦駅ビル 29日、サイクリング拠点オープン

【鈴木宏子】JR土浦駅ビル(同市有明町)に29日、サイクリングを楽しむ拠点施設「りんりんスクエア土浦」がオープンする。中心市街地の衰退に悩む土浦で、何が始まろうとしているのか。 同拠点施設は県と土浦市が1階と地下1階に設置した。同駅ビルを運営するJR東日本の子会社、アトレ(東京都渋谷区)が指定管理者として管理運営する。駅ビルもペルチからPLAYatre TSUCHIURA(プレイ・アトレ・ツチウラ)に名称変更する。 シャワー、コインロッカー、レンタサイクル、サイクルショップ、カフェなどがあり、自転車で乗り入れできる。館内で組み立て、修理、洗車などもできる。サイクリングコンシェルジュが常駐し、地域の観光スポットを案内したり、街の楽しみ方の情報を提供などする。 従来のショッピングを中心にした「モノを売る」駅ビルから脱却し、「コトを売る(体験を提供)ことにまじめにチャレンジする」と、アトレ土浦店プロジェクトリーダーの藤本沢子課長は狙いを話す。 7分の1に落ち込み 土浦駅ビルは1983年にオープンし35年の歴史がある。藤本課長によると、売り上げのピークはバブル期の1991年で、年間約112億円の売り上げがあった。 その後、つくばエクスプレス(TX)が開通し沿線に多くの商業施設が建設されたこと、土浦駅を利用するのは車を運転しない学生やシニアが中心になったことなどから、駅ビルの売り上げが低迷し、2016年度の売り上げはピーク時の7分の1の約16億円まで落ち込んだ。 「モノが売れない、地元のお客様に駅ビルにお越しいただけない、お店を入れ替えてリニューアルしても解消されない中、駅ビルをどのように存在させるか。それならば足元の商圏に頼らず、東京や全国からお客様を呼ぼうという逆転の発想」だという。 「世の中の消費は、モノを買うより体験することにお金を使う体験型にシフトしている。モノを売ることにこだわらないというのが原点」と藤本課長。新しい価値をつくり出し、コトを売ることにチャレンジするチャンスだと捉えた。 同じ時期、土浦では、県が中心になり、霞ケ浦や筑波山を巡る全長180㎞のサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」の環境整備が進んでいた。PRが功を奏し、同コースを利用する自転車愛好者は2015年が約3万9000人だったのに対し、16年度は約4万8000人、17年度は約6万人を超えると推測されるなど年々増加している。 米ポートランドをイメージ サイクリングのまちづくりで、藤本課長がイメージしたのが自転車の街として知られる米国西海岸のポートランドだという。 ポートランドには全長480㎞を超える自転車優先道路や自転車専用レーンが整備され、多くの市民が通勤・通学に自転車を利用している。自転車のイベントも数多く開催され、自転車を利用した観光も盛んで、グルメスポット、公園、下町、ビール醸造所など街中を巡るガイド付きツアーや、少し離れたブドウ畑、渓谷まで足を延ばすツアーなどが用意され、自転車は一大産業となっている。 「土浦、霞ケ浦は日本有数の観光拠点になる。そこから始める」と藤本課長はいう。 専用列車を運行 とはいえ、首都圏や全国からどうやって自転車愛好者を集めるのか。アトレでは、土浦駅前で自転車フェスティバルを開いたり、親会社のJR東日本や旅行会社と連携しサイクリスト向けの専用列車を運行して誘客に努める予定だ。 最初のフェスティバルはオープン後、最初の土・日曜となる31日と4月1日に駅前特設ステージで開催する。最新モデルのスポーツ自転車が集結し、試乗会やツアーなどを実施したり、キッズスクールなども開催するという。 オープン後、初めてとなるサイクリスト専用列車は4月22日に運行する。「つくば山桜ライド」と題して、上野発、15両編成の臨時列車が土浦にやってくる。参加者は折りたたみ自転車をたずさえて列車に乗車。土浦駅を出発し、山桜やご当地グルメを堪能しながら真壁休憩所まで片道30㎞を往復する。JTBが参加者を募集しており、28日までに130人の参加申し込みがあるという。 ホテルは90室前後 土浦駅ビルは今年11月、第2弾として2階と3階に、学びや体験を充実させたカフェ、レストラン、クッキングスタジオがオープン。第3弾として来年5月、2階南側に茨城の地ビールや日本酒、パン、スイーツなど地元の人気店を集めたフードマーケットがオープンする。最終段階の第4弾は来年秋以降、3~5階に、サイクリングを気軽に楽しむ人のためのカジュアルなホテルが誕生する。 ホテルはすでに運営会社が決定。客室は90室前後となり、1人1万円以下で宿泊できる施設になるという。「サイクリストはもちろん、観光客、ビジネス客も気軽にカジュアルに利用できるホテル」と藤本課長。さらに「霞ケ浦の景観が一番の魅力。きれいな霞ケ浦であってほしい」と願う。

土浦駅ビルがサイクリングリゾートに 日本最大級、ホテルも 来春第1弾オープン

JR土浦駅ビル「ペルチ土浦」(同市有明町)が来春、日本最大級の体験型サイクリングリゾートに生まれ変わる。レンタサイクル、サイクルカフェなどのほか、県内の人気店を集めたフードマーケットやホテルなどが次々にオープンする。 全長180㎞のサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」のスタート地点にあることを生かし、従来の駅ビルの枠を超え、ライフスタイルの発信や体験の提供に軸を移した新しい駅ビルになるという。JR東日本の子会社で同駅ビルを運営するアトレ(東京都渋谷区)が22日発表した。 駅ビルの新名称は「PLAYatre TSUCHIURA(プレイ・アトレ・ツチウラ)」で、第1弾として来年3月29日、核施設となる「りんりんスクエア土浦」が1階と地下1階にオープンする。1階にサイクルショップ、レンタサイクル、洗車・修理コーナー、地下1階にシャワー、ロッカーなどを備えた施設で、延床面積は計約959㎡。県が設置し、アトレが指定管理者として運営にあたる。整備費は約3億1700万円(県と土浦市が2分の1ずつ負担)。 駅直結の本格的サイクリング拠点施設は全国初で、サイクリングコンシェルジュが常駐し、地域の観光スポット、サイクリングコース、街の楽しみ方などの情報を提供する。 1階にはほかに、イタリアの自転車メーカー「ビアンキ」と、コーヒーチェーン店「タリーズコーヒー」によるサイクリングカフェがオープン。コンビニ、ドラッグストアなども開店する。 第2弾として来年11月、人気飲食店の企画・運営を手掛けるバルニバービ(東京都台東区)が、2~3階北側に「ステーション・ロビー・ツチウラ」を出店。学びや体験を充実させたカフェ、レストラン、クッキングスタジオなどを開く。 第3弾は2019年5月、2階南側に、地ビールや日本酒、パン、スイーツなど地元茨城の人気店を集めたフードマーケットがオープンする。 第4弾は19年秋以降、3~5階に、サイクリングを気軽に楽しむ人のためのカジュアルなホテルが誕生する。 土浦、つくば市など地域住民や駅利用者のほか、1000万人いるといわれる全国のサイクリング愛好者、アジアやヨーロッパなど海外のサイクリング愛好者の利用を想定しているという。 ペルチ土浦は地下1階地上6階建て、延床面積は約1万7400㎡。(鈴木宏子)

「過去20、30年で最低」 霞ケ浦・北浦でワカサギ漁解禁

全国有数のワカサギ産地、霞ケ浦・北浦で21日、ワカサギ漁が解禁となった。解禁日の1隻あたりの平均漁獲量は、霞ケ浦が9.8キロと昨年の18.6キロから半減した。北浦は4.5キロと昨年の2.3キロのほぼ2倍となったが、全体として昨年の解禁日の半分の漁獲量にとどまった。 霞ケ浦・北浦のワカサギ漁獲量は低迷を続けており、昨年は年間17トンと過去20年間で最低だった。12月末まで行われる今年のワカサギ漁の見通しについて県霞ケ浦北浦水産事務所は「(現時点で)予測できない」としている。 解禁日当日の操業は、霞ケ浦が107隻(昨年は119隻)、北浦が16隻(同17隻)が出漁した。今年も各漁港を午前3時に出航し、朝5時頃まで、動力船の後方に網をいれて水中を引くトロール漁を行った。 毎年漁に出ている土浦市沖宿、常盤商店の常盤剛士さんは「過去20、30年で最低だった、3人で行って獲れたのは18キロ。こんなに少なかったことはない。大きさも3センチくらいと小さかった。原因は気候や人為的な問題を含め複合的なものではないか」と語る。 ワカサギは1995年に「茨城県の淡水魚」に選定された県を代表する魚。明治時代から、自然の風を推進力に使う帆引き船により漁獲されていたが、1960年後半頃からトロール漁に変わっていった。現在の帆引き船は全て観光用だ。 ワカサギが生息する全国の湖沼の中で、霞ケ浦・北浦は比較的温暖なことから成長が早い。特に夏にワカサギ漁ができる湖沼は全国でも珍しく、夏に獲れるワカサギは「ナツワカ」という愛称が付いている。ナツワカは1年で最も脂がのり、必須脂肪酸のEPAやDHA、カルシウムなどの栄養が豊富だ。骨も柔らかいため、天ぷらや唐揚げにして丸ごと食べられるという。(榎田智司) ◆霞ケ浦・北浦の魚が購入できる土浦市内の店は▽タイヨー土浦店(東真鍋)▽田中屋川魚店(川口)▽JA農産物直売所サンフレッシュはすの里(木田余)▽出羽屋イオン土浦店(上高津)▽佃屋(生田町)▽小松屋食品(大和町)▽箕輪名産店(大和町)▽出羽屋ピアタウン店(真鍋新町)▽出羽屋土浦駅ビルペルチ店(有明)▽常磐商店(沖宿町)

1000円で3000円分の満喫を 土浦市観光協会のサイクルクーポン

レンタサイクルに乗って土浦市内を散策し、食事をしたり土産品を購入してもらおうと、同市観光協会は9月1日から、1000円で3000円分が利用できる電子クーポン「つちうらぐるっとサイクルクーポン」を発行している。来年2月末まで利用できる。 これまでサイクリングに縁遠かった人にも、自転車を借りて市内を散策してもらおうと、200%のプレミアムを付ける。総額1500万円分、1人3回まで、延べ5000人が利用できる。 同市内のレンタサイクル店5店で自転車をレンタルした人が対象で、レンタル料の残額を、市観光協会会員の店で飲食したり土産物を購入したりできる。利用できる店は徐々に増やしていく。 クーポンを利用できるレンタサイクル店は、土浦まちかど蔵大徳、ラクスマリーナ、ル・サイク土浦店、ギガテックモータース、K.T auto mortors hobbyの5店。レンタル料は自転車の種類や店舗などによって1日当たり大人1000円以上、子供500円以上(いずれも消費税込み)など、異なる。 利用方法は電子決済サービス「commoney(コモニー)」をあらかじめダウンロードし、レンタサイクル店で同サイクルクーポンを購入することを伝える。店頭で渡されるスクラッチカードを削り、クーポン付与のQRコードをスマホで読み取り、1000円を電子決済で支払えば3000円分の電子クーポンが付与される。 市観光協会の浅川善信さんは「プレミアム率200%なので、クーポンを利用してサイクリングを楽しんでいただければ」と利用を呼び掛ける。 レンタサイクル店5店は土浦まちかど蔵大徳 中央1-3-16 電話029-824-2810ラクスマリーナ 川口2-13-6 電話029-822-2437ル・サイク土浦店 有明町1-30 土浦駅ビル プレイアトレ1階 電話029-846-3192ギガテックモータース 滝田1-20-7 電話029-896-5083K.T auto mortor hobby レンタルガレージ店 湖北1-8 電話029-828-4611 クーポンが利用できる店は(9月20日時点)K.T auto mortor hobby レンタルガレージ店 湖北1-8 電話029-828-4611喫茶 蔵 中央1-3-16 電話029-824-2810小松屋 佃煮とうなぎ 港町5-3 電話029-821-0373宿ごはん一粒 湖北1-1-8 電話029-824-3411レストラン 中台 桜町2-12-3 電話029-822-1068ラクスマリーナ 川口2-13-6 電話029-822-2437観光情報物産センターきらら館 大和町9-1 電話029-824-6110土浦まちかど蔵大徳 中央1-3-16 電話029-824-2810高月堂 桜町1-6-15 電話029-823-36111ル・サイク土浦店 有明町1-30 土浦駅ビル プレイアトレ1階 電話029-846-3192

10月、11月に大規模自転車イベント 土浦駅拠点に茨城プレDC

プレイアトレ土浦(JR土浦駅ビル、土浦市有明町)を運営するアトレ(本社・東京都渋谷区、一ノ瀬俊郎社長)は10月~12月にかけて茨城県で開催される観光キャンペーン「茨城プレデスティネーションキャンペーン」(茨城プレDC)に合わせ、霞ケ浦一周のサイクリングが楽しめるライドイベント「いばらきK1ライド2022」や2020年以来となる人気イベント「BIKE&CAMP(バイク&キャンプ)」などを開催する。 本県で21年ぶり3回目となるデスティネーションキャンペーンは、23年10月から12月の開催が決定した。JR東日本、JR東海などJRグループ6社が地域と一体となって、魅力的な観光資源の紹介、イベント開催やおもてなしに取り組み、集中的な宣伝を全国で実施する。国内最大規模の観光キャンペーンは3カ年にわたり展開され、22年には「茨城プレDC」を、24年には「茨城アフターDC」を、共に秋季開催する。 茨城プレDCでは、県が誇るサイクリングやキャンプなどのオープンエアで楽しめるアクティビティーのほか、茨城の豊かな「食」をメーンコンテンツに全国各地からの観光誘客を図るよう計画された。アフターコロナを見据えた観光需要の回復や県内経済の活性化を目指すという。 「いばらきK1ライド2022」は霞ケ浦一周にチャレンジするファンライドイベント。主催はいばらきK1ライド大会事務局(東京)。開催日は10月16日。ナショナルサイクルルートにも選ばれた「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦エリアを走行しながら、途中のエイドステーションでは地元の名産品や名物グルメを楽しむ。 霞ケ浦1周コース(95キロ)のほか、土浦~潮来(霞ケ浦南岸を走行)をサイクリングし、復路はサイクルーズに乗船し、クルージングで土浦まで戻る55キロコース、土浦~かすみがうら市歩崎公園までの往復の初心者向け36キロコースが設けられる。 参加費は▽95キロ(大人6500円、中高生4000円)▽55キロ(大人7000円、中高生5000円)、36キロ(大人3500円、中高生2500円)=いずれも税込み。イベントサイトから申し込みできる。 「BIKE&CAMP」は20年10月の開催では、2日間で3500人が来場した自転車とキャンプをテーマにした旅イベント。今回は11月19日と20日、霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田)を会場に開く。最新自転車の試乗、地元産品の販売、キッチンカーの出店、旅マルシェ(世界各国の雑貨など)トークショー、ワークショップ、チャリティオークション、ライドイベントなどが予定されている。入場は無料。キャンプ宿泊は別途。イベント特設サイトから申し込める。 10月9日、10日にはプレイアトレ土浦6階屋上で「食とお酒」のイベントを初開催。土浦市自慢のグルメやアトレ2階・佐藤酒店おすすめの茨城の地酒を堪能できる。イベントでは、地元の常陸秋そばを原料とするそば焼酎「土浦小町」の試飲やそば処の味などが楽しめる。県内のクラフトビールを豊富に用意しての「ビアフェス」も同時開催する。各イベントの詳細は、順次プレイアトレ土浦のホームページで公開する。 茨城デスティネーションキャンペーンの詳細はこちら。

「カスイチ」ショートコースを走った 《夢実行人》11

【コラム・秋元昭臣】最近、「カスイチ」(霞ケ浦一周サイクリングコース、130キロ)のショートコース(霞ケ浦大橋で横断、90キロ)を左廻りで走ってきました。午前6時、JR土浦駅に近い霞ケ浦・土浦港区域にある「りんりんポート土浦」(サイクリスト向けの駐車場や自転車メンテナンス場が整備されている)を出発。 余談ですが、JR常磐線の土浦駅ビルには、サイクリスト向けショップのほか、自転車持ち込みOKの喫茶店やホテルがあります。また、駅東口(霞ケ浦口)の「サイクルステーション」には、自転車組み立て用の場所も用意されています。 走路上に描かれた矢羽根に誘導され、間もなく「霞ケ浦総合公園」に。この公園には温浴施設、淡水魚博物館、霞ケ浦を一望できる風車などがあり、ここからの出発もOK。阿見坂下信号を左折。施設を迂回して湖岸道路に入ると、「予科練平和記念館」。少し先の「旧鹿島海軍航空隊大山スロープ」はウインドサーフィンのメッカです。 江戸崎入り江の「古渡橋コンビニ」を通過して、次の休憩所は浮島。昔は、遠浅の水泳場にバンガローが並び、霞ケ浦の遊覧船「さつき丸」で遊びに来る子どもたちでにぎわいました。今は、春に開かれる「チューリップ祭り」が人気。 「自転車も乗れる」遊覧船・アイリス号 稲敷大橋を越えて左折。一般道を横断して潮来大橋を渡ると、JR鹿島線潮来駅に。近くにある「潮来観光協会」では、レンタルしてきた自転車の乗り捨てもOK。日曜日、駅前では、地場の野菜や果物を販売する朝市が開かれます。 潮来駅から川沿いに戻り、「北斎遊学館」を通過。北利根橋をくぐり、10キロほど走ると、「麻生温泉白帆の湯」。近くの「天王崎交流センター」には売店や喫茶室も。湖岸の養魚場からは、コイ、フナ、ウナギ、ナマズ、金魚などが出荷されます。 霞ケ浦大橋手前の「霞ケ浦ふれあいランド」には地元・行方市の土産品も。大橋で湖を横断すると、間もなく「歩崎公園」。一画には「かすみがうら交流センター」があり、近くには「水族館」や「歴史博物館」も。多目的浮桟橋からは「自転車も乗れる」遊覧船・アイリス号が発着します。 土浦に向かうコースの右方高台にあるのは「茨城県霞ケ浦環境科学センター」。終点目前の新港橋を渡り、「りんりんポート土浦」に戻りました。(元ラクスマリーナ専務)

「カスイチ」ショートコースを走った 《夢実行人》11

【コラム・秋元昭臣】最近、「カスイチ」(霞ケ浦一周サイクリングコース、130キロ)のショートコース(霞ケ浦大橋で横断、90キロ)を左廻りで走ってきました。午前6時、JR土浦駅に近い霞ケ浦・土浦港区域にある「りんりんポート土浦」(サイクリスト向けの駐車場や自転車メンテナンス場が整備されている)を出発。 余談ですが、JR常磐線の土浦駅ビルには、サイクリスト向けショップのほか、自転車持ち込みOKの喫茶店やホテルがあります。また、駅東口(霞ケ浦口)の「サイクルステーション」には、自転車組み立て用の場所も用意されています。 走路上に描かれた矢羽根に誘導され、間もなく「霞ケ浦総合公園」に。この公園には温浴施設、淡水魚博物館、霞ケ浦を一望できる風車などがあり、ここからの出発もOK。阿見坂下信号を左折。施設を迂回して湖岸道路に入ると、「予科練平和記念館」。少し先の「旧鹿島海軍航空隊大山スロープ」はウインドサーフィンのメッカです。 江戸崎入り江の「古渡橋コンビニ」を通過して、次の休憩所は浮島。昔は、遠浅の水泳場にバンガローが並び、霞ケ浦の遊覧船「さつき丸」で遊びに来る子どもたちでにぎわいました。今は、春に開かれる「チューリップ祭り」が人気。 「自転車も乗れる」遊覧船・アイリス号 稲敷大橋を越えて左折。一般道を横断して潮来大橋を渡ると、JR鹿島線潮来駅に。近くにある「潮来観光協会」では、レンタルしてきた自転車の乗り捨てもOK。日曜日、駅前では、地場の野菜や果物を販売する朝市が開かれます。 潮来駅から川沿いに戻り、「北斎遊学館」を通過。北利根橋をくぐり、10キロほど走ると、「麻生温泉白帆の湯」。近くの「天王崎交流センター」には売店や喫茶室も。湖岸の養魚場からは、コイ、フナ、ウナギ、ナマズ、金魚などが出荷されます。 霞ケ浦大橋手前の「霞ケ浦ふれあいランド」には地元・行方市の土産品も。大橋で湖を横断すると、間もなく「歩崎公園」。一画には「かすみがうら交流センター」があり、近くには「水族館」や「歴史博物館」も。多目的浮桟橋からは「自転車も乗れる」遊覧船・アイリス号が発着します。 土浦に向かうコースの右方高台にあるのは「茨城県霞ケ浦環境科学センター」。終点目前の新港橋を渡り、「りんりんポート土浦」に戻りました。(元ラクスマリーナ専務)

年越し売り出し中 そば焼酎「土浦小町」【人と仕事の回顧録’21】5

土浦市農業公社企画 明利酒類の製造販売 主原料に土浦産常陸秋そばを全量使用したそば焼酎「土浦小町」は、土浦市農業公社(同市永井)が企画し、明利酒類(水戸市)に製造と販売を委託。11月1日の発売以来、売れ行きは好調で、製造元の明利酒類では歳暮需要期を待たずして12月中旬に早くも出荷終了。残るは各小売店の店舗在庫のみとなっている。 常陸秋そば原料に 商品名の「土浦小町」は、土浦市新治地区に残る平安時代の歌人・小野小町の伝説にちなむ。お披露目が予定されていた土浦の花火大会(11月6日)の開催中止で、当初の思惑は外れたが、商品自体の話題性と品質の高さから滑り出しの売れ行きは上々。問屋筋からも「ぜひ来年もまたお願いしたい」と要望が相次いでいるという。 原料の常陸秋そばは、全国のそば店やそば通に支持される一方、生産量は全国シェアのわずか6%という希少性から高いブランド力を誇る。県の奨励品種であり、主産地の一つ新治地区では、11軒の農家が100ヘクタール弱の作付面積で約100トンを生産。そのうち30トンを市農業公社が買い上げ、玄そばやそば粉にして販売する。顧客にはそば打ち職人グループなどが名を連ねる。 公社主任の露久保浩さんは「手前味噌になるが全国のそばの中で、味わいの豊かさや鼻に抜ける香りが一番高い。最もそばらしいそば」と話す。コロナ禍による余剰在庫を活用し、そば焼酎にして飲んでもらうことで、土浦産常陸秋そばの知名度アップにつなげようと企画した。 製造を依頼した明利酒類は清酒「副将軍」や県内各地の地域産物を使った焼酎・リキュール類で実績豊富。酒類販売部の川口幹夫さんは「良い農産物が揃っている茨城の中でも最高の食材を使い、良い酒を造って地産地消や地域PRのお手伝いをしたい」と引き受けた。 今回は600キロのそばから720ミリリットル詰の焼酎約2200本が造られた。常陸秋そばは実が大きく粒揃いが良いことも特徴で、そのせいか歩留まりも良く醸造は順調に進んだ。白麹(こうじ)仕込みにより素材の持ち味を生かし、抽出には減圧蒸留方式を採用。沸点が低くなるため雑味が抑えられ、クリアで軽快な味わいになるという。 家庭でも楽しめるそば湯割り 出来ばえについては「さわやかでキレがよく、すっきりとした味わいのある焼酎。そば特有の華やかな香りと、口当たりのやわらかさが特に感じられる」と川口さん。飲み方は、キリッとした飲み口を楽しむならロックやソーダ割り、まろやかで優しい味わいにするならそば湯割りが適するという。 11月に土浦駅ビル内の「IBARAKI佐藤酒店プレイアトレ土浦店」で試飲販売会が行われた際は、市内おおつ野のそば店「筑山亭かすみの里」がそば湯を提供した。「当店ではほとんどの方がそば湯割り。焼酎のカドをまるめておいしく飲める」と店主の長峰淳さん。そば湯は濃いめの方が合うそうで、そば本来の甘みと香りが増幅され、料理の味も引き立ててくれる。 そば湯割りは、そば店ならではの飲み方と思われがちだが家庭でも簡単だ。水100ミリリットルにそば粉小さじ1程度を溶いて火にかけ、沸騰してとろみがついたら、軽く温めておいた焼酎と合わせて熱々のところをいただく。割り方はお好みで、ちなみに試飲会では焼酎6に対しそば湯4で提供した。 「土浦小町は地域の名を冠した『おらが焼酎』として多くの方に興味を持たれ、喜んでいただくことができた。今後も製造を続け、県内外に周知を図り、新たな土浦ブランドとして成長させていきたい」と露久保さん。来年度の仕込みへの期待も高く、詳細はこれから協議するが、度数の高いプレミアム焼酎などの方向性も検討したいという。(池田充雄) ◆本格そば焼酎「土浦小町」 720ミリリットル入り1500円(税込み)。取り扱いは県内の大型店、酒販店、土浦市庁舎1階の「きらら館」、同市小野の「小町の館」など約40店。東京では中央区銀座にある県のアンテナショップ「イバラキセンス」など。市のふるさと納税の返礼品にもなっている。通信販売は市農業公社ホームページ [おわり]良い年をお迎えください。

サイクルトレイン運行記念の筑波山ヒルクライム 16日にワンウェイツアー

アトレ(本社・東京都渋谷区、一ノ瀬俊郎社長)が運営する「プレイアトレ土浦」(JR土浦駅ビル)は、JR東日本水戸支社が16日に運行するJR常磐線団体臨時列車「いばらきサイクルトレイン」の運行を記念し、筑波山ヒルクライムなどが楽しめるサイクリングイベント「石岡~土浦ワンウェイツアー」を開催する。 同トレインは16日と11月27日、上野駅から常磐線の友部駅を通り、水戸線の岩瀬駅まで運行する団体臨時列車。輪行袋なしで、自転車のまま乗車できる。 16日のワンウェイツアーは、JR石岡駅発プレイアトレ土浦着のサイクリングイベント。コースは、石岡駅から石岡フラワーパークを通り、筑波山の不動峠ヒルクライムを体験、平沢官衙(かんが)遺跡に立ち寄り、土浦駅まで約50キロのコースとなる。サポートライダーの案内により、ヒルクライム初心者でも安心して参加できるそう。 当日はゲストに、いばらきサイクルナビゲーターのもえさんを迎える。もえさんは、自転車を活用し、徒歩以上、車未満の視点で、町や地域の魅力を探求し、見知らぬ土地を訪れ「だれもが真似できるサイクルツーリズム」を広げる活動を実践している。 ツアーにはサイクルトレインを利用せずとも申し込め、参加費は3000円(税込み)。特設サイトからの申し込みとなる。定員50人。 いばらきサイクルトレインの運行区間と時間は10月16日、11月27日いずれも▽往路=上野駅8時13分発~土浦駅9時21分着~石岡駅9時39分着~友部駅10時着~岩瀬駅10時32分着▽復路=友部駅15時59分発~石岡駅16時29分発~土浦駅16時51分発~上野駅17時56分着。旅行代金は大人4300円、子ども3200円(いずれも税込み)専用ページからの申し込みとなる。 BEBほしいもフェス=アトレ提供 土浦駅ビル内のホテル「星野リゾート BEB5土浦」では11月21日まで、宿泊者を対象に茨城県の名産品、干し芋をテーマにした「BEBほしいもフェス」を開催している。イベント期間中、パブリックスペースには「ほしいも神社」(ひたちなか市)の分社も設けられる。 ほかに干し芋セットを購入してさまざまなトッピングと組み見合わせて食を楽しむなど、ユニークなイベントが企画されている。(山崎実)

利用者10万人を突破 つくば霞ケ浦りんりんロード

地域起こしと一体不可分な茨城県の新たな観光「サイクルツーリズム(自転車観光)」が順調な伸長ぶりをみせている。 つくば霞ケ浦りんりんロードの昨年度の利用者数が約10万5000人と、10万人の大台を突破した。波及効果は県央部の「大洗・ひたち海浜シーサイドルート」、県北の「奥久慈里山ヒルクライムルート」にまで及んでいる。 また、わが国最大級のサイクリングリゾート、JR土浦駅ビルの「プレイアトレ土浦」が国交省の自転車活用推進功績者表彰を受けた。 コロナ禍でも1.13倍増 つくば霞ケ浦りんりんロードの利用者数は、右肩上がりで伸びている。コロナ禍の昨年、アウトドアや健康志向が高まったためとみられる。 今後の取り組みとしては、休憩所を活用したサイクリスト「ウエルカムイベント」の実施▽街中に誘導するための周遊イベント(スタンプラリーなど)の推進▽サイクリストにやさしい宿の更なる認定とPR▽県サイクルステーション整備支援事業(りんりんロード沿線の施設をサイクリストに必要な設備をもつ施設とするための補助事業)―などを実施していく方針だ。 一方、プレイアトレ土浦の自転車活用推進功績者表彰は、2017年5月施行の自転車活用推進法に基づく受賞。県内の観光資源や自然を生かし、地元事業者も協力したサイクリング、キャンプなどの大型イベント、バーチャルライドによる情報発信など様々な取り組み、サイクリングシーンに対応した設備の完備など環境面が高く評価された。(山崎実) ◆サイクルツーリズムに関する問い合わせは県スポーツ推進課(電話029ー301-2735)。

テレワーク移住促進事業始動 県と土浦市など5市町

【山崎実】県と県内5市町(土浦、日立、笠間、潮来市、大子町)は10月から「たのしむ茨城テレワーク移住促進」事業をスタートさせた。「withコロナ時代」を視野に、茨城県もテレワーク移住競争に名乗りを挙げる。魅力度ランク、8年ぶり最下位脱出が追い風となるか? 新型コロナウイルスの影響による企業テレワークの急速な広まりと、人口減少、地域振興に悩む地方の移住誘致気運の高まりを背景に、テレワーク企業人の移住促進を図るのが狙い。 土浦市では、星野リゾートBEB5土浦(土浦駅ビル)に滞在し、テレワークと自転車を活用したテレワーク移住体験ツアー(来年1月下旬~2月、3泊4日)を実施する。 すでに日立市では9月定例市議会で、テレワーク移住者を対象に、住宅取得助成(最大151万5000円)や、テレワーク機器購入費助成(40万円)などの補助事業の実施を決めている。 笠間市は、笠間焼を活用した笠間暮らし体験ツアー(12月、1泊2日)、潮来市はテレワーク設備を完備した水郷旧家、磯山邸の滞在を通した移住体験(ライフバランスtoテレワーク、来年2月、3泊4日)、大子町は奥久慈茶関連施設でのテレワーク、地域住民との交流による移住体験(テレワークツアー、11月12~13日、来年1月に1泊2日)など、移住後の生活を見据えた宿泊型移住体験ツアーを計画している。 一方、県もテレワーク移住PRサイトをオープンさせ、移住希望者への情報発信を強化するなど、市町村の移住誘致を積極的に後押しする。各自治体の移住支援策のほか、空き家バンクや住宅、土地購入情報など、移住に有用な情報を発信、提供する。 テレワーク移住促進に関する問い合わせは、県政策企画部計画推進課(電話029-301-2536)

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