金曜日, 11月 7, 2025
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カーネーション収穫最盛期 「母の日」前に土浦の生産農家

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カーネーションの収穫に追われる斎藤さん夫妻=土浦市荒川沖のハウス

【大山茂】「母の日」の10日を前に、土浦市荒川沖のカーネーション栽培農家、斎藤洋一さん(53)、礼子さん(49)夫妻のハウスでは切り花用カーネーションの収穫がピークを迎えている。

夫妻が栽培しているのは、一般的な一輪咲きと一本の茎から数輪の花をつけるスプレー型。このほかに、斎藤さんが所属する常陸野カーネーション組合(8人)が開発したオリジナル種(24種)も2割近く手掛けている。

オリジナル種の「あられ」は出荷先の東京・大田花き市場が主催する「2018フラワーオブザイヤーOTA」で最優秀賞を受賞した自慢のカーネーション。品質に優れ、希少種として中央市場などで高値で取り引きされてきた。

13日間花持ちを保証

斎藤さん夫妻は現在、ハウス5棟を自宅周辺に構え、2300平方メートルに12品種、20万本を生産している。カーネーション業界では中堅農家だ。

同組合が栽培するカーネーションは、セリの日から13日間の花持ち保証を売りにしている。日本花き生産協会(JFGA)の認証を受け、出荷箱には「日持ちさん」と名付けられたキャラクターが描かれている。日持ちの技術は県経済連との共同研究で全国に先駆けて実現、他産地と差別化を図っている。

洋一さんは「低農薬で栽培し、収穫後は冷温庫で腐敗の元になるエチレンガスを特殊な装置で除去している。出荷する時は鮮度保持フィルムで包むなど、品質にはとことんこだわっている」と話している。

需要激減、ネット販売にも力

新型コロナウイルスの影響でイベントやパーティーの中止が相次ぎ、生花の需要は激減した。斎藤さん夫妻は全農を通じて大田市場に出荷しているが、価格は低迷し、例年の半分以下の収入減になると肩を落とす。

こうした状況を打開しようと、県女性農業士の肩書を持つ礼子さんは収穫したカーネーションを地元の直売所やスーパーに持ち込んで直接販売を始めたほか、例年以上にネット販売にも力を入れている。

カーネーション30本化粧箱入りの1ケースで、基本料金は4200円(送料・箱代・消費税込み)。母の日用カーネーションは今季の予定数を終了している。

《雑記録》11 「反グローバリズム」と「新グローバリズム」

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【コラム・瀧田薫】「グローバリズム(経済や文化の国境越えや相互依存)」。この考え方を、河川にたとえて、「本流(立論前提)」と呼ぼう。この本流、少し前まで、流域の人々に豊かな恵みを与える大河として受け入れられていた。ところが、コロナウイルスの出現によって、大河は一転、暴れ川となり、その流域に甚大な被害をもたらした。

それ以前から、この大河には何本もの支流が存在していたのだが、ウイルスの出現を境に、本流は二股に分かれ、二つの巨大支流となって、それぞれ逆方向に流れ始めた。一方の支流の名を「反グローバリズム」、もう一方を「新グローバリズム」と呼ぶことにしよう。

「反グローバリズム」の例として、英国の「ブレグジット」をあげよう。英国内で沸騰したナショナリズムとポピュリズムの勢いも、ウイルスの攻撃で一時の勢いを失っている。もともと、EU(欧州連合)からの離脱による経済の落ち込みは避けられないと見られていたが、そこにウイルスという想定外の事態である。

しかし、いまさら後戻りは出来ない。他方、アメリカでは、トランプ大統領の再選に黄信号が灯った。ウイルスを軽視したことが彼の致命傷かも知れない。戦時の大統領を気取り、岩盤といわれる支持基盤をなんとかつなぎ止めようとしているが、アメリカ経済の落ち込みをどこまで回復させられるか、その勝負だろう。

コロナは将来の政治選択も迫る

他方、「新グローバリズム」の旗手一番手の中国は、ウイルスに対して情報管制を武器に闘おうとして手ひどい目に遭った。それに懲りて、権威主義を見直すかと思えば、むしろ独裁体制をさらに強化している。また、国内の生産体制に打撃を受けながら、途上国を対象とした大々的な人道支援に乗り出している。この外交姿勢が貫かれれば、中国の支援に期待している国々にとっては、好印象であろう。

では、中国の将来はバラ色かというと、どうもそうではない。国内的な締め付けは当然ながら反作用を伴う。国内で拡大する経済的格差、さらに過剰な投資と生産のつけなど、問題は山積である。国外においては、今後、欧米を中心に、国際的なサプライチェーンの要石・中国に過度に依存してきた体制の見直しがはじまる。ここから数年は、中国の黄金時代の終わりの始まりかもしれない。

歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、今、人類はコロナウイルスによって分かれ道に立たされているという(朝日新聞 4月15日付)。一方には、国際的連帯で危機を乗り切るという道、他方には国家的な孤立主義への道がある。さらに、もう一つの選択肢がある。全権力を独裁者に委ねるか、あるいは民主的制度を維持し、権力に対するチェックとバランスを重視するかである。

ウイルスは医療、衛生上の危機をもたらすと同時に、人類に対し、世界の将来を左右する政治選択を迫ってきている。つまり、われわれは疫病に勝つだけでなく、自由と平和と民主主義を守る戦いにも勝たなければならないということである。(茨城キリスト教大学名誉教授)

外出自粛・休業要請は17日まで 知事

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茨城県庁

【鈴木宏子】政府が4日、緊急事態宣言を5月末まで延長すると発表したのを踏まえて、大井川和彦知事は同日、茨城県の外出自粛要請と休業要請を17日まで延長すると発表した。

一方、茨城県は特定警戒都道府県に指定されているが、県内ではここ1週間ほど新規の感染者がほぼ1人かゼロという状態が続いているとし、今のこの状態が続けば、次の14日に開催される政府の専門家会議で特定警戒都道府県から外れる可能性がひじょうに高いことを明らかにした。

その上で、県として数値目標を含む独自の出口戦略を7日に発表するとした。さらにその後の1週間の経過を観察しながら、18日以降の県としての対応方針を15日に公表する。専門家会議が示した「新しい生活様式」について、これからどういう規制やどのような自粛が必要なのか、県としての考え方を示すという。

県の外出自粛や休業自粛要請は17日まで11日間延長される。今回の延長に対しては、新たな協力金の支給はないという。大井川知事は、(休業補償などの)政府や県のメニューが出そろったところなので持続化給付金や様々な無利子無担保の融資などを活用してほしいとしている。

クラウドファンディングで支援呼び掛け 土浦のクラブハウス存続の危機

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ライブの様子(club GOLD提供)

【山口和紀】土浦市上高津のクラブハウス「club GOLD」がクラウドファンディングを開始した。新型コロナウイルス感染拡大の影響でイベントが開催できず、存続の危機に陥っているからだ。

クラブは16年前にオープンした。日本語ラッパーとして有名な舐達麻(なめだるま)がライブをしたこともある。筑波大学のストリートダンスサークル「Real jam」など、地元サークルの利用も多かった。

休日を中心に営業し、茨城のミュージック・カルチャーシーンを盛り上げていた。クラブは3月末から営業自粛を開始し、現在までイベントは開催できていない。

イベントを開催しなくても、クラブの維持には費用が掛かる。中心は家賃と電気代だ。高圧電力を通しているため、毎月の基本料金は10万円を超える。電気をいったん解約して収束を待つことも難しい。1から契約という形になるためさらに費用がかかるからだ。数名のスタッフに払う人件費ものしかかる。

クラウドファンディングの目標金額は150万円。100万円集まったら約2カ月分の休業資金になる。募集終了までおよそ1カ月の現時点で約70万円集まっている。しかし「地方の小さいクラブやライブハウスも同様のクラウドファンディングを行っているが伸びない、このままだとうちも満額は達成できないと思う」とオーナーの加藤さん(50)は苦しい状況を話す。

クラブハウスならではの事情もある。クラブのイベントは「企画してから2カ月間の準備時間が必要」だ。出演者のスケジュールや告知をしてチケットを売るためにかかる時間があるからだ。いつ営業再開できるのかわからないという状況では、イベントの企画すら難しい状況になっている。

「3密避けられない」

営業再開ができたとしても道のりは険しい。オーナーは「再開できたとしてもすぐに人が集まるとは考えにくい」と話す。クラブイベントは性質上「3密」を避けることができない。感染のリスクを考えれば客足は遠のくだろう。

しかし、クラブは地元のミュージシャンやダンサーには必要不可欠な場所だ。一度なくなってしまえば、元には戻らないかもしれない。茨城の音楽・カルチャーのともし火を消してはならない。

支援はこちらから➡クラウドファンディングサイト:https://camp-fire.jp/projects/view/263942

《吾妻カガミ》81  つくば市のコロナ対応を点検

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【コラム・坂本栄】新聞もテレビも本サイトも新型コロナ禍一色です。4月の本欄は『大型コロナ病床をつくば市に』の是非」(4月20日掲載)、「善政? つくば市のコロナ対応」(4月6日掲載)でしたが、今回もつくば市のコロナ対応の話にします。

4月2回のコラムでは、コロナとの攻防を戦争状態に例え、撃退のためには二つの基本作戦が必要であると述べました。「コロナを運ぶ人の移動を抑える」「コロナを運ぶ人が群れない」です。政府の緊急事態宣言も各自治体の対コロナ策も、こういった考え方を軸に組み立てられています。

対コロナ戦の基本を踏まえ、6日のコラムでは、市が2~3月に打ち出した「小中学生の自習のための登校を容認する」善政は「人を群れさせない」という基本に合わない、「市内で宿泊・飲食する人にはおカネを補助する」善政は「人の移動を抑える」という基本を理解していない、と指摘しました。

似たような声があったのでしょうか? 市は4月3日に「自習登校容認」の取り止めを発表、20日には「宿泊飲食者補助」を「宿屋飲食店補助」に組み替えると発表しました。対コロナ戦線の拡大にともない、「群れさせない」「移動を抑える」という目標と、蔓延阻止の手段がかみ合って来たようです。

緊急対策の仕組みに心配な点も

以上は、対コロナ戦の戦略と戦術についての整理です。以下、市が4月20日に議会に説明した緊急経済対策の内容を点検します。対策の詳細は「テイクアウト飲食店に一律10万円 つくば市が1億6000万の緊急経済対策」(4月21日掲載)をご覧ください。

このセット対策は、①テイクアウト推進支援給付事業、②緊急支援給付事業、③市内事業者応援チケット事業、④市内宿泊事業者支援給付事業―から成っています。規模と効果がわかりやすい①②④(直接支援型)については、紙幅の関係もありパスします。

「?」が付いたのは、③です。その仕組みは、市町村で発行されたプレミアム商品券の業種限定・業者救済型と言ってよいでしょう。つまり、文化興業、運転代行、飲食経営など5業種に絞り、コロナ禍による売り上げ減で資金繰りが苦しくなっている事業者を助けるために、将来のサービス提供が約束されたチケットを、市内外の応援者(将来のサービス利用者)に前倒しで買ってもらう、という内容です。

市が2割の補助金を出しますので、応援者は本来価値よりも安くモノやサービスが買えます。事業者も応援者も「めでたしめでたし」ですが、事業者がコロナ禍に耐えられず店を閉めてしまうと、チケットは無価値になるのでは? 事業者が自らチケットを購入し、支払分と補助金を受け取りドロンしたら?―といった、心配な点もあります。

市の関与に安心して、応援者が先払いに応じ、市内の事業者を支援する―。洗練された仕掛けです。でも、クラウドファンディング(寄付感覚もあるリスク承知の投資)とチケット(モノやサービスが約束された商品券)の性格を併せ持つことから、混乱も予想されます。担当課によれば、無価値化に備え保険を掛け、潜在ドロン業者は排するとのこと。制度設計は複雑になりそうです。(経済ジャーナリスト、戦史研究者)

目立たないけど敏感 コケ、菌類など県版レッドデータブック刊行

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初めて刊行された「茨城における絶滅のおそれのある野生生物ー蘚苔類・藻類・地衣類・菌類編」

【山崎実】県生物多様性センター(県自然環境課)は、県内のコケ植物など蘚苔類(せんたいるい)、菌類などに関する初のレッドデータブック「茨城における絶滅のおそれのある野生生物ー蘚苔類・藻類・地衣類・菌類編」を刊行した。

いずれも目立たない生物だが、大気汚染、水質汚濁など生育環境の変化に敏感で、環境指標生物として重要な役割を果たしているのがこの種の特徴。

生息地が湿地や河川、林地、海洋などの限られた環境にあり、開発、乱獲、地球温暖化などから生息域が減少し、近年では多くの種が絶滅の危機に瀕(ひん)しているという。

1割が絶滅の恐れ

今回の刊行では、県内に生息しているとされる蘚苔類、藻類、地衣類、菌類約2000種のうち約1割の計199種を絶滅のおそれがあるとして選定した。5つのカテゴリー別では「絶滅」が5種、「絶滅危惧Ⅰ類」が75種、「同Ⅱ類」が37種、「準絶滅危惧」が63種、「その他(情報不足)」が19種。

分類別では、199種のうち蘚苔類が48種、藻類の海藻類が36種、淡水藻類が24種、地衣類が37種、菌類が54種。

県は、絶滅の恐れのある野生生物を将来にわたって存続させ、多様性を保全していくため、県内の植物及び動物について生物学的観点から個々の種の絶滅危険度を評価し、県版レッドデータブックの植物編を2013年度(改訂版)、動物編を16年度(同)に刊行した。

今回の「蘚苔類・藻類・地衣類・菌類」は、16年度に学識経験者など7人で構成する検討委員会を設置し、6回にわたる調査、検討を踏まえ、今年3月、待望の刊行にこぎつけた。

同センターは「今後、自然環境や生物多様性の保全活動、地域開発、土地利用計画の検討などで、環境影響評価の基礎資料として活用されるよう、行政、事業者、関係団体などに周知、啓発を行っていきたい」としている。

同レッドデータブックは県ホームぺージでサンプルを公開している。県庁(水戸市笠原町)3階、行政情報センターで閲覧でき、有償で領布(A4判、税込み847円)している。問い合わせは県生物多様性センター(電話029-301-2940)

インド出身の実業家 つくばの病院回りマスク寄贈

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筑波学園病院に1000枚の医療用マスクを手渡す倉留ラジェシュさん(左)=2日、つくば市上横場

【鈴木宏子】自動車販売店やレストランなどを経営するヤングガンズグループ(つくば市大貫)社長で、インド出身の倉留ラジェシュさん(47)が、市内の病院を回り、マスクを寄贈する活動を行っている。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマスク不足のなか、計1万枚のマスクを中国から輸入した。これまでに市内の市原病院(同市大曽根)、筑波記念病院(要)、筑波学園病院(上横場)にそれぞれ1000枚の医療用マスクを直接手渡したほか、マスクがなかなか手に入らない小規模な民間企業に100~200枚ずつ寄贈している。

倉留さんは19歳で来日、29歳のとき、つくば市で自動車販売会社を立ち上げ、同市や栃木県真岡市に自動車販売店を5店、つくば市内にレストランを6店経営するまでに事業を拡大させた。

「会社が大きくなり、今(自身が)ここにあるのは日本のおかげ。困っている人のために何かしたい」と、知人を通して中国から医療用マスク6000枚と一般のマスク4000枚を輸入した。これまでも、2011年の東日本大震災や12年の北条の竜巻、15年の常総水害などで、被災者に食事を届けるなどボランティア活動に取り組んできた。

2日は同市上横場の筑波学園病院を訪れ、病院関係者に1000枚の医療用マスクを直接手渡した。同病院は「大変ありがたい。マスクは今は何とか確保できているが、値段が何倍にもなっている」としている。

倉留さんは「マスクが手に入らず困っているところがあれば、これからも届けたい」と話している。

《続・気軽にSOS》60 コロナ禍 このイライラをどこに

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【コラム・浅井和幸】緊急事態宣言が、茨城も含む全国に拡がってから2週間が過ぎました。さらに延長をしなければいけないという意見が強く、期間延長の動きも出てきました。自粛、自粛。人は物事を制限されると、大きなストレスを感じることになります。

さらに、経済的な困窮が追い打ちとなり、自殺者の増加が懸念されます。新しい情報が出続け、多すぎる情報に、何が正しいのか分からず混乱します。いつもとは違う生活サイクルも、ストレスとなります。

そうしたとき、安心して大丈夫だよと言ってくれる根拠のない情報を探し、白黒がはっきりとした、分かりやすい解決方法のデマに飛びついてしまうのです。また、いつもと同じ行動が安心感につながりますから、いつものパチンコ屋とか、スーパー、ホームセンターに出かけたりしてしまうのです。

とても嫌なことが起きている、こんな悪いことが起こっているのは、悪い奴がいるからだ、そいつらのせいで、自分はこんなに苦しんでいる―と考え、「悪者」と決めつけた人を叩くことで、不安を解消しようという言動につながります。正義でいれば、悪いことは起こらないと教えられて育ちますから。

陰で愚痴を言うぐらいならばよいですが、実際の行動に出てしまう人もいます。感染者(デマもある)の家に石を投げ込むなどの悪質な嫌がらせです。そのような行動を起こす人は、自分が正義の行動をしていると考えていることがあるので、たちが悪い。

とんでもない奴がいるものだ…と、ほとんどの人が思うことでしょう。しかし、多かれ少なかれ私たちは、このような性質を兼ね備えているものなのです。そのことを肝に銘じて、周りの言動を理解することが大切です。そのような輩(やから)からは離れることが得策です。なので、それを考え続け過ぎて、嫌な言動に囚われ過ぎないようにしてください。

社会・家族・自分・幸せを見直すとき

いつもと違う行動はストレスになります。しかし、それをよいストレスとし、新しい発見をしましょう。余裕を持って、もっと笑って、今できることの中に楽しみを見つけてみましょう。(もちろん、それでも苦しいときは専門家に相談してくださいね)

ストレスに柔軟に対応できる能力として、首尾一貫感覚という健康社会学の考え方があります。3つの感覚を挙げているのですが、その中でも一番大切な感覚で「有意味感」というものがあります。

今、起こっていることに、意味があると感じられる感覚です。今、起こっていることは、この先の糧(かて)となるであろうと考えてもよいかもしれません。社会を見直し、家族を見直し、自分を見直し、幸せを見直す。そのようなときが来たのかもしれません。

なんて、重く考えず、こんなにつらい状況でも、素晴らしい人に囲まれて、楽しい時間が過ごせるような方法を、ワクワクしながら考えてみてください。きっと、その先には、素晴らしい日々が待っているはずです。(精神保健福祉士)

10万円給付金、オンライン受付開始 申請書郵送は16日から

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マイナンバーカードを活用したオンライン申請(参考)=出典:総務省発表資料

1人一律10万円の特別定額給付金などを盛り込んだ国の補正予算が4月30日、国会で可決、成立したことを受けて、つくば、土浦両市でも、マイナンバーカードを持っている人を対象にしたオンライン申請が1日スタートした。

政府が運営するオンラインサービス・マイナポータルの「ぴったりサービス」(市町村の行政手続きの検索・オンライン申請機能)に、特別定額給付金の申請画面が開設された。この画面で、マイナーバーカードの所持者はカード搭載の電子署名機能による本人確認を行うことで、オンライン上で申請手続きを完結できる。

郵送される申請書の到達を待たずに手続きできるが、1日時点ではアクセス集中のため、回線が混雑し繋がりにくくなっている。

一方、郵送による申請は、一般的には市役所に行かずとも受け付けられる。両市とも16日ごろから各世帯の世帯主宛てに申請書などを郵送する。実際に給付が始まるのはつくば市は6月初旬ごろから、土浦市は5月中に振り込みを始められるようにしたいとしている。

つくば市によると4月27日から5月1日までに「いつから給付を受けられるのか」「どんな手続きをすればいいか」などの問い合わせが150件ほど寄せられているという。土浦市は4月25日から5月1日までに350件ほどの問い合わせがあるという。

受け付け始まる テイクアウト協力金など つくば

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緊急経済対策の相談を受け付けるつくば市産業振興課経済支援室窓口=つくば市役所コミュニティ棟3階

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けているつくば市の事業者に総額1億6400万円を給付する緊急経済対策の補正予算(4月21日付)について審議するつくば市議会臨時議会が1日開かれ、全会一致で可決した。可決を受けて同市ではs即日、食事のテイクアウト(持ち帰り)を実施している飲食店に一律10万円を給付するテイクアウト協力金などの申請受け付けが始まった。

ほかに、クラウドファンディングで民間資金を集め、将来使用できるチケットを先払いで購入してもらい、チケットの売り上げを事業者に渡す補正予算の事業について、飲食店を対象とした応援チケット事業の参加店の募集もスタートした。

市産業振興課経済対策支援室によると、テイクアウト協力金やクラウドファンディングによる応援チケットについて、1日までにそれぞれ100件を超える問い合わせがあったという。

テイクアウト協力金について市は1日付けで、計約1000店の市内飲食店に制度の案内と申請書を郵送した。市役所に来なくても、郵送された申請書に必要事項を記入して申し込めば、早くて20日過ぎから10万円の給付を受けることができるという。

補正予算が可決されたクラウドファンディングによる芸術文化、旅客運送など残り4分野の応援チケットと、従業員が新型コロナウイルスに感染した場合の緊急支援資金、売り上げが減少しているホテルや旅館に最大300万円を給付する経済支援などについては、詳しい手続き方法などが決まり次第、順次受け付けを開始するという。

【高校生インタビュー】土浦初の女性市長㊦ 若い人へのメッセージ

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安藤市長に質問する生徒たち=土浦市役所

土浦日本大学中等教育学校報道サークルが高校生の視点から、土浦市初の女性市長、安藤真理子氏にインタビューした。最終回の3回目は、高校生へのメッセージをいただいた。[聞き手はいずれも新6年(高校3年)生の坂本恵理さん、石田日菜子さん、笠倉斗真さんの3人、インタビューは3月に行われた]

ー先日テレビ番組「緊急SOS! 池の水ぜんぶ抜く大作戦」(テレビ東京)で、土浦城のお堀の清掃を見ました。今後もテレビ取材はありますか。

どうしてああいう取材になったかというと、お正月にテレビを見ていたらあの番組をやっていました。以前から亀城公園でやってもらえないんだろうかって単純に思っていたんですけど、市長になってからテレビを見て「やってもらえないのかなーじゃなくて、これやってもらえるように交渉しよう!」って思って、連絡を取ってもらいました。そしたらロンブーの敦さんがお城好きなんですね。すぐOKくれました。それで来てもらったんです。

私は土浦をどんどんPRしたいんですよ。土浦って歴史と伝統が誇り、宝なんですね。文化があって、土浦には着物屋さんとかお茶の道具屋さんとかもあるんです。それは新しい街にはない。歴史と文化があるという魅力がある。霞ケ浦という宝もあるし、亀城公園はあるし、本当にたくさんの宝があることを発信していきたい。

今年は市制施行80周年に当たり、土浦が市として始まって80年という記念の年です。イベントとしてはNHKの「民謡魂」っていう番組が土浦市民会館にきて放映してくれます。機会を逃さず土浦を発信していきたいですね。

変えたいと思ったら声挙げて

ー若い世代とのコミュニケーションについて思うことがありますか。

今年の土浦の成人式は新成人の要望を受け、会場が、各中学校での開催から霞ケ浦文化体育館1カ所での開催に変更されました。皆も何か変えたいと思ったら声を挙げてください。こういう風に「市長に会いたい」と声を挙げることで変わっていくので。

政治ってそういうことだと思うんですよ。(成人式の会場問題では)20歳の子が電話してきました。「市長に会いたい」なんてなかなか言えないことだと思います。その時に思ったのは、これで市長に会えなかったらその年代の子たちは「なんだよ、土浦なんか」って思うと思ったんですね。ちょっとしたことでみなさんが「土浦なんか」って思っちゃうこともあるかもしれない。そういう思いもありました。ちゃんと話を聞く大人もたくさんいるんだと思ってもらいたいです。

やらない後悔より、やって後悔したい

ー最後に土浦の高校生にメッセージをお願いします。

皆さん、やりたいことはどんどんやってください。いっぱいやって、そしてその中で自分がやりたいことを見つけていけばいい。土浦の学校に通ってて良かったなと思えるような学校生活を送ってほしいな思っています。それは私たち大人の責任もあります。勉強も遊びも全部がんばって世界を広げてほしいと思う。そして土浦に戻ってきてほしいです。

高校生の時、私は政治の道に進むってこれっぽっちも思っていませんでした。私は高校時代は東京のOLになりたかったので、実際に東京で働きました。当時、つくばで科学万博が開かれることになり、関わりたいと思ってOLを辞めて、万博で働きました。その時は家族に反対されました。なんで東京の大きい会社に勤めているのにそこを辞めるのか、万博は半年間しかないのにって怒られました。けれど私はこんな機会はないって思ってやりました。後悔はしませんでした。私は、やった後悔とやらない後悔では、絶対やって後悔をしたいと思います。やらない後悔ってもっと後悔します。

やりたいこと、今分からなくても当たり前

そして私がいつも思っているのは、夢は強く願えば必ずかなう。これを高校生の皆さんに言いたい。私はそう思っていたし、実際そうなっています。夢を強く持ってください。まだこれからの自分の進路が決まってなくて、何がやりたいか分からないとしても、そんなの当たり前だと思います。興味があることをやっていたらそのうち見つかります。私は介護の仕事をしましたけど、それまでいろんな仕事をしてきて、最終的に自分の仕事は何かと思った時に、自分で介護の仕事を決めました。その時は私の天職だと思ったんです。本当に介護の仕事が好きになった。

議員になったのは45歳の時ですけど、それまで議員になるとは思っていなかったので、20代、30代の人が今自分が何をしたいか分からなくても、もしかしたら政治家になるかもしれないし、全く別の仕事をするかもしれないし。いつも可能性を秘めています。その代わり一生懸命生きてください。全力でやってください。一生懸命生きていればみなさんの夢は必ずかないます。

ー本日はどうもありがとうございました。(おわり)

《ことばのおはなし》21 私のおはなし⑩

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【コラム・山口絹記何度かの試行錯誤の末、娘と妻の名、短いメッセージを書くことができた。これが、私が書きたかったことばだ。時計を見ると朝の6時半だった。

まだ「あ」から順に五十音を口にすると、何故か、さ行までしか言えないし、2文字以上の漢字からなる単語は書けなかったりと問題は多い。それでも6時間前に比べたら見違えるような改善だ。

目が覚めて、またことばが話せなくなっていたら…。丸暗記でテストに臨む前夜のような不安にかられながら目を閉じると、カーテンが開いて妻が現れた。

(えぇ…こんな早い時間から面会できるの?)

少しでいいから寝たい。しかし、泣き腫らした顔の妻に、「眠い」とは言えない。もう話せるけれど、言えない。すっかり忘れていたが、昨夜の私は脳腫瘍の疑いと診断され、妻はその説明を受けてから帰ったに違いない。

メッセージを書いたメモを見せつつ、ぽつりぽつりと話をした。乳幼児は入室禁止らしく、娘とは会えない、ついでに朝食も出ない、とのこと。残念である。

9時になると、脳外科の医師がぞろぞろとカーテンを開けて入ってきた。「あれ、話せてるじゃない」などと話し声が聞こえる。今日の夕方、MRI(磁気共鳴画像)で精密検査をするらしい。11時になると看護師が身体をきれいにして、寝間着に着替えさせてくれた。やっと、入院患者らしい見た目になった。

昼食は魚のパン粉焼き。なかなか美味しい。まだうまく動かない右手でどうにか食べ終わり、やっと1人になって気絶するように眠りにつこうとしたところに、今度は母が現れた。母は私の顔を見て、一瞬泣きそうな顔をしたが、踏みとどまったようだ。

(ね、寝たい…)

精密検査の結果を説明される

その後も、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がかわるがわる病室を訪れ、休む時間もなかった。

結局1人になる時間はなく、夕方の精密検査の時間になる。ぐったりしながら車椅子に乗せられ、放射線室に連行される。点滴から、造影剤を入れているらしいが、もはやほとんど意識がない。左腕から上がってくる温かい感覚に途端に眠りに落ちる。気がつくと、再び車椅子に乗せられ廊下を進んでいた。爆睡している私を技師や看護士が車椅子に移してくれたのだろうか。申し訳ない。

HCU(高度治療室)から個室の部屋に移動になり、運ばれてきた夕食のカレーを食べながら、母と妻と話す。食事の量が足りない。あと、本が読みたい。

妻には、ありったけの食料と本を病室に持ってきてほしいと頼み、1人になってからは今日の記録をメモに残した。

翌朝。妻に持ってきてもらった、どんぶりいっぱいの手羽先とゆで卵、大量のお菓子が置かれた病室の机を挟んで、6名の医師から精密検査の結果を説明される。なんとなくシュールな絵面である。

昨日のMRIの結果、血管病変、腫瘍、感染症の原因のうち、血管の問題である可能性が高いらしい。再度検査が必要らしいが、「血管病変であれば、うちの病院は強いよ」と言いつつ、医師がニヤリとした。どこか楽しそうである。

ここで治療を受けよう。そう思った。-次回に続く-(言語研究者)

【高校生インタビュー】土浦初の市長㊥ 市政への思いは

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生徒たちからの質問に答える安藤市長=土浦市役所

土浦日本大学中等教育学校報道サークルが高校生の視点から、土浦市初の女性市長、安藤真理子氏にインタビューした。2回目は、女性という視点から土浦市政への思いについて聞いた。[聞き手はいずれも新6年(高校3年)生の坂本恵理さん、石田日菜子さん、笠倉斗真さんの3人、インタビューは3月に行われた]

ー市長になって変わったことはありますか。

一つは本当に忙しくなったなということ、そして、市長ということで今まで会えなかった方々にも会え、ありがたいです。「おー」と思ったのは、東京都の小池百合子知事から連絡があって、女性市長になったということでお会いしたいと言っていただいて、会いにいったこともありました。

活躍できる環境をつくる

ー市長は公約の一つに「子育て支援と女性の活躍の場所づくり」を掲げていれます。今の土浦はまだ女性の活躍の場が少ないと思います。その現状と今後、女性の活躍する場所をどのように見ているのか、子供たちのためにはどう取り組まれるのかを教えてください。

私の時代は、昔ほどではないんですが、生徒会長とかPTA会長とか、長になるのは男性でした。今は全然そんなことはないと思いますが、でも会社でも部長とか、社長とかまだまだ女性が少ない。それは私たちの世代が育ってきた時代の影響もあります。上に立つのは男の人だという風に育ってきた時代の最後の頃、ちょうど私たちの世代は過渡期ですね。一方で女性も活躍し始めました。私が会社をつくったくらいなので。多少は珍しいけれどバッシングはされない、そんな時代です。

でも今も、市役所の部長に女性がいないんですよ。ほんとだったらすぐ女性を部長にしたいと思います。でもやっぱりそのように育ってない年代なので、早く結婚して辞めちゃうとか、子供ができたら辞めちゃうとか、そうではなくて、力があればもうどんどん仕事をしていきましょうよ、部長にも、それこそ市長にも、社長にも、総理大臣にもなりましょうよっていう、そういう環境をつくっていきたいと思っています。

役職に就けばいいということでもないんですが、外に出やすい環境、子供が居るのでなかなか外に出られないとかではなくて、保育園できちっと預かっていただけたり、仕事をしていなくても子供を外出先に連れていけない時、託児所のような所をちゃんと整備しましょうと。そういうことから、女性が働きやすく、そして活躍できる環境を作っていきたいと思っています。

ー今後、子供たちのためにどういったことに取り組まれる予定ですか。

国が幼稚園、保育園の無償化ということで、今、無償で保育園や幼稚園に入れるんですが、まだ0歳、1歳、2歳は対象になっていないんですね。そこを支援して、お金を出すなどの制度をつくっていきたい。それから、小さい子って結構病院にかかるんですよね。それを公費で負担したい。もちろん、県や国の制度もあるんですが、漏れてしまう部分があるんです。例えば高校生が入院する場合、お母さんお父さんの収入によってはお金を払わないといけない方もいるんですが、お子さんがちゃんと大人になるまでは、制度として公に支援しましょうということをやっていきたいと思います。

あるいは、今だんだん民間の幼稚園、保育園が増えてきて、土浦市は全部民間にしようって進んできたんですけれども、私としては公立の役割が必要だなと思っているんですね。生活するのに大変なおうちのお子さんとか、みんなと一緒に生活するのが難しいお子さんもいる。そういうお子さんは、公として支援していかなければならないと思うので、手厚くしていきたいなと思っています。

土浦でよかったと思ってほしい

ー土浦駅前に図書館ができ、駅ビルがリニューアルされました。これから土浦の高校生のために取り組もうとされていることはありますか。

土浦市には高校が10校(※編注)あって、県内では水戸市に次いで2番目。本当にたくさん高校があり、土浦は高校生がいっぱいいる市なんです。(市内すべての高校が集結するイベントの)「学祭TSUCHIURA」では10校が集まって文化祭のようなことをしていただきました。

実は今年、市外の高校からも参加させてって言われました。それはいいことじゃないの、土浦発信で参加したいって思ってもらえるようなイベントにしましょう、ってことで、今後もどんどん広げていこうって話をしています。やはり土浦が高校生に優しい街だということ、高校生の希望や「こういうことがあったらいいな」という話を聞いて、学祭などをきっかけに、市に対していろいろ言ってほしいなって思うんです。

緊張した表情でインタビューに臨む3人。(左から)坂本恵理さん、笠倉斗真さん、石田日菜子さん=市長応接室

若い人たちに土浦の学校でよかったよ、土浦で勉強できてよかったよって思ってほしいんです。私は皆に日本中へ、世界へ羽ばたいてもらいたいと思うんですよ。土浦だけじゃなくて、いろんなところで活躍してもらいたい。でも例えば結婚したり、子供ができたり、あるいは定年退職する時に、ああ、土浦で結婚生活送りたいな、土浦で子育てしたいな、土浦で最期を迎えたいなって思ってほしいんですね。

土浦で遊ぼうとかデートしようとか、そう思ってもらえるような街にしたい。じゃあどうしたらいいか。皆さんが「こんな街にしてください、市長さん」って、どんどん言ってほしいなと思うし、皆、土浦に帰ってきてほしい。だからみんなどんどん言ってください。(㊦につづく)

(※編注)県立の土浦一、土浦二、土浦三、土浦工、土浦湖北、土浦特別支援と私立の土浦日大、土浦日大中等教育、常総学院、つくば国際大の各校。ことし8月1日に開く予定だった「学祭TSUCHIURA2020」は中止が決まった。

《食とエトセトラ》2 自然の恵み:筍と旬の関係

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アク抜き下処理後の筍

【コラム・吉田礼子】今年は例年より地元の筍(タケノコ)が店頭に出回るのが早い。東日本大震災のときは、福島第一原発事故による放射性物質の検出から出荷規制が何年も続き、土浦の場合で自粛がやっと解除になったのは2018年のこと、地元産の筍を再び味わえるようになった。

筍と旬、この2文字に関連性を感じる人は多いと思う。旬の読み方のひとつは「シュン」。広辞苑によると、①朝廷行事のひとつ、②魚介、野菜、果物がよくとれて味の最も良い時、③転じて物事を行うに適した時期―とある。

「ジュン」と読むと、ひと月を10日ずつ3つに分け、上旬・中旬・下旬といった使い方になる。筍は土の中から芽を出し、10日で竹になるということから、この字が使われたとのこと。食の世界では、旬を3つに分け、「走り」「盛り」「名残り」と言う。

「走り」は、出回り始めで味も香りも浅く、数量も少ないので値段も高い。先駆けの希少価値のところが好まれる。「盛り」は、字の如く、食材の風味・味も濃く、しっかりしている。収穫量も多く、値段も安い。

多種多様の料理を堪能したあと、「名残り」が来る。そのころには大きく育ち、繊維も強く、歯が立たない部分もあり、調理にも一工夫が必要に。すりおろして、お肉などと一緒に団子にして、油で揚げていただく。

どの旬でも、真空パックやビン詰めのような保存食にはない、今だけの、そして産地ならではの、自然の恵みを堪能していただきたい。

外出自粛で家にいる間はお料理を

先日、「筍、掘ったから届けるよ。今、実家から帰るところ」と、友人から電話があった。阿見の義母に電話して、糠(ぬか)をいただきに。そろそろ糠のリクエストのころと、精米に行く義父に用意してもらっていたとのこと。そんな、ささやかな心遣いにほっこり。

トンボ返りで戻ると、玄関に段ボールがあり、掘りたての見事な筍が届いていた。早速、下ごしらえに入る。よく訊かれるので、アクとえぐみを抑える下処理の仕方を紹介します。

  1. 大鍋を用意する。外側の土のついている筍は皮を1~2枚むく。先を人の字に切り落とす。下の切り口は洗い、土の付いているところは切り落とす。
  2. 鍋の直径に穂先から入る長さに切り、おさまりよく鍋に並べて、1~2カップの糠とタカの爪2本入れ、たっぷり水を入れ、落とし蓋をして60~90分茹でる。途中、上下を返し、湯も足して、根元に竹串を刺しスーッと入ったら、そのまま一晩(8時間ぐらい)置く。
  3. 翌日、皮をはがし真水に漬ける。姫皮も捨てないでとっておく。毎日、水を取り替える。または冷蔵庫に入れておくと、1週間ぐらいは美味しくいただけます。筍は繊維が強いので、卵、海藻、豆腐などを献立に一緒に入れることを勧めます。

今年は、いつ終息するか先が見えないコロナ禍に耐えている日々であるけれど、季節は確実に前に進んでいます。明けぬ夜はないと信じて乗り切りましょう。外出自粛で家にいる時間、家族でお料理をしてください。子どもたちにとっても、生きていく基礎力が身に付くチャンスです。(料理教室主宰)

赤ちゃんの股関節脱臼心配 ツイッターで無料相談 つくば市の医師

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中川将吾医師(本人提供)と背景は中川将吾こどもの整形外科ツイッターアカウント画面

【伊藤悦子】新型コロナウイルスの感染拡大から、乳幼児健診や育児相談事業が中止や延期になっている。1歳未満の赤ちゃんは乳児一般健康診査受診票を使用し、医療機関で健康診査を受けられるが、今の時期、乳幼児を連れて病院へは行きづらい。特に赤ちゃんの股関節脱臼が見逃されやすい懸念があるため、つくば市在住の医師が10日から、自身のツイッターアカウントで無料相談を開始した。

「乳児股関節パトロール」と名付けた活動を強化しているのは小児整形外科医、中川将吾さん。4月、5月に健診を受ける冬生まれの赤ちゃんは、原因は分かっていないが股関節脱臼になりやすい傾向にあるためだ。中川さんによると、股関節脱臼は乳児健診で見つかるのがだいたい8割程度で、15%は1歳ごろになって、歩きだしてから初めて分かることがほとんどだそうだ。生後半年を過ぎてわかった場合、治療は手術になることが多いという。

「股関節脱臼は1カ月発見が遅れただけで治療法が変わってしまう可能性がある。小児整形外科医としてできることはないか」と考え、Twitterを利用しオンライン上で無料相談に乗ることにしたという。オンラインなのでつくば市や土浦市だけでなく、全国どこに住んでいても相談を受け付ける。

ハッシュタグ「#股関節心配」で

最近は、乳児の股関節脱臼を診ることができる医師も減っているという。特に生後1カ月程度だと、股関節が外れても簡単に戻ったりするため、一般の整形外科や小児科に行っても見つからないこともあるそうだ。

チェックポイントは、足の開き方の左右差、足にできるしわの数の左右差、逆子、女の子、冬生まれ、股関節脱臼の家族歴がある赤ちゃん。いくつかあてはまるなど不安がある場合は、相談してほしいと話す。 相談方法は、赤ちゃんの足のしわの状態や動きを撮影し、ツイッターで「#股関節心配」というハッシュタグをつけて動画をアップするか、DM(ダイレクトメール)を中川さんのアカウントに直接送る。

◆動画撮影のポイントは次の通り。

  • ズボンやロンパースは脱いでオムツにする→脚のシワを見やすくする
  • 動画の撮影はおへそまで→動いている部分が見やすくなる
  • 正面からの撮影→傾いていると判定が難しい
  • 靴下ははかない→脚の向きがわかりやすくなる

(中川将吾さんのツイッターより)

両市の乳幼児健診再開は未定

乳児・母子健診の延期・中止について、土浦市・つくば市の担当者に話を聞いた。

土浦市では、4、5月の4カ月児の健康診査のほか、赤ちゃん身体計測、10カ月児育児相談、つちまる育児相談は当面の間中止だ。また1歳6カ月児健康診査、3歳児健康診査は延期。おやこの歯科検診は当面の間中止で振替の予定はない。市健康増進課母子保健係によると、中止の連絡は個別に案内を送付、「心配なことや不安なことがあれば個別に電話で問い合わせを」と記載した文書を同封したという。

1歳未満の赤ちゃんは「乳児一般健康診査受診票」を使用して医療機関で健診を受診することになっているが、体重の増え方などに不安がある場合など、保健師が面接して相談に乗っている。また1歳の子どもの保護者や妊娠後期の母親には、電話をして様子を聞いているという。健診の再開時期は未定だが、「再開が決まったら市のホームページに掲載するほか、個別に連絡する」そうだ。

つくば市では、生後3カ月から7カ月未満、9カ月から12カ月の赤ちゃんは「乳児一般健康診査受診表」を使用して県内の医療機関で健康診査を無料で受診することになっている。

同市母子健診担当によると、今の時期に個別で病院に健診に行くのが不安な保護者には、平日午前8時半から午後5時15分まで電話相談を受け付けて対応しているという。

また毎月予約制で行っている「すこやか健康相談」も現在は見合わせているが。予約なしで体重を測りに来た場合は、保護者が自分で測定することができる。さらに「母乳が足りているか」「体重の増え方が心配」など不安がある場合、随時対応で、短時間だが相談に乗っているという。赤ちゃん訪問も見合わせているが、ケースによっては同意を得て訪問も行っている。

4、5月の1歳半・3歳健診は延期となった。ともに法律で定められている健診なので、時期を過ぎても1歳半健診は2歳の誕生日前日まで、3歳健診は4歳の誕生日前日まで受けられるようになっている。今回は延期がいつまで続くのか分からないため、誕生日を過ぎても受けられるように体制を整えている。「6月に実施するかどうか、方針はまだ出ていない」として、「もし実施する場合は人数を減らしたり、車で待機してもらったりなど工夫する。しっかり対応しながら行うので、心配しないでほしい」ということだ。

【高校生インタビュー】土浦初の女性市長㊤ どんな経験をしてきたか

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安藤市長をはさみ、左から坂本恵理さん、石田日菜子さん、笠倉斗真さんの3生徒

土浦市に初の女性市長が昨年11月、誕生した。どのような経験をして市長になったのか、どのような思いを持って市政に取り組んでいるのか。土浦日本大学中等教育学校報道サークルの生徒が安藤真理子土浦市長を訪ね、高校生の視点でインタビューした。[聞き手はいずれも新6年(高校3年)生の坂本恵理さん、石田日菜子さん、笠倉斗真さんの3人、インタビューは3月に行われた]

ー安藤市長はどんな高校生でしたか。高校生の頃から政治のことに興味があったのですか。

特に興味があったということではないんですが、5歳の時から40年間、父(故・井坂信之氏)が市議会議員をやっていて、物心ついた時からそういう家族だったので、選挙が身近だったり、いろんな方が「こういうこと困っているんだよ」と家に来たので、そういうときにお茶出しをしたりしていました。そういう環境だったので、子供の時から意識しなくてもそれが普通という感じでいました。

愚痴ってもしょうがない、自分でもの申す

ー政治の仕事に就こうと決めたのはいつですか。

2007年です。13年くらい前ですね。市議会議員になろうと思いました。結婚して子供が生まれて、子育てをする専業主婦だったんです。当時は、子供が小学生くらいになったらパートでお仕事しようかと軽い気持ちで思っていたんですが、小さい子供がいるので就職もなかなかできなかった。

きちっと仕事をしたいと思ったんですが、なかなか就職できないので、これは私みたいな人もたくさんいるだろう、そういう人が働きやすい職場をつくろうと思って、自分で会社をつくったんですね。その時は私と社員2人の計3人。介護の小さい会社をつくりました。

当時は介護保険制度ができたばかりで、新しい制度だから、いろいろな問題がありました。小さい会社ですけど社員が集まると「この制度のここが良くないよね」とかいろいろ愚痴が出ました。そういう時に「ここでしゃべっていてもしょうがない。どうにかしなきゃいけない。これは国の制度なので国にもの申すしかない」と思いました。

私たちのような者がどうしたらいいんだろうと思った時に、市議会議員をやっていた父が高齢のため引退することになったんですね。介護保険とかそういう大きな問題をどうするか、政治の力を使うしかないと思って、ちょうど父が引退するタイミングと合ったんですけれど、私が市議会議員になって、いろいろなことを市、県、国にもの申していきたいと思ったのがきっかけです。

ー今までの政治家生活の中で苦労したこと、うれしかったことは何ですか。政治家のやりがいはどこにありますか。

ぱっと思いつくのはうれしかったことです。皆さんも町を歩いていたり、生活をしていて「もっとこうしたらいいのに」と思うこと、あるじゃないですか。政治をやっていると、いろいろな方から「これをこうしてほしい」「こうしたらどうか」という提案をもらったり、「困っている」という相談があります。私たちはそれを「なんとかしてくださいよ」「こうしましょうよ」とやっていくんですが、全部聞いてもらえるわけではない。でも、ほんとにそれは大事だねって市や県や国が思ってくれて、私が提案したことが実現して、そしてそれを喜んでくれるのは本当にうれしいことです。

苦労したこと、困ったことは、何度足を運んでも聞いてくれなかったり、いろいろな相談を受けて「私もそうだな、本当に変えてもらわなきゃ」って思うことが、何をしても変わらないとか、解決しないというのは、本当に苦労ですね。

でも政治家としてのやりがいは、自分の提案で街が変わっていく、本当に困っている人たちが「このことをお願いしたら変わった」と言ってくれる、そういうことがあるとやりがいを感じます。市民の声が届くことが、やはりよかったなあと思うことですね。

私しかいない、注目される

ー土浦市初の女性市長ということですが、女性と男性で違いがあると考えますか。男性市長ではできないことは具体的に何かありますか。

男性市長じゃなきゃできないこと、女性市長しかできないことっていうのは基本的にはないと思うんです。ただ、女性の目線じゃないと気付かないことがあると思うんです。私は女性で、母でもあり、子供もいて、女性として働いてきたという視点から、男の人が気が付かないことに気づきます。

具体的に言うと、災害の時、男性が長であると指示、命令は男性の目線ですよね。だけど、細かいことですけど、小さい子をお風呂に入れるにはどうしたらいいか、そのための設備が必要になりますよねとか、女性特有のニーズとかあるじゃないですか。男性はおそらく気が付かないですよね。そういうことも細かい視点でみてあげられます。

子育てに関しても、ただ制度をつくればよいのではなく、例えば、市役所1階に、お母さんが子供連れで来た時に使える遊びのスペースというのがあるんですよ。それを見て「これ?」と思っちゃったんですよね。多分男の人は気付かない。女性として母として「もうちょっと明るく、子どもたちが喜ぶようなものをここへ置かなきゃだめじゃない」って思いました。遊びのスペースもこれから変わります。

ー初の女性市長ということで、周りの印象的な反応はありましたか。

茨城県には44人の市町村長がいますけれども、今、女性市長は私しかいない。どういうことしてくれるんだろうっていう期待もあるし、単純に、何やるの?というような、興味もあると思います。多分、男性市長と同じことを女性市長がやったとしても注目はされると思います。結構取材もされます。土浦をPRしたいので、取材してもらえると土浦が広く発信できてありがたく思っています。(㊥に続く)

《ライズ学園日記》5 「育ち」を支えるために

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【コラム・小野村哲】その子を知らずして、良い支援などできるはずがありません。しかし、その子が今「どのあたりにいるのか」「何が上手にできて、何に、なぜ、どの程度の難しさを感じているのか」など、理解することはとても困難です。

アメリカの教育哲学者デューイは「教育は、子どもの能力や興味、習慣を見抜く、心理学的洞察をもって始められなければならない」と言っています。

大学生だった私は、「子どもたちをよく見なさい」というだけのことだと思っていました。しかしそれから20数年後、あらためて読み返してみると、私は「わかったつもり」でいた自分に気がつかされました。

デューイは「能力」「興味」「習慣」を見抜く「心理学的洞察」から始めよと言いますが、「能力:capacities」「興味:interests」「習慣:habits」とは具体的に何を指しているのでしょうか? 辞書にhabitは「くせ、習慣」などとありますが、「習慣を見抜け」とはどういうことなのでしょう?

habitはhaveと同じ語源から生まれた語で、ここでのhabitは「あとから身につけたもの」とでも理解すべきかと思います。具体的には、学ぶことに得意意識をもっているのか、それとも苦手意識を身につけているのかなどがあげられます。

仮に英語学習の場面であるなら、英語に近いフランス語を母語としているのか、それとも言語間距離が遠い日本語を身につけているのか、なども考えられるかと思います。

わからないからこそかたわらに寄り添う

英語教材のキャッチコピーに、「赤ちゃんは文法を勉強しません」というフレーズが使われていましたが、だからといって高校生や成人学習者に「赤ちゃんと同じ方法で英語を勉強しなさい」とするのは明らかに矛盾しています。これなどは、学習者のhabitを軽視した典型的な例として挙げられるでしょう。

英語ネイティブはこうしているから、日本語ネイティブも同じようにすればよいという発想は短絡的に過ぎます。けれど多くの人は、capacitiesもinterests、habitsも辞書を調べて、日本語に訳したら、それで「わかったつもり」になっています。これはまさに、現在の英語教育の問題点でもあります。

だからといって、「わからない」では何も始められない、ということもあるかと思います。しかし、「わかったつもり」になってしまっているのと、「わからないから、少しでもよく理解できるように、よりよく見よう」とするのとでは、結果に大きな差が生じるであろうことは言うまでもありません。

わかったつもりでいれば、見る姿勢からして損なわれてしまいます。わからないからこそかたわらに寄り添う。その心と姿勢こそが信頼を深め、子どもたちと支援者双方にとって意義ある学びを可能にするのではないでしょうか。(つくば市教育委員)

障害者の居場所を守るために 就労支援事業所の今

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ひまわり学園=つくば市上横場

【川端舞】新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出自粛を呼び掛けた「ステイホーム週間」が始まった。日中の障害者の居場所はどうなっているのか。県内3カ所の「ひまわり学園」で就労支援を行っている特定非営利法人「艫(とも)づな会」の理事長、大久保安雄さんに話を聞いた。

日常を守っていく

ひまわり学園つくば(つくば市上横場)は、一般企業等への就労を希望する障害者に、就労に必要な知識及び能力向上のための訓練をする就労移行支援と、一般企業等での就労が困難な障害者に、働く場を提供する就労継続支援B型を提供している。普段は40人の利用者が平日午前9時から午後4時まで通い、金属部品のバリ取りやサッシ部品の組立、調理作業などを行っている。

就労支援事業所が閉じてしまうと、障害者はほとんど自宅にいることになり、介助する家族の負担が増えるとともに、本人の身体機能の低下も危惧される。こうした不安も考慮し、学園では、利用者や家族に対する情報提供や、利用者・職員の健康管理を徹底しながら、通常通り開所している。それでも新型コロナ感染拡大の影響で、普段企業などから受注している仕事は減っているそうだ。

通所できない利用者への継続支援

特につくば市内の感染者が増え始めた3月からは、事業所がどんなに感染対策を行っても、持病のある利用者などは通所に大きな不安を持ち始めた。現在、6~7人の利用者は通所を中止し、日中も自宅にいるようになった。そうした利用者に対し、学園では毎日電話などで連絡を取り、困りごとの相談や、本人の機能低下を防止するために自宅でできる支援プログラムの提供を、家族とも連携しながら行っている。

身体障害のある男性利用者(25)は普段、つくば市のアパートで一人暮らしをしながら、平日ひまわり学園に通っているが、現在は感染予防のため下妻市の実家で生活している。いつもは介助者に自宅に来てもらってサポートを受けているが、実家にいる今は両親に介助をしてもらっている。

つくばのアパートでは車いすで自由に動け、トイレにも一人で行けるが、実家はバリアフリーではなく、ベッドで過ごすことが多くなった。ストレッチなどを可能な範囲でしているが、運動不足が心配だと男性本人は語る。学園にも通えなくなったが、学園職員が週に一度実家を訪問し、リース作りや折り紙など実家でできる課題を持ってきて、作業を一緒にやったりしている。

障害者の日常生活が変化すると、それだけで身体機能が低下する可能性もある。普段の生活が早く戻ってくることを就労支援事業所の利用者も職員も願っている。

《続・平熱日記》60 愛とお金とどっちが大事?

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【コラム・斉藤裕之】近ごろの若者に「愛とお金どっちが大事?」と聞くと、間髪入れずに「お金」と答える。ほぼ百パー。特に、女子に「お金にきまってるじゃん!」と突き放されると、少々へこむ。そこで同様の質問を、先日のグループ展の連絡用に作ったラインで同級生にしてみた。

「そりゃ愛、お金は無くなるけど愛は無くならない」「愛かな。お金のことを考えるよりも、愛のことを考える方がいい」「日常的にお金のことを考えることは多いけど、愛が励み。愛が大事」―。というわけで、回答は全員が「愛」が大事という、ややほっとする結果に。

この質問は、ズバリ、結婚の条件と言い換えてもいい。つまり「愛と金どっちとんねん?」と、なぜか関西弁になってしまう感じ。そりゃ、どっちもあるのにこしたことはないが、私たちの世代は「まず愛やろ。金は何とかなんねん」派が多数であるのに対して、今どきの若者は「愛はどうにかなるわ。まず金がないと話にならんちゅーねん」とくるわけだ。少子化の一因がここにあるのかもしれない。

今は、小学校でも起業についての話をしたり、経済の仕組みについて疑似授業をしたりしているのをテレビで見かける。小さいころから、しっかりとした経済観念や儲け方を学んでいるらしい。

これに対して、例えば私の場合、お金のことでガタガタ言うのは下品である、という教育をされた。例えば、人生ゲームのようなお金儲けシミュレーションゲームさえも父は嫌った。おかげで?金に縁のない人生を歩んでいる。

余談だが、弟も然り。では、愛が大事と答えた同級生はどうかといえば、多かれ少なかれお金に苦労してきたと察するが、おおむね愛のある日々を送っている。多分有名になって、これからリッチになるということにしておこう。そもそも、愛とお金が対立した二項ではないとは思うが。

私の8割減生活は普段と同じ

「先生、時給いくら?」と、平気で聞いてくる子供に初めは唖然としたが、実は家庭の中で、お金や仕事、年収などがリアルな話題として語られている、そういう時代。「マックの店員ぐらいかな」と答えることにしているが。

「先生、結婚しているの?」。これも、子供たちにとっては当たり前の質問。こちらは素直に、「はい」と答える。それが一番インパクトのある、子供たちにとって予想外の答えだから。

さて、愛もお金も大事だが、今は命あっての物種。「人との接触を8割減らしてください! 私の給料も8割減にしますから!」とか言われれば、政治家の愛を感じられるのに。しかし笑えるのは、私の8割減生活は普段とほとんど変わらないこと。直売所とホームセンターしか行かないもんな。

ここで一句。「コロナ禍の新聞の薄さほどの暮らしかな」。もうちょいで、なんとかなるよ。(画家)

苦境に打つ手も限られ 大型連休前の土浦・ラクスマリーナ

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自宅で天然温泉が楽しめる「温泉スタンド」=土浦市川口のラクスマリーナ

【崎山勝功】新型コロナウイルスの影響が厳しさを増している観光業界。遊覧船やキャンプ場などを運営するラクスマリーナ(土浦市川口)も例外ではなく、感染防止のため各施設を運休・閉鎖して、本来ならば書き入れ時の大型連休を迎えようとしている。苦境を乗りこえるための手立てを模索しているが、打てる手は限られている。

癒しにテイクアウトの温泉水

同社は霞ケ浦を遊覧する遊覧船「ホワイトアイリス号」を運航しているが、ウイルス感染が拡大して以降「利用者はほとんどいない」(坪田哲也船長)と厳しい状況だ。所有する船舶計13隻の維持費は、保険料も含めて年間数百万円以上に上るという。

遊覧船では「三密(密集、密閉、密接)」を避けるために、客席の間隔を空けたり、随時アルコール消毒を実施したりなどの対策を講じてきた。

しかし連休期間中のイベントは相次いて中止が決まり、観光需要は激減。毎年5月下旬に開かれる「潮来あやめ祭り」も中止となり、土浦ー潮来間を結ぶ「あやめ祭りクルーズ」も欠航した。「お客は欲しいけど感染拡大が怖い」(担当者)と、苦悩を垣間見せる。

事業として唯一動いているのは、自宅で温泉を楽しめるよう温泉水を汲みだして持ち帰れる「温泉スタンド」だけ。地下700メートルの岩盤層から湧き出る天然温泉がテイクアウトできる。「ステイホーム週間」の巣ごもり生活からの利用拡大に期待をかけている。

弱アルカリ、ナトリウム・カルシウ塩化物泉で、神経痛や筋肉痛、慢性婦人病、疲労回復などに効能あるそうだ。利用は20リットル100円(税込み)、持ち帰り容器の用意が必要だが、同社事務所でも温泉専用ポリ容器(税込み900円)を販売している。

「コロナに勝つ!」缶バッジ

そんな同社では、「コロナに勝つ!頑張ろう!」と呼び掛ける缶バッジを製作し、約200個を土浦市観光課などを通じ関係各団体に配布した。マスコットキャラクター「まりりんちゃん」が両手を上げてコロナ対策を呼び掛ける直径約6センチの缶バッジ。

市販はしておらず、同社では病院職員など現場で働くエッセンシャルワーカーを念頭に「缶バッジを通じて感謝の気持ちを表すきっかけになれば」としている。

問い合わせ先はラクスマリーナ(電話029-822-2437)