ホーム コラム 《宍塚の里山》65 初夏の里山「ぶらっと歩き」②

《宍塚の里山》65 初夏の里山「ぶらっと歩き」②

【コラム・及川ひろみ】初夏には木々が次々花を咲かせます。花とはいっても目立たないものも多い中、甘いいい香りに思わず引き寄せられる木もあります。

その代表がムラサキシキブ。秋には美しい紫の実を付けることで有名ですが、花は長い雄しべの先にある黄色い葯(やく)と薄紫色の花弁が美しい。3メートルほどの高さに育ち、枝を四方に伸ばし花を咲かせています。林の林縁(りんえん)のあちこちで見られます。かじってみるとほのかに甘い。小鳥はこの実が好物。食べたあと、消化されない種を方々に落とします。

アカメガシワ(トウダイグサ科)の花もこの季節の花。春に出る若葉が紅色で、とても美しい樹です。この木はかなり大きな木に育つことから、花を見ることができるのは斜面に生えた木など、条件がよいときだけ。

この花には、ヒョウモンチョウやキタテハなど、チョウがよくやって来ます。チョウ好きな人は、この花が観察ポイントです。高木のため、撮影には望遠レンズ付きのカメラが必要で、首が痛くなるほど上を向いて撮影しているのを見かけます。アカメガシワも虫媒花(ちゅうばいか)であり、種子散布は野鳥。したがって、アカメガシワも里山の明るいところにたくさんあります。

明るいところといえば、アカメガシワは先駆植物、パイオニア植物です。裸地(らち、火事や造成など)が生まれると真っ先に生えてくる植物で、乾燥に堪え、貧栄養の場所でも育ちます。

里山には涼しい風が流れます

この時期、血赤珊瑚(ちあかさんご)を思わせる、真っ赤な実をつけているのはニワトコ。早春ブロッコリーのような蕾(つぼみ)。4月末には小さな白い花。そして今ごろ、真っ赤な実をつける樹がほとんどない中、鳥にごちそうを提供し、鳥に種を蒔(ま)かせるのがニワトコの戦略。その結果は大当たり。里山の方々で見ることができます。

そろそろヤマユリの花の見ごろの節を迎えます。この花の存在はまず香り。遠くから香ってきます。そして近づくと、大きな白い花。香りは昆虫を誘う道具。この花が咲く明るい林の中を飛ぶクロアゲハやカラスアゲハが受粉。種は風で飛び散ります。

今年は30度を超える暑さが早くも到来しましましたが、里山の中には涼しい風が流れます。しかし、体調が芳しくないときにはご遠慮ください。(宍塚の自然と歴史の会代表)

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here

スポンサー

LATEST

30事業に10億円 新型コロナ2次補正でつくば市

新型コロナウイルス感染防止対策として総額2兆円の第2次補正予算が計上された国の地方創生臨時交付金の第2次交付分について、つくば市は14日、タクシー買い物代行支援や休校による学校給食食材納入業者への支援など30事業に充てることを明らかにした。 同日、市議会全員協議会を開き説明した。第2次分の同市への交付額は計約10億円。21日、臨時議会を開き補正予算案を提案する。 主な事業は、事業継続や生活・雇用維持の対応分として、国の持続化給付金や家賃支援給付金、市のテナント賃料助成事業の対象にならず、月の売り上げが前年度比で30~50%減少した事業者に、法人20万円、個人10万円を一律交付する(事業費1億4000万円)。 非対面型ビジネスモデルへの転換やテレワーク環境の整備など新型コロナ対策を含む販路拡大経費などの一部として中小企業に最大100万円、小規模事業者に最大50万円を補助する(同3000万円)。 タクシー事業者の売り上げが大きく減少したことから、市民から依頼された買い物をタクシー事業者が行い自宅まで配送する買い物代行利用料の一部(1回500円、試行期間として8月のみ1回1000円)を補助する(同1085万円)。 運賃収入が前年より30%以上減少した月がある公共交通機関に対し、ケーブルカーやロープウエイを含む鉄道事業者に1事業者100万円、路線バスに1系統50万円と1台に付き4万円、タクシー事業者に1事業所20万円と1台に付き2万円などを給付する(同2148万円)。

【高校野球代替大会】日大 小菅監督に聞く㊥ ピッチャーに有利な年

【伊達康】県高校野球代替大会が11日から始まった。土浦日大の小菅勲監督のインタビュー。2回目は代替大会に向けた調整について聞いた。 チームカラー見えない —今はどのように練習に取り組んでいますか。 小菅 練習については例年通り夏の大会に向けた練習試合を中心に、やるべきことを洗い出して、また試して、という繰り返しですね。やっぱり毎週課題が出ますからね。出た課題をつぶしながら粛々とやっています。 —今年のチームカラーを教えていただけませんか。 小菅 これは難しいですよ。秋があって、オフがあって、春までの積み重ねまできて大体ここで「今年はこんなチームに仕上がったな」というのが出てくるんですよ。ですが今年は、インシーズンから春が空洞になっている。チームカラーが見えないですね。バッティングだ、守備だ、と言えれば良いですけどね。

サイクリストにやさしい宿を認定 県

【山崎実】サイクルツーリズム(自転車観光)王国を目指す茨城県は、夏から秋へと今後多くのサイクリストが「つくば霞ケ浦りんりんロード」を訪れることが見込まれる中、サイクリストにやさしい沿線市町村の宿を募集している。 サイクリストに「また来たい」と思ってもらえる宿の認定制度を新たに設け、先行する土浦駅ビル「星野リゾートBEB5土浦」のように、全国に情報発信するのが狙い。 認定条件は▽安全な自転車の保管場所がある▽チェックイン前後のフロントなどで手荷物の預かりができる▽洗濯ができる(近隣のコインランドリー案内でも可)▽自転車宅配の受け取り・配送ができる(配送業者の案内でも可)▽スポーツバイク対応の空気入れ・工具の貸し出しができるーなど。 募集宿の対象地域と施設は、同りんりんロード沿線市町村(土浦、石岡、つくば、鹿嶋、潮来、稲敷、かすみがうら、桜川、神栖、行方、鉾田、小美玉の各市と、阿見町、美浦村の14市町村)内のホテル、旅館、民宿などの宿泊施設。 県は今後、全県的なサイクルツーリズムの展開に合わせ、対象地域を拡大していく考え。 今回のサイクリストにやさしい宿の第1次募集締め切りは7月31日。問い合わせは県スポーツ推進課(電話029-301-2735)。

【高校野球代替大会】日大 小菅監督に聞く㊤ 練習する姿、泣けてきた

【伊達康】茨城県の高校野球代替大会が11日開幕した。出場を間近に控えた有力校の監督インタビュー第2編は、2017年と18年の夏に茨城を連覇した土浦日大の小菅勲監督に話を聞いた。 春季大会中止に落胆 —春季大会の中止を聞かされた時はどのようなお気持ちだったでしょうか。 小菅 本校は東京、千葉、神奈川など緊急事態宣言が先に出たところの出身者がいますもので、寮で選手を預かるという判断をしました。 勉強はオンライン授業で、練習は集まって自主練習で行いました。フィジカル的なことはつらいことなのでみんなでやろうということで、1日2時間程度は練習できていたんですね。ですから春はまだやれるという気持ちでいたしチーム状態も非常に良かったんですよ。 3年生を中心に練習への取り組みもよく、心技体ともにすごく良い状態で調子が上がってきていたんですね。それで3月下旬に春季大会がないという判断が発表されたときは本当に落ち込みました。
おすすめ