土曜日, 1月 17, 2026
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ペットの熱中症にも注意を 土浦の動物病院が呼び掛け

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ペット用ネッククーラーをつけて日が落ちてから散歩に出る犬=土浦市内

冷房、犬猫は24度程度が最適

あす13日から厳しい暑さが戻るといわれている。熱中症は人間だけでなく、犬や猫もかかり、命に関わる恐れもある。土浦市中高津の徳永動物病院院長の徳永大和獣医師によると、最近は日中の散歩は避けるなどペットの熱中症に注意をしている飼い主が多く、急患のペットはほとんど出ていない一方、「ここ2、3年は、冷房の温度設定がペットにとって高いことによるペットの熱中症が増えていると実感している」と語り、注意を呼び掛けている。

徳永動物病院の徳永大和院長(本人提供)

軽い熱中症から悪化

徳永さんは「犬や猫は体が被毛に覆われているだけでなく、人のように汗をかいて体温を下げることができないため、人よりも暑さに弱く熱中症になりやすい」と話す。冷房の温度は人間にとって26~27度程度が快適だが、ペットにとっては暑過ぎて軽症の熱中症を招く。「ペットには24度程度が適切だ」という。

高温のため6歳、7歳を超えた高齢の犬や猫が、軽い熱中症から1週間ほどたって悪化する症例が多くなっているという。症状としては「食欲がない」「吐く」「下痢をする」といった、体温が上がったことによる胃腸炎などがある。

やけどと同じ

徳永さんによると、症状が出たら動物病院に行くことはもちろん、治療後は冷房でしっかり冷やすことが大切だという。「熱中症はやけどと同じ。動物病院での1回の注射や冷却で治るものではない」とし、「1、2日涼しい場所で過ごして元気になったように見えても実は治りきっていない」と話す。油断して冷房の設定温度を人間が快適な27℃に上げたことで再び悪化し命にかかわるケースもあるため、「ペットには、冷房は人間が快適だと思う温度よりも低い24℃に設定するとよい」と話す。

ひんやりとする洗面台で涼む山口佐智子さんの飼い猫=本人提供

8日の夕方、犬の散歩をしていた土浦市の女性は「暑い日が続いているので犬の熱中症予防のため、冷房を24時間入れたままにしている。朝夜の散歩も首を冷やすネッククーラーをつけている」と語った。猫を飼っているつくば市の山口佐智子さんは「猫はいつも勝手に涼しいところに行っている。しかし今年は格別暑いので猫の体調には気をつけている」と話す。

茨城県では環境省が作成したペットの熱中症予防ポスターを印刷、県内市町村に配布している。さらにX(旧ツイッター)の茨城県生活衛生課動物愛護担当のアカウントで、ペットの熱中症に関する注意喚起を促している。土浦市は、県から配布されたポスターを同市役所環境衛生課の窓口に掲示して注意を呼び掛けている。つくば市もポスターを庁内に掲示するとともに、同市のホームページに「犬の熱中症に注意」というページを作って周知している。(伊藤悦子)

素描《続・平熱日記》183

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絵は筆者

【コラム・斉藤裕之】オス2匹メス1匹の茨城県産カブトムシを持って、高円寺の長女宅を訪ねた。東京駅で中央線に乗り換えると、停車するホームで何度か見かけた「素描」と大きく書かれたポスターが気になる。「素描」とは一般に「デッサン」や「クロッキー」という言葉に相当するものだと思うが、実にいい言葉だと思う。

まあ簡単に言うと、鉛筆などの単色で描かれた絵。構想やアイデアを描いたものが多い。私自身はデッサンがあまり得意ではなかった上に、少し修行のようなニュアンスも感じられて少々苦手意識のある漢字二文字。しかし、他人の描いた素描を見るのは好き。なぜなら素描にはその人のものの見方、試行錯誤の様子、息遣いやリズムのようなものまで感じられるからだ。

描かれたものが「素(そ)」であると同時に、描き手の「素(す)」が見えてくる。例えば、ダ・ビンチのモナリザを見るよりも素描を見る方がダ・ビンチのことがよくわかる。

さかのぼること数週間。ある日、引き出しの中から「銀筆」を見つけた。鉛筆ではなく銀筆。「シルバーポイント」と呼ばれるこの銀筆は、鉛筆の芯の部分が直径2ミリほどの銀の棒でできていて、西洋で古くから使われていた素描用具。その柔らかい表情と、時間の経過とともにやや褐色に変化する色合いが銀筆の魅力。

ところがこの銀筆は白い紙には何も描けない。銀よりも固いものの上にしか描けないので、銀筆で絵を描くには準備が少々面倒なのだ。

そう思いながら、ネットで「シルバーポイント…」と検索したところ、紙の上に白いパステルを塗って銀筆で描く方法が紹介されていた。ならばと再び引き出しの中を探すと、何十年も寝かしてあるパステルを発見。いつか値引きされていたのを買って、これまた長い間使っていなかった小さなスケッチブックも発掘。これで材料は一応そろった。

スケッチブックを開きパステルを塗る。優しく線を引くと、銀筆の淡い筆跡が心地よい。しかし、繊細で不自由な素材である分それなりの画力も求められる。文字通り素になって描く。ということで、この夏、いつもは絵を描く道具は一切持っていかない山口への帰省に、銀筆一本とパステル、小さなスケッチブックを携えることにした。

スウェーデン国立美術館展

ちなみに「素描」と大きく書かれたポスターは、国立西洋美術館で開催中のスウェーデン国立美術館コレクション展のものだった。かの美術館は30年ほど前の夏に友人を訪ねた折に見て回ったことがある。これも何かの縁か。久しぶりに上野に行ってみるか。

虫好きの上の孫は、心待ちにしていたカブトムシを手にたいそう喜んでくれた。方や、もうすぐ2歳になる下の孫の方は恐竜が好きなんだと。ならば、次のミッションは角が一本増えて木彫「トリケラトプス」か。(画家)

復刻「陣中占ひ」で記憶の糸たぐる 土浦 石田和美さん【戦後80年】

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「陣中占ひ」の説明をする石田和美さん=土浦市内

戦前の記憶の糸をたぐる手札玩具がある。「陣中占ひ」という30枚組のカードだ。戦後80年の夏、その復刻版制作と普及活動に取り組む土浦市在住の女性が「現物以外なんの記録もないのでご存じの方がいたら情報を寄せてほしい」と呼び掛けている。

関係資料探しあぐねて

女性は、茨城県を中心に戦没者の慰霊顕彰活動を行う任意団体「ENISHIWORK(エニシワーク)」の代表を務める石田和美さん(47)。インターネットで資料収集中、偶然に目に留めた「陣中占ひ」を入手した。縦長の紙製小箱には筮竹(ぜいちく)を構えた易者(えきしゃ)のイラストが描かれ、日の丸のような図案をはさんで左から右へ「ひ占中陣」の文字がある。

これさえ有れば陣中の大易者ーと遊び方の説明がある「陣中占ひ」の外箱

小箱の中には、色刷りの絵札5枚とモノクロの文字札25枚が入っていた。絵札には穴あきの小窓が複数箇所にあり、文字札には全体として意味をなさない縦組みの文字列が印刷されていた。文字組といい絵柄といい、ほぼ戦前のものに違いないが、転売を経て入手した出品者は元の出どころがわからないという。

「陣中占ひ」でネット検索してもヒットはせず、各地の戦争資料館やおもちゃミュージアムなどに問い合わせても関係資料は残っていない。立命館大学国際平和ミュージアム(京都市)が現物を所蔵していたが、聞き取りをした戦争体験者から受け取った学芸員によれば「慰問袋に入っていた」という話だった。

戦前、1937(昭和12)年ごろ、日本玩具統制協会がおもちゃに合格証を与える登録制度を設けており、「断易」ということばから、1940(同15)年ごろに作られたという見方が出来たものの、制作者や発行元までは突き止められなかった。

戦争の要素一切なく

その遊び方ー。25枚の文字札から1枚を選んで上に5枚の絵札を順番に乗せていく。すると絵札の穴あき部分から下の文字列が現われる仕掛けになっていて、運勢、願望、待人、縁談、身の上の展望を読み取れる。

「金銭入り易き日なりむだせぬ様心掛けべし」(運勢)、「女には吉なれども男には凶となるべき縁」(縁談)等々。「陣中」とあっても、「占い」に戦争の要素は一切ない。箱には「兵隊さんのマスコット」とあった。

入手した石田さんは「すごい。面白い。至極の極みだと感動を通り越し、すっかりほれ込んでしまった」そう。普及に向けて復刻版を制作しようと、一昨年から権利関係の調査を始めたが素性は分からず仕舞い。商標権、著作権の扱いについて弁護士と相談するなどして、作業を進めた。

世代つなぐコミュニケーションツール

石田さんは重巡洋艦「羽黒」の副長を務めていた大叔父が1945(昭和20)年5月16日のペナン沖海戦で撃沈され、艦と運命を共にしたと聞かされ育った。戦後30年たち生まれた「戦後30年世代がつなぐ慰霊顕彰活動」を掲げ、同世代の仲間らと軍関係者や遺族に話を聞くなどの体験を共有し、軍跡ガイドや慰霊祭ボランティアを務めてきた。

その活動の中、復刻版「陣中占ひ」を制作した。昨年2月、ENISHIWORK名義で商標登録を行い、販売を開始した。絵札は絵柄をそのままに彩色のトーンを変え、文字札はフォントを見やすくしたが、旧仮名遣い、文語調は原典のままにした。

左から右への文字組みを含め、今の若い人に見せても「苦情あるべし」とか「来ることかなはず」とかの言い回しが伝わらないことにもどかしさを感じている。石田さんは普及活動を通じ、「伝えていくことの意味を感じるコミュニケーションツールにしていきたい」というのだ。

「戦後80年、占いを作った人も、慰問袋に詰めた家族も、遊んだ兵隊さんも多くが亡くなって、記録ばかりか記憶まで消えかかっている。私たち世代が伝えることで、昔の漢字を読めない若い人たちにも忘れられないようにしたい」と石田さん。「陣中占ひ」について「ご存じのことがあれば、ぜひ連絡をしてほしい」と呼び掛けている。(相澤冬樹)

◆制作した復刻版「陣中占ひ」はオンライン販売のほか、予科練平和記念館(阿見町)、筑波海軍航空隊記念館(笠間市)、鹿島海軍航空隊跡地(美浦村)の各ミュージアムショップで取り扱い中。価格は4400円(税込み)。今年になってお守りとして携帯できるクリアカード製のバージョンも制作した。同2200円。販売サイトはこちら。問い合わせは電話080-1018-1124(ENISHIWORK事務局)へ。

アンパンマンはなぜ生まれたか《邑から日本を見る》185

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講演する梯久美子さん=茨城県農協中央会の萩谷茂さんの提供

【コラム・先﨑千尋】NHKテレビの朝ドラ「あんぱん」を見ている。モデルは「アンパンマン」の原作者やなせたかしとその妻 暢(のぶ)。子どもたちに圧倒的な人気の漫画「アンパンマン」が誕生するまでを描いている。2人の出会いは、史実では戦後「高知新聞」に入社した時だが、ドラマでは幼なじみになっているなど、違いはある。しかし、たかしの軍隊での生活や戦中・戦後の民衆の暮らしなどが丁寧に描かれ、興味深く見ている。結末がどうなるのかが楽しみだ。

私は7月4日、東京で開かれた農協協会主催の農協人文化賞表彰式の際、やなせたかしの下で働いていた梯(かけはし)久美子さんの講演を聞いた。同賞は農協の発展に貢献した「隠れた功績者」に贈られる。以下は講演記録から。

梯さんは最近、『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』(文春文庫)を出版し、やなせの一生を振り返っている。講演では、自身とやなせたかしとの出会いから話し始めた。

梯さんは中学生の時、やなせの詩集『愛する歌』に感動して詩を書き始めた。大学生になると、投稿した詩が、やなせが編集長を務める『詩とメルヘン』に掲載される。卒業後は同誌を発行するサンリオに入社し、1年後に同誌編集部に配属され、やなせの下で働くことになった。やなせは「とにかくいい人で、怒る、叱る、大声を出すのを見たことがない」と当時を振り返る。

やなせがアンパンマンを生み出した1960年代末から70年代には、スーパーマン、ウルトラマンをはじめ「武器を持って悪と戦うヒーロー」が活躍し、人気を博していた。「(やなせ)先生はそうしたヒーローにちょっと疑問があった。戦うヒーローへのアンチテーゼとしてアンパンマンが生まれた」と梯さんは語った。

食べ物を分けてあげる正義

やなせは1941年に徴兵され、44年には台湾の向かいの福州に上陸し、駐屯。その後上海に移動したが、食料不足から兵士たちはどんどん痩せ、命を落とす者もあった。

戦前に「正義」と考えてきたものが戦後に逆転した。「この世の中に正義はないのか。本当の正義ってなんだろう。ずっと考え続け、やなせがたどり着いたのが『目の前におなかがすいている人がいたら、自分の食べ物を半分わけてあげる。それが最低限の正義ではないか』ということだった」。武器で敵と戦うのではなく、食べ物を分け与える正義というやなせの考えは、長い時を経て熟成し、アンパンマンに結実する。

梯さんは最後に「アンパンマンは1972年にでき、88年にアニメになって、それからずっと子供たちの人気が途切れなかった。その理由は、食といのちの関係、人間の善意。それが子供たちに伝わるからだと思う。戦争は人を殺すことだが、食べ物を分け与えることはいのちを生かすこと、いのちを応援することだ」と話し、アンパンマンが伝える「食」と「いのち」の尊さを私たちに問いかけた。(元瓜連町長)

つくば市長「外国人と共生のメッセージ出し続けたい」【参院選を振り返る】㊦

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五十嵐立青つくば市長

参院選で「日本人ファースト」や外国人規制強化を掲げた参政党が支持を伸ばし、つくば市でも、県内で最も多い3万人以上が同党候補に投票した。つくば市における今後の外国人施策について、五十嵐立青市長は7日の定例会見で「今回の選挙結果によって市の方針に変更はない。つくばは外国人の皆さんと共生していくというメッセージを出し続けていきたい」と見解を述べた。

分断・排除あおる言葉に危機感

今回の参院選では外国人政策が争点化され、参政党のほか、自民、公明、国民民主なども外国人への規制強化を打ち出した。さらに選挙戦を通じて「外国人の犯罪増加」や「生活保護の3分の1が外国人」といった、事実と異なる情報が拡散された。

これに対し市長は、国が外国人に対する包括的な共生施策を持たず、「曖昧なまま全てが自治体に任されてきた」と現状を指摘。「多くの自治体の首長は、自治体任せになっている外国人施策について非常に強い課題感を持っている」とし、「全国市長会などでも、これから議論されるべき問題」だと述べた。また、事実に基づかない情報の拡散については「市内の外国人犯罪は全国平均や過去と比べて急増しておらず、日本人・外国人ともに安全に暮らせる状態は維持されている」「分断や排除をあおる言葉が飛び交う状況に強い危機感を覚えている」とし、「つくば市は常に共生を目指し続ける」とした。

正しくメッセージを伝えていく

外国人排斥への不安が市民の間に広がることについては「現時点でつくば市民の中で外国人問題に関して激しい対立がすでに起きているという認識には立っていない」と話し、「(参政党への)投票行動が必ずしも外国人排除目的とは限らない」とも述べた。その上で「さまざまな不満や不安の声をきちんと聞くことは行政として重要なこと。今後もつくば市では、日本人、外国人を問わず、実際に困難な状況にある人に必要な施策を打っていく」とした上で、「つくばは(外国籍市民との)共生を続けるという安心感のあるメッセージを発信する」と強調し、「さらに分断が拡大するような方向にいかないように、正しくメッセージを伝えていくことが重要」と述べた。

市では今後、来日して間もない外国籍児童を対象に、日本の学校生活や習慣、言語を事前に学べる「プレスクール事業」を新たに開始するなど、外国籍市民への生活支援を拡充する方針を示した。

つくば市には2023年12月1日現在、市全体の人口の約4.9%にあたる、144カ国1万2663人の外国人市民が暮らしている。居住する外国人の数は県内で最も多い。市では2016年に、すべての人にとって住みやすいグローバル都市の実現を目的とした国際化施策のガイドライン「つくば市国際化基本指針」を策定。23年5月には、増加傾向にある外国籍市民の多様化を受け、必要とされる生活支援策など変化する状況に対応するため、「第2次つくば市グローバル化基本指針」を策定した。指針の第1段階では「日本人市民・外国人市民それぞれが安全に安心して暮らすことができる状態」をつくることを皮切りに、32年までの10年間で「外国人・日本人の区別なく、すべての人にとって住みやすいグローバル都市」をつくることを掲げている。(柴田大輔)

➡参院選を振り返る㊤「日本人って何だろう? つくばで生きる中国出身女性の思い」はこちら

終わり

竹園高学級増で県の高校審に期待《竹林亭日乗》31

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学園洞下団地から見た筑波山(写真は筆者)

【コラム・片岡英明】7月28日の県教育長の定例会見で竹園高校学級増に注目していたが、発表はなかった。残念である。10月末の県立高校入試の実施細則発表時に期待したい。

このままつくばエリアでの定員増がないと、2018年の高校審議会を受け2019年の高校改革プランで決めた流れに滞りが生じる。つまり、改革プランで2019年~26年につくばエリアの中卒生が440人増に、本来なら県立高平均収容率68%に合わせて7学級増とするところを、県は控えめに2学級増としたが、その学級増の課題を積み残すことになる。

竹園高の学級増に触れない会見が信じられず、翌29日に県に出向き、会見資料を確認すると、県立高定員の項目はなかった。ならば、私たちの学級増要望(7月5日付記事)に対する「検討する」との言葉はどうなったのかと、高校改革推進室を訪問した。係の方と話をすると、意見書・要望書などは多くの方に共有されていた。しかし、まだ改善を決断するに至らず、このままではつくばエリアの改革プランの積み残しが生まれることが分かった。

受験生・保護者の声を聞いて!

この状況の中で同日、2027年~33年の県立高配置などを検討する新たな高校審議会が開かれた。早速、この高校審議会第1回総会を傍聴した。

審議会の参考資料のエリア別中学校卒業見込に注目した。全県的な人口減のなかで、つくばエリアは人口・生徒増という事態が起きている。資料から、県立高には生徒減・魅力アップ対策と共に、つくばエリアの子ども増を受けとめ、県の発展にどう生かすかというテーマが存在することが分かった。

前回の審議会スタート時の2018年と今回の検討期間の最終年2033年の中卒生を比較すると、全県では5895人(2万7455人→2万1560人)減少するが、つくばエリアは650人(3969人→4619人)増加する。これに県立高収容率の68%を掛けると、つくばエリアは442人の定員増(40人学級として11学級増)が必要となる。

しかし、つくばエリアの現実はどうか? 改革プラン実施後の市立中学生の高校入学枠は増加せずに53学級のままで、つくば市の市内県立高入学は6人に1人である。受験生や保護者は高校受験や入学後の通学に悩んでいる。

現高校改革プランは未完成

難しい面があることも分かるが、公教育としてつくばの生徒にも基本的に県平均水準の教育条件となるよう、県には努力をお願いしたい。今回の審議会では、生徒減・県立高魅力アップ対策とともに、前回の審議会答申に基づく高校改革プランの積み残しがあることを認識され、その解消と共に生徒・保護者に希望を与える答申をお願いしたい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

日本人って何だろう? つくばで生きる中国出身者の思い【参院選を振り返る】㊤

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ナターシャさん

7月20日に投開票が行われた参院選では、「日本人ファースト」を掲げ、外国人への規制強化を主張する参政党が大きく議席を伸ばした。つくば市で育ち、2021年に日本国籍を取得した中国出身のナターシャさん=仮名=(36)が「日本人ファースト」と聞いて思い起こしたのは、「一等、二等と国民を差別した日本の植民地支配。気持ち悪いと思ったし、自分が社会から除外されていくようで怖くなった。つくばでもその主張が広がっていることにショックを受けている」と語る。

参院選の結果、県内では参政党から出馬した桜井翔子氏が現職を破り、初当選を果たした。つくば市で桜井氏は、県内の全市町村で最も多い3万723票を獲得した。比例で同党はつくば市で、自民、国民民主に次ぐ約1万6000票を得た。8月3日、櫻井氏は当選後初の街頭演説をつくば駅前で開いた。集まった100人余りの聴衆に配布されたチラシには、同党が掲げる「日本人ファースト」が記され、「外国人優遇」に反対する主張が裏一面いっぱいに書かれていた。

怖くなった

ナターシャさんは4歳で訪日し、中国出身の両親と6歳からつくば市で暮らしてきた。つくばはナターシャさんにとって、慣れ親しんだ「地元」だ。特にさまざまな地域出身の外国人など多様な人が行き交う学園地区は「居心地がいいし、安心感を覚える街」だという。

幼い頃から周囲との違いを意識してきた。地域の公立校に通った幼少期は、自分の出自を「恥ずかしい」と感じ、人前では中国語を話さないようにした時期もあった。学校では、周囲に馴染もうと努力した。

意識が変わったのは大学時代。留学先の米国で政治に関心を持ち、自分の意見を主張する多様な友人たちと出会った。「自分がモヤモヤしていることを口に出していいんだ」と気付き、帰国後はSNSなどで自分の気持ちを表現するようになった。

インタビューに答えるナターシャさん

投票権がないのは嫌

選挙権を意識し始めたのもその頃だ。大学の途中までは「自分に選挙権がないのは残念だけど、しょうがない」と諦めていた。だが学びを深める中で「日本で育ってきたのに選挙権がないのは、すごく嫌だ」と感じるようになった。選挙に参加することは、帰化を決めた理由の一つになった。

初めての投票は、帰化した2021年に行われた衆院選だった。マイノリティーであることから孤独を感じることもあったというナターシャさんは、「自分の一票が生かされたり、自分と似た考えを持つ人がこんなにいると知ることができたことが、すごくうれしかった」と振り返る。

もはや通じない

今回、2025年の参院選では「外国人が優遇されている」など事実に基づかない主張が広がった。専門家の反論が報じられても、誤った情報は拡散され続けた。

「今回の選挙は『デマを言ってもいい』という承認が与えられたようで、すごく怖い。根拠を示して話しても、もはや通じない。どうしたらいいのか分からない」

性的マイノリティの当事者でもあるナターシャさんは、参政党が主張する「日本人ファースト」や、女性の価値を出産できるかどうかに置くような主張に対し、「私は移民だし、クイア(すべての性的マイノリティーを広く包み込む概念)の当事者でもある。彼らの主張は自分に向けられているようで、ショックだった」と話す。

スケープゴートの構造

日本で育ち、国籍を取得した今、ナターシャさんが考えるのは「じゃあ日本人って何?」という問いだ。「書類上は日本人だけど、日本人らしいって何だろう。例えば、私の名前は全部カタカナで日本人らしくない。『日本人ファースト』が進めば、どんどん排除されていくかもしれない。性的マイノリティの人も同じ」

外国人への差別的な空気は、以前から感じていた。職場で、押し寄せる中国人観光客の報道を見た上司が「また中国人が」と口にしたり、外国人の従業員が集まっているのを見て「なんで集まってんの?怖い」と話したりする同僚がいた。「切り取られた情報がメディアを通じて流れていた。偏った情報が積み重なり、そういう発言をしていい雰囲気が出来上がってきた」と感じている。

日常の中でも無言の圧力を感じているという。バスや電車で、どんなに空いていても優先席に座らない外国人の友人は少なくない。「わずかでも違和感を持たれたくないから、『正しい移民』になろうとしている。みんな普通に生活しているだけなのに、模範的でなければならないと強く感じている」

さらに「排除されるのは移民だけの話ではなく、マイノリティー全般に共通することだと思う」とし「生活が苦しくなる責任を少数者に押し付けるスケープゴートの構造がある」と指摘する。「差別してはいけないということは、教科書でも習うこと。それが選挙を通じて、『レイシストでもいい』と承認され、一般化されてしまった。それまでは心の中で思っても口に出さなかったはずなのに、誰でも言っていいことだと思うようになる」

つくばの良さは多様性

つくばの良さは「自分のような人がたくさんいる」と思える安心感だという。

「ルーツの違う人がいない環境だと、『日本人』のフリをしなきゃいけない。私は周りにめちゃめちゃ合わせてしまうから、本当に疲れる。多様な人がいる場所のほうが、安心して暮らせる。全体主義的な空気が広がっているのを感じているが、長い目で見れば必ず良い方向に向かうはず。今は、自分ができることをやるしかない」と語った。(柴田大輔)

続く

筑波大生が夏休みの宿題を応援 「アドバイスもらい勉強になった」

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学生からアドバイスを受けながら課題に取り組む吉本花道さん(中央)

つくば スタジオ’S

夏休み中の小学生が、筑波大で芸術を学ぶ大学生らと一緒に絵画や書道に取り組む企画「夏休み宿題応援inつくば」が9日、つくば市二の宮のギャラリー「スタジオ’S」で開かれた。ギャラリーを運営する関彰商事と筑波大によるイベントで、この日は午前9時半と11時から書道教室、午後1時と3時に絵画教室が開かれ、つくば市や近隣地域から約60人が参加した。

午後1時から始まった絵画教室には16人の小学生が参加し、それぞれが夏休み中に取り組む「防犯」「交通安全」「人権啓発」「環境問題」などのポスターコンクールに出展する作品を持ち寄った。五つのテーブルに分かれた参加者に大学生らが「もっと空を大きく描いてもいいんじゃない?」「最初は人のまねから入ってもいいんだよ」などアドバイスを送ると、子どもたちはうなずきながらパレットの水彩絵の具で思い思いに絵を描いていく。

午後1時からの「絵画」の回には16人の小学生が参加した

「普段からキャラクターなどのイラストを描くのが好き」だと話す、かすみがうら市から参加した小学5年の吉本花道さん(11)は、霞ケ浦の水質をテーマにしたポスターを描いた。「空のグラデーションをどう描くかアドバイスをもらった。とてもわかりやすかった。この経験を生かしていきたい」と語った。つくばみらい市から参加した小学5年の伊藤遥玲さん(10)は「『中心に意識を向けられるように、背景は目立たないように描くといい』と(学生から)アドバイスを受けたのがとても勉強になった」と遠近感を意識しながら交通安全のポスターを描くと、「人の絵を描くのが好き。教えてもらったことを生かして、これからもたくさん絵を描いていきたい」と笑顔を浮かべた。遥玲さんと参加した父親の伊藤睦展さんは「せっかくの夏休みだが、暑くて外で遊ばせられない日が続いていた。娘はものを作るのが好きなので、楽しんでもらえてよかった」と話した。

講師を務めた筑波大大学院1年の大関睦実さんは「子どもたちは、空は青など、一つの色だけで塗りがちだったので、『いろんな色を混ぜると同じ青でも、いろいろな色ができるよ』など、アドバイスをした。大学では日本画を専攻している。子どもたちの様子を見ていると、自分が小さい頃に絵を描いていた記憶が蘇ってくる。今回の体験を通じて、絵画に関心を持ってもらえたら」と語った。

スタジオ’Sの企画を担当する関彰商事の浅野恵さんは「『夏休みの宿題応援』は、2018年から始まった企画。夏休みの宿題というと、なんとなく気が重くなることもあるかもしれない。ここでは芸術を専門とする学生から直接やさしく教えてもらえる。他の参加者と楽しく宿題に取り組みながら、夏の思い出を作っていただけたら」と思いを話した。(柴田大輔)

持ち味はミルキーな甘い香気 ナシ新品種お披露目

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新品種「蒼月」の原木でナシを手に取る髙田教臣グループ長=農研機構果樹茶業研究部門

農研機構育成

炎天下のナシ園、樹齢17年の原木がたわわな実をつけている。農研機構果樹茶業研究部門(つくば市藤本)で育成された極早生の青ナシだ。苗木になっての市場デビューを来年に見据え、「蒼月(そうげつ)」の名をもらって、5日、報道関係者にお披露目された。

「蒼月」は果実重370グラム程度、主力ナシの「幸水」とほぼ同じ大きさで、極早生品種としては大きい果実といえる。「幸水」より果肉が軟らかく、糖度と酸味はほぼ同程度で、ミルキーな甘い香りと優れた食味を備えている。香りを特色とする二ホンナシは珍しい。

農研機構が極早生で果実品質良好な青ナシ品種の育成を目的として、育成に取り組んだのは2007年。早生の青ナシの「なつしずく」に極早生の赤ナシの「はつまる」を交雑して得られた実生から選抜して、つくばのナシ園に植えた。

15年からは全国35カ所の公立研究機関での特性検討に入った。21年に農林水産省に品種登録申請出願、今年3月に種苗法に基づき「蒼月」として品種登録された。

ミルキーな香りの青ナシ「蒼月」

消費者の口まであと10年

ニホンナシは果面のコルク層が発達する赤ナシと、発達しにくい青ナシに大別される。2022年時点で国内栽培の90%以上が赤ナシで、青ナシ品種としては「二十世紀」が知られる程度。収穫時期は中生で、労力分散の観点から熟期の異なる新品種の育成が求められていた。

ニホンナシの需要は7月下旬から8月中旬にかけて高まるが、その時期に露地栽培で収穫できる主力の品種は見当たらず、早生の「幸水」で対応する場合、多くの産地でトンネル栽培を必要とするため、資材費や被覆労力の負担が課題となっていた。このため露地栽培でも8月上旬に収穫可能な極早生品種の育成が求められた。

ナシの主産地の1つである本県でも、温暖化のせいで、収穫・販売できる時期は年々早まってきたが、書き入れのお盆前の出荷は難しかった。逆に西日本では「幸水」に花芽不良がみられるようになって、「蒼月」は温暖化耐性品種ではないものの栽培転換の有力候補になりそうだ。

育成地のつくば市における「蒼月」の開花期は「幸水」と同時期だが、成熟は約20日早く、7月下旬から8月上旬に収穫可能な、早生の「幸水」より20日程度早く収穫できる極早生の品種といえる。また促成栽培が不要なため、導入すれば資材費や被覆労力の軽減が期待できる。

原木から採られた苗木は、今後許諾契約を締結した果樹苗木業者から販売される予定。2026年秋以降の販売開始を目指す。研究担当者の果樹茶業研究部門、髙田教臣落葉果樹品種育成グループ長によれば「苗木からは3年程度で実を採れるが、まずは産地の産直店あたりで扱われることに。一般の消費者に口に入るまでには10年ほどかかるだろう」と見通している。(相澤冬樹)

バイオものづくり研究棟開所 産総研つくばセンター

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開所式であいさつするバイオものづくり研究センターの油谷幸代センター長=産総研つくばセンター

研究から実装まで一体

産業技術総合研究所(産総研)は5日、つくば市東の産総研つくばセンター内に整備した「バイオものづくり研究棟」の開所式を行った。産総研の総合力を生かし、研究開発から社会実装までを一体的に進める産学官連携の拠点として活用するという。

バイオものづくりは、微生物からつくる物質の生産を増やしたり、新しい物質の生産に遺伝子技術を利用するテクノロジーで、国が推進するバイオエコノミー戦略の中核に位置付けられる。開所式には経産省や産業界、自治体などの関係者を集めた。

北海道との2拠点で

研究棟は同センター中央事業所6群にあった既存の地上2階建て2棟を改装し、3月までに完成させた。企業が占有して使用できる居室と実験室を4セット整備した。すでにコニカミノルタ(本社・東京)が研究ラボを設けたほか、企業や大学など多様な研究者が集い、活発な議論ができるようオープンなコミュニケーションスペースが複数設置された。分析機器室には微生物培養リアクタ―装置や質量分析装置などが設置されている。

バイオものづくり研究棟に設置された微生物培養装置

産総研では4月に、これまでの微生物や植物を利用したバイオものづくり研究を集約化し、北海道札幌市の拠点と結び、バイオものづくり研究センター(油谷幸代センター長)を発足させている。10の研究チームに約70人の研究員が所属している。

北海道センターには、バイオリソース解析プラットフォームが設けられている。国内最高速レベルのゲノム解析用クラスタマシンや各種分析装置などを保有しており、つくばのバイオ拠点と連携することで、圧倒的な速さと精度でゲノムやDNA、遺伝子発現情報の解析を実現できるという。これらの迅速で正確な情報解析によって、最終的にバイオ製品のコスト削減への寄与などが期待される。

産総研の総合力を生かした研究開発の社会実装までの取り組みについて、生命工学領域の千葉靖典領域長が示したのは、微細藻類のミドリムシからつくる高性能の接着剤開発の例。この接着剤には、石油由来の代表的な自動車構造材用接着剤であるエポキシ系接着剤に匹敵する接着強度があり、他のバイオベース接着剤の接着強度も上回ることが突き止められた。

従来の構造材用接着剤は、接着力が高い反面、解体が容易でない短所もあった。ところがミドリムシ接着剤で接着したアルミニウム板は加熱により容易に解体できる特質をもつ。この易解体性により使用済み自動車の解体や部品の再利用が簡略化できる。さらにミドリムシは二酸化炭素や糖を栄養源にしていることから、カーボンリサイクルの面でも貢献ができるとされ研究開発が進められている。

産総研の量子・AI 融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(GQuAT)、AI 橋渡しクラウド(ABCI)、マテリアル・プロセスイノベーション(MPI)プラットフォーム、計量標準総合センター、知財・標準化推進部などとの協働によって産総研の総合力を生かした革新的な次世代バイオものづくり技術の開発と実証、バイオものづくり製品の評価方法に関する標準化・認証スキームの整備などを目指すとしている。(相澤冬樹)

何を批判したか《続・気軽にSOS》163

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【コラム・浅井和幸】参議院選挙は、盛り上がったでしょうか。いつもと同じだったでしょうか。それとも、いつもより関係のないイベントだったでしょうか。私は転換期を推測できるような盛り上がりがあったと感じています。

まあ、梅雨入り・梅雨明けが判定されるのは秋頃になるのと同じように、今回の選挙戦が本当に転換期なのかどうかは、10年後にならなければ分からないかもしれません。けれど、間違いなく私個人は盛り上がっていました。どちらが勝つか負けるかではなく、今回の選挙を取り巻く人たちがどのような心の動きをしたかという観点で、です。

自分や自分の仲間が不利益を得ているのではないか、排除されるのではないかという怖さから、差別するなと声を大きくする場面は、この選挙中に新聞やテレビ、SNSなどで多く見られたのではないでしょうか。もしこれが防衛機制で言う投影だとすると、排除される怖さではなく、自分の中にある排除したいという気持ちを、相手への批判につなげることで自己防衛をしているのかもしれません。

そうです。学校の保健体育で習ったであろう防衛機制で、この盛り上がりを見るという楽しみ方を私はしていました。インターネットで防衛機制を検索してみてください。面白いですよ。ただ、ちょっとした楽しみ程度にしないと、人の言動を、自分を守っているからそうしてるんだろうと論破したくなり、はてはケンカになり誰も得をしないので、そこそこにしたほうがよいのは頭に入れておいてください。

他の心理学的な概念も同じです。マウントをとるために使ってもしこりが残るだけなので、楽しみに使うか、相手と仲良く調和していくために使うことをおすすめします。

話は選挙に戻して、耳にしたくない、受け入れがたい言動に対して「否認」をし、相手の言動を邪魔するために「行動化」をする。自分の応援する対象を「理想化」し、選挙運動をすることにより日常でのストレス対処として「置き換え」をする、などなど。

過剰な防衛機制は目標達成を困難にしたり、人間関係を悪化させたりするので注意が必要です。しかし防衛機制の中で、成熟した防衛機制、ポジティブな建設的な方法があるとされています。それは、「ユーモア」や「利他主義」などです。「昇華」もその一つで、イライラや苦しい体験などをスポーツや芸術をすることで、より社会的に認められることで自己実現に向かうというものです。

今回の選挙で盛り上がって興奮冷めやらぬならば、批判や悪い行動化ではなく、敵と思える人ですら和して、社会的に認められるような振る舞いとは何かを考えてみるとよいでしょう。さらには、存在するもの全てが支え合えるような社会は何かを夢見てみるのも楽しいかもしれません。人には器というものがあります。抱えきれぬものを抱えすぎて苦しみ、自分を見失わないようにしてくださいね。(精神保健福祉士)

450万円! 返礼品に「貸し切りナイトプール」 土浦市

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貸し切りナイトプールの対象となる「ヒューナックアクアパーク水郷(水郷プール)」の一周270メートルの流水プール

ふるさと納税

ふるさと納税の返礼品に、土浦市が「夜間貸し切りナイトプール」を出品している。霞ケ浦総合公園にあるヒューナックアクアパーク水郷(水郷プール)を夜6時30分~9時まで、一夜貸し切りできる利用券で、450万円の寄付金で利用できる。同市の返礼品の中で最高額になる。

借り切りできるのは、一周270メートルの「流水プール」と「ちびっ子プール」。対象期間は7月28日~8月8日までと8月25~29日まで計17日間。仮設の夜間照明を設置し、プール監視員が配置される。飲食物や椅子などの持ち込みもできる。個人でもグループでも利用でき、グループ利用の場合、利用人数を100人までとする。

ふるさと納税を増やす取り組みの一環で今年新たに実施した。市によると、4日時点で寄付者はまだいないという。

同プールは公営の屋外レジャープールで、敷地面積約1.7ヘクタール、流水プール、ちびっこプールのほか、スライダープール、多目的プールがある。水面面積は約2600平方メートル。2016年にリニューアルオープンした。

今年は、昨年の同時期と比べ来場者が5000人増えるなど日中は大変にぎわっている。厳しい暑さに加え、県内や近県で屋外レジャープールの閉鎖が増えている影響とみられている。(鈴木宏子)

シングルマザーの支援に取り組む弁護士 田中記代美さん 土浦【ひと】

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田中記代美弁護士=7月に土浦市社会福祉協議会と共催で開いたフードパントリー付き相談会会場

土浦市の田中記代美弁護士(59)は、弁護士の仕事を超えてシングルマザーの支援に取り組む。2023年8月、支援団体「ママのホップ・ステップ・ジャンププロジェクト」を立ち上げ年3回、夏休み、冬休み、春休みの前にそれぞれフードパントリー(食糧支援)付相談会を開いている。

自身がシングルマザー。離婚調停や離婚裁判を経験し、当事者としての経験を生かすことができないかと44歳で弁護士になった。土浦市出身。国学院大学で法律を学び、同大学院修士課程を修了後、都内のデベロッパーで不動産調査などの仕事を担った。その後、誘いがあって都内の弁護士事務所に転職、事務長として事務部門を統括した。

やがて結婚し退職、専業主婦になった。結婚して2年目、夫から暴言暴力を受けるようになり、当時1歳11カ月の息子を抱いて土浦の実家に逃げた。「家を出るまでは自分が悪いのではないかと思うこともあったが、家を出てみると自分がいかに理不尽な状況にあったのか客観視できた」と振り返る。

三つのパートを掛け持ち

知り合いの同い年の男性弁護士に離婚裁判を依頼した。一生懸命やってくれたが、家庭内の人間関係、例えば夫の言動から受ける心身の影響の大きさや嫁姑の関係、親戚付き合いなど、悩みの根っこのような前提事実がなかなか伝わらず、もどかしさを感じ続けた。離婚に至るまでの手続きを通して、女性の離婚問題は女性の弁護士が担当した方が状況が伝わりやすく良いのではないかという思いが強まっていった。

当時土浦の実家に身を寄せ、三つのパートを掛け持ちしながら子供を育て、裁判を闘った。朝7時半、子供を自転車に乗せて保育園に送り、朝8時30分から夕方5時まで近所の文房具店で店員として働いた。その後スーパーの花屋で夜9時まで店員として働き、土日は市内の結婚式場で介添のパートをした。

法科大学院に挑戦

別居から離婚調停を経て離婚裁判まで3年掛かって和解が成立。その頃、法科大学院制度がスタートしたというニュースを見た。それまで考えたこともなかった弁護士という仕事が自分にもできるかもしれないと思い、39歳で法政大学法科大学院に入学。奨学金を借り、貯金を取り崩しながら大学院に通った。ちょうど子供が自宅近くの保育園に転園できることになり、実家の母に送迎を頼むことが出来たことが幸いした。

3年間、猛勉強した。土浦から市ケ谷の法科大学院まで、片道約2時間の電車での通学時間は本を読んだり、過去問題集を解く集中できる時間になった。子どもをかかえて後戻りができず試験で点数を取らなければならない状況はとても苦しかったが、何とか合格でき、地元の土浦市中央に「ファミリー法律事務所」を立ち上げた。普通の主婦が普通に生活していて直面しやすい家事事件を中心に「マチベン」としてコツコツと仕事をこなした。

収入を上げていく支援

法律事務所を立ち上げて10年が経った頃、横浜家庭裁判所の家事調停官になった。家事調停官は非常勤の裁判官で、コロナ禍の2020年10月から2年間、週1回横浜に通った。裁判所から見た調停事件では、多くのシングルマザーが弁護士を付けず、おそらく相談もできないまま、一人で養育費などの調停に臨んでいた。その様子を見て「弁護士という専門家の手助けが必要であっても、弁護士への相談がシングルマザーから見ていかに高いハードルか改めて感じた」という。

その後、たまたまソーシャルビジネスの概念を知ったことを機に、シングルマザーの貧困問題解決のためには、本人の収入を上げていく支援が必要だと思い至り、2023年、友人たちと「ママのホップ・ステップ・ジャンププロジェクト」を立ち上げた。

最初の一歩として、フードパントリーがある無料相談会を開き、対象者の相談を受けることから始めた。弁護士の法律相談だけでなく、ファイナンシャルプランナーが担当する教育費や奨学金の相談、保健師が担当する育児や健康の問題、高校の職員やキャリアコンサルタントが担当する進学の相談、社会福祉協議会の職員が担当する福祉制度一般を含むよろず相談なども行うことにした。シングルマザーの悩みはいくつもの問題が複雑に絡み合っていることが多く,どこから手を付けて良いのかわからないこともある。そのような時に、互いに気心が知れた異なる資格のメンバーと解決方法を一緒に考えることもできる。同じ事例を見ても,持っている資格によって見る視点が異なるから、意外な解決方法が見つかることもある。「皆で考えると視野が広がり一人で思いつかないことを発見できる」という。

支援の輪広がる

支援の輪は徐々に広がりを見せ、昨年12月上旬に開催したフードパントリー付相談会は土浦市社会福祉協議会との共催で開催した。今年度は7月と12月に開催する同相談会が市社会福祉協議会との共催となった。高校生や大学生のボランティアも参加してくれるようになり、シングルマザーが相談している間、ボランティアの大学生が子どもたちに読み聞かせをしたり、高校生が輪投げなどのゲームをする場をつくってくれたりしている。市役所の協力を得て防災をテーマに災害時の知識を学ぶ試みも行っている。支援物資についてもフードバンク茨城や関連NPOとの連携ができてきた。

フードパントリー付相談会の次の一歩は、シングルマザーの就業支援の一歩にしたいと考えている。試みにキャリアコンサルタントのメンバーと自身が協力して、アルバイト勤務のシングルマザーが年収300万円を超えるフルリモート勤務に転職することに1件成功したが、後に転職せざるを得なくなり、就業支援の難しさと就職の入り口だけではないその後の伴走の大切さを痛感している。

「児童扶養手当や養育費は子どもが成長すれば受け取れなくなってしまう期間限定のお金なので、シングルマザーの貧困問題はそのまま高齢女性の貧困問題に直結している。だからシングルマザー自身の収入を上げることはその後の人生においてとても大切。このプロジェクトで何か一つのモデルをつくることができれば」と話す。(鈴木宏子)

2mの「粘土の塔」作りに挑戦 小学生が筑波大生と

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学生と創作を楽しむ参加者の小学生

スタジオ’Sで川島史也さん進行

筑波大助教で彫刻家の川島史也さん(35)と同大で芸術を学ぶ学生らによる、小学生を対象とした夏休み企画「造形教室 粘土の塔をつくろう!」が3日、つくば市二の宮のギャラリー「スタジオ’S」で開かれた。午前と午後の2部制で、それぞれ約20人ずつの小学生が市内外から参加した。イベントでは5班に分かれた子どもたちが、、学生らにアドバイスを受けながら、用意された2メートルの木の棒に約100キロの粘土を貼り付けて、オリジナルの塔を完成させた。イベントは、同ギャラリーを運営する関彰商事と筑波大学の連携による芸術活動「スタジオ’S with T」による取り組みとして行われた。

進行役の川島さんが「もっと大きく作っていいんだよ、どんどん粘土を使っていこう」と呼び掛けると、参加者が「よし、ここにトンネルをつくろう」「もっと大きな塊を貼り付けよう」などと声を掛け合う。子どもたちは手足や服を粘土まみれにしながら、ちぎった粘土で好きなキャラクターや食べ物、自然の動植物など、自由に形を作り、木に貼り付けていく。

脚立に上り粘土を貼り付ける子どもたち

桜川市から参加した小学1年生の溝部冬弥さん(6)は、脚立に登って自分の身長より高い場所に霧吹きで水をふりかけながら粘土を貼り付けた。「粘土で動物や海の生き物を作るのが好き。今日は、大きな粘土を思いきり切ったり、くっつけたりできてすごく楽しかった。またやってみたい」と笑顔で話した。

小学5年の子どもと来場したつくば市在住の永井勇治さん(58)は「豊かな発想をもとにいろいろな形を作る子供の様子に『よくできるなあ』と感心した。自由に楽しむことができて、いい機会になったと思う」と話した。

作業する子どもを手伝った同大学院1年の小川晃平さん(22)は「普段は木彫で(装飾的・説明的な要素を削ぎ落とす)ミニマル・アートに取り組んでいる。自由にものづくりに向き合う子どもたちからパワーをもらうことができ、とても良い刺激になった」と語った。

子どもたちに声を掛ける川島史也さん

自身も彫刻家として活動し、多数の受賞歴を持つ進行役を務めた川島さんは「創作の魅力には、大きな作品を作るということがある」としながら、「今の時代では、タブレットやスマートフォンなど指先を使うことは増えたが、手全体を使う機会が減っている。彫刻は、実際にものに触れることができる芸術。ものに触れることで、今、自分が生きていることへの実感につながる。子どもたちには、粘土の感触とともに(制作物の)スケールの大きさを感じてもらいたかった。ぜひ、また大きな作品を作る機会があればチャレンジしてほしい」と呼び掛けた。(柴田大輔)

関心高く300人参加 小規模特認校 保護者説明会 つくば市

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3日開かれた小規模特認校の保護者説明会の様子=つくば市役所

来年4月、谷田部南と栗原小2校

来年4月から、つくば市立谷田部南小と栗原小の2小学校が小規模特認校になるのを前に(24年12月10日)、保護者説明会が3日、同市役所で開かれた。約300人の保護者らが参加し関心の高さを示した。募集人数は2校とも各学年17人(2校6学年で計204人)で、募集人数を超える申請があった場合、抽選となる。

小規模特認校は少人数を生かした特色ある教育をする学校で、通学区域を越えて市内どこからでも通学できる。ただし保護者が送迎するか本人が公共交通機関で通学することが必要。

森田充教育長は説明会で、同市の小規模特認校について「(子供一人ひとりを尊重し自律性や共生を重視するドイツ発祥の教育モデルの)イエナプランの教育理念や取り組みを参考にしながら、教職員が子供たち一人ひとりに深く関わりながら、子供自身が自分らしく、学ぶ意義に気付けるような支援をしていきたい」などとあいさつした。

特色として①きめ細かな学習支援などにより自分のペースで確実に学ぶ②異学年学習などにより友人・先生と深く関わる③体験や探求的学習を中心に、子供の問いにとことん向き合う④専門家や地域住民など外部人材を活用し多くの出会いや発見を得る⑤すべての児童に活躍と挑戦の機会があるーの五つを掲げる。

カリキュラムについては例として▽朝の会、昼休み、帰りの会などに異学年で活動する▽午前中、1~4時間目の国語、算数、社会、理科。英語などは一人ひとりの進度に合わせて自律的に学習に取り組む▽午後の5時間目の音楽、図工、体育、家庭科、市独自の総合的学習時間のつくばスタイル科などは少し長い60分授業とし、外部の研究者を招くなどして自分が疑問に思ったことを探求するーなどが示された。

2023年度から県のパイロット研究推進校として小規模校の良さを生かした実践が行われている谷田部南小と、今年度から準備をしている栗原小からは具体的な取り組みの紹介があり、他の人の話に耳を傾けることを重視しながら異学年で輪になって対話する「サークル対話」、授業前の朝の会で何をするか、自分で1週間分の学習計画を立てる「マイプラン学習」などの実践例が紹介された。

今後は、8月中旬に小規模特認校の就学意向アンケートを実施して希望人数などを把握し、11月下旬から12月中旬まで申請を受け付ける予定だ。卒業後の中学校進学については、自分が住む通学区域にある中学校または小規模特認校の通学区域にある中学校のどちらかを選択できる。

説明会では参加者から「小規模特認校になっても特別支援学級は継続するということでよいか」「成績はどのように評価するのか、他校と違いはどこにあるのか」「谷田部南小は現在児童数が56人で、来年度から児童数が(102人に)増えると思うが、教員の数は増えるのか」などの質問が次々に出て、質問者が途切れなかった。市教育局は「特別支援学級は継続する」「成績評価は原則、他の学校と同じだが、特徴的な取り組みについてどういう頑張りがあったのかは(通知表に記載するなど)お返しする」「少人数の教育を保つため1学年の上限を17人にしている。市として教員を採用し配置するか十分検討したい」などと答えていた。質問できなかった保護者については、市の問い合わせフォームで質問を受け付け、市ホームページで回答するという。

小学3年と5歳の2人の子供をもつ母親は「上の子は人数が多い大規模校に通っている。来年小学生になる下の子は、人数が多いと学習面で付いて行けるか心配なので、少人数の学校に通わせたい」と語った。現在、子供が4歳という母親は「どういったことをやるのか知りたくて参加した」などと話していた。

説明会の参加者が300人に及んだことについて久保田靖彦市教育局長は「小規模特認校に関心ある保護者が多いということが把握できた。我々としても情報発信なども含めしっかりと準備していきたい」などと話していた。(鈴木宏子)

有明骨董ワールドを主催する竹日さん《ふるほんや見聞記》7

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竹日忠芳さん

【コラム・岡田富朗】竹日忠芳(たけひ・ただよし)さんは「生活骨董50年」(里文出版)の著者であり、骨董市創成期の先駆者として知られる竹日忠司さんのご長男として1952年、新潟県に生まれました。立命館大学文学部を卒業後、東京都目白に「人形・骨董 たけひ」を開店、著書「人形今昔」(北辰堂出版、1997年)を刊行されました。

同年、竹日さんが運営事務局長として、東京ビッグサイトで国内最大級の骨董・アンティーク大販売会「骨董ジャンボリー」をスタートさせました。開催は43回を数えましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2年間の中止を余儀なくされました。

その後、イベント名を「有明骨董ワールド」に改め、同じ会場・同規模で開催を継続。2026年2月21日・22日・23日開催することで、第9回目を迎えます。

有明骨董ワールドは現在、年2回(2月と7月)、各3日間の日程で開催されています。日本全国からディーラーが集結し、古美術品、骨董品、アンティーク、コレクタブルズ、古玩具、ミュージアムピース、さらには刀剣や小道具類に至るまで、さまざまなジャンルの品々が出品されます。

有明骨董ワールドの風景

8月には軽井沢で「蚤の市」

この骨董ワールドは、中国、台湾などのアジア、ヨーロッパ、アメリカなど、海外からもバイヤーが買い付けに訪れるほど、人気の高い骨董市です。

竹日さんが主催する骨董市はこのほかにも、国内で最も歴史ある室内骨董イベント「平和島骨董まつり」「横浜骨董ワールド」「新潟骨董まつり」など、多岐にわたります。

8月には、避暑地・旧軽井沢の「旧軽井沢公民館」で「軽井沢蚤(ノミ)の市」(1日~31日)が開かれます。会場には、駐車場も完備されており、旧軽井沢銀座通りからも近く、軽井沢会テニスコートのそばです。

和洋骨董、アンティークなど、ジャンルを問わずさまざまな品がそろい、珍しい品物の入荷もあります。ご関心がある方は出かけてみてはどうでしょうか。(ブックセンター・キャンパス店主)

ディズニーの国で小児がん克服 陽子線治療センターに新棟 筑波大病院

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ディズニー壁紙お披露目のテープカットに参加した子供たち=筑波大学附属病院

筑波大学附属病院(つくば市天久保)は2日、陽子線治療センター(櫻井英幸部長)に整備した新治療棟の開所式を行った。がんの陽子線治療施設は全国に20カ所あり、県内では1カ所だけだが、同附属病院は特に小児がんの治療で実績を積み重ねている。新しい治療棟ではエントランスから廊下、治療室に至るルートをミッキーマウスなどのディズニーキャラクターを配した壁紙でラッピングし、病気と闘う子供たちの不安をやわらげ治療の負担を安らげる。

開所式には永田恭介学長ら大学関係者、大井川和彦知事、五十嵐立青市長や医療関係者らが出席。これまでに同センターで治療を受けた子供たち8人も招待され、元気にテープカットに参加した。

第3世代の陽子線加速器

陽子線治療が行われる寝台周りの壁紙にはミッキーマウスが描かれた

新治療棟は日立ハイテク(東京)を代表とする企業グループのPFI(民間資金活用による整備)事業で整備された。地上4階建て、建築面積1275平方メートルで、旧棟に隣接している。1階に同病院では第3世代に当たる陽子線加速器を設置した。線形(長さ約3メートル)のライナックと円形(周長約18メートル)のシンクロトロンの構成で、旧棟の従来器よりコンパクトになった。最大230MeV(メガ電子ボルト、従来は同250MeV)まで加速して、水素の原子核である陽子をビーム状にして3階の回転ガントリーシリンダー内の照射部に送る。

治療室は2室設けられ、寝台上で患者を中心に回転させながら位置決めをすることで、360度どの方向からも陽子ビームを病巣に照射できる。照射ノズルで陽子線を絞った上、1点ずつ病巣に照射していく「スポットスキャニング方式」を導入し、複雑な形状の病巣にも高い精度で対応でき、治療の安全性と効果が得られるという。

現在稼働中の治療装置(旧棟)による陽子線治療は2001年から始まり、肝臓や肺など呼吸で動く臓器への照射技術・手法を確立するなどして多くの治療実績を積み上げてきた。熊田博明陽子線医学利用研究センター長によれば、特に肝臓がんへの陽子線治療では世界一の実績があり、小児がんに対しては東日本で唯一の治療施設としてウエートを高めている。海外からの患者も目立ってきた。

子供たちに安心と勇気を

乳幼児、就学前の子供も対象になる小児がん治療は、患者の肉体的、精神的な負担が大きい。放射線治療では、寝台に子供をひとり導き、患部が動かないよう安定させる難しさなどが障害になって、各治療施設での受け入れが進まない。保護者が付き添うことはできす、鎮静剤で眠らせるケースもあるが、1回約15~30分間かかる治療は10回から50回以上、毎日のように続く。

同センターで実際の治療にあたるのは診療放射線技師。そのうちの一人、宮本俊男さん(45)は旧棟で、子供たちの心をなだめ、安心して診察台に乗ってもらう環境づくりに腐心してきた。旧棟では犬のアニメキャラクターを使った壁紙を治療室に至る動線に設置して効果をあげたが、新治療棟の計画が浮上した2020年以降、「誰にでも受け入れられる素材を探して」(宮本さん)、ウォルト・ディズニー・ジャパン(東京)に協力を要請した。同社は病気と闘う子供たちとその家族を支援するため、こども病院などに様々なプログラムを提供している。

ディズニー社に協力を要請し環境づくりを推進した宮本俊男技師

ディズニー社の日色保社長は「最初はコールセンターにかかってきた1本の電話で、何のことかわからなかったが、話を聞いているうち是非やるべきだと思った」。同社による支援は国内5例目だが、大学病院では初めての取り組みとなった。

支援プログラムのメーンは、数多くのキャラクターが登場する「壁紙ラッピング」。治療棟3階の待合室で、患者は家族と離れ更衣室を経て管理区域に入り、治療室に向かう。長い廊下を通り、回転する寝台の置かれた照射室では対向する広い壁面に迎えられる。これらをミッキーマウス、ミニーマウス、ドナルドダックなどディズニーの人気キャラクターが埋め、長い廊下にはファインディング・ニモ、ライオンキングなどの物語世界に入っていく空間演出が施された。

病院側の希望でシンデレラも描かれた。宮本さんによれば「シンデレラは変身がテーマ。病気からも変身してほしい」との願いを込めたという。日色社長は「病院とのディスカッションを繰り返して物語世界をつくりあげた。すごいなあと思う出来だ」と感想を述べた。

治療開始は9月から

テープカットに参加し、ディズニー社からドナルドダックのぬいぐるみをプレゼントされた鏑木恵衣さん(6歳)は、4歳だった昨年2月に17日間、鎮静剤で眠らされることなく陽子線治療を受けた。「ばんざいしてタブレットでアニメを見ているうちに終わった。ちっとも痛くなかった。怖くなかった」という。

陽子線治療センターの新治療棟は9月から治療を開始。旧棟で受け入れていた患者はそのまま治療を続け、年内を目途に新棟への切り替えを完了する予定だ。(相澤冬樹)

5連勝ならず アストロプラネッツ

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7回表栃木1死二・三塁、三ゴロからの送球ミスで栃木の走者2人が返る。捕手は茨城の草場悠(撮影/高橋浩一)

栃木に敗れる

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは1日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で栃木ゴールデンブレーブスと戦い、1-7で敗れた。茨城の通算成績は20勝19敗1分で東地区3位。2位栃木との勝差は2.5に広がった。土浦で今季最後の試合だった。

【ルートインBCリーグ2025公式戦】8月1日、J:COMスタジアム土浦
栃木 020000221 7
茨城 000000010 1

1回裏茨城無死、先頭の山本が中前へチーム初安打を放つ

茨城は7月23日の群馬戦から28日の神奈川戦まで4連勝と波に乗っていたが、その勢いをつなげることができなかった。かつて日本ハムや巨人などで活躍した栃木の先発投手・吉川光夫に、7回まで散発3安打に抑えられた。

「吉川は球速は130~135キロ程度だが、甘く入るストレートがない。それが全て。コースぎりぎりの厳しいストレートを打たされ、甘い変化球を打てなかった」と茨城の巽真吾監督。「コントロールがいいだけでなく、打席ごとに配球も変えてくる。打ちづらい投手だった」と4番の原海聖。

2回裏茨城1死、鈴木寛太が右前へチーム2本目の安打

例えば原の第1打席、過去の対決から変化球で入ると読んで打席に入ったが、この日は外角低めの厳しいコースへのストレートで攻め込んできた。それでもカウント3-2まで粘ったが、最後はチェンジアップを呼び込みすぎて遊ゴロに倒れた。4回の第2打席ではスライダーから入り、2球目を芯でとらえたもののサード正面のゴロとなった。

「甘いまっすぐは来ないので、カウントを取りに来る変化球をしっかりとらえないと。打席ごとに考え方や狙い球など、アプローチを変え、同じようにやられない工夫が必要だった」と原の振り返り。

3回表栃木無死一・二塁、マウンドに集まる茨城ナイン

茨城の先発投手は金韓根。初回は三者凡退に抑えたが、2回に2安打と四球で2死満塁とされ、左翼線への適時打で2点を先制された。「初球でストライクが取れず、厳しいところへ投げなくてはという気持ちになっていた。走者が溜まっていたので外野フライでも1点入ってしまう状況だった」と金。

茨城の先発、金

その後は6回まで互いに無得点。次の得点がどちらに入るかで流れが大きく変わる状況で迎えた7回表、茨城の投手は5人目の佐藤友紀。2四死球から1死二・三塁のピンチを招くと、三ゴロから一塁への送球がそれ、一気に走者2人の生還を許した。8回表の投手は6人目の長尾光。内野安打と暴投、野選で無死一・三塁とされ、二ゴロはバックホームがそれて1失点、さらに内野ゴロでもう1点を失った。

8回裏、栃木の投手は2人目の嶋田航。ここで茨城打線が目を覚ました。先頭の1番・山本仁が内野安打、2番・高田龍が右前打で無死一・三塁。3番・新太郎の内野ゴロで1点を返し、4番・原の右前打で1死二・三塁。5番・北原翔が三振に倒れたところで、代打・杉木優斗が送られた。ここで栃木も3人目の堀越歩夢がマウンドに向かう。「相手はBCリーグでも一番の速球投手。それを初球の入りで捉えるイメージだったが、タイミングが合わず空振った。代打の1打席で結果を出すのは難しいが、割り切れて強いスイングをできたことは良かった」と杉木の振り返り。

8回裏茨城2死二・三塁、代打・杉木が空振り三振に倒れる

「厳しい場面で投手が四球などでリズムを崩し、野手もエラーなどで投手を支えきれなかった。苦しいときも持てるパフォーマンスを出しきることが課題」と巽監督。「明日も栃木との連戦になる。反省はするが引きずらず、いいゲームをするため集中したい」と気持ちを切り替えた。(池田充雄)

試合終了、観客席にあいさつする茨城ナイン

日本でも格差拡大が深刻に《地方創生を考える》31

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純金融資産別の保有所帯数=野村総研ニュースリリース(2月13日付)から転載

【コラム・中尾隆友】歴史を振り返ってみると、インフレが進む社会では格差の拡大が進み、豊かな中間層が疲弊して厚みをなくす。そして、既存の政治が信頼を失い、ポピュリズム政治が台頭する。

アメリカではすでに富裕層と庶民との格差が絶望的なまでに広がり、ポピュリズム政治が台頭する素地が形成された。その結果、トランプ政権が二度も誕生し、深刻な国家の分断が起こった。先日の参院選では、我が国でも同じことが起こることを予感させてくれた。

野村総合研究所が2005年から1年おきに実施している調査によれば、日本でも過去10年あまりで、格差拡大が恐ろしいほど進んでいた実態が浮き彫りになっている。

同調査では、純金融資産(金融資産の合計から負債を引いた額)の保有額に応じて、「超富裕層」(金融資産5億円以上)、「富裕層」(同1億円以上5億円未満)、「準富裕層」(同5000万円以上1億円未満)、「アッパーマス層」(同3000万円以上5000万円未満)、「マス層」(同3000万円未満)―と5つの層に分類している。

アッパーマス層の変化=同リリース記載のデータから中尾氏作成

2025年2月に公表された調査をみると、2023年時点の「超富裕層」「富裕層」「準富裕層」の世帯数は、大規模金融緩和開始前の2011年時点と比べると、それぞれ2.4倍、2.0倍、1.5倍に増えた。「マス層」も9.3%増えている。一方で、中間層に位置する「アッパーマス層」だけは9.7%減となった。

ポピュリズム政治の台頭を懸念

この推移が意味するところは、中間層から準富裕層以上に昇格する世帯が一定数いたのに対し、中間層からマス層へこぼれ落ちる世帯数が圧倒的に多かったということだ。アメリカほどでないにしても、日本の格差拡大の進行は深刻な状況にある。

2024年以降も株高とインフレが継続しているので、格差拡大が一層進んでいるのは間違いないだろう。今後はアメリカのようにポピュリズム政治が台頭し、国家が分断されるリスクは十分に考えられる。日本は大きな岐路に立たされている。(経営アドバイザー)

当事者家族の写真提供を知人に依頼 つくば市消防長を訓告処分

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つくば市役所

救急車不搬送事案で

高熱を出したつくば市の3歳男児(当時)が2023年4月、救急車を呼んだが病院に搬送されず、その後、重い障害を負った事案で(3月26日付)、つくば市は1日、市消防本部トップの青木孝徳消防長が当時、男児の家族の顔写真の提供を個人的に第3者の知人に求めていたことが分かったと発表した。

実際には写真を入手しなかったが、青木消防長の行為は公務員としての自覚を欠き、消防本部の長として不適切なものだったとして、市は7月28日付で消防長を訓告処分とした。訓告は懲戒処分ではなく厳重注意に当たる。

市消防本部によると青木消防長は、不搬送事案発生から約1カ月後の2023年5月中旬ごろ、男児の家族を知る知人に、家族の写真があったら送ってほしいと求めた。当時、不搬送案事案について家族から市消防本部に問題提起があり、家族と意見の食い違いがあったことから、どのような人物像か個人的に知りたかったためだと青木消防長は釈明しているという。

今年4月、男児の家族から、写真を入手しようとし、公務員及び消防長としてふさわしくない、などの申し出があり発覚した。

申し出を受け市人事課は青木消防長に聞き取りを実施、7月7日、市職員分限懲戒委員会を開催し、同28日、訓告処分とすることを決定した。市消防本部によると青木消防長は、軽率だったと反省しているという。

五十嵐立青市長は「今回発覚した行為は誠に不適切なもの。ご家族に対し心からお詫びすると共に、消防長の任命者としての責任を痛感している。消防長に対しては職責を再認識し、日ごろの業務を通じて市民及び職員からの信頼回復に努めるよう強く指導した」などとするコメントを発表した。