土曜日, 8月 22, 2026
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水戸市・台南市友好交流都市締結使節団に参加《令和樂学ラボ》32

【コラム・川上美智子】水戸市は11月22日、台湾の台南市と友好交流都市の締結を行った。米国のアナハイム市、中国の重慶市に次いで3つ目となる友好交流都市である。71名の使節団の一人として参加した3泊4日の台南市への旅は、終戦直後に生まれ、大戦の経験がない世代にとって、日本の植民地時代の歴史を学ぶ貴重な機会であった。

フィリピン海プレートにユーラシアプレートが潜り込み形成された台湾島は、東側は衝突で出来た山脈が南北に続き、西側の平地にいくつかの都市が作られている。台湾は、17世紀にはオランダの統治下、さらに1683~1887年は大陸の清朝の統治下に入り、その後の50年間(1895~1945年)は日本の統治という被侵略の歴史をもつ。

今回訪問した台南市は、清朝時代に首都として栄えた名残がレンガ造りの建造物古跡として各所に残されていた。

視察では、統治下で活躍した若い日本人の足跡をたどった。1人は今回の締結のきっかけとなった水戸市出身の飛虎将軍こと杉浦茂峰少尉である。彼は米軍との交戦で戦闘機が被弾し、台南市集落への墜落を避けて離れた畑まで飛ばし、台湾人の婚約者を残して21歳で命を落とした。

地域の人々は多数の台湾人の命を救った恩人・神として、今は街中である墜落地に廟(びょう)を建てた。訪問団は、廟内で戦前の真直ぐな若者の心に涙しながら、「ふるさと」を歌った。

もう1人は、烏山頭ダムや嘉南大圳の水利施設を造った八田與一である。この水路の完成で、この地域は豊かな農業地帯になったという。石川県出身の彼は、東京帝大土木工学科を卒業後、乗船した船が米軍攻撃で沈没し亡くなる56歳まで、30年間を台湾のダム造営、下水道建設、港建設など重要な土木事業に技術者として貢献した。

日本の技術を台湾に伝え実践した彼の偉業は、台湾の馬英九総統により八田與一記念公園として残されており、烏山頭ダムが見渡せる一角に夫妻の墓と銅像が建てられている。遠く離れた地で、志をもって厳しい仕事に捧げた八田技師の生涯には胸打たれた。戦前の日本の教育は、負の面が強調され、あまりよい印象をもっていなかったが、志高く道徳観や倫理観のある人材育成に寄与していたのであろう。

お互いの声で未来のメロディーを奏でよう

台湾は親日家が多いと言われるゆえんは、現在強く求められている非認知能力(忍耐力、自制心、協調性、意欲など)に長けた人材の活躍によるものであった。

国立台湾歴史博物館所蔵品・修身

国立台湾歴史博物館も日本人には必見の場である。原住民と外から台湾に渡ってきた人々や支配国とのせめぎ合いや共生の歴史が展示されている。日本の統治下時の教育勅語や修身などの教科書のほか、強要されたであろう日本の生活文化などが展示されている。台湾には日本から20万人を超える官僚や民間人が移住し、日本化が進められたと聞く。展示された当時の品々が我々に訴えるものは大きい。

台湾の小学生の団体が見学に訪れていたが、侵略された自国の歴史をどのように捉えるのであろうか。博物館は「お互いの声で未来のメロディーを奏でよう」と結んでいる。日本の戦争を知らない世代にも、広島や長崎だけでなく、この負の歴史をぜひ見てもらいたいと思った。

両市の友好が深まるよう、多くの県民、市民が当地を訪れることを切に願っている。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)

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土浦一高哲学部のコラム集「放課後の哲学」が書籍化 NEWSつくばで連載

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「音」で土浦の今を残したい 子どもたちと集めた音でVR・AIアート体験を

22、23日 りんりんポート土浦 普段は意識せずに聞き流している、揺れる木々の音、足音、街のざわめきなど土浦市内の音を録音し、映像やVR(仮想現実)、AIなどの技術と組み合わせて「土浦の音」を体験する展示「土浦サウンドアーカイブプロジェクト 土浦サウンド展」が22、23日、同市川口、霞ケ浦湖畔の休憩施設、りんりんポート土浦で開かれる。 主催するのは、土浦市在住の音楽家、宇津木紘一(44)が代表を務める市民団体「つちうらサウンド・アーカイブ・プロジェクト実行委員会」。昨年から開いてきたワークショップの一環で、地域で集めてきた音や活動を紹介するとともに、来場者自身が音を聞き、触れ、遊ぶことのできる「小さな美術館」のような空間をつくる。地域活性化や地域課題解決を目的とした活動を対象にした市の助成制度「土浦市協働のまちづくりファンド(ソフト)事業」にも採択された。 子どもたちと音を探す 今回の活動は、昨年10月に15人ほどの子どもたちと土浦の街に出て音を集めるところから始まった。市内を走るサイクリングロード、つくば霞ケ浦りんりんロードを自転車で走ったり、霞ケ浦総合公園を歩いたり、霞ケ浦で遊覧船に乗船しながら、スマートフォンを使ってさまざまな音を録音した。水や風の音など自然界の音だけでなく、足音、自転車のきしみなど、普段は聞き流してしまっている音を録音した。参加した子どもたちが驚いたのは、自分の耳で聞く音と、録音した音との違いだったという。 今年2月には、ワークショップで集めた音と、サックス奏者である宇津木さんらによる生演奏によるコラボイベントが、市内の寺院で開かれた。(2月20日付) 宇津木さんは「音を通して、その土地の文化や地域を知ることができる」と話し、「音は人の記憶と結びつく。何気ない一つ一つの音も、複数の音が重なることで、その場所ならではの風景が浮かび上がることがある」、そんな気づきが活動に繋がったと語る。 土浦の音でリズムをつくる 今回の展示では、これまでのワークショップやコンサートを写真や映像、資料で振り返るほか、VRなどを利用した体験型作品も並ぶ予定だ。普段は美術館などに出掛けなければ触れる機会の少ないメディアアートを、身近な地域で気軽に楽しんでもらいたいとする。 映像とともに音の遠近や変化を体験する「土浦サウンドVR」は、暗幕で光を遮った室内に設置された100インチのスクリーンに、AI技術を使用し、土浦市内の風景を元に作られた仮想空間がプロジェクターで映される。参加者は、パソコンを操作しながら空間を移動し、画面上のものに触れるとさまざまな音を聞くことができる。 音遊びゲーム「おとふね」は、企画のために作られたスマートフォン用のアプリを使い、土浦で録った音を素材に、自分でリズムをつくることができる。例えば、足音をバスドラムの「ドン」という音のように使ったり、風や葉の揺れる音を楽器の一つとして組み込んだりする。アプリ上で好きな音を選び、何度も組み合わせながら自分なりのリズムをつくる。スタッフに相談しながら体験できるようにもする予定だ。「私自身、世界にある全ての音を音楽に使えると気付いた時に世界が広がった」と話す宇津木さんの体験が元になったコーナーだ。作った音は、ダウンロードし持ち帰ることができる。 会場にはこのほか、地域で活動する作家と一緒に線香花火や紙パックを使ったランタンを手作りできるコーナーも設ける。 消えていく「音」で町を残す 活動の背景には、「今の土浦を残す」という目的があると宇津木さんはいう。「音から、その地域の文化や歴史を読み取ることができる。ふと耳にした瞬間に昔を思い出すこともある。音にはそんな力がある。街の景色や暮らしは変わり、文化や歴史も失われていく。だから、今しか聞けない音を記録しておきたい」 今はスマートフォンがあれば、誰でも簡単に音を録音できる。宇津木さんが子どもの頃は、録音には専用の機器やカセットテープが必要だった。身近になった録音技術を使って地域の音を残し、さらにVRやAIなど現在の技術と組み合わせることも、このプロジェクトの目的だ。残された音を将来聞いた人が「なぜ、この音がしていたんだろう」と疑問を持ち、当時を知る人に尋ねることで、地域の歴史を知るきっかけにもなると想像する。 「写真は撮るけど、音は撮らないですよね」と話す宇津木さん。「一度、音に意識を向けるようになると、どこへ行っても音に気付くようになる。音を積極的に感じる機会が少し増えるだけでも、日常の楽しみは増えるんじゃないかと思う」とし、「専門的な知識は全然なくて大丈夫。夏休みの思い出づくりに、『ちょっと面白そうだな』という気持ちで来てもらえれば」と呼び掛ける。(柴田大輔) ◆「土浦サウンドアーカイブプロジェクト 土浦サウンド展」は、8月22日(土)、23日(日)、土浦市川口2丁目13-25 りんりんポート土浦で開催。両日とも午前11時~午後5時。手作り線香花火、紙パックランタンの「手作りワークショップ」は午後1時からと、午後3時から。午後3時30分からは、サウンドスケープ・ライブと題して、宇津木さんと、同実行委員会の統括ディレクターを務める作曲家でピアニストの中村浩之さんによる、集めた土浦の音と楽器による即興演奏会が開かれる。入場無料。問い合わせはメール(contact@bbmusic.tokyo)へ。イベントの詳細は、特設サイトへ。