火曜日, 12月 30, 2025
ホーム ブログ ページ 82

れんこん焼酎「土浦恋婚」 1日デビュー

2
「土浦恋婚」と「土浦小町」を紹介する(左から)明利酒類の加藤高蔵代表取締役と安藤真理子市長

土浦市特産のレンコンを使ったれんこん焼酎「土浦恋婚(れんこん)」が1日、新しく発売され、同市役所でお披露目となった。土浦、つくば、牛久、かすみがうら市、阿見町の量販店や酒販売店などで購入できる。今年で3年目の製造となる土浦のソバを原料にしたそば焼酎「土浦小町」も同時発売となった。

安藤真理子市長は「この日をずっと楽しみにしていた。(『土浦恋婚』は)ほわっと香ってすっきりと甘くおいしい。土浦の新たな名産品として『土浦小町』とセットにし、いろんなところにお土産として持って行きたい」と広報活動に意欲を見せた。

(左から)そば焼酎「土浦小町」とれんこん焼酎「土浦恋婚」

「土浦恋婚」と「土浦小町」を製造している水戸市の醸造会社、明利(めいり)酒類の加藤高蔵社長は「れんこん焼酎は全国で3つか4つの蔵元が作っているが、土浦は日本一のレンコンの産地なのでおいしいものができた」と出来上がりに太鼓判。同社の川口幹夫次長によると、れんこん焼酎「土浦恋婚」はそばや芋、麦の焼酎とは異なる甘い香りが特徴で、上品で繊細な飲み口だという。

れんこん焼酎は今年5月から仕込みを始めた。原材料はJA水郷つくばから仕入れた同市産のレンコン800キロを使用、720ミリリットル入りを約1900本製造した。レンコンは蒸してから刻み、常圧蒸留方式で蒸留、2週間発酵させて作り上げた。レンコンと米麹の割合やレンコンの蒸し時間など試行錯誤を重ね、すっきりとしたのどごしに仕上げたという。

レンコン生産量日本一の県内で、土浦市は最大の生産量を誇る。さらなる知名度向上と消費拡大を目指し、市が焼酎への加工を企画。恋愛の「恋」と結婚の「婚」を合わせ、レンコンに掛けた商品名には、縁起物として祝いのシーンなどで活用してほしいという願いを込めた。同市農林水産課は「出会いの場や、結婚式などで女性の方にぜひ飲んでほしい」とPRする。

2021年に発売したそば焼酎「土浦小町」は、土浦産のブランド品種「常陸秋そば」を使用したもので、毎年完売するほど人気が高いという。(田中めぐみ)

◆れんこん焼酎「土浦恋婚」は720ミリリットルで1980円(税込)。そば焼酎「土浦小町」は720ミリリットルで1500円(税込)。いずれもアルコール分は25パーセント。

保育所から3歳児抜け出す 隣接の駐車場で無事保護 つくば市

12
つくば市役所

つくば市は1日、市立保育所の敷地から同日昼、3歳の園児が抜け出したと発表した。園児は10分後に約50~60メートル離れた隣接の公共施設の駐車場で無事保護された。けがなどはなかった。

市幼児保育課によると、同日午前11時50分、保育士が、3歳児の一人が室内にいないことに気付き、施設内と園庭を探した。10分後の正午、隣接の公共施設を利用していたグループが駐車場で園児に気付き、声を掛けて保護し、隣接の保育所に知らせた。

3歳児のクラスはこの日20人が登園していて、担任の保育士と保育補助3人の計4人がみていた。当時、昼食を終えた直後で、園児らはトイレに行くなど、それぞれ席を離れてばらばらに過ごしていた。

園庭に出る際は保育士が付き添うことになっているが、抜け出した園児は一人で園庭に出て、門扉につながる柵の下が20センチほど空いていたことから、柵の下をくぐって敷地外に出たとみらるという。

今後の対応として同課は、柵の下から園児が出られないよう同保育所の柵の下をふさぐと共に、市内の公立、私立全保育所を対象に危険個所がないか保育環境を再点検し、全保育士に改めて園児の見守りを徹底するよう指導するとしている。

放射性同位元素含む分析機器を誤廃棄 筑波大

1
筑波大学正門

筑波大学(つくば市天王台)は1日、放射性同位元素のニッケル63を含む分析機器、ガスクロマトグラフの検出器1台を、適正な手続きをとらずに誤って廃棄してしまったと発表した。

同大研究推進部研究企画課によると、誤廃棄した機器は縦、横、高さいずれも30センチほどの大きさで、大学キャンパス内の生物農林学系棟D棟の101実験室にあった。同棟の改修工事に伴い9月4~8日、長期間使用していない他の大量の実験機器と一緒に、同実験室の使用責任者であり同機器の使用責任者である教員が一斉廃棄した。

その後10月30日、同大の放射線管理委員会から管理状況の確認があり、翌31日、誤って廃棄してしまったこと、すでに溶融処理されてしまい回収が見込めないことが分かり、同大は同日、国の原子力規制委員会と県警に誤廃棄を報告した。

10月26日に同大生命環境エリア支援室に提出された産業廃棄物管理票(マニフェスト)によると、誤廃棄した機器は、9月13~16日にかけて産廃処理業者に廃棄物として回収され、10月7日には、破砕処理を行った上で、鉄くずはリサイクル業者が溶融処理するなど最終処分を終えていた。処分に際しては中間処分場で処理業者が放射線チェックを実施したが、放射線は検出されなかったという。

機器内のニッケル63は、ステンレスで覆われ遮へいされており、取り外しができない構造になっているという。同大は、処理過程の圧縮や破砕によって壊れる可能性はなく、人体や環境への影響はないと考えられるとしている。

誤廃棄した機器は2005年1月に同大が取得した。廃棄されるまで使用できる状態だったが、機器を使用していた教員が退職した後は、長期間使用されてない状態だったという。

本来は、機器の製造メーカーや放射性物質を扱う専門業者に処理を依頼すべきだった。誤廃棄の原因について同大は、廃棄にあたり確認が不十分だったこと、機器を使用していた教員との引き継ぎが不十分で、退職後は機器が長期間使われていなかったのに速やかな処分ができていなかったことが原因だとしている。

再発防止策として、放射性同位元素を含む機器について全学的に再点検を実施するほか、管理責任者に対し無断廃棄の禁止を徹底すると共に、その内容を記載したシールを目立つところに貼るなどとしている。

同大は「適正な手続きをとらずに誤って廃棄するといった事態を二度と起こさないよう、保管、管理に関して注意を要する機器のリスト化、学内における管理ルールの再徹底、教職員への再教育など、再発防止と適切な危機管理に努めて参ります」などしている。

土浦と県西のAM中継局停波へ 来年2月から茨城放送

0
土浦市上高津のランドマークになっている土浦局の電波塔。高さ88.5メートルある

FM放送局への転換を進める茨城放送(本社・水戸市、阿部重典社長)が来年2月から、AM放送の停波実験に取り組む。放送免許の更新に当たり、1日、AM放送の土浦と県西(筑西市)の2中継局の停波を総務省に申請した。実験は半年間続き、これ以降閉局になると、土浦市では高津丘陵のランドマークになっていた高さ88.5メートルの送信アンテナが姿を消すことになる。

停波実験は、特例措置として電波を半年間止め、影響を調べるのが目的。同社は、FM転換に向け、FM親局(加波山)に加え、つくば中継局(宝篋山)、日立中継局(高鈴山)にFM補完局を整備し、すでに放送を開始している。AMの2中継局を停波してもFM放送で100%カバーできる体制になっている。FM補完局は、周波数が古いタイプのラジオでも受信できる88.1MHzだが、県央部をカバーするFM親局の周波数は94.6MHzで、ワイドFM対応のラジオが必要になる。このため、今回の実験期間中も、AM親局(水戸、1197kHz)は引き続き受信可能とする。

FM波とAM波は、音声を電気信号に変えて飛ばす仕組みが異なる。AM波は波長が長く広範囲に届くが、建物内で聴きづらくノイズが入りやすい。一方、FM波は波長が短く届く範囲がAM波より狭くなるものの、高音質で音楽の放送に適している。これまで、難聴地や災害の対策として、AM放送を同時にFMで放送するワイドFMの採用が進められてきた。

AMからFMへの転換は、経営基盤の強化や効率的な放送事業の維持継続を図るために、民放ラジオ業界にとって喫緊の課題になっている。全国の民放AMラジオ企業でつくる連絡会が、FM局への転換を目指す方針を打ち出したのが21年6月。現在、44社が2028年をめどに転換を完了させる推進体制をとっており、その先陣を切る形で同社が申請に踏み切った。AMラジオのキー局であるTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送はいずれも実施しない。NHKは2025年度にラジオ第2を廃止、ラジオ第1は引き続き存続する。

来夏以降姿消す土浦のランドマーク

茨城放送は1963年4月1日に開局した、県内をカバーする唯一の民間放送局。土浦市上高津の同市旧市街を見下ろす高台にある土浦局(1458kHz)は65年1月20日に開設した。高さ88.5メートルの電波塔は、電波法上の呼び名で「空中線」といい、塔全体が送信アンテナになっている。アンカーボルトに5本ずつ3方向に繋がれた鋼索支線(ステー)は一度だけ交換されたそうだが、鉄塔それ自体は60年近く使い続けられている。50年とされる耐用年数はすでに過ぎ、更新が迫られている。

AM波の特性から電波塔は高さを稼ぐ必要があり、敷地内にはアース線が埋められていて、現在地での建て替えは難しい。技術的には同一ポイントに同様の規模で新電波塔を設置して、並行稼働させて切り替える措置が求められる。資金的にも維持が困難なことから、FM補完局の整備を先行させていた。停波実験の終了する来年8月1日以降閉局になり、電波塔や建屋は早々に撤去される見込みだ。

同社は1日「今後ワイドFMの周知徹底とともに、リスナー、スポンサー、自治体などステークホルダーの皆さまへの丁寧な説明を行い、ご理解とご支援をお願いする所存です」とするコメントを発表。同日から来年1月31日までの3カ月間を告知期間とし、停波期間中の半年間も番組やSNS、ホームページなどで周知、徹底を図っていくとしている。(相澤冬樹)

つくばの伝説の謎を解き明かす 舞台「金色姫伝説旅行記」上演

0
(左から)出演者の大川晴加さん、楓さん、渡辺和子さん、構成・演出を手がけた冠木さん=ホテル日航つくば1階ロビー迷路アート前

11月3日から3日間

つくば市に伝わる「金色姫(こんじきひめ)伝説」などをテーマに、ドラマ映像や朗読、ダンス、歌などを上演する舞台「金色姫伝説旅行記つくばシルクロード2023」が11月3日から5日まで3日間、つくば市神郡、大谷石造りの「石蔵Shiten」で上演される。構成、演出は市内在住の脚本家、冠木新市さん(71)が手掛ける。主催は市民団体「スマイルアップ推進委員会」(冠木代表)。

舞台は、つくば市神郡の蚕影山(こかげさん)神社に養蚕信仰の一つとして伝わる「金色姫伝説」と、「常陸国のうつろ舟」伝承がテーマ。金色姫伝説は5世紀後半、舟で流れ着いた日本に養蚕技術を伝えたとされる天竺(インド)の金色姫の伝説。うつろ舟奇談は、江戸時代、茨城県の海岸にUFO(未確認飛行物体)のような鉄でできた丸い形の舟が漂着し、中に異国の女性が乗っていたという伝承で、滝沢馬琴の「兎園小説」など、複数の古文書に記されている。

冠木さんは、二つの伝説から着想を得てストーリーを作った。金色姫とうつろ舟に乗っていた女性は共に異国の女性であることなどから、舞台の中で二つの伝説がどのように結びつくのか、また滝沢馬琴が「南総里見八犬伝」に金色姫をどのように描いているかを独自に解釈し、その謎を解き明かしていく。

出演するのは舞踊家でスリランカ出身のナディーシャ・ニルミニさん(45)、つくば市出身のダンサー楓さん(16)、シンガーソングライターの宮田まゆみさんら。楓さんはつくば市出身の高校2年生。5歳からバイオリンを習い始め2020年からストリートダンスを始めた。舞台第3章の「瓦版・うつろ舟事件」で踊るダンスの振り付けを自ら行った。「物語と曲をマッチさせた振りを作るのに苦労した。最初曲に合わせて振り付けを作ったが、冠木さんからもっと自由に踊っていいと言われ、曲調を超えるようなダンスにした」と話す。

ほかに牛久市出身のソプラノ歌手、大川晴加さんが5日に出演し「筑波恋古道」などを歌う。筑波恋古道は冠木さんが作詞し、つくばの地名を散りばめた曲で、大川さんが歌うことで壮大な印象になるという。

衣装を担当する渡辺和子さんは「金色姫の優雅な姫らしい雰囲気を出そうとこだわった。ニルミニさんの美しい自前の衣装を見て、全体的に豪華で派手な衣装になった」と話す。渡辺さんは茨城弁で語り部を務める。

冠木さんは舞台上で、ほぼ一直線につながる洞峰公園からつくばセンタービル、北条のつくば古道入口、蚕影神社、臼井の坂道、筑波山を、養蚕信仰の伝説にちなんで「つくばシルクロード」と名付ける。「舞踊と音楽で、眠っているつくばの歴史と文化を呼び起こしたい」とし「新しい『金色姫伝説』を世界にアピールしたい。若い人にぜひ見に来てほしい」と呼び掛ける。(田中めぐみ)

◆公演「つくつくつくばの七不思議シアター『金色姫伝説旅行記 つくばシルクロード2023』」は11月3日(金)、4日(土)、5日(日)の3日間開催。いずれも開場は正午、開演は午後0時30分。入場料は2000円(消費税込)。定員は各回30人(要予約)。問い合わせは電話090-5579-5726(冠木さん)。

知識や経験の風船が膨らむと《続・気軽にSOS》143

0

【コラム・浅井和幸】何事にも経験を重ねると、感じられることが増えていきます。知識や技術も増えて、多くのことを自分のものとしていけるでしょう。一歩一歩は小さくても、その積み重ねが大きなものとなっていくものです。

何か新しいことを始めたとき、自分は大きなものを得た気分になるでしょう。それは、格闘技イベントの観戦をしたときに、まるで自分が強くなったかのような。はたまた、福祉や心理学の講演を聞きに行き、初めて知った知識を得意満面に誰かに話したくなるような。

初めてのこれらの感動に包まれながら、自分はすでに大きなものを得たと感じられることでしょう。さらに、このままいけば10年後には知らないことはなくなると思えるかもしれません。3年先輩は全く手の届かない存在に感じられて、自分も3年後にそうなれるか心配になりながらも、人から手の届かない人間になれると考えるかもしれません。

学ぶほど自分の小ささを感じる

しかし、この世界はとてつもなく広く、自分が知ること感じることは、その世界のほんの一部に過ぎないことに気づくようになります。なぜか、学べば学ぶほど自分の小ささを感じるようになることもあります。

それはまるで、風船が膨らめば膨らむほど、風船の表面積が大きくなるように、物事を知れば知るほど、知らないことの多さに気づくようになるものです。それが、誰も知らないことを自分は知っていると感じる、もしくは考えているとしたら、たいして膨らんでいない風船であり、膨らんでいるとしても、風船の内側しか考えられなくなっている自分を顧みることをお勧めします。

そうしないと、大した量を得ていない小さな風船のような知識のままで、さらに小さな中の世界を見るだけで、成長につながらない状況に陥っているかもしれないのですから。(精神保健福祉士)

11月3日オープン 廃校に「筑波山ゲートパーク」

6
BMXレーシングコース。一般の自転車は乗り入れ不可

自転車とジオパークの拠点

筑波山麓にある廃校となった旧筑波東中学校跡地(つくば市北条)に、自転車とジオパークの二つの拠点からなる複合施設「筑波山ゲートパーク」が11月3日オープンする。自転車拠点施設の名称は「サイクルパークつくば」、ジオパーク中核拠点施設は「つくばジオミュージアム」で、筑波山の魅力を発見するゲート(入り口)となることが期待されている。

施設の総面積は約3.7ヘクタール。旧校舎の東側を自転車拠点、西側をジオパーク拠点とする。オープンを前に31日、報道機関向け内覧会が催された。

国内最大級のBMXコース

サイクルパークつくばは、国内最大級のBMXレーシングコースがある。コースの総延長は380メートル、スタート台は高さ5メートル級。水はけがよくスピードの出る石灰ダスト舗装を使った、国際大会が可能なコースとなっている。スタート地点のゲートは、東京五輪で実際に使用したゲートの払い下げを受けて設置する。BMXコースの年間来場目標は2000~3000人。

施設(旧校舎)1階には休憩室、工具や空気入れなどを備えた自転車の点検修理室、レンタサイクル保管所などがある。2階はロッカー・シャワー室、会議室があり、会議室は地元住民なら無料で利用することができる。レンタサイクルは約40台あり、パナソニックサイクルテックが無償提供する新型eバイク(電動アシスト自転車)を5台備える。近くの自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の利用者が立ち寄って休憩したり、自転車の修理をしたり、シャワーを浴びるなどもできる。

約40台のレンタル自転車。将来さらに増やす予定

玄関通路には自転車が30台駐輪できるラックがあるほか、県が設置した泣き虫ペダルが描かれたオブジェがある。オブジェは自転車置き場にもなる。

市総合交通政策課コミュニティ推進室の高橋研太室長は「3日のオープンにはBMXのレースを行うので、この機会にぜひとも見に来てほしい」と話す。一般のサイクリストの利用は4日からになるという。

オープンする3日は「ペダルでいご~筑波山」と題したイベントが開催され▷自転車競技を題材にした漫画「弱虫ペダル」の作者、渡辺航さんのトークとサイン会▷渡辺さん率いる自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」の活動報告▷つくバスと弱虫ペダルサイクリングチームのラッピングバスのお披露目▷国内トップBMX選手によるレース▷子供たちのBMXレーシング体験▷地元の名産品を販売するローカルマーケット▷筑波地区の名所を巡るサイクルスタンプラリーーなどが催される。

遊び感覚でジオ体験を

つくばジオミュージアム「ジオ探検ベース」の楽しみながら学ぶモータージャーニー

つくばジオミュージアムは「ジオ探検ブース」「大地のつながりシアター」「文化財ギャラリー」「発見発信ラボ」などで構成。ジオ探検ブースは、筑波山の成り立ちや構造、ジオパーク地域全体のことを遊び感覚で学べるジオ・マップ、ストーン・ジャーニー、モータージャーニーなどがある。大地のつながりシアターは、身近な地域の魅力と大地のつながりを映像とグラフィックで紹介している。文化財ギャラリーは、市内で見つかった石器、土器、石造物が展示あり、地形や歴史、文化との関わりを紹介している。発見発信ラボは机といす、書籍資料があり、ワークショップなどが開催出来るようになっている。すでに各学校から視察申し込みがきているという。入り口近くに休憩ラウンジがあり、飲食も可能だ。

「大地のつながりシアター」について説明する亀沢室長

市観光振興課ジオパーク室の亀沢理映室長は「全国には46のジオパークがあり、筑波山地域ジオパークは39番目に認可された。ジオパークは地質遺産があるということだけでなく、活動活用していくことが必要。そのためにも施設を活用したい」と話す。(榎田智司)

◆筑波山ゲートパークはつくば市北条4160。

◆サイクルパークつくばは、金・土・日・月曜の週4日と祝日営業、火~木曜は休業(祝日の場合は振替営業)など。開場時間午前9時~午後4時30分、休場日は毎週火~木曜日、施設利用料はBMXレーシングコース1日券が市在住の大人1500円、18歳以下500円、市外在住の大人2000円、18歳以下1000円、シャワー室は1回(20分程度)500円、会議室1日2000円、屋内運動場1日3000円など。レンタサイクルは、BMXコース内での使用限定のBMXが1日500円、ヘルメットや防具は無料で貸し出す。施設外で使用できるシティサイクルは大人1日500円、小学生以下250円。eバイク1日2000円、いずれもヘルメットは無料で貸し出す。詳しくはこちら

◆つくばジオミュージアムの開館時間は午前9時~午後4時30分、休館日は毎週火曜日(火曜が祝日の場合は翌日)など。入館料は無料。

➡同施設の過去記事は5月21日付22年7月6日付21年7月6日付 21年6月25日付

観覧席チケットが高額転売 土浦全国花火競技大会

1
昨年の大会で上がった10号玉と、今年のイス席のチケット表面(右)。チケットの席種、区画、席番はNEWSつくばが消去

定価の3倍以上も

11月4日に開催される第92回土浦全国花火競技大会の有料観覧席チケットが、インターネット上で高額転売されている。転売されているのはネット上のオークションサイトや不用品販売サイト、その他チケット専用の売買サービスサイトなどで、オークションサイトでは定価2万4000円の桟敷席に39件の入札があり、2.5倍の6万1000円で落札されたケースもあった。

28日時点でも、C席のイス2席で定価6000円のチケットが3.8倍の2万3000円、B席のイス2席で定価8000円が1.8倍の1万4500円など、定価より高額での販売が確認されている。SNS上でやりとりし、売り買いするケースもあり、主催者の大会実行委員会事務局が重ねて注意喚起している。

一般の有料観覧席は事前申し込みによる抽選販売で、申し込み期間は9月1日から30日までだった。当選結果は10月4日に発表され、チケットの配送は10月中旬から順次郵送で行われている。

県外に住む友人と抽選の申し込みをした牛久市の女性は「5人で見ようと、それぞれイス席2席と3席を2人で申し込んだが、自分だけ当選して友人ははずれてしまった。3人分が足らず、再販売はないかとインターネットで検索したら、定価をはるかに超える高額なチケットが出てきて驚いた」と困惑する。

大会実行委員会事務局の土浦市商工観光課は「抽選に漏れた皆さんが(高額転売を)残念に思われることは、もちろん主催者としても大変残念に感じている」とし、「本大会は、国内最高峰の競技花火の大会であるという自負があり、本当に花火を見たい方にチケットを購入していただきたいという思いから、利益を得ることを目的に購入される方には強い憤りを感じている」と吐露する。

人気の入場券や観覧券などのチケット類を転売目的で購入し、法外な値段で売るいわゆる「ダフ屋」行為は法律で禁止されている。2019年6月から「チケット不正転売禁止法」が施行された。

さくらパートナーズ法律事務所(土浦市文京町)の中島隆一弁護士は、転売されているチケットが同法で定義されている「特定興行入場券」に該当し、他の要件も満たせば、規制の対象になり得ると指摘する。中島弁護士は「20年8月には人気アイドルグループのコンサートチケットを不正に転売した者に対し、裁判所が、懲役1年6カ月(執行猶予3年)、罰金30万円等の有罪判決を下した事例もある。法も内容を変えながら進化していくものであり、以前大丈夫だったから今回も大丈夫、という安易な考えを持つべきではない。チケット本来の目的に沿って、本当に必要な人にチケットを利用してもらうことが主催者の願いであり、その願いに思いを巡らす必要がある」と警告する。

大会実行委員会では、高額転売が確認された場合、販売サイトに連絡し掲載の削除依頼を行っている。また、チケット購入時の注意事項やチケットへの注意書きに転売禁止を記載し、チケット購入者に対して注意事項文を送付、ホームページでも転売禁止文を掲載するなど、重ねての注意喚起を行っているが、高額転売がなくならないのが実情だ。

市商工観光課は、チケットの高額転売は、全国の花火大会で長年の懸案事項であり、解決策を模索しているという。転売できないようにするため、顔認証システムや電子チケットなども検討しているが、いずれも様々な課題があり導入には至っていない。今後、チケット会社や他の花火大会と連携し、有効な手立てを研究していくとしている。

同大会の一般桟敷席は1人1マスまで、イス席は1人4席までの申し込みとなっており、桟敷席とイス席を両方申し込むことはできない。また、チケット当選後のキャンセルはできない。チケットの金額は、4人桟敷席が2万4000円、2人桟敷席が1万2000円、イス席はA席が1席5000円、B席が1席4000円、C席が1席3000円となっている。(田中めぐみ)

ゲルニカをまた描くのか《ひょうたんの眼》62

1
ふくれみかん(筆者撮影)

【コラム・高橋恵一】「ゲルニカ、重慶、広島」という言葉をご存じだろうか。第2次世界大戦の前夜、1937年4月にスペイン・バスク地方の古都ゲルニカをドイツ空軍が突然爆撃した。人口7000人の3分の1が犠牲になり、都市無差別爆撃の始まりといわれている。

当時、空襲下の市民の恐怖、怒り、悲しみを描いたピカソの壁画で知られているが、その後も、日本軍による重慶爆撃、米国による広島への原爆投下があり、ゲルニカの犠牲者2000人、重慶の犠牲者2万人、広島の犠牲者20万人。狂気が10倍ずつ拡大する一般市民への都市無差別爆撃に、人類への警告を込めたのが「ゲルニカ、重慶、広島」である。

広島から80年経った現在、パレスチナの地で、イスラエルとアラブのテロ組織が、報復、復讐の繰り返しの挙句、地球上の80億人の目の前で、大虐殺が行われようとしている。

ガザ地区は、幅10キロ、長さ40キロ。太平洋と北浦に挟まれた砂丘状の鹿島地方(鉾田市、鹿嶋市、神栖市)のような地域だが、そこに220万人が住んでいる。今、毎日、空爆が続いており、すでにゲルニカの3倍の民間人が死んでいる。さらにイスラエルの地上部隊がトンネルに立てこもるハマスを壊滅させるため、ガザ自治区内に侵攻しようとしている。

ガザ地区紛争、戦争でなく妥協で

80年前、日米戦の硫黄島では、日本軍が島内に坑道を張り巡らし、執拗(しつよう)にゲリラ戦を展開してほぼ全滅し、米軍も膨大な死傷者を出した。2万1000人の日本軍は、戦傷で捕虜となった約1000人を除いて全員が戦死した。6万1000人の米軍は、戦死6800人、戦傷2万1900人とされている。一般住民は、全て島外に疎開した。

沖縄は、米軍上陸前からの艦砲射撃と空襲により、市街地は廃墟となり、住民は島北部山中と島南部の石灰岩台地に点在する自然洞窟「ガマ」(地下壕)に避難したが、日本軍が司令部ごと南部撤退して、避難住民を戦闘地帯に巻き込むことになり、絶望的な状況になってしまった。

沖縄線での日本軍(含む軍属)戦死者9万4000人、民間人死者は9万4000人とされるが、沖縄で招集された軍人軍属(2万8000人)など含めると、約15万人、県民の3人に1人が死亡した。米軍の戦死者は1万4000人、戦傷者は5万6000人。戦力の差がはっきりしていたが、勝者の被害も膨大な戦闘の結果である。

迫っているイスラエルのガザ侵攻は、沖縄戦と硫黄島戦を合わせた、戦争の名を借りた大虐殺行為になることは誰の目から見ても明らかだ。ハマスは人質を解放し、武装解除して、ガザを去る。イスラエルはガザ自治区を解放し、ヨルダン川西岸地区への入植を中止し、オスロ合意を順守する。国連が平和維持部隊を派遣してでも、これらを保障する。

同じ土地に、主権国家が重複するということは、永遠の戦争ではなく、妥協するしかないのだ。(散歩好きの土浦人)

さくら民家園 違反建築状態で1日から建物の利用停止 つくば市

0
さくら民家園=つくば市吾妻、中央公園内

つくば市は30日、つくば駅前の同市吾妻、中央公園内のさくら民家園に移築されている江戸時代後期ごろの古民家が、建築基準法上の違反建築物状態にあることが分かったとして、11月1日から当面の間、利用を停止すると発表した。

同民家園の古民家は、つくば科学万博が開催された1985年に現在地に移築され、現在つくば市が所有、管理し、一般に公開されている。

市生涯学習推進課によると、移築から30年以上が経過し、特にかやぶき屋根部分の老朽化が進んでいることから、改修に向けた手続きを進める中で、建築確認申請等の確認をしたところ、移築当時に必要だった建築確認申請と検査済証が見当たらないことが分かった。当時、建築確認申請の手続きをしないまま移築した可能性があることも考えられるなど、手続きの不備が判明したことから、違反状態を改善するため、当面の間、建物の利用を停止する。

一方、外観の見学や庭での休憩などはこれまで通りできる。

今後について同課は、専門家の意見や市民ニーズを把握した上で、今後の取り扱い方針を決定していくとしている。

同民家園の古民家は、江戸時代後期の寛政年間(1789-1801)に建てられたとされる地方の農家の母屋で、1984年に桜村(現在つくば市)上大角豆の横田章さんから同村が寄贈を受けた。翌85年、研究学園都市の開発と伝統の調和のシンボルとして、同村が住宅・都市整備公団(現在のUR都市機構)に委託し、建築初期の形に近づけて復元し移築した。文化財などの指定は無い。

屋内は座敷、奥座敷、茶室、土間などがあり、かまどが設置されている。同課によると年間約6000人の見学者があるほか、お茶会、お話し会、展示会などのイベント会場としても年間で数百人が利用している。

コロナ禍耐えた公衆衛生従事者ら 市民と「第九」合唱し ねぎらいと感謝を

0
日本公衆衛生学会の学会長で「第九」合唱事務局の田宮教授(左)と中野副事務局長(右)。画面は白井副事務局長(左上)、安藤祐一事務局長(左下)、山本秀樹副事務局長(右下)

11月1日、つくば

コロナ禍、第一線で尽力した保健所職員など公衆衛生関係者と試練に耐えた市民らが、共に苦労を分かち合い、たたえ合おうと11月1日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で、ベートーベンの「第九」を合唱する。10月31日から11月2日まで同会議場で開かれる第82回日本公衆衛生学会(学会長・田宮菜奈子筑波大教授)総会に併せて公演する。

保健師、医師、研究者など公衆衛生に従事する同学会の有志約40人と、医療関係者や市民ら計約90人が合唱団を結成し、プロオーケストラの演奏やオペラ歌手のソリストらと共に、「第九」を歌い上げる。指揮は同学会会員で、つくばフィルハーモニー合唱団の代表として合唱を指導する指揮者兼声楽家の佐藤宏之さん。

同学会で、公衆衛生や医療関係者と市民が「第九」を合唱するのは初の試みとなる。コロナ禍では市民や医療関係者だけでなく、裏方として公衆衛生の第一線で活躍した保健所関係者も苦労を強いられてきた。全ての公衆衛生関係者にねぎらいと感謝の気持ちを表現する。

同学会の学会長で筑波大医学医療系の田宮菜奈子教授が、学生時代に市民合唱団員として「第九」を合唱した経験があること、昨年10月、同大大学院生に合唱の実現を後押しされたことが重なり、計画が始動した。活動の一つとして今年5月に始めたクラウドファンディングは、約1カ月半後に目標額の370万円を超える408万円を達成し、合唱団員の募集と練習を開始。合唱とピアノ講師の指導のもと、土浦市や都内の練習会場で、合唱練習をドイツ語で行なってきた。

当日は、同会議場1階、メーンエントランスの大階段に合唱団が並び、オーケストラは1階部分で演奏する。聴衆は演奏者や合唱団を囲む形で、2、3、4階から立ち見で鑑賞する。天井が高く、開放感があるため音が響きやすく、演奏者と聴衆が一体となる空間を作り出すことが狙いだ。

同学会「第九」合唱事務局の中野寛也副事務局長は「理想を掲げた歌である第九を、分断と対立の現代に合唱することに意味がある。みんなで歌い、共に前に進んでいければ」と話す。同じく、白井千香副事務局長は「合唱は一人ではできない。大勢で力を合わせてこそできるもの。今回の合唱でみんなが共に手に取り合ったという記憶を今後につなげたい」と述べる。

田宮学会長は「今回の合唱に、学生時代の仲間や一緒に歌を歌ってきた仲間が参加してくれる。様々な人に支えられて実現する第九を通して、生み出される力を、みんなで分かち合いたい」と語る。

同学会総会は、ポストコロナのDX時代に向けたさまざまな取り組みを中心に、海外も含め、3日間で1400を超える発表が行われる。「第九特別演奏会」は、11月1日の同学会総会後の午後5時から開演する。(上田侑子)

◆第82回日本公衆衛生学会総会記念「第九」特別演奏会は、11月1日(水)午後5時から、つくば市竹園2-20-3、つくば国際会議場1階メーンエントランスで開催。公演は「第九」第3、第4楽章。一般の鑑賞希望者は先着100人まで事前申込により無料鑑賞可。同学会参加者は申込不要。演奏会の様子は、ZOOMウェビナーでライブ配信する。詳しくは同学会ホームページ(HP)または同クラウドファンディングのHPへ。

おばけカボチャ《短いおはなし》20

0
イラストは筆者

【ノベル・伊東葎花】

秋の日はつるべ落とし。

おばあさんは夕食の支度の手を止めて、カーテンを閉めようと窓辺に寄った。

「おや?」

庭に、おばけカボチャが立っていた。

いつもなら、ギャーと叫んで失神するところだが、おばあさんは驚かない。

なぜなら今日はハロウィンだから。

「あらあら、おばけカボチャに仮装しているのね。どこの子供かしら。ええっと、お菓子をもらいに来たのよね。たしかクッキーがあったわ。ちょっと待ってね。おばけカボチャさん」

おばあさんはキッチンの戸棚からクッキーの缶を取り出した。

「あったわ」

振り向くと、おばけカボチャが、おばあさんのすぐ後ろにピタリとついていた。

「ああ驚いた。なあに。待ちきれなかったの? はい、クッキーよ」

おばあさんがクッキーを差し出しても、おばけカボチャは受け取らない。

「いらないの? これしかないのよ。困ったねえ」

おばけカボチャは何も言わない。じっとおばあさんを見ている。

「そろそろおじいさんが寄り合いから帰ってくるわ。夕飯の支度を急がなきゃ」

おばあさんはスーパーの袋から大きなかぼちゃを取り出した。

それをまな板の上に置くと、流しの下から出刃包丁を取り出し「えいやあ」と振り下ろした。

「ひいっ!」

叫んだのは、おばけカボチャだ。

「おやまあ、あんた、どうしたの?」

振り向いたおばあさんの手には、よく研がれた包丁が握られている。

「うわあああああ」

おばけカボチャは、一目散に走り去った。

「あらまあ、お菓子いらないのかしら。変な子ね」

夜、寄り合いから戻ったおじいさんは、大好物のかぼちゃの煮物に舌鼓を打った。

「うまいかぼちゃだ」

「おじいさん、そういえばね、今日、おばけカボチャが来たのよ」

「なんじゃ、それは?」

「ハロウィンの仮装よ。どこかの子供がおばけカボチャに仮装してきたのよ」

「子供? ここは老人専用の集合住宅だぞ。子供なんかいないだろう」

「あら、そういえばそうね。じゃあ、あれ、本物のおばけだったりして」

おばあさんは、かぼちゃの天ぷらを食べながら首をひねった。

* * *

そのころ、おばけカボチャは、こっぴどく叱られていた。

「人間を驚かせるのがおまえの仕事なのに、逆に脅されてどうする」

「すみません。でも、あのばあさん、まるで山姥(やまんば)ですよ。包丁で真っ二つにされるところでした」

「ハロウィンと重なってしまったのが失敗だった。次こそ頑張れ。リベンジの日は12月22日だ」

「はい。今度こそ、しっかり驚かせます」

* * * *

「ねえ、おじいさん、西洋ではカボチャと言えばハロウィンだけど、日本はやっぱり、カボチャと言えば冬至ね」

「そうだな。ばあさん、おいしいカボチャを頼むよ」

「包丁、研いでおかなくちゃ」

冬至は、12月22日です。(作家)

いちはら病院の新棟が完成 手術やリハビリ部門が充実

11
新棟入口で竣工のテープカット.。中央が市原健一理事長

つくば市北部に位置する医療法人健佑会「いちはら病院」(同市大曽根)の増築工事が終わり、29日午前、知事や衆参議員などが参加して竣工式が催された。新棟(東棟)には外来部門や手術室などが移り、これまで外来部門などが入っていた旧棟(西棟と中央棟)はリハビリテーション(回復期)部門、医療検査部門などとして使われる。

ネット環境の進化にも対応

新棟の1階フロアーで開かれた竣工式で、健佑会の市原健一理事長は「この棟の裏手にある旧棟は建ててから35年経ち、老朽化が進んだこともあり、新棟を建てた。35年前には考えられなかったネット環境の整備も必要になった。手術数も昨年は1300件にもなり、前の手術室では対応できなくなりつつある。折からの材料費や人件費の上昇で、建築費は想定より50~60%アップしたが、なんとか完成した」と述べた。

大井川和彦県知事は「いちはら病院はつくば医療圏の中核病院であり、新棟の完成によって、地域医療に一層貢献いただけると思う」と祝辞を述べた。また、国光あやの衆院議員(茨城6区)は国会議員を代表して「議員になる前、この病院で医師として当直をやり、学ばせてもらった。いちはら病院はリハビリ病床が120もあり、県内ナンバーワンだ。リハビリは地域医療の要でもあり、国もこれを推進している」と、回復期医療の重要性を指摘した。

完成した「いちはら病院」の新棟

17の医療・福祉施設を運営

新しい東棟は、旧棟を東大通り方向に延ばす形で建てられた。この棟には、総合受付・外来部門(1階)、手術部門(4階)、病室(2~3階)が入る。これまでこれらの部門が入っていた旧棟には、リハビリ部門(西棟1階)、大浴場(同4階)、病室(同2~3階)、検査部門・売店(中央棟1階)、病室(同3階)が入る。これまで3つだった手術室は4つになるという。

市原理事長は医療法人「健佑会」のほか、社会福祉法人「健誠会」も統率している。医療法人が運営するのは、いちはら病院、老人保険施設など6施設。社会福祉法人は、特別養護老人施設など10の施設を運営している。このほか、有限会社が経営する有料老人ホームも病院の隣接地にある。いちはら病院はこれら「いちはらメディカルグループ」の中核になる。(岩田大志)

ファッションで自由を表現 デザイナー墳崎嵩史さん つくばで作品展

0
今回の作品展の契機になった新作を手にするデザイナーの墳崎嵩史さん=つくば市天久保、ギャラリーY

「ファッションには自分を自由にしてくれる力がある」。そんな思いを込めて衣服を作るファッションレーベル・デザインオフィス「Design lab “Lights”(デザイン ラボ ライツ)」代表で、デザイナーの墳崎嵩史(つかざき・たかふみ)さん(38)の作品展が、28日からつくば市天久保のギャラリーYで始まった。

稲敷市出身の墳崎さんは、2014年に地元で同社を立ち上げ、以来、様々な素材を組み合わせて作る衣服によって独自の世界を表現してきた。「真っ白な空間に自分のやりたいことを表現できる」と語る同ギャラリーでの展示は5回目を数える。会期は11月5日まで。

今回のテーマは、螺旋(らせん)を意味する『スパイラル』と、寄せ集めて自分で作るという『ブリコラージュ』。前者には、迷いながらも少しずつ階段を上る墳崎さん自身の思いを、後者には、「世界にまだない新しいものを、すでに手元にあるものの中から作り出す」という強い思いを込めたと話す。

テーマ設定の背景には、アパレル業界で加速度的に広がる大量生産・大量消費の問題があると、墳崎さんは指摘する。「新作の衣服がすぐに廃棄されるか中古市場に回される」状況に直面し、「自分は何のために服を作っているのか、どこに向かっているのか」と、服作りへの疑問が膨らんでいたという。こうした中で思い至ったのが「少量でも納得できる一着を作る。無駄なものは作らない」ことだった。そんな、自身が抱く思いを表現したのが、余った素材や既存の服を活用し制作した今回の作品群だ。

シャツに開けた穴や裂け目から見えるよう裏地にビンテージ生地をあてがう、縫い合わせに伸縮の大きい糸を利用しシャツにしわをよせる、組み合わせた複数の襟をシャツの半身に縫い付けるなど、通常なら「失敗」と捉えられることを積極的に取り入れた。すでにある素材を利用し新しい価値を生み出すことで、素材の「再利用」に留まらない「ブリコラージュ」の世界を表現した。

自身が中学生の頃から好きだったという服の魅力について墳崎さんは「全部が正解であり、間違いがない」ところだと語る。「裏返しで着ても、穴が空いていてもいい。自分がいいと思った着方ができる。そんな、常識にとらわれない服に出会った時に、ふわっと心が軽くなった。自分を自由にしてくれるもの、それがファッションだと思っている」

地方に拠点、ロールモデルの一つに

東京でファッションを学んだ墳崎さんは28歳のときに地元の稲敷市で現在の会社を立ち上げた。間もなく10年を迎える。都市部が主となる業界で、拠点を地方に置くのはまだ珍しかった。「当初は若さもあって、周囲から『面白いね』と持ち上げられた。それも今は、プロとしてのサービスを評価されるようになってきた。これからも自分の感覚を信じて、周りの意見に左右されずに精一杯サービスを提供していきたい。地域ごとに、いろいろな働き方が増えるといい。自分もそんなロールモデルの一つになれたら」と思いを語る。

実務としてファッション、デザインに携わる一方で、作品展は2018年から毎年開催してきた。展示への思いを「周囲に楽しみにしてくれる人もいるし、自分のための展示でもある」と語ると共に、「僕にとって作品作りは自由への、人生を通じての挑戦。ファッションは自由への入り口ですから」と強調。「自分から何かを打ち出していくことは、自分の人生をデザインしていくこと。積極的に人生を生きることで、自分が感じている楽しさやワクワク感で周りにいい影響を与えていけたらうれしい」「会場には毎日いるので、いろいろ聞いてもらえたら」と来場を呼び掛ける。(柴田大輔)

◆墳崎嵩史さんの作品展「 “SPIRAL” bricolage(スパイラル ブリコラージュ)」は10月28日(土)から11月5日(日)まで、つくば市天久保1-8-6 グリーン天久保201、ギャラリーYで開催。開館時間は午後1時から午後7時。最終日は午後5時閉館。入場無料。詳しくはギャラリーYのホームページへ。

放射線治療装置をリニューアル《メディカル知恵袋》1

0
新しい放射線治療機器(リニアック)

【コラム・大城佳子】筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保)の医療従事者がこのコラムを担当することになりました。少し難しいかもしれませんが、皆さまのご参考になればと思っています。

放射線治療とは

放射線治療は手術や薬物療法と並び、がんの治療の中で重要な役割を果たしています。放射線治療はその名前の通り放射線をがんに照射します。放射線が当たったがん細胞はDNAに損傷を受け、死滅していきます。陽子線や重粒子線も放射線治療の一つです。当院では最も一般的なX線を使った治療を行っています。

X線はレントゲンやCT検査に用いられています。レントゲン検査の際に何の刺激も感じることなく、すぐに終わってしまうのと同様に、放射線治療も痛みや熱を感じることなく、短時間で終了します。体への負担が少ないことが放射線治療の最大の利点です。

そして放射線治療は「病気を治す」という根治目的以外にも、症状を良くする緩和照射、例えば、がんの痛み止めや麻痺の予防、止血などにも効果を発揮します。ですから、放射線治療はがん治療において幅広い効果を期待できます。

一般的にがん細胞は正常細胞に比べて放射線に対して弱いため、毎日少しずつ照射をすることにより、正常な細胞を回復させながら、がん細胞だけを死滅させることができます(図1)。そのため、放射線治療では一般的に平日毎日の通院が必要です。

図1

新しくなった放射線治療

近年、より高精度で効果的、そしてより副作用が少ない治療を目指して、放射線治療技術は目覚ましい進歩を遂げています。

当院では2015年以降、強度変調放射線治療(Intensity modulated radiotherapy : IMRT)を導入しています。これは「機械から出てくるビームの強さを変えて、避けたい臓器の線量を下げて、目的の腫瘍(しゅよう)にたくさん放射線を当てる」という治療です。当初は前立腺がんの治療にのみ利用されていましたが、最近は肺や骨盤など、様々な部位の照射に応用しています。

これにより、これまで治療が難しかった症例が治療できるようになったり、より副作用を少なく治療できるようになったりしています。

今回(2023年10月)、新しい放射線治療の機器(リニアック)が稼働します(写真)。通常の放射線治療に加えて、より高精度な治療に特化した仕様となっています。

小さな脳転移に対しては定位照射が適応となることが多いです。定位照射とはピンポイント照射ともいわれる治療です。小さな腫瘍に対して、大きな線量の放射線を少ない回数で照射することにより、強い効果を発揮します。これまで、複数個の転移に対して定位照射を行う場合は、一個ずつ治療する必要がありましたが、新リニアックでは一度に複数個の転移を治療することができるため、治療期間を短縮することができます(図2)。

図2

また、近年では背骨(脊椎)の転移に対しても、定位照射を行うとより進行を抑えることができ、高い効果が期待できることが報告されています。しかしながら、背骨の中には太い神経の束である脊髄があり、たくさんの放射線が脊髄に照射されてしまうと副作用により麻痺が生じてしまいます。そのため、定位照射は非常に難しく、再照射も困難でした。

しかし、新リニアックには背骨の定位照射に特化したソフトが導入されたため、これまでに比べて定位照射のハードルが下がり、再照射が可能になる機会も多くなります。

最近の放射線治療

日本では歴史的背景から一般的に放射線に良い印象は持たれていません。しかしながら、医療で用いる放射線はその安全性が確立されています。また、一昔前は放射線治療=治らないという時代もありました。しかし、わずか10年前と比べても、現在の放射線治療の技術は格段に進歩し、より効果が高く、より安全になっています。

放射線治療の方法は様々です。ここにご紹介した高精度照射ではなく、古典的で簡単な放射線治療が最適な場合もあります。茨城県は通常のX線治療のみならず、筑波大学に陽子線治療、つくばセントラル病院にサイバーナイフを有しており、非常に放射線治療機器に恵まれています。

当院では、必要があればこれらの近隣施設をご紹介し、それぞれの特性を生かしながら、地域全体で、できるだけ速やかに、最適な治療を提供していきたいと考えています。(筑波メディカルセンター病院 放射線治療科診療科長)

【注】この記事は筑波メディカルセンター病院広報誌「アプローチ89号」でもご覧いただけます。

コロナ禍経て次は自販機で逸品を発信 つくばの飲食店主ら

0
自動販売機を紹介する実行委員長の川根せりなさん=つくばセンター広場南側の2階、ペデストリアンデッキ

駅前で冷凍食品販売

つくば駅前のつくばセンター広場(つくば市吾妻)2階ペデストリアンデッキに、県内の飲食店や食品加工会社自慢の加工食品を冷凍で販売する自動販売機が設置されている。コロナ禍、フェイスブック上で県内の飲食店のテイクアウト情報などの発信を続けた「旨がっぺTSUKUBA」(2020年4月10日付)が、同市中心市街地のまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)と立ち上げたプロジェクトだ。

つくば市竹園のうなぎ専門店「とよ長」を経営する豊嶋英之さん(46歳)が発起人となり、県内の飲食店有志数店舗と「旨がっぺTSUKUBA実行委員会」(川根せりな代表)をつくり運営する。今年の8月初めから販売を開始し、徐々に認知度も高まって販売数も増加しているという。

現在、自動販売機では、豊嶋さんのうなぎ店の豚なんこつの角煮、つくば市東新井のスペイン料理店「Spanish Bar Bonito(スパニッシュ・バル・ボニート)」のラムチョップグリルなどのほか、もつ煮、焼きサバずし、チャーシュー丼、ラーメンなど5店舗の6商品が販売されている。食品は電子レンジや湯せんで温めるなど簡単な調理ですぐに食べることができる。販売食品の種類は半年に1回程度、入れ替える予定だ。

プロジェクトの目的について豊嶋さんは「売り上げを上げるということよりも、茨城県のおいしい食材、食品を気軽に手に取っていただき、店舗に還元することで、地域を盛り上げていくことを目指している」と話す。

コロナ禍のダメージ続く

コロナ禍、飲食店は休業を余儀なくされるなど利用が制限されることも多かった。豊嶋さんらのフェイスブック「旨がっぺTSUKUBA」は、飲食店が個々に情報を発信するのではなく、一定のまとまりの中で地域に情報を届ける役割を果たした。

今回、新たに自動販売機での販売に着手した経緯について「やはりコロナで飲食店はダメージを受けている。そのような中、人の往来が多いつくばの中心部で、県内の飲食店などの商品を販売することは、お客様に喜んでいただけるだけでなく飲食店を元気づけ、勇気づける効果がある」と豊嶋さん。

つくばまちなかデザインと共同でプロジェクトを実施することについては「まちなかデザインとは理念が合致している部分も多い。センター広場では日々、人の集まるイベントが行われており、そうした場でプロジェクトを行うことは意義がある」と話す。

実行委員長を務めるつくば市在住の川根せりなさん(26)は「コロナ禍をきっかけに始まったプロジェクト。新しい商品の企画などで飲食店と協力させてもらっている。よりよいプロジェクトをつくっていきたい」と話す。

「自動販売機への出品店舗は広く募集している」と豊嶋さん。自動販売機を通した販売にあたって、各飲食店は、基本的な利用料を支払う。商品が売れ、利益が上がった場合は、出店店舗側の利益となる。自動販売機の運営には、自動販売機本体のレンタル費用、商品の入れ替えや釣銭の管理にかかる運用費用、電気代などがかかっており、これらについては出店店舗が支払う基本的な利用料の中から支払いを行っている。(山口和紀)

◆問い合わせ窓口はつくばまちなかデザイン(電話029-869-7229)へ。

ボランティアで荒れ地を整備 河川敷が憩いの広場に【桜川と共に】10

0
月1回実施する草刈りの様子=つくば市栗原、桜橋上流

つくば市栗原、桜川に架かる桜橋上流の河川敷に芝生の広場がある。県有地で広さは約3ヘクタール。筑波山や宝篋山を見渡せ、桜川の自然を満喫できる憩いの場だ。週末には市内外からピクニックやキャンプに訪れた人々が思い思いにのどかな環境を楽しんでいる。

月1回 18年間草刈りやごみ拾い

憩いの広場は、住民団体「桜川ふるさと自然再生の会」(宮本健次会長、会員11人)が、毎月1回、ボランティアで草刈りやごみ拾いなどの整備を行っている。会員は地元住民や桜川漁協組合員など。元は農地だったが、竹林や雑木林となり、不法投棄のごみで荒れていた場所だった。

元会長の宮本正夫さん(故人)がその様子を見て心を痛め、子どもの頃のように桜川に親しめる場をよみがえらせたいと、2005年7月に同会を立ち上げた。

整備を始める2005年以前の河川敷の様子(桜川ふるさと自然再生の会提供)

当初は30人の会員で整備をスタートした。ごみの搬出や竹林の伐採を行い、07年には市の助成金を受け、重機を借りて整地を進めた。つくばブランドの芝生を張って、荒地は美しく生まれ変わり、以来18年間、月1回の整備を続けて広場の景観を維持している。21年からは県土木事務所から河川愛護団体の認定を受け、草刈り機の燃料や飲料水といった整備作業に必要な物品の現物支給を受けて活動するようになった。

河川敷から筑波山や宝篋山を見渡せる

原風景よみがえらせたい

会員の大里茂則さんは「子どもの頃は水辺の草を刈って家畜のえさにしたり、川から砂利を取ったりと川に行くことが多かった。県外に働きに出て、戻ってきたら全く様子が変わって川に入れなくなっていた」と話す。かつては川に行く用事があったので、川への道が自然と手入れされていた。しかし川に行く人が少なくなって、やぶになる所が多くなっていった。会員は皆、親しめる桜川の原風景をよみがえらせ、多くの人に親しんでほしいという思いから活動を続けているという。

「自分たちが草刈りをやらなければ、若い人はやらないんじゃないか」と話すのは前会長の楢戸和夫さんだ。現在、最高齢の会員は83歳。現会長の宮本健次さん(70)は「会員が減少し、高齢化している。30人いた会員が今は11人となった。ボランティアを募集している」と言う。

月1回の草刈り作業に集まった桜川ふるさと自然再生の会の会員=10月22日

週末、広場を訪れていたスリランカ出身で市内在住のテンナコーン・スメダさんは、ほぼ毎週末、同郷の仲間たちでこの場に集まって交流をしている。「とても良い所で気に入っている。今日はお昼から子どもたちも入れて20人くらいで集まろうと思っている。広いので子どもが遊ぶのにいい」。市内から来たソロキャンパーの男性は「お気に入りの場所で、時々来ている。あまり人に教えたくない所かも」。週末の広場には市内外のナンバーの車が停まり、テントを張ってコーヒーを入れたり、風景を眺めたりして静かに過ごす人々が見られた。

芝生の広場は30日から来年3月15日まで、桜川の川幅を広げる工事のため一般の利用ができなくなる。工事は、国の「防災・減災、国土強じん化のための5カ年加速化対策」事業を活用して実施される河川掘削工事で、工期は今年8月から来年3月まで。土浦市田土部とつくば市栗原の桜川で工事が行われている。川の流れをよくするため1万平方メートルにわたって掘削するもので、事業費は約6000万円。(田中めぐみ)

◆桜川ふるさと自然再生の会の次回草刈り作業日は11月18日(土)。参加申し込み、問い合わせは出電話029-857-6147(宮本健次会長)へ。

➡「桜川と共に」の過去記事はこちら

横瀬夜雨の小貝川堤《写真だいすき》25

0
夜雨の生家近い小貝川堤は、今はきれいに整備され、詩碑の傍には舗装道も通っている。夜雨はこのあたりに腰を下ろし、筑波山の四季の移ろいを眺めていたのだろうか(写真は筆者)

【コラム・オダギ秀】横瀬夜雨の小貝川堤。悲しみを託して詠(うた)った詩が、その悲しみゆえに世間に称賛され、どんなにもてはやされたとしても、その悲しみが癒やされるわけでは、決してない。下妻市横根。筑波山を仰ぐこの地をぬい、小貝川が流れている。川堤には、草木に覆われて、うずくまるように詩碑がひとつ立っている。

花なる人の恋しとて

月に泣いたは夢なるもの

破れ太鼓は叩けどならぬ

落つる涙を知るや君

「やれだいこ」と題されたこの詩の作者は、横瀬夜雨(よこせやう、1878~1934)といい、茨城の3大詩人のひとりと言われている。

夜雨の家は近在に知られた豪農だったが、彼は、3歳の時、くる病に罹(かか)り、2年遅れて小学校に入学、成績は常に一番であったという。だが4年の時に骨身にしみる屈辱感を味わい、以来登校せず、自宅にこもって読書独学し、詩作を始めた。そんな中、夜雨は、近隣の美少女 琴に思いを寄せたが、彼女は間もなく嫁いでしまった。

叩けど鳴らぬ破れ太鼓

詩碑の「やれだいこ」は、くる病と、進学もできなかった劣等感を負った夜雨が、初恋と失恋の中で月に泣き、自らを、叩けど鳴らぬ破れ太鼓と自嘲した詩なのであった。が、夜雨の悲しみを詠った心とは裏腹に、彼の詩の評価は彼の成長とともに高まった。

夜雨の詩に惹(ひ)かれた文学少女が、夜雨を訪ねて来たことも再三あったという。だが、薄暗い部屋にうずくまる彼の姿を見て、逃げるように帰って行った者も少なくはなかったと伝えられている。

異性へのあこがれと孤独とを胸に抱きながら青春時代を過ごした夜雨は、ちょうど川堤の詩碑のあたりに腰を下ろし、筑波を望むのが常であったらしい。筑波山の朝夕の色の移り変わりを眺めて、心を満たしていたのだろうか。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

市職員2504人の住民税4890万円を滞納 つくば市

21
つくば市役所

つくば市は27日、市役所職員2504人の9月分の住民税計4886万8500円を、納付期限までに職員が居住する各市区町村に納めるのを怠ってしまったと発表した。

市職員の住民税は給与から天引きし、翌月10日の期限までに、事業主の市役所が、各職員が居住する計48の市区町村に納めることになっている。市は、インターネットを使って納税を行う「eLTAX(エルタックス)」という地方税電子納付システムを利用して納付手続きを行っている。

市人事課によると、給与から控除した金額をeLTAXに紐づく登録口座に移動させる際、パソコン画面上で手動で行う事務処理を怠ったのが原因という。この作業は毎月、人事課職員が行っているが、9月分については漏れてしまったとしている。

26日に笠間市から問い合わせがあり発覚した。調査したところ、市職員ほぼ全員の9月分の住民税が、納付期限を過ぎているのに納付されていなかった。

市は、納付先の48市区町村に電話して謝罪、27日に全額を納付した。一方、同一市区町村に納付者が100人以上いるつくば、土浦、牛久、つくばみらいの4市については延滞金が計約4万8000円生じる見込み。

再発防止策として同課は、納付の事務手続きを再確認し、複数職員によるチェックシートを用いた確認を徹底することで再発防止を図りたいとしている。

子供たちが仮装しハロウィンイベント つくば、土浦で今年も

0
昨年の第1回けんがくハロウィンの様子(けんがくまちづくり実行委員会提供)

31日のハロウィンを前に、つくば、土浦で住民団体によるハロウィンイベントが週末の28、29日に開催される。子供たちが仮装して街を歩く。

ごみを拾いながら つくば

つくば市では、研究学園駅周辺地区で活動する「けんがくまちづくり実行委員会」(島田由美子代表)が29日、同駅周辺と近くの学園の杜公園で「けんがくハロウィン2023」を開催する。昨年初めて開催し(2022年10月19日付)、今年2回目。仮装した子供たちが、ハロウィンかぼちゃと同じオレンジ色のごみ袋を持ってごみ拾いをしながら、駅周辺の店舗を回りお菓子をもらう。

試作したランタン(同)

駅前の不動産会社、ホテル、飲食店など、昨年より3店舗多い約26店舗が子供たちにお菓子を配る。ほかに、オレンジ色のごみ袋に色紙を貼ってハロウィンかぼちゃの顔を描いたり、賞品が当たる仮装コンテストなども催す。今年は新たに、かぼちゃをデザインした袋でランタンを作り、学園の杜公園に150個つるし、雰囲気を盛り上げる。

現在約2万人が住む研究学園駅周辺の開発地区は、市内外から新たに転居してきた住民がほとんど。代表の島田さんによると、同地区では多様な住民団体がさまざまな活動をしているが、住民同士や住民団体同士の交流が少ない、地元商店などとの関わりが少ない、駅前飲食店街はごみのポイ捨てがあるなどの課題がある。

代表の島田由美子さん

島田さんは「新しくできた街はコミュニティが熟成されるのに時間がかかる。(研究学園駅周辺の)けんがく地区には課題やテーマごとに活動している住民団体のコミュニティがある。多様な団体が連携し、強み、得意を生かすことで、街の成長につながっていくのではないか」と話す。

ハロウィンイベントは、同駅周辺でごみ拾いをしている住民団体「研究学園グリーンネックレス タウンの会」(島田代表)の活動から発生した。ごみ拾いに協力した子供たちに、駅前の商店が詰め合わせのお菓子などを店頭でプレゼントしたことが始まりという。

第1回の昨年は地域住民約600人がハロウィンに参加。イベントを主催した同実行委は、イベントを通して住民団体同士の緩やかな関係や地元商店との協力関係を構築し、にぎわいを生み、ごみ拾いにより美しいまちづくりにも貢献したなどとして2022年度の「つくばSDGsアワード」を受賞した。

島田さんは、今年はさらに参加者が増えると期待しており、昨年4月から始まった「研究学園さくらまつり」(22年3月30日付)と併せて、「けんがくハロウィン」を春と秋の二大イベントとして定着させたいという。

◆つくば市の「けんがくハロウィン2023」は29日(日)午後2時~4時45分、同市研究学園5丁目の学園の杜公園に集合。参加は事前予約不要。駅周辺の店舗でお菓子をもらえる「トリック・オア・トリート」の対象は中学生以下の先着300人。ほかに仮装コンテスト、ハロィンゴミ拾い、ハロウィンクラフトなど。詳しくは同実行委のインスタグラムへ。

スタンプラリーで街歩き 土浦

「土浦ハロウィン」は、コミュニティバス「キララちゃんバス」を運行するNPOまちづくり活性化土浦が、28日午後1時30分から、土浦駅前の「アルカス土浦ひろば」などで開催する。「ゴイスーな仮装で大賞をGET!」「土浦の街をスタンプラリーで歩いてお菓子をもらおう」などの企画がある。昨年を上回る150人の参加者があり、すでに定員に達している。(榎田智司)