土曜日, 5月 18, 2024
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満天の星 大曲のSPRING FESTA《見上げてごらん!》2

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「SPRING FESTA」のプログラム表紙(左)と「新作花火コレクション2022」の出品花火師

【コラム・小泉裕司】何十年ぶりだろう。最後は家族でキャンプだったのか、テーマパークだったのか、とにかく思い出せないし、今後もないはずだったGW旅行。コロナ禍、恐る恐る出かけた先は秋田県大仙市大曲。実は昨年11月、「大曲の花火実行委員会」は2022年度の花火大会の年間日程を発表、その第1弾は4月29~30日の2日連続と知り、早速、宿を手配していたのだ。

訪れた「SPRING FESTA(スプリング フェスタ)大曲の花火」は、「再始動」をテーマとして「新作花火コレクション」と「春の章 世界の花火・日本の花火プログラム」の2夜連続、合計1万3千発を打ち上げる豪華プログラムだ。

初日の「新作花火コレクション」は、45歳以下の若手花火師の登竜門となっている競技大会。茨城県からは昨年に続き、㈱山﨑煙火製造所(つくば市)の山﨑智弘さんが出品した。予報通り、冷雨の中で行われた競技は、今野貴文さん(大仙市)が総合優勝。土浦全国花火競技大会「創造花火の部」で16回優勝している老舗煙火店㈱北日本花火興業の5代目候補として、各地の競技大会で実績を積み上げている。

私のお気に入りは、アイデア豊富な芳賀火工(宮城県)の石村佳恵さんの花火。今回も、同県出身の羽生結弦選手の氷上4回転半ジャンプを時差式花火で夜空に見事に描ききり、新作花火の部準優勝を受賞した。

私が所属する日本花火鑑賞士会は、当夜鑑賞した会員によるスマホ投票で「会長賞」を決める。私は迷うことなく地元の山﨑さんを一押ししたが、受賞は次回以降に持ち越しとなった。次代を担う若手花火師の止まらぬ挑戦に胸を熱くしつつ、ホテルに戻り冷えた体を温泉でリハビリし、翌日に備えたのである。

みんな、この日を待ってたんだよね

2日目は絶好の花火日和。3年ぶりの開催となった「春の章」は、日中から多数のカメラマンが土手上に位置取りしていた。「みんな、この日を待ってたんだよね!」

今回のメーンプログラムは、日本煙火芸術協会60周年記念事業花火だ。まるで「日本花火物語」と言っても過言ではないほど、過去から現在に至る花火技術の進化を凝縮した構成は圧巻。究極とも言われる五重芯菊や様々な色の小花を咲かせる千輪菊、回転しているかのごとき時差式花火など、一玉一玉が半端なく高品質で花火博覧会のごとし。

当協会は、競技大会で優勝経験のある煙火業者29社で構成し、茨城県からは野村花火工業㈱(水戸市)や㈱山﨑煙火製造所など4社が加盟している。

「大曲の花火」は全演目が終了した後、南こうせつさんの「満天の星」(作詞・岡本おさみ、作曲・南こうせつ/1995年発売)が流れる中、雄物川をはさんで花火師さんと観客がトーチや電灯を振り合い、エール交換を行うのが恒例。花火旅に巻き込んだ「相棒」とともに、対岸の花火師さんに「ありがとう、大曲」の思いを込めて懐中電灯を振り返した。

久々のGW旅行は、「相棒」も満喫したようで、まん丸の菊型花火のごとく大団円なり。本日はこの辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

<参考動画> スプリングフェスタ「春の章」ダイジェスト

県に協議の場設置を要望 つくばの住民ら 洞峰公園再整備めぐり

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県都市整備課の梅澤信行課長(右)に署名を添えて要望書を手渡すつくば市の「地域参加型の洞峰公園整備計画を求める会」の木下潔代表(左)=13日、水戸市笠原町、県庁

2100人の署名添え

つくば市にある県営の都市公園、洞峰公園(同市二の宮、約20ヘクタール)を、県が民間事業者に委託してリニューアルする計画(洞峰公園整備運営事業)を立てている問題で、公園周辺に住む住民らでつくる市民団体「地域参加型の洞峰公園整備計画を求める会」(木下潔代表)が13日、2109人分の署名を添えて、公園管理者と利用者などとの協議の場となる「協議会」の設置を求める要望書を、大井川和彦知事宛てに提出した。

「協議会」は、公園管理者と地域の関係者が必要な協議を行うための組織で、都市公園法で「公園管理者は、都市公園の利用者の利便の向上を図るために必要な協議を行うための協議会を組織することができる」(17条の2)と位置付けられている。国交省の同法運用指針では「公園管理者と地域の関係者が密に情報交換を行い、協議しながら、公園に応じた活性化方策や利用ルールについて取り決め、実行していくことが望ましい」とされている。

木下さん(61)は、公園整備の詳細が開示されず、公園利用者、地域住民の間に懸念や不安が生じているとし、公園利用者や地域住民、近隣の団体や学校関係者のほか、景観保全や生物多様性保全の有識者などを交えた協議会を設置してほしいとしている。

「求める会」は洞峰公園周辺の住民5人による会で、3月27日、パークPFI(公園設置管理制度)の新たな事業者に選定された「洞峰わくわく創造グループ」(代表法人・長大)が公園管理棟ロビーで開いたオープンハウス型説明会に参加して出会い、会をつくったという。

会では4月7日、知事に対して、説明会開催を求める要望書を出した。県から回答がないことから、4月29日から協議会設置を求める署名活動を開始した。

13日に提出した署名は5月8日までの第一次締め切り分で、口コミなどにより10日間で2109人分が集まった。「子育て中のママやシルバーのネットーワークなど、公園の近くに住む方々から(署名活動が)始まった。大型連休で帰省中だったと思われる他県に住む人からの署名も集まり、関心の高さを実感した」と木下さん。31日まで引き続き署名を集める。

木下さんはさらに「2000年につくばに来た。なんて美しい街なんだろうというのが最初の印象。今のこの環境を50年後まで維持したい。それが活動の原点。(求める会のスタンスは)これ(この施設)がいいとか、これが反対ではなくて、(計画を)正確に知って、一緒に議論していきたい」と話した。

一方、県の整備計画に対しては、地元の五十嵐立青つくば市長が3月と4月に、自身のSNSや記者会見でグランピング施設とバーベキュー施設に懸念を表明した。五十嵐市長は5月13日開かれた定例記者会見で改めて「駐車場の改善以外は、市として大きな課題があると認識していることに変わりはない」とする一方、「まず利用者の声を聞くということで(県と)合意したので(県と市は)同じ方向を向いていると認識している」とし、「利用者へのアンケートや説明会など、そういったものを調整しながら県と市が共同で実施する形のものになればいい」「まず利用者の声を(県と市が)互いに聞いて、分析して、方向性を見出していきたい」などと話した。

これに対し、洞峰公園の再整備を担当する県都市整備課は「(再整備については)広く意見を聞き、調整しながら進めていく。内容、手法についてはつくば市と調整し、準備している。(協議会設置の可否については)関係者と調整して判断することになるので、すぐ返事は難しい」とし、今後のスケジュールについては全く未定だとしている。(花島実枝子)

12人が自宅庭を公開 つくばなどでオープンガーデン 14、15日

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2002年にオープンガーデンを始めた(左から)篠原昭子さんと、主催者の田中公子さん=つくば市松代、田中さん宅

ガーデニングを愛好する市民が、バラやクレマチスなどが咲く自宅の庭を公開する「つくばオープンガーデン2022」が14、15日の2日間をメーンに、つくば市や美浦村、牛久市など12カ所で開催される。

つくば市松代に住む書道教室講師、田中公子さんと、ビーズ作家の篠原昭子さんら3人の子育て仲間が、2002年に初めて開催した。今年で21回目になる。

イギリスでは、その年に公開する庭の特徴をまとめたハンドブック「イエローブック」を片手に、園芸愛好家同士が個人の庭を回る「オープンガーデン」という取り組みがあるのを知り、田中さんが開催を呼び掛けた。

来園者に100円の協力金を呼び掛けたり、苗や手作り品を販売して、利益を福島県の災害復興義援金などに寄付している。チャリティを合わせて行うのは、イギリス発祥のオープンガーデンから受け継いだスタイルだ。

主催する田中さんは「ガーデニング愛好家が年1回会って、お花や庭造りなど花談義で楽しいひとときを過ごせるのが魅力」と話し「さらにチャリティーを通して社会貢献できるなど庭を通して好循環が生まれる」と話す。

例年500人ほどが各家の庭を回るが、コロナ禍の20年と21年は来園者が半減したという。

つくば市松代の田中さんの庭は、小さな小川が流れ、せせらぎと水音が聞こえる。薄桃色や赤、薄紫のバラ、紫色のサルビアなどが花を咲かせる。20年以上前、国家公務員宿舎から一戸建てに転居し、以来、庭を手作りし草花を増やしてきた。多肉植物などもあり、40種類ほどの草花で彩られている。

ほかに、自宅庭を公開しているつくば市上ノ室の三上仁志さん(80)は、20年ほど前からバラを自家交配し、これまでに約40種類の新品種をつくり、公開している。現在、庭には新品種を含め約30種70株ほどのバラが淡い桃色や濃い赤紫などの花を咲かせている。元農水省の研究者で、定年退職後、自宅庭で育種を始めた。5年前からは自身がつくった新品種のバラを毎年200株ほど、無料で来園者に分けている。

バラを自家交配してつくり出した新品種が栽培されている三上仁志さんの庭=つくば市上ノ室

つくば市上横場の高柳恭子さんの庭は、園芸雑誌が主催するコンクールで優勝したり、NHKBSのテレビ番組「素敵にガーデニングライフ」で紹介されるなどした。約230平方メートルの庭に、園路に沿って帯状に延びるボーダーガーデンが配置され、淡い青や紫などの草花が樹木と組み合わさりバランス良く立体的に配置されているのが特徴だ。

園芸雑誌のコンクールで優勝し、テレビ番組でも紹介された高柳恭子さんの庭=つくば市上横場

オープンガーデンのほか、つくば市松代の篠原昭子さんの庭では、ガーデンマーケット「ハンドメードとのみの市」が開催され、10人の作家が布小物、アクセサリーなどを販売する。売り上げの一部はチャリティーに寄付する。

◆公開される12カ所は
1.広近さん つくば市松代 サンルームとテラスのあるくつろぎの庭
2.篠原さん つくば市松代 大きなジューンベリーの庭、マーケット会場
3.田中さん つくば市松代 小さな池とせせらぎのあるバラと宿根草の庭
4.三上さん つくば市上ノ室 小・中輪のバラとカバープランツを組み合わせた高台の庭
5.高柳さん つくば市上横場 樹木と宿根草のイングリッシュガーデン
6.金谷さん つくば市稲岡 イングリッシュローズとクレマチス、四季の草花が楽しめる庭
7.浅野さん つくば市宝陽台 オルラヤ、ジギタリス、千鳥草とバラが咲き乱れるナチュラルガーデン
8.正田さん 土浦市荒川沖東 DIYとつるバラの庭
9.北村さん 美浦村花見塚 華やかなつるバラの庭
10.高橋さん 美浦村木 バラと宿根草のナチュラルガーデン
11.堀越さん 美浦村大塚 バラのアーチがメーンの庭
12.吉井さん 牛久市下根町 つるバラ、オールドローズなど林を背に約80坪のナチュラルガーデン
※メーンの日時は14日(土)、15日(日)いずれも午前10時から午後4時まで。

◆時間、場所、予約方法などはつくばオープンガーデン2022のホームページ

TX県内延伸で何が実現するのか 《茨城鉄道物語》23

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つくばエクスプレス

【コラム・塚本一也】前回のコラム「TX延伸ルート選びに必要な視点」(4月8日掲載)では、国家プロジェクトの行方に迷いが生じたときには「そもそも論」に立ち返ることが重要であると述べました。そこで今回は、延伸先選びの視点をいくつか示してみます。

茨城空港を「国際空港」にするには?

第1の「そもそも論」は、首都圏の羽田・成田国際空港はいずれ「満杯」になることが予想されるため、第3の国際空港として、茨城空港の機能をアップすることです。TXが茨城空港に伸びるだけでなく、羽田との直通運転が可能となれば、首都圏の様々な航空需要に応える能力を備えることになります。

国際化が格段に進むであろう10~20年先を見据え、また甚大な被害をもたらす大規模災害を想定したバックアップ機能として、TXを首都圏の重要交通インフラに位置付ける視点です。

アジアの大手LCC(格安航空)会社に茨城空港を使ってもらおうと、県がその社長を現地へ招いた際、「TXでも乗り入れてくれるなら就航させてもいいですよ」といった発言があったそうです。彼らは、TXの茨城空港乗り入れが実現すれば、使い勝手が悪い成田便を茨城便に切り替えるのではないでしょうか。

しかし、この構想に問題がないわけではありません。茨城空港は航空自衛隊の飛行場ですから、現状では滑走路使用に制限があり、成田並みの国際便受入は無理です。でも空港の周辺には平坦な土地が豊富にありますから、やる気になれば滑走路拡張は可能です。

もう一つの問題は、競争相手として米軍横田基地があることです。元都知事の故石原慎太郎氏は、横田基地の軍民共用構想(首都圏第3国際空港化)をぶち上げ、同基地への高速鉄道乗り入れを準備しました。しかし、共用交渉は進んでいません(茨城空港にチャンスがあります)。

水戸を「東京通勤圏」にするには?

第2の「そもそも論」は、北部延伸によって県内経済を活性化するために、水戸市とつくば市をTXでつなぐというインフラ整備構想です。その沿線が活性化するだけでなく、常磐線とのコラボレーションによって、水戸~東京が「1時間圏内」になるでしょう。水戸地域がごく普通の「東京通勤圏」に入るということです。

TX延伸先絞り込みは関心を呼んでいますが、当事者の1人、つくば市長は関心が薄いと聞きます。TX延伸が都市機能を拡大すること(第3の「そもそも論」)が分かっていないようです。つくば市内には「県立高校が少ない」という声がありますが、土浦方面に伸びれば、土浦市内の高校への通学が容易になり、教育圏が拡大します。

政治や行政を担当する者にとって、インフラ整備と財政運営は基本中の基本です。視野を広く持ち、鉄道や道路で他市とつながり、自らも発展するという構想が必要ではないでしょうか。私事によりこのコラムを少しの間休載します。再開の際には、またTXの話をしたいと思います。(一級建築士)

石跳ね事故で民家のガラス破損 つくば市 草刈り作業中

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つくば市役所

つくば市は12日、市が発注した公園の草刈り作業中、小石が跳ね、約6メートル離れた民家のドアのガラスが破損する事故が発生したと発表した。けが人はなかった。

市公園・施設課によると、6日午前9時から10時ごろ、同市下広岡、下広岡三区公園で、市が委託した業者が、肩掛け式草刈り機を用いて公園の除草作業を行った。

9日、民家に住む住民から市役所に「ドアのガラスが割れている」などの電話があった。

11日午後6時ごろ、住民と市職員と業者の3者で現地を確認したところ、除草作業中の石跳ね事故でガラスが割れた可能性が高いことが分かった。

当時、業者は1人で草刈り作業をしており、作業の際、石跳ねを防止するフェンスなどのバリケードは設置してなかったという。

業者は住民に謝罪し、破損したガラスを補償するとしている。

同課は、市が委託し草刈りを実施している全業者に対し、改めて石跳ね防止の安全対策を徹底するよう求めると共に、市担当課が、除草作業時の安全対策について現地確認し、指導を実施して再発防止に努めるとしている。

石跳ね事故は昨年、市内で相次いで発生した。

大和ハウスの茨城支社がつくば市に 支社長は八友さん【キーパーソン】

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八友明彦さん

大手住宅メーカー・大和ハウス工業(本社大阪市)の茨城県内の支社は、これまで水戸市とつくば市に置かれていたが、この4月に両支社を統合。つくば支社は、新)茨城支社に改称され、旧)茨城支社は水戸営業所となった。今回の組織改革の背景について、八友明彦・茨城支社長(前つくば支社長)に聞いた。

構造変化に対応 県南エリアを重視

これまで両支社の担当エリアは建物の施工やアフターサービスの責任エリアで分けられ、つくば支社のエリアは、筑西市、桜川市、石岡市、小美玉市、行方市より南=太平洋寄りの神栖市、鹿島市、潮来市は旧)茨城支社エリア=だった。今後、県南と県北の「境界」がなくなり、支社と営業所の間で仕事を柔軟に分担する。

これまで契約調印や法令手続などはそれぞれの支社で行っていたが、これからは統合された支社がまとめて行うことになる。これによって、ガバナンス強化と経営効率化を図れるため、管理部門が一本化されるメリットは大きそうだ。

社員配置は、つくばが約170人、水戸が約130人。両支社から引き継いだ社員数だが、同時に、支社にいた大型店舗や事業用建物の設計者は千葉中央支社(船橋市)に移り、設計部門の組織改革も実施された。茨城南エリアや千葉北エリアは、TXや圏央道によってビジネス環境がよくなっており、支社統合は「茨城県内の経済構造の変化を意識したもの」と言う。

八友さんのコメントを補足すれば、茨城の県北エリアのウエイトが低下しているのに対し、首都圏に近い県南のウエイトが拡大していることから、県北⇒県南シフトを敷いたということだろう。

県南は「物流倉庫、データセンター」の適地

冒頭、大和ハウスを「大手住宅メーカー」と形容したが、八友さんの話を聞いて、それは古い知識であることがわかった。昨年3月期の売上高(4兆1300億円)に占める戸建て住宅のシェアは12%に過ぎない。24%の賃貸住宅や8%の分譲マンションなどを入れた住宅関連全体でも半分弱。シェアが大きいのは、19%の商業施設(ショッピングセンターやビジネスホテルなど)、24%の事業施設(工場や物流倉庫など)―と言う。

つくば市では、2008年10月に開業した「イーアスつくば」が大和ハウスのシンボル的な施設だが、今、支社で手掛けている県南・鹿行の大規模施設を3つ挙げてもらった。

食品スーパー・タイヨーが核店舗になる神栖市の複合ショッピングセンター「オークビレッジ神栖」(仮称、今年12月開業予定)。圏央道つくば中央IC近くの西部工業団地で建設中のマルチ型物流倉庫「DPLつくば中央」。同阿見東IC近くに建設中のマルチ型物流倉庫「DPL阿見Ⅲ」―。

八友さんは、県南は工場・物流倉庫の開発が活発化しており、今後も開発の余地があると言う。また、研究機関や工業団地が多い県南には、高圧電力を供給する用意がされており、質のよい電気を大量に使う高度な施設を建設する条件が整っている。今、印西市(千葉県)でデータセンターを建設しているが、県南での展開も考えているようだ。

【はっとも・あきひこ】1988年、中京大学法学部卒、大和ハウス入社。多摩支店(現東京西支社)、横浜支店(現横浜支社)で主に流通施設開発の営業を担当。多摩支店長を経て、2021年4月からつくば支社長。2022年4月、新)茨城支社になったことに伴い、初代支社長。多摩時代、イーアス高尾を手掛ける。1966年生まれ、岐阜県出身。自宅は東京都国分寺市。つくば市に単身赴任。

【インタビュー後記】つくば市での大和ハウスの存在感は大きい。その行動を知ることで県南の経済の変化を知ることもできる。そこで新情報。茨城支社は、南大通りと西大通りがぶつかる現在地から、トナリエ・キュート向かいのTXつくば駅に直結する区画に移転する計画とのこと。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

障害者もヨットやボートで遊べる 《夢実行人》8

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3年前の「誰でも楽しもう霞ケ浦」子供の日大会の様子=土浦市川口、ラクスマリーナ

【コラム・秋元昭臣】霞ケ浦遊覧船運行やヨット・ボート係留をしている会社「ラクスマリーナ」(旧土浦京成ホテル・京成マリーナの事業を継承)では、年4回の「誰でも楽しもう霞ケ浦」イベントを開催しています。

1997年、同系列の犬吠埼京成ホテル(現犬吠埼ホテル)が客室を増築した際、同ホテルを「バリアフリー」にしようと、車椅子でも利用できるホテルに改装したのがきっかけでした。

その3年後、同ホテルは「天然温泉黒潮の湯」をオープン。当時では珍しいバリアフリー温浴施設を設けたところ、地域の高齢者や観光客が大きく増えました。そして、翌年には全館バリアフリーに改装されました。それが、同系列の土浦京成ホテル・京成マリーナにも及んだわけです。

改装前、車椅子ではマリーナの2階へ上がれませんでしたが、現在では可能です。また、多目的トイレも2カ所設置、国内でも有数のバリアフリーな施設になっています。

でも、ハード面のバリアフリーだけでは、カヌー・ヨット・モーターボートを誰もが楽しむことができません。そこで勉強会を開き、課題解決に取り組みました。その一つが、JR土浦駅からのアクセス改善です。駅員の協力を得て、視覚障害者用の音声・点字案内を設け、介助者なしでもマリーナに来られるようにしました。

3年前の子供の日大会

4回の「誰でも楽しいよね」大会

京成マリーナの社員はホテルのバリアフリー研修会にも参加して、介助のノウハウなどを学びました。そして、「誰でも楽しもう霞ケ浦」というキャッチフレーズを掲げ、2005年から年4回、障害者も参加できる「安全祈願・寒風大会」(1月)、「子供の日大会」(5月)、「海の日大会」(7月)、「体育の日大会」(10月)を開催してきました。

昨年まではマリーナが主催していましたが、今年から「B&G土浦海洋クラブ」の主催になり、ラクスマリーナは共催で参加しています。それぞれの大会には「海洋レジャー安全・振興協会」(小型船舶操縦士免許試験機関)も加わり、土浦警察署に警備艇を出してもらい安全を確保しています。

「誰でも楽しもう霞ケ浦」の理念は、「国籍・年齢・性別・障害の有無に関わらず、お互いに助け合い、安全に楽しくマリンスポーツを体験する」です。今年の「寒風大会」、「子供の日大会」は終わりましたが、障害者カヌー「パラマウントカヌー in 茨城」(6月4日)、「海の日大会」(7月10日)、「体育の日大会」(10月9日)はこれからです。(元ラクスマリーナ専務)

問い合わせ先> 電話:029-822-2437 メール:info@lacusmarina.com

古民家再生し「茅葺き研究拠点」に 筑波大が石岡に開所

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11日オープンした筑波大学の「かやぶき研究拠点」について説明する山本幸子システム情報系社会工学域准教授=石岡市小屋

筑波大学の「茅葺き(かやぶき)研究拠点」が11日、石岡市八郷地区のかやぶき屋根古民家を改修してオープンした。

江戸時代末か明治時代初めに建築され、空き家になっていた古民家で、今後は、里山の原風景保全や過疎地再生のほか、防災や脱炭素などにも取り組む。

八郷地区には現在約50棟のかやぶき民家が残る。15年前は約100棟あり半減している中、「かやぶき民家再生の新しい手法を提示できた」と同大システム情報系建築・地域計画研究室の山本幸子准教授はいう。

研究拠点はもともと農家の住まいだった。敷地面積は約1980平方メートル、母屋は延床面積約120平方メートルで、田の字型に配置された4部屋と土間などがある。離れは約10平方メートルで、机やいすなどを備える。

同大は八郷地区で2017年から、かやぶき屋根や古民家などの調査を実施していた。18年、持ち主の鈴木一志さんが、空き家になっていた古民家を石岡市に寄贈。市が筑波大に無償で貸し出し、大学による修復の検討が始まった。

大学院生が基本設計をし、19年、つくば市の里山建築研究所(主宰・安藤邦廣筑波大名誉教授)が実施設計をして、最初にかやぶき屋根をふきかえた。かやの材料のススキはつくば市大穂の高エネルギー加速器研究機構の敷地内で刈り取り、延べ200人を超える学生や石岡市の住民らが協力した。

2020年には母屋内部の改修を実施し、床を張り替えたり、大谷石でいろりを作ったり、土間の土を3日間かけてたたき固めるなどした。

改修し完成した母屋の内部

さらに21年には、離れを建築。屋根に太陽光発電パネルを設置し、電気自動車の電気を融通できるよう充放電設備を導入した。今後は近くを流れる小川に小水力発電装置を設置し、エネルギーを自給自足できるようにするという。改修費は総額で2000~3000万円。

今後母屋は、大学の授業をしたり、地元の葦穂小学校と連携授業を開催したり、市の地域おこし協力隊がイベントを開催したりする。離れには学生が週2、3回通い、研究やフィールドワークなどで使用する。

11日は大学関係者のほか、谷島洋司石岡市長らが参加してオープニング式典や座談会が開催された。同大の和田洋副学長は「日本文化が発信できる拠点として育てていきたい」などと話した。

霞ケ浦、連覇ならず 高校女子サッカー県予選

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前半14分、霞ケ浦の岡田主将(黄色いユニフォーム)が相手選手と競り合う(撮影/高橋浩一)

2022年度茨城県高校総体兼第11回関東高校女子サッカー大会県予選会の決勝が10日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開催され、霞ケ浦が鹿島学園に0-1で敗れた。昨秋の県大会決勝ではPK戦の末に下した相手だったが、連覇はならなかった。

霞ケ浦高校 0-1 鹿島学園高校
前半 0-0
後半 0-0
延長前半 0-1
延長後半 0-0

霞ケ浦は準々決勝で明秀日立に4-0、準決勝で日立二に9-0で勝利し決勝進出。鹿島学園は愛国・石岡二合同チームに10-0、常磐大に3-0という結果で勝ち上がってきた。

「鹿島学園はいつも決勝で戦う相手。タフな試合になることは分かっていた。守備からしっかりと入り、時間をかけず早いフィニッシュを心掛けているが、奪ったボールがつなげず、FWに収まらなかった」と竹元栄子監督。

「相手との競り合いで負けが多かった。全体的にあせってパスミスが多く、ボールが来ずシュートまで行けなかった」と、FW五十嵐和郁。

前半14分、五十嵐がドリブルで突破を図る

前半のシュート数は鹿島学園の7本に対し霞ケ浦は3本。うち2本はMF和田優芽が放った。「自分は左サイドハーフだがスピードを生かし、相手の背後に出ることを心掛けた」と和田。また五十嵐も31分に、ポスト直撃の鋭いシュートを放った。

「後半は相手より先にボールに触ることを徹底した」と五十嵐が話すように、被シュート数は3本に抑えられた。だが放ったシュート数は0本で、引き続き攻撃に課題を残した。

延長前半は霞ケ浦が押し気味だったが、7分のコーナーキックからついに失点してしまう。GK中村優乃華がパンチングで防いだこぼれ球を、相手MF清水菜々羽に頭で押し込まれた。

延長前半7分、コーナーキックの流れから失点

「相手のキッカーは左右どちらの足でも蹴れるので、ニアとファーの両方に守備を置いて警戒していた。だがGKがはじいたときボールウォッチャーになり、目を離してしまった」とDF岡田知里主将。

失点直後、霞ケ浦はMF大槻未菜をFWとして投入。中学校(つくば市桜中)では陸上部で活躍していたスピードを武器に、前から積極的にボールを追いかける。延長後半も両チーム果敢に攻め合うが、アディショナルタイムに岡田が放ったミドルシュートはわずかにバーを越え、ついに試合終了。

試合終了のあいさつをする霞ケ浦イレブン

「敗れたが、相手から得られたものも多かった。インターハイでは勝って優勝したい」と大槻。また竹元監督は「得点力を上げることが課題。サッカーだけでなく勉強や人への気配りも重要。全てができることでチーム力が上がると考えている」と、文武両道の構えを説いているという。(池田充雄)

入院で高額療養費制度を使う 《ハチドリ暮らし》13

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ジャガイモ畑

【コラム・山口京子】4月に連れ合いが8日ほど入院しました。医療費の総額は約50万円、そのうち自己負担は3割の約15万円でした。ですが、高額療養費制度を使うことによって、実際の支払額は66,800円でした。

事前に、市役所の国民健康保険課に行き、「健康保険限度額適用認定証」を申請しました。高額療養費の限度額は本人の所得によって変わるので、限度額を知ることが大事です。その額と高額療養費の対象にはならない項目(食事患者負担額、差額ベッド、日用品レンタル代など)を加えて、支払額が算出されます。

4人部屋に入りましたが、差額ベッド代はかからず、日用品費の支払いは別でした(4人部屋でも差額ベッド代が取られることがあるので事前の確認が必要)。なので、病院に払ったのは高額療養費限度額57,600円と食費9200円(1食460円×20食)だけでした。これに日用品レンタル代と雑費12,000円を加えても、総費用は8万円弱でした。

医療保険はチェックが必要

以前、終身医療保険に加入した場合、支払う保険料の総額がいくらになるのか、一生のうちに何回くらい入院するのか―などについて調べたことがあります。わが家の場合、連れ合いが加入していた医療保険の月額保険料は約5000円、30歳から80歳まで入っていた場合の総額は300万円になります。保障は入院日額5000円と手術給付金でした。

ですが、定年を機に解約したので、実際は210万円程度を払ったことになります。それに対して、30歳以降の入院歴は4回、入院日数は延べ33日。支払った医療費の実費は約30万円。公的医療保険制度や健保組合の療養付加金のおかげで、自己負担はかなり軽減されました。

突然のケガや病気による入院や手術は予想外であり、不安が募ります。「お守り」として保険に加入する人も多いのでしょう。ですが、医療保険加入にあたっては、医療費に充てる備えに不足があれば、その不足を保険で補うという整理をします。

どの程度を想定するかは、①公的医療保険制度の仕組みや健保組合の福利厚生を知る、②わが家の家計を把握する、③本人はどういう治療を希望するのか―などを踏まえた判断になるでしょう。元気なうちに家計のたな卸しや、病気に対する心構えをしておきたいと思いました。(消費生活アドバイザー)

700種2500株 一般公開始まる つくばローズガーデン

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ようやく晴れ間がのぞき、ローズガーデンのつぼみも次第に開き始めた=10日、つくば市古来

見頃は5月中旬

つくば市古来にあるバラ園「つくばローズガーデン」で一般公開が始まった。走り梅雨の中、園内では、白い花をつけるナニワイバラや、ピンク色のスパニッシュビューティーが開花している。ようやく晴れ間がのぞいた10日、園内の開花状況は「まだ一分咲きにもならないほど」だそうだ。

今年は花付きが良いという。見頃は14日から22日ごろになる予想だ。開園日の7日には早くも、雨上がりのガーデンに足を運び、バラの花にカメラを向ける人々や、ショップで苗を選ぶ姿が見られた。

藤沢仁子(まさこ)園主(44)は「ぜひ屋外のすがすがしい空気に触れ、立体感のある庭園を楽しんでほしい」とし、「8日のイベントには2000人ものお客様が来てくれたのに、ちょっと寂しい思いをさせたかもしれない。来週には徐々に咲きそろい見頃を迎えると思う」と話す。現在は無料だが、14日から入園料(300円=税込み)を徴収する予定だ。

つくばローズガーデンは、約3000平方メートルの敷地に700品種、2500株のバラを栽培している。香りの良いイングリッシュローズが中心だ。元市長の藤澤順一(まさかず)さん(82)が市長引退後に始めたバラ園を、現在は3女の仁子さんが引き継いでいる。

2005年から一般公開を始めたが、コロナ禍で2020年は完全予約制での入場、21年はイベント無しの開催だった。21年の入園者数はコロナ前の5分の1だった。

早咲きのナニワイバラが白い花を付けるつくばローズガーデン=7日

ガーデンをデザイン

仁子さんはもともと都内で会社員として働いていた。園芸には興味がなかったが、週末ごとに手伝ううち、緑に触れることで心が癒され、自然と自分が後を継いでいこうという気持ちになった。父から学んだ以外はほぼ独学で、植物自身から学ぶことが多いと話す。

仁子さんが取り組んでいるのは、宿根草や一年草を植物自身の背丈で高低差をつけてバランスよく配置し、動きのあるガーデンをつくることだ。ガーデンのデザインは、心に浮かんできた風景を庭に描くように配置している。

バラの花はピンク色など暖色系が多いので、ガーデンの印象が締まるように、宿根草や一年草には寒色系を中心に選んでおり、今では150品種以上にのぼる。今後は、帯状に延びる宿根草のボーダーガーデンを計画中だ。

今年はローズガーデン初の試みとして、つくば市吉瀬でアンティークショップ「kakaya(かかや)」を営む家貸屋(本社・栃木県佐野市、小関広記代表)主催で、5月8日と15日の2回「ローズガーデンマルシェ」を開催する。つくばクレオスクエアで月1回開催されているマルシェイベント「つくば蚤(のみ)の市」に、仁子さんが寄せ植えなどを扱う店として出店したことが縁となった。マルシェ開催で、新しい層の人たちにもローズガーデンを訪れてもらうことを期待している。(門脇七緒)

◆つくばローズガーデン つくば市古来458。今年の開園は5月7日から31日までの予定。開園時間は午前9時~午後5時 入園料は一般300円から500円(開花状況により変動)、小学生以下無料。同園のホームページはこちら

マイナンバーカードを紛失 つくば市

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つくば市役所

つくば市は10日、市民に交付を予定していたマイナンバーカード1枚を紛失してしまったと発表した。

市市民窓口課によると、6日、担当職員が、翌日交付予定のマイナンバーカードを準備しようとしたところ、カードのうち1枚が見当たらず、執務室内をくまなく探しても発見できなかった。翌日は計数十枚を発行予定で、そのうち1枚だけが無かったという。

同課は、庁内での準備作業の過程で1枚を紛失したのではないかとみている。誤って別人にカードを交付した事実はないとし、これまでに個人情報の流出は確認されてないとしている。

同課は9日、警察に遺失届を出した。さらに紛失したマイナンバーカードを受け取るはずの市民の自宅を訪問し、事情を説明して謝罪した。再交付については、個人番号そのものを変更した上で、再交付の手続きをしてもらうことになるという。

再発防止策として同課は、交付前のマイナンバーカードは複数の職員で取り扱い、管理を徹底し再発防止に努めますとしている。

【6月3日追加】つくば市は6月2日、紛失したマイナンバーカードが5月25日、庁舎内で発見されたと発表した。受け取るはずだった市民は6月3日現在、再申請の手続き中で、発見されたカードは今後廃止するという。市市民窓口課は、受け取るはずだった市民に改めて発見を報告し謝罪したとしている。

「ゲルニカ」を思い出すとは… 《続・平熱日記》109

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【コラム・斉藤裕之】玄関の壁に1枚の薄汚れた色紙が飾ってある。もう大分前のことになるが、ある古物屋でのこと。特に興味もなかったのだが、色紙がぎっしり詰まった箱に何となく手を伸ばした。レコードを探すように、手前から次々と引き出して見ていた。と、引き抜いた1枚の色紙を見た瞬間、「これは!」と手が止まった。値段を聞くと、どれでも10円だという。

持ち帰った色紙はピカソのドローイングだった。ハト、その中に顔が描かれている。ペンで一息に描かれた線は天才の引いたものだと、一瞥(いちべつ)しただけで分かった。画集やカタログなどで調べてみると、確かに書き入れられている年にピカソは来日している。また、よく似た絵柄も確認できた。だが、ピカソの絵が10円で売っているはずがない。多分印刷だろうと思って、ルーペで拡大してみたが…。

パリにいたときは、すぐそばにピカソ美術館があってよく通った。スペインでもピカソの美術館を訪れた。よくピカソについて質問される。大方の場合、ピカソはうまいのか否かの質問なのだが、何と答えていいかいつも戸惑ってしまう。「太平洋は広いのか?」と聞かれているように。

絵画というよりプロパガンダ

これがうわさに聞く「ゲルニカ」か。長女をベビーカーに乗せてスペインを貧乏旅行した折に訪れた、マドリードのソフィア王妃芸術センター。防弾ガラスに収まる「ゲルニカ」は想像したものより大きく、モノクロームで力強くスピード感にあふれていた。

まさに彼にしか描けない美術史上重要な代表作であることは確かだが、絵画としてよりもむしろプロパガンダという側面を感じずにはいられない。戦争を描くのは大変繊細なことだ。当時すでに高名であったピカソは、様々な理由からこの絵を描かざるを得ない状況にあったといわれている。だが、発表された作品の評価はイマイチだったとか。

その後教科書にも掲載され、万人の知るところとなるわけだが、21世紀の今、こんなかたちで思い出すとは…。

「日本の幸せと平和のために」

「日本で一番大きい島はどこじゃ?」「佐渡!」「沖縄!」…「正解は国後島じゃ!」。45年前、高校1年最初の地理の授業の記憶。ワールドカップでロシアはヨーロッパ予選に入っているが、東の端は日本の目の前。今、はるか西で起っている惨事は文字通り対岸の火事ではない。

我が家を訪れた人のほとんどがこの色紙に気付かない。「これピカソ?」。以外にも気付いたのは、美術にほとんど興味がないと思われる義兄だった。ゲルニカのものとは違って、優しいふっくらとした線。色紙にはフランス語で「日本の幸せと平和のために」と書かれている。(画家)

つくば市役所にまた爆破予告

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つくば市役所

つくば市は9日、市役所に対し、13日に爆破を行うと予告があったと発表した。

市は、警察と協力して点検や不審物の捜査を実施し、安全対策を徹底した上で、通常通り業務を行うとしている。通常通り開庁し、木曜夜の延長窓口も実施する。

市危機管理課によると、8日午後11時過ぎ、市役所ホームページの問い合わせフォームに「爆薬を仕掛けた。爆破は5月13日」などの予告があった。時刻などの記載はなかった。

9日出勤した市職員が気付き、危機管理課がつくば警察署に相談した。

市は9日から、不審物の捜査や点検、巡回などを実施しており、同日午後7時30分時点で不審物の発見はないという。13日まで、繰り返し不審物の捜査や点検などを実施する。

同市役所には3月3日にも爆破予告があったばかり。その際も市役所ホームページの問い合わせフォームからだった。予告された時間を過ぎても異常は無かった。

「異常なかった」

【13日午後7時追加】13日の爆破予告に対し、つくば市は13日午後5時30分過ぎ、異常はなかったと発表した。市は、つくば警察署の協力を得て、庁舎内や敷地の点検を行うなど警戒態勢を敷いてきたとし、今後も市民の安全を守るため、できる限りの対策を行っていくとしている。

筑波大、延長で逆転勝利 天皇杯本戦へ

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延長前半、勝ち越しゴールを決めて喜ぶ筑波大の角(撮影/高橋浩一)

第25回茨城県サッカー選手権大会兼天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会茨城県代表決定戦は8日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開催され、筑波大学蹴球部が流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎を3-1で破り、天皇杯本戦への出場を決めた。前半に1点を失い後半には退場者を出すという苦境を乗り越え、延長で逆転を果たした。

第25回茨城県サッカー選手権兼天皇杯県代表決定戦
筑波大学蹴球部 3ー1 流通経済大学
前半 0-1
後半 1-0
延長前半1-0
延長後半1-0

筑波大は前半、4-5-1の布陣から中央のFW和田育、MF田村蒼生が核となって攻撃を展開。流経大はFW山本晃太朗、FW細野晃平の2トップによる4-4-2で、前から積極的にプレスをかける。次第に筑波大はMF山崎太新、MF角昂志郎らがワイドから仕掛け、それに対しドラゴンズがカウンターでチャンスをうかがうという流れに。

前半35分、ドラゴンズは山本が筑波大の守備ライン裏へ抜け出し、GKとの1対1から先制に成功。筑波大はパスがゴールに向かわない悪い流れに陥る。

前半32分、田村が右サイドから突破を図る

後半、風上に立った筑波大はロングボールでの展開が増える。33分、右サイドにDF三浦雅人が入ってからは角の攻撃が活性化、2人で何度も相手ペナルティエリアを崩す。だが33分、筑波大はMF山内翔が2枚目のカードをもらい退場、残り時間も少なくなる中、厳しい戦いを強いられる。

43分、左ワイドにポジションを移していた田村がドリブルを仕掛け、PKを獲得。「これ以上失点したくないのでリスクは抑えつつ、意外とパスはつなげていた。相手も疲れてきて、外からの揺さぶりが効いていた」と田村。PKを蹴ったのは、後半途中から1トップに入っていた栗原秀輔主将。「プレッシャーがかかる中、自分のペースで蹴って入ってよかった。ベンチやスタンドの応援もパワーになり、みんな喜んでくれて一体感が持てた」と、逆転への気運が高まる。

後半終了間際、栗原がPKを決めて同点とする

延長に入って前半8分、中央から栗原が右へ展開、これを受けた角が左隅へシュートを放ち、ついに逆転に成功。「信じて中で待ち、カットしたところへ角がオーバーラップしてきたので信じて出した。ゴールにつながって良かった」と栗原。「絶対俺に出せと思いながら、栗原からいいタイミングでボールが来たので振り抜くだけだった。10人になってやっと目が覚め、チームが一つになって戦えた」と角。

延長後半終了間際には、交替で入ったFW庄司夢ノ介が倒されPKを獲得。これを自身で決め、うれしい公式戦初ゴール。「ここから点を決めていきたい」と希望を広げた。

スタンドの部員らと共に記念撮影

勝った筑波大は22日の天皇杯本戦1回戦、同競技場で千葉県代表のブリオベッカ浦安と対戦する。勝者は6月1日の2回戦でJ1柏レイソルと戦う。加藤匠人や森海渡ら筑波大出身の選手が多く、井原正巳ヘッドコーチも筑波大OBだ。田村は「個人的には小中高とお世話になったチーム。自分としては戦いたい」と闘志を燃やす。(池田充雄)

ウクライナ人が書いた「プーチン幻想」を読む 《邑から日本を見る》111

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孫も手伝う谷津田の田植え

【コラム・先﨑千尋】ロシアのウクライナ侵攻(侵略)から2カ月以上経つ。プーチンが当初考えていた数日間での占領はかなわず、いつどのような形でこの戦争が終わるのかに焦点が移った。今日(5月9日)はロシアの対独戦勝記念日だそうだが、プーチンはどのような演説をするのだろうか。

ロシアのウクライナ侵略開始前から不思議に思っていたことの一つに、アメリカのバイデン大統領が「プーチンがウクライナへの侵攻を決断したと確信している」という類の情報を流し続けてきたことがある。米政府は、侵略後も、ロシアの攻撃状況や兵力、後方支援の問題などの機密事項と思えることを、それこそリアルタイムで刻々公開してきている。さらに、ミサイルや新兵器などを次々にウクライナに提供し続けている。

実質的にロシアとアメリカの代理戦争ではないかとすら思える。もうかるのはアメリカなどの「死の商人」だけだ。国連は無力であることも証明された。

先日、脱原発を目指す首長会議に出席した折、世話人の1人、三上元・元静岡県湖西市長から「この本が面白いよ」と、グレンコ・アンドリー「プーチン幻想」(PHP新書)を紹介された。著者はウクライナ人。翻訳ものではなく、著者が日本語で直接書いている。本の帯には「かつてウクライナは、世界三位の核保有国だった。しかし『非核三原則』を掲げ、あげくはクリミアをロシアに奪われた。日本在住のウクライナ人が、平和ボケ日本人に贈る警告の書。プーチンに騙(だま)されるな!」とある。

なるほど面白い。小説を読むときの面白さではなく、初めて知るロシアとプーチンの世界。新書だから一気に読める。3年前、安倍首相の在任中に出版された本だから最新の情報はないが、本書は「日本人が知らないプーチンの正体」「ロシアは『約束を破るために約束をする』」「ウクライナの教訓-平和ボケと友好国への妄信が悲劇を招く」から成り、読めば、プーチンとはこういう人なのだということが分かる。

侵略前のプーチン像は100%ウソ

柔道や秋田犬などから、プーチンは親日、プーチンは反中、プーチンはロシアや東スラブの伝統文化を目指す保守主義者、プーチンは国際金融資本と戦っている勇者という、ウクライナへの侵略前の日本人のプーチン像は100%ウソ、と著者は最初に断じる。そして、そういう説がなぜ間違いなのかを著者は次々に論証、立証している。その筋道がはっきりしているのが面白いゆえんだ。

プーチン体制はいかにして出来上がったのか、責任の半分はアメリカにある、アメリカはソ連の崩壊を望まなかった、インターネット空間も徹底的にコントロール、プーチンと側近による国家の私物化、人を殺してもよいという考え方、安倍政権の対露外交は間違っている―などのフレーズは、今読んでみるとホントによく分かる。

日露間の北方領土問題は当分棚上げされるだろうが、著者の主張は「北方四島は不法占領されているのだから、『返ってくる』ではなく、『取り返す』『返還させる』だ。早期に解決しなければならない理由はない。千島列島も南樺太も係争地なのだ。唯一の解決策は占領状態の終了」と明快だ。政治家や外務省の人たちだけでなく、多くの日本人に読んでもらいたい本だ。(元瓜連町長)

時間の使い方を法で縛ること 《つくば法律日記》21

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堀越さんの事務所があるつくばセンタービル

【コラム・堀越智也】2年ほど前、香川県でネット・ゲーム依存症対策条例が施行されて話題になりました。18歳未満を対象として、ゲームの利用時間を1日60分、休日は90分までとし、スマホは中学生以下が21時まで、それ以外は22時までとする目安を設け、家庭内でのルール作りを促す―というものです。

賛否両論あったことは想像に難くありません。しかし、この条例施行からたった2年の間でも、ネットによる誘惑が日に日に増えているように感じ、誘惑に負けないように工夫している自分を思うと、条例を作らなければと考えた気持が分かります。

大人も子供も、スマホでゲームやネットサーフィンやSNSを楽しんでいます。僕らが子供のころ、ファミコンは1時間までと親にルールを作られ、それなりに守っていたように思えます。しかし、ファミコンはあえてやろうとしなければできませんが、スマホは手元にあり、ほぼ無意識に利用してしまいます。

そんなスマホの利用を、子供の意思だけでコントロールすることは、容易ではなさそうです。

受験生の間では、スマホ断ち、SNS断ちという言葉があるようで、できる子供はできるのだと思います。それでも、大人も子供も、この誘惑の多い社会で、やるべきことに集中して成果を上げるには、強い意志と秀逸な工夫が必要です。

時間を無駄に使うと寿命を縮める

時間術に関するビジネス書の大半は、スマホやSNSとの付き合い方について触れています。僕もネットのニュースを見る時間を決めたり、プロ野球の開幕前には、スポーツ中継専門チャンネルを解約するなどの工夫をしていますが、それでもネットの誘惑に飲み込まれそうになります。

先日、勉強のためにという言い訳をしながら、投稿された数秒の動画が次々に出る某アプリをインストールしましたが、面白くて永久に見ていられるのではないかという恐怖を覚え、封印しました。

100歳まで生きる時代と言っても、人生には限りがあります。堀江貴文さんがよく書いていますが、時間を無駄にすることは、寿命を縮めるのと同じです。誘惑が多いせいで損する時間を100年から差し引くと、いくつになるのか計算してみたくなります。

確かに、どの時代にも誘惑はあり、1つの誘惑でも膨大な時間を無駄にします。しかし、アリストテレスが生きていた古代ギリシャと比べたら、はるかに多くの誘惑があり、時間を無駄遣いする要素であふれています。ネットがなければ生まれていたはずの哲学者の生まれ変わりが、生まれないままになっているかもしれません。

そんな訳で、ネットの誘惑から法で国民を守ることの賛否はともかく、ネットの誘惑に負けそうになったとき、それを見ている時間、アリストテレスだったら勉強しているぞと自分に言い聞かせて、誘惑を撃退したいと思います。(弁護士)

「マイストーリー」で女性起業家を支援 つくば市 三島裕子さん【ウーマン】1

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女性起業家らを前に、交流サロンの今年の目標を話す三島さん

つくば市大角豆のレンタルルームに毎月2回、女性起業家たちが集まり、自分の人生を語る集いを開いている。同市研究学園の三島裕子さん(53)の呼び掛けで昨年3月にスタートした。

三島さんが代表を務める「マイストーリープロジェクト」主催の「かわせみ交流サロン」だ。毎回、2人の女性起業家が、友人5~6人を前に、自分はどう生きてきたか、なぜ起業したのかを、それぞれ30分間、図や表を盛り込んだ資料を見せながら発表する。

つくば、土浦市など県南各地から参加する。これまで計18回開催され、延べ約170人が集まった。

7割が100万円未満

三島裕子さん

女性活躍がいわれる一方、三島さんは「女性起業家の平均年収は100万円未満」と指摘し、「どうしたら年収を上げられるかというと差別化するしかない。自分はどんな思いでビジネスをやっているのか、人生に裏打ちされたビジョンをもって仕事をやっているというマイストーリーを語り、自分を発信できるようになることが差別化になる」と話す。

毎回三島さんは、発表者から事前に話を聞き、資料の作成を手伝う。「三島さんとの対話を通して自分の人生を客観的に振り返ることができた」「どこが売りなのか、三島さんに言われて初めて自分の個性やアピールポイントが分かった」と発表者は口々に言う。

女性起業家の人生に寄り添う中、「発表者には、自分の仕事がどのような社会課題の解決につながるかまでをまとめてもらっている」と三島さん。

中小企業庁の2012年版中小企業白書によると、女性起業家の個人所得は年間平均93万1000円で、7割が100万円未満だった。10年前の数字だが、コロナ禍で近年はさらに厳しいとも。白書は「交流や意見交換ができる場は女性が起業の課題を克服する上で重要な役割を果たす」とする。

証券会社で営業

三島さんはかすみがうら市出身。短大を卒業後、土浦市内の障害者施設で指導員として働いた。5年後、結婚退職したが、30代半ばで離婚。父親から「事務員になるなら手取り20万円くらいしかもらえない。それで一生生きていくのは大変」と株式投資を勧められたことが人生の転機となった。

投資口座を開設する手続きのため土浦市内の証券会社を訪ねると、地域限定の契約社員を募集するちらしが目にとまり、その場で応募。採用され、営業の職に就いた。

株式投資を一から勉強。毎朝、経済紙を隅々まで読んで、経済や社会の動きと株式の変動を学んだ。投資セミナーを企画し、会場周辺にチラシをポスティングして新規顧客を開拓し、飛び込み営業もこなした。

やがて得意客もできた。ほとんどが中小企業の社長だ。得意客に損をさせてしまうこともあったが、「次の作戦を練って、人間性と本気度と情熱」があれば、顧客は自分を信頼してくれた。

その後、乳がんが分かり手術。2020年会社勤めを辞め、昨年、つくばで女性起業家向けの交流サロンをスタートさせた。

証券会社で働いた経験が自分を大きく成長させたと振り返る。政治や経済の動きが自分のお財布と直結していること、結果を出すには日々の勉強が必要なこと、経済的に自立できないと自分らしく生きていけないこと、などを改めて知ったという。

2年目の交流サロンは、次のステップとして「いろいろなイベントを開き、女性起業家が活躍できるマーケットをつくるための仕掛けをしたい」そう。「証券会社にいたせいか、女性起業家たちを未公開株に見立てている自分がいる。上場できるように何とかしたい、という投資家の気持ちかな」と語る三島さんだ。(鈴木宏子)

ユーチューバー、そんなにダメ 《続・気軽にSOS》108

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【コラム・浅井和幸】第一生命が3月16日、第33回「大人になったらなりたいもの」の調査結果を発表しました。子どもたちの考えは、社会、大人、親、学校などの影響を受けるので、とても興味深いものです。いろいろと空想して遊ぶのも悪くないですね。

この中で、医療関係者が人気と見出しにもなるのは、このご時世だからでしょうか。小学生男子、中学生男子女子、高校生男子女子の一番人気が会社員というのも、面白いなと感じますよね。職業、職種、業種―大人でも迷うというか、わからないものですね。

会社員とは書くけど団体職員はないのかな、なんて考えるのは、私がひねくれているからに他ならないわけです。会社員というのは、デスクワーク、事務職、ネクタイ、スーツとか、そのあたりをイメージしているのでしょうか? 安定した給料や解雇されにくい正社員という意味合いが強いのでしょうか?

ここの部分は、親から、学校から、テレビからの影響が強いのでしょうね。会社員イコールちゃんとしている人というイメージはあります。でも、そうだとすると、公務員の方が上のような気もします。そうではないとすると、不祥事がマスコミで取り上げられて印象に残っているとか、会社員の方が給料が高いイメージがあるのでしょうか。

「ふざけた人間がなるような職業…」

興味深いランキングの中、ちょっと古いかなと思っていましたが、まだ残っていましたね。ユーチューバー。小学生の男子、女子と中学生男子に。残っていたというよりも、年齢を経るにつれて減っていっていますね。女子の方が早熟?

昨年のランキングと比べると、今年は順位が落ちている感じがしますね。ちょっとずつ大人の言うことを聞くようになっているのでしょうか? ユーチューバーなんか、あんなふざけた人間がなるような職業ダメよ、と。

でも、宇宙飛行士、野球選手、パティシエだったら、夢があって良いねぇなんて言うのですよね。安定していなくても、大人もあこがれていると、「夢があって良い」という評価になる典型です。

だから、将棋やゴルフで若いヒーローが出ると、こぞって自分の子どもに勧めたりして…。商売敵が多い「レッドオーシャン」だから、リスク高いですよ~と言っても耳に届きませんね。

ユーチューバーは、ユーチューブのシステムの中で完全な下請け業者なので、親会社が勝手に収入減を決めてしまうリスクがあります。商売をするのであれば、自社製品も含めて、収入源は分散している方がリスク回避ができます。(そういう意味では、会社員も、嫌な上司とか無茶な働かせ方をする場が一つしかないとなるとリスクは大きいですね)

ユーチューバーの労働組合が出来る動きもありますが、どうなるでしょうか。今回は、まとめずに、このまま締めましょう。(精神保健福祉士)

6つの機能で働く人を応援する「co-en」 つくばセンタービルに7日開業

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7日オープンする「co-en」のカフェ&バーーつくば市吾妻

つくば市が出資する第3セクター「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻)の内山博文社長は6日記者会見を開き、つくばセンタービル1階東側に、働く人を応援する場「co-en(コーエン)」を7日開業すると発表した。つくばセンタービルのリニューアルの一環で実施した。

内山社長は、貸しオフィス、コワーキング(共同仕事場)、キッチン、イベント、ギャラリー、物販の6つの機能を備えるとし「つくばの中心部に多様性を享受できる場をつくりたい」などと話した。

あいさつするつくばまちなかデザインの内山博文社長

延床面積約2000平方メートルで、貸しオフィスは7区画、コワーキングスペース(約295平方メートル)50~60席、会議室5部屋、カフェ&バー(約60席)、シェアキッチンなどがある。

改修費は約3億2000万円。内山社長は「資材費の高騰で厳しかったとし、コストマネジメントの中で、小上がり(縁側)などは仮設性のものを設定した」とした。

当初「多様な働き方を支援する場」として目玉の一つだった子連れワーキングスペースは、事業者との調整を見直したことからオープンが遅れる。

貸しオフィス7区画は4月にすでにオープンし、つくば市内のベンチャー企業など5社が7区画に入居または入居準備中。1社は3区画を使用する。

地元食材使うカフェ&バーも

7日オープンするのはコワーキングスペースとカフェ&バーなど。5月はコワーキングスペースの無料体験期間といい、6日時点で20~30人の予約がある、有料になる6月以降は10人程度の申し込みがあるという。利用料金は24時間365日利用できるフルタイム会員が1万6500円。

「co-en」のコワーキングスペース

カフェ&バーは、「つくばサービスデザイン(フィンラガン)」が運営する。営業時間は午前7時30分から翌日午前2時まで(火~金曜)など。食材は、農業生産者の浅野与五右衛門、ごきげんファーム、筑峰学園、然なり、TKFの野菜やコメ、沼屋本店のみそとしょうゆ、ベッカライ・ブロートツァイトのパン、つくばブルワリーのビールなど地元生産者の食材を使用する。

さらに、新たに飲食店を開業したい人などにシェアキッチンを貸し出し出店してもらったり、店を開きたい人や自分が作っている雑貨を売りたい人などにワゴンで出店してもらったり、廊下沿いの白い壁に学生や市民らのアート作品を展示などする。

ほかに、市内でコワーキングスペースを運営する「しびっくぱわー」がイベントを企画などする。

通路から見た「co-en」。左は会議室

記者発表には五十嵐立青市長、小久保貴史市議会議長のほか、つくばまちなかデザイン株主で沼尻産業の沼尻年正社長、関彰商事の関正樹社長と、約3億円の融資をしたファンド(投資信託)出資者の常陽銀行、民間都市開発推進機構(民都機構)、ファンド運営会社のオハナパナの役員らも出席した。

五十嵐市長は「ついにこの日を迎えることができてうれしい。中心市街地活性化ビジョンをつくったが、決定的に足りなかったのは地域全体を運営していくプレーヤーがいなかった。(つくばまちなかデザインは)会社が始まってわずか1年で(地下駐車場の)駐車料金を下げたり、(つくばエキスポセンターの)ほしまるカフェをリニューアルオープンさせた。官ではできない」とし「(中心市街地の活性化)すべてをつくばセンタービルがまかなうことは不可能で、吾妻70街区は『スーパーシティ』のモデル街区として整備していくよう財務省と協議しているので、相互に役割分担しながら取り組んでいきたい」などと話した。