月曜日, 3月 2, 2026
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出来ない理由が先に出てくる《続・気軽にSOS》146

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【コラム・浅井和幸】先日、友人Aと待ち合わせの話し合いをしました。大したことではないので、さっと済ませられるかと思っていたのですが、なかなか話が進まず、何を話し合っているのか、途中から分からなくなることもありました。

A「来週の月曜日に一緒に昼食を食べよう」

浅井「たまにはよいね。どこかで待ち合わせてから、食べに行こう」

A「どこで待ち合わせる? 浅井が決めてよ」

浅井「どこでも良いよ。事務所で待ち合わせようか? それともAの家に迎えに行こうか?」

A「事務所まで行くのは面倒だなぁ」

浅井「じゃ、Aの家に迎えに行くよ」

A「いやいや、遠いし、申しわけないよ」

浅井「別に構わないけど」

A「でもなぁ…」

結局、事務所で待ち合わせをすることになったのですが、Aの考え方のくせが私の考え方のくせとあまり合いません。待ち合わせ場所をどうするかとかではなく、どのような場所で待ち合わせるのが嫌かというやり取りに終始するのです。

逆立ちして待ち合わせるのは苦しい

この話には続きがあって、私は「こちらも、アメリカで待ち合わせるのは遠いので嫌だし、逆立ちして待ち合わせるのも嫌だな。場所を決めることぐらい、大した問題ではないと思うけど、こちらも待ち合わせには適さないことを永遠と言い続けようか? 車を担いで待ち合わせるのは不可能だとか」と、極端なことを言います。するとAはハッとして、事務所で待ち合わせることになったのです。

自分は何も悪いことをしていないのに、運が悪いとか周りの人間が悪いやつばかりだと、Aはいつも言います。ですが実のところ、A自身が解決策を考えるどころか、悪いところを探し出して、あげつらっている日々なのです。

どんなことにも良い点と悪い点があります。悪い点ばかりを見続ける、改善させないように立ち振る舞う、苦しさをかなり抱え込む―。大変な人生を選択している彼に、同情の念を抱かずにはいられないのですが、改善策をアドバイスすることは彼のストレスを大きくしてしまいます。

それにAは、耐えられないほどの苦痛を感じて反発するだけなので、苦しみを重ね続ける彼を遠くで見守るしか手はないのだと、自分に言い聞かせる今日この頃です。(精神保健福祉士)

住むのに便利な街《遊民通信》82

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【コラム・田口哲郎】

前略

先日、「徹子の部屋」に阿川佐和子さんが出ていて、おもしろい話をしていました。阿川さんは終(つい)の住処(すみか)になるだろう我が家を探すのに、海が見えるところに住みたいと思ったそう。海が見える家にずっと憧れを持っていたのがその理由です。

最初は瀬戸内海沿岸の尾道あたりを考えたけれども、東京での仕事が多く、通うのが不便なので断念。次に東京近郊の湘南はどうかと年上のお友達に相談したら、湘南は東京都心まで距離があるし、海辺は生活利便施設があまりないところが多いので、生活が不便になるから止めた方がよいと言われたそうです。

「海なら年に数回見に行けばよいじゃないか」と言われたらしい。そして結局、都心の便利なところに住んでいるというオチでした。

これを見て、なるほど海辺や森の中の家に憧れるけれども、景観がよいのは心を和ませてくれても、生活するのに直接的便利さは提供してはくれないー。改めて考えさせられる言葉でした。

県南で住むのに便利な街は?

私は常々、茨城県南には筑波山や霞ケ浦を始めとして風光明媚(めいび)な場所はたくさんあるのに、特に霞ケ浦はいまいち観光地としてパッケージ化がされていないように思っていました。京都の宇治みたいな楽園感があまりないような気がするのです。

でも、よく考えると、宇治の観光地のど真ん中にスーパーマーケットやホームセンターはないです。行くたびに、こんなところに住みたいと願うのですが、実際に住むとなると不便さが出てくるのかもしれませんね。

そういう意味で、筑波山や霞ケ浦の周辺は鉄道駅から離れていたりして少し不便ですので、逆に観光地としての可能性は大いにあると考えてもよいんじゃないでしょうか。

ところで、生活利便施設があるといっても、それが点在していると、結局、自動車に乗らなければならなくなったりと不便さがあったりします。駅前にスーパーマーケット、ホームセンター、家電量販店などが集中しているところが、生活に便利な街ということになるでしょう。

すると、県南地域で思いつくのはTXの研究学園駅です。さらに、JR常磐線のひたち野うしく駅周辺も隠れた便利エリアになっています。関東広しといえども、これほど便利な街はそうそうないと思います。

コロナ禍が収まり、東京への集中の傾向が出てきた昨今、郊外の駅チカの便利な街がますますにぎわうかもしれませんね。ごきげんよう。

草々

(散歩好きの文明批評家)

納税怠り過去5年分の消費税13万円を納付 まつりつくば大会本部

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つくば市役所

つくば市は8日、市観光推進課が事務局を務める「まつりつくば大会本部」(本部長・五十嵐立青つくば市長)が、消費税を納めなければならない課税対象事業者であるにもかかわらず、納めていなかったことが分かったとして、過去5年間にさかのぼり消費税13万800円を同日、税務署に納付したと発表した。

内訳は、2018年度分の消費税6万3700円と19年度分の6万7100円で、協賛金や出店負担金など収入分の消費税から、各参加団体への助成金やテント設置の委託料など支出分の消費税を差し引いた額など。20、21、22年度の3年間はコロナ禍により、まつりを中止または規模縮小したため課税対象範囲外だった。

市観光推進課によると原因は、協賛金を消費税がかからない寄付金とみていたこと、収入の消費税より支出の消費税の方が多かったことなどから、消費税の課税対象事業者ではないと判断していたため。

その後22年4月、市スポーツ振興課が事務局を務める「つくばマラソン実行委員会」(実行委員長・五十嵐立青つくば市長)が、課税対象事業者であるにもかかわらず消費税と源泉所得税を納めていなかったことが判明し税務署に納税(22年4月18日付)する事案があった。同様の事例について市役所内で調査を実施し、まつりつくば大会本部の税務処理について土浦税務署に資料を提出し協議したところ、同大会本部が消費税の課税対象事業者であることが分かったとしている。その際、協賛金については、パンフレット等に協賛事業者名が記載されることなどから、寄付金ではなく、消費税がかかる広告費であるなどと指摘があったとしている。

一方、消費税の延滞税と無申告加算税、まつり関係者への謝礼に対する源泉所得税などについては税務署と引き続き協議を実施している。法人税については、みなし法人扱いとなるが、まつり自体が収益事業ではないため課税対象外という。

再発防止策として市は「税務署からの指摘事項について庁内で周知徹底を図り、税務法令を遵守すると共に、適正な事務処理と再発防止に努めます」としている。市総務課によると、調査の結果、納税を怠った事例はつくばマラソンとまつりつくば以外にはないとしている。

県立中学入試から、学びを考える《竹林亭日乗》13

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立春の筑波山(写真は筆者)

【コラム・片岡英明】1月6日の県立中入試で、定員920人に2393人が応募した。これは2023年度の県内小学6年生2万3442人の10.2%になり、10人に1人が県立中を受験したことになる。今まで受験といえば高校入試だったが、最近は小学生の中学受験が増えている。

学ぶ力をつけるのは、生徒も含め私たちの一生のテーマであり、学びたいときがスタートだ。しかし、中学受験について保護者の話を聞くと、どうしても塾が話題になる。そういった一方向の流れに疑問を感じながら、中学受験を意識した生徒の学びも応援する、一生モノの「学びの大河」を提起できないかと悩んでいる。

中学入試も貫く「読む力」

県立中試験は、①長い問題文を読む力、②複数の図表から設問と関係する部分を柔らかく読む力、③問い-意見-理由-説明の記述を意識した設問の意図を読む力―を重視している。

2024年の適性検査1は全13ページで算数と理科。問題数は29問、回答時間は45分で、90秒で1問を解く必要がある。算数の問題1は本文13行と図の次にあり、短時間で「問いは何か」「どう解くか」の2 ステップで読み解く必要がある。

長文化が指摘される共通テストも、県立中の問題でも、長い文章を正確に速く読むには、文章の型を学び、先を予想する力が要となる。それには、教科書・新聞・本などを主体的に読むための基本となる「3つの読み」が有効である。

情報読み、読解、対話読み

1.情報読み=何が書いてあるか? 文章をキーワードや段落を意識して必要な情報を効率的に探す。設問と関係がある文を探すのもこれだ。

県立中入試のように図表が多い問題は、マンガを読むように、株のディーラーように、こだわりのない緩い目の「並行読み」で対処する。でも、情報読みばかりでは当然疲れる。

2.読解=著者はなぜ書いたか? 情報読みで「あれっ」と立ち止まり、新聞の切り抜きをノートに貼る。そのときに、主体的な読解と学びの蓄積が始まる。効率や速さからwhyへの深化だ。

なぜ、この問題を出したか? その意図を考えると、情報読みが読解となる。問題作成者の意図を読み取る学習は、設問と関係する文を探す(正解に接近する)速さを上げ、正解率が高まる。試験で効率的に解答するにも、ゆっくりwhyと考える読解の学習段階が重要だ。

3.対話読み=「そうか?」と著者に問う。切り抜いた新聞記事をノートに貼ると、意見を書きたくなる。著者と自分との対話である。

小論ならば著者の結論や根拠に、物語では山場で主人公が行動で示した著者の思いについて、あれこれ耕す。対話読みとは、言葉がどんな場面で発せられたかを読み解き、自分の意見を著者にぶつけることだ。これを行って、初めて自分の読みが完結する。

読みから記述へ、始まりは読み

読みは、著者がどう書いたか、つまり「表現の工夫」に至る。そこから、読みが記述につながる。そして、記述は話すことに、話すことが聞くことにも広がっていく。始まりは読みである。

学びや中学受験を意識したら、以上の3つの読みを参考に、一生モノの「学びの大河」となる読む力をつけてほしい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

つくば、土浦、水戸にEVバス 19日から3台が運行 関東鉄道

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3台の新型EVバスと 関鉄バスの(左から)廣瀬貢司常務、所長の木村和矢さん、加瀬林幹治運転手。バスは(左から)つくば中央、土浦、水戸の各営業所に配置される

関東鉄道(本社土浦市、松上英一郎社長)は19日から、つくば中央、土浦、水戸の各営業所に新型の電気自動車(EV)バスをそれぞれ1台、計3台導入し、路線バスとして各地区で運行を開始すると発表した。昨年6月、守谷営業所に2台を導入したのに次いで、同社のEVバスは計5台となる。

定員80人の大型車で、フル充電した場合の運行距離は約240キロ。座席は26席あり、全座席にUSBの端末が付いている。床面はフラットで、障害者やベビーカーなどにも配慮した段差無く乗り降りできるノンステップバスとなっている。災害時には電源供給車としても使用できる。購入は国交省の補助金「訪日外国人旅行者周遊促進事業費補助金」を活用し、2分の1の補助を受けた。

運行路線は、つくば中央営業所(同市上横場)が市内循環と牛久、土浦、常総、取手、つくばみらい行き、土浦営業所(同市川口町)が市内循環と阿見、つくば、牛久行き、水戸営業所(同市住吉町)が市内循環と茨城町、小美玉市、石岡行きとなっている。各営業所1台がさまざまな路線を走行する。

EVバスは走行時に二酸化炭素や排気ガスを排出しない。エンジン音や振動などがほとんど感じられず、音が静かなのが特徴だ。車内にはカメラが配置され、運転席から客席がモニターできるようになっていて安全に配慮配備している。

EVバスの車内

3台のバスのデザインは昨年11月~今年1月にそれぞれの地域の観光をアピールしたものを公募し、社内で各1点を選考した。つくば営業所のバスは、EVの充電ケーブルをモチーフに、筑波山のシルエット、研究をイメージした六角形の幾何学模様、地球と太陽、宇宙を表現し、守谷市在住の税所(さしょ)早苗さんがデザインした。

土浦は、シンボルのオランダ風車や自転車、レンコン、ハスの花をちりばめ、牛久市在住の青木杏香さんがデザインした。水戸は、水戸黄門の着物の色を彷彿(ほうふつ)とさせるイエローに、水と緑の自然都市をイメージさせる青緑色の水玉模様と梅の花をちりばめた。流線は納豆の糸引きをイメージし、大阪府の小林咲希さんのデザインを採用した。

関東鉄道の廣瀬貢司常務(57)は「現在全営業所で338台のバスが走っているが、今後EVバスはさらに増えていくだろうと思う。EVバスの導入は、当社グループの経営理念や行動指針に基づいたもので、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて取り組みたい。SDGs の目標である『エネルギーをみんなに そしてクリーンに』『気候変動に具体的対策を』に貢献していくことを目指したい」と話している。

17日には「新型EVバスお披露目撮影会」を開催し、試乗したり撮影したりできるので、応募してほしいという。(榎田智司)

◆記念イベント「新型 EV バスお披露目撮影会」は2月17日(土)開催。 集合は午前9時30分~10時、土浦駅東口。行程は午前10時、土浦駅東口を出発→水戸営業所→土浦営業所→つくば中央営業所を回って、午後4時つくばセンターに着く。荒天中止。募集人員40人、参加費7000円。①各営業所でEVバスと特徴ある車両を並べた撮影会②土浦営業所で新型EVバスに試乗③参加記念に限定バスグッズをプレゼントする。昼食付き。参加方法は、関鉄観光バス予約サイトで受け付ける。先着順。問い合わせは関鉄観光株式会社(電話0120-22-3725)へ。電話の受け付け時間は月曜~土曜日の午前9時~午後5時30分。

2058年に1億人割れ、日本の人口減少対策は?《ひょうたんの眼》65

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山茶花(さざんか)=写真は筆者

【コラム・高橋恵一】国立社会保障・人口問題研究所は、日本の人口が2050年には、現在より17%減の1億600万人になると予測した。2058年には1億人を割り込み、2100年には7500万人としている。

少子化が進めば、人口減少で働き手や消費者が減り生産力が低下して、経済全体を弱めると考え、人口減少を抑えることを最重要課題として、与党も野党も、メディアも子育て対策に夢中のようだ。岸田政権は、異次元の子育て対策を喧伝(けんでん)している。

子どもづくりを国策として奨励したのは太平洋戦争時代で、「産めよ、増やせよ」「軍国の母」などの掛け声とともに、「兵隊さん」を確保するためだったが、赤ん坊が兵士になるまで15年から20年を要するので、泥縄政策であり、効果は無かった。まして戦死を美化し、食糧確保もままならない戦時中に子育てをするなど、母親にとって納得できる国策では無かったであろう。

ある調査で、大学生の19%(女子は23.5%)が子どもを欲しくないと答え、経済面の不安や女性に育児負担が偏ると考えているとの結果が報告されている。非正規低賃金の若者には、子育てどころか、結婚もままならない。また、異常な受験競争でトリプル学習塾や勝利至上主義の部活に身を置く子どもたちの現状で、生まれる子供たちは自由と笑顔で成長できるのだろうか?

欧州の福祉国家を構築する経済政策

折しも、GDPがドイツに抜かれて世界第4位になり、日本の経済成長力が低下しつつあることが明らかになった。独の人口は8400万人、2070年に予想される日本の人口だ。日本が、失われた30年と言われ、個人消費が低迷している間に、独、英、仏、北欧諸国は、福祉国家を構築する経済政策で進み、30年の間に日本に差をつけた。

例えば、医療福祉サービスは、経済需要の大きな分野であり、賃金は、個人消費支出として循環するのだ。財源が公的部門から出れば、建設部門の公共事業と同じ機能を持つことになる。日本の低賃金政策が結局、GDPで独に抜かれた所以(ゆえん)なのだ。医療・介護従事者の賃金は政府が決められる。岸田総理は明日にも、望む賃上げを実現でき、人手不足を解消できるのだ。

人口減少は、少子化要因だけでなく、後期高齢に達した団塊の世代の今後20年ほどの急速減少も加わっていく。人口1億人なら、1億人分の需要に応じた供給力で対応すればよいだけだ。(地図好きの土浦人)

三村山不殺生界碑 つくば市有形文化財に指定

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つくば市有形文化財に指定された三村山不殺生界碑=同市小田

鎌倉時代の僧侶、忍性が寺域整備を裏付け

つくば市小田にある石造物「三村山不殺生界碑(みむらさんふせっしょうかいひ)」が市有形文化財に指定された。貧者やハンセン病患者など病人の救済に尽力した鎌倉時代の僧侶、忍性が、不殺生界を定めて寺域を整備したことを裏付ける重要な歴史的資料という。ほかに同市臼井にある弘法大師像など「立野大師堂石仏群・175軀(く)」が市独自の市地域文化財に認定された。

市有形文化財の指定は2004年7月以来約20年ぶり、84件目。市認定地域文化財は13年1月以来11年ぶりで、筑波山ガマの油売り口上に次いで2件目となる。いずれも市教育委員会が1日、指定及び認定した。

三村山不殺生界碑の拓本(つくば市提供)

三村山不殺生界碑は高さ1.5メートル、幅1.3メートル、厚さ0.13メートル。黒雲母片岩で造られた板碑で「建長五年 癸丑/三村山/不殺生界/九月十一日」という銘文が刻まれており、鎌倉時代中期の1253(建長5)年に製作されたものだとわかる。現在小田にあるが、もともと宝篋山の山麓にあり、運搬されてきたと推測されている。現在は雨除けの屋根が架けられているが、風雨による経年劣化により表面がはがれやすくなっており、銘文の文字もかなり薄くなっている。現在は個人が所有している。

西大寺(奈良市、真言律宗)の僧侶だった忍性は鎌倉時代、布教活動のため関東に行き、宝篋山の南麓、三村山極楽寺を1252年に律宗に改めた。さらに小田氏の保護を得て整備、拡張するなど、同寺を関東の布教の拠点として整備していく過程が分かる資料という。

年号の刻まれた石造物としては市内最古。三村山極楽寺に関わる石造物は県やつくば市、土浦市が指定するものがすでに多くある。今回は他の石造物と比較しても歴史的な重要性は遜色ないという。

市教育局文化財課の石橋充課長は「最初、つくば市のボランティアグループから報告があり、文化財として指定してほしいという依頼だった。市で調査し、大変貴重なものだと分かった。今後は劣化を防ぐために覆いを作るなど支援していきたい」と語った。

市認定地域文化財に立野大師堂石仏群

立野太子堂入り口正面の石仏群=同市臼井(同)

立野大師堂石仏群はつくば市臼井、立野地区の大師堂に納められ、江戸時代後期から明治時代の弘法大師像87体、如来・菩薩・明王像88体で構成されている。

伝承では、江戸後期の1832(天保3年)、地区に住む皆川重兵衛が、四国八十八ケ所霊場の霊山寺から持ち帰った土で土地を清めて弘法大師像を安置したことに始まり、地域の大師講の信仰対象になったとされる。1913(大正2)年には、筑波山南麓に「新四国八十八ケ所弘法大師尊霊場」がつくられて巡拝経路が整備され、大師像は分散配置されていたが、その後、大師堂に収められることになった。

江戸時代後期から大正時代にかけて製作された大師講に関わる石仏群で、 地域の信仰の歴史を物語る資料であり、現在に至る経緯も明らかであること。さらに、堂内に多数の石仏が整然と並んでいる状況は市内でも珍しく、現在でも地区住民で大切に管理されていることなどが認定の理由。

現在、大師堂と石仏は立野区会が所管し、市道から立野児童館や蔵王神社に向かう途中にあるトタン作りの小屋に保管されている。地元住民で構成される「橘会」のメンバーが、弘法大師の月命日である21日に集まり、石仏の袈裟(けさ)を作るなどの行事や、維持管理を行っている。

立野大師堂の外観

立野区会では、石仏群が持つ地区の歴史を示す文化財としての重要性が広く知られ、次世代に継承されていくことを期待しており、同地区に住む菊地武司(69)さんは「大師堂は地域の6~7人が一生懸命守っている。地元の人でも由来など知らない人も多い。市の認定を受けたことで、整備管理など地区全体で関わっていかなければならないのではないか」と話していた。

市指定文化財は、補助金などの支援により特に貴重なものを保護していくもので、現状を変更することは規制される。市認定地域文化財は市独自の制度で、幅広い物件を文化財とし保存や活用を促進していこうというもの。補助金の支援はないが規制は緩やかになっている。(榎田智司)

つくば、土浦で雪やみぞれ 登校は2時間繰り下げ

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登校前に近所の公園でそり遊びをする子供たち=6日午前9時20分ごろ、みどりの中央公園

5日から6日にかけて南岸低気圧が本州の南を通過した影響で、つくば、土浦でも雪やみぞれが降り、両市の小中学校、義務教育学校は6日朝、登校時間を2時間繰り下げた。

気象観測地点のつくば市館野と土浦市ではいずれも積雪は記録されなかった。

つくば市消防本部によると同市内では6日午前11時までに、雪の影響により転倒したなどの救急搬送が2件あった。土浦市内では雪の影響による救急搬送は無かった。

つくば市南部、TXみどりの駅近くのみどりの中央公園では6日午前9時過ぎ、芝生に5センチほど雪が積もり、登校前に子供たちがそりで斜面を滑り降りるなどして遊ぶ姿が見られた。近所の家族と一緒に子供たちを連れて遊びに来た、近くに住む会社員男性(38)は「自宅にそりがあってなかなか使う機会が無かったが、雪が積もったので遊びに来た。子供が喜んでいてうれしい」と話し、小学1年の女子児童は「楽しい」と話していた。

雪化粧した筑波山。山頂付近は霧がかかっている=6日午前7時30分ごろ、つくば市臼井から撮影

つくば市北部の筑波山は6日朝7時30分ごろ、5合目より上が白く雪化粧した姿が見られた。この冬の筑波山の積雪は1月14日以来、2回目。一方、山麓の臼井地域では5日夜の雪はみぞれから雨に変わり、積雪はなかった。(鈴木宏子、榎田智司)

【7日追加】雪が止み、快晴となった7日朝は放射冷却で冷え、青空をバックに美しい筑波山が姿を見せた。

雪化粧した筑波山。7日午前9時、つくば市臼井で撮影



台湾・総統選挙と立法院選挙《雑記録》56

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プリムラ・ジュリアン(写真は筆者)

【コラム・瀧田薫】1月13日、台湾総統選挙の投開票が実施された。選挙前、中国の習近平国家主席が台湾侵攻に踏み切るレッドラインは「台湾の独立」にあるとの見方が流布されていたため、次期台湾総統に誰がなるのか、世界の関心が集まっていた。

選挙の結果、親米派の与党(民進党)賴清徳候補が得票率40.05%を獲得して次期総統に当選した。中国政府が期待していた親中派の野党(国民党)侯友誼候補は得票率33.49%で敗れた。第三勢力として無党派層や若い世代から支持された柯文哲候補(民衆党)は得票率26.46%と健闘した。

一方、同時に実施された立法院(国会)選挙(定数113)においては、与党・民進党が過半数を割り込み51議席で第2党に転落し、野党・国民党は議席を増やして第1党になったが、過半数を獲得できず、52議席にとどまった。

この結果、8議席を獲得した民衆党がキャスティングボートを握ることになった。与党・民進党の過去8年間の統治が「対中関係の悪化」とそれに伴う経済の不調さらに経済格差をもたらしたとの批判・不満が若者世代と無党派層にあり、これが民衆党への支持につながったようだ。

与党が議会の過半数を失ったため、賴次期総統の政権運営は困難を極めるだろう。頼氏は民衆党との連立工作を急ぐが、柯氏がこれに素直に応じるとは思えない。

選挙戦中、柯氏は「民進党と国民党による旧来の2大政党制を打破しよう」と訴えた。選挙後の記者会見では「他党と協力はするが、個々の法案、政策には是々非々で臨む」と述べ、台中関係では「対話を望むが、重要なのは台湾の民主主義と生活を守ることだ」とし、その上で「候補者中、米中双方に受け入れられるのは私だけだ」と強調した。(世界日報、1月13日付)

米中・台中関係 日本の役割は大

ちなみに、柯氏の発言がそのまま今回の選挙の総括になっている。つまり、台湾の有権者は、米中対立の狭間(はざま)にあって、台湾の現状維持策を選択するバランス感覚を示すと同時に、旧態依然の2大政党制に楔(くさび)を入れ、民主主義の堅持と経済格差の解消を望んだのである。現総統・蔡英文氏を継承すると宣言した頼氏を次期総統に選びはしたが、頼氏の台湾独立志向は支持しない意思を立法院選挙(ねじれ国会)で示したと言えよう。

野党・侯友誼氏の対中融和姿勢については、有権者の間に、香港の二の舞になりかねないとの警戒心があった。実際、有権者は外部からの選挙干渉に強い拒否反応を示し、中国政府による侯候補への後押しは、結果として侯氏の足を引っ張ることとなった。

中国政府は台湾の民意に失望し、台湾に対する経済、軍事両面の圧力を強化する姿勢だが、早晩、民進党との対話を模索せざるを得なくなるだろう。米国のバイデン大統領は頼氏に対し、台湾の独立は支持しない旨のメッセージを届けた。日本政府も祝意を届けたが、政府よりも超党派の議員連盟「日華議員懇談会」の方が精力的に動いた。

1972年の日中国交正常化以降、議員外交そして民間外交が日台関係の推進軸となってきた。こうした努力あってのことだろう、台湾政府に限らず国民党も民衆党も日本を信頼し、米中関係そして台中関係において日本が果たす役割に期待している。台湾有事を未然に防ぐため、日本政府は米中間の仲介役を果たさねばならない。日本外交の真価が問われることになる。(茨城キリスト教大学名誉教授)

ロボッツ今季4勝目 最多入場者数も更新

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Bリーグキャリアハイの32得点を上げ、MVPに選ばれた茨城ロボッツのオブライアント(青いユニフォーム)

男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の茨城ロボッツは3、4日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナでサンロッカーズ渋谷と対戦し、3日は69-74で敗れたが、4日は78-77で雪辱を果たした。茨城の通算成績は4勝32敗で東地区8位。4日の入場者数は5147人でクラブ史上最多を更新した。

2023-24 B1リーグ戦(2月4日、アダストリアみとアリーナ)
茨城ロボッツ 78-77 サンロッカーズ渋谷
茨城|17|20|22|19|=78
渋谷|20|23|18|16|=77

前季までの粘り強さを取り戻した茨城が、両日とも接戦を繰り広げた。3日は試合終了直前で1点差に詰め寄ったものの、残り7秒からフリースロー4本を決められ敗れた。しかし4日は、終盤の相手の追い上げをかわし、わずか1点差の勝利をつかみ取った。

14得点を挙げた平尾充庸

前半を6点ビハインドで折り返した茨城は、後半に流れをつかみ、第3クオーター(Q)半ばに一時逆転。その後も僅差で相手を追い続け、第4Q残り4分45秒で2度目の逆転。ここからはリードを保って終盤に突入していった。

だが残り1分40秒から渋谷が反撃を開始。ホーキンソンのバスケットカウントとクレモンズの3点シュートで、最大7点あった茨城のリードは、残り56秒の時点でわずか1点に。ここから茨城は守備のスペシャリストでもある鶴巻啓太を入れて逃げ切りを図る。残り22秒から渋谷は4度のシュートチャンスを迎えるが、ゴール下の厳しい競り合いから4度とも決めることができず、最後は鶴巻がリバウンドを収めてタイムアップ。超満員のスタジアムが喜びに湧きかえった。

鶴巻は守備だけでなく得点でも貢献

勝利の殊勲者は、32得点11リバウンドを挙げたジョニー・オブライアント。前半はインサイドから多くのチャンスを作り、相手がダブルチームで止めに来るようになると、アウトサイドへ出て3点シュートやドライブも使いながら自在に攻撃。特に第4Qの13得点は圧巻だった。

「相手がスモールラインナップの時や疲れている時は、アグレッシブにインサイドにアタックしようと思っていて、チームメイトも自分を見付けてパスを出してくれた。リバウンドも自分を含めチーム全員で頑張ることができた。本当に素晴らしい勝利だった」とオブライアント。今季途中加入し、12月から試合に出始めたばかり。「Bリーグやチームに慣れるのに苦労したが、時間が解決してくれる。毎試合、今日のようにできたらいい」と、自身の今季一番の出来を喜んだ。

5試合ぶりの勝利をかみしめる茨城の選手たち

リチャード・グレスマンヘッドコーチは「タフでハイレベルな試合だったが、選手たちが勝利に値するプレーをし、5000人以上のファンの方たちに勝利を届けることができた。すごくうれしい。昨季のロボッツのようなファイティングスピリットが戻ってきており、これを続けて出せるよう継続していきたい」と、チームの復調に手応えを感じていることを語った。(池田充雄)

土浦博物館と市民の郷土史論争に市長が回答《吾妻カガミ》176

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本堂清さんと土浦市立博物館

【コラム・坂本栄】土浦市立博物館から郷土史論争を拒否された市民が市の広聴窓口に質問状を送ったところ、市は博物館が執筆した反論文を同封した市長名の回答書をまとめ、同市民に郵送してきました。博物館はこの郷土史家をクレーマー(常習苦情者)扱いにして論争を拒んでいましたが、博物館を監督する市長が代わりに回答したことで、市の論争拒否姿勢は改められたことになります。

郷土史家をクレーマー視した博物館

この問題については本コラムでも何度か取り上げました。経緯、争点、私の疑問などについては下の青字部をクリックしてご覧ください。

▽論争を挑む本堂氏⇒博物館が論争拒否通告:158「…博物館が郷土史論争を拒絶!

▽本堂氏をクレーマー扱いする市⇒論点整理:159「…論争拒否…土浦市法務が助言

▽教育委担当課の論争封殺の動き⇒私の提案:163「…拒否…市民の研究者が猛反発

経緯はこういうことです。元市職員の本堂清氏が博物館の郷土史解釈に疑問を持ち、糸賀茂男館長や学芸員に何度も会って回答を求めたところ、A4版3ページの回答(23年1月30日付)が送られてきて、末尾に「…これ以上のご質問はご容赦ください。…今後は口頭・文書などいかなる形式においても、博物館は一切回答致しません…」と書かれていました。

主な争点はこういうことです。▼本堂氏:筑波山系の市北部は古くから「山の荘」と呼ばれていたvs.▼博物館:そう呼ばれるようになったのは中世以降である、▼博物館:「山の荘」は桜川南側の現つくば市北部にあった「方穂荘(かたほのしょう)」の一部だったvs.▼本堂氏:いや、「方穂荘」は桜川北側の「山の荘」までは延びていない。

市長は論争拒否を事実上取り下げ

本堂氏は3ページの回答に納得せず、市の広聴窓口「こんにちは市長さん」経由で、市長に「再検討要請」(同8月30日付)と「回答への反論」(同9月27日付)を提出しました。最初のパラグラフで触れた市長の回答(A4版1ページ、同12月14日付)は、本堂氏の要請と反論に応えたものです。

市長回答には「…現段階においては、従前と同様の質問については(博物館の)これまでの見解と相違はないため、前回以上の回答は難しいとのことです。別添1・2の2部は私が受けた報告ではございますが、ご参考までに同封させていただきます」と記載され、博物館による「市長へのご報告①」(A4版43ページ、1月回答の詳述版)と「市長へのご報告②」(同28ページ、反論への反論)が添付されていました。

広聴窓口に寄せられた市政への疑問には答えなければなりませんから、市長はA4版1ページで回答したわけです。それに、博物館が「今後…回答致しません」と通告した手前、市長が代わりに回答するという体裁を取り、博物館が作成した全71ページの報告書が添付されました。ということは、市としては論争拒否を事実上取り下げたことを意味します。

特別展「本堂vs.糸賀論争」を期待

論争拒否絡みでは、博物館に通じるルートが市役所にできました。しかし郷土史解釈では、本堂氏も博物館も相手の主張を認めていません。本堂氏は「屁理屈はこれまでと同じ。論点をズラしている箇所もある」と言っており、今回切り開いた「こんにちは市長さん」チャネルを使って博物館との論争を続けるそうです。

館長が率いる学芸員団と郷土史に詳しい研究者によるこの論争、いずれも自説を譲らず、どうやら平行線の状態が続きそうです。この際、博物館が特別展「本堂vs.糸賀論争」を企画し、争点を公開するも面白いと思います。また、館長と学芸員は研究室にこもらず、市民と議論する「サロン」を館内に設けたらどうでしょうか。(経済ジャーナリスト)

<参考>

土浦市長の回答書(23年12月14日付)

市立博物館の解答書(23年1月30日付)

名工が作った貴重な人形も展示 「土浦のひなまつり」始まる

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江戸から明治の名工、3代目仲秀英作のひな人形=土浦まちかど蔵「大徳」

江戸時代の建物が残る土浦市中央、中城通りを中心に、江戸から平成のひな人形や、手作りのつるし雛を飾る「土浦の雛まつり」が4日から始まった。市内100カ所の店や公共施設が1カ月間、雛まつりの飾り付けをして街を華やかに彩る。

中城通りにある土浦まちかど蔵「大徳」の蔵には江戸末期から明治の名工、3代目仲秀英(なか・しゅうえい)が作った貴重なひな人形を展示している。今年で19回目の開催となり、会期は3月3日まで。

商家に伝わり長く土蔵で保管

江戸時代後期に建てられた呉服屋を改装した「大徳」は、土浦の観光案内の拠点。登録有形文化財になっており、江戸の情緒を伝えている。仲秀英が作った貴重なひな人形は「大徳」の袖蔵に展示されている。土浦市観光協会の浅川善信さんは「土浦の商家に伝わっていたもので、埼玉の学芸員の方の指摘で名作と分かった。長く土蔵で保管されていたため、保存状態が良かった」と話す。展示する時以外は今も土蔵で大切に保管しているという。

1階にも飾り付け

例年は「大徳」の2階にたくさんの飾り付けをしていたが、階段を上るのが困難な来場者のため、今年は1階にも多く飾り付けをする配慮をした。1階にはえとをモチーフにした七段飾りのひな人形が展示され、辰(たつ)年にちなんで辰のお内裏様とおひな様を飾っていた。2階に上る階段にも一段一段人形が飾ってあり、人形たちの繊細でユーモラスな表情を間近で楽しむことができる。

えとがモチーフの創作びな=同

期間中、市内に住む大学生が県外の友人を呼んでイベントを案内したり、親子3代で見に来たりする人もいるという。

グリーンスローモビリティが運行

会場となる中心市街地では「和」マークを付けた協賛店に和服で来店した人にサービスやプレゼントなどの特典を用意し、街全体でイベントを盛り上げる。また会場の4カ所に設置した看板に書いてあるクイズに答えて応募すると、全問正解者の中から抽選でプレゼントが当たるクイズラリーも開催される。応募用紙、応募箱は、土浦まちかど蔵「大徳」と観光情報物産センターきらら館(土浦市役所本庁舎1階)に設置する。土日には臨時駐車場3カ所を無料開放するほか、期間中の土日、祝日には、市立博物館と雛まつり会場を結ぶ移動手段として、電気自動車バスのグリーンスローモビリティを運行する。(田中めぐみ)

街角に建つ洋館の秘密 ある大物の事務所《看取り医者は見た!》12

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写真は筆者

【コラム・平野国美】私の町歩きのテーマとして洋館探しは大切なものです。全国各地には歴史的建造物が多数あります。東京駅や岩崎邸クラスもありますが、私の好きなのは、商店建築、個人宅、医院建築、理容店など、意外と知られていない街角の洋館です。

なぜ、このタイプの洋館が好きになったのか? 18年前の訪問診療のおかげなのです。個人宅なので場所は明かせませんが、ある日、新患の依頼を受け、車のナビを合わせました。到着した場所に、上の写真の建物がありました。

外観からは古さを感じなかったのですが、玄関に入ると、歴史を感じさせる佇(たたず)まいでした。患者さんがいる2階へと、木造の手摺(す)りが付いた階段を上ります。窓はサッシでないことから、古いものであることがわかりました。患者さんは2階に寝ていました。

診察終了後、寄り添う御家族に「この洋館は何でしょうか?」と、微妙な質問をしてみました。出てきた答えは「政治家の〇〇先生の個人事務所だったそうです」。そう、持ち主は変わっていたのです。診療事務所に戻り、パソコンでこの名前を検索し、少し興奮してきました。

華やかさの裏に何かある?

明治19年の生まれの〇〇先生は、旧制中学を土浦→下妻→水海道と渡り歩き、早稲田大学予科に入学。そこで、政治家を多く輩出する雄弁会に所属しました。早大政治経済学部政治学科卒業後、新聞記者を経て政治家となった謎が多い人物です。

近衛内閣で司法大臣などの要職に就いたものの、1941年に起きたゾルゲ事件(旧ソ連の対日スパイ事件)で取り調べを受け、戦後は公職追放となりました。近衛文麿、山本五十六、米内光政ら数多くの要人との手紙は、終戦後すぐに焼却されたそうです。この人物が、この洋館に君臨していた時代があったのです。

ウクライナと戦争をしているプーチン大統領がKGBに入りスパイを志した理由が、ゾルゲを主人公にした映画を見たことによると言われています。私は、ドラマや映画に出てくる洋館の華やかさの裏にある何かに興味があります。そういった建物がまだ街に眠っているのです。(訪問診療医師)

冬の北条市で豆まき つくば

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豆まきをする五十嵐立青つくば市長(壇上左から2人目)、青山大人衆院議員(同4人目)、北条街づくり振興会の坂井英幸会長(同5人目)

節分の3日、つくば市北部の北条商店街で「冬の北条市」が開催され、豆まきが実施された。旧筑波町の中心地だった同商店街の振興を目指す「北条街づくり振興会」(坂井英幸会長)が主催した。

200人ほどの住民らが集まり、同振興会の坂井会長、五十嵐立青つくば市長、青山大人衆院議員らが壇上に登り、掛け声とともに、豆や紅白の餅、菓子、景品などを投げた。坂井会長は「福は内 福は内、鬼は外 鬼は外」と2回繰り返し、最後に「福でもってぶっ止めろ」と言い、北条地区に伝わる豆まきの掛け声を子供たちに説明していた。

冬の北条市の様子

北条市は毎年、季節ごとに計画されており、2月は冬の北条市と呼ばれ、例年豆まきが行われている。今年は開催日と節分がちょうど重なった。コロナ禍は不定期で開催しており、冬の時期の開催は4年ぶりとなる。

北条市は2007年から行われ、県の事業「元気あきない人材育成事業」が元になっている。北条市など古い街並みの商店街を生かした振興会の取り組みは経産省の「新・がんばる商店街77選」に選ばれている。旧郵便局を利用したカフェ・ポステンや国指定重要文化財となった「矢中の杜」なども街並みを構成している。

3日は豆まきのほか、26業者と県立筑波高校の生徒らが参加し、商店街に露店やキッチンカーが並び、地元住民らの交流が盛んに行われた。

振興会会員として当初から北条市に関わる市内に住む会田直美さんは「もともとは商店街の調査事業として始まったが、北条マイクリーム(北条米を使ったアイスクリーム)の開発、古民家再生、蔵を使ったコンサートなどが行われてきて、現在のような定期的なイベントを持つようになった。北条市はTX開通、東日本大震災、北条竜巻、コロナ禍を経て少しずつ形を変えながら続いてきた。現在どこの街並みもコピーをしたように同じ形だが、古くからの商店街には個性がある。地域住民でないからこそ北条市の魅力を感じて、活動に参加している」と話していた。

次回開催は5月のGW期間中を予定している。(榎田智司)

AIを活用した授業を公開 つくばの義務教育学校

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生徒に操作方法を伝える、成田崚央教諭(右)=学園の森義務教育学校



つくば市立学園の森義務教育学校(つくば市学園の森)で2日、AI(人工知能)を活用した英語の授業と、対話型AIツールを利用した社会、国語の授業が公開された。AI活用教材は与えられたデータやパターンから新たなデータを生成する能力を持つ。つくば市では昨年7月から「チャットGPT」などの生成AIの活用を学ぶ授業を市内全48小中・義務教育学校の5年生以上を対象に、順次導入している。

今回公開されたのは8年生(中学2年)の英語のクラス。日頃から生徒同士で行なっている英語での対話を、1人1台用意されたパソコンを使いAIと対話を行った。15あるテーマから各生徒がそれぞれ一つを選ぶと、AIが質問を投げかけ、生徒が返答する形で会話を進めていく。

後半は、会話のレベルを上げてAIとディベートを行った。「夏vs冬」など5つのテーマに対して生徒は事前に2つの意見を用意し、対話を繰り返した。前半との違いは、AIに対して事前に、生徒の考えに否定的な意見を出すよう設定したこと。互いに反論し合うことで、より英語での議論を深める経験をした。年齢や性別など設定を変えることで、AIが使う言葉、選ぶ情報や意見が変化することも体験した。

英会話学習用AIと対話する生徒

担当の成田崚央教諭(25)は、AIの授業について「AIとしてよく挙げられるのが、英作文の添削や長文作成がある。知らない単語を教えてくれるなど、AIの便利さやメリットももちろん学んでもらいたいが、今回の一番の狙いは、相手を意識して会話をすることの大切さに気づいて欲しかった」とし、「英語力の向上にAIはいい。ただ会話には英語力だけではなく、表情やボディーランゲージなど言葉以外で伝えられる部分が大事だと思うので、そこは人を相手にして話すことが大事だと気づいてもらいたい。気持ちを読み取ることの大切さがある」と語った。

その上でAIのメリットを「自分のレベルに合わせた学習ができるところ。対人では、自分が知らないことを隠したがる生徒もいるが、対AIであれば隠す必要もないし、気にせず聞きたいことを聞ける」とし、「AIは自分のレベルに合わせて、わからないことを教えてくれる」と言う。ただし「改善の余地はかなりあると思う」と語った。

この日行われた8年生の他のクラスでの国語、6年生の社会では、NPOみんなのコード(東京都港区)が開発した学校向け対話型AIツール「みんなで生成AIコース」を用いた授業が公開された。それぞれ、4、5人が一つのグループになり、設けられたテーマについてパソコンで生成AIを利用し、情報収集や、議論のまとめなどに活用した。出された意見は、生徒たちのものとAIによるものを色分けして識別できるようにし、一定程度意見が出されると、教師の呼びかけでAIを閉じ、生徒同士で話し合うよう促された。

公開授業の様子

適切な活用やルール化へ 文科省

生成AIが急速に普及する中、文部科学省は昨年7月「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を公表した。試験的にAIを授業で活用する「生成AIパイロット校」として昨年12月までに全国37自治体から52校 を指定した。県内ではつくば市の4校(並木中、みどりの学園義務教育学校、学園の森義務教育学校、秀峰筑波義務教育学校)と、県立竜ケ崎一高が選ばれている。

同省によると、情報活用能力の育成という意味から、生成AIへの理解や活用、使いこなすための意識を育てることは重要であるとする一方で、生成AIは発展途上であり、個⼈情報の流出、著作権侵害、偽情報の拡散リスクもあることから、現時点では活⽤が有効な場⾯を検証しつつ、「限定的な利用から始めることが適切」であるとしている。

感性、独創性、感想の場面は「不適切」

さらに⽣成AIによる⽣成物をそのまま⾃⼰の成果物としてコンクールに応募すること、⼦どもの感性や独創性を発揮させる、感想を求めるなどの場面で安易に使わせることなどを、「不適切な使い方」であるとして、今後は、関連機関や企業と連携をとりながら、教育現場での適切な活用やルール化に関する知見を蓄積し、生成AIを学校教育の改善に生かしていく考えだとしている。(柴田大輔)

桜川市真壁のひなまつり《日本一の湖のほとりにある街の話》20

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イラストは筆者

【コラム・若田部哲】茨城県唯一の重要伝統的建造物群保存地域である桜川市真壁地区。この歴史ある街並みで開催される「真壁のひなまつり」は、2003年より地域有志によって行われ、24年で第20回目を迎えます。今回はこのおまつりについて、第1回開催時からの有志の一人、柳田隆さんにお話を伺いました。

現在では6万人もの観光客が訪れる、桜川市の一大行事となったこのおまつりですが、そのスタートは地元住民の素朴な話し合いから生まれたものだそうです。02年に登録文化財の数が10軒ほどとなり、春や秋に地域を散策する観光客が以前より増えると、わざわざ足を運んでくれる人たちを、何かおもてなしすることはできないだろうか、という声が自然に上がり始めました。

そんな折、たまたま立ち寄った山形県で、家々におひなさまを飾り、訪れる人たちに見てもらっている光景を柳田さんは目にします。「古いお雛(ひな)様が、真壁でも家から出てくるのではないか?」そう考え、真壁に帰りすぐ皆でおひなさまを探すと、昭和や大正のものだけでなく、江戸時代のものまで見つかったそうです。

「おもてなし」の心を第一に

そうして、見世蔵や土蔵・石蔵・塗屋といった伝統的な建物の中を、様々な時代の個性豊かなおひなさまが彩った、和の風情あふれる第1回目のおまつりが始まりました。街を訪れる人達が喜ぶ様子を見て途中から参加する家も現れ、スタート時に21軒だった参加会場は最終的には43軒まで増加。当初用意していた案内図の内容が、日を追うごとにどんどん変わっていったそうです。

また開催にあたり、ただおひなさまを並べて見てもらうだけのものにせず、「おもてなし」の心を第一に、おひなさまを通じ、地域を訪れた方とのコミュニケーションを心掛けたそうです。おひなさまと伝統的町並みが織りなす風情や、地域の人達とのあたたかな交流は好評を博し、回を重ねるごとに参加する家は増えました。東日本大震災や新型コロナウイルスの感染拡大といった試練を乗り越え、20回目となる24年の開催では127軒の家々が参加予定です。

高齢化などにより、最盛期より参加する軒数は減っているものの、地域にとっては地元再発見と愛着形成の機会となり、観光客には真壁の良さを感じてもらえるこのおまつりを、大切に続けていきたいと柳田さんは穏やかに語ってくださいました。開催は毎年2月4日から3月3日まで。伝統的な日本の風情とおもてなしの心を味わいに、ぜひお出かけください。(土浦市職員)

<注> 本コラムは「周長」日本一の湖、霞ケ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。

→これまで紹介した場所はこちら

牛久沼望む泊崎大師堂に投句ポスト つくばの俳句講師ら設置

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牛久沼を一望する泊崎大師堂に設置された投句ポストを案内する大師堂保存会代表で「結の会」の片野晃一代表

句詠み投函して

牛久沼を一望するつくば市南端の同市泊崎(はっさき)、泊崎大師堂に昨年12月、俳句や短歌、川柳などを詠んで、その場で誰でも投函できる投句ポストが設置された。県俳句協会会員で同市茎崎地区で長年、俳句講座の講師を務めてきた同市高見原、印南美都さん(89)と、教え子、知人らでつくる「結の会」(片野晃一代表)が設置した。

境内に設置された投句ポストには、俳句、短歌、川柳などを書く用紙が置かれ、季語の一部が紹介されている。高さ80センチほどの筆記台と筆記用具があり、作った句をその場でメールボックスに投函できるようになっている。投函された句は結の会が毎月回収し、印南さんらメンバーが年4回添削し講評するなどして本人に返却する。送料などは結の会が負担する。

泊崎大師堂からの望む牛久沼

印南さんは龍ケ崎市出身。60年ほど前、教員の夫と旧茎崎町(つくば市)に転居し、1994年から2020年まで茎崎地区の句会「茎立(くぐたち)句会」の講師を務めた。つくばや龍ケ崎市の小学校に出向いて授業で俳句を教えたこともある。俳句をたしなむ傍ら、33年間、民生委員を務めた。

季語の情景がある

投句ポストの設置は20年以上前、印南さんが山形県米沢市内の神社を訪れた際、投句ポストが設置されており投句したのがきっかけ。俳句サークルが活発に活動する茎崎に投句ポストをつくりたいという思いはその後、心の中にしまったままだったが、1年ほど前、教え子の一人が泊崎大師堂をテーマにした俳句を作ったことがきっかけで「(俳句ポストを設置したいという)埋火(うずめび)が噴き出してきた」と話す。

さっそく大師堂の清掃や草刈りなどの管理をしている地元の大師堂保存会代表で県川柳協会会長の片野晃一さん(76)に設置を打診。了承を得て、投句ポストを運営する「結の会」を結成し、設置した。

泊崎大師堂は、空海(弘法大師)が806~810年ごろ、この地を訪れ護摩の修行を修めたと言い伝えがある場所に建てられたとされる。大師堂から一望できる牛久沼は、画家の小川芋銭、俳人の高浜虚子、水原秋桜子らが俳句を詠み、牛久沼の眺めは茨城百景の一つになっている。

泊崎大師堂

印南さんは「牛久沼は今も豊かな自然が残り、季語の情景があり、春夏秋冬どんな日でも句材がある隠れた名所。言い伝えや伝説も数多く残る」と魅力を語り、投句を呼び掛ける。さらに「子供たちが牛久沼の景色を見て、俳句を考えて、表現することを通して、子供たちの情緒を育てる役に立てれば」という。(鈴木宏子)

牛久沼を詠んだ句

五月雨や月夜に似たる沼明り  小川芋銭
牛久沼浮田の田植えせずにあり 高浜虚子
牛久沼あふれてせはし晩稲刈  水原秋桜子

(俳人協会発行の「茨城吟行案内」より引用)

◆投函した句が本人に返却されるためには氏名、住所を用紙に記載することが必要。

裕次郎の幽霊と意外と残らなくなってしまったもの《ことばのおはなし》66

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写真は筆者

【コラム・山口絹記】先日、ご高齢の知り合いにカセットテープの音源をデジタル化する作業を依頼された。イベントでBGMを流したいのだが、流したい音源がカセットテープしかなく、プレーヤーが壊れてしまったらしいのだ。

どうしたものか。たしか我が家のどこかにSONYのポータブルカセットプレーヤーがあった気がする。それをMP3の録音機器につなげば…と押し入れをガサガサあさっていて、ふと気づく。プレーヤーが見つかったらそのまま使えばいいじゃないか。

なんだかアホらしくなってしまい、座り込んで託されたカセットテープのケースを開けてみた。

「途中裕次郎の声がダブってますが、幽霊ではありませんので気にしないで下さい」と書かれていた。カセットテープにはありがちなことである。しかしイベントで流すのにあたり、気にしないのはいささか難しいのではなかろうか。

試しにケースの裏側に書かれていた曲リストをネットで検索してみると、音源CDが中古で売られているのが見つかった。送料の方が高くつくが全部で500円。迷わず購入した。

依頼主に事情を話してCDを渡すと、「コレでカセットテープは用なしかしらね」と言われ、私は思わず「とっておいてもいいんじゃないですか」と答えた。意外そうな顔をされる。

日頃から私が、お願いされてもないのにスマホの使い方を教えたりしていたものだから、いわゆる“デジタル派”な人間だと思われていたのだろう。私自身、答えながらなぜあんなことを言ったのだろうと思ったのだから仕方ない。

カセットという記録媒体の懐の深さ

後々考えていて思い出したことがある。実家の祖父の部屋でカセットテープを見つけたことがあって、ふと再生してみると、布施明の歌声が流れてきたのだ。祖母が布施明が好きだったので、祖父が録音してあげたのかもしれない。

そのまま再生していると突然、ワイワイと複数人の会話が流れ始めた。私には誰の声だかわからず、母に聞かせてみると、「ああ、これお父さんの声よ、あとお隣のおばちゃんかしら。お母さんもいるわね」と、懐かしそうに聞き入っていた。

なぜ何でもない会話が録音されていたのかはわからないが、私はその時、当時のカセットテープという記録媒体の懐の深さを感じたのだ。なんでも気軽に記録に残せる時代になったようで、意外と残らなくなってしまったものも多いのかもしれないな、と思ったりする今日この頃である。(言語研究者)

高校生に通学支援など つくば市新年度予算案 過去最大を6年連続更新

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新年度予算などを発表する五十嵐立青つくば市長=市役所

つくば市の五十嵐立青市長は1日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比3.0%増の1118億400万円、特別会計などを合わせた総額は同3.4%増の1763億8600万円で、いずれも6年連続で過去最大を更新した。主な新規事業として、人口増が続く同市に県立高校が少なく市外に通う生徒の通学費負担が大きいと指摘がある中、遠距離の高校に通う生徒に通学費の一部を支援する。

一般会計が3%(32億9400万円)増となり過去最大を更新した主な要因は、人事院勧告に伴って昨年12月議会で市職員らの給料や手当てなどを引き上げたことから人件費が同比7.7%(15億1900万円)増の212億円になったほか、民間保育園の増設や国の児童手当拡充により扶助費が8.1%(20億8200万円)増の278億6500万円となったことなどのため。

6000人に交付

主な事業の高校生の通学支援金は、公立、私立高を問わず、鉄道、バス、スクールバスなどで通学している高校生のうち、年間の定期代が計10万円以上の生徒に年3万円を交付し、6~10キロ以上離れた高校に自転車や原付バイクで通学する生徒に年1万円を交付する。新年度の予算額は約1億6100万円を計上し、約5000人に3万円、約1000人に1万円交付を想定している。つくば市在住の高校生は現在6000人程度で、市教育総務課によると平均通学距離は10キロほどという。県内では石岡、笠間、常陸太田市などが通学費補助を実施している。

児童生徒数の増加に伴う小中学校建設は、みどりの南小中学校が今年4月開校し学校建設のピークは超える。一方、24年度は新たに中根・金田台地区で小学校建設に着手する。建設費は24、25年度2カ年で計68億1600万円。みどりの駅北側の陣場地区などの人口増に対しては同地区3カ所目の学校の新設は実施せず、谷田部小学校に11教室などを増築するための設計費5200万円を計上する。増築校舎の完成は27年4月の予定。

不登校対策としては、小中学校の校内フリースクール設置校を現在の22校から全50校に増やし、3億500万円を計上して各校に専任職員と補助職員を配置などする。

スーパーシティの看板、ネット投票は実施せず

ほかに、スーパーシティの看板事業に掲げたインターネット投票は今年秋の市長選・市議選では実施せず、1300万円を計上して、投票箱を積んだワゴン車が障害者や高齢者の自宅前まで出向くオンデマンド型移動期日前投票を実施する。

昨年、環境省に選定された県内初の脱炭素先行地域づくり事業として、初年度となる24年に1億4000万円を計上し、大和ハウス工業が20街区プロジェクトに太陽光発電設備を設置するなど計5件の事業に着手する。

コミュニティバス「つくバス」は、運転手不足による2月からの減便に伴い、運行費などが23年度の3億7500万円から24年度は3億3500万円に約4000万円減額する。

旧上郷高校跡地に建設予定の陸上競技場は28年度下期完成を目指し、24年度に設計費5080万円を計上する。

中央図書館をリノベーション

中央図書館はリノベーション事業に着手、24年度は外壁改修工事費約610万円を計上し、中庭に面する外壁の改修と中庭の枯れたアカマツの伐採などをする。25年度は中庭に面するガラスを一部取り外して中庭への出入口を設け、中庭にウッドデッキを設けるなどする。

解体、撤去する計画だった茎崎老人福祉センターは、市民のたまり場・居場所づくりの一つとして、入浴施設を改修する。2026年度のリニューアルオープンを目指して、24年度は300万円で改修のための設計を実施する。

不交付団体に

一方、歳入は、自主財源の市税合計が1.7%増の526億6400万円となり、不交付団体となる見込み。市税の内訳は、人口増により個人市民税が3.2%増の208億4600万円、家屋の新築などにより固定資産税は1.8%増の231億2700万円を見込むのに対し、法人市民税は大口の立地企業による業績の下方修正があったなど23年度の実績を踏まえて、6.6%減の42億8300万円を見込む。

借金である24年度末の一般会計の市債残高は、前年度末より43億3200万円増え、721億7400万円になる見込み。水道事業など公営企業会計を加えた市債残高の合計は、同69億1900万円増え、1259億8700万円になる見込み。

新年度予算案は13日開会の市議会3月定例会に提案し審議される。(鈴木宏子)

洞峰公園 1日、県営からつくば市営に 

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市に移管された2月1日も、いつものように、ランニングやテニス、犬の散歩などを楽しむ市民が行き交う洞峰公園

つくば市二の宮の洞峰公園が1日、県から無償譲渡され、つくば市に移管された。市は今後、公園利用者や地域住民、学識者らによる協議会を設置し、利用料を含む運営方針を話し合う。

最高気温16.5度と、3月下旬並みの暖かさとなったこの日、穏やかな晴空の公園には、シートを広げて食事を楽しむ親子連れや、テニスやランニングをして汗をかく市民らの明るい声が響いた。

洞峰沼のほとりのベンチでくつろぐ、つくば市の50代の女性は「ニュースを通じて問題に関心を持っていた。公園は、子どもが小さい頃から安心して遊ばせることができた日常の場所。静かで落ち着ける今の良さを維持してほしい」と話した。

つくばや龍ケ崎、土浦などの友人と週に2度、テニスコートを利用する守谷市の大森保さん(76)は、「環境の良さから10年前からここでテニスを楽しんでいる。他の屋外コートと違うのは周囲の豊かな木々が風除けになること。強風で『今日はダメかな』と思っても、洞峰公園なら問題ないことがよくある。使用料も良心的。長く利用していきたい。コートの傷みがあるので、怪我をしないよう修繕してほしい」と語った。

協議会委員20人程度、年10回開催

市が今後、設置する協議会は、住民が求めていた。市は、協議会委員の選定方法については未定であるとしながらも、20人程度を予定し、2月中に形をつくり、3月中には協議会を発足させ第1回目の会合を開催したいとする。協議会委員の謝金として市は24年度200万円を準備し、年10回の開催を予定する。

五十嵐市長は1日の会見で、協議会に関して「結論を急がず時間をかけていい対話ができれば」とし、いつまでに運営方針を決めるかの時期を明言しなかった。これについて担当の市公園・施設課は「期限は決めていないものの、テーマごとに話し合い、その都度内容を決めていくことになる」としている。

公園の維持管理について市は23年度と24年度は、現在、施設などを管理運営している東京アスレチッククラブに業務委託し、プールや体育館、テニスコート、多目的広場、会議室、駐車場などの施設使用料、スポーツ教室などの会費は、協議会で方針が出されるまで、現状を維持する。一方、洞峰公園管理事務所によると、グランピング施設建設が計画されたことで閉鎖された同公園内の野球場については、現段階では予約受け付け等、利用再開の目処は立っていない状況にあるとした。(柴田大輔)