土曜日, 10月 24, 2026
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台湾・総統選挙と立法院選挙《雑記録》56

【コラム・瀧田薫】1月13日、台湾総統選挙の投開票が実施された。選挙前、中国の習近平国家主席が台湾侵攻に踏み切るレッドラインは「台湾の独立」にあるとの見方が流布されていたため、次期台湾総統に誰がなるのか、世界の関心が集まっていた。

選挙の結果、親米派の与党(民進党)賴清徳候補が得票率40.05%を獲得して次期総統に当選した。中国政府が期待していた親中派の野党(国民党)侯友誼候補は得票率33.49%で敗れた。第三勢力として無党派層や若い世代から支持された柯文哲候補(民衆党)は得票率26.46%と健闘した。

一方、同時に実施された立法院(国会)選挙(定数113)においては、与党・民進党が過半数を割り込み51議席で第2党に転落し、野党・国民党は議席を増やして第1党になったが、過半数を獲得できず、52議席にとどまった。

この結果、8議席を獲得した民衆党がキャスティングボートを握ることになった。与党・民進党の過去8年間の統治が「対中関係の悪化」とそれに伴う経済の不調さらに経済格差をもたらしたとの批判・不満が若者世代と無党派層にあり、これが民衆党への支持につながったようだ。

与党が議会の過半数を失ったため、賴次期総統の政権運営は困難を極めるだろう。頼氏は民衆党との連立工作を急ぐが、柯氏がこれに素直に応じるとは思えない。

選挙戦中、柯氏は「民進党と国民党による旧来の2大政党制を打破しよう」と訴えた。選挙後の記者会見では「他党と協力はするが、個々の法案、政策には是々非々で臨む」と述べ、台中関係では「対話を望むが、重要なのは台湾の民主主義と生活を守ることだ」とし、その上で「候補者中、米中双方に受け入れられるのは私だけだ」と強調した。(世界日報、1月13日付)

米中・台中関係 日本の役割は大

ちなみに、柯氏の発言がそのまま今回の選挙の総括になっている。つまり、台湾の有権者は、米中対立の狭間(はざま)にあって、台湾の現状維持策を選択するバランス感覚を示すと同時に、旧態依然の2大政党制に楔(くさび)を入れ、民主主義の堅持と経済格差の解消を望んだのである。現総統・蔡英文氏を継承すると宣言した頼氏を次期総統に選びはしたが、頼氏の台湾独立志向は支持しない意思を立法院選挙(ねじれ国会)で示したと言えよう。

野党・侯友誼氏の対中融和姿勢については、有権者の間に、香港の二の舞になりかねないとの警戒心があった。実際、有権者は外部からの選挙干渉に強い拒否反応を示し、中国政府による侯候補への後押しは、結果として侯氏の足を引っ張ることとなった。

中国政府は台湾の民意に失望し、台湾に対する経済、軍事両面の圧力を強化する姿勢だが、早晩、民進党との対話を模索せざるを得なくなるだろう。米国のバイデン大統領は頼氏に対し、台湾の独立は支持しない旨のメッセージを届けた。日本政府も祝意を届けたが、政府よりも超党派の議員連盟「日華議員懇談会」の方が精力的に動いた。

1972年の日中国交正常化以降、議員外交そして民間外交が日台関係の推進軸となってきた。こうした努力あってのことだろう、台湾政府に限らず国民党も民衆党も日本を信頼し、米中関係そして台中関係において日本が果たす役割に期待している。台湾有事を未然に防ぐため、日本政府は米中間の仲介役を果たさねばならない。日本外交の真価が問われることになる。(茨城キリスト教大学名誉教授)

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「進学を諦めない社会であってほしい」あしなが学生募金事務局 長瀬光来さん

24、25日 つくば駅前で募金活動 病気や災害、自殺などで保護者を亡くした遺児の進学支援を訴える「第112回あしなが学生募金」の街頭募金活動が24、25日の両日、つくば駅南北自由通路前で実施される。集められた募金は、国内の遺児や親に障がいがある生徒の奨学金として活用される。街頭募金活動を実施する学生団体「あしなが学生募金」事務局員で筑波大学人間学群心理学類3年の長瀬光来(みく)さん(21)は「進学を諦めない社会であってほしい」と話す。 長瀬さんは大学1年の秋から募金活動に参加し、今回を含めて5回目になる。これまでは先輩に付いて街頭で声掛けをしていた。半年前に学生募金活動を企画・けん引する事務局員になって初めて取り組む街頭活動となる。「今回が局員として初めての街頭募金になるので、結構ドキドキなんです」と緊張を隠せない。 母親の病死契機 長瀬さんは現在、あしなが育英会の奨学金を利用している。きっかけとなったのは、小学3年の4月に母親が病気で亡くなったことだった。父親の収入だけに頼って生活するのは厳しく「進学のための奨学金があることを知り、奨学金で高校・大学と進学した」。長瀬さんの姉が高校に進学する際、中学校教師からあしなが育英会の存在を教えてもらったという。 現在長瀬さんは、月4万円のあしなが育英会の奨学金のほかに、2020年度から開始された日本学生支援機構の給付型奨学金(月4万4500円)や、土日の結婚式場でのアルバイトなどで学生生活をまかなっている。給付型奨学金を受給していることから大学の授業料の一部が減免対象となり、通常の授業料の約3分の2を減免してもらっている。 しかし日々の生活は厳しく、普段の移動は徒歩や自転車。交通費が支給されるのでアルバイト先に向かう時にバスに乗る程度。農家を営む祖父から米や野菜の仕送りがあり、食費負担をある程度軽減できているが、昨今の物価高で生活は厳しいと話す。 「進学を諦めない社会に」 あしなが育英会が今年8月に高校奨学金受給世帯の保護者4590人を対象に実施したアンケート調査によると、教育への影響に関する質問(複数回答)のうち、進学先について「学費を理由に希望を変更した、または変更を検討している」が27.7%、「大学や専門学校への進学を諦めた、または諦める可能性がある」が21.5%と、回答の約2割以上が進学への影響の可能性を示した。また「子どもにアルバイトを増やしてもらった、または始めてもらった」との回答も22.6%を占め、2割強の世帯で奨学金を受給している高校生が家計を支えるため働いている現状が明らかになった。 「私はすごく勉強が好きで、絶対に大学に行きたかった。勉強が好きだったり、『こういうことをやりたい』と思っている子もたくさんいると思うので、そういう子が進学を諦めない社会になっていったらいいなと思う」という長瀬さんは、将来、児童相談所職員や児童養護施設職員など、児童福祉に関わる仕事を希望しているという。 夏休みなどの長期休暇期間中は実家がある岐阜県に帰省して、地元の児童養護施設などでアルバイトや有給の長期インターンに参加している。一部の児童は大人への不信感から反抗的な態度を取ることもあるが、「1対1で少しずつ関わっていくうちにいろいろなことを知ることができたり、楽しそうに話してくれるようになったりする。そうした喜びにやりがいを感じながら取り組んでいる」と話す。 まずは知っていただくこと 長瀬さんは大学1年の秋から、水戸市や千葉県流山市の街頭で募金活動に参加してきた。道行く市民の反応については「本当にありがたいことに、温かく見守ってくださる方が多い。強い口調で何かを言われるようなトラブルもなく活動できている」と、市民意識の高さを実感していた。チラシを受け取った市民から「頑張ってね」と声を掛けられたこともあった。 しかし「知っている人は知っているが、知らない人は全然知らない」と、認知度にバラつきがあるという。長瀬さんは「まずは1人でも多くの方に知っていただくことが大事かなと思っている」と、募金や募金ボランティアへの参加を呼び掛ける。(崎山勝功) ◆つくば駅前の募金活動は、24日(土)、25日(日)いずれも正午から午後6時頃まで。あしなが学生募金の公式サイトでは、ネット上や郵便振替でも募金を受け付けている。公式サイトはこちら。 ◆あしなが育英会では、27年度から遺児や親に障がいのある子どもの中学校進学を応援するため、中学校入学前に5万円の「中学校進学支援金」を給付する制度を新設する。対象となるのは▽翌年4月に中学校進学予定▽病気や災害、自死で保護者(父または母)を亡くした(道路上の交通事故は除く)、または保護者が1級から5級の障がい認定を受けている▽経済的な援助を必要―の3点にすべてあてはまる小学6年生。採用人数は全国で400人で、給付金額は5万円で1回限りの給付。締め切りは11月13日正午まで。申し込み・問い合わせはあしなが育英会公式サイトへ。