金曜日, 9月 19, 2025
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土浦日大 甲子園初戦敗退 9回ソロ本塁打で意地見せる

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バブリックビューイングで土浦日大を応援する市民ら=土浦市役所1階市民ラウンジ

【池田充雄】第100回全国高等学校野球選手権大会は5日目の9日、第4試合に本県代表の土浦日大高校が出場。沖縄県代表の興南高校と対戦し2-6で敗れ、昨年に続いての1回戦敗退となった。

土浦市本庁舎(同市大和町)1階の市民ラウンジで開かれたパブリックビューイング(=PV。応援観戦)では、常設のテーブル席や特設のベンチ席に大勢の市民が集まり、通勤帰りや買い物帰りの人なども足を止め、大型スクリーンに見入った。会場には土浦日大のメガホンやTシャツ、野球帽などの応援グッズも用意され、選手の一投一打にたくさんの拍手や歓声、ため息が出た。

試合は土浦日大の富田卓、興南の藤木琉悠、両エースの投げ合いで幕を開けた。土浦日大は藤木のカットボールなどに芯を捉えられず、興南は富田の低めへのスライダーに詰まらされ、4回を共に無得点で終える。

だが5回裏、先頭からの2連打とバントで無死満塁とされると、犠牲フライとヒットで興南に2点を先制される。土浦日大は6回表に敵失2つと盗塁で1死二・三塁とし、三番・小菅康太の内野ゴロで1点を返すが、6回裏に1死三塁から1点を追加され、1-3とリードを広げられる。

試合は終盤に入り、両投手とも疲れが見え始める。7回表、土浦日大は2連打と死球で2死満塁の好機を作り、ここで一番・鈴木健太主将を迎えるが、相手の逃げるスライダーで三振に取られる。逆に7回裏には2死満塁のピンチを作るが、ここは富田が踏ん張って内野ゴロに打ち取った。

次の回は投手交代で差が開いた。8回表に土浦日大が無死満塁のチャンスを作ると、興南は宮城大弥をマウンドへ送り、三振とダブルプレーで火消しに成功。8回裏は2安打と1犠打で2点を失い、ここで土浦日大は清水樹が救援に向かうが、さらに2連打で1点を失う。9回表、土浦日大は代打・磯貝郁人が左翼席へのソロ本塁打で意地を見せるが、追撃もここまで。2-6でゲームセットを迎えることとなった。

土浦日大の誤算は、相手投手が予想していた宮城ではなく藤木だったこと。その変化球にタイミングが合ってきて、ここからというところで宮城にスイッチし、速球でねじ伏せられた。富田は6回ごろから制球に乱れが見え始め、甘いスライダーを捉えられた。また頼りの鈴木が5打席無安打に終わるなど、打線も投手陣を助けられなかった。

泣きじゃくる富田選手に「いい試合見せてくれた」

PVの観戦者の一人で「娘が富田投手の姉と仲良し」という廣瀬譲治さん(54)は、「(相手の15安打の猛攻に)富田選手を中心によく守り、最終回にはホームランで意地を見せてくれた。力はつけているので来年に期待したい」と感想を述べた。

譲治さんの母の寛子さん(80)は、画面の向こうで泣きじゃくる富田選手を見ながら「富田くんも頑張ってくれたが、向こうがちょっと上だった。これも野球でしょうか。いい試合を見せてくれた」と語ってくれた。

僕たちのツリーハウス作ろう 小学生がクラウドファンディングで出資を募る

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ツリーハウスの建設予定地にて=つくば市桜

【池田充雄】つくば市桜の英語学童保育、キッズクリエーションアフタースクールに通う小学生16人が、園庭にツリーハウスを作ろうと、インターネットを通じて支援を募るクラウドファンディングに挑戦中だ。7月7日には国内大手サイト「キャンプファイヤー」にプロジェクトページを立ち上げた。小学生による起案は全国でも初めてという。

活動の発端は、子どもたちが学童の庭をもっと面白くするため、木の上に秘密基地を作りたいと考えたこと。雨風にも耐えられるしっかりしたものを建てたいが、自分たちには知識も技術も資金も足りない。でも絶対にあきらめたくない。その気持ちが周りの大人たちを動かし、プロジェクトがスタートした。

自分たちの思いをどうしたら大勢の人に伝えられるか。そこでもたくさんの試行錯誤があった。プロジェクトページに載せた動画や、報道各社へ送ったプレスリリースも、子どもたち自身が手がけた。キャンプファイヤーつくばの公開イベントでは、聴衆を前に自分たちの言葉でプレゼンテーションし、支援を呼び掛けた。その結果、少しずつ反響が寄せられるようになり、海外からの支援も届くようになった。子どもたちは「すごいな、一生懸命伝えたら、遠くの人にも届くんだな」と喜びとともに驚きの声を上げていた。

「大事なのは夢に向かう力。困難に直面してもあきらめず、困っていることをちゃんと人に伝え、助けを求められること。また、ワクワクする気持ちを伝え、自分たちと一緒に夢を見てくれる仲間を増やし、協働できること。それが大人になったとき、自分自身の人生をデザインし、切り開くために役立つはず。ここがその始まりの場所になってくれたらいい。そんな気持ちで子どもたちの応援をしている」と、キッズクリエーション代表の宮嶋さやかさん。

教室の壁に張った「感謝の木」には、出資者になってくれた人や、励ましのメッセージを送ってくれた人、身近で応援してくれる友達や家族など、みんなの名前を書き込んだ。ツリーハウスが完成したら「お礼の手紙を書きたい」「いっしょに入って遊びたい」など、実現の喜びを分かち合おうと気持ちも高まっている。

「労働したことのない子どもたちには、支援していただいたお金の本当の価値は実感できていないと思う。でも子どもなりの理解でいいから、とても大切なものをいただいているんだよという意識は、常に忘れないでいてほしい」と宮嶋さん。

プロジェクト「ぼくたちは小学生だけどツリーハウスを作りたい」の実施期間は9月11日まで。目標金額130万円に対し、8月6日現在の支援総額は999000円、達成率76%。詳細はhttps://camp-fire.jp/projects/view/77286へ。

教室の壁に張った「感謝の木」の前で=同

ホンモノ!土浦日大㊦原動力は秋の大敗

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準決勝・霞ケ浦戦で2本のホームランを放った主将の鈴木健太㊨

【伊達康】春の準々決勝での敗戦後、土浦日大は夏に向けてどのように準備し、衝撃の3強撃破に至ったのだろうか。

エースの富田卓は昨秋、明秀学園日立に大敗してから体づくりに目覚め、自主的に身体的トレーニングと食事トレーニングに取り組むようになった。その結果は見事半年で結実し、体重が10キロほど増加して球速もいきなり10キロ近くアップした。

ところが、急激な体格の変化に投球感覚が追いついてこず、思うようにボールが指にかからない状態になった。そして練習試合解禁直後の3月には風邪を引いてしまい、しばらく練習ができなくなった。遅れを取り戻そうと焦った富田は春の大会前にいきなり過度の投げ込みを行い、それが原因で肩を故障した。4月はほとんど投げずに回復を待つことになる。春季県大会は準々決勝で霞ケ浦に3対5で敗退。試合後のミーティングで小菅勲監督は「エースが投げずに勝てるほど甘くはない」と富田に発憤を促した。

その後も黙々と下半身強化のトレーニングに精を出し回復を待った。肩の痛みが完全に癒えた6月3日、横浜高校との土浦市長杯招待試合で先発登板。5イニングを投げて無失点に抑える快投を披露し、夏への手応えを感じた。小菅監督のもとで下妻二高時代も含め20年もの間、総合コーチを務めてきた丸林直樹コーチは、「秋の屈辱、冬の鍛錬、春のけが。ターニングポイントを経験する度に富田は心身両面で目覚ましい成長を遂げた」と振り返る。

打線に関しては春の大会以降、5月から6月にかけて相当バットを振り込んだ。平日練習は守備練習を度外視してひたすらバットを振ってばかり。最速144キロの剛球を誇る明秀学園日立の細川拓也対策としてピッチングマシンの速度を145キロに設定して打ち込んだ。さらに打撃投手を通常よりも5㍍手前の13㍍の距離から投げさせ、打者がトップを早くとって準備をし、速球に振り負けない意識を持って取り組んだ。6月下旬になってようやくこの練習の成果が練習試合で形になって現われ、「これはもしかしたらいけるかもしれない」という雰囲気が生まれたそうだ。

やってみないと分からないを体現

8月5日に開幕した夏の甲子園。土浦日大は8月9日の第4試合に興南(沖縄)との初戦を迎える。相手は第92回大会で優勝を収めた超強豪校であり楽に勝てるはずがない。しかも藤木琉悠と宮城大弥の左腕の二枚看板は、右打者のインコースにクロスに入る140キロを超えるストレートと切れ味抜群のスライダーを放る全国でもトップクラスの能力を誇る。こんなピッチャーは茨城にはいない。

興南との対戦が決まってから土浦日大は、藤木・宮城のクロスに入ってくる角度のボールを想定し、ピッチングマシンをマウンドから一塁寄りに3㍍ずらしてバッティング練習を行っている。丸林コーチは「興南の映像を見て正直言って面食らった。ですがやってみないと分からない。勝つための準備をして臨むだけ」と期待感をにじませる。

「常総学院じゃないと夏の甲子園で勝てない」ーちまたではよくこんな言葉を耳にする。茨城の常総学院以外の夏の代表校は、2005年の藤代が柳川(福岡)に勝利して以来、13年間も勝利していないのだからそう言いたくなるのも納得だ。だが、今年の土浦日大はひと味違う。茨城の3強を撃破した非の打ち所がないホンモノだ。実力を出し切って勝利を収め、「茨城は常総学院じゃなくても甲子園で勝てる」ことをきっと証明してくれる。

練習内容を確認しあう小菅勲監督㊧と丸林直樹総合コーチ。伊奈高校時代から20年来の師弟関係は今も続いている

ホンモノ!土浦日大㊤衝撃的だった3強撃破

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準々決勝で明秀学園日立を下して絶叫する富田卓㊨

【伊達康】一体、誰が土浦日大の2年連続優勝を予想できただろうか。春季大会を終えた時点で今年はシードの上位3校の力が抜きん出ており、秋と春の関東大会でいずれも1勝以上を挙げた。優勝した土浦日大には失礼だが、私は春までの結果を受けて夏はこの3校のどれかが優勝するだろうと予想していた。

土浦日大は初戦である2回戦の牛久に対しエース富田卓が完投して4対2で辛くも逃げ切ると、3回戦の勝田と4回戦の鉾田一には2番手格以降の投手が無失点に抑えて7回コールドで大勝。公立校を相手にここまでは順当な勝ち上がりといえよう。しかし、ここからはとてつもなくハードルの高い相手が待ち受けていた。

明秀学園日立・芳賀大成と土浦日大・鈴木健太㊨。力を出し切った両者が笑顔で健闘を称え合う姿に胸を打たれた

準々決勝の相手は、昨秋県大会2回戦で0対16の大敗を喫した第2シードの明秀学園日立だ。春のセンバツ甲子園では2勝を挙げ、プロ注目選手の増田陸や最速144キロの剛球を誇る細川拓也など圧倒的な力を持ち、土浦日大にとって因縁の相手である。

試合は土浦日大が3回に鈴木健太と木原琉位の連続ツーベースなどで3点を先制すると、7回に3点、8回に2点を追加し8点差をつけた。その裏に増田に3ランホームランを浴びたが、昨秋完膚なきまでにやられた相手をあわやコールドにまで追い詰めて、歯が立たなかった相手エースの細川から16安打を放って8対3で勝利を収めた。秋の大敗以降、「打倒・明秀学園日立」を合言葉に臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の日々を経て勝利の瞬間を迎えたエースの富田は、まるで優勝したかのようにマウンド上で顔を紅潮させ絶叫していた。

非の打ち所のない破壊力を発揮

続く準決勝の相手は、春季県大会準々決勝で3対5と敗れた第3シードの霞ケ浦だ。土浦日大は前の試合で完投して疲労が残る富田を温存し、左腕の荒井を先発起用した。ところが荒井が霞ケ浦打線に早々に攻略され2点を献上し、予定より早く富田を出さざるを得なくなった。霞ケ浦の先発投手は最速142キロの本格派右腕・福浦太陽だ。春は井上莞嗣の3ランホームランでしか得点できなかった相手であり攻略は容易ではない。

ところが土浦日大はすぐに反撃した。4回表、5番・小澤礼嗣、6番・大賀、7番・鶴見恵大の3連打で同点とすると、9番・石渡のタイムリーで逆転に成功した。さらに7回表は鈴木健太のソロホームランなどで3点を奪い福浦をノックアウト。8回には最速144キロをマークする本格派右腕・鈴木寛人から、鈴木健太の2ランホームランで2点を追加し8点目を挙げた。

最後は霞ケ浦の怒濤(どとう)の猛追に3点差まで詰め寄られるが辛くも逃げ切って勝利。明秀学園日立・細川拓也を粉砕した土浦日大の攻撃陣は、茨城を代表する霞ケ浦の好投手に16安打を浴びせる非の打ち所のない破壊力を発揮して「猛打の土浦日大」を強烈に印象づけた。

「猛打の土浦日大」は決勝でも健在

決勝の相手は春の関東8強入りを果たした第1シードの常総学院だ。今年の常総学院は特に強力打線を武器としている近年まれに見る破壊力のあるチームに仕上がっている。土浦日大は3連投となるエースの富田を先発に据えた。一方の常総学院も、準決勝で1失点完投と結果を残した塙雄裕を連投させる勝負に出た。試合は2回裏に動く。常総学院は先頭の二瓶那弥がセンターのミスで三塁まで到達し、タイムリーで1点を先制する。1点を献上した土浦日大は4回表、相手のエラーに乗じて打者一巡の猛攻で同点、さらに逆転と一気に畳みかけ6点を挙げる。

5点のリードをもらったエース富田はその後、テンポよくストライク先行の投球を続ける。打ち気に焦る常総学院打線を切れ味抜群のスライダーで翻弄する渾身の投球で無失点に抑え1失点完投勝利を収めた。「猛打の土浦日大」は決勝でもやはり健在で、強打を標ぼうする常総学院のお株を奪う11本の二桁安打を放った。

準々決勝からの3試合で、茨城を代表する私学3強を撃破して2年連続の甲子園出場をたぐり寄せたのだった。先述したがあえてもう一度言わせてもらう。この衝撃的な結末を一体誰が予想できただろうか。予想の斜め上を行く土浦日大は茨城大会で実力を十分に証明できた。

常総市民ら30人が提訴 鬼怒川水害で国家賠償訴訟

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「鬼怒川大水害は国による人災だ」の横断幕を掲げ、水戸地裁下妻支部に向かう原告住民と弁護団ら=下妻市下妻乙

【鈴木宏子】2015年9月に発生した鬼怒川水害で、住民が甚大な浸水被害を受けたのは、同河川を管理する国交省の管理に瑕疵(かし)があったためだとして、住宅や家財、車などに浸水被害を受けた常総市の住民ら30人が7日、国交省を相手取って、計約3億5000万円の損害賠償を求める国家賠償訴訟を水戸地裁下妻支部に起こした。

訴えたのは同市若宮戸、上三坂、水海道地区などに住む19世帯と1法人の30人。国家賠償法の時効となる2018年9月を前にした提訴となった。

訴えによると、越水した同市若宮戸地区は、堤防がなく砂丘林が堤防の役割を果たしていたが、国が河川区域に指定しなかったことから規制が及ばず、自然堤防が削られたとしている。さらに14年3月ごろからソーラーパネルが設置され、砂丘林の高さと幅がさらに小さくなり被害を拡大させたなどと強調している。

堤防が決壊した上三坂地区は、法令が定める堤防の高さと幅を大幅に下回っていたと指摘。国は毎年、堤防の高さを測量し、地盤沈下を繰り返して低くなっている事実を把握しながら、かさ上げすることなく放置したとしている。

市中心部の水海道地区は、排水河川である八間堀川排水機場の運転が停止されたなどから水位が急上昇し、水海道市街地に第1波の洪水が押し寄せた。その後も排水機場の運転再開が遅れ、同河川の堤防が決壊して第2波の洪水が発生。排水機場の操作規則に違反して運転再開が遅れたことが被害を拡大させたなどと主張している。

住宅2件が浸水被害を受けた原告団共同代表の片倉一美さん(65)は「これまで国交省との話し合いに参加してきたが、役人は何を言ってもろくな返事をしてくれなかった。なぜこんな被害を受けなくてはならなかったのか、裁判を通して原因を知りたい」と話した。弁護団の只野靖弁護士は「鬼怒川水害は河川管理をしている国の責任が甚大で、人災である可能性がひじょうに強い。全国でいろいろな水害が起きている。そういう人たちを勇気付けられる裁判にし、全国の治水の在り方を見直すきっかけになれば」と語った。

【ひと】夏休み明けの子ども相談に積極対応 土浦 中島隆一弁護士

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マスターズ水泳大会のメダルの前で語る中島隆一弁護士

【田中めぐみ】「さくらパートナーズ法律事務所」(土浦市文京町)所長の中島隆一弁護士(39)は、「学校事件・事故被害者全国弁護団」=メモ=に所属する県内唯一の窓口弁護士だ。

同弁護団は、学校での事故や、いじめ、体罰などで被害を受けた子どもの事件が多発していることを受けて2013年に発足。適切な法的救済を受けられていない現状を改善し子どもの人権を回復できるよう、問題解決に取り組むことを目的としている。

「全国で子どもに関する案件は少なくなく、いじめや事故、家庭内でのトラブル等で問題を抱えている子どもたちは多い。特に夏休み明けなど、新学期が始まるタイミングでは、悩みをもつ子どもたちにはストレスがより大きくかかる」と訴える中島弁護士。昨年は夏休み明けの9月16日に、全国一斉電話相談を行い、その窓口となった。

「責任感からか、ギリギリまで学校と交渉を続け、疲弊して相談に来られる保護者の方が多い」と語る中島弁護士。今年の全国一斉電話相談の実施は未定だが、無料相談日以外も相談は受け付けているので気軽に相談してほしいという。

弱者の人権を守りたい

毎年同弁護団では研究会を開催し、実際にあった案件を例に、解決法について研究を深めている。中島弁護士は「学校での問題に起因する案件は、交通事故などの一般的な案件と異なり、解決法が定型化していない」と語る。

例えば、学校内で子どもたち同士の問題が起こった場合、一番身近な教師や親が間に入り仲裁をする。しかし、教師や親は法律家のように調停のための特別な訓練を受けているわけではない。そのため適切な裁定ができないことが多々あるという。介入しても先入観から偏った判断を下してしまうなど、かえって問題が複雑化するケースも少なくない。どのように解決していくかは、常に実例を通した研さんが必要だという。

一児の父親。法律家を目指す前は教員を志していた。趣味は水泳で、マスターズ水泳大会で入賞するほどの実力。司法試験に向けて勉強をしていた時期は、水泳のインストラクターとして4年間、子どもたちを指導していた。「できなかったことができるようになっていく子どもたちの成長の過程を目の当たりにし、教えることの楽しさや、影響の大きさを実感した」と振り返り、「弱者の人権を守る役割をまっとうしたい」と語る。

さくらパートナーズ法律事務所

▼〒300-0045 土浦市文京町4番8号 コーエイビル205
電話050・1518・6658
ホームページはhttps://sites.google.com/site/sakurapartnerslawoffice/

メモ
【学校事件・事故被害者全国弁護団】1県に1事務所、1弁護士を置くことを目標としているが、関東1都6県のうち千葉、群馬県にはまだ窓口弁護士が備わっていない。同弁護団の顕著な活動例としては、昨年3月、栃木県那須町で登山講習中の生徒7人と教諭の計8人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故で、今月、同弁護団の弁護士らが遺族支援のための弁護団を結成したことが挙げられる。同弁護団は事実関係の解明から再発防止策の検討をしているという。

有志による恒久平和への鐘響く つくば市北斗寺

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「平和の鐘一振り運動」で、鐘を鳴らす参加者=つくば市栗原

【崎山勝功】広島原爆投下から73年を迎えた6日、「鐘や太鼓など一振りの鳴り物を鳴らし、核なき世界の平和を実現させるために祈願する」として、市民有志による「平和の鐘一振り運動」が同日、つくば市栗原の北斗寺で行われた。

この運動は、長崎原爆投下の8月9日に合わせて2006年から毎年国内外で行われている。同市でも長崎出身者の「広島・長崎の被爆者を追悼したい」の願いに応えて、毎年8月6日と9日に同寺などで行われている。

同寺や参加者によると、約10年前に「9条の会つくば」の会員が「鐘を突かせてください」とお願いし、同寺が場所を提供する形で始まったという。

この日は数人の市民が、境内で広島平和式典のラジオ放送を流しながら鐘突き堂で鐘をならした。同寺の鐘突き堂は高所にあるため、参加者たちは一人ずつはしごを登って鐘の前に向かい、姿勢を低くして臨んだ。

「人間忘れやすいですから、8月6日の(広島)原爆投下のことを忘れないように、という思いで鐘を突いた」という同市在住の野崎浩司さん(73)は、17年7月に国連で核兵器禁止条約が採択されたことを挙げ「(原爆投下が)風化ではなく世界に広がっている」と語った。また戦争を美化する漫画やネット情報に感化された若年世代に対し、「自分の生活で精一杯なので、目の前の事しか見えていない。目先の事だけでなく長期的な視野で世の中を見てほしい」と話した。

「平和の鐘一振り運動」は長崎に原爆が投下された9日にも、午前10時50分から同寺で行われる。

◆記者も突いてみた。参加者から「せっかく来たのだから鐘を突いてみては」との勧めに応じ、「平和の鐘」を突いて戦争で犠牲になった方々に思いをはせた。「戦争を知らない孫世代」が社会の中核を担うようになった現在、戦争体験をどのように次の世代に継承し、平和な生活を維持していくか考えさせられる。

原爆の悲惨さ、平和の尊さ伝え つくばで朗読劇 「サラダの会」

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朗読劇を上演する「サラダの会」のメンバーたち=つくば市吾妻のアルスホール

【崎山勝功】広島原爆投下の6日を前に、つくば市周辺地域の主婦たちの朗読グループ「サラダの会」主催による、広島・長崎原爆被爆者の体験手記の朗読劇「ヒロシマ・ナガサキ2018」が5日、同市吾妻のアルスホールで開かれた。市民ら75人が朗読劇を鑑賞した。

朗読劇では、5歳のときに長崎で被爆した田栗静行さん(78)=東京都八王子市=の体験手記「あの時、一緒に死んでしまえばよかった… 5歳のナガサキ被爆体験~」や「原爆詩集 峠三吉」などの体験手記や詩集から作品を選んで、「母と子」の視点で構成して同会会員が朗読。朗読に合わせてフルートやギターの演奏が流れ、場内のスクリーンには被爆した子どもたちのスライド写真などが映し出された。

会場には田栗さんの姿があった。田栗さんは上演終了後、「原爆や戦火の中で多くの人が犠牲になった。平和が続くよう、サラダの会の皆さんのように一人ひとりができる範囲で活動してもらいたいのが願い」と訴えた。その上で「今日もたくさんの人が集まってくれた。これは平和に対する努力だと思う。来てくれて(朗読を)聞いてくれたということだけでも大きな平和活動だと思う」と話してくれた。

同会メンバーで阿見町在住の中島八重子さん(74)は、「私たちは聞きに来てくださる方も仲間だと思っています」と話した。

同会は、朗読劇で戦争を擬似体験し、戦争の悲惨さや平和の尊さを感じ取ってもらえればと活動している。1995年から毎年広島と長崎に原爆が投下された8月6日または9日につくば市内で自主上演会を開き、今年で23年目という。また、茨城県内外の小学校や高校にも赴いて朗読劇を披露している。

長崎原爆被爆者の田栗静行さん(前列左から2番目)と一緒に記念撮影する「サラダの会」のメンバーたち=同

【シルバー団地の挑戦】5 あうんの呼吸で夏祭り開催 高齢化配慮し独自の安全対策

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元大工の団地住民が造った山車がバス通りを巡行した=つくば市森の里
サークル「森の里太鼓」がまつり気分を盛り上げた=同

【橋立多美】つくば市の森の里団地で4日、団地最大のイベント「夏まつり」が催され、住民800人が山車巡行や盆踊りなどを楽しんだ。自治会の負担が大きく高齢化のため4月時点では開催が未定だったが、役員から中止しようという声は出ず例年通り開催。高齢化を考慮し独自の安全管理計画を策定して準備にあたった。今年はとりわけ猛暑だったが、長年培った仲間意識やあうんの呼吸で乗り切った。

森の里団地は1979年に入居が開始された1300戸の住宅団地で、高齢化率は2017年5月現在で49%。つくば市全体の19%を大きく上回っている。

自治会は会員相互の親睦を目的に、引き継がれてきた夏まつりや餅つき大会、文化祭などの行事を毎年行ってきた。中でも役員の負担が大きいのが夏まつり。とりわけ今夏は命に関わるほどの猛暑の中で準備を行った。

75歳以上は高所に従事させない

6月初めに夏まつり実行委員会が始動した。総務、会計、広報、食品調達、イベント推進、模擬店管理など11の部門に分かれて準備が始まった。団地脇を流れる東谷田川の河川敷きで花火を打ち上げるため、県竜ケ崎工事事務所への申請や団地内に乗り入れているバス路線の路線変更要請、模擬店のための保健所申請、チラシやポスター作製などだ。

各種許可申請の手続きを終えた7月22日、自治会公会堂で実行委の全体会議が行われた。まつり会場の設営など、本格的な準備作業を確認し合うための最終会議で40人が集まった。会議の終盤、倉本茂樹会長(76)が高齢化を考慮した独自の「安全管理計画書」を示して、舞台や看板などの組立解体作業への注意を促した。

同書に「原則として75歳以上には高所作業は従事させない」とあるのに気づいた70代後半の男性が「俺は(作業)できないなぁ」とジョークを飛ばした。すかさず「これからは80歳以上だよ」の声が上がって笑いが広がった。

作業前に血圧測定など徹底

この会議を境に準備作業は本格化、まつり前日まで続いた。高温注意情報が出され、熱中症に対する備えが必要になったことから、作業参加者記名表を作成して作業前に血圧と緊急連絡先を記載することを徹底した。

修理が特技で音響機器の設置や電気の配線を一手に引き受けている遠藤邦明さん(84)は「子どもたちの夏の思い出作りの大義のもと、まつりの準備で顔を会わせる仲間との一体感がいい」。

みこしの組み立てや掲示物の設置を担当した副会長の渡部友吉さん(67)は「実行委には、これまでまつり運営に関わった住民が自主的に参加してくれ、あうんの呼吸で事が運ぶ。森の里独自の仲間意識がある」と話す。

会場設営は長年ゼネコンに勤めていた工藤哲也さん(72)に負うところが大きい。屋根付きで高さ1㍍だった舞台を、3年前に屋根を外して高さ70㌢にした。また今年から団地入り口に掲げていた照明付き看板の設置を止めた。「高齢化して作業は困難になる。年々改良を加えて縮小していくことになるだろう」と工藤さんは話してくれた。

今後の在り方検討へ

4月の総会で倉本会長は、住民の意向を考慮することを前提に「負担の大きい夏まつりは中止も考えている」と述べた。森の里団地と同時期に入居が始まり、高齢化が進む近隣団地が夏まつりを中止または縮小していること。また、経費が会費収入の約3割を使うことから中止を求める意見があるという。

今年の役員会で実施反対意見が出ることはなく、従来通りに最大イベントを盛り上げようと一致した。倉本さんは「高齢化が加速していく中で、6月に発足した当自治会の高齢化検討委員会の検討課題になるだろう」と話した。

日中を避け、朝8時から始まった舞台資材の運びだしと組立作業=同

光と音で土浦の花火を投影 キララまつり

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花火が映し出されたプロジェクションマッピング=JR土浦駅前のアルカス土浦

【谷島英里子】「土浦キララまつり2018」が開かれたJR土浦駅前のアルカス土浦で4日夜、花火をモチーフにしたプロジェクションマッピングが初めて行われた。同市のイメージキャラクター「つちまる」が自転車に乗って市内を散策する様子や、花火が次々と打ち上がる映像が投影され、訪れた人たちは次々と変化する映像を楽しんだ。

キララまつりの熱気が残る中、プロジェクションマッピングを見ようと、アルカス土浦前の広場やペデストリアンデッキには、家族連れや浴衣姿の中高生などが集まった。

映像は、アルカス土浦の外階段(ステップガーデン)と図書館3階空中ラウンジのガラス部分に6分間投影された。

自転車に乗ったつちまるが土浦駅前を出発し、中心市街地の観光施設、まちかど蔵「大徳」や桜が満開の桜川の土手、亀城公園、帆引き船などを紹介していった。さらに日本三大花火といわれる秋田県大曲、新潟県長岡と、土浦の花火が次々に打ち上がった。

つちまるの映像が現われると、見ていた子ども達から「あ、つちまるだ」という声が上がった。

市内に住む20代男性は「花火の映像が色鮮やかできれいだった」と感想を話していた。

土浦キララまつり2日目の5日は同会場で午後7時30分、8時、8時30分、9時の計4回投影を行う。

家庭訪問せず転居2年間把握できず つくば市生活保護ケースワーカー

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つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市は3日、生活保護ケースワーカーの市社会福祉課職員が2016年度から17年度にかけて、生活保護を受給していた男性について、実際には男性宅を家庭訪問していないのに、訪問したと報告書に不適切な記載をしていたと発表した。男性は2年前の16年4月にアパートを転居していたが、市は把握できていなかった。

今年4月、ケースワーカーの担当者が代わり、男性宅を訪問したところ、別人が住んでいて転居が判明した。その間、市は男性に生活保護費の支給を続けていた。男性の住民票はつくば市にあるが、現在、男性とは連絡がとれず転居先は不明という。市は不正受給に当たるかどうか調査している。

ケースワーカーは定期的に受給者宅を家庭訪問し、生活状況を把握することが義務になっている。一方受給者も転居や就労など生活状況に変更があったときは市に報告する義務がある。家庭訪問の回数は、月1回から年数回など人によってさまざまという。

17年度まで男性を担当していたケースワーカーは、担当期間中、何度か男性宅を実際に訪問したが不在だったという。この間、男性から電話や来庁があり生活状況を聞き取ったのを、「来庁」や「電話対応」と記載するのではなく、「家庭訪問」と報告していた。男性は病気を抱えていたことから転居を想定しておらず、見抜けなかったという。

さらに、市がほかのケースワーカーの報告書を調査したところ、5人が7件について、実際は家庭訪問をしていないのに、訪問したと不適切な記録をしていたことが新たに分かった。受給者宅を訪門した際、子どもが留守番をしていて、翌日、世帯主が来庁したり、訪問時は留守だったが、数日後に本人が来庁したなどのケースがあったという。

不適切記載が発覚したのを受けて市は、再発防止策としてケースワーカーに研修を実施するほか、実際に家庭訪問を行ったことを確認するため公用車の走行距離を報告書に記載するよう改めるとしている。

今年3月現在の同市の生活保護受給者は889世帯1073人。市のケースワーカーは11人。17年度の生活保護費は19億9400万円。

五十嵐立青市長は「この度の行為は信頼を損なう行為であり、市民の皆様にお詫び申し上げます。引き続き十分な調査をし実態をきちんと解明していきます」とするコメントを発表した。

つくば駅前でバーベキュー、カヌー体験を 中央公園に8、9月オープン

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4日オープンするバーベキュー場で肉や野菜を焼くナムチェバザールの和田幾久郎社長㊧=つくば市吾妻、つくば中央公園

【鈴木宏子】つくば駅に隣接するつくば中央公園(つくば市吾妻)に、バーベキュー場、カヌー乗り場、水遊び場が8、9月の2カ月間、期間限定でオープンする。

西武筑波店などが撤退し中心地区のにぎわい創出が課題となる中、公園など公共空間を活用して小さな取り組みを数多く実施し魅力を高めていこうという同市の中心市街地プレイスメイキング事業の一環。年間事業費計約900万円で実施する。

バーベキュー場は、公園南西の樹木に囲まれた約700平方㍍に土日祝日のみオープンする。6人掛けのテーブルと椅子、バーベキュー用グリルを10セット配置し、食材と飲み物、食器などを持ち込めば体験できる。飲酒も可能という。市の公園では火の使用やバーベキューは禁止しているが、実証実験として実施し、他の公園利用者や周辺への影響、採算性などを調査して、来年度以降も実施するかどうか検討する。

カヌー乗り場は約6500平方㍍の大池に設置し、一人乗り用5台を用意。初心者でも指導員がこぎ方を教えてくれるという。

水遊び場は、6、7月に大池西側のステージ池約680平方㍍の水を抜いて底を洗浄し、水を入れ替えて、深さ10㌢程度の水遊び場にした。9月末まで毎日、無料で遊べる。

市は7月10日、同駅周辺の事業者で組織する「つくばセンター地区活性化協議会」(会長・石原孝筑波都市整備社長)と、同駅前の商業施設キュートに出店するアウトドア用品店「ナムチェバザール」(水戸市・和田幾久郎社長)の3者による地域連携協定を締結した。今回は協定に基づく第1弾の取り組みで、バーベキューとカヌーは、市がナムチェバザールに委託して運営する。

オープンを前に3日、五十嵐立青市長が中央公園でバーベキューとカヌーを体験しPRした。五十嵐市長は「パブリックスペースを活用することで、まだまだできることはたくさんあるので、いろいろな資源を活用していきたい」と話し、ナムチェバザールの和田社長は「あるだけでなく、どう使うかで価値を高めていくつくば市の考え方に賛同し、積極的に取り組んでいきたい」と話した。バーベキューの予約は3日時点ですでに半分ほど予約が入っているという。

◆バーベキュー場は土日祝日の午前10時~午後5時まで開設。料金は1テーブル(6人まで)2000円▽カヌーは土日祝日の午前10時~午後4時。小学4年生以上が対象で、料金は1人1回30分で500円▽水遊び場は9月末まで毎日利用できる。問い合わせは電話029・225・8848(ナムチェバザール)、またはつくば中央公園アウトドア体験2018ホームページ(https://peraichi.com/landing_pages/view/tsukubapark2018)へ。

中央公園の大池でカヌーを体験する五十嵐立青つくば市長㊧
1日オープンし子どもたちが遊ぶ姿が見られる中央公園の西側のステージ池

県南3JAが来年2月合併で調印 新名称は「水郷つくば」

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調印した契約書を見せる関係者ら=1日、土浦市城北町、ホテルマロウド筑波

【鈴木宏子】JA土浦、竜ケ崎、茨城かすみの県南3JAの合併調印式が1日、土浦市城北町のホテルマロウド筑波で開かれ、新JAの名称を「JA水郷つくば」とし、来年2月1日合併する契約書に調印した。合併後はJA常陸(本店常陸太田市)に次いで県内2番目の規模となる。

合併協議会会長の池田正JA土浦組合長は「合併後は販売高の半分くらいをレンコンが占める。広域合併のメリットを生かし、海外輸出や2020年の東京五輪に向けたGAP(農業生産工程管理)認証取得を目指したい。他の作物についてもレンコンブランドをもってセールスをかけていきたい」と抱負を話した。さらに県南地域の今後の広域合併について「水郷つくばは県南の中核JAとなる。今後、JAつくば市や他のJAに合併の働き掛けを進めたい」などと述べた。

新JAの本店は現在のJA土浦本店(土浦市田中)に置き、さらに地区本部をJA土浦本店、竜ケ崎本店(龍ケ崎市)、茨城かすみ本店(美浦村郷中)にそれぞれ設置する。新組合長は現時点で未定という。

調印式は、大井川和彦知事、山岡恒夫県会議長、土浦市の中川清市長、県農協中央会の佐野治会長の4人が立会人となって、JA土浦の池田正組合長、竜ケ崎の木村透組合長、茨城かすみの糸賀一男組合長が契約書に調印した。

大井川知事は「単に合併効果だけでなく今後どうチャレンジするのか、自己改革がどういう形で実を結ぶのかが問われる。新しい市場開拓や商品開発など、県として努力は惜しみなくやらせていただきたい」などとあいさつした。

JA土浦(土浦、かすすみがうら市)は組合員数1万4386人、竜ケ崎(牛久、竜ケ崎市、利根町)は同9301人、茨城かすみ(阿見町、美浦村)は同4326人。3JAは今年3月1日合併協議会を設立し、5カ月での合併調印となった。合併後の新JAの組合員数は7市町村の2万8013人で県内2位、販売高は約104億円で県内5位の規模になる。

笑顔で握手する(左から)中川土浦市長、山岡県会議長、糸賀JA茨城かすみ組合長、木村JA竜ケ崎組合長、池田JA土浦組合長、大井川知事、佐野県中央会会長

土浦の花火を駅前に投影 4、5日「キララまつり」でプロジェクションマッピング

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土浦キララまつりを前に七夕飾りの装飾が施された市中心市街地=土浦市川口1丁目

【谷島英里子】JR土浦駅周辺で4~5日の2日間、「土浦キララまつり2018~魅せます土浦の夏」が開催され、土浦の花火をモチーフとしたプロジェクションマッピングが初披露される。同駅前のアルカス土浦に投影する。

プロジェクションマッピングは、コンピューター映像を建物に投影する演出。毎年10月に開催される土浦全国花火競技大会の知名度をもっと高めようと、市商工観光課が地方創生推進交付金945万円を活用して企画した。

イベント演出やディスプレイの制作を行う五光(本社栃木県)が、「土浦の花火」をモチーフに市内の観光資源も取り入れオリジナル動画を作成。アルカス土浦の外階段から3階ガラス部分に投影し、光や音で約7分間演出し、キララまつりを盛り上げる。4、5日の両日午後7時30分、8時、8時30分、9時の計4回行う。商工観光課は「土浦ブランドの花火を知っていただけたら」と話す。冬にも第2弾のプロジェクションマッピングを5日間実施する予定だ。

土浦キララまつりは、JR土浦駅前通り、土浦港、モール505、タイムズ土浦中央第3駐車場といった駅周辺などを会場に、4日は市内小学生による音楽隊パレードや七夕おどりコンテスト、5日は市民山車巡行、土浦新郷土民謡おどりといった地域の伝統芸能が披露される。霞ケ浦では観光帆引き船合同操業と遊覧船無料乗船会が実施される。

ほかに新企画として、手野や田村のハス田をレトロバスで巡る「土浦ハス花めぐり」レトロバスの運行、子どもが乗れるミニトレイン「ドクターイエロー」「はやぶさ」の運行などがある。飲食や音楽ステージ、行灯(あんどん)装飾、消防車・救急車の展示など盛りだくさんの内容だ。両日とも午後1時~9時30分まで、土浦駅西口から亀城公園前までと、中城通り、本町通りは歩行者天国となる。

詳しくは市観光協会ホームページhttp://www.tsuchiura-kankou.jp/tanoshimu/kiraramatsuri/。問い合わせは実行委員会事務局電話(029・824・2810)まで。

クレオ再生—関与すべきか、市場に任せるか つくば市がHPで2択アンケート

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閉鎖されている商業施設クレオ=つくば市吾妻

【鈴木宏子】一定の財政負担をしてもつくば市が関与すべきか、市場動向に任せ市は関与すべきでないか—西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退後、入居店がなく閉鎖されているつくば駅前の商業施設クレオの再生について、つくば市は7月29日から市ホームページ(HP)で、市が関与すべきか否かについて2択のアンケート調査を実施している。

「クレオの再生に向けた今後のあり方等に関するアンケート」で、質問項目は①クレオ跡地にどのような施設を望むか②市が関与すべきか否かなど。自由意見も書き込める。期間は8月15日まで。アンケートは市HPのみで受け付け、市民でなくてもだれでも回答できる。

これまで市は、つくば駅周辺の中心市街地に関し様々なアンケート調査を実施してきたが、クレオ再生に限定した意見募集はなかったことから、改めて市が関与すべきか否かを聞くという。

クレオについては現在、所有者の筑波都市整備(同市竹園)が、民間に売却することも含めて検討している。

一方つくば市は、5、6階に図書館、窓口センター、市民活動総合センター、子育て支援施設など公共施設を入居させることを検討し調査を実施。6月に、5、6階の設計・整備費用は約22億1400万円になることを明らかにした。現在さらに、クレオ5、6階を賃貸する場合と購入する場合のそれぞれについて、費用や運営方法などの調査を実施している最中。

市学園地区市街地振興室は「現在、あらゆる可能性を検討している。市が建物を全部購入する、一部購入する、全部借りる、一部借りる、市は関与しない—という選択肢があるが、どこかに重きを置いているわけではない。アンケート結果は判断材料の一つになる」などとしている。

アンケートは市HP(http://www.city.tsukuba.lg.jp/jigyosha/oshirase/1005078.html)またはhttps://s-kantan.jp/city-tsukuba-ibaraki-u/offer/offerDetail_initDisplay.action?tempSeq=8013&accessFrom=へ。問い合わせは電話029・883・1111(市学園地区市街地振興室)。

地域交流センター職員を懲戒免職 16年の公金横領で つくば市

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つくば市役所

【鈴木宏子】2016年に発覚したつくば市地域交流センターの未入金事件で、同市は7月31日、135万3950円を横領したとして、当時の同センター主任主査の女性職員(48)を同日付けで懲戒免職処分にしたと発表した。

発覚から処分まで1年8カ月かかったことについては、警察との協議や検察の判断、市としての事実確認等を慎重に行ったため時間を要したとしている。

16年11月22日、市内の地域交流センターで、使用料85万1850円の未入金があることが監査委員の指摘で分かった。2日後の24日、女性職員が徴収した使用料を入金せず、個人的に保管していたことが発覚した。女性職員は同日、未入金だった現金を全額入金した。さらにその後の市の内部調査で、同年12月、女性職員はほかに50万2100円を入金していなかったことが分かった。

つくば市は17年10月、業務上横領としてつくば中央警察署に被害届を出したが、今年3月22日、水戸地検土浦支部は不起訴処分とした。

その後分かった50万2100円の未入金について、市は今年3月1日、監査委員に賠償責任に関する監査請求を実施、同月30日、女性職員に対して賠償命令が出され、職員は4月24日、延滞金を含め全額を市に入金した。

その後も市はさらに事実確認と調査を実施、7月に市分限懲戒審査委員会を2回開き、処分を確定した。

併せて7月31日付けで、女性職員を指導する立場にあった当時係長の男性職員(59)を戒告、管理監督責任があった当時の市民部長(60)など4人を訓告処分とした。

五十嵐立青市長は「市の職員が公金横領という非違行為により、市民の信頼を裏切り多大な迷惑をお掛けしましたことを心からお詫び申し上げます。再発防止に万全を期し、市民の信頼を一日も早く回復できるよう全力を尽くします」などとするコメントを発表した。

つくばの魅力をPR 観光大使を募集

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つくば観光大使(つくば観光コンベンション協会提供)

【谷島英里子】つくば観光コンベンション協会(五十嵐立青会長)は県内外のイベントや行事に出席しつくば市の観光をPRする「第13代つくば観光大使」を3人程度募集している。応募締め切りは8月9日。

観光大使計6人のうち半数の3人を募集する。第12代の3人は継続する。主な活動内容は11月のつくばマラソン、2~3月の筑波山梅まつり、5月のつくばフェスティバル、8月のまつりつくばなどでイベントに参加したり、県外で観光キャンペーンをしたり、メディア出演などを行う。筑波山や同梅まつりでは振り袖姿での業務もある。任期は9月1日から2019年8月31日までの2年間。活動時には日当1万円(基本)の謝礼が出る。

応募資格は①18歳(高校生不可)から40歳までの明るく健康な男女②観光行事にボランティア精神をもって積極的に取り組み、市の魅力をPRできる人③任期中、つくば観光コンベンション協会の指定した日(年間約20日程度)に必ず従事できる人④普通自動車運転免許を持ち、自家用車でおおむね1時間以内で市内に通える人⑤ほかの市町村の観光大使、ミス、キャンペーンガール・コンパニオンの任期が残っていない人⑥家族や勤務先の完全な理解と協力が得られる人⑦SNSを活用した広報活動を実施できる人が条件となる。

同協会によると、応募者数は近年、減少傾向にあるが、毎回県内外から十数人の応募があるという。

応募は同協会ホームページから観光大使応募用紙をダウンロードして必要事項を記入し郵送する(8月9日必着)。問い合わせは同協会(電話029・869・8333)まで。

桜川水害対策は? 洪水想定を昨年見直し 面積1.75倍に拡大

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洪水想定区域が昨年見直され、逃げ遅れなく住民を避難させる対策の検討が始まった桜川=土浦市桜町

【鈴木宏子】200人を超える死者を出した西日本豪雨から3週間が経った。地元の土浦、つくば市などを流れる桜川の水害対策は今どうなっているのか。常総市などに甚大な被害をもたらした2015年の鬼怒川水害を教訓に、桜川の対策は3年間でどこまで進んだのか。

桜川を管理する県によると、鬼怒川水害などを教訓に昨年9月、桜川の洪水浸水想定区域が大幅に見直され、想定区域は見直し前の1.75倍に大幅に拡大された。洪水発生前に住民を確実に避難させ逃げ遅れをなくすための具体的な対策の検討は始まったばかりだ。

昨年見直されたのは霞ケ浦に流れ込む河口から桜橋(土浦市田戸部とつくば市栗原)までの下流10キロ区間のみ。10キロより上流については、まだ堤防が整備されていない箇所があるなど未整備のため、見直しまでに至ってないという。

見直し前は30年に一度の48時間246ミリの降雨を想定していたが、見直し後は、考えうる最大の雨量として、3倍の48時間746ミリを想定した。7月の西日本豪雨では高知、徳島、岐阜、長野県内など8カ所で746ミリを超える総雨量を実際に記録しており、起こりえない数値ではない。

見直し前の下流10キロの浸水想定区域は16平方キロ。見直し後は、1.75倍の28平方キロに広がった。中心市街地一帯が浸水想定区域になる土浦市は、見直し前は、常磐線の線路の東側は浸水が想定されてなかったが、見直し後は線路も東側も浸水すると想定されている。市役所、消防本部、警察署も浸水想定区域内に立地する。水の深さも見直され、見直し前は2階に避難すれば助かるという想定の深さだったが、見直し後は2階天井付近まで浸水すると想定された区域もある。

下流の暫定整備は完了

見直しに伴ってハード面の整備はさらに強化されないのだろうか。県によると桜川は、霞ケ浦圏河川整備計画に基づいて下流10キロ区間の堤防整備や川底の掘削などの暫定計画はすでに完了しており、ハード面をさらに整備する予定は当面ない。今後おおむね30年間でさらに川底を掘削し流量を現在の1.6倍にするという将来計画はあるが、現時点でいつになるか具体的見通しは立たないという。

河口から10キロより上流に堤防が未整備の区間があるため、県は現在、築堤のための用地買収を進めたり、樹木が茂って流れを妨げている箇所は樹木を伐採などしている。ただしハード面の事業費は年間数千万規模だという。

「逃げ遅れなくす」はこれから

15年の鬼怒川水害のほか、16年に岩手県の高齢者施設で入居者が逃げ遅れた台風被害を教訓に、国は減災のための治水対策を見直した。桜川の洪水想定区域の見直しも、国の水防災意識社会の再構築に向けた緊急行動計画などを受けて動き始めた。

桜川では昨年1月に関係市、県、気象庁による県管理河川県南(土浦)ブロック減災対策協議会を設置し見直しが進んでいる。「逃げ遅れによる人的被害をなくす」「地域社会機能の継続性を確保のする」の二つを21年度まで5年間で達成することを目標に据える。ハード面では堤防が未整備の上流区域の早急な堤防整備、ソフト面では地域住民との情報共有や福祉施設入所者の確実な避難をどう実現させるかなどが課題とされる。

昨年の洪水想定区域の見直しを受けて土浦市は、今年度当初予算に洪水ハザードマップの見直し約380万円を計上、今年度中に新たなマップを策定し、全戸に配布する予定だ。見直し前のマップは、浸水想定区域に1万4013世帯、3万5794人が住むとされ、洪水時の避難所として24カ所を指定した。見直し後の世帯数や人口がどうなるかは現時点で未定だ。市役所が浸水した場合、現在、市保健センターがある下高津に災害対策本部機能を移動するという。避難所まで距離があることも課題だ。

一方つくば市は、見直された洪水想定区域に基づいて今年3月までに新たな災害ハザードマップを策定し全戸に配布した。住民の逃げ遅れをなくすなど対策はこれからになる。

昨年9月見直された桜川下流10キロ区間の洪水想定区域(県河川課HPより引用)
見直し前の洪水想定区域(同)

女みこし5年ぶり復活 土浦八坂神社祇園祭

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5年ぶりに復活し土浦市中心市街地を練り歩く女みこし=同市川口

【鈴木宏子】台風12号が接近する中、土浦八坂神社の祇園祭が28日催され、三百貫のみこしが市中心市街地を巡行した。女みこしが5年ぶりに復活した。

正午から予定通りみこし渡御が行われ、当番町の山車3台と獅子1台が各町内などを練り歩いた。

夕方、雨や風が強くなる中、女みこしと三百貫のみこしが共に同市川口町の御仮殿前を出発した。復活した女みこしは、公募で集まった市内外の10代から50代の約80人に担がれ、強い雨が降る中、「ソイヤー、ソイヤー」の勇ましい掛け声と共に街なかを練り歩いた。

巡行を終えた女みこし総括リーダーの山越里枝子さんは「雨が降ったが、いい思い出になったと思う。すべて女子だけでやった。感動している」などと話した。7月に入ってから毎週金曜日に集まり、足の運び方や担ぎ手同士の足運びの合わせ方、担ぎ方などの練習を重ねてきたという。

台風の影響で、子どもみこしの巡行と夜の山車の共演は取り止めとなった。山車と獅子は3日間、市中心市街地を練り歩く。

土浦八坂神社は同市真鍋(旧真鍋町)にあるが、氏子は旧土浦町(中心市街地)にいることから、祇園祭は旧土浦町で行われる。祭りは江戸時代の土浦藩の祭礼を継承したものとされる。三百貫のみこしの重さは本体と担ぎ棒合わせて780キロ。1933(昭和8)年に当時の鉄道大臣、原修次郎が寄贈した。その年は担がれたが、あまりの重さに翌年からは担がれず専用台車に載せて街なかを巡行したといわれている。1977年(昭和52)に「礎會」が結成され、その後は毎年担がれている。

雨がっぱを着た引き手に引かれて練り歩く当番町の山車=同
強い雨の中、勇ましい掛け声と熱気があふれる三百貫のみこし=同

 

台風12号接近 イベント中止や延期に

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トワイライト音楽祭中止の看板が置かれた研究学園駅前公園=つくば市学園南

台風12号が近づき28日夕方には関東に最接近すると発表される中、つくば市や牛久市ではイベントや祭りが中止や延期になっている。つくば市では28日開催予定の「第9回世界のつくばで盆踊り2018」が翌29日に延期、「トワイライト音楽祭」が中止となった。

盆踊りは29日に延期

【第9回世界のつくばで盆踊り】28日(土)午後3時~8時40分まで、つくば市竹園、ショッピングセンター・デイズタウン平面駐車場で開催予定だったが、翌日に延期し、29日(日)午後5時~8時40分まで開催する。午後3時からの生ライブは開催を取り止めるなど一部規模を縮小する。プロとスポーツ遊び、出店、盆踊り、ちびっこ花火遊びなどは予定通り実施する。問い合わせは電話029・860・5000(デイズ・タウン)

音楽祭は中止

【トワイライト音楽祭】来場者が1000人を超えた5回目の今年から、研究学園駅前から同駅前公園に会場を移動したが、台風の影響で中止となった。

一般公開は催し縮小

【夏休み一般公開】28日を夏の一般公開日としていた研究機関は、催しを縮小するなどの対応を行った。▽森林総合研究所=樹木園案内や昆虫トラップの解説、樹高当てクイズなど、屋外での催しが中止となった。同市松の里1。電話029・829・8372▽農業・食品産業技術総合研究機構=4つの会場をバスで結んで公開された。ほとんどが施設内での催しだったことで、中止したイベントはわずかで済んだという。同市観音台3-1-1。電話029・838・8980。

タウンミーティング中止

【タウンミーティング】28日(土)、豊里地区を対象につくば市遠東、老人福祉センターとよさとで開催予定の「第13回タウンミーティング 会える市長」は開催を取り止め、延期とした。延期後の開催予定日は現時点で未定という。

学院大は社会人講座など中止

【学校】筑波学院大学(つくば市吾妻)は28日開催予定だった入試相談会、社会人講座「コミュニティカレッジ」の各講座、ちびっこ博士講座、学生サークル活動等を中止し、附属図書館を臨時閉館とした。

かっぱまつりは29日のみ

【第37回うしくかっぱ祭り】28日(土)、29日(日)の2日間、牛久市役所や花水木通りなどで開催予定だったが、28日(土)は全プログラムを中止する。29日(日)は予定通り午後0時30分~9時まで、よさこい鳴子踊りパレードや河童ばやし踊りパレードのほかステージイベントを開催する。午後3時~9時30分は踊りパレードが催される花水木通りなどは交通規制が実施される。問い合わせは電話029・874・5554(同市観光協会内のうしくかっぱ祭り実行委員会)