日曜日, 12月 28, 2025
ホーム ブログ ページ 253

別人の口座振込済通知を43人に誤送付 つくば市

0
つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市は12日、払い戻し請求があった国民健康保険療養費を請求者の銀行口座などに振り込んだことを知らせる通知書43人分を、誤って別人に送付してしまったと発表した。通知書には口座名義人、振込先の銀行名と支店名、振込金額、療養を受けた人の氏名、療養の内容などの個人情報が記載してあった。

市国民健康保険課によると、払い戻しは、急病や事故などで保険証を持たずに治療を受けたり、ギブスやコルセットなどの治療補装具を購入した場合などに自己負担した分。同課によると、10日付けで同課が払い戻しをした735人のうち、43人分の通知書を別人に誤送付した。口座に振り込んだ金額自体に誤りはなかった。

11日、通知を受け取った市民から、別人の通知書が届いていると知らせがあり、誤送付が発覚した。

氏名と口座情報をそれぞれ別の管理番号でデータ管理していたことなどが原因という。

同課は43人に対し、電話で誤送付を伝えて謝罪。さらに12日から43人の自宅を個別訪問し、謝罪の上で誤送付してしまった通知書を回収している。

再発防止について同課は、ファイルの管理方法を統一し、さらに送付前に複数の職員で通知書を確認するなどして再発防止を図っていくとしている。

【土浦駅前「本屋」座談会】㊤ 駅ビルと近隣で進む「本のまち」づくり

0
土浦駅前に集まった(左から)つちうら古書倶楽部、市立図書館、天狼院書店プレイアトレ土浦店

土浦駅ビル・プレイアトレ土浦に5月末、体験型書店「天狼院書店」が出店し、県内一の規模の市立図書館、関東一の売り場面積がある古書店と、次世代の書店といわれる新刊書店が土浦駅前に集まった。本離れや書店の撤退がいわれる中、過去から未来までを見通せる「3つの知の発信拠点」が駅前に集まったことは注目される。土浦市は、人口減少や少子高齢化問題を抱える地方都市だ。本を扱う3業態が連携して土浦で何ができるかを、市立図書館の入沢弘子館長、つちうら古書倶楽部の佐々木嘉弘代表、天狼院書店の三浦崇典店主が語り合った。司会はNEWSつくば理事長の坂本栄。

図書館はまちづくりにも貢献

駅前に図書館と古書店と新刊書店ができました。同じ本を扱っていてもそれぞれ業態が違うので、横のつながりをつくり、(みんながうまくいく)ウィンウィンの関係ができないいかと思い、この座談会を企画しました。まず、お三方に自分のところの売り、これが自慢だということを話していただき、そのあと、3者でどういったコラボが考えられるか、アイデアを出してください。私はアマゾンの電子本と宅配を多用しているので、現物の本を扱う書店や図書館が、ネット書籍や本のネット注文をどう見ているのかにも、関心があります。その辺もうかがいたいと思います。最初に、それぞれの業態の特徴を教えてください。

入沢 土浦市立図書館は県内で3番目に古く、今年で創立95周年になります。延床面積は県立図書館を抜いて茨城県内で一番大きく、5120平方メートル。開館して1年7カ月ですが、これまでに91万人の方にお越しいただきました。この数は図書館業界の中ではかなり早いようで、来館者の多さで評価をいただいています。

全国的に見ても、図書館が古くなり建て替えを検討している自治体が多く、加えて地方都市の駅前が衰退しているという、共通の課題があります。それを解決するために、図書館でまちを活性化できないかと、駅前に図書館を移す自治体が多くなっています。土浦の図書館も、本来の公立図書館としての機能のほか、まちづくりに貢献するという使命が与えられています。私たちはいろいろな取り組みを考えながら、この両輪で図書館を運営しています。

古書倶楽部の購入と販売は10対1

続いて、つちうら古書倶楽部の佐々木さん、お店の特徴をお願いします。

佐々木 うちが普通の書店と違うところは、お客さんの蔵書の買い取りが大きい比重を占めていることです。バブル経済期は古本屋があちこちにあり、土浦にも5~6店ありましたが、ほとんどつぶれてしまいました。私のところのお客さんは、茨城県南のほか、東京や神奈川からも来ますが、本を整理したいという方が多いです。つまり、古本の買い取りが中心で、店で買ってくれるお客さんはガタ減りしています。

アマゾンなどの本の通販や、ネットに載らない戦前の本、特に江戸とか明治時代の古い本とかを扱うことで対抗しています。

買い取る古本と販売する古本は、どういった比率ですか。

佐々木 圧倒的に仕入れが多いですね。だいたい10対1です。古本屋の組合があって、買い取った本のうち、土浦で不用なものは東京の交換会に出します。茨城の場合は水戸にありますが、各都道府県にも古本市場があり、毎月交換会が開かれます。

うちの場合、34年前に自宅で古書店を始め、それから駅前のイトーヨーカドー土浦店(2013年閉店)の中を借りて5年やりました。ヨーカドーが撤退するとき、本をどこに移そうか悩んでいたら、顔見知りのビルオーナーから「うちに入ってください」と言われ、東京、神奈川、福島の古本屋仲間約20人に声を掛け、今の店を立ち上げました。駅前のここ「パティオビル」に移って7年目になります。

土浦の天狼院はオーソドックスな店

続いて、天狼院の三浦さんです。本業界では実物本の販売が落ちているのに、どうして新刊店を出す決断をしたのですか。

三浦 私のところは、池袋で2013年9月にオープンしたのが1店目。その時に掲げたのが「リーディングライフの提供」です。本だけでなく、その先の体験も提供する、次世代型書店をつくろうと立ち上げました。東京、京都、福岡の店はセレクトショップの形をしています。つまり(ジャンルを絞り込んだ)セレクトした本を置く店のことですが、僕はもともとそういう書店はやりたくなかった。時代に逆行していると言われますが、5月末に開いた土浦店のようなオーソドックスな書店をやりたかった。

ということは、土浦店は昔風の本屋ということですか。

三浦 オーソドックスです。60坪の店に、売れ筋の新刊、コミック、参考書、雑誌、文芸書、文庫、新書、実用書、児童書の売り場があります。もちろん、体験を提供するのは得意なので、記事の書き方を教える「ライティングゼミ」とか、写真の撮り方を教える「フォト部」などの企画も持ってきてはいますが…。

でも土浦でやりたかったのは、一般の新刊書店です。お金もかかるし、もうかりませんが、やるからには勝算はあります。目指しているのは、寿命100年時代に、そのまちの知を担う書店であること。もうけるのではなく、存続させること。これが土浦店のコンセプトです。

―参考までに、ほかの天狼院の店の形を具体的に教えてください。

三浦 京都祇園の店は町家を改装した40坪で、坪庭もあります。普段着姿の舞妓さんも来ます。外国人のお客さんも多く、売り上げの半分が外国人客で占めています。併設のカフェも人気です。本はセレクトしており、源氏物語の英訳版などインバウンド向けが売れています。スタッフには本好きを投入していて、京大の文学部出身者や本を書いている人もいます。

福岡の店は自習室カフェ、「いつまでいてもいい書店」です。クリエイターや勉強する人が1日中いて、カレーとか豚汁も売っています。

池袋は4店が散らばっているのですが、(書店ではない)カメラ技術を習得するスタジオや、ビジネス書専門の店もある。池袋は様々な発信基地、放送局みたいなイメージがあります。本店の東京天狼院は、部室のようなたまり場になっています。

その地のニーズに応え、その地その地で店の形が違うということですか。

三浦 すべてカスタムメードです。最初に掲げたコンセプトには「リーディングライフの提供」だけでなく、「iPS細胞のように自在に進化する」というのもあります。お客さんの欲望によって形が変わっていくということです。今の時代、どこに行っても同じというのは無理です。土浦は高校生が多いということなので、これに合わせて変化させていきます。現在は第1形態です。ゴジラみたいに第5形態までいきます(笑)。

高校生を活字中毒にしてしまおう

入沢 土浦は高校が多く、特別支援学校を入れると10校あります。昼間、土浦に来ている高校生は9000人ぐらいいる。駅前に図書館が新築移転して大きく変わったのは、高校生の利用カード(登録者)が旧館時代の82倍になったことです。図書館で勉強するだけでなく、移転前に比べると、6倍近く本を借りるようになりました。

三浦 ということは、僕らのミッションとしては、今の段階で「高校生を活字中毒にしてしまえばいい」ということですよね。(笑)

土浦店は高校生を念頭にカスタマイズした方がよさそうですね。

三浦 そうなると思います。土浦一高をはじめとして勉強熱心な高校生が多いと聞いています。難関大学専門の参考書も入れてほしいとご要望をいただき、なるほどと思いました。土浦店ではここを伸ばせばいい、ここを削ればいいというのが見えてきました。あらゆる方向に伸ばせる可能性がある。今は夢想段階です。

時代逆行と言われるかもしれませんが、土浦では本の配達も始めようかと思っています。今はネットで買うと言われていますが、自分の父親はネットを使わないとか、スマホを使わずガラ携でいいという世代が結構いますから。(つづく)

▶入沢弘子(いりさわ・ひろこ)=土浦市立図書館館長兼土浦市民ギャラリー副館長、土浦市広報マネジャー併任。1962年生まれ。

▶佐々木嘉弘(ささき・よしひろ)=つちうら古書倶楽部代表。茨城県古書籍商組合組合長。1954年生まれ。

▶三浦崇典(みうら・たかのり)=天狼院書店店主。ライター、編集者、劇団主宰、映画監督、大学講師。1977年生まれ。

新時代のハイブリッド道の駅  「グランテラス筑西」オープン

0
須藤市長らがテープカット、完成を祝った「グランテラス筑西」

【相澤冬樹】年号が「令和」に改まり、国交省が登録した全国6カ所の「道の駅」の先陣を切って11日、筑西市に「グランテラス筑西」がオープンした。地元産品の直売を中心とした従来型の施設にない機能を組み合わせ、「ハイブリッド道の駅」をめざして同市が整備していた。午前中、関係者らを招いて完成を祝う式典を行った後、正午に一般客を迎えて開場した。

同市川澄、国道50号下館バイパス沿いの総面積4万7709平方メートルの敷地に、3棟からなる地域振興施設(延床面積4216平方メートル)と芝生広場などを市が整備し、国交省がトイレ・情報交流施設(同265平方メートル)を設置した。国交省登録の道の駅としては全国1155カ所目、県内では14番目となるが、運営の第3セクター、ちくせい夢開発(代表取締役・須藤茂同市長)によれば「県内最大級」の規模ということだ。

メーンの物産・直売・レストラン・カフェ棟には農産物・物産直売所のほか、同市産の食材を中心に調理した惣菜の店舗、外食店舗も軒を並べた。屋外には新スポーツのスラックラインエリアや隣接の畑で収穫体験も楽しめるバーベキュー場などがお目見え。駐車場は361台収容(うち大型車43台)で、ドライバー向けのリラクゼーションルームなども整備、さらには水戸線岩瀬駅発の高速バスが同施設経由となり、駐車場に車を止めて東京直行便が利用できるようになった。

同施設は2015年に推進協議会が立ち上がり、構想の事業化が進められてきたもので、18年9月に着工、第3セクターも設立され、今年6月国交省の「道の駅」第51回登録に記載された。完成式で須藤茂同市長は「何とか茨城まごころ国体までに間に合わせたいと念じていたが、夏休み前にオープンできた。地権者はじめ関係者の熱意と理解のたまものと感謝している」と述べた。

地元食材中心に提供する惣菜店もお目見え

 

【高校野球茨城’19】常総は上々の立ち上がり 2回戦 シード校登場

0
4回裏1死二塁、常総学院・鈴木の中前打で手塚が生還し3点目

【池田充雄】第101回全国高校野球選手権茨城大会は、5日目のきょう11日から2回戦に入り、各球場にシード校が姿を現した。J:COMスタジアム土浦では第2試合にAシードの常総学院が登場、鬼怒商に8対0のコールド勝ちを収め、上々の立ち上がりとなった。

常総学院は打線が一巡した3回から本領を発揮。1番からの好打順でたちまち3安打を放ち2点を奪う。4回は1死二塁から1番・鈴木琉晟が2打席連続のヒット。さらに相手投手の乱れに乗じ1死二、三塁とすると3番・菊田拡和、4番・斉藤勇人、7番・菊地壮太がいずれも長打でこの回一挙5得点。6回にも6番・北澤侑樹の犠牲フライで1点を加えた。

この日、鬼怒商の先発は江原恭真。右打者の多い常総に対し左腕を立ててきた。だがそれも佐々木力監督には想定の範囲。「最初は手探り状態だったが、球種や牽制のタイミングを見抜いてからは、どんどん足も使った。相手投手は、ランナーが出たら走られるのを嫌がってストレートが多くなる。そこを打線が仕留めてくれた」

注目の強打者、菊田はこの日4打数1安打。4回に左中間へ二塁打を放ち2打点を挙げた。「スイングは悪くないし芯で捉えている。打球が上がってくればホームランも出るだろう」と佐々木監督。

投手は3人を試した。先発は昨夏もマウンドに立った菊地竜雅。この日は最速147キロを投げたが、本気になればもっと出せそうだ。「四球とか出さず守備の時間を短くできるよう、コントロール重視で投げた」とのこと。2年生で次期エース候補。今大会でも出番は多そうだ。

188センチの長身から投げ下ろす一條

5、6回を投げたのは一條力真。やはり2年生で夏の大会は初経験。四死球でランナーをためる場面もあったが、野手陣の励ましで立ち直った。身長188センチの恵まれた体格を生かし、伸びのある直球で打たせて取るピッチングだ。7回は下手投げの池田隼彦が登板、3人を10球で打ち取った。このほか投手陣にはエース級の塙雄裕や岡田幹太も控えている。戦力の全貌が明らかになるのは、まだまだ先になりそうだ。

※11日土浦・つくば勢の他の試合結果は

▷磯原郷英2―3つくば国際

土浦市内10高校が集結 「学祭」今年は8月3日

0
「学祭TSUCHIURA2019」企画検討会議のメンバー=土浦市役所

【谷島英里子】土浦市内にあるすべての高校(10校)が集結するイベント「学祭TSUCHIURA2019」が今年は8月3日に開催されることが決まった。市、市教育委員会が主催して昨年11月に初めて開かれ約2000人が来場した。今年は土浦キララまつり(8月3、4日)や学校説明会の開催時期に合わせ、より多くの来場者を狙う。

学祭は小中学生に向け土浦での高校生活のイメージ向上を図るとともに、市民や高校OB・OGの愛着心を喚起するのが目的。土浦は県内で水戸に次ぎ高校が多く、毎日約9000人が市内に通学しているという。会場はJR土浦駅西口周辺のうらら大屋根広場やアルカス土浦などで行う。

参加するのは県立土浦一、土浦二、土浦三、土浦工業、土浦湖北、土浦特別支援。私立は土浦日大、土浦日大中等教育、常総学院、つくば国際大高校。

11日には各校代表生徒で組織された企画検討会議のメンバーが記者会見を開き、企画内容を説明した。昨年に引き続き、目玉となるステージを使った部活動紹介のほか、本の魅力を紹介し合う学校対抗ビブリオバトル、絵画や書の作品展示などをする。新たに、会場4カ所を巡るスタンプラリーを開催し、模擬店を出店するという。

企画検討会議では他校とのつながりを高めたり、近隣の小中学生に各校の特色を知ってもらいたいとこれまで5回の打ち合わせを行ってきた。生徒たちは学祭の良さを「学校説明会は1日に1校しか行く時間がないが、学祭なら1日に10校も見られる」「いろいろな部活動を地域の方にも見ていただける」などと語った。

ポスターは、小中学生を意識した可愛らしく元気なデザインで、お祭りをイメージさせようと、つちまるに法被を着せ、各校の校章を入れた。生徒が案を出して市内在住のイラストレーター、ふるやまなつみさんが制作した。

土浦工業3年の狩谷燎亮さん(18)は「明るく元気でさわやかなイベントなので老若男女が楽しめる。ぜひご来場ください」と呼びかけている。

全面建て替え工事完了 ジョイフルアスレティッククラブ土浦 15日オープン

0
全面建て替え工事が完了し15日午前11時オープンする「ジョイフルアスレティッククラブ土浦」=土浦市中村南

【山崎実】全面建て替え工事が完了した「ジョイフルアスレティッククラブ土浦」(土浦市中村南)が15日、オープンする。

土浦店はつくば科学万博が開催された1985年にオープンした。以来、スポーツコミュニケーションの場として親しまれてきたが、35年の節目を迎え、老朽化が進んだこともあり、全面的に建て替えた。新施設の延床面積は約7400平方メートルで県内最大級。

新施設の主な特徴は、スポーツクラブでは類をみない540平方メートルのアリーナを新設した。プールは子ども用(25メートル、8コース)、大人用(同、6コース)のほか、水中歩行専用のコースを整備。男女とも約30基のシャワー、3種類の浴槽(女性は4種類)を用意した。施設全体を周回できる1周230メートルの室内ウオーキングコースも新設した。

540平方メートルのアリーナ。卓球、バドミントン、バレーボール、バスケットボール、フットサルなどができる。子供の体操教室なども開催しアリーナ横のギャラリースペースから子供の姿が観覧できる(ジョイフルアスレティッククラブ提供)
25メートル×8コースの子供用プール(同)

また県内では初出店となる、富士山溶岩石の床プレートから放つ遠赤外線効果と薬石の鉱物ミネラルで脂肪燃料などが期待できるマグマスパスタジオ(店名「J-HOT」土浦店)も同時にオープンする。500台以上の駐車が可能な駐車スペースは。8月に全面オープンの予定。

同店はスポーツ関連のほかにも、現在実施しているカルチャー教室に、9月から英会話教室を開講する予定で、子どもから大人まで幅広い層のコミュニティの場を目指している。

2011年の東日本大震災の際は地域住民に浴室を開放した経験から、7月末には、土浦市と災害時における施設開放協定を締結し、プールやシャワーを提供するなど地域貢献にも力を入れる。

ジョイフルアスレチッククラブ(安達幸生社長)は「コンセプトは『人と人とがつながるクラブ』で、地域の健康づくりとコミュニティの拠点として利用していただきたい」と話している。

約100台のトレーニングマシンがそろうトレーニングジム(同)。テレビやインターネット接続可能なマシンや、ゆったりしたラウンジ、芝生エリア等を備える(同)

【高校野球茨城’19】筑波、待望の1勝ならず

0
4回表、ヒットを放つ吉田

【池田充雄】第101回全国高校野球選手権茨城大会4日目の9日、ひたちなか市民球場の第1試合で筑波が東海と対戦し、7対8で敗れた。終盤で4点のリードをひっくり返され、目前に迫っていた単独チームでの待望の1勝が、手の中からこぼれ落ちた。

筑波は初回表、先頭の田中康太主将が内野安打で出塁すると、2番・森田雄登の送りバントで相手が処理を誤った隙に、一気にホームを狙い1点を先制。3回にも満塁押し出しで1点を追加。その裏に相手のランニングホームランなどで3点を失うが、4回に4点を挙げて再び試合の主導権を握った。

4回の攻撃の白眉は、2死満塁の場面で走者一掃となった、3番・市川龍之介の中越えスリーベース。「少しでも先輩を返したいと思って打席に入った。外の低いストレートで好きなコースだった」と振り返る。

投打でチームの中心となった田中

3年の田中と吉田拓海、そして2年の市川は、昨年の秋冬は3人だけで練習に励んできた。昨夏は連合チームで記念すべき1勝を飾ったが、それでも単独チームへの思いは強かった。

春になって人数が増え、チームらしくなったときの様子を吉田は「他を気にせずできるところまで練習し、だめなところはだめと言えるようになった」とうれしそうに語る。「連合チームでは選手にとまどいもあった。単独なら負けても自分たちの経験として積み重ねになる」と田嶋一彦監督。6月からは助っ人選手も加わって練習を積み、試合ができるまでになった。

しかし鍛えきれない部分も残った。実戦経験だ。練習試合でもコールド負けがほとんどで、9回まで競り合うのは今回が初めて。「自分の力を出せていると実感でき、楽しかった」と田中は言うが、疲れは確実にのしかかっていた。

相手に大きな当たりが出るようになり、8回を終えた時点で7-7の同点。9回にはストライクが入らず満塁とされ、ついにサヨナラのヒットを許す。「打球がショートの頭上を越え、涙が出た。だが後悔は全くない。いままでの中でいちばんいい試合だった。仲間一人一人が試合の中で成長できた」と田中は試合後、落ち着いた表情で語っていた。

試合後、ベンチ前で相手校の校歌を聞く

「装具難民なくしたい」 つくばの2社が福祉機器情報管理システムを共同開発

0
福祉機器の補装具に貼り付けたQRコードのシールを紹介する幸和義肢研究所の横張巧副社長㊧とペンギンシステムの仁衡琢磨社長=つくば市役所コミュニティ棟

【鈴木宏子】「装具難民」をなくしたいと、つくば市の義肢装具メーカー、幸和義肢研究所(同市大白硲、横張和寿社長)とソフトウェア開発会社、ペンギンシステム(同市千現、仁衡琢磨社長)が、福祉機器のトレーサビリティー(履歴管理)システムを共同開発した。車いすや義足などの耐用年数や、不具合が起こったときの修理方法などがQRコードで分かり、利用者と製造会社などが情報を共有して、いつでも適切なサポートを受けることができる。

車いすや義足、杖などの福祉機器を使い始めても、その後、壊れたり、耐用年数を超えたり、体の状態が変化して合わなくなることがある。福祉機器は使う人によって一つひとつ異なるため、それぞれに応じた適正なサポートが必要だが、使って数年が経過し、利用者が、いつ、どこで、だれが作ったかが分からなくなると、正しいサポートを受けられない場合があるという。高齢者社会が進行し福祉機器を使う人が増える中、福祉機器が壊れたまま自宅で埃をかぶっていたり、合わないのに使い続けたりしている状況が「装具難民」として医療や福祉の分野で問題になっている背景があるという。

QRコードによるトレーサビリティーシステムは、利用者と、福祉機器製作会社、医療・介護関係者などが常に情報を共有して、利用者が正しいサポートを受けられるようにしようと開発された。「ぽーさぽーと」という商品名で、QRコードを車いすなどに貼り付け、読み取れば、ウェブサイトに保管してある、処方した病院、福祉機器を製造した会社、製造日、型式、目的や効果、仕様、耐用年数などの情報がすぐに分かる仕組みだ。

同システムは、市内中小企業の技術マッチングを応援しようとつくば市が7月に開始した「提携締結・協業成果情報発信事業」の第1号に選ばれた。今後、市が関係する技術展示会などで展示してもらいPRするという。

さらに両社は、13~14日に仙台市で開かれる第35回日本義肢装具学会学術大会で発表するほか、10月に神戸市で開かれる第17回国際義肢装具協会世界大会にも参加し、国内だけでなく海外展開もしていく方針だ。

開発したシステムは今後、幸和義肢研究所が福祉機器製造会社を対象に販売する。導入費用は製造会社に負担してもらい、利用者には経済的負担がないようにする。価格は、QRコードラベルを発行する「ぽーさぽーとアプリ」などを導入する初期費用が15万円、月額利用料は1万6000円。システムを導入すれば、製作会社は何件でも製品情報を登録し、QRコードを発行できる。製品の情報や操作履歴は自社で管理できる。

幸和義肢研究所の横張巧副社長は「今まで関東しか営業エリアがなかったが、このシステムで国内だけでなく世界に商品提供できる企業に成長していけたら」と述べ、ペンギンシステムの仁衡社長は「つくばの2社が世界に旋風を巻き起こすことができたら」と話している。

◆問い合わせは電話029-875-7627(幸和義肢研究所内ぽーさぽーとプロジェクト)

【高校野球茨城’19】土浦一が逆転勝利 土浦二も初戦突破

0
8回裏土浦一無死三塁、暴投で三走・酒井が本塁突入し同点とする

【池田充雄】第101回全国高校野球選手権茨城大会3日目の8日、ノーブルホームスタジアム水戸の第2試合で、土浦一が太田一と対戦し3対2の逆転勝ちを収めた。ひたちなか市民球場の第1試合では土浦二が那珂湊に9対4で競り勝った。

土浦一、8回裏に一挙3点

土浦一は2点ビハインドで迎えた8回裏、長短打4本の固め打ちで一挙3点を奪った。

試合は序盤、投手戦の様相。6回表に太田一が先に2点を挙げて均衡を破った。ここまで土浦一は5回の三塁打1本のみ。7回には単打と四球、失策で無死満塁の絶好機を作るが、拙攻で無得点に終わっていた。

ところが8回、打線は驚くほどの勝負強さを見せた。先頭の2番・藤又俊介が左中間へ二塁打。3番・酒井省吾は右翼フェンス直撃の三塁打。この長打2本でまずは1点。続く4番・佐野翔がファールと選球で粘ると、これが相手の暴投を誘い、走者・酒井がホームを踏んで同点とする。

さらに2死二、三塁の場面で、途中から8番に入っていた高橋脩造が逆転打。「前の打席では、真ん中を打とうとして高めへ伸びてくる相手のストレートに手が出てしまっていた。次は絶対打ってやろうと思い、低めを意識してセンター前へ運んだ」と振り返った。

8回裏無死二塁、酒井が右翼フェンス直撃の適時三塁打を放つ

7回と8回で何が変わったのか。「何も変えた部分はなかった。あせり始めていたことは事実だが、自分たちがやってきたことを信じ、絶対逆転できるから、あせらずに行こうと確認した」と黒田堅仁主将。「これまでも最少失点に抑えながら終盤勝負に持ち込み、逆転で勝ってきた。特に勝負どころでの集中力には自信がある。それを出すことができた」

先発の古宮学樹も、6回を2失点で乗り切ってからは危なげないピッチングで完投勝利。「体力には自信があり、球速も最後の方が上がる」という。こういう信頼できるエースがいることも、終盤勝負に懸けられる理由の一つのようだ。

次戦は12日第2試合、J:COMスタジアム土浦で竜ケ崎一と対戦する。柴沼剛己監督は「このチームらしく野球の楽しさを感じながら、全力で最後まで食らいついていき、見ている方々に元気と感動を与えられるプレーをしたい」と意気込みを語る。

土浦二、粘る那珂湊を突き放す

1回裏、相手の捕逸の間にホームインした葉梨主将

土浦二は、序盤から先行しては追い付かれる展開が続いたが、7回裏に一挙5点を奪って突き放した。6回表に3-3と同点にされ、その裏の攻撃でも盗塁を2度失敗するという、悪い流れを見事に断ち切った。

7回裏1死、9番・中澤恭聡の左越え二塁打に始まり、7人で6安打の固め打ち。「序盤は低めの緩い変化球に崩されていたが、回を重ねるうちに慣れ、引きつけて強い打球を返せるようになった」と、坂本武司監督は分析する。

勝ち越しの2点殊勲打は2番・葉梨琉良主将。1死二、三塁の場面で、高めに浮いたカーブをセンターにはじき返した。「下位がチャンスを作ってくれたので、上が打たなくてはと思った。相手は内野が前へ出て二遊間が空いたので、打ち上げないよう気を付けてライナーで抜いた」

葉梨はこの試合3安打3打点の活躍。初回には足でかき回して先制のホームを踏み、8回にも右前打で1点を追加。「ここへ来て、初めて主将らしいことをチームのためにできた」と、プレッシャーからも解き放たれた様子だ。

初戦のマウンドを守ったのは庄司大翼。立ち上がりがよく、初戦でも落ち着いたピッチングができると見込まれた。6回以降はピンチが続いたが、二つのダブルプレーなど守備にも助けられた。「途中から足がつりかけて球威が落ちたが、あと少しだと思って捨て身で投げていた」と、苦しみながらも完投。

次戦では最速138キロを誇る左腕のエース、堀越優貴が登板予定だ。12日の第1試合、県営球場で水戸啓明と対戦する。「最近は2回戦で強い相手に当たることが多く、ここを突破するのが一つの目標。うちは苦しい中で勝って落ち着けたが、相手は初戦で緊張もある。やってきたことを全て出して食らいついていきたい」と、坂本監督は意気込む。

苦しみながらも完投勝利を挙げた庄司投手

【高校野球茨城’19】土浦三、湖北がJ:COMスタジアムで初戦突破

0
1回裏土浦三、宮田の先制打

【池田充雄】第101回全国高校野球選手権茨城大会2日目の7日、J:COMスタジアム土浦の第1試合で土浦三が牛久と対戦し3対2で初戦を突破した。第2試合、土浦湖北対水海道二の試合は5対1で土浦湖北が勝利した。

土浦三、エース濱崎が自らのバットで同点

8回表牛久2死一、三塁、ホームへ向かう三塁走者をタッチアウト。三塁手・宮城優斗

土浦三は1回裏2死一、二塁の場面、5番・宮田侑資の右中間適時打で1点を先制。「初回からリズムを作れるよう、高めのストレートをいい感じで打ててよかった」と宮田。

エースで主将の濱崎鉄平は、1~3回を1ヒットに抑える安定した立ち上がりだったが、4回に足をすべらせた影響からコントロールが乱れ始め、5回表に3安打などで2点を失う。だがその裏に1死満塁のチャンスを作ると、濱崎が自らのバットで同点。「とにかく1点が欲しかった。追い込まれていたので、短く持って当てていった」

そして7回裏2死一、二塁の場面で、四番・松浦直哉のヒットで勝ち越し。アウトコースの直球を力を抜いて振り抜いた打球は、一、二塁間を抜けてライト前へ。「前の打席まで凡退が続いていたが、チャンスだったので濱崎のためにも打ちたかった」

牛久には7、8回にも得点機を作られるが、土浦三は慌てず濱崎を中心とした守りでしのぎきった。「思い通りに投げられなくても気持ちで抑えられた」と濱崎。12日の2回戦では、同地区の強豪である霞ケ浦と対戦する。「相手はいい選手がそろっている。ローカル大会などでは負け続けてきたが、全員野球で倒したい」と、気持ちを高める。

牛久:高橋宏、仙田-中谷 土浦三:濱崎-松浦 ▽三塁打=古川(牛)▽二塁打=栗山(牛)

湖北、代打・川崎がツーラン

ツーランを放ちダイヤモンドを回る川崎

土浦湖北は1回表、5番・郡司翔琉の中前タイムリーで2点を先制。3回裏の水海道二に1点を返されるが、6回表に代打・川崎歩のツーランホームランが飛び出しリードを広げ、9回にも高野隼主将のタイムリーでダメ押しした。守りではエースの大坪誠之助が本来の調子ではないものの6回を1失点に抑え、7回からはリリーフの天野宮拓夢が2安打無失点で締めた。

土浦湖北の小川幸男監督は「水海道二は戦力が充実しており、手こずると思っていたが、初回いい形で得点でき、よもやのホームランも出た。その後もいい場面を作れたが、バントなどでチャンスを広げられなかった」と課題も口にする。

事実、2回から5回までは8三振1安打に抑えられてしまった。「相手投手はカットボールなどを使った中の攻め方がうまかった」と小川監督。高野主将は「小さく変化するボールに手こずったが、つなぐバッティングへと意識を変え、一丸となって点を取ることができた」と話した。

6回のホームランについて川崎は「外のストレートを逆方向へ運ぶプランだったが、狙い目のスライダーが来たので思い切りいった。少しこすってしまったが風で伸びてくれた」と胸をなで下ろす。代打での登場が多いが、2年生でホームランはすでに8本。「次も大事なところで打てるよう頑張りたい」と気構える。

次戦は12日、ひたちなか市民球場の第1試合で石岡一と対戦する。春の甲子園を経験した岩本大地投手をどう打ち崩すか、これからの1週間で対策を練るという。

7回から好投した救援の天野宮投手
土浦湖北:大坪、天野宮-郡司 水海道二:柴、瀬尾、柴-張替 ▽本塁打=川崎(湖)▽二塁打=大坪(湖)舘野(水)

土浦、つくば勢のほかの試合結果は以下の通り。

▷つくば国際20-1つくば工科(5回コールド)

▷土浦工0-15麻生(5回コールド)

「わたしが障害者じゃなくなる日」 つくばの自立生活センターが読書感想文コンクール

0
課題図書「わたしが障害者じゃなくなる日」を紹介する「つくば自立生活センターほにゃら」の斉藤新吾代表=つくば市天久保、つくば自立生活センターほにゃら

【鈴木宏子】夏休みを前に、つくば市の障害者自立支援団体「つくば自立生活センターほにゃら」(同市天久保、斉藤新吾代表)が、小学校3~6年生を対象に独自の読書感想文コンクールを開催する。課題図書は、NHK・Eテレ「ハートネットTV」などに出演している重度障害者、海老原宏美さんの「わたしが障害者じゃなくなる日―難病で動けなくてもふつうに生きられる世の中のつくりかた」(旬報社、税抜き1500円)。

著者の海老原さんは小中高校、大学と車いすで普通学校に通い、自分から「手伝ってほしい」と周りに話し掛けることで周りを変えていった。課題図書は、海老原さんの子どもの頃からの体験をつづり、子どものころ母親から言われた五つの教え、車いすを押してくれたクラスメートとの思い出、韓国で経験した野宿の旅などが記されている。海老原さんと子どもたちとの対話が各章にあり、海老原さんの体験を通して、障害とは何か、平等とはどういうことか、思いやりと人権との違い、人間の価値とは何かなどを、子どもたちと一緒に考える内容となっている。

コンクールは、ほにゃらと水戸市の「自立生活センターいろは」が共同で開催する。開催を前に両団体は、つくば、水戸、ひたちなか、那珂、龍ケ崎5市の教育委員会に同書を計100冊寄贈している。5市の全小学校の図書室などに置かれる予定だ。100冊の購入費などはクラウドファンディングなどを通して今後集めるという。

著書の海老原さんは斉藤さんの友人でもある。重度障害者の斉藤さんはつくばで、海老原さんは東京・東大和市でそれぞれ障害者の自立を支援する当事者団体を設立した。つくばのほにゃらが2016年に15周年を迎えたときは海老原さんが祝いに駆けつけ講演をしてくれた。

斉藤さん(44)は「障害者権利条約が批准され県障害者権利条例が施行された中、『障害』の定義が変わってきたことを、本を通して子供たちに知ってもらいたい」と話し、「著者の海老原さんは、障害をもっていても、人に手伝ってもらったり工夫しながら生活している。のびのびと生きることが難しくなっている状況の中で、生きるヒントとなり、子どもたちに自分らしく生きていていいんだよということが伝えられたら」と語る。

◆応募締め切りは9月10日。読書感想文の字数は3・4年生が1200字以内、5・6年生は1600字以内。送り先は〒305-0005 つくば市天久保2-12-7 つくば自立生活センターほにゃら。審査委員は、「こんな夜更けにバナナかよ」の作者、渡辺一史さんなど4人務める。問い合わせは電話029-859-0590(ほにゃら)。

チャレンジの部女子・久保田さん(土浦市)優勝 霞ケ浦トライアスロンフェスタに450人が参加

0
スイム(水泳)に挑む選手たち=土浦市川口の土浦新港

【崎山勝功】水泳・自転車ロードレース・長距離走を組み合わせたスポーツ、トライアスロンを霞ケ浦湖畔で競う「第2回霞ケ浦トライアスロンフェスタ」が6日、土浦市川口の土浦新港周辺特設コースで開かれ、県内外から約450人が参加した。

同大会は、県トライアスロン協会と土浦青年会議所(JC)が実行委員会を組織して主催。未明から雨が断続的に降る天候で開催が不安視されたが、午前8時ごろには雨が収まり大会が行われ、選手たちは曇り空の下で長丁場の競技に挑んだ。

スイム(水泳)は土浦新港内の1周500メートルの周回コース、バイク(自転車)は自転車専用道「りんりんロード」を含む、同市手野から田村町周辺の1周約8キロの周回コース、ラン(長距離走)は川口運動公園の周辺地域など約10キロ(チャレンジ、リレーの部は約5キロ)のコースで設定された。競技は、スタンダードの部(水泳1.5キロ、自転車40.6キロ、長距離走10キロ)、チャレンジの部(水泳1キロ、自転車17.2キロ、長距離走5キロ)、リレーの部(3人1組で参加。水泳500メートル、自転車17.2キロ、長距離走5キロ)の3部門に分かれてタイムを競った。

バイク(自転車)でコースを駆け抜ける選手たち=土浦市川口

1年間仲間と一緒に頑張った

このうち、チャレンジの部女子では、久保田紀子さん(42)=土浦市、スポーツアカデミー土浦・SST=が1時間25分58秒で優勝。リレーの部では、川崎自転車土浦チーム(土浦市)が55分40秒で2位入賞するなど、地元・土浦勢が活躍を見せた。

優勝した久保田さんは「去年初めてトライアスロンに参加して、今日が2回目だった。1年間今日のためにチームの仲間と一緒に頑張った結果だったと思う。ぜひ来年も参加したい」と語った。

チャレンジの部女子で優勝した、久保田紀子さん(右から2番目の女性)=同

川崎自転車土浦チームで水泳担当の滝隼人さん(33)は「気持ちよくレースできて良かった」、自転車担当の大塚融さん(51)は「去年よりも風が強くて追い風と向かい風があったけど、トップでラン(長距離走)の選手に渡せたのが良かった」、長距離走担当の伊藤忍さん(49)は「出来は悪くなかったけど最後の最後に(1位走者に)抜かれた。力の差だった」と、それぞれ競技を振り返った。

リレーの部で2位入賞した、川崎自転車土浦チームの選手たち=同

大会には筑波大トライアスロン部の部員たちも参加し、日頃の練習の成果を披露した。同部の岩碕幹生さん(22)は2時間06分16秒でスタンダードの部男子3位に入賞した。「バイクは結構風があったけど、人が多かったので最初から最後まで楽しく走れた」と述べた。同部マネージャーの早川真央さん(21)も今回は選手として初参加し、1時間35分06秒で、チャレンジの部女子で4位入賞する健闘を見せた。早川さんは「完走できて良かった。本当に大変さが分かった」と話した。

大会には視覚障害者も一般選手と一緒に参加。高橋勇市さん(54)=東京都=は、ガイド走者の松丸真幸さん(44)=鹿嶋市=と一緒に参加した。完走した高橋さんは「去年より暑くなかったので良かった。どんどん回を重ねて日本を代表するような大きな大会になってほしい」と語った。

 

【高校野球茨城’19】甲子園目指す100校93チーム 夏の大会開幕

0
開会式に97チームが揃い踏みした=ノーブルホームスタジアム水戸

【池田充雄】第101回全国高等学校野球選手権茨城大会は6日、ノーブルホームスタジアム水戸で開会式を迎えた。4つの連合チームを含む100校93チームが参加し、J:COMスタジアム土浦など6会場で熱戦を繰り広げる。決勝戦は24日の予定。

開会式の主催者挨拶では県高等学校野球連盟の塚本敏夫会長が「今はまだ梅雨の最中だが、決勝戦は夏の真っ盛り。1本の細くて長い道が厚い雲の向こうまで、天高く続いている。気の遠くなるような長く険しい道の最初に立ち、登り切ろうとする行いに参加する喜びは生涯残り続け、道を見失いそうになったときも自分を内側から支えてくれることでしょう」と球児たちに言葉を贈った。

2年生6人と1年生8人 土浦工の挑戦

参加97チームにはそれぞれのドラマがある。土浦工業高校は今回、2年生6人と1年生8人というわずか14人で参加。昨年の夏大会を終えて3年生が卒業した後は、連合チームで秋の大会を戦ってきた。このままでは単独チームで次の夏を迎えられないかもしれない。危機感を覚えた感じたメンバーは、中学生対象の部活体験会で積極的に声をかけたり、同級生の後輩に野球経験者がいると聞くと、野球部に誘ってくれるよう頼んだりなど、さまざまな手を尽くした。

スタジアム前で意気込みを見せる土浦工ナイン

「みんながくじけそうになっても、あきらめないよう励ましてきた。春に1年生が入ってくれたときは、これで大会に出られるとうれしくなった」と野島聖良主将。1年生はいずれも軟式野球の経験者で、硬式は高校に入ってから始めた。まだ3カ月だが、選手同士で教え合ったりしてだんだん馴染んできた。

1回戦はあす7日第1試合、県営球場で麻生高校と対戦する。「人数は少ないがチームワークではどこにも負けない。練習ではバッティングを重視してきたので、その成果を発揮したい」と野島主将。小林悟樹監督は「ミスを恐れず全力でプレーしてほしい。勝敗は二の次。まずはしっかりと経験を積み、その勢いを秋以降にもつなげていきたい」と話す。

➡大会トーナメント表はこちら

チョウの楽園がつくばにお目見え ショッピングモールの一角、無料開放

0
「チョウとの触れ合いの中で自然の大切さを学んでほしい」と語る岡澤さん=つくば市稲岡

【大山茂】野山に飛び交うチョウをつぶさに観察してください――こんなふれこみで、つくば市稲岡のショッピングセンター、イオンモールつくば敷地内にチョウの観察小屋が完成し、今月から本格的に無料開放した。市内で農産物直売所を運営する農業法人「みずほ」(長谷川久夫社長)が自然に親しむきっかけになればと設置した。

「チョウの楽園えるふ」の看板が掲げられているのは、イオンモールつくばの敷地内にあるみずほ直営の農産物直売所「えるふ王国」の入口脇。幅5メートル、奥行き15メートル、高さ4メートルの広さで、3方が網で囲われている。

園内にはアゲハチョウなどが飛び交う=同

中に入ると、日本の国蝶として知られるオオムラサキの幼虫のエサとなるエノキ、ツマグロヒョウモンの止まるスミレやパンジー、アゲハチョウのかんきつ類など、十数種のチョウのエサとなる樹木や草花が数多く植え込まれている。

小屋の中では現在、モンシロチョウやアゲハチョウが飛び交っているほか、オオムラサキの幼虫とサナギも手に取るように見ることができる。その他のチョウの卵や幼虫も葉の裏に隠れるように潜んでおり、梅雨明けの時期には大小のチョウが乱舞する光景が見られるという。

監修したのは、ライフワークとしてチョウの採集や生態の研究を続け、下妻市でオオムラサキの保護活動を続けている土浦市内の元公務員、岡澤貞雄さん(74)。長谷川社長に協力を依頼され、昨年秋ごろから園内の設計を手掛け、筑波山麓などで様々なチョウを採集。併せてチョウの幼虫期や成虫期に葉を食べたり、樹液を吸ったりする植物を探し歩いて植栽した。

岡澤さんは「チョウは卵から幼虫、サナギ、成虫と完全変態するので年間を通してその姿を確認することができる。種類によって食する植物が違うので、じっくり観察して自然を大切にする気持ちを育んで欲しい」と話している。

【茨城 高校野球展望’19】8 球数制限は流れ断ち切る 霞ケ浦監督に聞く㊦

0
髙橋監督が期待を寄せる地元土浦出身の仕黒大樹選手㊧と復活劇に期待したい福浦太陽投手

​-今話題になっていることを2つ、お聞きしたい。まず球数制限について考えをお聞かせ願いたい。

高校野球でもプロ野球でもピッチャー交代が一番大変な作業です。監督としてはエースで勝ったり負けたりすることほど楽なことはないですよね。エースが壊れようが何しようが、エースでいって勝てば当然、エースが打たれたから負けたというのでは監督は楽ですよね。楽なんですけど私はそれはやりません。最初から2枚、3枚投手を用意して戦います。その根底にはやっぱり肩は消耗品なので、将来性がある子に無理をさせたくないという思いが多分にあります。

インタビューに答える髙橋祐二監督

とはいっても、松坂大輔のようなピッチャーに延長17回250球を投げた翌日にも投げさせることをおかしいとは思わないし、実際に松坂大輔が投げ過ぎたことでプロでは活躍できなかったかというとその逆で大活躍しました。肩を壊したことがありますが、あれは高校の時に球数を制限していたら故障しなかったのか、因果関係が説明できません。

私自身は、球数制限というルールがあってもなくても決まったことをやっていくだけです。練習から本番にかけて様々な要素やメニューを考えて自分で制限をして試合で使っているので、統一ルールとして球数は制限しなくてもいいと思います。

だからと言って、例えば今年、藤代との夏の試合で1対0の試合をやって、寛人がグズグズになりながらも6回終わって160球投げたとします。でもボールの力は落ちていない。1対0で勝っている。あと3イニング。9回まで行ったら200球にいってしまうことが明らかだという時でも、たぶんそのままゲームの流れの中で9回まで投げさせると思うんですね。流れがあるからしょうがないと思うんです。1対0で勝っていても代えたほうがいいという時もあるし、代えることが間違っている時だってあるわけで、そこを考えるから投手交代のタイミングが面白いし、大変な作業なのす。100球だから降板ですというのは試合の流れを断ち切るような気がして面白くなくなるので、別に今のままでもいいと思うんですよね。

―最後に、センバツでも話題になりましたサイン盗みの問題をお聞きします。

うちは一切やっておりませんが、相手がやっていると見ると、こちら側はやらせないような防御策を持っていないといけませんよね。センバツでは優勝候補である星稜がサイン盗みでバタバタしてしまった。星稜の林監督とは面識があり、しっかりした野球をしている印象ですが、サイン盗みの防御・ケアに関しては対応できなかったことが不思議にすら思いました。まあサイン盗みは、スマホのながら運転やスピード違反みたいな交通違反なんかと同じですよね。罰則を厳しくしたってバレなければいいという人は必ずいるんですよ。自己防衛こそが大事だと思います。

―本当に興味深いお話をありがとうございました。
(聞き手・伊達康)

  • 春の大会ではエースの福浦太陽が明秀学園日立に対して6回から登板し、3安打3四死球を絡めて7回に一挙5失点の炎上をしたが、その遠因が何となく分かったような気がする。この夏はプロ注目の鈴木寛人の大躍進が楽しみだが、福浦太陽の復活劇と人間ドラマにも大いに期待したい。大会まであと数日という押し迫った時期にもかかわらず、インタビューを快諾していただき、貴重なお話をたくさんしてくれた髙橋祐二監督に心から感謝申し上げたい。
    =終わり

➡【茨城 高校野球展望’19】はこちら

宇宙ビジネス参入促進を つくばで8月に第2回サミット

0
昨年12月につくば市で開かれた「宇宙ビジネスサミット2018」の展示ブースで、可搬型超小型人工衛星管制局について説明を受ける大井川和彦知事(中央)=県科学技術振興課提供

【山崎実】将来の成長分野と期待されている宇宙ビジネスの創出、支援強化に取り組んでいる茨城県は、8月につくば市で、宇宙飛行士の若田光一さんを招き、昨年に続き2回目の「宇宙ビジネスサミット」を開催する。宇宙ビジネスをリードする企業、研究者、投資家、学生などが集うイベントとなり、振興施策のテンポアップを図る。

昨年8月、県が立ち上げた宇宙ビジネス創造拠点プロジェクトが国の推進自治体の選定を受けたことで、県は12月につくば市で初の「宇宙ビジネスサミット」を開催した。ワンストップ相談窓口を設置したほか、県独自の補助制度を創設し財政支援を行うなど、積極的なビジネス創出に向けた体制の強化を行っている。今年4月には、県内企業やJAXA(宇宙航空研究開発機構)、関係研究機関など43団体で構成する「いばらき宇宙ビジネス創出コンソーシアム」を設立した。

今年度は8社12事業に補助支援

特に、補助支援事業は、研究機関などの試験設備の利用料補助(県外施設も対象)、衛星データを活用したソフトウェア開発費補助など、事業化、製品化に向けた本県独自の施策として事業者から好評だ。

この補助制度で、昨年は5社が選定されビジネスに弾みをつけたが、今年度はさらに8社(12事業)が支援補助事業に決定した。うち、つくば市のOUTSENSE(アウトセンス)とSAgri(サグリ)、牛久市の日豊の3社は、県内に新たな拠点を設置した。行方市のサンテクノは宇宙ビジネスに新規参入した。

各社の事業内容も個性的だ。OUTSENSEは折り紙を応用した技術で宇宙に家を建てることを目指す。SAgriは衛星データを用いたスマート農業支援ソリューションの開発に向け、土壌分析試験に取り組む。日豊は、地殻変動に対応した四次元高精度位置情報解析ソフトを開発する。医療機器を製造するサンテクノは、金属加工技術を活かして衛星部品分野に参入した。県はこれらの研究成果を、事業化に向け支援していく。

また、県内の中小企業が宇宙ビジネスに参入するよう働き掛けを行う一方、8月のサミットに続き、今秋には都内で、企業、研究機関、投資家などとのマッチング会を計画する。

今後の取り組みについて県科学技術振興課は「宇宙関連企業の誘致については、個別に企業訪問を行い、全国トップクラスの企業誘致施策や、本県における科学技術の集積の優位性などを積極的にアピールしていきたい」と意気込んでいる。

◆いばらき宇宙ビジネスサミット2019
8月5日午前10時から、つくば市吾妻のオークラフロンティアホテルつくばで開催。シンポジウム、セミナーのほかマッチングなどが実施される。問い合わせは県科学技術振興課(電話029-301-2515)、または日本宇宙フォーラム内いばらき宇宙ビジネスサミット2019事務局(電話03-6206-4902)。

 

【茨城 高校野球展望’19】7 常総はタレントぞろい 霞ケ浦監督に聞く㊥

0
バットでチームを牽引する強打者・天野海斗選手

―髙橋監督が気になっている相手チームはありますか。

毎年各学校の監督さんのカラーが出ますよね。藤代の菊地一郎監督、石岡一の川井政平監督、常総の佐々木力監督と、監督のカラーが出ていて、そこの選手がどのくらいの能力であるかを足していけば、大体チーム力が分かります。監督それぞれの野球が急に変わることはないので、何をしてくるかは概ね察しがつきます。

ただ、土浦日大の小菅勲監督は何をしてくるか分からない。つかみどころがなくて負けたのは土浦日大だけなんです。何をしてくるか分からなくて常総も負けてしまうし、茨城を2年連続で勝ってしまうという本当に面白い状況なので、土浦日大にだけはちょっと負けたくないという思いはあります。

あと、藤代と石岡一はよく似たチームだと思いますが、藤代の方が精度が高くて選手層も厚い。藤代の方が強いようですが、そこを岩本大地投手(石岡一)の力で一気に超えてしまうかもしれない状況にあります。藤代とは中山航投手と寛人の投げ合いと野手同士の戦いの中で面白い試合になると思っています。

―常総学院打線についてはどのように分析されていますか。

常総学院はいろいろな雑誌を見ても分かるように、創部以来3本の指に入る選手層、強さと言われていますしタレントがそろっています。とにかく打線はすごいですよ。先日の土浦市高校野球招待試合で常総学院は春季関東大会優勝の東海大相模とやりました(4対5で東海大相模の勝利)けど、試合後に東海大相模の門馬敬治監督から「常総ってこんなにメンバーそろってるんですね」と電話がありましたよ。日本一になっている門馬監督がわざわざ連絡してくるくらいですから、それだけ常総に脅威を感じたんでしょうね。でも、そのくらいタレントぞろいのチームであっても、秋の関東大会や春の県大会準決勝で負けているというのが興味深いですよね。

―今大会とは別の話になりますが、霞ケ浦には毎年好選手がそろっています。選手のスカウティングについて、言える範囲でお願いします。

うちは他の私立高校よりもスカウティングに力を入れていないと思います。8月後半に1回あるオープンスクールの体験入部に来てくれた選手の中で、目立つ子には声をかけています。私立高校でありながら今の段階で1人も決まっていませんので、他の高校には遅れを取っていてスカウティング力は弱いですし、もっと力を入れないといけないと思っています。昔は特待を使って多少のところは目をつぶって多く集めた時期もありましたが、今は学力が伴って野球の技術が高くなければ特待の条件を出したくありません。後は、霞ケ浦でやりたいといって来てくれた子を叩き上げれば何とかなるだろうとこの20年やってきましたし、実際に何とかなってきたのかなと思います。根性がなくて決勝でいつも負ける戦いをしてしまっているのであまり偉そうなことは言えないですが、無理なスカウティングはしていないですね。

昨年完成したばかりの雨天練習場。もの凄い威圧感だった

付属中の快挙、OBの活躍

―霞ケ浦高校付属中硬式野球部がボーイズリーグの全国大会出場を決めました。

創部4年で県大会優勝、全国大会出場おめでとうございます! 素晴らしい快挙です。柴崎、竹内、木村各スタッフの指導の賜物だと思います。これを機に、部活動、学習面での起爆剤になり、付属中学校全体が益々飛躍することを願っています。

―大学野球に進んだOBの試合はご覧になっているようですね。

大学野球を4年間一生懸命やるのであれば、1回くらいプレーは見てあげたいと思っています。大正大4年の大場駿太は最後のシーズンということで、ちゃんとした球場でやるときは見に行くよと約束していたので、一昨日は休みを取って、神宮球場で大正大と東農大の東都大学リーグ2部3部入替戦を見てきました。また、先日は全日本選手権の東洋大(3年・小川翔平、2年・木村翔大がスタメン出場)を見てきましたが、大学関係者に対する進路のお願いですとか、顔つなぎなどをやっておかないと後輩たちも入れないので、そういうものも含めての大学の試合会場に行っているわけです。OBが頑張っている姿を見るのもいいですけれども、それだけが目的ではありません。(続く)
(聞き手・伊達康)

➡【茨城 高校野球展望’19】はこちら

【茨城 高校野球展望’19】6 プロ注目の右腕「完成形に近い」 霞ケ浦監督に聞く㊤

0
髙橋監督が「プロ入りした先輩よりもボールの質が上」と期待する鈴木寛人投手

【伊達康】毎年安定して好投手を輩出する霞ケ浦だが、今年は、鈴木寛人(3年)という最速148キロを誇るプロ注目の本格派右腕を擁しその戦い方が注目されている。綾部翔(横浜DeNA)や安高颯希(桜美林大4年)を擁して初優勝を果たした第97回大会以来4年ぶりの甲子園出場に向けて心血を注ぐ髙橋祐二監督に、夏の大会に向けた思いや決意を語ってもらった。

―春季県大会では乱打戦の末に明秀学園日立に7対10で敗れ、夏の大会はDシードで臨むことになりました。秋の準々決勝で敗れたAシードの藤代ゾーンに入ったことについて、所感をお聞かせ下さい。

今回、春に初戦で負けてシードを獲れると思っていなかったので、いきなり強いところと当たる可能性もあると心の準備はしていました。藤代ゾーンに入ったことについては一度負けている相手なので是非勝ちたいと思っています。藤代と常総学院を倒さないと甲子園は手に届きません。もし藤代を倒したとしてもBシードの石岡一が待ち受けているので正直言ってきついですね。Bシードの中でも石岡一が一番同じゾーンになりたくない相手でした。

―春の敗戦以降、夏に向けて特別に取り組んでいることがあれば教えてください。

例年、本校は投手力を中心とした守備が売りのチームを作っています。そこに少しでも攻撃力を付けて戦うのがうちの戦法です。実際、投手力や守備力は県内で常総学院や明秀学園日立よりも上だと評価された年が何度かありました。でも、今年のチームはとにかく守備力が弱く例年のレベルに到達していません。守備のイージーミスがよく見られるので、守り負けるもろさをはらんでいます。しかし、鈴木寛人というピッチャーは、先輩でプロ入りした綾部翔(横浜DeNA)や遠藤淳志(広島)を超えるようなピッチャーにまとまってきた感があるので、もしかしたら優勝できるかもしれないという手応えをつかんでいます。

―守備の方では中心選手が抜けた穴が大きかったでしょうか。

中心選手は毎年入れ替わる中で、それでも毎年、二遊間に関しては県内でも1、2位と言われるチームを作ってきました。昨年は能力の非常に高いセカンドの小礒純也(日体大1年)とショートの森田智貴(桜美林大1年)がいましたが、今年は二遊間に限らず全てにおいて守備力が弱いですね。

―打撃に関しては天野海斗選手が中心になるのかなと思いますが、ほかにこの選手に期待したいというのはありますか。

新チームになってずっと天野と黒田悠真を使い続けてきましたけれど、思ったようなリーダーシップが取れないというか、結果が出ていません。うちにはいわゆる4番バッターはいませんが、1年生を入れて打線を組んだことによって、どこからでも点を取れるような打線になりつつあると思います。期待する選手としては仕黒大樹です。茨城出身(土浦三中)の選手ですし頑張って欲しいと思っています。

―1年生とはどの選手でしょうか。

飯塚恒介と宮崎莉汰は練習試合でもスタメンで使っています。特に宮崎は見かけによらず力があって勝負強いので中軸を打たせています。1年生に期待すること自体が悲しいことなのですが、打線の幅はできたように思います。

インタビューに真摯に答える髙橋祐二監督

成長うかがわせるプロ注目右腕

―ピッチャーについて。プロ注目右腕の鈴木寛人投手は春の大会まで背番号はエースナンバーではありませんでしたが、仕上がりはどうですか。

実績がないので自信を持って投げてはいませんが、プロのスカウトからは綾部・遠藤ら2人の先輩よりもボールの質が上だという評価をもらっています。春季大会は早々に負けたので4月下旬から6月第2週までは東海大相模、花咲徳栄、桐蔭学園、作新学院、春日部共栄、東海大甲府といった強豪校との練習試合をどんどん入れ、鈴木寛人にはどんなに打たれようが、点を取られようが9回を投げきるというノルマを課しました。その結果、花咲徳栄には滅多打ちにされ、東海大相模にはもっとボコボコに打たれ、「ああ、この子はピッチャーとしてまとまらないで終わってしまうかな」と思いながらも試練を乗り越えて一本立ちして欲しいという一心で起用し続けました。そうしたら、5月終盤にきて桐蔭学園を8回1安打完封、作新学院を完封、東海大甲府には失点1と着実に結果を出して来ています。この期間、ずっと完投させてきて、マウンド上の立ち姿に大きな変化というかオーラを感じるようになりました。

この状況が夏大(なつたい)になっても変わらなければ、たとえ相手が強力と言われる常総学院打線であったとしても、寛人ならやってくれるのではないかと楽しみです。それくらいの成長を感じています。ロースコアのゲーム展開になったとき、うちの守備にほころびが出る不安はつきまといますが、完成形に近い状態になったと言っていいほど寛人は良くなりましたね。1年秋の関東大会で2試合とも先発させて打たれて負け投手になり、次の春怪我をして、2年夏も棒に振って、秋も結果が出ないという状況の中でほとんど投げていません。ですが、4月から6月にかけて一生懸命やってきたことによって、これだけ成長できた訳です。寛人には昨日、「夏は寛人が中心でいくからな。これだけ成長できたのだから自信を持って存分にやってくれよ」と話したところです。

―これまでエースナンバーを背負ってきた福浦太陽投手はどうですか。

福浦は背番号1にあぐらをかいた状況で、寛人に抜かれることに焦りも感じたと思いますが、やっておかないといけないストレッチをおろそかにして体が鉄のように硬くなってしまいました。柔軟性の数値が1カ月前に比べて驚くほどで悪くなってしまい、こんなに硬くなるかと。胸が張れない。えび反り、いわゆるブリッジができないくらい胸郭が詰まってしまっています。あまりにもひどい状態で今は最速125キロくらいしかで出ません。肩肘はどこも痛くない。でも肘に張りがある。当然ですよ、もともとそんな投げ方はしていましたが、胸を張れないから体を開いて腕を引っ張り上げるしかないので。エースとしての自覚が足りない。昨日は「もしも寛人の成長がなくて山本もいなかったらお前はエースとしてどんな責任をとるんだ」という話をして自覚を促しました。

―それでは春の明秀学園日立戦で先発した左腕の山本雄大投手(2年)が2番手格になるのでしょうか。

福浦のことは突き放してはいますけれど、そうはいってもエースとして今まで君臨してきたわけですから、何とかはい上がって欲しいと期待しています。ただ、今は一切ボールを投げさせていません。ストレッチの数値が元に戻るまでは投げられないことにしているので、1日に3~4時間をストレッチに費やしています。どこまで戻るかは分かりませんが、戻らなければ、寛人と山本、それにもう一人3年生ピッチャーがいるので、この子とうまくつないでいければと考えています。もうトーナメントの組み合わせが分かりましたし、このカードは誰が投げるというのは全試合で想定しています。そうは言ってもやられるときはあっさりとやられますから。(続く)

➡【茨城 高校野球展望’19】はこちら

【茨城 高校野球展望’19】5 球数制限で新時代に 土浦日大監督に聞く㊦

0
小菅勲監督。第99回大会の県大会優勝盾は校舎の入り口正面に飾られている。昨年の優勝旗と盾は野球部寮にあるそうだ

―高校野球全体についてお話をうかがいます。今ホットな話題の球数制限問題=※注1=について、考えをお聞かせください。

私は、基本的に球数制限は賛成です。今後議論をした上で制限する方向にいくのではないでしょうか。球数制限が決まったら速やかに対応していこうと思っています。もしかしたら、高校野球が新しい時代になるんじゃないかと思います。例えば100球制限があるとして、最初にエースを出したらエースが引っ込んでからが勝負になるなど。駆け引き、采配も改めて考える必要がある。最初に背番号10でいって次に背番号1にするのかとか、その逆だとか、駆け引きが大きな要因になって、タイブレークと同じでまた面白くなると思いますね。

―最後に、センバツで話題になったサイン盗み=※注2=についてお聞きします。私も去年夏の明秀学園日立戦を見ていまして、そういったクレームがありましたがどのようにお考えでしょうか。

去年の夏の大会は、明秀戦以降、相手チームが、我が軍のセカンドランナーに過敏に反応するようになりましたが、そんな(サイン盗みをする)余裕はないですし心外です。これについては、野球界に以前からあった疑惑ですし、盗まれない工夫も各チームしてきました。

サイン盗みについて、ペナルティーを与えるか、どのように禁止にしていくか、審判団の対応はどのようにするか等々、今は過渡期にあるようです。審判団もナーバスになっていて、少しの挙動でも試合を止めて注意する方もいます。全県をあげて「やってはならない」という流れにすべきです。今後は、各チームのマナーや品格が問われるでしょう。

  • ※注1 球数制限問題
    以前から、高校野球ではピッチャーの投球数に制限を設けていないため、一人の絶対的エースを酷使し、投球過多の末に肩ヒジを故障する選手が多かった。故障の予防的措置として投球数に制限を設けるべきという意見がある一方で、反対意見も根強い。一律の制限は投手の枚数が少ないチームに不利なので慎重に議論すべき、全員がプロになるわけではないからと酷使を容認したり、野球がつまらなくなるといった見方がある。1990年夏の甲子園では大野倫(沖縄水産)が地区予選から痛み止めを服用しながら投げ続け、甲子園では773球を投じて疲労骨折し二度と投球できなくなった。しかし、昨夏の甲子園では吉田輝星(金足農)が一人で881球を投げ準優勝を果たしたが、肩ヒジに問題は生じていない。
  • ※注2 サイン盗み問題
    昔は制限がなかったが、現在はセカンドランナーが捕手のサインを見てバッターにコースや球種を伝達してはならないことになっている。今年のセンバツでは習志野vs星稜の試合中、習志野のセカンドランナーの動きが不自然で「球種やコースをバッターに伝達しているのではないか」と星稜ベンチからクレームがあった。結果は習志野が勝ったが、星稜の林監督は憤りを抑えきれず、試合後に控室に乗り込んで「フェアじゃない」と習志野の小林監督に直接猛抗議する異例の出来事が起きた。その後、星稜の林監督は学校から一連の言動を問題視され6月4日まで指導禁止とする懲戒処分を受け、サイン盗み問題はセンバツ後も話題になった。
    昨年夏の準々決勝・土浦日大vs明秀学園日立において3対0で土浦日大リードの4回表無死二塁から土浦日大のセカンドランナー富田卓の動きが怪しいと明秀学園日立ベンチから球審にクレームがあった。その後も二塁にランナーが進むたびに明秀ベンチからクレームがあり中断した。この出来事を聞いたのか、準決勝(霞ケ浦)・決勝(常総学院)でも相手チームがセカンドランナーにナーバスになっていることが見て取れた。

3連覇をかけた土浦日大・小菅勲監督には、夏の大会直前のお忙しいなか時間を割いていただき、お話をうかがうことができた。夏に向けた意気込み以外にも、今話題の球数制限やサイン伝達についても率直にお話を聞けたことに感謝したい。
(聞き手・伊達康)

フックン船長、LINEスタンプに登場 全40種つくば市が販売

0
つくば市のイメージキャラクター「フックン船長」LINEスタンプの一部

【谷島英里子】つくば市のイメージキャラクター「フックン船長」のLINEスタンプが1日、登場した。市は市民らに活用してもらうことで地元への愛着度向上や内外にキャラクターの周知を図る。

フックン船長は、市の特徴「自然(フクロウ)」と「科学(ロボット・宇宙飛行士)」をモチーフにした宇宙飛行士型ふくろうロボットで、宇宙飛行を夢見ているキャラクター。筑波研究学園都市建設の閣議了解50周年を記念して、2014年に誕生した。

スタンプは全40種1セットで120円(税込み)。日常でよく使う言葉に、フックン船長の口癖である、「~フク!」を付けた、「いいね!フク」「おつかれさまフク。」「がんばってフク!」など。ほかに、筑波山やロケットのイラスト、通勤・通学する人たちやつくばを離れた人たちが、つくばに戻る際に使うフレーズ「つくばっく」なども取り入れた。スタンプの収入は市の事業に広く役立てる。

デザインを担当した市広報戦略課の中林まどか主事は「LINEスタンプをきっかけに、つくばに興味を持ち、好きになっていただけたら」と話す。ダウンロードはLINE STORE クリエイターズスタンプから「フックン船長」で検索する。