木曜日, 9月 18, 2025
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市長公室長、再任用で続投 つくば市人事

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つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市は4月1日付け人事異動を内示した。31日付けで退職する部長級4人のうち、松本玲子市長公室長は再任用で同公室長を続投する。新任の都市計画部長に中根祐一農業委員会事務部局長、生活環境部長に風見昌幸選挙管理委員会事務部局長、議会事務局長に川崎誠同次長がそれぞれ就任する。

異動総数は258人(全職員の19.7%)で、継続性を重視し必要最低限の人事配置とするという。3月末の定年退職者は78人、2019年度の新規採用職員は85人で、職員数は前年度よりさらに33人増え1843人になる。

女性管理職の割合は前年度より0.8ポイントあがって22%になる。再任用職員数は前年度比23人増の128人。再任用は原則、退職時の2級下の職での任用になるという。医療・介護データを分析し必要な施策を実施するための任期付職員1人を保健福祉部に配置する。

組織改編は、業務改善や職員の働き方改革を積極的に推進するため総務部ワークライフバランス推進室を課に格上げする。持続可能なまちづくりを推進するため政策イノベーション部企画経営課に持続可能都市戦略室を新設する。

ごみ清掃工場のクリーンセンター、リサイクルセンターと、し尿処理施設などを包含し管理するサステナスクエア管理課を生活環境部に設置する。廃棄物対策課を環境衛生課に変更する。メモリアルホールの担当部署を市民部から生活環境部に移管する。

公共施設の整備を一元的に行うため建設部営繕課を公共施設整備課に変更する。4月以降、指定管理者から市直営に移行する茎崎こもれび六斗の森の運営は経済部観光推進課に出先機関を置く。

◇人事異動(4月1日付)、カッコ内は現職、敬称略

【部長級】
▽市長公室長・再任用(同)松本玲子
▽都市計画部長(農業委員会事務部局長)中根祐一
▽生活環境部長(総務部主任参事兼選挙管理委員会事務部局長)風見昌幸
▽議会事務局長(同次長)川崎誠

【次長級】
▽市長公室次長兼広報監兼秘書課長(同次長兼広報監)杉山晃
▽市民部次長・市民活動課、市民窓口課担当(同次長)山田憲男
▽市民部次長兼地区相談課長・地区相談課、スポーツ振興課、国体推進課、文化芸術課担当(文化芸術課長)星野雄司
▽市民部地区担当監(教育局大穂学校給食センター所長)松崎若美
▽市民部地区担当監兼大穂相談センター所長(建設部防犯交通安全課長)白井稔
▽市民部地区担当監兼桜相談センター所長(同担当監・桜地区担当)松浦裕之
▽市民部地区担当監兼筑波相談センター所長(同担当監・谷田部区担当)木村徳一
▽市民部地区担当監兼茎崎相談センター所長(経済部土地改良課長)秋葉義美
▽保健福祉部次長・社会福祉課、障害福祉課担当(同次長・社会福祉課、障害福祉課、高齢福祉課担当)津野義章
▽保健福祉部次長・高齢福祉課、介護保険課、医療年金課、地域包括支援課担当(同次長・国民健康保険課、医療年金課、介護保険課、地域包括支援課、健康増進課担当)小室伸一
▽保健福祉部次長兼健康増進課長・国民健康保険課、健康増進課担当(健康増進課長)吉原衛
▽保健福祉部社会福祉推進監・社会福祉法人つくば市社会福祉協議会派遣(同主任参事・同派遣)稲葉光正
▽こども部次長兼幼児保育課長(同次長)松本茂
▽こども部こども政策監・再任用(同)飯泉省三
▽経済部次長・産業振興課、観光推進課担当(同次長・農業政策課、産業振興課担当)永田悦男
▽経済部次長・農業政策課、土地改良課担当(観光推進課長)大橋一彦
▽都市計画部次長・公有地利活用推進課、建築指導課、開発指導課担当(同次長兼公有地利活用推進課長)稲葉清隆
▽都市計画部次長・総合交通政策課担当(同次長兼同課長)中澤正登
▽建設部建設政策監・再任用(同)栗原正治
▽生活環境部次長・環境政策課、環境保全課、環境衛生課、サステナスクエア管理課担当(同次長・環境政策課、環境保全課、廃棄物対策課担当)谷内俊昭
▽中央図書館長(同副館長)柴原徹
▽議会事務局次長(生活環境部水道業務課長)中泉治
▽選挙管理委員会事務局長(監査委員事務部局長)石田慎二
▽監査委員事務局長(同副局長)北島浩成
▽農業委員会事務局長(市民部地区相談課長)野澤政章
▽消防本部消防次長・消防監、消防署担当(同予防広報課長・消防司令長)五月女謙次
▽消防本部主任参事兼南消防署長・消防監(消防総務課長・消防司令長)東郷道明
▽消防本部主任参事兼北消防署長・消防監(中央消防署参事兼桜分署長・消防司令長)沼尻博

【課長級】
▽市長公室広報戦略課長兼副広報監(政策イノベーション部企画経営課長補佐)勝村英樹
▽総務部ワークライフバランス推進課長(財務部納税課長兼徴税管理監)飯島正志
▽財務部管財課長(管財課公共施設マネジメント推進室長)新関清美
▽財務部納税課長兼徴税管理監(総務部総務課長補佐)奥沢篤
▽市民部副地区担当監・筑波地区担当・再任用(都市計画部長)長島芳行
▽市民部副地区担当監兼谷田部相談センター所長・再任用(議会事務局長)新井隆男
▽市民部副地区担当監・谷田部地区担当(市民窓口課長)日下由美子
▽市民部副地区担当監・桜地区担当(生活環境部下水道整備課長)小神野真
▽市民部市民活動課長(同課地域改善対策室長)大木茂樹
▽市民部市民窓口課長(市長公室広報戦略課長兼副広報監)中川伸一
▽市民部スポーツ振興課長(総務部人事課ワークライフバランス推進室長)伊藤智治
▽市民部文化芸術課長(総務部総務課長補佐)荒澤浩俊
▽保健福祉部参事、医療・介護連携推進担当(任期付短時間)黒田直明
▽経済部産業振興課長(市長公室秘書課長)久保田靖彦
▽経済部土地改良課長(産業振興課長)小川英男
▽経済部観光推進課長(教育委員会事務部局)一瀬剛
▽都市計画部公有地利活用推進課長(都市計画課沿線開発整備室長)岡田克己
▽都市計画部市街地振興課都市政策調整監・一般財団法人つくば都市交通センター派遣研修・再任用(生活環境部長)長卓良
▽都市計画部総合交通政策課長(議会事務部局)伊藤和浩
▽建設部道路整備課長(同課長補佐)塚田孝
▽建設部公共施設整備課長(財務部管財課長)坂田博之
▽建設部住宅政策課長(都市計画部市街地振興課長補佐)田中聖史
▽建設部防犯交通安全課長(消防本部地域消防課長)杉山一彦
▽生活環境部環境衛生課長(廃棄物対策課長補佐)植木亨
▽生活環境部サステナスクエア管理課長(廃棄物対策課長)星野和也
▽生活環境部水道業務課長(同課長補佐)坂入善晴
▽生活環境部下水道整備課長(建設部道路整備課長)野原浩司
▽教育局教育施設課長(建設部営繕課長)飯泉法男
▽教育局健康教育課長(市民部スポーツ振興課長)池畑浩
▽教育局大穂学校給食センター所長(健康教育課長兼茎崎学校給食センター所長)山口康弘
▽教育局茎崎学校給食センター所長(生活環境部クリーンセンター所長)石塚英樹
▽教育局文化財課長(生涯学習推進課長補佐兼係長)美野本玲子
▽教育局中央図書館副館長(こども部幼児保育課長)松浦智恵子
▽議会事務局議会総務課長(同課長補佐)渡辺寛明
▽消防本部消防指令課長(同課長補佐)竹内信之
▽消防本部警防課長(同課長補佐兼救急係長)古山正則
▽消防本部消防総務課長(警防課長補佐兼係長)山田勝
▽消防本部地域消防課長(教育局教育施設課長)秋葉芳行
▽消防本部予防広報課長(消防指令課長補佐兼指令第三係長)大山徳男
▽中央消防署参事兼副署長(同参事兼筑波分署長)堀江道夫
▽中央消防署参事兼桜分署長(同参事兼茎崎分署長)野口勝

◇退職(31日付け)

【部長級】
▽市長公室長・松本玲子
▽都市計画部長・長島芳行
▽生活環境部長・長卓良
▽議会事務局長・新井隆男

【次長級】
▽市民部地区担当監兼筑波相談センター所長・澤邉義光
▽市民部地区担当監兼大穂相談センター所長・中野実
▽市民部地区担当監兼桜相談センター所長・國府田修
▽市民部地区担当監兼谷田部相談センター所長・小神野洋一
▽市民部地区担当監兼茎崎相談センター所長・宮本任
▽市民部主任参事兼市民活動課長・東郷公咲
▽経済部次長・柴原利継
▽教育局主任参事兼文化財課長兼桜歴史民俗資料館長・山本賢一郎
▽教育局中央図書館長・椙山久美子
▽消防本部消防次長・宇津野公夫
▽消防本部主任参事兼消防指令課長・吉場道雄
▽消防本部主任参事兼南消防署長・北澤光二
▽消防本部主任参事兼北消防署長・神立孝一

【課長級】
▽市民部市民窓口課参事兼谷田部窓口センター所長・池辺洋一
▽市民部市民窓口課参事兼桜窓口センター所長・中野賢一
▽市民部市民窓口課参事兼茎崎窓口センター所長・森田隆男
▽市民部つくばメモリアルホール斎場長・大野泰宏
▽経済部観光推進課参事兼筑波ふれあいの里所長・菊地秀之
▽建設部住宅政策課長・猪野泰弘
▽教育局中央図書館副館長・小野村薫
▽消防本部警防課長・土田仁一
▽中央消防署参事兼副署長・染谷隆
▽中央消防署参事兼豊里分署長・野口守

➡前年度のつくば市人事異動はこちら

茗渓の小澤一毅さん創意指向賞 つくばで中高生の科学コンテスト

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発表を終えエントランス階段に勢揃いしたコンテスト参加者ら=つくば国際会議場

【相澤冬樹】サイエンスアイデアコンテスト「つくばScience Edge(サイエンスエッジ)」(同2019実行委員会主催)が22、23日、つくば国際会議場(つくば市竹園)で開かれ、国内の中高生に加えアジア各国の参加者らが、科学クラブなどで学んだ研究アイデアや成果を競った。審査の結果、メーン表彰の一つ、創意指向賞に、つくば市の小澤一毅さん(茗渓学園5年=高校2年)が選ばれた。

コンテストは2010年3月に始まり、ことしで9回目の開催。書類選考を経て選抜された8グループ(個人含む)が口頭発表するアイデアコンテストをはじめ、普段の研究活動のポスター発表、英語によるポスター発表の3つの部門で争われた。今回は国内81校、海外12校が参加、2日間で延べ1600人を超す大会史上最多の規模となった。ポスター発表には英語56、日本語248のグループからの発表があった。

メーンの口頭発表は23日午前中行われ、8研究グループの代表が国際会議場大ホールの壇上に立ち、プレゼンテーションの後、審査員のベテラン研究者と議論するスタイルで行われた。始祖鳥はどのように飛んだかを模型製作して考察したり、全編英語で学会風発表に臨んだ高校生もいた。臆することない受け答えに、審査員も感心することしきりだった。

創意指向賞の表彰を受ける小澤一毅さん=同

審査で、「線虫の紫外線学習の発見と神経メカニズムの解明~イソアミルアルコール学習との比較」を発表した小澤さんが創意指向賞を、「50年後の熊本は…。珪藻・花粉分析からの海水準変動」を発表した山下鮎人さん(熊本県立天草高)が探求指向賞を、「エンドファイトで農業革命!ソバ栽培における施肥剤削減技術の開発」を発表した笹原悠馨さん(山形県立村山産業高)が未来指向賞をそれぞれ獲得した。

小澤さんの研究は、害をなす紫外線を線虫が避ける行動の学習について調べ、その神経回路を解明したというもので、インスリン、グルタミン酸が関わっている経路であることから、人間の学習能力の向上に寄与できる可能性があるとした。講評で審査委員長代行の西村暹(すすむ)筑波大学生命科学動物資源センター客員教授が「このまま研究を進めれば国際誌に論文が載るレベル。評決は全会一致だった」と評価するレベルだった。

小澤さんは学校内外で研究を発表しており、受賞歴も多いそうだが、今回は「素直にうれしい。この先は学校ではできないレーザーを使った研究の方向に進んでいきたい」と目を輝かせた。3賞の代表は7月26日からシンガポールで始まる「グローバル・リンク」に派遣される。

7人超の31人が出席 土浦市議選立候補予定者説明会

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土浦市議選立候補予定者説明会の様子=22日、市役所

任期満了に伴って統一地方選後半の4月14日告示ー21日投開票で行われる土浦市議選(定数24)の立候補予定者説明会が22日、同市役所で開かれた。定数を7人オーバーする31人が出席した。

今回から定数が4削減され、28から24になる。出席者の内訳は、現職20人、新人9人、元職2人。政党別は公明4人、共産2人、無所属25人。男女別は男性28人、女性3人。

現職27人のうち7人が引退するとみられる。4年前は定数28に対し13人超の41人が立候補した。1日現在の有権者数は11万8921人。

▽出席者31人は以下の通り(氏名、政党・現新元の別、住所)=受け付け順、敬称略

中川 敬一 無元 神立町
福田 一夫 公現 乙戸
久松  猛 共現 木田余東台
今野 貴子 無現 小松
矢口  清 無現 田宮
坂本 繁雄 無新 真鍋
石引  潔 無新 真鍋
島岡 宏明 無現 烏山
塚原 圭二 無現 中村南
下村 寿郎 無現 乙戸
吉田 博史 無現 常名
目黒 英一 公新 北荒川沖町
篠塚 昌毅 無現 荒川沖西
勝田 達也 無現 神立町
柳沢  明 無現 右籾
海老原一郎 無現 真鍋
奥谷  崇 無新 右籾
吉田千鶴子 公現 中村南
川原場明朗 無現 中神立
内田 卓男 無現 中高津
柴原伊一郎 無現 藤沢
四栗  治 無新 千束町
寺内  充 無現 川口
田中 義法 無新 永国
矢口 勝雄 無新 下高津
鈴木 一彦 無現 藤沢
小野  勉 無新 小岩田東
平石 勝司 公現 神立町
田子ゆうな 共新 永国
小坂  博 無現 生田町
柏村 忠志 無元 中高津

土浦駅ビル「プレイアトレ」1年 計画上回り順調 4、5月に第2、第3弾オープン

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リニューアル工事が進む土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」

【鈴木宏子】「日本最大級の体験型サイクリングリゾート」を掲げ、「モノを売る」から「コト(体験)を売る」駅ビルに転換した「プレイアトレ土浦」が、29日でオープン1周年を迎える。1年目の売り上げは計画を上回り順調に推移しているという。一部工事が遅れていたが、4月と5月には第2弾、第3弾が次々にオープンする。

駅ビルを運営するアトレ(本社・東京都渋谷区)同土浦の藤本沢子店長によると、2月までの売り上げは月平均で計画比13%増、サイクリング拠点「りんりんスクエア」のみの売り上げは同比72%増で、1階サイクルショップ「ル・サイク」のレンタサイクル利用者は月平均約400台だったという。同スクエアの利用者は東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県からが半数で、さらに30代以下が半数を占める。サイクリング愛好者は一般に男性が多いことから、男性の来店者が多いのも特徴という。以前のペルチ土浦は60~80代の利用客が主流だったのと比べ大きく様変わりした。

同駅の1日平均乗車人員は2000年には2万人を超えていたが、05年のつくばエクスプレス開通で大きく減り、17年度は約1万6000人だった。少子化や人口減少などにより定期券利用者は現在も微減傾向が続いているというが、この1年間で同駅の土・日曜の利用者(定期外)は前年比6%増となり、減少傾向の歯止めに期待がかかる。

藤本店長は「期待を上回る結果。つくば霞ケ浦りんりんロードのサイクリストも増えており、地元からも喜んでもらっているのではないか」とスタート1年目を振り返る。

県地域振興課によると同りんりんロードの利用者数は15年度が約3万9000人、16年度が約4万8000人、17年度が約5万5000人と年々増えている。同店オープン以後の18年度の利用者数はまだまとまってないが、同課は「(同店がオープンした)影響は大きい」と話す。

中心市街地最大のレストランゾーン

ステーションロビー2階エントランスイメージ(アトレ提供)

第2弾として中央通路北側の2、3階に「ステーションロビー」が4月26日、第3弾として南側の2階に「ブック&テーブル」が5月31日オープンする。

第2弾は、市中心市街地で最大級となる約400坪(約1320平方メートル)のレストランゾーンとなる。関東や関西を中心に人気レストラン、カフェを展開する飲食店企画経営会社「バルニバービ」(東京本部・台東区)が、カフェ、レストラン、中華スタンド、クッキングスタジオのほか、フォトスタジオ、コワーキングスペースなどを運営する。店内に卓球台が置かれたり、各店が体験型イベントを展開するなど、体験と学びの新業態ゾーンになるという。高校生の利用が多い駅であることから、ワンドリングで勉強できる店もできる。

ステーションロビー3階店内イメージ(同)

第3弾は、書店と地元茨城の人気フードショップを組み合わせたマーケットショップという。書店は、読書会やゼミ、部活、演劇、旅行など、体験を提供する次世代型書店として注目される「天狼院書店」が県内初出店する。

第3弾「ブック&テーブル」2階店内イメージ(同)

第4弾となる3~5階のホテル(90室程度)は2020年春以降オープン予定という。

オープン1周年を記念して、3月と4月、様々なイベントが開催中だ。

3階エントランスイメージ(同)

【第2弾「ステーションロビー」出店予定店】4月26日オープン

2階
▽レストラン「Nanairo Eat At Home!」
▽フォトスタジオ「阿部写真館」

3階
▽チャイニーズスタンド&バー「Hao2 ごはん&バー」
▽カフェ「SLOW JET COFFE Cookie」
▽クッキングスタジオ「ぼくらのキッチン」
▽コワーキングスペース「LAP’s」
▽スタディスペース「STEADY STUDY」
ほか

【第3弾「ブック&テーブル」出店予定店】5月31日オープン

▽書籍「天狼院書店」
▽パン「クーロンヌ」
▽焼き芋「蔵出・焼き芋かいつか」
▽どら焼き「志ち乃」

【プレイアトレ土浦オープン1周年イベント】開催中
▽インスタグラム投稿フォトコンテスト(4月14日まで)=プレイアトレのオンラインギャラリー「SCENES」にプレイアトレやつくば霞ケ浦りんりんロードで撮影した写真を投稿してもらう。
▽「HAPPY BAG」販売(29日から、無くなり次第終了)=各ショップのお得が詰まったバッグを販売する。
▽〈B.B.BASE〉佐原で行こう!SAWARIDE feat.PLAYatre TSUCHIURA(30日開催)=話題の自転車専用列車「B.B.BASE」に乗って佐原からプレイアトレ土浦を目指すBBQ付きサイクリングツアー。参加費5400円。申込締切は25日。
▽ル・サイク筑波山ライドツアー(30日開催)=ツアーガイドと一緒に桜が見事な往復約50キロの「つくば霞ケ浦りんりんロード」筑波山コースを走る。休憩ポイントでは地元グルメを堪能する。参加費無料。事前申込必要。
▽BIKE FES(4月6、7日開催)=各メーカーの最新モデルが土浦駅前に集結する。試乗コーナー、補助輪外しキッズスクール、輪行講座などを開催。
▽出張エイドステーション(4月13日)=藤沢休憩所に設置し、補給食やドリンクなどを用意する。

問い合わせは電話029-835-1363(プレイアトレ土浦店)

防災ヘリ 7月から医師乗せ補完運航 つくば・土浦の3病院がチーム組織

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防災ヘリ補完運航訓練の様子(県保健福祉部医療政策課提供)

【山崎実】県は今夏の7月から、ドクターヘリの補完的運航として、医師及び看護師(医療チーム)を乗せた防災ヘリの運航を開始する。

既に昨年10月からドクターヘリの搭乗訓練(OJT)、防災ヘリ搭乗訓練等を実施している。重複要請等でドクターヘリが出勤できない場合、防災ヘリが医療チームを乗せて救急現場に向かい、速やかに治療を行い、救命率向上を図るのが狙い。

補完運航に先立ち、県は2月、この運航に協力して医療チームを組織、提供する土浦協同病院(土浦市、酒井義法病院長)、筑波大附属病院(つくば市、原晃病院長)、筑波メディカルセンター病院(同、軸屋智昭病院長)の3病院と「防災ヘリによる補完的運航に関する協定」を締結した。

「防災ヘリによる補完的運航に関する協定」締結式の様子(同)

これにより、防災ヘリに出勤要請があれば、防災航空隊基地(つくば市上境)から医療チーム提供3病院のいずれかの病院ヘリポートに立ち寄り、チームを乗せ現場に急行する。

2010年7月、水戸済生会総合病院(水戸市)と、水戸医療センター(茨城町)の2病院を拠点として運航を開始した現行のドクターヘリは、出動要請が年々増加し、重複要請から対応できないケースが目立っている。

県医療政策課のドクターヘリ運航実績によると、2010年度から17年度までの総出動件数は7079件、年度別では10年度の362件から17年度には1147件と3倍以上に急増。さらに重複要請も20件から8倍弱の156件に増え、全体では588件に上る。

防災ヘリをドクターヘリの補完として運航させることについて大井川和彦知事は、第1回定例県議会で県議の質問に「重複要請で(ドクターヘリが)出動できない場合や、多数の傷病者が出た際などに、防災ヘリが協力病院から医師と看護師を搭乗させ、救急現場に向かう体制が確立する。1人でも多くの県民の命を救うため、運航体制の充実、医療提供体制の強化に全力で取り組みたい」と、その意義を強調した。

ドクターヘリは、県境を超え、栃木、福島両県と相互に要請・利用できる体制を構築しているほか、千葉県のドクターヘリとも共同利用している。防災ヘリの補完的運航が、ドクターヘリの重複要請の負担軽減につながることは間違いなく、自治体関係者などからも「医療過疎地域にとっては心強い朗報」と、早期運航に期待している。

茨城県ドクターヘリ運航実績
年度 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
総要請件数 362 724 1090 956 986 884 930 1147 7079
出動件数 289 581 852 703 672 628 678 728 5131
未出動件数のうち重複要請 20 37 76 53 94 57 95 156 588

【総合運動公園用地】民間に一括売却へ 4月にも事業者公募 つくば市

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旧総合運動公園用地=つくば市大穂

【鈴木宏子】住民投票で白紙になったつくば市の旧総合運動公園用地(つくば市大穂、約46ヘクタール)について、五十嵐立青市長は20日、民間に一括売却する方針を明らかにした。4月下旬にも事業者を公募する。土地利用については、工場や物流施設、研究・開発施設と、商業施設などが複合的に立地する用途に誘導するという。同日開かれた市議会全員協議会で報告した。

市はこれまで、公的利活用と民間利活用の両方を検討するとしていた。民間利活用を進める理由について五十嵐市長は「利子をいたずらに増やしてはいけない」と話し「さらなる(利子)負担を減らすための現実的選択」だとした。併せて、用地全体の利用に関心を示す民間事業者から問い合わせがきていることなどを挙げた。一方、売却額については「厳しいことは間違いない」としながら明言を避けた。

土地利用方針は、全国の製造、物流、小売り、不動産業者など632社を対象に昨年10~11月に意向調査を実施した結果を踏まえたという。同用地に進出する場合のイメージとして、工場や物流センター、モール型ショッピングセンターと配送センター、大型ホームセンター、ショッピングモール、官民複合施設などの回答があったことを受けて。可能性が高いとした。

ただし意向調査に回答したのは8.4%の54社。進出を考えたいと回答した企業は製造業1社、検討の余地があるとの回答は3社だけだった。全体を一括購入したいと回答した企業は無く、部分的利用の意向にとどまった。一方で現在、市に問い合わせがあるのは、今回の意向調査対象とは別の事業者だという。

購入する場合の価格については、国道408号に面した一部分について、市が購入した額の2倍近い額を提示した小売業者もあった。市は現時点で切り売りは考えてないとしている。

用地は現在、樹木が生い茂った山林となっている。回答があった事業者からは、市による基盤整備を求める意見が多く出されたことから、市が整地し、道路や下水道などのインフラを整備すると想定した場合の造成費用も示された。事業施設ゾーンや商業施設ゾーン、緑地などを整備する場合、46~48億円かかるという試算が出され、議員からは「造成費をかけたら莫大な負担を抱える」と、市のさらなる追加負担に反対する意見が出た。

民間への売却に向けた手順は、4月下旬にも民間事業者から全体の土地利用の事業計画を公募し、3カ月間程度受け付ける。提案内容については、市が事業の実現可能性などを検討する。事業計画が決まれば、現在、第二種住居地域に指定されている都市計画を変更し、産業や研究、商業業務系が幅広く立地できる準工業地域及び工業地域にするという。その上で土地購入者を公募し事業者を決定する。

一方、民間から応募が無かった場合は、市と民間が協力して事業を実施することなどを改めて検討するとしている。

総合運動公園用地は66億円で購入した。利子は現在、年間3400万円程度かかっており、利子も含めた市の負担額は現時点で計68億円に増えているという。

➡旧総合運動公園用地の意向調査の過去記事はこちら

➡旧総合運動公園用地の不法投棄の過去記事はこちら

平成最後の卒業式 将来の夢堂々と発表し40人巣立つ つくば市立茎崎三小

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それぞれ6年間を一文字で表した漢字を掲げて記念撮影する卒業生=つくば市小茎の茎崎第三小学校

【橋立多美】つくば市の公立小学校で18日、平成最後の卒業式(継志式)が催された。茎崎第三小学校(同市小茎)では40人が思い出の詰まった学びやを巣立った。

保護者や在校生らに拍手で迎えられて入場した卒業生たちは、一人ひとりがステージの上で目標を発表して鮏川誠校長から卒業証書を受け取った。「動物が好きなので絶滅危惧種を守る仕事に就きたい」「ディズニーキャストになりたい」「人の役に立つ仕事に就きたい」など、思い思いの目標と夢を堂々と発表した。

鮏川校長は「中学生になると自分で考えて行動する機会が増えるなど、これまでとは生活が変化するが、大人に近づく一歩と受け止めて夢の実現に向けて努力を続けてください」とエールを送った。

卒業生一人ひとりが目標を述べて証書を受け取った=同

宇宙飛行士を目指す増田美緒さんは「学校はルールや時間が決められていて面倒だと思っていたが、今日で三小とお別れだと思ったら寂しくてたまりません。これからも目標に向かって勉強していきます」。社会に役立つ技術開発に携わりたいという田口有志さんは、父母や教職員に感謝しながら「6年間で得た勉強の基礎をもとに、これからも勉強やスポーツに挑戦していく」と語ってくれた。

卒業生らは、在校生たちが並ぶ花道を通って笑顔で学びやを巣立っていった。

花道で在校生と別れを惜しむ卒業生=同

※メモ
【継志式】つくば市は2012年度から市内すべての小中学校で9年一貫の教育を実施している。前期6年を修了した節目に行われるのが「継志式」で、後期3年の中学校に進級するときは「啓志式」と呼称される。

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ロボッツ、地区優勝へ望みつなぐ 終盤の3連打で八王子に逆転勝利

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第4クオーター残り2分38秒の場面。3点シュートを決めた眞庭城聖(右)=青のユニフォーム=に高橋が駆け寄り喜び合う

【池田充雄】男子プロバスケットボールB2リーグの茨城ロボッツは16、17日、つくば市竹園のつくばカピオアリーナで八王子ビートレインズとの2連戦に臨んだ。16日は68-79で敗戦。だが17日は81-77で勝利した。現在の成績は32勝17敗で東地区2位、首位の群馬クレインサンダースとは4ゲーム差。残り11試合に逆転優勝の願いを懸ける。入場者数は1644人とカピオでの最多記録を更新した。

32得点13リバウンドでこの日のMVPに輝いたアンドリュー・ランダル

茨城は17日、前日の敗戦を受けて先発メンバーを入れ替え、長身選手3人が並ぶ「ビッグスリー」の布陣で挑む。だが第1クオーターは守備がうまく機能せず、9-21の大差をつけられる。岩下桂太ヘッドコーチは「相手のラインナップは2人をインサイドに置くバランスの良い形で、一人ひとりが役割を徹底し、個の力もある。守りづらく攻めづらい相手に、序盤は流れを持っていかれたが、そこを立て直せたことは今日一番の収穫だった」と振り返る。

第2クオーターで流れを取り戻せた要因は、チーム全員による守備。リバウンドでは日本人選手もよく跳んでボールを取れるようになり、早い切り替えからシンプルな攻撃を展開できた。またこの時間帯、福澤晃平が3本の3点シュートを決めたことも大きな推進力となった。「とにかく足を動かすこと。普段からやらなくてはいけない当たり前のことだが、それによって相手のマークが外れ、思い切りよくシュートを打つことができた」と福澤選手。

守備からの攻撃でチームを大いに助けた福澤晃平

第3クオーター以降はシーソーゲームの展開。相手に水をあけられそうな場面も多々あったが、高橋祐二が気の利いたパス出しとともに、自分でも要所要所で得点を決め、大きなリードを許さなかった。「後半はボールを散らし、みんなが点にからむチームを作れた。ところどころで展開が重くなる場面があったので、自分がアグレッシブに攻めて勢いをもたらそうと意識した」と高橋選手。

第3クオーター終了直前、高橋祐二がレイアップシュートを2本連続で決め、57-57の同点に追い付く

小差を追ったまま試合は終盤を迎え、残り時間は約2分半。ここから茨城は眞庭城聖と福澤の2人で、3点シュートを3本連続で決め、逆転および6点のリードを奪うことに成功。この点差を保ったまま試合を終えることができた。

「昨日はストレスがたまる試合になったが、今日見に来てくれた人には、いい試合だったと納得していただけたと思う。観客の中にはBリーグを初めて見る人も、これで最後という人もいるかもしれない。初めての人にはまた見に来たいと、最後の人には来て良かったと思っていただけるような試合をしたい」と、岡村憲司スーパーバイジングコーチはコメントした。

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ベンチへ戻る高橋(左端)はを歓喜で迎えるチームメート

中高生に呼び掛け特別セミナー 次世代のがん治療技術紹介 国際戦略特区

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BNCTの加速器模型を使って解説する熊田博明准教授㊨=筑波大学高細精医療イノベーション棟

【相澤冬樹】つくば国際戦略総合特区のプロジェクトを支援する「つくばグローバル・イノベーション推進機構」(つくば市吾妻、住川雅晴理事長)が、特に中高生に参加を呼びかけた特別セミナーが17日、つくば市春日の筑波大学高細精医療イノベーション棟で開かれ、最先端のがん治療技術が紹介された。県、同市、同大学が共同主催した。

「次世代がん放射線治療BNCTの開発実用化」(熊田博明・同大陽子線医学利用研究センター)、「放射線も霧箱で見られます―医療診断用ラジオアイソトープの国産化」(土谷邦彦・原子力機構大洗研究所環境技術開発センター)の2講演が行われた。

同特区は2011年から順次スタートし、現在合わせて9のプロジェクトを抱えるが、東海村のいばらき中性子医療研究センター、大洗町の原子力機構(JAEA)大洗研究所を拠点に研究開発中の両事業は、現状があまり伝わっていない。

今回は中高生にもわかりやすくという意図で開催されており、会場を市民ら約50人が埋めるなか、「つくば国際戦略特区」も初耳という高校生らが10人ほど参加した。私立高校の女子生徒は「放射線は難しそうだけど、がん治療に興味があって参加した」という。

今年中に動物実験を開始 東海村のBNCT加速器

講演のうち、ホウ素中性子捕捉治療法(BNCT)は、がんの患部にホウ素入りの薬剤を送り込み、中性子を打ち込んでホウ素から発生したアルファ線でがん細胞を破壊する仕組みだ。同大を中心に高エネルギー加速器研究機構、JAEAなどが、加速器を使った装置の開発を進めている。

熊田氏によれば、東海村に設置した加速器は本体の長さ約7メートルの小型のもので、陽子を光速の13%に加速して標的のベリリウムに当てると、電荷のない中性子がはじきだされ患部まで届く。ホウ素から出るアルファ線の飛距離は10ミクロンほどで、ちょうど細胞1個分の距離、周囲の正常細胞を破壊することなくがん細胞だけを狙い撃ちできる。このため頭頸部(とうけいぶ)がんや悪性黒色腫の治療に有効で、再発乳がんなどにも適用の可能性があるという。

BNCTは、これまで研究用原子炉を使った研究が主流だったが、老朽化し廃炉となっている流れに加え、国内では病院に設置できないことから、加速器利用にシフトしている。住友重機械工業製の加速器を使う福島、大阪の治験施設からは本年中に薬事承認申請が出される見込みで、来年には治療スタートの見通しになっている。東海村の装置はほぼ完成したものの、加速器のビーム強度が高く調整に手間取っていた。今年中に動物実験を開始、薬剤メーカーと協議して早々に治験に移る構えでいる。

県のGAP第三者確認 県内第4号、江戸崎総合高が取得

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横田国夫センター長からGAP第三者確認証書を受け取る江戸崎総合高3年山崎海人君ら=稲敷市・稲敷地域農業改良普及センター

【相澤冬樹】県立江戸崎総合高校(稲敷市江戸崎、大和田淳校長)グリーンテクノ系列で農業を学んできた生徒3人が14日、県南農林事務所稲敷地域農業改良普及センター(同所)で、横田国夫センター長から県のGAP第三者確認(※メモ参照)の証書を授与された。県内第4号、高校では初めての登録リスト入り、グループの3年生は1日に卒業証書を手にしたばかりで、充実の高校生活の記録がもう1枚加わることになった。

同高では11年から、農研機構果樹茶業研究部門(つくば市)が開発したブドウ品種シャインマスカットの栽培に取り組み、昨年は校内農場のハウスで約600房を収穫した。大粒で糖度の高い人気銘柄だ。この実習課程のなかから山崎海人君(18)を代表とする2、3年生の4人が昨年6月、GAP取得プロジェクトを編成、「茨城県GAP第三者確認制度」の登録をめざした。

GAPは個人的な取り組みによる宣言も可能だが、取引上は第三者による確認が有効な手立てとなる。しかし国際的なグローバルGAP認証ともなると、チェック項目が広範囲で経費の負担も大きいため、県は取得費のかからない第三者確認制度を設けた。2020年東京オリンピック・パラリンピック時の食材納入をめざし、同年9月30日までの時限制度とした。本格的なGAP認証のための入門的位置づけだが東京オリ・パラの食材調達基準は満たしており、18年末までに県内2団体・個人が登録された。

江戸崎総合高GAP取得プロジェクトメンバー(前列)と関係者=同

山崎君らは、圃場の管理状況や肥料・農薬の投入量などを厳密にデータ管理し、事細かに記録に残した。チェック対象は全部で55項目に及んだ。多くはこれまで経験則に頼ってきた管理項目で、定量化することで一定の収量・品質を維持して、収穫物を市場に出せるよう取り組んだ。「掃除の記録から資材や器具の入手経路などを明確にするなど全部やった。9年前から使っているため素性の分からない土があって、リンの値が高いために入れ替えもした」という。

同改良普及センター管内では、産地銘柄である江戸崎カボチャや浮島レンコンもGAP取得に取り組んでいるが、これらに先着。今月8日付けで登録リストに載った4つの団体・個人のなかに同校の名があった。指導に当たった同校の農場長、石崎理有教諭は「学業とは別の書類作成で、追いつくのが大変だったが頑張った。記録を残せたことで生徒が卒業しても後に引き継いでいけるのが大きい」と喜んだ。

今回の登録品目、シャインマスカットの収穫時期は毎年9月に入ってからで、東京オリ・パラの開催時期に間に合わない。それでも、GAP取得の経験は、今後農業分野に携わっていくなかで大いに役立つはずという。3年生の山崎君は4月から県立農業大学校園芸部(坂東市)へ進学、同じく根本君は河内町内の農園への就職が決まっている。

※メモ GAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)第三者確認
農業生産における食品安全、環境保全、労働安全などの持続可能性を確保するための工程管理の取り組み。生産物を流通に乗せる際の国際標準になりつつある。指定機関等による認証とは別に、県は17年12月から、時限措置で確認制度の運用を開始した。これまでに6団体・個人が登録されている。

19歳消防士を停職処分 職場で現金盗む つくば市消防本部

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つくば市役所

つくば市消防本部は15日、職場で現金を盗んだとして、主事の男性消防士(19)を停職4カ月の懲戒処分にしたと発表した。男性からは退職願が出され、同日付けで退職したという。

同消防総務課によると、男性は昨年7月から9月ごろにかけて、同市研究学園、市消防本部内で、他の複数の職員の机の引き出しやロッカーの中に入れてあった現金を盗んだとされる。現金は個人の所持金で総額で数万円という。

昨年9月ごろ、職員から相談があり発覚した。本人は盗んだことを認めているという。

植木利男消防長は「消防本部内において窃盗事件が発生したことは市民の信頼を損ない、深くお詫びします。事態を重大に受け止め、今後は再発防止に向け職員の指導を徹底します」などとするコメントを発表した。

町の記憶からめ特別展「空都土浦とその時代」 16日から土浦市立博物館

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学芸員の案内で特別展の展示物を見て回る内覧会参加者=土浦市立博物館

【相澤冬樹】土浦市立博物館(土浦市中央、茂木雅博館長)の第40回特別展「町の記憶―空都土浦とその時代」が16日から始まる。関係者向けの内覧会が15日開かれ、同館が15年度から行ってきた「市民の記憶」収集事業に協力した学識者や市民らが集まって、展示品や写真を前に昔話に花を咲かせた。

同展は、大正11年(1922)設立の霞ヶ浦海軍航空隊と、昭和14年(1939)の予科練設置から土浦海軍航空隊に至る、大正末から昭和にかけての「空都」土浦がテーマ。2つの航空隊設置によって土浦の町は大いににぎわい、そして戦争の影におびえた。その様相と歩みをたどる。

展示は、①ふたつの航空隊と土浦②土浦と戦争の記憶③復興への道―の3部構成。重要文化財の「筑波鉄道敷設に関する調書」(群馬県立博物館所蔵)をはじめ、今年飛来90年を迎える飛行船ツェッペリン伯号関連などの航空資料、双六や広告、千人針などの民俗資料が各方面から収集された。

土浦最古という歴史的映像の上映に身を乗り出して見入る参加者=同

「市民の記憶」収集事業の成果も反映され、記憶に基づき市内外から集めた収蔵品も初展示される。「戦争関連ということで戦後多くが破棄されており、そのなかで残ったのは大変貴重だ」と展示をまとめた野田礼子学芸員はいう。

記憶を元に自ら手づくりした戦後の引揚者住宅の模型、同市文化財愛護の会写真部会撮影の「写真でたどる町の記憶」展などもあって、内覧会参加者の目を引いていた。

会期は5月6日まで。会期中、筑波大学教授、伊藤純郎氏による講演「ふたつの航空隊と空都土浦」(3月24日)をはじめ記念講演会(4月20日)や史跡めぐり(3月30日、4月6日)、映像上映会(4月28日)などの行事が組まれている。

◆土浦市立博物館(土浦市中央1-15-18)電話:029-824-2928 ▽入館料:一般105円 ▽休館日:3月22日と毎週月曜日(4月22日除く)▽無料開館日:4月7日

G20へ、つくば国際会議場が設備を一新 内覧会とパーティー試食会を開催

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定員22人の全員にマイクが備えられた国際会議場の特別会議室を見学する参加者たち=つくば市竹園

【橋立多美】今年6月のG20サミット(大阪)の関係閣僚会合の一つ、貿易・デジタル経済大臣会合の会場となるつくば国際会議場(つくば市竹園)で行われていた館内の改装や一部機器の更新が整い、このほど内覧会を催して関係者に披露された。

サミット議長国として日本が開催する同会合は、6月8、9の両日、20カ国の経済産業大臣らが集まる。同会議場の内覧会には研究機関や大学、企業から約110人が参加し、営業スタッフの案内で1258人を収容する大ホールや会議室などを見学した。参加者からはブース設置やインターネット環境、営業目的の場合の利用料金などの質問があった。

同国際会議場が開館したのは1999年6月。20年を経て、大・中3つのホールに設置された400インチプロジェクターと6カ国語対応同時通訳設備を最新鋭の機器に替えた。画面が明るくなり、同時通訳は音質が改善された。

また、館内の壁紙の張り替えと傷みの激しい会議室テーブルの交換、大・中ホールを除く椅子の交換が行われた。ちなみに大・中ホールの椅子は飛行機のビジネスクラスに匹敵する幅48センチの特注品という。加藤善成総務企画課長は「開館したころは最先端の設備を備えた施設だったが、20年経って衰えが見え始めた。催事の合間に作業を進めて先月末に完了した。これで質の高いコンベンション環境を提供できる」とした。

参加者の中には東京大田区のイベント企画運営会社の社員がいた。東京オリンピック・パラリンピックの開催時、東京ビッグサイトはバスターミナルとなり大型催事ができなくなる。そのため内覧会を利用して見学に訪れた。「当社はイベントの会場選びからサポートしている。ここは東京からTXを利用して1時間で到着できる。社内で検討していきたい」という。

焼いた常陸牛を切り分け、茎ワサビのソースを添えて提供された=同

ハラール食やベジタリアン対応も

内覧会に続いて会議場1階にあるレストラン「エスポワール」(本社同市、サンスイグループ経営)によるパーティー料理の試食会と交流会が開かれ、参加者たちがこぞって詰めかけた。

同店は地産地消にこだわり、山海の幸に恵まれた茨城の食材を使った料理を提供している。試食会では新鮮な旬の野菜や果物、農畜産物を用いた多彩なメニューが提供され、茨城が誇る常陸牛のローストビーフの試食コーナーには行列ができた。

同店の岩堀進支配人は「イスラム圏からの訪日に備えてハラールや動物性食材を使わないベジタリアンに対応している。特にハラールは調理師が研修に参加して知識を習得している。つくば在住のイスラム教徒の皆様にもご利用いただきたい」と話した。

焼酎、サブレなど新たに3品が認証 つくばコレクション

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2018年度のつくばコレクションに新たに認証された(左から)米焼酎、サブレ、シフォンケーキ=つくば市役所

【鈴木宏子】贈り物にもなるつくばの優れた加工食品を市が認証する「つくばコレクション」に、今年度新たに3品が加わった。米焼酎、サブレ、シフォンケーキの3品で、いずれも筑波山麓で栽培されたコシヒカリ「常陸小田米」が使われている。再認証された7品と併せて2018年度の認証は8事業者の計10品となる。

3品は、常陸小田米と清酒用の花酵母を使用し減圧蒸留で仕上げたフルーティーな香りの米焼酎「筑波喜右衛門」(720ミリリットル入り1620円)▽米粉と、筑波山周辺で古くから栽培されてきた小型の柑橘類、福来みかんを使用して作ったサブレを、筑波山の形に成型して、さらに筑波山固有の野草ホシザキユキノシタのデザインを型押しした「筑の花サブレ」(8枚入り650円)▽米粉と、海藻をえさに与えた鶏卵、黒蜜を使ったシフォンケーキ「つくば米シフォンケーキ黒蜜」(カット270円、ホール1620円)=価格はいずれも消費税込み。

2018年度認証を受けた事業者ら=同

19品の応募の中から、新規3品、再認証7品が選ばれた。有識者と公募市民計16人で構成する同評価懇話会(座長・市川一隆ホテルグランド東雲社長)が審査した。

4度目の挑戦で初めて「筑の花サブレ」が認証を受けた洋菓子製造販売会社「fortune(フォーチュン)」の桜井有希子社長(51)は「筑波山の形と福来みかんの香をお客さんに届けられれば」と話し、五十嵐立青市長は「あらゆる場面で宣伝したい。今年はG20や国体があるので機会をとらえてPRしたい」と話した。

認証期間は3年間。18年度の10品のほか、16、17年度の17品の計27品が認証されている。認証品は、認証マークを貼って販売できるほか、つくば駅構内の売店「つくば市物産館」などで販売される。

【震災8年】4 「変容」撮り続ける齋藤さだむさん 19日から写真展「その後」

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北茨城市磯原の二ツ島(1998年撮影㊧)は2011年には岩肌がむき出しになった=齋藤さだむさん撮影

【相澤冬樹】今年も3.11は被災地に赴いた。「3月11日と8月15日は現場に入ると決めている。それが僕なりの慰霊の仕方」というのは、つくば市在住の写真家、齋藤さだむさん(70)。足を運ぶ先の1つが北茨城市磯原で、夜、沖にライトアップされた岩礁が浮かびあがる。茨城百景の1つに数えられる二ツ島、今はひとつの島影しか見えない。19日から水戸市の画廊で始まる写真展に備えて、今年も夜の海にカメラを向けた。

島が1つになったのは、地震と津波で崩落し、消失したため。齋藤さんは震災の半年後に訪れ、あまりの変わりようにショックを受けた。二ツ島はまだフィルムカメラの時代だった1998年にも撮っていた。岩に張り付くように緑の木々が写っている。それらが岩の一部もろとも津波に持っていかれて、鉱物標本のような姿になってしまった。

齋藤さだむさん=つくば市内の自宅アトリエで

1980年代を筑波大学の技官として過ごした齋藤さんは、建設段階にあった筑波研究学園都市の風景や建築物を撮り続け、内外で評判になった。自らのテーマを「場所の変容」と定めて90年に退職、写真家として独立した。

震災直後、同大学の芸術学系で交流のあった装丁家の守先正さんに誘われて、福島県南相馬市に入った。同市の詩人、若松丈太郎さんの詩集『ひとのあかし』(アーサー・ビナート英訳、清流出版刊)に載せる写真撮影のためだった。チェルノブイリの現実を福島の未来に重ね合わせるように書いた1994年の作「神隠しされた街」などで、危険性をいち早く唱えていたと話題になった詩集だ。

齋藤さんは「背中を押されるように」、東北に足繁く通っては、青森から茨城までの海岸線沿いの被災地に立ち入ることになる。津波に襲われた土地には、住宅や工場の基礎だけが残っていた。

「草が少し生えただけ」

まさに「変容」の場所、生業である建築写真を撮るスタイルのままカメラを向けることができた。それらを集め、2012年4月には、いわき市で写真展「不在の光景」を開いている。しかし、福島第1原発の被災地だけは「まったく違う現れ方だった」という。線量計を携行して双葉町、浪江町などの帰還困難、居住制限区域にも入った。「被災者にお願いして、同行者として入れてもらった。何も戻ってきていないのを痛感する」ばかりだった。

齋藤さんは、この後も各地で何回かの写真展を開いているが、被災地を撮った写真はすべて額装せずに展示した。カメラアングルの外側にも被害が広がり、変容があることを伝えたかったのだ。そんななか、1998年に撮った二ツ島の写真は額縁に収めていたため、2011年の写真も額装し組写真にして発表した。残酷な時間の変容が伝わってくる。

そしてことし3月、齋藤さんは三たび夜の二ツ島を訪ねた。19日から水戸市のギャラリーしえるで始まる写真展「その後」に向けての撮影行だった。「ほとんど変わっていない。草が少し生えただけだった」という二ツ島を撮ってきた。それらを含め、今回約30点を6日間展示する。

会期が短かめなのは、できるだけ会場に詰めて、来場者と「その後」を語り合いたいためという。それぞれの目にはどんな「変容」が映るだろうか。

▼齋藤さだむ写真展「その後」 3月19日から24日、ギャラリーしえる(水戸市見川2434-1)。会場の電話:029-241-5696

【震災8年】3 商売再開した福島避難者を紹介 筑波大生ら取材

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小冊子「いってみっか」を紹介する筑波大学の上原あやかさん

【鈴木宏子】原発事故により福島県から茨城県内に避難し、つくばや土浦市などで商売や事業を再開した避難者13組を紹介した小冊子「いってみっか―いばらきで歩みはじめた私たちの想い 3.11から」(B5判、31ページ)がこのほど発行された。筑波大学学生による復興支援団体「Tsukuba for(ツクバ・フォー)3.11」のメンバーが制作に加わった。

福島県からの避難者を支援している市民団体「ふうあいねっと」(原口弥生代表、事務局・茨城大学内)による。長く付き合った馴染み客や取引先を失い、新しい土地でマイナスから再スタートした避難者を応援したいと制作した。

つくば市二の宮で日本料理店を再開したいわき市出身の安藤公一さん、同市松代に整体院を開いた浪江町出身の石川美穂子さん、土浦市中高津で塗装工事会社を再開した双葉町出身の新川正文さんなど、つくば、土浦、水戸、日立市などで事業を再開した避難者の、原発事故後の避難体験や事業再開までの道のり、仕事への思いなどがつづられている。

「いってみっか」で紹介されているつくば市内の日本料理店

「Tsukuba for 3.11」のメンバーで、筑波大人文文化学群1年の上原あやかさん(19)はこのうち3人を取材した。

「何かを始めるのに年齢は関係ない。何歳になってもできる」という言葉が特に印象に残ったという。「避難し、出身地を離れて事業を再開したチャレンジ精神がすごい。仕事に強い対する思いを感じた」と振り返る。

上原さんは沖縄県出身。8年前の東日本大震災時は小学5年生だった。震災の被災当事者からじっくり話を聞いたのは今回が初めてだったという。

「驚きの連続だった。言葉の重みが違っていて、直接聞くことで情景が目に浮かんだ」と話す。再開してもお客さんがなかなか来てくれないなど厳しい状況を抱えている避難者もあったが「仕事が好きだから頑張れる」とか「お客さんの笑顔にやりがいを感じる」という言葉に強さを感じたという。

紹介されているつくば、土浦市内の事業所は以下の通り。

つくば市
▽障害者就労支援施設「遊愛コーポレーション 就労継続支援A型事業所アリス」(島名榎内3621-2、電話029-896-3833)=皆川勝さん(南相馬市出身)
▽日本料理店「お料理 わ可ば」(二の宮3-2-11、電話029-896-8155)=安藤公一さん(いわき市出身)
▽眼鏡店「GRAN GLASSES(グラングラス)」(学園の森3-10-2、電話029-828-5539)=原田功二さん(浪江町出身)
▽すし店「二代目 寿し松」(研究学園4-2-14)=松本清治さん(浪江町出身)
▽整体院「つくば松代むつう整体院」(松代1-16-31、電話029-852-7567)=石川美穂子さん(浪江町出身)
▽美肌エステサロン「メナードフェイシャルサロンつくば高崎店」(高崎郷中塚41-1)=木幡サチ子さん(浪江町出身)

土浦市
▽書道塾「おおつ野書道教室」(おおつ野8-16-15、電話029-846-2101)=椀台俊夫さん(浪江町出身)
▽塗装工事会社「建装メンテナンス」(中高津2-4-3、電話029-879-5611)=新川正文さん(双葉町出身)

同誌は2500部作成。無料。問い合わせは電話029-233-1370(ふうあいねっと)、メールfuai.sta@gmail.com

【震災8年】2 ふるさと福島に向かい黙とう つくばへの避難者らが慰霊祭

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福島県双葉町の方向に向かって黙とうをする、慰霊祭の参列者たち=11日午後3時ごろ、つくば市並木3丁目

【崎山勝功】東日本大震災から丸8年を迎えた11日、つくば市周辺で避難生活を送っている福島県双葉町からの被災者が、同市並木3丁目の国家公務員宿舎前で慰霊祭を開いた。被災者に加え筑波大生らが参列、約20人が双葉町の方向に向かい犠牲者への黙とうを捧げた。

双葉町出身の中村希雄さん(77)方の庭先には祭壇が設けられ、参列者たちが一人ずつ線香を上げ、祭壇前で犠牲者の冥福を祈った。黙とうを終えた参列者たちは、時代劇「水戸黄門」の主題歌「ああ人生に涙あり」を合唱した。

慰霊祭で、中村さんは今までお世話になった人たちに感謝を述べた上で、「私たちのモットーは一日一日を楽しく明るく、ケガをしないで病気にならないで生きていこうということ」と語った。中村さんは11年10月から同市並木の公務員宿舎で避難生活を送り、震災から1年後の12年3月から毎月11日の月命日に宿舎の庭先で慰霊祭を開いた。17年3月までは毎月行われていたが、18年からは年1回開催となり、今回が63回目の慰霊祭だった。

時代劇「水戸黄門」の主題歌「ああ人生に涙あり」を合唱する慰霊祭の参列者たち=同

当初は双葉町出身者のみで開く予定だったが、市内で避難者向けの体操教室を開く筑波大の長谷川聖修(きよなお)教授の勧めで、同大の学生たちも参列。長谷川教授は「学生たちは全国から来るので、震災のことをほとんど知らない。またはメディアを通じてしか知らない。直接に避難している人から話を聞くのは大事」という。

学生たちは、避難者たちと体操教室とグラウンドゴルフで交流を深めており、同大大学院1年の松浦稜さん(23)=福岡県出身=は「名前で呼んでくれて家族みたいに接してもらっている」と話した。つくば市東岡の竹前久江さん(74)は「福島の人たちと体操教室を通じて友だちになった。最初はおとなしいと思ったけど、いろいろと話をしてくれる」という。

中村さんの妻の富美子さん(77)は「ここ(つくば)はみんないい人ばかりで助けられてきた。福島県内の避難先では嫌がらせがあったと聞くけど、つくばではなかった。とてもありがたい」と市民に感謝した。富美子さんの今の気がかりは、公務員宿舎に住める期限が19年度末までとなっていること。「できれば期限を延ばしてほしい。今まで交流している人とのつながりがなくなるし、双葉町には帰れない」と訴えた。

並木の公務員住宅にはピーク時で48世帯が住んでいたが、2020年3月末で応急仮設住宅の供与期間が切れることから、入居者たちの多くがつくば市や周辺地域など各地に転居しており、現在は十数世帯程度が生活しているという。

◆避難者の厳しい現状

慰霊祭では、双葉町出身者たちから厳しい現状が聞かれた。同町出身でつくば市内在住の主婦(62)は「隣近所とはお付き合いがあるけど『双葉町』とは言っていない。水戸市に引っ越した人で『双葉町』を隠して住んでいる人もいる」と明かした。主婦は震災前はホテル関係の仕事をしていたが「仕事は見つからない。どこも若い人を採用する」と嘆く。その上で「津波とかのテレビ(映像)を見るたびに心が揺れるというか、めまいがする。経験したものでないと分からない」という。

現在も公務員宿舎で生活する同町出身の主婦(60)は夫(61)と2人暮らし。「つくばはいいところ。病院とかバスが充実している。バスで駅まで行けるし電車もある」としながらも、主婦は「両方とも60歳を過ぎているので仕事がない」と明かす。取手市内には娘夫婦と2人の孫がいて、孫との暮らしに惹かれてはいるが、娘夫婦の生活との兼ね合いもあり、引っ越しを決めかねているという。

精度を高めて「フェイズ3」入り KEK、BelleⅡ実験を再始動

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SuperKEKB加速器始動直後の制御室(高エネルギー加速器研究機構、3月11日午後3時ごろ)

【相澤冬樹】高エネルギー加速器研究機構(つくば市大穂、山内正則機構長)は11日、小林誠、益川敏英両博士のノーベル物理学賞受賞に結びつく成果を残した加速器、KEKB(ケックビー)の後継機であるSuper(スーパー)KEKBを再始動、Belle(ベル)Ⅱ実験は新たなステップ「フェイズ3」に突入した。

同実験は26の国と地域から900人を超す研究者が参加する国際共同実験。地下11メートルに周長約3キロの衝突型加速器が設置されており、電荷の異なる電子・陽電子をそれぞれ7GeV(ギガ電子ボルト、1GeVは10億電子ボルト)、4Gevのエネルギーで加速し、正面衝突させる。このときB中間子・反B中間子が対で生成され、短時間で崩壊するが、その模様は衝突地点に設けられた検出装置BelleⅡで追跡される。

シールド遮へいされビーム入射を待つBelle II 測定器(中央青い枠が見える)

この衝突エネルギーは、欧州原子核研究機構(CERN)の LHC加速器に比べると小さいものの、大量の衝突反応データ生成によってカバーする。ルミノシティ(衝突頻度)重視の設計という。陽子・反陽子衝突のLHCに比べ、電子・陽電子衝突はバックグラウンドで騒がしい存在となる余計な素粒子を生成しないため、B中間子崩壊の追跡を容易にする。

2010年から大改造に着手されたSuperKEKBは、16年の試運転の「フェイズ1」、18年に初衝突を記録した「フェイズ2」と準備・調整を進めてきた。昨年7月以来の再起動となるフェイズ3では、KEKBが持つルミノシティの世界最高記録を40倍にまで高める計画。11日午後1時すぎ、制御室で始動のキーが入った。調整運転の後、ビームは衝突型の円形加速器に入射される。この先、断続的に運転を続け、早ければ1年後にはルミノシティの目標数値をたたき出したい構えでいる。

B中間子崩壊から新物理探求

ビームを待つBelleⅡ側ではフェイズ2後に、バーテックス検出器(VXD、崩壊点検出器)が取り付けられた。B中間子が崩壊した場所を測定するための検出器で、時間経過を追って観測できるのが特色。今後数年かけてBelle実験の約50倍のデータ量を蓄積し、精度を高める。「小林・益川理論」の新たな証明ばかりか、標準理論の発展型に至る道筋が見つかるかもしれない。

KEK素粒子原子核研究所、中尾幹彦教授は、BelleⅡ実験では宇宙初期に隠された新しい物理法則の発見が期待されるという。「たとえば宇宙のダークマター(暗黒物質)探しでは、これまでアクシオンのような極めて小さい質量の領域か、極めて質量の重い超対称性粒子(SUSY粒子)が候補になってきたが、案外中間領域は調べられていなかった。BelleⅡで測定可能な質量かもしれない」と狙いの一端を語った。

【震災8年】1 つくば駅周辺で「脱原発」訴えパレード

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「東海第2原発再稼働反対」などと訴えるパレード参加者たち=つくば市吾妻のTXつくば駅前

【崎山勝功】東日本大震災と福島第一原発事故から丸8年を迎えた11日、脱原発と憲法擁護を訴える「さよなら原発!守ろう憲法!昼休み集会&パレード」がつくば市吾妻の中央公園で開かれ、市民ら約100人(主催者発表)が参加し、東海第2原発の再稼働反対などを訴えた。

デモ出発前の集会で、「脱原発ネットワーク茨城」の小川仙月共同代表(53)は「私たちはたまたま助かった」と東海第2、福島第2両原発が地震発生当時に重大事故の一歩手前だった状況を解説した。集会では「住民と関係自治体との同意が得られず、有効な避難計画も持てない再稼働に断固として反対」として、東海第2の再稼働反対などを訴えるアピールを採択した。

参加者らは雨交じりの悪天候のなか、つくば駅周辺の約2キロ区間をデモ行進し、「東海第2原発再稼働反対」「知事は私たちの訴えを聞け」などと訴えた。参加した筑波大学医学群6年の前島拓矢さん(25)は「大学卒業を機に参加してみようと思った」という。「原発がなければ放射線の汚染や(周辺地域で)避難計画を立てる必要がなくなり、心配することが減るはず。自然エネルギーも充実してきたし、原発に依存する必要はない」と訴えた。

NPO団体「ドットジェイピー」の議員インターンとして、つくば市民ネットワークの市議らと集会に参加した、筑波大学1年の後藤佳怜さん(19)=愛媛県出身=は、8年前は小学5年生で「(原発事故は)テレビで見ていたぐらいで、実際に福島県に行ったことがなく、原発がどんなものか知らなかった」そうだ。その上で「こういった集会に関心が持てなかったけど、(議員)インターンシップをきっかけにちょっとずつ分かったこともある。個人的にも色々勉強していきたい」と関心を示していた。

同パレードは、市民団体「戦争をする国づくりNO@つくば」と「安倍9条改憲NO!市民アクションつくば連絡会」の共催で行われた。取材に応じた小川代表は、「時間が経つと(原発事故が)忘れられようとしている側面もあるので、繰り返し伝えていく必要を感じる。若い人の参加が大事」と若年層へ参加を呼び掛けた。

サンガイア、ホーム最終戦・初の常総大会に勝利 V2・6位決まる

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試合後、笑顔でカメラの前に集まるサンガイアの選手・スタッフら=10日、常総市坂手町の水海道総合体育館

【池田充雄】バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(Sun GAIA)は3月9、10日、今季3度目のホームゲームを水海道総合体育館(常総市坂手町)で戦った。9日のトヨタ自動車サンホークス戦はセットカウント0-3で敗れたが、10日の長野ガロンズ戦は3-1で勝利した。この結果、つくばは通算成績9勝14敗、あと1試合を残して18-19シーズン6位の順位が確定した。最終戦は次週17日、東京の東村山市民スポーツセンターで大同特殊鋼レッドスターと対戦する。

多彩なトスで攻撃のタクトを振るった浜崎勇矢選手㊧ ガロンズ戦でも19得点を挙げ、チームの主力として定着した鈴木匡教選手(撮影/池田充雄)

常総市の皆さんに勝利で恩返しを

【観戦取材/岡本穂高】つくばは第1セット、相手のサーブに苦しめられ、なかなかリズムをつかめない。ポイントゲッターの小針幸選手の負傷というアクシデントもあり、最後まで流れに乗れないまま、このセットを19-25で落としてしまう。キャプテンの浜崎勇矢選手は「序盤は相手のサーブやブロックがよく、守りに入ってしまったことで自分たちの得意の形を出せなかった」と振り返った。

しかし、第2セットは攻めのサーブからリズムをつかむと、奥村航選手の力強いスパイクや、鈴木匡教選手のライトからのアタックが効果的に決まり始め、徐々に本来の攻めの形を取り戻す。「第1セットは気持ちが前に出すぎて逆に相手に押されてしまっている状況だったので、いったん冷静になることを心掛けた。間の取り方やブロックのタイミングを再確認することで、第2セット以降はうまく相手を崩せたと思う」と都澤みどり監督。第2セットを25-21でものにしたつくばは、その後も主導権を譲らずに第3セットを25-20、第4セットも25-20で奪い、見事勝利をつかんだ。

チームにとって常総市でのホームゲームは今回が初めて。普段から同市で定期的にイベントを行っていたことが、今回の開催につながったという。「(2015年の鬼怒川水害を受けて)少しでも復興の力になれればという思いで戦った。お世話になっている常総市の方々に勝利で恩返ししたいという思いから、いつも以上の力が出せた」と浜崎選手は語る。都澤監督は「復興途中の市民の皆さんに元気を与えられるような試合ができたと思う。次の最終戦は今シーズンの成長を示し、来シーズンにつながるような試合にしたい」と意気込んだ。

試合終了後にはチームを離れる古後俊介トレーナーを選手全員で胴上げするなど、団結の強さが垣間見える場面もあった。今季のチームは特に若手選手の活躍が目覚ましく、ポジション争いも激しくなっている。勝って有終の美を飾れるよう、来週の大同特殊鋼レッドスターとの対戦に注目したい。

今季新加入で活躍した一人、アウトサイドヒッターの満生大輝選手㊧ 愛児とともに勝利の喜びに浸る都澤みどり監督(同)