日曜日, 11月 9, 2025
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「知識」と「知恵」の違い 《食う寝る宇宙》82

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【コラム・玉置晋】高校教員をしていた亡き父のアルバムを整理していたら、切り抜きが出てきました。卒業する生徒に向けたメッセージかと思います。

「高校の勉強が完成するとは、『知識』が『知恵』に高められることだ、という人もいます。(例えばボク)。それでは、『知識』とか、『知恵』とは何でしょう。ボクはこう考えています。『知識』とは、ある物事についての明確な理解、認識を持つこと。つまり、簡単にいえばオボエルこと、だね。『知恵』とは、物事の理(ことわり)を考え、判断し、処理する心の働きのこと。つまり、簡単にいえば、『オボエテイル』ことを使って、頭を『ハタラカセル』こと、だと思うね」

父が教壇に立っていた30年前と比べて、世の中は大きく変わりました。インプットされる情報量も何十倍となっています。人間の頭に格納する知識の価値は下がり、替わりに外部記憶(例えばインターネットの情報)にいかに効率よくアクセスできるかが重要視されています。しかし、知恵(「オボエテイル」ことを使って頭を「ハタラカセル」こと)はどんなに時代が変わっても、大事なことに変わりありません。わが父ながらよいことを言った。

寝坊したのは太陽フレアのせい?

先日、岩手県大船渡市に住む地球防衛隊(コラム25参照)の仲間から、スマートフォンのアプリを開けなかった、太陽フレアの影響ではないか?と連絡がありました。もちろん冗談なのですが、この手のネタは2017年の秋からSNSで見かけるようになりました。

きっかけは、2017年9月に「通常の1000倍の大型太陽フレアが観測」されたと関係機関からプレスリリースが出たことによります。当時、カリブ海では大型ハリケーンの被害を受けて、その救援活動の最中に、大規模な電波障害が生じたという報告がありました。(日本では大きな影響はありませんでしたが)

そのため、何だかよくわからない脅威である太陽フレアは、「寝坊したのは太陽フレアのせい」といったジョークの恰好の餌食となりました。この反応は「宇宙天気防災研究者」としては懸念材料でして、よかれと思って発信した情報がオオカミ少年になってしまわぬように注意を払わないといけません。(宇宙天気防災研究者)

<3分宇宙天気>2021年3月22日、太陽の北半球で巨大なプロミネンス(紅炎)が見られました。ガスの塊(CME:コロナ質量放出)が噴出され、地球方向に向かっています。3月25日以降、到来する可能性がありますので、宇宙旅行ご予定の方は宇宙天気をウォッチ!

市職員2人が新型コロナ つくば市

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つくば市役所

つくば市は27日、市職員2人が同日、新たに新型コロナウイルスに感染していることが判明したと発表した。

市ワークライフバランス推進課などによると、2人は市役所本庁舎2階に勤務する非常勤職員と、小田城跡歴史ひろば案内所に勤務する非常勤職員で、いずれも職場に濃厚接触者はいないという。

2人が勤務する部署はいずれも消毒作業を行い、通常通り業務を実施する。

2人に症状があったかや、いつまで勤務していたかなどは公表できないとしている。

第1期巣立つ つくば・みらいのもり保育園で卒園式

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保護者に向けて書いた手紙を読み上げる園児=みらいのもり保育園

社会福祉法人関耀会(筑西市、関正夫理事長)が運営する、つくば市鬼ケ窪のみらいのもり保育園(川上美智子園長、園児数85人)で27日、第1回卒園式が催され、第1期生となるくじゃく組の年長児4人が巣立った。昨年4月に開園したが、コロナ禍で入園式を開催できなかった。

式典で川上園長は「4人は憧れの年長さんで、園のリーダー的役割を立派に果たしてくれました。4月から小学1年生になります。たくさんのお友達と楽しく元気に過ごしてください。皆さんの成長を先生たちは遠くからいつも温かく見守っています」などと式辞を述べた。

卒園生4人は「毎日優しく見守ってくれて、先生方、ありがとうございました」などとお別れの言葉を述べ、参加した父母に向けて「毎日おいしいご飯を作ってくれてありがとう。大好きです」などと書いた手紙を読み上げて手渡した。

1年間の思い出を振り返る映像が流れると、胸がいっぱいになり、すすり泣く保育士らの姿が見られた。

同園は「自分らしさと自ら伸びる力で未来を生きる自信と意欲を育てる」を保育理念に掲げ、筑波大学と連携して園児たちの個性を引き出すアート体験なども行っている。

プロチームを次々撃破 アルボラーダ(つくば) 3×3日本選手権で準優勝

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表彰式で男子の部準優勝のアルボラーダ(写真提供:アルボラーダ)

3人制バスケットボールの日本一を決める第6回3×3(スリーバイスリー)日本選手権大会(日本バスケットボール協会主催)のファイナルラウンドが3月22、23の両日、新宿住友ビル三角広場(東京都新宿区)で開かれ、男子の部で茨城県代表のアルボラーダ(ALBORADA)が準優勝した。戦い終えて、代表の中祖嘉人さん(3×3日本代表サポートコーチ)や選手たちに話を聞いた。

気合を入れる4人。左から改田、小澤、山本、石渡(写真提供:日本バスケットボール協会)

ファイナルラウンドの相手はいずれもプロチーム。1回戦は唐津レオブラックス(佐賀県)を21-13、2回戦は八戸ダイム(青森県)を21-15と相次いで撃破。準決勝ではウィル(東京都)と対戦、点の取り合いから延長21-19で勝ちきった。メンバーの山本陸は「相手は1対1に自信を持つチームで、タイトな守備が必要。自分たちが重視する攻撃から守備への切り替えで、パスアウトのカットを狙うとか、リバウンド時のポジション取りなど、タフでハードな守備を心掛けた」と振り返る。

決勝の相手ビーフマン(高知県)は、保岡龍斗(3×3日本代表候補、B1秋田ノーザンハピネッツ)、湊谷安玲久司朱(元B1横浜ビー・コルセアーズ)らを擁する強豪。チーム平均身長189センチと、体格差の大きい相手にゴール下で押し込まれ、14-21で敗れた。「シュートファールからフリースローを与え、楽に点を取らせてしまった。ファールにならない守備が必要だった」と改田拓哉。

生え抜き選手で挑む

アルボラーダは2013年につくばで結成された、3人制と5人制バスケのクラブチーム。中祖代表にとって今回の日本選手権準優勝は、昨年のチームつくばを率いての優勝に続く2年連続での決勝進出。だがその価値は昨年とは全く異なるという。

「チームつくばは、つくばから世界を目指すというコンセプトで、元B2茨城ロボッツの大友隆太郎(現B1滋賀レイクスターズ練習生)ら、プロ選手を集めて作ったチーム。それに対し今年は、子どものころから一緒に練習してきた生え抜きの選手たちで挑んだ」

決勝戦、体格差のある相手と競り合う石渡(左から2人目)と山本(右端)(写真提供:同協会)

メンバーは小澤峻(つくば市、土浦二高出身)、山本陸(牛久市、土浦日大高出身)、石渡優成(牛久市、藤代高出身)、改田拓哉(我孫子市出身)の、いずれも20代前半の4人。平均身長は177センチで、出場チームの中では格段に小さく、身体能力でも突出したものは持っていない。それでも3×3のU-18日本選手権では、2017年の第3回大会優勝など、3年連続で上位入賞を果たしてきた。オープンカテゴリーの大会は今回が初めてだが「優勝しかない」との意気込みで臨んだ。

次に続く選手らの目標に

道のりは厳しく、県予選では最終戦を延長で制し、東日本予選では11チーム中5位というギリギリの成績で勝ち抜いた。ただしその中にはプロリーグ「3×3エグゼプレミア」の今季優勝チームであり、小林大祐(茨城ロボッツ)ら日本代表候補2人を擁する宇都宮ブレックス(栃木県)を破るなどの快挙もあった。

「残念ながら優勝は逃したが、ここまで勝てたことが本当にうれしかった。彼らのことは子どものころから見てきた。体が大きくなり技術も上達したが、それ以上に人間としての強さ、メンタル面での成長が感じられた」と中祖代表。

準決勝戦、ドリブルで切り込む山本(写真提供:同協会)

「彼らはいわゆる普通の選手ばかり。中学や高校でも目立ったキャリアはないが、時間をかけて努力し、正しいトレーニングを積むことで、日本のトップと渡り合えるまで成長できた。後に続く選手たちに希望を与えられる存在」と小山涼コーチ。彼らの活躍を見て、一緒に練習してきた小中学生らのモチベーションがいま、非常に高まっているという。

4人は今大会を一つの区切りとして、今後はそれぞれ次のステージへ進む。改田はプロチームから日本代表や世界での活躍を目指す。指導者として後輩の育成に携わる山本は「高校生や大学生のメンバーを伸ばし、次は彼らに日本一をつかんでもらいたい」と目標を語る。(池田充雄)

オオシマザクラのはなし 《令和楽学ラボ》12

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日立市かみね動物園のオオシマザクラ

【コラム・川上美智子】今年は桜の花の開花が早く、各地から垂れ桜やソメイヨシノの花便りが届いています。ここ茨城県でも既に桜が満開になっているところもあります。

今から10年ほど前、桜の名所である日立市の依頼で、大学の研究室では「オオシマザクラ」の研究に取り組みました。オオシマザクラは、日本に自生するサクラ野生種の1つで、日本の固有種とされ、交雑しやすいため多くのサクラ栽培種の原種となっています。

例えば、明治初期に誕生したソメイヨシノも、DNA解析からオオシマザクラを父に持つことがわかっています。また、オオシマザクラを母種とするサクラも多数あり、これらはサトザクラ群と言われています。原木は木炭や浮世絵の版木、茶筒などに使われてきました。葉は滑らか、無毛で食べやすいところから、桜餅の葉として利用されてきました。花びらは白色でソメイヨシノよりやや大きく、4月ごろ、新葉が出る時期に咲くのが特徴です。

日立市のオオシマザクラは、日立銅山の歴史と深い関係にあり、新田次郎原作・松村克弥監督の映画「ある町の高い煙突」にそれが描かれています。明治後期、銅の製錬による煙害(2酸化硫黄の発生)が大きな問題となり、煙害に強い樹木としてオオシマザクラが採用され、植樹が始められました。

大正4年(1915)に大煙突が建てられるまで、数万本のオオシマザクラの苗木が伊豆大島から移植され、さらに耐煙樹種研究のために作られた農場では、苦心の末、120万本の苗木栽培が行われたと言います。その後、オオシマザクラの苗木にソメイヨシノの苗木の接ぎ木も行われ、日立市全体がサクラの町になって行きました。

「桜香るうどん」の開発は断念

研究室では、特有のかぐわしい香りをもつサクラの花と葉を利用した商品づくりを試みました。手始めに、サクラの葉と花の揮発性成分について分析したところ、強い樹木であるだけに、葉からはクマリンやベンズアルデヒドなどの芳香をもつ抗菌成分と猛毒の青酸(シアン化水素)などが見つかりました。

クマリンは抗菌作用のほか、抗血液凝集(ぎょうしゅう)作用などがありますが、大量摂取すると肝毒性、腎毒性をもたらします。シアン化水素はミトコンドリア中で酵素チトクロームオキシダーゼと結合し、細胞呼吸を阻害して呼吸困難や窒息を引き起こします。生葉よりも乾燥した葉で、これらの成分の含有量が高まるため、サクラの葉粉末を練り込んだ「桜香るうどん」などの開発を試みましたが、商品化は断念しました。

ちなみに、クマリン自体も食品添加物としては認められていません。と言うことで、サクラは花を愛でることに留めた方がよさそうです。(茨城キリスト教大学名誉教授)

土浦お花見さんぽ 《私家版吾妻カガミ》

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霞ケ浦総合公園=土浦市大岩田

霞ケ浦総合公園

26日(金)午後、うちの奥さんと2人で霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田)に出かけました。この公園は自宅から歩いて10分と近く、毎早朝、豆柴犬と散歩しているところです。ですから、どこにどんな桜の木があるか、開花の度合いどの程度か、知り尽くしています。それでも、天気予報でこの日は20℃を超えることを知り、「昼、花見に行こう」となりました。幼稚園や小中学校が春休みに入ったこともあり、平日にもかかわらず子どもたちでいっぱい。上の写真は、公園のシンボルでもある風車を桜越しに撮ったもの、土浦市の桜まつり旗を桜とセットで撮ったもの、周回路沿いの桜と奥さんの後ろ姿を撮ったもの、です。

桜川堤

土浦市を流れる桜川の堤には、霞ケ浦の河口部から、上流の学園大橋まで桜の木が植えられています。何本あるか知りませんが、相当な数になります。いつ植えたかも知りませんが、相当な古木です。土手下の河川敷に椅子を持ち込み、うちの奥さんと豆柴犬とで、近くで買った弁当を食べるのが例年の花見でが、今年はその時間が取れず、26日(金)午後、弁当なしの花見になりました。下の写真は、コロナ禍を心配する市の看板、堤の桜の古木を撮ってみました。

桜川堤=土浦市生田町ほか

慢性腎臓病患者への生活食事指導は費用対効果に優れる 筑波大学 戦略研究で示す

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筑波大学付属病院=つくば市天久保

1人の健康寿命を1年延ばすためには、追加でいくら必要になるかを、慢性腎臓病(CKD)重症化予防から明らかにした研究が24日、筑波大学(つくば市天王台)から発表された。慢性腎臓病が進行すると必要になる透析療法には1人当たり年間約500万円の医療費がかかり、社会的な負担も大きい。そこで、かかりつけ医と専門医が連携し、患者への生活食事指導を普及させることで、社会全体で支払う追加の費用は1人当たり年間14万5593円に抑えられることが分かった。

発表は筑波大学と新潟大学の連名。研究代表者は筑波大学医学医療系の大久保麗子助教、近藤正英教授が務めた。同医学医療系の山縣邦弘教授らによって2006年から行われてきた慢性腎臓病重症化予防のための戦略研究(FROM-J研究)を引き継ぐ研究という。

1人年間500万円が15万円弱に

慢性腎臓病は、たんぱく尿の存在や腎臓の機能低下などが3カ月以上続く状態を指す。慢性腎臓病が進行すると末期腎不全や心血管疾患の危険因子となるとされる。透析療法が始まると、一生続ける必要があり、これに要する医療費(1人当たり約500万円)は、社会的にも負担となっている。このためFROM-J研究では、かかりつけ医、腎臓専門医、コメディカル(看護師、栄養士など医師以外の医療従事者)の協力による医療システムの有効性、有用性を検証してきた。

今回、研究グループは生活食事指導を取り入れた経済モデルを構築した。かかりつけ医と腎臓専門医の診療連携を強化する「介入」を行った場合の費用と効果を分析した。ここでの「介入」は、慢性腎臓病患者に対する生活指導、服薬指導、食事指導、受診促進の全てを含めた生活食事指導のことを指す。

CKD患者の予後を推計するための経済モデル(プレスリリース)

その結果、生活食事指導による介入の増分費用は年間1万6164円、その費用効果比は質調整生存年(QALY※メモ参照)当たり14万5593円と評価された。これが国民1人の健康寿命を1年延ばすために追加的に社会全体で支払う費用と見積もられる。日本の評価基準の閾値(しきいち)となっている500万円(1人当たりの透析医療費と同じ額)と比較すると、極めて小さい値が算出された形だ。

国内に約1300万人と推計される慢性腎臓病患者を腎専門医だけで管理、加療することは不可能。社会負担の軽減には、腎臓を専門としないかかりつけ医、看護師、栄養士からなるチーム医療で、対応していく必要があるとした。研究グループは、この介入を普及させるためには、受診勧奨を含めた生活食事指導に関する診療報酬の改定や、CKD診療ガイドラインへの追加などが重要と考えている。

【※メモ質調整生存年】(QALY:Quality-Adjusted Life-Year) 生存年数を生活の質(クオリティーオブライフ)の値で重み付けしたもの。完全な健康状態は「1」、死亡状態は「0」、病気や障害がある状態のときには「0と1の間の値」で表現する。完全な健康状態で生存する1年間の寿命の価値が1QALY となる。

食うか食われるかを目の当たりに 《宍塚の里山》75

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大池で見られるオオバン(下段左から)ウシガエルのオタマをくわえる、オタマジャクシを横取りされる、草の実を探す、特徴的な脚

【コラム・及川ひろみ】秋から春にかけて、宍塚大池では、白いおでこが目立つ水鳥、オオバンが見られます。1994年までは来たり来なかったりでしたが、それ以降は毎年見られ、数も年々増えています。オオバンは全国的に増えている野鳥です。繁殖地の調査などが行われていますが、その理由は分かっていません。

オオバンはオオタカなどに比較的捕まりやすく、池の縁で羽根をむしられたオオバンを見ることも少なくありません。オオタカがオオバンを仕留めたときには、池の中にオオバンを力ずくで沈めて窒息させ、その後、岸に引き上げます。タカの脚の強さは想像以上!

今年、仕留めたオオバンの羽をむしり始めたところで、哺乳動物に横取りされた現場を見ました。宍塚では中型哺乳類が生態系の頂点であることが分かります。(この哺乳動物、アライグマ、タヌキ、キツネ、ハクビシン…、何なのか残念ながら分かりません)

オオバンが水草や陸の草の実などをついばむ姿をよく見ますが、実は結構な動物食。ウシガエルのオタマジャクシ、アメリカザリガニもよく食べます。オオバンは潜るのが得意で、カモたちよりこのような獲物が手に入りやすく、冬の間、よく食べていました。

しかし、カモたちにとって、これらの獲物はよだれが出るほどうらやましいのか、そっと近づき、オオバンがくちばしにくわえたオタマジャクシなどをひょいと横取りします。しかし、オオバンは捕られても何事もなかったかのように、また水に潜り、生き物探し。時に、口に入らないほどの大きなものを捕り、水面に何度も打ち付け、食べやすいサイズにしてのみこみます。

オオバンはクコの葉が好き

こんな姿が見られるのは真冬で、春が近くなってくると、動物食から植物食になるようです。

オオバンが好きなのはクコの葉です。クコの枝は細く、登って小さな葉を食べるのは一苦労ですが、落っこちそうになりながら徹底的に食べます。よほどの好物のようで、クコの群落の葉が丸坊主になります。以前飼っていた鶏はクコの葉が大好物でした。

クコは長寿の薬ともいわれていますが、これを知っているかのようです。私も春先、クコの若い芽を摘み、ゆで、ゴマあえなどでいただきます。結構いけます。(ゆでてから時間がたつと青臭くなるのでご注意)

里山の生き物を丁寧に観察していると、生き物同士の、食うか食われるかの関係が見えてきます。生態系という言葉の重みが実感できます。オオバンはカモより遅くまで見ることができます。(宍塚の自然と歴史の会 前会長)

桜の樹の下の卒業式 筑波大から4384人巣立つ

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式を終えたり開始を待つ卒業生たち=学生会館前で午後2時ごろ撮影

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)の卒業式が25日、行われた。新型コロナの影響で、今年度は卒業生のみが参加でき、家族や在校生らはライブ配信で遠隔参加した。昨年度は「代表180人のみが出席」する形式で行われたため、学生が式典会場に集まる形では2年ぶりとなる。20年度の卒業および修了予定者は4384人。

大学会館で行われた式典では例年通り、学位記や卒業証書の授与、学生の表彰などが行われた。会場の大きさと学生数の関係から、式は学群生が2回、大学院生が2回の計4回に分けられた。永田学長は式辞で「皆さんが旅立つのはグローバル社会。そのことを新型コロナウイルスが実感させてくれた。個々のコミュニティーには境界が無く、感染症はどこまでも広がっていった。皆さんが学んだこの筑波大学も留学生比率の特に高い大学の一つ。グローバル社会で活躍するための力は得たはずだ。社会に羽ばたいても頑張っていってほしい」と激励した。

筑波大学の卒業式。壇上は永田学長=同大大学会館(提供:筑波大学

式の開始を待ったり、終了した学生には会場脇の大きな枝ぶりの桜が格好の記念撮影スポットになった。一部散り始めた樹の下で、卒業袴でマスク姿の女子学生らがスマホに収まった。人間学群障害科学類4年の男子学生は卒業について「コロナ禍で精神的に辛い1年間だった。ここまで来られたのは、そうした状況のなかでも仲間達とオンラインでコミュニケーションが取れたことが大きいと思う」と話した。

お寒い謝恩会、追い出しイベント会場

しかし、コロナ禍の影響も大きい。例年ならば、卒業式のあとには教員らに感謝を伝える謝恩会が各学群・学類ごとに開催されるが、今年度は多くの学群・学類で中止を余儀なくされた。「1年前から大学近辺のホテルを会場に抑えていたが、キャンセルすることになってしまった。緊急事態宣言の解除がいつになるかという問題などもあり、年明けくらいまで開催の可否も決めかねていた」と人間学群の謝恩会担当者は話した。

卒業生らの「追い出し」イベントの自粛は、学内食堂の経営にも大きく響く。大学の厚生会担当者は「学生食堂の多くは春の新入生歓迎イベントや卒業生の追い出しコンパで収入のかなりの部分を得ていた。それらが中止されるとなると、経営上の影響は大きい」と語る。

4月5日に予定されている2021年度の入学式典も、新入生のみが現地参加する形式で、家族らはライブ配信での遠隔参加の形式をとる予定だ。(山口和紀)

◆詳細は筑波大学の特設ページ。ライブ配信は筑波大学公式YouTubeチャンネルで。

コロナ禍、働くスタッフの励みに 筑波メディカルで写真展「病院のまなざし」

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写真に見入る職員=つくばメディカルセンター病院

筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保、軸屋智昭院長)で開催中の写真展「病院のまなざし」が、新型コロナ対応で疲弊した病院スタッフはじめ患者や関係者たちの励ましになっている。4月末までを予定する会期は残りひと月あまり、「コロナ禍で一般に見てもらえないのが残念」とSNSを通じた発信を強化した。

被写体はすべて病院職員 手術道具の技術者も

被写体はすべて病院で働く職員だ。緊張した面持ちの医師、笑顔で患者に接するリハビリ療法士などさまざまな表情をとらえた写真71点が、病院1階廊下のメディカルストリート180メートルにわたって展示されている。

職員の仕事内容により、①患者さんを迎える②治療を支える③命と向き合う④患者さんを見守る⑤病院を支える―の5セクションに分けられている。

医師や看護師、事務員、管理栄養士だけでなく、清掃職員や病院内のコンビニエンスストアのスタッフも映っている。普段は職員も患者も接する機会が少ない、手術器具をメンテナンスする技術者たちを撮影することで、病院がさまざまな人によって支えられていることをあらためて知るきっかけにもなっているという。

撮影が行われたのは昨年8月の6日間。日程と時間をあらかじめ各部門に伝え、許可を得たうえで行われた。カメラを趣味とする看護師の須藤ゆみさんとカメラマンの石附雅代さんが撮影にあたった。石附さんは、コロナ禍の医療従事者にお弁当を届ける「セーバーイーツ茨城」活動(2020年5月14日付)で同病院を訪れたことが縁で、今回の企画に参加したという。

須藤さんは「職員の真剣な表情と、温かい人間性も写真で引き出したいと思い撮影前に話をすることを心がけた」と語る。2人が撮影した写真は約1400枚。メンバーらで1カ月かけて71点に絞り込んだ。

新型コロナで疲弊した職員を励ましたい

病院は2006年からアート・デザイン・プロジェクトに取り組んでおり、写真展はアートやデザインで医療支援を行うNPO法人チア・アート(つくば市天王台、岩田祐佳梨理事長)の協働で実現した。アート・デザインコーディネーターとして岩田理事長と水畑日南子さんが活動中で、今回も企画・運営面を担った。2人は「コロナ禍で疲弊している病院職員を元気づけたい、患者さんには職員に親しみや安心感を得てほしい」と企画意図を語っている。

チア・アートの岩田祐佳梨理事長(左)と水畑日南子さん=同

写真展を見た職員にアンケートを取ったところ、回答した379人のうち75パーセントが写真展の取り組みを「良い」「とても良い」と感じているという結果になった。自由記述では「自分たちが一丸となって病院を支えていると実感できた」「仲間の笑顔に癒された。頑張ろうという気持ちになった」などの感想が集まった。

患者からは職員への感謝やねぎらいの言葉のほか、「リハビリで廊下を歩くのが楽しくなった」という感想も寄せられているという。

筑波メディカルセンター広報課主任の遠藤友宏さんは「4月末まで展示する予定だが、コロナ禍で面会禁止のため一般の方に見てもらえないことが残念だ。病院のホームページやフェイスブックでダイジェスト動画を見ていただき、雰囲気と取り組みを知ってもらえたら」とアピールしている。(伊藤悦子)

筑波メディカルセンター病院ホームページの「病院へのまなざし」はこちら フェイスブックはこちら

救いの歌詞物語① 貧しさと諦めと平穏と《遊民通信》13

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イラストは筆者

【コラム・田口哲郎】
前略

「羽根のついた靴」で味をしめて、歌詞を書くようになりました。いつか誰かに歌ってもらえることを密かに待ち望みながら。

コロナ禍で満員通勤電車はめっきり減りましたが、つい2年前まではスシ詰めの列車が大量の人間を都心に送り込んでいました。大学に再入学する前は私も都心に通勤していましたので、毎朝の満員電車はとてもつらかったです。

ある日、乗っている電車が大きな河にかかる鉄橋を渡っているときに、詩の断片が浮かびました。またある日、マザー・テレサのドキュメンタリーを見ているときに、また断片が浮かびました。マザー・テレサはコルカタの路上生活者に手を差し伸べた聖女ですが、私は思いました。(マザーはなぜ、わかりやすい貧しい人々を救うのだろう? ここに家の中でひとり苦しむどうしようもない私がいるのに…)

そのとき、ハッとしました。私は路上生活者を無意識に差別していたのです。彼らとは違う自分を必死に探していました。でも、それは間違いです。私こそが貧しいのです。マザーの救いを求めているのは私だったのです。私は知らぬ間に欲望優先の競争社会で生き、他人をx顧みない習性が染み付いてしまっていました。満員電車に押しつぶされる私こそが哀れで、救われたい。この気づきが詩の断片をつなぎました。

歌詞「平穏(セレニティー)」

鉄橋架かる大きな河
水面に映る満員電車

わたしは急いで運ばれる

どこへ?

みんなそんなに強く押さないで
どうしよう
思ったよりも 心は脆い

あれはもうすぐわたしが昇るビル
うしろ髪をひかれて
目を瞑(つむ)りながら

街路にできた水たまり
水面に映る遠いビル

わたしは彷徨(さまよ)い続ける

どこへ?

犬よ そんなに顔を舐(な)めないで
大丈夫
思ったよりも 心は静か

あれはもうすぐわたしが昇る空
思い残すことなく
微笑(ほほえ)みながら

緊張と不安と競争で疲れ切った心を休ませるときかも知れません。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

センバツ初のタイブレーク制す 常総学院が1回戦突破

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勝利の瞬間、選手たちを拍手で讃える=土浦市中村西根の常総学院高

阪神甲子園球場で開催中の第93回選抜高等学校野球大会は、大会5日目の24日、常総学院(茨城)が延長タイブレークの末、9-5で敦賀気比(福井)を破り、1回戦を突破した。土浦市中村西根の常総学院高では学校応援が行われ、吹奏楽部や陸上部、剣道部などの生徒約110人が甲子園へ向けて熱い声援を送った。

校内に陣取る吹奏楽部、迫力の応援

試合は2回表、常総学院が1死満塁から敵失と暴投、さらに伊藤琢磨の2点適時打などで4点を先制。8回表には秋本璃空の中前適時打で1点を加えた。対する敦賀気比は後半に得意の粘りを見せ、7回に3点、8回に2点を返し、5-5の同点で今大会6度目の延長戦に入った。

延長戦で常総学院は8回からマウンドに上がった2人目の大川慈英、敦賀気比は9回からこの日2回目の登板となった今井がそれぞれ尻上がりに調子を上げ、互いに得点を許さない。13回から選抜大会では初のタイブレークに突入した。

13回表の常総学院の攻撃は無死一、二塁の場面から始まり、まずは秋本が右前適時打で勝ち越し、さらに1死満塁から太田和煌翔と田中隼人の連続適時打で3点を加え、敦賀気比を大きく引き離す。その裏を3人で抑え、結果9-5で勝利を決めた。

今大会、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、球場では録音した音源をスピーカーで流すのみで、生の演奏や声を出しての応援は禁止となった。このため吹奏楽部は校内のホールに集まり、モニターで試合を観戦しながらさまざまな応援曲を演奏。チームが得点機を迎えると、その迫力と盛り上がりは、アルプススタンドにいるのと寸分変わらぬほどになった。

感極まって抱き合う生徒も=同

試合を終えて、吹奏楽部の田所千央部長は「選手たちの努力が実ってよかった。この勝利に気を緩めずさらに勝ち進み、たくさんの人に勇気を与えてほしい」と話した。またクラスメートでもある秋本、伊藤らの活躍には「学校や野球で頑張る姿を身近に見てきた。甲子園で胸を張ってプレーしているのを見て、さらに勇気をもらった」という。

指揮者として腕を振り続け、選手たちと共に13回を戦い抜いた飯野峻太朗さんは「腕はぱんぱんだが、この演奏が選手に届いてくれるなら疲れはない」と喜びの声。クラスメートである大川の活躍には「追い付かれても頑張ってくれると信じていた。持ち味の速球で、何度もピンチを乗り越えてくれた」と感慨深げだった。(池田充雄)

組織開発推進室など新設 つくば市人事異動

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つくば市役所

つくば市は19日、4月1日付人事異動を内示した。異動総数は全体の20.7%の262人で、前年度に引き続き業務の継続性を重視し、必要最低限の移動となる。組織改編は、組織開発を全庁的に行うため総務部人事課に組織開発推進室を新設などする。

3月末の定年退職は52人、普通退職は32人、4月1日の新規採用は57人で、4月1日付けの職員数は1970人と前年度と比べ3人減少する。同市では、2018年度と19年度に市職員数を大きく増やし、内示時点の4月1日付け職員数は、17年度の1833人に対し、18年度は前年度比82人増の1915人、19年度は同56人増の1971人だった。20年度は前年度とほぼ同数の1973人。前年度より職員数が減るのは過去5年間で初めて。

女性の管理職(幼稚園長・保育所長を除く)の割合は16.7%で前年度より0.3%増える。人事交流では文科省出身者を引き続き政策イノベーション部長に配置し、国、県などに実務研修生8人を派遣する。任期付き職員としてプロモーションのプロを配置する。定年退職後の再任用職員は125人(前年度比3人増)で、原則、2級下の職で任用する。

組織再編で新設する組織開発推進室は、新年度予算に盛り込まれたコーチング研修を含め、組織全体のモチベーションを上げ、組織としてどうあるべきかなどを検討していくという。

ほかに、根拠に基づいた新たな政策立案を推進するため政策イノベーション部企画経営課に統計・データ利活用推進室を設置する。スマートシティの推進に重点的に取り組むため、スマートシティ戦略室をプロジェクトチームから科学技術振興課の課内室に変更する。

市民部は、市民活動センターの管理運営が指定管理者でなくなるため、同センターを行政組織として位置付ける。陸上競技場の整備計画を含め、スポーツ施設の整備・管理に総合的に取り組むためスポーツ振興課にスポーツ施設整備室を設置する。

保健福祉部は、新型コロナ対策により増加する業務に対応するため、保健福祉部を福祉部と保健部に分ける。

都市計画部は、業務量の縮小に伴い、市街地振興課と沿線開発整備室を廃止し、都市計画課に編入する。中心市街地と周辺市街地の振興に重点的に取り組むため、学園地区市街地振興室と周辺市街地振興室をそれぞれ、学園地区市街地振興課と周辺市街地振興課に変更する。

地域経済の牽引事業を促進するため開発指導課に地域開発振興室を設置する。自転車を活用したまちづくりなどに取り組むため総合交通政策課にサイクルコミュニティ推進室を設置する。

再編後の組織は、現在の19部72課24室から、新年度は20部73課25室となる。(次ページに続く

大震災10年後の山菜採り《県南の食生活》23

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山菜のコシアブラ

【コラム・古家晴美】ちょうど10年前、東日本大震災という大惨事に見舞われた。この地震は、多くの方々の命、家族、家、仕事、故郷を奪い、漁業・農業など第1次産業に携わる方々の生活にも深刻な影響をもたらした。

食との関わりで言えば、春秋の楽しみとされてきた野山での山菜やキノコの採取にも大きな打撃をもたらした。現在、店頭に並ぶキノコ類の多くは栽培されたものであり、野菜類とともに、セシウム含有量は基準値以下なので安全性が保証されている。

しかし、茨城県のホームページを見ると、昨年末(2020年12月25日)のデータによれば、県南地域では、石岡市の野生・・山菜であるコシアブラ(特に放射性セシウムの含有量が多いとされる)や、つくば市や石岡市の野生・・キノコの出荷が制限(実質的には禁止)されている。

どうして畑の野菜が大丈夫なのに、事故後10年近くもたつ森林の中の植物に食用にできないほどのセシウムが残留しているのか。専門外のことなので、理解が不十分な点があると思うが、その点あらかじめご容赦いただきたい。

吉田聡氏(放射線医学総合研究所2012)によれば、「大気中に放出されて地表に沈着した放射性物質の多くの部分は、様々な生物が共存する生態系であり、かつ人が木材、食糧、水、燃料を供給源とする森林・・に存在する。樹木やその落葉に沈着した放射性セシウムの73パーセントは深さ5センチでの表層土壌表層に存在するが、残りの部分は、より深い土壌と植物(主として樹木)である」(傍点は筆者)。

放出されたセシウムは森林に残留

これが根を通して吸収されて葉に至り、再び落葉して林床に帰るという循環を繰り返す。セシウムは森林に残留し、そこに生息するキノコや山菜、その他の食用植物は比較的高濃度の状態で維持される、ということだ。

野生の山菜について、令和3年3月18日の報告を基にもう少し詳しく見ると、県南全域で、コゴミ、コシアブラ、ゼンマイ、タケノコ(牛久市と阿見町を除く)、タラの芽、ワラビ、ウワバミソウ、ネマガリダケ、シドケ、ウルイ、行者ニンニク、サンショウ(葉・実)、ジネンジョ、セリ、ツリガネニンジン、フキ、フキノトウ(龍ケ崎市を除く)、ウドの出荷に際しては、モニタリング調査を行うことが求められている。

セシウムが100ベクレル/㎏のもののみ出荷が認められる。裏返せば、いまだに残留の可能性が否定できないことになる。こういったことは、県のホームページセシウムの山菜モニタリング検査が参考になる。

私たち人間は自然に対しとんでもないことをしでかしてしまったのだ、と改めて痛感する。10年後に自戒の念を込め、食と環境の関わりについて触れた。(筑波学院大学教授)

リーフレットで中城通りの歩き方 土浦生まれ・育ちの女子大生が卒業制作

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秋間綾乃さん(円内写真)とリーフレット「中城通りあるき旅」

土浦生まれ土浦育ちの女子大生が、卒業制作で中城通り(土浦市中央)のリーフレットを作成した。A4判、両面カラーを3つ折りにして、コンパクトに持ち歩けるようにしている。制作したのは今月12日、筑波学院大学を卒業した秋間綾乃さん(22)だ。

リーフレットを制作した秋間綾乃さん=筑波学院大学(つくば市吾妻)

同市小岩田で生まれ育ち、2019年12月家族とともに土浦駅近くに転居した。新型コロナ感染拡大の影響で緊急事態宣言が出た2020春、中城通りを初めて歩き、江戸情緒あふれる街並みや雰囲気に強く惹かれたという。そのとき「卒業制作は中城通りの魅力を伝えるリーフレットを作りたいと思った」と話す。

掲載したスポットは「まちかど蔵大徳」「まちかど蔵野村」「沼尻墨僊(ぼくせん)寺子屋跡地」「矢口家住宅」「喫茶 蔵」「吾妻屋総本店」の6カ所。中城通りは、旧水戸街道の宿場町、土浦の商業の中心として栄えた。現在は、土浦の歴史散策の観光拠点となっている。

写真もすべて自分で撮影、案内文は同市図書館で関連図書を借りて調べ、作成したという。ピクトグラム(絵文字)やマップ、文字装飾などすべて秋間さんによるデザインだ。

7月からデザイン系ソフト、イラストレーターを使って制作にとりかかった。毎週オンラインゼミで担当教授から指導を受けながら何度も微調整を行い、12月下旬にようやく完成した。

日本語版タイトル

英語版も作成、市役所で配布中

外国人にも手に取ってもらおうと英語版も作成した。案内文は自分で英訳したものを大学の英語担当教授にアドバイスしてもらい、よりネイティブな表現に修正した。

「せっかくいいものができたのだから、土浦市役所に置いてもらえるか聞いてみたら」という担当教授のアドバイスを受けて、市に問い合わせたところ快諾されたという。100部印刷し、すべて秋間さん自身の手で三つ折りにして市役所に届けた。

同市役所商工観光課の職員は「なかなか思いつかない色使い。きれいなリーフレットを作ってもらえてよかった。今後も何らかの形で応用させてもらえたら」という。秋間さんは「歴史の長い中城通りの魅力が、少ない情報量でもしっかり伝わるように作った。地元の方や初めて訪れる方も手に取って楽しんでもらえたら」と語る。

英語版タイトル

リーフレットは無料。英語版は同市役所2階市民活動コーナー、日本語版・英語版ともに3階商工観光課前のラックに置いてある。(伊藤悦子)

オンラインで卒業生最後のステージ 28日から筑波大コピーダンスグループ

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2019年5月の宿舎祭でのパフォーマンスの様子=Bombs!提供

筑波大学のアイドルコピーダンスグループ、Bombs!(ボムズ)のオンライン公演が28日午後8時から始まる。大学のアイドル研究会の1部門として、2019年3月に医学類4年のりかさんが立ち上げたグループだ。昨年はコロナ禍でほとんど活動ができていなかったが「卒業生の最後のステージ」としてオンライン公演を企画した。

現在、Bombs!は34人(裏方の4人を含む)の筑波大生が参加している。さまざまなアイドルのダンスを「コピー」してステージ上で披露するのが活動のメーンだ。「ステージ衣装の制作や動画の撮影、演目の構成などもメンバー同士で考えながらステージを作り上げている」という。

これまで出演していたステージは、新入生らが屋台を出店する筑波大学宿舎祭(5月)やおよそ2万人が来場するという雙峰祭(そうほうさい、10月)。学外では日本一のアイドルコピーサークルを決める大会「UNIDOL(ユニドル)」にも参加していた。

2019年雙峰祭、メーンステージでのパフォーマンスの様子=同

しかし、昨年は新型コロナウイルスの影響で、出演予定のステージが中止になった。練習も自粛を余儀なくされ、活動が全くできないという状況だった。現在リーダーを務める応用理工学類2年のゆうなさんは「去年の春学期が始まったくらいにサークル活動を自粛するよう大学から要請があった。そのまま宿舎祭も学園祭も中止になってしまって、ステージも練習の場もなくなってしまった。2019年の3月に結成して、ようやくこれからという時期だったのに」と振り返る。

オンライン公演のアイデアが出てきたのは昨年の秋ごろ。「こういう状況で、一体何に向けて活動したらいいのかと、グループの幹部で話し合いをした。そこで『今年はグループ初の卒業生が出る。何らかの形でステージはやりたい』ということになった。もちろん対面も考えてはみたが、最終的にはオンラインでということになった」とゆうなさん。著作権上の配慮として、実際の曲は使用せず、収益化もしない形で行うという。

サブリーダーで社会工学類2年のあやめさんは、オンライン公演の見どころを1曲目のアンジュルム(ハロー!プロジェクト)「私を創るのは私」だと話す。「グループを作ったりかさんから、リーダーの立場を2年生のゆうなが引き継いで、グループの第2章が始まったと感じる。その決意を示すのにぴったりの曲だと考えて選曲した。その思いを含めて観てほしい」とあやめさん。

コロナ禍の苦労はオンライン公演でも続く。「どうしても30人の演者が同じステージに立ってダンスをするのは難しい。会場からもあまり密にはならないようにと言われたので、全員で踊る曲というのは全く作らなかった。半分にグループを分けたり、学年ごとにしたりして密にならないように工夫してやっている」とリーダーのゆうなさん。

公演のクオリティーには自信がある。「ステージの迫力が対面よりも弱くなると思うかもしれないが、実はオンラインの良さもとてもある。普段のステージでは見ることができないような演者一人ひとりの表情を見ることが出来る。当日はぜひ見に来てほしい」とサブリーダーのあやめさん。

◆配信はYouTubeのBombs!公式チャンネルで見ることができる。無料。公式ツイッターはこちら。(山口和紀)

骨折り損の… 《続・平熱日記》82

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【コラム・斉藤裕之】駅前のイルミネーションのオブジェを撤去しているとき、無理に力を入れた瞬間、脚立から落ちて身体の左半分をしこたま打った。瞬間的に何とか被害を最小限にしようと体が反応して、地面が近づくまでスローモーションのように感じた。「鎖骨は大丈夫そう。顔は擦り傷か? あばらはやったかも?」。

小学校のときに、右手を折ってから骨折は何度か経験している。あばらは多分5、6回はやっている。多分というは、レントゲンを撮っても「あー折れてますねえ」と言われて湿布をくれるだけなので、医者で確認をとれたのが3回ほど。前回は、酔っぱらって家の入口で転んで骨折したのが10年ほど前か。そのときは医者に行って骨折と断定された記憶がある。

その日の夕方は何とか風呂に入って横になった。しばらく寝てしまって、起き上がろうとしたら起き上がれない。痛みをこらえながら、カミさんに何とか起こしてもらった。多分ヒビぐらいは入っているのだろう。しかし日雇い先生はこれぐらいで休めない。鎮痛剤を飲んでなんとかごまかすしかない。

ところで、このコラムは日記として書いていることもあって、極めて個人的な事柄を書かせてもらっている。私が父の日記を読んでそうであったように、何年、何10年も先に、娘たちがこれを読んで事実を知るということも面白い。

娘たちは私の書くものに全く興味がないのだが、この際、あばらを痛めたのを機に記すことにした。

娘の子は「ボーン・イン・イバラキ」

長野県の北部、白馬の手前の小谷(おたり)という駅を降りると、鹿島槍ケ岳を臨む山の斜面に東京芸大の山小屋がある。大学院生の夏。そこではしゃぎすぎた私はマウンテンバイクから落ちて鎖骨を折ってしまった。そのまま何日かを過ごして東京の病院に行ったら、「筋肉が緊張しているからこのまま固めましょう」と言われた。だから、今でも右の鎖骨は少し膨らんでいる。

さて、その年の秋。不完全燃焼に終わった長野の旅をリベンジするために、当時すでに結婚をしていたカミさんと、骨折が完治しないまま上高地などを訪れた。そのときにできたのが長女だ。つまり長女よ、あなたは「メイド・イン・マツモト」なのよ。

「骨折り損のくたびれ儲(もう)け」はごく早い時期に出会った諺(ことわざ)だ。多分、少年漫画の中に書いてあったような気がする。本来はネガティブな意味で使われる諺だが、痛みをこらえてケヤキの枝からイルミネーションを外していると、人生それでいいような気がしてきた。この作業が終われば春が来る。それにしても汗ばむような陽気で、毎年、確実に春の訪れが早まっているのを実感する。

顔の擦り傷は1週間、あばらの痛みは1カ月の我慢。そして6月に十月十日を迎える長女が、出産の準備のために帰ってくる。つまり、彼女の子供は「ボーン・イン・イバラキ」となる。(画家)

子ども食堂にコメと野菜を贈呈 JAつくば市と谷田部

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コメと野菜を贈呈したJAつくば市の岡本秀男組合長(左端)とJAつくば市谷田部の中島俊光組合長(右端)。中央右は五十嵐立青市長、同左は毛塚幹人副市長=つくば市役所

つくば市内の子ども食堂に22日、JAつくば市(岡本秀男組合長)とJAつくば市谷田部(中島俊光組合長)が地元産のコメ600キロと野菜1年分を贈った。

市内には現在、NPOや市民団体が運営する子ども食堂や無料の学習支援教室が17カ所ある。そのうちJAつくば市が贈呈したコメは、希望があった6カ所に3月初めに届けられた。JAつくば市谷田部の野菜は、これから希望をとって、必要な団体に商品券を配布し、同JAの直売所でいつでも必要な分だけ購入できるようにする。

22日、市役所で贈呈式が催され、岡本組合長と中島組合長がそれぞれ、五十嵐立青市長に玄米600キロ(10万円相当)と野菜1年分(同)の目録などを手渡した。

岡本組合長は「地域のための農協なので市と一緒になって地域に貢献したい。子どもたちに地元のコメを食べてもらって農協のことも知ってもらえたら」と話し、中島組合長は「コロナで収入が減った人もおり、一人親家庭などは本当に大変だと思う。JAとして協力できれば」話した。

五十嵐市長は「コロナ禍の中で苦しい状況の子供も多く、食の支援への要求がこれまで以上に出てきている。地域の農業者が作ったものを地域の子供たちに届けられるのはありがたい。大切に使わせていただきたい」などと述べた。

コメと野菜は、子ども食堂や学習支援教室などを支援するため市が2019年4月に設立した「つくばこどもの青い羽根基金」に寄付された。

JAつくば市谷田部は2年前から、JAつくば市は昨年から毎年、コメや野菜を提供している。市によると、利用団体からは毎回「とても助かりました」など感謝の言葉が寄せられているという。(鈴木宏子)

農林水産業の再生へ 福島で祈念大会《邑から日本を見る》84

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東日本大震災復興祈念大会=13日、郡山市

【コラム・先﨑千尋】福島の農協団体が13日、郡山市で東日本大震災復興祈念大会を開き、同県の農林水産業の再生に総力を挙げて取り組む決意を確認した。東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故から10年になり、多くの報道がされているが、私も大会前後に現地に入り、取材した。同県の第1次産業は、震災と原発事故によって、農業が8割以下、林業が7割以下、漁業が5割以下にまで落ち込んだ。

大会は農協グループが主催し、県森連、県漁連、生協連などが共催。関係者約800人が参加した。菅野孝志・県農協中央会長は挨拶で「生産者の熱い思いを受け止め、担い手確保の支援対策や生産、加工、流通を一体的に確保する産地づくりに全力をあげる。福島の農林水産業の明るい未来のために、共に手を携えていこう」と呼び掛けた。祝辞では、全国農協中央会の中家徹会長が「安全・安心だというPR活動の展開や消費者対策だけでなく、流通対策も含めて復興支援に力を入れていく」と述べた。

決意表明では、飯豊ファーム(相馬市)の竹澤一敏社長、あかい菜園(いわき市)の船生典文社長、会津よつば農協の吉津紘二さん、陽と人(ひとびと、国見町)の小林味愛社長が登壇し、それぞれの取り組みを述べ、岩瀬農高の生徒たちが動画で発信した。

「地域の人たちに、変わらぬ『農の風景』を届けていくのが私たちの責務」という竹澤さん。「震災と台風、コロナなどの試練を乗り越えてきた。持続可能な農業を次世代につないでいく」と述べた船生さん。「地理的表示(GI)保護制度に登録された南郷トマトのように、福島全体の農産物が特別のものになっていけるように」と表明した吉津さん。「震災時は国家公務員だったが、福島応援のために福島で起業した。競争ではなく、共存共栄の考えで新しいことに挑戦していく」と明るい表情で語った小林さん。それぞれに若い人たちの強さとたくましさを感じ取ることができた。

「農業の復興なくして福島の復興はない」

協同メッセージの発信では、県漁連の野﨑哲会長が試験操業の終了を踏まえ、「操業拡大を図るには風評対策、流通の回復が最重要課題だ」と強調。県森連の秋元公夫会長は「森林・林業の再生を図る取り組みは緒に就いたばかりで、やめることなく進めていく」と述べた。消費者代表として登壇した県生協連の吉川毅一会長は「もう10年なのか、まだ10年なのか」と会場に問いかけ、「農業の復興なくして福島の復興はない。今後も『地産地消ふくしまネット』に結集し、皆さんと共に連携していく」と誓った。

協同メッセージに続いて、福島市出身の俳優梅沢富美男さん、会津若松市出身の県しゃくなげ大使大林素子さん、古殿町出身で東京南麻布にある日本料理「分とく山」総料理長の野崎洋光さんの応援メッセージが動画で放映された。

大会は最後に、県農業会議の鈴木理会長が、大震災と原発事故から10年を経ても残っている課題を解決するために、「農林漁業の復興・再生の取り組みを強化し、国・県・市町村との連携を進め、農林漁業者と消費者の協同に力を結集しよう」という大会決議案を読み上げ、満場一致で採択された。(元瓜連町長)

雨の中、自転車担いで悪路を走る 土浦でシクロクロス競技

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急斜面のコース越えに苦戦する参加者たち=土浦市川口、りんりんポート土浦周辺特設コース

障壁などが設けられた荒れ地のコースをオフロード競技用自転車で走る「シクロクロス」の大会「2020-21茨城シクロクロス第3戦土浦ステージ」(茨城シクロクロスつくば事務局など主催)が21日、土浦市川口のりんりんポート土浦で開かれた。朝から雨が降りしきる中、県内外から参加の276人が悪戦苦闘のレースに挑んだ。

シクロクロスはオフロードを走る自転車競技の一種で、1周数キロの舗装・未舗装が入り混じる不整地のコースを周回する。 コースには柵などの人工の障壁が設けられ、必ず下車して自転車を担がなければならない部分が作られている。今回は荒れ地に加えて、周辺のアスファルト舗装路などもコースに組み込んだため、雨で滑りやすくなった路面に多くの参加者が苦しめられた。

雨の中、荒れ地のコースを自転車で駆ける参加者たち=同

競技種目は年齢・実力別に分かれて行われ、1周約2キロの特設コース(小学生向けは1周約1.5キロ)で周回レースを実施し、タイムを競った。

このうち中学生以上の女性が参加する「CL2+CL3の部」で優勝した福田咲絵選手は「全然ダメだった。不完全燃焼だった」と自身のレース展開に不満を見せながらも、「優勝してこんなに(賞品の)お米をたくさんもらえてうれしい」と喜んだ。

同大会は当初は今年1月24日に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い開催期日を延期。これまでは会場内に競技結果を貼り出していたが、密集を避けるために掲示を取り止めウェブ上で告知するなど、感染防止に配慮した。大会事務局の影山代表は「こういう事例が春や夏の(各地の)マラソン大会でも活かしてもらえればと思う。いつまでもコロナと言ってられない。健康を創り出すきっかけになれば」と自転車スポーツを通しての健康増進を呼び掛けた。(崎山勝功)

賞品の茨城産コシヒカリを手に、土浦市マスコットキャラクター・つちまると記念撮影をする参加者たち=同

◆各部門の優勝者は次の通り。(敬称略)
【男性・C1(19歳以上)の部】加藤健悟【同・C2(17歳以上)の部】吉田敬【同・C3(15歳以上)の部】水上央渉【同・C4(中学生以上)Aの部】竹内貴紀【同・C4(中学生以上)Bの部】小笠原拓也【同・CJ(17~18歳)の部】永野昇海
【女性・CL1(17歳以上)の部】渡部春雅【同・CL2(中学生以上)+CL3(同)の部】福田咲絵
【男性マスターズ(40歳以上)・CM1の部】生田目修【同・CM2の部】秋山純一【同・CM3の部】紫藤仁
【U17(15~16歳)の部】室伏碧透【U15(13~14歳)の部】中仙道侑毅【WU15(15歳以下の女性)の部】石川七海【CK3(小学5~6年生)の部】松村拓弥【CK2(小学3~4年生)の部】馬島史弥【CK1(小学1~2年生)の部】阿部咲太朗