木曜日, 1月 1, 2026
ホーム ブログ ページ 116

45年の歴史に幕「常陽リビング」 土浦本拠の生活情報紙

11
常陽リビング社屋=土浦市桜ケ丘町

茨城県南地域を中心に毎週土曜日、新聞折り込みで届けられたフリーペーパー「常陽リビング」が17日付をもって休刊する。発行元の常陽リビング社(土浦市桜ケ丘町、米山典克社長)が3日付、10日付の紙面などで公表した。1977年4月8日の創刊以来、つくばや土浦など13市町村に地域の生活情報を伝えてきた。

常陽リビングは土浦市に拠点を置いた地方紙、常陽新聞(2013年廃刊)が創刊した「常陽リビングニュース」が始まり。1985年8月、常陽新聞社が常陽リビングを京葉ガス(千葉県市川市)に譲渡し、京葉ガスのグループ会社となった。

1980年代後半から2010年ごろの紙面構成は平均28ページと他のフリーペーパーの追従を許さないページ数と情報量を誇った。隆盛を極めた98年から08年までの11年間は、不動産広告や求人広告などの掲載申し込みが引きも切らず、従業員は平均36ページ、年に数回は40ページもの紙面作りに追われた。ピーク時の2007年ごろは約25万部を発行し、年間約10億円の売り上げがあった。

コロナ禍に紙媒体の活路見出せず

現在の発行部数は約22万部。広告媒体が紙からインターネットに移行し、コロナ禍で収入が減少、さらに円安などによる紙やインク代の高騰が見込まれることから休刊を決めたという。45年の歴史に幕を下ろす。

スマホとインターネットの普及が状況を変えた。2018年ごろから、大きな割合を占めていた不動産広告がインターネット広告にとって代わり、広告収入が落ち込み始めた。加えてコロナ禍により20年から飲食店や旅行関係の広告が減少した。

行動制限が緩和された秋以降も、職場などの飲み会や宴会が復活しないなどコロナ前と行動様式が変わり、飲食店などの広告収入は元に戻らなかった。広告の減少に伴って8~12ページの紙面となり収入の減少に歯止めがかからなかった。昨年度は数千万円の赤字だったという。

玄関入り口に置かれたフリーペーパー「常陽リビング」

同社は、リビング紙発行のほかに、就職支援サービス、不動産事業、結婚相談事業、カルチャー教室の主催・運営など経営を多角化し、さらに固定費を削減しようと2、3年前から希望退職者を募ってきたが、広告減少をカバーするのは難しかった。第三者への営業譲渡などで事業継続が望めないかと奔走したが「紙媒体だと黒字化できるイメージが付かない」など、見つからなかったという。広告主などには9月に、休刊を知らせた。

米山社長(60)は「苦渋の決断だった」と語る。「45年発行してきて知名度もあり、読者からもクライアントからも『毎週楽しみです』という声をいただいてきた。常陽リビングは地域に浸透した情報紙だと実感しているが、スマホを使いこなす若者にはあまり知られていない。コロナ禍でデジタル化はますます広がり、紙媒体は厳しい。この間、赤字が続き、何とか続けようと模索してきたが、いったん立ち止まろうとなった。今後、印刷用紙の大幅値上げが確実視されて経営改善策を見出すのは困難で、休刊し、従業員に退職金を支払うという結論を出した」

現在の従業員数は20人。一部は他事業や清算事業のため3月まで仕事を続けるが、他事業の従事者や経理担当者を除いて31日で退職となる。同社は今後1年間は再就職の支援を行うとしている。(橋立多美)

田中正造の研究会、50年で幕 《邑から日本を見る》125

1

【コラム・先﨑千尋】今月3日、群馬県館林市の文化会館で「渡良瀬川研究会閉会記念鉱害シンポジウム」が開かれ、50年の活動にピリオドを打った。このシンポには約100人が参加し、50年の活動を振り返り、同研究会顧問の赤上剛さんの「田中正造はどのような人物か。今の時代に何を訴えているのか」と題する基調講演などがあった。

同研究会は、1973年に群馬県教組邑楽支部が主催した渡良瀬川鉱害シンポジウムが起源。渡良瀬川研究会として正造と鉱毒事件を研究し、正造の思想や運動を継承し、後世に伝えようと発足した。館林市を中心に、これまでに50回のシンポジウムと30回のフィールドワークを行い、会報や会誌を発行してきた。これまでに、宇井純さんや東海林吉郎さんら研究者や被害地の地元関係者などが、公害先進国日本をどうするか、学校での公害教育をどう進めるかについて議論、学習するなど、わが国の正造研究をけん引してきた。

しかし、会員や運営に当たる幹事の高齢化や後継者の不足、さらにコロナによる活動の停滞により、今回のシンポで幕を閉じることにした。36年の歴史を持つ栃木県佐野市の田中正造大学も先月閉学している。

私が田中正造に関心を持つようになったきっかけは、旧水海道市立図書館長の谷貝忍さんから「村で仕事をするなら、田中正造のことを勉強しろ」と言われたことだった。それから田中関係の本を読み、佐野市の生家や谷中村、松木村、足尾銅山の構内などを歩き、正造のような生き方をしたいと思ったこともあった。北海道の雪印乳業の創始者黒沢酉蔵は、すぐ近くの常陸太田市の出身だが、北海道に渡る前に、正造の手足となって谷中村などで活動したこともあとで知った。

目前の事件に真正面から向き合う

ここでは、同研究会の歩みとこの日のシンポの全体については書けないので、私がこの日に学んだことを記す。

「足尾鉱毒事件とは何か。煙害+毒水害であり、最上流の松木村と最下流の谷中村が廃村になった。この事件は近代日本で起きた最大の公害事件であり、この教訓が今まで生かされてこなかった。チッソ水俣病、三井金属鉱業イタイイタイ事件、東京電力福島第一原発事故などすべてで足尾銅山鉱毒事件の総括をせずに、問題を先送りしていることが原因だ」

「政府は国策の加害企業を一貫して擁護してきた。誰一人責任を取らない。謝罪しない。国は被害地域全体の健康・病理調査をせず、被害を隠蔽し、事件はなかったことにしようとしている。マスコミ、労組、司法も含めて、政・官・学・業が癒着・一体化している。生命よりも利益、経済優先の社会が続いている。被害者が立ち上がらない限り救済はされない」

「一般的な正造像は、近代日本の公害を告発した先駆者、命を賭けて天皇に直訴した偉い人、義人というもの。しかし、祭壇に祭られた偉人正造ではなく、欠点や失敗もあった普通の人正造が、目前の事件に真正面から向き合い、そこで学び、血肉化して死ぬまで成長し続け、民を裏切らなかった。その過程を学ぶことが大事」(元瓜連町長)

二所ノ関部屋初のもちつき つくばみらい市で親方率いる地域交流

3
笑顔で記念撮影に応じる二所ノ関親方=つくばみらい市紫峰ケ丘、SEKISHO Mi・La・Pa

つくばみらい市紫峰ケ丘の商業施設「SEKISHO Mi・La・Pa(セキショウミラパ)」で11日開かれたもちつき会に、元横綱稀勢の里の二所ノ関親方と力士4人が登場、近隣の住民たちに特製のもち入りちゃんこ鍋が振る舞われた。

参加したのは近隣住民のほかMi・La・PaのLINE会員ら250組500人。先着100人対象で親方のサイン会と写真撮影会も行われ、交流を楽しんだ。

力士にはもちつきがよく似合う

詰めかけた来場者の見守る中、蒸かしたもち米がうすに投入されると、まわし姿になった力士2人が交代で杵(きね)を振るい、次々ともちに仕上げていった。「もちつきは初めてだが楽しかった」「意外と大変だった」と担当した力士の花房(三段目)=と林龍(同)。この日用意されたもち米は、二所ノ関部屋のある阿見町荒川本郷の農家、大塚康夫さんが育てたマンゲツモチ90キロ。うすときねも大塚さんが提供した。

振る舞われた鍋は部屋自慢の鶏ガラ塩味。親方が15歳で角界入りしてから食べてきたさまざまなちゃんこの中で一番好きな味で、商品化もされており、理想に近付けるため何度も試作を繰り返したそうだ。「今日は豚肉と鶏肉に野菜など10種の具材を加え、オーソドックスに仕上げた。ニンニクを効かせることで旨みが増し、食欲もそそる」と、この日のちゃんこ番の足立(序二段)。

鍋はテイクアウトする人もいれば、その場で味わう人もいた。市内在住の橋口恭子さん(76)は「この味は自分では作れない。今日は寒いので特においしく感じる」との感想。岡崎誠さんの長男・日凪大さん(5)は「おいしい。おとうふが一番好き」と笑顔を見せた。

ちゃんこ鍋に舌鼓を打つ親子連れ

サイン会と写真撮影会には長蛇の列ができた。「親方と同じ牛久市出身だが、地元でもこういう催しはなかなかないので開催してくれてうれしい。コロナ禍で外へ出る機会が少なくなっていたが、久々に子どもと一緒に出かけることができた」と渡邉慎也さん(43)。「親方は相変わらず優しかった」と話すのは宮崎直人さん(43)。10年前、親方が大関だったときに出会ったことがあり、今日はそのときの写真を持参してサインしてもらったそうだ。

会場となったMi・La・Paは、セキショウグループのガソリンスタンド、カーディーラー、携帯電話ショップの3店舗による複合施設。地域の交流の場としても貢献したいと、折々にイベントを催している。今回のもちつき会は、親会社である関彰商事の関正夫会長が、二所ノ関親方の現役時代に「稀勢の里関郷土後援会」の会長を務めていた縁から実現した。

初の関取誕生へ精進

二所ノ関親方の話 部屋として初めてのもちつきで、力士にはいい経験になった。ファンの方々とふれ合うこのようなイベントは、コロナ禍以降かなり少なくなった。久しぶりに大勢の方に来ていただき、さまざまに声を掛けていただけてありがたい。今年は2月に尾車部屋と合併し、6月には阿見町に新施設が完成するなど、いろいろなことがあった年。力士もそれぞれ順調に成長し、番付を上げてきた。来年も稽古に精進し、さらに上を目指すとともに、念願である初の関取誕生も実現させたい。

5人の当選決まる 県議選’22つくば市区

2
田村けい子県議とバンザイする山本美和氏=午後9時53分、つくば市天久保の選挙事務所

任期満了に伴う県議選は11日投票が行われ、つくば市区(定数5)は同日午後8時20分から即日開票され、午後10時5分、5人の当選が決まった。11日の有権者数は19万2794人。投票率は過去最低の37.72%で、4年前より4.08ポイント低かった。

いずれも市議経験者の公明、無所属、つくば市民ネットの3新人が自民3現職の一角を崩し、共産現職を次点に追いやり当選を果たした。

つくば市区(定数5)選管確定
当13460 星田  弘司氏 自民現④
当11355 山本  美和氏 公明① 
当10400 鈴木  将氏  自民現④ 
当 9515 ヘイズ ジョン氏 無所属①
当 8797 宇野  信子氏 つくば市民ネット①
  7727 山中  たい子氏 共産現
  7663 塚本  一也氏 自民現 
  3004 佐々木 里加氏 無所属 

公明の山本美和氏は田村けい子氏の議席を守った。午後9時30分過ぎ、2回目の開票速報により、報道番組で当選確定が伝えられると、同市天久保の選挙事務所では大きな歓声が起こり、開票状況を見守る山本氏に支持者が駆け寄る姿が見られた。

山本氏は「本当にご支援いただいて、皆さんの思いに支えられてここまで頑張ってこられた。一日一日、一瞬一瞬の出会いが原動力になり、感謝の思いでいっぱい。本当に多くの皆さんに出会い、いろいろな課題を知ることができた。皆さんの悲しみ、苦しみを少しでも取り除けるようにしていきたいという思いでいっぱい」と話した。

支持者らとバンザイする宇野信子氏=同市二の宮の選挙事務所

つくば市民ネットは県議会初議席

つくば市民ネットの宇野信子氏が県議会初議席を獲得した。同市二の宮の選挙事務所では、支持者が開票状況を見守った。

宇野氏は、「政治を諦めないという市民の思いが私を押し上げてくれた。市民ネットの普段の活動が認められたと思う。たくさんのボランティアの皆さんの活動で勝利が得られた」と喜びを語った。

当選者は以下の通り

星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現④
【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長

山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明①
【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代

鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現④
【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具

ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属①
【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮

宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット①
【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園

開票進む 県議選’22つくば市区

9
つくば市金田、桜総合体育館

任期満了に伴う県議選は11日投票が行われ、つくば市区(定数5)は同日午後8時20分から即日開票が始まった。11日の有権者数は19万2794人。投票率は過去最低の37.72%で、4年前より4.08ポイント低かった。

公明の山本美和氏は田村けい子氏の議席を守った。午後9時30分過ぎ、2回目の開票速報により、報道番組で当選確定が伝えられると、同市天久保の選挙事務所では大きな歓声が起こり、開票状況を見守る山本氏に支持者が駆け寄る姿が見られた。

支持者と抱き合う山本美和氏、9時40分。つくば市天久保の選挙事務所

午後9時30分現在の開票状況は以下の通り(届け出順)。開票率は89.91%。

  佐々木 里加氏   3004
当 宇野  信子氏   8797
当 ヘイズ ジョン氏 9515
  塚本  一也氏   7663
当 山本  美和氏  11355
当 鈴木  将氏   10400
  山中  たい子氏 7727
当 星田  弘司氏  13460

地方大学の改革が求められるわけ 《地方創生を考える》26

1
ダイヤモンド筑波(筑西市)

【コラム・中尾隆友】日本の大学の卒業生は、米国と比べて決して劣っていないと思う。決してお世辞ではない。それでは、なぜ日本の企業は米国の企業に比べて成長性や生産性が著しく低いのか。それは、日本の大学がリーダークラスの学生を育てることができていないからだ。優秀な経営者が企業を変革し、社会全体を変えていくのだが、日本ではそれが起こりにくいのだ。

大学に決定的に足りないもの

日本の大学に決定的に欠けているのは、日本を引っ張るリーダーを育てるという役割だ。当然のことながら、それは地方の大学にも求められる。茨城の大学にも、地方のリーダーになることができる人材、すなわち、グローバルな視点を持って地方にイノベーションを起こすことができる人材を育成するようなコースがあってよいと思う。

地方が発展するためには、地方からイノベーションを起こすことができる社会にしなければならない。そのために、知の拠点となる大学と地方の経済発展というのは、これまでとは比べものにならないほど密接に関わっていくことになるだろう。

地方大学改革の必要最低条件

日本の少子化が加速していくなかで、多くの大学が淘汰(とうた)される厳しい状況下にある。とはいえ、地方自治体は有為な若者を地元にとどまらせるために、地方大学の改革を通して、その魅力度を底上げできるように懸命に努力しなければならない。

そこで、地方大学を改革するために必要最低条件となるのは、卒業要件を非常に厳しくするということだ。大学が卒業生に対して、リーダーとしてふさわしい知識やスキル、柔軟な思考力を担保できなければ、地方経済の発展に貢献することなどできるはずがないからだ。

首長のリーダーシップにかかる

そういった意味で、私は、地方が少子化をできるかぎり抑え、地方創生を成し遂げるためには、地方自治体の首長のリーダーシップによって地方大学を変革することが欠かせないと確信している。

知事にしても市長にしても、首長が先見性を持った思考力と本質を見抜く才覚を持っていることはもちろん、地域の住民に何が何でも明るい未来を見せたいという情熱を持たなければ、地方の大学の改革、ひいては、地方の明るい未来は期待できないだろう。

できるだけ多くの首長に、地方大学の改革を地方の成長に結び付けるような取り組みを始めてもらいたい。そう願っている。(経営アドバイザー)

県議選 あす投開票

2
県議選つくば市区のポスター掲示板=つくば市吾妻、中央公園

任期満了に伴う県議選は11日投開票が行われる。つくば市区(定数5)の9日夜8時までの期日前投票率は10.45%。開票は同日午後8時20分から、同市金田、桜総合体育館で即日開票される。大勢判明は午後10時10分過ぎの見通し。有権者数は4年前より約1万3000人増え、19万5232人(1日現在)。4年前の同市区の投票率は41.80%だった。

つくば市区に立候補しているのは、▽無所属新人で美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)▽つくば市民ネット新人で元市議の宇野信子氏(57)=立憲推薦=▽無所属新人で前市議のヘイズ・ジョン氏(59)▽自民現職で2期目を目指す塚本一也氏(57)▽公明新人で前市議の山本美和氏(53)▽自民現職で4期目を目指す鈴木将氏(50)▽共産現職で5期目を目指す山中たい子氏(71)▽自民現職で4期目を目指す星田弘司氏(48)の現職4人と新人4人の計8人。女性候補が4人と同市区で初めて半数を占めた。

佐々木氏は、今年7月の参院選県選挙区に出馬し次点で敗れたが、県内で約16万票、つくば市でも1万6000票超を得票した。選挙戦では市内各地を回り、参院選での16万票の想いを県政に、つくばから茨城を元気に、など訴えた。

宇野氏は、市議4人を擁するつくば市民ネットが県議会初議席を目指す候補者。立憲の推薦も得て、4日には西村智奈美党代表代行が応援に駆け付けた。最終日の10日夕方からはつくば駅前で高杉徹元常総市長や木村清隆市議らが応援した。

ヘイズ氏は、市議選で3期連続でトップ当選を果たす。8年前、県議選に初挑戦したが次点で敗れ、今回再挑戦する。選挙戦は、のぼり旗を立てて自転車で走ったり、サンタクロースの格好をしたスタッフと街頭で手を振るなどした。

塚本氏は、TXと常磐線を接続してつくばと水戸を結ぶ構想を提唱、大井川和彦知事が今年度調査費を計上しTX県内延伸構想が動き出したなどの実績を強調する。最終日の10日は地元の大曽根地区や玉取地区で街頭演説した。

山本氏は、県議を4期務めた田村けい子氏の後継。告示日の2日は山口那津男公明党代表が市内4カ所を回り、さらに石井啓一党幹事長、竹谷とし子女性局長、三浦信祐党青年局長ら党幹部らが連日のようにつくば入りし応援した。

鈴木氏は市議会最大会派や五十嵐立青市長らの応援を受け、地元の筑波地区や大穂地区のほか、市全域でミニ集会、企業訪問、街頭演説をこなし、SNSを使った発信にも力を入れた。最終日の10日は筑波や大穂地区で街頭演説した。

山中氏は、告示直前に志位和夫共産党委員長、選挙中は小池晃書記局長、田村智子副委員長らが応援した。県立高校新設などのほか、コロナや物価高、格差と貧困、東海第2原発問題など政策を中心に、連日20カ所程度で街頭演説した。

星田氏は3期連続でトップ当選を重ね、今回は飯岡宏之市議らの応援も得た。3日には自民党の片山さつき参院議員らも応援に駆け付けた。地元、谷田部地区のほか市内全域を回り、最終日の10日は栄、島名、上横場で街頭演説した。

つくば市区の立候補者(定数5ー立候補者8)

佐々木里加氏

佐々木里加(ささき・りか)55 美大講師 無所属 新
【略歴】東京都出身、多摩美術大大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議1期を歴任。7月の参院選に出馬し次点。現在、女子美術大学非常勤講師。
【公約】①高齢者の介護サービスを拡充し高齢者を大事に②教育と出産を無償化し子育て世代への支援拡充③筑波山周辺の魅力を創出し食を誘致など

宇野信子氏

宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット 新
【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園
【公約】①情報公開と市民参加で県政を見える化②持続可能な社会の実現③子育て・教育・福祉を充実④東海第2原発再稼働是非の県民投票実現など

ヘイズ・ジョン氏

ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属 新
【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮
【公約】①公立高校をつくば市に新設する②再生可能エネルギーと蓄電池の活用③海外の企業・自治体と茨城の橋渡しなど

塚本一也氏

塚本一也(つかもと・かずや)57 会社相談役 自民 現①
【略歴】つくば市出身、筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員を経て、現在、大曽根タクシー相談役、土浦一高PTA会長。大曽根
【公約】①農林水産物のブランド化を進める②スクールバスを運行し県立高校の通学可能圏域拡大③新型コロナの支援策充実など

山本美和氏

山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明 新
【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代
【公約】①孤独・孤立対策のための居場所づくり②防災道の駅を誘致③子ども食堂をすべての小学校区に設置推進など

鈴木将氏

鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現③
【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具
【公約】①通える県立高校の適正配置や2024年募集の定員増②ケアラー・ヤングケアラー支援体制で孤独・孤立を防ぐなど

山中たい子氏

山中たい子(やまなか・たいこ)71 政党役員 共産 現④
【略歴】福島県出身、日大Ⅱ部法学部卒。千葉県商工団体連合会職員、旧桜村議1期、つくば市議4期を歴任。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。
【公約】①市内に県立高校新設し少人数学級を推進②東海第2原発再稼働ストップ③県水道料金引き下げなど物価高騰やコロナから暮らしを守るなど

星田弘司氏

星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現③
【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長
【公約】①コロナで影響を受けた観光業や商工業支援②県立高校の定員増など教育環境整備③信号機や横断歩道設置など通学路の安全対策など

投票に行って割引サービスを 「センキョ割」11日スタート つくばなど約20店で

1
カフェ&バー トリガーの店頭で「センキョ割」のポスターを持つ同店代表の加賀屋隼さん

10~20代対象に学生団体

投票すると対象店舗で割引サービスを受けることができる「センキョ割」を、学生団体、NPO法人ドットジェイピーつくば・水戸支部が、つくば、水戸、日立市周辺の約20店舗で11日から25日まで実施する。同日投開票の県議選に合わせて、10〜20代を対象に実施される。

同法人は、若者の政治への関心を高めるため議員インターンシップなどに取り組んでいる。センキョ割は若年層の投票率向上を目指す活動の一環。

対象店舗に、投票所でもらえる投票済証明書、または投票所看板前で撮影した自撮り写真を提示すると割引サービスが受けられる。住民票をまだ異動してなかったり18歳未満で投票に行けない人は、センキョ割模擬投票フォームに回答すると、サービスを受けることができる。

同法人つくば支部代表の大金咲由莉さん(21)は、若年層が選挙や政治に興味を持ち、若者の社会参画のきっかけになればと話す。センキョ割実施に向けて、ラヂオつくば出演や同支部のSNSでの広報に力を入れてきた。

割引サービスの対象店舗の一つで、筑波大生が運営する飲食店、カフェ&バー トリガー(つくば市天久保)代表の加賀屋隼さん(20)は、7月の参院選から引き続きセンキョ割に参加する。センキョ割を通して、若年投票率の向上や若者が政治に関心を持ってもらうことを期待する。そして、来店客の95%以上を占める学生が、新しい輪を広げてほしいと話す。

同じく筑波大生が運営する古着店、リリバレ(つくば市天久保)の店長、岡本萌実さん(21)は、同年代が選挙を盛り上げようとする取り組みに共感し、参加を決めた。センキョ割を通して、選挙に行くきっかけづくりになればうれしいと話す。(上田侑子)

◆センキョ割は12月11日(日)~25日(日)、対象は10~20代のみ。サービスは1店舗に付き1人1回限り。

つくば市内のセンキョ割協力店は以下の通り(10日時点)
・百香亭 天久保3-15-1 ソフトドリンク1杯無料
・とも整骨院 桜3-8-4 酸素カプセル1000円に割引
・煮込み食堂まるしば 下広岡1040-6 ご飯大盛りor煮卵サービス
・古着屋リリバレ 天久保3-15-4 10%割引クーポン
・赤からつくば研究学園店 研究学園5-15-6 1組1000円割引
・博多拉麺一休 桜2-1-7 100円割引
・テーブルカフェ&ダイニング 千現2-1-6 リクエストラテアート
・カフェ&バー トリガー 天久保2-6-1 ナッツ無料
・金の馬結 天久保2-15-7 麻婆豆腐トッピング1種無料
・つくば良い品 吾妻12-128 つくばオススメ対象商品8%割引
・N’sカフェ 天久保3-13-3 料理orパンケーキ注文でアイスサービス
・サザコーヒー筑波大アイアンサ店、つくば駅前店 本日のコーヒーMサイズ1杯無料

早く目覚めた 十三夜に 《続・平熱日記》121

2

【コラム・斉藤裕之】目が覚めて時計を見る。まだ朝には大分早い時間だ。それに昨日よりも一昨日よりも早くなっている。人の体内時計は月の暦になっているらしいということを、東京芸大の名物授業であった生物学の講義で三木先生は力説しておられた。私の中の時計も月に操られているのか。このままだと、どんどん起きる時間が真夜中に近づいていってしまう。

もう少し眠ってみようかと思って布団をかぶるが、完全に目が覚めてしまった。コーヒーを淹(い)れてから描きかけの絵に向かう。バイクが近づいてきてパタンとポストに新聞を入れる音がした。新聞を斜めに読んでから、まだ暗い中、犬の散歩に出かける。

そういえば今日は十三夜だと言っていたな。住宅街の屋根に近い月は驚くほど大きい。なぜ月がこれほど大きく見えるのか。専門家の説明を聞いても納得できない。散歩コースの住宅街に残された竹林の脇を通ると、必然的に思い出すのは竹取物語。竹から生まれた女性が散々わがままを言って月に帰って行くという、何とも煮え切らない物語。

まんまるお月さん。昔の人がまんまる、いわゆる正円を見るとすれば、月か太陽、それから瞳…、竹の断面。「うさぎ うさぎ なに見て跳ねる…」。正円という特別な形は神秘性や物語を生むらしい。しかし十三夜や十六夜(いざよい)のように、ほんの少し不完全なものに風情を感じるところにも日本の感性の懐の深さ。

月の影響でなく歳のせい

最近、有名な絵画にトマトスープやマッシュポテトを投げつけたというニュースが流れた。何百億円もする一枚の絵が、今の格差社会のアイコンとして生贄(いけにえ)になったわけだ。近年、中国が月に基地を造るとかアメリカがアルテミス計画を進めているとか、ここにきてにわかに月面が騒々しくなっている。そのために、それこそ天文学的なお金がつぎ込まれているはずだ。

裕福な、いわゆる1パーセントの「持つ者」が、驚くような金額を支払って宇宙旅行に出かけようともしている。99パーセントの「持たざる者」は、もっと地に足の着いたことに公金を使ってほしいとその映像を冷ややかに見ている。

海辺に住んでいる人や釣りの好きな人達には、大潮だの満潮だのが話題になることがあるけど、ほとんどの人は月を見て潮の満ち引きに考えを及ばせることはない。食品のほんのわずかな値上がりには敏感な庶民には、例えば国防予算の増大などはあまりにも大きくて、遠くで起きていることとして実感が沸かないのと似ているかもしれない。

私の早起きは月の影響ではなく、恐らく歳のせいだと思うのだが…。そういえば、うちの子もセーラームーンが好きだったな。車の中でエンドレスで聞かされたCDのおかげで、今でも主題歌をソラで歌えるもんなあ。でもなんで「月に代わってお仕置き」なんだろう…。そんなことを綴(つづ)っていると、やれやれやっと東の空が白み始めた。(画家)

桐朋学園オーケストラ招き「つくばリサイタル」 来年1月、初のインカレ企画

1
つくばリサイタルシリーズ実行委員会のメンバーら。右から2人目が同シリーズを主宰する人文社会学系の江藤光紀 准教授(同実行委員会提供)

筑波大生有志が主催するコンサート「桐朋学園オーケストラ×つくばリサイタルシリーズ~共に描く未来の音楽~」が来年1月21日、同市竹園、つくばカピオホールで開催される。今回は桐朋学園大学の桐朋学園オーケストラを招く初のインカレ企画で、コロナ禍により入学時から大きな制約を受けてきた学生同士、励まし合い、力を合わせ、共に乗り越えていきたいという願いが込められているという。

同コンサートは、筑波大生有志でつくる「つくばリサイタルシリーズ実行委員会」が、学生や市民に手ごろな価格で気軽にクラシックを楽しんでもらいたいと、毎年トップクラスの演奏家をつくばに招いて開催している。2012年にスタートし、今回が12回目となる。

桐朋学園大学(東京都調布市)は、日本を代表する音楽大学の一つで、指揮者の小澤征爾さんを始め、世界的な音楽家を輩出してきた。同オーケストラは、桐朋学園音楽部門の学生らで構成される。

桐朋学園の名前にある「桐」は、東京文理科大学・東京高等師範学校に由来する。筑波大学の紋章である「桐」紋も東京高等師範学校に由来するなど繋がりがあり、かつて戦後の混乱期を共に協力して乗り越えた歴史があるという。

公演には、桐朋学園大学の学生の中から総勢17人の弦楽オーケストラが出演し、世界的に活躍する気鋭の指揮者でバイオリニストとしても知られる清水醍輝さんが指揮する。清水さんは、第57回日本音楽コンクール第1位、1998年から2001年まで新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターを務めたことでも知られる。

実行委員で筑波大学人間学群障害科学類2年の加藤千尋さん(20)は、学生オーケストラを公演に招く背景にあるのはコロナ禍だと話す。実行委員会の多くのメンバーが新型コロナが始まった後に大学に入学している。以前はあったイベントがなくなり、自粛を強いられる大学生活を送ってきた。

「学生オーケストラを呼ぼうとしたのは、学生同士で活力のあるイベントがしたいという思いがあった。コロナに打ち勝つではないが、家に閉じこもらないで、エネルギッシュな活動をしていきたいというメッセージがある」と加藤さん。

加藤さんもコロナ禍で「自身も周りの友達も家に閉じこもっている時間が続いていた。高校生のころに放送部で活動していたこともあって、舞台を裏側から支える活動がしたいと思っていた」と話し、偶然に実行委員会を知り、2年生になった今年度から実行委員会に入った。

同実行委員会の活動も原則としてオンラインで行われてきた。「ミーティングはこれまで全面的にオンラインだった。最近は図書館の部屋を使って、オンライン併用ではあるが、感染対策をしながらミーティングをすることもできるようになってきた。うれしい変化」と加藤さんは話す。

同実行委員会では現在、7万円を目標にグラウドファンディングを実施している。(山口和紀)

◆「桐朋学園オーケストラ × つくばリサイタルシリーズ ~共に描く未来の音楽~」は2023年1月21日(土)、つくば市竹園、つくばカピオホールで開催。開演は午後2時。プログラムは、モーツァルト作曲、ディヴェルティメントK.136ニ長調、江藤光紀作曲、アドレッセンス(初演)、グリーグ作曲、ホルベルク組曲。入場料は一般1000円、学生無料(いずれも事前申し込みが必要)。チケット申し込みはは同実行委員会HPへ。

阿見町のツムラ漢方記念館 《日本一の湖のほとりにある街の話》6

2
ツムラ漢方記念館

【コラム・若田部哲】医療用漢方製剤の国内シェア8割超を販売し、漢方業界をけん引する株式会社ツムラ。その国内最大の生産拠点と国内唯一の漢方記念館が、霞ケ浦の豊富な水資源を背景に、阿見町に設立されていることをご存じでしょうか? 今回はそのツムラ漢方記念館の瀬戸館長に、奥深い漢方の世界についてご紹介いただきました。

医療関係者を中心に漢方の歴史や製造工程を伝え、漢方への理解を広めるために設立されたこの記念館は、阿見町のツムラ茨城工場や研究所のある敷地内に位置しています。来館してまず驚くのが、敷地内に入るとその場に満ちる漢方薬の香り。

期待とともに記念館に足を踏み入れると、正面奥には漢方薬の原料となる生薬がぎっしり詰まった透明な円柱が建ち並んでいます。植物・動物・鉱物など、自然由来の原料生薬はアースカラーのグラデーションをなし、さながら美しい現代アートのよう。

ところで「漢方」と聞いて「中国医学」と思う方も多いかもしれません。ところが実は漢方とは、5~6世紀頃に中国より渡来した医学をベースに、日本の気候風土・日本人の体質に合わせて発展した、日本独自の伝統医学。

漢方医学は考え方が西洋医学と異なり、病気の「原因」を探しそれを取り除くという西洋医学に対し、患者全体を診て自然治癒力や抵抗力に働きかけ、体全体のバランスを整えるという考え方から成っています。

また漢方薬は、自然由来の生薬を原則2種類以上組み合わせてつくられます。西洋薬は、一つの病因の解消を図るのに対し、漢方薬は多成分の生薬を複合させた薬であるため、一つの薬で複数の症状に効果を発揮することもあります。

患者の症状や体質に着目することから、検査値などに現れない不調や病名がつかない未病など、西洋医学では対応が難しい体の不調に対応できるケースも多く、現在認可されている148種の漢方薬は、9割に及ぶ医師により医療現場で処方されているとのこと。

長い歴史と研鑽による英知の結晶

記念館では、アクリルケース内の生薬原料見学のほか、様々な生薬の匂いを嗅いだり、薬学部の学生向けに調剤を体験できるコーナーなど、漢方の奥深さを体感することができます。

展示されている116種の原料生薬の中には、「なんでこれが体にいいと分かったの?」と思うようなものも数多く、例えばボタンの根から作る「ボタンピ」は、根の中心の数ミリの芯を取り除いた外皮の部分のみを使うそうです。芯を取り除くのが最良と分かるまで、どれほど臨床を重ねたのでしょうか…。思わず目がくらみます。

長い歴史と悠久の研鑽(けんさん)による英知の結晶を、肌で感じることができるこの漢方記念館。幅広く魅力が伝わるよう、ウェブ上で「TSUMURA バーチャル漢方記念館」も公開されており、概要の見学が可能です。また、12月から県内の中学、高校向けにもオンラインでの見学を受け付けるとのこと。ぜひ一度ご覧ください!(土浦市職員)

①サイクリストの宿(7月8日付
②予科練平和記念館(8月11日付
③石岡のおまつり(9月8日付
④おみたまヨーグルト(10月6日付
⑤冷たくてもおいしい焼き芋(11月12日

【11日午後4時30分追加】本コラムは「周長」日本一の湖・霞ヶ浦周辺の、様々な魅力をお伝えするものです。

無償譲渡受け市管理も選択肢の一つ 洞峰公園問題でつくば市長

67
定例会見で話す五十嵐立青つくば市長=8日、市役所

つくば市長定例会見が8日開かれ、同市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)にグランピング施設をつくるなどのパークPFI事業について、五十嵐立青市長は「グランピング施設とバーベキュー施設は望ましくないという考えに変わりはない」と述べ、県から無償で公園の譲渡を受け市が管理することも選択肢の一つだとする考えを述べた。

洞峰公園のパークPFI事業をめぐっては、大井川和彦知事が1日の定例会見で、年明けにもグランピング施設などの建設許可の事前協議を開始したいと発言し、さらに、つくば市が自ら管理するのであれば洞峰公園を無償で市に移管したいなどと述べている(12月2日付)。8日の市長会見では、知事発言について記者から質問が出て、五十嵐市長が答えた。

一方で五十嵐市長は、無償譲渡について「簡単に『はい』と言えるものではない」とも述べ「(市として維持管理費などを)精査しているわけではないので、そもそも維持管理費がいくらかかるか分からない。市の他の公園規模と比べてどうかなど、検討するにしても細かい情報は必要になる。無償移管を検討するのであれば(県から)細かいデータをいただかないと市民にも議会にも説明できないし、今の段階で何をどうするかはまだまだ分からない」とも話した。

県は8月の説明会などで、洞峰公園の維持管理費用として、指定管理料が年約1億5000万円、来年度から2027年度までの大規模修繕費用として3億5600万円かかるとしている。

五十嵐市長はさらに、プールやテニスコートなどの利用料金値上げ要望に対し、大井川知事が1日の会見で「利用者の中の一部にだけ負担を押し付けるやり方でバランスが非常に悪い」と否定し、さらに協議会設置要望についても「協議会の位置付けや性格が不透明」だと市の要望をいずれも否定したことについて、「値上げ案は県が当初より代替案として示していたもの。そういう代替案に対して『バランスが悪い案だ』というのは、いささかとまどっている」と不快感を示し、さらに「(県は)『協議会の必要性が分からない』という話だが、(協議会は)話し合っていく素地を作るためには必要なものと思っている」と反論した。

その上で五十嵐市長は「つくば市への回答をちゃんと文書で示していただいた方が、お互いのミスコミュニケーションはないと思っている。はっきりと県の方向性が決まったら文書でお示しいただいて、それをもとに県と協議していきたい。協議が整わない中で(グランピング施設建設の事前協議が)申請されることはないと思っている」と改めて述べた。

県都市整備課によると、市の要望に対して県は8日、文書で市に回答した。内容は1日の知事会見と同じという。同課はさらに、グランピング施設などの建設許可の事前協議を年明けに開始することに変わりはないとしている。

「5時に夢中」の岩下さんの見せる「文化」《遊民通信》54

0

【コラム・田口哲郎】

前略

東京メトロポリタンテレビジョンの月~金曜日夕方5時からの番組「5時に夢中」を楽しく視聴していることは、以前書きました。「5時に夢中」は東京ローカルのワイドショーという感じですが、コメンテーターが多彩で、サブカルチャーの殿堂のようです。

私が好きなのは、木曜日の中瀬ゆかりさんと火曜日の岩下尚史さんです。中瀬さんは新潮社出版部部長で、文壇のこぼれ話を巧みな話術で披露して笑わせてくれます。岩下さんは新橋演舞場勤務から作家になった方で、東京のいわゆるハイ・カルチャーをよくご存じの方で、こちらも話術が巧みで笑わせてくれますが、ひとつひとつのお話に含蓄があるというか、うなずくことが多いです。

岩下さんの小説『見出された恋 「金閣寺」への船出』の文体は流麗で、引き込まれます。岩下さんは國學院大学ご出身ですが、國學院の偉大な民俗学者にして作家の折口信夫の小説『死者の書』などの文体を思わせる傑作だと思います。

さて、岩下さんのインスタグラムの話題が出ていて、美食家としての一面が見られるというので、見てみました。岩下さんらしい、ハイソな生活を垣間見られるのでおすすめです。シティ・ホテルでのパーティーや会食、料亭とおぼしきところでの高級料理など、きらびやかな世界が広がっています。

岩下さんはいつも和装。青梅の築100年の日本家屋にお住まいです。新橋演舞場で日本舞踊のイベントを手がけていた関係で、芸者さんや古典芸能関係の人脈をお持ちです。岩下さんの生活には「文化」のかおりがします。

知らないのに、あこがれる、どこかなつかしい「文化」

文化は日本津々浦々、世界あまねくどこにでもあるものです。でも、岩下さんが見せてくれる「文化」は東京という街がどんどん新しくなってゆく中で、どこかなつかしさを保っている文化です。正直言って、私など新興住宅地、核家族のサラリーマン家庭に育った人間には縁のない世界です。でも、どこかなつかしく、憧れを抱かせる世界です。

宝塚歌劇団の初期の演目に「モン・パリ」というレヴューがあります。私のパリという意味ですが、そこでフランスのシャンソンを翻訳した「わが巴里」という曲を宝塚の男装のスターが踊り歌いました。大正時代、観客の中にパリに行った人などほとんどいなかった時代ですから、パリを「わが巴里」と言える人はほぼいなかったのですが、それでも観客はあこがれの都パリにあこがれを抱いて、そして郷愁さえ抱いたそうです。

岩下さんの東京の「文化」に、私もあこがれと郷愁を覚えます。「文化」とは不思議ですね。「文化」は、日々いろいろなものが変わり、流れてゆき、せわしない世の中にあっても、ひとときのやすらぎを与えてくれるものと言えましょう。やはり「文化」は良いものですね。

ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

TX県内延伸に賛成?反対?【県議選’22つくば候補者アンケート】3

16
つくばエクスプレス

県議選候補者アンケート最終回は、つくばエクスプレス(TX)県内延伸構想の是非と、旧統一教会と接点をもったことはあるかについて、つくば市区の立候補者8人に聞いた。

TX東京延伸については11月25日、東京都が「都心部・臨海地域地下鉄構想」の事業計画案を発表。まず臨海地下鉄を単独で整備し、将来的に、TX東京延伸(秋葉原-東京)との接続や、羽田空港との接続を今後検討すると発表したばかり。

一方、県内延伸をめぐっては、県が今年度、初めて調査費を計上し、今年度中に①筑波山方面②水戸方面③茨城空港方面④土浦駅方面-の4方面案の中から1本に絞り込むと発表し、県内各地で誘致合戦が繰り広げられた。延伸に必要な事業費、需要予測、費用対効果も調査が行われている。一方つくば市は東京延伸を優先するとし、県内延伸の誘致合戦には加わらなかった。

NEWSつくばは告示前、8候補者に対し「TX県内延伸ルートを絞り込む調査費を県が計上し、県内延伸を求める運動がつくば市以外で盛り上がっています。県内延伸計画に賛成ですか、反対ですか」と質問した。賛成、反対、どちらでもないの3つのいずれかに〇を付けてもらい、50字程度で理由を書いてもらった。

各候補者の回答は以下の通り。

佐々木里加氏 賛成
「県内延伸には反対しないが、土浦ではなく、本来はつくばエクスプレスの名の通り筑波山を経由し県庁のある水戸へ、あるいは空の玄関茨城空港を経由し水戸へ伸ばすべき」

宇野信子氏 どちらでもない
「TX県内延伸は県南と県央、県北をつなぐ効果はあるが、沿線開発によりさらに市街地が分散する弊害もある。完成時期や費用負担等の調査結果を示して住民の声を聴くべき」

ヘイズ・ジョン氏 賛成
「持続可能な社会実現のため賛成。電車はエネルギー効率が高い公共交通機関であり、公共交通整備はSDGsの観点からも国連から推奨されている。TXが他の交通機関と連結し相乗効果を得ることはコストベネフィットが高い」

塚本一也氏 賛成
「つくばエクスプレスの成功を県内経済活性化のために活用すべきである」

山本美和氏 どちらでもない
「県内延伸に関する議論について勉強不足のため」

鈴木将氏 賛成
「今回公表された東京都の臨海部への地下鉄事業計画案と連動し、県内以北への通勤・通学・交流圏を広げ、更なる県土発展を推し進めていくべき」

山中たい子氏 反対
「高い料金の引き下げと、現在生じている混雑の緩和を先行させるべき」

星田弘司氏 賛成
「TXを県内延伸していくことは、以前から進められている東京延伸とともに重要。整備費用確保の課題解決が一番の課題」

旧統一教会は8人全員が接点なし

旧統一教会との接点についても候補者8人に質問した。

「これまで旧統一教会や関連団体と接点をもったことはありますか」と質問し、①祝電やメッセージを送ったことがあるか②広報誌などのインタビューを受けたことがあるか③関連団体の会合であいさつをしたことがあるか④教団主催の会合に出席したことがあるか⑤教団や関連団体に会費類を支出したことがあるか⑥寄付を受けたりパーティー券などを購入してもらったことがあるか⑦選挙でボランティアによる支援を受けたことがあるか⑧選挙で組織的支援や動員などを受け入れたことがあるかーの8点について、ある、ない、のどちらかに〇を付けてもらった。

回答は、候補者8人全員が、8項目いずれも「ない」と回答した。

終わり

筑波山が初冠雪

2
初雪となった筑波山御幸ケ原のライブカメラ映像=6日午前6時26分(つくば市の筑波山ライブカメラより)

筑波山頂に6日朝、この冬初めて雪が降り、初冠雪となった。標高877メートルの山頂付近は午前中、雲に覆われたが、雲が薄くなったところは、雪が薄く積もっているのが麓からも見えた。

山麓の住民によると、平均的な初冠雪は12月中旬頃で、例年より少し早い初冠雪となる。

昨晩、南岸低気圧が通過、冷たい空気が大陸から流れ込み、気温が低い山頂は雪になったとみられる。この気圧配置は関東地方に雪を降らす典型的なパターンだ。

つくば市館野の6日の最低気温は11月下旬並みの3.1度。筑波山頂近くの御幸ケ原の気温は午前6時半時点でマイナス0.1度だった。気温は標高が100メートル上がるごとに0.6度下がるといわれており、標高877メートルの筑波山は、地上より約5度低いことになる。

南岸低気圧は2~3月によく発生し、大雪になることもある。雪の降る範囲は標高500メートル辺りまでのことが多い。「逆転層」という中腹付近の気温が高くなる独特の気象現象があるからだといわれる。(榎田智司)

◆筑波山の気象状況はライブカメラで確認することが出来る。

山頂付近が雲で覆われた筑波山。雲が薄くなったところに雪が積もっているのが肉眼でも確認できた=6日午前8時ごろ、つくば市神郡で撮影

洞峰公園パークPFI事業に賛成?反対?【県議選’22つくば候補者アンケート】2

13
グランピング施設などが計画されている洞峰公園野球場=つくば市二の宮


県議選つくば市区(定数5)に立候補した候補者8人へのアンケート調査2問目は、県営の都市公園、洞峰公園(同市二の宮)パークPFI事業について、各候補者の考えを聞いた。

洞峰公園にグランピング施設を整備する計画など、県が導入した洞峰公園パークPFI事業をめぐっては、五十嵐立青つくば市長が11月、パークPFI事業を止めて利用料金の値上げを採用すること、洞峰公園のあり方を議論する場として協議会を設置することを県に要望した。これに対し大井川和彦知事は今月1日の定例記者会見でいずれの要望も否定、グランピング施設などの整備に向けて、年明けにも建築許可に向けた事前協議を始めるとし、市が公園を管理するのであれば無償で譲渡すると表明するなど、二者択一を迫る(12月2日付)。

アンケート調査は1日の知事会見前に実施した。「県が導入した洞峰公園のパークPFI事業に対し、つくば市長がパークPFI事業を撤回し、代替案として利用料値上げを県に要望すると表明しています。グランピング施設やバーベキュー施設を整備するなど県が示すパークPFI事業に賛成ですか、反対ですか」と質問し、賛成、反対、どちらでもないの3つのいずれかに〇を付けてもらい、50字程度で理由を書いてもらった。

各候補者の回答は以下の通り。回答日はいずれも2日の告示前。

佐々木里加氏 反対
「車の往来も多い市街地にテントを張って寝泊まりすることにどの位の県民が賛成しているのか疑問。県民アンケートの質問内容等も開示すべき。グランピング施設を新設するなら筑波山周辺地域が適しているし筑波山周辺こそ活性化すべき」

宇野信子氏 反対
「洞峰公園は住宅地にあり、すでに多くの県民に利用されてにぎわっている。グランピングで宿泊、飲酒が行われると今の安全な環境が損なわれる」

ヘイズ・ジョン氏 どちらでもない
「グランピングとバーベキューを強行しても県にとっても市にとっても良いことではない。しかしPFI事業はその他にドックランやインクルーシブ遊具など魅力的な案がたくさん盛り込まれている。こちらも撤回となるのは残念。バーベキューとグランピングを除いた案で公園の魅力を最大化する方向で検討できないか」

塚本一也氏 どちらでもない
「学園都市創成記につくった公園なので、つくば市が成長した現在では、つくば市に財政移管をして維持管理する方法がふさわしい」

山本美和氏 どちらでもない
「洞峰公園には、研究学園都市建設時のコンセプトを尊重し、市と県さらには地域住民を交え協議しながら進めるべきである」

鈴木将氏
「公園の適切な維持管理とさらなる魅力向上を実現するパークPFI導入には大いに賛成します。今回の住民等からの不安の声には寄り添い、かつ大局的な観点からも、よりよい公園整備を進めていきたい」

山中たい子氏 反対
「地域住民に緑と静けさを提供する都市公園です。地域住民の声を大事にすべきです」

星田弘司氏 どちらでもない
「説明会を通じて、グランピング施設の管理体制やBBQのにおい・煙対策など当初の計画からかなりの改善がみられる。その改善した計画等を十分に周知し、料金値上げはせずに、よりよい公園運営を目指していただきたい」

筑波大でアトリエ見学やアート体験を 10日「キッズツアー」 3年ぶり対面で

0
2019年に行われた夏のキッズアート体験「にゅるっとしおり作り」の様子(スタジオ'S提供)

スタジオ’Sが参加者募集

子どもたちがさまざまなアートを体験する「キッズアートツアー」が10日、筑波大学で開催される。つくば市二の宮のアートスペース、スタジオ’Sが筑波大と連携し運営する「スタジオ’S with T」の企画だ。今回は同大芸術系学生の案内で子どもたちが大学のアトリエ施設を見学したり、ワークショップを体験する。コロナ禍、2020年から22年夏までは展覧会形式での開催となっていた。対面での開催は3年ぶりとなる。

今回のテーマは「日本画」だ。同大の芸術系日本画領域と協働する。会場となるのは同大芸術系アート&デザイン実習室で、アトリエ見学ができる。見学コースの一つ、大石膏(せっこう)室は巨大なダビデの石膏像などがあり、同大の象徴的施設の一つだ。その後、日本画ワークショップが行われる。絵の具を和紙にしみ込ませて模様を付け、クリスマスランタンを作る。

キッズアートツアーはこれまで同市二の宮にあるスタジオ’Sで開かれてきた。今回は場所を移し筑波大学での開催となる。スタジオ’Sは「今回は2016年から行ってきた企画のリニューアルとして筑波大学でやることになった。今後も継続して筑波大学で行っていくかは分からないが、一つの試み」と話す。

2019年夏の「古代文字を書いてみよう」のキッズアート体験様子(同)

スタジオ’Sは関彰商事が「地域とともに『文化』を作り上げていく」との運営方針で、1989年に開設した。2016年5月からは県文化振興計画にのっとった人材の育成、文化の担い手の育成、次世代を担う子どもの育成、文化に関する教育の充実を目指した活動を行ってきた。「キッズアートツアー」は2016年から筑波大学との協働で始まった。

◆キッズアートツアーは10日(土)①午後1時~2時30分と②午後3時~4時30分の2回、筑波大学体芸術エリア(筑波キャンパス南地区)で開催。対象は小学生(1家族1人まで保護者の同伴可)。参加費500円(材料費及びイベント保険料など)。定員は各回15人。参加申し込みはスタジオ’Sのホームぺージ、問い合わせは電話029-860-5151(関彰商事総務部)またはEメールstudio@sekisho.co.jp

つくば市への県立高校新設に賛成?反対?【県議選’22候補者アンケート】1

27
県議会への請願のためつくば市内のスーパー店頭で署名活動をする市民団体=10月25日、つくば市研究学園

県議選が2日告示され、11日投開票が行われる。NEWSつくばは告示前、県政と関わりの深いつくば地域の課題のうち①つくば市への県立高校新設の是非②洞峰公園パークPF事業の是非③TX県内延伸計画の是非と、④旧統一教会や関連団体との接点の是非について、つくば市区の立候補者8人にアンケート調査を実施した。結果を3回に分けてお伝えする。

1回目はつくば市内への県立高校新設の是非について。人口が増加するつくば市では2021年、中学3年生の6人に1人しか市内の県立高校に入学できなかったなどとして、市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)が、市内のTX沿線に県立高校新設や既存校の定員増などを求めて県議会12月定例会に請願書を提出した。結果は継続審査となり廃案となる見通しだ。つくばエリアの中学卒業者は2030年までにさらに約700人増加すると県自身が推計している。対策は急務だ。

立候補者8人には「人口が増加するつくば市に県立高校を新設してほしいという運動が市民の間から起こっています。つくば市に県立高校を新設することに賛成ですか、反対ですか」と質問し、賛成、反対、どちらでもないの3つのいずれかに〇を付けてもらい、50字程度で理由を書いてもらった。

各候補者の回答は以下の通り

佐々木里加氏 賛成
「校舎については未だ新しく劣化していない廃校が事実存在し、新設に数十億かかるのであれば利活用も含め討論すべき。校舎を新設するのであれば、今後の少子化もかんがみて再利用が可能な建造物とすべき」

宇野信子氏 賛成
「TX沿線に巨大な沿線開発を行った茨城県の責任として、急増している子育て世代の進学先を公共交通機関で通学可能な場所に確保するべき」

ヘイズ・ジョン氏 賛成
「つくば市は既に4つの小中学校を新設し、令和8年までに更に4つを新設する。それぐらい子どもが増えている。受験戦争が苛烈であった時代と比べても更に苛烈な状態は自治体が責任をもって解消し、子どもにしわ寄せがいかないようにするべき」

塚本一也氏 どちらでもない
「少子高齢化は全国的な流れであり、県立高校の再編計画をつくば市の特殊事情で変える訳にはいかない。やるとすれば市立高校をつくるべきである。財源は北部の土地の売却益」

山本美和氏 どちらでもない
「新設する、しないだけの問題ではなく、県立高校改革プランの見直しが必要であると共に、通学手段の課題解決も重要」

鈴木将氏
「通学可能な県立高校の定数適正配置のため、一刻も早い学級増設による募集定員増の実施を進め、更なる人口(生徒)増の推移を見据えながら環境を創出していく」

山中たい子氏 賛成
「TX開発では8万人の人口増加。県立高校は街づくりです。市内の子供の6人に1人しか市内の高校に入れないのは異常です」

星田弘司氏 どちらでもない
「県立高校がつくば市内に建設されることが望まれますが、短期的には難しい。まずは、つくばから通学可能な高校の募集定員増加が必要と考えます」

つくば洞峰公園問題をめぐる対立と分断 《吾妻カガミ》146

47
つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】つくば市にある茨城県営洞峰公園の運営方法をめぐり、県と市が対立、市民の間には分断が生じています。本欄ではこの問題を何度か取り上げてきましたが、今回は対立と分断の起因を整理して、県と市、市民が納得できる策を探ってみます。

維持管理費をどう捻出するか?

県の考え方は、▽園内にグランピングなどのレジャー施設を設けたい、▽その目的は、公園の維持管理費の一部を施設運営会社の収益で捻出することにある、▽同時に、新しい施設は県の観光振興策にも合致し、県の魅力度向上に寄与する、▽新施設を迷惑に思う利用者に配慮し、レジャー施設には利用ルールを設ける―と要約できます。

この計画に対し、公園の日常的利用者が、▽園内にレジャー施設ができると、自然公園の形が壊れる、▽そのような施設は公園になじまないので、公園の現状を変えないでほしい―と反対。市は日常的利用者の側に立ち、▽県の改修計画には賛成できない、▽維持管理費は、公園運営の民間委託でなく、体育館などの利用料引き上げで捻出したらよい―と主張。

要するに、公園運営に民間の知恵を導入し、県財政から出る維持管理費を浮かせ、公園にキャンプなどを楽しむ場としての役割も持たせたいとする県と、今の公園の形は変えず、維持管理費は県財政ではなく、施設利用者に負担させたらよいとする市の対立です。

市長対案を県知事は明確に拒否

複雑なのは、つくば市民は一つにまとまっておらず、県の改修計画に賛成する市民と反対する市民がいることです。県の調査では、賛成市民39%、反対市民27%でした。市民の間に分断が生じているわけです。賛成したのは洞峰公園をあまり利用していない市民、反対したのは日常的に使っている市民と推測されます。ちなみに、県民の賛成は50%(反対は27%)でした。

上のような市民と県民の世論を踏まえ、大井川知事は記者会見で、つくば市の対案(施設利用料値上げ)を明確に拒否。計画の基本(民間委託によるレジャー施設設置と維持管理費捻出)は変えない方針を打ち出しました。

その発言は、▽利用料値上げ案は施設利用者の負担を重くさせ、バランスに欠ける、▽民間委託で運営費用をまかなう県の計画は変えず、近く必要な手続きを開始する、▽県が実施した調査では、県民はもちろん、つくば市民も改修に賛成する人が多かった、▽公園をつくば市に無償で移管するという選択肢もあり、そうすれば市の考え方で運営できる―と整理できます。

徹底抗戦/市民説得/市営移管

日常的利用者に押されて対案を用意し、それを県に示した五十嵐市長は、知事の拒否に遭い、対応を迫られています。市長の選択肢は、▽27%の反対市民を背にして反対運動を展開する、▽39%の賛成市民の意を汲(く)んで県案を呑(の)むよう反対市民を説得する、▽知事が用意した対案(市営に移管→市が自由に運営)に乗る―に絞られます。

本欄では、知事と市長の思考癖を踏まえ、この案件は迷走すると予想。市は「公園を買い取ったら」と提案しました。反対市民を説得できないのなら、運営方法をめぐる県との対立の深刻化を避けるために、市に譲ってもらうのが賢い策でしょう。(経済ジャーナリスト)

<参考> 洞峰公園問題記事と関連コラム

▽記事「…大井川知事…利用料金値上げを否定」(11月20日掲載

▽記事「…利用料値上げを …市長、県に要望…」(11月2日掲載

▽記事「…年明けにも手続き開始…知事 市管理なら無償譲渡」(12月2日掲載

▽144「…洞峰公園問題…県と市の考えが対立」(11月7日掲載

▽139「上り坂の市と下り坂の県のおはなし」(8月15日掲載

▽134「県営の洞峰公園、つくば市が買い取ったら?」(6月6日掲載

列車内の無線Wi-Fiサービス 23日で終了 TX

0
つくばエクスプレス

つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、柚木紘一社長)は、列車内での無線Wi-Fiサービスを23日で終了する予定だと発表した。駅構内での無料Wi-Fiサービスは継続する。NTTドコモのd Wi-Fiサービスの終了に伴うものという。

TXは、駅構内や改札付近だけでなく、列車内でも無料通信が利用できる体制を開業当初から早期に整えた先駆的な公共交通だ。列車内の無線Wi-Fiは、通勤ラッシュ時などは接続しにくくなっていた時もあるなど、利用者は少なくないとみられる。個人の端末通信を使用すればスマートフォンやパソコン通信は引き続き利用できる。

同社によると、これまで列車内では2つの無料Wi-Fiが提供されていた。エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(東京都千代田区)が運営し、TXの利用者全員を対象として提供されていたTX Free Wi-Fi(ティーエックスフリーワイファイ)と、NTTドコモ(東京都千代田区)が運営し、同社のdポイントクラブの会員向けに無料で提供されていたd Wi-Fi(ディーワイファイ)だ。どちらも23日に終了し、列車内での無料Wi-Fiの提供は無くなる。

同社は「d WiFiを提供するNTTドコモから、d Wi-Fiサービスの終了に伴って、つくばエクスプレスでも運営を終了したいとの申し出があった。それを受けて、TX FREE Wi-Fiも同時に終了することが決まった」と経緯を説明する。

一方、構内のWi-Fiサービスの提供は継続される。列車内と同じく、駅構内で提供されている無料Wi-Fiサービスは、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォームの運営するTX Free Wi-Fiと、NTTドコモが提供するd Wi-Fiの2つがある。23日にNTTドコモのd Wi-Fiは終了するが、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォームのTX Free Wi-Fiは継続される。

TXのこれまでの利用者数累計や、サービスの維持管理にかかるコストについては非公表となっているが、TX Free Wi-Fiは通勤ラッシュの時間帯などに接続がしにくくなるなど、利用者は少なくなかったとみられる。今後の見通しとして首都圏新都市鉄道は「列車内における無料Wi-Fiサービス提供を今後なんらかの形で再開する予定は現時点ではない。駅構内のTX Free Wi-Fiは、今後も継続の見通し」としている。

鉄道の無料Wi-Fi 相次ぎ終了

今年6月には東京地下鉄が東京メトロのWi-Fiサービスを一部終了している。TXと同様に、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォームの運営するMetro_Free Wi-Fiと、NTTドコモが提供するd Wi-Fiの提供が、契約期間満了によって終了している。東武鉄道でも今年、一部無料Wi-Fiサービスが終了したなど、鉄道の無料Wi-Fi終了が相次いでいる。

理由について、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォームは「国内の鉄道事業で無料Wi-Fiサービスが相次いで終了している背景は3つある。1つ目は、訪日外国人観光客の利用を想定し、東京オリンピックの開催などに合わせて広がってきたが、コロナ禍でそうした外国人観光客の利用が著しく減っていること。2つ目は、コロナ禍の鉄道利用者数の減少に伴って、鉄道会社は収益性が低下し、コストカットを強いられていること。3つ目は、国内の『5G』に代表される高速通信サービスの進歩と『格安シム』と呼ばれるような安価なサービスの登場によって個々人の端末の通信は高速化し、Wi-Fiサービスそのものの需要が少なくなりつつあること。こうした背景から無料Wi-Fiサービスの提供を終了する企業が増えてきている」としている。(山口和紀)