つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)について、1月31日に行われた大井川和彦知事の定例記者会見を受けて、五十嵐立青つくば市長は同日夕方、ツイッターで「現在市として県から無償譲渡を受ける方向で前向きに調整している」などと発信した。
ツイッターはさらに「維持管理の詳細等もう少し詰めていく内容があるが、これまで県が適切に管理し魅力的な環境を維持してくれて今の洞峰公園があり、今回も県の関係者に様々なご配慮をいただいている。その環境をいい形で引き継げればと考えている」などとしている。
市公園・施設課によると、県から無償譲渡を受けるか否かの回答については、30日に電話で、市担当者が県担当者に「無償譲渡を受ける方向で検討していきたい」などと回答したという。同課は「県が求める正式な回答が文書での回答なのか分からないが、30日の電話での回答が(回答期限内の)市の回答だと思っている」などとし、「議会や市民に説明をしないと正式な回答は出せないと思う」としている。
無償譲渡を受ける時期がいつになるかは未定で、正式に決まっていない中、新年度予算案に市が同公園の維持管理費を計上することはないとしている。
無償譲渡は、公園内の野球場にグランピング施設とバーベキュー施設を建設するパークPFI事業者の計画に対し、五十嵐市長が昨年11月、計画撤回と利用料値上げを県に要望。それに対し大井川知事が12月「つくば市が自ら公園を管理するのであれば、県としては洞峰公園を無償で市に移管したい」と発言し、つくば市が「選択肢の一つ」だとして検討していた。
洞峰公園の維持管理費は年間約1億8000万円という。温水プールやアリーナがある体育館の大規模修繕については県が2017年度から27年度までの計画で現在修繕を実施中で、費用は総額8億6100万円。県は23年度から27年度までにあと3億5600万円かかると発表している。
体育館は築43年。28年度以降さらにどれくらいの修繕費がかかるかについて市は「分からないことは随時、県に確認している」などとしている。
公園内の筑波新都市記念館と体育館は著名建築家の故・大高正人が設計した。つくばの名建築の一つで、記念館は1976年、体育館は1980年に竣工した。
県、事前協議へ準備
【1日午後3時55分・追加】一方、県公園緑地課は1日、つくば市に求めているのは正式な回答だとし、1月31日までにつくば市から(文書による)正式な回答が無かったので、公園内の野球場にグランピング施設を建設する建築基準法の手続きのための事前協議の準備に入るとした。(鈴木宏子)