木曜日, 1月 1, 2026
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県と市町村の連携による動物愛護《 晴狗雨dog せいこううどく 》6

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【コラム・鶴田真子美】迷子犬、徘徊(はいかい)犬、捨てられた子猫、野良犬が産んだ子犬たち。茨城県動物指導センター(笠間市)には多数の犬猫が、水戸市を除く全県から収容されてきます。市町村の窓口を経て回収されてくるもの、警察からの依頼によるもの、指導センターが依頼を受けて直接捕獲をした野犬など、様々です。

収容犬猫情報は、指導センターのホームページで毎日更新されています。収容のない日もありますが、1日の頭数が7頭になる日もあります。2022年3月の「飼い主死亡による犬18頭収容」や、7月の「飼い主逮捕勾留による犬42頭収容」など、多頭飼育崩壊が続けば、一気に頭数が増えます。12月には、犬だけで160頭を超えました。

指導センターでは、未去勢の犬たちが大部屋に詰め込まれ、小競り合い、餌の奪い合い、強い犬の弱い犬いじめなどが起こります。

2019年6月には、パルボウイルスによる伝染性疾患のまん延(21年5月24日付25日付)を理由に、指導センターが閉鎖されても、周辺市町村から犬猫が運び込まれました。指導センターに運べば引き取ってもらえる、という認識なのでしょうか。

「今、センターに入れてはダメですよ」

2022年夏、子猫の授乳室にパルボが出て、ワクチン未接種の子猫が命を落としました。そのときも、市町村は指導センターに子猫を運び込みました。私は、小美玉市の公用車に子猫を乗せて来た公務員さんを呼び止め、こう言いました。

「その子を、今、センターに入れてはダメですよ。パルボが出ているから、センターに入れると死んでしまいます。自分たちの町の動物は自分たちで解決する時代です。頑張る自治体は里親会を開き、飼い主に返還する努力をしていますよ」

公務員さんは、パルボが出ているのも知らされていませんでした。施設内での感染症の有無は、犬猫の命と健康を守るために重要な情報であるのに、県と市町村で共有されていなかったのは残念です。

県の動物愛護管理推進計画は、県と市町村の連携をうたっています。2019年の法改正では、市町村に動物愛護管理担当職員を置くよう努めることを求め、市町村による協議会設置や条例制定の際には、県は技術的な協力をすることになりました。動物行政は県だけではなく、市町村の取り組みも期待されています。(犬猫保護活動家)

➡鶴田真子美さんの過去のコラムはこちら

安全保障戦略の転換と新年度予算案 《雑記録》43

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【コラム・瀧田薫】昨年12月16日、政府は「国家安全保障戦略」を閣議決定し、同24日、防衛費の大幅増を含む来年度当初予算案を閣議決定した。これは戦後日本の安全保障政策の大転換であり、憲法9条に基づく「平和国家」と「専守防衛」の国是を揺るがすものだ。

記者会見で「唐突な決定ではないか」との質問に対して、岸田首相は「国家安全保障会議(NSC)や有識者会議で意見を聞いたし、与党のプロセスも経ているので、問題はない」と答えている。国民への説明は後回しということであろう。

さて、新聞各紙はどのように報じたろうか。社説を比較読みして、以下に見出しを列記してみた(「」内が見出し、・印が小見出し)。各紙の主張、その概略を把握できると思う。

▽茨城「信問うべき平和国家の進路」

▽毎日「国民的議論なき大転換」・揺らぐ専守防衛・緊張緩和する外交こそ

▽朝日「平和構築欠く力への傾斜」・反撃でも日米一体化・中国にどう向き合う・説明と同意なきまま

▽読売「国力を結集し防衛体制固めよ」・反撃能力で抑止効果を高めたい・硬直的な予算を改めた・サイバー対策が急務・将来の財源は決着せず

▽日経「防衛力強化の効率的実行と説明を」・戦後安保の歴史的転換・安定財源確保進めよ

▽産経「平和守る歴史的大転換・安定財源確保し抑止力高めよ」・行動した首相評価する・国民は改革の後押しを

国会熟議と国民説明が必要

茨城、毎日、朝日の3紙は批判的論調、読売、日経、産経の3紙は肯定的論調と、ほぼ予想通り。防衛予算についても同様の論調であった。意外だったのは、安保戦略の歴史的転換を扱っているにしては、各紙とも抑えた書き方をしている、そんな印象を受けたことだ。その分、今回は軍事や外交の専門家の発言が目立った。その中からいくつか拾い出してみよう。

香田洋二氏(元海上自衛隊自衛艦隊司令官)は、大幅増となった防衛予算について現場サイドによる検討がなされた形跡がないとし、予算の無駄は本当に必要な防衛力とトレードオフの関係にあるとして、予算の中身に深刻な懸念を表明している。(朝日、12月23日付)

田中均氏(元外務審議官)は、防衛予算の拡充も必要だが、それ以上に経済、技術、エネルギーなどの国力を強化すべきだといい、さらに外交とインテリジェンス(情報の収集と分析)の役割の大きさを強調した。

藤原帰一氏(東大名誉教授・国際政治論)は、新安保戦略の本質を「日米同盟のNATO化」であると喝破した。その上で、抑止力に頼るだけの対外政策は戦争のリスクを高めるとし、外交による緊張緩和の努力が欠かせないとした。岸田政権は抑止力強化には熱心だが、外交努力が足りず、そこが危ういと藤原氏はいう。

ともかく、安全保障について次の通常国会で熟議を重ね、国民に十分に説明しなければならない。国会議員自ら超党派で勉強会を開き、専門家の知恵を借りるなどすればと思うのだが、現状の国会では無理だろう。安全保障環境を整えるための最優先課題は、「この国の国会と国連それぞれの待ったなしの改革だ」と考える国民は少なくないはずである。(茨城キリスト教大学名誉教授)

今村ことよさん 夏にワイナリーをオープン 筑波山麓

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夏の完成を目指し工事が始まったワイナリー前で、今村さん=つくば市臼井

市内4カ所目、ツアーも準備

筑波山南麓のつくば市臼井(六所)で、ワイン用のブドウ畑(ヴィンヤーズ)を手掛けてきたビーズニーズヴィンヤーズ(つくば市神郡、今村ことよ代表)が今夏、ワイナリー(醸造所)をオープンさせる。市内4カ所目になる。

「ワイナリー設立はさらに良い品質のワインを作るための新たなスタート地点。訪れるお客様に、隣接するブドウ畑を見ながらワインを味わってもらうための場所として、ワイナリーツアーなどの準備をしっかりとやりたい」と今村さんは今年の抱負を語る。

約600平方メートルの敷地に、建築面積約150平方メートルのワイナリーを建設、販売所も併設する。これまで醸造は牛久市の「麦と葡萄牛久醸造場」で行っていたが、完成後は、栽培から醸造、販売までを一手に行う。

ワイン畑で作業をする今村ことよさん(今村さん提供)

今村さんは守谷市出身。筑波大学で生物学を学び、2001年に博士号を取得した。第一三共(東京)の研究・開発部門を経て、13年に退職し、ワイン農家を目指した。長野県東御(とうみ)市のワイナリーに研修生として入り、栽培や醸造法を学んで、2年後の15年、つくば市臼井に農地を借りてブドウ栽培に着手した。

研究者時代からワインスクールに通った学究肌。筑波山から沢が流れる山麓の土壌は、花崗岩(かこうがん)のミネラルを豊富に含み、ワインに好適のブドウが出来そうだと目を付けた。ただし県南は気候がブドウにとって暑過ぎる。栽培可能な品種を選び、筑波山の風土に合ったワインを醸したい、と考えている。

つくば市が「つくばワイン・フルーツ酒特区」に認定された17年、初出荷を行ったが、自前で醸造が出来ず、「つくばワイン」を名乗ることができなかった。21年に法人となり、22年事業再構築補助金の採択を受け、ワイナリー建設に踏み切った。

ワイナリーが出来ることにより、醸造から瓶詰め、販売までの作業の流れがスムーズになり、さらに購入者との交流機会が増えると考えている。

現在ブドウ畑は沼田と臼井にあり、白ブドウのシャルドネ、セミヨン、ヴィオニエ、ヴェルデーリョと、黒ブドウのシラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド、タナなど多品種を栽培している。ほとんどは一人で管理しているが、収穫時などには仲間やSNSで興味を持ってくれた人たちが駆け付ける。

つくば市臼井のブドウ畑(同)

臼井地区に住んで7年になり、地域に溶け込み、草刈りや排水機場の清掃、芝焼きなど、地域のボランティア活動にも積極的に参加している。地域住民は「耕作放棄地がブドウ畑になって景色が良くなった、六所地区はNPO団体が多く活動する。地域は高齢化が進み過疎化が進む一方だが、一筋の光が見えてきたような気がする」と話す。

市内のワイナリーは、つくばワイナリー(北条、19年9月17日付)、つくばヴィンヤード(栗原、20年10月16日、平沢・漆所地区にヴィンヤーズをもつル・ボワ・ダジュール(上横場)の3カ所がある。(榎田智司)

➡ワインに関する過去記事はこちら

➡今村ことよさんに関する過去記事はこちら

お泊りは輪泊で《ポタリング日記》11

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客室壁面には自転車のディプレイが可能

【コラム・入沢弘子】目が覚めたら、愛車BROMOTON(ブロンプトン)がこちらを向いている。窓をのぞくと、真下を通過する常磐線。そうでした、昨夜は、自転車と一緒の部屋で過ごせる、JR土浦駅の星野リゾートBEB5土浦に泊まったのでした。

2020年秋、「ハマる輪泊」をキャッチフレーズに開業した同ホテル。自転車を部屋に持ち込んで宿泊することが可能です。開業当初から興味があったのですが、近いだけに泊まる機会がありませんでした。今回は、全国旅行支援適用期間ということもあり、自転車でポタリングして宿泊することにしたのです。

つくば市の自宅からは7キロ。いつも使う慣れた道を通ること20分。土浦市立図書館で本を借り、自転車を押したまま、駅ビルのプレイアトレ土浦のカフェに行き、コーヒーを片手に数ページ読む、というところまでは日常的なこと。今日は、その後にホテルのロビーへ。非日常の始まりです。

チェックインカウンターでの手続き後は、自転車を押したまま部屋に入ります。早速、壁のサイクルラックに自転車をディスプレイ。間接照明だけを点灯し、暗闇に浮かび上がる愛車の姿を堪能します。

掛け時計はチェーンホイールを組み合わせたデザイン。棚に設置されている自転車関連の本や、つくば霞ケ浦りんりんロードのマップを参考のために眺めてみます。かすかに聞こえる列車の警報音。ロールスクリーンを上げると、ホームにいる人と目が合いビックリ。線路が近いことを感じない静かな部屋で、行き交う人や電車を眺めているうち、夜のとばりが降りてきました。

壁にディスプレイした自転車を眺める

空腹を感じロビーに向かいます。このホテルはルームサービスがありませんが、24時間、カウンターで飲み物とスナック類を販売しています。落ち着いた照明のロビーにはテーブルやこたつ、本棚に隠れるように配置されたソファなどがあり、ちょっとした隠れ家のよう。

パブリックスペースでくつろぐ

常陸野ネストビールと、土浦特産のレンコンを使用したスナックを注文。ワインを飲みながら、こたつでボードゲームに興じる女性グループ。ミキサー付き自転車をこいで、スムージーを作る家族連れ。この開放的でくつろいだ雰囲気は、グランピングのパブリックスペースに似ています。

部屋に戻り、今度はガラス張りの浴室でバスタブのお湯に浸りながら、壁にディスプレイした自転車を眺めます。明日はどこをポタリングしようか。この場所からは、つくば霞ケ浦りんりんロードで、霞ケ浦にも筑波山方面にも行くことが可能。常磐線で輪行した先を回るのもいいな。

でも、土浦市内の食べ歩きやお土産買い歩きも魅力的。あれこれ思いを巡らせ、ポタリング気分が盛り上がった一夜でした。(広報コンサルタント)

土浦で回遊型まちなか演劇企画 10月開催に向け始動

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つち浦々まちなか演劇めぐり実行委員会の(左から)工藤祐治さん、久保庭尚子委員長、仲谷智邦さん=土浦市中央、亀城公園のお堀前で

2023年、土浦を演劇のまちに—と旗揚げしたグループがある。「つち浦々まちなか演劇めぐり実行委員会」(久保庭尚子委員長)だ。これまでに市内の店舗や社寺など8つの会場の協力を取り付け、劇団や演者9団体などの参加を得て、土浦初の回遊型演劇イベントを10月28、29日開催することを目指す。5日からは、会場の提供ができる企業・店舗と、演劇公演に参加できる個人・グループの新規募集に乗り出す。

グループは、同市真鍋の小劇場「百景社アトリエ」などで公演を重ねてきた演劇関係者が中心となり昨年7月、市民が身近に舞台芸術を楽しむ機会を広げようと立ち上げた。

舞台芸術の魅力とともに、地域の魅力を再発見し、まちや地域文化を活性化することを目指しており、同市中央で「城藤茶店」を経営するコンサルタントの地立堂、工藤祐治さん(54)が地域側のとりまとめを担った。「最初は街頭演劇も考えたが、参加団体との調整を図るなか、今回は公演会場を確保して行うことになった。初めてのことで第2回があるかどうかも含め手探りで進めている」

コロナ禍で危機意識、演劇の可能性探る

これまでに演劇しょく堂(仲谷智邦代表)、劇団ルート6(福田琢哉代表)など、全9団体の参加が決まっている。委員長を務める久保庭尚子さん(61)は、フリーの俳優、演出家。水戸芸術館の開館時に創設された劇団ACMの1期メンバーで、現在はかすみがうら市に居住し、「城藤茶店」で朗読会を開くなど、土浦での活動を積み重ねてきた。「コロナ禍以降、演劇は難しい状況に置かれている」と危機感を募らせている。

舞台関係者など多くの人間が関わるため、一人でも感染者が出ると直前でも公演を中止にせざるを得ない。劇場は密な場所だし、演者同士がマスクを外さずに行う稽古などにも限界があった。だから「場を作っていくことの大事さを感じている。一個人、一団体だけはできないことをまちの人と結びつくことで演劇の可能性としたい」と語る。

演劇しょく堂は、コロナ禍の危機意識の中、生まれた公演形式をとる。「飲食店や映画館に行くように、誰にでも気軽に来てメニューや演目を楽しんでもらいたい」がコンセプト。複数の演者・グループが相次いで舞台に立つオムニバス形式をとる。感染拡大の影響を最小限に食い止められるスタイルという。

百景社アトリエが公演運営のバックアップに入る。会期中の共通チケット3000円(500円チケット6枚綴り、1公演500円〜2500円、税込み)、延べ500人の入場者を見込んでいる。

5日から会場、劇団を追加募集

これら公演団体を受け入れる会場は、福来軒(中央1丁目)、前野呉服店(中央2丁目)、高翁寺(中央2丁目)、東光寺(大手町)などが内定している。実行委員会ではさらに2カ所程度拡大したい意向で、5日から公募に乗り出す。おおよそ土浦駅前から真鍋3丁目の範囲のまちなかが対象で、約20人以上の観客を収容でき、開催期間(時間限定可)に貸し切りが可能なスペース。会場費は原則無料となる。募集期間は2月1日まで、2月中に仮決定し、劇団と調整し3月末に本決定となる。

同時期、公演を行う劇団・アーティスト2団体もプロ・アマ問わず募集する。開催期間に1、2回の公演を行うのが条件で、制作費用は応募団体の負担となる。応募企画の入場料収入は、会場使用やチケットにかかわる経費を除き、応募団体の収入になる予定だ。(相澤冬樹)

◆会場店舗の募集に関する問い合わせは、地立堂・城藤茶店(電話029-895-0283、メールuraura-engeki@chiryudo.com、工藤さん)、公演劇団の募集に関する問い合わせは百景社アトリエ(電話029-896-3099、メールknegishi18@gmail.com、根岸さん)まで。

新年おめでとうございます 《吾妻カガミ》148

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【コラム・坂本栄】物騒な世の中になりました。戦争は政治の手段という古典的な考え方が大手を振って登場。また、軍事と経済が連動する時代になりました。戦後日本の政治・経済・軍事の常識は非常識になってしまったようです。/NPO法人「NEWSつくば」は昨年10月、発足から5年を迎えました。地域の有力法人の支援も得て、自らのサイトとニュース・プラットフォーム経由で地域情報を発信しています。

上のパラグラフは年賀ハガキからの転載です。スタートから6年目に入った本サイトを、今年もよろしくお願い申し上げます。以下、賀状を少し補足します。

政治の延長で戦争をする時代

戦争は政治の手段…は、ドイツの軍学者クラウゼヴィッツ(1780~1831)の名言「戦争とは異なる手段を持って継続される政治に他ならない」を言い換えたものです。ウクライナに対するプーチンさんの振る舞いを見て、彼の頭の中は19世紀の状態であることを痛感しました。私たちの戦争に対する否定的な考え方はナイーブに過ぎ、政治指導者は自分の都合で戦争を始めると考えておいた方がよいのかもしれません。

20世紀半ば以降、私たちは自由貿易の恩恵を受け、そのシステムを広げてきました。ところが、経済と軍事がセットになった強国を志向する習さんに、米欧日が敏感に反応、戦後の貿易システムは壊れつつあります。半導体など多くの商品が輸出入規制の対象になり、日本にとって好ましい国際経済のシステムは過去のものになりました。

この77年間、私たちの常識であったことが、崩れつつあるようです。私たちは20世紀前半に引き戻され、政治の延長上の戦争が常態化し、経済が窮屈な思いをする時代に突入したのでしょうか。

地域メディアの新モデル模索

NEWSつくばは、新しい地域メディアのモデルを模索してきました。税金で運営される自治体の監視、解決が求められる地域問題の提起、地域のイベントやそこで活躍する方々の紹介―などの記事は新聞と同じですが、既存メディアとの大きな違いは「ネットで発信する非営利法人」であるということです。

新聞・ラジオ・テレビなどのメディアは、購読(視聴)料や広告料などで運営されています。これに対しNEWSつくばは、個人や法人の小口支援、法人の大口支援によって運営されています。経費の多くは有力法人の支援でまかなわれており、現在、十数社の支援を得ています。地域メディアの必要性に理解がある、これら法人の識見に深く感謝しております。

昨年12月、紙メディア時代の終わりを示唆する事件がありました。県南で配布されてきた有力フリー・ペーパーが休刊になったことです。また、新聞やテレビは、紙や電波だけでなく、ネットを使った発信に経営資源を振り向けています。大観すると、メディアの主流はネットに移りつつあり、私たちの試みもその流れに沿ったものです。

冒頭、ニュース・プラットフォームに触れましたが、私たちは、Googleニュース、Yahoo!ニュースなどのプラットフォーム(大手発信サイト)に記事を提供しています。つくば・土浦地域のニュースを、できるだけ多くの方々に読んでもらいたいと思っているからです。伝達範囲に制約のある紙メディアに比べ、全国津々浦々に届くネットメディアは、この点、圧倒的に有利といえます。(経済ジャーナリスト、NEWSつくば理事長)

人出戻る予想で新年準備 筑波山神社の初日の出・初詣

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参拝客を迎える随神門も年末年始の装い。謹賀新年の文字と茅の輪くぐりが見える=筑波山神社

筑波山神社(つくば市筑波、上野貞茂宮司)が、初日の出や初詣を迎える準備に忙しい。行動制限がなくなった年末年始、神社はコロナ禍前の人出が戻ってくるだろうと予想している。過去の実績から、その数、21万人から22万人と見積もられる。

神社本殿のある筑波山頂は1日、ご来光を拝む人出で早朝からごったがえす。登山客を運ぶ筑波観光鉄道(つくば市筑波)によれば、山頂からは関東でも最速の午前6時44分ごろに、鹿島灘から昇る初日の出が見られる。これに合わせ同社は、ケーブルカーもロープウェイも午前4時30分から早朝運行する。

筑波山神社の新年祭礼は、4月と11月の御座替(おざがわり)祭とともに重要な年中行事。1月1日は元旦祭、1月3日は元始(げんし)祭といって、物事のはじめの神事が行われる。神社では例年通り、神職、巫女(みこ)さん、氏子たち総出で準備を進めてきた。おみくじや破魔矢(はまや)、熊手、鏑矢(かぶらや)などの販売、お焚き上げのしたくも調えてきた。

お焚き上げ会場も調えられた

混雑は必至、安全最優先で

行動制限は緩和されても、コロナ対策から拝殿への人数制限などは今も続く。祈祷のため拝殿に一度に入れる人数は、2020年以降1人限定だったが、23年は10人になる予定。拝殿前の一般参拝は「密」にならぬよう1列8人で誘導、その分賽銭(さいせん)箱の幅を広げて対応するそう。手水舎(ちょうずや)では柄杓(ひしゃく)を使わないなどの対策は継続される。

権禰宜を務める八木下健司さん

筑波山神社権禰宜(ごんねぎ)の八木下健司さん(59)は「一度に人が訪れると事故が起きる危険がある。特に階段が続くので、注意が必要。韓国で起きた事故を思い起こし怪我がないように万全を期したい」と語る。

大祓(おおはらい)のある大みそかの夜から三が日にかけては、県道42号(笠間つくば線)や神社付近の駐車場の混雑が予想される。駐車場は市営が4カ所約450台分あり、民間の観光施設などが用意されているとはいえ、早々に満車となり、登り口から神社まで車がつながる可能性がある。行動制限がなくなった分、さらなる混雑は必至と見られる。(榎田智司)

眼がいいということ 《写真だいすき》15

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忘れられたような古い虚空蔵堂に、小さな絵馬が貼ってある。いつ誰が、何を願って掲げたのか、思いを馳せると、写真はグッと面白くなる。撮影筆者

【コラム・オダギ秀】写真を見ていて、よく、いい眼(め)をしているなどと評することがあります。眼がいいということは、視力のことを言っているのではありません。被写体、つまりカメラを向ける事物を、どれだけ深く見ているか、ということなのです。

たとえば、枯れた木が生えているなら、木をそのまま見るなら、眼をこすったりメガネをかけたりすればいいのです。でも、写真を撮るには、枯れた木に何を見るか、が大切なのです。季節の移ろいを感じたり、移ろうことの楽しさやはかなさを感じたり、なぜその木が植えられているのかなど見抜けば、写真はさらに面白く、深みあるものになります。

葉が枯れる季節なのに生き生きとしているから大切にされている木なのだろうとか、それなのに今はなぜ邪魔にされているのかとか、どんな思い出がある枝なのだろうとか、木を巡る様々なことが見えてきます。それが、いい眼で見るということなのです。問題はそれから。そのように見たことを、いかに写真で表現するか。そこが、写真の苦しいところであり、楽しいところなのです。だから写真の世界は、奥が深く、素晴らしい世界なのです。

被写体つまり世の中の事物には、眼に見えるものも多いのですが、それだけではありません。匂いや音や温度や、周りの空気や季節、時の流れ、その事物に向かっているあるいは向かっていた人の思い、気持ち、美意識、愛情、うれしさ、悲しさ、悔しさ、憎しみ、寂しさや後悔など、さまざまな眼に見えない背景や周辺も、一緒に存在し、漂っているのです。

それらは、たんに、「きれい」とか「いい」と、ひとくくりにはとても出来ません。面白い写真とか、いい写真とか、中身がある写真というのは、写真にそのようなふくらみがあるかどうかを云々していることが多いのです。もちろん、写真の善し悪しや価値は、それだけではないのですが、そのような価値観や尺度で写真を見ることもあるということなのです。

そこに、写真を撮る難しさや、むしろ楽しさ面白さがあると思います。写真でそれらを表現するということは、写真撮影の感性であったり技術であったり、それこそ眼であったり、なのです。美しいとかかわいとか、それだけでもいいのですが、それをどう表現したら、写真として魅力的になるかは、言葉では単純に言い表せません。

よく、こんな写真はどうやって撮るのですか、というような質問を受けます。その気持ちはわかるのですが、ジェット機の操縦の仕方を教えてください、と言われているようで、戸惑ってしまいます。一言では言い表すことが難しいことなのです。どう説明したらわかってもらえるでしょうか。

被写体の様々なものを感じ取る

たとえば花と向き合う。単純に、きれい、で片付けるのは簡単です。何がきれいなのか、色なのか形なのか、花びらの柔らかさなのか、みずみずしさなのか。ああこんな花が咲く季節になったのだ、といううれしさが、きれいという言葉に発露したのかもしれません。その感じたものを表現するテクニックは、単純なものではありません。

古い建物がある。いいなと思う。何がいいと思ったのか。今の時代にはないデザインの美しさなのか、昔の大工職人の仕事ぶりに感心したのか、その家に住んでいる人の気持ちに共感するのか、陽の光の浴び方が美しいと思ったのか、その家の歴史がしのばれるのか、くすんだ建物の色が美しいと思うのか、流れる風に涼しさを感じたのか、影が美しいと思ったのか、などなど。

人を撮る時、その人の何に感じてシャッターを切るのでしょうか。美しい人と思ったのか。なぜ美しいと感じたのか。肌がきれいか、姿が整っているのか、髪がみずみずしいか、声や話し方がすてきか、付けている香りがいいのか、セクシーだからか、年取った髪がきれいなのか、しわが美しく見えるのか、それならそれはなぜか、まなざしがやさしいからか、光線がいいのか、何かくれるからか、昔交際していた人に似ているのか、高価そうな衣服を着ているからか、近所に住む人だからか、などなど、シャッターを切る理由は様々なのです。

そのような被写体の持つ様々なものを、感じ取り、カメラの眼で見つめ、写真として魅力あるものに表現することが、写真を撮るという意味になることがよくあるのです。難しいから、写真は楽しい世界なのでしょうか。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

災害の少ない茨城にも暗雲? 《ひょうたんの眼》55

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垣根のサザンカ

【コラム・高橋恵一】茨城県は、自然災害の少ない、生活しやすい地域です。火山も無く、台風や異常な豪雨も少ない。県南部は地震多発地帯ですが、震源地が深くて、地表面では新幹線の車内程度の震度にしかなりません。

ところで、先のG7で岸田首相は、日本の防衛力を抜本的に強化すると宣言し、続いて安倍元首相が防衛費をGDPの2%にするよう指示しました。議論の積み上げもないまま、たった2人の発言で、日本の安全保障政策の大転換と赤字財政の超拡大が決められようとしているのです。理由は日本周辺に軍事上の危険が差し迫っているとして、日本の敵基地攻撃能力をはじめ、防衛能力を強化するためです。

敵基地攻撃能力とは、敵のミサイル攻撃を防ぐには、発射されてからでは遅いので、敵が発射に着手したら攻撃するというのです。西部劇映画のジョンウェインのように、相手が銃に手を掛けてから、早業で相手を撃ち殺すというのです。

実際には、日本が敵の発射着手を感知してから日本のミサイルを発射したとしても、敵基地の破壊には間に合わないのではないのでしょうか? 先制攻撃をしない限り、防げないことになります。しかも、「敵」にしてみれば、自分が発射しないうちに、日本が攻撃するわけですから、「敵」も敵基地攻撃能力を有し、使用する権利を行使できる理屈になります。

今回の、防衛力整備構想では、南西諸島の与那国、石垣、宮古の各島に自衛隊基地を整備し、反撃ミサイルを発射できるようになり、「敵」からの攻撃目標にもなります。自然災害の少ない茨城県にも、首都防衛の百里基地や、我が国最重要の防衛装備品(武器)の補給処があります。当然、有事に臨んで「敵」の攻撃目標になります。

5年後には第3位の軍事費大国に

ところで、国の公にする政策や予算において、特定国を「敵」と指名してよいのでしょうか? 賢い外交政策とは思えません。軍拡へのプロパガンダでしょう。

計画の実効性や経費の妥当性など、国民に、十分な説明も無いままに、5年間で43兆円とする計画を政府決定し、大幅な防衛費の増額を含む来年度予算114兆円余が閣議決定されました。財源の32%は国債です。今までの日本の政治では、政府の当初予算案が国会審議で変更になることは無いから、このまま議決されるでしょう。

5年後には、世界で第3位の「軍事費大国」が、実現することになります。OECDの最下位レベル、30位前後の生活水準の日本なのに。戦後の日本は、日本国憲法の下、平和国家としての外交で国際社会に臨み、防衛費を極力抑えながら経済成長をして、世界の信頼も獲得してきました。

500年ほど前、茨城県の鹿島に、塚原卜伝という最強の剣豪がいました。卜伝は、跡継ぎを選ぶとき、屋敷の出口に待ち伏せをさせて、防ぎ方を試し、戦って打ち負かした者ではなく、危険を避けて別の出口を通った者を選びました。当初から戦わなければ、負けることも、被害を受けることも無いということです。

日本は、本来の平和外交を駆使して、我が国だけでなく、世界の安定平和に全力を尽くすべきです。危機をあおる動きの背後に、内外の軍事産業の動きが大きくなっていることの危惧を感じつつ。(地図好きの土浦人)

来年、138億年前の話をしよう 「小林・益川理論」50周年《土着通信部》54

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Belle II実験の検出器=2019年、つくばKEKで撮影

【コラム・相澤冬樹】年の瀬、編集企画の仕事をしていると、新年のテーマを探す作業も大詰めを迎える。年表の類を引っ張り出して、10周年とか50周年とか100周年とかのイベントを掘り起こすのだが、気づかなかった取りこぼしが師走も終わり近くになって、必ず出てくる。

つくばの高エネルギ-加速器研究機構(KEK)が22日にプレスリリ-スしたのは「小林・益川理論50周年記念講演会」、来年2月18 日に一橋講堂(東京・千代田区)で開催するとの告知だった。NEWSつくばでは取り上げにくいが、編集子の関わるサイエンス系雑誌の守備範囲には入ってくる。

プレスリリ-スによれば、2008年のノーベル物理学賞を共同受賞した小林誠KEK特別栄誉教授と故・益川敏英京都大学名誉教授の「小林・益川理論」が学術誌に掲載されたのは1973年2月1日。宇宙誕生のビッグバンのとき宇宙には電子のような「粒子」と、陽電子などの「反粒子」が同じだけ生まれたと考えられているが、今の宇宙には物質しかない、なぜ反粒子からできた反物質は見当たらないのか-という大きな謎に、この理論は深く関わる。

50年前、若手研究者だった両教授は、3世代(6種類)以上のクォーク(物質をつくる素粒子)が存在すればCP対称性が破れることを示し、新たなクォークの存在を予言した。CP対称性は、粒子と反粒子のふるまいが同じであることをいう物理学の用語。Cは荷電共役変換(粒子を反粒子へ反転する)、Pはパリティ変換(物理系の鏡像を作る)を意味する。変換によって見つかる、わずかな対称性の破れから、物質だけが残る宇宙がつくられた。

当時は3種類のクォークしか知られていなかったが、1974年にチャームクォーク、77年にボトムクォーク、95年にトップクォークが発見され、予言どおり3世代6種類の空欄が埋められた。さらにKEKのBelle(ベル)実験と米国のBaBar実験により、理論が実証されてノーベル賞につながった。

Belle実験は、つくばのKEKB(ケックビー)加速器とBelle測定器を用いて、B中間子(ボトムクォークかその反粒子を含む2種のクォーク対)におけるCP対称性の破れの検証を行った。この国際共同実験は2010年に終了し、プロジェクトは現在、スーパーKEKB加速器とBelle II検出器による実験に引き継がれている。

2月18日、東京開催で参加者募集中

ここまでの話についてこれたなら、2月の50周年記念講演会にも興味が向くだろう。2部構成で、第1部では理論提唱当時の様子を小林誠博士が講演する。ほかに、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)機構長でカリフォルニア工科大学フレッド・カブリ冠教授の大栗博司博士、山内正則KEK機構長の講演もある。第2部では、若い世代に向けて、3人の講演者と現場で活躍する研究者を交えてパネルディスカッションが行われる。

未来に向けての講演会ということだが、実は約138億年前のビッグバンにさかのぼる話でもある。50年間の風雪に耐えてきた理論、もう鬼に笑われることもあるまい。

参加は無料(先着順、定員250人)、現地参加のほかYouTubeライブ配信も予定されている。詳細はこちら、チケット申し込みはこちらから。(ブロガー)

「健康経営」を啓発普及へ 筑波銀行が損保、生保と連携協定

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連携協定を締結した(左から)損害保険ジャパンの荒井英一常務、筑波銀行の生田雅彦頭取、SOMPOひまわり生命保険の岩切健一常務=つくば市竹園、筑波銀行本部

従業員の健康管理を経営的な視点で考える新しい経営手法「健康経営」のノウハウを地域に広めようと、筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)と損害保険ジャパン(本社・東京都新宿区、白川儀一社長)、SOMPOひまわり生命保険(本社・新宿区、大場康弘社長)は27日、健康経営推進連携協定を締結した。

SONPOひまわりが開発した従業員向け健康管理アプリを、筑波銀行が取引先に紹介し無料で提供したり、同社が同行の顧客企業を対象に無料のセミナーを開くなどして、健康経営の普及促進や啓発に取り組む。健康経営について金融機関と損害保険会社や生命保険会社が協定を締結するのは全国で初めてという。

健康経営は、従業員の心身の健康維持や健康増進にかかる支出を、コストではなく前向きな投資ととらえる米国発の経営手法。少子化や高齢化により人手不足が深刻な問題となる中、従業員の健康問題を放置すると生産性の低下や医療費負担の増加、企業イメージの悪化などにつながると懸念されている。

一方、従業員の健康に配慮した経営をする企業には、従業員の活力向上や生産性向上がもたらされるとされていることなどから、経産省は2017年から、優良な健康経営を実践している企業を顕彰する健康経営優良法人認定制度を設けている。

筑波銀行の顧客に無料提供する健康管理アプリは、①従業員が毎年実施する健康診断結果をスマートフォンで撮影して6年後の健康リスクを予測し、各人に合った健康活動を提案する②健康診断結果を入力し5種類のがん発症リスクを判定して、各人に合った健康活動を提示する③認知症になるリスクを減らすため認知機能をチェックし認知機能を鍛える生活習慣を提案する-の3種類。無料アプリやセミナーを通して、まずは健康経営について知ってもらいたいとする。

生田頭取は「(筑波銀行が企業のSDGsの取り組みを応援するため)SDGs宣言書を交付している取引先企業約350社のうち8割が従業員の健康や働き方の課題を認識しているという調査があり、銀行としても健康経営をサポートしたい。SDGs宣言企業を健康経営までもっていって、雇用、離職防止、サスティナブル(持続可能)な経営をサポートできれば」と話す。

SONPOひまわりはほかに、有料の健康管理アプリを開発したり、経産省の健康経営優良法人認定に向けたアドバイスなども実施しており、必要な企業には紹介などするという。

日本財団つくば研跡地に新年5日開所 新型コロナ 県の臨時医療施設

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木造の移動式住宅15棟が設置された臨時の医療施設。開所に向け工事が続けられている

新型コロナ第8波の感染拡大に備えた茨城県による臨時の医療施設(12月2日付)が来年1月5日、つくば市南原、日本財団つくば研究所跡地に開所する。併設の発熱外来は来年1月10日開始予定。開所を前に27日、報道関係者に施設が公開された。

約5.7ヘクタールの敷地に、木造移動式住宅の病棟15棟(計200床)とナースステーション、事務局棟などを備える。24時間、医師2人が常駐するほか、日中は看護師、介護士、事務職員などが計70~80人、夜間は50~60人が常駐し、酸素投与や点滴治療が必要なコロナ患者や、介護が必要な高齢のコロナ患者に医療や介護を提供する。

医療従事者は27日までに全員確保でき、主に県外の首都圏から通勤してくるという。

各病棟は1棟当たり面積145平方メートルで、14床のベットが設置され、看護師が各棟に常駐する。ナースコール、バイタルモニターのほか、監視カメラなども設置され、入院患者の症状を見守る。

臨時の医療施設の病棟内=つくば市南原、日本財団つくば研究所跡地

病棟の移動式住宅はホテルなどとしても使用されている建物で、車いすでも利用できるようすべてバリアフリーになっている。各棟にはトイレ、シャワー室、洗面所が2つずつ設置されている。県感染症対策課の山口雅樹課長は「体育館などに設ける臨時の医療施設とは異なり、快適な療養環境になっている」と強調する。

各保健所や県の入院調整本部を通して、入院する。来院方法は、家族が送迎したり、民間の搬送車を利用する方法があるという。入院期間は発症から10日間で、各1週間程度になると見られる。入院中は食事が3食提供される。入院中、症状が悪化した場合は、コロナ対応病院に転送される場合もある。食事も含め入院に必要な費用はすべて無料。

発熱外来は10日から

一方、発熱外来は、自家用車に乗ったままドライブスルー方式で新型コロナとインフルエンザの両方のPCR検査ができる。県の特設サイトから予約すれば県民だれでも検査を受けることができ、1日300件程度を想定している。

第8波は、新型コロナとインフルエンザの同時流行により、第7波の2倍以上の1日最大1万9000人の新規感染者が県内で出ることが予想されていることから、年末年始の感染拡大を見据えて開所する。

開所期間は3月までの2カ月間程度。閉所後は施設を解体、撤去する。事業費は開所期間によって異なるが20~30億円程度と見込まれているという。(鈴木宏子)

室積とモンサンミッシェル 誘われる景色 《続・平熱日記》124

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【コラム・斉藤裕之】先日の授業中のできごと。「先生どこで育ったの?」って聞かれた。その子はモンサンミシェルの絵を描いていた。「山口。瀬戸内海で…」って答えた。すると、隣に座っていた子が「お父さん、山口県出身なんです」「へー、どこ?」「金魚の形をした島で…」「そりゃ周防大島でしょ」「そうそう…」。

奇遇というのか、同郷のご子息に出会うことがたまにある。話の流れから続けて、私は将来海のそばに住みたいという話をした。「室積(むろづみ)というところがあってさあ…」。山口県の東部、光市に「室積」という町がある。むろずみ、という響きも好きなのだが、ここは瀬戸内の潮流によって運ばれた砂で島が結ばれた陸繫砂洲(りくけいさす)といわれる地形で、美しい弓なりの砂浜がある。

すぐ近くの虹ケ浜という遠浅で大きな海水浴場は多くの人でにぎわっていたが、この室積はどちらかというとひっそりとしていて、私も幼い頃バスに乗って母と訪れた、室積海岸の断片的な景色をわずかに覚えている程度だ。

「その名前この前授業で習いました。むろずみ」。思いがけず生徒が繰り返した「むろずみ」という地名。「それ地理でしょ。陸繋砂嘴(さし)か砂洲で習ったんじゃない」「多分そうです…」「そういえばあなたが描いているモンサンミシェルも陸繋島だよ。島と陸が砂洲でつながって参道になっていて。むかし行ったことがあるんだ。ここは大きなオムレツが有名で…」

海のそばで暮らしてみたい

モンサンミシェルを建築設計図のように鉛筆で忠実に描いているその子は、初老の先生の話を嫌がらずに聞いてくれた。頭の中には、まだ小さかった長女を連れて訪れたモンサンミシェルのグレーの風景が流れていた。5月というのに寒かったノルマンディ。

「先生、何年かしたら室積に住むんですか?」「来年ぐらいかな!」「うそ、私たちが卒業するまではいてください…」「大丈夫、よくそういうこと言われるけど、そんなこと言って卒業までに一度だって美術室を訪ねてきた生徒はいないから。とりあえず、私のことはさっさと忘れていいから…」

昔から海のそばで暮らしてみたいという願望があった。朝、犬と一緒に砂浜を散歩する。窓から海の見える家。ところが現実はそれほどロマンチックではない。家はさびるし、洗濯物は塩っぽい。台風が来れば海は荒れるし、夏は暑い。買い物も大変だし…。それでも、故郷に帰るたびに海はいいと思う。

最近は暇なときにネットで検索する。「瀬戸内 住む 海沿い」。しかし、意外に思うような物件には出会わない。出会ったところで本気で移住するかと問われれば、いろいろと考えてしまう。今年生まれた男の子には「碧」「凪」「湊」という名前が多いという。人はいつか故郷に帰るということも聞く。「室積の海はきれいよ」という母の言葉を妙に思い出す。(画家)

「百姓作家」山下惣一さんとお別れ 《邑から日本を見る》126

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山下惣一さんを偲ぶ会

【コラム・先﨑千尋】去る12月18日、東京都千代田区の日本教育会館で「山下惣一さんを偲(しの)ぶ会」が開かれた。参加者は山下さんと関わりがある人たち約100人。私が山下さんに会ったのは30年も前のこと。本も10冊程度しか読んでいないが、影響を受けた1人として、彼と付き合ってきた人たちがどういうことを語るのかを楽しみに参加した。

山下さんは1935年に玄界灘に面した佐賀県唐津市に農家の長男として生まれた。「百姓の跡取りに学問は要らない」という父親の考えで、中学を卒業すると就農。2度の家出を経て農業技術の習得に励み、青年団活動などを通して仲間と村社会を変えていく活動を展開した。若い時は葉タバコやミカンが経営の中心だった。

山下惣一さんの著作

1967年に小説『嫁の一章』で佐賀県文学賞、70年に『海鳴り』で第13回農民文学賞を受賞。81年には小説『減反神社』『父の寧日』が直木賞候補になった。この時の受賞者は青島幸男さんだった。根っからの百姓が文章を書くのは変わり者と言われながら、書いた本は60冊を超える。すごいとしか言いようがない。

『くたばれ近代化農政』『それでも農民は生きる』『いま、村は大ゆれ』『土と日本人』『身土不二の探求』など、農や土、食べ物とは人間にとって何なのかを主に消費者に訴え続けてきた。

山下さんは、減反政策や、国が栽培を奨励したミカンの大暴落などを体験し、規模拡大など効率化だけを追求する農業の「近代化」に疑問を抱き、食料の生産を海外に委ねた日本の農政を鋭く批判。家族農業や小規模農業こそが持続可能で安定的な社会を築くという信念から、地産地消、消費者との交流などを唱え、実践した。

「田んぼや畑は先祖からの預かりもん」

この日の偲ぶ会では、生前の活動の映像が上映されたあと、山形県の佐藤藤三郎さん(元「やまびこ学校」卒業生)が特別発言。エピソードなどを紹介した。さらに、千葉県三里塚の石井恒司さんらが「山下さんの言葉は、頭で考えた言葉ではなく、土との対話から生まれたコトバ」など、山下さんとの関わりについて話した。

「田んぼや畑は先祖からの預かりもんであって、自分のもんじゃなか。未来永劫(えいごう)にリレーされるべきものなんだ」。「農業とは本来、常に未来のために汗を流す、夢を育てる仕事。だから明日を信じ、木を植える。父に限らず、一世代前まで日本の百姓の思想、生き方はそのようなものであった。その遺産の上に私たちは生きている」

山下さんが書いていることは皆当たり前のことだと私は考えている。しかし、戦後の農業や農政の動きはそういう考えを否定しようとしてきたのではないか。

さらに、私の周りにいる農家の人も多くの都会の人(消費者)も、彼のようには考えていない。「日本の農業のことは考えない。自分の暮らしを考えているんだ」という彼のセリフは強烈だ。「自らの頭で考えよ! 孤立を恐れるな。時代を変えるのは常に少数派だ」とも書いている。私への励ましの言葉だ。(元瓜連町長)

筑波愛児園にクリスマスプレゼント 商工会青年部届ける

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サンタやトナカイ姿の部員らからプレゼントが手渡される=つくば市前野、筑波愛児園

つくば市前野の児童養護施設「筑波愛児園」(小林弘典施設長)にクリスマスの25日、新筑ブロック商工会青年部連絡協議会(上野真会長)のメンバーが訪れ、玩具やお菓子や食品など1000点を超す大量のプレゼントを届けた。

様々な事情で家族と暮らせなくなってしまった子供たちが生活している同施設には、12月中、複数の支援者・団体からクリスマスプレゼントが届く。今年で15回目となる同協議会からのプレゼントは毎回チキンが人気となっており、1本ずつ渡されると子供たちの笑顔がはじけた。

同協議会は同市など旧新治・筑波両郡下にある5つの商工会の45歳以下で構成される青年部でつくる。筑波愛児園への訪問は、各商工会の青年部長らが企画し、2008年に始まった。今回は部員と商工会の担当職員計14人がプレゼントを持参し訪問した。予算は各青年部からの負担金と、部員の事業所から寄付で賄われる。

商工会スタッフらと愛児園を訪れた青年部メンバー

筑波愛児園には現在、幼児6人、小学生18人、中学生13人、高校生9人と2~18歳の計46人が生活し、小中学生は秀峰筑波義務教育学校(つくば市北条)に通っている。サンタやトナカイ姿の部員らからグループごとに玩具やお菓子のプレゼントが手渡され、児童たちは大喜びの暮れの一日となった。

施設の田中儀一さんは「たくさんの幸せを運んでくれてありがとうございます。子供たちもとても喜んでいる、今後も続けてくれればありがたい」と述べた。

幼い頃の食べ物 《くずかごの唄》121

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】「いつ何があってもおかしくないです。無理をなさらないでくださいね」。大動脈が乖離(かいり)し、大出血。運よく命をとりとめ、退院する時に夫が医者から言われた言葉を、2人は噛(か)みしめながら生きてきた。

10年前、東京の本郷の画廊で「丸木位里さんを偲(しの)ぶ会」(7月3日付)の最後の日。製薬会社の昔の仲間たちがたくさん集まってくれた。「僕は大動脈の中膜(ちゅうまく)が乖離して、いつ死んでもおかしくない体だ。今日は生前の葬式だと思って、おおいに、笑って楽しく、飲んでください」

「葬式なのに、なぜ? 笑うんですか」

「生きていることがうれしいんだよ。丸木位里さんも俊さんも、原爆という人間の究極の悲劇を見た人だから、とても優しい人だった。私たちに命の楽しみ方を教えてくださった。君たちとの出会いもそうだよ」

私は食いしん坊なので、人との出会いが食べ物と結びついている。秋のある日、丸木先生の家にマツタケがたくさん送られてきて、「食べろ、食べろ、好きなだけ食べろ」と先生に言われ、マツタケをぜいたくに、おなかいっぱい食べた日のことを思い出していた。

ぬかみそ漬け、イワシの塩焼き

その頃から、私の頭の中は夫に何を食べさせようか、という課題でいっぱいだった。日仏薬学会の事務長だった夫は、ワインもフランス料理もくわしい。我が家はワイングラスがあふれていたのに、どうしたわけか、自分が幼い時に食べたものだけが食べ物で、ほかのものは食べなくなってしまっていた。

昭和初期の食べ物。ぬかみそ漬けの樽(たる)も大きくて、邪魔だけれど捨てるわけにいかない。かつお節をたくさん入れた千六本(せんろっぽん)ダイコンのみそ汁。ナスのぬかみそ漬け。味の濃い卵焼き。サンマやイワシの塩焼き。ダイコンおろし。しょうゆをたくさん入れた煮魚。

土浦はしょうゆの町。何にも、しょうゆを大量に使う。塩分は1日6.5グラムと医者に言われているのに、彼の言う通りにしていたら、15グラムは軽く超えてしまう。「今日は庭のギンナンをいれた茶碗蒸しが食べたいなあ。早く、早くしてくれよ」

食べたくなると、待つことができない。私は宇宙人につかえる魔法使いに変身するしかない。(随筆家、薬剤師)

手と耳と鼻で楽しむ里山《宍塚の里山》96

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【コラム・北村まさみ】風もなく、紅葉が美しい12月10日土曜日。目の不自由な方を含む『馬場村塾』の方たち7人が、宍塚に来てくれました。会員でもあり、2017年6月に実施した月例観察会「手と耳と鼻で楽しむ観察会」の講師、全盲の大川和彦さんが塾長を務める『馬場村塾』は、視覚障害関連の団体や施設が集まる高田馬場で、松下村塾のような、様々な人や情報との出会いの場、学び合う場として開かれています。

今回は里山歩き企画として訪れました。私たちの会からは6人が参加し、里山の案内と同行ガイドをしました。

大通りから宍塚の里山に入ると、コジュケイなど鳥の声がよく聞こえます。ふれあい農園のガッチャンポンプの井戸体験、脱穀作業で表に出ていた足踏み脱穀機と唐箕(とうみ)を、安全を確保しながら触っていただきました。クルミの木のごつごつした幹と枝先のかわいい冬芽、ふわふわのガガイモの種の綿毛、朽木に生える固いキノコ、むっちりしたカブトムシの幼虫など、冬の里山ならではのものを手で触れて観察。

また、草むらに埋もれて、目では見つけにくいクルミの実を足裏の感覚で探したり、モグラがごそっと持ち上げたモグラ塚、落ち葉のじゅうたんが敷かれた観察路など、足の感覚もフル稼働します。モグラの簡易はく製も用意し、ビロードのような毛並みとスコップのような手足も観察しました。

カモたちの鳴き声でにぎやかな大池を通り、こんもりしたゲンベー山を登り、中学生が竹の皆伐作業を進めた子パンダの森では、人が手入れをすることで保たれてきた里山を、一つのまとまり、生態系として保全することを目指していることなど、お伝えしました。 

感覚をフルに使って感じる

大川さんからは「久しぶりに宍塚の自然に戻り、心身、元気になりました。私は宍塚から届いたお米をおいしく頂いています。昔ながらの機器にも触れさせていただき、一粒一粒のありがたさを感じます」と、感想をいただきました。

 目の不自由な方に伝えたいと、目の前の物をいつもよりよく観察する、言語化することでよく認識する、感覚をフルに使って感じる…。ご一緒に歩くと、私たちが頂くものがたくさんあり、共有できた喜びも合わせて、とても楽しいです。 

馬場村塾では、活動をyou tubeで発信しているそうで、私たちの会の活動について取材も受けました。You tubeの「馬場村塾」で検索してみてください。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

公共施設への電気供給ストップ ごみ焼却施設で設備故障 つくば市

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つくば市のごみ焼却施設、つくばサステナスクエア=同市水守

つくば市のごみ焼却施設、つくばサステナスクエア(同市水守)で今月12日、電気設備が故障し、ごみを燃やして発電し市の公共施設に電気を供給する「自己託送」(10月7日付)や売電が、同日からストップしていることが分かった。同施設によると、現時点で自己託送事業の再開がいつになるか分からないとしている。

電気設備の故障により、ごみ焼却自体も12日から20日まで9日間停止した。この間、収集した可燃ごみを一時的にためておくごみピット(容量約3800トン)に1800トン以上がたまったが、仮設の発電機を設置して20日に1炉が稼働し、焼却を再開した。もう1炉も27日に稼働できる予定だ。

年末年始はごみの量が増える。同施設では他のごみ焼却施設に処理を委託することも検討していたが、委託しなくても、しのげる見通しだという。

一方、電気設備の故障の原因はまだ分かっておらず、現在、原因を調査している。原因が分かり次第、部品を調達するなどして修理する予定だが、特殊な部品なのですぐに調達できるかどうか分からず、自己託送や売電がいつ再開できるかは未定だとしている。

自己託送は、電気料金の削減と温室効果ガスの排出削減などを目的に今年10月1日から同市で始まったばかり。市役所本庁舎など市内41施設にごみ焼却施設で発電した電気を供給し、年間約6890万円の電気料金を削減でき、年間1900トンの温室効果ガス排出を減らすことができるとしていた。今回の故障による影響について市環境政策課は「(現時点では)答えられない」などとしている。代わりの電気は12日から、新電力のアーバンエナジーから購入している。

プールと温浴施設は25日再開予定

ごみ焼却施設の停止により蒸気の供給も停止したことから、隣接のつくばウエルネスパークの温水プールと温浴施設も12日から営業を休止している。20日にごみ焼却炉1炉が稼働再開したことから、プールと温浴施設への蒸気の供給が再開した。ウエルネスパークによると現在、設備の点検と、水の温度を上げる昇温を行っており、25日にも再開できる見通しだとしている。

サステナスクエアのごみ焼却施設には焼却炉が3炉あり、1炉当たりの1日処理能力は約100トン。常時2炉が稼働し、1日200トン程度を焼却している。敷地内にはリサイクルセンターやし尿処理施設もあるが、電気系統が異なるため通常通り稼働している。(鈴木宏子)

【訂正:23日午後5時20分】つくばウエルネスパークのプールと温浴施設の再開が1日早まり、26日再開を25日再開に訂正しました。

可処分時間でYouTubeを楽しむ 《遊民通信》55

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【コラム・田口哲郎】

前略

テレビの視聴習慣がなくなりつつあると言われ始めて、ずいぶんたちます。いまは個人が自由に使える時間を可処分時間というそうで、動画コンテンツのサブスクサービス、たとえばAmazonビデオとかネットフリックスがその可処分時間を獲得する激しい競争が起きているそうです。

むかしは可処分というと所得で、個人がお金をどう使うか、企業は市場調査に余念がなかったのですが、時間までも企業が虎視眈々(こしたんたん)と狙っているとなると、文明もゆくところまできたなという感があります。

さて、その可処分時間の話です。ローカルテレビ番組が好きで、テレビをつけているときはほぼテレビ神奈川かJ:COMチャンネルをつけている私のような者でも、動画サブスクを見るようになっています。私の場合はYouTubeです。

テレビ局もYouTube人気はしっかり把握していて、一部の番組はYouTube配信を行っています。でも、YouTubeのおもしろさはユーチューバーの番組でしょう。

私が見ているYouTube番組

私は鉄道が好きなので、鉄道系ユーチューバー、スーツさんの動画をよく見ます。かなり多くのコンテンツを紹介するスーツさんの才能はすごいと思います。そのスーツさんに影響を受けてユーチューバーになったという、ぼっち大学生のパーカーさんの番組も見ていて楽しいです。孤独な大学生の何気ない日常をありのままに見せる趣向が共感を呼ぶのでしょう。

こうしたユーチューバーの番組はついつい見てしまい、可処分時間を費やしてしまいます。新しいコンテンツが次々とあげられるので、視聴が習慣的になります。

さて、こうした人気ユーチューバーの番組もよいのですが、私がこのごろ見ているのは、「舞原学【アニメの美学】」です。東大文学部の美学芸術学専攻の学生さんが、趣味のアニメについて語るというシンプルなもの。アニメにまったく通じてない私は、語られているアニメ作品について予備知識なく動画を見ます。

でも、舞原さんの見方や切り口がとてもおもしろいので、アニメを見てみようという気持ちになります。少々哲学的なテーマでアニメを見る楽しさは、一般向けの番組とはひと味違ったものがあります。アニメはいまや日本文化の大きな柱です。紙の本を読むのも楽しいですが、アニメを精神の涵養(かんよう)のために見る時代が来ているのですね。

メディアは受け手の好奇心や探究心を刺激することで、生活を豊かにするものだと思います。その意味で、このごろのメディアの多様化はいろいろな問題がありつつも、人間社会にとって有益なのかもしれません。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

旧「社教センター」半世紀でお役ご免 土浦市公共施設の再編・再配置計画で俎上に

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長年「社教センター」の名で講座や同好会参加者に親しまれた生涯学習館=土浦市文京町

生涯学習の先駆けである「社会教育」を土浦地方に根付かせた旧土浦・石岡地方社会教育センター(土浦市文京町)が開設から50年、その役割を終える見通しになった。同市が現在パブリックコメントを実施中の市公共施設等再編・再配置計画で、現在の生涯学習館について「機能移転」との方針を示した。同一敷地にある勤労青少年ホームは「閉館」となる。

近隣市町村との一部事務組合運営で1973年に開設された。施設は4階建て延床面積2606平方メートル。事務組合は09年度で解散し、10年に市生涯学習館となった。研修室、和室、会議室、視聴覚室、工作室などの部屋があり、主に同好会の活動や講習に利用されてきた。

併設されていた市立図書館が18年に土浦駅前アルカスへ移転、利用者数は11年度の3万8367人から20年度には1万6336人と減少傾向にある。利用者アンケートでも70代以上が78.4%、60代が14.5%で、土浦市外が26.9%を占めるなど、旧センター時代からの名残りが見られる施設となっていた。

策定中の市公共施設等再編・再配置計画で、同館については「築50年近く経過して建物が老朽化しており、耐震性もない。4階建てにもかかわらずエレベーターが無く、利用状況に対して施設が大きすぎる、市内の他施設で受け入れが可能な利用者数であることなどから、施設を閉館し、近隣施設に機能を移転することが妥当」との考えが示された。

同市によれば、「機能移転」とは閉館を前提に、現在の利用者が亀城プラザ(中央)や一中地区公民館(大手町)など近隣の施設で受け入れられるよう調整する措置。今年度末の再編・再配置計画の策定を待っての作業となり、来年4月で即座に利用を中止することはないという。閉館の時期や跡地利用などは決まっていない。

10施設を選定しパブコメ

昭和40年代、50年代に整備され、老朽化のため更新時期を迎えている同市の公共施設については、21年度に市公共施設等総合管理計画が策定され、適切な改修・更新等を推進していく一方で、財政状況を踏まえつつ、施設配置や運営適正化を進めるとした。再編・再配置計画を策定する委員会(委員長・藤川昌樹筑波大学教授)は今年度、市の公共施設に分類される188施設のうち、施設の方向性を早急に決定する必要がある10施設を選定し、利用状況などを調査、それぞれの方針を定める判定作業を行った。別途跡地利用の検討が行われている旧市役所本庁舎(下高津)などは10施設に含まれない。

勤労青少年ホームは1971年建設、2階建て延床面積1014平方メートルの観光・交流施設。中小企業に働く青少年(15~35歳)の健全育成と福祉の増進のための施設とされ、会議室、集会室、和室、音楽室、体育室、調理実習室、陶芸室などがある。

再編・再配置計画案では「当初の設置根拠が失われていることや、施設の利用者数が少なく、市内の他施設で受け入れが可能な人数であること、また、建物の老朽化状況、体育館に耐震性が無いことを踏まえ、施設の閉館が妥当」と判定された。

ほかに青少年の家(乙戸)の閉館、上大津支所(手野町)の閉所、四中地区公民館(国分町)の改修などが方向づけられている。これら計画案は年明け1月11日まで実施のパブリックコメントで公開され、意見を受け付ける。(相澤冬樹)

◆土浦市が現在実施中のパブリック・コメント案件は以下のとおり。(カッコ内は提出先、=募集締め切り日)▽市手話言語の普及の促進に関する条例(障害福祉課)=1月5日まで ▽市公共施設等再編・再配置計画(行革デジタル推進課)▽第5次市生涯学習推進計画(教育委員会生涯学習課)▽市文化財保存活用地域計画(教育委員会文化振興課)▽第3次市立図書館サービス計画(市立図書館)=以上、1月11日まで ▽市国土強靭化地域計画改定(防災危機管理課)▽第2期市空家等対策計画(生活安全課)▽第4次市地域福祉計画(社会福祉課)=以上、1月13日まで ▽市自転車のまちづくり構想(市政策企画課)▽市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画(行革デジタル推進課)=以上、1月16日まで。