火曜日, 10月 6, 2026
ホームつくば費用負担 年2.3億円 無償譲渡受ける方針を議会に説明 洞峰公園問題でつくば市

費用負担 年2.3億円 無償譲渡受ける方針を議会に説明 洞峰公園問題でつくば市

市議会「情報そろってない」

つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)について、五十嵐立青つくば市長は14日、県から無償譲渡を受け市が管理する方向で県と協議を進める方針を市議会に改めて説明した。近日中に県に正式に伝えるという。

無償譲渡を受ける場合、新たに市が負担する費用は、維持管理費が年間約1億5000万円、体育館や温水プールなどの大規模修繕費が2027年度までに年平均7800万円、年間で合計約2億2800万円かかることが想定されるとし、28年度以降の大規模修繕にいくらかかるかは施設状況の調査が必要になるとした。

3月議会開会日の14日、本会議終了後に全員協議会を開き、説明した。議会から出た意見も含めて県に正式に伝える。今後のスケジュールがどうなるかは明らかにしなかった。

一方議会からは、28年度以降の大規模修繕費がいくらかかるのかなどの質問が出たほか、「まだ情報がそろってない」など慎重な意見が相次いだ。

五十嵐市長は全協後の記者会見で「議員から明確に無償譲渡に反対するという声はなかったが、議会として承認いただいたという話ではない。議会との対話は継続して行っていきたい」とした。

年間2億円を超える新たな費用負担が生じることについては「費用はありとあらゆるものにかかる。費用をどう考えるかを含めて議会や市民と対話する機会があれば価値がある」などと述べ、明言を避けた。

無償譲渡を受けることは市民の総意か否かについても記者から質問が出て、五十嵐市長は「多くの住民が洞峰公園の環境を守ってほしいと思っているということがアンケートや説明会から読み取れるが、さまざまな市民がいて、既存の公園の修繕が必要だという声もある。何か一つやれば、他にこういうことをやるべきだという考えの方がいる。私としては無償譲渡は望ましいことだと考えた」などと述べた。

一方、県は、無償譲渡を受けるか否かについて1月31日までに市から正式な回答が無かったとして、2月1日から、洞峰公園内の野球場にグランピング施設を建設する建築基準法の手続きのための事前協議の準備に入っている。今回、市から回答を受け取れば事前協議手続きを止めるか否かについて、県公園緑地課は「市の回答を確認してからでないと判断できない」(1月31日付、2月1日付)などとしている。(鈴木宏子)

   ◇   ◇   ◇

14日の市議会全員協議会のやりとりは以下の通り。敬称略

飯岡宏之市議(自民党政清クラブ)市民にはどのような方法で説明するのか。市全体でアンケートを行うのか。早急に市民に説明すべき。

五十嵐立青市長 これまでもさまざまな形で対話してきた。全協で話を伺ってその方向性を県に伝える。譲渡を受けることを伝えて県の返事を待ってその上で検討していく。協議会を設置し、どのような管理運営が望ましいか皆さんと議論するプロセスを踏みたい。

飯岡 維持管理費が年1億5000万円、温水プールやアリーナがある施設の大規模修繕費は総額8億6000万円(2017-27年度)、23年度から27年度までにあと3億5600万円かかる。建物は築43年、体育館やプールはまだ耐震補強されていない。27年度からさらにどれくらいの修繕費がかかるのか。

建設部長 その部分は県に確認が済んでいないのでお答えできない。

飯岡 県に聞いて分かり次第、議会に報告してほしい。利用料金値上げは議会と市民に問わなければならないということでよいか。

市長 無条件に値上げするとは考えてない。

山中真弓市議(共産)県から無償譲渡される場合、パークPFI事業者との契約はどうなるのか。

部長 県と事業者との契約なので市としては承知していない。

山中 県の方で契約を破棄した上で無償譲渡を受けるのか。

部長 無償譲渡となったら県と事業者との契約は無くなると認識している。

山中 建物の修繕費が今後かかると予想されている。建物の管理と公園の維持管理を分けて考えることは選択肢の中にないか。

部長 建物の小規模修繕は、指定管理を仮定した場合、指定管理費の中でお願いする。大きな修繕は市で対応すると考えている。

山中 体育館やプールの大規模修繕など、今後、市の予算の大きな負担になることが考えられる。大規模修繕は県にお願いし軽微なものは市がやるなど、県と協議する可能性はあるか。

部長 道路が県から市に移管されることがある。その場合、目に見える修繕が想定されるものは事前に修繕してもらう。そういった形が望ましい。

山中 分かる範囲の修繕は県にお願いすることが可能だが、想定されてない大規模修繕は市がやるのか。

部長 今後、県との協議の中に入ってくる。

小森谷さやか市議(市民ネット)この間の知事のやり取りはあまりにも強引だ。報道等でも無償譲渡と移管という言葉が混在して使われている。無償譲渡と移管の説明をお願いしたい。

部長 無償譲渡は所有権まで市の所有になる。移管は所有は県、管理は市になる。

小森谷 今回、管理も所有も市になるということか。

部長 その通り。

小森谷 全協で議会の意見を聞いてから県に返事をするということだが、全協は何かを決定する場ではない。全協で各議員が質問や意見を言う中でどうやって意見をまとめるのか。決め方がわからない。議会に議案として出るのか。

市長 現時点で議決をいただくものは想定してない。無償譲渡を受けるのに議会の議決は必要ない。今後、維持管理費など予算をいただくものは議会の議決を受ける。県は県議会の議決が必要になるのではないか。

小森谷 全協で皆の意見を聞いて、どのように県に持っていくかが見えない。

市長 無償譲渡を受ける方向性を考えていることを県に正式に伝えたい。本日、皆さんからどんな意見があったのかも県にお伝えしていく。市としてこのような形で進めたいと(県に)お話したい。

皆川幸枝市議(市民ネット)今後のスケジュールは見えてないのか。1年(ぐらいかかるの)か。スケジュール感はどう考えているか。

市長 期限を区切ることは難しい。県議会の議決が必要かどうかは県の中で精査すること。詳細は県が方針を出していただくことだと考えている。

皆川 市民への説明だが、周辺部の住民からは「いつも中心部ばかり」「何でも中心部にばかりお金をかける」という指摘がある。維持管理費は結構かかる、大規模修繕はこれから調査するということだが、各地域で説明会を行い、しっかり説明して理解を得るよう進めてほしい。

川久保皆実市議(チェンジチャレンジ)市が仮に無償譲渡を受ける場合、協議会を設置して進めていくということだが、大きなコンセプトしとして洞峰公園をどうしていきたいのか。県の整備方針にインクルーシブ遊具の設置があり、ニーズはある。白紙に戻すとインクルーシブ遊具をゼロから検討するのか。

市長 大きな方針だが、洞峰公園は完成された環境にあり、多くの人にとって重要な場所。市が管理することになれば新たな費用がかかるが、洞峰公園への市民の思いやアイデアが可視化されたと思っている。環境を守りながら、一方でどうすれば費用負担を最小限に抑えていけるか、新しく事業をやる余地があるのかなど協議会などを通して協議したい。インクルーシブ遊具は白紙になるが、市としてインクルーシブ遊具を増やす方向で進めている。

川村直子(市民ネット)大規模修繕費の算出根拠だが、部長の説明では、道路の維持管理で県から市に移管されるときは目に見えて分かる部分は修繕を済ませてから移管を受けるということだった。2023年度から27年度に県の方で想定される大規模修繕費は3億5600万円と明確に示してある。この辺は県の方で修繕してから譲渡を受けると考えられるがいかがか。

部長 できればそういった形が望ましいが、今後の県との協議の中での話になる。

川村 市から県にまだ伝えてないということか。

部長 これからになる。

塚本洋二市議(自民党政清クラブ)(配布された)資料によると県との協議は2021年からということだが、2021年10月以前に県から問い合わせはあったのか。最初いつぐらいから問い合わせがあったのか。県と市との協議の内容を示してほしい。

部長 2021年10月に県の事業者選定会議に出席した。オブザーバーとして参加依頼があった。夏頃、事業者の公募がされている中で、市建築指導課に問い合わせがあった。2020年10月、サウンディング調査を行う話を聞いている。グランピングなどの中身はその頃は無かった。事業者公募の際、何社かから建築関係で質問がきて、グランピングは建設できないと市建築指導課が回答した。

塚本 2020年12月にサウンディング調査の話があって、当時、市の方では内容を把握してなかったということだが、これまでの県との協議の流れと内容を示していだだくようお願いしたい。

小野泰宏市議(公明)きょう説明をいただいたが、議員の方も内容を精査しないと、意見はアウトラインぐらいにしかならないと思う。こういう機会をもっとしていただくか、会派で意見をまとめる等、こういう機会をもっとつくっていただかないと双方向にはならない。双方向でやらないと、議決の時に、納得した形で我々は判断しないといけない。きょうは第1弾の説明という感じしか受けない。そういう機会をもっと増やしていただけるようお願いしたい。

橋本佳子市議(共産)市が移管を受ける場合、協議会を設置するのはひじょうに大事。このままいけば皆が望まない方向で洞峰公園が運営されてしまうという中で、県の方から「それなら無償譲渡するから市の方でやってね」的な提案だと感じている。今、無償譲渡という形で協議を進めているということでいいのか。無償譲渡なら無条件でOKといえるかというと、情報がまだ何もそろっていない。例えばパークPFI事業者との契約が本当に破棄されて、きれいにして市に渡されるのかなど、あくまでもこちらがそうだろうと言うだけで、県の確認がとれていない。住民への説明も「お金がかかるのにどうしてあそこの公園に」という声もある。(無償譲渡が)決まりましたよということではなく(協議を)進めているということでよいのか。

市長 県としても譲渡となれば正式なプロセスが必要になる。市としては譲渡を受ける方向で協議していくということを正式に県に伝えるプロセスになる。併せて議員からさまざまな意見をいただいていることを県に伝える。(きょう)議会で承認されたということではないので、今後も随時、県との情報を共有していきたい。協議会の設置もしながら、どういうことができるか考えていくことが今後のプロセス。県には正式に譲渡を受ける方向で考えてます、ということをお伝えしていきたい。

あさのえくこ市議(市民ネット)建築基準法48条の特例、グランピングの建設について知事が、特例許可を受ける手続きに入ると、一種のどう喝発言をされている。今日、無償譲渡を受けますという判断にはならない状況にある中で、特例手続きはいつ消えるのか。

市長 譲渡を受ける方向性を県に正式にお伝えしたい。常識的に考えれば、そこで一旦止まるのではないかと考えている。

鈴木富士雄市議(自民党政清クラブ)議会で議決するのは維持管理費の時になるということだが、その前に経過をもっとよく説明してもらいたい。今日は(無償譲渡を受ける方針で)検討していくという話だが、協議していくことは結構あると思うので、議会に丁寧に何回も説明していただきたい。

市長 おっしゃる通りの方向性でやりたい。対話をきちんと積み重ねていくことは重要。進ちょくについてご相談させていただきながら、契約関係はどうするとか、適時適切に議会に報告し協議したい。市民ともプロセスを踏んでいきたい。

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