日曜日, 8月 23, 2026
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つまずきと達成のはざま《続・気軽にSOS》127

【コラム・浅井和幸】例えば大学受験に合格したいという相談が入ったとします。まず必要なのは、目的地である合格ライン、必要な学力です。そして、現在地である、今の学力を知る必要があります。

今の学力は、教科の合計点数を知る必要もありますが、各教科の点数を知る必要があるでしょう。場合によっては、大学受験の勉強をするよりも、高校1年の勉強から始めた方が近道である教科もあるかもしれません。

さらには特殊事情で、受験をする場所までの交通費を工面できないとか、身体的な障害があるために受験会場にたどりつけないとか、親が受験を認めてくれないなどの事情があるかもしれません。

これらすべてをひっくるめて、日本の受験というものがおかしいから大学に行けないんだと捉えた場合は、文部科学省に申し入れをするのか、政治家になって法律を変えていくのかとなるのでしょうか。

人によって物事の捉え方が違いますので、大きく日本が悪いと思うか、苦手な教科のある場所で自分の学力が止まっていると思うかは自由です。しかし、目的を達成するには、そのつまずきの部分に対応する必要がありますし、現状では対応が難しい場合は誰かの協力が必要になります。

どこでつまずいているか具体的に探る

話は変わって、別の困難を抱えた方や支援者の意見。ある人は言いました。もっとお金があれば部屋をもっと簡単に借りられた、生活困窮をしているから割高の部屋を苦労して借りなければいけないと。

ある人は言いました。日本の政策がおかしいから、自分は仕事に就くことが出来ないと。ある人は言いました。日本の社会は気持ちをストレートに表現しないから、忖度(そんたく)して生きなければいけないので苦しい、アメリカならばもっと楽に生きられるのにと。

この言葉をそのまま受け取れば、アドバイスは、お金を得る手段を考えていきましょう、議員に立候補しましょう、アメリカに住む方法を考えましょう、となります。

しかし、話を進めていき、状況を詳細に聞いて私がアドバイスしたのは、もう少し約束を守るようにしましょう、とりあえずはハローワークに行きましょう、ごめんなさいとありがとうを伝えてみましょう―でした。

物事がうまく回っているときは、細かいことは考えずにどんどん進める方がよいと思います。しかし悪循環をしている場合は、大ざっぱに物事をとらえずに、一つ一つどこでつまずいているかを具体的に探ることが大切です。

支援者からの相談の引き継ぎで、ケースの詳細をお聞きすることもあります。そのときに私が重視するのが、当人の目的とこのつまずきの部分です。

ちなみに、つまずきとは、どこまで達成しているかと同義と捉えても間違いではありません。10キロ先の目的地に行きたい。今3キロのところで身動きできずにいる。3キロのところでつまずいているとは、3キロまで進んで来られたということですから。(精神保健福祉士)

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