筑波研究学園都市の中心施設として建設されたつくばセンタービル(つくば市吾妻)が10日、40周年を迎えた。1983年6月10日にオープンした。開業40周年を記念して同日、センタービル内のホテル日航つくば(高田浩総支配人)ロビーで記念イベントが催された。
「茨城県の絶滅危惧種ツクバハコネサンショウウオの迷路アートお披露目とSDGs展示会」と銘打った記念イベントで、同ホテルが2021年から取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)活動が紹介された。併せてロビーの壁に、筑波山に生息する絶滅危惧種ツクバハコネサンショウウオをモチーフにした迷路アートが展示された。10日以降も展示される。
迷路アートは生き物を題材に迷路を制作しているMr.Amazer(ミスター・アメイザー)が制作した。縦2.7メートル、横8.4メートルで、頭の部分のスタート地点から尾の部分のゴール地点まで、指や目でなぞって迷路を楽しむことができる。
ほかに10日のみの企画として、航空機燃料を製造するため家庭の天ぷら油を回収したり、市場の規格に適合しない規格外野菜のジャガイモを配布したり、国産ハチミツを使ったオリジナルのマドレーヌの試食などが催された。同ホテルは現在、二酸化炭素排出量を8割削減できるSAF(サフ)と呼ばれる航空燃料を製造するため、館内のレストランなどで使用した天ぷら油を回収しているほか、フードロス削減のため規格外野菜を使ったり、ホテル11階のテラスでミツバチの飼育に挑戦するなどしているという。
つくばセンタービルは、43の試験・研究機関の移転が完了し、同学園都市が概成したとされた1980年に建築が始まり、筑波科学万博開催の前々年にオープンした。プリツカー賞を受賞した世界的に著名な建築家、磯崎新(1931-2022)が設計し、ポストモダンの代表作として世界的に評価されている。
現在、区分所有者のつくば市が、南側の旧ノバホール小ホールなどを市民活動拠点にする改修工事を実施している。改修工事をめぐっては2020年に市が、中央広場に屋根を架けたり、エスカレーターを設置するなどの計画を発表。市民団体「つくばセンター研究会」(斎藤さだむ代表)が見直しを求め、2021年12月、五十嵐立青市長が計画を大幅に見直すなどした経緯がある(21年12月17日付)。