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崎山勝功
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お中元商戦幕開け 京成百貨店つくば
2018年6月3日
【崎山勝功】京成百貨店つくばショップ(つくば市吾妻、キュート2 階)に1日、「お中元ギフトセンター」が開設され、今年のお中元商戦が幕開けした。 筑波山系の水で飼育されたチョウザメの缶詰とキャビアの詰め合わせ「キャビア・フィッシュミート缶詰セット」(税込9504円)や、筑波ハム詰め合わせ(税込5400円)などの県産品をはじめ、ビールや高級洋菓子などが並べられている。 同ショップによると今年の人気は、計20種類の県産品から3種類の品物を自由に選んで組み合わせる「いばらき三昧(ざんまい)」(税込4400円)や、2種類の県産品を自由に組み合わせる「いばらき逸品二昧(ふたあじ)」(税込5900円)などだという。同店担当者は「県外の方に贈るには喜ばれる。地元の良さを知ってもらうには、いばらき三昧といばらき逸品二味がお薦め」と話す。 県南唯一の百貨店、西武筑波店が2017年3月に閉店して以降、同ショップを運営する水戸京成百貨店(水戸市)は昨年から、つくばクレオスクエア(同市吾妻)1階に期間限定のお中元ギフトセンターを開いてお中元を扱っていた。今年は同つくばショップが開店したことから、ショップ内にギフトセンターを展開した。 昨年のつくばでの同社のお中元受注状況は、来場者約1500人、買上点数合計約5500点、1点当たりの平均買上単価は3777円、一人当たりの平均買上点数は3.04点で同平均買上金額は1万1473円だったという。同社は今年の受注目標を前年比1.7倍に掲げている。お中元受注ピークの6月下旬から7月上旬に向けてお中元商戦が活発化する見込みだ。 ◆同センターの会期は7月16日まで(状況により延長もある)。営業時間は午前10時~午後8時。混雑の第1ピークは6月23日(土)~24日(日)、第2ピークは6月30日(土)~7月1日(日)と予想されている。1741点が掲載されたカタログ掲載ギフトなどもある。問い合わせは電話029・231・1111(水戸京成百貨店)
新入生に伴侶犬 2年間共に過ごし成長 つくば国際ペット専門学校
2018年6月2日
【崎山勝功】犬のトレーナー(指導員)など、ペットに携わる職種を目指し専門学校「つくば国際ペット専門学校」(つくば市沼田)で学ぶ1年生152人に1日、2年間の学生生活を一緒に過ごす犬「パートナードッグ」が手渡された。 生後約6カ月から1年未満の子犬で、学生が1人1頭を飼育し、学校での授業を始め、放課後や学生寮、自宅で一緒に生活する。学生本人が希望すれば、卒業後も一緒に暮らすことができる。 1日、同校で「パートナードッグ」の任命式が行われ、教師や2年生からそれぞれ1頭ずつが1年生に手渡された。高橋仁校長は「今日の任命式を節目に、今日からはパートナードッグと一緒に命の重さ、日々育てていくことの大切さを感じて、いろんな体験をしてください」と話した。 同校では2006年の開校以来、パートナードッグ制度を採用している。「動物を取り扱うプロとして、飼い主の気持ちや犬の気持ちが分かる」「教科書だけでは学べない生きた勉強ができる」など、実際に飼育することで得られる体験を通して、技術を習得するのがねらい。 動物看護師を目指す動物看護福祉コース1年の高橋舞衣さん(19)=埼玉県岩槻市出身=は生後約6カ月の黒色のパグを手渡された。「1人暮らしなので、自分以外の子(子犬)が来るという責任を負う。この学校で生まれた子なのでそれを含めてかわいい」と笑顔を見せた。将来は「動物と飼い主との懸け橋になれるような看護師になりたい」と語った。 1歳のビーグル犬を手にしたドッグトレーナーコース1年の相良鞠衣さん(19)=常陸太田市出身=は「この子と一緒に2年間頑張っていく。元から元気のいい犬種なので、元気を活かしたしつけをしたい。どんな犬種でもしつけのできるトレーナーになりたい」と話した。
知事、国会議員ら北朝鮮情勢や日報問題に言及 霞ケ浦駐屯地65周年
2018年5月27日
【崎山勝功】陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地(土浦市右籾)開設65周年・関東補給処創立20周年記念の一般開放イベントが26日同所で開かれた。記念式典には大井川和彦知事や県選出国会議員らが参加し、緊迫する北朝鮮情勢やイラク日報問題などに言及した。 大井川知事は「北朝鮮の核実験施設の廃棄が報道されたが、過去の経緯からみても予断を許さない。尖閣諸島の中国工船や漁船の度重なる領海侵犯など、我が国の主権を脅かす事案が発生している」と述べ「自衛隊には北朝鮮情勢に関する情報収集、警戒活動や有事即応体制のさらなる強化、さらには2年後に開催される東京オリンピック・パラリンピックのテロ対策など国民の期待はこれまで以上に高まっている」との考えを示した。 藤田幸久参院議員(国民民主)は、不存在とされた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が見つかった問題に触れ「現場で命がけで戦っている皆さんの現場の叫びがトップまで届いていない1年間」だったと述べ「第2次大戦でも皆さんの記録がしっかり後で教訓として生かされている。皆さんにとっては遠い地まで行っていながら、それ(現場の声)が伝わっていないことが最大の問題」と、自衛隊トップに苦言を呈した。 式典には国光文乃、青山大人衆院議員、中川清土浦市長や県会議員、同市議らが多数出席した。 一般公開ではヘリコプターが地上にいる被災者を救助する訓練が披露されたほか、実際に使われている防弾ベストとヘルメットを試着する体験なども催された。
元被告 桜井昌司さん つくばの上映会で訴え
2018年5月20日
【崎山勝功】冤罪事件の元被告たち5人の交流や日常生活を描いたドキュメンタリー映画「獄友(ごくとも)」のつくば上映会が18日、つくば市竹園のつくばカピオホールで開かれた。映画に登場した布川事件=メモ=元被告の桜井昌司さん(71)が参加し、警察による自白偏重の捜査活動を改めて批判した。 会場では桜井さんと、同映画を製作した金聖雄監督(54)とのトークショーが開かれた。桜井さんは自身の体験を元に「あの方たち(警察)は、逮捕状を得たら犯人と確信して、あとは『やった』と言わせるために(元被告たちを)殴っても蹴ってもいい、って昔は言われていた」と話した。さらに現在、東京地裁で審理中の国家賠償請求訴訟について触れ「裁判で警察がうそついちゃダメじゃん、裁判で検察庁が証拠隠ししちゃダメじゃんと言うだけ。裁判でうそをついた警察官を処罰する、裁判で証拠隠しをした検察官を処罰する法律を作らせたい」と訴えた。 桜井さんは、十数年前から茗渓学園(つくば市稲荷前)で高校1年生向けに冤罪についての講演を行っており「高校生には真剣に伝わっている」と感じるという。映画について「若い人も含めて、今の社会に迷ったり悩んだりしている人に見てほしいし、『今の日本がいい』と思っている人にも見てほしい」と呼び掛けた。 同上映会は日本国民救援会県本部が主催した。3月から水戸を皮切りに始まった「茨城縦断上映会」の一環で、県南地域では取手に次いで2カ所目。つくばでは昼・夜の部合わせて約130人が鑑賞した。同会の柴原充つくば支部事務局長は「映画にも登場する袴田事件=メモ=は、筑波大の先生が再審開始のDNA鑑定で関わっているので、筑波大でも茨城大でも上映してもらえれば」と話した。 映画製作元のキムーンフィルムでは自主上映会の開催を受け付けている。金監督は「県内の大学でも自主上映会をやってもらえれば。若い人にもぜひ見てほしい」と語った。 ※メモ 【布川事件】1967年に利根町布川で起きた強盗殺人事件。桜井昌司さんと故・杉山卓男さん=2015年死去=が逮捕起訴され無期懲役判決を受けた。09年に再審開始。11年5月24日に水戸地裁土浦支部で無罪判決が確定した。現在桜井さんは県と国を相手取り国家賠償請求の裁判を東京地裁で行っている。 【袴田事件】1966年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で発生した強盗殺人放火事件。裁判で死刑が確定していた元被告の袴田巌さんが冤罪を訴え、2014年に静岡地裁が死刑と拘束の執行停止、裁判の再審を命じる判決を出し仮釈放された。
野口聡一さんがつくば市長訪問 宇宙への持参品選定をお願い
2018年5月19日
【崎山勝功】宇宙飛行士の野口聡一さん(53)が18日、つくば市役所を訪問し、五十嵐立青市長に宇宙に持参するつくばの記念品の選定を依頼した。野口さんは2019年終わりごろから、国際宇宙ステーション(ISS)のフライトエンジニアとして半年間宇宙に滞在する。宇宙に行くのは3度目。 野口さんは1996年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターがあるつくば市で暮らした。「つくば市民として街の発展を見てきた。ゆかりのある物を宇宙に持っていきたいというのは宇宙飛行士の願い。今までつくばの物を宇宙に持って行っていないことに気付いた」と、提案した理由を明かした。 市長との懇談で野口さんは「(米国の)ヒューストンに移る前はつくばに住んでいた」とつくばとの縁が深いことを強調。宇宙への持参品について「乾きもので、平べったいもので、潰せるもの」と条件を出した。 市科学技術振興課によると、宇宙に持っていく記念品にはほかに、重量100g以内などの諸条件があるという。市が候補を選定した上で、8月上旬ごろまでに野口さんと相談して決定する予定という。 五十嵐市長は「つくばも名産品があるので、選定していきたい」と述べた。 会場には市のマスコットキャラクター「フックン船長」が現われ、「野口宇宙飛行士、ぼくを宇宙に連れてってフク!」とのコメントを書いたプラカードを掲げていた。
「フラワーゲートボール」運営に協力 つくばフェスで学院大生
2018年5月15日
【崎山勝功】市民同士の国際交流などが目的の「つくばフェスティバル2018」(12,13両日開催)運営協力の一環として、筑波学院大学(つくば市吾妻)は両日、同フェスティバルのイベント「フラワーゲートボール」(つくばセンター地区活性化協議会主催)の運営に参加した。 会場のつくばセンター広場(同市吾妻)の一角には、縦約18m、横約10mの大きさに、フラワーポットで区切られたコースがつくられた。フラワーポットの花は同協議会が栽培したという。 子どもたちは、ゲートボールスティックを使ってボールを打ち、コース上にあるゲートなどの障害物を通過させるゲームを楽しんだ。同大の学生たち約20人は交代制で、子どもたちにスティックの使い方を説明したり、会場に集まった子どもたちの整理に当たった。 市内から来た小学5年生の女子児童は「コースの障害物が結構難しかった」と感想を述べた。運営を担当した同大教員は「家族連れや、子ども同士だけで来る人もいて、中には10回ぐらい来た子もいた」と人気ぶりを話した。 同大はほかに同フェスティバルの国際交流フェアに出展し、留学生の出身国の民族衣装を試着しての記念撮影コーナーなどを開設した。
オープンキャンパス始まる 筑波学院大
2018年5月15日
【崎山勝功】大学進学を目指す高校生や保護者が、志望大学を見学する「オープンキャンパス」が各大学で行われる中、筑波学院大学(つくば市吾妻)の2018年度オープンキャンパスが13日から始まった。 この日は同大生が「キャンパスツアー」の案内を行い、高校生や保護者らを3グループに分けて引率し、教室や図書館などの施設を案内した。このほか、ゲームのプログラムを実際に作る体験授業や、学生食堂のフランス料理店でランチの試食なども行われた。 案内に当たった同大経営情報学部情報デザインコース2年の鈴木優樹さん(19)=水戸市出身=は「コースで縛られず自分の好きな授業が取れる、自分の好きな勉強ができることをアピールしたい」と、同大の魅力を訴えた。志望校選びに悩む高校生に向けてさらに「オープンキャンパスに行かないと分からないことがあるので、大学を実際に見て『この大学なら自分に合う、自分のやりたい勉強ができる』というのを見てもらいたい」と助言した。 同大入試広報グループによると、同大では前身の短大時代も含めて約20年以上前から学生が高校生らを案内しているという。同グループは「先輩と実際に話すことによって(入学して)2年後、3年後をイメージしてもらえれば」と話し、高校生の志望校選びの一助になればと期待を寄せる。 同グループによると、近年は「大学に入って何ができるか、何をやりたいか」に重きを置いて進路指導をしている高校が増えているという。「自分のやりたかった勉強ができない」「環境になじめない」などの理由で退学する事例が起きていることが背景にあるという。 オープンキャンパス来訪者のピークを迎えるのは7、8月ごろ。同大では6月24日、7月22日、8月5・26日、10月27・28日、来年3月24日にも開催する。
県南の組織化に尽力 土浦ロータリークラブ 創立60周年祝う
2018年5月13日
【崎山勝功】土浦ロータリークラブ(RC)創立60周年記念式典が12日、土浦市城北町のホテルマロウド筑波で開かれた。つくばなど近隣のRC会員のほか、台湾のRC「台北陽明扶輪社」関係者など約140人が集まって創立60周年を祝った。 同RCは1958年2月に水戸RCをスポンサークラブとして創立会員33人で発足した。その後、龍ケ崎RC、水海道RC、土浦南RC、つくば学園RC、阿見RC、つくばサンライズRCのスポンサークラブとして県南地域のRC発足に尽力した。 小原芳道会長はあいさつで「青少年育成、留学生への援助、霞ケ浦総合公園や亀城公園の環境整備、清掃、各種ボランティア団体や障害者団体への援助、かすみがうらウォーキングへの協力など多くの活動を行ってきた」と、これまでの地域への奉仕活動を紹介した。その上で「創立会員世代を第1世代とすれば、現会員は第2世代となり、これから入会する世代は第3世代となる。我々第2、第3世代の会員はこの良き伝統を継承し、次の10年、20年へと発展させてまいりたい」と決意を示した。 60周年記念事業として、駅前に新築された市立図書館への電子案内板寄贈、1970年に設立されたが会員減少のため2014年6月末に解散した「土浦ローターアクトクラブ」(18歳から30歳まで対象)の活動再開、土浦RCのクラブソング「ともに歩もう」を制作したことなどが紹介された。 式典後の祝賀パーティーでは、作曲を担当した土浦市在住の作曲家・啼鵬さんの指揮のもと、土浦RC会員らが壇上でクラブソングを合唱し、交流を深めた。
つくばFC選手、筑波学院大生に来場呼び掛け 19日、ホーム戦無料招待
2018年5月8日
【崎山勝功】女子サッカー3部のチャレンジリーグで戦う「つくばFCレディース」のホーム戦が、19日午後1時、本拠地のセキショウチャレンジスタジアム(つくば市山木)で行われ、ノルディーア北海道(北海道)と2度目の対戦を迎える。ホームゲームに来てもらおうと同チームの選手らが7日、筑波学院大学(同市吾妻)の1、2年生に向けてPR活動を行った。 同FCは19日、同大の学生と教職員を無料招待する。授業の空き時間に教室を訪れた同チームDFの藤井志保選手は「大学を卒業してからつくばFCに就職して、働きながら活動している」と自己紹介し、チームの活動紹介や19日のホームゲームへの観戦呼び掛けを行った。 この日の呼び掛けで同FCを初めて知ったという学生も多く、チームのパンフレットや特別招待のチラシなどを手に、選手たちの話に耳を傾けていた。 DFの菅原明香選手は「1人でも2人でも来てくれたらうれしい。ぜひ応援してもらえれば」と話していた。 同チームの今季の成績は1勝3敗1分けで現在5位と厳しい状況。対戦相手のノルディーア北海道とは4月29日の試合で0―3で敗れており、同チームとしては挽回したい一戦だ。 同FCと同大は、2015年6月につくば市を交えて「スポーツのまちつくば」に関する協定書を締結。16年4月に同大に人工芝のサッカーグラウンド「Tフィールド」を整備し、地域スポーツの振興拠点となっている。また、同FCは同大コミュニティカレッジ内にスポーツ系の講座を開講するなど連携を深めている。
難病の大枝未和さんが熱唱 友人ら応援「頑張る姿に感動」
2018年5月6日
【崎山勝功】難病の再生不良性貧血を患う大枝未和さん(16)=つくば市=が5日、つくば市内で開かれたチャリティーコンサートに出演し、自身が作詞した「希望の花咲く場所」を熱唱した。会場には、未和さんの初ステージを見届けようと小中学校時代の友人らが駆け付け、未和さんを応援した。 同市大、鹿島神社近くの空き地で開かれた「ミュージックピクニックin芝畑 泳げ鯉のぼり!!」で、未和さんは約20分間出演し「希望の花咲く場所」を含め「翼をください」「花は咲く」の計3曲を歌いあげた。 幼稚園時代からの友人、狩谷瑠海さん(16)は=高校2年=、未和さんの幼稚園・小学校時代を「いつもニコニコして、すごく明るくて優しい子だった」と振り返り「CDで聞いていたけど、生歌は初めて。感動した」と語った。同じく幼稚園時代からの友人、矢口茉樹さん(16)=同=は「病気なのはわかっていたけど、ここまで頑張っているのを知って、すごく尊敬した」と話した。中学時代の友人、大貫未陽さん(16)=同=は「とてもきれいで、見ている自分も励まされた」と感銘を受けていた。 初ステージを終えた未和さんは「みんなが見ているので、ちゃんと声が出ているか心配だった。やり切ったという感じ」と感想を述べ、友人らが駆け付けてくれたことに「うれしかった」と話した。 未和さんが作詞した歌は、難病で苦しむ家族や患者らが集まる「難病カフェアミーゴ」(つくば、水戸などで活動)の仲間たちから寄せられたメッセージを元に作った。未和さんは「初めて(アミーゴの人たちと)会ったときは緊張して、うまくしゃべれなかったけれど、メッセージは本当の声なので、重みを感じた。素直に受け入れられた」と振り返った。 未和さんの歌詞に曲を付けたシンガーソングライターで同コンサートを主催する佐倉孝司さん(63)=土浦市=はこの日、ステージで未和さんの演奏も務めた。佐倉さんは「最後の部分は自分が作ったかのようにゾクゾクした」と話した。 未和さんは現在も治療のため、筑波大附属病院に週1~2回通院している。中学生だった2015年から16年に掛けては「学校よりも病院に行くことが多かった」ほどで、病院内に設けられた院内学級で勉強したという。 感染症にかからないよう毎日、手洗い、うがいを欠かさず、マスクは今も必須だ。食事も生ものはほとんど食べずに、野菜も火を通して食べている。初ステージを見守った母親の豊美さん(38)は「食生活はきつかったと思う」と振り返った。 ミュージックピクニックは、東日本大震災が起こった2011年秋に「みんなに元気になってもらおう」と佐倉さんら市民有志が主催し、つくば市西大橋で始められた。15年春までは年4回開催していたが会場が使えなくなったため、現在の会場に移って15年秋から年2回のペースで開催を続けている。
つくばでメーデー 研究予算の充実など訴えデモ行進
2018年5月1日
【崎山勝功】メーデーの1日、つくば市吾妻の中央公園で「つくば中央メーデー 第89回筑波研究学園都市圏統一メーデー」が開かれた。県南・県西地域の研究機関や官公庁、民間企業の労働組合など31団体、約700人(主催者発表)が集会とデモ行進を行い、職場環境の改善と市民生活向上を訴えた。 つくば市の研究機関の労働組合、筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会(学研労協)などでつくる同メーデー実行委員会が主催した。 集会では、公的研究機関の基礎的研究予算の充実、研究費を減らし研究機関職員の生活を圧迫する運営費交付金削減への反対のほか、東海第2原発の再稼働反対などを訴えたメーデー宣言が採択された。デモ行進に使うプラカードのコンテストなども行われた。 集会後、参加者らは3グループに分かれてつくば駅周辺をデモ行進。最高気温28度と7月中旬並みの暑さの中、「サービス残業無くせ」「労働者の使い捨てやめろ」「国保料値上げ反対」などと市民らに向けて訴えた。 取材に対し参加者の一人、土浦協同病院などの職員らで組織する「茨城厚生連労組」の20代の男性組合員は、看護師を含む医療職員の労働環境について「賃金の問題などがあって人が集まらない。週休2日制にするよう要求しているが、いまだに4週6休の医療機関がある。茨城より労働条件のいい千葉県の医療機関に転職する人もいて、とにかく医療職員が増えて欲しい」と、厳しい現状を話した。 つくば市内の研究職員の男性は、有期雇用の任期制研究職員が増えている現状に触れ「労働者同士でいがみ合ってはダメ。正規・非正規の枠組みを超えて連帯しなければ」と語った。 「小売業で働いている息子がいる」という60代の女性は「息子をメーデーに誘ったが、疲れているので休んでいる。現役世代は疲弊している」と、現役世代の厳しい労働環境を明かした。 非正規労働者ら常総でデモ行進 常総市では4月30日、非正規労働者や生活困窮者など、既存の労働組合に加入しにくい労働者向けの「茨城反貧困メーデー」が行われた。集会の後、水海道駅周辺をデモ行進し「家賃が高いぞ」「でも給料は安いぞ」「ちゃんと給料払え」などと訴えた。 非正規労働者などでつくる「茨城不安定労働組合」(土浦市)などが参加するメーデー実行委員会が主催。2009年につくばで初めて開催して以来、毎年開き、16年には土浦でも行われた。常総市で開いたのは初めて。 集会は同市水海道天満町の市生涯学習センター会議室で開かれ、県内外から12人が参加した。大学非常勤講師の藤田康元さん(51)らが講演。藤田さんは同非常勤講師の労働環境について「資料費はポケットマネー。出るのは講義料と交通費の実費だけ」と話した。さらに参加者の質問に答えて「任期が1年単位で生活が安定しない。任期を延ばしたり無期雇用に転換することが重要」と述べた。 参加者からは「正社員であろうがなかろうが『食っていける賃金をよこせ』と要求することが必要」などの意見が出された。
スタジアムを満員に つくばFCレディース 29日ホーム開幕戦
2018年4月26日
【崎山勝功】女子サッカー3部のチャレンジリーグで戦う「つくばFCレディース」のホーム開幕戦が、29日午後1時、本拠地のセキショウチャレンジスタジアム(つくば市山木)で行われ、ノルディーア北海道(北海道)と対戦する。ホームゲームをサポーターで埋めようと選手らが24日、つくばエクスプレス(TX)つくば駅入口周辺で優待券を配布した。 選手2人と職員ら計9人が午前7時から約1時間、通勤・通学客らに優待券を手渡し来場を呼び掛けた。優待券は、ホームゲーム入場料(当日1000円)を定価から300円割り引く。 参加したつくばFCレディースDFの藤井志保選手は「社会人の人たちが結構、優待券を受け取ってくれた。反応は良かったと思う」と手応えを感じていた。 同チームの今季の成績は1勝1敗で現在4位。FWの亀井祐美選手は、3月21日のプレシーズンマッチでの取材に対し「より多くの勝利を残して(上位リーグの)昇格争いに行ければいいと思う。今年はより上の順位でいきたい」と意気込みを語っていた。 応援マスコット決定 サッカーチーム、つくばFCは、茨城を応援する活動の一環として、地域の人々がアイデアを出し合ってキャラクターをつくる「プルプルたまごプロジェクト」を展開している。3候補による投票の結果、「茨城を愛するワンダフルボーイ」がマスコットキャラクターに決定した。今後、キャラクターの正式名称を募集する予定という。
シャッターがアート作品に 筑波学院大 学生食堂グルマン
2018年4月25日
【崎山勝功】筑波学院大学(つくば市吾妻)の学生食堂「カフェ・ド・グルマン」内にある食器返却口のシャッターに、カラフルなアート作品が描かれた。同大地域デザインセンターの活動の一環として、野田美波子講師(39)と学生ボランティア3人が描いた。 グルマンの内田十九二店長(70)によると「学食として無味乾燥だったので、雰囲気を明るくしたい」と始めたという。 デザイン案は昨年12月から学生らが考え、今年1月に5つの案の中から決定した。まずシャッターの汚れを落とし、3日間掛けて完成した。 縦1.2m、横2.4mのシャッターに、黄緑、水色、黄色、桃色と4色のラインが引かれ、その上に野菜、魚、肉、食器が描かれている。 制作に当たった同大メディアデザインコース3年の蒲生実紅さん(20)は「下書きの絵をプロジェクターからシャッターに投影しながら描いたが、制作中は自分の影で投影が消えてしまい難しかった」、滝澤果奈さん(20)は「シャッターがボコボコだったので描くのが大変だった」とそれぞれ苦労を語った。これまで大きな絵を描いたことが無かったという石川七海さん(20)は「技術も腕力も必要だと実感した。今後は体力を付けていきたい」と述べた。 野田講師は「会場が華やいだと思う」と話していた。
励ましの言葉を歌に つくばの大枝未和さん 難病知った5月5日、ライブ出演
2018年4月25日
【崎山勝功】難病を患うつくば市の16歳の少女が、共に難病に苦しむ友人から送られた励ましの言葉で歌を作った。難病と告知され人生が変わった日が3年前の5月5日。今年は、この日に開かれるコンサートに出演し、自身が作詞した歌を歌う。 再生不良性貧血=メモ=を患う大枝未和さん(16)で、5月5日、同市大856の芝畑で催されるチャリティーコンサート「ミュージックピクニックin芝畑 泳げ鯉のぼり!!」に出演する。 未和さんは、肺に流れる血液量が減少する心臓病の肺動脈弁閉鎖症をもって生まれたが、成功率10%ともいわれる手術が成功し、元気に小学校生活を送った。 しかし13歳を迎えた5月5日、再生不良性貧血と告げられた。一度は骨髄移植しなければ助からないと言われ、未和さんや家族にとって「5月5日は避けて通りたい日」になったという。 その後、難病患者や家族の交流会「難病カフェ アミーゴ」(つくば、水戸などで活動)の仲間と出会ったことから、未和さん自身が変わっていった。 元々歌うことが好きだった未和さんは、難病で苦しむ仲間たちから多くの言葉をもらい、寄せられたメッセージを基に「難病でも前を向いていこう。共に頑張っていこう」という歌詞を作った。 約2カ月掛けて作詞し、昨年7月ごろ完成。作曲をシンガーソングライターの佐倉孝司さんに依頼し、デモテープの収録にこぎつけ、同年12月23日、CD「希望の花咲く場所」が完成した。「『アミーゴ』の人たちの言葉を全部歌詞に入れて、自分の思いも入れたかった。歌詞の字数が1曲目と2曲目で合わず、合わせるのに苦労した」と振り返る。 「いつもはカラオケ店で歌ったりする」というが、「ライブは今回が初めて」という未和さん。現在も治療のため筑波大附属病院に通院しているが「今のところ体調はいい。一生懸命、歌の練習をしてライブを成功させ、盛り上げたい」と意気込みを見せる。 母親の豊美さん(36)は「今年に入ってから輸血の頻度が4週間に1回に減った」と、未和さんの体調がよくなりつつある傾向が見られると話す。去年までは一進一退の病状で、救急車を何度も呼んだり、輸血の頻度も2週間に1回と、ICU(集中治療室)を行ったり来たりだったという。 未和さんの出演は5月5日正午から。コンサートでは未和さんのCDなどが販売され、収益金は難病支援の基金としてつくば市に寄付される。 ※メモ 【再生不良性貧血】骨髄の造血能力が低下し赤血球や白血球、血小板などすべての血球が減少する血液の病気。一度出血すると止まらなくなり、輸血が頻繁に必要となる。唯一の有効な治療法は骨髄移植といわれる。
「自分の夢諦めないで」 あしなが募金つくばでスタート
2018年4月22日
【崎山勝功】病気、災害、自殺などで保護者を亡くした遺児らの進学支援を訴える「第96回あしなが学生募金」が21日から県内3カ所で始まった。このうち県南地域ではつくば市吾妻のライトオン本社前であしなが奨学生やボランティアらによる街頭募金活動が行われた。 例年、県南はつくば、取手の2カ所で実施されるが、今回はボランティア不足のため取手での活動を断念した。つくばでは、県立藤代紫水高校(取手市)の高校生やアステラス製薬労働組合の組合員らがボランティアで募金を訴えた。 活動に参加したあしなが奨学生で東洋大学2年の塚本理香さん(19)=鹿嶋市出身=は「人通りが少ないと感じたけど、時間が経つにつれチラシをもらってくれる人も増えた」と手応えを感じていた。藤代紫水高3年の風間涼さんは「結構、皆優しくて、話し掛けてくれた」と話した。 28日も同所で活動が行われる。塚本さんは「進学をしたいと思っても親に迷惑を掛けないようにと自分の夢を諦める子がいる。その子どもたちのために募金活動を頑張りたい」と話した。 アルバイト漬け「グルグル回ってる感じ」 塚本さんは5歳のとき父親を亡くし、看護師の母親と兄2人の4人家族。福祉と保育を学びたいと東洋大学に進学した。 今年度から新たに導入された給付型奨学金3万円と無利子貸与型奨学金4万円の計7万円を受給し、学費に充てているという。一方で生活費のため、週6日、居酒屋でアルバイトをしている。授業のある平日は午後5時から同11時まで、土日は午前11時から午後11時までの12時間勤務だ。アルバイト収入は10万円前後だが「春と秋には教科書代が掛かり厳しい」と話す。 大学で保育の勉強をする塚本さんは、時間に余裕があるなら子育てを支援するボランティア活動をしたいというが、アルバイト漬け同然の現在の生活は「アパートと学校とバイト先をグルグル回っている感じ」だという。 あしなが学生募金事務局によると、生活状況を調査した一人暮らしの奨学生の7割以上が実家からの仕送り無しで生活しているという。
5㎞で土浦湖北高生が優勝 かすみがうらマラソン 雨の中1万6500人が力走
2018年4月15日
【崎山勝功】第28回かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン2018(同実行委員会、土浦市など主催)が15日、土浦市川口、川口運動公園近くを発着点に行われ、フルマラソン(42.195㎞)、10マイル(16.09㎞)、5㎞の各部門に約2万4000人がエントリーし、1万6509人が断続的に雨の降る悪天候の中、力走した。 このうち県勢は、5㎞一般の部男子で、柴田樹(17)=県立土浦湖北高校3年=が15分54秒で優勝した。柴田は「記録は悪かったけど1位を取れて良かった」と喜びを語った。 また、同5㎞一般の部では、土浦市など周辺3市町の高校11校が参加し、3人1組の高校生ランナーが合計タイムを競う「土浦市内・かすみがうら市内高校対抗レース」が行われ、柴田らが所属する県立土浦湖北高校が優勝した。柴田は「3人で練習してきたので、こういう形で3人で1位を取れて良かった」、2年の小林篤生(16)は「大会で実を結んだ」とそれぞれ話した。5㎞の部で16分31秒で3位入賞した、同校3年の茅森志温(17)は「やっと結果を残せてうれしい。僕自身はタイムは目標に届かず悔いが残るけど、団体で優勝できてうれしい」と述べた。 男子は渡邉清紘、女子は藤沢舞が独走優勝 フルマラソン一般の部男子は、渡邉清紘(31)=山形県=が2時間23分05秒で2位に約3分もの差を付けて独走状態でゴールした。同女子では藤沢舞(43)=北海道、エクセルAC=が2時間45分54秒で2位に約4分の大差で勝利を収めた。「2年ぶりに出場した」という藤沢は「天気が悪かったけど走りやすかった。優勝は8年ぶりだったので素直にうれしい」と喜びの表情を見せた。 10マイル一般の部女子で57分54秒で優勝した新立啓乃(20)=兵庫県、ノーリツ=は「持久力を付けていって(次戦の)ハーフマラソンやマイル大会につなげていければ」と、次の大会を見据えた。 5㎞一般の部女子で17分48秒で5連覇を果たした松本恭子(47)=千葉県=は「タイムはいまいちだったけど今年も勝てて良かった。走ったらいいコンディションで、意外に風もなく走れた」とレースを振り返った。 同時に行われた国際盲人マラソンでは、伴走者と一緒に走る盲人ランナーらの姿が見られた。 このほか、大会には一般ランナーに混じって仮装したランナーも走り、大会に花を添えた。フルマラソン一般の部女子で参加した関口洋子さん(38)=龍ケ崎市=は、少女アニメの仮装で参加し、4時間58分46秒のタイムで完走した。「初めて仮装して走ったけど、いろんな方に声を掛けてもらって楽しかった」と満足げな表情だった。
「自立した考えや意見発信を」 筑波学院大で入学式
2018年4月6日
【崎山勝功】筑波学院大学(つくば市吾妻)の2018年度入学式が5日行われ、新入生ら計232人が新生活の第一歩をスタートさせた。大島慎子学長は「グローバル化した社会では世界に通じるコミュニケーション能力が必要になる」などとして「自立した考えや意見を発信してほしい」と呼び掛けた。 入学式で大島学長は「皆さんは高校時代は生徒と呼ばれていましたが、本日からは学生と呼ばれます。学生はより積極的に『学修』に取り組むという意味がありますから、皆さんは漫然と授業を受けるのではなく、目的意識を持って大学生活を過ごしていただきたい」などと式辞を述べた。 新入生代表として宣誓した鈴木琉菜さん(18)=かすみがうら市出身=は「互いに競い合い、助け合いながら成長していきたい」と、学業に励むことを誓った。 式典後、新入生たちは中庭で集合写真を撮り、クラスに分かれて懇親会を行った。 英語の専門学校を卒業後、同大に3年生として編入学した山口祐希さん(20)は「2年間英語を勉強して、ほかのことも勉強してから就職したいと思った。将来的には広告関係の仕事をしたい」と夢を語った。 ベトナムからの留学生、ファン・ティ・ミィリンさん(23)は「大学を卒業したら日本で就職したい。将来は自分のホテルやレストランをベトナムで開業したい」と、起業への意欲を見せた。
【震災7年】福島の避難者、故郷の窮状訴え つくば・取手で集会
2018年3月12日
【崎山勝功】東日本大震災と福島第1原発事故から丸7年を迎えた11日、県南ではつくばと取手市の2カ所で脱原発を訴える集会が開かれた。つくば市吾妻の中央公園では同日午前、「3.11から7年 さよなら原発!守ろう憲法!つくば共同アクション」が開かれ、福島県楢葉町から避難している草野巍久さん(78)=守谷市在住=が、故郷の窮状を訴えた。 草野さんは「安心安全に帰ることができる環境でないと避難解除はすべきでない。住民は避難解除になっても、元の家を更地にして別の場所にマンションを買うなど(楢葉町に)帰らない人が多い」と訴えた。その上で自身が原発事故以前に耕していた水田の様子に触れ「田んぼは7年もぶん投げているので大きな木が生えてしまい、一から開墾しないといけない」と厳しい現状を述べた。 草野さんは取材に対し「帰りたくても帰れない状況。誰のために避難解除したのか分からない。水は飲めそうにないし、自宅周囲は(除染した汚染土などの)仮置き場。具体的にどのようになれば『復興』というのか分からない」と、いまだに生活再建が進んでいない実状を話した。 同集会には約100人(主催者発表)が参加した。集会後、参加者らはつくば駅周辺をデモ行進し「東海第2原発再稼働反対」などと訴えた。参加した弁護士の鈴木裕也さん(25)=水戸市=は「原発のことも被災地のことも、他人事にしないでもっと興味を持ち、被災者に寄り添いたい」となどと語った。 主催者の山本千秋さん(77)=つくば市=によると、集会参加者数はここ数年伸び悩んでいるという。山本さんは「時間が経つと一人ひとりの原発問題についての意識が遠のいていく印象はある」と話し「この集会を継続し、行動を提起し、声を上げ続けたい」と意思を示した。 取手で200人が黙とう 同日午後には取手市新町の取手ウェルネスパークで「フクシマを忘れない3・11 STOP原発 県南総行動」(同実行委員会主催)が開かれ、参加者ら約200人(主催者発表)が、地震発生時刻の午後2時46分に黙とうし震災犠牲者を追悼した。 ステージ上ではバンド演奏に合わせて「花は咲く」「ふるさと」などの合唱や福島県の民謡「新相馬節」のステージ発表などが行われた。ステージからの「原発いらない」の掛け声に合わせて、参加者らが「原発ゼロの未来へ!」と書かれたプラカードを掲げた。 「震災当時は小学校のPTA役員をしていた」という英会話講師の加川ゆうみさん(52)=牛久市=は、小学校の卒業式で配布するクッキーを牛久市内のパン屋に受け取りに行った際、地震に遭ったと話した。クッキーは1枚も割れることなく受け取ることができたが、小学校の体育館が使用不能になったため、市内の中学校での卒業式を余儀なくされ「母校で卒業式が出来ず息子たちは泣いていた」と当時を振り返った。震災から丸7年を迎え「あれから日本は震災の教訓を生かして成長したのかと考えてしまう」と語った。 主催者の根本和彦さんは「原発事故から7年経っても故郷に帰れず苦しんでいる人が5万人以上いる。そういうことを考えれば原発は廃炉にすべき。一刻も早く政府はエネルギー政策を転換して再生可能エネルギーにかじを切るべき」と主張した。
【震災7年】牛久駅前集会268回に 脱原発訴え5年半
2018年3月10日
【崎山勝功】JR牛久駅東口前で2012年9月から始まった、脱原発を訴える「金曜日牛久駅前反原発集会」が今月9日で通算268回目を迎えた。都内の首相官邸前脱原発集会に連動する形で毎週金曜午後6時から行われている。 集会では主に東海第2原発(東海村)の再稼働反対や廃炉などを訴える。昨年11月下旬には子ども連れの主婦(32)=つくばみらい市在住=が飛び入り参加するなど、常時20人前後の市民が集まっている。 「震災当時は守谷市に住んでいた」という主婦は、「当時は放射能の知識が無かったけれど、夫から『茨城にいたら危ない』と言われ、親せきのいる(東京都)八王子市に3週間逃げた。それがきっかけで放射能の影響を調べるようになった」と話した。子どもの習い事で牛久駅前を通るので、以前から気になっていた集会に飛び入り参加したという。 主催者の森川辰夫さん(82)=牛久市=は、福島第1原発事故が発生したので、東海第2原発は2~3年で廃炉になると期待していたという。だが「今晩(3月9日)で268回目。集会を100回やれば済むと思っていたのに長引いてしまった。予想外だった」と事故から7年を振り返った。 その上で、今年で運転開始から40年を迎える東海第2原発の再稼働問題について、「再稼働は経営的に無理だろう」との思いを話した。理由として立憲民主党や共産党など野党4党が共同で国会に提出した「原発ゼロ法案」の存在や、東海第2原発から半径30km圏内の避難計画が整備できていないことなどを挙げ「大井川知事はそんなリスクを負う人ではない」と期待を寄せる。 県内では、取手駅前(西口と東口で交互に開催)でも脱原発金曜集会が現在も続けられている。主催者の「くらしと平和を守るネットワーク取手」事務局の根本和彦さん(64)は、昨年の県知事選投票所のNHK出口調査で有権者の76%が「東海第2原発の再稼働反対」と答えたことを挙げ「県民世論は『東海第2原発は再稼働すべきではない』が圧倒的。取手はホットスポットになったという点でも(再稼働に)市民は不安を持っている」と話した。
事業手法や採算性調査へ、大手会計事務所を選定 筑波大アリーナ
2018年3月2日
【崎山勝功】筑波大学は、スポーツの試合やイベント開催などを行うアリーナの建設をつくば駅近くの同市吾妻2丁目、同大職員宿舎敷地に計画している。同大は2月28日、事業手法や採算性などを調査・検討する民間事業者(アドバイザリー業務事業者)に、大手会計事務所「デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社」(東京都千代田区)を選定したと発表した。 同大によると、アドバイザリー業務事業者を公募したところ4事業者から応募があった。各事業者の企画提案書を元に同大の選定委員会で審査が行われ決定した。契約期間は2月23日から7月31日までの約半年間。予算は3000万円。 アリーナを活用した新たなビジネスモデルの創出、地域経済の活性化など同大の事業ビジョンを実現させ、さらに民設民営など民間出資を可能にする同大と民間事業者の連携方法の開発など、具体的な事業の枠組みについて調査・検討を行い、ビジネスモデルの判断資料を作成する。 同大財務部は「どのような事業手法がいいのか、今年の7月までに報告書を出してもらう」と述べ、アドバイザリー業務報告を踏まえて学内で事業について検討を行い、18年秋ごろに結果を公表したいとしている。 建設予定地の職員宿舎は敷地面積約3.34ha。18年度末に廃止し、19年度に解体する予定。つくば駅に近く中心市街地の活性化が期待されるものの、一方で周囲に住宅が多く、騒音や来場者の車による交通渋滞が懸念されている。同大は「駐車場の確保や騒音規制なども含めて調査検討していく」としており、「事業推進に変わりはない」とアリーナ事業を進める方針を示した。 アリーナは、大学スポーツやプロスポーツの試合、イベント開催など多目的に使用でき、収容規模は7000~8000人。20年度のオープンを目指している。
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