火曜日, 4月 30, 2024
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鈴木宏子 -検索結果

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マリンウイーク優秀活動に 「誰でも楽しもう霞ケ浦」

【鈴木宏子】土浦港のヨットハーバー、ラクスマリーナ(土浦市川口)で年4回程度開催されているカヌーやヨットなどを体験するイベント「誰でも楽しもう霞ケ浦」が、日本マリーナ・ビーチ協会(東京都千代田区)の2017年度マリンウイーク優秀実施団体に選ばれた。8日、パシフィコ横浜で開かれる「ジャパンインターナショナルボートショー」で表彰される。 障害者も、健常者も、初心者も、だれでも水上スポーツを楽しめるイベントとして2005年にスタートした。地元高校のヨット部OBや、ヨット愛好者ら約60人のボランティアが、自分のヨットやカヌーなどを無料で貸し出し、漕ぎ方を教えたり、参加者の安全を見守るなどしてイベントを支えているのが特徴だ。県内のほか東京、千葉、埼玉など首都圏から毎回50~300人近くが参加している。 セイラビリティー土浦(代表・秋元昭臣ラクスマリーナ専務)が主催する。ヨットハーバーのバリアフリー化に取り組んでいた同マリーナが、初心者でも操縦できる転覆しないヨット、アクセスディンギーの存在を知り、障害者にも水上スポーツを楽しんでもらおうと導入したのがきっかけ。イベントを通して、水上スポーツのバリアフリー化のノウハウを一つひとつ蓄積している。 これまで10年以上継続して開催されてきた活動が「多くのボランティアの支えで、国籍、年齢、性別、障害の有無にかかわらず、幅広い市民や子どもたちにマリンスポーツの楽しさを伝えている」として評価された。17年度の表彰団体5団体のうちの一つ。 秋元代表は「毎回60~65人のボランティアが来てくれる。そういう人たちに支えられてやってこられた。その人たちに感謝すると同時に、今後もだれでも水に親しめるイベントとして続けていきたい」と話している。

最優秀賞は「執着」描く つくば短編映画祭

【鈴木宏子】つくば短編映画祭「第5回つくばショートムービーコンペティション つくっぺ」の最終審査が24日、つくば市吾妻、筑波学院大学で催された。応募総数122作品の中から11作品が上映され、映画監督を目指す東京・杉並区の小川貴之さん(39)の「つれない男」がグランプリに輝いた。 つくばからの文化の発信と才能の発掘を目指し、市、筑波学院大、つくば文化振興財団が共催している。 昨年9月から作品を募集し、北海道から九州までの高校1年生から70歳まで計122本の応募があった。「奇跡のリンゴ」などで知られる中村義洋監督が特別審査員を務める。 「つれない男」は、妻に内緒で釣りに行き、ただひたすら釣る男を描いた奇妙な作品。「一つのことに執着を持ち周りが見えなくなる主人公を描いた。初めて栄誉ある賞をいただきうれしい」と小川さん。中村義洋監督は「力があって的確、役者もよかった」などと評した。 ほかに、会場となった同大経営情報学部メディアデザインコース4年、渡辺夢さん(22)の「シュウカツセイ」が観客賞を受賞した。内定が決まらない大学生が、怪しい求人に応募したのをきっかけにキツネのお面をかぶった面接官の面接を受けることになる姿を描いた。渡辺さんは「選んでいただいてびっくりした」と話した。 審査員を務めた五十嵐立青つくば市長は「つくばの文化と芸術のレベルをアップさせるのにとてもプラスになっている」と話し、同大の大島慎子学長は「技術的にも内容も機知に富んで、年々向上している。違う機会に街で上映してつくばの活性化のお役に立てれば」と語っていた。

市民会館を大規模改修 土浦市新年度予算案

【鈴木宏子】土浦市の中川清市長は23日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初と比べ5.1%減の510億8000万円。主な事業として、老朽化している市民会館の大規模改修を実施するほか、土浦港周辺にサイクリング愛好者向けの拠点施設を整備する。 特別会計を合わせた総額は同6.2%減の909億6000万円。市立図書館、川口運動公園野球場、新治学園義務教育学校建設など大規模事業が一段落したことによる減額という。 歳入は市民税は1.3%の増加を見込んだが、3年に1度の固定資産税の評価替えなどから市税全体では同比0.2%減とした。10月からスタートする家庭用ごみ袋の有料化により、ごみ処理手数料収入を2億2500万円計上する。17年度がピークだった市債(借金)は、大規模事業の完了により減額に転じるという。 新年度の主な事業は、1969年に建設された市民会館の耐震補強と大規模改修を実施し、大ホールの座席幅を広げるほか、エレベーター設置、トイレ改修などを実施する。完成は2019年度で全体事業費は23億円。合併特例債の活用可能額167億6000万円のうち残り1億800万円を財源の一部に充て、使いきる。 土浦港周辺の拠点施設は、2010年にプロパストから取得し暫定広場になっている「つくば霞ケ浦りんりんロード」沿いの用地に、総額2億3000万円でサイクリング拠点施設とイベント広場、100台分の駐車場などを整備し、民間参入の呼び水とする。土浦駅ビルに3月オープンするサイクリング拠点施設「りんりんスクエア土浦」は鉄道利用のサイクリング愛好者向け、土浦港周辺はマイカー利用者の拠点になるという。 ほかに、今年10月6日に開催予定の土浦全国花火競技大会のブランド化を図ろうと、土浦駅前のビル壁面に花火を題材にした映像を投影するプロジェクションマッピングを実施するほか、東京・品川駅自由通路44面で花火大会の映像を上映する(1600万円)。 老朽化した第1・第2給食センターを統合して新治庁舎跡地に建設する学校給食センターは18年度に着工する。完成は20年度で全体事業費は37億2900万円になる。

SNSで白菜のり巻きコンテストなど 筑波学院大生 八千代町活性化へ提案

【鈴木宏子】日本一の白菜産地、八千代町の活性化に取り組む筑波学院大学(つくば市吾妻)学生による初めての成果発表会が22日、同大学で開かれた。①SNSを活用し白菜のり巻きデザインコンテストを開催する②キャンプ場がある八千代グリーンビレッジでセグウェイ体験ツアーを開く③使わなくなった施設などに日本語学校を設立する―の三つの提案が出された。 昨年、同大と連携協定を締結した町商工会地域活性化推進委員会(高塚幹夫委員長)のメンバーらを招いて開いた。昨年12月、同委員会の案内で八千代町を見学した3、4年の学生と留学生10人が、3グループに分かれて提案した。 白菜のり巻きは、ご飯ではなく塩抜きした白菜漬けを使って、生サーモンやソーセージ、卵などをのりで巻き、花びらや子どもの笑顔などの形をつくる太巻きずし。白菜のしゃきしゃきした歯ごたえが特徴だ。 若い人の間で、ツイッターやインスタグラムなどのSNSに写真を投稿して見栄えを競う「インスタ映え」が人気なことから、若者に八千代町の白菜をもっと知ってもらう方法として、町ホームページのSNSでコンテストを開催し、地元高校生などに審査してもらったらどうかと提案した。 参加した同町まちづくり推進課の馬場俊明参事は「昨年10月、町のホームページでインスタグラムが始まったのでさっそくコンテストをやりたい」と即座に応じ、メンバーからは「白菜の産地に住んでいるが白菜のり巻きを食べたのは初めて」「酒のつまみにしてもおいしい」などの感想も出た。 提案した経営情報学部3年の志賀瑞歩さん(21)は「かわいい形にしたいと思った。まさか本当にコンテストを開いてくれるとはびっくり。若い人たちがツイッターなどで白菜のり巻きを目にしてくれるようになればうれしい」と話していた。 セグウェイ体験ツアーの提案に対しては、今年11月開催の「八千代の秋まつり」に同大が出店しセグウェイ体験ツアーを開催する、日本語学校については、手始めに町民が同大留学生をホームステイで受け入れるなどの方向が示された。 高塚委員長は「我々では考えつかないアイデアを提案していただいた。(白菜の加工・販売まで手掛ける)6次産業化できれば雇用の場も広がるので、提案をベースに進めていきたい」と話し「日本語学校の提案は、留学生が八千代町で日本の技術を学び、帰国して会社を起こしたとき、技術を教えた八千代町の企業が海外で活躍する機会にもなるのでは」と可能性の広がりに期待を寄せていた。

歴史的緑空間36ha URがつくば市に無償譲渡 中根・金田台 当面樹林地のまま保全

【鈴木宏子】つくばエクスプレス(TX)沿線開発地区の一つ、つくば市中根・金田台地区内の歴史的緑空間用地=メモ=について、開発事業者のUR都市機構が今年末までに、市に約36haを無償譲渡することがわかった。市は当面、現状の樹林地のまま管理・保全していくとしている。 21日開かれた市議会全員協議会で市が報告した。3月末までに譲渡契約書を締結する。 同地区では絶滅の危機にひんするオオタカやサシバの営巣が確認されている。市は36haの管理・保全方法について①立ち入りを制限する「オオタカ生息環境保全ゾーン」と、市民が散策できる「保全散策ゾーン」の二つに分ける②散策ゾーンは将来、散策路などを整備し隣接の国指定史跡、金田官衙遺跡などと連携して活用を検討していくとの方針を示した。 URと市が13年12月に締結した合意書などに基づいて無償譲渡する。当時は「無償も含め」譲渡するとされていた。 「地域の財産として保全を」UR委員会が市に提言 一方、オオタカなどの営巣が確認されている同地区についてURは、08年3月「中根金田台地区貴重動植物生態系調査委員会」(委員長・山形耕一茨城大名誉教授)を設置し10年間にわたって生態系調査と保全活動を実施してきた。 今回、市に無償譲渡されるのに合わせて、URはオオタカなどの保全活動を終える。URの生態系調査委員会は今年2月、譲渡先の市に対し「(同地区は)今なお貴重な動植物が多く生息・生育する自然豊かな地区」だとして「近隣外周部も含め、地域の市民と連携し、保全に取り組むことが望まれる」「当地区の自然環境の重要性を地域の財産として保全していく」べきなどとする提言書を提出している。 ※メモ 歴史的緑空間用地は、同地区東側の国指定史跡、金田官衙遺跡周辺の約16haと、今回無償譲渡される北側の約36haを合わせた計約52haある。そのうち国指定史跡など約16haは市がURから47億5200万円で21年度までに順次購入する予定になっている。今回無償譲渡される約36haのうち約19haにも埋蔵文化財があるという。

図書館カフェ「おいしいミュージアム」オープン 筑波学院大

【鈴木宏子】筑波学院大学(つくば市吾妻)の学生が21日、同大附属図書館1階に図書館カフェ「おいしいミュージアム」をオープンした。県産の焼き芋、イチゴ、レンコンなどの食材を使ったスイーツと、コーヒー、ワインなどの飲み物を、地元笠間焼の器で提供する。 塚原正彦教授の起業入門講座「人が集まる”おいしいプロジェクト”をデザインしよう!」で学んだ2、3年生17人が、県の地方創生推進交付金を活用して「みんなのミュージアムカンパニー」を起業し、運営する。学生らは昨年11月から、食に関わる新しいビジネスを展開する地元起業家を授業に招き、計15回にわたって起業の志や仕事への思い、商品の提供の仕方や見せ方などを学んできた。 同大では今年4月から、地域資源を地域活性化に役立てる文科省の職業実践力育成プログラム「地域デザイン学芸員」の育成に取り組むことから、新しい学芸員に向けた訓練でもあるという。 図書館に設けられたカフェは、中央に大きなテーブルが配置され、学生たちが選んだ食や旅などの本が並べられている。ヨーロッパでカフェが生まれた17、18世紀は、カフェの中央に大きなテーブルがあり、文化や思想について議論が交わされ、情報交換の場となったことから配置したという。 スイーツのメニュー作りや、食材を紹介する絵本作りを担当した情報経営学部ビジネスデザインコース3年の村木奈緒子さん(21)は「県内の食材や器を通して、茨城の大地の力を知ってもらい、食べて楽しんで、本を読んで知識を付けてくれれば」と話している。 スイーツ食材の焼き芋を提供した「ポテトかいつか」(かすみがうら市)の貝塚みゆき社長は「地域の多様な企業とコラボして地域の食を発信しており、大変おもしろい試み」と感想を話し、指導した塚原教授は「ここにしかないワクワクする空間のミュージアムができたのではないか」と語っていた。 ◆図書館カフェは3月10日までの2週間のみ開店する。開店時間は午前11時30分~午後4時。日曜休館。メニューは▽天使の魔法(焼き芋「紅天使」とコーヒー)500円▽ムセイオンの夢(イチゴ、サツマイモ、レンコンを組み合わせたスイーツ)880円▽大地のチカラ(専門家が選んだイタリア産ワイン)1杯500円など。

認定ジオガイド誕生 筑波山地域に42人

【鈴木宏子】筑波山地域ジオパークに18日、同推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)が認定する初の認定ジオガイドが誕生した。昨年11月から今年1月まで延べ8日間の養成講座を修了したつくば、石岡、笠間市などの市民42人だ。今後、同協議会やジオパーク区域の6市などが主催するジオツアーで、実際に観光客を案内し、腕を磨く。 今年は、筑波山梅まつり(3月、筑波山梅林)、帆引き船フェスタ(5月、かすみがうら市歩崎)、泳げる霞ケ浦市民フェスティバル(7月、土浦市沖宿)、世界湖沼会議(10月)などで催されるジオツアーでガイドを務めるほか、来年2月につくば市で開かれる第5回日本ジオパーク関東大会に向けて開催されるジオツアーで案内役を務める。 有償ボランティアで、2年ごとに認定更新する。あらかじめ現地を下見し、ガイド原稿を作成し、さらにガイド同士で現地実習などをした上で本番に臨む。現場で経験を重ね、将来はNPOなどとして観光客を呼び込み、おもてなししてもらうことなども想定しているという。 同日、つくば市役所で修了式が催され、五十嵐会長から修了証が授与された。五十嵐会長は「ジオガイドの皆さんに活躍していただき、東京から一番近いジオパークとして魅力を発信したい」などと述べた。 ジオガイドになったつくば市の主婦、田中牧子さん(60)は「東日本大震災を経験し、地質を知ることが防災に役立つのではないかと思ったことがきっかけでジオパークに興味をもった。地元の商店街などとコミュニケ―ションをとりながら、まず地元の人にジオパークの良さを分かってもらえるような活動をしたい。来てくれる人を温かく迎えられるような雰囲気づくりができれば」と話していた。 日本人の夫、千野豪さん(40)と共に夫婦でジオガイドになった、マレーシア出身でつくば市に住む会社員ゴウ・テンイさん(36)は「日本人や外国人に、つくばの古民家で日本文化を体験してもらい、周辺のジオパークも紹介したい」と語っていた。

樹林地の保全と活用考えよう 24日、NPOが「歴緑カフェ」 つくば市中根・金田台

【鈴木宏子】絶滅の危機にひんするオオタカやサシバが営巣している、つくば市中根・金田台地区の樹林地の保全と活用を考えようと、地元の環境保護団体、NPO金田台の生態系を守る会(高橋かよ子代表)が24日、「歴緑カフェ」と題した第1回目の意見交換会を開く。 同地区はつくば駅から約2~4㎞北東に位置するつくばエクスプレス(TX)沿線開発区域の一つ。地区東側の国指定史跡、金田官衙遺跡と周辺約52haは歴史的緑空間用地と名付けられ、宅地造成など開発からはずされている。一方、どのような形で保全や活用がされるかまだ決まっていない。 開発事業が始まって以降、歴史的緑空間用地内の樹林にオオタカが営巣していることが確認され、開発事業者のUR都市機構は2008年3月「中根金田台地区貴重動植物生態系調査委員会」(委員長・山形耕一茨城大名誉教授)を設置し10年間にわたって、同地区の生態系調査と保全活動を実施。NPOの高橋代表もオブザーバーとして参加してきた。同調査委は今年度いっぱいで活動を終えるという。 この間の13年12月、市とURは樹林地などの歴史的緑空間用地について、18年度までにURが市に無償も含め譲渡することで合意している。 こうした節目にある中、オオタカやサシバが営巣する樹林地が今後どうなるのかまだ決まってないことから、同地区で独自に環境保全活動を続けてきた同NPOが、市民に参加を呼び掛けて意見交換会を開く。 同NPOはURの調査委とは別に10年以上にわたって、オオタカやサシバなど動植物の調査、湧き水や地質調査、下草狩りなど森林整備、散策道の整備などをしてきた。 高橋代表は「金田台地区は生態系が豊かで史跡も多い貴重な場所なので、オオタカやサシバが営巣できる樹林地のまま残してほしい。つくば駅から4㎞のところに貴重な場所があることを市民に知ってもらい、訪れてもらいたい」と話し「歴緑カフェで意見をいただき、市と一緒に、保全と活用の青写真を作っていけたら」と話している。 ◆第1回歴緑カフェは24日(土)午前10時~正午、同市金田、桜総合体育館会議室で開催する。参加費無料。年3、4回開催する予定だが2回目以降の日程は未定という。

「土浦ぶらり」新設 筑波大生が老舗の魅力紹介 市立図書館

【鈴木宏子】土浦駅西口前の市立図書館(アルカス土浦2階)入り口、情報ステーションに「駅前ぶらり 土浦ぶらり」コーナーがお目見えした。第1弾として、筑波大生が土浦の老舗の魅力を紹介している。 同大芸術専門学群環境デザイン領域で学ぶ学生らが授業の一環で取り組んだ。店主に焦点を当て、人柄にまで踏み込んで魅力を紹介しているのが特徴だ。 「老舗メイクアッププロジェクト」と題して昨年5月から中心市街地の老舗23店舗を調査した。このうち▽古民家カフェ「城藤茶店」(同市中央)▽和菓子店「伊勢屋」(大手町)▽「前野呉服店」(中央)など7店をパネルで紹介している。城藤茶店は、経営者の工藤祐治さんの半生を振り返り、子どものころ、土浦出身の漫画家、小林じん子さんの「風呂上りの夜空に」を読み、土浦にカフェを開くまでの紆余曲折の物語を記している。 パネル展示を見に訪れた前野呉服店の前野有里社長は「地元のお店が紹介されてうれしい。商店街を歩いてもらうきっかけになれば」と話している。 同コーナーではほかに、現在中心市街地で開催中の「土浦の雛祭り」、19日から開催の「土浦まちゼミ」、コミュニティバス「キララバス」でめぐる土浦なども紹介されている。入沢弘子館長は「中心市街地の活性化につながるような情報を展示していきたい。図書館を訪れた人が駅前から街中に出て、街歩きを楽しんでもらえれば」と話している。

「宝篋山」地理院の地図に表記を ジオパーク推進協が署名運動

【鈴木宏子】つくば市小田と土浦市東城寺の境界に位置する宝篋山(ほうきょうさん)は、国土地理院の地図に山の名前の表記がない。筑波山地域ジオパーク推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)が、名前を地図に表記する運動を展開することを検討している。13日、つくば市役所で開かれた同推進協臨時総会で明らかにされた。 標高461mの里山、宝篋山は、つくば市小田の住民らが荒れた山を整備し登山道を切り開いて以降、気軽に登れる山として人気が高まり、関東近郊から多くの人が訪れるようになった。宝篋山と周辺の平沢地区はジオサイトの一つにも指定されている。 同推進協によると、市内の登山愛好者から最近「ジオサイトに指定されているのであれば地図に地名が掲載された方がよい」などの意見が事務局に寄せられた。地名を表記するための必要手続きを国土地理院に尋ねたところ、宝篋山を管理するつくば市と土浦市の両市長から書面で申請があれば可能という回答があったという。 一方、宝篋山はほかに宝鏡山、豊凶山、峯鏡山、小田山、大形山などと表記されたり呼ばれたりしていることから、まず地域住民の理解を十分得た上で表記を宝篋山に統一したいとしている。さらに市民に地域資源としての宝篋山の価値や同ジオパークの取り組みを広く知ってもらう機会とするため、麓の小田休憩所などで署名活動を展開することを検討しているという。 臨時総会ではほかに「第5回日本ジオパーク関東大会」が2019年2月2日~3日、筑波山地域で開催されることが発表された。関東10地域のジオパークなどが一堂に介し、つくば国際会議場やつくばカピオなどを会場に、ジオガイド養成の課題や関東全体のジオストーリーの構築などについて話し合うという。約120人が参加予定で、筑波山地域のジオツアーなども開催する予定という。

一人暮らしする障害者、高齢者を応援 福祉アパート「あんしん荘」

【鈴木宏子】一人暮らしをする障害者や高齢者を応援する福祉アパート「あんしん荘」が土浦市真鍋と阿見町岡崎にある。大家で、土浦市の会社員、鈴木一也さん(35)が夫婦で運営する。 保証人がいなくても入居でき、敷金、礼金は不要。冷蔵庫、洗濯機、IH(電磁加熱)調理器、エアコン、照明などの家電付きだ。バリアフリーではないが、玄関やトイレなどに、入居者に合った高さに無料で手すりを付けてくれる。 入居時に、行政や民間の福祉・介護関係者、大家の鈴木さんと3者で面談する。介護や家事、緊急時の対応、経済面など、その人に合った在宅支援体制を3者で考え、週3、4日だれかが部屋を訪ねてくる体制をつくる。 土浦と阿見に1棟ずつある福祉アパートはいずれも2階建てで、各部屋の間取りは1DK、家賃は月3万4000円から3万7000円。2カ所とも車がなくても歩いて行ける場所にスーパーやコンビニがあり、バス停が近い。 土浦は築30年、阿見は築25年。日本政策金融公庫から事業用融資を受けて鈴木さんが購入し、改修して2016年から福祉アパートとして運営を始めた。現在、健常者も含め40歳代から70歳代が入居している。購入時、いずれも半分以上が空き室だったが、10室ある阿見は満室、8室の土浦は7室が埋まり2月中に満室になる。 ■150カ所訪ね構想話す 不動産会社も大家も、高齢者や障害者の入居に消極的であることに疑問をもったことがきっかけになった。 九州地方で高齢者を積極的に受け入れていた大家から福祉アパートの経営を勉強。人口減少社会となり、地域によってはアパートに空室が目立っていること、一方でこれまで不動産業界があまり目を向けていなかった高齢者や障害者がアパートで自立生活を送りたいと望んでいることなどを知った。 福祉アパートの運営構想を自分なりに作り、2015年6月から、仕事が休みの土日曜などに、土浦、つくば周辺の福祉施設などを1カ所ずつ訪ねて回り、自身の構想を話し、需要があるかを探った。訪ねた施設は1年間で150カ所以上になる。 ■リスクを一つひとつ除去 不動産賃貸業界では高齢者や障害者の入居に対して、室内での転倒によるけが、火災、犯罪被害、家賃滞納、孤独死などのリスクが懸念されている。 鈴木さんはリスクを一つひとつ検討し対応策を考えた。 室内で転んでけがをしないように必要な場所に手すりをつける▽段差がある場所に蛍光シールを張る▽ガラスが割れてけがをしないように飛散防止フィルムを張る▽火災が起きないようガスコンロや石油ストーブでなくIH調理器やエアコンをあらかじめ設置する▽玄関の閉め忘れがないよう鍵はオートロックとする―などだ。 さらに3者面談で支援体制をつくるにあたっては、鈴木さんが独自に考案した用紙に健康状態や介護サービスの利用状況、経済状況、緊急時の連絡先などを記入してもらう。「仮に孤独死が発生したとしても保証会社の保険を活用できる」と鈴木さん。「リスクが誇張され過ぎている。介護・福祉事業者の支援や保険でかなり軽減できることを大家さん自身がもっと知るべき」と話す。一方で「不動産業界と無縁だったからこそ挑戦できた」ともいう。 鈴木さんは「支援者と連携することで障害者や高齢者が一人暮らしできるまちをつくることは、住みやすいまちをつくることになり、まちおこしにもなっていくと思う。空き家に悩んでいる大家さんはたくさんいる。福祉アパート運営のノウハウをつくって、必要な人に必要な情報を届けられたら」と話す。 問い合わせは鈴木一也さん(電話090・8330・4545、Eメール;ea10679@gmail.com)

子育て、福祉―「きめ細かい市民ニーズに応えた」 つくば市新年度予算案

【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長は7日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初と比べ2.3%減の856億1700万円となる。過去最大だった前年度に次いで2番目の規模。五十嵐市長は「子育て、教育、出産、中心市街地(の問題)など、やらなければいけながったがこれまで手が付けられなかったきめ細かい市民ニーズに応えた」とし「子供の貧困対策に力を入れた」と強調している。 特別会計などを合わせた総額は1391億6700万円で同比1.6%減。つくばエクスプレス(TX)沿線の二つの義務教育学校の建設が終了したことからマイナスとなる。 歳入は、人口増加などから市税が同比2.7%増えると見込む。借金に当たる市債は二つの義務教育学校の建設終了により同比22・5%減少する。ただし市債と、将来発生する支払い見込額である債務負担行為を合わせた残高は前年度より増えて708億円になる見込み。旧茎崎町との合併算定替えの特例期間が終了し18年度から不交付団体となるという。 新年度の主な事業は、子どもの貧困対策として、ひとり親家庭の児童などに支給する福祉金を児童1人当たり年3万円増額し1億2700万円を計上する。子どもの学習支援として、新たにNPOや社会福祉協議会などが取り組む無料学習塾4カ所に計850万円を補助する。 子育て支援は新規事業として、産婦人科を新たに開設したり、病床を増やしたり、医療機器を購入する産婦人科施設に費用の半額を助成する(5000万円)。出産後、体調不良や育児不安がある母親が、赤ちゃんと一緒に診療所や助産院に宿泊しながら育児相談を受けたり心身のケアを受ける産後ケア(525万円)にも新たに取り組む。 教育は、統廃合により4月に開校する秀峰義務教育学校のスクールバス運行に1億8400万円を計上。小学校に続き市立中学校11校の普通教室すべてにエアコンを設置する(4億1800万円)。 つくば駅前の商業施設クレオから西武筑波店に続いてイオンつくば駅前店が撤退するなど空洞化が課題の中心市街地対策は、クレオ跡地の利活用を調査する委託費などに648万円を計上。中央公園(吾妻)の池の水をきれいにして子どもたちが水遊びできるようにするなど、たまり場や遊び場をつくる実証実験をする中心市街地プレイスメイキング事業に1000万円を計上する。 ほかに、高齢者や障害者の外出を自家用車で移送支援しているNPOなどの福祉有償運送事業に計160万円を補助する▽市役所(研究学園)敷地内に、市民が交流スペースとしても利用可能な分庁舎を建設するため、9億4600万円(15年間)の債務負担行為を設定する▽産業振興センター(吾妻)を1億2300万円で再整備し1階に共有オフィスとなるコワーキングスペースなどをつくる▽中央図書館は、土日曜の開館時間を2時間延長し、無料駐車時間を1時間延長する(計915万円)。 民間保育所の保育士の給与に月額3万円を上乗せする保育士処遇改善助成金は、17年度に引き続き実施し2億2100万円を計上する。事業を凍結した竹園3丁目地区の地域拠点再構築事業は18年度も凍結のままという。

最先端のデザイン技術を駆使 筑波学院大生が卒業制作展 4日まで、つくば美術館

【鈴木宏子】筑波学院大学デザインコースの卒業制作展が、つくば市吾妻、県つくば美術館で開かれている。地元特産品の商品ラベル、催し物のポスター、グルメ情報冊子などのほか、アニメ、3次元映像、3Dプリンター製品など、最先端のデザイン技術を駆使して制作した力作約100点が一堂に展示されている。 経営情報学部ビジネスデザイン学科の同コースで学ぶ4年生21人を中心に3、4年生が制作した作品が展示されている。今年度はスクリーンに立体映像を映し出したプロジェクションマッピングの作品も初めて制作された。 CG(コンピュータグラフィックス)で同大学の建物内を詳細に映し出した3D映像、就活をテーマに現代社会を風刺した短編映画、県内の特産品などをモチーフにまちおこしをする少女4人のゆるキャラアイドルユニットの人形などユニークな作品も展示されている。 見学に訪れた牛久市の大屋美枝子さんは「学生でなくプロが作ったとした思えない作品ばかり。一つ一つの作品の視点が面白くて、すごい。そのまますぐに商品になるのではないか」と驚いていた。 約8カ月かけ筑波山登山マップを制作した木村優花さん(21)は、何度か筑波山に実際に登り、設置されている看板などのサインをすべて写真に撮った上でマップを制作した。「筑波山のサインは文字だけのものが多く、トイレなど図柄のマークを付けた方がよいのではかと思った」と実際に現地を歩いて気付いた点を話した。 同大学の情報誌を作成した川澄奈々さん(22)は、台湾にも行き、大学についての若者の声を聞くなどして声を拾った。卒業制作展について「皆、かなりの時間をかけて制作したので、一つ一つの作品をじっくり見ていただければ」と話している。

「議会って何?」 市民が情報公開し調査報告書を作成 土浦

【鈴木宏子】市議会議員はどのような議会活動をしているのか、土浦市議会の年間議会費約3億9800万円はどのように使われているのかなどを、市民の立場からまとめた小冊子「『議会って何?』市民レポート」(A4判、22㌻)がこのほど作成された。 土浦市の市民団体「土浦まちづくり市民の会」(代表・長坂慎一郎元山形大教授)が、本会議や委員会の議事録を読み、計15回にわたって関係資料を情報開示請求するなどして、約1年かけ2015年度の実態を中心にまとめた。分析した結果を数値化して表にするなど見やすい工夫をしている。 市議の報酬や出席日数、質問回数のほか、1議案当たりの審議時間、政務活動費の使い道、委員会の行政視察の問題点などについてまとめた。 ■1議案の審議3~8.2分 土浦市議の報酬は県内ランキング(13年度)で水戸、日立、ひたちなか市に次いで4番目に高く、兼業・兼職をしている市議が70%と全国平均の57%より多いことなどをまず指摘している。 さらに16年3月議会会期中に開かれた4つの委員会の議事録をもとに、議案の審議状況を調査。委員会での1議案当たりの審議時間はわずか3~8.2分で、審議の際出された質問回数は、質問が多い上位2人の議員の質問が70%を占め、質問ゼロの市議もいることなどを明らかにし、「約半数の議員は質疑に参加していないも同然」などと指摘している。 ■行政視察「成果何も報告されていない」 政務活動費の使い道については、50%以上を視察旅費に当てている会派が3会派あったとし、「視察内容が市の抱える問題とかけ離れているものが多く、何のための視察か、見てきたことをどう市政に反映させるか問題だ」などとしている。 5つの委員会が16年度に計9回、約418万円の旅費をかけて行った行政視察については、それぞれの視察報告書を閲覧した上で「目的地、視察項目と土浦市との関連性が書かれておらず、視察先を選んだ理由が不明で、視察によってどのような成果があったか何も報告されていない」などと問題点を厳しく指摘している。 同会の高村義親事務局長は「日頃、議会に無関心だったことから『これではいけない』と思い立って作成した。初めて知る事実、驚くような実情があり、事実を知り、いい方向に変えていく力になれば」と語り、殿岡哲雄さんは「今後、議会に提言書を作れれば」と話している。 小冊子は計300部作成。1部200円。問い合わせは☎090・3147・0766(殿岡さん)。

自動運転車の事前テスト 自動車研究所が2月から開始 つくば

【鈴木宏子】日本自動車研究所(つくば市苅間)の模擬市街路Jtown(ジェイ・タウン)で2月から、同研究所による自動運転車の事前テストサービスが始まる。公道に出て実証実験をする前に、自動走行システムの安全性能やテストドライバーの対応力をテストしてもらい評価する。開始を前に25日、報道関係者を対象に見学会が開かれた。 自動運転システムの開発は現在、国家プロジェクトして取り組まれている。2016年に示された警察庁の「自動走行システム公道実証実験ガイドライン」で、同研究所が実験施設の一つとして挙げられたのを受けて、独自にテストと評価ができるようにした。 Jtownは自動運転の評価拠点として昨年4月、同研究所内に完成した。広さ16haで、交差点、カーブ、坂道、横断歩道のほか、工事現場などの障害物も設置され、市街地の道路を再現した。雨や霧、強い西日、夜間などの悪条件を再現できる特異環境試験場などもあり、3つのエリアで構成されている。 昨年からすでに自動車メーカーなどの利用が始まり、現在フル稼働状態という。これまでは利用者がそれぞれ独自に試験、評価していたが、2月から新たに同研究所がテストし評価するメニューを加える。 同研究所のテストでは、自動運転車にさまざまな計測機器を取り付けて走行してもらう。直線やカーブを適切な速度や軌道で走行できるか、赤信号や一時停止線で停止できるか、交差点を曲がる際、対向車や歩行者の動きに配慮した対応ができるか、降雨時や暗い中で、歩行者や信号、標識などを認識できるかなどを評価する。結果は、自動運転システムの改良やドライバーの訓練などに役立ててもらう。 永井正夫所長は「自前のテストコースをもたないベンチャー企業や大学、部品メーカーなどに利用してほしい」などとしている。

オオヒシクイの生態を再現 モニュメント制作へ 土浦 大聖寺住職

【鈴木宏子】絶滅の危機にひんするオオヒシクイの保護活動を長年続けてきた土浦市永国、大聖寺の小林隆成住職(79)が、稲敷市の稲波干拓地で越冬するオオヒシクイの生態を再現したモニュメの制作に取り組んでいる。3月までに同寺の本堂や境内に5つのモニュメントがそろう。 羽を広げたり水面に首を突っ込んで水を飲む様子などを再現した生態彫刻、親子3羽の実物大の石像、オオヒシクイの姿が彫刻された手水舎(ちょうずや)、実物大のバードカービング(鳥の彫刻)、オオヒシクイが彫刻された仏具、馨台(けいだい)の5つ。 生態彫刻は、富山県南砺(なんと)市井波地区の伝統工芸「井波彫刻」の第一人者、南部白雲氏が彫り、大聖寺本堂正面の屋根が張り出した向拝(ごはい)に設置する。すでに一部が出来上がり、3月までに残りが完成する。 石像は中国の作家が制作中で、参道脇の参拝者が手などを洗う手水舎近くに2月に設置する。手水舎には4羽のオオヒシクイの姿が彫刻される。 バードカービングは、鳥の工房つばさ(静岡県伊東市)を主宰する作家の鈴木勉さんがオオヒシクイの姿を忠実に再現した。16日に完成、本堂内に設置された。馨台には、首を伸ばし周囲を監視し危険を知らせる群れのリーダー、奴雁(どがん)が彫刻され、すでに完成している。 小林住職は山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)理事、日本鳥類保護連盟専門委員などを務める。1985年ごろから稲波干拓地に通い、2001年にはオオヒシクイの調査・保護団体「稲敷雁の郷友の会」(当時は江戸崎雁の郷友の会」の設立に関わった。 2007年2月、山階鳥類研究所総裁の秋篠宮さまが稲波干拓地でオオヒシクイを観察し大聖寺に立ち寄った折、「将来、稲波干拓地のオオヒシクイの生態を南部白雲師の手で再現したい」と夢を語って以来、準備を進めてきたという。 小林住職は「人の住めないところに鳥はすめても、鳥のすめないところに人は住めない。モニュメントが、野鳥を通して地球環境を考えるきっかけになれば」と話している。

来館者10万人達成 開館45日目、土浦市立図書館

【鈴木宏子】土浦市立図書館(同市大和町)の来館者数が21日、10万人になった。昨年11月27日、JR土浦駅前、アルカス土浦内にオープンし45日目(開館日)の達成となる。同館は年間40万人の来館者を目標としており、開館2カ月弱での10万人達成は、目標より1.5倍速いペースとなる。 21日午後、10万人目の来館者となった市立土浦第2小学校1年、板羽美帆ちゃん(7)に、入沢弘子館長から、市のイメージキャラクター「つちまる」のぬいぐるみと、同市出身の力士、高安関の切手シートなどの記念品が贈呈された。美帆ちゃんは「びっくりした。(10万人目になって)うれしい」などと話していた。 絵本を返却するため、父親の会社員、浩之さん(55)とやって来た。5回目の来館という。浩之さんは「(移転前の旧館と比べ)本も増えたし、ジャンルも分かりやすく、居心地のいい場所になった。面白い本を探して、子どもにいろいろな本に親しんでもらえるようにしていきたい」などと語っていた。 同館のこれまでの1日平均来場者数は約2200人で旧館の3.5倍。貸出冊数は1日平均2228冊で同2.25倍。1階市民ギャラリーの来館者数と合わせるとアルカス土浦全体の来館者数は計約11万5000人になる。 入沢館長は「駅前立地になり、気軽に立ち寄る方が増え、利用の仕方にも変化を感じている」とし「10万人達成は一つの節目になる。これからも多くの方が本に親しみ利用しやすい図書館づくりを目指し、駅前活性化に寄与できる施設として地域と連携を図り貢献していきたい」などとしている。

第70回土浦市美術展開幕 市民ギャラリーで初 力作374点一堂に

【鈴木宏子】県内で最も歴史がある市民公募型の美術展「第70回土浦市美術展覧会(市展)」が19日、JR土浦駅前、アルカス土浦1階の市民ギャラリーで開幕した。日本画、洋画、彫刻、美術工芸、書、写真など市民の力作374点が一堂に展示されている。 昨年11月末オープンした同ギャラリー第2弾のオープニング展として開催された。市展が同ギャラリーで開催されるのは初めてとあって、昨年度より約2割(55点)多い作品の出展があった。市内のほか県南の高校生から80代まで365人の作品が展示された。主催は同市美術展委員会(平田洋香委員長)など。 書家の平田委員長は「今年はそれぞれの部門で大きな作品が増えるなど、力の入った作品が増え、意気込みが感じられる。書の部門では(掛け軸などの)表具の仕方にも工夫が感じられ、(巻物にした)巻子(かんす)のかな作品も初めて登場した」と今年の特徴を話した。彫刻家の磯山芳男委員は彫刻作品について「等身大の作品や、木で魚を彫った木彫、漆を使った乾漆の技法、難しい技術がいる鋳造ブロンズ、テラコッタ(素焼きの塑像)など、いろいろな技法を使ったバラエティーに富んだ特徴ある作品が出てきている」と語っていた。 同展は戦後直後の1947年に始まった。市展を目指して日ごろの制作活動に励む市民も多いという。 友人と訪れたつくば市の無職、唐沢聰さん(70)は「個性を出した、いろいろな表現、技法、技術、描き方があると感じた」などと感想を話していた。 ◆入場無料。会期は28日(日)までの10日間。開館時間は午前10時~午後6時(最終日は午後3時まで)。会期中の土日曜(20~21日、27~28日)はギャラリートークが催され、市展委員を務めるプロの作家が会場で鑑賞のポイントなどを解説する。

「労苦の記憶」60点 阿見予科練記念館でシベリア抑留者展

【鈴木宏子】第2次世界大戦後、シベリアなどに抑留された体験者が、当時の労働や生活の様子を描いた絵画や、身に着けていた防寒着など計約60点を展示した企画展「シベリア強制抑留関係展示会~労苦の記憶」が阿見町廻戸、予科練平和祈念館で開かれている。 約5万5000人が死亡したとされる抑留者のうち、旧ソ連政府から1991年に日本に引き渡された全9冊の死亡者名簿なども展示され、5735人の氏名、生年月日、軍人階級、死亡年月日が記されている。モンゴルの首都ウランバートルで道路舗装作業に従事する抑留者の様子を描いた当時のビデオなども上映されている。 同館が全国強制抑留者協会(東京都千代田区)に協力を依頼し開催した。同館でシベリア抑留者展を開催するのは初めて。 奈良県大和高田市出身の吉田勇さんが引き揚げ後に描いた、雪の中で樹木の伐採をする作業の様子や、日々の生活の様子を描いたパネル絵のほか、当時、伐採作業で使用されたのこぎり、おの、抑留者が作業の合間に手作りした木製のマージャンパイなども展示されている。 同館の豊崎尚也学芸員は「一般には1945年8月15日の玉音放送で太平洋戦争は終わりを迎えたといわれているが、それ以降も、戦争が続いていた抑留者の方々がいたことを知ってくれたら」と話している。 3月18日まで。月曜休館。同企画展のみは入場無料。常設展の入場は一般500円。問い合わせは電話029・891・3344(同館)

国保改革めぐり、つくばの乱 議会が意見書可決 「他市町村分も負担」

【鈴木宏子】国民健康保険(国保)の運営が今年4月、市町村から県に移行する制度改革をめぐって、県が昨年11月に市町村に示した保険料などの仮算定の数値が波紋を広げている。「(県が示した数値は)到底市民の理解が得られない」などとして、つくば市議会は11日、見直しを求める意見書を全会一致で可決した。 仮算定でつくば市は、2018年度に必要な保険料総額(国保の全体事業費)が一人当たりに換算して3117円増加し、一人当たりの年間額が県内一高い13万191円になるという数値が示されたことを受けた動きだ。 意見書は市議会文教福祉委員会の橋本佳子委員長が提案した。市民が払う国保税を現行のままと推計した場合、一般会計からの繰り入れの著しい増加が見込まれるなどとして、県に対し、積算根拠を明確に説明すること、保険税の引き上げとならないよう財政措置を講じることなどを求めている。議会では「つくば市が他市町村分を負担している」などと仮算定を批判する意見も出た。市も議会と足並みをそろえ、見直しを求める要望書を共に15日に県に提出するという。 一方、市民が実際に支払う国保税がいくらになるかはまだ決まっておらず市は3月議会に提案するとしている。 新制度への移行に向けて、県は昨年3月、県国民健康保険制度移行準備委員会(委員長・兪和茨城大教授)を設置し、市町村代表も加わって、保険料や運営をどうするかについて検討を続けてきた。保険料は県内統一でなく市町村ごとに算定していくことが決まり、昨年11月28日の第4回会合で各市町村の保険料を仮算定した数値が示された。 2018年度に必要な保険料総額が17年度より増加する市町村はつくばのほか龍ケ崎、常陸太田、那珂、牛久の5市で、39市町村は減少する。一方、一人当たりに換算すると保険料が増加するのが33市町村、減少するのは11市町村となる。つくば市は保険料増加額も県内で最も大きい約9632万円となる。 ただしあくまでも仮算定で、今後、1月下旬までに本算定が示され、各市町村は一般会計からいくら繰り入れるかを決めて国保税を算出する。 2018年度国民健康保険料総額の仮算定の数値 市町村 一人当たりの必要保険料総額(円) 前年度と比較した18年度の増減額(円) 1 つくば 130,191 3,117 2 八千代 130,005 ▲4,074 3 守谷 128,813 ▲3,885 4 境町 128,570 2,110 5 かすみがうら 126,011 ▲1,291 6 坂東 125,508 3,005 7 稲敷 124,694 ▲14,049 8 大洗 124,339 2,977 9 行方 122,994 ▲6,841 10 神栖 121,989 1,495 11 筑西 121,636 2,912 12 美浦 121,397 ▲6,107 13 古河 121,075 2,899 14 下妻 120,572 2,887 15 鉾田 120,062 356 16 茨城 119,515 2,861 17 東海 119,429 2,859 18 小美玉 119,008 ▲4,510 19 水戸 118,977 2,849 20 常総 118,605 2,839 21 土浦 117,540 2,814 22 桜川 117,523 2,814 23 五霞 117,509 2,813 24 ひたちなか 116,841 2,798 25 那珂 116,371 2,786 26 結城 113,885 2,726 27 北茨城 113,401 ▲1,861 28 鹿嶋 112,733 1,354 29 笠間 111,682 1,649 30 石岡 111,278 2,664 31 日立 111,262 ▲28 32 常陸大宮 111,171 559 33 つくばみらい 110,143 2,637 34 潮来 109,948 2,632 35 阿見 109,128 2,612 36 高萩 108,574 2,600 37 河内 108,186 ▲21,369 38 常陸太田 107,175 2,566 39 大子 106,596 ▲11,536 40 龍ケ崎 106,002 2,538 41 利根 101,519 2,430 42 取手 99,263 2,377 43 牛久 98,851 2,366 44 城里 97,311 2,330 県平均 116,719 1,304 ※激変緩和措置実施済み ※第4回茨城県国民健康保険制度移行準備委員会資料より作成

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