木曜日, 5月 16, 2024
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オオヒシクイの行動に異変 越冬地の稲敷から日中、鹿島灘へ

【鈴木宏子】稲敷市の稲波干拓地で越冬する国の天然記念物オオヒシクイ=メモ=の行動に異変が起きている。日中、干拓地を飛び立ち姿が見えない日が多くなった。保護活動に取り組む「稲敷雁の郷友の会」(坂本勝己会長)が追跡調査したところ、約30㎞離れた鹿島灘の海上で過ごしていることが分かった。 今シーズンは昨年11月10日に初飛来し、現在124羽が干拓地に広がる田んぼで越冬している。2010年ごろまでは現在の半数ほどしかいなかったが、その後数が増え、15年には記録がある中で最多の135羽が飛来した。 同会によると、異変が目立つようになったのは数が増えた15年ごろから。昨シーズンは越冬日数148日間のうち4分の3の114回、干拓地の外に飛び去り、夕方や翌朝などにえさを食べに戻ってきた。 関東唯一の越冬地のため昨年は首都圏などから1000人以上が訪れたが、姿を見られない見学者も多かった。 ■飛び立つ行動を学習か 昨シーズンの調査によると、飛来した当初の11月は、上空や周辺を通過するヘリコプターやセスナ機などに敏感に反応して飛び立つことが多かったが、1月以降はきっかけがなくても午前中に干拓地を飛び立ち、戻ってくる日がほぼ毎日続いた。 2006年までは干拓地隣りを流れる小野川河口をねぐらにし、警戒して飛び立った際もよく小野川に避難していた。昨シーズンは小野川を利用することは一切なかったという。 同会の武藤隆一事務局長(73)は「(警戒する出来事が)たびたび起こったので、ある時間になると飛び出すということを学習したのではないか」と話し「(飛び立つ)原因は分からず専門家にアドバイスをもらっているが、越冬数が倍近くに増えたことで、以前と違う行動に変わったのではないか」と語る。 同干拓地では米価の低迷などから水田をハス田に転換する農家が目立つようになった。昨シーズンはオオヒシクイがよくえさを採る田んぼの近くでレンコン掘り作業が行われた影響もあったという。 オオヒシクイが飛んで行く先は、飛ぶ方角や飛行時間、目撃情報などを元に2年越しで調査を重ね、昨年、鉾田市の沖合1~4㎞の海面に浮かんで過ごしていることを突き止めた。 干拓地で過ごしていたこれまでは、日中、稲の二番穂をついばんだり、眠ったりして過ごしていたが、海上では何も食べていないことも分かった。 今シーズンも状況は変わらず、昨年12月下旬ごろから飛び立つようになり、日中は姿が見えない日が多くなっている。1月7日は、早朝、鹿島灘から稲波干拓地に戻り、えさをとっていたが、約3時間後の午前10時過ぎ、干拓地上空をセスナ機が通過したことをきっかけに再び飛び立ち、姿を消した。 ■環境改善へ取り組み始まる 調査結果を受けて同会は昨年から市や県と対策を協議。行政の協力を得て、オオヒシクイがえさを採る田んぼ近くのレンコン生産者に協力を呼び掛けたところ、今シーズンは10月末までにレンコン掘りを終え、越冬期間は農作業を行わないなどの協力を得た。 セスナ機などが離着陸する周辺の竜ケ崎飛行場(龍ケ崎市)や大利根飛行場(河内町)にも協力を呼び掛けているほか、小野川でバス釣りをするレジャーボートにも上流から川に入らないようにしてもらっている。 一方、オオヒシクイが安心して過ごせる代替地はないかと利根川下流に広がる水田地帯を探し回ったという。しかし稲波干拓地のような約230haにわたって家や電柱が一切なく見通しがきく場所は他になく、かけがえのない場所であることを再認識した。 武藤事務局長は「自然はいったん変わってしまうと元に戻すのは大変だが、長く保護活動をやっていきたい」と話す。 ※メモ 【オオヒシクイ】ガンの一種の渡り鳥。体長約90㎝、羽を広げると約180㎝ほどの大きさがあるが、警戒心がとても強い。ロシアのカムチャッカ半島で繁殖し、毎年11月ごろ稲波干拓地に飛来して越冬し3月初めに繁殖地に帰る。

ベトナム留学生 子どもたちに食事振る舞い文化紹介 筑波学院大

筑波学院大学(つくば市吾妻)のベトナム人留学生らが26日、同大の学生食堂に地域の子供たちを招いてカレーを無料で振る舞い、ベトナム文化を紹介した。「子どもビストロ」と名付けた食事会で、同大ビジネスデザイン科のフン・ドク・フィーさん(29)さんら4人が開いた。 子どもたちと食事をしながら自分たちの文化を紹介したいと思ったのがきっかけ。準備を進める中、日本の子どもの貧困問題や子ども食堂の存在を知り、市内の子ども食堂を見学して学ぶなどしてきた。 第1回目は大学関係者や市国際交流協会に声を掛け、子ども無料、大人300円で開催した。日本の小学生のほか、インドネシア、中国の小中学生と保護者など計約20人が参加し、学生食堂を運営するフランス料理店グルマンの協力で、甘い味付けのカレーやデザートを振る舞った。 食事の後は、ベトナムの食べ物や祭りなどの写真を映しながら文化を紹介。ベトナム語でじゃんけんゲームなども楽しんだ。 子どもたちからは「ベトナムはどのようにしてできた国ですか」「社会主義の国は日本とどう違いますか」などの質問が出て、フィーさんは「長い長い戦争があって、勝って、負けて、1976年に自由になった国です」「自分の意見を自由に言えて、平等な国です」などと答えていた。 フィーさんは「初めてで緊張した。できる限り社会貢献できれば」と話していた。ゆくゆくは月1回程度、子ども食堂を開きたいという夢があるという。(鈴木宏子)

つくば市がワイン特区に認定

つくば市が「つくばワイン・フルーツ酒特区」に認定された。小規模な施設でも醸造・販売ができるようになり、新たなワイナリーの建設が期待される。同特区の認定は県内で初めて。 筑波山周辺の花こう岩が風化した土壌はワイン栽培に適していること、民間による遊休農地を活用したワイン用ブドウ栽培が市内で2012年から始まっていることなどを生かして、新たな特産品をつくり、農業や観光業を活性化するのが狙い。 9月29日、国に申請し、12月26日付けで認定された。認定により酒類の製造免許を申請する際の最低製造数量の基準が、ワインの場合6000ℓから2000ℓに緩和される。 市内には現在ワイン用ブドウを栽培している農家が3件ある。そのうち規模が小さい「ビーズニーズヴィンヤーズ」(同市神郡、今村ことよさん栽培)と、「つくばヴィンヤード」(同市栗原、高橋学さん栽培)の2カ所が今回の規制緩和の対象になるという。 将来は県内一の栽培面積があるブルーベリーを活用したブルーベリー酒などの特産品開発も期待されるという。(鈴木宏子)

7万4000人が来館 土浦市立図書館オープン1カ月 貸出者・冊数2倍、新規登録27倍に

土浦駅前に市立図書館・市民ギャラリー「アルカス土浦」がオープンして27日で1カ月になる。24日までの入館者数は図書館が6万3004人、ギャラリーが1万1000人の計7万4004人。市の人口(約14万人)の半分が来館した計算になる。開館日の1日平均入館者は約2800人。移転前の旧図書館と比べると本などの貸出者数・貸出冊数がいずれも2倍に増え、新規登録者は27倍に増えたという。 入沢弘子館長は「(文京町にあった)旧図書館は本を借りたい人、見たい人に利用が限定されていた。児童書コーナーも3階にありエレベーターが無かったのでベビーカーを押す人たちは利用しにくかった。駅前になり、ベビーカーを押す若い人たちやスーツ姿のビジネスマンなど、これまでなかった利用者層が増えた。夕方は、土浦は高校生がこんなに多いのかと思うくらいたくさん来る。駅前のにぎわいづくりに役立っている施設であることを実感している」と1カ月間を振り返る。 95席ある4階学習室は午後3時以降は高校生などで連日ほぼ満席となり、最大100席ある隣接の研修室を開放しているという。冬休みに入ってからは図書館で静かに勉強する小学生も目立つ。2階児童書コーナー奥の「おはなしのへや」で催されるお話し会も人気で、90人近くが集まったこともあった。新たにスタートした託児サービスの利用者からは「子供が生まれて初めてゆっくり雑誌をめくる時間がとれた」などの感想が寄せられたという。 イベントも好調で、9日催した人気の装丁家、鈴木成一さんのトークライブは約120人の参加者でいっぱいになった。同イベントでは初めてマイクを使用し、にぎわいをつくる場所であることを印象付けた。 利用者の評価も上々だ。4歳の長女を連れてお話し会に参加したという近くに住む薬剤師の女性(39)は「長い時間じっとしていられない子だが、お話し会はじっと聞いている。紙芝居も読みたいと言い出すようになった」と子育てへの好影響を話す。 駅周辺に住む高齢者が通う生きがい対応型デイサービス施設「いきいき館たいこ橋」(同市川口、モール505内)の坂本繁雄館長(59)は「利用者の何人かから『便利でいいよ』という話をよく聞く。今まで高齢者がゆっくりできるスペースがなかった」と語る。 入沢館長は「今年度中は館内のサービスを検証し、体の不自由な人や子ども連れの人たちがもっと利用しやすくなるよう、案内表示や本の並べ方、展示の仕方などを含めて見直し、軌道に乗せたい」と話す。毎週末続くオープニングイベントが一段落する来年度からは「土浦ならではの特徴を出して、図書館から街中にもっと足を運んでもらえる仕掛けをつくっていけたら」という。 街中の反応はさまざまだ。関東最大級の25万冊以上の蔵書がある近くの古書店「つちうら古書倶楽部」の佐々木嘉弘代表(63)は「図書館を利用したお客さんが立ち寄ってくれるなど、初めて来店するお客さんがぽつぽつ来てくれるようになった」と話し「せっかく駅前に図書館ができたので本のまち土浦をアピールできたら」と語る。 一方、経済効果はまだのようだ。中心市街地でつくだ煮店「箕輪」を営む箕輪真澄さんは「(図書館オープニングイベントの一つで街なかを巡ってもらうための)スタンプラリーの利用者がほとんどおらずまだまだPR不足だと思う。駅前に塾や飲食店は増えたが買い物ができる場所がまだ少なく、(図書館ができても)中心市街地としてはまだ物足りないのではないか」と指摘する。(鈴木宏子)

クレオ再開いつに? 来年2月以降完全閉店 「売却可能性ゼロでない」 議会が財政負担を決議

つくば駅前の大型商業施設クレオ(つくば市吾妻)から来年2月までにイオンつくば駅前店が撤退する。今年2月末の西武筑波店に続く相次ぐ撤退となり、科学万博が開かれた1985年にオープンしたクレオは後継店が決まるまで完全閉店となる。クレオを運営する筑波都市整備(同市竹園)によると西武撤退から10カ月が経ち現在も後継店の誘致を続けているが、再開の見通しはまだ立っていない。クレオ再開はいつになるのか。 クレオ2階では現在、専門店8店も営業している。同都市整備によると8店は来年1月末にそろって撤退する。そのうち呉服店「さが美」は隣接の商業施設キュートに移転、残り7店はキュートへの移転も含め交渉中という。 ■引き合い7割も断念 西武が撤退を発表したのは2016年8月。同都市整備は直後から後継店の誘致活動を続けてきた。まず全国規模で展開する百貨店を対象に誘致をしたが難航。続いて家電量販店や家具店などフロア単位で入居する大型店の誘致を行った。入居を希望する大小それぞれのテナントから引き合いがあり、何社かと交渉も進めた。 しかし「(面積の)7割程度の引き合いがあったが、維持管理費などコストを考えると赤字になる」などの判断から再開を断念したと、同都市整備の糸賀徹総務部次長は説明する。「賃料など条件が合わないところもあった」という。 建築から32年経ち設備の老朽化も指摘されている。イオン駅前店店長は閉店に関する顧客からの問い合わせに「開店後32年を経過し、建物や各施設自体に老朽化が進んでいる」(12月18日付け回答)とも言及した。 これに対し同都市整備は「設備の故障や修理はその都度、対応している」とし、設備の更新については「後継店が決まったら投資するが、今のところ見えないのでどうするとは言えない」と話す。 ■市が公共施設を 15日閉会したつくば市議会12月議会最終日、クレオなどの再生に市が施策を講じることを求める決議が採択された。多くの市民からクレオ再生を望む声が寄せられ、中心市街地に図書館の拡充や子育て関連施設など公共施設の整備を求める声が高いなどとして①市がクレオ内に公共施設を整備するなど一定の財政負担をする②同都市整備などに拙速にものごとを運ばないよう申し入れることを求める内容だ。背景にクレオ売却への懸念があったとされる。 同都市整備の糸賀次長は売却懸念に対し「建物が大きいので固定資産税などかなりの経費が掛かっている。いつまでも後継テナントが決まらないと支えきれないし、持ちきれない」とし「今後引き続き後継テナントを当たって目途がつかない場合、(売却の)可能性もゼロではない」と語る。 一方で決議に関しては「(市と)できるだけ協議したい」とし前向きに応じる意向だ。ただし7割の引き合いがあっても採算見通しが立たなかったことを考えると、市との協議がすんなり進むと見通せる話ではないのが実情だ。(鈴木宏子)

イブに2組が届け出挙式 土浦駅前、図書館屋外階段

クリスマスイブの24日、土浦駅前に先月末オープンしたばかりの市立図書館・市民ギャラリー「アルカス土浦」屋外階段(ステップガーデン)で、2組のカップルの届け出挙式が催された。中川清市長が式を執り行い、両親や友人らが見守る中、2組は永遠の愛を誓い合った。市役所に婚姻届けを提出した後、市が10分程度の簡単な挙式を行う届け出挙式の開催は県内で初めて。 坂靖明さん(29)、さやかさん(26)と、畑仲淳爾さん(38)、恵さん(34)の2組。それぞれ中川市長の面前で指輪の交換や宣誓書への署名を行い、市から花束と市のイメージキャラクター「つちまる」のぬいぐるみがプレゼントされた。図書館利用者やイベントの参加者などが立ち止まって、2人の門出を祝福した。 坂さん夫妻はいずれも地方公務員。挙式費用がかさむこと、準備が追いつかなかったことなどから結婚式を諦めていた矢先、市広報誌で届け出挙式を知り応募したという。2人は「大勢の人に祝福していただいて心からうれしい」などと話していた。 挙式の後、2組は隣接の市役所前うらら広場で開催されていた音楽ライブに参加し、大勢の祝福を受けた。 結婚情報誌「ゼクシィ」の協力で実施した。中川市長は「話を聞いたときはびっくりしたが、やってみるといいですね。オープンして間もない時期にできてよかった」などと話していた。(鈴木宏子)

土浦駅ビルがサイクリングリゾートに 日本最大級、ホテルも 来春第1弾オープン

JR土浦駅ビル「ペルチ土浦」(同市有明町)が来春、日本最大級の体験型サイクリングリゾートに生まれ変わる。レンタサイクル、サイクルカフェなどのほか、県内の人気店を集めたフードマーケットやホテルなどが次々にオープンする。 全長180㎞のサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」のスタート地点にあることを生かし、従来の駅ビルの枠を超え、ライフスタイルの発信や体験の提供に軸を移した新しい駅ビルになるという。JR東日本の子会社で同駅ビルを運営するアトレ(東京都渋谷区)が22日発表した。 駅ビルの新名称は「PLAYatre TSUCHIURA(プレイ・アトレ・ツチウラ)」で、第1弾として来年3月29日、核施設となる「りんりんスクエア土浦」が1階と地下1階にオープンする。1階にサイクルショップ、レンタサイクル、洗車・修理コーナー、地下1階にシャワー、ロッカーなどを備えた施設で、延床面積は計約959㎡。県が設置し、アトレが指定管理者として運営にあたる。整備費は約3億1700万円(県と土浦市が2分の1ずつ負担)。 駅直結の本格的サイクリング拠点施設は全国初で、サイクリングコンシェルジュが常駐し、地域の観光スポット、サイクリングコース、街の楽しみ方などの情報を提供する。 1階にはほかに、イタリアの自転車メーカー「ビアンキ」と、コーヒーチェーン店「タリーズコーヒー」によるサイクリングカフェがオープン。コンビニ、ドラッグストアなども開店する。 第2弾として来年11月、人気飲食店の企画・運営を手掛けるバルニバービ(東京都台東区)が、2~3階北側に「ステーション・ロビー・ツチウラ」を出店。学びや体験を充実させたカフェ、レストラン、クッキングスタジオなどを開く。 第3弾は2019年5月、2階南側に、地ビールや日本酒、パン、スイーツなど地元茨城の人気店を集めたフードマーケットがオープンする。 第4弾は19年秋以降、3~5階に、サイクリングを気軽に楽しむ人のためのカジュアルなホテルが誕生する。 土浦、つくば市など地域住民や駅利用者のほか、1000万人いるといわれる全国のサイクリング愛好者、アジアやヨーロッパなど海外のサイクリング愛好者の利用を想定しているという。 ペルチ土浦は地下1階地上6階建て、延床面積は約1万7400㎡。(鈴木宏子)

爆発予告に一時騒然 ヤマダ電機つくば店、YOUワールド客ら全員避難 不審物発見されず

21日昼ごろ、つくば市下原、家電量販店ヤマダ電機テックランドつくば店に、爆発予告があり、同店と隣接の温浴施設、つくばYOUワールドの利用客が全員敷地から出て避難するなど一時騒然となった。つくば中央署によると不審物は発見されず、同日午後3時ごろ避難は解除となった。けが人などはなかった。 同署によると、同電機店からの通報を受けて警察官が駆けつけ、同店と隣接の温浴施設の客を敷地外に避難誘導した。さらに約70人態勢で店内や敷地内で不審物を捜したが、不審物は何も見つからなかったという。 同日昼過ぎ、同店駐車場にはパトカーや消防車両などが集まり、警察官や消防署員らが店内や敷地内のあちこちを行き来しながら不審物を探す姿が見られた。同店が面する国道354号土浦野田線は午後1時30分ごろから3時ごろまで通行止めとなり、周辺では渋滞が発生した。 龍ケ崎市からYOUワールドに芝居を見に来たという女性(70)によると、午後0時50分ごろ、劇の座長が舞台に出てきてマイクで「ヤマダ電機に爆発予告があるので、そのまますぐに出てください」と言われたという。当時100人くらいが劇を見に来ていて、全員、避難した。荷物をロッカーに置いたまま出た人もいたという。女性は「びっくりして出てきた」と話し、混乱などはなかったという。 敷地から出されたYOUワールドの客の中には、施設が用意したマイクロバスの中で捜査が終わるのを2時間以上待った人もいた。店の前では、近所の人が、捜査の様子を心配そうに見守る姿が見られた。近くの男性(70)は「パトカーや白バイがいっぱいきて大騒ぎになっていたので何かなと思って来た。爆発物なんて話は今までここで聞いたことがない。私たちには訳がわからない」などと話していた。 近くには市立東幼稚園や市立東小学校が立地する。つくば市教育委員会によると、まだ子供たちが下校していなかった東小では、保護者に連絡し、午後3時ごろまでに児童を迎えに来てもらうなどしたという。(鈴木宏子)

38大学50チームが熱戦 プログラミング国際競技 筑波学院大が大会運営

大学生同士がコンピューターをプログラミングする能力を競う世界的な大会「ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト」のアジア地区予選が16、17日の2日間、つくば市竹園、つくばカピオで開かれた。国内外から38大学50チームが参加し、5時間にわたる熱戦を繰り広げた。情報分野の教育に力を入れる筑波学院大学(同市吾妻)がホスト校として大会運営にあたった。 東京大、筑波大など国内から31大学の43チーム、中国、韓国、シンガポールなどアジア各国から7大学7チームの約200人が参加した。3人がチームを組み、例えば10万通りあるさまざまな道路の最短コースを一瞬で導き出すプログラムをつくるなど、1台のコンピューターを使って問題を解き、正確さや速さを競った。 1位と2位を東京大のチームが独占し、韓国・ソウル大学校が3位に入った。優勝した東京大4年の劉鴻志さん(22)、3年の隈部壮さん(20)は「今年は素直な問題が多かったので早く解けた」と話していた。劉さんらは高校生のときからさまざまなプログラミング競技に出場し今年6年目の挑戦になるという。 ホスト校の筑波学院大からは学生ら約30人がボランティアで大会運営にあたった。(鈴木宏子)

国賠訴訟へ 弁護団が住民説明会 常総・鬼怒川水害被害

2015年9月の鬼怒川水害被害で市域の3分の1が浸水するなど甚大な被害を受けた常総市で17日、弁護士らによる国家賠償訴訟の住民説明会が開かれた。弁護士らは、水害は治水政策の誤りによるところが大きいとして、河川管理者である国を相手取って国の責任を問う裁判を起こしていくことを住民に呼び掛けた。住民が10人以上集まれば、国家賠償法の時効となる2018年9月までに水戸地裁下妻支部に提訴したいとしている。 つくば市の坂本博之弁護士ら八ツ場ダム(群馬県)差し止め訴訟や水害訴訟の経験がある弁護士が、7日に説明会のちらしを新聞折り込みで市内全戸に配布し、石下総合福祉センター(新石下)と水海道生涯学習センター(水海道天満町)の2カ所で開催した。弁護士4人が手弁当で参加した。 まず水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之代表が国による鬼怒川の治水対策について「上流に大規模ダムを屋上屋を重ねるようにつくり、下流の堤防整備は遅れていた。ダム偏重の河川行政により水害が起こった」と指摘した。 都内から参加した只野靖弁護士は「1984年の最高裁判決以降、住民に極めて厳しい判決が出されている」と水害訴訟の歴史を説明した上で、今回、越水や決壊が起こった2カ所の堤防のうち若宮戸地区について「堤防の役割を果たしてきた自然砂丘が長年にわたって削られていたのに国は保全や築堤の計画を立てず放置していた、特に2014年はソーラーパネルの設置により大規模に削られたのに改修箇所に入れてなかった」などと国の責任を指摘した。 石下福祉センターでは住民約50人が参加した。園芸農家の男性は「ハウスに甚大な被害を被った。若宮戸はもともと無堤地区。山林の砂丘が自然堤防だったのに(砂丘を削るという)業者の開発を認めたのは国。人災だと思っている。国の責任を認めさせるよう闘っていけたらと思う」と話した。 参加者からは「全壊に近いのに半壊しか認められなかった友人がいる。水害のショックが大きく心労が重なったことが原因で脳梗塞になり入院し死亡した。遺族は原告として参加できるか」「自分は裁判をやりたいが家や土地は親の名義になっている。親でないと原告になれないか」などの質問が次々に出された。 今後は、提訴の意向がある住民を対象にアンケート調査をした上で、弁護士が個別面談などを実施する予定という。(鈴木宏子)

絶滅危惧種サンカノゴイ 防鳥ネットにからまり死ぬ 土浦市沖宿町のハス田

土浦市沖宿町、霞ケ浦湖岸のハス田で、絶滅危惧種のサンカノゴイが、防鳥ネットにからまり死んでいるのが見つかった。個体数が少なく、これまで同市で確認されたこと自体なかった。 日本野鳥の会茨城支部会員で同市の金沢まち子さんが12日午後4時ごろ発見した。すでに死んでいたという。ネットに首がからまっていた。 サンカノゴイはサギの仲間で体長70㎝くらい、羽は薄茶色で、羽を広げると140㎝くらいの大きさになる。田んぼに入って水生昆虫や魚、小動物などを食べるという。留鳥で、県内では利根川下流の湿地などで確認されているほか、近くの千葉県印旛沼でも生息が確認されている。 県鳥獣保護員で野鳥の会茨城支部副会長の明日香治彦さん(77)は「防鳥ネットの側面の開いていたところから中に入って、驚いて飛び立ったときに首がひっかかったのではないか。大変悲しい現実」と話し、発見した金沢さんは「本物のサンカノゴイを見たのは初めてなので大変驚いている。防鳥ネットがきちんと張られていたら防げた惨事だと思う。貴重な鳥だけに悲しい」と話している。 県環境政策課は「防鳥ネットに隙間が空いているなど適切な管理がされてない場合、鳥が入って飛び立つときに引っかかるケースが多い。JAで適切な管理を指導していただいているが、行き届いてないところでこういう事案が発生してしまう。引っかかっている鳥を狙って猛きん類が引っかかる二次被害も起きている。保護する立場としてはひじょうに残念」とし、土浦市農林水産課は「防鳥ネットは農作物の被害防止につながるが、鳥獣が引っかからない形で耕作してもらうのが望ましい」と話している。 霞ケ浦・北浦はガン・カモ類が2万羽以上飛来するなど国内有数の水鳥の生息地。沿岸のハス田では野鳥によるレンコンの食害を防ぐため2002年ごろから、防鳥ネットが張られるようになった。ネットに引っかかり死ぬ野鳥も目立つようになり、野鳥の会茨城支部は霞ケ浦・北浦沿岸のハス田で毎年、防鳥ネットによる野鳥の被害状況を調査している。今年1月の調査では、19種類以上1570羽が防鳥ネットにかかっているのが確認された。県は防鳥ネットを開けたままにしないなど適切な管理を呼び掛けている。(鈴木宏子)

手荷物検査など警備強化 つくば市成人式 今年の大荒れ式典受け

今年1月のつくば市成人式が大荒れとなり、19歳の少年1人が公務執行妨害の疑いで逮捕されたのを受けて、五十嵐立青市長は13日、来年の成人式の運営と警備体制を大幅に見直すと発表した。受付で手荷物検査を実施するほか、警察官による周辺や会場内の警備を強化、式典そのものを例年の2時間30分程度から40分に大幅短縮する。 受付では、あらかじめ新成人に発送した入場券を確認し、入場券がない新成人は原則、入場できないようにする。手荷物検査ではバッグの中を開けてもらい、酒類や大きな音が出るクラッカーなど危険物の持ち込みを禁止する。 つくば中央警察署、つくば北警察署に協力を依頼し、周辺の違法駐車対策のほか、会場内の警備を強化してもらう。 スタッフは市職員、協力団体、警備員合わせて、昨年の約90人から200人以上に大幅増員し、会場内や周辺の警備を強化する。 式典は例年、午後に2時間30分程度催していたが、来年は新成人の誓い、主催者あいさつ、津軽三味線演奏などだけに簡素化し、午前中の40分間程度に短縮する。昨年、新成人がステージに上ったのを受けて、ステージ前に鉄柵を設置し警備員を配置する。 ほかに会場周辺は例年、送迎車で渋滞することから、隣接地に送迎スペースを設けて乗降してもらい、路上での乗降を規制する。 来年の同市成人の集いは1月7日午前11時からつくばカピオ(同市竹園)で催される。県内最多の2774人が成人の日を迎え、当日は約1800人が参加すると見込まれている。 大荒れになった今年の成人の集いは1月8日、つくばカピオ(つくば市竹園)で催された。式典の開始15分後、新成人約20人が警備員の制止を振り切り、壇上に上がったり、椅子を投げつけたりするなどして約20分ほど式典が中断し、土浦市の19歳(当時)の少年が公務執行妨害の疑いで逮捕された。(鈴木宏子・ラヂオつくば特約記者)

連絡通路の屋根崩落 筑波大 42年前に建設、老朽化原因か

筑波大学(つくば市天王台)で10日午前7時45分ごろ、建物と建物の2階部分をつなぐ連絡通路(渡り廊下)の屋根が崩落した。日曜日だったことから建物内や付近に学生などはおらず、けが人はなかった。 屋根は長さ約17.5m、幅約4.7m、重さ約25t。鉄骨造りで、42年前の1975年に建設された。屋根を建物に固定していた片側の鉄筋が切れていた。原因は調査中だが老朽化によるとみられている。 屋根は3年に1度点検していた。前回2015年10月の点検では異常は確認されなかった。崩落直前も予兆などはなかったという。建設以来、改修工事などは実施されておらず、来年度予算に改修を概算要求していたという。 事故時、近くの警備員室にいた警備員がどーんという大きな音を聞き、駆け付けたところ、屋根が約2m下の2階通路に落下し、光を取り入れるための屋根のガラスが割れ、通路に散乱していた。通路手すりも一部破損し、通路に出入りする片側の建物の扉のガラスも割れた。 同大は通路付近を通行止めにし、近く屋根を撤去する方針。類似箇所が構内にどれくらいあるかについても調査を進めている。 一方、通路両側の建物では現在も授業が行われている。授業で何度も通路を行き来したという社会学類2年の女子学生は「学内でも(今回事故が起こった建物や人文社会学系棟などがある)第1エリアの建物だけ古いのではないか。何か起きる前に危険箇所を点検してほしい」と話していた。 同大広報室は「安全確保をしたので、今後、事故原因を明らかにし、類似箇所を調査したい」としている。(鈴木宏子)

子ども食堂がプレオープン 土浦駅前の総合福祉会館 月1回、100円で手作りの食事提供

土浦駅前の市総合福祉会館(同市大和町)5階に11日、子ども食堂「つちうらほぺたん食堂」がプレオープンした。子どもの貧困や孤食などが社会問題になる中、来年1月から月1回、1食100円で子どもたちに手作りの食事を提供する。 市社会福祉協議会(会長・中川清市長)といばらきコープ(鶴長義二理事長)が共同で取り組む。市内の一人暮らしの高齢者などに手作り弁当を調理・宅配している市社協の調理ボランティアが温かい食事を作る。JA土浦から野菜などを無償で提供してもらうほか、今後、市民の寄付なども募って運営する。 市内に住む中学生以下の子どもならだれでも利用でき、保護者も1食300円で一緒に食事できるのが特徴だ。保護者は高校生以上ならきょうだいや祖父母でも構わないという。子どもたちは食事のほか、宿題をしたり、ボランティアと遊んだりなど自由に過ごすことができる。 下妻、常総、結城市の3カ所ですでに子ども食堂を展開しているいばらきコープ食育サポーターが運営のノウハウを提供する。スタート時は月1回だが、利用者の要望により回数を増やしたり曜日を変更することも検討する。 市社協の調理ボランティアは現在約250人いる。子ども食堂にはそのうち約30人が登録し、毎回10人ほどが交代で調理をするという。市社協では将来、運営のノウハウを学んだ調理ボランティアらが中心となって、市内の中学校区ごとに開設したい意向がある。 11日は地元のレンコンやカボチャ、ピーマンなどが入ったカレーが出された。近隣の小中学校にちらしをまいて参加を呼び掛け、小中学生38人と保護者らが参加し、元気にお替わりをする子どもたちも多くいた。土浦二中1年の沢辺湧星さん(13)と妹の媛星(きら)さん(11)は「野菜そのものの味がしておいしい」「来月も来たい」などと話し、調理ボランティアの田之室光子さん(73)は「月に一度だけでなく1回でも多くできれば」などと語っていた。(鈴木宏子、谷島英里子) ◆つちうらほぺたん食堂は来年1月から毎月第4水曜日午後5時から8時ごろまで開設する。本格オープンは1月24日午後5時。保護者が送り迎えすることが原則。参加費は中学生以下100円、保護者300円。詳しくは電話029・821・5995(市社協福祉のまちづくり係)  

つくば市民大学 12月末で活動休止 開校から9年、体験型講座で先駆的取り組み紹介

市民の学びの場「つくば市民大学」(つくば市東新井、ろうきんビル5階)が12月いっぱいで活動を休止する。2009年4月の開校から9年間、活動を助成してきた中央ろうきん社会貢献基金の解散に伴う休止という。受講生からは休止を惜しむ声が相次いでいる。2021年度に新たな形で再開を目指すという。 多様性、持続可能性などをテーマに、先駆的な取り組みを紹介する体験型講座を開き、市内だけでなく都内などからも受講生を集めてきた。ここ5年ほどは年平均100回を超える自主講座を開き、年約2400人が利用した。 障害者と一緒に実際に街なかで買い物をし、健常者には気づかない発見やアイデアを出して新商品を開発する新しいデザイン手法を体験したり、振動や光で音楽を表現する楽器を聴覚障害者と一緒に楽しむユニークな講座も開かれた。視覚障害者とマラソンを走る伴走者を養成する講座では、受講生が実際のマラソン大会に出場した。 講座を企画、運営してきたつくば市の北村まさみさんは「人と違う見方や考え方を安心して出して意見交換できる場所だった」と振り返り、赤松洋子さんは「市民が講師となる講座も開き、講師自身が仲間と一緒に学ぶ場にもなったのでは」と話した。 受講生で筑波大大学院の男性は「一方通行の大学の授業とは異なり(どんな発言をしても)安心して対話を進めることができ、学ぶことの面白さに気付くことができた」と語り、都内から参加した井上愉可里さんは「いろいろな活動をしている人がいっぱい参加していて、つながる場になっている」と活動休止を惜しんだ。 同大学を運営する市民団体「ウニベルシタスつくば」の徳田太郎代表(45)は「ここを拠点にした活動が地域で具体的な形になったり、ここで出会った人同士がつながって地域でいろいろな活動を展開するなど新しい形になっていったと思う」と9年間の成果を話し、今後は「3年間の充電期間を経て2021年度に何らかの形で学ぶ場をつくりたい。楽しみにしていてください」と話している。(鈴木宏子)

日本一のハクサイ産地、八千代町を活性化へ 筑波学院大学生らが挑戦

日本一のハクサイ産地として知られる八千代町の活性化に、筑波学院大(つくば市吾妻)の学生らが挑戦する。第一弾として1日、学生約20人と高藤清美学部長らが同町をバスで訪れ、ハクサイの収獲作業や露天風呂などがある八千代グリーンビレッジを見学した。今後さらに意見交換会などを開いて町おこしのアイデアを提案していくという。 同大と町商工会が9月に町活性化を目指す協定を締結。協定に基づき1日、町商工会地域活性化推進委員会(高塚幹夫委員長)の案内で、町役場、町歴史民俗資料館、平将門ゆかりの山川不動尊(結城市)などを回った。ベトナムやモンゴルからの留学生も参加した。 役場では町まちづくり推進課の馬場俊明参事が町の強みと弱みを説明。強みはハクサイのほかキャベツ、レタス、ナスなどが全国屈指の生産量を誇るほか、家族1世帯当たりの人数が3・14人と県内1位(県平均は2.56人)だと話した。弱みは、公共交通が少ない、病院が少ない、雇用の場が少ないなどと説明した。 ハクサイ畑では、根元を包丁で切って外側の葉を取り除く収獲の様子を見学。約10haの畑で栽培する大久保真宏さん(45)は「今年は(秋冬ハクサイの出荷の)出だしが1箱(6~8個入り)200円にしかならなかった。収入が不安定」などと課題を話した。特産のハクサイと県産の豚肉を使った町オリジナルのキムチ鍋なども味わった。 参加した3年の鈴木光介さん(21)は「町の弱みとして若い女性の転出が多いと聞いたので、八千代町ならではの若い女性が働きやすい環境づくりを提案できれば」などと話した。 商工会活性化推進委の高塚委員長は「これからの社会を担う若者たちに、地域の経済やこれからのビジネスの在り方を勉強してもらえれば」と期待を話し、高藤学部長は「交流しながら活性化の提案をし、未来志向の産業創生に貢献する人材を育てていければ」と語っていた。(鈴木宏子)

95年以後の市民活動一堂に 世界湖沼会議サテライトつちうら 壁画アートや湖沼写真・映像展も

来年開かれる第17回世界湖沼会議(いばらき霞ケ浦2018)のサテライト会場の一つ、土浦市で催される「サテライトつちうら」の事業概要が決まった。メーンとして来年10月13日、土浦港前の結婚式場L'AUBE(同市川口)で、霞ケ浦や流域の環境保全に取り組む市内の市民団体、企業、行政などが一堂に介して、それぞれの活動を発表し意見交換する。土浦港の防潮堤に壁画アートを描くイベントなども計画されている。 土浦市は1995年に開かれた第6回世界湖沼会議の会場となった。第6回会議をきっかけに霞ケ浦市民協会が結成されるなど、市内でさまざまな活動が展開されてきたことから、95年以降の活動を集め、共有し、霞ケ浦の将来像を見出すことを目指すという。 来年5月末までに参加団体を公募し、当日はそれぞれの取り組みをポスターや口頭で発表してもらう。さらに95年の湖沼会議から今日までの各団体の活動をまとめた活動集(記念誌)をつくる。土浦港でカヌーやヨット体験、アルカス土浦市民ギャラリーで湖沼写真・映像展なども同時開催する。 10月に先立って、第1弾として来年7月16日、高校生が湖沼と流域の将来像を語り合い提言するハイスクール会議を、国民宿舎水郷跡(同市大岩田)で開催の「泳げる霞ケ浦市民フェスティバル」の中で開催する。 第2弾は8月25日、県霞ケ浦環境科学センター(同市沖宿町)で開かれる夏まつりに合わせて開く。7月の高校生の提言を踏まえ、霞ケ浦流域で活動する市民団体が、霞ケ浦や流域の将来像を語り合う。10月のメーン事業は第3弾となる。 市内の環境団体や商工農業団体、行政などでつくる、サテライトつちうら実行委員会(阿部彰委員長)が29日、同市役所で開かれ、概要が明らかにされた。予算は計約1500万円。 第17回世界湖沼会議は来年10月15~19日、つくば国際会議場などで催される。サテライト会場は土浦のほか、かすみがうら市、鉾田市、茨城町、水戸市。(鈴木宏子)

つくばナンバーの図柄決定 来年10月ごろから交付へ

つくば市など13市町が投票を実施していた自動車用ナンバープレートの図柄が28日、決定した。筑波山頂から太陽が昇るダイヤモンド筑波を鮮やかなグラデーションで表現したデザインが選ばれた。12月1日、国交省関東運輸局に提案する。来年10月ごろから交付が開始される予定という。 10月17日から11月15日まで、13市町のホームページや公共施設などで投票を実施していた。5930人から応募があり、3161票を獲得したダイヤモンド筑波の図柄が選ばれた。 併せてアンケート調査を実施したところ、53%の3140人から「(図柄入りを)付けたい」、30%の1772人から「まあ付けたい」との回答があり、8割が期待を寄せていることが分かった。寄付金の使途については「観光スポットの環境保全・美化活動に活用してほしい」が最も多く38%、続いて「広域観光パンフレットの作成」が24%だった。 カラーの図柄入りナンバープレートは、新車を購入する際などに、交付手数料に寄付金(金額は未定)を上乗せすれば取り付けができる。従来のモノトーンのナンバープレートも交付手数料のみで引き続き交付する。 つくばナンバーの交付地域はつくば市のほか、古河、結城、下妻、常総、守谷、筑西、坂東、桜川、つくばみらい市、八千代、五霞、境町の13市町。寄付金は交通安全啓発や広域観光キャンペーン、圏央道利用促進キャンペーンなどに活用する予定。(鈴木宏子)

新図書館のバリアフリー度を検証 電動車いすの今福義明さん 「市のセールスポイントになる」

市立図書館と市民ギャラリーを併設したアルカス土浦が27日、土浦駅西口前にオープンした。同日、市バリアフリー推進協議会委員を務める電動車いすの今福義明さん(58)と館内を回り、バリアフリー度をチェックした。今福さんは新図書館のデザインや配置に目を見張り「自治体のセールスポイントになるのではないか」などと話した。 今福さんは交通バリアフリーを求める市民団体「アクセスジャパン」代表で、全国各地を飛び回り、公共交通、公共施設などのバリアフリー度をチェックし提言している。土浦市の新図書館に対しては、市と障害者団体とのバリアフリー意見交換会などで、設計段階から当事者の立場で提言してきた。 同日、電動車いすで各階を回った今福さんは「デザインがすごくいい。どこにいても館内が見渡せ、堅苦しさがなくオープンな雰囲気」と高得点を付けた。「いろいろな高さやデザインのテーブルや椅子が配置されていて、余裕が感じられる。いろいろな視線が交差するデザインになっていて、ゆっくりできて落ち着く」と話し、「今風の図書館の機能とは何かということを再認識できる」と賛辞を贈った。 視覚障害者や聴覚障害者向けの読書機能が備えられているかを尋ねると、3階に案内された。点字図書コーナーはカウンター近くにあった。弱視者や色弱者向けの、本を読み取って文字を大きく映し出したり文字の背景の色を変える拡大読書器や、視覚障害者向けの対面朗読室を見せてもらった。拡大読書器や対面朗読室は今回、新たに導入されたという。今福さんは「バリアフリーの装置はそろっている」と納得していた。 課題も見つかった。1階と2階の多目的トイレは、出入口扉近くにオストメイト対応器具や洗面台が配置されているため、幅が狭い。トイレから出る際は開閉ボタンを押して扉を開けなくてはならないが、器具がじゃまになり、車いすではボタンに手が届かない。今福さんは常時携帯している自助具の棒で開閉ボタンを押し扉を開けることができた。「開閉ボタンの位置も少し高いのは」とも指摘した。 設計段階で開かれた意見交換会では、視覚障害者から、点字ブロックの動線や色について質問が出ていた。新図書館は点字ブロックや警告ブロックが館内をめぐっておらず、基本的に職員が案内する。今福さんは「使い勝手について、視覚障害者にも話を聞きたい」と話した。(鈴木宏子)

飲食店と高校生のコラボも 8000人の家族連れでにぎわう フェスティバル神立

今年で28回目を迎える毎年恒例の祭り、フェスティバル神立(神立商工振興会主催)が26日、土浦市中神立町、神立第3児童公園で開催された。41の飲食店や雑貨店、イベントブースなど多種多様なテントが並び、例年より多い約8000人の家族連れなどでにぎわった。市内の飲食店と高校がコラボしてオリジナル料理などを提供する企画「クッキング甲子園」も行われた。 同企画では、神立中央の精肉店、ミート今井と湖北高校家庭クラブがコラボして国産のレンコンを使った「湖北コロッケ」を販売。隣接のかすみがうら市のまちおこし会社、かすみがうら未来づくりカンパニーと霞ケ浦高校とのコラボ出店や、神立中央の洋食店、ひつじの小屋とつくば国際大学高校ファッション&クッキング部のコラボ出店もあった。 湖北高校家庭クラブの大久保綾香部長(17)は「今年で2回目の出店。クラブの活動を知ってもらいたいと出店に至ったが、仲間と協力する機会にもなって良かった。活動に特に力を入れてくれた1、2年生に感謝している」と話した。 神立高原スキー場をPRする黄色と黒の特徴的なデザインのテントも出店した。神立という地名は新潟県にもあり、今回、湯沢町神立から訪れた。湯沢町の田村さん(27)は「神立高原スキー場をもっと知ってもらいたい」と意気込みを語った。 フェスティバルは地域の活性化や住民同士の親睦を深めることなどを目的として始まった。実行委員長の八釼(やつるぎ)正樹(44)さんは「今年は例年に比べて来場者数が多く大盛況だった。神立地区総出で取り組んだことが影響したと思う」と話していた。 (枝川廉) 小学生が一日記者体験 会場回り各テントを取材 NEWSつくばはフェスティバル神立に出店し、子どもたちを対象に「1日記者体験」を催した。神立小学校3、4年の3人が参加し、会場を回って八釼正樹実行委員長にフェスティバルへの思いを聞いたり、各店に自慢の商品の作り方を聞くなどした。 3年の石原緑実(みみ)さん(9)は八釼実行委員長に「なんでフェスティバルをやっているんですか」などと質問。八釼委員長は「街の人が仲良くなるためです」などと答えた。4年の林山晃太朗さん(10)が「(会場の)どのお店に行きたいですか」と質問すると、委員長は「神立町内の店がたくさん出ているので、そこに行きたいです」などと応じていた。 会場内であいさつ回りをする地元の青山大人衆院議員に遭遇し、急きょインタビューする一幕もあった。3年の安斉良一さん(9)は「名刺はいつも何枚くらい持っているんですか」など質問していた。 一日記者を体験した林山さんは「いろんなことが分かって楽しかった。またやってみたい」などと感想を話した。 子どもたちを引率したNEWSつくばの大志万容子記者は「子どもたちが一生懸命やってくれて、お店の人も温かく対応してくれた。子どもたちにとって良い体験になったと思う」と話していた。(鈴木宏子)

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