【鈴木宏子】つくば市小田と土浦市東城寺の境界に位置する宝篋山(ほうきょうさん)は、国土地理院の地図に山の名前の表記がない。筑波山地域ジオパーク推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)が、名前を地図に表記する運動を展開することを検討している。13日、つくば市役所で開かれた同推進協臨時総会で明らかにされた。
標高461mの里山、宝篋山は、つくば市小田の住民らが荒れた山を整備し登山道を切り開いて以降、気軽に登れる山として人気が高まり、関東近郊から多くの人が訪れるようになった。宝篋山と周辺の平沢地区はジオサイトの一つにも指定されている。
同推進協によると、市内の登山愛好者から最近「ジオサイトに指定されているのであれば地図に地名が掲載された方がよい」などの意見が事務局に寄せられた。地名を表記するための必要手続きを国土地理院に尋ねたところ、宝篋山を管理するつくば市と土浦市の両市長から書面で申請があれば可能という回答があったという。
一方、宝篋山はほかに宝鏡山、豊凶山、峯鏡山、小田山、大形山などと表記されたり呼ばれたりしていることから、まず地域住民の理解を十分得た上で表記を宝篋山に統一したいとしている。さらに市民に地域資源としての宝篋山の価値や同ジオパークの取り組みを広く知ってもらう機会とするため、麓の小田休憩所などで署名活動を展開することを検討しているという。
臨時総会ではほかに「第5回日本ジオパーク関東大会」が2019年2月2日~3日、筑波山地域で開催されることが発表された。関東10地域のジオパークなどが一堂に介し、つくば国際会議場やつくばカピオなどを会場に、ジオガイド養成の課題や関東全体のジオストーリーの構築などについて話し合うという。約120人が参加予定で、筑波山地域のジオツアーなども開催する予定という。