火曜日, 7月 15, 2025
ホーム検索

延伸 TX -検索結果

If you're not happy with the results, please do another search.

茨城空港とTXはいいね 《令和楽学ラボ》19

【コラム・川上美智子】新型コロナが少し落ち着きを見せた5~7月、茨城県内での3年間の巣ごもりを解禁し、茨城空港から福岡と淡路島に飛び立ちました。どちらも1泊2日の日程でしたが、十分に目的を果たすことができ、この空港の価値の高さを再認識しました。 若いころから海外旅行が大好きで、成田空港はよく利用してきましたが、お隣に行く気分でローカル空港を活用すると、行動範囲が一挙に拡大することを実感しました。茨城空港のもう一つの魅力は、駐車場が無料で、ドアtoドアで手軽に空港に行けることです。 発着するスカイマーク便は、札幌、神戸、福岡、那覇の国内主要都市と茨城を結び、幼い子どもでも高齢者でも、簡単に短時間で目的地に運んでくれます。また、遠方から容易に旅行客を招き入れることができます。そのためか、家族連れも多く搭乗し、飛行機は満席でした。 先週あたりから、新型コロナ感染症の第7波が猛威を奮いはじめ、次にいつ利用できるかはわかりませんが、人気でチケットの取得が難しいので、便数を増やしてもらえると助かります。 TX延伸は県にとって死活問題 ところで、つくば市と秋葉原を結ぶTXの延伸が大きな話題となっています。振り返ると、TXがつくば市にもたらしたものは想像以上に大きかったと思います。1970年代の筑波研究学園都市の建設、1985年の科学万博開催、2005年のTX開通により、つくばは大きく発展してきました。 建設期のころ、県の公共事業再評価委員を拝命していたことから、つくばの開発現場を視察する機会がありました。そのときは、どこまでも広がる大地や林を前にして、このような田舎に人が住むようになるのだろうかという印象でした。一緒に視察した委員たちも、この開発は大丈夫かなと心配していました。 TXの1番電車にも試乗しましたが、田んぼや畑の中をひた走るTXの車窓からは、建物らしいものはほとんど見えませんでした。 今、TX沿線は住宅ラッシュで、若い家族が増えています。また、私が園長をしている保育園では、東京通勤の保護者や、東京から転入してくる子育て家族が目立ち、つくば市は成長し続けています。このTXの延伸がどうなるかは、県内の市町村にとっては死活問題です。 実現の時期は2050年ごろと言われていますので、我が年代が見ることはかないませんが、高齢社会の中での公共交通という立ち位置を考えると、とても重要な問題です。日本の大都市やアジアの玄関口となるよう、茨城空港へのTX延伸を期待しています。つくば駅から石岡、茨城空港、水戸とつながることが、県全体の発展に大切だと思います。 私は淡路島に生まれました。神戸から船で島に渡る時代は、旅行も大ごとでしたが、明石大橋や大鳴門橋が出来たことで、大きく発展し続けています。今回の1泊2日の旅行でも、島の先にある大塚国際美術館(鳴門市)に、簡単に足を伸ばすことができました。(茨城キリスト教大学名誉教授、みらいのもり保育園長)

乗車人員3割減 2020年度のTX 開業以来最大の赤字に

つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、柚木浩一社長)はこのほど2020年度営業実績を発表した。1日当たりの平均乗車人員はコロナ禍の影響で、19年度に比べ29.8%減(約11万8000人減)の約27万8000人と厳しい状況となった。 乗車人員の減少に伴い、営業収益は同比33.1%減の313億1600万円と大幅減となった。一方、営業費は動力・水道光熱費や税金が減少したが、前期に取得した工程試算の減価償却費が通年化したことなどから微増(0.0%増)となり、371億6700万円となった。 この結果、営業損失は58億5100万円(19年度は96億5300万円の利益)、経常損失は79億100万円(同76億6800万円の利益)となり、当期純損失は79億6400万円(同60億600万円の利益)となった。 営業損失は07年度以来13年ぶり。経常損失、当期純損失は08年度以来12年ぶりとなり、いずれも開業以来、最大の損失となった。 同社は、21年度は感染状況の先行きが不透明で、働き方や生活スタイルに変化が生じており、今後の事業環境を見通すことができない中、安全運転を徹底し、輸送動向の変化に対応したサービスの検討や経営基盤の強化に取り組んでいくとしている。 車両を大規模更新へ 3カ年の中期経営計画 合わせて21年度から23年度まで3カ年の中期経営計画を発表した。コロナ禍により大変厳しい状況にあるが、手を緩めず保守や投資を実施していくとし、車両の大規模更新に着手するほか、水害対策など防災対策を強化、駅ナカ・高架下の利活用促進など、3年間で170億円の設備投資を実施するとした。 今後3カ年の事業環境として、テレワークの定着など働き方の変化し出勤回数が減少する、沿線開発は徐々に成熟期を迎え人口の伸びが鈍化するとし、23年度の1日平均乗車人員は33~37万人と、コロナ前の19年度と比べ6~16%減少すると予測した。乗車人員減に伴い、23年度の経常損益は0~40億円の黒字を見込み、20年度の79億円の赤字から回復するものの、19年度の77億円の黒字には及ばないとしている。 3カ年の具体的な取り組みとしては、開業15年が経過し施設の劣化が進行しているため、車両の大規模更新のほか、電力管理システムの更新、列車無線、ITVシステムなど通信設備の更新、保守用車両進入路の新設・活用など進める。 防災対策としては、早期地震警報システムの更新、水害対策としてTX版タイムラインの整備、落雷被害対策の実施、光警報装置の追加など駅の災害設備の更新、運輸防災マネジメント指針への対応などを推進する。 バリアフリー対策としては、ホームのすき間対策、サービス介助士の養成などを推進する。 さらに8両編成化を推進するため、ホーム延伸工事の継続的に実施し、駅周辺環境の変化に対応した施工方法などの再検討や、長期的な混雑率の見通しを見極めた対応を推進する。 ほかに、駅に個室型ワークブース設置拡大やシェアオフィス設置の検討、TXアベニュー守谷の全面リニューアル(23年度予定)などを進めるとしている。(鈴木宏子)

《茨城鉄道物語》7 TXの8両化施策に想う

【コラム・塚本一也】今回はつくばエクスプレス(TX)の8両化について書かせていただきます。TXでは現在、車両を6両から8両へ増設する施策を実行しています。鉄道の増車というと、車両を連結するだけかというと、そうではありません。まず、車両の増設に合わせてホームを延伸しなければなりませんし、それに伴い、線路の改良、上家(うわや)の増築、出発信号の移設など、関連する工事がたくさん発生します。 しかも、工事は深夜の限られた時間内に施工しなければなりません。ゆえに、お金と時間が、一般の工事よりもかなりかかります。これは鉄道に関わる工事の宿命と言えます。 そこで、鉄道の新線を敷設する場合は、開業当時から将来を見込んで、ある程度の準備をしておきます。TXの場合も、ホーム延伸のための用地は確保してあり、線路も改良しなくて済むようにしてあります。また、ホームの床板を受ける桁を施工してある駅もありますし、なるべく省力化で対応でき、かつ過剰投資にならないような体制で開業しました。 開業後、順調に利用者数も伸びて、混雑緩和対策としての8両化が求められるようになりました。しかし、TX側の今の予定では、工期に10年かかるということであり、2030年の利用開始という説明です。これでは、あまりにも時間がかかりすぎます。鉄道事業で「旅客サービス向上」のための施策は、いつやるかというと、「今でしょ」という回答になります。 一斉老朽化を見据え今から準備を 私が在籍していたJR東日本でも、30年ぐらい前、「山手の11両化」という施策がありました。工事内容としては、ホームの延伸も線路の改良も含まれていましたが、29駅を2年ぐらいの工期で完了させたと思います。 当時は、混雑時に立席だけの車両を増設するということで、世間の注目を集めていた施策であり、決められた工期内に完了することが至上命令でした。そのためには、例えばクレーンを使わないで済むように軽量鉄骨を採用するなど、それぞれのセクションが知恵を絞りました。 TXによると、保守用工事車両の出入り口が限られており、工事間合いが確保できないために、工事に時間がかかるということです。しかし、点検や修繕などを主とする保守工事と、新たに鉄道設備を造る建設工事を同じ考え方で取り組むというのは基本的に間違っているような気がします。 例えば、建設用の仮構台を設けて資材の搬出入を効率化するとか、快速の停車駅だけを先行して開業するとか、旅客サービス向上のために最大限の努力をすべきです。 TXは開業後15年が経過しましたが、同じ時期に施工しているので、電気設備や信号設備などは間もなく一斉に老朽化の時期を迎えます。また、その他の駅舎や線路設備なども、ある時期に同じような劣化が発生することになり、その時には大規模な改良工事が必要になってきます。将来を見据えた施工体制を今から準備しておくべきと思います。(一級建築士)

《茨城鉄道物語》7 TXの8両化施策に想う

【コラム・塚本一也】今回はつくばエクスプレス(TX)の8両化について書かせていただきます。TXでは現在、車両を6両から8両へ増設する施策を実行しています。鉄道の増車というと、車両を連結するだけかというと、そうではありません。まず、車両の増設に合わせてホームを延伸しなければなりませんし、それに伴い、線路の改良、上家(うわや)の増築、出発信号の移設など、関連する工事がたくさん発生します。 しかも、工事は深夜の限られた時間内に施工しなければなりません。ゆえに、お金と時間が、一般の工事よりもかなりかかります。これは鉄道に関わる工事の宿命と言えます。 そこで、鉄道の新線を敷設する場合は、開業当時から将来を見込んで、ある程度の準備をしておきます。TXの場合も、ホーム延伸のための用地は確保してあり、線路も改良しなくて済むようにしてあります。また、ホームの床板を受ける桁を施工してある駅もありますし、なるべく省力化で対応でき、かつ過剰投資にならないような体制で開業しました。 開業後、順調に利用者数も伸びて、混雑緩和対策としての8両化が求められるようになりました。しかし、TX側の今の予定では、工期に10年かかるということであり、2030年の利用開始という説明です。これでは、あまりにも時間がかかりすぎます。鉄道事業で「旅客サービス向上」のための施策は、いつやるかというと、「今でしょ」という回答になります。 一斉老朽化を見据え今から準備を 私が在籍していたJR東日本でも、30年ぐらい前、「山手の11両化」という施策がありました。工事内容としては、ホームの延伸も線路の改良も含まれていましたが、29駅を2年ぐらいの工期で完了させたと思います。 当時は、混雑時に立席だけの車両を増設するということで、世間の注目を集めていた施策であり、決められた工期内に完了することが至上命令でした。そのためには、例えばクレーンを使わないで済むように軽量鉄骨を採用するなど、それぞれのセクションが知恵を絞りました。 TXによると、保守用工事車両の出入り口が限られており、工事間合いが確保できないために、工事に時間がかかるということです。しかし、点検や修繕などを主とする保守工事と、新たに鉄道設備を造る建設工事を同じ考え方で取り組むというのは基本的に間違っているような気がします。 例えば、建設用の仮構台を設けて資材の搬出入を効率化するとか、快速の停車駅だけを先行して開業するとか、旅客サービス向上のために最大限の努力をすべきです。 TXは開業後15年が経過しましたが、同じ時期に施工しているので、電気設備や信号設備などは間もなく一斉に老朽化の時期を迎えます。また、その他の駅舎や線路設備なども、ある時期に同じような劣化が発生することになり、その時には大規模な改良工事が必要になってきます。将来を見据えた施工体制を今から準備しておくべきと思います。(一級建築士)

《茨城鉄道物語》5 TX開業15周年 「南伸」「北伸」を論ず

【コラム・塚本一也】今日8月24日、つくばエクスプレス(TX)は開業15周年を迎えた。当初から私は「(つくば駅が終点の)TXは未完成である」と主張してきた。もともとTXは「常磐線のバイパス」として計画された路線であるから、TXと常磐線相互の振り替え輸送が可能になるように、つくば以北のどこかで常磐線に接続しなければならないと考えているからである。 私はこれまで様々な場面で、TX延伸の持論を展開してきた。しかし、政治・行政あるいは鉄道会社の関係者は、私の主張に内心では賛意を示すものの、いざ行動しようとすると尻込みをしてしまうようである。 TX延伸に関しては、東京湾臨海方面を目指す「南部延伸論」と、茨城空港まで伸ばす「北部延伸論」がある。南部延伸に関して注目しなければいけないのは、どの路線と相互乗り入れを計画するかである。鉄道の相互乗り入れは、縁談に例えることができる。TXの東京駅へ乗り入れを熱望する人は多いが、それは「あの家と縁組したいが、相手がだれかは分からない」と言っているようなもので、ナンセンスである。 将来に夢と希望が描けるようなパートナーと出会えることが、当人だけでなく周りへも幸福をもたらすのではないだろうか。それには、どの路線と相互乗り入れをするかということを考えることが必要である。 国家プロジェクトの大義をつくれ 北部延伸論については、関係者が必要性を認識しつつも、一様に口が重い理由は、財源確保が困難であるという点である。高度成長期に計画された整備新幹線と異なり、低成長時代に突入した今、しかもこれまで鉄道に対して関心の薄かった茨城県が、単独で延伸計画をまとめるのは荷が重いというのが関係者の本音であろう。 大規模プロジェクトを進めるにあたって、財源は、いつの時代でも越えなければならない壁である。しかし、先人たちはその壁を乗り越えて、茨城を発展させてきた。私に言わせれば、「お金がない」のではなく、「やる気がない」のである。試合をする前から、負けを認めているようなものである。 TXの北部延伸を実現させるには、その中心であるつくば市がプロジェクトを引っ張ることが必要条件である。そして、鉄道の運営と下部構造(鉄道施設)の財産保有を別にする、いわゆる「上下分離」の事業スキームを構築しなければならない。 さらに、茨城県が孤立しないようにするために、国家プロジェクトとしての大義をつくることである。首都災害のリスク回避のために一極集中を分散させる―ことなどは、錦の御旗になるであろう。つくば市には多くの研究機関が進出しているし、茨城空港を持っていることも大きなアドバンテージになる。 このように、TX延伸実現のための材料やレシピはある程度そろっているが、問題は一流の料理人が欠けていることである。かつて帝都復興を成し遂げた後藤新平や、筑波研究学園都市を決定した河野一郎のような、先見性と強い信念を持ったプロジェクトリーダーの登場が望まれる。(一級建築士)

《茨城鉄道物語》5 TX開業15周年 「南伸」「北伸」を論ず

【コラム・塚本一也】今日8月24日、つくばエクスプレス(TX)は開業15周年を迎えた。当初から私は「(つくば駅が終点の)TXは未完成である」と主張してきた。もともとTXは「常磐線のバイパス」として計画された路線であるから、TXと常磐線相互の振り替え輸送が可能になるように、つくば以北のどこかで常磐線に接続しなければならないと考えているからである。 私はこれまで様々な場面で、TX延伸の持論を展開してきた。しかし、政治・行政あるいは鉄道会社の関係者は、私の主張に内心では賛意を示すものの、いざ行動しようとすると尻込みをしてしまうようである。 TX延伸に関しては、東京湾臨海方面を目指す「南部延伸論」と、茨城空港まで伸ばす「北部延伸論」がある。南部延伸に関して注目しなければいけないのは、どの路線と相互乗り入れを計画するかである。鉄道の相互乗り入れは、縁談に例えることができる。TXの東京駅へ乗り入れを熱望する人は多いが、それは「あの家と縁組したいが、相手がだれかは分からない」と言っているようなもので、ナンセンスである。 将来に夢と希望が描けるようなパートナーと出会えることが、当人だけでなく周りへも幸福をもたらすのではないだろうか。それには、どの路線と相互乗り入れをするかということを考えることが必要である。 国家プロジェクトの大義をつくれ 北部延伸論については、関係者が必要性を認識しつつも、一様に口が重い理由は、財源確保が困難であるという点である。高度成長期に計画された整備新幹線と異なり、低成長時代に突入した今、しかもこれまで鉄道に対して関心の薄かった茨城県が、単独で延伸計画をまとめるのは荷が重いというのが関係者の本音であろう。 大規模プロジェクトを進めるにあたって、財源は、いつの時代でも越えなければならない壁である。しかし、先人たちはその壁を乗り越えて、茨城を発展させてきた。私に言わせれば、「お金がない」のではなく、「やる気がない」のである。試合をする前から、負けを認めているようなものである。 TXの北部延伸を実現させるには、その中心であるつくば市がプロジェクトを引っ張ることが必要条件である。そして、鉄道の運営と下部構造(鉄道施設)の財産保有を別にする、いわゆる「上下分離」の事業スキームを構築しなければならない。 さらに、茨城県が孤立しないようにするために、国家プロジェクトとしての大義をつくることである。首都災害のリスク回避のために一極集中を分散させる―ことなどは、錦の御旗になるであろう。つくば市には多くの研究機関が進出しているし、茨城空港を持っていることも大きなアドバンテージになる。 このように、TX延伸実現のための材料やレシピはある程度そろっているが、問題は一流の料理人が欠けていることである。かつて帝都復興を成し遂げた後藤新平や、筑波研究学園都市を決定した河野一郎のような、先見性と強い信念を持ったプロジェクトリーダーの登場が望まれる。(一級建築士)

《つくば道》8 つくばエクスプレス延伸論に想う

【コラム・塚本一也】つくばエクスプレス(TX)の延伸論がいろいろな場面で語られるようになりました。私はTX延伸を考えるときに、都心への延伸とつくば以北への延伸では視点を分けて考えるようにしています。 都心延伸については、東京駅乗り入れを最優先に考えがちですが、それは相手を知らずに嫁ぎ先を決めるようなものです。重要視すべきは、どの路線と相互乗り入れするかということです。交通政策審議会の答申では、臨海地下鉄線と相互乗り入れして、銀座経由で羽田までという夢のようなプランが検討されているようです。基幹交通の起点・終点は交通ターミナルに接続すべきであり、羽田空港乗り入れは歓迎すべきプランです。 また、TXの東京駅方面延伸を論ずるとき、常磐線との旅客獲得競争が話題になりがちですが、都心へ通う沿線住民の選択肢の幅を広げるという視点が重要だと思います。経営会社が異なるため、それぞれの営業戦略を優先しなければならないという事情はあります。しかし、沿線自治体や出資している行政府が調整役を担い、沿線住民に最大限のメリットをもたらすような路線計画にすることも公共交通の責任です。 それには、北千住駅のハブ機能を活かすことにもっと着目すべきだと思います。北千住駅は東武線、常磐線、TXが同一階のコンコースで乗り換えが可能であり、千代田線も地下鉄として乗り入れているため、近年は都心北部の交通拠点として乗降客が急増しています。その利便性を最大限に活かすことを考慮し、東京各方面へのアクセスを確保することが常磐線、TX沿線の将来に大きな影響を及ぼすと思います。 一方、北部方面延伸については「我田引鉄」の発想ではなく、茨城の将来を思い描き、水戸とつくばのアクセスをいかに改善するかという問題意識を持つことが大事です。さらには、茨城空港を首都圏第3空港として認識し、インバウンド観光需要の首都圏北部の玄関口であり、首都災害の場合のバックアップ機関という地位を確保することが重要と思います。この2つの方程式を解こうとすると、答えはTXの茨城空港延伸に導かれるものと思われます。 私は自分の経験と知識を活かし、様々な場面で「TX延伸」について訴えてまいりました。私事により今回コラムが最後となりますが、これからもどのような立場であろうとも、つくば経済圏、茨城県、日本の将来のために、この国家プロジェクト実現の運動を継続していきたいと思います。短い間でしたが、拙文をご購読いただきありがとうございました。「NEWSつくば」の益々のご発展を御祈願申し上げます。(大曽根タクシー社長)

TX堅調 20年3月に新型車両導入

【鈴木宏子】つくばエクスプレス(TX)が堅調だ。2017年度の営業実績は09年度から9期連続で経常黒字を達成し、開業以前からの累積損失を解消した。今後も乗客数の伸びが続き、東京オリンピックが開催される2020年度は現在より8%増加すると見込む。輸送力を増強させるため同年3月に新型車両TX-3000系を導入する計画だ。 TXを運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、柚木浩一社長)が発表した18年度から3年間の中期経営計画によると、沿線自治体の人口は引き続き増加し、20年の1日平均乗客数は17年度の37万人から40万人に達すると見込む。 20年に運行予定の新型車両は30両編成で、現在の車両を基本に先鋭感を強調したデザインになる。車両は走行時の消費電力を約13%削減。車内は車いすやベビーカー利用者が利用しやすいよう各車両にフリースペースを設置などする。 輸送力増強の取り組みとしてほかに20年春から、最混雑区間で朝のラッシュ1時間の最大運行本数を現在の22本から25本に増やす。 安全性の向上では近年、乗客数の急増を背景に、ドアに荷物が挟まるなどの事故が発生していることを受けて、20年度までに八潮駅など8駅のホームドアにドアの挟みを検知する3次元センサーを設置する。ほかに混雑の激しい秋葉原駅のホームを延伸する。 東京オリンピックをきっかけに外国人観光客が増えると見込まれることから、同五輪バリアフリー指針を踏まえて、全20駅のトイレの便座を温水洗浄便座に改修するほか、全駅の窓口に翻訳サービス端末を配備する。 駅ナカや高架下の空間活用として、子育て支援施設の整備に積極的に協力。20年4月には八潮駅高架下に学童保育施設が開設される予定という。 同中期経営計画の設備投資額として計約300億円を予定している。 開業以来初の利益剰余金計上 一方、2017年度の営業実績によると、1日当たりの平均乗車人員は16年度と比べ1万6000人(4.5%)増の37万人、経常利益は22.7%増の61億4800万円となり、9期連続の黒字となった。当期純利益は24.3%増の46億100万円となり、前期末に22億2000万円あった累積損失が解消し、開業以来初めて利益剰余金23億8100万円を計上した。一方、TX建設に要した鉄道・運輸機構に対する債務が6000億円近く残っているとしている。 施設・設備は17年度までに、総合基地(つくばみらい市)入出庫線複線化、守谷駅追越設備新設、車体更新場新設の守谷3事業が完了し、基盤が整った。 TX一日平均乗車人員(人) 駅 2017年度 2016年度 つくば 18,606 18,425 研究学園 7,148 6,821 万博記念公園 2,974 2,705 みどりの 4,326 3,952 みらい平 5,094 4,835 守谷 24,959 24,516 柏たなか 4,909 4,434 柏の葉キャンパス 16,431 15,451 流山おおたかの森 36,491 34,702 流山セントラルパーク 4,707 4,346 南流山 35,913 34,619 三郷中央 14,069 13,164 八潮 22,414 20,613 六町 14,462 13,902 青井 6,651 6,440 北千住 48,741 46,556 南千住 5,159 4,989 浅草 10,803 10,536 新御徒町 20,310 19,389 秋葉原 66,070 63,849

話題はスマートICと花火大会 土浦で新年賀詞交歓会

土浦市の経済3団体(商工会議所、観光協会、商店街連合会)主催による新年賀詞交歓会が7日夜、市内のホテルマロウド筑波で開かれ、地域の経済人を中心に約300人が参加した。土浦鳶職(とびしょく)組合の祝木遣(きやり)唄でスタート。主催側代表、市長、国会議員、県会議員のあいさつの後、新年恒例の懇親会に入った。 3団体を代表してあいさつした中川喜久治土浦商工会議所会頭は「今年は巳年。蛇は成長過程で脱皮を繰り返す姿が再生の象徴と考えられている。土浦の再生・発展に向け、皆さまから提言してほしい」と述べ、地域にプラスになる動きとして、TXの土浦方面への延伸、常磐高速道の土浦スマートIC設置を挙げた。 安藤真理子市長はこれを受け、「これまで種をまいてきたことが実りつつある。昨年は、国土交通省から、土浦スマートICの事業化を決めてもらった。この施設は、本市だけでなく、地域の交通、救急医療にも大きく寄与する。1日も早い開設を目指したい」と、今年の目玉施策に位置付けた。 地域貢献をアピール 国会議員で最初に登壇した青山大人衆院議員(立憲民主、茨城6区小選挙区)は、「国や自治体が発注する事業の小額随意契約の在り方が見直される。この50年間変わらなかったこの問題について、われわれ野党は政府を追及、熟議の国会で実現する運びになった」と述べ、地域経済界にプラスになる政策をアピールした。 また、国光あやの衆院議員(自由民主、比例区)も地元貢献を意識して、「地域の皆さんが気になっていた問題、老朽化している霞ケ浦医療センター(土浦市下高津)問題がやっと動き出すことになった。2月には(医療支援体制の)デジタル化、今夏には建物の(改修)工事が始まる」と、具体的な日程を明らかにした。 参院議員では、今夏に選挙を迎える上月良祐議員(自由民主、茨城区)と小沼巧議員(立憲民主、同)があいさつ。「蛇が何かするのではなく、何かするのは我々だ。土浦をよくできるのは、皆さん、地域のリーダーの方々だ」(上月議員)、「国の中心市街地活性化事業の本県対象市は、水戸、土浦、石岡、鹿島だが、担当役所によると、一番成績がよいのは土浦ということだ」(小沼議員)と、出席者を持ち上げた。 衆参同時選挙は5%? 懇親会では、昨年は警備体制の不備から中止に追い込まれた「土浦の花火」について、予算の無駄遣いなど市執行部を批判する声が多く聞かれた。また、今夏の参院選と同時に衆院選があるかどうかもあちこちで話題になっていたが、「その可能性は5%」(出席衆院議員)ということだった。(坂本栄)

宍塚・吉瀬にスマートIC《宍塚の里山》119

【コラム・森本信生】国土交通省は、常磐自動車道路「(仮称)土浦スマートインターチェンジ(IC)」の新規事業化を、2024年9月6日に決定した。土浦市は、すでに2024年度予算でスマートICの調査委託费として3070万円を計上し、2024年4月に、都市計画課内にスマートIC整備推進室も設置、4人の専任職員を配置している。 ICは、土浦市とつくば市の境で、常磐高速道路と交差する土浦学園線(県道24号線)北側に設置し、接続道路は、宍塚、吉瀬あたりの土浦学園線とされている。上の写真は、土浦学園線の桜橋から、常磐自動車道路を見たところであるが、この周辺にICが建設されると考えられる。 詳細な場所は、土地買収などに支障をきたす恐れがあるため、現時点では公表できないとのことだ。建設費用は、高速道路から料金所までを東日本高速道路株式会社が負担、料金所から土浦学園線までを地元自治体が負担する。自治体負担の費用は国の補助が2分の1程度交付される可能性がある。 今後、土浦市では測量を行い、計画を策定する予定ということで、国、東日本高速道路、茨城県などの関係機関と調整しながら、線形などの詳細検討を実施し、具体的な計画が推進される運びとなったら、地元地区への回覽や地元説明会の開催など、段階を踏んで説明していくとのことである。 生物相などへの影響調査が必要 ICの整備は、中心市街地へのアクセス向上およびアクセス圈の拡大に伴う観光振興の支援、新たな土地利用の創出による企業誘致の促進や物流の効率、救急医療の支援、さらには、大規模災害時のリダンダンシー(冗長性)の確保や早期復旧活動の支援などの効果が期待できるとしている。 国交省事の業認可発表時(9月6日)資料では、IC整備効果として「中心市街地へのアクセス向上と防災機能の強化」「物流の定時制向上•物流の効率化の支援」の2点があげられている。 具体的には、「土浦駅・つくば駅」の中心市街地への渋滞箇所を回避や、土浦市上高津地区やつくば市中根金田台地区への所要時間の短縮、定時制の向上があげられている。しかし、すでに建設されている巨大流通施設(ZOZOBASEつくば2、Amazon Flex茨城つくばDS)がある、つくば市の流星台とさくらの森の境に位置する4車線道路である藤沢荒川沖線が、土浦学園線に接続される。 さらに、新たな流通拠点や企業誘致に成功すれば、土浦学園線の交通量は飛躍的に増加するだろう。現時点でも、「つくば市~土浦市間の一部道路区間においては、ピーク時以外でも渋滞が発生」(『TX県内延伸調査の結果について』茨城県政策企画部交通政策課2023年3月31日)とういう認識となっており、さらに深刻な渋滞を招くだろう。 このようなことから、IC利用が想定される地域の開発の進行、それに伴う交通量の昼夜の推定、大気汚染、騒音、振動、道路で削られる予定地の生物相などのIC設置による影響調査が必要だ。(宍塚の自然と歴史の会 理事長)

災害時の迅速な初動対応へドローン購入 土浦市新年度予算案

土浦市の安藤真理子市長は15日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比2.6%増の567億3000万円、特別会計などを含めた総額は同2.1%増の989億4000万円となる。主な新規事業は、水害や土砂災害発生時などに素早く初動対応ができるよう、俯瞰(ふかん)的な視点で情報を収集するため、消防本部がドローン1基を購入するほか操縦者の育成などを進める(2145万円)。 一般会計は過去4番目、総額は過去3番目に大きい額となる。3月5日開会の同市議会3月定例会に提案する。 モール505 歩行空間を再構築へ 中心市街地では、つくば科学万博が開催された1985年に高架道と併せて整備され、現在は空き店舗が目立つ土浦駅西口近くの川口ショッピングモール505について、街路空間を、人々が集い多様な活動を繰り広げる場にしていく「ウォーカブルシティ」の取り組みを国交省などが推進していることなどから、650万円を計上し、安全で魅力ある歩行空間の再構築に向け構想案を策定する。 つくばエクスプレス(TX)県内延伸構想の具体化に向け県が検討を始めたTX土浦駅延伸に向けては、昨年9月、国交省の準備段階調査箇所に採択された常磐道・土浦スマートインターチェンジ(IC)整備と併せ、交通ネットワークの形成を見据えて、約850万円を計上して沿線開発候補地となる可能性調査などを実施する。 常磐道・桜IC周辺の開発については、産業発展を促す拠点整備に向けて、23年度に地権者組織の発起人会が立ち上がったことから、24年度は6394万円を計上し、組合の前身となる準備委員会の設立に向けて地権者の合意形成を図るほか、詳細な事業化検討調査を実施する。 コミュニティバスの実証運行については8368万円を計上し、21年10月に運行を開始した中村南・西根南地区と22年10月運行開始の右籾地区に加えて、24年度は新たに乙戸南地区と並木・板谷地区で実証運行を開始する。 ヤングケアラーにヘルパー派遣 子育て支援は、病気や障害のある親などに代わって子供が家事やきょうだいの世話をしているヤングケアラーや支援が必要な子育て中の家庭に、食事の準備や掃除、洗濯などの家事援助をするヘルパーを派遣する子育て世帯訪問支援事業(約70万5000円)を実施する。 不登校児童生徒の支援は2700万円を計上、23年度に6つの中学校に設置した校内フリースクールを24年度はさらに2校増やし、市内8つの中学校すべてに校内フリースクールを設置する。 児童数が減少し学級数が適正規模に満たない小学校がある上大津地区については1億940万円を計上し、上大津地区統合小学校の28年4月の開校を目指し、新年度は基本・実施設計などを実施する。 昨年10月にスタートした小中学校の給食費無償化は新年度も継続する(約4億4500万円)。 道路交通法改正により昨年4月から着用が努力義務となった自転車利用者のヘルメットについて、小学生以下の着用率が73%、中学生は89%なのに対し、高校生は8%、65歳以上の高齢者は8.4%にとどまっていることから、高校生相当と65歳以上を対象にヘルメット購入費の2分の1を補助する(約80万円)。 文化財の保存と活用については、21年12月に土地・建物の寄贈を受けた登録有形文化財「一色家住宅主屋」について729万円を計上し、23年度に策定した市文化財保存活用地域計画に基づき保存活用に向け、耐震調査や利活用の市場調査などを実施する。 図書館、花火100年 ほかに、市立図書館は1924(大正13)年6月1日に開館してから今年で100周年を迎えることから、これまでの歩みを振り返り次の100年に向けて新たな一歩となるイベントを開催する(450万円)。 1925(大正14)に始まった土浦全国花火競技大会が来年の第94回大会で100年、7年後に第100回大会の節目を迎えることから、花火のまち土浦を発信していくため機構改革を実施し商工観光課の花火対策室を花火のまち推進室に改編する。 一方歳入は、経済の改善などにより個人と法人の住民税が増加し、市税全体で前年度比3.0%増加すると見込む。歳出の増加に伴って財源不足が生じることから、財政調整基金から23年度と同額の15億円を繰り入れる。これにより24年度末の基金残高は135億円になる見込み。 安藤市長は「厳しい財政状況だが『夢のある、元気のある土浦』に向けて、給食費の無償化を継続し、認定こども園での英語教室など特色ある保育を実施するなど子育て支援をさらに充実させる。常磐道スマートインターチェンジの1日も早い整備や、TXの土浦延伸に向け県と連携するなど、選択と集中を図る予算を編成した」などとしている。(鈴木宏子)

話題は能登地震と羽田事故 土浦で新年賀詞交歓会

土浦市の経済3団体(商工会議所、観光協会、商店街連合会)主催による新年賀詞交歓会が5日夜、市内のホテルマロウド筑波で開かれ、地域の経済人を中心に約300人が参加した。あいさつに立った市長、国会議員、県会議員は、冒頭、年初に起きた能登半島地震と羽田空港航空機衝突事故に触れ、地震被災者にお見舞いを述べ、航空安全の必要性を強調した。 TX延伸、花火大会… 大型新年会は、恒例の土浦鳶職(とびしょく)組合の祝木遣(きやり)唄でスタートした。 3団体を代表して中川喜久治土浦商工会議所会頭があいさつし、地域の交通インフラ充実について「県の活性化や防災対策にも寄与するとして、昨年、TXの土浦方面延伸が決定した。また、常磐高速スマートICの市内設置も、国が調査することになった。これらは、市の20~30年先を見据えて、私たちが要望してきたものであり、大きな喜びだ」と述べた。 また、市長2期目に入った安藤真理子土浦市長も「オール土浦で取り組んだTX土浦延伸の夢が実現に向け一歩踏み出した」と述べたあと、「昨年の全国花火大会はヒヤッとするところもあったが、多くの方に感動を与えた。これからも、先人が培った土浦の文化や宝に磨きをかけ、全国に発信していきたい」と、観光事業の活性化に意欲を示した。 2人の女性議員に注目 議員からは、国光あやの、青山大人衆院議員、上月良祐、加藤明良、小沼巧参院議員、伊沢勝徳、八島功男、高橋直子県議があいさつに立った。 この中で注目されたのは、額に大きな絆創膏(ばんそうこう)を貼った国光議員と、大きなお腹をかかえた高橋県議。医師でもある国光議員は、筑波メディカルセンター病院での夜勤明け、自転車にぶつけられて額にケガをし、同病院に運び込まれたという。また、高橋県議は2月が出産予定で、現役の茨城県議が出産するのは自分が初めてになると話した。 賀詞交歓会は午後8時過ぎまで開かれ、参加者にはお土産に「れんこん焼酎『土浦恋婚』」が配られた。土浦産のレンコンを使い、明利酒類(水戸市)が製造した焼酎は昨年11月に発売された。企画した市は「ほんのり甘く、すっきりした飲み口」とPRしている。(岩田大志) ➡れんこん焼酎の過去記事はこちら

安藤氏が2選 土浦市長選

任期満了に伴う土浦市長選は22日投票が行われ、同日午後7時から同市大岩田、水郷体育館(霞ケ浦文化体育会館)で即日開票の結果、現職の安藤真理子氏(62)=無所属、自民・公明推薦=が、新人で家庭教師の小野勉氏(61)=無所属=を破り、2期目の当選が決まった。女性市長が2期目を務めるのは県内で初めて。 当日有権者数は11万7034人、投票率は28.84%で、2006年の市町村合併以降、過去最低だった2015年の28.42%に次いで過去2番目に低い投票率となった。 【土浦市長選】(選管確定)当 29,598 安藤真理子氏  3,610 小野勉氏 安藤真理子 62 市長 無現②【略歴】土浦出身、土浦二高、成城大学短期大学部卒。会社勤めの後、介護福祉会社を経営、市議2期、県議2期、市長1期。大町【公約】①TX土浦駅延伸の早期実現②給食費無償化、産前産後の生活支援体制の充実など子育て支援の充実③土浦スマートインターチェンジ新設の早期実現 「前進させる新しい市政を」知事ら祝辞 同市下高津、安藤氏の選挙事務所には大井川和彦知事、国光あやの、青山大人衆院議員、伊沢勝徳、八島功男県議ら、国会議員、市町村長、県議と、地元市議らが勢ぞろいし、開票を待った。 午後7時36分、1回目の開票速報で当選確実が伝えられると大きな拍手と歓声が起こった。 祝賀会では、国会議員、市長、県議らが次々と壇上に立ち、大井川知事は「1期目は遠慮がちだったと聞いた。2期目は土浦を前進させる新しい市政を遠慮なく進めていただきたい。県からもしっかりバックアップしたい」などと話した。 安藤氏は「大変難しい選挙だった。応援してくれた皆さんの一票の重みを受け止めて、皆さんが誇りに思える土浦のために全力で走っていきたい」などと述べ、花束贈呈などを受けた。 笑顔で支持者らに応じる安藤氏 祝賀会後、記者団の質問に答えて、安藤氏は「大変難しい選挙だった。無投票当選だと思っていた人もおり、政策を訴える前に『選挙に行ってください』とお願いする選挙になった」と振り返った。 県内で、女性初の2期目の市長になることについては「女性初を意識したわけではなく、女性初は後から付いてくることだが、これからの女性のためにも大切なことだと思う」と述べた。今後の政策については「TX県内延伸と常磐道スマートインターチェンジを1日も早く事業化して、皆に喜んでもらって、若い人たちが誇りの持てる土浦にしていきたい」と強調した。(鈴木宏子、柴田大輔)

あす投開票 土浦市長選

任期満了に伴う土浦市長選は22日午前7時から午後6時まで市内50カ所で投票が行われ、同日午後7時から同市大岩田、水郷体育館(霞ケ浦文化体育会館)で即日開票される。大勢判明は午後8時ごろの見込み。 立候補しているのは、現職で2期目を目指す安藤真理子氏(62)=無所属、自民・公明推薦=と、新人で家庭教師の小野勉氏(61)=無所属=の2人。期日前投票は16日から市内6カ所で行われ、20日までの投票率は8.22%。有権者数は11万8644人(14日現在)。 安藤氏は市内130団体以上の推薦を得て盤石の布陣で臨む。選挙期間中は片山さつき参院議員など自民党国会議員の応援を得て毎日市内2~4カ所で応援演説をする。小野氏は市内を車で回り、選挙ポスターを張りながら、人が集まるところで街頭演説をする。 安藤真理子 62 市長 無現①  【略歴】土浦出身、土浦二高、成城大学短期大学部卒。会社勤めの後、介護福祉会社を経営、市議2期、県議2期、市長1期。大町【公約】①TX土浦駅延伸の早期実現②給食費無償化、産前産後の生活支援体制の充実など子育て支援の充実③土浦スマートインターチェンジ新設の早期実現 小野勉 61 家庭教師 無新 【略歴】土浦出身、土浦一高、明治大学政治経済学部政治学科卒。俳優や会社員などを務めた。【公約】①一律の給付金支給、減税、水道の基本料金ゼロなど、市民の経済的負担軽減②費用対効果を考えた実効性のある施策を実現するための役所改革③市長賞与・退職金の返上

現職と新人が立候補 土浦市長選告示

任期満了に伴う土浦市長選が15日告示され、現職で2期目を目指す安藤真理子氏(62)=無所属、自民・公明推薦=と、新人で家庭教師の小野勉氏(61)=無所属=の2氏が立候補を届け出た。14日現在の有権者数は11万8644人。投票は22日、市内50カ所で行われ、同日午後7時から同市大岩田、水郷体育館(霞ケ浦文化体育会館)で即日開票される。 安藤氏は商工、農業団体など130団体以上の推薦を得る。選挙期間中、片山さつき、進藤金日子参院議員らが街頭演説の応援に駆け付ける予定だ。小野氏は、市内を車で回り、選挙掲示板にポスターを張りながら、人が集まっているところで街頭演説したいとしている。 土浦に誇りがもてるまちをつくる 安藤真理子 62 市長 無現① 【略歴】土浦出身、土浦二高、成城大学短期大学部卒。会社勤めの後、介護福祉会社を経営、市議2期、県議2期。同市大町【公約】①TX土浦駅延伸の早期実現②給食費無償化、産前産後の生活支援体制の充実など子育て支援の充実③土浦スマートインターチェンジ新設の早期実現 【安藤氏出陣式】午前10時から同市大畑の新治ショッピングセンターさん・あぴお駐車場で出陣式。雨が降る中、後援会によると支持者ら約1000人が足を運んだ。冒頭の挨拶に立った島岡宏明市議会議長は「今日は全市議24人が応援に来た」とし、「TX延伸など、土浦は百年に一度のチャンスにある。百年先の土浦のために、党派、会派を超えて土浦が一体となり、圧倒的な勝利をもって安藤氏を土浦市にお迎えしよう」と訴えた。安藤氏は「コロナがあり、命を守り抜くために闘ってきた3年間だった。ピンチをチャンスに変えるため様々なことに着手してきた。土浦に誇りをもち、みなさんに素晴らしいところだと思ってもらえるまちづくりをしていきたい」と述べた。出陣式には市議らのほか、地元選出の国光あやの、青山大人ら国会議員、同市区選出の伊沢勝徳、八島功男県議ら、「満場一致で安藤氏を支持する」とした県市長会から、会長の高橋靖水戸市長ら市長村長約30人ら多数が駆け付けた。 土浦を大改革し自由で楽しいまちを 小野勉 61 家庭教師 無新 【略歴】土浦出身、土浦一高、明治大学政治経済学部政治学科卒。演劇プロダクション所属俳優や会社員などを務めた。同市小岩田。【公約】①一律の給付金支給、減税、水道の基本料金ゼロなど市民の経済的負担軽減②費用対効果を考えた実効性のある施策を実現するための役所改革③市長賞与・退職金の返上 【小野氏第一声】午前10時から、同市大和町、市役所前で第一声。小野氏は「4年に1度の土浦を変えるチャンスが来た。現市長の市政が4年間続いていいのか。今の市長になってから本当に何か良くなったことがあるのか、私にはちっとも伝わってこない」と批判した。さらに「私の公約は、土浦大改革と、自由で楽しいまちをつくる」ことだとし、公約について「困っている人がたくさんいる。給付金、減税、水道基本料金をゼロにし、助けが必要な人に助けを届ける」と述べた。市役所改革については「今の市役所に公平さがあるのか、一部の人ばかりが得している」などと批判。市長の賞与・退職金ゼロについて「市長は公務員特別職、ボーナスもらうとか、退職金もらうとか、おかしい」と話した。その上で「夢を互いに応援しながら、自由で楽しいまちをつくろう」などと訴え支持を求めた。(鈴木宏子、柴田大輔)

あす告示 土浦市長選

任期満了に伴う土浦市長選が15日告示される。立候補を表明しているのは現職で2期目を目指す安藤真理子氏(62)=無所属、自民・公明推薦=。ほかに新人で家庭教師の小野勉氏(61)=無所属=が立候補の意向を示している。 4年前は市を二分する選挙戦が繰り広げられたが、今回は現職の安藤氏が市内各団体の支持を固めている。投票は22日行われ、即日開票される。9月1日現在の有権者数は11万8572人で4年前より約1700人増えている。 安藤氏は「土浦で生まれ、土浦で育った若い人たちが、地元土浦を誇りに思ってもらえるということが私の大きな原点。1期目の公約はすべて着手し、できたものもあるし、これから続けていくものもある。種をまいたものが実を付けて、市民の皆さんが1日も早くその実を食べられるようにしたい」と話す。 公約として①TX土浦駅延伸の早期実現②給食費無償化、産前産後の生活支援体制の充実、1人親世帯の自立支援など子育て支援の充実③土浦スマートインターチェンジ新設の早期実現などを掲げる。 安藤氏は土浦出身、土浦二高、成城大学短期大学部を卒業。会社員などを務めた後、介護福祉会社を創業。市議2期、県議2期を務めた。 小野氏は「4年間の成果が市民に見えない。現職の市政がこのまま続くのであれば納得できない」と現職を批判、「自由で楽しい土浦をつくりたい」と話す。 公約として①一律の給付金支給、減税、水道の基本料金ゼロなど、市民の経済的負担軽減②費用対効果を考えた実効性のある施策を実現するための役所改革③市長賞与・退職金の返上などを掲げる。 小野氏は土浦出身、土浦一高、明治大学政治経済学部政治学科卒。演劇プロダクションに所属し俳優となった後、会社員などを務めた。2019年と今年4月の同市議選と、20年の守谷市長選に出馬したがいずれも及ばなかった。

桜土浦IC周辺に産業系用地誘導 土浦市23年度当初予算案

場所難航の上大津統合小 用地購入へ 安藤真理子土浦市長は17日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比5%増の552億8000万円、特別会計などを合わせた総額は同比3%増の969億3000万円となる。予算規模が前年度当初を上回るのは2年連続。厳しい財政状況が続く中、創意工夫を凝らしたとしている。 主な事業は、常磐道・桜土浦インターチェンジ(IC)周辺に企業誘致を図る産業系土地利用に向け、事業採算性を検討したり地権者組織を設置するなど同IC周辺地区土地利用促進事業に8900万円を計上するほか、市内の常磐道にスマートインターチェンジ(IC)を設置することを目指し調査したり国や県と協議するスマートIC整備事業に700万円を計上する。 教育では、場所の選定が難航し建設候補地を見直す上大津地区統合小学校の用地購入や新校舎の基本・実施設計など同小整備事業に1億200万円を計上し、28年度の開校を目指す。 公共交通は、公共交通不便地域である中村南・西根南地区と右籾地区にコミュニティ交通を導入したのに加え、新年度は新たな地区でコミュニティ交通を導入したり、高齢者など交通弱者に三輪自転車の購入費を補助する地域公共交通確保維持改善事業に9200万円を計上する。 子育て支援は、公約により公立の認定こども園として存続させ、今年10月の開園を目指している「認定こども園土浦幼稚園」に、3億9900万円を計上して園舎の改修工事を実施する。ほかに産前・産後家事ヘルパーを派遣して妊産婦に家事援助サービスを提供したり(83万円)、妊娠・出産時の伴奏型相談支援や経済的支援(9300万円)などきめ細かな支援をする。 福祉は、市聴覚障害者協会から出された請願をきっかけに、手話が言語であるという認識の下、手話への理解を促進する手話言語条例を今年3月に制定する予定であることから、260万円を計上し、手話ハンドブックを小学3~6年生に配布したり、手話奉仕員を養成したり、市長会見の動画に手話通訳を加えたり、手話ができることを示すバッチを作成し手話奉仕員に配布などする。 土浦方面が有力視されているつくばエクスプレス(TX)県内延伸については、決定すれば沿線を中心に土地開発が活発化すると見込まれるなどから、330万円を計上し、効果を最大限に発揮させるため様々な波及効果を検討し調査する。 ほかに、つくば霞ケ浦りんりんロードの自転車利用促進では約3100万円を計上し、新たに台湾にウェブ広告を配信したり、都内の駅でプロモーション活動をするなどインバウンドや国内観光客に向けた知名度向上を図る。 防災では、浸水想定区域の洪水ハザードマップがすでに作成されている霞ケ浦と桜川に加え、県が今年度中に新たに乙戸川、花室川、備前川、上備前川、新川、境川、天ノ川の市内の中小7河川を新たに浸水想定区域に指定する予定であることから、200万円を計上し、市内の中小7河川を加えた洪水ハザードマップを更新し、全戸に配布などする。 安藤市長は「就任以来の公約であるスマートIC設置やIC周辺への企業誘致は税収を確保すると共に市民の雇用創出にもつながる。交通不便地域のコミュニティ交通導入は順次、実証実験として進めているが、1年に2地区ぐらいずつ増やしたい。子育て支援は、安心して土浦で子育てができるよう取り組みたい」などと話し、「土浦は人口が少しずつ増えている。コロナ禍で注目されているサイクリング環境を整備し、土浦に来る人を増やし土浦を元気にしたい」などと述べた。 一方、歳入は、個人市民税が同比1.7%減となる一方、コロナによる経済活動の回復に伴い、法人市民税が4.4%増加し、市税全体では同比1.3%増を見込む。一方、財源不足を補うため財政調整基金から15億円を繰り入れる。市の借金である市債は、児童福祉施設や社会教育施設の整備費が増え、同比13.2%増となる。23年度末の市債残高は22年度末より4.3%減り、854億3000万円になる見込み。

県議選 あす投開票

任期満了に伴う県議選は11日投開票が行われる。つくば市区(定数5)の9日夜8時までの期日前投票率は10.45%。開票は同日午後8時20分から、同市金田、桜総合体育館で即日開票される。大勢判明は午後10時10分過ぎの見通し。有権者数は4年前より約1万3000人増え、19万5232人(1日現在)。4年前の同市区の投票率は41.80%だった。 つくば市区に立候補しているのは、▽無所属新人で美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)▽つくば市民ネット新人で元市議の宇野信子氏(57)=立憲推薦=▽無所属新人で前市議のヘイズ・ジョン氏(59)▽自民現職で2期目を目指す塚本一也氏(57)▽公明新人で前市議の山本美和氏(53)▽自民現職で4期目を目指す鈴木将氏(50)▽共産現職で5期目を目指す山中たい子氏(71)▽自民現職で4期目を目指す星田弘司氏(48)の現職4人と新人4人の計8人。女性候補が4人と同市区で初めて半数を占めた。 佐々木氏は、今年7月の参院選県選挙区に出馬し次点で敗れたが、県内で約16万票、つくば市でも1万6000票超を得票した。選挙戦では市内各地を回り、参院選での16万票の想いを県政に、つくばから茨城を元気に、など訴えた。 宇野氏は、市議4人を擁するつくば市民ネットが県議会初議席を目指す候補者。立憲の推薦も得て、4日には西村智奈美党代表代行が応援に駆け付けた。最終日の10日夕方からはつくば駅前で高杉徹元常総市長や木村清隆市議らが応援した。 ヘイズ氏は、市議選で3期連続でトップ当選を果たす。8年前、県議選に初挑戦したが次点で敗れ、今回再挑戦する。選挙戦は、のぼり旗を立てて自転車で走ったり、サンタクロースの格好をしたスタッフと街頭で手を振るなどした。 塚本氏は、TXと常磐線を接続してつくばと水戸を結ぶ構想を提唱、大井川和彦知事が今年度調査費を計上しTX県内延伸構想が動き出したなどの実績を強調する。最終日の10日は地元の大曽根地区や玉取地区で街頭演説した。 山本氏は、県議を4期務めた田村けい子氏の後継。告示日の2日は山口那津男公明党代表が市内4カ所を回り、さらに石井啓一党幹事長、竹谷とし子女性局長、三浦信祐党青年局長ら党幹部らが連日のようにつくば入りし応援した。 鈴木氏は市議会最大会派や五十嵐立青市長らの応援を受け、地元の筑波地区や大穂地区のほか、市全域でミニ集会、企業訪問、街頭演説をこなし、SNSを使った発信にも力を入れた。最終日の10日は筑波や大穂地区で街頭演説した。 山中氏は、告示直前に志位和夫共産党委員長、選挙中は小池晃書記局長、田村智子副委員長らが応援した。県立高校新設などのほか、コロナや物価高、格差と貧困、東海第2原発問題など政策を中心に、連日20カ所程度で街頭演説した。 星田氏は3期連続でトップ当選を重ね、今回は飯岡宏之市議らの応援も得た。3日には自民党の片山さつき参院議員らも応援に駆け付けた。地元、谷田部地区のほか市内全域を回り、最終日の10日は栄、島名、上横場で街頭演説した。 つくば市区の立候補者(定数5ー立候補者8) 佐々木里加(ささき・りか)55 美大講師 無所属 新【略歴】東京都出身、多摩美術大大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議1期を歴任。7月の参院選に出馬し次点。現在、女子美術大学非常勤講師。【公約】①高齢者の介護サービスを拡充し高齢者を大事に②教育と出産を無償化し子育て世代への支援拡充③筑波山周辺の魅力を創出し食を誘致など 宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット 新【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園【公約】①情報公開と市民参加で県政を見える化②持続可能な社会の実現③子育て・教育・福祉を充実④東海第2原発再稼働是非の県民投票実現など ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属 新【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮【公約】①公立高校をつくば市に新設する②再生可能エネルギーと蓄電池の活用③海外の企業・自治体と茨城の橋渡しなど 塚本一也(つかもと・かずや)57 会社相談役 自民 現①【略歴】つくば市出身、筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員を経て、現在、大曽根タクシー相談役、土浦一高PTA会長。大曽根【公約】①農林水産物のブランド化を進める②スクールバスを運行し県立高校の通学可能圏域拡大③新型コロナの支援策充実など 山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明 新【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代【公約】①孤独・孤立対策のための居場所づくり②防災道の駅を誘致③子ども食堂をすべての小学校区に設置推進など 鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現③【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具【公約】①通える県立高校の適正配置や2024年募集の定員増②ケアラー・ヤングケアラー支援体制で孤独・孤立を防ぐなど 山中たい子(やまなか・たいこ)71 政党役員 共産 現④【略歴】福島県出身、日大Ⅱ部法学部卒。千葉県商工団体連合会職員、旧桜村議1期、つくば市議4期を歴任。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。【公約】①市内に県立高校新設し少人数学級を推進②東海第2原発再稼働ストップ③県水道料金引き下げなど物価高騰やコロナから暮らしを守るなど 星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現③【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長【公約】①コロナで影響を受けた観光業や商工業支援②県立高校の定員増など教育環境整備③信号機や横断歩道設置など通学路の安全対策など

つくば市への県立高校新設に賛成?反対?【県議選’22候補者アンケート】1

県議選が2日告示され、11日投開票が行われる。NEWSつくばは告示前、県政と関わりの深いつくば地域の課題のうち①つくば市への県立高校新設の是非②洞峰公園パークPF事業の是非③TX県内延伸計画の是非と、④旧統一教会や関連団体との接点の是非について、つくば市区の立候補者8人にアンケート調査を実施した。結果を3回に分けてお伝えする。 1回目はつくば市内への県立高校新設の是非について。人口が増加するつくば市では2021年、中学3年生の6人に1人しか市内の県立高校に入学できなかったなどとして、市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)が、市内のTX沿線に県立高校新設や既存校の定員増などを求めて県議会12月定例会に請願書を提出した。結果は継続審査となり廃案となる見通しだ。つくばエリアの中学卒業者は2030年までにさらに約700人増加すると県自身が推計している。対策は急務だ。 立候補者8人には「人口が増加するつくば市に県立高校を新設してほしいという運動が市民の間から起こっています。つくば市に県立高校を新設することに賛成ですか、反対ですか」と質問し、賛成、反対、どちらでもないの3つのいずれかに〇を付けてもらい、50字程度で理由を書いてもらった。 各候補者の回答は以下の通り ▽佐々木里加氏 賛成「校舎については未だ新しく劣化していない廃校が事実存在し、新設に数十億かかるのであれば利活用も含め討論すべき。校舎を新設するのであれば、今後の少子化もかんがみて再利用が可能な建造物とすべき」 ▽宇野信子氏 賛成「TX沿線に巨大な沿線開発を行った茨城県の責任として、急増している子育て世代の進学先を公共交通機関で通学可能な場所に確保するべき」 ▽ヘイズ・ジョン氏 賛成「つくば市は既に4つの小中学校を新設し、令和8年までに更に4つを新設する。それぐらい子どもが増えている。受験戦争が苛烈であった時代と比べても更に苛烈な状態は自治体が責任をもって解消し、子どもにしわ寄せがいかないようにするべき」 ▽塚本一也氏 どちらでもない「少子高齢化は全国的な流れであり、県立高校の再編計画をつくば市の特殊事情で変える訳にはいかない。やるとすれば市立高校をつくるべきである。財源は北部の土地の売却益」 ▽山本美和氏 どちらでもない「新設する、しないだけの問題ではなく、県立高校改革プランの見直しが必要であると共に、通学手段の課題解決も重要」 ▽鈴木将氏「通学可能な県立高校の定数適正配置のため、一刻も早い学級増設による募集定員増の実施を進め、更なる人口(生徒)増の推移を見据えながら環境を創出していく」 ▽山中たい子氏 賛成「TX開発では8万人の人口増加。県立高校は街づくりです。市内の子供の6人に1人しか市内の高校に入れないのは異常です」 ▽星田弘司氏 どちらでもない「県立高校がつくば市内に建設されることが望まれますが、短期的には難しい。まずは、つくばから通学可能な高校の募集定員増加が必要と考えます」

県議選告示 つくばは現新8人、土浦は現職3人が届け出

任期満了に伴う県議選は2日告示され、正午時点で、つくば市区(定数5)は現職4人と新人4人の8人が立候補を届け出て3人超の激戦に突入した。土浦市区(同3)は定数と同数の現職3人が立候補を届け出た。土浦はほかに立候補者がない場合、午後5時に当選が確定する。無投票当選は同市で過去に例がない。 つくば市区は女性候補が初めて半数を占めた。立候補を届け出たのは▽無所属新人で美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)▽つくば市民ネット新人で元市議の宇野信子氏(57)=立憲推薦=▽無所属新人で前市議のヘイズ・ジョン氏(59)▽自民現職で2期目を目指す塚本一也氏(57)▽公明新人で前市議の山本美和氏(53)▽自民現職で4期目を目指す鈴木将氏(50)▽共産現職で5期目を目指す山中たい子氏(71)▽自民現職で4期目を目指す星田弘司氏(48)の8人。同市の1日現在の有権者数は19万5232人。 土浦市区は、▽公明現職で4期目を目指す八島功男氏(66)▽自民現職で2期目を目指す高橋直子氏(38)▽自民現職で6期目を目指す伊沢勝徳氏(52)の3人が立候補を届け出た。1日時点の有権者数は11万8575人。 つくば市区の立候補者(定数5ー立候補者8) 佐々木里加(ささき・りか)55 美大講師 無所属 新【略歴】東京都出身、多摩美術大大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議1期を歴任。7月の参院選に出馬し次点。現在、女子美術大学非常勤講師。【公約】①高齢者の介護サービスを拡充し高齢者を大事に②教育と出産を無償化し子育て世代への支援拡充③筑波山周辺の魅力を創出し食を誘致 宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット 新【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園【公約】①情報公開と市民参加で県政を見える化②循環型社会の実現③子育て・教育・福祉を充実④東海第2原発再稼働是非の県民投票実現 ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属 新【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮【公約】①公立高校をつくば市に新設する②再生可能エネルギーと蓄電池の活用③海外の企業・自治体と茨城の橋渡し 塚本一也(つかもと・かずや)57 会社相談役 自民 現①【略歴】つくば市出身、筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員を経て、現在、大曽根タクシー相談役、土浦一高PTA会長。大曽根【公約】①農林水産物のブランド化を進める②スクールバスを運行し県立高校の通学可能圏域拡大③新型コロナの支援策充実 山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明 新【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代【公約】①孤独・孤立対策のための居場所づくり②防災道の駅を誘致③子ども食堂をすべての小学校区に設置推進 鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現③【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具【公約】①TX南北への早期延伸実現など交通整備②高校の早期学級増など学びの保障③ケアラー・ヤングケアラー支援計画策定 山中たい子(やまなか・たいこ)71 政党役員 共産 現④【略歴】福島県出身、日大Ⅱ部法学部卒。千葉県商工団体連合会職員、旧桜村議1期、つくば市議4期を歴任。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。【公約】①市内に県立高校新設し少人数学級を推進②東海第2原発再稼働ストップ③県水道料金引き下げなど物価高騰やコロナから暮らしを守る 星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現③【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長【公約】①コロナで影響を受けた観光業や商工業支援②県立高校の定員増など教育環境整備③信号機や横断歩道設置など通学路の安全対策 土浦市区の立候補者(定数3-立候補者3) 八島功男(やしま・いさお)66 党役員 公明 現③【略歴】土浦市出身、創価大学法学部卒。元常陽銀行土浦ローンプラザセンター長、筑波支店長など歴任。党県本部幹事長。永国【公約】①つくば霞ケ浦りんりんロードを活用など人にやさしいにぎわいと魅力あるまちづくり②子育て応援トータルプラン策定 高橋直子(たかはし・なおこ)38 歯科医師 自民 現①【略歴】土浦市出身、日本大学医学部卒。つくばリボン歯科医院長を歴任。現在、県歯科医師連盟顧問。右籾【公約】①就学前教育の充実と小学校へのスムーズな接続②幼保施設、小学校でのフッ化物洗口など歯科口腔の健康を守る 伊沢勝徳(いざわ・かつのり)52 県議 自民 現⑤【略歴】土浦市出身、明治大学大学院公共政策学修了。狩野安参院議員秘書、党県連政務調査会長など歴任。現在、県議会議長。真鍋。【公約】①保健・福祉の充実②教育・生涯学習の充実③地場産業の育成・TX土浦延伸

Most Popular