水曜日, 7月 9, 2025
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県議選あす告示 つくば市区は現新8人、土浦市区は現職3人が立候補へ

任期満了に伴う県議選は2日告示され、つくば市区(定数5)は現職4人と新人4人の8人が立候補し3人超の激戦になる見通しだ。土浦市区(同3)は定数と同数の現職3人が立候補し選挙戦にならず2日にも当選が確定するとみられる。無投票当選になれば同市区で初めて。 つくば市区は現職5人のうち公明の田村けい子氏が引退する。立候補を表明しているのは、現職が▽4期目を目指す星田弘司氏(48)=自民=▽4期目を目指す鈴木将氏(50)=自民=▽5期目を目指す山中たい子氏(71)=共産=▽2期目を目指す塚本一也氏(57)=自民=の4人と、新人は▽前市議の山本美和氏(52)=公明=▽元市議の宇野信子氏(57)=つくば市民ネット、立憲推薦=▽美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)=無所属=▽市議のヘイズ・ジョン氏(59)=無所属=の4人。1日時点の有権者数は19万5232人で、4年前より約1万3000人増えている。4年前の投票率は41.80%だった。 土浦市区は▽4期目を目指す八島功男氏(66)=公明=▽6期目を目指す伊沢勝徳氏(52)=自民=▽2期目を目指す高橋直子氏(38)=自民=の現職3人が立候補する予定。1日時点の有権者数は11万8575人で、4年前より約1000人増えている。4年前の投票率は34.93%だった。 3人超の激戦へ つくば市区 つくば市区の星田氏は3期連続でトップ当選を重ねる。県犯罪被害者支援条例など4つの条例制定、信号機設置など通学路の安全対策などに取り組んだ実績を強調し、ポストコロナの再興支援、県立高校の定員増などを掲げる。告示日の2日は午前10時から同市西大沼の事務所前で出陣式。 鈴木氏は市議会最大会派などの応援を受ける。県ケアラー支援条例制定にあたりプロジェクトチームの座長を務めたなどの実績を強調、TX南北への早期延伸実現、科学技術の実装、高校の早期学級増、ケアラー支援計画策定などを訴える。2日は午後2時から寺具集落センターで出陣式。 山中氏は、12月県議会に市民団体が出した県立高校新設などを求める請願で唯一の紹介議員になった。コロナ、物価高、格差と貧困、東海第2原発問題などに対し、暮らしと平和が一番の県政への転換を訴える。11月26日には志位和夫党委員長が応援。2日は午後1時からつくば駅前で第一声。 塚本氏は、TXと常磐線を接続してつくばと水戸を結ぶ構想を提唱。大井川和彦知事が今年度調査費を計上しTX県内延伸構想が動き出した。農林水産物のブランド化、スクールバス運行による県立高校の通学圏拡大などを訴える。2日は午前10時から若森の信金隣りの駐車場で出陣式。 山本氏は、県議を4期務めた田村けい子氏の後継。教員を目指し教育学部で学んだ経験から教育の大切さを強調し、子どもの貧困対策や、TX東京駅延伸による生活の足の確保などを訴える。11月27日には山口那津男党代表が応援に駆け付けた。2日は午前10時から、天久保の事務所内で出陣式。 宇野氏は、現在市議4人を擁するつくば市民ネットが県議選に初挑戦する立候補予定者。公立高校や洞峰公園グランピング問題などを挙げ、県の情報がほとんど市民に届いてないと指摘し、情報公開と市民参加で県政を見える化するなどと訴える。2日は午前10時から二の宮の事務所前で出発式。 佐々木氏は、今年7月の参院選で維新から県選挙区に立候補し次点で敗れたが、つくば市では1万6000票超を得票した。参院選で傾聴した皆さんのお困りごとを解決したいと無所属で挑み、高齢者の介護サービス拡充、教育と出産無償化などを掲げる。2日は午前9時ごろ市役所前で第一声。 ヘイズ氏は、2012年から3期連続で市議トップ当選を果たしている。8年前、県議選に立候補したが次点で敗れ、今回、再挑戦し雪辱を期す。公立高校をつくば市に新設、再生可能エネルギーと蓄電池の活用、海外企業・自治体と茨城の橋渡しなどを訴える。2日は出陣式などは実施しない。 2日にも確定か 土浦市区 八島氏は、誰一人取り残さない、日本一幸せな茨城を目指すと訴え、つくば霞ケ浦りんりんロードの活用、子育て応援トータルプランをつくる、にぎわいの土浦をつくるーなどを掲げる。2日は午前10時から下高津の事務所隣りで出陣式。 伊沢氏は現在、県議会議長を務める。保健・福祉の充実、教育・生涯学習の充実、地場産業の育成・TX土浦延伸、災害に強いまちづくり、女性・若者の声を生かすーなどを掲げる。2日は午後6時から城北町のホテルマロウド筑波で出陣式。 高橋氏は昨年9月の県議補選で初当選。2期目は、子供たちに明るい未来のための教育、歯科口腔の健康を守る、日本一子供を産み育てやすい県の実現と少子化対策ーなどを訴える。2日は午前10時から、小岩田東の事務所前で出陣式。

つくば駅周辺「県をけん引する成長エンジンに」県議会で知事

茨城県議会第2回定例会の一般質問が11日行われた。つくば駅周辺で国家公務員宿舎の廃止などにより空洞化が進行し、にぎわいの低下が懸念されている問題について大井川和彦知事は「つくば駅周辺を新たな価値を生むビジネスの街、世界に伍するイノベーション拠点へと変革させ、茨城県をけん引する成長エンジンとして再生したい」とする考えを示した。 つくばエクスプレス(TX)沿線のまちづくりに対する塚本一也県議(自民党、つくば市区)の一般質問に答えた。 大井川知事はさらに「私とつくば市長が共同会長を務めるコンソーシアム(つくばスマートシティ協議会)を母体に、研究シーズが世界中のヒト・モノ・カネと結び付いて事業化し、成長が促進される仕掛けとなるエコシステムの形成に取り組んでいく」と答弁した。 塚本県議は、沿線開発の人口急増に追いつかない学校施設や道路渋滞などのインフラ問題への対応についてただした。さらに県民の大きな関心事であるTX延伸について、年度内に方向性を決めるための調査費1800万円が計上されたことから、「延伸の課題の解決策を見出すためにまちづくり評価の総括が必要」だと訴えた。 宅鉄法の目的達成されつつある 大井川知事は沿線のまちづくりの評価について「これまで県有地の約8割に当たる約320ヘクタールの売却に至った」とし「近年では宅地を中心に年間目標面積を大きく上回る土地処分が進んだ」などと強調。「沿線3市ではTX開業時と比較し約7万4000人の人口増となり、魅力あるまちとして、宅鉄法の所期の目的が達成されつつある」と評価した。 一方、学校建設が追い付かない事態や慢性的な交通渋滞の発生、つくば駅周辺の空洞化などの課題もあるとして「未整備の県保有地の造成・販売の前倒しやスマートシティモデル街区といった次世代型のまちづくりを進める一方、教育施設等の公共施設が適切に整備されるよう地元市と連携を深め、今後の整備を進めたい」とした。 莫大な総工費が予想されるTX県内延伸については「茨城県のみの費用負担では実現が困難」だとし、「国からの支援や、TXの出資者である各都県からも費用負担の在り方を含む事業スキームに関する合意を得る必要があり、解決しなければならない難しい課題が山積している」とする認識を示し、「客観的な調査を進め、有識者の意見も聞きつつ、将来世代にメリットのあるような選択をしていきたい」とした。 半年ぶりの休日議会 11日の一般質問は、2021年11月に次いで2回目の休日議会となり、平日開催では来場できない県民が多数訪れた。初めて傍聴したという県立水戸一高3年で生徒会副会長の佐藤舞佳さんは「内容的に難しいこともあったが、大学進学や病院の収支など身近なことが話し合われていて、議会に興味を持つことにつながると思った」と話していた。

土浦市で2年ぶり賀詞交歓会 3団体が地味に開催

土浦市商工会議所(中川喜久治会頭)など3団体主催の新年賀詞交歓会が、7日午後6時から市内のホテルで開かれた。昨年はコロナ禍で中止になっており、2年ぶりの新年の集い。コロナ収束の兆しが見えない中での懇親会ということもあり、例年300人近い参加者は170人程度に抑えられ、万事、地味なパーティになった。 「霞ケ浦に大噴水を」中川会頭 3団体を代表してあいさつした中川会頭は、市活性化のためには①霞ケ浦に水質浄化型の大噴水を設置する ②TXのつくば市以北延伸を実現する ③常磐高速・桜土浦IC-土浦北IC間にスマートICを設ける―が必要だとし、各方面に働きかけていくと述べた。また、昨年中止になった土浦全国花火大会のあり方について、近く会議所の提言をまとめる考えを明らかにした。 来賓として挨拶に立った安藤真理子土浦市長は、市は「サイクリングのまち」として全国に売り出しているが、「歴史と伝統のあるまち」も次の世代に引き継いでいきたいとし、新しさと旧(ふる)さが同居するまちづくりを市政の基本にする考えを示した。 6区の衆院議員らがあいさつ 昨秋再選された茨城6区の国光あやの衆院議員は、元厚労省医官の知見を披露した。近く3回目の接種案内が届くコロナワクチンでは、ファイザー製よりもモデルナ製の方が効くと言い切り、「ファイザー信仰」の見直しを求めた。比例で復活した青山大人議員は「深夜の午前3時半、最後の枠で当選が判明した」と、スリリングな開票だったことを披露。「(私が)議員にいてよかったと思ってもらえるよう頑張りたい」と述べた。 国会議員ではこのほか、7月の参院選不出馬を公表した岡田広議員と、上月良祐、小沼巧参院議員があいさつ。県会議員は、土浦市区の伊沢勝徳、八島功男、高橋直子3議員を代表して、昨年末に県議会議長に選ばれた伊沢県議が登壇、「(議長になれたのも)土浦市民のご指導・ご鞭撻のおかげ」と述べた。 参加会費3000円に引き下げ 主催者代表らの挨拶のあと、小坂博 土浦市議会議長が音頭を取った乾杯で、全プログラムが終了。午後7時少し前に自然解散になった。 今年は参加人数の制限だけでなく、国歌斉唱は声を出さないで会場に流れる「君が代」を聞くだけ、中華・和食・洋食のビュッフェやアルコール類も一切なし、乾杯も小ボトルの緑茶で―という、コロナを意識したものになった。いつもは1万円の会費も3000円に下げられ、お土産が入る大袋の中は、寿司弁当、紅白大福、そば焼酎、会議所75周年記念扇子という、会費を還元する内容になった。(岩田大志)

一括売却に厳しい意見相次ぐ つくば市が市民説明会 旧総合運動公園用地

住民投票で計画が白紙撤回された旧総合運動公園用地約46ヘクタール(つくば市大穂)を、市が民間に一括売却する方針案を出したことを受けた(11月11日付、26日付、12月1日付)市民説明会が10日と12日開かれた。10日は午後2時30分からと7時からそれぞれ大穂交流センターで開かれ、1回目は約35人、2回目は約15人が参加した。12日は午前10時から市役所で開かれ、約30人が参加した。参加者からは「(一括売却案は)何を実現したいのかが無い」「なぜ今、一括売却かの説明がない」など、厳しい意見が相次いだ。これに対し説明に当たった五十嵐立青市長は、財政の厳しさを強調し「前に進めたい」と繰り返した。 第1回目の説明会の主なやりとりは以下の通り。 参加者 (防災拠点施設を整備することについて)水、交通について質問、意見したい。水は、上水はいろいろな給水方法があるが、下水はトイレの汚物を含む下水、汚物処理どうするのか。道路がうまく使えない災害を想定すべき。ここの地点(大穂)は遠い。汚物処理拠点としての機能が必要。交通は、道路が(地震などで)割れたらどうするのか。航空によるしかない。まっ平らな広いところが必要。46ヘクタールは滑走路を確保するにはぎりぎりの広さ。ドローンで運ぶ場合もある。そういうことが全く抜け落ちている。航空は高いものを建てるともうだめ。そこを計画に入れていただきたい。 五十嵐市長 汚物処理は危機管理課から説明する。道路は滑走路確保は厳しい。ドローンの活用など災害時は様々な可能性がある。1カ所だけですべてまかなうのは難しいと思っている。ヘリポートは、このスペースがあればいくらか離着陸できると考えている。高い建物は、10階建てが建つことはない。 市部長 処理場は下横場にある。災害時はそこに流して滞留させる。市の容量の2日分をためることができる。 参加者 流路が割れたらどうするのか。(汚物を)一次的に置いておくことを一番最初に考えないといけない。 市長 市全体としてどういうことができるか考えたい。 参加者 (売却)価格設定は簿価ベース、68億円以下はないということか。(方針案では)公共施設は備蓄倉庫とか避難場所になっている。広報つくばやかわら版を読むと、最大のポイントは地域の活性化だと言っているが、倉庫だとか備蓄倉庫だとか、活性化じゃなくて空洞化を起こすような施設しか出てない。事業者はメリットがないと地域の活性化を前提にしない。地域の活性化がポイントであれば、より具体的に、どういう施設を置くんだと言うことをポイントにしてほしい。防災倉庫は、利用者が整備したものをリース契約のようにするのか。 市長 価格設定は用地取得費66.1億円と利子2.4億円を足した金額以上と考えている。地域活性化は、物流施設では雇用が生まれないというが、聞き取りの範囲だが、物流施設ができたとしたら6000人ぐらいの雇用が生まれるだろうと聞いている。働く場として大きな期待感をもっている。防災倉庫はリース契約ではなく賃貸契約。民間が整備したものを市がお借りしていくという形のもの。 参加者 用地を購入したのは運動公園をつくるのが大きな目的だった。施設の半分を売却して、後は運動施設、野球場、サッカー場、グランドゴルフ場、テニスコート、体育館などをつくる予定はないのか。小学生の孫がサッカークラブに入っている。土浦市の新治運動公園、下妻市のほっとランド・きぬに行く。つくば市には運動施設がない、ぜひとも整備をお願いしたい。 市長 当初、運動施設が目的だった。何より305億円かかると、結果として住民投票でなくなった。スポーツの拠点をつくることは必要だと考えていて、上郷高校に陸上競技場を整備する計画を立てて(大規模事業評価の)審議をしていただいている。サッカーができるスペースもできる。障害者スポーツをしやすくしたり、高齢者スポーツや、地域の皆さんが集まってスポーツができる環境を上郷高校で準備している。お孫さんにもそういう場所が出来れば使っていただきたい。 参加者 当初のこの土地は運動公園として使うため取得した。研究学園駅につながなきゃ利用価値がない。どのように道路をつくるのか。 市長 南側の道路をどうするかは、事業者からの全体計画が出てきてからになると思っている。災害の時、市の防災備蓄品が取り出せないとか、そこは(売却事業者選定の)評価項目になってくる。 参加者 市執行部、議会の怠慢ではないか。 市長 この土地について少しでも早く解決することが重要と考えている。議会から提言書をまとめていただくことができた。(一括民間売却案は)基本的には議会の提言書に沿ったものと理解している。急ぎ過ぎという意見もあるが、かなり議論を積み重ねている。前に進めたい。方向性を出していきたい。 参加者 つくばには平地林がたくさんある。木を使って、バイオマス発電をつくって、つくば地区の環境整備、林業再興を目指し、地元でつくったエネルギーを地元で使う、あれだけの土地を地元のエネルギー供給源にできないのかとパブリックコメントで提案している。将来に対する投資という意味で、一緒に環境を改善していく企業を誘致してはどうか。 市長 どうやって環境を守るか、さまざま取り組んでいる。ゼロカーボンの問題意識を持っている。街路樹も守らなきゃだめだと、工事が始まったのを止めてもらったこともある。(事業提案の中に)発電施設の提案もいくつかあった、EV(電気自動車)開発の複合施設の提案もいただいている。どの事業者も、エネルギー、環境に配慮をしないことのマイナスを理解している。どういう形になっても確実に環境に配慮する様々な工夫はされるだろうと思う。(売却先の事業者選定では)事業の中身と価格の両方で審査する。中身の審査も環境に配慮しているか審査する。化石燃料をどんどん使ってCO2を出しまくる場所にはしてはいけないと思っている。 参加者 いちはら病院のメディケアレジデンスに住んでいる。(用地の)南側を散歩コースにしている。見事な木がはえており、建物に代えられない資源だと思う。そこを生かして快適な素晴らしい散歩コースを残していただきたい。 市長 私も歩いて通っている。あの辺り、いい環境になっていると感じている。多くの企業から聞き取りしたところ、南側に病院と住宅地があり、新しくできる施設と病院との緩衝地帯にしていくことは理解を得ている。南側を全部丸坊主にすることはしたくない。そこは安心をしていただければ。 参加者 大穂で、通勤・通学時間に子供たちの誘導をやっている。通勤時間は交通渋滞となり、安全性も含め危険な状態になっている。運動公園のときも幹線道路含めて(配布資料の図面の)左側に道路が予定されていたが、今の計画では6年後と聞いている。運動公園跡地の開発では間に合わないと思ってる。全体の交通インフラを含めて早急に進めないと大変な問題になる。 飯野副市長 北部工業団地から東光台を結ぶ都市計画道路のことだと思う。(高エネ研との間の)県道213号を拡幅したら、結ばれてネットワークができる(計画がある)。県の方も、用地買収しながら北部工業団地に続く道路の事業計画をしている。未買収のところも残っているので、この事業と合わせて進めたい。 参加者 住民投票(で計画の白紙撤回)が決まった時、跡地の利用を考えないといけないよ、と五十嵐さんに言ったことがあるが、(プランは)何もなかった。(今回の一括売却方針案は)一体、何をやりたいんだろうか。何を実現したい、ということが無い。大事なことは何も言ってない。やるべきことはたくさんある。今慌てて売るんじゃなくて、市がやるのがいいのかも含めて、きちんと(市が用地を)持っている必要がある。自分たちはこういうのを実現したいんだというのが無かったら、待つ方がいい。つくば市は研究学園都市にある。つくば市は地方自治体だけれども、もっと日本全体のことを考えることを期待したい。早急に決めることは絶対に反対。 市長 つくば市がここをどうしたいか、それは明確。どういう形で地域に資するものにしていくかだが、研究所は待っていれば来るというものではない。この土地をずっと持っていることはできない。66億円で買ってしまった。運動公園の目的がなくなった。土地を返すか、有効活用するか。日本を代表するエリアは必要。それはこの土地でなく、つくば駅に隣接する(吾妻地区の)70街区。(70街区は)放っておいたらマンションに売られてしまう。つくばの最先端の研究機関のショーケースとして、国や県と一緒に整備していきたい。取捨選択するのが市長としてすべきこと。運動公園は上郷高校(につくる)。何もしたいことがないのではなくて、今回の方針案のような施設を誘致することが将来のつくば市にとってプラスになる。 参加者 反対というより(市の方針案では)何をやりたいか分からない。何をやりたいのかが出てないから困ってしまう。ここを使って何を実現したいのか、今もお話いただいてない。 市長 1期目では結論が出なかった。その時と何が違うかというと、議会が特別委員会をつくってくださったこと。1期目は議会側の意見がさまざまあった。その中で委員会として提言書をまとめてくださった。そうやって確実に進んでいる。陸上競技場も基本構想ができた。着実に進めていけると思っている。きちんと伝わられないのであればいろいろな方法を使って伝える方法をしていきたい。 参加者 水守のクリーンセンター近くに住んでいる。いい空気ではない。もしこの土地(旧総合運動公園)を利用できれば、第2クリーンセンターをつくりたい。それから半導体不足で、TSMC(台湾の世界的半導体メーカー)は(熊本県の)ソニーの敷地に工場をつくっている最中。つくばにつくってもらえればよかった。世界一有名な半導体工場を誘致していただければ活性化になる。TXの駅にも使いたい。膨大な敷地があり、駐車場もバスも入る。ぜひ検討してほしい。今つくば駅前では国の研究所の宿舎を次々に壊している。つくば市は終わりだと感じる。よし、私(市長)がやるんだと、もうちょっと市民の先頭に立ってやっていただきたい。 市長 クリーンセンターは地元の理解を得ながら(現在地の施設を)長寿命化をしながら使っている。ここにつくることは考えられない。TX延伸はいろいろな意見があるが、その先の整備費は国は出さない。整備するとした地元がやっていくことになり現実的でない。TSMCは熊本に工場をつくるが、つくばの産総研に研究開発拠点をつくる。つくばが世界の最大手に選ばれる場所であることを示すことができた。世界経済フォーラムに呼ばれて参加しているが、そこでつくばの注目度が上がっていると紹介してもらったりしている。メディアで取り上げられる回数も増えている。つくばは確実にいい方向に進んでいる。 参加者 民間の4事業者から提案があったということだが、4事業者の案は示してもらえないのか。 市課長 4事業者の提案は(配布資料の)1(工業団地等)、2(物流倉庫施設等)、3(物流施設・データセンター等)、5(EV実験場等)だが、公募したとき、4事業者が応募するとは限らないし、それ以外の民間事業者の応募を妨げるものではない。 参加者 選考はどなたがどういう過程で選考するのか 市課長 事業者の事業計画提案、価格提案の両方の観点から評価したい。いくつかの手法があるが、公募型プロポーザルが望ましい。ガイドラインに従い、評価委員を選定して、公募期間が過ぎた後にプレゼンしてもらい、評価を行って候補者が決定する流れになる。 参加者 案が示されてない。案が決まった後、再度、住民説明会を開いてほしい。つくばみらい市では70町歩の工業団地の造成が進んでいる。市でお困りであれば、具体的な案をもって県に相談いただければいくらでも力を貸す。 市長 当然、事業者が決まったら皆さんにきちんとお話する機会をつくりたい。先日も県の担当者に来ていただいて意見交換したところ。県ともさまざまな形で随時話していきたい。 参加者 問題は、46ヘクタールの公有地、66億円の購入費用、民間一括売却が果たしていいのかということ。歴史を考えてみると、URが全面買収し、平成11(1999)年に研究施設用地として不要と判断した。(前市長の)市原さんが総合運動公園用地として購入した。五十嵐さんは、URと交渉したが、らちが明かなかった。民間事業者1社に売却し地域にプラスになることを進めるというが、URに返還することが一番いい。臨海副都心のように暫定用地として使うこともできる。五十嵐さんは「URと返還交渉する」「裁判も辞さずにやる」と言った。拍手喝采した。交渉をどの程度やったのか。研究施設用地の発展余地として残しておくことが絶対必要。交渉すれば66億円は返ってくると思っている。暫定利用として地元のために使うことができる。民間事業者に売る前にURとの交渉をもう一度考えるべき。売るにあたっても一括売却が本当にいいのか、昨日(9日)の議会(一般質問)の答弁で部長が固定資産税が入ってくると言ったがちょっと違う。固定資産税は行政サービスに対する対価。地主は税金を払っているが、つくば市は土地をもっていても税金を払わないで済む。市は46ヘクタールの土地を保有コストなしにもっていける。もっとじっくり利用を考えるべき。民間売却しかないのか、民間に貸与する方法もある。売らなくも税収相当分がはいってくる。一括売却して地域にとってプラスになるのかというと、中根・金田台地区に物流施設がきたが、ちっともプラスにならない。熱に浮かされたように一括売却するというのは危険。URは(坪)1000円で買った土地を4万6000で売った。まずURと本当の交渉をやった方がいい。 市長 国の方針としてURに資産の整理をさせ、URは全国で資産を手放している。交渉は事務方とさまざまな話をした。プロセスに瑕疵(かし)があれば瑕疵を交渉の材料にしていくと徹底して調査したが、契約に瑕疵はなかった。(当時は)ソーラー(発電会社)が買おうとしていて、早く買わないと売っちゃうよとなった。URに返還は現実的でないと考えているが、仮に返還しても、URが売ります、というとソーラー発電になってしまうかもしれない。暫定利用は簡単にできない。造成費として1ヘクタール1億円かかる。(売った場合は)68億円、市として極めて大きな金額。恵まれた自治体なら別だが、現在のつくば市はそういう自治体ではない。66億の土地をそのままにしておく余裕はとてもないというのが、市長として仕事をしている実感。貸与と言ってもそう簡単ではない。民間利用だが、商業施設は筑穂に影響を与える施設にはしていかない。前に進んでいかなければならないタイミングが来ている。 参加者 財政的に厳しいのは分かる。だからこそURに元の研究施設用地に戻せと返還交渉すべき。それをやらないで民間売却と言っているからおかしなことになる。URと交渉をやったというならその内容を知りたい。 市長 繰り返しになってしまうが、先ほど申し上げた通り様々な話はしている。今、国は売却をどんどんしている状況。必要な土地は残さなきゃいけないから、つくば駅前(吾妻70街区)は2段階で売却していく。UR交渉は現実的ではない。 参加者 (研究機関や大学などで構成する)筑協(筑波研究学園都市交流協議会)に(用地活用の意向を)聞いたが何もなかったということだが、つくばの研究機関は余剰の土地を持っている。追いつけ追い越せ型の研究機関ではなく、新しい分野の研究用地が必要になる。 市長 URとの交渉内容はお話している。(質問した参加者が)納得してないだけ。市長、議員は選挙で選ばれた。議会に伝えて議会がOKと言えば、それが民主主義。 参加者 五十嵐さんは住民の力を忘れている。住民投票で8割が反対だった。それを背景に交渉してはどうか。五十嵐さんは研究状況を分からない。民主主義どうのというのは間違い。 市長 (質問した2人に)納得していただくことは難しいと考えるが、何もしないでこのままにしておくのは無責任な姿。 参加者 民主主義の原則は情報共有、対等な議論、少数議論を見逃さないこと。情報共有をしてない。 参加者 上郷高校跡地の運動公園はここと比べてどのくらいか。 市長 6分の1か5分の1、上郷高校は7ヘクタール。   □   □   □ 「買戻し特約は必須」 第2回説明会 2回目の市民説明会では、一括購入した民間事業者がその後、切り売りしたらどうするのかという質問が出て、市から、10年間の買戻し特約を検討していると説明があった。主なやりとりは以下の通り。1回目と重複したやりとりは省略した。 参加者 問題は取得価格。URがつくば市に66億円で売ったことが大きな問題、どういう交渉があったのか。400メートルトラックの運動施設をつくるという話があった。そんなにかけなくても整備できる。400メートルトラックはどのように位置づけているのか。 市長 土地を取得した交渉過程は第三者の弁護士に調査していただいた。結論として、URは国から(資産の)処分を強く求められている、市は運動公園をつくりたがっている、ソーラー発電に売りますよ、市が買いたいのだったら早く表明してくださいと、価格もある意味でURの言い値になっていった。総合運動公園は305億円という大きな金額になってしまった。大きなお金をかけなくても陸上競技場をつくることができる。上郷高校に400メートルトラックがある陸上競技場を整備したい。現在、評価をしていただいているプロセスにある。高エネ南側(旧総合運動公園用地)は防災拠点としての施設にする。(防災拠点は)1カ所では心もとないので、上郷高校跡地も役割を果たしていきたい。 参加者 土地の取得の経緯は終わった話。これからどうするかを考えなくてはいけない。気になるのは(市長は)一括売却にこだわられているが、売却した後に切り売りされたら一体性は確保できるのか。最も大きな懸念だ。短冊にされて、ばら売りされたら一体性が保てるか。全体を行政がやるのは難しいかもしれないが、4分の1とか3分の1は公共活用を図り、未来永劫維持した上で、付加価値を上げてから売却する方法もある。なぜ今、全面売却しなければならないのか、そこのところの説明がない。 市長 もしそういうこと(一括取得後、民間事業者がばら売りする)が起きてしまえば市が目指している計画は実現できない。買戻し特約を設定するのは必須と考えており、公募要領の売買契約の条件にして事業者公募を行っていくことを考えている。ご懸念のことは起きない。 参加者 譲渡後を縛る契約ができるのか。一般的な土地取引でそれができれば世の中の土地問題は起こらない。 市課長 他自治体を確認している。債務不履行があった場合(他自治体では)10年間の買戻し特約が主流。 参加者 債務不履行とは、お金を払わなかった場合ではないか。 市課長 第3者に移転する場合も法的に(買戻し特約の対象になり)妥当だ。 参加者 仮にデータセンター、物流センターができたとして、流星台に行くと、あの巨大な施設は圧迫感がひじょうにある。将来につながるものなのか。 参加者 買戻し特約は学校用地ならあり得るが、46ヘクタールを全部買い戻すのは大変。買戻し特約を付けても買い戻すことは非常に難しい。 副市長 土地利用方針に沿った土地利用を将来どう担保するか、担保の仕方の一つの方法として契約上で買戻し特約をするのも一つの方法だ。期間は10年間とする。基本は地区計画、都市計画で、将来的に(ばら売りされないよう)担保できる手当てをできるように考えていくことが必要。 参加者 日本は所有者の権利が強い。地区計画で禁止することは難しい。こういうふうに利用しなさいというのも、一括売却のものについて買戻し条項は現実的に不可能。一括売却を考え直さないといけない。 副市長 担保できないと言われちゃうと、法治国家の中で、後ははない。法的なものを根拠とする。 参加者 現実的に66億円の買戻しができるのか。実効性のない計画だ。 副市長 無理だといわれても、一つの方法として(買戻し特約が)ある。 参加者 であれば、できるというなら(説明の)資料として付けるべきだ。できるというなら資料に付けなければ説明にならない。実現しようとするのであれば、実現を担保しようとする資料が出るはずだ。 副市長 土地利用方針が定まってない中、まず土地利用方針が定まらないと先に進めない。 参加者 土地利用方針は一括売却でしょう。一括売却で話をしている。 参加者 結局どうしようとしているのか。 市長 今さまざまな自治体の調査をしている。地区計画も合わせてやっていく。法の下でさまざまな検討をしている。 参加者 陸上競技場が上郷にできていけばとてもうれしい。経済的なものはとても大事。(旧総合運動公園用地に)子どもの城をつくってほしいという願いはあるが、一括売却が一番、経済的にいい。担保を法的にやるならきちんとした文書に起こせる。安心できるためには文書に起こす、文書ができたら、有効に使っていただきたい。もっと費用対効果があれば提案してもらわないと進まない。 市長 財政に余裕があればいいが、そういう状況ではない。利子を少しでも減らす努力をしている。貯金をためて返済をなんとか終えて1億円ぐらい影響を減らす努力をした。しばらく寝かせて持っておくべきだという意見もあるが、今はそういうことをしている余裕はつくば市にはない。できる限り有効に活用していきたい。建物が建てば固定資産税も上がる。建物で3億数千万円は見込んでいる。税収を増やすためにやっているのではなくて、実現をしていくことが私の使命。 参加者 今日は(市民が市の)説明を聞く場なのか、市民の意見を聞く場なのかー。都市計画はものすごく大事。中根・金田台の物流施設はあの始末だ。用途を準工業地域に変更して(中根・金田台では)現実にそういうことが起きている。買い戻し特約をつけるということだが、66億円を積むのか。それこそつくば市の財政が大騒ぎになる。一括売却はものすごく危ない。 副市長 一括売却の優位性を話したい。土地利用方針に沿った内容できちんとした土地利用を図ってくれる業者が出てくるかを(つくば市が)いかに選べるかが大変重要。家を建てる時、角に電柱が建っている土地より、まっさらな土地の方がいい。真っさらな土地の方が参加してくれる事業者が多くなる。(事業者が)プランニングしずらい前提条件を取り除くことが、選択肢が広くなる。 参加者 この話はいつもつくば市単独で解決するストーリーになっているが、県とか、近隣自治体、国などに、この土地を一緒に使ってほしい、一緒に考えようという相談はしたことがあるのか。国レベルとして、首都直下地震の防災拠点の最前線基地として使えないでしょうかという相談を内閣府などにしたことはあるか。 市長 周辺自治体とはさまざま話をしている。陸上競技場について土浦市長と整備の可能性はどうですかと話をしたけれども、それぞれ議会の皆さんがいるし、土浦には土浦の計画がある。(自治体による)共同の整備は、広域でやろうとしてうまくいかないで、プロセスだけでものすごい年月が経っていることがある。複数の主体が一体となって整備するのは20年、30年かけられるのであれば、選択肢として有効。運動公園は県に整備してほしいと繰り返ししている。 参加者 国とは話をしてないのか。 市長 国とは防災拠点の話はしてない。 参加者 防災拠点とは限らない。民間にぽんと売却するのはもったいないという印象をぬぐえない。 市長 つくば駅前の財務省がもっている宿舎跡地(吾妻70街区)はかなり交渉を重ねて2段階の入札にすると、国と共同でサウンディング調査をしている。つくばの拠点となる場所を構築していく。夢物語を語ることは大事、いろいろな連携をしていくことも大事だが、前に進めていかなければならない。 参加者 (旧総合運動公園の活用方法について)国に話したことはないということか。 市長 国会議員に随分前に聞いてみたりした。国もなかなか新しい場所をつくっていく状況にはほとんどない。県にはいろいろ、知事とも話をしている。 参加者 一括売却して地域にとってプラスになる望ましい施設を整備するということだが、何が地域にとって望ましいのか分からない。それが示されないで一括売却すると言っている。駅前の公務員宿舎用地と違って、ここは研究施設用地だ。望ましいまちが何になるか分からないのに、あまりにも楽観的だ。 市長 できることをできる限りしていく。 参加者 市議会が特別委員会を立ち上げて、こういう視点でやってくれというのが民意だと思う。(一括売却を)進めていただきたい。市がやると伐採費も相当なお金がかかる。これだけ大きい面積になると(何かあった場合)業者は日本中で信頼を失う。(一括売却して)損はない。 市長 お金の件は最低価格を68億とし、市の財源になっていく。二元代表制であり、市議会の皆さんの話はすごく大事に思っている。市議会が提言としてまとめてくださった。市民25万人が満足するとは思っていない。総合運動公園の計画も(反対)8対(賛成)2だった。それぞれにそれぞれの思いがある。全員が納得できない状況は分かるが、私は前に進めていかなければならないという決意のもとにやっている。 参加者 今の、市長がおっしゃることが心配だ。ここにいる(参加者の)大人の人たちはそれで大丈夫なの?って思って控えめにお話になっている。市長さんに自信があればいいでしょうけど、そういう事業をやったことがない。そういうことを皆さんがひじょうに心配していることが分かりますか。そこのところをもう少し謙虚にお答えいただかないと、ご返答を聞いていて心配になる。 市長 この計画が完璧なものと言うつもりはない。方針案として出して、変えるところは一緒に改善していきたい。 参加者 市長が先ほど、議会は、議会は、とおっしゃっているので議会として一言、言いたい。特別委員会の提言書は作業部会の中で意見が分かれて、一括売却したほうがいい、しない方がいいという意見があって、一括売却すべきだということを議会では出していない。11月11日に方針案が示されて、これから議会がもんでいくのかと思ったら、次の週からパブコメをやります、(議員は)意見をそれぞれ特別委員会の中で出してください、パブコメで出してくださいとなっていた。こんな乱暴なやり方はおかしいと思っていたら、今度は(12月1日発行の)市報の1面で(一括売却の方針案が)出た。市報は2カ月前に内容を決める。(市長は)議会に丁寧な説明をして進めて参りましたというが、市はこういうやり方をずっと続けてきた。 市長 山中議員のおっしゃったことが議会の総意であれば、多くの議員が不満を表明すると思う。 参加者 (土地開発公社の契約書を一部書き換えて民間売却を可能にする)契約書の議案が(開会中の12月議会に)出ている。 副市長 (契約書の議案は)今ごろ出てくるのがおかしい、白紙撤回と同時に議決をしておかないといけない。 参加者 (契約書を書き換えると)民間に転売できるという内容も入ってくる。 参加者 民主主義で一番大事なのは約束を守ること。嘘を言ってはいけない、不確定なあいまいな情報も出してはいけない。五十嵐さんが最初に約束したURとの返還交渉も、一番大事なことは(情報開示された交渉の資料には)書いてない。URとの交渉はどうでもよくて、売りたくて売りたくてしょうがないのかな。(他の参加者から出た)全国レベルの話はそれ。46ヘクタールは研究学園都市にとって研究施設用地としてなくてはならない土地。つくば駅前の土地が高いのは研究学園都市というブランドがあるから。 参加者 広大な土地を市民としてどうやって保全し生かしていくか。一番大事なのは用途指定だ。46ヘクタールもあるのだから、それを変えればいい。用途指定で土地の値段が変わってくる可能性がある。(買戻し特約は)10年保証でなく、私たちは永遠に住んでいる。研究施設用地をURがつくば市に売ったことはおかしいと思う。時間かけてでも交渉していくべきだ。もともとそういうことで研究学園都市ができている。 参加者 土地開発公社が取得していた負担金は市が清算して今、銀行からの借り入れはないということか。それを市が取得しない理由はなぜか。 副市長 取得目的がないから。地方自治法上、取得目的がない取得はない。 参加者 では売却する目的はあるのか。 副市長 現在、土地開発公社の所有地になっている。運動公園用地なら市の方で取得する。 参加者 目的が出れば取得できるということか。今は目的がないから取得できないということか。 参加者 つくば市ではなく土地開発公社がもっているのは、つくば市が取得する場合、事業をやろうとしたときに国から補助金が出るから、ということを聞いている。市長と副市長が説明しないので付け足す。つくばは研究者のまちではないけれど、研究施設あってのつくば。研究施設の発展余地がなくなったらつくばは死んでしまう。 参加者 ここは研究学園都市に残されたいい土地、そこをまず使おうとしないで、売ろうということにひじょうに違和感を感じる。何で使おうとしないのか。使おうとするためには予算がいる。予算を確保できる案を出すべき。(市長が)何をやろうとしているのかわからない。お金がほしいというのが目的のようだが、そこの土地はそういう土地ではないのではないですか。 参加者 あそこが研究用地として活用できるのであれば、長い間残っていたのでしょうか。そこで(URは)つくば市に話をもってきた、URの現状を皆さんご存知のはず。これから市民が活用していくのは膨大な拠出になる。経済的に埋めていきたいという提案でよいと思う。ぜひ前に進めてほしい。(一括売却案以外の)提案があるならどんどん出してほしい。 参加者 研究用地の発展余地をもっているから研究学園都市であり続けられる。    □   □   □ 参加者同士、怒鳴り合う場面も 第3回説明会 3回目の市民説明会は、12日午前10時から市役所で開かれた。参加者同士が怒鳴り合う場面もあった。3回目の市民説明会の主なやり取りは以下の通り。 参加者 政治家は本当に信用できない。研究所を持ってこい、はあり得ない。66億で買って2億5000万の金利がかかった。固定資産税が年7000万無くなっている。こんなことを永遠にやっていては市民のためにならない。早く売却した方がいい。伐根伐採するだけでも46億円かかる。それをどこから金を出すのか。いつまでもいつまでもあーじゃこーじゃと言わないで、あんなもんは早く民間に売っちゃった方がいい。体裁だけ考えずにつくば市民のことを思うのであれば、早く売って子供たちのために使ったらどうか。 市長 政治家の一人として少しでも信頼を取り戻せるよう様々仕事をしている。研究所用地として使われなくてずっとそのままになっていた土地。研究所を引っ張ってくるというのは現実としては無いということ。これまでの土地のプロセスは、元々国がURに売却を求めた。URはつくば市に、買うか買わないか、買わないんだったらソーラー発電にするぞといって、つくば市は半ば慌てながら買ったということが(総合運動公園事業検証委員会の)報告書で示されている。財政にゆとりがあればうれしいが、とても遊ばせている余裕はない。就任して貯金を積み上げて(借入金の)土地代は払った。年間利子3000万円だけでも大きな負担だが、(利子を前倒しで返済したため)結果として1億円ぐらい市の財政にプラスになった。これから、どの事業も精査しながら来年度予算の査定が始まる。無駄なものを削って浮いたお金で市民サービスしないといけないということでやっている。今のような話(一括民間売却)でまとめていくのがつくば市にとって必要なことと考えている。 参加者 お金の面から売却がいいと言う話もよく分かるが、しかし住民として純粋な希望だが(配布資料の)この写真を見ても分かるように(旧総合運動公園用地は)緑が多くて貴重な土地だと思う。ここをどのように市民のために使うか、お金のことは置いておいて、純粋な希望として、今、市民が必要としているのは高校用地であったり、周辺小学校では生徒が増えてパンクしているので小学校をつくる案もあるだろうし、図書館も駅前の図書館は駐車場がないので子ども図書館であったり、ウオーキングコースやマラソンコースもある。地球環境を考えたとき、森をそのまま残すこと、お金をかけてもこの場所を守る方法もある。森林保全など環境関係で補助金をもらえる方法はないのかなと思う。 市長 私も木にこだわりを持っている。就任前に街路樹が伐採される計画があったが、残した。まだつくば駅周辺に街路木が残っている。そのままだったらほぼ木は残ってなかった。森林保全のお気持ちは理解する。しかし木として持っているだけでは森林保全にならない。この土地の南側の緑を少しでも残して、散歩コースであるとか(にする)。地域住民にとって貴重な緑だと思っている。しかし管理されていないので、すべての緑がいい緑だといえない。高校や図書館は市に必要な施設だ。高校は繰り返し知事に対し、つくばの高校対策をきちんとしてほしいという話をしている。ようやくいくつかの高校、まだ一つだが、定員を増加することをしてもらったりしている。小学校は人口試算をして、大穂地区は小学校が必要になる状況ではないが、数字を見ながらやっていきたい。図書館は十分でないという話をいただいているが、市に図書館を整備していく財政的な余裕はない。土浦市は20年くらいかけ、お金も総額で100億円近くかかったと聞いている。つくば市は10年後を目途に市としての図書館の方向性をつくっていきたい。いろんなご希望がある。お金があればかなえた。現実の制約の中でやるのが高エネ研南側未利用地。必要なところに必要な整備をしていく。 参加者 計画の中にスポーツ施設は入ってないのか。地域の活性化とは人が集まること、気軽に集まること、それはスポーツ施設。市原さんが総合運動公園を提案したとき説明会があった。いろんな話があった。プロ野球の2軍がくるとか。高校野球の県大会をつくばでやってほしい。土地を買い取りたいところがあるそうだが、ぜひスポーツ施設を盛り込んでほしい。 市長 サウンディング調査では(事業提案者が)全部で12件あった。そのうち1社からスポーツツーリズム拠点の整備という提案をいただいている。ただし土地を買うのではなく、つくば市から借りたいという提案なので、つくば市は土地を持ち続けなければいけない。公募の際、一括売却とする方針だが、もしこういう事業者が、買うとか手を挙げてくれればそういう施設の可能性もあるが、全部買い取りを希望する企業にスポーツ施設は入ってない。私もスポーツがもつ価値は大きいと思っている。そういう拠点がないというのがつくば市の大きな課題。今、上郷高校跡地に陸上競技場の整備を計画している。スポーツの重要性は私が肌で体験してきた。今後もできることをそれぞれの場所でやっていきたい。 参加者 民間の経済活動がくるとき、市が稼ぐことができるかを考えると、都市計画税、固定資産税が入ってくるが、法人税が市に入るかという視点も大事。つくば市で活動しても東京に本社があって税金は東京都に収めると市が潤うことはない。そういう視点も必要。雇用を生むこともつくば市の将来を考えると必要。そういうことも考えて経済活動する法人が必要。データセンターは、すごい電力がかかる。小型原発1機分くらいの電力を使う。これをやられるとSDGsの面から、日本は火力発電がメーンなので二酸化炭素排出量が増える。データセンター等、環境に悪い経済活動をする法人は入れないという視点も必要。 市長 市民サービスのために税収を確保することは重要だと思っている。法人税はつくば本社でなくても、働いている人の数によって税金が入ってくる。東京本社の大きな企業から、つくば市に法人税をいただいている企業もある。(旧総合運動公園用地の売却は)法人税の収入にもつながる。大きいのは働く場ができること。物流施設ができると6000人くらいの雇用を生み出すことができるとサウンディング調査の企業から聞いている。雇用を生み出すことは地域活性化や地域が持続可能になるのに重要。環境への配慮は重要。公募してプロポーザルで審査する。環境への配慮がどうされているかも審査の評価対象に入ってくる。もくもくと煙を上げて環境を汚す企業がつくられることはない。多くの企業が環境に配慮して持続可能な事業をしないと企業価値を下げる。ただデータセンターがダメとは申し上げていない。 参加者 もう一度、ここの土地の原点に戻ってみたい。(配布資料の)土地利用方針の三本柱だが、「敷地の一体的整備」は異存ない、「公的利活用」もいい、「用途地域変更」だが、現在、利潤を上げなければ使えないような用途地域にしようとしている。今は研究開発用地(第2種住居地域及び第2種文教地区)だから、そこを変えてしまって、お金の問題になっている。市長さんは、研究学園都市という世界でまれな都市の市長さんになったのだから、そこまで考えていただきたい。(第1回、第2回の説明会で)用途地域や法律で縛ろうという話があったが、つくば市はそういう方法で土地の管理ができていない。農地も(用途、法律で)整備されていない実績がある。1社で購入すれば、つくば市に対して1社が対応する。つくば市は対応できない。一番心配しているのは、資本系列を調査しているのか。外国資本は欲しがる。(資本系列などを)まだ調査してないとしたら自分たちは満足に土地を扱えないということ。やるならきちんと調査すべきだ。もともとはURから高価な買い物をしてしまったことがある。つくば市が損害を受けた、市民が損害を受けたということ。今のままでいくと、もっと大きな損害を受けることになる。研究用地の需要がないとおっしゃっているが、あなたが(市長が)そう思っているだけ。例えばDX(デジタルトランスフォーメーション)をみても、中心的にやる研究所が必要。日本は技術を下で支える教育がされてない。日本は給料が安いから。そんな状況を変えようと思わなかったら研究学園都市ではない。 市長 研究学園都市としての使命を捨てることではない。 参加者 (市長の言うことが)理解できない。 市長 この土地についてはこういう利活用をするということ。つくばのショーケースとなる場所がないということに対しては、つくば駅前(吾妻70街区)につくるよう、国とサウンディング調査をやっている。DXの人材が足りてないことは明らか。私もさまざまな関係者とそういう話をしている。原点に戻ると言う話だが、研究学園都市の使命は人類に貢献することだと思っている。(つくば市は)それぞれの事業を通じてモデルをつくってやっている。この土地がなくなると研究学園都市の使命を果たさなくなるということはない。(発言者が)現役でいらっしゃったときと国の方向性が違っている。国と話ができればという状況にはなってない。 参加者 今のようなことを常識と考えていることがおかしくないかと言っている。 参加者 五十嵐さんは市民無視の政治を改めると言って市長になった。市報とかわら版で情報発信しているが、これだけ大きな問題になるといろいろな角度からの検討が必要だ。情報共有、対等な議論、少数意見を見逃さないことが必要。少数意見は、どんな革新的な意見も最初は一人だから。市報は民間のちらしと一緒に宅配(戸別ポスティング)されている。宅配でちらしを入れようとしたが、政治のちらしはだめだと断られた。やむなく折り込みで入れた。新聞を購読している人は半分しかいないので、新聞折り込みでは市民からの情報はなかなか伝わらない。市民や議員が対価を払った上で、意見広告などを(市報と一緒に)宅配できるようにしたらどうか。五十嵐さんは名誉棄損で市民を訴えているので、お互いに誤った情報を出さないようチェックしてもらってもいい。市の広報と一緒に市議会議員の広報とか、市民の意見とかを(宅配で)入れていただきたい。情報の共有と対応な議論、少数意見の尊重をぜひ実現させてほしい。 市長 政治のちらしがダメということはないと思っている。私もちらしの折り込みをお願いしてきた。事業者の判断を行政から言うことはできない。情報共有や対話は重要。情報量は市役所の方が多い。双方向で対話しながら進めている。(双方向の対話は)就任以来、一貫して続けている。(市民の意見広告などを)行政の広報と一緒に配布するのはなかなかハードルが高いのかなと思うが、皆と直接お話をすることを続けていきたい。情報が基本というのは大事にしながら取り組みを進めていきたい。 参加者 子供たちとか市民が気楽に使える用途にしたらいいんじゃないかという話があったが、子供たちを育ててきて、将来を見据えて子供たちが楽しめる場所があったらいい。つくばは小さい子が雨の日に行く場所がない。民間のゲームセンターがいっぱいだったりする。防災備蓄とあるが、トレーラーハウスとかキャンピングカーがいっぱい置いてあって、万が一のときは仮設住宅になるなどを民間に提案していはどうか。子供たちが気楽にのびのび遊べる場所が拠点としてあればいい。 市長 私も子供が4人いる。雨が降ればショッピングセンターにはあまり連れて行きたくないし、どうすればいいか苦労してきた経験がある。(雨の日に遊べる場所は)つくば市に必要だと思っている。最近は泥だらけになって遊べばいいかなと思っている。つくば市にはプレイパークがある。泥だらけになったり、全身を使って遊べる場所を順次整備していっている。(サウンディング調査には)賃借だが、道の駅、農業自然体験エリアなども提言としてある。どうなるかは別として、子供たちが全身を使って遊べる、元気に過ごせる場所が必要。どういう場所がいいか、現役の子育て世代として、意見として承る。 参加者 2,3年前、神栖の防災・多目的施設(かみす防災アリーナ)を見たことがある。アリーナみたいだったら子供たちに開放してスポーツに使える。46ヘクタールのうち、市が使えるのは4ヘクタールというのは狭いのではないか。その中にスポーツ施設があればいい。神栖の施設はカフェがあって皆が集まれる場所だった。 市長 神栖の防災アリーナはかなりの金額がかかる。現時点ではアリーナや体育館をつくることは想定してない。芝生の広場になる。上物(うわもの)の建設は考えてない。体育館をつくると数十億の整備になる。テニスコートは、つくば市は市内各地に整備されている。きちんと補修しながら皆さんの使いやすい環境にしたい。公共投資はあまりにも過大になる。 参加者 市の方では一体的な整備でやっていくということだが、公的活用は意外とできる部が広がると思っている。引っかかるのは利益追求だ。民間活用についてサウンディング型調査をしているということだが、そういうやり方もあると思うが、先のことを考えると、何のための利益追求か、何のためにお金が欲しいかがあいまいだ。他市ではブランデングを一生懸命進めて、生き残れる施策を練っているところがある。目先で、民間に任せて利益を上げるのではなく、もう少しブランディングを考えて、つくばならではのものを生かして何かやっていけないか。一次的な利益でなく、つくばならではの強みを生かす活用方法をぜひ考えてほしい。つくばは他の自治体と比べてやりやすい思う。 市長 利益を追求しているわけではない。これまでの過程が重要だ。ここに地域活性化のお題目で305億円の事業が計画されていたのを、住民がそれは違うと結論を出した。陸上競技場が(旧総合運動公園用地に)つくれないかと検討したが、最終的には上郷高校跡地になる。つくばだからこそ4社が(一括購入に)手を挙げてくれたんだろうと思っている。つくばは様々な取り組みをしているおり注目度が高い。そういった意味でつくばの特性を生かしたものになる。公共で全部整備していくのは現実的には不可能。決してお金のことだけを考えて言っているのではない。つくば全体にとってプラスになるものだと思っている。 参加者 土地利用方法の決定をこれから進めるということだが、市長の説明は防災拠点にしていくことだけ。あとのことは、全体としてこうしたいという説明がない。一括で土地業者に買ってもらうにも、土地業者任せの利用方法になっていくのではないかと不安。インフラ整備が必要になることは総合運動公園でも問題になった。もともと研究施設用地として計画されていた。商業用地や事業用地として活用されていくことや、408号の共同溝や下水道を想定したことはなかった。歩道も、左折車線をつくるため、歩道を壊さなければ左折用地がつくれない。インフラ整備がネックになるのではないか。 市長 今示しているのは土地利用方針案。先日も(市は)何をしたいか分かっらないという話があったが、従来であればこうした説明会は開かない。すっと延ばして、こういうことが決まりましたというところで説明会になる。事業計画が決まった際も説明会を開催して、より具体的な提案をしたい。次のプロセスでより具体的な話ができると思っている。インフラ整備や道路をどうしていくかは、事業者が実際にどうしていくのか、地区計画の協議で進めたい。 飯野副市長 道路拡幅とか408号線の右折、左折帯をつくるのは、どういう事業提案があっても必要になる。もっと具体的に、道路幅員をいくらにするとか、408号だけでなく西側のアクセスをどうするか必要になる。事業者提案によって発生する交通量が決まってくる。物流倉庫なら大型トラックとか勤務する従業員の車とか。事業が決まったら推計をして、それをもとに決める。現段階ではどういう土地利用がされても必要となる道路などを(方針案に)示している。 参加者 基本はこの土地の取得のいきさつが間違って、相当高い金額できていること。つくば市の負の遺産だ。いろんな意見があるが、お金があればつくば市はどんなことでもやってくれる。問題はお金がないから売るしかない。自分の懐を傷めないで、あーじゃこーじゃと同じことをやってもしょうがない。売れば固定資産税が3億ぐらい入ってくる。早めに処分した方がいい。今は7000万円の固定資産税が入ってこない。カネがなければ売っちゃえばいい。基本はカネ。カネがないから売るしかない。 参加者 観光ボランティアガイドで県内ほとんどを歩いている。つくば市の評価を聞くと、つくば市は頭脳都市だという評価。すばらしい評価がされている。 参加者 お金の問題だということだが、お金がないから苦労されているのは分かっている。しかしお金を確保するにはいろいろな方法がある。一つはURとの交渉が中途半端で終わっていること、一つは研究所だが、皆さんに声を掛けてどうしたらいいだろうかと考える機会をつくってはどうか。そういうことも試みていない。あれだけの土地を利用する計画はそう簡単につくれない。一括で売ってしまうとそういうことはできない。そう簡単に売ることをやっていただいては困る。市は収益を上げなければならない土地をもっていいいことにはなっていない。市が買った結果(URと)裁判をすることまで考えられたのですよね。五十嵐さんは5年間苦労されたが、今のような心配なことばっかりある形で進んでいいいのかな。1社に売るときいろいろな条件を付けたとしても、つくば市は実行させたことがない。用途変更、こんな簡単なことですらやってない。ましてや相手は資本系列が外国じゃないの?そういう確認はしましたか。 五十嵐 サウンディングにきた会社は分かっているが、明かせない。 参加者 何をやりたいかわからない。つくば市として何を実現したいのか。借金を返したいだけなのか。防災用地を借りるのに費用がいくらかかるかも聞けない。皆さん、それを聞けないから、いろんなこと言う。防災用地をつくるなら、お金がかからないで済む用途にして(市が)もっているべき。 参加者 3回出席して、3回で明らかになったことは、URとの交渉が十分でないこと、つくば市が何がほしいのかが明確でないこと、一括売却に伴う不安要素として土地利用が将来にわたって保証されるのか明確でないことだ。お金のことはその通りだが(将来、旧総合運動公園用地が)国レベルの新しい研究分野のためのスタートアップ支援拠点になるかもしれない。そのことを国が分かれば66億出してくれるかもしれない。その辺の交渉をやった方がいい。 以上 ※3回目の市民説明会の主なやりとりを、12日付で追加しました。

国光氏(自民)再び青山氏(立憲)下す 衆院選茨城6区 

衆院選は31日、投開票が行われた。つくば、土浦市などが選挙区の小選挙区茨城6区は、共に2期目を目指した自民の国光文乃氏(42)と立憲の青山大人氏(42)の与野党一騎打ちとなり、国光氏が青山氏を下し、前回2017年に続いて再び勝利を飾った。小選挙区で及ばなかった青山氏は比例復活(北関東ブロック)で当選を果たした。小選挙区の当日有権者数は45万4712人、投票率は53.62%(前回51.50%)だった 国光氏は、国会議員唯一の感染症専門医であることを強調し「コロナを終わらせ命と暮らしを守る」などと訴えた。国道6号バイパスの予算拡充、国立病院機構霞ケ浦医療センターの黒字化達成など地元での実績も強調した。自民党本部から重点区と位置付けられ、岸田文雄首相、安倍晋三、菅義偉元首相と歴代3人の首相経験者らが次々に駆け付け、公明の支援も受けて総力で臨んだことが奏功した。 青山氏は、約5800票差で敗れた前回2017年の選挙戦を跳ね返そうと「地元生まれ、地元育ち」を強調し、各地域をこまめに回って後援会組織を強固にして臨んだ、加えて告示日直前に共産党が立候補を取り下げ、初めて野党共闘で臨み、選挙戦後半には立憲の枝野幸男代表が応援に駆け付けた。選挙戦では与野党が拮抗(きっこう)した緊張感ある政治、信頼と公正、優しい政治などを訴えた。小選挙区では、あと一歩及ばなかったが、前回に続いて比例復活で当選を果たした。 勝利にわく国光事務所 つくば市吉瀬の選挙事務所には多くの支援者が詰めかけ、午後9時31分、テレビで当選確実が報じられると、大きな拍手が起きた。直後に国光氏が事務所に入り、NHKや茨城放送のインタビューには、激戦に勝ち抜いたうれしさからか言葉が詰まり、声がよく聞こえないほど。 事務所には、鈴木茨城県医師会長、池田JA水郷つくば組合長、安藤土浦市長、五十嵐つくば市長、坪井かすみがうら市長、自民党の伊沢県議(土浦)、星田県議(つくば)、塚本県議(同)、公明党の八島県議(土浦)、土浦の小坂市議会議長、つくばの久保谷市議ら、選挙区の後援者や首長・議員の顔が数多く見られた。 国光氏は挨拶で、「(1期目の)4年間、そして、この選挙で支えていただき、本当にありがとうございました。お一人おひとりとのいろいろな思い出が、走馬灯のように浮かんできます。皆さまのお言葉、ご期待、叱咤激励を心に刻み、皆さまの命と暮らしを全力で守っていきます。この茨城県南を、そして日本をつくっていきましょう」と述べた。 国光文乃 42 医師 自民 前②【公約】①現役医師の知見を生かしたコロナ対策②国道6号バイパスの早期完成?TX延伸④農家所得の拡大【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選。自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長。  小選挙区 茨城6区 開票結果(市町村別)        国光文乃 青山大人土浦市     2万8889  3万0814石岡市     1万7056  1万4703つくば市    5万5967  4万7525かすみがうら市   9944    8947つくばみらい市 1万1955  1万0154小美玉市6区    1892    1427    6区計 12万5703  11万3570 青山氏が比例復活 土浦市下高津の青山氏の選挙事務所では、小選挙区で敗れた後も支持者らがテレビで、北関東比例区の開票の様子を見守った。日をまたぎ11月1日午前3時、当確が伝えられると、事務所に残った支持者から大きな拍手と歓声が沸き起こった。これを受けて青山氏は「今でも信じられません。最後に一議席入るぞ、という皆さんの信念が形になったと思います」と話した。 報道陣との質疑で青山氏は「一対一の構図にはなったけれど3人の総理大臣(経験者ら)が投入されるなど組織戦に対し、我々は本当に地元の皆さまとの信頼関係、絆で戦った。(小選挙区では)若干及ばなかったことは私自身反省している。自分の普段の活動が足りなかった」と反省点を述べた。 また、大学生や飲食店従業員などコロナ禍の影響で困窮する人々について、青山氏は「(生活支援が)必要な方たちに対して手が差し伸べられていないじゃないですか。そういう現状を踏まえてしっかりやらなきゃと思っている」と生活支援を進める考えを示した。 青山大人 42 元県議 立憲 前②【公約】①幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立②消費税減税③原発からのエネルギー政策転換【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書。県議2期。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選。立憲民主党政務調査会会長補佐。

つくば、土浦で最後の訴え 衆院選あす投開票

衆院選は31日、投開票が実施される。接戦が伝えられる小選挙区茨城6区はいずれも前職で2期目を目指す元県議の青山大人氏(42)=立憲=、医師の国光文乃氏(42)=自民=の2氏が立候補している。青山氏の応援には立憲民主党の枝野幸男代表が、国光氏には自民党総裁の岸田文雄首相がそれぞれ駆け付けるなど激戦が展開されている。選挙戦最終日の30日は両候補とも、有権者数が多いつくば市や土浦市で最後の訴えをする。 青山氏は「地元生まれ 地元育ち」を強調し、「信頼と公正、優しい政治」などを掲げて12日間、各地域をこまめに回って街頭演説を展開してきた。立憲の枝野代表のほか、田名部匡代参院議員、江田憲司代表代行、泉健太党政務調査会長らが応援に駆け付けた。最終日の30日は、つくば、土浦市内の計10カ所で街頭演説する。午前中につくば市の万博記念公園駅前、タイヨー学園の森店前、とりせん研究学園前で演説、午後1時からは万博記念公園前、1時40分に陣場公園前、2時30分にみどりの中央公園前、3時にヤックスドラッグつくばみどりの店前、3時45分に緑が丘団地イチョウ公園前、土浦市は、午後5時に中華料理ゆきむら真鍋店前(土浦市真鍋新町)、7時に土浦駅西口前で最後の訴えをする。 一方、国光氏は、国会議員唯一の感染症専門の医師であることを強調、「コロナを終わらせ命と暮らしを守る」などと訴え、19日の告示日から12日間、選挙区内各地を回ってきた。選挙戦では、自民党本部の重点選挙区として、岸田首相のほか、安倍晋三氏、菅義偉氏と、歴代3人の首相経験者が相次いで6区入りした。ほかに、三原じゅん子参院議員、小野寺五典元防衛相らが応援に駆け付けるなど、党本部から次々と6区入りした。最終日の30日は土浦市内1カ所、つくば市内2カ所の計3カ所で街頭演説する。土浦市は、午前11時に土浦駅西口の土浦市役所前、つくば市は、午後6時にイーアスつくば前、7時45分に吉瀬の選挙事務所で最後の訴えをして締めくくる。 青山大人 42 元県議 立憲 前①【公約】①幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立②消費税減税③原発からのエネルギー政策転換【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書。県議2期。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選。立憲民主党政務調査会会長補佐。 国光文乃 42 医師 自民 前①【公約】①現役医師の知見を生かしたコロナ対策②国道6号バイパスの早期完成③TX延伸④農家所得の拡大【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選。自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長。 ※NEWSつくばは31日夜、小選挙区茨城6区の開票状況を速報します。

茨城6区は青山、国光両氏が届け出 衆院選公示

解散に伴う衆院選が19日公示された。小選挙区茨城6区はいずれも前職で2期目を目指す元県議の青山大人氏(42)=立憲=と、医師の国光文乃氏(42)=自民=が立候補を届け出て、12日間の選挙戦に突入した。投票は31日行われる。期日前投票は20日から30日まで実施される。 青山氏「与野党拮抗した緊張感ある政治を」 青山氏は午前11時、土浦市乙戸の街頭で第一声、下村寿郎土浦市議、皆川幸枝つくば市議、地元、乙戸地区の下村利充区長らが応援に駆け付けた。下村市議は「政党関係なしで応援している。土浦から国会議員が出た。今回は小選挙区で必ず当選させる」などと話した。 これを受けて青山氏は「昨年、新型コロナの感染が国内で広がり、一斉休校、アベノマスクなどがあった。常陸牛が余ってしまい自民党は和牛振興券を配ろうとまとまりかけた。当時、私は農林水産委員をしていて『子供たちの学校給食に提供してはどうか』と提案し、結果的に和牛振興券ではなく学校給食に提供することになった」と話し、「野党だと何もできないということはない。どういう気持ちで政治をやるかだ。地元の一人一人の意見が政治の原動力。地方に活力をもたらす政治が必要。消費税を上げようと言う声も起きているが、それは全く違う。必要なところに必要な対策を施し、無駄なものは省くのが政治の仕事」と述べた。その上で「前回は自民党に5000票差で負けた。与野党が拮抗した緊張感ある政治、信頼できる政治のために力を貸してください」などと訴えた。 この日は土浦市右籾、永国、下高津などを回り、市内6カ所で街頭演説した。 国光氏「コロナを終わらせ命と暮らし守る」 一方、国光氏は午前9時30分から、つくば市吉瀬の選挙事務所で出陣式。岡田広、上月良祐参院議員、6区の自民党県議とつくば、土浦市の市議らが勢ぞろいしたほか、公明党の田村けい子県議、地元の五十嵐立青つくば市長らが駆け付けた。岡田参院議員は「(6区は)県内で一番厳しい最重点区。選挙は声掛けしかない」、つくば市選出の鈴木将県議は「注目の激戦区。前回(得票数)の足し算、引き算に浮き足立つことなく、総力を結集して6区の議席を死守しよう」などと訴えた。 これを受けて国光氏は「政治を志した原点は医師の現場。コロナを終わらせ、皆さんの大事な命と暮らしを守る、それを私に任せていただきたい。現場主義が私のモットー。地域を回りたくさんの声をノートにずっと書いてきた。その思いが私の原点。あと少しでコロナ禍を終わらせる状況まできている。インフルエンザのタミフルのような経口薬まであと少し」と話し、「今回の選挙はひじょうに厳しい。野党連合の力を、歩いていても本当に感じる。とても厳しい選挙だが、私を皆さんのために働かせてください。必ずコロナを終わりにしてみせます」などと訴えた。 この日はほかに、つくばみらい市谷和原庁舎、土浦市民会館駐車場、かすみがうら市商工会駐車場、石岡後援会事務所の計5カ所で出発式を実施する。 青山大人 42 元県議 立憲 前①【公約】①幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立②消費税減税?原発からのエネルギー政策転換【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書。県議2期。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選。立憲民主党政務調査会会長補佐。 国光文乃 42 医師 自民 前①【公約】①現役医師の知見を生かしたコロナ対策②国道6号バイパスの早期完成?TX延伸④農家所得の拡大【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選。自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長。

与野党の一騎打ちに 茨城6区 衆院選あす公示

解散に伴う衆院選が19日公示される。つくば、土浦市などが選挙区の小選挙区茨城6区はいずれも前職で2期目を目指す医師の国光文乃氏(42)=自民=と、元県議の青山大人氏(42)=立憲=が立候補し、与野党の一騎打ちになるとみられる。 6区は前回の2017年、自民の国光氏、希望の党(当時)の青山氏、共産の古沢喜幸氏が立候補し、国光氏は10万2820票、青山氏は9万6987票、古沢氏は2万4227票を得票した。今回は共産の田谷武夫氏が立候補を取り下げ、青山氏を支援する。 国光氏は1期目の実績として、現役医師の知見を生かしたコロナ対策、国道6号バイパスの予算拡充、国立病院機構霞ケ浦医療センターの黒字化達成、農業用電力の価格上昇阻止、子育て支援に向けた妊娠・出産費用の負担減などを強調し、6号バイパスの早期完成、TX延伸、農家所得の拡大などを訴える。山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐などを務めた。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選し、自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長などを務めコロナ対策に関わる。 一方、青山氏は、1期目の実績として、コロナ禍で需要を失った和牛食材の学校給食への提供、国会での国産ワクチン生産体制の予算強化、つくばの研究施設の老朽化対策や運営費交付金確保の訴えなどを強調し、幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立、消費税減税、原発からのエネルギー政策転換などを訴える。土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書を経て、県議を2期務めた。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選した。立憲民主党政務調査会会長補佐などを務める。

高橋氏が初当選 県議補選土浦市区

茨城県知事選に合わせて5日投開票が行われた県議補選土浦市区(欠員1)は同日午後8時から、同市大岩田、霞ケ浦文化体育会館(水郷体育館)で開票が行われ、無所属新人で歯科医師の高橋直子氏(37)が初当選を決めた。いずれも無所属新人で元国会議員秘書の吉田直起氏(39)、無職の赤須理世自氏(59)は及ばなかった。投票率は31.96%、有権者数は11万6746人。 県議補選土浦市区(欠1)当21,579票 高橋 直子 37 歯 科 医 師  無新 12,050票 吉田 直起 39 元代議士秘書 無新  1,189票 赤須理世自 59 無    職 無新   5日午後10時 土浦市選管確定 高橋氏は土浦日大高、日大歯学部を卒業。王子リボン歯科に入社し、つくばリボン歯科院長を務める。島岡宏明市議の長女で、島岡市議が所属する会派の市議らが応援した。 選挙戦では、すべての子どもたちに明るい未来を残したいと、子育て支援や教育格差の是正、福祉の充実、地盤産業の確立と中小企業の振興、TX土浦延伸などを訴えた。 お母さん議員として精一杯 午後9時45分、開票速報が知らされると、高橋直子氏の選挙事務所では、大きな拍手と歓声が起こった。祝勝会には安藤真理子市長らも駆けつけた。 あいさつに立った高橋氏は「右も左も分からない中、皆さんの支えがあってここまでくることができた。私一人の力ではなし得なかった。今、感謝しかありません。まだまだ未熟ですが、皆さんの期待に応えられるよう、子どもたちに見せられる背中をもつ、お母さん議員として、精一杯頑張っていきます」と決意を述べた 高橋直子氏 歯科医師 37 無新 【公約】①教育格差の是正や食育・子ども食堂の充実など子供たちに明るい未来づくり②健康な歯8020運動の徹底など福祉の充実③TX土浦駅延伸【略歴】土浦日大高校卒、日大歯学部卒、王子リボン歯科入社、現在つくばリボン歯科医院長。

あす投開票 県議補選 土浦

知事選に合わせて、県議補選の投開票があす5日行われる。土浦市区(欠員1)はいずれも新人で無所属の歯科医師、高橋直子氏(37)、元国会議員秘書、吉田直起氏(39)、牛久市在住で無職の赤須理世自氏(59)の3氏が立候補している。1日現在の有権者数は11万7943人。 投票は5日午前7時から午後6時まで市内50カ所で行われ、午後8時から同市大岩田、霞ケ浦文化体育会館(水郷体育館)で即日開票される。県議補選の大勢判明は午後10時30分ごろの見込み。 同市の3日午後8時までの期日前投票の投票率は知事選9.7%(8月20日から15日間)、県議補選が8.4%(同28日から7日間)。 高橋氏は、すべての子どもたちに明るい未来を残したいと、子育て支援や教育格差の是正、福祉の充実、地場産業の確立と中小企業の振興、TX土浦延伸などを訴えている。 吉田氏は、土浦の魅力を生かして、首都圏の受け皿として郊外住宅地として発展させ、自然と歴史を感じながら子育て世代がのびのび育める街にしたいなどと訴えている。 赤須氏は、現県政と従来の温かい住民密着型県政との調和をベースにした県政の実現、クリーンな政治。お金を使わない選挙の発信を選挙公報で訴えている。

新人3氏が届け出 県議補選告示 土浦

茨城県知事選に合わせて、県議補選が27日告示され、土浦市区(欠員1)はいずれも新人で無所属の歯科医師、高橋直子氏(37)、元国会議員秘書、吉田直起氏(39)、牛久市在住で無職の赤須理世自(りよじ)氏(59)の3氏が立候補を届け出た。有権者数は11万7969人(26日現在)。 高橋氏はつくばリボン歯科院長。すべての子どもたちに明るい未来を残したいと、子育て支援や教育格差の是正、福祉の充実、地場産業の確立と中小企業の振興、TX土浦延伸などを訴えている。 吉田氏は国会議員秘書などを務めた。土浦の魅力を生かして、首都圏の受け皿として郊外住宅地として発展させ、自然と歴史を感じながら子育て世代がのびのび育める街にしたいなどと訴える。 投票は知事選と同日の9月5日、市内50カ所で行われ、即日開票される。(鈴木宏子、相澤冬樹) 【茨城県議会議員補選 土浦市区(欠員1)立候補者】届け出順 高橋直子氏 歯科医師 37 無新【公約】①教育格差の是正や食育・子ども食堂の充実など子供たちに明るい未来づくり②健康な歯8020運動の徹底など福祉の充実③TX土浦駅延伸【略歴】土浦日大高校卒、日大歯学部卒、王子リボン歯科入社、現在つくばリボン歯科医院長。 吉田直起氏 会社役員 39 無新【公約】①首都圏の受け皿として魅力あふれる街づくり②多様な家族形態に対応した子育て支援③だれもがわくわく参加できる地域コミュニティーづくり【略歴】土浦日大高校卒、流通経済大流通情報学部卒、元長谷川大紋参院議員公設第一秘書。 赤須理世自氏 無職 59 無新 子育て世代こそ声を上げよう 【高橋候補】午前10時から同市小岩田の「応援する会」事務所で出発式。無所属の高橋候補に対し、県議時代の安藤真理子市長が所属したいばらき自民党から9県議が駆け付けた。白田信夫議員会長は「安藤さんの後、党に不在になった女性議員を」とアピール。同市議会からは実父の島岡宏明氏が所属する郁政クラブの矢口清氏らが出席した。 高橋候補は「2児を設けて、これからは自分はわき役と決めたこともあったが、この先10年、20年先、愛する子どもたちに未来を託すために、今の子育て世代こそが政治に関心を持ち、声を上げていかなければならないと思った。コロナ禍や自然災害など大変な時代に立ち向かえるのは人間の力以外にない」とエネルギッシュな第一声。名前が同じマラソンランナーを意識したキャッチフレーズ「ともに走る」を掲げ、街頭に飛び出した。 地域の中を駆けずり回る 【吉田候補】吉田氏は午前10時から同市並木の選挙事務所前で第一声。小幡政人・元国交省事務次官、木村敏文坂東市長らが応援に駆け付けた。父親の吉田博史市議に近い柳沢明市議は「吉田候補は3人の代議士に仕えた。県会議員は片手間にできる仕事ではない。即戦力か雰囲気か、二者択一の選挙」だなどと話した。 これを受けて吉田氏は「コロナ禍で未曾有のピンチ。そういう時だからこそ政治の力がすごく大事。4年前、大井川知事を応援し、大井川知事と一緒に、茨城のために一生懸命働きたいという思いで立候補した」などと話し「首都圏から人を呼び込めるよう企業誘致、多様化する家庭に対応した子育て支援など3つの柱を掲げ、地域コミュニティーの中を駆けずり回ってしっかりと皆さんの力になりたい」などと訴えた。 【訂正:27日午後6時】27日午後、赤須氏の届け出があり、追加、訂正しました。

県議補選あす告示 土浦 新人2氏が一騎打ちか

9月5日投開票の知事選に合わせて、県議補選土浦市区(欠員1)が27日告示される。立候補を予定しているのは、いずれも新人で無所属の元国会議員秘書、吉田直起氏(39)と、歯科医師、高橋直子氏(37)の2氏。 ほかに牛久市の男性(59)が事前審査に出席している。有権者数は11万7986人(8月18日現在) 吉田氏は土浦日大高校卒、流通経済大流通情報学部を卒業後、長谷川大紋参院議員秘書などを務めた。父親は吉田博史市議。 土浦の魅力を生かして、首都圏の受け皿として郊外住宅地として発展させ、自然と歴史を感じながら子育て世代がのびのび育める街にしたいなどと訴えている。 高橋氏は土浦日大高校卒、日大歯学部を卒業後、王子リボン歯科に入社し、現在つくばリボン歯科院長。父親は島岡宏明市議。 すべての子どもたちに明るい未来を残したいと、子育て支援や教育格差の是正、福祉の充実、地場産業の確立と中小企業の振興、TX(つくばエクスプレス)土浦延伸などを訴える。 投票は9月5日、市内50カ所で行われ、即日開票される。(鈴木宏子)

地磁気観測所移転問題が再燃 県、対国交渉へ

一時は絶望視されていた気象庁地磁気観測所(石岡市柿岡)の移転問題が、再燃を見せ始めている。県議会第2回定例会(6月1-18日)でも議題に上り、大井川和彦知事は改めて対国交渉に取り組んでいく姿勢を表明した。 観測所は、東京での市内電車(直流電車)の開通に伴う観測業務への影響を考慮し、1913(大正2)年に柿岡に移転した。施設の半径35キロ圏内では直流電化が制限されるため、1985年にいわゆる常磐新線(現在のつくばエクスプレス)の整備が位置付けられた際にも、導入車両の電化方式や関連施設整備の面で大きな障害となっていた。 このため、県は1982年に新線整備計画の検討に合わせ、有識者などで構成する「地磁気観測所問題研究会」を設置し、学術、技術的な検討を加え、不可能とされていた施設移転に関し、一部機能については(施設移転が)可能であることなどを報告書として提示した。 これを受け、1984年には県、市町村、商工団体などによる「地磁気観測所移転促進協議会」を発足させ、官民一体となり気象庁などに働き掛けを行った。しかし移転費用の負担問題などから、1994年頃に働き掛けを事実上断念した。協議会の活動も、自然消滅の状態を余儀なくされた。 しかし大井川知事はあきらめきれない様子で、第2回定例会の答弁で、TX(つくばエクスプレス)が本県発展の重要なファクターであることを強調しながら、東京延伸だけでなく、県内延伸、さらには都心と県西地域を結ぶ地下鉄8号線の県内延伸など、東京方面との相互乗り入れの課題になっていると指摘した。 一昨年の2019年、知事自ら気象庁に移転の申し入れを行った。気象庁は直流電流による観測ノイズの除去方法などについて検証したが、昨年、これまで通り、「移転は困難」との見解が示されたという。 そこで県は「そもそもこの施設は国が東京から移転を進めたものであり、国の責任において県外へ移転を進めるか、出来ないのなら地元への補償を行うべき」との新しい視点から▽施設を早期に、県外へ移転すること▽交流直流両用方式車両の導入に伴う車両整備費などの十分な補償を行うーなどを主な骨子とする要望を改めて提示することにした。 県交通政策課は「一度は消滅しかけた政策課題だが、鉄道ネットワークの形成と確立は茨城県の発展に重要であり、要望による対国交渉など、新たな活動に踏み出したい」としている。(山崎実)

常磐線普通車両 土浦駅2番線

【コラム・塚本一也】つくばエクスプレス(TX)が開通して、北千住駅での乗り換えが非常に便利になった。橋上のコンコースで、常磐線や東武線と乗り換えが可能となり、地下へ移動すれば、千代田線とも乗り換えができる。これで東京の都心や繁華街をほぼ網羅することになるが、唯一アクセスが改善されなかったのが新宿方面である。 アプリを使って検索すると、幾つかのルートが候補となるが、乗り換えや所要時間を考えると、いずれも決め手に欠けるように思う。 私は拙著の中で、常磐線を、墨田操車場から田端操車場経由で山手貨物の線路を使い、池袋から新宿・渋谷方面へ走らせる「常磐新宿ライン」を提案したことがある。私の提案以前に、常磐線の輸送力増強のために、ある研究機関がその実現可能性を調査したことがある。 当時とは事情がだいぶ変わっており、埼京線や湘南新宿ライン、果ては相鉄線までもが山手貨物を利用して新宿・池袋方面へ直接乗り入れするようになった。現在では、山手貨物のダイヤがきつくなっており、また常磐線も利用者が減少していることから、その必要性を唱える者は私ぐらいであろう。 東京駅の後は新宿へのアクセス しかし、本来であれば、上野東京ラインで東京駅へ乗り入れを果たした後は、東葛地区や茨城県が構想すべき鉄道網の整備は、新宿へのアクセス改善である。TXが臨海方面へ延伸する計画が取りざたされており、秋葉原から中央線と並行して新宿へ進む可能性はほぼ断たれている。 だが、歴史的に見て、千葉県や埼玉県が東京へのアクセスを計画した時に、どのような施策をとってきたかを考えれば、新宿へのアクセスがいかに重要であったかがわかる。 総武本線は快速が東京駅に乗り入れて横須賀線と直通運転をしている一方、緩行線はお茶の水から中央線へ乗り入れして新宿へ向かっている。京浜東北線が大宮から東京へ向かえば、埼京線は新宿へ向かっている。このように首都圏の鉄道網は、東京への乗り入れを果たした後は、新宿への乗り入れを実行してきたのである。 茨城県は東京への鉄道アクセスに関しては後発である。その間、東京の開発も変化をしてきた。都庁が新宿へ移転した後に、次の開発地域として湾岸地区から臨海地区が注目されている。茨城県には、将来を見据えた戦略的な鉄道の計画が求められている。(一級建築士)

《茨城鉄道物語》6 「常磐新宿ライン」の可能性

【コラム・塚本一也】つくばエクスプレス(TX)が開通して、北千住駅での乗り換えが非常に便利になった。橋上のコンコースで、常磐線や東武線と乗り換えが可能となり、地下へ移動すれば、千代田線とも乗り換えができる。これで東京の都心や繁華街をほぼ網羅することになるが、唯一アクセスが改善されなかったのが新宿方面である。 アプリを使って検索すると、幾つかのルートが候補となるが、乗り換えや所要時間を考えると、いずれも決め手に欠けるように思う。 私は拙著の中で、常磐線を、墨田操車場から田端操車場経由で山手貨物の線路を使い、池袋から新宿・渋谷方面へ走らせる「常磐新宿ライン」を提案したことがある。私の提案以前に、常磐線の輸送力増強のために、ある研究機関がその実現可能性を調査したことがある。 当時とは事情がだいぶ変わっており、埼京線や湘南新宿ライン、果ては相鉄線までもが山手貨物を利用して新宿・池袋方面へ直接乗り入れするようになった。現在では、山手貨物のダイヤがきつくなっており、また常磐線も利用者が減少していることから、その必要性を唱える者は私ぐらいであろう。 東京駅の後は新宿へのアクセス しかし、本来であれば、上野東京ラインで東京駅へ乗り入れを果たした後は、東葛地区や茨城県が構想すべき鉄道網の整備は、新宿へのアクセス改善である。TXが臨海方面へ延伸する計画が取りざたされており、秋葉原から中央線と並行して新宿へ進む可能性はほぼ断たれている。 だが、歴史的に見て、千葉県や埼玉県が東京へのアクセスを計画した時に、どのような施策をとってきたかを考えれば、新宿へのアクセスがいかに重要であったかがわかる。 総武本線は快速が東京駅に乗り入れて横須賀線と直通運転をしている一方、緩行線はお茶の水から中央線へ乗り入れして新宿へ向かっている。京浜東北線が大宮から東京へ向かえば、埼京線は新宿へ向かっている。このように首都圏の鉄道網は、東京への乗り入れを果たした後は、新宿への乗り入れを実行してきたのである。 茨城県は東京への鉄道アクセスに関しては後発である。その間、東京の開発も変化をしてきた。都庁が新宿へ移転した後に、次の開発地域として湾岸地区から臨海地区が注目されている。茨城県には、将来を見据えた戦略的な鉄道の計画が求められている。(一級建築士)

《茨城鉄道物語》3 茨城県に新幹線は必要か?

【コラム・塚本一也】茨城県内で最初に通った鉄道は何線であろうか? 答えは東北線(1885年)である。最初に開業した駅も古河駅であり、その後、現在の水戸線が小山~水戸間で開業(1889年)し、常磐線の田端~水戸間の開業はその後の1896年である。当時、常磐線の東京延伸が遅れた原因の一つとして、利根川に橋を架ける技術がなかったということが挙げられる。 では、茨城県に新幹線は通っているか? という問いに対する答えはいかがだろうか。正解は「通っている」である。正確に言うと、一部、古河をかすめているだけなのだが、茨城県内に駅がないので県民としてはあまり実感がわかないのであろう。 国の整備新幹線計画は、今でも全国で少しずつ進められている。1970年に定められた「全国新幹線鉄道整備法」に基づいて、北海道新幹線の札幌延伸や、九州新幹線の長崎ルートなどの整備が進められ、北陸新幹線の新大阪延伸も計画中である。 さらに、山形では様々な問題を抱えながらも山形新幹線のフル規格化を検討し、新幹線の空白地帯である四国においても、新幹線を通そうという運動が地元で盛り上がっている。さらに、北陸新幹線議論の延長として「山陰新幹線を実現する国会議員の会」(石破茂会長)なども存在し、大分県では「東九州新幹線整備推進期成会」も設立されているそうである。 地域の特性に合った公共交通の整備を このように考えると、全国で新幹線を検討していない自治体は、島である沖縄県と半島である千葉県を除くと、茨城県だけになってしまう。なぜ、茨城県では新幹線の議論が発展しなかったのであろうか? 元々県土が平坦で温和な気候であるため、人口が分散し人口集積地ができにくかった。それゆえに、都市間輸送という考えが育たなかったのではないか、というのが私の考えである。一般的に、鉄道のメリットは、速達性、定時性、大量輸送などが挙げられる。一方デメリットとしては、莫大な建設費用と面倒な維持管理などが指摘できる。同じ費用と手間をかけるなら、道路をつくった方がよいと考えがちなのが茨城県人の気質ではないだろうか。 しかし、その茨城県に革命をもたらしたのが、つくばエクスプレス(TX)の開業である。今住んでいる場所から、東京へ通勤通学ができる。これは、地元住民のライフスタイルを劇的に変化させ、準新幹線ともいうべき機能を備えたTXは、沿線開発で移住してくる住民の心を鷲づかみにした。さらに、在来線ゆえに他社線との相互乗り入れが可能であり、新幹線よりも経済的であり、延伸の自由度も高いという将来性も備えている。 このように、新幹線とは縁のない茨城県ではあるが、決して卑屈になることはない。今ある財産を大事にし、地域の特性に見合った公共交通を整備していくことが、これからの社会に求められるのではないだろうか。(一級建築士)

《茨城鉄道物語》3 茨城県に新幹線は必要か?

【コラム・塚本一也】茨城県内で最初に通った鉄道は何線であろうか? 答えは東北線(1885年)である。最初に開業した駅も古河駅であり、その後、現在の水戸線が小山~水戸間で開業(1889年)し、常磐線の田端~水戸間の開業はその後の1896年である。当時、常磐線の東京延伸が遅れた原因の一つとして、利根川に橋を架ける技術がなかったということが挙げられる。 では、茨城県に新幹線は通っているか? という問いに対する答えはいかがだろうか。正解は「通っている」である。正確に言うと、一部、古河をかすめているだけなのだが、茨城県内に駅がないので県民としてはあまり実感がわかないのであろう。 国の整備新幹線計画は、今でも全国で少しずつ進められている。1970年に定められた「全国新幹線鉄道整備法」に基づいて、北海道新幹線の札幌延伸や、九州新幹線の長崎ルートなどの整備が進められ、北陸新幹線の新大阪延伸も計画中である。 さらに、山形では様々な問題を抱えながらも山形新幹線のフル規格化を検討し、新幹線の空白地帯である四国においても、新幹線を通そうという運動が地元で盛り上がっている。さらに、北陸新幹線議論の延長として「山陰新幹線を実現する国会議員の会」(石破茂会長)なども存在し、大分県では「東九州新幹線整備推進期成会」も設立されているそうである。 地域の特性に合った公共交通の整備を このように考えると、全国で新幹線を検討していない自治体は、島である沖縄県と半島である千葉県を除くと、茨城県だけになってしまう。なぜ、茨城県では新幹線の議論が発展しなかったのであろうか? 元々県土が平坦で温和な気候であるため、人口が分散し人口集積地ができにくかった。それゆえに、都市間輸送という考えが育たなかったのではないか、というのが私の考えである。一般的に、鉄道のメリットは、速達性、定時性、大量輸送などが挙げられる。一方デメリットとしては、莫大な建設費用と面倒な維持管理などが指摘できる。同じ費用と手間をかけるなら、道路をつくった方がよいと考えがちなのが茨城県人の気質ではないだろうか。 しかし、その茨城県に革命をもたらしたのが、つくばエクスプレス(TX)の開業である。今住んでいる場所から、東京へ通勤通学ができる。これは、地元住民のライフスタイルを劇的に変化させ、準新幹線ともいうべき機能を備えたTXは、沿線開発で移住してくる住民の心を鷲づかみにした。さらに、在来線ゆえに他社線との相互乗り入れが可能であり、新幹線よりも経済的であり、延伸の自由度も高いという将来性も備えている。 このように、新幹線とは縁のない茨城県ではあるが、決して卑屈になることはない。今ある財産を大事にし、地域の特性に見合った公共交通を整備していくことが、これからの社会に求められるのではないだろうか。(一級建築士)

《吾妻カガミ》46 県議選 ホットなつくば>クールな土浦

【コラム・坂本栄】今回の県議会議員選挙(12月9日投票)では、土浦市とつくば市の2放送メディアに呼ばれ、いろいろしゃべらされました。土浦の方はネットTV局「Vチャンネルいばらき」(7日午後)、つくばの方はコミュニティFM放送局「ラヂオつくば」(7日夕と9日夜)。7日は土浦市区とつくば市区の特徴を話し、9日夜は両区の開票速報と解説を担当しました。 無投票を阻むドンキホーテ 柏村氏 Vチャンで土浦の視聴者に呼び掛けたのは、選挙に行こうということでした。というのは、現職3人(伊沢さん=自民、安藤さん=同、八島さん=公明)の当選が堅いことから、投票率が低くなると思ったからです。 衆院選と同時だった前回は52%でしたが、その前は42%。中川さんが4選に臨んだ3年前の土浦市長選は、現職確実との見立てから投票率は28%でした。投票日直前に3県議の1人から投票率予想を聞かれ(多分自分の得票数が心配だったのでしょう)、私は「前よりも低くなる。28%と42%の中間ぐらい」と返事しました。結果はドンピシャリの35%でした。 土浦市区には、霞ケ浦の水質浄化に熱心な柏村さん(元市議)も立ちました。3年前の市長選にも立候補した方です。出馬会見の際に「また出るんですかー」と聞いたら苦笑いしていましたが、両選挙とも彼がいなければ無投票になったわけですから、私は柏村さんのドンキホーテ的な役割(選挙の活性化)を評価しています。 僅差で勝ったTX延伸論者 塚本氏 つくば市区の方は、冷めた土浦市区と違い、5人枠(前回まで4人枠)に9人も立つという熱い選挙になりました。現職の鈴木さん(自民)、星田さん(同)、田村さん(公明)、山中さん(共産)の4人(いずれも当選)に、野口さん(立憲)、飯岡さん(元自民)、塚本さん(無所属)、後藤さん(同)、八代さん(同)が挑む構図です。 7日のラヂオでは、1人増枠を、保守系の飯岡さんと塚本さん、革新系の野口さんの3人が奪い合う形になると予想しましたが、開票(投票率は42%)では塚本さんと野口さんが最後まで競り合いました。結果、塚本さん7730票、野口さん7659票、その差71票でした。(詳細はNEWSつくば県議選開票記事をご覧ください) 「初当選おめでとうございます」と塚本さんに電話を入れたら、「僅差でも勝ちは勝ち。疲れたけれど心地よい疲労」ということでした。元JRマン・塚本さんの「売り」はTX(つくばエクスプレス)の北部延伸です。国と関係市の間を駆け回り、TXを茨城空港まで延ばす大構想の旗振り役になってください。 政治家は選挙で鍛えられます。政策も選挙で鍛えられます。ですから選挙は熱くなければいけません。その意味で、今回県議選の2市区比較は、ホットだったつくば市区の勝ち、クールだった土浦市区の負け、といえます。新しいまちと古いまちの活気差が出たようです。(NEWSつくば理事長)

県議選告示 つくばに4人超の9人、土浦に1人超の4人が届け出

【鈴木宏子】任期満了に伴う県議選が30日告示された。人口増に伴って定数が1増えるつくば市区(定数5)は4人超の9人、土浦市区(3)は1人超の4人が立候補を届け出た。有権者数は、選挙権年齢が18歳以上となったことにより、つくば市区が4年前より約1万5000人増えて18万2082人、土浦市区が約3000人増えて11万8986人(29日現在)。 立候補者(届け出順)は以下の通り。 ◇つくば市区(定数5ー9) 野口修 63 団体職員 立憲民主 新 【略歴】東京電気大附属高中退。ジャズライブハウス経営。つくば市議2期。つくばみらい市筒戸。 【公約】①情報を公開し市民参加で基本政策をつくる②温暖化対策など環境問題を最優先に③芸術・文化を育み生かす茨城に④東海第2原発を廃炉に 田村けい子 64 政党役員 公明 現③ 【略歴】神戸市外国語大卒。ファッション、流通企業勤務。マーケティングプランナー。党県本部副代表。沼田。 【公約】①子育て世代包括支援センター設置②つくば発の世界をリードする産業創出③東海第2原発の再稼働に反対し再生可能エネルギーの導入促進 塚本一也 53 大曾根タクシー社長 無所属 新 【略歴】東北大学工学部建築学科卒。筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員。一級建築士。花畑。 【公約】①TXの茨城空港や羽田空港延伸②つくばに新たな産業を生み出す③少子化時代に対応したつくばの特色を生かした教育環境の構築 飯岡英之 58 飯岡建設社員 無所属 元④ 【略歴】日本大学生産工学部卒。中堅ゼネコン・村本建設社員。つくば市桜地区防犯連絡員協議会会長。流星台。 【公約】①世界トップレベルの学力と規範意識を持つ子供たちをつくばに育む②農業を守り所得を安定させる③福祉・医療の複合拠点を設置 鈴木将 46 県議 自民 現② 【略歴】米国サフォーク大中退。元県議秘書、元つくば市長秘書。寺具自衛消防団団長。寺具 【公約】①結婚・妊娠・出産・育児・教育への切れ目ない支援②TXの北部、東京臨海延伸③道徳心を高め地域でも海外でも活躍する国際人を育てる教育 山中たい子 67 政党役員 共産 現③ 【略歴】日本大学二部卒。旧桜村議1期・つくば市議4期。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。 【公約】①危険な東海第2原発の運転延長ストップ②暮らし第一の県政に転換し、国保・介護の負担軽減、県水道料金引き下げ、待機児童ゼロ 後藤吾郎 39 理学療法士 無所属 新 【略歴】県立医療大理学療法学科卒、筑波大大学院フロンティア医科学専攻終了。元筑波記念病院勤務。梅園。 【公約】①女性、若者、子育て世代が働きやすい環境づくり②茨城型地域包括ケアシステム構築③病気やけがでも変わらず生活できる仕組みづくり 星田弘司 44 星田建設工業社員 自民 現② 【略歴】東海大卒、英国シェフィールド・ハラム大学院修士修了。つくば市議2期。党県連青年局長。西大沼。 【公約】①茨城やつくばの情報発信を強化しイメージアップ②横断歩道、信号機設置など通学路の安全対策③マル福対象年齢拡充など子育て環境改善と支援 八代克彦 61 作家 無所属 新【略歴】筑波大学体育専門学群中退。警備会社社員。小説「反さとり」を自費出版。上横場。 【公約】①茨城県の魅力度ランキングを上昇させる②首都をつくばに移転する③日本標準時間を明石からつくばに変更する ◇土浦市区(定数3ー4) 伊沢勝徳 48 県議 自民 現④ 【略歴】明治大学大学院修了。参院議員・狩野安秘書。県剣道道場連盟顧問、常総学院評議員。真鍋。 【公約】①出産・子育てに希望の持てる環境の整備②陸・海・空の交通ネットワーク整備・利活用③魅力とやりがいがあり儲かる農林水産業の確立 安藤真理子 58 社会福祉法人俊真会理事 自民 現① 【略歴】成城短期大学卒。総合介護福祉施設「プラザマアム」会長。土浦商工会議所女性会会長。大町。 【公約】①健康寿命日本一など健康・医療・福祉の充実②子育て支援など男女共同参画推進③生産日本一のレンコンなど農水産物のブランド力強化 柏村忠志 75 無職 無所属 新 【略歴】日本大学法学部卒。水郷土浦をつくる会代表。土浦市議5期。2015年市長選に出馬し敗退。中高津。 【公約】①自公の3議席独占によるマンネリ政治を変える②霞ケ浦を汽水湖に戻し天然ウナギ・ヤマトシジミを復活③東海第2原発の再稼働中止 八島功男 62 政党役員 公明 現② 【略歴】創価大学法学部卒。常陽銀行土浦ローンプラザセンター長、筑波支店長。党県本部副幹事長。永国。 【公約】①18歳までの医療費無料に②防災アプリで緊急時情報を発信し最善の行動を支援③医療・介護・生活支援・住まいが一体のケアシステムづくり

《吾妻カガミ》37 わがまま高速道・鉄道インフラ論

【コラム・坂本栄】県内を縦と横に走る高速道にはお世話になっています。会合で水戸へ行くときには常磐道-北関東道を使えば1時間かかりませんし、講義で日立へ行くときには常磐道で1時間強。また、圏央道開通で孫たちが住む埼玉県へも1時間強で行けるようになりました。以前の常磐道-外環道-東北道(逆台形の3辺)ルートに比べると、1辺経由で行けますから大幅に短縮されました。 高速を走るにあたっては車載ITにお世話になっています。今はスバルのSUVに乗っていますが、「アイサイト」という半自動運転装置を使うと、高速道でアクセルとブレーキを踏む必要がありません。巡行時はハンドルに手を軽く乗せ、追い越し時だけ操作すればOKです。 以上は、高速道と車のIT化でいかに便利になったかという個人体験。皆さんも仕事や生活で、縦と横に走る高速道の便利さを実感していることでしょう。 もうひとつの交通インフラ、鉄道でもお世話になっています。私は土浦在住ですから、東京に行くときは常磐線を使います。でも行き先によっては、つくばエクスプレス(TX)も利用します。浅草寺周辺の飲み屋に行くときは、近くに浅草駅があるTXを使います。いずれにしても、首都圏への鉄道2ルートは生活と仕事に欠かせません。 TXは空港延伸で完結 孫のこと、スバルのこと、浅草のこと―個人的なことを書いてきましたが、そろそろ本題に入りたいと思います。TX北部延伸(県央斜め横断鉄道)のことです。 13年前のTX開通で、県南エリア、特に沿線の守谷市、つくばみらい市、つくば市は人気のまち(人口が増えるまち)になりました。現在のつくば終点をもっと先に延ばせば、その周辺の生活と仕事の利便性が数倍、いや数十倍になるのは間違いありません。 先の県知事選、衆院選(6区)では各候補が延伸を公約に掲げました。小美玉市、石岡市、かすみがうら市、つくば市、土浦市の議長連も延伸に向け動き出しました。首長の間には温度差があるようですが、「政治的な環境」は整ったといえます。いよいよ議論を深めなければなりません。 ポイントは2つ。ひとつは、常磐線のどことクロスさせるか(石岡駅か高浜駅か神立駅か土浦駅か)。このライン引きでは思惑が錯綜するでしょうが、エイヤで決めるしかありません。もうひとつは、茨城空港までの延伸をセットにするか切り離すかですが、TXの利用価値を高めるにはセットにすべきです。 また個人的な話に戻ります。2年前、神戸に住む甥の結婚式があり、新幹線ではなく、茨城空港発神戸便を使ってみました。大変便利で、これから京阪神に遊びに行くときは小美玉発を使うつもりです。今、茨城空港には車で行くしかありませんが、TX延伸が実現すればアクセスの選択肢が増えます(私は数年先に後期高齢者。免許返納でしょうからTXしかありません)。(経済ジャーナリスト)

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