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2024
すてきな「つくばローズガーデン」《ご近所スケッチ》10
2024年5月15日
【コラム・川浪せつ子】「せめて連休中に咲いてほしいなぁ」と思っていたら、温暖化のせいか、バラの開花時期が数年前から半月ほど早まりました。今回のテーマは「なぜ人は絵を描くのか?」です。 2年少し前、実母が没した年齢を超えました。いつ「お空」に行くか、わからない。じゃあ、仕事を辞めて本当に好きなことをしよう。絵を描くことに集中しよう、という思いはよかったのですが…。 人生いつまでたっても、たくさん初体験。今年は3カ月半の間に5回も絵の展示。必死でお絵かき。 そうしたら、首から肩の痛みが取れない。絵だけの生活になって、ひどいギックリ腰を2回。展示会前日の夜まで描いているため、膀胱炎にも。疲労から?仕事では締め切り前に徹夜もして、どうにか乗り越えてきましたが…。 24時間絵のことばかり考えて 年齢を重ねたからということだけではなく、24時間絵のことばかり考えて…。仕事はルーチンワーク。自分の絵は新規の世界。全力で毎日走っているような。 仕事をしていると通帳の残高の数字は大きくなるけど、お絵かき(趣味)は残高が減るの…。でも止められないのはなぜ? そんな中、絵の仲間がたくさんできました。結論は出せないけど、「山になぜ登る」というのに似ているかもしれません。 登ったその風景を見たいから。そして自分の登ってきた足跡を振り返ることができるのは「生きてきた」証拠。そんなことで病み付きになるのかもしれません。 今回の「つくばローズガーデン」(つくば市古来)は本当にステキ! 上の絵も下の絵も10年前くらいに描いたものです。(イラストレーター)
点字本で「宇宙と物質の起源」 高エネ機構、筑波技術大と共同制作
2024年5月14日
「私たちはなぜ存在できているのか」という根源的な問いに迫る研究の成果を、視覚障害のある人にも共有してもらおうと高エネルギー加速器研究機構(KEK、つくば市大穂)素粒子原子核研究所(素核研、齊藤直人所長)が点字本「宇宙と物質の起源 『見えない世界』を理解する」を制作した。点訳や図版を触ってたどる触図化などに筑波技術大学(技大、つくば市天久保)障害者高等教育研究支援センターのチームが共同で取り組んだ。 素核研は素粒子、原子核、宇宙という微細と広大の両極を対象に、理論と実験の両側面から研究を行っている。点字本プロジェクトは2022年春に始まった。人文科学系の図書は点訳が比較的容易だが、自然科学系の図書は内容に精通した点訳者が少なく点訳や触図作成が難しいため、あまり流通しておらず、視覚障害者が物理学など自然科学に触れるのは難しい状況だった。 研究が宇宙と物質の起源という「見えない世界」を扱うこともあって、宇宙や物質について「もっと知りたい、学びたい」という視覚障害者の思いにこたえるべく点字本を企画した。同書の原本になる同名タイトルの書籍は今年3月、講談社ブルーバックスシリーズから発刊になっている。研究者がこれまでの知見や、今後の研究で解明が期待されることなどをやさしく解説した入門書となっている。 点字本は、書籍の本文部分が掲載された点字版と、書籍の図の部分が掲載された触図版で構成されている。研究者10人が「宇宙は何でできているのか」「元素の起源」「質量の起源」「力の起源」などのテーマごとに分担して執筆した原稿を、技大のチームが点訳を行った。元素の遷移を元素・陽子・電子・ニュートリノなどの記号を用いて解説したり、物質に質量を与えるとされるヒッグス場のポテンシャルエネルギーを示す式を提示したり、丁寧に説明している。 技大では、在籍する視覚障害の学生たちのために普段から教科書などの点訳を行っているが、素粒子分野の点訳を執筆者と共同で行うことは初めて。一般的な点訳は、すでに出版されている書籍が対象のため、障害者にわかりづらい文章や図の表現が含まれている。そのような場合、点訳者が原本を解釈して点訳を行い、点字本を作成する。しかし今回は、執筆者が原稿を執筆した後、視覚障害当事者による試読を経て文章を校正し、障害者にわかりやすい表現に修正した。 特に、書籍中のグラフや概念図のほとんどを省略することなく、文章と触図で表現した。点字の専門家である大学教職員と素粒子分野の専門家である執筆者が昨夏の1カ月間、議論を重ねたという。 点訳チームのメンバーの一人で、視覚障害当事者でもある技大の田中仁講師は「点字は創案以来、見えない人たちの新たなチャレンジとともに進化してきた。言葉、楽譜、数式、化学式、情報処理、図・表にわたる点字表現の豊かさはそのチャレンジの証です。点字表現の可能性を信じて点訳した」とコメントする。 素核研の齊藤所長は「今回とても印象的だったのは、視覚障害者が視覚以外の情報から対象を理解しようとするその集中力と情熱の深さ。もともと目には見えない素粒子や量子場を研究している我々は、いわば手探りで理解を積み上げていくという意味では、視覚障害者と同じ立場にある。力を合わせて一緒に探求できれば、新たな理解が生まれるのではないか」と期待を述べた。 触図版は個人や大学、研究機関などに貸し出しが可能。「宇宙と物質の起源 『見えない世界』を理解する」(新書判320ページ、定価1320円=税込み)で執筆者の受け取る印税は全額、寄付され、視覚障害者向け図書普及のために使われるそうだ。 ◆素核研の点字本プロジェクトポータルページはこちら
悪役どくろ仮面の正体は?《映画探偵団》76
2024年5月14日
【コラム・冠木新市】映画が始まった。タイトルバックから月光仮面の登場で「どこの誰かは知らないけれど 誰もがみんな知っている」と主題歌が流れると、館内は少年少女たちの大合唱となった。私も歌った。映画館で合唱を経験したのは後にも先にもこのときだけだ。 『月光仮面』は、1958年に作られた国産テレビ映画で大人気を巻き起こし、東映で劇場用映画が製作された。原作は川内康範、主演は大村文武、公開は7月30日。夏休みのときだった。白ずくめのスタイルと黒のサングラスが印象的だった。敵は黒頭巾に銀色のどくろ仮面。白は正義、黒は悪。一目で分かる対照的なコスチュームだ。 月光仮面の正体は祝十郎探偵であることを、子どもたちはみんな知っていた。だが、どくろ仮面の正体は分からなかった。 国際スパイ団の首領、どくろ仮面には、多くの手下がいる。一つは、首領に似た白のどくろ仮面をつけた黒マントの手下ども。もう一つは、黒のソフト帽にトレンチコ一ト姿で顔半分を黒覆面で隠している部下たち。あと一つは、素顔をさらした部下たちで、三つのグループに分かれていた。 私は首領に似た仮面を付けたグループの位が上だと思って見ていたが、黒のソフト帽の男たちのほうがが上のようだった。いささか過剰な組織だが、序列がしっかり決められていた。一方、月光仮面側、つまり祝十郎探偵側には、助手の五郎八らがいるものの階級制はなく、チ一厶といった印象だった。 後編の『月光仮面 絶海の死斗』で、どくろ仮面の正体が分かる。実は善人と思われていた科学者の赤星博士が、悪の親玉だったのだ。演じていたのは佐々木孝丸。オ一バ一な演技ではなく、リアルな大人の演技を見せていた。後に、新劇界の名優だと知る。 正義のフリした悪いやつ 赤星博士は、世間に信用された科学者。私もまんまとだまされた。それにしても、あの3種類の部下たちをどこでリクルートしたのだろうか。部下たちにも科学者がいるのか。赤星博士にとっては、科学者の姿が仮面であり、どくろ仮面の姿が本性なのだ。世間の肩書やイメージを信用しない私のクセは、映画『月光仮面』から始まったようだ。 『月光仮面』を見た後、少しおいて別の東映作品を見た。題名は忘れてしまったが、なんと正義の味方祝十郎役の大村文武が、悪党一味のチンピラ役で出ていたのだ。子ども心に軽いショックを受けた。正義のイメージを裏切られたからだ。映画会社も残酷なキャスティングをするものだ。 当時、作品と作品、映画と現実は地続きに思えていた。だから、正義の味方も悪いやつに変わる場合があると知って驚いた。 ところでテレビの『月光仮面』だが、子どもが月光仮面ごっこでケガしたり、物語に悪い代議士が登場したりしたためか、「俗悪番組」のレッテルを貼られ、正義側のPTAのやり玉に上がり、打ち切りとなる。ひどい時代だった。 正義のフリした悪いやつ。悪いやつに見えるがいいやつ。何事もイメージに流されないように、注意深く観察して正体を見極めようではないか。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)
加藤彌進彦翁逝く 内原の地で完治の志を継いで《邑から日本を見る》159
2024年5月13日
【コラム・先﨑千尋】茨城県水戸市内原町にある日本農業実践学園名誉学園長の加藤彌進彦(やすひこ)翁が、3月末に亡くなった。享年102。翁は、満蒙開拓に深く関わり、生涯を農村青少年教育に捧(ささ)げた加藤完治の3男として、1921(大正10)年、山形県に生まれた。 北海道大学農学部を卒業後、妻の実家の栃木県山前村(現真岡市)で農業に従事し、同村農協監事として農協再建に奔走した。52年、父完治が戦後に入植した福島県西郷村(現白河市)の白河報徳開拓地に移り、開拓農協の組合長に就任した。組合長として、道路網の整備、飲料水の確保、電気の導入など農業以前の諸問題の解決に努力し、農業面では酪農経営を柱とした。 58年に、ヨーロッパで農業実習をしたいという夢がかない、国際農友会から派欧農業実習生としてスイスに派遣された。配属された農家は首都ベルン市近郊にあり、酪農と畑作の混合経営。1年半、厳しい自然条件の中で、牧草刈りなど汗まみれになって働いた。 スイスは、2度の世界大戦に翻弄され、その苦い経験から、国民が必要とする食糧は国内で作るという方針を国是としてきた。「農産物価格は農家の生産費を補償する」ことになっており、山岳地帯の農業に対しては手厚い配慮がなされた。アルプスの景観は、国からの農家への直接補償がもたらしたものだ。 翁の長男で現日本農業実践学園理事長の達人さんは「スイスでの体験は父彌進彦の人生の土台になっている。農業に打ち込む生き方はこの時期に定まった」と語る。翁は「スイスは第2の故郷」と書き残している。 帰国後も翁は乳価の引き上げや東京への送乳など酪農組合の諸問題の解決に奔走し、白河の地に骨を埋める気持ちでいた。県議への出馬を要請されるなど、政治の世界への関心も持っていた。 戦後の農協運営や農村青年教育に貢献 しかし、64年春に、日本国民高等学校協会の那須皓理事長から呼ばれ、日本高等国民学校長就任を要請された。現在の実践学園は、当時は日本高等国民学校という名称だった。その後、日本実践大学校になり、91年に現在の校名になった。協会はその運営母体だ。翁は「校長だった80歳の父・完治にこれ以上の苦労はかけられない」という思いもあって、同年9月に校長に就任し、93年まで務めた。校長退任後も、95歳になるまで学生の指導に当たった。 就任に際して、校長自ら学生とともに農業の実践に取り組むこと、学校の経営基盤を確立すること、職員の待遇改善を図ることの3つを自らの任務とした。達人さんによれば、初代完治は立派な農民を育てる教育者であり、農業はカネもうけのためにあるのではないと考えていた。学校経営のことは考えずに、ひたすら教育のみ。学校経営の支援は、元農林大臣の石黒忠篤、財界の渋沢栄一らが担っていた。しかし、それらの人々が世を去り、支援は期待できなくなっていた。 翁が校長に就任して取り組んだのは、学校施設の農場中央への移転、酪農部の新設、栄養士養成課程の創設、外国人研修生の受け入れ、水田の改良と職員住宅の改善など多岐にわたる。初代の時には国からの補助金は入れてこなかったが、翁は積極的に農林省に働きかけ、施設の建設費や人件費に補助金を得ることができた。民間の支援が得られなくなったからでもある。同校の卒業生は累計で約6000人。全国の農村で活躍している。 戦後の農協運営や農村青年教育に深く関わってきた翁の逝去は、一つの時代が終わったことを私に知らせてくれた。今後は、バトンを受け継いだ次の世代が新しい農の未来を開いていってくれることを願うばかりだ。(元瓜連町長)
700種2000株のバラ栽培 つくばローズガーデン 一般公開始まる
2024年5月12日
つくばローズガーデン(つくば市古来)のバラが開花を迎え、11日一般公開が始まった。初日の朝から多くの人が園を訪れ、バラの写真を撮ったり、香りをかいだりしながら、花を話題に会話を弾ませていた。園主の藤沢仁子(まさこ)さんによると現在は一分咲きで、見ごろを迎えるのは18日ごろから25日のあたりまで。6月上旬まで開花を楽しめるという。 SNSの口コミで若者の来園増 約3000平方メートルの園内に、約700品種、2000株のバラを植えて育てている。一般公開はブログやインスタグラムで告知しているだけだが、昨年はシーズン中に約3000人が来園した。園主の仁子さんによると、SNSが普及し始めてから、来園者が園内の写真を投稿して広まるようになり、近年は20代、30代の若い来園者が多く訪れているという。 園は元つくば市長の藤沢順一さん(84)が作り、2005年から一般公開している。藤沢さんは入浴施設つくばユーワールド(同市下原)の代表。施設の風呂にバラの花びらを入れるというアイデアを聞き、「それなら自分がバラを作ってやるよと芝生広場に育て始めた」と話す。雑誌などで情報収集し、イギリスやフランスのバラ、オールドローズなど多品種を集めた。東京農大で農業を学んだ知識を生かして栽培に取り組み、今も毎日2時間程度せん定などの作業を行っているが「バラの手入れを大変と思ったことは一度もない」とのこと。中国で発見されたというつる性のバラ「リージャンロードクライマー」がお薦めと紹介する。 バラと宿根草の組み合わせでデザイン 園主の仁子さん(45)はピンク系の多いバラが引き立つよう、白や寒色系のクレマチスなど宿根草約140種類を栽培。立体感のある、絵画のような彩りのガーデンを作り上げた。お薦めは大輪の「ピエールドロンサール」。昨年は夏の酷暑で多くのバラと宿根草が枯れてしまい、植え替えを行った。今年に入ってからも気温の上がり下がりはあったものの、例年通りの花付きで、来週末には最盛期を迎える。「バラが満開になるとまた全く違った光景となる。宿根草とバラの組み合わせをぜひ見ていただきたい」と来園を呼び掛ける。 市内から訪れた男性は「バラが好きで毎年ここに見に来ている。自宅でも鉢で育てていて、冬の手入れは花もないしトゲはあるしで大変だが、花を咲かせてくれると大変さも忘れる」と話し、白いバラの苗を新たに購入していた。(田中めぐみ) ◆園内では18日(土)につくば市在住のピアニスト永田ジョージさんによるジャズライブ、25日(土)には県南で活動するビッグジャズバンド「スターライトオーケストラ」によるライブが開催される予定。また17日(金)からはつくば市や土浦市でヨガ教室を開く新井昌子さんが教えるガーデンヨガも開催される。 ◆つくばローズガーデンは、つくば市古来458。今年の一般公開は5月7日(日)~6月2日(日)までの予定。開園時間は午前9時~午後5時(入園は午後4時半まで)。入園料は一般300円~500円(開花状況により変動)、小学生以下無料。同園のホームページはこちら。 https://youtu.be/HR_TeEhAT1s
庭の巣箱にやって来たシジュウカラ《続・平熱日記》157
2024年5月12日
【コラム・斉藤裕之】廃材で作った巣箱を庭のカツラの木にかけたのは冬のこと。母屋からの距離わずか3メートルのところ。居間の掃き出しのガラス窓からは手の届きそうな位置だ。 4月初旬。春眠暁を覚えず、処々に啼鳥(ていちょう)を聞く。「ツピッ、ツピッ」という鳴き声はシジュウカラだ。巣箱をのぞいている。シジュウカラはたいてい夫婦でやってくる。「どう?」「うーん、いいかもしんない!」と会話をしているようにさえずっている。 まあ、よくご覧になってお決めください。もしかしてと思ってググると、ゴジュウカラというのもいるそうで、してみるとサンジュウカラやロクジュウカラはいるのかと思いきや、これがいないらしい。 しばらくしてまたやってきた。同じ夫婦なのかどうかはわからない。よく見ると、1羽が何か巣の材料になるようなものをくわえているのが見えた。どうやら本格的に巣作りを始めたようだ。本能とはいえ、とても甲斐甲斐(かいがい)しく巣に戻っては飛び立っていく姿はとてもかわいらしい。それにしても実に器用に5百円玉ほどの穴から出入りする。 四季豊かなこの国では… ところで、茨城県の鳥はひばりだそうで、確かにこの家を建てたころは周りが野原で、ひばりがホバリングして鳴いているのを見ると、春が来たという実感があったのを思い出す。 だけど、住宅が隙間なく立ち並んだ今、気が付けばひばりの声はしない。それから、先日孫と井の頭公園に行ったらインコが電線にとまっていて、やっぱり違和感あったな。「電線にスズメが3羽とまって…」という歌もあったが、最近都会でスズメが減っているとか。 以前スペイン語を習っていた時に先生をしていたコスタリカの女性によると、彼の地では鳥は鳥であって、特にシジュウカラだのひばりだのという種類は気にしないらしい。ついでに、食卓の魚も魚であってアジとかサンマといったことも言わないという。 そこへいくと、四季豊かなこの国では「花鳥風月」といったいわゆる風流な感性が古(いにしえ)より受け継がれている。とはいえ、このところの調子っぱずれな気候や、バエるだのインバウンドだので、風情などといったものを感じることもままならない。 連休中に遊びに来た孫は… さて、シジュウカラ家の巣箱のほぼ正面の軒下、いわばお向かいさんというところには山鳩が巣をかけている。こちらはドタバタ、クルクルと重量感があって騒がしい。その壁一枚隔てた家の中には、パクがすやすやと寝ている。 もうすぐ愛鳥週間なんだそうだ。ほかに愛〇週間なんて聞かないことを考えると、やはり鳥は人の暮らしに近い生き物なんだろう。連休中に遊びに来た孫も、飽きずに巣箱に出入りするシジュカラを眺めていた。(画家)
コロナ禍乗り越え鉄道人気の復活に 撮影会に「撮り鉄」集まる 土浦
2024年5月11日
「ドレミファソラシド~」と発車時に独特のメロディーを奏でたJR常磐線E501系15両編成が17年ぶりに土浦に姿を現し、11日、同市の真鍋跨線橋下で撮影会が行われた。北海道や大阪など県内外から集まった60人余りの鉄道ファンからは、熱いシャッター音とともに「懐かしい」「貴重だ」などの声が上がった。 2万円チケットが3分で完売 今回のイベントは、発売開始3分で2万円のチケットが売り切れた。この日の列車を準備したひたちなか市にあるJR東日本勝田車両センターに勤務する大楽寿樹さん(34)は「E501系を見たいというお客様からのアンケート結果が以前から届いていた。15両編成の501系といえば、土浦がメッカ。土浦で実現できてよかった」と笑顔を浮かべる。 E501系は、東京への通勤圏の拡大を背景に、東京・上野と土浦を結ぶ通勤車両として1995年12月から運行が始まった。通勤形電車としては国内初となる交流・直流両用の車両だった。採用した機器の関係で、当初は発車・停車時に音階のような独特の音色を奏でるのが特徴だった。2007年3月のダイヤ改正後は、土浦以北で10両、5両編成のみが運用され、上野ー土浦間を走行していた15両編成を見る機会はなくなった。今回は07年以来、17年ぶりの15両編成の復活となった。 撮影会を企画したJR水戸支社では他にも、現役の電気機関車や、特急として利用される車両を限定カラーも含めて全色並べるなどした撮影会を、主に勝田車両センターで開催してきた。数万円するチケットは毎回、発売開始とほぼ同時に完売すると、同支社の広報担当者は話す。 コロナ禍で乗客減少、イベントで人気回復を 広報担当者によると、今回の企画を含めてJR水戸支社内では、アンケートなどを通じて利用者からの声を集めると共に、従業員が積極的にイベント企画を出し合い実現化させているという。昨年11月には勝田駅前で地元企業やパン店と協力して県内の栗を用いたパンを商品化し販売した。同社の運転士からの発案だった。また今年4月には「いわき駅ナイトサウンドツアー」と題して、最終列車終了後のJRいわき駅構内で、駅のアナウンスや発車メロディー、列車の自動放送、チャイム音などを聞くイベントを開催した。全国から「音鉄」と呼ばれる鉄道や周辺環境の音を聞いて楽しみ分析研究する鉄道ファンが多数集まった。 広報担当者によると、鉄道ファンに向けたイベントを活発に開くようになったのは新型コロナがきっかけだった。コロナ禍で鉄道利用者が減少する中、再び鉄道に目を向けてもらうためにも社内で自由にアイデアを出し合い、実現化する動きが活発になったと話す。 E501系の撮影会は、勝田車両センターで過去に2度、5両と10両編成の車両を用いて行われた。「15両も是非」という過去を懐かしむファンの声を実現させたのが、今回の開催だった。 大阪から前泊して訪れたという石山裕隆さん(31)は「出身が千葉なので、子どもの時に(E501系を)見ていた。行き先が表示される字幕が現在は使われていない『黒幕』だったり、車両下部の『スカート』に当時の形状のものが使われていたりなど、とても懐かしかった」と語った。千葉県松戸市から参加した永野智大さん(29)は「子供の時に乗っていた懐かしい車両。発車する時のメロディーが好きすぎて、上野ー土浦間での運行がなくなった後も、千葉から茨城に乗りに来ていた。今日は本当に楽しめた」と喜びを語った。 勝田車両センターの大楽さんは「今回の企画は列車を懐かしんだり、見るのを楽しみにされるお客様の声が元になった。私も学生時代に乗っていた懐かしい車両で、企画を実現できてホッとしている。是非、これからも多くの方に鉄道を楽しんでもらえたら」と思いを語った。(柴田大輔)
JRひたち野うしく駅周辺のにぎわい《遊民通信》88
2024年5月11日
【コラム・田口哲郎】 前略 JRひたち野うしく駅前の西友ひたち野うしく店の第3駐車場の半分が閉鎖され、店舗らしきものが建ち始めたのが冬ごろでした。何ができるのだろうとワクワクしていたのですが、先日看板が取りつけられていました。看板にはAUTOBACSとあります。大手カー用品チェーンのオートバックスの店舗になるようです。 ひたち野うしくにはイエローハットがありますが、カー用品専門店はほかにないので、2店目になります。 茨城県は自動車社会です。県南ですと鉄道で東京都心まで1時間程度で行けますが、地域で暮らすとなると車が必須です。以前書きましたが、関東は町のひとつひとつが大きく、生活便利施設が町のなかに点在しているので、車移動が必要になります。 車が多ければ、メンテナンス用品の需要も増す。カー用品店が必要になるという流れですね。 もはや都会、ひたち野うしく これも前に書きましたが、ひたち野うしく駅周辺は生活便利施設が密集しており、茨城県南のみならず、関東圏でも指折りの便利さを誇ると思われます。 スーパーマーケット、ホームセンター、家電量販店、ドラッグストア、100円ショップ、靴屋、紳士服店、スポーツ用品店、リサイクルショップ、書店、ペットサロン、カフェ、飲食店、ラーメン店、コーヒーショップ、ガソリンスタンド、整骨院、スポーツジム、洋菓子店、煎餅(せんべい)屋、パン屋、そしてカー用品店と、郊外生活をするのに何不自由ない環境になっています。 そういえばガソリンスタンドに併設される形で話題のチョコザップもオープンしました。 こんなに恵まれているのにまだ不満があるのかと言われそうですが、ひたち野うしく駅前にあったらいいなというお店があります。 それは和菓子屋さん、ブックオフ、マクドナルドです。欲を言えば、100円ショップもダイソー、セリアがあるので、ワッツとキャンドゥーがあれば完璧になりますね。サイゼリアとベローチェがあれば、カフェのバリエーションが増えてより楽しめそうです。 こんなにお店があるのに贅沢(ぜいたく)な話ですが、逆にいうとそれだけ買い物客が集まるということですから、街のにぎわいを象徴していることにもなります。 もはや都会と言ったほうがよいひたち野うしくのますますの発展が楽しみです。ごきげんよう。 草々 (散歩好きの文明批評家)
5月に入社式 セキショウグループ 研修終えた新入社員迎える
2024年5月10日
パリ五輪出場決めたU23サッカー日本代表監督も出席 総合商社の関彰商事(本社・筑西市、つくば市、関正樹社長)などセキショウグループは10日、つくば市竹園のつくば国際会議場で入社式を開いた。新入社員47人を含む約220人の社員、関係者らが式典に臨んだ。これまで4月1日に入社式を実施してきたが、今年から研修を終えた後の5月に変更した。 新入社員に辞令を手渡した後、式辞を述べた関社長は、従来4月に行っていた入社式を5月に変更した理由について「4月1日に入社式をして皆さんを迎えると、どうしてもお客様として迎えてしまう。1カ月の研修を経て、セキショウグループが百数十年どのような仕事をしてきたか、取引先からどのように思われているか、また自分が所属する部門以外のことも分かった上で参加することで、我々も本当の仲間を迎える気持ちに変わるのではという意味で5月に変更した」と話した。 続けて「お客様の悩みに耳を傾け、一緒に悩みを解決し、共有して、将来像を一緒につくっていくことが大切。先輩たちが何万人というお客さまをつくってきた。我々はその関係をより良くし、自分以外の人に対して寄り添い、人の意見を聞き、他の人を尊重できるよう、人として成長していってほしい」と、新入社員に言葉を贈った。 新入社員を代表してあいさつに立った牛久市出身の宮代佑汰さん(18)は「自分が育った牛久市や茨城県に恩返しをするとともに、地域に貢献したい」と目標を語った。同じくあいさつに立った筑波大大学院でやり投げ選手として活躍し、アスリート社員として入社した兵藤秋穂さん(24)は「関彰商事は私たちの挑戦に寄り添いサポートしてくれる企業。競技者としてより高みを目指し、つくばから世界を目指したい。日々新しいことに挑戦し、社業と競技に日々精進することで地域や社内の方々に元気や勇気、活力を与えられることを目標にしたい」と意気込みを語った。 新入社員のアドバイザー役を務める鷹箸宏樹さん(28)は歓迎の言葉として「常に挑戦する心を持ち、何事にも興味を持ちながら、関わる全ての人を大切にできる社員になってほしい。一緒に働けることを楽しみにしています」と言葉を贈った。 式典には、今月3日にアジア杯で優勝しパリ五輪出場を決めたU23サッカー男子日本代表の大岩剛監督も出席した。大岩監督は2020年から関彰商事のスポーツアドバイザーと、セキショウアスリートクラブアンバサダーを務めている。(柴田大輔)
地域経済「苦しんでいる会社増えている」 筑波銀行、決算は増収増益
2024年5月10日
筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)は10日、2024年3月期決算を発表した。最終的な利益である1年間の純利益は、前年比1億円(4.7%)増の21億9500万円(連結)で、増収増益となった。貸出金利息や営業経費など本業の利益が前年に比べ12億円増加したのに対し、配当金や外貨調達コスト、貸し倒れ引当金などの影響が同比11億円マイナスとなった。 生田頭取は「増収増益と言いながら、大口の貸し倒れ引当金の計上があり、当期純利益については当初の業績予想を下回った。しかし本業の収益については十分に改善が図られ、中味はひじょうによくなっている」とした。 一方、地域経済の状況については「今まで長期に及んだコロナ禍の影響があり、現在は原材料高、エネルギー高、人件費増加があり、今後、中小企業を始めとして企業業績に悪い影響が懸念される」とし、「苦しんでいる会社は細かいところも含めると増えている。コロナ明けの今、現在の状況で、これから金利も上がるという中で、地元企業に対してはアゲンストの風(向かい風)が吹いてくる。そうなってくると、耐えられる企業体力があるところは耐えられるし、小規模零細で耐えにくいところは支援をしていかないと倒れてしまう。我々の役割として、本業支援や資金支援、最終的には廃業支援も含めてやっていかなくてはいけない」と話した。 決算の概要は、売り上げに当たる経常収益は、株式売却益や貸出金利息などが増え、前年比10.7%増の410億9200万円になった。 経常費用は、評価損の拡大が懸念される外国債券の売却や外貨調達コストの上昇、大口取引先の貸出金が回収できなくなった場合に備える貸倒引当金の計上などから前年比9.3%増の386億2500万円になった。 預金、預かり資産、貸出金残高(単体)はいずれも過去最高となり、預金残高は。個人、法人、地方自治体などからの預金がいずれも増加し、前年比643億円増の2兆5773億円になった。投資信託や生命保険などの預かり資産残高は前年比492億円増え3410億円となった。貸出金残高は中小企業への貸出やTX沿線を中心とした住宅ローンなどが増加し前年比860億円増の2兆372億円になった。 金融再生法に基づく開示債権額(単体)は、経営改善支援中の取引先企業のランクダウンがあり、要管理債権が前年度の2倍近い157億円に増加するなどし、債権額は前年比79億円増の537億円になった。その結果、不良債権残高の割合を示す開示債権比率は同0.29ポイント上昇し、2.58%となった。 健全性の指標となる、リスク資産に対し資本金などの自己資本がどれだけあるかを示す自己資本比率(連結)は、当期純利益21億9500万円の計上などにより自己資本が増加したなどから、前年比0.14ポイント上昇し、9.13%となった。
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