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2024
10月
保育料の特別徴収通知書に誤記載 つくば市
2024年10月11日
保育園などの保育料の滞納があった場合、児童手当から滞納分を差し引いて保護者に支給する「保育料特別徴収」について、つくば市は11日、9月に対象者22人に郵送した特別徴収の通知書に誤記載があったと発表した。滞納分を差し引いて児童手当を支給する期日について、今年10月と記載すべきところ、誤って今年2月と記載して発送してしまった。 市幼児保育課によると、10日、保護者の一人から問い合わせがあり、誤記載が分かった。市は保護者22人全員に電話で謝罪し、改めて正しい通知書を再送付するとしている。 22人に対して市は、10日の児童手当支給日に滞納分を差し引いて支給した。一方、同通知書は通常、前の月に保護者に送付し、保護者から相談を受けた場合は、個別の事情に応じて差し引きを中止する場合もある。今回、誤記載があったことにより、保護者から相談を受けた場合は個別の事情に応じて差し引き分を返還することもあるという。 誤記載は担当者の記載ミスが原因。再発防止策として市は、複数の職員で内容確認を徹底し、再発防止に努めるとしている。
地域社会とは?《遊民通信》98
2024年10月11日
【コラム・田口哲郎】 前略 テレビのワイドショーで、ご近所トラブルが取り上げられることがあります。住民が行政に苦情を申し立てますが、行政は争っている住民どちらにも配慮しなければならないので、解決策はなかなか出ない。すると、ワイドショーのMCは「地域社会でしっかり話し合うことが必要ですね」という締め方をします。MCはご近所同士で、くらいの意味合いで使っているのでしょう。でも、コメントを聞くたびに、「地域社会とはなんだろう」と思います。 新興住宅地に暮らし、独身であるわたしには地域社会というものがピンとこない。日々近所ですれ違う人びとは見知らぬ人です。両隣の人の苗字くらいは知っていても、その先の人の名前はおぼつかなく、顔も知りません。実際に町内会はあるし、子どもが公立小中学校に通っていれば、地域社会というものに実感がわくのでしょう。 でも、たとえば地方の山村に暮らせば、血縁、地縁がまだあり、近所はみんな親戚か知り合いということは珍しくありません。おそらく、そういう土地に住む方々には「地域社会」はピンとくるのでしょう。新興住宅地で生まれ育ち、独身で、いわゆる無党派層で、東京など大都市に通勤・通学している人にはあまりピンとこないと思います。 日本経済を支えてきた都市中間層 国民的アニメ、ドラえもんも、ちびまる子ちゃんも、クレヨンしんちゃんも、新興住宅地が舞台です。さして地縁や血縁がなさそうな土地で都会的な生活を送っている人びとの物語です。昭和にはそういう新興住宅地が全国につくられ、核家族が暮らし、日本経済に活力を与えていました。 でも、グローバル化、長い不況、低成長時代が続き、サラリーマンの所得が減りました。そしていわゆる都市中間層の活気はなくなりました。これからは、成熟した都市社会が「地域社会」を再発見し、人びとのつながりが復活し、新しい活気が生まれるといいですね。ごきげんよう。 草々 (散歩好きの文明批評家)
学校給食に異物混入 つくば市の義務教育学校
2024年10月10日
つくば市は10日、市内の義務教育学校で同日出された給食に、長さ18ミリのホチキスの針2本が混入していたと発表した。児童は針を口にしておらず、現時点で健康被害の報告はない。 市教育局健康教育課によると、同日12時30分ごろ、児童が給食のカボチャ汁を食べた後、おわんの底にホチキスの針2本があるのを見つけ、担任の教員に報告した。ほとんどの児童、生徒が給食を食べ終わっていたという。 同校の給食は、つくばすこやか給食センター豊里が、計3種類の献立を3グループに分けて調理し提供したうちの1つで、同じカボチャ汁は同日、市内の2校に計3010食が提供された。もう1校からの異物混入の報告はない。 異物の混入経緯について同課は、同給食センター及び学校で調査しているが、同日夕方時点で不明だとし、現在納入業者に対しても調査を実施しているという。
地元の魅力を食で伝える 土浦花火弁当12種販売へ
2024年10月10日
11月2日開催の第93回土浦全国花火競技大会で販売される「土浦花火弁当」12種類が4日、同市役所でお披露目された。土浦名産のレンコン、ワカサギ、常陸牛など地元の食材をふんだんに使ったオリジナル弁当で、今年は土浦、かすみがうら市の飲食店6店と、土浦飲食店組合が販売する。 価格は1500円から4600円(消費税込)。花火を打ち上げる筒をイメージした3段重ねの容器に入れられ、オリジナルの外箱を広げると三つの容器が一度に並ぶよう工夫を凝らしている。この日披露されたのは5店による9品。 土浦花火弁当は、2006年から花火観覧者に向けて、花火の4合玉を模したオリジナル容器による販売をスタートし、08年には市内の飲食店などによる「土浦名物弁当事業者部会」を設立して、食を通じた市のPRを続けてきた。 今年販売されるのは、懐石料理、ステーキ、フグ、あんこう、中華など、市内の老舗料亭を始め各店が趣向を凝らした自信作。容器自体が発熱し、寒い屋外でも暖かく食べることができるものなど工夫されている。今年は新しく、無農薬野菜や無添加の食材を使うオーガニック料理を扱う「ダイニングムーンNO.385(ナンバーミヤコ)」(土浦市川口)も参加する。 同部会では、昨年の1500個を500個上回る2000個の販売を目指す。部会長を務める嶋田玲子さんは「食を通じて土浦の良さをPRしていきたい」と意気込みを語る。安藤市長は「(花火弁当に)新しい事業所が入るなど、内容も年々ブラッシュアップされている。それぞれ立派な食材使った、力のこもった花火弁当。是非当日食べていただきたい」と語った。 花火大会当日、優良桟敷席付近に設けられる弁当引き渡し場所では、市内で採れたレンコンの販売も行われる。市農林水産課は「日本一の生産量を誇る土浦のレンコンを食べてもらい、土浦のレンコンの認知度向上を目指していきたい」と話す。 弁当は、各店による事前予約制で、それぞれオンラインまたは専用の申し込み用紙によるFAXで予約を受け付けている。弁当の受け取りは、花火大会当日に、有料桟敷席付近にある専用の受け取り場所か、店によっては店舗での受け渡しとなる。(柴田大輔) ◆詳しくは土浦市観光協会ホームページ内にある特設サイトに、各店の販売サイトや詳細が掲載されている。問い合わせは同観光協会(029-824-2810)へ。
ラヂオつくばが音楽フェス 13日、出演者らのライブやMC体験も
2024年10月10日
つくばセンター広場 つくば市のコミュニティFM、ラヂオつくば(つくば市吾妻、堀越智也社長)は13日、つくば駅前のつくばセンター広場で、音楽イベント「ラヂフェス2024」を開催する。ラヂオつくばで番組を担当したり、ゲスト出演したことがあるミュージシャン8グループが出演し、アコースティックでライブ演奏する。観覧無料。 観覧者が当日の様子をX(旧ツイッター)で、「#ラヂフェス」と付けて投稿すると、後日ラヂオつくばの番組で紹介するという。 当日は小学4~6年生が、ラヂオつくばの番組パーソナリティと一緒に司会体験をするコーナーも設ける。ステージでパーソナリティとトークしたり、ミュージシャンのプロフィールを読んでもらったりする。 同センター広場では同日、つくば青年会議所が主催する「スポーツがきっと好きになる!グッジョブスポーツフェスタ@つくば」も開催され、一緒にバドミントンやパターゴルフ、バスケットボールなどを楽しむことが出来る。 今回の企画をした、CrescentMoon(クレセントムーン)でキーボードを担当し、ラヂオつくばのパーソナリティを務める宇津野紘子さん(42)は「(現体制の)ラジオつくば初の音楽イベント。小学生のMC体験もあったり、青年会議所のスポーツ体験もあったりと楽しめるので、家族そろって見に来て欲しい。そしてラヂオつくばがもっと知ってもらえたらうれしい」と来場を呼び掛ける。(榎田智司) ラヂオつくばは2008年に設立。現在のスタジオはトナリエクレオ3階にあり、昼や夕方に生放送されている。周波数84.2MHz 送信出力10w、インターネットでも視聴することもできる。 ◆「ラヂフェス2024」は午前10時開演。観覧無料。詳しくはこちら。ラヂオつくばのホームページはこちら。
タイ古式マッサージ《医療通訳のつぶやき》11
2024年10月10日
【コラム・松永悠】最近、実はタイ古式マッサージにハマっています。通い出して2カ月ほどですが、すっかり虜(とりこ)になっています。全身をほぐしてもらって、施術が終わると、体が軽くなってとても楽になります。 楽しく思う一方で、少し歯がゆい思いもしています。マッサージをしてくれるお姉さんとすっかり仲良くなって、仲良くなれば当然会話も増えますが、タイ人のマッサージ師は片言の日本語しかできませんので、話の幅が狭いだけでなく、ニュアンスもなかなか伝わりません。 私が日ごろ筋トレをしている関係で、割と筋肉があって、太ももなど硬い部分もあります。先日太ももをマッサージしてもらっていたとき、雑談のつもりで「私、筋肉あるから太もも硬いでしょ?」と言いました。すると「はい、硬いです。凝っていますね」と言われました。「硬い」は「硬い」でも、「凝っている」という意味で言ったのではありませんが…。 医療通訳の仕事をするとき、体の部位名、各器官系の仕組みはもちろんのこと、病気のことも知る必要がありますから、そこそこ難しいです。しかしマッサージの雑談レベルでも、外国人がこんな勘違いをするのだと気づきました。 異なる言語を話す人の間に入って、円滑なコミュニケーションが取れるようにお手伝いする仕事をしている関係で、「コミュニケーションが取れる」状態が私にとって当たり前です。だからこそ、このときはハッとしました。日常生活の中で、外国人と交流できるのは当たり前ではなく、「外国人とうまくコミュニケーションが取れない」状態が圧倒的に多いでしょうね。 「易しい日本語」を使う活動 今、医療現場では「易しい日本語」を使う活動が推進されています。日本人患者にとっても、医療用語や体の部位名は難しいものです。専門用語を避けて、分かりやすい単語や説明を使うことによって、患者に自分の病気のこと、これから受ける検査や治療をしっかり理解してもらうのが目的です。 インフォームドコンセント、つまり「知る、理解する、同意する」の3ステップを踏むことが義務付けられている今、医療従事者がさまざまな工夫をして言い方を変えながら、うまく患者とコミュニケーションを取っています。 専門的なことを誰もが分かる言い方で説明するのは、実は簡単なことではありません。日本語力が限られている外国人相手なら、なおさらです。そもそも語彙(ごい)だけでなく、文法が間違っていることも多いので、日本人患者よりもっと簡単な言い方じゃないと通じない、ということになってしまいますが、限界があります。 マッサージで「わたし、うんどうだいすき。だから、あしがかたい」と言えばニュアンスも正しく伝わったかもしれませんが、医療現場では時間の制限や内容によってどんなに頑張っても、このレベルまで落とすことができません。改めて医療通訳は必要不可欠だと感じたエピソードでした。(医療通訳)
「つながり」テーマに現代社会を可視化 若手写真家ら11人が作品展
2024年10月9日
県つくば美術館 「つながり」をテーマに、災いや病、故郷と家族、人間と土地の営みなど、現代社会が生み出す課題と向き合う若手作家ら11人による作品展「ヴィジュアル・コミュニケーション展2024 リレイト:ここではないどこかで」が、8日から県つくば美術館(つくば市吾妻)で始まった。今年で8回目の開催で、写真を中心とした映像作品や立体物など約50点が展示されている。 何気ない風景に対立の歴史 都内在住の写真家、吉野絢人さん(23)は、都内や周辺地域にある「境界未定地」をテーマにした写真作品「リフレーミング」を展示する。展示スペースの中央に並ぶ2点の写真は、水辺に茂る木々を池の両岸から写したものだ。一見、どこにでもある穏やかな景色に見えるが、この池は東京都と埼玉県の境にあり、境界線が決まらない「境界未確定地」なのだという。東京都側の都立水元公園(同都葛飾区)と、埼玉県側の県営みさと公園(同県三郷市)の間に挟まれた「小合溜井(こあいためい)」と呼ばれる池で、江戸時代、8代将軍の徳川吉宗が、農業用の水を貯めおくために造らせた。完成当時から両岸の住民の間で境界を巡り対立が続き、互いの主張が折り合わずに現在に至っている。近年は、葛飾区と三郷市の間で締結された管理協定により水面管理が行われているという。 争いごとを抱えていることなど知らずに、何気なく見てきた風景が、対立の歴史の中にあることへの驚きが、一連の作品の出発点になったと吉野さんは話す。その他、東京都大田区と江東区の間で境界が未確定の「中央防波堤埋立地」、東京都と千葉県の間で協議が続く旧江戸川の河口、現在も住所がない有楽町駅前にある商業施設「銀座インズ」の一帯などを写した作品が並ぶ。 吉野さんは「境界地を撮影し、複雑で曖昧な境界線のあり方を提示した。境界線や差異を乗り越え、両者の関係性を捉え直し、共に生きる方法を模索した」とし、「どの場所も、目に見える形で争いがないということがテーマに取り組むきっかけになった。今後は、日本各地、国と国の境界にも関心を持っていきたい」と話す。 「交換可能な風景」もふるさとに デザイナーで兵庫県在住の高田憲嗣さん(30)が、埼玉県在住の勝見知周さんと制作したのが、写真と立体物による「メモリーズ 僕たちの平成/令和の原風景」だ。高田さんは、「交換可能な風景」と揶揄(やゆ)される、赤や黄、青など原色が彩るドラッグストアーやファミリーレストランの看板が並ぶ、郊外の国道沿いの風景を「唯一無二の心のふるさと」と感じる人たちがいると話す。自身も郊外出身だという高田さんは「田舎に行くと、どこに行っても同じ風景があると批判的に言われるが、ちょっと待てよと思った。その土地の人にとっては、そこでの出来事こそが故郷の思い出、原風景となり、自分の思い出とも重なる」と作品作りの動機を語る。被写体に選んだのは、チェーン店が増え始めた平成初期に青年期を過ごした30代から40代の人物が中心だ。それぞれが、部活帰りに友人と過ごしたファミリーレストランや、子どもの頃に胸をときめかせて通ったファストフード店での楽しかったり切なかったりする思い出話を、高田さんによる明るいポップなデザインで写真と共に作品に仕上げている。 東京都在住の写真家、横井るつさん(23)は、コンクリート壁や床、草が茂る地面にプロジェクターで投影した人肌や体の一部の写真を、カメラで再撮影した映像作品「フムス」を展示する。ラテン語で「地面」「大地」を意味するタイトルで、横井さん自身が都市での暮らしで感じることができずにいた自然とのつながりを再認識する試みだと話す。「本来、人間も動物も、人生が終わったら土に帰っていくもの。東京で生きてきて、地球で生きているのにこの循環を感じられなかった。人の体を映写し、都会に体を染み込ませることができないかと考えた。土葬のイメージもある」と語る。 ほかに、沖縄の与那国島に数年間通い、土地の死生観を表現した野口哲司さんの「ユノリ」や、自身の病に向き合う根岸雄大さんの「メイト」、認知症の祖母の過去と現在に向き合う都築真歩さんの「来し方行く末」、コロナ禍で突きつけられた日常と非日常の境界に独自の視点で向き合う熊万葉さんの「アウト オブ タッチ」などが展示されている。 分断をつなぎ直したい 主催団体「ビジュアルコミュニケーション研究会」の代表で、市内在住の写真家、田嵜裕季子さんは「現在の社会では、国や地域間での戦争だけでなく、SNS上など様々な場所で対立が起きている。問題を二元論で捉えて分断してしまう考え方をつなぎ直す必要がある。サブタイトルの『ここではないどこか』には、誰もがここではないどこかでつながっているという思いを込めた。一見、つながっていないように見えている人や問題も、根っこではつながっていることを感じてもらいたい」とし、「作品を通じて人と人、作品と鑑賞者などのつながりが生まれる展示になれば」と語った。(柴田大輔) ◆「ヴィジュアル・コミュニケーション展2024 リレイト:ここではないどこかで」は14日(月)まで、つくば市吾妻2-8、県つくば美術館で開催。開館時間は午前9時30分から午後5時(最終日は午後3時まで)。13日(日)午前10時30分からキュレーターの菊田樹子さんを招いてギャラリートークを開催。いずれも入場無料。イベントの詳細は、ビジュアルコミュニケーション研究会の公式サイトへ。
稲敷市の「江戸崎まんじゅう」店《日本一の湖のほとりにある街の話》28
2024年10月9日
【コラム・若田部哲】1929年創業、稲敷市の老舗和菓子店「青木菓子店」。看板商品である、農林水産大臣賞受賞の「江戸崎まんじゅう」をはじめとする様々なお菓子が、稲敷市の代表的銘菓として広く親しまれています。今回は、現在の当主である3代目の青木利浩さんにお話を伺いました。 江戸崎まんじゅうは、一見するとお土産ものでおなじみの茶色い温泉まんじゅう。ですが、一口食べれば違いにビックリ。しっとりしつつ、ふうわり柔らかな皮と、こし餡(あん)のバランスが絶妙です。一度に大量に購入していくお客さんが多いのも、さもありなんというもの。 そのおいしさの秘密を伺うと「一般的なおまんじゅうの3~4倍、手間と時間をかけて丁寧に製造しているところです」と青木さん。味はもちろんのこと、蒸籠により強く蒸し上げる昔ながらの製法でないと作れない、しっとりとした食感も重要なポイントだそうです。 夏は1日1500個、寒い時期には2000個以上も売れるというこのおまんじゅう。それだけの手間がかかるものを作り続けるのはさぞ大変なことと思いますが、青木さんは「自分が食べておいしいと思うまんじゅうになるように」と、日々さらなる技術の向上を心がけているとのこと。 どら焼き、黒どら、青栁も 他にも様々な定番商品と季節商品があり、江戸崎まんじゅうに次いで「どら焼き」「黒どら」「青柳」の順に人気とのことですが、私のイチオシはどら焼き! おいしいパンケーキのような皮と、餡のコラボレーションは、ワンダフルなおいしさです。草餅や水無月(みなづき)といった季節ごとのお菓子もおいしいので、ぜひ折々にお求めになり、コンプリートしてみてください。 ご家庭で甘味を心ゆくまで楽しむも良し、贈答にも良しと、使い勝手バツグンな稲敷市の名店。茨城県南の味として、ぜひお楽しみください。(土浦市職員) <注> 本コラムは「周長」日本一の湖、霞ケ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。 ➡これまで紹介した場所はこちら
名称変更し「筑波嶺会」美術展開幕 筑波銀行ギャラリー
2024年10月8日
油彩画、水墨画など70点を展示 筑波銀行の退職者でつくる筑波嶺会 土浦支部美術展が9日、つくば市竹園の筑波銀行つくば本部ビル2階ギャラリーで始まった。今年6月に会の名称を筑波銀行OB会から筑波嶺会に変更して初めての開催となる。同会に所属する22人が、退職後に制作した油彩画、水墨画、写真、書、彫刻、陶芸など約70点を展示している。 これまでのOB会という名称は男性を対象とする言葉であることから、名称を変更した。筑波山は男体山と女体山の二つの嶺からなる名山であり、男女等しく活躍する組織を目指すという意味から「筑波嶺会」とした。 同銀行は2010年に関東つくば銀行と茨城銀行が合併し誕生した。水戸支部、下妻支部、土浦支部の3支部があり、今回、昨年に引き続き土浦支部が主催した。メンバ―は60代後半から70代後半が中心という。 糸賀士さんは、彫刻「七福神一刀彫」を3点展示する。1本の小刀で彫る一刀彫という技法を使いた。1体出来上がるまで2カ月かかるという労作だ。「(七福神なので)全部で7体作らなければならないので、これからもずっと続けていきたい。七福神は福を寄せると言われていることからも、作品を作り、みんなに幸せになってもらえれば」と語った。 松葉統子さんは陶芸部門で「落ち葉皿セット」など9点を展示する。「小学校のPTAをやっている時に陶芸と出合った。今では窯が使われなくなり、作ることが出来なくなった作品も展示している。今回は還元焼成や酸化焼成など、いろいろな手法を使ったものを並べている」と語る。 筑波嶺会会長の徳宿彰さんは、水墨画の作品「カラマツの全景」など3点を制作し展示する。「水墨画は退職後に始めたが、奥が深いのでこれからも続けていきたい」と語り、「数ある銀行の中でもこうした芸術を愛好する退職者の会があるのは稀有(けう)なこと。親睦を深める中で作品の質も高めていけたら」と述べた。 同土浦支部美術部会長の染谷則嘉さんは「今年も昨年に引き続き開催出来て大変うれしい。ただ、高齢になったり、引っ越したりして会員が減っており、昨年より3名減となった。今後は新しいメンバーをもっと発掘したい」と述べる。(榎田智司) ◆会期は15日まで。会場はつくば市竹園1-7。開館時間は午前9時30分~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。期間中無休。入場無料。
共生社会創成学部を新設 筑波技術大 2025年度から
2024年10月8日
「手に職」から社会創造へ 聴覚と視覚に障害のある学生を対象とした国内唯一の国立大学、筑波技術大学(つくば市天久保、石原保志学長)が2025年度から新しく、共生社会創成学部を開設する。定員10人の視覚障害コースと、5人の聴覚障害コースの2コースを設ける。新学部は、障害者を含む多様なマイノリティが活躍できる社会システムをつくる人材の育成を目指すとし、専門技術を持つ職業人の養成に取り組んできた同大にとって新しい取り組みとなる。 一方、定員割れとなっていた学科で定数を減らす。保健科学部保健学科鍼灸学専攻が定員10人減、産業技術学部産業情報学科が3人減、同総合デザイン学科は2人減とする。 石原学長(67)は「学生の希望職種が多様化する中で、大学で高度な技術を身に付け就職しても、職場での障害に対する理解不足から力を発揮できずに体調を崩すなどして離職してしまうケースを見てきた」とし、新学部では「総合的な教養と権利意識を身につけ、自信を持って意志を伝え、障害があっても生き生きと能力を発揮できる社会を主体的につくっていける人材を育てたい」と語る。 国は企業や公的機関に対して一定の割合で障害のある人の雇用を義務づけ、今年4月からは、音声読み上げソフトや筆談の導入など、障害の特性に応じた配慮をする「合理的配慮」が民間企業にも義務化された。障害者が社会に参加するための制度が整備されつつある一方で、「障害者を採用する企業の人事は合理的配慮の意味を知っていても、配属される現場での理解が進んでいない」と石原学長は言う。 障害者政策をつくる人育てる 新学部で重視するのは、必要な支援と権利を自ら説明する「セルフアドボカシー」と、意見を伝えるために自分に自信を持つための「エンパワーメント」だと石原学長は説明する。在学中は、誰もが必要とする情報に簡単にたどり着き利用できる「情報アクセシビリティ」や、障害と社会の仕組みを学ぶ「障害社会学」などの授業を通じて人権意識を身に付ける。一般的なインターン制度よりも長期間、企業や公官庁で就業体験をすること通じて、より実践的な職場体験を積むカリキュラムも設ける。 さらに、バリアフリーに対応する企業に障害当事者として意見を伝えるなどし、社会の一員としての意識を育てるとする。他大学と共同で授業を行うなどの連携や、新学部内で視覚障害学生と聴覚障害学生が同じ教室で学ぶ授業を通じて自分の障害を客観的に知る機会を積極的に設けるなどするという。 石原学長は「周囲との関係の中で、適切な環境を自発的に作るための具体的なスキルを在学中に身に付けさせたい」とし、「障害のない人と障害者が同じ暮らしを送ることができる環境作りを、国や自治体の中に入り、政策として築いていける人材を育てたい」と話す。 「昔は(障害者は)かわいそう、自分の身内に生まれるとできるだけ隠しておこうという時代があり、障害があることで、どうしても遠慮してしまう人もいる」とし、「これからは、それぞれが身を置く場所で生き生きと能力を発揮できる、自信を持って自分から前に出ていける学生を育てていきたい。今は、社会環境が整備され、将来の可能性はますます広がっている。障害があってもなくても、誰もが幸福に生きられる社会の実現を目指し、それぞれの社会環境に合わせて能力を発揮できるような意識と意欲をもってこの大学に入ってきてほしい」と呼び掛ける。(柴田大輔)
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