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2023
古民家改修終えお披露目 土浦 宍塚の自然と歴史の会
2023年5月7日
里山保全活動の拠点に 使われなくなった古民家を再生・活用する「百年亭再生プロジェクト」に取り組んできた認定NPO法人「宍塚の自然と歴史の会」(森本信生代表)が7日、改修を終えた「百年亭」をお披露目した。土浦学園線沿いの土浦市宍塚に建つ。家屋は8畳2間の広さ62平方メートルで、キッチン、トイレ、シャワーが新設された。 プロジェクトは昨年3月にスタートした(2022年3月28日付)。クラウドファンディングを利用して寄付を募り、県内外の223人から目標金額を17万5000円上回る317万5000円が集まった。この日は雨が降る中、会のメンバーや支援者ら約30人が集まり、プロジェクトを請け負った建築家らの話に耳を傾けた。 「売りに出されていた古民家を、会の活動拠点に利用できないかと考えたのがプロジェクトの始まりだった」と、プロジェクトリーダーで同会顧問の佐々木哲美さん(70)が振り返る。同会は1989年の発足以来、宍塚大池と周囲に広がる約100ヘクタールの里山を保全するために、野鳥観察や田んぼ・畑作業などを通じて県内外から人を呼び込み幅広い活動をしてきた。 家屋は長年放置され雨が漏り、基礎は腐食し傾いていた。再生事業を担ったのは、土浦市在住の建築士、児玉理文さん(32)。プロジェクトへの支援を求める会の活動を知ったのがきっかけだった。児玉さんは学生時代、京都の宮大工に技術を学び、現在は県内の設計事務所で古民家再生に携わる。「『百年亭』を残すことは、里山を残すという会の趣旨と合致する」と考えた。プロジェクトには、児玉さんの学生時代からの友人で建築士の久保順司さん(31)と潤井駿司さん(32)が協力し、改修工事は、行方市で工務店を営む宮内久志さん(53)が請け負った。 児玉さんらが大切にしたのは、元の姿を尊重しつつ新しい技術を入れること。古民家の歴史的価値の保存だけでなく、実用性を重視した。欄間や付け書院などがある和室と縁側は、建設当時の姿に再生することを目指した。台所周辺の水回りは一新し、作業の後に汗を流せるようシャワーとトイレを新設して利便性を意識した。キッチンカウンターと床板には、隣接する里山からナラの木を切り出して使用した。児玉さんは「里山は人の暮らしと共にある。家屋も里山から切り出した木材を利用したと考えられる」と言い、その伝統を現代に応用した。壁下の地中には鉄筋コンクリートの基礎を設けて耐震性を確保した。 「歴史を掘り起こし、読み解きながらじっくり時間をかけて仕事に向き合ったことは、今後につながる大切な経験」と、1年に及んだ仕事を児玉さんは振り返る。また児玉さんからの依頼で建築を請け負った宮内さんは「若い人たちが本当によく勉強していて、私も勉強になった」と笑みを浮かべた。 プロジェクトリーダーの佐々木さんは「丁寧な仕事に感謝している。私たちも彼らの思いを後押しできよかった」と話し、「文化事業に価値を見出し、さまざまな人が力を合わせられたことが一番の成果。みんなで実現させたプロジェクトを、里山全体の保全につなげたい」と期待を述べた。 141年前に建築と判明 解体した玄関から木片が見つかり、「明治十四年 六月 佐野子 伊助作」の文字が墨で書かれていた。同会の森本代表(66)は「この家屋が建てられた年と、手がけた大工の名前。この家が、141年前に建てられたことがわかる」と言い、「この古民家が里山のほとりにあることに意味がある。若い人たちにも、里山がある暮らしを知ってもらうための拠点になればと考えている」と話し、「これまでにも、大学生などがボランティアに来てくれていたが、着替えをしたり、汗を流したりする場所がなかった。これからは、合宿、勉強会などに活用してもらうことで、環境保全の活動に取り組む若者の育成に繋げていきたい」と思いを語った。(柴田大輔)
「平熱日記 in 千曲」後記その1《続・平熱日記》133
2023年5月7日
【コラム・斉藤裕之】さて、80余点の作品を無事にかけ終わり、「平熱日記 in 千曲」は小雨の中、初日を迎えた。ギャラリーと接する母屋のリビングにはいつの間にかお手伝いの方々が集まり始め、にぎやかに準備が進んでいく。今まで経験したことのない、こうなるともはやギャラリーのオープニングというより、親戚一同が集まった何かの慶事のようだ。 そうこうするうちに、アーティストトークの時間となった。見ての通り、特に何を説明する必要もない作品だと思うのだけれど、オーナーのかおりさんの提案で簡単な実演をすることになっていた。 持参した筆や絵具を使ってイリコを描く。光の具合や机の高さなど、いつもとは違う条件の上、周りを多くの人が囲んでいるのでやりにくかったけれども、漆喰(しっくい)に金網を塗る様子も見てもらって、イリコを描いてみた。それから、かおりさんの質問に答えながら作品にまつわる話などをした。 近隣の方々、東京から来てくれた姪(めい)夫婦、かつての教え子。ファンとおっしゃる方は富山から、なんと茨城からもいらしてくれた方もいて…。実に久しぶりに打ち上げなんていう経験もして、にぎやかな初日を終えた。 次の日、人のいないギャラリーに座る。壁に展示された絵はすでに私には何ともしがたいものとなってしまっていて、壁の絵に見られているような気になる。やがて扉を開けてお客さんが入ってきた。そして一つの絵を見つけて話を始める。 私は、その人が私の絵について全てお見通しのような気がするので、聞かれることに子供のように素直に答えることしかできない。ただ、多くの方から「とても小さな絵なのに大きな広がりを感じる」という感想をいただいてうれしかった。私としても小さな絵を描いているつもりはなくて、描いている絵が小さいだけなのだ。 運転と演歌のリズムは相性がいい 3日目、金髪の次女とネールアーティストの友人、チエピーがわざわざ新幹線でやってきてくれた。寒の戻りでダウンジャケットを着た外国人観光客が目立つ中、まずは善光寺にお参り。先日無事に戻られた「賓頭盧(びんずる)様」のお体も触ることができた。ちなみに、チエピーのカラフルな付け爪は鉛筆のキャップほどの長さがあって、先が鋭くとがっている。賓頭盧様もその爪にはさぞかし驚かれたはず。 せっかくなので、信州そばを食べてからギャラリーに向かう。子供のころから絵を習っていたチエピーはとても熱心に作品を見てくれた。 さて、暗くなる前に2人を乗せて高速で茨城まで帰らなければならない。チエピーは運転する私を気遣ってか、ブルートゥースで音楽を流してくれた。その選曲が「心の旅」、「神田川」から始まって、「帰ってきた酔っ払い」、山崎ハコの「織江の唄」、「木綿のハンカチーフ」…。 お父さんがよく聞いていたという、なんとも渋すぎる選曲だが、私には中学の修学旅行や上京したころなど、その当時の光景が懐かしく思い出されて、眠気をみじんも感じない快適なドライブとなった。 余談だが、長距離トラックの運ちゃんが八代亜紀やサブちゃんファンだという理由が何となく分かった。車の1人旅にはしゃれた音楽よりも演歌が合う。ハンドルと演歌のリズムは実に相性がいい。眠くもならないし長いトンネルも一曲唸(うな)ればあっという間だ。(画家) ➡斉藤裕之さんの過去のコラムはこちら
草刈りの休憩に草刈り《続・気軽にSOS》132
2023年5月6日
【コラム・浅井和幸】つまるところ疲労とは、作業、行為の継続です。重労働や難しいことを考えると疲れると捉えられがちですが、違います。ゴールデンウイーク中に車の運転を長時間すると、目も疲れますし、腰や膝が痛くなりますよね。これは、同じ距離を見続けるとか、同じ姿勢を取り続けることで疲れるのです。 寝過ぎても腰が痛くなったり、褥瘡(じょくそう)が出来たりします。なので、寝返りをうてない方の解除をヘルパーさんがする必要があります。これと同じように、嫌なことを考え続けても疲れます。 何もせずに横になっていようが、リラックスできる椅子に座っていようが、嫌な仕事を続けたり、嫌な人のことを考え続けると疲れがたまります。そんなときは、ゆっくり寝ているよりも、嫌な考えを無理やりなくそうとはせずに放っておきます。そして、凝った料理を作るとか、掃除をするとか、おしゃべりをするとか、おいしいスイーツを味わうとか、別のことをするとよいでしょう。 また、嫌なことを考え続けても、疲れて飽きたり眠くなったりして、止まりやすいですが、好きなことややりがいのある事は続けられてしまいます。これは、疲れを感じることに対する感度が鈍くなって、余計に疲れがたまってしまう「マスキング効果」といって、危険なことにつながることがあります。 好きなゲームをしていたら、食事やトイレも忘れていたという経験をしたことはないでしょうか。嫌な仕事や勉強を続けるとよくないことは理解しやすいですが、好きであったりやりがいがあったりして疲労がたまり、それに気づかず心の病に至ることもありますし、最悪のケースに至ることもある事実は見落とされがちです。 ヘンテコな踊り、結構おすすめ じゃあ、疲れを取るには何をすればよいのかとなります。旅行に行けばよいのか?(実は旅行は疲れるので疲労回復には向かないという部分もあります)人生を一変するようなすべてを打ち込めるような素晴らしい趣味を持てばよいのか?(そんなことが出来るはずがないだろうと言われます) いえいえ、気分転換、神経や筋肉の疲労回復は、今とは別のことをすれば何をしてもよいです。近くばかり見ているのであれば遠くを見て、一点を見ているのであれば周りを見回し、腕立て伏せで疲れたのであれば走ればよいのです。 私は小さな畑を借りているのですが、草刈りが結構大変なんです。柄のついた大きめの道具で草刈りをしていると、息が切れて腰が痛くなってきます。そこで、しゃがんで手で小さな雑草を抜きます。今度は膝が痛くなってくるので、また柄のついた道具を使って…。 そう、草刈りの休憩で草刈りをするのです。それで疲れたら、木陰で空を見上げて、ゆっくりと呼吸をします。 最近、深呼吸をしたり、空を見上げたりしていないであれば、してみてください。それだけで、ほんの少しの休息になります。あと、ヘンテコな踊りを踊ってもよいですよ。ヘンテコな踊り、結構おすすめです。(精神保健福祉士)
常総、タイブレーク制し2年ぶりV 春季高校野球
2023年5月5日
第75回春季関東地区高校野球茨城県大会は5日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で決勝が行われ、常総学院が延長10回タイブレークの末に5対3で土浦日大を破って、2年ぶりの優勝を決めた。 決勝は土浦市勢同士の対戦。常総学院が9回二死から追いつき、延長の10回タイブレークを制し、逆転勝利を果たした。 先手を取ったのは土浦日大。1回2死三塁から松田陽斗の左前打で先制。さらに2連打で満塁にし、投手の牽制悪送球で1点を追加した。 日大の先発、藤本士生は初回に2安打を許したものの、その後は6回まで2四球無安打の好投。対する常総学院は2回から2番手の飯塚遥己がマウンドに上がり、6回まで2四球2安打でまとめた。 7回の常総は先頭打者の武田勇哉が初球を左中間スタンドへ運び、日大の2番手、小森勇凛をマウンドへ引きずり出した。また常総もこの回から諸星蒼空を登板させ、以後は両エースの投げ合いとなった。 常総は9回2死二塁で一ゴロとなったが、ベースカバーの呼吸が合わず、その間に走者・立野翔聖が本塁を陥れ、ついに追いついた。 大会規定で延長10回からタイブレークに突入。表の常総はバント攻撃の後、若林の中前への適時打で1点を勝ち越す。「速いストレートに詰まったが、いいところへ落とすことができた」との談話。さらに1死満塁から石井恭悟が左前へ2点適時打を放ち、突き放した。その裏、日大は重盗でチャンスを広げ、代打・飯田将生の犠牲フライで1点を挙げるものの、その先へつなげることはできなかった。 日大の小菅勲監督は「接戦は予想していた。投手陣が粘り強く投げてくれていい野球ができた。打線があと1、2点奮起してくれれば。夏に向けてどんな投手にも対応できるようにしていきたい」と敗因を語った。 島田監督「甲子園で勝てるチームになる」 常総の島田直也監督は「最後まであきらめなかったことが良かった。失点しても追加点を与えず、勝ち切れたことは自信になる。もう少し細かいミスやボールの見極めなどをしっかりできれば、甲子園で勝てるチームになる」と選手を讃えた。また澤田主将は「序盤から相手投手に球数を投げさせ、見えない努力が結果に表れた。前半は打たされたが10回の攻撃では割り切って、みんなで低い打球を打つことができた」と打撃陣の取り組みを語った。 両校は20日から神奈川県で開催される関東大会に出場する。常総の初戦は20日午後2時30分から関東一高(東京2位)と、日大は21日10時から健大高崎(群馬1位)と、それぞれ対戦する。会場はともに横須賀市の横須賀スタジアム。(池田充雄)
つくば生きもの緑地から始める30by30 国立環境研「自然共生サイト」に名乗り
2023年5月3日
新緑の候、4日はみどりの日。キンランの花咲く所内の保全区域を足場に、国立環境研究所(つくば市小野川)が「自然共生サイト」を地域に広げる取り組みに乗り出している。 同研究所は所内の植生保全優先区域のうち5.1ヘクタールを「つくば生きもの緑地」と名付け4月、国の認定制度がスタートした「自然共生サイト」に申請した。同サイトは、民間が主体となって生物多様性の保全が図られている区域を国が個別認定する。国際的な目標30by30(サーティ・バイ・サーティ、※メモ参照)に基づく取り組みだ。 国は今年度中に100カ所以上の認定を目指している。国立・国定公園などを除く企業の森、ナショナルトラスト、自然観察の森、社寺林などが対象。認定には生物多様性の価値(絶滅危惧種の生息、渡り鳥の飛来地、環境教育の実践など)に加え、普段の管理や維持が適正に行われていることが基準になる。 研究所のサイトについて生物多様性領域、石濱史子主任研究員は、伐採・除草はあまりせず、適宜手を入れる管理法で、適度に明るさを保つ林を維持してきたという。木漏れ日のさす林では今の時期、環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類に掲載のキンランが育つほか、ジュウニヒトエ、ツリガネニンジン、ワレモコウなどの植物を見ることができる。所内では、ノウサギ、ニホンアカガエルなどの生育も確認されている。 筑波研究学園都市の建設初期に立地した研究機関は、敷地の30%以上を緑地として保全した経緯があり、同研究所にも在来の植生を生かした林や原野が残ることになった。その後も、コナラを主とした在来種からなる落葉広葉樹林の育成と区域の特性に合わせた頻度での草刈りなど、絶滅危惧種を含む草地性の動植物種の個体群維持を図っているという。 今回が初認定となる「自然共生サイト」への申請は5月8日に締め切られ、審査して8月ごろ認定される見込み。市域からは、つくばこどもの森保育園(同市沼崎)も申請している。 緑地ネットワークも再始動 研究所は「自然共生サイト」を地域に広げる取り組みにも乗り出している。2019年にスタートしたものの、コロナ禍から休止していた「つくば生きもの緑地ネットワーク」の活動をこの春から再開させた。農研機構や防災科研に改めて参加を呼び掛けており、相互の緑地見学会や交流セミナーなどを開催、生物分布に関する情報共有を行いたいとしている。 また同市では生物多様性つくば戦略(仮称)の策定を進めており、石濱主任研究員は策定懇話会に委員として参画している。第3次つくば市環境基本計画の重要施策のひとつで24年度の策定をめざしており、30by30の目標に歩調を合わせる。さらに機会をとらえて「自然共生サイト」の趣旨に沿った情報、知識の発信をしていく構えだ。(相澤冬樹) ※メモ 30by30(サーティ・バイ・サーティ)2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させるゴールに向け、海域を含む国土の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする国際目標。2018年のCOP14での採択などに基づく。環境省はオールジャパンで目標を達成するためのプラットフォーム「生物多様性のための30by30アライアンス」を立ち上げた。
絶版書を翻訳する《ことばのおはなし》57
2023年5月3日
【コラム・山口絹記】読書家にとって、「絶版」というのは目にしたくもない、恐ろしいことばだ。手放した本が後に絶版となり、電子化もされずにもう手に入らない、なんてことは決して珍しいことではない。だからこそ、一度手にした本を手放せない方も多いはず。私もそんなひとりだ。 手放せないのはもちろんだが、すでに絶版になってしまった海外文学を、自分のためだけに翻訳して楽しむ。というのが、私のひそかな楽しみでもある。 以前こんなことがあった。 母が小さい頃に読んだ児童書を翻訳してほしいと言うのだ。どういうことかというと、その児童書は海外文学を翻訳したものだったのだが、あとがきに『こみいって、わかりにくい部分をすこしはぶきました』という旨が書かれており、とても悔しい思いをした、ということらしい。もっともな感想だ。 しかし、実はこういったこと(翻訳者のさじ加減で作品の一部が翻訳されない)は珍しくない。半世紀ほど前に書かれた書籍で、今となっては原書も翻訳版も絶版。作者も挿絵も翻訳作家も、それなりに有名な方々なのだが、こういったこともまた、決して珍しくない。 結局、私がヨーロッパから原書を取り寄せ、すべて翻訳し、母にプレゼントした。半世紀ぶりの謎が解けたようで、喜んでもらえた。翻訳しながら、私自身が内容に心を動かされたこともあり、当時6歳の娘に読み聞かせたところ、娘もとても気に入った様子だった。 とりあえず簡単に印刷したものを自宅に放置していたのだが、いかんせん大人用に翻訳したものなので、今では小学生になった娘でも読むのが難しい。 児童文学の文章経験はゼロだった そこで考えたのだ。児童文学なのだから、児童文学風の文章に書きかえたらどうだろうと。なんとなく、簡単なことに思えたのだ。着手するまでは。 とんでもなかった。まったくもって歯が立たない。こうなってみて初めて、私は意識して児童文学のような文章を書いたこともなければ、そういった意識で児童文学を読んでこなかったことに気がついたのだ。 今までどれだけの児童書を読み、どれだけの文章を書いてきたかわからないが、つまるところ、意識して書かなければ何も身につかない。私の児童文学的文章に関する経験値はゼロだったのである。 無知を嘆いても仕方がない。時間の無駄である。ということで、自分の中で名作と思う児童文学をピックアップし、文章の作り方を真似(まね)しながら書き直し始めた。 次回の連載までに制作が完了するかわからないが、現在進行形で苦しんでいる翻訳、というものについて、次回は書いてみようと思う。(言語研究者)
消防団40カ所に誤った金額を送金 つくば市
2023年5月2日
つくば市は2日、市消防団員964人分の2022年度年額報酬の後期分総額約2009万円を、支団や分団など計59カ所に振り込んだところ、40カ所に対し誤った金額を送金していたと発表した。誤った金額は総額で約1502万円分という。 同市の消防団員の年額報酬は、階級に応じて1人当たり年間3万7000円から13万円が支給され、半年ごとに2回に分けて、市消防本部から各支部や分団などに送金される。 市消防本部地域消防課によると、22年度の後期分(22年10月~23年3月分)を4月28日、市消防本部が59カ所に送金したところ、年額報酬の集計表と、振込集計表の2つの表にずれがあり、ずれに気付かず、誤った金額を送金してしまった。 2日夕方、市内の分団長から送金金額が違うなどの指摘があり、誤送金が判明した。 同日、市消防本部は40カ所の支団長、分団長に電話で謝罪した。今後の対応については連休明けに、各支団や分団に改めて連絡するという。 再発防止策として同課は「今後、振込先と金額に誤りがないか、複数の職員で確認し再発防止を徹底します」としている。
ファンの支援受け再起動 石岡・ギター文化館
2023年5月2日
コロナ禍で演奏会が開けず昨年、存続の危機に直面したクラシックギターの殿堂「ギター文化館」(石岡市柴間、池田由利子館長)が、全国のギターファンの支援を受けて再起に向け歩み始めた。 4日にはギターのフリーマーケット初開催 今年からは、コロナ前も開催してきた演奏会や貸しホール、音楽教室に加えて新たに、同館が所蔵する貴重なギターの館内貸し出し、演奏会の動画配信などに取り組み始めた。4日には出店者を募って、自宅に眠っている思い出の中古ギターやお宝ギターを販売してもらうフリーマーケットを初めて開催する。専属ギタリストを地域イベントに派遣する回数も増やし地域全体の音楽文化の振興にも力を入れる。 2020年から演奏会が相次いで中止となり、21年末、運営母体の東京労音(事務局・東京都新宿区)から、30周年を迎える22年11月以降は運営費の補助が難しいと通告を受けた。存続を賭け、昨年4月と5月、年間運営費の700万円を目標にクラウドファウンディングを実施した(22年5月2日付)。 全国各地のギターファンなど445人から計745万円が集まり、400人を超えるファンから「大切な施設」「存続させてほしい」などのメッセージが寄せられた。池田館長(62)は「こんなにも愛されていることを改めて感じ、感銘を受け、運営する東京労音が、何とか維持し運営を続ける方向にかじを切ってくれた」と振り返る。 昨年6月からは、中小企業の無料経営相談所「県よろず支援拠点」(水戸市)で10回近くオンラインで相談に乗ってもらいながら、昨年末、経営改善企画書を練り上げ、新規事業を一つずつスタートさせている。 感染防止の行動制限が大幅に緩和された今年度は、館主催の公演を復活させ、新たに石岡駅から往復の送迎バスを運行する。貸しホールのイベントはコロナ前より増える見通しで、8月には首都圏のギター愛好者団体が、石岡市内に宿泊しながら1日中、同館でギターの練習をする2泊3日のギター合宿を開催したり、9月開催の館主催のギターコンクールの翌日、過去の優勝者らが自ら出演料を払って演奏するなどのイベントが企画されている。 池田館長は「危機を知ったファンが、ギター文化館に少しでもお金を落とそうと応援してくれているのだと思う」と感謝の意を現す。 経費節減にも取り組む。これまで開館時間はいつでもホールや所蔵ギターの見学ができ、常時、全館で冷暖房を使用していたが、館内を見学できる日を制限し、光熱費を節約する。 一方、新規事業を加えても年間運営費の700万円の収入には届かないことから、来年度以降もさらに、中古ギターのシェアリングサービスや受託販売、周囲の景観も含めた音楽イベント以外の結婚式や芝居、撮影などでの施設貸し出し、所蔵するアナログレコードや楽譜などの活用にも取り組む計画だ。 池田館長は「ギターの聖地というイメージを大切にしながらさらに魅力あふれるブランドを構築し音楽文化の発信地を目指したい」と意気込みを語る。 同館は1992年、八郷地区の自然豊かな小高い丘の上に開館した。スペインのフラメンコギターの巨匠、マヌエル・カーノが収集した貴重なギター18本を収蔵し、ギターを響かせるために特別に設計されたドーム型のホールがある。 ◆ギター文化館(石岡市柴間431-35)第1回ギターのフリーマーケットは4日(木・祝)午前10時~午後3時。7組が出店し30本以上のギターなどが展示・販売される。入館料500円(税込み)。詳しくは同館ホームページ。問い合わせは電話0299-46-2457(同館)。
「チャットGPT」の登場と新聞業界 《雑記録》47
2023年5月2日
【コラム・瀧田薫】新聞報道によると、囲碁7大タイトルの1つ「本因坊戦」が、主催する毎日新聞によって大幅縮小される(朝日新聞4月17日付)。本因坊への挑戦権を争う8人総当たりリーグ戦が廃止され、タイトル料はこれまでの3分の1以下に大幅減額となるという。 毎日は「伝統ある本因坊戦をなんとか維持するための苦渋の選択だ」としているが、確かにそう言わしめるだけの事情はある。レジャー白書によれば、日本の囲碁人口は1980年代には約1000万人だったが、2021年には150万人まで落ち込んでいる。 また、日本の新聞の総発行部数も2000年に5300万部あったものが、2022年には3084万部(日本新聞協会公表)まで減少している。新聞社の経営陣にしてみれば、囲碁人口数も発行部数も背筋が寒くなるようなデータであり、これでは「背に腹は…」の心境にもなるだろう。 ところで、新聞業界は今、さらなる試練に直面している。対話型AI(人工知能)「チャットGPT」(以下GP)の出現である。GPは高度な言語処理能力を持つ「大規模言語モデル(LLM)」に大量のデータを学習させ、人間と見分けがつかないぐらいスムーズな文章を作る。 すでに、紙媒体としての新聞は、ネット環境の爆発的発展によって追い込まれ、さらに膨大なフェイクニュースに追い討ちをかけられている。その上、得体(えたい)の知れないGPの登場である。これへの対応をあやまると、新聞社の存続自体が危うくなる。それどころか、人類の生存さえ危ぶむAI専門家まで出てきている。ただ事ではない。 言語活動や創作活動の一部を補完 東京大学副学長の太田邦文氏が、GPに向き合う方法について、東大のウェブサイト「ユーテレコン」に見解を載せている。以下、その要点(抜粋・筆者)をまとめてみた。 「GPは検索ではなく、相談するためのシステムである。書かれている内容の信憑(しんぴょう)性には警戒が必要であり、個人情報などをGPに送るのは危険だ。将来、著作権や文書を用いた試験・評価に問題が発生する可能性がある。社会に対する悪い影響もあり得る。東大の学生や教職員に対して、今後、GPについて逐次情報を伝え、かつ議論の場を設ける。学内外の対話を通じて、GPを有効な道具としつつ、より良い世界の構築に貢献していこう」 太田氏の見解の肝心な点は「GPを平和的かつ上手に制御して利用すれば、人類の言語活動や知的創作活動の一部を補完し、私たちのwell-being(ウェルビーイング)向上に大きく寄与するだろう」と述べていて、GPに対して警戒しながらも、基本的には楽観していることだ。 この認識が正しいかどうか、現時点ではなんとも言えない。幸い、すでに多種多様な領域の専門家がGPについて検証を開始している。筆者が望むのは、新聞業界が一丸となってこの検証の先頭に立ち、まとめ役を果たすことだ。それが出来るか出来ないか、まさに「新聞の存在意義」が問われるプロジェクトとなるだろう。(茨城キリスト教大学名誉教授)
「土浦方面・土浦駅接続」で意見を募集 TX延伸で茨城県
2023年5月1日
つくばエクスプレス(TX)県内延伸について、茨城県のTX県内延伸第三者委員会が3月31日、延伸先は土浦方面が最善だとする提言書を大井川和彦知事に提出した(3月31日付)のを受けて、県は1日、延伸先を「土浦方面とし、JR常磐線と接続する駅は土浦駅として、県内延伸構想の具体化に向けた検討を進めていく」とする県の方針案をまとめ、同日からパブリックコメント(意見募集)を開始した。30日まで広く県民の意見を募集し、6月下旬ごろ県の方針を決定する。 土浦駅に延伸する場合、約1400億円の事業費がかかり、つくば駅-土浦駅間(8.4キロ)の1日当たりの乗車人数は約8600人で、建設コストを除き年間3億円の赤字が出ると予測され、第三者委から、需要の呼び起こしや事業スキームのさらなる検討が課題だと指摘されたことなどから、県方針案は今後の進め方について①関係機関との調整に向けて県としての素案を策定する②国の交通政策審議会答申での位置づけを目指す③事業主体となる鉄道事業者と共同して延伸事業の許可取得を目指すーの3段階に分けて進めていくとした。 第1段階の素案策定時期について県交通政策課は、2025年度に県の総合計画が改定されることから、改定に間に合うよう国やTX沿線都県、延伸市の土浦、つくば市などと調整を進め、素案策定を目指すとし、その後、第2段階として、国の審議会答申で位置付けられることを目指すとしている。 ほかに意見募集では新たに、年間運営費として経費や人件費に計22億円かかる一方、運賃収入などは19億円にとどまるなど年間3億円の赤字になる根拠となる数字や、1以上が望ましいとされる費用便益比が0.6にとどまるとされた算出データについて、30年間の合計を現在の価値で評価すると、総費用が718億円なのに対し、時間短縮や費用節減、混雑緩和、環境改善などの便益は415億円にとどまるなどのデータも公表されている。 ◆パブリックコメントの詳細は県交通政策課のホームページへ。方針案に対する意見は郵送、ファクス、電子メールなどで提出することができる。
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