月曜日, 4月 6, 2026

県教育長「既存校の志願者増やすこと優先」 つくば市の県立高校問題

県議会一般質問で答弁 県議会第1回定例会本会議が4日開かれ、星田弘司議員(いばらき自民党)が、つくば市に県立高校が少ない問題について一般質問した。答弁に立った小泉元伸県教育長は「既存の県立高校の魅力化を図り、志願者を確保することを優先したい」と答弁するにとどまった。県議会でつくば市の県立高校問題が取り上げられたのは初めて。 星田県議は、つくば市内の小中学生数は県内1位であるにもかかわらず、改編や統廃合などにより進学先となる市内県立高校が少なくなっていること、同市周辺でも募集枠減少が進められていることなどをあげ、生徒が安心して望んだ進学先を確保できるよう教育環境を整える必要があると主張。そのための対応について県教育長にただした。 小泉教育長は、2023年度につくば工科高校をサイエンス専科高校に改編するのに伴い2学級増やすなど、エリアの実情に応じて柔軟に対応していると答弁した。さらに、市内や隣接する全日制県立高校では欠員や定員割れが生じていることをあげ、既存校の志願者を確保することを優先したいとした。 既存校の魅力化を図る具体策としては、1人1台のタブレット端末やパソコン、電子黒板などを導入し、個別最適化学習を展開するICT(情報通信技術)の活用などをあげた。 傍聴に訪れた市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」の片岡英明代表(71)は、県議会でこの問題が取り上げられたのは今回が初めてで、大きな前進だとし、答弁の中で、「来春から2030年にかけて県全体の中学卒業数が大幅に減少すると推計される中、つくばエリア(つくば市、つくばみらい市、守谷市、常総市)では約800人が増加する見込み」だと語られた部分をあげ、「(県立高校の適正規模や適正配置計画について示す)県立高校改革プランからしても、クラス増の必要性は十分認められたのではないか」と話した。 つくば市の県立高校の課題については、8日にも山中たい子県議(共産)が一般質問する。 つくば市に県立高校が少ない問題をめぐっては、考える会が昨年9月、つくば市議会に、県立高校を市内に早急に新設し、進学環境の充実を求める請願を出し、全会一致で採択された。採択を受けて市議会は昨年10月、知事と県教育長に県立高校新設などを求める意見書を提出している(花島実枝子)。

あなたは必ずだまされる! つくばエキスポセンターで「錯視の世界」展

「錯視(さくし)」は見たものが事実とはちがうように見えてしまう目の錯覚で、同じ大きさの図形が違う大きさに見えたり、同じ色がちがう色に見えたりする。この錯視の科学を紹介する企画展「錯視の世界ーあなたは今度もかならずだまされる!」が、つくばエキスポセンター(つくば市吾妻)で5日から始まった。5月8日まで。 展示されるのは錯視研究者の杉原康吉さん、北岡明佳さん、山口康さんの作品、合計56点。模様によって形がゆがんで見える「高さ反転立体」、直接見るのと鏡で見るのとで全く異なって見える「変身立体」など、錯視の様々なテクニックを楽しむことができる。 2013年にレディ・ガガが発表したアルバム「アートポップ」のCDのインサイドデザインに使用された作品「ガンガゼ」も展示されていて、静止画なのにウニのトゲが動いているように見える。ベスト錯覚コンテスト世界大会受賞作品も6点展示されている。 展示室の外の廊下には大きな作品が展示されていて、見応えがある。またエントランスには、オブジェの中に自分が入って、両側にある鏡に見える像の違いを体験できるコーナーがある。展示作品の解説パネルの漢字にはルビがふってあり、子供でも読みやすい。 企画を担当したエキスポセンター運営部の松岡安希子さんは、「錯視は目から入った信号を脳で処理する過程で起こる現象なので、見え方に個人差がある。子供と大人とでも見え方が異なる場合があるので、親子でどう見えるか話すのも楽しいと思う。大人の方も『そんなことはない』と分かっているのにだまされてしまうのを楽しんで下さい」と話す。 新型コロナ感染拡大防止のため入場制限を行う場合があるので、来館前に最新情報をウエブサイトで確認してほしいとのこと。入館料のみで企画展も見ることができる(如月啓)。 ◆企画展「錯視の世界」は3月5日(土)~5月8日(日)。開館時間は午前9時50分~午後5時。入館料は大人500円、4歳から高校生250円。休館日などの問い合わせは電話029-858-1100(つくばエキスポセンター)。

答えは急がなくていい《続・気軽にSOS》104

【コラム・浅井和幸】ある引きこもり状態の青年がいました。母親との関係も悪く、外出をすることはほとんどなく、人との接触はほぼない状況でした。しかし、祖母の介護をしているし、話をしていると気遣いもあり、周りの悪口を言わない、元運動部で健康な様子です。 元気で若いのだから、ぜいたくを言わず働いて、お母さんを助けたらよい―。この状態の青年に、そうアドバイスをするのは簡単でしょう。 今、その青年は実家から仕事に通い、家にもお金を入れ、お母さんの助けになるように生活をしています。だからと言って、最初に会ったときに、そのようなアドバイスをすることがよいことでしょうか。私はそうは思いません。むしろ逆効果になると考えています。 生活習慣は簡単に変えられない 人はそう簡単に生活習慣を変えることはできません。頭でわかっているからと言って、それを行動に移すには時間が必要です。うまくいかないことが続き、なかなか前を向けないときは、ちょっとした喜びを感じるような「伴奏」が必要になるものです。 その青年は最初、私が訪問をしてささいな話をし、その後、親元を離れてシェハウスで暮らようになりました。今までとは違うけれど、何気ない生活をし、たまたま生死も危ぶまれるような体験をし、見ず知らずの人に助けられ、いろいろと考え悩み、苦労をして親元に帰って、仕事を見つけたのです。 仕事の面接に受かって、もう出社するだけというときにトラブルがあり、就職は見送ることになったという体験もしました。その間の良かったことも悪かったことも含めて、かかった時間も含めて、すべてが必要だったのだと思います。薄っぺらな正論のアドバイスは、その前では霞むような、軽い正義感でしかないのです。 その母子の様々なことを取材して書かれた記事が「サイゾーウーマン」に掲載されています。ぜひ、下のリンク先の記事を読んでみてください。(精神保健福祉士) ▽ずっと良い子だった優秀な息子が―「大量のごみが散乱する真っ暗な部屋」で見た、信じられない光景 https://www.cyzowoman.com/2021/04/post_335365_1.html ▽大学生の息子がゲーム依存症でひきこもり!「ネット依存外来」に通院も打つ手なし…母が助けを求めた先は? https://www.cyzowoman.com/2021/04/post_335366_1.html

つくば市、スーパーシティ特区に指定へ 内閣府専門調査会が原案了承

つくば市は4日、同日開かれた内閣府の第3回スーパーシティ国家戦略特区専門調査会で、同市をスーパーシティ国家戦略特区に指定する原案が了承されたと発表した。今後さらに国家戦略特区諮問会議で原案が審議され、認められれば閣議決定でスーパーシティ特区に指定される。ほかに大阪市が原案了承された。 スーパーシティ特区の指定に向け内閣府は2020年12月に公募を開始。21年4月までにつくば市を含め31自治体から指定に向けた提案があった。しかし指定された自治体はなく、専門調査会は昨年8月、31すべての自治体に対し、さらに規制改革を進めて再提案するよう求めた。 昨年10月までに、つくば市など28自治体がさらなる規制改革などを再提案し、第3回専門調査会でつくばと大阪の指定が原案了承された。 10月のつくば市の再提案は、マイナンバーを活用した健康関連データの情報連携、転院搬送にかかる救急隊編成の見直し、外国人起業家の創業活動期間の延長と外国人研究者の資格外活動許可の撤廃など。 4月に提案した、住宅地におけるドローン飛行の制限撤廃など8事業は、現行法でも実施できるなどの意見が付いたことから提案書から取り下げた。 10月提案では新たに、外国人起業家がつくばで起業しようとする場合、特区による規制緩和により就労ビザを取るための期間を6カ月間から1年間に延長する事業や、国立大学法人が土地を貸し付ける場合、文科相の認可を取らなくても首相の特区認可をとれば貸し付けができるようにする特例、先端サービスを支える先進的商品サービスと随意契約できる特例など3件を追加した。 つくば市内で事業を実施する区域は、高齢者が多い小田地区と宝陽台地区、学生や外国人が多い筑波大周辺地区、子育て世代が多いつくば駅周辺地区の4地区。 今後、スーパーシティ特区に指定されれば、区域会議を立ち上げ、住民合意をとりながら、どのような事業を実施し、どのような規制改革を進めるかなどの区域計画を策定する。 4日の原案了承について五十嵐立青市長は「つくばスーパーサイエンスシティ構想が先進的かつ革新的であり、この構想を実現できるという実行力が期待されたと光栄に思っている。今後、諮問会議の審議が控えているので、お認め頂けるよう引き続き努力して参ります」などとするコメントを発表した。 スーパーシティは、AI(人工知能)やビッグデータなど先端技術を活用し、複数の分野でデータを共有して、行政手続き、移動、医療、教育などさまざまなの分野で暮らしの利便性を向上させる未来型の都市づくり。 【10日追加】つくば市は10日、内閣府の国家戦略特区諮問会議(議長・岸田文雄首相)が同日開かれ、同市をスーパーシティ特区に指定することを決定したと発表した。

つくば市役所と近隣駅に爆破予告

つくば市は4日、市役所などに爆破予告があったと発表した。同市役所と近隣駅を7日午後4時33分前後に爆破するなどの内容。 市は4日の閉庁後から7日まで、警察と協力し、庁舎などの点検や不審物の捜査を実施するとしている。 市役所は土日の休日窓口のほか、7日も通常通り開庁し、安全対策を徹底した上で業務を行う。 市危機管理課によると、爆破予告は3日午前2時49分、市役所ホームページの問い合わせフォームから危機管理課に送られてきた。送信者は不明という。市は同日午前、つくば警察署に連絡した。 爆破予告は全国で相次いでおり、2020年8月にも同市役所への爆破予告があった。 【7日追加】市は7日午後7時30分ごろ、予告された時間を過ぎても異常がないことを確認したと発表した。

筑波学院大生、筑波ハムのヨーグルトラベルをデザイン

食肉加工会社、筑波ハム(つくば市下平塚)が、自社が販売するヨーグルトのラベルデザインを一新する。新デザインを担ったのは、筑波学院大4年の下村月乃さん(22)だ。専攻するビジネスデザイン学科での卒業制作作品が、採用された。 曲線と色で「つくば」らしさを表現 筑波山を表す二つの起伏と、ヨーグルトをイメージする滑らかな波—。下村さんは、つくばの研究者との共同研究で生まれたヨーグルトを、3本の曲線と豊かなグラデーションカラーで表現した。自然と都市が同居する「つくば」らしさを打ちだし、商品の手に取りやすさと、ささやかな特別感を併せ持つイメージを形にした。 大学のサポートを受け地域企業と協働する「実践活動」の授業をきっかけに、筑波ハムと関わりのあった母親とのつながりから企画が始まった。当初は企業パンフレット制作を想定したが、ヨーグルトラベルの一新を検討していた筑波ハムから、ラベルデザインを持ちかけられた。 ハムやベーコン、ソーセージなどを手がける筑波ハムでは、元農林水産省畜産試験場第一研究室の吉野正純博士との共同開発で生まれた乳酸菌を使用する乳製品を、吉野博士にちなむ「ナチュラル吉野」というブランド名で製造・販売している。 下村さんは、ラベル制作の過程で製造、営業など、企業内の多様な立場の人と意見を交わし、細部調整を繰り返した。その過程を「とても大変だった」と話しつつ、「立場による見方の違いを知り勉強になった」と振り返る。実際に店頭に並ぶ商品を見ると「本当に並んじゃった。よかった」と安堵し、「完成にこぎ着けられ自信になった」と喜んだ。 筑波ハム乳製部の岩本俊典さんは、下村さんのデザインを「試案からこちらの想像を超えるものでした」とし、「完成品に大変満足しているし、お客さんの反応もとてもいい」と笑みを浮かべる。 駆け抜けた学生生活 中学時代から、コンピューターゲームを自作し、小説を書くなど創作活動に打ち込んできた下村さんは、筑波学院大入学の動機を、「様々なことにチャレンジできる環境に魅力を感じた」からと話す。大学では、卒業制作につながった学外団体と連携をはじめ、文化祭実行委員、コロナ禍でのサークル活動のためのオンライン活動環境を作り上げるなど、積極的に活動してきた。そんな4年間を「あっという間。駆け抜けちゃったという感じです。いろいろな世界を知ることができ、社会勉強になりました」とさわやかに振り返る。卒業後は、アプリ開発やWebサイトのデザインを手がけたいという。 これから新ラベルが貼られたヨーグルトを手に取るお客さんに対して、「グラデーションの色使いやフォントなどの調和に目を向けてもらえたらとてもうれしいです」とし、「手に取るそれぞれが、好きなところを見つけてほしい」と話した。(柴田大輔)

露のウクライナ侵攻に思うこと 《つくば法律日記》20

【コラム・堀越智也】前回のコラム(1月5日付)で、ソ連邦成立100周年に触れました。こう書くと、ロシアのウクライナ侵攻を示唆していたように聞こえるかもしれません。しかし実は、100周年といってもロシア関連のニュースはそんなにないだろうなと思い、資本主義の話に持っていったわけです。 100周年だから、何か重大事が起きるかもしれないと書いていれば、預言者になれたのですが…。 1月のコラムを読み返して、先見の明のなさを感じながら、正月に何気なく勉強した、ソ連邦の知識を思い出しています。東欧の社会主義圏が消滅し、ソ連邦が解体された後、その構成国がどうなったのか、もやもや状態だったのをすっきりさせたくて、世界史の教科書を読みながら地図を眺めました。 いろいろな文献には、ソ連邦解体後のことについて、早々に独立したバルト3国を除く12の独立国家共同体=緩やかな連合体と書かれています。一方で、プーチンが「強いロシア」の再建を主張して、長期政権となったとも書かれています。 緩やかな連合体の中心に強くなろうとする国がいたら、何が起こるか想像に難くありません。経済的に脆弱(ぜいじゃく)な国は、強い国に依存するか、飲み込まれます。経済的自立ができる国は、強くなろうとする国と対立するようになります。 ロシアから見たウクライナの存在が日本の奈良と京都の関係に近いことが、ウクライナ侵攻の1つの理由に挙げられることがあります。確かに、ウクライナの首都はキエフで、ロシアという国の歴史をさかのぼると、キエフ公国に行きつきます。 ただ、キエフ公国を建てたのはノルマン人ですし、そのキエフ公国はモンゴルに滅ぼされているので、ウクライナが奈良―京都的関係であることは大きな理由になりません。いずれにしても、武力侵攻という手段を取ったことは過ちです。 国際法による抑止力の議論を ウクライナがロシアに侵攻されたことで、日本も核を保有して抑止力を持つことが必要だという意見が増えています。核保有の正否はともかく、抑止力を有するのは核だけではありません。法律にも罰則があれば抑止力になります。 各国には罰則付きの法律があり、国民の犯罪を抑止します。ロシアのウクライナ侵攻は国際法違反と言われますが、グローバリゼーションが進展した今でも、全ての国を規制する法はなく、武力侵攻をピンポイントで抑止する法はありません。 学生のころ、地球上で文化が異なる国々を同じ法でまとめることに違和感を持っていました。しかし、人が生まれたらその地の法律に従わなければならないように、地球上に国をつくった以上、従わなければならない法があるべきなのではないか―。国際法の父・グロティウスが「戦争と平和の法」を著したのは1625年でした。 それ以来、国際法の「母も子」も現れていません。そろそろ、核による抑止力だけでなく、普遍的に適用される国際法による抑止力について、深い議論ができないものでしょうか。(弁護士)

新年度も運営事業者継続へ 不登校の学習支援拠点 つくば市が追加提案 

1位のトライは研究学園駅前に移動 つくば市吾妻、不登校の学習支援拠点「むすびつくば」をめぐって、市が新年度からの運営事業者を公募した結果、新規の民間事業者が1位となり、現在、同拠点を運営するNPO法人リヴォルヴ学校教育研究所(同市二の宮、本山裕子理事長)が次点となったことから、保護者会が、リヴォルヴによる事業継続を市長らに陳情していた問題(1月20日付)で、五十嵐立青市長は3日開かれた3月議会本会議で、リヴォルヴによる事業を現在と同じ場所で新年度も継続するための事業費など約2300万円を追加提案した。 一方、1位となった事業者はトライグループ(本社・大阪市、平田友里恵社長)であることが分かった。トライは公募型プロポーザル方式による選定結果に基づき、市の委託事業として新たに研究学園駅前で4月から不登校の学習支援事業をスタートさせる予定だ。 2カ所とも3月議会で審議され、最終日の23日に採決が行われる。 3日の追加提案によると、学習支援拠点を別の事業者に委託することで現在の利用者や保護者に不安を与えていることから、リヴォルヴが運営するむすびつくばに利用者が引き続き通えるよう、2022年度もリヴォルヴに事業を委託するとした。 議会からは、むすびつくばとトライに通所することになる子どもは金銭的な負担がないが、他のフリースクールに通所している子どもとの格差はどう対処していくか、などの質問が出た。これに対して吉沼正美教育局長は「他市町村を例に制度設計の研究をしていきたい」と答えた。 部屋と備品の使用料が追加発生 市教育局によると、リヴォルヴは今年3月末までの2カ年、市との協働実証事業として年間約1400万円で事業を運営した。現在35人が通所している。新年度は市の委託事業として約2100万円で運営し、受け入れ人数を計40人に増やす。 トライは公募時点では、むすびつくばがある同市吾妻で事業を実施する計画だったが、場所を移す。研究学園駅前のトライ研究学園駅前校で、午前9時30分から午後3時まで、不登校の学習支援事業を新たに展開する。現在、駅前校の利用がない時間帯に実施するという。別の場所に移すことにより、部屋や備品の使用料などが新たに発生し、トライの委託事業費は年間約180万円増え、計約2300万円になる。駅前校の面積はむすびつくばとほぼ同じ約125平方メートル、スタッフ10人程度を配置し、40人を受け入れる方針だ。 トライの委託期間は2025年3月末までの3年間。利用を希望する児童生徒には小中学校を通して3月中に希望を募り、面接をしたり必要な支援内容を個別に聞き取ったりして4月上旬からスタートできるようにするという。 五十嵐市長は「障害のある就学児童には放課後デイサービスなど、国や県が予算を負担する仕組みがあるが、不登校児童生徒には制度設計が足りていない。公設、民間で手を携えて市全体での支援を行なっていきたい」と話した。 むすびつくば存続の方向が示されたことについて、保護者会代表の庄司里奈さん(45)は「議会で発表されてほっとしました。一連の騒動は市内の不登校児童生徒を考えるきっかけになったと思う。公募の方法を含めて市教育局と連携しながら、保護者の立場からどうプランニングできるかみんなで考えていきたい」と語る。 1年先は未確定 むすびつくばは2022年度も存続する方向だが、今回、追加提案された事業費は1年間だけ。1年後どうなるのかは現時点で何も決まっていない。むすびつくばの保護者の一部からは、事業者の存続を求める要望とは別に、市内の不登校児童生徒すべてを、公平に支援するよう求める要望も出ている。 これについて市教育局は、22年度に有識者を加えた検討の場を設け、だれ一人取り残さないことと、公平性の両方の観点から方向性を定めていきたいとしている。(橋立多美)

制服を回収し繕い安く譲渡 市民が息の長いリサイクル活動 つくば

茎崎家庭教育と地域を考える会 寒さが緩み、入学シーズンが間近になった。子どもの成長を喜ぶ一方で親が戸惑うのは、学校指定の制服費用の高さだ。つくば市茎崎地区の市民グループ「茎崎家庭教育と地域を考える会」(三澤春枝代表)は家計の負担を軽減しようと、着なくなった制服を回収し、必要に応じて補修した上で安く譲る息の長いリサイクル活動を続けている。また、制服のリサイクル活動が全国に広がりつつあり、制服リユースショップ「さくらや」つくば店が制服回収と安価での販売に取り組んでいる。 「茎崎家庭教育と地域を考える会」は1990年、旧茎崎町の家庭学級を修了した主婦たちが地域に役立つリサイクル活動を目的に発足した。当時町内は大規模宅地開発が行われ、急激な人口増加に伴って小中学校の増築や新設が進められた。開校した町立茎崎第三小学校は児童数1500人のマンモス校だった。転入生の増加のほか、成長著しい中学生は制服の買い替えを迫られることから、制服リサイクルに取り組むことになった。 発足から32年経った今も、扱うのは茎崎地区の小学校3校(第一、第二、第三小)が指定する体操着と、中学校2校(高崎、茎崎中)指定の制服とジャージ、体操着だ。着なくなった体操着や制服を中学2校と茎崎交流センターに設置したリサイクルボックスで回収し、使用に耐えられるかチェックした上で希望者に販売している。 同地区では中学入学時、学校指定の制服や体操着などを購入すると一式で8万円前後かかる。県立高校は一式約10万円、私立高校は一式15万円以上だ。同会の場合、リサイクルした制服を男女とも上着1500円、中学生のジャージ上下各300円、小学生の体操着上下各200円などで販売する。収益金は各中学校に寄付している。 同会が扱うリサイクル品の多くは、子供たちが2着目として使用する洗い替え用に活用されている。寄付される制服のほとんどは律儀にクリーニングされているという。桜井さんは「年間約100着を扱い、5月に回収と販売の流れが加速する」と話した。 「貧困の相談 コロナ禍以前はなかった」 新型コロナウイルス感染が広がる3年前までは年4回、同センターロビーで販売していた。現在は感染拡大防止対策として奇数月の第3水曜午後1時半から2時半までの1時間とし、少人数による入れ替え制の予約販売に切り替えている。会場は回収した制服を収容しているセンター倉庫室を使っている。 学校から相談を受けることがある。「困窮世帯で中学入学までに制服を購入できない子どもがいる」「引きこもっていた子どもが修学旅行に参加を希望しているが、入学時に購入した制服が成長した体に合わない」などだ。会はどんな場合も対応してきた。一方で「貧困世帯の相談はコロナ禍以前にはなかった」と三澤さんは顔をくもらせる。 現在、会員は3人。古屋野さんは「地域に根づき、待っている人がいるからやりがいがあって楽しい。仲間になりませんか」と呼び掛けている。(橋立多美) ◆入学前のリサイクル販売は3月16日(水)午後1時30分から茎崎交流センターで。予約申し込みと入会の問い合わせは電話029-876-0568(三澤さん、平日の午前9時〜正午)。 ◆学生服リユース専門店のさくらやつくば店は、不要になった学生服の寄付を各所に設置した回収ボックスで受け付け、低価格で販売している。回収ボックスは、竹園高校(つくば市竹園)、土浦自動車学校(土浦市中村南)、わたなべクリーニング「洗濯王」各支店にある。また、つくば市(一部対象外)、土浦市、牛久市を対象に、出張買取を行なっている。入荷商品はインスタグラムで公開している。

春を探しに学園都市を散歩 《ポタリング日記》6

【コラム・入沢弘子】庭先の梅が香りはじめました。梅の別名は春告草。今日はポタリングで春を探しにいきましょう。つくば市の洞峰公園に車を止め、折りたたみ自転車「BROMPTON(ブロンプトン)」を組み立てたらスタート。 つくばでは老舗の洋食店、パン屋などが並ぶ洞峰公園通りを進んでいくと、左手に筑波宇宙センター、右手に産業技術総合研究所つくばセンター。東大通りを渡ると、左手に物質・材料研究機構の国際ナノアーキテクトニクス研究拠点、右手に産総研つくばセンターつくば東事業所と続きます。 この並木地区は、世界有数の研究機関が隣接する地域。垣根のない芝生の庭に造られた低層の公務員宿舎、電線のない街並み、縦横に整備された車線の多い道路は、まるでシリコンバレー周辺の景観のようでした。30年前にパロアルト(米カリフォルニア州)からつくばに引っ越した際、違和感がなかったのはそのためでしょう。 直進していくと視界が開けました。畑が広がり筑波山がくっきり見えています。花室川の橋の上で振り返ると、つくばセンターの三井ビルと高層マンション群。下は枯れ草に覆われた川辺に遊ぶカモの群れ。花室川流域の地層は約3万年前に形成されたもので、ナウマンゾウの化石が発見された場所。新旧が混在したこの景色を眺めるのが好きです。 ここは難読地名で有名な、大角豆(ささぎ)地区。農家の家屋、道端の石碑や祠(ほこら)に癒されます。あぜ道にははうようにタンポポが咲いていました。河川沿いに田園地区を抜け、桜南小学校に出ます。約150年続く歴史ある小学校です。学校裏手から再び田園地帯へ向かうと、畑や雑木林の周辺に建設中の住宅が増えてきました。藤沢荒川沖線を渡り、並木地区に戻ると景色が一変しています。 数年離れていると「浦島太郎」に 段階的に売却が進められていた公務員宿舎の跡地には、分譲住宅地やマンションが完成していました。桜南スポーツ公園や並木公園の周辺も、すべて一般住宅地。並木ショッピングセンターの隣には、新業態スーパー「ブランデ」ができています。この地域に約1800戸あった公務員宿舎が消え、新しいまちに生まれ変わっていました。数年離れていると、浦島太郎の気分になるのではないでしょうか。 藤沢荒川沖線に戻り国道を渡ると、「いちご狩り」の看板。田村農園はミニチュアホースのいる農産物直売所です。イチゴを買って元の道へ。梅の木通りの梅の香りを楽しみながら東大通りを渡り、ペデストリアンデッキを進みます。 梅園公園に到着しました。小山の上に腰を降ろし、梅林を見渡します。花は3分咲きぐらいでしょうか。ここは、つくばに越してきたころから変わらない景色。梅の木は高く、大きくなりましたね。甘酸っぱいイチゴを口に含むと、懐かしい記憶がよみがえってきました。 お弁当持参で散歩した日、ベビーカーを押して日光浴をした日…。激変するつくば市内ですが、変わらない場所を見つけるとホッとします。 梅園公園から赤塚公園を経由し、洞峰公園に至るつくば公園通りも、以前の面影をとどめています。思い出に浸りながら戻るといたしましょう。(広報コンサルタント)

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